以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより6個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)3が設けられている。このLCD3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、球がこの図柄作動口4を通過することにより(図2において後述する第1種始動口スイッチ22が球を検知すると)、前記したLCD3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5a内を通過すると(図2において後述するVカウントスイッチ23が球を検知すると)、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
図2は、パチンコ機Pと遊技機管理装置(外部管理装置)50との電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板Cと、賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、パチンコ機Pの売上げデータや払い出される賞球数等を管理している遊技機管理装置50との電気的構成を示したブロック図である。
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるMPU11と、そのMPU11に搭載されて実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMエリア12と、MPUワークメモリ等として使用されるRAM13エリアとを備えている。図3から図6のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラムの一部としてROMエリア12内に記憶されている。またRAMエリア13には、賞球バッファ13aと、賞球ポインタ13bと、残賞球数カウンタ13cと、管理カウンタ13dと、送信バッファ13eと、バックアップエリア13fとが設けられている。
賞球バッファ13aは、遊技盤1へ打ち込まれた球が複数の入賞口2等へ入賞した場合に、払い出される賞球数を記憶するバッファである。払い出される賞球数は入賞した球毎に賞球バッファ13aへ記憶されるので、賞球バッファ13aは複数バイトで構成されている。賞球バッファ13aに記憶された賞球数のデータは、賞球コマンドとして払出制御基板Hに送信されて、後述する管理カウンタ13dへ書き込まれると、賞球バッファ13aから消去される。具体的には、0番目の賞球バッファ13aに記憶される賞球数を払出制御基板Hへ送信し、管理カウンタ13dへ書き込んだ後、1番目以降の賞球バッファ13aの値を小さいアドレス側へ順に1バイトずつシフトすることによって、0番目の賞球バッファ13aの値が消去される。
ここで、賞球コマンドとは、払い出される賞球数を払出制御基板Hへ指示するためのコマンドであり、1バイトで構成されている。1回の入賞に対する最大の賞球数は15球であるので、賞球コマンドを1バイトで構成する場合には、その最大賞球数に対応した「01H」〜「0FH」の15種類のデータを賞球コマンドとしている。即ち、1バイトで構成されるコマンドの上位4ビットが「0」の場合に賞球コマンドとしている。
賞球ポインタ13bは、賞球数を記憶させる賞球バッファ13aの位置を示すポインタであり、払い出される賞球数は、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ記憶される。この賞球ポインタ13bの値は、賞球バッファ13aへ賞球数を書き込むことにより「1」加算され、逆に、0番目の賞球バッファ13aの値が払出制御基板Hへ送信されることにより「1」減算される。
残賞球数カウンタ13cは、未払いの賞球数を記憶するカウンタであり、払出制御基板Hによって払い出される賞球数を主制御基板Cで管理するためのカウンタである。残賞球数カウンタ13cの値は、主制御基板Cが払出制御基板Hへ賞球の払い出しを指示する毎に、その指示した数が加算され、逆に、払出制御基板Hによって賞球の払い出しが行われて、その払い出された賞球を賞球カウントスイッチ25が検出する毎に「1」ずつ減算される。
管理カウンタ13dは、払い出されるべき賞球数を記憶するカウンタであり、この管理カウンタ13dの値が予め定められた所定値(本実施例では「10」、又は、「20」)を超えた場合に、ROMエリア12に記憶されている制御プログラムにより(信号送信処理、図6参照)、外部出力コネクタ18へ1パルスが10球分の賞球数データに相当する信号を、1パルス又は2パルス出力するように構成されている。この管理カウンタ13dに賞球数データが書き込まれるタイミングは、図5の賞球処理のフローチャートにおいて詳述する。
送信バッファ13eは、払出制御基板Hへ送信されるコマンドデータを記憶するためのバッファであり、1バイトで構成されている。送信バッファ13eに書き込まれたコマンドデータが払出制御基板Hへ送信されると、送信バッファ13eの内容は0クリアされる。
バックアップエリア13fは、球詰まりや球切れ等によるエラーの発生、又は、停電などの発生によりパチンコ機Pの制御が停止した場合、パチンコ機Pの状態を制御停止前の状態に復帰させるため、制御停止時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア13fへの書き込みは、NMI割込処理(図3参照)によって制御停止時に実行され、逆にバックアップエリア13fに書き込まれた各値の復帰は、制御開始時(停電解消による電源入も含む。以下、同様)の復帰処理(復電処理、図4参照)において実行される。
MPU11は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン14を介して入出力ポート15に接続されている。入出力ポート15は、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,36および信号線17を介して払出制御基板Hと接続されるほか、外部出力コネクタ18と、複数の普通入賞スイッチ21と、第1種始動口スイッチ22と、Vカウントスイッチ23と、10カウントスイッチ24と、賞球カウントスイッチ25と、他の入出力装置26とがそれぞれ接続されている。
外部出力コネクタ18は、パチンコ機Pと外部管理装置である遊技機管理装置50とを接続するためのコネクタである。この外部出力コネクタ18を介して、主制御基板Cおよび払出制御基板Hで行われる制御内容が信号として遊技機管理装置50へ出力される。なお、主制御基板Cおよび払出制御基板Hから出力される信号は、それぞれ波長を異ならせることにより(例えば、賞球数データの信号の波長は100ms等)、遊技機管理装置50へ出力する信号のデータを異ならせることができるように構成されている。
普通入賞スイッチ21は、遊技盤1内の複数の入賞口2へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各入賞口2の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ22は、図柄作動口(第1種始動口)4を通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。普通入賞スイッチ21のいずれか又は第1種始動口スイッチ22によって球が検出されると、払出制御基板Hによって6個の賞球が払い出される。
Vカウントスイッチ23は、特定入賞口(大入賞口)5内のVゾーン5aへ入賞した球を検出するためのスイッチであり、また、10カウントスイッチ24は、特定入賞口5内のVゾーン5a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ23又は10カウントスイッチ24により球が検出されると、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。
賞球カウントスイッチ25は、後述する払出用モータ25によって払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、払出用モータ25と共に払出ユニット(図示せず)に搭載されている。この賞球カウントスイッチ25は、球を検出する毎に、上述した残賞球数カウンタ13cから「1」減算するように構成されている。
上述したように、この主制御基板Cは、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,36および信号線17を介して、払出制御基板Hと接続されている。このため主制御基板Cと払出制御基板Hとの間における賞球コマンド等の各コマンドの送受信は、主制御基板Cから払出制御基板Hへの一方向のみに行われ、払出制御基板Hから主制御基板Cへ行うことはできない。なお、主制御基板Cと払出制御基板Hとは、8本のデータ線と1本のストローブ線とにより接続されており、ストローブ線のデータがアクティブになったとき、8本のデータ線上に出力されているデータが主制御基板Cから払出制御基板Hへコマンドとして送信される。
払出制御基板Hは、賞球や貸球の払出制御を行うものであり、演算装置であるMPU31と、そのMPU31に搭載されて実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMエリア32と、MPU31に搭載されてワークメモリ等として使用されるRAMエリア33とを備えている。
MPU31は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン34により入出力ポート35に接続されている。入出力ポート45は、前述した入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,36および信号線17を介して主制御基板Cと接続されるほか、賞球カウントスイッチ25、ドライバ回路37aおよび他の入出力装置38と接続されている。
ドライバ回路37aは、払出用モータ37bを駆動し回転させるための回路である。このドライバ回路37aにより払出用モータ37bが回転されると賞球または貸球の払い出しが行われる。
電源基板40は、パチンコ機Pの駆動電圧を供給するための基板であると共に、パチンコ機Pの状態に基づいてバックアップ用電圧の供給、リセット信号、RAMクリア信号及び停電信号等を出力するものである。主制御基板C及び払出制御基板Hは、この電源基板40から供給される5Vの駆動電圧により駆動されている。この電源基板40には、停電等の発生による電源断時に、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの各MPU11,31のNMI端子へ停電信号を出力するための回路である停電監視回路40aが設けられている。
この停電監視回路40aは、電源基板40から出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号を出力するように構成されている。この停電信号の出力によって、主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電処理(NMI割込処理、図3参照)を実行する。なお、電源基板40は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間(停電時処理に好適な実行タイミングの待ち時間を含む)、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板Cおよび払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができる。
クリアスイッチ41は、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの各RAMエリア13,33にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ41が押下された状態でパチンコ機Pの電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、RAMクリア信号が主制御基板Cおよび払出制御基板Hへ出力され、RAMエリア13,33のデータがそれぞれクリアされる。
主制御基板Cおよび払出制御基板Hを搭載したパチンコ機Pは、上述した外部出力コネクタ18を介して、パチンコ機Pで行われる遊技や売上げデータ等を管理する遊技機管理装置50と接続されている。なお、遊技機管理装置50は、遊技場(ホール)内の複数台のパチンコ機等と接続されており、その複数台のパチンコ機で行われる遊技等に関するデータを集計している。
遊技機管理装置50は、演算装置であるMPU51と、そのMPU51に搭載されて実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMエリア52と、MPU51に搭載されてワークメモリ等として使用されるRAMエリア53と、書換可能な不揮発性のメモリであるハードディスク54とを備えている。図7のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラムの一部としてROMエリア52内に記憶されている。また、遊技機管理装置50のハードディスク54には、パチンコ機Pの賞球数や遊技状態を管理している管理メモリ54aが設けられている。
管理メモリ54aは、主制御基板Cから出力される信号に基づいて賞球数を管理しておくためのメモリである。この管理メモリ54aは、主制御基板Cから外部出力コネクタ18を介して1パルスの賞球数データの信号を受信する毎に、そのメモリに「10」の賞球数を加算していくものである。よって、主制御基板Cで行われる賞球の払出個数を集計することができる。
MPU51は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン55により入出力ポート56に接続されている。入出力ポート56は、パチンコ機Pの外部出力コネクタ18と接続されるほか、上述したハードディスク54と、他の入出力装置57とに接続されている。
次に、図3から図7に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cおよび遊技機管理装置50で行われる各処理について説明する。図3は、停電発生等により電源基板40の停電監視回路40aから停電信号が出力された場合に主制御基板Cで実行されるNMI割込処理のフローチャートである。停電の発生等によりパチンコ機Pの電源が断されると、停電監視回路40aから停電信号が主制御基板Cおよび払出制御基板HのMPU11,31のNMI(Non Maskable Interrput)端子へ出力される。MPU11,31は、NMI端子に停電信号が入力されると、実行中の制御を中断して、図3のNMI割込処理を開始する。停電信号が出力された後所定時間は、主制御基板Cおよび払出制御基板Hの処理が実行可能なように、電源基板40からは制御系の電力が供給されており、この所定時間内に図3のNMI割込処理が実行される。
図3のNMI割込処理では、まず、スタックポインタをバックアップエリア13fに書き込み(S1)、更に、各レジスタ及びI/O等の値をバックアップエリア13fへ書き込んで(S2)、停電発生等による電源断時の状態を記憶する。そして、その他の停電処理を行い(S3)、その後は電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
図4は、パチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cで実行される立ち上げ処理(復電処理)のフローチャートである。この処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア13fに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御が電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ41が押下された場合には、初期化処理を実行する。
まず、割込を禁止し(S11)、次に、本来のスタック領域にスタックされているデータを壊さないために、仮のスタックポインタを設定する(S12)。そして、クリアスイッチ41がオンされているか否かを確認し(S13)、オンされていれば(S13:Yes)、処理をS15へ移行して初期化処理を実行する。クリアスイッチ41がオンされていなければ(S13:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S14)。この確認は、RAMエリア13の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S14:Yes)、処理をS21へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが有効でなければ(S14:No)、処理をS15へ移行して初期化処理を実行する。
S15からの初期化処理では、まず、正規のスタックポインタを設定し、スタックの内容を整えた後(S15)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S16)、RAMエリア13及びI/O等の各値を初期化する。その後、割込禁止状態のまま、立ち上げ終了コマンドを払出制御基板Hへ送信し(S17)、主制御基板Cで初期化処理が実行されて立ち上がったことを払出制御基板Hへ報せる。払出制御基板Hは、主制御基板Cに比べて処理が軽いので、主制御基板Cより先に立ち上げ処理(復電処理)が終了する。よって、払出制御基板Hは、主制御基板Cから送信される立ち上げ終了コマンドを確実に受信することができる。主制御基板Cは、立ち上げ終了コマンドの送信後は、払出制御基板Hも確実に立ち上がっているので、割込を許可し(S18)、処理をS19の各処理へ移行して、遊技の制御を開始する(S19)。
S21からの復帰処理(復電処理)では、まず、バックアップエリア13fへ退避した各レジスタやI/O等の値をそのバックアップエリア13fから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込んで停電前(NMI割込発生前)の状態に戻す(S21)。次に、バックアップエリア13fからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、停電前(NMI割込発生前)の状態に戻す(S22)。その後、割込を許可し(S23)、NMI割込をリターンして、処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。これにより主制御基板Cでの復電処理を終了する。
図5は、主制御基板Cの各処理(S19)で実行される賞球処理のフローチャートである。賞球処理は、複数の入賞口2や図柄作動口4或いは特定入賞口5内のVゾーン5aへ入賞した球を検出する入賞検出処理(S30)と、賞球コマンドを払出制御基板Hおよび遊技機管理装置50へ送信する賞球コマンド送信処理(S40)と、払出制御基板Hによって払い出された賞球を検出する賞球検出処理(S50)との3つの処理によって構成されている。ここで、賞球コマンド送信(S40)により、払出制御基板Hへ所定数の賞球コマンドが送信されると共に、遊技機管理装置50へも賞球コマンドが送信される。
入賞検出処理(S30)では、まず、いずれかの普通入賞スイッチ21又は第1種始動口スイッチ22により、球が検出されたか否かを確認する(S31)。いずれかのスイッチ21,22によって球が検出された場合には(S31:Yes)、6個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ「6」を書き込み(S32)、賞球ポインタ13bの値を「1」加算する(S33)。一方、いずれのスイッチ21,22によっても球が検出されない場合には(S31:No)、S32及びS33の処理をスキップして、S34の処理へ移行する。
S34の処理では、Vカウントスイッチ23又は10カウントスイッチ24により球が検出されたか否かを確認する(S34)。いずれかのスイッチ23,24によって球が検出された場合には(S34:Yes)、15個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ13bの値番目の賞球バッファ13aへ「15」を書き込み(S35)、賞球ポインタ13bの値を「1」加算する(S36)。一方、いずれのスイッチ23,24によっても球が検出されない場合には(S34:No)、S35およびS36の処理をスキップして、入賞検出処理(S30)を終了し、S40の賞球コマンド送信処理へ移行する。
賞球コマンド送信処理(S40)では、まず、賞球ポインタ13bの値が「0」であるか否かを調べる(S41)。賞球ポインタ13bの値が「0」でなければ(S41:No)、払い出すべき賞球数のデータが賞球バッファ13aに記憶されているということなので、0番目の賞球バッファ13aの値を賞球コマンドとしてセットし、その賞球コマンドを払出制御基板Hへ送信する(S42)。賞球コマンドの送信後は、その賞球コマンドによって送信した賞球数データである0番目の賞球バッファ13aの値を残賞球数カウンタ13cへ加算すると共に(S43)、0番目の賞球バッファ13aの値を管理カウンタ13dへ加算する(S44)。管理カウンタ13dへ加算した後は、外部出力コネクタ18を介して遊技機管理装置50へ賞球数データを出力する信号送信処理を行う(S45、図6参照)。
図6は、信号送信処理(S45)のフローチャートである。この信号送信処理を行うことにより、パチンコ機Pで払い出される賞球数がパルス信号として遊技機管理装置50へ出力される。なお、本実施例では、10球分の賞球を1パルスの信号として外部出力コネクタ18を介して遊技機管理装置50へ出力するものである。
この信号送信処理(S45)では、まず、管理カウンタ13dの値が「20」以上に更新されたか否かを確認する(S61)。確認の結果、管理カウンタ13dの値が「20」以上に更新されていれば(S61:Yes)、2パルスの信号を外部出力コネクタ18を介して遊技機管理装置50へ出力し(S62)、管理カウンタ13dの値から「20」減算して(S63)、この信号送信処理を終了する。
一方、S61の処理において、管理カウンタ13dの値が「20」以上に更新されていなければ(S61:No)、次に、管理カウンタ13dの値が「10」以上に更新されたか否かを確認する(S64)。確認の結果、管理カウンタ13dの値が「10」以上に更新されていれば(S64:Yes)、1パルスの信号を外部出力コネクタ18を介して遊技機管理装置50へ出力し(S65)、管理カウンタ13dの値を「10」減算して(S66)、この信号送信処理を終了する。なお、S64の処理において、管理カウンタの値が「10」以上に更新されていない場合は(S64:No)、この信号送信処理を終了する。
従来、バックアップ機能がついたパチンコ機Pにおいて、パチンコ機Pから遊技機管理装置50へ出力される賞球の払出個数情報は、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球コマンドが送信され、払出制御基板Hがその賞球コマンドに基づいた賞球の払い出しを所定数実行してから、主制御基板Cまたは払出制御基板Hは遊技機管理装置50へ賞球の払出個数情報を出力していた。遊技機管理装置50は、所定時間(例えば、1時間)にパチンコ機Pからいくつの賞球が払い出されているかを集計しており、その集計結果に基づいて遊技場の管理者はパチンコ機Pの設定を変更していた。
ここで、バックアップ機能を備えたパチンコ機Pは、何らかの原因により賞球の払い出しが滞ってしまった場合(例えば、球詰まり、下皿満タン状態、又は、球タンク球切れ等)でも、その払い出されるべき賞球を記憶しているので(例えば、1時間分の賞球、または、1000球分の賞球)、その賞球コマンドを記憶しておき、その記憶された賞球コマンドに応じた賞球を一気に払い出すことが可能であった。
しかし、かかる場合に、遊技機管理装置50は、払出制御基板Hによって払い出される賞球数を集計しているので、遊技機管理装置50に集計される賞球の払出個数情報は、主制御基板Cから賞球コマンドが送信されたタイミングとは異なったタイミングで遊技機管理装置50に出力される。よって、遊技機管理装置50に不適切なタイミングで賞球数が集計されてしまう。
そこで、パチンコ機Pから遊技機管理装置50へ出力される賞球の払出個数情報を、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球コマンドを送信するタイミングで遊技機管理装置50へ出力することにより、遊技機管理装置50に正確かつ適切な賞球の払出個数情報を集計させることができる。
信号送信処理の終了後は、処理を図5の賞球処理に戻して、S46の処理を実行する。S46の処理では、1番目以降の賞球バッファ13aの値を小さいアドレス側へ順に1バイトずつシフトして(S46)、賞球バッファ13aの値を更新すると共に、送信した0番目の賞球バッファ13aの値を消去し、更に、賞球ポインタ13bの値を「1」減算する(S47)。なお、S41の処理において、賞球ポインタ13bの値が「0」であれば(S41:Yes)、払い出すべき賞球数のデータは賞球バッファ13aに記憶されていないので、S42〜S47の各処理をスキップしいて、賞球コマンド送信処理(S40)を終了し、S50の賞球検出処理へ移行する。
賞球検出処理(S50)では、まず、賞球カウントスイッチ25が球を検出したか否かを判断する(S51)。賞球カウントスイッチ25が球を検出した場合には(S51:Yes)、賞球が1個払い出されたということなので、残賞球数カウンタ13cの値を確認し(S52)、その値が「0」でなければ(S52:No)、払い出された賞球に対応して残賞球数カウンタ13cの値を「1」減算する(S53)。一方、賞球カウントスイッチ25が球を検出していない場合には(S51:No)、賞球は払い出されていないので、また、賞球カウントスイッチ25のオンが検出されても残賞球数カウンタ13aの値が「0」であれば(S51:Yes,S52:Yes)、残賞球数カウンタ13cの値を減算することはできないので、S53の処理をスキップして、賞球検出処理(S50)を終了する。これにより、図5に示す賞球処理が終了する。
次に、図7を参照して、遊技機管理装置50で行われる信号受信処理を説明する。図7は、信号受信処理のフローチャートである。この信号受信処理を行うことにより、主制御基板Cから出力された賞球数を示すパルス信号を遊技機管理装置50が受信して、そのパルス信号に応じて、ハードディスク54の管理メモリ54aに賞球数が加算される。
信号受信処理では、まず、主制御基板Cから1パルスの信号が受信したか否かを確認する(S71)。主制御基板Cから1パルスの信号が受信していれば(S71:Yes)、10球分の賞球がパチンコ機Pで払い出されるということなので、管理メモリ54aに賞球数「10」を加算して(S72)、この信号受信処理を終了する。一方、S71の処理において、主制御基板Cから1パルスの信号を受信していなければ(S71:No)、S72の処理をスキップして、この信号受信処理を終了する。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機Pによれば、パチンコ機Pから遊技機管理装置50へ出力される賞球の払出個数情報を、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球コマンドを送信するタイミングで遊技機管理装置50へ出力する。従って、パチンコ機で行われる遊技情報を適確に遊技機管理装置50へ出力することができるので、遊技機管理装置50においてパチンコ機の正確な遊技情報を把握させることができる。
次に、図8および図9を参照して、第2実施例について説明する。前記した第1実施例では、主制御基板Cは、入力および出力が固定的なバッファ(インバータゲート)16,36および信号線17を介して、払出制御基板Hと接続されていた。このため、主制御基板Cおよび払出制御基板Hとの間における賞球コマンド等の各コマンドの送受信は、主制御基板Cから払出制御基板Hへの一方向のみに行われ、払出制御基板Hから主制御基板Cへ行うことができなかった。
これに対し、第2実施例では、主制御基板Cと払出制御基板Hとの接続を、バッファ(インバータゲート)等を用いることなく複数の信号線17aで構成し、主制御基板Cおよび払出制御基板Hのコマンド等の送受信を双方向で行うことができるようにする。よって、払出制御基板Hから主制御基板Cへコマンドを送信することができるので、払出制御基板Hは、主制御基板Cから受信した賞球コマンドに基づいた受信完了コマンドを主制御基板Cへ送信することができる。従って、主制御基板Cは、払出制御基板Hからの受信完了コマンドを受信することにより、払出制御基板Hで正常に賞球コマンドが正常に受理されたことを認識することができるのである。
なお、第2実施例の説明にあたり、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図8は、パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。主制御基板Cは、信号線17aを介して、払出制御基板Hと接続されており、主制御基板Cおよび払出制御基板Hにおいて双方向通信が可能に構成されている。主制御基板Cと払出制御基板Hとを接続する信号線17aは、8本のデータ線と1本のストローブ線とにより接続されており、ストローブ線のデータがアクティブになったとき、8本のデータ線上に出力されているデータが主制御基板Cから払出制御基板Hへコマンドとして送信される。
図9は、払出制御基板で行われるフィードバック処理のフローチャートである。払出制御基板Hは、主制御基板Cから賞球コマンドを受信すると、その度に割り込みが発生させ、このフィードバック処理を行う。このフィードバック処理は、払出制御基板Hが賞球コマンドを正常に受信したことを示す受信完了コマンドを主制御基板Cへ送信する処理である。なお、このフィートバック処理のプログラムは、払出制御基板HのROMエリア32に記憶されている。
フィードバック処理では、まず、主制御基板Cから賞球コマンドを受信したか否かを確認する(S81)。確認の結果、主制御基板Cから賞球コマンドを受信していれば(S81:Yes)、賞球コマンドを受信したことを示す受信完了コマンドを主制御基板Cへ送信して(S82)、このフィードバック処理を終了する。一方、S81の処理で、主制御基板Cから賞球コマンドを受信していない場合は(S81:No)、このフィードバック処理を終了する。
以上説明したように、第2実施例のパチンコ機Pによれば、主制御基板Cおよび払出制御基板Hのコマンド等の送受信を双方向で行うことができるように構成することにより、払出制御基板Hから主制御基板Cへコマンドを送信することができるので、払出制御基板Hは、主制御基板Cから受信した賞球コマンドを受信した場合に、その賞球コマンドを正常に受信したことを示す受信完了コマンドを主制御基板Cへ送信することができる。よって、主制御基板Cは、払出制御基板Hからの受信完了コマンドを受信することにより、払出制御基板Hで賞球コマンドが正常に受理されたことを認識することができる。従って、主制御基板Cは、払出制御基板Hからの受信完了コマンドを受信した後に(又は、受信したタイミングで)、遊技機管理装置50へ賞球数を示す信号を出力することにより、遊技機管理装置50に正確な遊技情報を把握させることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、第1実施例では、主制御基板Cが払出制御基板Hへ賞球コマンドを送信したタイミングで、主制御基板Cが外部出力コネクタ18を介して遊技機管理装置50へ賞球数データの信号を出力していた。これに代えて、主制御基板Cから送信した賞球コマンドを払出制御基板Hが受信したタイミングで、払出制御基板Hが外部出力コネクタ18を介して遊技機管理装置50へ賞球数データの信号を出力するように構成しても良い。この場合において、払出制御基板Hは、主制御基板Cからの賞球コマンドを受信したタイミングで、遊技機管理装置50へ賞球コマンドによって払い出される賞球数データを出力する。従って、遊技機管理装置50は、払出制御基板Hが払い出すべき賞球の個数と同等の賞球数を認識することができる。
また、払出制御基板Hが主制御基板Cから賞球コマンドを受信したタイミングで遊技機管理装置50へ賞球数データを出力し、且つ、主制御基板Cが払出制御基板Hへ賞球コマンドを送信するタイミングで遊技機管理装置50へ賞球数データを出力するように構成しても良い。これにより、遊技機管理装置50は払出制御基板Hから出力された賞球数データと主制御基板Cから出力された賞球数データとを比較することができるので、主制御基板Cが払出制御基板Hへ出力した賞球コマンドにノイズ等の影響によるデータ化けや欠落等が発生しているか否かを認識することができる。
更に、本実施例では、賞球の払出個数のデータを主制御基板Cが払出制御基板Hへ送信するタイミングで遊技機管理装置50へその賞球数データの信号を出力していた。これに代えて、賞球数データ以外のコマンドを主制御基板が各制御基板に送信するタイミングで、そのコマンドに応じたデータ信号を遊技機管理装置50へ出力するように構成しても良い。
また、複数の入賞口2、図柄作動口4または特定入賞口5に球が入賞したタイミングで主制御基板Cまたは払出制御基板Hから遊技機管理装置50へ賞球の払出個数情報を出力するように構成しても良い。
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の変形例を示す。遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力される払出指示に基づいて所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段とを備えた遊技機において、前記払出制御手段は、前記主制御手段からの払出指示を受信した場合に、前記払出指示によって払い出される遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力するものであることを特徴とする遊技機1。払出制御手段が主制御手段からの払出指示を受信した場合に、その払出指示によって払い出される遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力する。よって、払出制御手段が払い出すべき遊技媒体の個数と同等の遊技媒体の払出個数を外部へ出力することができるので、遊技機で行われる制御の内容を適確に外部へ出力することができる。
遊技機1において、前記主制御手段は、前記払出指示によって払い出される遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力するものであることを特徴とする遊技機2。払出制御手段から外部へ払出個数情報を出力すると共に、主制御手段から外部(例えば、遊技機管理装置)へ払出個数情報を出力する。よって、遊技機管理装置では、払出制御手段から出力された払出個数情報と主制御手段から出力された払出個数情報とを比較することができるので、主制御手段が払出制御手段へ出力した払出指示にノイズ等の影響によるデータ化けや欠落等が発生しているか否かを認識することができる。
遊技機1又は2において、前記主制御手段は、前記払出制御手段へ払出指示を出力する場合に前記遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力するものであることを特徴とする遊技機3。主制御手段から払出個数情報を外部へ出力する場合と、払出制御手段から払出個数情報を外部へ出力する場合とを略同タイミングにできるので、外部(例えば、遊技機管理装置)に遊技媒体の払出個数情報の管理を確実に行わせることができる。なお、主制御手段から遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力する場合と、主制御手段から払出制御手段へ遊技媒体の払出指示を出力する場合とは、前後しても良い。例えば、主制御手段は、払出制御手段に払出指示を出力する前に遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力しても良いし、主制御手段が払出制御手段へ遊技媒体の払出指示を出力した後で遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力しても良い。
遊技が行われる遊技盤と、その遊技盤内に設けられた複数の入賞口と、その入賞口内に設けられて入賞口に入賞した遊技媒体を検出する検出手段と、遊技の制御を行う主制御手段とを備えており、前記主制御手段は、前記検出手段が遊技媒体を検出した場合に、その検出した遊技媒体に応じた遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力するものであることを特徴とする遊技機4。入賞口に遊技媒体が入賞した場合(タイミング)に遊技媒体の払出個数情報を主制御手段から外部へ出力することができる。よって、遊技機管理装置等の外部装置において正確な遊技情報を把握させることができる。
遊技が行われる遊技盤と、その遊技盤内に設けられた複数の入賞口と、その入賞口内に設けられて入賞口に入賞した遊技媒体を検出する検出手段と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力される払出指示に基づいて所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出し払出制御手段とを備えており、前記主制御手段は、前記検出手段が遊技媒体を検出した場合に、その検出した遊技媒体に応じた払出指示を前記払出制御手段へ出力するものであり、前記払出制御手段は、前記主制御手段からの払出指示を受信した場合に、前記払出指示によって払い出される遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力するものであることを特徴とする遊技機5。入賞口に遊技媒体が入賞した場合(タイミング)に遊技媒体の払出個数情報を主制御手段を介して払出制御手段から外部へ出力することができる。よって、遊技機管理装置等の外部装置において正確な遊技情報を把握させることができる。
遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力される払出指示に基づいて所定の有価価値を有する遊技媒体を払い出す払出制御手段とを備えた遊技機において、前記払出制御手段は、前記主制御手段からの払出指示に基づいた遊技媒体の払い出しが完了した場合に前記主制御手段へ払出完了指示を出力すると共に、前記主制御手段は、前記払出制御手段から前記払出完了指示を受信した場合に前記払出完了指示によって払い出された遊技媒体の払出個数情報を外部へ出力するものであることを特徴とする遊技機6。主制御手段および払出制御手段の信号等の入出力を双方向で行うことができるように構成することにより、払出制御手段から主制御手段へ信号を出力することができるので、払出制御手段は、主制御手段から受信した遊技媒体の払出指示を受信した場合に、その払出指示を正常に受信したことを示す受信完了指示を主制御手段へ出力することができる。よって、主制御手段は、払出制御手段からの受信完了指示を受信することにより、払出制御手段で遊技媒体の払出指示が正常に受理されたことを認識することができる。従って、主制御手段は、受信完了指示を受信した後に(又は、受信した場合に)、外部(例えば、遊技機管理装置)へ遊技媒体の払出個数情報を示す信号を出力することにより、主制御手段および遊技機管理装置は、払出制御手段で実際に払い出される遊技媒体の払出個数情報を正確に認識することができる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から6のいずれかにおいて、前記遊技媒体は賞球であり、前記主制御手段および払出制御手段は、前記賞球の払出指示を記憶する記憶手段と、その記憶手段の内容を電源切断後においても保持するバックアップ手段とを備えており、電源入時にそのバックアップ手段によりバックアップされた前記記憶手段の賞球の払出指示に基づいて賞球を払い出すものであることを特徴とする遊技機7。従来、バックアップ手段によるバックアップ機能がついた遊技機では、遊技機から外部(例えば、遊技機管理装置)へ出力される賞球の払出個数情報は、主制御手段から払出制御手段へ賞球の払出指示が出力され、払出制御手段がその払出指示に基づいた賞球の払い出しを所定数実行してから、主制御手段又は払出制御手段は外部へ賞球の払出個数情報を出力していた。遊技機管理装置は、所定時間(例えば、1時間)で遊技機からいくつの賞球が払い出されているかを集計しており、その集計結果に基づいて遊技場の管理者は遊技機の設定を変更していた。ここで、バックアップ手段を備えた遊技機は、何らかの原因により賞球の払い出しが滞ってしまった場合(例えば、球詰まり、下皿満タン状態、又は、球タンク球切れ等)でも、その払い出されるべき賞球を記憶しているので(例えば、1時間分の賞球、または、1000球分の賞球)、その払出指示を記憶しておき、その記憶された賞球の払出指示で払い出されるべき賞球を一気に払い出すことが可能であった。しかし、かかる場合に、遊技機管理装置は、払出制御手段から払い出された賞球数を集計しているので、遊技機管理装置に集計される賞球の払出個数情報は、主制御手段から払出指示が出力されたタイミングとは異なったタイミングで遊技機管理装置に出力される。よって、遊技機管理装置は、不適切なタイミングで賞球数を集計することになり、遊技の制御内容を適確に把握することができない。そこで、遊技機から遊技機管理装置へ出力される賞球の払出個数情報を、払出制御手段が主制御手段からの払出指示を受信したタイミング、又は、主制御手段が払出制御手段からの払出完了指示を受信したタイミングで遊技機管理装置へ出力することにより、遊技機管理装置等の外部装置が遊技機で行われる制御の内容を正確に把握することができる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機8。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。