JP5162722B1 - 医療用ナット - Google Patents

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Abstract

ナットをナット除去治具と一体化し、体外に容易に取り出す。
【解決手段】ナット除去治具15を皮下組織E内に挿入し、その筒部15aをナット12の外表面の逆外ねじ部12fに当接させる。そして、ナット除去治具15を反時計回り、つまり逆ねじ方向に回転させることで、ナット12の逆外ねじ部12fとナット除去治具15の逆内ねじ部15cとを螺合し除去治具15がナット12と一体化する。
更に、除去治具15を反時計回りに回転させると、この回転はナット12に伝達され、ナット12がスクリュー11に対し反時計回りに回転を始め、ナット12の正内ねじ部12cは螺合しているスクリュー11の正外ねじ部11bから徐々に抜け始める。ナット12は除去治具15と一体化しているため、ナット12を引きながら回転させることにより、ナット12を体内に取り外すことができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、骨を貫通した医療用スクリューを固定するために体内で使用する医療用ナットに関するものである。
図17に示すように骨折した場合は骨折部位Aに対し、ほぼ直交するように金属製の医療用スクリュー1を骨B内に捩じ込み、スクリュー1により骨折部位Aを貫通し骨折部位Aの接合処理を行うことがある。スクリュー1には先端の外表面に外ねじ部1aが形成されているので、スクリュー1を捩じ込むことで、外ねじ部1aにより骨折部位Aの接合面Cが強固に固定され、骨折部位Aが再生する。
しかし、骨の骨密度には個人差があり、特に高齢者は骨内に空洞が多数形成され、骨密度が若年層に比べて低くなっている。骨密度が低い骨Bにスクリュー1を捩じ込むと、スクリュー1の外ねじ部1aが骨Bに強固に固定されず、骨Bとスクリュー1との間に隙間が生ずる。
接合処理から時間が経過すると、捩じ込まれた骨Bに金属に対する拒絶反応が発生することもあり、骨Bとスクリュー1との間に更に隙間が生じ、余計に緩みが生ずることがある。この緩みが生ずると、スクリュー1により骨折部位Aを強固に固定できないので、骨折部位Aの接合面Cにずれ等が生じ、骨が曲がった状態で再生したり、十分な接合がなされなかったりすることがある。
そこで、特許文献1に例示されているように、シャフト等の貫通部材を骨折部位Aを含む骨に貫通させて、先端側をナットにより固定することもある。ナットが固定されると、骨折部位Aは貫通部材の頭部とナットにより両側から挟まれ、強固に固定される。
図18はナット2を用いた骨折部位Aの接合処理の説明図であり、最初にスクリュー1を刺し入れる側の正面側の皮膚D、皮下組織Eを切開して、スクリュー1を挿入し、骨折部位Aを含む骨Bに捩じ込む。続いて、挿入側と反対面側の皮膚D、皮下組織Eを切開し、貫通したスクリュー1の先端を外形が六角形等のナット2により固定する。
このナット2の固定に際しては、ドライバ4によりスクリュー1が回転しないように頭部を保持しながら、ナット2をレンチ3を用いて時計回りに回転させながらスクリュー1の先端の外ねじ部1aに螺合して締め付ける。このようにして、ナット2をスクリュー1に固定した後に、レンチ3、ドライバ4を取り外して、図19に示すように正面側及び裏面側の両側の切開した皮膚Dを縫合して、接合処理は完了する。
このように接合処理により、骨密度が低い高齢者であってもスクリュー1、ナット2により癒合するまでの長期間、骨折部位Aを強固に保持することができる。
接合処理から数ヶ月経過すると接合面Cが接合し骨折部位Aが癒合するので、不要となったスクリュー1及びナット2を取り出す処理を行う。両側の皮膚D、皮下組織Eを切開した後に、ドライバ4によりスクリュー1を保持し、ナット2をレンチ3により反時計回りに回転することにより、ナット2をスクリュー1の先端部から取り外す。スクリュー1の先端部からナット2を分離した後に、スクリュー1を反時計回りに回転させることにより、スクリュー1を骨Bから抜き取ることができる。体内からスクリュー1とナット2を除去した後に、両側の切開した皮膚Dの切口を縫合すると、取り出し処理が完了する。
特開2010−5143号公報
骨折部位Aが癒合した後に、接合処理で使用したドライバ4とレンチ3を再度用いてスクリュー1及びナット2を取り出す場合に、ドライバ4、レンチ3を引っ張りながら回転させることことができない。ドライバ4及びレンチ3は、接合処理時は骨Bを挟みこむ方向に力を入れながらスクリュー1及びナット2を捩じ込むことはできるが、スクリュー1及びナット2を取り出す際は両側に引き抜く方向に力を入れると、それぞれがスクリュー1の頭部及びナット2から抜けてしまうため、引き抜く方向に力を入れることができない。そのため、スクリュー1及びナット2を反時計回りの回転力のみで抜去しなければならず、取り出し処理が厄介となる。
更に、ナット2を設置した側を上下左右の何れの方向から開口するかについては、骨折部位A、骨Bの位置関係により大きく異なる。例えば、上方から下方へレンチ3を挿入して、ナット2をスクリュー1から分離させる場合に、レンチ3を持ち上げてもナット2は持ち上がってこないため、ナット2の螺合を外してレンチ3を抜いた後に、ナット2をピンセットのような保持部材により掴んで除去する必要が生ずる。
逆に、下から上へレンチ3を挿入した後に、ナット2をスクリュー1から分離させた場合には、レンチ3からナット2が転げ落ちてしまったり、場合によってナット2を紛失してしまうことも考えられる。ナット2の紛失は、後に体内に残留させてしまった可能性が残るので、細心の注意を払う必要がある。
本発明の目的は、上述の課題を解決し、骨折部位が癒合した後に、容易にかつ確実に体外に除去できる医療用ナットを提供することにある。
上記問題点を解決するための本発明に係る医療用ナットは、医療用スクリューの先端に螺合するねじ孔を備え、ナット本体の中心部に設けた前記ねじ孔は前記医療用スクリューの外ねじと螺合する正ねじ方向の正内ねじ部とし、前記ナット本体の外表面に逆ねじ方向の逆外ねじ部を刻設したことを特徴とする。
本発明に係る医療用ナットによれば、ナットの内孔に正内ねじ部を設け外表面に逆外ねじ部を設け、体内からの除去時にナット除去治具をナットの逆外ねじ部を螺合させることで、ナットをナット除去治具と一体化し、体外に容易に取り出すことが可能となる。
実施例1の骨接合状体の断面図である。 医療用キャニュレイテッド・スクリューの斜視図である。 実施例1の医療用ナットを表側から見た拡大斜視図である。 医療用ナットを裏側から見た拡大斜視図である。 ドライバの斜視図である。 骨折部位にガイドピンを貫通した状態の説明図である。 骨折部位にスクリューを捩じ込む状態の説明図である。 ナットドライバによりスクリューにナットを固定する状態の説明図である。 ナット除去治具の斜視図である。 スクリュー抜去治具の斜視図である。 スクリュー、ナットを除去する際に抜去用ガイドピンをスクリューに挿通した状態の説明図である。 ナットにナット除去治具を螺合させ、除去する状態の説明図である。 スクリューをスクリュー抜去治具により除去する状態の説明図である。 スクリュー抜去治具の逆外ねじ部とスクリューが逆内ねじ部に螺合した状態の説明図である。 実施例2の医療用ナットを表側から見た斜視図である。 医療用ナットを裏側から見た斜視図である。 骨折部位に従来のスクリューを捩じ込んだ状態の説明図である。 スクリューにナットを固定する状態の従来技術の説明図である。 スクリューにナットを固定した状態の従来技術の説明図である。
本発明を図1〜図16に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例1において、骨折部位Aを接合するために骨B中に医療用スクリュー11を捩じ込み、その先端を医療用ナット12により固定した状態を示している。
図2は医療用キャニュレイテッド・スクリューと称され、内部に貫通孔を有するスクリュー11の斜視断面図である。スクリュー11の先端部11aを含む外表面の任意の位置に正ねじ方向に刻設された正外ねじ部11bが形成され、その最先端に錐刃11cが設けられている。スクリュー11の中心部を貫通し断面が略円形で内径は2mm程度の貫通孔11dが、先端部11aから頭部11eに渡って設けられ、ガイドピンを挿通させるようになっている。
スクリュー11の頭部11eには、後述するプラスドライバの先端部が嵌合する例えば十字状の溝による回転操作部11fが形成されている。また、貫通孔11dの頭部11e側の内壁には、端部から10mm程度に渡って、貫通孔11dよりも径が大きな逆内ねじ部11gが外ねじ部12bに対し逆ねじ方向に刻設されている。
実施例1のスクリュー11は全長80mm程度であるが、長さ、大きさ等が異なる複数種類を用意しておき、骨折部位Aの大きさ、骨折個所により適宜に使い分けることが好ましい。
ナット12は袋ナット型式であり、図3は上方から見た表側の拡大斜視図、図4は下方から見た裏側の拡大斜視図である。円柱状のナット本体12aの上部にはフランジ部12bが設けられ、フランジ部12bを介してナット本体12aの中心部の奥部にまでスクリュー11の正外ねじ部11bと螺合する正内ねじ部12cが形成されている。
また、正内ねじ部12cが形成された中心部の奥部の先には、正内ねじ部12cより狭く、ガイドピンを挿通するための貫通孔12eが設けられている。この正内ねじ部12cの入口部はテーパガイド部12dから成る案内部が形成されている。
また、ナット本体12aの外表面には、逆ねじ方向に逆外ねじ部12fが刻設されており、ナット本体12aの裏側にはナット操作治具であるプラスドライバと嵌合する十字状のナット操作部12gが設けられている。
ナット本体12aの直径は8mm程度、正内ねじ部12cの直径はスクリュー11の正外ねじ部11bと合致する例えば4mm程度、貫通孔12eの直径は2mm程度である。ナット12についても大きさ等が異なる複数種を用意しておき、使用するスクリュー11に合わせて使い分けることが好ましい。
図5はスクリュー11を回転操作するドライバ13の斜視図である。ドライバ13の先端部13aには、スクリュー11の回転操作部11fに嵌合するプラス部が形成され、ドライバ13の先端部13aから把持部13bに渡って断面円形の貫通孔13cが設けられている。貫通孔13cの内径は、スクリュー11の貫通孔11dの内径と略一致し、ガイドピンが挿通可能とされている。
骨折部位Aの接合に際しては、先ず図6に示すように金属製のガイドピン14を皮膚D、皮下組織Eを通して骨Bの骨折部位Aに対し、できるだけ直交するように刺し込む。ガイドピン14の先端は錐のように尖っていて、皮膚D、皮下組織Eにそのまま穿刺して、骨Bの骨皮質面Fに当接したときに、モータによってガイドピン14を回転させながら骨B内に刺し込んでゆき、反対側の皮下組織E、皮膚Dから突出させる。
次に図7に示すように、スクリュー11を挿入する側の皮膚D、皮下組織Eを切開し、既に挿入してあるガイドピン14をスクリュー11の先端部11aから貫通孔11dに挿通し、更にドライバ13の貫通孔13cに挿通する。そして、ドライバ13の先端部13aをガイドピン14の案内によりスクリュー11の回転操作部11fに嵌合させる。続いて、ドライバ13を時計回りつまり正ねじ方向に回転させることで、スクリュー11の錐刃11cが骨Bを掘削し、外ねじ部11bが骨B内に捩じ込まれて骨折部位Aの接合面Cを接合する。
図8に示すように、スクリュー11の先端部11aは骨折部位Aを貫通した後に骨Bの反対側に到達し、更に皮下組織Eまで突出する。反対側の皮膚D、皮下組織Eを切開して、貫通したガイドピン14にナット12を案内し、更に骨Bを貫通したスクリュー11の先端部11aの正外ねじ部11bに当接させる。スクリュー11の頭部11eをドライバ13により固定しながら、ナット12のナット操作部12gに他のドライバ13’のプラス部を嵌合する。ドライバ13’により、スクリュー11の先端部11aにテーパガイド部12dを介してナット12を押し込むと、多少相互の軸芯がずれていてもねじ同士の螺合が可能となる。
ドライバ13’の時計回りの回転によりナット12の正内ねじ部12cはスクリュー11の正外ねじ部11bに螺合し、骨折部位Aの接合面Cはスクリュー11の頭部11eとナット12により強く挟まれることになる。その後に、ドライバ13、13’、ガイドピン14を抜き出し、両側の皮膚Dを縫合することにより、図1に示すような接合処理状態となる。
図9はナット12を除去する際に使用するボックススパナ型式のナット除去治具15の斜視図である。このナット除去治具15は筒部15aと把持部15bとから構成され、筒部15aの内表面には、ナット12の外表面の逆外ねじ部12fと螺合する逆内ねじ部15cが刻設されている。この逆内ねじ部15cの長手方向の長さは、ナット12の逆外ねじ部12fの長さと同等の5mm程度又はそれ以上とされている。複数の大きさのナット12に合致するように、筒部15aの大きさを変えた複数のナット除去治具15を用意し、適宜に使い分けることが好ましい。
図10はスクリュー11を抜去する際に使用するスクリュー抜去治具16の斜視図である。スクリュー11の抜去は、捩じ込みに使用したドライバ13を使用してスクリュー11を緩めることも可能ではあるが、この抜去治具16を用いることにより、スクリュー11は抜去治具16と一体化するので、引き抜くことが可能となりスクリュー11を容易に抜去することが可能となる。
スクリュー抜去治具16には、先端部16aから把持部16bに渡って、中心部に断面円形の貫通孔16cが設けられており、貫通孔16cには後述する抜去用ガイドピン14’が導通可能となっている。なお、貫通孔16cの断面の内径は例えば1.4mm程度であり、抜去用ガイドピン14’の外径はこの1.4mmよりも小さくされている。
スクリュー抜去治具16の先端部16aの外表面には、スクリュー11に形成された逆内ねじ部11gに螺合するために、逆ねじ方向に刻設された逆外ねじ部16dが形成されている。この逆外ねじ部16dの長手方向の長さは、スクリュー11の逆内ねじ部11gの長手方向の長さと同等の10mm程度又はそれ以上とされている。
骨折部位Aが癒合した後に、ドライバ13、ガイドピン14’、ナット除去治具15、スクリュー抜去治具16を用いて、固定されているスクリュー11及びナット12を体内から取り出す。
最初に、図11に示すように抜去用ガイドピン14’をX線テレビにより観察しながら、埋め込まれているスクリュー11の頭部11eから貫通孔11dの中間部まで刺し込む。
図12に示すように、両側の皮膚D、皮下組織Eを切開し、皮下組織E内にナット除去治具15を挿入し、その筒部15aをナット12の外表面の逆外ねじ部12fに当接させる。そして、ナット除去治具15を反時計回り、つまり逆ねじ方向に回転させることで、ナット12の逆外ねじ部12fとナット除去治具15の逆内ねじ部15cとの螺合を開始する。そして、ナット除去治具15の筒部15aの先端がナット12のフランジ部12bに達すると、ナット12に対するそれ以上の螺合ができなくなり、ナット除去治具15がナット12と一体化する。
なお、ナット12にフランジ部12bを設けない場合には、ナット除去治具15の逆外ねじ部12fに対する螺合が所定の深さで止まるように、ナット12の逆外ねじ部12f又はナット除去治具15の逆内ねじ部15cの長さを短くしておくことにより、同様にナット除去治具15をナット12に対し所定位置で固定させることができる。
この状態から、更にナット除去治具15を反時計回りに回転させると、この回転はナット12に伝達され、ナット12がスクリュー11に対し反時計回りに回転を始める。スクリュー11の正外ねじ部11bが骨B内に或る程度の強度で固定されている場合は、ナット12の正内ねじ部12cは、螺合しているスクリュー11の正外ねじ部11bから徐々に抜け始める。なお、ナット12はナット除去治具15と一体化しているため、仮にスクリュー11が骨Bに対し十分に固定されていなくとも、ナット12を引きながら回転させることにより、ナット12を取り外すこともできる。
これでもなお、スクリュー11からナット12を外せない場合にはスクリュー11の頭部11eをドライバ13により固定した上でナット除去治具15によりナット12を外せばよい。抜けたナット12はナット除去治具15と一体化しているため、紛失することなく体外に除去することができる。
続いて、図13に示すように、スクリュー11を抜くために抜去用ガイドピン14’の上端をスクリュー抜去治具16の貫通孔16cに挿入する。スクリュー抜去治具16を抜去用ガイドピン14’に沿って下降することで、スクリュー抜去治具16の先端部16aをスクリュー11の頭部11eに当接できる。その後に、スクリュー抜去治具16を把持部16bにより反時計方向に回転させて、スクリュー抜去治具16の逆外ねじ部16dをスクリュー11の逆内ねじ部11gに十分に捩じ込む。
図14はスクリュー抜去治具16の逆外ねじ部16dとスクリュー11の逆内ねじ部11gとが完全に螺合し、一体化した状態のスクリュー11の頭部11e付近の断面図である。逆外ねじ部16dはスクリュー11の貫通孔11dの径よりも大きくされており、逆外ねじ部16dは逆内ねじ部11gよりも先に進むことはない。
この状態から、更にスクリュー抜去治具16を反時計回りに回転させると、この回転はスクリュー11に伝達され、スクリュー11の外ねじ部11bが反時計回りに回転を始め、捩じ込み方向と逆方向となって骨Bから抜け始める。スクリュー11の頭部11eはゴムのように伸びる皮膚D及び皮下組織Eを押し広げならが体外へ引き出される。
更に、スクリュー抜去治具16を反時計回りに回転させながら、一体となったスクリュー11を上方に引き出して、骨Bから抜き出して取り外すことができる。スクリュー11を抜き取った骨Bには一時的に空洞が形成されるが、時間と共に骨Bが再生されこの空洞はなくなる。そして、最後に抜去用ガイドピン14’を抜き取る。
また抜去用ガイドピン14’を用いずに、スクリュー11を抜去することも可能である。この場合はX線テレビにより観察しながら、スクリュー抜去治具16の逆外ねじ部16dをスクリュー11の逆内ねじ部11gに螺合させる。この抜去用ガイドピン14’を使用しない場合には、スクリュー抜去治具16に貫通孔16cを設ける必要はない。
スクリュー11は貫通孔16cを有するキャニュレイテッド・スクリューでなくとも使用できる。この場合は、ガイドピン14、14’は利用できなくなり、ナット12についてはガイドピン14を挿通させるための貫通孔12eが不要となる。
また、ナット12の凹状のナット操作部12g及びスクリュー11の凹状の回転操作部11fの形状は、凹状の十字状にすることで、先端部13aのプラス形状の大きさが多少異なっていても、ドライバ13の先端部13aをスクリュー11の回転操作部11fと嵌合させることができ、回転させることが可能である。
また、ドライバ13の先端部13aの形状は、マイナス形状であってもよく、この場合はスクリュー11の回転操作部11fの形状は凹状の線状又は十字状でもよく、先端部13aのマイナス形状と多少大きさが異なっていても回転させることができる。
図15は実施例2のナット22の表側から見た斜視図、図16は裏側から見た斜視図である。実施例1のナット12は袋ナットであり、スクリュー11の先端がナット12内に留まる型式であり、実施例2のナット22はスクリュー11が貫通する型式である。この実施例2のナット22によれば、スクリュー11の任意の位置までナット22を螺合できるので、スクリュー11の長さが制約されることがない。
ナット本体22aの上部にはフランジ部22bが設けられ、ナット本体22aの中心部には貫通孔が設けられ、この貫通孔の入口にはテーパガイド22cが設けられ、貫通孔の内壁には正内ねじ部22dが刻設されている。また、外表面には正内ねじ部22dとは逆ねじ方向の逆外ねじ部22eが形成され、ナット本体22aの後部の正内ねじ部22dの周囲には、外形が例えば六角形のナット操作部22fが設けられている。
ナット操作部22fの形状は六角形に限定されるものではなく、四角形等の多角形のものを適宜に用いることができる。ボックスレンチ型式のナット操作治具によりナット22を螺合することができ、スクリュー11の先端部11aがナット22から突出してもナット22の操作が可能となる。
ナット22をスクリュー11の先端部に固定する際に、ナット22にテーパガイド22cが設けられているので、スクリュー11とナット22の軸芯が多少ずれていても、容易にスクリュー11の先端部にナット22のを正内ねじ部22dを案内することができる。ナット22の除去等の使用方法等については、実施例1のナット12とほぼ同様である。
11 スクリュー
12、22 ナット
13、13’、23 ドライバ
14、14’ ガイドピン
15 ナット除去治具
16 スクリュー抜去治具

Claims (5)

  1. 医療用スクリューの先端に螺合するねじ孔を備えた医療用ナットにおいて、ナット本体の中心部に設けた前記ねじ孔は前記医療用スクリューの外ねじと螺合する正ねじ方向の正内ねじ部とし、前記ナット本体の外表面に逆ねじ方向の逆外ねじ部を刻設したことを特徴とする医療用ナット。
  2. 前記ナット本体の表側にはフランジ部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の医療用ナット。
  3. 前記ナット本体の裏側には、ナット操作治具が嵌合するナット操作部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用ナット。
  4. 前記ナットの前記ねじ孔の入口部には前記スクリューに対する案内部を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載の医療用ナット。
  5. 請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載の医療用ナットの前記逆外ねじ部に螺合する逆内ねじ部を内壁に刻設した筒部を先端に備えたことを特徴とするナット除去治具。
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