JP5152314B2 - 対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システム - Google Patents

対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システム Download PDF

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Description

本発明は、対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システムに関し、例えば、情報検索システムにおいて、ユーザとシステムとの対話の中からユーザの意識を抽出する対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システムに適用し得るものである。
情報化社会が進み、ネットワーク上に存在する大量かつ多様な情報から、必要な情報を探し出す情報解析技術、情報検索技術は、情報産業のみに限定されず、通信、メディア、広告、コンテンツ、流通など情報を活用するあらゆる産業の競争力強化に直結する重要な課題となっている。
ネットワーク上に存在する情報を検索する情報解析・情報検索システムとしては、例えば、Google(登録商標)やヤフー(登録商標)等のように種々のシステムが実用化されている。
これらの情報解析・情報検索システムにおいては、入力されたキーワードのヒット件数が多い情報を上から順に紹介するのが一般的である。そのため、ユーザは、希望する情報を検索するために、情報キーワードを正しく入力する必要があるが、どのようなキーワードを入力すればよいか分からない場合がある。
そこで、このような課題を解決する技術として、例えば、入力キーワードと一緒に使われるキーワードも表示するキーワード自動拡張技術や、多くのユーザによる口コミ情報から例えば商品を紹介するレコメンドシステム等を採用することも考えられる。
しかしながら、上記のような技術は、より多くのユーザが推薦する代表的な情報を紹介するものであって、必ずしもそれぞれのユーザの個別化された具体的な情報を紹介するものではない。
そのため、ユーザとの間で対話を交し、その対話の中で徐々に掘り下げた質問を繰り返すことによりユーザが本当に希望しているニーズや価値観を引き出し、このユーザが意識する情報を検索することができる情報解析・情報検索技術が提案されている。
上記のように、ユーザの意識を解析し、その意識に応じた情報を検索するシステムにおいては、ユーザと交わされる対話の中からシステムの属性情報にマッチするユーザの意識する情報を正しく抽出することが必要となる。
特許文献1は、従来の対話型情報検索システムに関する技術が記載されている。特許文献1には、対話回数が多くなると絞込み対象の件数や絞込み所要時間が多くなり又誤認識が多くなることから、対話回数を最適化する技術が記載されている。
特開2000−276487号公報
しかしながら、現在提案されている情報解析・情報検索技術は、上述したように、ユーザが意識する情報を検索することを目的とするため、ユーザが本来意識していることを、聞き出す必要がある。
この場合、単に情報検索に必要な情報をユーザから聞きだすだけでは、本来のユーザ意識を探ることができない。例えば、ある人が心を打ち明けるときは、その人と会話する人との間で信頼関係が成り立っている場合である。また、会話を繰り広げていく中で、別の話題になったときに、初めて先の話題の意識を打ち明けたりすることがある。
このような行動を、上述のシステムにおいて行うためには、ユーザとの対話において、どのようにして対話を進行させていくか、どのような話題を取り上げるか、どうやってユーザとの間で信頼感や安心感を形成させるかということが問題となる。
そこで、本発明は、ユーザとシステムとの間で対話を円滑に展開させ、対話を繰り広げていく中で、ユーザに対して安心感や信頼感を与えて、ユーザの本来の意識を抽出することができる対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システムを提供しようとするものである。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の対話管理装置は、(1)情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを複数記憶する対話シナリオデータベースと、(2)情報要求手段から要求された情報の属性に基づき、その属性の対話シナリオを対話シナリオデータベースから選択するシナリオ選択手段と、(3)シナリオ選択手段により選択された対話シナリオの属性に応じた応答アクションに、応答文が記述されているとき、当該応答文を生成してユーザ端末に与える応答生成手段と、(4)応答文に対してユーザから回答されたユーザ回答文に基づき、回答文解析手段が解析して得た属性に対するユーザの意識する属性値を受け取り、属性に対するユーザの属性値にマッチする1又は複数の対話シナリオを対話シナリオデータベースから検索し、いずれかの対話シナリオに設定されている、属性に対する属性値に応じた応答アクションを次の行動として決定する行動決定手段と、(5)行動決定手段により決定された次の行動に従って対話制御を行う対話制御手段とを備え、(6)対話制御手段が、(6−1)次の行動に係る応答アクションに、ユーザ端末に与える予め設定された応答文が記述されている場合には、その応答文を応答生成手段に生成させ、当該応答文をユーザ端末に与えることを要求し、(6−2)次の行動に係る応答アクションに、次に呼び出す他の対話シナリオの属性が記述されている場合には、シナリオ選択手段に当該応答アクションに記述されている属性の上記他の対話シナリオを選択要求することを特徴とする。
第2の本発明の対話管理方法は、情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを複数記憶する対話シナリオデータベースと、シナリオ選択手段と、応答生成手段と、行動決定手段と、対話制御手段とを備え、(1)シナリオ選択手段が、情報要求手段から要求された情報の属性に基づき、その属性の対話シナリオを対話シナリオデータベースから選択するシナリオ選択工程と、(2)応答生成手段が、シナリオ選択手段により選択された対話シナリオの属性に応じた応答アクションに、応答文が記述されているとき、当該応答文を生成し、ユーザ端末に与えさせる応答生成工程と、(3)行動決定手段が、応答文に対してユーザから回答されたユーザ回答文に基づき、回答文解析手段が解析して得た属性に対するユーザの意識する属性値を受け取り、属性に対するユーザの属性値にマッチする1又は複数の対話シナリオを対話シナリオデータベースから検索し、いずれかの対話シナリオに設定されている、属性に対する属性値に応じた応答アクションを次の行動として決定する行動決定工程と、(4)対話制御手段が、行動決定手段により決定された次の行動に従って対話制御を行う対話制御工程とを有し、(5)対話制御手段が、(5−1)次の行動に係る応答アクションに、ユーザ端末に与える予め設定された応答文が記述されている場合には、その応答文を応答生成手段に生成させ、当該応答文をユーザ端末に与えることを要求し、(5−2)次の行動に係る応答アクションに、次に呼び出す他の対話シナリオの属性が記述されている場合には、シナリオ選択手段に当該応答アクションに記述されている属性の上記他の対話シナリオを選択要求することを特徴とする。
第3の本発明の対話管理プログラムは、情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを複数記憶する対話シナリオデータベースを備えるコンピュータを、(1)情報要求手段から要求された情報の属性に基づき、その属性の対話シナリオを対話シナリオデータベースから選択するシナリオ選択手段と、(2)シナリオ選択手段により選択された対話シナリオの属性に応じた応答アクションに、応答文が記述されているとき、当該応答文を生成してユーザ端末に与える応答生成手段と、(3)応答文に対してユーザから回答されたユーザ回答文に基づき、回答文解析手段が解析して得た属性に対するユーザの意識する属性値を受け取り、属性に対するユーザの属性値にマッチする1又は複数の対話シナリオを対話シナリオデータベースから検索し、いずれかの対話シナリオに設定されている、属性に対する属性値に応じた応答アクションを次の行動として決定する行動決定手段と、(4)行動決定手段により決定された次の行動に従って対話制御を行う対話制御手段として機能させるものであり、(5)対話制御手段が、(5−1)次の行動に係る応答アクションに、ユーザ端末に与える予め設定された応答文が記述されている場合には、その応答文を応答生成手段に生成させ、当該応答文をユーザ端末に与えることを要求し、(5−2)次の行動に係る応答アクションに、次に呼び出す他の対話シナリオの属性が記述されている場合には、シナリオ選択手段に当該応答アクションに記述されている属性の上記他の対話シナリオを選択要求することを特徴とする。
第4の本発明の意識抽出システムは、(1)情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを含む複数の対話シナリオに従って、ユーザ端末に対して応答文を与えると共に、ユーザ端末から応答文に対するユーザ回答文を受け取り、ユーザとの対話を行う対話管理装置と、(2)ユーザ端末から受け取ったユーザ回答文に基づき属性に対するユーザの意識する属性値を解析する回答文解析装置と、(3)対話シナリオ毎の属性に対するユーザの属性値をユーザ毎に蓄積する対話情報蓄積装置とを備え、対話管理装置が、第1の本発明の対話管理装置に相当するものであることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザとシステムとの間で対話を円滑に展開させ、対話を繰り広げていく中で、ユーザに対して安心感や信頼感を与えて、ユーザの本来の意識を抽出することができる。
第1の実施形態の対話制御装置の内部構成を示す構成図である(その1)。 第1の実施形態のラダリング型検索システムの全体的な構成を示す構成図である。 第1の実施形態のラダリング対話エンジンの構成を示す構成図である。 第1の実施形態の対話制御装置の内部構成を示す構成図である(その2)。 第1の実施形態の対話シナリオデータベースの構成を示す構成図である。 第1の実施形態の対話制御装置の処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の行動決定処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態の対話文の構成例を示す図である。 第1の実施形態のシナリオの構成を示す構成図である。 第1の実施形態のシナリオの構成を示す構成図である。 第1の実施形態のラダリング対話エンジンによるラダリング対話の概略的な進行を説明する説明図である。 第1の実施形態のユーザ端末(ブラウザ)に表示される表示画面例である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明の対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システムの第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、本発明の対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システムを利用して、例えば、ラダリング型検索サービスを採用して、ユーザが意識する情報及び検索対象情報から所定の属性及び属性値を抽出し、ユーザの意識する情報にマッチした情報を検索し紹介する情報解析・情報検索システムに適用する場合を例示する。
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)ラダリング型検索システムの全体構成の説明
まず、以下では、本発明の対話管理装置、方法及びプログラム、並びに意識抽出システムを適用するラダリング型検索システムの全体的なイメージについて図面を参照して説明する。
図2は、第1の実施形態のラダリング型検索システム9の全体イメージを説明する全体イメージ図である。また、図3は、ラダリング型検索システム9を実現するラダリング対話エンジン1の構成を示す構成図である。
図2において、第1の実施形態のラダリング型検索システム9は、それぞれネットワークを通じて接続可能な、ラダリング対話エンジン1を有するラダリング型検索サービスサイト3と、各種サービスを提供するサービスサイト2(2−1〜2−n;nは正の整数)と、ネットワーク上に存在するWeb情報4とを有している。
ユーザインターフェース(UI)手段90は、ユーザU1が操作するユーザ端末(ブラウザ)からアクセス可能でラダリング型検索サービスを提供するWebサーバ901を有する。また、ユーザインターフェース(UI)手段90は、必要に応じて、音声合成・認識部902を有しており、ユーザU1からの情報が音声情報の場合に、音声で対話を実現することができるものである。
ラダリング対話エンジン1は、ユーザU1に対して質問を投げかけ、その各質問に対するユーザU1の回答を解析することにより、ユーザU1との間で対話を進めていき、ユーザU1が本当に求める意識を解析するものである。
また、ラダリング対話エンジン1は、サービスサイト2が提供する情報やWeb情報4を検索対象情報として取得し、これらのサービスサイト2の情報やWeb情報4から属性とその属性に対応する属性値を抽出し、ユーザU1からの応答情報に応じた属性値を有する情報を検索し、ユーザU1の意識に応じた属性値を有する情報をユーザU1に対して紹介するものである。
ここで、ラダリングとは、相手との対話の中で、徐々に掘り下げた質問を繰り返すことにより、相手のニーズや価値観を引き出す手法のことをいう。
ラダリング対話エンジン1が行うユーザとの対話の種類としては、例えば、システムがユーザに対してYESかNOで回答させる「YES/NO」形式の質問タイプや、「選択肢からの選択」形式の質問タイプや、ユーザに自由な回答をさせる質問タイプや、ユーザの回答に対して、同意したり、言い換えたりすることで、ユーザの自発的な発言を促す質問タイプなどを適用することができる。
図2において、ラダリング対話エンジン1は、ネットワークを通じて、サービスサイト2やWeb情報4から対話を進めるための情報やユーザU1の意識を引き出すための知識情報を獲得する知識獲得機能部12と、この知識獲得機能部12により獲得された知識情報を記憶する用語知識・ドメイン知識DB13を有する。
また、ラダリング対話エンジン1は、ネットワークを通じて接続可能なサービスサイト2の種類に応じて、対話を進めるためのシナリオを各ドメイン毎に記憶するドメイン別対話シナリオDB14を有する。
さらに、ラダリング対話エンジン1は、用語知識・ドメイン知識DB13及びドメイン別対話シナリオDB14を参照しながら、ユーザU1との間で対話を進めるラダリング対話制御機能部11を有する。
ラダリング対話制御機能部11は、ユーザの意識を明確にするために更に深堀した質問を投げかける「深堀り」や、ユーザ発言を抽象度の高い別の表現に言い換えて、問いかけ直したりする「言い換え」(以上は通常シナリオが受け持つ)、ユーザの回答を確認したりする「確認」、ユーザの発言のモチベーションをあげるためにユーザに対して種々の情報を提供したりする「情報提供」(以上は、特別シナリオが受け持つ)、過去に聞いた情報を要約して再利用する「要約」などの処理を行う。
さらにまた、ラダリング対話エンジン1は、各サービスサイト2の検索対象データ21から得た検索対象データを分析する検索対象分析機能部15と、この検索対象分析機能部15により分析された検索対象分析結果を格納する検索対象分析結果DB16を有する。
マッチング機能部17は、検索対象分析結果DB16から、ラダリング対話制御機能部11により解析されたユーザU1の回答解析結果(ユーザU1から引き出した情報)にマッチングする情報を抽出して、そのマッチング状況をラダリング対話制御機能部11に与えるものである。
各種サービスサイト2−1〜2−nは、ネットワークを通じてユーザに対して各種情報を提供するサービスサイトである。
各種サービスサイト2−1〜2−nとしては、多種多様な企業・団体などのサービスドメインが該当し、例えば、転職者向けの職業紹介ドメイン、住宅情報紹介ドメイン、各種ショッピングサイトのドメイン、旅行プラン/パーソナルナビゲーションのドメイン、放送・映画などのコンテンツ産業のドメインなど企業が提供するドメインサイトや、また例えばいわゆるブログやSNS(ソーシャルネットワークサイト)等のコミュニティサイトや、行政庁などのドメインサイトや、調査・カウンセリング(例えば、医療・ヘルスケア・福祉やアンケート調査等)の企業・団体が提供するドメインサイトなどが該当する。
Web情報4は、ネットワーク上に存在するWeb情報であり、ラダリング対話エンジン1がネットワークを通じてアクセス可能な情報である。
続いて、図3を参照して、ラダリング対話エンジン1の内部構成について説明する。
図3において、ラダリング対話エンジン1は、対話管理手段10、マッチング手段20、マッチング対象分析手段30、シナリオ管理手段50、対話結果要約手段60、ドメイン知識獲得手段70、ユーザ発話解析手段80、ユーザインターフェース(UI)手段90を少なくとも有するものである。
対話管理手段10は、ラダリング対話エンジン1における処理を制御するものである。対話管理手段10は、検索を希望するユーザU1に対していろいろな質問を繰り返し投げかけいき、それらの質問に対するユーザからの回答(対話内容)を蓄積させ、またその蓄積した対話ログを集約させることで、ユーザが本当に意識する情報を引き出し、その意識する情報にマッチする情報やコンテンツを検索させ、ユーザU1に紹介するものである。
対話管理手段10は、主な機能部として、ユーザU1に質問を投げかけたり、ユーザU1からの回答解析結果に基づいて次の対話を進めたり対話制御を実行する対話制御部101、対話に係るシナリオに従ってユーザU1に対して質問を投げかけたり、ユーザU1からの回答に基づいてシナリオの変更等の行う行動決定部102、ユーザU1との対話について違和感のないシナリオをシナリオ管理手段50から選択するシナリオ選択部103、シナリオ選択部103により選択されたシナリオをベースに、ユーザU1からの回答に対する応答文を生成する応答生成部104を少なくとも有するものである。
マッチング手段20は、対話管理手段10により解析されたユーザU1の回答解析結果(ユーザU1から引き出した情報)を対話管理手段10から受け取り、サービスサイト2から取得した情報とのマッチングを行うものである。
マッチング手段20は、主な機能部として、対話制御部101から受け取ったユーザU1の回答解析結果をマッチャー202に与えたり、マッチャー202によりマッチングされた情報をドメイン知識獲得手段70に与えたりするディスパッチャ201、対象データと個人登録データとのマッチング処理や、ユーザU1の回答解析結果とサービスサイト2の検索情報とのマッチング処理を行うマッチャー202、ユーザU1の回答解析結果に基づいてサービスサイト2から検索する対象を決定するセッター203を少なくとも有するものである。
マッチング対象分析手段30は、マッチング対象データ(すなわち、ユーザU1に質問するための属性に関する情報)や個人登録データを所定のデータ形式に変換すると共に、対話結果やドメイン知識などを用いて、そのマッチング対象データや個人登録データの拡張処理を行うものである。
マッチング対象分析手段30は、主な機能部として、属性を示すマッチング対象の対象データを記憶する対象データDB303、ユーザU1の個人登録データを記憶する個人登録データDB304、対象データDB303及び個人登録DB304に格納される対象データ及び個人登録データを所定のデータ形式に変換するコンバータ301、ドメイン知識や対話結果のログ情報に基づいて、コンバータ301により所定データ形式に変換されたデータを、類似するデータや関連データ等に拡張するデータに変換するエンハンサ302を少なくとも有する。
ドメイン知識獲得手段70は、Web情報4を通じて、サービスサイト2や他のWeb情報4から、サービスサイト2上で提供されるドメイン情報や知識情報を取得するものである。
ドメイン知識獲得手段70は、Webを通じて検索対象の分野に関するドメイン知識情報(すなわち用語)を取得し、その取得したドメイン知識情報(以下、単にドメイン知識ともいう)をマッチング対象分析手段30に与え、所定のデータ形式に変換させるドメイン知識エディタ701と、所定のデータ形式に変換されたドメイン知識を体系的な集合体(以下、オントロジーともいう)として格納するドメイン知識DB702を有するものである。
シナリオ管理手段50は、ドメイン知識DB702を参照しながら、各ドメイン毎のシナリオを生成し管理するものである。シナリオ管理手段50は、ドメイン知識DB702を参照しながら、ユーザU1と対話を行うためのシナリオを生成したり、対話管理手段10の行動決定部102の制御に応じて、シナリオを変更したりシナリオの編集を行うシナリオエディタ501を有する。このシナリオエディタ501は、ユーザと交わす対話シナリオについては、マッチング対象分析手段30のエンハンサ302と連携して、拡張された内容の対象データに基づく対話シナリオを生成することができる。また、シナリオエディタ501が生成した対話シナリオはシナリオ選択部103により選択されるものとなる。
対話結果要約手段60は、システムとユーザU1との対話でやり取りしたログを格納するログDB601と、対話制御部101の制御を受けてログDB601に格納されているログ情報を読み出して対話制御部101に与えるロガー602と、拡張・対象データ及び拡張・個人データを用いてユーザU1の回答に対する要約処理を行うサマライザ603を有する。
ユーザ発話解析手段80は、対話制御部101を通じてユーザU1の回答を入力し、その入力されたユーザU1の回答情報に基づいて、ユーザが意識する情報を解析するものである。また、ユーザ発話解析手段80は、解析したユーザが意識する解析情報を対話制御部101に与えるものである。
図3に示すように、ユーザ発話解析手段80は、主な機能部として、意識解析部801、表現正規化部802、構文解析部803、形態素解析部804、辞書コンバータ805、意識解析用辞書806、翻訳用辞書807を少なくとも有する。
意識解析用辞書806は、意識解析に必要な種々の情報を格納するものである。図3では、説明便宜上、意識解析用辞書806が単一の辞書であるものとして示しているが、意識解析に必要なものを意図するものであり、例えば、形態素情報、構文情報、正規化情報等を格納するものである。また、翻訳用辞書807は、翻訳情報を格納するものである。
辞書コンバータ805は、翻訳用辞書807及び意識解析用辞書806を参照しながら、必要に応じて、意識解析用辞書806に格納される情報の翻訳処理を行うものである。
形態素解析部804は、ユーザU1の応答情報又はサービスサイト2等の検索対象情報を対話制御部101から取得し、これらユーザU1の応答情報又はサービスサイト2等の検索対象情報に対して、意識解析用辞書806を参照しながら形態素解析を行うものである。
構文解析部803は、意識解析用辞書806を参照しながら、形態素解析部804による形態素解析結果に基づいて、ユーザU1の回答情報又はサービスサイト2等の検索対象情報に対して構文解析を行うものである。
表現正規化部802は、意識解析用辞書806及びドメイン知識DB702を参照しながら、構文解析部803による構文解析結果に対して正規表現化を行うものである。
意識解析部801は、意識解析用辞書805及びドメイン知識DB702を参照しながら、ユーザU1の応答情報に含まれるユーザが意識する意識情報を抽出するものである。この意識解析部801により抽出されたユーザの意識情報は、対話制御部101を介してマッチング対象分析手段30の個人登録データDB304に記憶される。
(A−1−2)対話管理装置について
次に、第1の実施形態に係る対話管理装置について図面を参照しながら詳細に説明する。また、以下では、サービスサイト2が転職者向けの職業紹介ドメインサイトである場合を例示して説明する。
第1の実施形態の対話管理装置は、上述したラダリング対話エンジン1においては、対話管理手段10として実現される。以下では、対話管理装置についても、対話管理手段と同一の符号「10」を用いる。
勿論、上述したラダリング対話エンジン1では、対話管理手段10が、ソフトウェア処理により、各種手段20〜90と連携を図って、ラダリング手法によるユーザとの対話を交わしながらユーザの意識に応じた情報を紹介するものであるから、後述する情報抽出処理の実現箇所が特に限定されるものではない。
図1及び図4は、第1の実施形態の対話管理装置10の構成を示す構成図である。図1は、対話管理装置10がユーザの個人情報を外部に備えるときの構成図であり、図4は、対話管理装置10がユーザの個人情報を内部に備えるときの構成図である。
図1及び図4に示すように、第1の実施形態の対話管理装置10は、対話制御部101、行動決定部102、シナリオ選択部103、応答生成部104を少なくとも有するものである。
図1に示す対話管理装置10は、Webサーバ901、入力文解析モジュール(ユーザ発話解析手段)80、対話ログ(ログDB)601、マッチング手段20と少なくとも連携するものである。また、図4に示す対話管理装置10は、Webサーバ901、入力文解析モジュール(ユーザ発話解析手段)80、対話ログ(ログDB)601と少なくとも連携するものである。
対話制御部101は、対話管理装置10が実現する機能の制御や、外部モジュール(例えば、Webサーバ901、入力文解析モジュール80、対話ログ601、マッチング手段20など)との連携処理を制御するものである。対話制御部101は、基本的には、行動決定部102、シナリオ選択部103及び応答生成部104と外部モジュールとの間で情報の授受を行うものである。
具体的には、対話制御部101は、シナリオ選択部103に対して要求情報又は回答文判定によるシナリオ要求処理、応答生成部104に対する応答文生成の要求処理、入力文解析モジュール80に対する入力文解析要求処理、行動決定部102に対する回答文判定の要求処理、対話ログ601に対する対話の書込みの要求処理を行う。
シナリオ選択部103は、マッチング手段20が取得を希望する情報の要求をマッチング手段20から受けると、その情報を取得するためのシナリオ(以下、最適シナリオともいう)を、対話シナリオ1031から選択するものである。
また、シナリオ選択部103は、選択したシナリオを対話制御部101に与えるものである。このとき、対話制御部101は、シナリオ選択部103から取得したシナリオを現シナリオ1011として保持すると共に、そのシナリオを応答生成部104に与える。
ここで、どの属性に関する情報をユーザから取得するかの判断については、例えばマッチング手段20において、検索対象データとユーザの回答データとのマッチング結果に基づいて判断されるものとする。
対話シナリオ1031は、例えば、マッチング手段20が要求する全ての情報について、その情報を取得するためのシナリオが予め設定されている。また、この対話シナリオ1031は、図3に示すシナリオ管理手段50が有する対話シナリオに相当するものを適用できる。
図5は、複数の対話シナリオ1031を記憶する対話シナリオDB502の構成を示す構成図である。図5に示すように、対話シナリオDB502は、通常シナリオ群51、特別シナリオ群52、応答文群53を有するものである。
通常シナリオ群51は、ユーザU1との対話の中で、ユーザの希望する要件を引き出すためのシナリオの集合体である。この通常シナリオ群51には、検索対象に係る分野の全ての属性についてのシナリオが予め設定されている。
特別シナリオ群52は、ユーザとの間のラダリング対話において、ユーザからのイレギュラーな発話(例えば、ユーザがシナリオの発話に関する質問をしてきた場合など)に対応したり、ユーザとの対話を潤滑に進めるためのシナリオの集合体である。例えば、「説明シナリオ」、「確認シナリオ」、「寄り添いシナリオ」等が該当する。また、ユーザの発話内に対するアクションが通常シナリオに存在しなかった場合に実行される「デフォルトシナリオ」も存在する。
応答文群53は、通常シナリオ、特別シナリオで利用される応答文例であり、応答文シードともいう。応答文群53は、予め応答する応答文が設定されていたり、また変数を有するテンプレートが設定されていたりする。
なお、対話シナリオDB502は、図3に示すドメイン知識DB702に格納される情報をベースにした情報のシナリオが記述されている。
また、対話シナリオDB502内のシナリオは、エンハンサ302などにより情報が拡張された拡張・個人データの内容も利用して応答文を生成することができる。つまり、類似する用語などに置き換えたシナリオを保持するようにしてもよい。
応答生成部104は、対話制御部101を介してシナリオを受け取ると、そのシナリオの応答文シードに基づいて、ユーザに対して応答する応答文を生成するものである。
ここで、応答生成部104による応答文の生成方法としては、例えば、図5の応答文群53を参照して、その応答文群53に従って応答文を作成する方法を適用することができる。このとき、応答文が変数を有するテンプレートからなるものである場合、ユーザから取得した実データを変数に代入することにより応答文を完成させる。
また、応答生成部104は、生成した応答文を対話制御部101に与えるものである。このとき、対話制御部101は、生成された応答文をWebサーバ901に与えて、ユーザU1に送信させる。
行動決定部102は、対話制御部101を介して、ユーザからの回答であるユーザ入力文解析結果を受け取ると、その入力解析結果に基づいて次の対話行動を決定し、その決定した次の行動を対話制御部101に与えるものである。このとき、対話制御部101は、行動決定部102により決定された行動に従って、次の行動を行うように制御する。
ここで、行動決定部102が決定する行動としては、次の3つの行動がある。第1は、マッチング手段20に対して情報提供し、現シナリオ1011を終了するというものである。第2は、現シナリオ1011を継続するというものである。第3は、ラダリング特別処理を実行させるというものである。
このラダリング特別処理とは、ユーザからのイレギュラーな発話(例えば、ユーザがシナリオの発話に関する質問をしてきた場合等)により通常のシナリオの継続が困難になった場合や、現シナリオ(ユーザが必要な情報を収集するためのシナリオ)ではなく、ユーザとの対話を潤滑に進める為の特別な応答をしたい場合に現シナリオとは異なったシナリオを選択させ、対話を続けるという処理である。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の対話管理装置の処理(対話管理方法)について図面を参照しながら説明する。図6は、第1の実施形態の対話管理装置の処理を示すフローチャートである。図1及び図6で示すステップ番号はそれぞれ対応する番号である。
まず、マッチング手段20から取得を希望する情報の要求が、対話制御部101に与えられると(ステップS1)、対話制御部101は、要求情報によるシナリオ要求をシナリオ選択部103に対して行う(ステップS2)。
このとき、対話シナリオDB502に格納されている対話シナリオ1031がシナリオメモリ1021に読み込まれる(ステップS111)。
例えば、マッチング手段20が要求する情報が「希望職種」である場合、シナリオ選択部103は、「希望職種」についてのシナリオを対話シナリオ1031から選択し、そのシナリオを対話制御部101に与える(ステップS3)。
シナリオ選択部103により選択されたシナリオが対話制御部101に与えられると、対話制御部101は、そのシナリオを現シナリオ1011として保持すると共に、現シナリオの応答文シードを応答生成部104に与えて応答文生成要求を行う(ステップS4)。
応答生成部104では、当該要求情報のシナリオ内の応答文シードに基づいて応答文を生成し、その作成した応答文を対話制御部101に与える(ステップS5)。
例えば、このとき「希望職種」についての応答文として、応答生成部104は応答文シードに基づいて、「職種の希望はありますか?」という応答文を生成する。
そして、対話制御部101は、応答生成部104により生成された応答文をWebサーバ901に与えて(ステップS6)、ユーザU1のユーザ端末(図示しない)に対して質問を投げかける。
その後、ユーザU1から質問に対する回答文がWebサーバ901を介して対話制御部101に与えられると(ステップS7)、対話制御部101は、そのユーザU1からの回答文と現シナリオとを入力文解析モジュール80に与えて、その回答文の解析要求を行う(ステップS8)。
入力文解析モジュール80では、入力されたユーザU1の回答文が解析され、その解析結果が、対話制御部101に与えられる(ステップS9)。
なお、入力文解析モジュール80での入力文解析方法は、本発明の特徴ではないのでその詳細な説明は省略するが、例えば、情報の知識が体系的に分類されたドメイン知識(オントロジー)を利用して行われる。例えば、ユーザU1の応答文に対する回答文が「特にありません」である場合、入力文解析モジュール80は、「ない」という解析結果を対話制御部101に与える。
入力文解析モジュール80から回答文解析結果を受け取ると、対話制御部101は、その回答文解析結果と現シナリオを行動決定部102に与えて回答文判定を要求する(ステップS10)。
そうすると、行動決定部102では、回答文解析結果と現シナリオに基づいて次の行動を決定し、その決定した行動を対話制御部101に与える(ステップS11)。すなわち、行動決定部102は、マッチング手段20に対して情報提供をして現シナリオを終了するようにするか、シナリオを続行させるか、ラダリング特別処理をさせるかを決定する。
ここで、行動決定部102による行動決定処理について図面を参照して詳細に説明する。
図7は、行動決定部102による行動決定処理を示すフローチャートである。また、図8は、ユーザU1とシステムとの間のラダリング対話の内容を例示するものである。
図8に示すように、対話管理装置10は、ユーザに対して「転職理由」を引き出すために、「なぜ転職を希望されたのですか?」という応答文をユーザに質問し、その回答として「会社が倒産したのです。」という回答を得たとする。そして、入力文解析モジュール80から回答解析結果として、「転職理由(属性名):会社倒産(属性値)」が行動決定部102に与えられたものとする。
図7において、システムの起動時に、図5に示す対話シナリオDB502の対話シナリオ1031がシナリオメモリ1021上にロードされている。
そして、回答解析結果が行動決定部102に与えられると、行動決定部102は、受け取った回答解析結果に基づいて、シナリオメモリ1021から特別シナリオを検索する(ステップS301)。
このように、行動決定部102は、通常シナリオの検索前に特別シナリオの検索を行うことにより、ユーザに対して信頼感や安心感を与える特別シナリオ(「寄り添いシナリオ」)を選択させたり、又はユーザが突然関連しない質問をしてきた場合に対応する特別シナリオ(「説明シナリオ」)を選択させたりすることができる。
回答解析結果とマッチする特別シナリオが存在する場合(ステップS302)、そのマッチした特別シナリオが選択され、行動決定部102はその特別シナリオを対話制御部101に与える。これにより、対話制御部101の制御により、そのマッチした特別シナリオの応答文アクションが実行される(ステップS303)。
ここで、行動決定部102によるシナリオの進行処理について具体的に説明する。
図9は、特別シナリオの例である。なお、図9(A)は寄り添いシナリオの例であり、図9(B)は確認シナリオの例である。
図9に示すように、各シナリオは、「シナリオキー」、「優先度」、「応答文条件」、「応答文アクション」を有して構成される。
ここで、図9では、1つのシナリオに、1組又は複数組の「応答文条件」及び「応答文アクション」が定義付けられている。そして、「応答文条件」と「応答文アクション」とはそれぞれ対応付けられており、ある「応答文条件」に該当する場合に、その応答文条件に対応する応答文アクションが実行される。
「シナリオキー」は、シナリオの識別情報である。
「応答文アクション」は、「応答文条件」に該当する場合のアクションが定義されている。図9では、アクション例として、予め設定された1つの応答文で応答することが定義されている場合を示す。しかし、この場合に限定されず、複数の応答文の応答を定義したり、過去にユーザから取得したユーザ個人データを用いた変数付きのテンプレートからなる応答文を定義したり、ユーザに選択肢を選択させるための選択肢付きの応答文を定義したり、応答を続けるか又はこれで終了するかの応答文継続情報を定義したり、これで終了する場合、次に呼び出す別のシナリオの情報が定義されていたり、シナリオの優先順位の変更やマッチングの重要度の変更が定義されている。
「応答文条件」は、応答文アクションを実行させるための条件である。図9では、ユーザの属性値に応じた場合を例示する。しかし、これに限定されず、他のシナリオから呼び出されたことを条件としたり、今回ユーザから取得したものでなく、過去に取得したユーザ個人データや、拡張した情報が属性値に該当するか否かを条件としたりしてもよい。
通常シナリオの「優先度」は、マッチング手段20が要求する複数の情報属性名)を要求した場合や、マッチング手段20が存在しなかった場合に、実行させる属性名シナリオの優先順位を決定するものである。
例えば、図10の(A)転職理由シナリオの優先度は10であり、(B)希望の職種シナリオの優先度は8である。この場合は、もし、マッチング手段からの情報要求がない場合には、転職理由シナリオが希望の職種シナリオよりも先に実行される。このように、ユーザに対して、どのような順番で、質問をするかということもシナリオ内で定義できる(さらに、(B)−1の例のように応答文アクション内で優先度を書き換えることもできる。)。
一方、特別シナリオの「優先度」は、特別シナリオ内で、どの特別シナリオの順番で発話するかを決定するものである(通常シナリオと特別シナリオで「優先度」の定義は異なる。)。
例えば、図9の(A)、(B)の場合は、システム発話として、先に寄り添いシナリオ、次に確認シナリオが生成される(「それは、お気の毒に。それで転職したいとお考えなのですね。」というシナリオ発話になる。)。
例えば、回答文解析結果「転職理由(属性名):会社倒産(属性値)」が行動決定部102に与えられると、行動決定部102は、属性名「転職理由」、属性値「会社倒産」を応答文条件とする特別シナリオを検索する。ここでは、図9(A)、(B)に例示する2個の特別シナリオ(寄り添いシナリオ、確認シナリオ)を検索したものとする(図7のS41)。そうすると、行動決定部102は、2個の特別シナリオを対話制御部101に通知する。
特別シナリオを受けると対話制御部101は、その特別シナリオの優先度に基づく優先順位に従って、特別シナリオの応答文シードを応答生成部104に与える(図1及び図6のステップS13)。
応答生成部104は、対話制御部101からの応答文シードに基づいて応答文を生成して、その応答文を対話制御部101に与える(図1のステップS14)。そして、寄り添いシナリオの実行により「それはお気の毒に。」という応答文、また確認シナリオの実行により「それで転職したいとお考えなのですね。」という応答文が、ユーザU1に与えられる(S42)。
一方、ステップS302において、回答解析結果にマッチする特別シナリオがない場合、又は特別シナリオの応答文アクションの実行後、行動決定部102は、属性名X(この例では、転職理由)にマッチする通常シナリオがあるか否かを検索する(ステップS304)。
そして、回答解析結果とマッチする通常シナリオが存在する場合(ステップS305)、そのマッチした通常シナリオが選択され、行動決定部102はその通常シナリオを対話制御部101に与える。これにより、対話制御部101の制御により、そのマッチした通常シナリオの応答文アクションが実行される(ステップS306)。
ここで、通常シナリオのシナリオ進行処理について説明する。図10は、通常シナリオの例である。各シナリオは、「シナリオキー」、「優先度」、「応答文条件」、「応答文アクション」を有して構成される。さらに、これは、シナリオ(A)から別のシナリオ(B)にジャンプする場合のシナリオ構成を例示するものである。
例えば、行動決定部102は、属性名「転職理由」、属性値「会社倒産」を応答文条件とする通常シナリオを検索する。ここでは、図10(A)に例示する通常シナリオを検索したものとする。そうすると、図10(A)に示す通常シナリオの応答文アクションが、「希望の職種シナリオにジャンプする」であることを、行動決定部102は対話制御部101に通知する。
そうすると、対話制御部101は、シナリオ選択部103に対して「希望の職種」シナリオを要求する(図1のステップS15)。そして、シナリオ選択部103は、「希望の職種」シナリオを対話制御部101に与えると、「希望の職種」シナリオを現シナリオとして保持すると共に、新たなにジャンプしたシナリオの応答文シードを応答生成部104に与えて、深堀りシナリオの実行により「以前はどんなお仕事をされていたのですか?」という応答文が、ユーザU1に与えられる(S43)。
図10(A)に示すように、ユーザの発話から得られた属性値によって、さらにその内容について深堀りする別のシナリオにジャンプすることによって「深堀り」を実現することができる。
一方、ステップS305において、回答解析結果にマッチする属性名「X(転職理由)」の通常シナリオが存在しない場合、行動決定部102は、すべての属性名について、応答文条件がマッチする通常シナリオが存在するか検索する(ステップS307)。
そして、回答解析結果とマッチする通常シナリオが存在する場合(ステップS308)、そのマッチした通常シナリオが選択され、行動決定部102はその通常シナリオを対話制御部101に与える。これにより、対話制御部101の制御により、属性名「X(転職理由)」の通常シナリオから、属性名「Y」の別の通常シナリオへの遷移処理が行われる(ステップS309)。
一方、ステップS308において、回答解析結果とマッチする通常シナリオが存在しない場合、又は、ステップS306の通常シナリオのアクションの応答文アクションが実行された後、行動決定部102は、デフォルトとして設定されている特別シナリオを対話制御部101に与える(ステップS310)。
この場合、行動決定部102の決定したデフォルトの特別シナリオに基づいて、対話制御部101が、シナリオ選択部103及び応答生成部104と連携して、例えば、「申し訳ございませんが、以下の選択肢から選んでいただけないでしょうか?」という応答文をユーザU1に送信する(S45)。
これにより、全く適用するシナリオがなかった場合等、特別なシナリオをデフォルトとすることで、何らかの返答を出したり、別の質問に移ったりすることができる。
なお、行動決定部102において、終了を示すシナリオの応答文条件に該当する場合には、その旨を対話制御部101に与えて、当該シナリオについての応答文及び回答文を対話ログ601に書き込み、当該シナリオを終了する(ステップS12)。なお、対話ログ601には、1シナリオの終了毎に書き込みを行う。そのため、あるシナリオから別シナリオにジャンプした場合にも、前のシナリオの応答文及び回答文が書き込まれる。
なお、上記では、図1のように個人情報データが対話管理装置10の外部にある場合を例示したが、図4のように個人情報データが対話管理装置10の内部にある場合も同様の動作になる。
但し、図4のように、個人情報データが対話管理装置10の内部にある場合、対話制御部101に対して要求する情報(すなわち、属性値を引き出すデータ)には優先順位が付されており、その優先順位に従って、対話制御部101に対して要求するものとする。
図11は、ラダリング対話エンジン1によるラダリング対話の概略的な進行を説明する説明図である。
図11に示すように、ユーザとシステムとの間で対話の中で、最初の質問Q1(性格について)、質問Q2(経歴について)…、質問Qn(nは正の整数)(将来について)の内容を展開させることで、メインの質問の回答以外の個人データについても獲得することができ(S51、S52)、ユーザU1の意識情報についても引き出すことで、ユーザU1の拡張個人データ304に各属性の属性値が埋まっていく(S53)。これにより、個人の属性値と求人側が求める属性値とのマッチングを行い、マッチ度の高い求人データを出力することができる(S54)。また、サマライザ603によって、拡張個人データからレジュメが職務履歴書として作成される(S55)。
図12は、ユーザU1のユーザ端末(ブラウザ)に表示される表示画面例である。図12に示すように、表示画面では、質問表示部91にはラダリング対話エンジン1から与えられた現在の質問が表示され、回答表示部92にはユーザU1が回答した内容が表示される。対話ログ表示部93には、いままで交わされた対話の内容が表示される。さらに勤務条件表示部94には、ラダリング対話において、対話エンジン1が検出した条件、すなわちユーザU1が入力した条件を表示する。そして、求人リスト表示部95には、ラダリング対話エンジン1により検索された求人先が表示される。
なお、図12に示す表示画面は例示であり、図12に示す表示画面以外にも、例えば、以下のような表示が可能である。
(a)表示されている会社名が気に入らなかったら、対話ログを遡ってキャンセルする表示。例えば、印を付けてクリックすると、印以降の対話はキャンセルされ、再度、印のところから対話を進められる。
(b)表示されている会社名をクリックすると、その会社の求人条件となったユーザデータがハイライトされる。例えば、その会社の求人条件が「職種:SE」で、ユーザデータ「希望職種:SE」だった場合、ユーザデータの希望の職種がハイライトされる。つまり各会社の求人条件が簡単に分かる。
(c)「条件を緩める」ボタンが別にあり、ユーザは現在表示されている会社リストを見て、条件が絞られ過ぎた場合、このボタンを押す。このボタンが押されると、システムは条件を緩めるような質問をする。
上記においては、「深堀り」、「確認」、「寄り添い」の例について説明したが、以下のように、「言い換え」、「情報提供」、「要約」を行うこともできる。
例えば、「言い換え」を実行させる場合、ドメイン知識が、例えば「キャリアアップ(上位概念)」−「資格を取りたい(下位概念)」の構造である場合、ユーザの発話から「資格を取りたい」という属性値を取得すると、その上位概念の値を参照して、「キャリアアップを図りたいのですね。」と応答することで、「言い換え」が実現できる。
また例えば、「情報提供」を実行させる場合、ドメイン知識が、「ルート営業:決まった得意先を訪問する企業」というように、各値に対して、その意味を記述できるようにしておく。そして、例えば、ユーザが「ルート営業とはどんな仕事ですか?」という発話をした場合に、「どんな仕事ですか?」を発話解析し、発話解析が、対話制御に「説明要求:ルート営業」という結果を渡すことにより、特別シナリオの説明シナリオが実行されオントロジーに記述されているルート営業の意味を取得し、「ルート営業とは、決まった得意先を訪問する営業です。」という応答をすることで、「情報提供」が実現できる。
さらに例えば、「要約」を実行する場合、ユーザの発話履歴を保持しておき、要約が可能です。その結果を対話途中で、引用、提示することによって、対話を円滑に進めることができる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、対話制御部、行動決定部、シナリオ選択部、応答生成部を備え、これら構成要件が連携を図ることにより、ユーザとシステムとのラダリング対話において、ユーザの回答に応じて意識を探り出すような対話を展開させることができる。
(B)他の実施形態
(B−1)第1の実施形態では、サービスサイトの一例として、転職者向けの職業紹介サイトを例示したが、これに限定されるものではなく、ネットワーク上に存在する情報に広く適用することができる。
また、ネットワーク上の情報としては、テキストデータ、画像データ、動画像データ、音データ等を検索対象データとすることができる。
(B−2)第1の実施形態で説明したラダリング対話エンジン、対話管理装置が実現する各種構成要素の機能はソフトウェア処理により実現されるものである。例えば、ハードウェア構成として、例えばCPU、ROM、RAMなどを有して構成されるものであって、各種構成要素の機能は、CPUが、ROMに格納される処理プログラムを、処理に必要なデータを用いて実行することにより実現されるものである。
(B−3)第1の実施形態で説明した対話管理装置は、物理的に同一の装置に搭載されることに限定されるものではなく、各種構成要素が分散的な装置に搭載されるようにしてもよい。すなわち、各種構成要素が、分散配置されてもよい。
10…対話管理装置、101…対話制御部、102…行動決定部、103…シナリオ選択部、104…応答生成部、1031…対話シナリオ、1021…シナリオメモリ、601…対話ログ。

Claims (9)

  1. 情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを複数記憶する対話シナリオデータベースと、
    情報要求手段から要求された情報の属性に基づき、その属性の対話シナリオを対話シナリオデータベースから選択するシナリオ選択手段と、
    上記シナリオ選択手段により選択された上記対話シナリオの属性に応じた応答アクションに、応答文が記述されているとき、当該応答文を生成してユーザ端末に与える応答生成手段と、
    上記応答文に対してユーザから回答されたユーザ回答文に基づき、回答文解析手段が解析して得た属性に対するユーザの意識する属性値を受け取り、属性に対するユーザの属性値にマッチする1又は複数の上記対話シナリオを上記対話シナリオデータベースから検索し、いずれかの対話シナリオに設定されている、属性に対する属性値に応じた応答アクションを次の行動として決定する行動決定手段と、
    上記行動決定手段により決定された次の行動に従って対話制御を行う対話制御手段とを備え、
    上記対話制御手段が、
    次の行動に係る応答アクションに、ユーザ端末に与える予め設定された応答文が記述されている場合には、その応答文を上記応答生成手段に生成させ、当該応答文をユーザ端末に与えることを要求し、
    次の行動に係る応答アクションに、次に呼び出す他の対話シナリオの属性が記述されている場合には、上記シナリオ選択手段に当該応答アクションに記述されている属性の上記他の対話シナリオを選択要求する
    ことを特徴とする対話管理装置。
  2. 上記各対話シナリオは、
    上記属性に関して、ユーザから上記属性値を引き出すための上記属性に応じた応答アクション及びユーザから引き出した上記属性値を用いて対話を進めるための上記属性に対応する属性値に応じた応答アクションの少なくとも一方を含む通常シナリオと、
    ユーザとの対話においてユーザからのイレギュラーな発話に対応する応答アクションや、ユーザとの対話を潤滑に進める応答アクションを含む特別シナリオと
    を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の対話管理装置。
  3. 上記各対話シナリオは、上記属性、又は、上記属性に応じた上記属性値からなる1又は複数の応答条件が設けられており、上記各応答条件に該当する場合に次に実行させるそれぞれの動作として上記応答アクションが定義されており、
    上記行動決定手段が、上記属性、又は、上記属性に応じたユーザの上記属性値を用いて、上記応答条件にマッチする上記対話シナリオを上記対話シナリオデータベースから検索し、この検索した対話シナリオの上記応答条件に該当する上記応答アクションを次の行動として決定するものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の対話管理装置。
  4. 上記各対話シナリオの上記応答アクションの中に、当該対話シナリオの応答の継続若しくは当該対話シナリオの終了を含む応答アクションがあり、
    上記行動決定手段は、検索した上記対話シナリオの上記属性若しくは上記属性値に応じた上記応答アクションが、当該対話シナリオの応答の継続若しくは当該対話シナリオの終了である場合には、当該対話シナリオの応答の継続若しくは当該シナリオの終了を行なうものである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の対話管理装置。
  5. 上記行動決定手段が、上記属性若しくは上記属性に対するユーザの上記属性値にマッチする1又は複数の上記対話シナリオを上記対話シナリオデータベースから検索する際、上記特別シナリオの中から検索をした後、上記通常シナリオの中から検索することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の対話管理装置。
  6. 上記各対話シナリオには優先度が付与されており、上記行動決定手段が複数の上記対話シナリオを検索した場合、上記対話制御手段は、上記各対話シナリオに付された上記優先度に従って、上記各対話シナリオの上記応答アクションを実行させるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の対話管理装置。
  7. 情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを複数記憶する対話シナリオデータベースと、シナリオ選択手段と、応答生成手段と、行動決定手段と、対話制御手段とを備え、
    シナリオ選択手段が、情報要求手段から要求された情報の属性に基づき、その属性の対話シナリオを対話シナリオデータベースから選択するシナリオ選択工程と、
    応答生成手段が、シナリオ選択手段により選択された対話シナリオの属性に応じた応答アクションに、応答文が記述されているとき、当該応答文を生成し、ユーザ端末に与えさせる応答生成工程と、
    行動決定手段が、応答文に対してユーザから回答されたユーザ回答文に基づき、回答文解析手段が解析して得た属性に対するユーザの意識する属性値を受け取り、属性に対するユーザの属性値にマッチする1又は複数の対話シナリオを対話シナリオデータベースから検索し、いずれかの対話シナリオに設定されている、属性に対する属性値に応じた応答アクションを次の行動として決定する行動決定工程と、
    対話制御手段が、行動決定手段により決定された次の行動に従って対話制御を行う対話制御工程とを有し、
    対話制御手段が、
    次の行動に係る応答アクションに、ユーザ端末に与える予め設定された応答文が記述されている場合には、その応答文を応答生成手段に生成させ、当該応答文をユーザ端末に与えることを要求し、
    次の行動に係る応答アクションに、次に呼び出す他の対話シナリオの属性が記述されている場合には、シナリオ選択手段に当該応答アクションに記述されている属性の上記他の対話シナリオを選択要求することを特徴とする
    ことを特徴とする対話管理方法。
  8. 情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを複数記憶する対話シナリオデータベースを備えるコンピュータを、
    情報要求手段から要求された情報の属性に基づき、その属性の対話シナリオを対話シナリオデータベースから選択するシナリオ選択手段と、
    シナリオ選択手段により選択された対話シナリオの属性に応じた応答アクションに、応答文が記述されているとき、当該応答文を生成してユーザ端末に与える応答生成手段と、
    応答文に対してユーザから回答されたユーザ回答文に基づき、回答文解析手段が解析して得た属性に対するユーザの意識する属性値を受け取り、属性に対するユーザの属性値にマッチする1又は複数の対話シナリオを対話シナリオデータベースから検索し、いずれかの対話シナリオに設定されている、属性に対する属性値に応じた応答アクションを次の行動として決定する行動決定手段と、
    行動決定手段により決定された次の行動に従って対話制御を行う対話制御手段として機能させるものであり、
    対話制御手段が、
    次の行動に係る応答アクションに、ユーザ端末に与える予め設定された応答文が記述されている場合には、その応答文を応答生成手段に生成させ、当該応答文をユーザ端末に与えることを要求し、
    次の行動に係る応答アクションに、次に呼び出す他の対話シナリオの属性が記述されている場合には、シナリオ選択手段に当該応答アクションに記述されている属性の上記他の対話シナリオを選択要求する
    ことを特徴とする対話管理プログラム。
  9. 情報の属性と情報の属性に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオ、及び、情報の属性と情報の属性に対する属性値に応じた応答アクションとが設定された対話シナリオを含む複数の対話シナリオに従って、ユーザ端末に対して応答文を与えると共に、ユーザ端末から応答文に対するユーザ回答文を受け取り、ユーザとの対話を行う対話管理装置と、
    上記ユーザ端末から受け取ったユーザ回答文に基づき属性に対するユーザの意識する属性値を解析する回答文解析装置と、
    上記対話シナリオ毎の属性に対するユーザの属性値をユーザ毎に蓄積する対話情報蓄積装置とを備え、
    上記対話管理装置が、請求項1〜6のいずれかに記載の対話管理装置に相当するものであることを特徴とする意識抽出システム。
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