JP5156701B2 - セラミックハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

セラミックハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば、内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体又は排ガス中の微粒子捕集フィルター等に用いられるセラミックハニカム構造体の製造方法に関する。
この種のセラミックハニカム構造体100は、図9に示すように、多孔質ハニカムセグメント2が接着剤層3を介して複数個結束されて構成されている(例えば、特許文献1参照)。接着剤層3中には、複数の間隔保持部材101が設けられており、多孔質ハニカムセグメント2間に挟持されている。間隔保持部材101は、多孔質ハニカムセグメント2間の間隔を一定にするために設けられている。
何となれば、セラミックハニカム構造体100の接着剤層3に厚さのばらつきが存在すると、その厚さが薄い部分では、該部分を挟持している多孔質ハニカムセグメント2間の熱伝導率が高くなり、一方その厚さが厚い部分では、該部分を挟持している多孔質ハニカムセグメント2間の熱伝導率が低くなる。このため、セラミックス構造体100に加熱、冷却が繰り返されると、セラミックハニカム構造体100内の温度の不均一に起因してセラミックハニカム構造体100内に熱応力が発生しクラックが生じる虞があるからである。さらには、接着剤層3が薄い部分は、その接着力が弱く、多孔質ハニカムセグメント2間の接着力に差が生じ、セラミックハニカム構造体100が破損する虞があるからである。
特開2002−102627号公報 (段落番号[0009]、[0020]、[0022]参照)
しかしながら、セラミックハニカム構造体100は、更に接着剤層3に関して次のような課題を有している。
すなわち、セラミックハニカム構造体100の過酷な使用環境に起因して、ハニカムセグメント2と接着剤層3との界面に、ひび割れが発生する場合があり、そのときひび割れは、図10に示すように、初期の小さいひび割れaが進展して大きな割れ目Aを形成することになり、ひいては接着強度の低下を招く、という課題を有している。
また、セラミックハニカム構造体100の製造における接着工程は、図11に示すように、相互に対向する2個のハニカムセグメント2、2の各接着面2a、2bの内、一方の接着面2bに接着剤を施与して接着剤層3を形成した後、他方の接着面2aを接着剤層3の表面に押し当てて2個のハニカムセグメント2、2を接着することにより成り立っている。
ところで、この接着工程において、ハニカムセグメント2が多孔質であることに起因して接着剤層3から接着面2bを介してのハニカムセグメント2への水分移動wが発生し、この水分移動wにより接着剤層3と接着面2bとの間に高接着力界面B(図面上、斜線を付して示している)が形成されるが、他側の接着剤層3と接着面2aとの間には水分不足により低接着力界面bが形成される。この低強度界面bの形成により、接着剤層3の全体の接着強度は、低下する、という課題を有している。
そこで、この発明は、ひび割れの進展、および接着剤層の水分移動を極力抑制して、以て接着剤層の接着強度の向上を図ることができるセラミックハニカム構造体の製造方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明は、隔壁により仕切られ軸方向に貫通する多数の流通孔を有する多孔質ハニカムセグメントが、接着剤層を介して複数個結束されて構成されるセラミックハニカム構造体の製造方法であって、相互に接着される2個の多孔質ハニカムセグメントの対向する前記被接着面の内、一の被接着面に突起部が固設されると共に、他の被接着面は平坦面に形成されており、前記突起部を埋没させながら接着剤を施与して前記接着剤層を形成し、その後、前記接着剤層を介在させて前記他の被接着面との対向間隔が狭まる方向に押圧して前記2個の多孔質ハニカムセグメントを接着することを要旨とする。
このため、本発明では、突起部の固設箇所に対応する部分にある接着剤層は、接着剤層が形成される一方のハニカムセグメントへの水分移動が突起部により阻まれ、他方のハニカムセグメントの接着時に他方のハニカムセグメント側へ水分移動が生じるので、他方のハニカムセグメントの被接着面との間に高接着力界面が形成される。これに対して突起部の無い箇所にある接着剤層は、接着剤層が形成される一方のハニカムセグメントへの水分移動が生じるので、一方のハニカムセグメントの被接着面との間に高接着力界面が形成される。
また、本発明では、接着剤層の内、突起部の固設箇所に対応する部分にあるものは、他の被接着面との界面に高接着力界面を形成することができ、突起部の無い箇所にあるものは、一の被接着面との界面に高接着力界面を形成することができる。
以上説明したように、請求項1の発明によれば、接着剤層の内、突起部の固設箇所に対応する部分にあるものは、他の被接着面との界面に高接着力界面を形成することができ、突起部の無い箇所にあるものは、一の被接着面との界面に高接着力界面を形成することができる。また、突起によりひびの進展を阻止することができるので、接着剤層の接着強度を向上することができる。従って、ひび割れの進展、および接着剤層の水分移動を極力抑制することにより、接着剤層の接着強度の向上を図ることができるセラミックハニカム構造体を製造することができる。
また、本発明によれば、接着剤層との間に形成される高接着力界面は、突起部の固設箇所では突起部に対向する被接着面側となり、突起部の無い箇所では接着剤が施与される被接着面側となると共に、突起によりひびの進展を阻止することができるので、接着剤層の接着強度を向上したセラミックハニカム構造体を確実に製造することができる。
図1(a)は本発明の一実施形態としてのセラミックハニカム構造体の断面図であり、図1(b)は他の実施形態としてのセラミックハニカム構造体の断面図である。 図2(a)、(b)、(c)は、本発明のハニカムセグメントの被接着面上の突起部の配置例を示す平面模式図である。 図3(a)、(b)、(c)は、本発明のハニカムセグメントの被接着面上の突起部の他の配置例を示す平面模式図である。 図4(a)は他の実施形態としてのセラミックハニカム構造体のひび割れの進展を説明する断面模式図であり、図4(b)は本発明のセラミックハニカム構造体の高接着力界面を説明する断面模式図である。 図5(a)は、本発明のセラミックハニカム構造体の高接着力界面の形成を説明する断面模式図であり、図5(b)は、他の実施形態としてのセラミックハニカム構造体の高接着力界面の形成を説明する断面模式図である。 図6は、剪断強度測定方法に用いた供試ハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの平面模式図である。 図7は、剪断強度測定方法を説明する断面模式図である。 図8(a)、(b)は、3点曲げ強度測定方法を説明する断面模式図である。 図9は、従来のセラミックハニカム構造体の説明図である。 図10は、従来のセラミックハニカム構造体のひび割れの進展を説明する断面模式図である。 図11は、従来のセラミックハニカム構造体の高接着力界面の形成を説明する断面模式図である。
以下、本発明を、実施の形態に基づいて具体的に説明する。なお、図9〜図11に示す構成要素と同一のものは、同一符号を付してその説明を簡略にすることにする。
図1(a)は、本発明の実施形態としてのセラミックハニカム構造体1を示し、図1(b)は、他の実施形態としてのセラミックハニカム構造体10を示す。このセラミックハニカム構造体1および10は、隔壁により仕切られ軸方向に貫通する多数の流通孔を有する多孔質ハニカムセグメント2が、接着剤層3を介して複数個結束されて構成される。
このとき、接着剤層3には、接着剤層3を挟んで対向する2個のハニカムセグメント2、2の各被接着面2a、2bのいずれかに固設された突起部4が複数個埋設されている。
具体的には、多孔質ハニカムセグメント2は、強度、耐熱性等の観点から、主成分が、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト、ジルコニア、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、チタニア及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックス、Fe−Cr−Al系金属、ニッケル系金属又は金属SiとSiCとからなることが好ましい。ここ、主成分とは成分の80質量%以上を占め、主結晶相となるものを意味する。
また、本発明において、ハニカムセグメント2が金属SiとSiCからなる場合、Si/(Si+SiC)で規定されるSi含有量が5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。5質量%未満ではSi添加の効果が得られにくく、50質量%を超えるとSiCの特徴である耐熱性、高熱伝導性の効果が得られにくいからである。
また、接着剤層3を形成する接着剤は、特に制限はないが、ハニカムセグメント2の材質に合った公知の接着剤を用いることができる。ハニカムセグメント2が金属SiとSiCからなる場合、接着剤も金属SiかSiCの一方もしくは両方からなるものを含むことが好ましい。例えば、セラミックファイバー等の無機繊維、セラミック粉等の無機粉体、および有機・無機のバインダー等を混合したセラミック接着剤等が好ましい。更に、Siゾルなどのゾル状物質を含む接着剤から形成されることも好ましい。また、複数の種類の接着剤を用いてもよく、この場合に、接着剤層3を複数の層とすることも好ましい。このように接着剤層3を複数の層とする場合には、例えば、ハニカムセグメント2と接する接着層の組成をハニカムセグメント2の組成に近いものとし、傾斜的に接着層の組成を変化させることも好ましい。
また、突起部4は、ハニカムセグメント2や接着剤層3と略同一材料を用いて高密度に形成される。セラミックハニカム構造体1および10が、使用時に高温に晒されることを考慮すれば、有機物と金属は、高温で燃焼もしくは融解もしくは蒸発するので好ましくなく、ハニカムセグメント2や接着剤層3と略同一材料は、例えば熱膨張率、熱伝導率等も略同一となるので、加熱と冷却の繰り返し環境下においても熱応力の発生を極力抑制することができるので好ましい。その上、突起部4は、高密度に形成することにより突起部4を介しての接着剤層3の水分移動を阻止することができる。
突起部4は、ハニカム構造体1では一方のハニカムセグメント2の被接着面2bに固設されており(図1(a)参照)、ハニカム構造体10では2個のハニカムセグメント2、2の各被接着面2a、2bにそれぞれ固設されている(図1(b)参照)。
具体的には、突起部4は、ハニカムセグメント2の被接着面2b(あるいは2a)に下地層を形成し、その下地層の上に、後に塗布される接着剤層3と同様のものを所望する厚みで、かつ所望する場所に塗布した後、加熱乾燥することによって固設することができる。
また、突起部4は、ハニカムセグメント2の被接着面上に次のようにして配置される。図2および図3は、その配置例を示すもので、2個のハニカムセグメント2、2のいずれの被接着面に固設されるかには無関係に平面的な形状および位置関係を示すものである。図中、突起部4は、斜線を付して示している。
すなわち、図2(a)では、突起部4は、平面形状が円形に形成されており、ハニカムセグメント2の長手方向の両側部分に2個づつ固設されている。図2(b)では、突起部4は、平面形状がハニカムセグメント2の幅と同一長さを有する矩形に形成されており、ハニカムセグメント2の長手方向の両側部分に固設されている。図2(c)では、突起部4は、平面形状がハニカムセグメント2の幅と同一長さを有する矩形に形成されており、ハニカムセグメント2の長手方向に略等間隔で、多数個固設(本例では、7個)されている。
さらに、図3(a)では、突起部4は、平面形状がハニカムセグメント2の長手方向の長さと同一長さを有する帯形状に形成されており、ハニカムセグメント2の幅方向の両側部分に固設されている。この場合、ハニカムセグメント2の幅方向に進展しようとするひび割れをハニカムセグメント2の幅方向の両側部分で止める効果が期待できる。
図3(b)では、突起部4は、平面形状がハニカムセグメント2の長手方向の長さと同一長さを有する帯形状に形成されており、ハニカムセグメント2の幅方向に略等間隔で、多数個固設(本例では、4個)されている。この場合、ハニカムセグメント2の幅方向に進展しようとするひび割れをハニカムセグメント2の幅方向の両側部分とハニカムセグメント2の幅方向内で止める効果が期待できる。
図3(c)では、突起部4は、平面形状が小四角形に形成されており、ハニカムセグメント2の被接着面の全面に亘って千鳥模様状に多数個固設(本例では、30個)されている。この場合、ハニカムセグメント2内で進展しようとするひび割れを幅方向と長手方向の両方向で止める効果が期待できる。
このように構成されたセラミックハニカム構造体10(1)は、図4(a)に示すように、接着剤層3に生じたひび割れaは、突起部4に突き当たることによってその進展が阻まれるので、大きな割れ目に成長するのを未然に防ぐことができる。
また、突起部4は、図4(b)に示すように、接着剤層3に埋設されているので、突起部4とハニカムセグメント2の被接着面との間にも接着剤層3が介在することになる。したがって接着剤層3は、2個のハニカムセグメント2、2の各被接着面間に形成される厚肉部分3aと、突起部4とハニカムセグメント2の被接着面との間に形成される薄肉部分3bとが連続して形成されることになる。この接着剤層3の内、厚肉部分3aでは、接着剤層3が形成される一方のハニカムセグメント2の被接着面との界面に高接着力界面B(図面上、斜線を付して示している)が現出し、薄肉部分3bでは、突起部4に対向する他方のハニカムセグメント2の被接着面との界面に高接着力界面Bが現出することになる。
このようにセラミックハニカム構造体1、10は、突起部4によるひび割れaの進展の阻止、および突起部4による2個のハニカムセグメント2、2の各被接着面への高接着力界面Bの現出により、総じて接着剤層3の接着強度の向上を図ることができる。
また好ましくは、セラミックハニカム構造体1(10)は、図1(a)に示すように、突起部4の厚さt1が0.1〜3.0mmであり、接着剤層3の接着幅Tが、突起部4の固設箇所の接着剤層3の厚み(薄肉部分3bの厚み)t2と突起部4の厚みt1の合計で、0.2〜4.0mmになるように形成される。
この構成では、セラミックハニカム構造体1(10)の使用時の圧力損失の増大を避けることができると共に、接着剤層3の接着強度の向上を図ることができる。接着剤層3と突起部4の各厚みの合計が厚すぎると、ハニカム構造体1(10)の圧力損失が大きくなり、薄すぎると本発明の効果が得られにくくなり好ましくない。
次にセラミックハニカム構造体1(10)の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法において、まず、ハニカムセグメント2を製造する。ハニカムセグメント2の製造工程に特に制限はなく、一般的にセラミックハニカム構造体を有するものを製造する方法を用いることができるが、例えば次のような工程で製造することができる。
原料として、例えば炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、アルミナ、ムライト、ジルコニア、燐酸ジルコニウム、アルミニウムチタネート、チタニア及びこれらの組み合わせよりなる群から選ばれる少なくとも1種のセラミックス、Fe−Cr−Al系金属、ニッケル系金属又は金属SiとSiC等を用い、これにメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルメチルセルロース等のバインダー、界面活性剤及び水等を添加して、可塑性の坏土を作製する。
この坏土を、例えば押出成形し、隔壁により仕切られた軸方向に貫通する多数の流通孔102を有する形状のハニカム成形体を成形する(図9参照)。
これを、例えばマイクロ波及び熱風などで乾燥した後、焼成することにより、図9に示すようなハニカムセグメント2を製造することができる。
本発明において、ハニカムセグメント2を製造した後、これらのハニカムセグメント2の被接着面に突起部4を固設し、その後突起部4を固設したハニカムセグメント2を接着一体化する。この突起部4の固設工程から接着一体化工程までが、本発明の製造方法の重要な特徴をなしている。
まず、突起部4の固設工程を説明する。このときの突起部4の配置は、前述した図2および図3の中から適宜選択される。この工程では、被接着面2b上に突起部4を固着する工程であり、例えば、突起部4の形成剤を、突起部4を形成すべき所定の位置に所定量配置し、加熱や乾燥することにより突起部4を被接着面2b上に固着することができる。突起部4の形成剤は、流動性であることが好ましく、流動性の形成剤を所定位置に配置した後、固化させて被接着面上に固着することが好ましい。突起部4の形成剤を所定位置に配置する方法としては、例えば、一定量だけ排出することができるポンプを用いて、被接着面上の所定位置に所定量配置する方法が好ましい。配置された突起部4の形成剤を被接着面上に固着して突起部4を形成する方法としては、突起部4の形成材料を加熱や乾燥することにより固着する方法が好ましく、このためには、一般に用いられる種々の加熱装置、乾燥装置、加熱、乾燥装置を用いることができる。ここで、突起部4が所定の厚さとなるように、突起部4の形成剤を加圧しながら加熱及び/又は乾燥することが好ましい。なお、場合により、突起部4の形成剤を配置する前に、被接着面2bに下地剤をスプレーなどで塗布してもよい。下地剤を塗布することにより、突起部4を被接着面との接着強度を向上させることができる。
次に、接着一体化工程を説明する。この工程では、図5に示すように、相互に接着される2個のハニカムセグメント2、2の対向する被接着面2a、2bの内、突起部4が固設されている被接着面2bに突起部4を埋没させながら接着剤を施与して接着剤層3を形成し、その後接着剤層3を介在させて被接着面2a、2bの対向間隔が狭まる方向に押圧(図中、矢印Pで示している)して2個のハニカムセグメント2、2を接着するようにした。また、接着剤の種類によっては、更に乾燥及び/又は焼成することによりより強固な接着力を得ることができる。
図5(a)に示す本発明に係る製造方法では、一方のハニカムセグメント2の被接着面2bに突起部4が形成されており、他方のハニカムセグメント2の被接着面2aは平坦面に形成されている。このとき接着剤層3は、被接着面2b側にのみ形成される。このときの接着剤層3の接着剤は、前述したセラミック接着剤を用いることができる。接着剤層3は、形成後他方のハニカムセグメント2が接着されるまでの間、突起部4の固設されていない箇所では被接着面2bを介しての水分移動wが生じている。このとき突起部4の固設箇所では、突起部4に阻まれて水分移動wが生じていない。その後、被接着面2aを接着剤層3に当接させて他方のハニカムセグメント2を接着すると、突起部4の固設箇所に対応する接着剤層3から被接着面2aを介しての水分移動wが生じる。そして製造されたセラミックハニカム構造体1は、前記した水分移動wに起因して、両被接着面2a、2bにそれぞれ高接着力界面B(図面上、斜線を付して示している)が現出する。
また、図5(b)に示す製造方法では、両方のハニカムセグメント2、2の被接着面2a、2bに突起部4が形成されている。このとき接着剤層3は、突起部4を埋没させながら接着剤を施与して、被接着面2a、2bの両側に形成される。接着剤層3は、形成後両方のハニカムセグメント2、2が接着されるまでの間、突起部4の固設されていない箇所では被接着面2a、あるいは2bを介しての水分移動wが生じている。このとき突起部4の固設箇所では、突起部4に阻まれて水分移動wが生じていない。その後、両接着剤層3同士を当接させて両方のハニカムセグメント2、2を接着する。製造されたセラミックハニカム構造体10は、前記した水分移動wに起因して、両被接着面2a、2bにそれぞれ高接着力界面B(図面上、斜線を付して示している)が現出する。
このように構成された本発明に係る製造方法(図5(a))では、突起部4の固設箇所に対応する部分にある接着剤層3は、接着剤層3が形成される一方のハニカムセグメント2への水分移動wが突起部4により阻まれ、他方のハニカムセグメント2の接着時に他方のハニカムセグメント2側へ水分移動wが生じるので、他方のハニカムセグメント2の被接着面2aとの間に高接着力界面Bが形成される。これに対して突起部4の無い箇所にある接着剤層3は、接着剤層3が形成される一方のハニカムセグメント2への水分移動wが生じるので、一方のハニカムセグメント2の被接着面2bとの間に高接着力界面Bが形成される。
このように本発明に係る製造方法によれば、接着される2個のハニカムセグメント2、2の各被接着面2a、2bに、突起部4による高接着力界面Bを現出することができ、これにより接着剤層3の接着強度の向上を図ることができる。
次に接着剤層3の接着強度についての実験例を示す。
[実験例1]
供試ハニカム構造体Sは、図6に示すように、突起部4が、一方のハニカムセグメント2にのみ、前述した図2(c)の配置例にしたがって固設されており、他方のハニカムセグメント2の被接着面は平坦面に形成されており、突起部4の固設側の被接着面に接着剤層3を1mmの厚さに塗布した後、他方のハニカムセグメント2を貼り合わせて、1.0kgf/cmで加圧し、100℃、30分乾燥して形成した。供試ハニカム構造体Sは、長さL1=150mm、幅L2=35mmの矩形平面からなる被接着面を有して形成されている。突起部4は、長さL2=35mm、幅L3=10mmの矩形平面を有して形成されており、離間距離L4=10mmを保って8個設けられている。
そして供試ハニカム構造体Sは、突起部4の厚さを0.1mm(実施例1)、0.5mm(実施例2)、1.0mm(実施例3)にしたものを構成した。このとき比較例は、突起部の無いもので、他は実施例と同一条件で形成したものを用いた。
実験方法:図7に示すように、一方のハニカムセグメント2をチャック部G、G間に挟持し、他方のハニカムセグメント2を加圧Pすることにより、剪断強度を測定した。
実験結果:表1に示す。
Figure 0005156701
表1から明らかなように、突起部4の厚さが実施例2の場合に十分な強度を発現し、突起部4の無いもの(比較例)では突起部4を設けたもの(実施例1、3)よりも低い強度であった。よって、突起部4がない場合よりもあるほうが高強度になることが理解できる。
[実験例2]
供試ハニカム構造体S1は、図8(a)に示すように、71×30×15mmの試験片s1、s2を接着層3を介して接合して構成されている。この供試ハニカム構造体S1において、符号Cは塗布側界面を示し、符号Dは接着側界面を示している。
供試ハニカム構造体S2は、図8(b)に示すように、71×30×15mmの試験片s1、s2を用い、試験片s1側に突起部4を固設し、突起部4と他の試験片s2との間に接着層3を介在して接合することによって構成されている。この供試ハニカム構造体S2において、符号Dは接着剤−セグメント界面を、符号Eはセグメント−突起界面を、符号Fは突起−接着剤界面を示している。
実験方法:3点曲げ強度測定法で、図8(a)に示すものをは、接着層3の中央部分に荷重Pを掛けて測定し(水準1)、図8(b)に示すものは、突起−接着剤界面Fの部分に荷重Pを掛けて測定した(水準2)。
実験結果:表2に示す。
Figure 0005156701
表2から明らかなように、突起部4を含まない水準1(図8(a))での接着強度は接着側界面Dで破断しており、突起部4を含んだ水準2(図8(b))では高接着力界面が存在するため突起―接着剤界面Fが相対的に弱くなり破断する場合がある。水準1と水準2を比較すると突起部4を含んだ水準2が強度が発現している。よって接着強度を上げるには突起部4を設ける事が望ましいことが理解できる。
1、10…セラミックハニカム構造体(ハニカム構造体)、 2…ハニカムセグメント、 2a、2b…被接着面、 3…接着剤層、 4…突起部

Claims (1)

  1. 隔壁により仕切られ軸方向に貫通する多数の流通孔を有する多孔質ハニカムセグメントが、接着剤層を介して複数個結束されて構成されるセラミックハニカム構造体の製造方法であって、
    相互に接着される2個の多孔質ハニカムセグメントの対向する前記被接着面の内、一の被接着面に突起部が固設されると共に、他の被接着面は平坦面に形成されており、
    前記一の被接着面の突起部を埋没させながら接着剤を施与して前記接着剤層を形成し、その後、前記接着剤層を介在させて前記他の被接着面との対向間隔が狭まる方向に押圧して前記2個の多孔質ハニカムセグメントを接着するセラミックハニカム構造体の製造方法。
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