図1Aを参照すると、ここでは「AA電池」に対応する概して一般的な外部構成を備える電池10が示されている。電池10は、少なくとも1つの高電圧電気化学セルと、内部電圧コンバータ40とを組み込んでいる。電池10は、二次セル(若しくは電池)又は一次セル(電池)であることが可能である。一次電気化学セルは、一度だけ例えば使い尽くすまで放電させ、次いで廃棄するためものである。一次セルは、再充電することを意図したものではない。一次セルについては、例えば、デビッド・リンデン(David Linden)「電池ハンドブック(Handbook of Batteries)」(マグロウヒル(McGraw-Hill)、第2版、1995年)に記載されている。二次電気化学セルは、何回でも、例えば、50回を超えて、100回を超えて、又はそれ以上の回数、再充電することができる。場合によっては、二次セルは、多数の層を有するセパレータ及び/又は比較的厚いセパレータなど、比較的丈夫なセパレータを含むことができる。二次セルはまた、セル内で生じ得る膨張などの変化に対処するように設計することができる。二次セルについては、例えば、フォーク(Falk)/サルキンド(Salkind)「アルカリ蓄電池(Alkaline Storage Batteries)」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、1969)、米国特許第345,124号、及びフランス特許第164,681号に記載されており、これらはすべて参照によって本願に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、また以下でより詳細に説明するように、電池10は、黒鉛アノード材料又はチタン酸リチウムアノード材料と、再充電性電池の高速な再充電を可能にするように適合されたリチウム化リン酸鉄(lithiated-iron-phosphate)カソード材料とを有する再充電性(つまり二次)リチウムイオン電気化学セルである(例えば、15分以内に電池の充電容量の約80%〜90%の充電レベルを達成することが可能な電池)。更に、図1Aは円柱状のAA電池を示しているが、内部電圧コンバータが、他のタイプの円柱状の電池、並びに、角柱状の電池、ボタンセル電池などと一体化されてもよい。電池10は電池ケース12を備えており、この電池ケース12内に、電池10の少なくとも1つの電気化学セルを構成する巻回電極及びセパレータスタックのジェリーロール14が配されている。ジェリーロールは典型的には、負のリード線に電気的に接触するアノードと、正のリード線に電気的に接触するカソードと、セパレータと、電解質とを含んでいる。アノード、カソード、セパレータ、及び電解質は、ハウジング内に収容されている。電解質は、1つ以上の溶媒と、その溶媒系に少なくとも部分的に溶解した塩とを含んでいる。
図1A〜1Cに示す実施形態において、ジェリーロール14は中心の内部ボア15を画定しており、この内部ボア15はロール14の長手方向軸に沿って延びており、また、この内部ボア15内に、DC−DCコンバータ40(例えば図2に示す)の電気回路を収容するコンバータハウジング16が置かれている。DC−DCコンバータ40は、電池10の電気化学セルによって発生した第1の電圧を、電池10と共に使用される電池動作可能な装置に供給される所望の第2の電圧に変換するように構成されている。いくつかの実施形態において、コンバータハウジング16は、中空の円筒管であり、端部で封止されており、DC−DC電圧コンバータ回路を受容するように構成されている。
ジェリーロール14は、電池10の正の導電性端子20に近接して位置する導電性タブ18と、負のキャップ端子24に近接して接続されたタブ22とを介して、DC−DC電圧コンバータ40に接続されている(正及び負の端子は、電池10によって発生した電圧/電流が電池動作可能な装置に印加される端子である)。タブ18及び22は、それぞれ電池10のカソード及びアノード電極に連結している。
図1B及び1Cを参照すると、2つの付加的なタブ、つまりタブ19及び23が、コンバータハウジング16を電池ケース12に、そして負のキャップ端子24と近接して位置する安全ガス抜きディスク26に、機械的に固定している。いくつかの実施形態において、タブ19及び23は、それらのタブをそれぞれケース12及びディスク26に溶接することによって、電池ケース12及び/又はガス抜きディスク26に固定される。タブ19及び23はまた、電圧コンバータモジュール40をそれぞれ端子20及び24に電気的に連結するように構成されている。以下でより詳細に説明するように、電圧コンバータモジュール40によって変換された電流/電圧は、このようにして電池10の外部端子20及び24に供給され、電池動作可能な装置は、外部端子20及び24と電気的接触を確立する。
電池10は、円柱状の電池ケース12の端部に配された頂部絶縁体28と底部絶縁体30とを更に備えている。頂部及び底部絶縁体28及び30は、ジェリーロール14からの漏洩を防止する。また電池10は、電池10の電気化学セルを構成するジェリーロールから負のキャップ24を絶縁する非導電性ポリマーシール32と、絶縁ワッシャ34とを備えている。
負の端子キャップ24の隣に、PPTC要素36(ポリマー正温度係数要素)要素が配されている。電池19はまた、外部の漂遊電流及び電荷から電池10を絶縁するために、電池ケース12の外面を覆う絶縁ラップ38を備えている。
一般に、電池10を製造するために、電圧コンバータモジュール(例えばコンバータ40)は、ジェリーロール14がマンドレルに巻回された後に、ジェリーロールの中心に配される。ジェリーロールに巻回されるカソード及びアノードからそれぞれ延びるタブ18及び22は、電圧コンバータモジュールに接続される。図1B及び1Cに示す、コンバータハウジング16から延びるタブ19及び23は、電池のケース12及びガス抜きディスク26に溶接されるかないしは別の方法で取り付けられる。すべての接続がなされた後、ジェリーロール14は電解質で充填され、圧着される。
図2を参照すると、電池10は、少なくとも1つの電気化学セル(例えばジェリーロール14)に電気的に連結される内部カソード端子42とアノード端子44とを備えている。ジェリーロール14内で生じる電気化学的な相互作用の結果、内部的な第1の電圧Viがカソード42及びアノード44で生じ、その第1の電圧Viは次いで電圧コンバータ40に与えられる。内部的な第1の電圧は、電池の化学作用に依存し、1.8V〜4.4Vの範囲内の値を有することができる。第1の内部電圧Viは、組み込まれた電圧コンバータモジュール40に与えられる。図1Aに関連して上で説明したように、組み込まれた電圧コンバータ40は、電圧コンバータハウジング16の内部に配されており、それぞれカソード42及びアノード44と連結されたタブ18及び22を介して電気化学セルと電気的に接続されている。以下で明らかとなるように、電圧コンバータモジュール40は、内部電圧Viを、電池動作可能な装置(例えば、懐中電灯、携帯電話、カメラなど)を動作させるのに必要な外部の第2の電圧レベルVeに変換する。いくつかの実施形態において、外部の第2の電圧は、例えば1.2V〜1.5Vの範囲内の電圧レベルを有する。また、DC−DC電圧コンバータモジュール40は、カソード42及びアノード44で生じる電圧レベルを増加させるように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、コンバータ40は、例えば電池ケーシング12上に配されたユーザーインターフェースを通じて与えられたユーザー指定の入力に少なくともいくぶんか基づいて、DC内部電圧Viを外部電圧Veに変換する。そのようなユーザーインターフェースは、例えばスイッチを含んでいてもよく、そのスイッチによって、ユーザーは、電池動作可能な装置に対する所望の電圧を指示してもよい。いくつかの実施形態において、外部電圧の決定は、例えば、電池動作可能な装置を動作させるのに必要な電圧を表すデータを提供する電圧指示機構(例えば、ID抵抗を使用する指示機構)を使用して、所望の外部電圧を識別することによって実施されてもよい。無線自動選別(RFID)技術に基づいた機構を含めて、他のタイプの電圧指示機構が用いられてもよい。
第2の外部電圧Veは、図1A〜1Cに示す正端子キャップ20及び負端子キャップ24にそれぞれ位置する外部端子46及び48に供給される。
図3は、図1Aに示す線3−3に沿った、コンバータハウジング16の横断面図である。図示のように、コンバータハウジング16の内壁56によって規定される、コンバータハウジング16の内容積部の内側に、電圧コンバータモジュール40の例示的実施形態が配されている。コンバータハウジング16は、注封されたエポキシ及びプラスチックシールを使用して気密に封止されており、したがってコンバータの回路をいかなる外側の材料(例えば、電気化学セル及び/又は電解質)からも保護している。
議論したように、典型的には、ジェリーロールに基づいたセルは、ジェリーロールの構成要素をマンドレルの周りに巻回することによって設けられる。この結果として、内部の空洞又はボア15(図1A〜1Cに示す)が、ジェリーロール14内に設けられる。いくつかの実施形態において、内部ボア15は、ジェリーロール14の長手方向軸に沿って延びる。DC−DCコンバータ40の電気回路を収容するコンバータハウジング16はこのボア内に配置され、したがってボアの空隙のうちの少なくとも一部分を占有する。コンバータハウジング16をボア15の中に配置することによって、コンバータハウジング16は、これ以外の場合には電池内で使用されることのない空隙を占有する。この空隙は一般には使用されないので、DC−DCコンバータ40を加えることで、電池ハウジングのサイズを増加させることも電池ハウジングの構成を変更することも、あるいは電池の充電容量を減少させることもなく、統合された配列がもたらされる。対照的に、DC−DCコンバータ40がジェリーロール内の空隙の外側に配置された場合、電池の同じサイズ及び構成を維持するためには、ジェリーロールは、より小型化される必要があり、したがってセル容量が減少する。更に、DC−DCコンバータ40の電気回路を収容したコンバータハウジング16にジェリーロールを連結するタブ18及び22を介して、電流がジェリーロールから引き出される(図1A〜1Cを参照)。
電圧コンバータモジュールは、能動及び受動電子部品で占められた二層のプリント回路基板(PCB)50を含んでいる。PCB50は、コンバータハウジング16の内部に嵌入されている。図示のように、PCB50は、中空円筒状のコンバータハウジング16の直径(例えば3.5mm〜4.0mm)に実質的に等しい幅を有しており、そのため、いくつかの実施形態において、PCBボード50は、コンバータハウジング16の内壁56によって及ぼされる引張力で定位置に保持される。いくつかの実施形態において、PCBボード50をコンバータハウジング16の内壁56上に固定するために、取り付け機構が使用されてもよい。
PCBボード50の一方の表面上に、DC−DC電圧コンバータモジュール40のコントローラ52が配されている。コントローラ52は、例えばコントローラ52によって決定されるレベルを有する外部電圧/電流を電池10の外部端子46及び48に印加させるために、トランジスタなどのスイッチング素子を制御するように構成されている。いくつかの実施形態において、コントローラ52はまた、スイッチング素子(例えば図5に示す)を含んでいる。図3に更に示すように、PCBボード50の反対側には、DC−DC電圧コンバータモジュール40の実装に使用される抵抗器、インダクタ、及び/又はコンデンサなどの受動構成要素54a〜54cが配されている。
いくつかの実施形態において、DC−DC電圧コンバータ40は、カソード42及びアノード44における内部電圧を電池の外部端子46及び48における所望の電圧レベルに減じる(つまり降圧する)ように構成されたスイッチングバックDC−DCコンバータ回路で実装されてもよい。昇圧型の実施形態を提供することは可能である。
図4を参照すると、DC−DC電圧コンバータモジュール40が示されている。DC−DC電圧コンバータモジュール40は、コントローラ52を含んでいる。コントローラ52はプロセッサ60を含んでおり、このプロセッサ60は、制御信号を生成してバックコンバータ70の動作を制御する。プロセッサ60は、いかなるタイプの計算及び/又は処理デバイスであってもよい。一例が、マイクロチップテクノロジー社(Microchip Technology Inc.)によるPIC18F1320マイクロコントローラである。コントローラ52の実装に使用されている処理デバイス60は、揮発性及び/又は不揮発性記憶素子を有しており、その揮発性及び/又は不揮発性記憶素子は、プロセッサに基づくデバイスの一般動作を可能にするためのコンピュータ命令、並びに、電池10のカソード及びアノード電極において生じた内部電圧を、電池動作可能な装置を動作させるのに好適な電圧レベルに変換する電圧制御動作を実施するための実行プログラムを含んだソフトウェアを格納するように構成されている。処理デバイス60は、複数のアナログ及びデジタル入出力ラインを備えたアナログ−デジタル(A/D)コンバータ62を含んでいる。処理デバイス60によって生成されたデジタル信号を受信し、それに応答して、DC−DC電圧コンバータモジュール40のバックコンバータ70などのスイッチング回路のデューティサイクルを調整する電気信号を生成するデジタル−アナログ(D/A)コンバータ装置64及び/又はパルス幅変調器(PWM)66が、プロセッサ67に組み込まれるか又はプロセッサ60に電気的に結合されている。
ここで図5を参照すると、バックコンバータ70は、2つの、例えばバイポーラ接合トランジスタ(BJT)72及び74と、インダクタ76とを含んでおり、このインダクタ76は、電池10の電極がバックコンバータ70と電気的に通信しているときにはエネルギーを蓄積し、電池の電極がバックコンバータ70から電気的に隔離されている間にはそのエネルギーを電流として放出する。またバックコンバータ70は、エネルギー蓄積要素としても使用されるコンデンサ78を含んでいる。インダクタ76及びコンデンサ78はまた、バックコンバータ70の出力におけるスイッチング電流及び電圧リップルを減じるための出力フィルタとしても働く。
外部端子46及び48に印加される電圧レベルは、トランジスタ72及び74のベースに印加される電圧レベルを制御することによって調整される。電気化学セルからの電力を外部端子46及び48に印加させるために、コントローラ52の端子52d(SW1)からの動作電気信号がトランジスタ72のベースに印加され、その結果、電池10の電気化学セルの電極42及び44からトランジスタ72へ、そして外部端子46及び48へと電流が流れる。
トランジスタ72のベースに印加される動作信号が除去されると、電気化学セルからの電流が停止し、インダクタ76及び/又はコンデンサ78は、蓄積したエネルギーから電流を供給する。トランジスタ72のオフ期間の間、第2の動作信号が、コントローラ52の端子52e(SW2)によってトランジスタ74のベースに印加されて、外部端子46及び48への電流の流れが(トランジスタ72のオン期間の間にインダクタ76及び/又はコンデンサ78に蓄積されたエネルギーを使用して)可能となる。いくつかの実施形態において、整流ダイオードがトランジスタ74の代わりに使用される。
トランジスタのオン期間、つまりデューティサイクルは、初期には、必要な外部電圧レベルVeに実質的に等しい電圧レベルをもたらす期間として近似される。そのような近似は、ルックアップテーブルにアクセスして、電池10の必要な外部電圧Veを、必要な外部電圧レベルVeをもたらすデューティサイクルと関連付けることによって取得されてもよい。
トランジスタのオン期間、つまりデューティサイクルは、初期には、コントローラ又はフィードバックループが出力電流及び電圧を測定する間、0%のデューティサイクルから逓増される。必要な外部電圧Veに達すると、フィードバック制御ループは、例えば比例積分微分、つまりPID機構を使用して、閉ループ線形フィードバック計画を用いてトランジスタのデューティサイクルを管理する。
このように、トランジスタ72のオン期間中に電池10の電気化学セルによって供給される電圧/電流、並びに、トランジスタ72のオフ期間中にインダクタ76及び/又はコンデンサ78の動作から生じる電圧/電流は、必要な外部電圧Veに実質的に等しい有効電圧レベルをもたらすはずである。
いくつかの実施形態において、コントローラ52は、例えば、コントローラ52の端子52b(VSENSEとマークされている)を介して測定値を伝える電圧センサー71aによって測定された、外部端子46及び48における電圧の測定値を周期的に受信する(例えば0.1秒毎)。この受信した測定電圧に基づいて、コントローラ52は、外部端子における外部電圧Veへの調節がなされるようにデューティサイクルを調節し、その結果、この電圧は、必要な外部電圧Veに実質的に等しい値に集束する。このように、バックコンバータ70は、外部端子46及び48に印加される調節可能な電圧レベルをもたらす調節可能なデューティサイクルで動作するように構成される。デューティサイクルの調節はまた、電流センサー71bを使用して達成されてもよい。
電圧センサー及び/又は電流センサーに加えて、充電器10は、電池10の他の特性を測定するように構成された他のセンサーを含んでいてもよい。例えば、電池10は、電池10が過熱している場合にコントローラ52が修正又は予防処置を取ることを可能にするために、温度センサー(例えばサーミスタに基づく)を備えてもよい。
受信した測定信号は、電圧及び/又は電流センサーによって測定された電圧のレベル及び電流レベルを求めるために、例えば閾値比較回路を含み得る専用の充電制御装置など、アナログ論理処理要素(図示せず)を使用して処理される。またDC−DC電圧コンバータモジュール40は、回路レベルのノイズなどの外来的な要因によって生じ得る間違った測定(例えば、電圧、温度などの間違った測定)を防止するために、アナログ及び/又はデジタル入力信号に対して信号のフィルタリング及び処理を実施する、フィルタ61及び63などの信号処理ブロックを含んでいてもよい。
DC−DCバックコンバータの効率は、降圧レギュレータIC及び外部負荷の選択に、少なくとも部分的に依存する。一般に、電池10などの電池の効率(例えば、入力電力が最終的に電力変換回路の出力に配電される百分率)は、85%〜95%の範囲内にある。
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、DC−DCバックコンバータは、リニアテクノロジー社(Linear Technology Corp.)により製造されているLTC3411コンバータ80などの高効率同期式降圧レギュレータを使用して実装されてもよい。LTC3411チップは、スイッチングコントローラとスイッチング素子(MOSFET)とを単一のパッケージに組み合わせている。LTC3411チップの利点は、比較的サイズが小さく、動作が効率的であることである。類似した機能を有する他のタイプの市販の集積回路を含んだ他のタイプのバックコンバータが使用されてもよい。
図7を参照すると、電池10の電気化学セルによって発生した内部電圧を、電池動作可能な装置に印加される外部電圧に変換する例示的な手順90が示されている。電池10の少なくとも1つの電気化学セルによって発生した電圧は、カソード42及びアノード44に結合されたコンバータ40の端子に印加される。また電気化学セルによって発生した電力は、コンバータ40に給電し、したがってコンバータ40を動作させるためにも使用される。電圧コンバータ40は、電池10の外部端子46及び48に印加される外部電圧Veを決定する。いくつかの実施形態において、外部電圧は予め決められており、電圧コンバータ40によって、内部電圧Viはその予め決められた値(例えば、1.2V〜1.5Vの範囲内の特定の電圧レベル)に変換される。いくつかの実施形態において、可変外部電圧レベルが、コンバータ40によって生成されてもよい。本明細書において説明するように、そのような実施形態において、コンバータ40は、所望の外部電圧に関する情報を電池ケース12上に配されたユーザーインターフェースから受信するか、ないしは別の方法で、伝えられた情報を通信機構(例えば、RFIF技術に基づく機構)から受信し、出力する電圧Veをその受信した情報に基づいて決定する。
電池10の外部端子46及び48に印加される外部電圧を決定すると、コンバータは、決定した外部電圧Veに実質的に等しい定電圧が外部端子46及び48に印加されるように、バックコンバータなどのDC−DC電圧コンバータ回路を調整する(94)。上で説明したように、決定した外部電圧レベルは、所望の外部電圧に実質的に等しい電圧が端子46及び48に印加されるように、バックコンバータ70のスイッチング素子(例えばトランジスタ72)に印加されるデューティサイクル信号を生成するために使用される。スイッチング素子のオン期間の間に電気化学セルから印加される電流と、スイッチング素子のオフ期間の間にバックコンバータ70のエネルギー蓄積要素から放出される電流とが組み合わされて、結果として、必要な外部電圧Veに実質的に等しい有効電圧がもたらされる。
上記のように、いくつかの実施形態において、電圧コンバータモジュールを組み込んだ電池は再充電性電池であり、例えば、リン酸鉄リチウムの電気化学セルを有し、例えば電池の80%〜90%容量の充電レベルに15分未満で再充電されるように構成された再充電性電池である。いくつかの実施形態において、電池は、活性材料としてLiFePO4を含んだカソードと、炭素アノードと、セパレータと、電解質とを備える。そのような実施形態において、カソードはまた、結合剤を含んでもよい。カソードの厚さは、セルの設計及び必要な性能特性に依存する。アノードは、炭素アノードであってもよい。電極(カソード及びアノード)は、基材を用意し、その基材の両面を適切な物質、例えば、アノードに炭素、並びにカソードに結合剤、導電性炭素、及び活性物質の混合物、を被覆することによって製作することができる。リン酸鉄リチウムの化学作用に基づいた再充電性電池の例示的実施形態が、「リチウムイオン二次電池(Lithium Ion Secondary Batteries)」という名称の、同時に出願される特許出願に記載されており、この特許出願の内容はすべて参照によって本願に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、再充電性電池100は、300Wh/Lを超えるエネルギー密度で4.4V〜1.8Vの間の使用電圧範囲を有するリチウムイオン電池など、高エネルギー密度の電気化学系である。
図8Aを参照すると、充電器110に接続された例示的な再充電性電池100が示されている。電池100は、構成においては電池10(図1A〜1C及び図2)に類似しているが、少なくとも1つの付加的な外部充電用電池端子102を備えており、この外部充電用電池端子102は、カソード104に電気的に結合されており、電池100の組み込まれたDC−DC電圧コンバータを迂回している。外部電池端子は、再充電性電池100の電池ケース(図1Aに示す電池ケース12と類似している)の外面上に配された接触表面(図示せず)を含んでいる。電池100が充電器110の充電区画(図示せず)内に受容されると、充電器の端子の一方は、外部充電電池端子102に機械的にかつ電気的に結合するのに対し、充電器の端子のもう一方は、電池を電池動作可能な装置に接続するためにも使用される外部端子106に機械的にかつ電気的に結合する。アノード108は、電圧コンバータ109に接続されている。そのように接続されると、充電器110は動作中に、電池充電端子102を通じて充電電流を印加して、電池100の電気化学セルの充電レベルを補充する。急速充電動作(例えば、再充電性電池に90%の充電容量を15分未満で達成させる)を実施するように構成された実施形態を含めて、充電器110の例示的実施形態が、例えば、「急速な電池充電の装置及び方法(Fast Battery Charger Device and Method)」、「電池を自動的にロード及びアンロードする機構を備えた電池充電器(Battery Charger with Mechanism to Automatically Load and Unload Batteries)」、「携帯型のエネルギー蓄積及び充電装置(Portable Energy Storage and Charging Device)」、及び、「リン酸鉄リチウム超急速電池充電器(Lithium Iron Phosphate Ultra Fast Battery Charger)」という名称の、同時に出願される特許出願において記載されており、これらすべての特許出願の内容はすべて、参照によって本願に組み込まれる。
図8Bを参照すると、いくつかの実施形態において、再充電性電池100は、アノード108に直接電気的に結合された第2の充電端子103を備えている。したがって、電池100が、例えば充電器110の充電区画内に受容されると、充電器の端子は、電池の充電端子102及び103に電気的にかつ機械的に結合し、閉じた電気経路をカソード104及びアノード108を介して確立する。充電端子103は、例えば、負のキャップ(図1Aに示す負のキャップ24に類似している)の近くに、電池ケースの外面上に配された接触表面(図示せず)を備えている。したがって、図8Bに示す再充電性電池100の実施形態において、再充電性電池は、充電器110によって印加された充電電流を受けてカソード及びアノードに導いてジェリーロール14内の電荷を補充するように構成された専用の充電端子を有しており、また、別の専用の一組みの外部端子102及び106が、外部電圧Veの印加に使用される。
いくつかの実施形態において、充電電流を印加して電池100の電気化学セルを再充電するための、別の一組みの専用の端子は使用されない。そのような実施形態において、充電電流は電池の外部端子(すなわち、図8A及び8Bに示す端子105及び106などの端子であり、それらの端子を通じて、電池によって発生し、組み込まれた電圧コンバータによって変換された電圧が、電池動作可能な装置に印加される)に印加される。これらの状況下で、電圧コンバータは、外部端子から受けた充電電流をカソード及びアノードに導くために、バイパス回路、例えば図11のダイオードD2を含んでもよい。いくつかの実施形態において、内部ブーストコンバータを使用すると、外部端子電圧は、内部セル(電極対)電圧よりも高くなる。このようにして、電力は、ブーストコンバータを介してより低電圧の電極対からより高電圧の端子に、また、より高電圧の充電電流源からセルを充電することを可能にするために反対の方向にも流れることができる。このモードにおいて、コンバータはバックコンバータとして働き、充電電圧を、より低電圧の電極対に充電するのに適切な電圧に減じる。バックブーストコンバータの実施形態に対する電気接続図を示す図12及び13を参照されたい。
図9を参照すると、充電器110は、充電動作の開始時に定充電電流を電池に印加するように構成されている。定電流が電池に送られている(すなわち、充電器が定電流つまりCCモードで動作している)期間の間、再充電性電池100の電圧は増加する。電池100の電圧が、例えば所定の3.8Vの上限電圧(この上限電圧は、クロスオーバー電圧と呼ばれることがある)に達すると、充電器110は、残りの充電期間にわたって電池の電圧をこの上限電圧に維持するように構成されている。所定のクロスオーバー値に実質的に等しい定電圧が電池100に印加される期間の間、充電器110は、定電圧、つまりCVモードで動作しているとされる。
充電器110は、電力変換モジュール112に結合されている。いくつかの実施形態において、電力変換モジュール112は、充電器110の中に組み込まれ、したがって充電器110のハウジング内に配される。この電力変換モジュール112は、AC−DC電圧コンバータモジュール114を有しており、このAC−DC電圧コンバータモジュール114は、85V〜265V、50Hz〜60Hzの定格で電力を供給する電源など、充電器の外部のAC電力源に電気的に結合されており、また、このAC電力を低いDC電圧(例えば5V〜24V)に変換し、例えば、この低いDC電圧を例えばDC−DC電圧コンバータモジュール116に与えて、再充電性電池を充電するのに好適なレベルを得る(例えばリン酸鉄リチウムの電気化学セルを有する再充電性電池には、例えば約3.7V〜4.2Vの間のレベルのDC電圧。他のタイプのセルが、1.8V〜4.4Vの範囲内の電圧レベルなど、異なる電圧レベルを有してもよい)。
充電器110はコントローラ120を更に含んでおり、このコントローラ120は、再充電性電池100に印加される充電電流を決定し、その決定した充電電流に実質的に等しい電流を電池100に印加し、指定された又は所定の時間、例えば5分〜15分が経過した後に充電電流を停止させるように構成されている。コントローラ120はまた、所定の電池電圧又は充電レベルに達すると充電動作を停止するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、コントローラ120は、一定の12Cの充電速度が当てはまるようにバックコンバータ130を調整する(すなわち、1Cの充電速度は、1時間で電池を充電するのに必要とされる電流に相当し、したがって、12Cは、約1/12時間、すなわち5分で特定の電池を充電するのに必要とされる充電速度である)。そのような12Cの充電速度は、所定の最大充電電圧に達するまで又は5分間の期間が終了するまで当てはめられる。最大充電電圧に達すると、コントローラ120は制御モードを変更し、所定の充電時間、例えば5分間が終了するまで定電圧を電池100に印加する。
いくつかの実施形態において、再充電性電池100に印加される充電電流は、例えば充電器110のハウジング(図示せず)上に配されたユーザーインターフェースを通じて与えられたユーザー指定の入力に、少なくとも部分的に基づいていてもよい。そのようなユーザーインターフェースは、例えば、再充電される電池の容量、充電期間など、充電動作と密接に関係する設定をユーザーが指示することができるスイッチ、ボタン、及び/又はノブを有していてもよい。使用する特定の充電電流を決定するために、ユーザー指定の設定/パラメータに対応する好適な充電電流を示すルックアップテーブルがアクセスされる。
いくつかの実施形態において、充電電流の決定は、例えば、電池の容量及び/又は電池のタイプを表すデータを提供する識別機構を使用して、充電器110の充電区画内に配置された再充電性電池100の容量を識別することによって実施されてもよい。電池の容量を表す抵抗率を有するID抵抗の使用に基づいた識別機構を有する例示的な充電装置の詳細な説明が、「電池判定を利用した超急速電池充電器(Ultra Fast Battery Charger with Battery Sensing)」という名称の、同時に出願される特許出願に提示されており、この特許出願の内容はすべて、参照によって本願に組み込まれる。いくつかの実施形態において、充電電流の決定は、電池の容量及び/又はタイプ(例えば、電池のDC充電抵抗)を示す電池の電気特性のうちの少なくとも1つを測定することによって実施されてもよい。測定した電池の特性に基づいて充電電流を適応的に決定する例示的な充電装置の詳細な説明が、「適応的充電装置及び方法(Adaptive Charger Device and Method)」という名称の、同時に出願される特許出願に提示されており、この特許出願の内容はすべて、参照によって本願に組み込まれる。
コントローラ120は、電池100に対して実施される充電動作を制御するように構成された処理デバイス122を有している。コンバータ40の処理デバイス60と同様に、処理デバイス122は、マイクロチップテクノロジー社(Microchip Technology Inc.)によるPIC18F1320マイクロコントローラなど、いかなるタイプの計算及び/又は処理デバイスであってもよい。コントローラ120の実装に使用されている処理デバイス122は、揮発性及び/又は不揮発性記憶素子を有しており、その揮発性及び/又は不揮発性記憶素子は、プロセッサに基づくデバイスの一般動作を可能にするためのコンピュータ命令、並びに、電池100が結果的に15分未満に少なくとも90%の充電容量を達成するような充電動作を含めた、充電器110に結合された電池100に対する充電動作を実施するための実行プログラムを含んだソフトウェアを格納するように構成されている。処理デバイス122は、複数のアナログ及びデジタル入出力ラインを備えたアナログ−デジタル(A/D)コンバータ124を含んでいる。またコントローラ120は、処理デバイス122によって生成されたデジタル信号を受信し、それに応答して、充電器110のバックコンバータ130などのスイッチング回路のデューティサイクルを調整する電気信号を生成するデジタル−アナログ(D/A)コンバータデバイス126及び/又はパルス幅変調器(PWM)128を含んでいる。
バックコンバータ130は、コンバータ40のバックコンバータ70と類似しており、バックコンバータ70と類似した方式で動作するように構成されている。このように、バックコンバータ130は、電力変換モジュール112によって供給された電流/電圧を、例えば端子102及び106を介して電池100に印加できるように電気的に作動される、トランジスタ(図示せず)などのスイッチング素子を含んでいる。バックコンバータ130はまた、バックコンバータのスイッチング素子のオン期間の間に電流がバックコンバータに送られたときにエネルギーを蓄積するエネルギー蓄積要素(例えば、コンデンサ及び/又はインダクタ)を含んでいる。スイッチング素子により、電力変換モジュール112から送られる電流が、電池100から遮断されると、エネルギー蓄積要素内のエネルギーは、再充電性電池100の中に放出される。スイッチング素子のオン期間の間に印加された電流及びスイッチング素子のオフ期間の間にエネルギー蓄積要素から放出された電流から生じる電流は、再充電性電池100に印加される必要な充電電流に実質的に等しい。
電池100に印加される電流/電圧を調整するために、充電器110はまた、例えばコントローラ120を使用して実装されたフィードバック調節機構を含んでいる。フィードバック調節機構は、結果として生じる、電池100に印加される電流が、コントローラ120によって決定された充電電流と実質的に等しくなるように、DC−DC電圧コンバータ(例えばバックコンバータ130)のスイッチング素子を作動させるデューティサイクルを調節するために使用される。例えば、いくつかの実施形態において、コントローラ120は、例えば、測定値をコントローラ120に伝える電流センサー(図示せず)によって測定された、電池100を通じて流れる電流の測定値を周期的に受信する(例えば0.1秒毎)。受信したこの測定電流値に基づいて、コントローラ120は、電池100を通じて流れる電流が充電電流レベルに実質的に等しい値に収束するように、デューティサイクルを調節してこの電流の調節を生じさせる。
また充電器110は、電圧センサー(図示せず)、並びに、再充電性電池100及び/又は充電器110のいずれかの他の特性を測定するように構成された他のセンサーを含んでいてもよい。例えば、充電器110及び/又は電池100の温度制御が必要とされる実施形態において(例えば、電池100を充電する充電期間が15分間を超える場合)、充電器110は、電池110、及び/又は、充電器110の様々なモジュールが配され得る回路基板に結合された温度センサー(例えばサーミスタ)を含んでいてもよい。
図10を参照すると、再充電性電池100を再充電するための例示的な充電手順140が示されている。電池が充電器に挿入され、ユーザーが、例えば充電器110のハウジング上に配された「開始(START)」ボタンを押下することによって、充電サイクルを開始する。
充電手順を始めるのに先立って、充電器110は、特定の障害状態が存在するか否かを判断する。例えば、充電器110は、電池100の電圧V0を測定する(142)。充電器110は、測定電圧が所定の範囲(例えば2V〜3.8V)にあるか否かを判断する(144)。電池100の測定電圧V0が所定の許容範囲になく、したがって現状での充電動作が不安全となると判断される状況下では、充電器は充電動作を続行せず、充電手順は終了してもよい。これらの状況下では、問題があるという指示が、充電器110のハウジング上のユーザーインターフェースを介してユーザーに与えられる。
充電器110は、電池のタイプ、充電期間、電池の容量などを含めた、充電プロセスと密接な関係する情報に基づいて、電池100を充電するために使用される充電電流及び/又は充電期間を決定する(146)。例えば、充電器110は、15分未満で電池100を少なくとも90%の充電容量に充電する充電電流を決定するように構成されていてもよい。
充電器110は、充電器110の充電区画内に配置された電池100の容量及び/又はタイプを判断してもよい(145)。本明細書において説明したように、充電電流を決定するために使用される情報は、例えば充電器110のハウジング上に配されたユーザーインターフェースを通じて与えられてもよい。それに加えてかつ/又はそれに代わって、電池の特性(例えば、容量、タイプ)を表す情報を電池が充電器に伝えることができる識別機構を通じて、あるいは、電池の電気特性(例えば、DC充電抵抗)を測定し、かかる測定値に基づいて電池100のタイプ及び/又は容量を判断することによって、充電プロセスに密接に関係する情報が与えられてもよい。充電器110が、特定の容量を有する特定のタイプの電池を受容するように構成されている場合、充電器110は、その特定の電池及び容量に好適な所定の充電電流を使用する。充電電流の決定は、充電電流を種々の電池の容量、電池のタイプ、充電期間などと関連付けるルックアップテーブルにアクセスすることによって実施されてもよい。
電池100に印加される充電電流を決定すると、予め指定された充電動作の期間を測定するように構成されたタイマーが始動される(148)。タイマーは、例えば、プロセッサ122の専用のタイマーモジュールであってもよく、また、プロセッサ122の内部又は外部クロックによって測定される一定の時間間隔で増分されるレジスタであってもよい。
例えばバックコンバータ130などの電流/電圧調整回路が、決定された電流に実質的に等しい定電流が再充電性電池100に印加されるように制御される(150)。説明したように、決定された充電電流は、その充電電流に実質的に等しい電流が電池100に印加されるように、バックコンバータ130のスイッチング素子(例えばトランジスタ)に印加されるデューティサイクル信号を生成するために使用される。特定のデューティサイクルのオフ時間の間、電力変換モジュール112は電池100から遮断され、バックコンバータ130のエネルギー蓄積要素(例えば、インダクタ及び/又はコンデンサ)に蓄積されたエネルギーが、電流として電池に放出される。電力変換モジュール112から印加される電流と、バックコンバータ130のエネルギー蓄積要素から放出される電流とが組み合わされ、結果として、決定された充電電流に実質的に等しい有効電流となる。
いくつかの実施形態において、充電器100は、CC/CV充電プロセスを実施する。したがって、そのような実施形態において、電池100の端子における電圧は周期的に測定され、所定の上限電圧(すなわちクロスオーバー電圧)に達したことが判断される(152)。電池100の電圧が、所定の上限電圧に達すると、電流/電圧調整回路は、クロスオーバー電圧レベルに実質的に等しい定電圧レベルを電池100の端子において維持するように制御される。
充電期間に実質的に等しい期間が経過したと判断された後(154)、又は、特定の充電若しくは電圧レベルに達した後(電池100の周期的測定によって判断し得るように)、電池100に印加される充電電流が停止される。
実施例及び他の実施形態
以下を含めて、様々なタイプの化学作用が、本明細書で説明する実施形態で使用されてよい。
1.2V〜1.3Vの範囲のより低レベルで動作するように電圧コンバータを調整し、それによって稼働時間をより長くすることができる。
本発明の多数の実施形態について説明してきた。それでもなお、様々な修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることは理解されよう。例えば、実施形態については、ダウンコンバータを用いて第1の電圧を電池から受け、相対的に低い第2の電圧を電池の端子において供給するものとして説明してきたが、第1の電圧を電池から受け、相対的に高い第2の電圧を電池の端子において供給するアップコンバータとしてコンバータを構成することができる。それゆえに、他の実施形態は以下の特許請求の範囲に含まれる。