JP5151906B2 - 通信品質評価プログラム、方法及び装置 - Google Patents

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Description

本技術は、車車間通信に代表されるブロードキャスト型のCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)通信品質を評価する分野の技術に関する。
近年、例えばブロードキャスト型のCSMA/CA通信サービスとして、IEEE 802.11pプロトコルを用いて車両を対象とした通信サービスの研究開発が進められている。特に、特定の路側機−車両間、及び車両−車両間の通信によって、車両位置や速度の情報を相互に交換し、危険車両の警告、注意喚起を実現することを目指した車両安全サービスが注目されており、それらの通信品質特性を評価する仕組みが急務となっている。
例えば道路上の車両位置などの端末環境をネットワークシミュレータに設定し、packet-by-packetのシミュレーションを行うことにより個々のパケットの通信品質を評価する方式が考えられる。この方式によれば、通信品質特性を評価することはできるかもしれないが、例えば膨大な数の端末を想定した場合、packet-by-packetのシミュレーションを実行するのに数十時間かかってしまい、様々なパターンを検証するためには数日かかることとなる。そのため、様々な通信特性を評価するためには適切ではない。
なお、例えばCSMA/CAの仕組みを数式によりモデル化したCSMA/CAモデルやPureAhohaモデルなどが従来から存在している。しかしながら、これらのモデルは、すべての端末間通信に対する干渉影響が均一的な理想環境を想定したもので、現実環境との乖離が存在するため、これらのモデルを用いて通信品質特性を高精度に評価することはできない。また、IEEE 802.11pプロトコルに従うACKパケット応答や再送を行わないブロードキャスト型のCSMA/CA通信における実環境の特性に適合するような統計モデルの提案もなされていない。
L. Kleinrock and F. A. Tobagi, Packet Switching in Radio Channels: Part1 Carrier Sense Multiple-Access Modes and their Throughput-Delay Characteristics, IEEE Transactions on Communications, Vol.COM-23, No.12, pp.1400-1416, December 1975 Norman Abramson, Multiple Access Communications: Foundations for Emerging Technologies, IEEE Press, pp.272-288, 1992
従って、本技術の目的は、車車間通信のようなACKパケット応答や再送を行わないブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、特定の端末間の通信品質を短時間で評価することである。
本通信品質評価方法は、ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価する方法であって、特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、第1の正規化単位時間において重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する希望波送信成功率算出ステップと、干渉エリアにおいて送信エリアに含まれないエリアであって、特定の受信端末の周りで特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における複数の分割領域の各々に存在する隠れ端末の台数と、端末1台当たりのパケット生起量と、第1の正規化単位時間より分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、第2の正規化単位時間において各分割領域内の隠れ端末から生起する分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出する正規化トラフィック量算出ステップと、分割領域毎の第2の正規化トラフィック量と、干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されているパケットエラーレートとを用いて、隠れ端末によるパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出ステップと、パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、特定の送信端末から特定の受信端末へのパケット到達率を算出するステップとを含む。
車車間通信のようなACKパケット応答や再送を行わないブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、特定の端末間の通信品質を短時間で評価できるようになる。
[本技術の実施の形態における前提]
ここでは、例としてACKパケット応答や再送を行わないブロードキャスト型のCSMA/CA通信を前提とした車車間通信システムを実施形態として扱う。ただし、ACKパケット応答や再送を行わないブロードキャスト型のCSMA/CA通信を行う端末としては、路側機などの道路インフラ端末であってもよい。図1に、車車間通信の車両環境の一例を示す。図1における送信エリアは、送信車両のキャリアセンスの範囲であり、電波特性を表す伝播モデルにより特定される。また、隠れ端末干渉エリアは、受信車両に対して許容CINR(Carrier-to-Interference plus Noise Ratio)を確保できない領域(以下、干渉エリアと呼ぶ)から、送信エリアと干渉エリアの重なる領域を除いたエリアであり、同じく伝播モデルにより特定される。IEEE 802.11pプロトコルに従ったACKパケット応答や再送を行わないブロードキャスト型のCSMA/CA通信に基づく車車間通信において、送信車両と送信エリア内の他の車両とは、キャリアセンスし、同期を取るため、いずれかの車両がパケット送信中である場合には、一定時間待ってからパケット送信を行う。送信エリア内においては、送信車両におけるパケット送信時に、同時あるいは伝播遅延時間内にキャリアを検出できずに周辺車両がパケットを送信してしまい、パケット送信が衝突する場合がある。一方で、隠れ端末干渉エリア内の車両(図1における「隠れ端末となる車両」。以下、「隠れ端末」と呼ぶ場合もある。)は、送信車両のキャリアセンスの範囲(送信エリア)から外れているので、送信車両のパケット送信を検知できず、同期を取ることができない。そのため、送信車両と隠れ端末となる車両で、パケット送信が衝突する場合がある。
例えば、図1に示した車両環境を想定した場合に、送信車両から受信車両への車車間通信における通信品質を評価する方法として、次のような方法が考えられる。すなわち、送信エリア内のパケット到達率特性と隠れ端末干渉エリア内のパケット到達率特性とをそれぞれ独立した統計モデルによって解析し、各々の特性の積を通信品質特性として求める方法である。具体的には、送信エリア内の解析として、既存のCSMA/CAモデルf1により特定の送信端末における希望波送信成功率を算出し、隠れ端末干渉エリア内の解析として、既存のPureAhohaモデルf2により隠れ端末によるパケット誤り率を算出する。そして、例えば以下の式を用いて、送信車両から受信車両へのパケット到達率を算出する。
パケット到達率
= 送信車両における希望波送信成功率 × 隠れ端末に起因する干渉回避率
= 送信車両における希望波送信成功率
×(1−隠れ端末によるパケット誤り率) (1)
しかしながら、CSMA/CAモデルf1及びPureAhohaモデルf2は、理想環境を想定してモデル化されたものであり、電力量の関係や車両の位置関係などを一切考慮していない。そのため、これらのモデルをそのまま適用しただけでは、ネットワークシミュレータを用いた場合と同じ精度での評価を行うことはできない。
そこで、本実施の形態では、実環境を想定した正規化トラフィック量(すなわち、電力量の関係や車両の位置関係を考慮した正規化トラフィック量)を算出し、既存の統計モデルに適用することで、ネットワークシミュレータを用いた場合と同じ精度での評価を実現する。以下、本実施の形態について説明する。
[本技術の実施の形態の説明]
図2に本技術の実施の形態に係る通信品質評価装置の機能ブロック図の一例を示す。図2の例では、通信品質評価装置は、シミュレーション条件入力部1と、シミュレーション条件格納部3と、送信エリア解析部5と、CINR−PERテーブル格納部7と、隠れ端末干渉エリア解析部9と、特性算出部11と、特性算出結果格納部13と、出力部15とを有する。
なお、シミュレーション条件入力部1は、道路モデル、電波特性を表す伝播モデル、車両密度(台/km)、送信車両及び受信車両の位置、隠れ端末干渉エリアの分割数などを含むシミュレーション条件の入力を受け付ける。シミュレーション条件格納部3は、シミュレーション条件入力部1の受け付けたシミュレーション条件を格納する。送信エリア解析部5は、シミュレーション条件格納部3に格納されているシミュレーション条件を用いて、後で説明する送信エリア解析処理を実施することにより、特定の送信車両における希望波送信成功率を算出する。CINR−PERテーブル格納部7は、CINRをPER(Packet Error Rate)に変換するためのCINR−PERテーブルを格納する。隠れ端末干渉エリア解析部9は、シミュレーション条件格納部3に格納されているシミュレーション条件と、CINR−PERテーブル格納部7に格納されているCINR−PERテーブルとを用いて、後で説明する隠れ端末干渉エリア解析処理を実施することにより、隠れ端末によるパケット誤り率を算出する。特性算出部11は、送信エリア解析部5により算出された希望波送信成功率と、隠れ端末干渉エリア解析部9により算出された隠れ端末によるパケット誤り率とを用いて、(1)式に従ってパケット到達率を算出する。特性算出結果格納部13は、特性算出部11により算出されたパケット到達率を格納する。出力部15は、特定算出結果格納部13に格納されているパケット到達率を表示装置等に出力する。
さらに、送信エリア解析部5は、第1車両台数算出部51と、第1正規化トラフィック量算出部53と、希望波送信成功率算出部55とを有する。第1車両台数算出部51は、シミュレーション条件格納部3に格納されているシミュレーション条件を用いて、送信エリアと干渉エリアとの重なる重複領域に存在する車両の台数を算出する。第1正規化トラフィック量算出部53は、第1車両台数算出部51により算出された重複領域内の車両の台数と、後で説明する第1の正規化単位時間と、車両1台当たりのパケット生起量とを用いて、送信エリアにおける正規化トラフィック量を算出する。希望波送信成功率算出部55は、第1正規化トラフィック量算出部53により算出された正規化トラフィック量を、既存のCSMA/CAモデルに適用して、希望波送信成功率を算出する。
また、隠れ端末干渉エリア解析部9は、第2車両台数算出部91と、第2正規化トラフィック量算出部93と、パケット誤り率算出部95とを有する。第2車両台数算出部91は、シミュレーション条件格納部3に格納されているシミュレーション条件を用いて、隠れ端末干渉エリアを干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における各分割領域に存在する車両(すなわち、隠れ端末となる車両)の台数を算出する。第2正規化トラフィック量算出部93は、第2車両台数算出部91により算出された分割領域毎の隠れ端末となる車両の台数と、後で説明する第2の正規化単位時間と、車両1台当たりのパケット生起量とを用いて、分割領域毎の正規化トラフィック量を算出する。パケット誤り率算出部95は、第2正規化トラフィック量算出部93により算出された分割領域毎の正規化トラフィック量と、CINR−PERテーブル格納部7に格納されているCINR−PERテーブルとを用いて、隠れ端末干渉に起因するパケット誤り率を算出する。
図3に、CINR−PERテーブル格納部7に格納されるCINR−PERテーブルの一例を示す。図3の例では、CINR−PERテーブルには、CINRの列と、PERの列とが含まれる。
次に、図4を用いて、図2に示した通信品質評価装置の全体の処理フローを説明する。なお、図5に示すような車両環境を想定する。図5において、斜線部分は、送信エリアと干渉エリアとの重なる重複領域を示す。また、図5において、網掛け部分は、干渉エリアから重複領域を除いたエリアである隠れ端末干渉エリアを示す。
まず、シミュレーション条件入力部1が、ユーザからのシミュレーション条件の入力を受け付ける(図4:ステップS1)。なお、シミュレーション条件には、道路モデル、車両密度、伝播モデル、送信車両及び受信車両の位置、隠れ端末干渉エリアの分割数などが含まれる。そして、送信エリア解析部5が、シミュレーション条件格納部3に格納されているシミュレーション条件を用いて、送信エリア解析処理を実施する(ステップS3)。
送信エリア解析処理については図6乃至図10を用いて説明する。まず、送信エリア解析部5の第1車両台数算出部51が、シミュレーション条件に含まれる送信車両の位置と受信車両の位置と伝播モデルとを用いて、送信エリアと干渉エリアとの重なる重複領域(図5の車線部分)を特定する(図6:ステップS11)。なお、伝播モデルから電波の伝わり方や強さが決定されるので、送信車両の位置と伝播モデルとから送信エリアを特定することができる。同様に、受信車両の位置と伝播モデルとから干渉エリアを特定することができる。
そして、第1車両台数算出部51は、シミュレーション条件に含まれる道路モデルと車両密度とを用いて、重複領域に存在する車両の台数Nを算出する(ステップS13)。なお、道路モデルから重複領域内の車線の配置及び長さが決定されるので、さらに車両密度を用いることにより、重複領域内の車両の台数Nを算出することができる。
そして、送信エリア解析部5の第1正規化トラフィック量算出部53は、第1の正規化単位時間Tp1を計算する(ステップS15)。図7に示すように、第1の正規化単位時間Tp1には、DIFS(DCF(Distributed Coordination Function) Inter Frame Space:分散制御用フレーム間隔)の時間と、プリアンブルの時間と、データの送信時間とが含まれる。ただし、図7の値は、例えば非特許文献「IEEE P802.11/D4.0, March2008.」及び「IEEE P802.11/D0.26, January 2006.」などにおいて示されるIEEE 802.11pの仕様を例に、DIFS時間を64μsec、プリアンブルの時間を40μsec、MACヘッダ(24bytes)を含む124bytesのデータ送信時間を88μsecとしている。すなわち、第1の正規化単位時間Tp1は、192(=64+40+88)μsecとなる。このように、本実施の形態では、通信オーバヘッド(DIFS+プリアンブル)の時間を含む第1の正規化単位時間Tp1を、1つのデータ送信時間とみなす。特にDIFS時間を含むことにより、詳細は後で説明するが、車両間の同期にかかる時間を考慮した正規化トラフィック量を算出することができるようになる。
そして、第1正規化トラフィック量算出部53は、ステップS13において算出された車両の台数Nと、ステップS15において計算された第1の正規化単位時間Tp1と、車両1台当たりのパケット生起量とを用いて、送信エリア内における正規化トラフィック量Gを算出する(ステップS17)。なお、ここでは、1台の車両から100msec毎に1個のパケットが生起するものとする。1台当たりのパケット生起量を10(パケット/sec)とすると、送信エリア内における正規化トラフィック量Gは、G=10×N×Tp1となる。この正規化トラフィック量Gは、第1の正規化単位時間Tp1において重複領域内の車両から生起するトラフィック量を表す。
そして、第1正規化トラフィック量算出部53は、再スケジュールされるパケット生起確率を算出し、正規化トラフィック量を更新する(ステップS19)。この処理については、図8及び図9を用いて説明する。
まず、図8にIEEE 802.11pに基づく車車間通信の動作の一例を示す。例えば、t1の時点で車両Aにおいてパケット送信要求が発生し、車両Aは、キャリアセンスを開始する。そして、idle状態がDIFS時間継続した場合、車両Aは、パケット送信を開始する。また、t3の時点で車両Cにおいてパケット送信要求が発生し、キャリアセンスを開始するが、車両Aがパケット送信中であるため、busyを検出する。同様に、t4の時点で車両Dにおいてパケット送信要求が発生し、キャリアセンスを開始するが、車両Aがパケット送信中であるため、busyを検出する。車両C及びDは、idle状態になるまで(すなわち、t5の時点まで)待機し、さらにDIFS時間経過するまで(すなわち、t6の時点まで)待機する。そして、車両C及びDは、乱数をそれぞれ発生させ、BO(Back Off)時間(=乱数×スロットタイム)待機する。車両Cは、BOC(=3×スロットタイム)時間経過するまで(すなわち、t7の時点まで)待機すると、idleを検出し、パケット送信を開始する。一方で、車両Dは、BOD(=5×スロットタイム)時間経過するまで待機するが、車両Cがパケット送信中であるため、busyを検出する。そのため、車両Dは、idle状態になるまで(すなわち、t8の時点まで)待機し、さらにDIFS時間経過するまで(すなわち、t9の時点まで)待機する。そして、車両Dは、BODとBOCの差分(すなわち、2×スロットタイム)だけさらに待機すると、idleを検出し、パケット送信を開始する。このように、IEEE 802.11pに基づく車車間通信においては、キャリアセンスによりbusyを検出した場合、パケット送信は一定期間後に再スケジュールされる。ここで、例えば図9に示すような第1の正規化単位時間Tp1にパケットが生起する確率(すなわち、正規化トラフィック量Gに対し、キャリアセンスして再スケジュールされる確率)は、平均伝播遅延時間aを用いて、1−exp(−(1+a)× G)として表される。そして、再スケジュールされるパケット生起量は、1回目:Gre{1}=G(1−exp(−(1+a)× G))、2回目:Gre{2}=Gre{1}(1−exp(−(1+a)× Gre{1}))、・・・と表される。すなわち、再スケジュールされるパケット生起量=ΣGre{i}(1−exp(−(1+a)× Gre{i}))(iは1から∞まで)となる。ただし、Gre{i}(1−exp(−(1+a)× Gre{i}))の値は徐々に小さくなるため、∞まで計算する必要はなく、ある程度まで計算すればよい。そして、再スケジュールされるパケット生起量を正規化トラフィック量Gに加算することにより、正規化トラフィック量Gを更新する。なお、更新後の正規化トラフィック量をG^(「^」はGの上のバーを示す。以下同じ。)とすると、以下の式で表される。
Figure 0005151906
そして、第1正規化トラフィック量算出部53は、車両通信においてパケットの送信周期が定められているか判断する(ステップS21)。車両通信においてパケットの送信周期が定められている場合(ステップS21:Yesルート)、第1正規化トラフィック量算出部53は、正規化トラフィック量G^を2で除算することにより補正する(ステップS23)。この処理については、図10を用いて説明する。
例えばCSMA/CAモデルは、1台の車両からのパケット生起が指数分布(例えば、平均レート:1パケット/100msec)に従うという前提の下でモデル化されたものである。すなわち、全ての微小時間領域Δ(msec)において平均0.01Δ個のパケットが理論上生起し得る。しかし、実際は、パケットは100msec毎に送信されており、一度送信されると100msec経過するまでパケットは送信されない。このような送信周期性を持つトラフィックに対し、指数分布という前提で評価すると厳しい評価になってしまう。そこで、本実施の形態では、指数分布という前提で過剰に見積もっていた部分を小さく見積もるようにすることで、適切な評価を導き出すことができるようにする。
ここで、平均Gのポアソン分布を想定すると、送信周期内に発生するパケット数は∞個とされているが、ここでは送信周期内に発生するパケット数はG個という上限制約がある。従って、送信周期内におけるパケット発生の累積確率は、以下の式で表される。
Figure 0005151906
そして、(2)式から、微小時間Δ内におけるパケット発生確率分布は、図10に示すようにGΔ/2と近似することができる。従って、送信周期性を考慮した場合は、G^=G^/2とすることにより評価精度を向上させることができる。
一方、車両通信においてパケットの送信周期が定められていなければ(ステップS21:Noルート)、更新後の正規化トラフィック量G^を補正する必要はないため、ステップS23の処理をスキップし、ステップS25の処理に移行する。
そして、第1正規化トラフィック量算出部53は、正規化トラフィック量G^をCSMA/CAモデルf1に適用して、希望波送信成功率を算出し、一旦記憶装置に格納する(ステップS25)。なお、CSMA/CAモデルf1については、背景技術の欄で示した非特許文献(Packet Switching in Radio Channels: Part1 Carrier Sense Multiple-Access Modes and their Throughput-Delay Characteristics)に詳細が開示されている。そして、送信エリア解析処理を終了し、元の処理に戻る。
以上のような処理を実施することにより、実環境を想定した正規化トラフィック量G^を算出することができ、適切な特性の送信車両における希望波送信成功率を算出することができる。
図4の説明に戻って、ステップS3の処理の後、隠れ端末干渉エリア解析部9が、シミュレーション条件格納部3に格納されているシミュレーション条件と、CINR−PERテーブル格納部7に格納されているCINR−PERテーブルとを用いて、隠れ端末干渉エリア解析処理を実施する(ステップS5)。
隠れ端末干渉エリア解析処理については図11乃至図18を用いて説明する。まず、隠れ端末干渉エリア解析部9の第2車両台数算出部91が、シミュレーション条件に含まれる送信車両の位置と受信車両の位置と伝播モデルとを用いて、隠れ端末干渉エリア(図5の網掛け部分)を特定する(図11:ステップS31)。上で説明したように、伝播モデルと、送信車両及び受信車両の位置とから特定することができる。
そして、第2車両台数算出部91は、干渉電力強度に従って、隠れ端末干渉エリアを、シミュレーション条件に含まれる隠れ端末干渉エリアの分割数分の分割領域に分割する(ステップS33)。例えば、分割数が2の場合、送信車両の送信電力を100mW(=2dBm)とし、受信車両における受信電力を−77dBmとすると、図12に示すように分割領域1と分割領域2とに分割される。図12において、分割領域1は、受信車両を中心として、干渉電力−87dBm(すなわち、CINR=10dB)までの円状の領域となっている。また、分割領域2は、同じく受信車両を中心として、干渉電力−87dBmから干渉電力−97dBm(すなわち、CINR=20dB)までのドーナッツ状の領域となっている。なお、図12に示したように分割領域1と分割領域2との2つの分割領域に分割したものとして、以下、説明する。
そして、第2車両台数算出部91は、シミュレーション条件に含まれる道路モデルと車両密度とを用いて、各分割領域について、当該分割領域に存在する隠れ端末の台数を算出する(ステップS35)。なお、道路モデルから各分割領域内の車線の配置及び長さが決定されるので、さらに車両密度を用いることにより、各分割領域内の隠れ端末の台数を算出することができる。ここでは、分割領域1内の隠れ端末の台数をN1とし、分割領域2内の隠れ端末の台数をN2とする。
そして、隠れ端末干渉エリア解析部9の第2正規化トラフィック量算出部93は、第2の正規化単位時間Tp2を計算する(ステップS37)。図13に示すように、第2の正規化単位時間Tp2には、プリアンブルの時間と、データの送信時間とが含まれる。ただし、図13に示す値は、IEEE 802.11pの仕様を例に、プリアンブルの時間を40μsec、MACヘッダ(24bytes)を含む124bytesのデータ送信時間を88μsecとしている。すなわち、第2の正規化単位時間Tp2は、128(=40+88)μsecとなる。なお、隠れ端末干渉エリアは送信車両のキャリアセンスの範囲外であるため、第2の正規化単位時間においてDIFS時間は考慮されていない。
そして、第2正規化トラフィック量算出部93は、ステップS35において算出された当該分割領域内の隠れ端末の台数(N1及びN2)と、ステップS37において計算された第2の正規化単位時間Tp2と、車両1台当たりのパケット生起量とを用いて、各分割領域について、当該分割領域に係る正規化トラフィック量を算出する(ステップS39)。例えば図14に示すように、1台当たりのパケット生起量を10(パケット/sec)としたときの、分割領域1に係る正規化トラフィック量をG1とすると、G1=10×N1×Tp2となる。なお、正規化トラフィック量G1は、第2の正規化単位時間Tp2において分割領域1内の隠れ端末から生起するトラフィック量を表す。また、分割領域2に係る正規化トラフィック量をG2とすると、G2=10×N2×Tp2となる。なお、正規化トラフィック量G2は、第2の正規化単位時間Tp2において分割領域2内の隠れ端末から生起するトラフィック量を表す。なお、図14における1台干渉当たりのPERの値については後で説明する。
そして、第2正規化トラフィック量算出部93は、車両通信においてパケットの送信周期が定められているか判断する(ステップS41)。車両通信においてパケットの送信周期が定められている場合(ステップS41:Yesルート)、第2正規化トラフィック量算出部93は、分割領域に係る正規化トラフィック量(G1及びG2)の各々を2で除算することにより補正する(ステップS43)。すなわち、送信周期性を考慮した場合、G1/2の値を分割領域1に係る正規化トラフィック量G1とし、G2/2の値を分割領域2に係る正規化トラフィック量G2とすることにより評価精度を向上させることができる。なお、送信周期性の考え方については、上で述べたとおりであるため、ここでは述べない。
一方、車両通信においてパケットの送信周期が定められていなければ(ステップS41:Noルート)、分割領域に係る正規化トラフィック量(G1及びG2)を補正する必要はないため、ステップS43の処理をスキップし、ステップS45の処理に移行する。
そして、隠れ端末干渉エリア解析部9のパケット誤り率算出部95は、分割領域の数及びCINRに応じてCINR−PERテーブルを更新する(ステップS45)。例えば図15の左側に示すCINR−PERテーブルには、10dBから20dBまでの1dB毎に、対応するPERが設定されているが、本ステップの処理を実施する場合、例えば図15の右側に示すようなCINR−PERテーブルとなる。なお、図15の右側のCINR−PERテーブルには、分割領域1(CINR:10dB)に対応するPER(100%)と分割領域2(CINR:20dB)に対応するPER(10%)とが含まれる。ここでは、更新前のCINR−PERテーブルの11dBから20dBまでの各CINRに対応するPERの平均が、分割領域2に対応するPERとして設定される。なお、更新前のデータを一旦記憶装置に格納しておき、処理が終了した場合や新たなシミュレーション条件が入力された場合に、更新前のデータで、CINR−PERテーブルを元の状態に戻すようにする。
そして、パケット誤り率算出部95は、カウンタkを1に設定する(ステップS47)。その後、端子Aを介してステップS49(図16)の処理に移行する。
図16の説明に移行して、端子Aの後、パケット誤り率算出部95は、隠れ端末によるパケット誤り率を算出するための処理(ステップS49乃至ステップS63)を実施する。各ステップについての詳細を説明する前に、隠れ端末によるパケット誤り率を算出するための処理の概要を簡単に説明しておく。
例えば、分割領域の数が2、隠れ端末干渉エリアから1個の干渉波が送出されるものとする。この場合、図17(a)に示すように、2つの送出パターン(パターン1及び2)が考えられる。具体的には、パターン1は、分割領域1から送出される干渉波の数が1かつ分割領域2から送出される干渉波の数が0の場合のパターンである。また、パターン2は、分割領域1から送出される干渉波の数が0かつ分割領域2から送出される干渉波の数が1の場合のパターンである。本実施の形態では、パターン1及び2の各パターンについて干渉波衝突確率とPERとの積を計算し、積の総和を、1個の干渉波が送出される場合のパケット誤り率として算出する。
そして、kを1から順にインクリメントしてゆき、k個の干渉波が同時に送出され衝突する衝突確率が所定値(例えば0.01)未満となるまで上記のような処理を繰り返す。例えば、隠れ端末干渉エリアから2個の干渉波が送出される場合には、図17(b)に示すように、3つの送出パターン(パターン3乃至5)が考えられる。具体的には、パターン3は、分割領域1から送出される干渉波の数が2かつ分割領域2から送出される干渉波の数が0の場合のパターンである。また、パターン4は、分割領域1から送出される干渉波の数が0かつ分割領域2から送出される干渉波の数が2の場合のパターンである。さらに、パターン5は、分割領域1から送出される干渉波の数が1かつ分割領域2から送出される干渉波の数が1の場合のパターンである。すなわち、パターン3乃至5の各パターンについて干渉波衝突確率とPERとの積を計算し、積の総和を、2個の干渉波が送出される場合のパケット誤り率として算出する。なお、k≧2の場合、算出済みのパケット誤り率に、今回算出したパケット誤り率を加算することにより、パケット誤り率を更新してゆく。例えば、3個の干渉波が同時に送出され衝突する衝突確率が所定値未満となった場合、1個の干渉波が送出される場合のパケット誤り率と、2個の干渉波が送出される場合のパケット誤り率との合計が、隠れ端末によるパケット誤り率となる。以上の内容をまとめると、隠れ端末によるパケット誤り率は、以下の式で算出することができる。
隠れ端末によるパケット誤り率 =
Σ_{k}k個の干渉波衝突確率 × PER(k個の総干渉電力)
ここで、例えば、図18に示すように、希望波(送信車両から受信車両に送出したパケット)に対して、希望波の2倍の範囲で送出した干渉波(隠れ端末からの干渉パケット)が影響を与えるものと考えられる。従って、k=1の場合のパターン1及び2の各々における干渉波衝突確率とPERとの積は、以下の式で表される。
(パターン1)
Figure 0005151906
(パターン2)
Figure 0005151906
なお、干渉電力強度によって干渉波の影響度が変わってくるため、CINRに対応するPERがそれぞれ用いられるようになっている。例えば、(3)式では、10dBに対応するPER(100%)が用いられる。また、(4)式では、20dBに対応するPER(10%)が用いられる。
同様に、k=2の場合のパターン3乃至5の各々における干渉波衝突確率とPERとの積は、以下の式で表される。
(パターン3)
Figure 0005151906
(パターン4)
Figure 0005151906
(パターン5)
Figure 0005151906
なお、パターン3における干渉電力量は、10^(−8.7)mW(=−87dBm)×2=(10^(−8.7)×2)mW=10log10(10^(−8.7)×2)=−83.98dBmとなる。従って、CINR<10dBであり、(5)式では、10dBに対応するPER(100%)が用いられる。また、パターン4における干渉電力量は、10^(−9.7)mW(=−97dBm)×2=(10^(−9.7)×2)mW=10log10(10^(−9.7)×2)=−93.98dBmとなる。従って、20dB>CINR>10dBであり、(6)式では、20dBに対応するPER(10%)が用いられる。さらに、パターン5における干渉電力量は、10^(−8.7)mW+10^(−9.7)mW=10log10(10^(−8.7)×10^(−9.7))=−86.58dBmとなる。従って、CINR<10dBであり、(7)式では、10dBに対応するPER(100%)が用いられる。
図16の説明に戻って、ステップS49乃至ステップS63の各ステップについての詳細を説明する。パケット誤り率算出部95は、k個の干渉波が同時に送出され衝突する衝突確率を算出する(図16:ステップS49)。例えば分割領域の数が2の場合、この衝突確率は、(2(G1+G2k/k!)× exp(−2(G1+G2))で算出することができる。例えばk=1の場合、衝突確率は(2(G1+G2))× exp(−2(G1+G2))となる。また、例えばk=2の場合、衝突確率は(2(G1+G22/2!)× exp(−2(G1+G2))となる。
そして、パケット誤り率算出部95は、算出した衝突確率が所定値以上であるか判断する(ステップS51)。算出した衝突確率が所定値未満であると判断された場合(ステップS51:Noルート)、隠れ端末干渉エリア解析処理を終了し、元の処理に戻る。
一方、算出した衝突確率が所定値以上であると判断された場合(ステップS51:Yesルート)、パケット誤り率算出部95は、k個の干渉波が送出される場合における送出パターンを抽出する(ステップS53)。例えば、分割領域の数が2であり、k=1の場合には、図17(a)に示したような送出パターンが抽出される。また、分割領域の数が2であり、k=2の場合には、図17(b)に示したような送出パターンが抽出される。
そして、パケット誤り率算出部95は、干渉波衝突確率とPERとの積を送出パターン毎に計算し、積の総和を算出する(ステップS55)。例えばk=1の場合は、(3)式で算出された値と、(4)式で算出された値との総和を算出する。また、例えばk=2の場合には、(5)式で算出された値と、(6)式で算出された値と、(7)式で算出された値との総和を算出する。
そして、パケット誤り率算出部95は、k=1であるか判断する(ステップS57)。k=1であると判断された場合(ステップS57:Yesルート)、パケット誤り率算出部95は、ステップS55において算出した総和を隠れ端末によるパケット誤り率として記憶装置に格納する(ステップS59)。そして、ステップS63の処理に移行する。
一方、k=1でないと判断された場合(ステップS57:Noルート)、すなわちk≧2の場合、パケット誤り率算出部95は、格納済みの隠れ端末によるパケット誤り率に、ステップS55において算出した総和を加算することにより、隠れ端末によるパケット誤り率を更新し(ステップS61)、更新後の隠れ端末によるパケット誤り率を記憶装置に格納する。そして、ステップS63の処理に移行する。
そして、パケット誤り率算出部95は、カウンタkをインクリメントし(ステップS63)、ステップS49の処理に戻る。すなわち、ステップS51において衝突確率が所定値未満であると判断されるまで、ステップS49乃至ステップS63の処理を繰り返す。
以上のような処理を実施することにより、干渉電力強度を考慮した隠れ端末によるパケット誤り率を算出することができる。また、干渉電力強度に応じて複数の分割領域に分割することで、同一の分割領域内の隠れ端末の干渉影響度を同一とみなすことができ、従来よりも小さい計算量且つ短時間で隠れ端末によるパケット誤り率を算出することができる。
図4の説明に戻って、ステップS5の処理の後、特性算出部11が、希望波送信成功率と、隠れ端末によるパケット誤り率とを用いて、送信車両から受信車両へのパケット到達率を算出し、特性算出結果格納部13に格納する(ステップS7)。なお、パケット到達率は、(1)式によって算出することができる。
そして、出力部15が、特性算出結果格納部13に格納されたパケット誤り率を表示装置等に出力する。そして、本処理を終了する。
以上のような処理を実施することにより、ネットワークシミュレータでパケットを流すような従来のシミュレーションを行わなくとも、同じ精度のパケット到達率を算出することができる。すなわち、特定の車両間の通信品質を短時間で評価できるようになる。
以上本技術の一実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明した通信品質評価装置の機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
また、上では、隠れ端末干渉エリア解析処理において、2つの分割領域に分割する例を説明したが、計算式を適切に変形させることで3つ以上の分割領域に分割した場合についても適用可能である。
また、上では、車両密度をシミュレーション条件として入力する場合を例に説明したが、車両密度の代わりに、個々の車両の位置を入力するようにしてもよい。
以上、端末として車両を想定した本実施の形態をまとめると以下のようになる。
本通信品質評価方法は、ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価する方法であって、特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、第1の正規化単位時間において重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する希望波送信成功率算出ステップと、干渉エリアにおいて送信エリアに含まれないエリアであって、特定の受信端末の周りで特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における複数の分割領域の各々に存在する隠れ端末の台数と、端末1台当たりのパケット生起量と、第1の正規化単位時間より分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、第2の正規化単位時間において各分割領域内の隠れ端末から生起する分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出する正規化トラフィック量算出ステップと、分割領域毎の第2の正規化トラフィック量と、干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されているパケットエラーレートとを用いて、隠れ端末によるパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出ステップと、パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、特定の送信端末から特定の受信端末へのパケット到達率を算出するステップとを含む。
このようにすれば、上記のような計算によってパケット到達率を算出することができる。すなわち、ネットワークシミュレータでパケットを流すようなシミュレーションを行う必要がなくなり、短時間で通信品質を評価できるようになる。なお、再スケジュールされるパケット生起量や第1及び第2の正規化単位時間が考慮され、実環境を想定した第1及び第2の正規化トラフィック量を算出することができ、より精度の高いパケット到達率を短時間で算出できるようになる。
また、道路モデルと特定の送信端末の位置と特定の受信端末の位置と電波の伝播特性を表す伝播モデルとを含むシミュレーション条件の入力を受け付けるステップと、シミュレーション条件に含まれる道路モデルと特定の送信端末の位置と伝播モデルとに従って、特定の送信端末の送信エリアを特定するステップと、シミュレーション条件に含まれる道路モデルと特定の受信端末の位置と伝播モデルとに従って、特定の受信端末の干渉エリアを特定するステップとをさらに含むようにしてもよい。例えばシミュレーション条件を適切に組み合わせることで、様々なパターンを容易に検証できるようになる。
さらに、上で述べた希望波送信成功率算出ステップが、ブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、個々の端末におけるパケットの送信周期が定められている場合、第1の正規化トラフィック量を2で除算することにより、第1の正規化トラフィック量を補正するステップを含むようにしてもよい。また、上で述べた正規化トラフィック量算出ステップが、ブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、個々の端末におけるパケットの送信周期が定められている場合、第2の正規化トラフィック量を2で除算することにより、第2の正規化トラフィック量を補正するステップを含むようにしてもよい。このようにすれば、パケットの送信周期が定められている場合にも、適切なパケット到達率を算出できるようになる。
また、上で述べた希望波送信成功率算出ステップが、重複領域に存在する端末の台数と、端末1台当たりのパケット生起量と、第1の正規化単位時間とを乗ずることにより、第1の正規化単位時間において重複領域内の端末から生起するトラフィック量を算出するステップと、第1の正規化単位時間において重複領域内の端末から生起するトラフィック量と、再スケジュールされる確率とを用いて、再スケジュールされるパケット生起量を算出するステップとを含むようにしてもよい。このようにすれば、実環境を想定した第1の正規化トラフィック量を算出することができる。
さらに、上で述べた正規化トラフィック量算出ステップが、各分割領域について、当該分割領域に存在する隠れ端末の台数と、端末1台当たりのパケット生起量と、第2の正規化単位時間とを乗ずることにより、当該分割領域における第2の正規化トラフィック量を算出するステップを含むようにしてもよい。このようにすれば、実環境を想定した第2の正規化トラフィック量を算出することができる。
また、上で述べたパケット誤り率算出ステップが、隠れ端末干渉エリアからk個以下の干渉波が送出される場合における送出パターン毎に、第2の正規化トラフィック量に従って計算される干渉波衝突確率と、当該送出パターンにおける干渉電力強度に応じたパケットエラーレートとの積を算出し、積の総和を、隠れ端末によるパケット誤り率として算出するステップを含むようにしてもよい。このようにすれば、送出パターン毎の干渉電力強度に応じたパケットエラーレートを用いて隠れ端末によるパケット誤り率が算出されるので、干渉電力強度を考慮した評価を行うことができるようになる。
さらに、上で述べた所定の統計モデルが、CSMA/CAモデルである場合もある。
なお、通信品質評価装置をハードウェアと共に実現するためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
なお、通信品質評価装置は、図19に示すように、メモリ2501(記憶部)とCPU2503(処理部)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。OS及びWebブラウザを含むアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。このようなコンピュータは、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価するプログラムであって、
特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に前記特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、前記特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する希望波送信成功率算出ステップと、
前記干渉エリアにおいて前記送信エリアに含まれないエリアであって、前記特定の受信端末の周りで前記特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における前記複数の分割領域の各々に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間より前記分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、前記第2の正規化単位時間において各前記分割領域内の前記隠れ端末から生起する前記分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出する正規化トラフィック量算出ステップと、
前記分割領域毎の前記第2の正規化トラフィック量と、前記干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されている前記パケットエラーレートとを用いて、前記隠れ端末によるパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出ステップと、
前記パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、前記特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、前記特定の送信端末から前記特定の受信端末へのパケット到達率を算出するステップと、
をコンピュータに実行させるための通信品質評価プログラム。
(付記2)
道路モデルに代表される端末配置モデルと前記特定の送信端末の位置と前記特定の受信端末の位置と電波の伝播特性を表す伝播モデルとを含むシミュレーション条件の入力を受け付けるステップと、
前記シミュレーション条件に含まれる前記道路モデルと前記特定の送信端末の位置と前記伝播モデルとに従って、前記特定の送信端末の送信エリアを特定するステップと、
前記シミュレーション条件に含まれる前記道路モデルと前記特定の受信端末の位置と前記伝播モデルとに従って、前記特定の受信端末の干渉エリアを特定するステップと、
をさらに実行させる付記1記載の通信品質評価プログラム。
(付記3)
前記希望波送信成功率算出ステップが、
前記ブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、個々の端末におけるパケットの送信周期が定められている場合、前記第1の正規化トラフィック量を2で除算することにより、前記第1の正規化トラフィック量を補正するステップ
を含み、
前記正規化トラフィック量算出ステップが、
前記ブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、個々の端末におけるパケットの送信周期が定められている場合、前記第2の正規化トラフィック量を2で除算することにより、前記第2の正規化トラフィック量を補正するステップ
を含む付記1又は2記載の通信品質評価プログラム。
(付記4)
前記希望波送信成功率算出ステップが、
前記重複領域に存在する端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間とを乗ずることにより、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量を算出するステップと、
前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量と、前記再スケジュールされる確率とを用いて、前記再スケジュールされるパケット生起量を算出するステップと、
を含む付記1乃至3のいずれか1つ記載の通信品質評価プログラム。
(付記5)
前記正規化トラフィック量算出ステップが、
各前記分割領域について、当該分割領域に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第2の正規化単位時間とを乗ずることにより、当該分割領域における前記第2の正規化トラフィック量を算出するステップ
を含む付記1乃至4のいずれか1つ記載の通信品質評価プログラム。
(付記6)
前記パケット誤り率算出ステップが、
前記隠れ端末干渉エリアからk個以下の干渉波が送出される場合における送出パターン毎に、前記第2の正規化トラフィック量に従って計算される干渉波衝突確率と、当該送出パターンにおける干渉電力強度に応じた前記パケットエラーレートとの積を算出し、前記積の総和を、前記パケット誤り率として算出するステップ
を含む付記1乃至5のいずれか1つ記載の通信品質評価プログラム。
(付記7)
前記所定の統計モデルが、CSMA/CAモデルである
ことを特徴とする付記1乃至6のいずれか1つ記載の通信品質評価プログラム。
(付記8)
ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価する方法であって、
特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に前記特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、前記特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する希望波送信成功率算出ステップと、
前記干渉エリアにおいて前記送信エリアに含まれないエリアであって、前記特定の受信端末の周りで前記特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における前記複数の分割領域の各々に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間より前記分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、前記第2の正規化単位時間において各前記分割領域内の前記隠れ端末から生起する前記分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出する正規化トラフィック量算出ステップと、
前記分割領域毎の前記第2の正規化トラフィック量と、前記干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されている前記パケットエラーレートとを用いて、前記隠れ端末によるパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出ステップと、
前記パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、前記特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、前記特定の送信端末から前記特定の受信端末へのパケット到達率を算出するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される通信品質評価方法。
(付記9)
ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価する装置であって、
特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に前記特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、前記特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する送信エリア解析手段と、
前記干渉エリアにおいて前記送信エリアに含まれないエリアであって、前記特定の受信端末の周りで前記特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における前記複数の分割領域の各々に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間より前記分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、前記第2の正規化単位時間において各前記分割領域内の前記隠れ端末から生起する前記分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出し、前記分割領域毎の前記第2の正規化トラフィック量と、前記干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されている前記パケットエラーレートとを用いて、前記隠れ端末によるパケット誤り率を算出する隠れ端末干渉エリア解析手段と、
前記パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、前記特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、前記特定の送信端末から前記特定の受信端末へのパケット到達率を算出する特性算出手段と、
を有する通信品質評価装置。
車車間通信の車両環境の一例を示す図である。 本技術の実施の形態に係る通信品質評価装置の機能ブロック図である。 CINR−PERテーブルのテーブル例を示す図である。 本技術の実施の形態に係る通信品質評価装置の全体の処理フローを示す図である。 車車間通信の車両環境の一例を示す図である。 送信エリア解析処理の処理フローを示す図である。 第1の正規化単位時間の構成を示す図である。 IEEE 802.11pに基づく車車間通信の動作の一例を示す図である。 パケット送信が再スケジュールされる確率を説明するための図である。 微小時間Δ内におけるパケット発生確率分布を示す図である。 隠れ端末干渉エリア解析処理の処理フロー(第1の部分)を示す図である。 隠れ端末干渉エリアを複数の分割領域に分割した場合の一例を示す図である。 第2の正規化単位時間の構成を示す図である。 各分割領域に係る正規化トラフィック量を示す図である。 更新前及び更新後のCINR−PERテーブルに格納されるデータの一例を示す図である。 隠れ端末干渉エリア解析処理の処理フロー(第2の部分)を示す図である。 (a)及び(b)は、送出パターンの一例を示す図である。 希望波に対して、影響を与える干渉波の範囲を示す図である。 コンピュータの機能ブロック図である。
符号の説明
1 シミュレーション条件入力部 3 シミュレーション条件格納部
5 送信エリア解析部 7 CINR−PERテーブル格納部
9 隠れ端末干渉エリア解析部 11 特性算出部
13 特性算出結果格納部 15 出力部
51 第1車両台数算出部 53 第1正規化トラフィック量算出部
55 希望波送信成功率算出部
91 第2車両台数算出部 93 第2正規化トラフィック量算出部
95 パケット誤り率算出部

Claims (7)

  1. ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価するプログラムであって、
    特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に前記特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、前記特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する希望波送信成功率算出ステップと、
    前記干渉エリアにおいて前記送信エリアに含まれないエリアであって、前記特定の受信端末の周りで前記特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における前記複数の分割領域の各々に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間より前記分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、前記第2の正規化単位時間において各前記分割領域内の前記隠れ端末から生起する前記分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出する正規化トラフィック量算出ステップと、
    前記分割領域毎の前記第2の正規化トラフィック量と、前記干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されている前記パケットエラーレートとを用いて、前記隠れ端末によるパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出ステップと、
    前記パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、前記特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、前記特定の送信端末から前記特定の受信端末へのパケット到達率を算出するステップと、
    をコンピュータに実行させるための通信品質評価プログラム。
  2. 前記希望波送信成功率算出ステップが、
    前記ブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、個々の端末におけるパケットの送信周期が定められている場合、前記第1の正規化トラフィック量を2で除算することにより、前記第1の正規化トラフィック量を補正するステップ
    を含み、
    前記正規化トラフィック量算出ステップが、
    前記ブロードキャスト型のCSMA/CA通信において、個々の端末におけるパケットの送信周期が定められている場合、前記第2の正規化トラフィック量を2で除算することにより、前記第2の正規化トラフィック量を補正するステップ
    を含む請求項1記載の通信品質評価プログラム。
  3. 前記希望波送信成功率算出ステップが、
    前記重複領域に存在する端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間とを乗ずることにより、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量を算出するステップと、
    前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量と、前記再スケジュールされる確率とを用いて、前記再スケジュールされるパケット生起量を算出するステップと、
    を含む請求項1又は2記載の通信品質評価プログラム。
  4. 前記正規化トラフィック量算出ステップが、
    各前記分割領域について、当該分割領域に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第2の正規化単位時間とを乗ずることにより、当該分割領域における前記第2の正規化トラフィック量を算出するステップ
    を含む請求項1乃至3のいずれか1つ記載の通信品質評価プログラム。
  5. 前記パケット誤り率算出ステップが、
    前記隠れ端末干渉エリアからk個以下の干渉波が送出される場合における送出パターン毎に、前記第2の正規化トラフィック量に従って計算される干渉波衝突確率と、当該送出パターンにおける干渉電力強度に応じた前記パケットエラーレートとの積を算出し、前記積の総和を、前記パケット誤り率として算出するステップ
    を含む請求項1乃至4のいずれか1つ記載の通信品質評価プログラム。
  6. ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価する方法であって、
    特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に前記特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、前記特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する希望波送信成功率算出ステップと、
    前記干渉エリアにおいて前記送信エリアに含まれないエリアであって、前記特定の受信端末の周りで前記特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における前記複数の分割領域の各々に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間より前記分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、前記第2の正規化単位時間において各前記分割領域内の前記隠れ端末から生起する前記分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出する正規化トラフィック量算出ステップと、
    前記分割領域毎の前記第2の正規化トラフィック量と、前記干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されている前記パケットエラーレートとを用いて、前記隠れ端末によるパケット誤り率を算出するパケット誤り率算出ステップと、
    前記パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、前記特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、前記特定の送信端末から前記特定の受信端末へのパケット到達率を算出するステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される通信品質評価方法。
  7. ブロードキャスト型のCSMA/CA通信品質を評価する装置であって、
    特定の送信端末についてキャリアセンスが働く送信エリアと、他の端末の送信パケットと衝突した場合に前記特定の送信端末と通信している特定の受信端末に電力干渉を与える干渉エリアとが重なる重複領域に存在する端末の台数、端末1台当たりのパケット生起量、分散制御用フレーム間隔分の時間を含む第1の正規化単位時間、及びキャリアセンスの結果によりパケット送信が再スケジュールされる確率を用いて、前記第1の正規化単位時間において前記重複領域内の端末から生起するトラフィック量の総量から第1の正規化トラフィック量を算出し、所定の統計モデルに対して、当該第1の正規化トラフィック量を適用して、前記特定の送信端末における希望波送信成功率を算出する送信エリア解析手段と、
    前記干渉エリアにおいて前記送信エリアに含まれないエリアであって、前記特定の受信端末の周りで前記特定の送信端末の信号をキャリアセンスできずにパケットを送出してしまう隠れ端末が存在する隠れ端末干渉エリアを、干渉電力強度に従って複数の分割領域に分割した場合における前記複数の分割領域の各々に存在する前記隠れ端末の台数と、前記端末1台当たりのパケット生起量と、前記第1の正規化単位時間より前記分散制御用フレーム間隔分短い第2の正規化単位時間とを用いて、前記第2の正規化単位時間において各前記分割領域内の前記隠れ端末から生起する前記分割領域毎の第2の正規化トラフィック量を算出し、前記分割領域毎の前記第2の正規化トラフィック量と、前記干渉電力強度毎にパケットエラーレートを格納するパケットエラーレート格納部に格納されている前記パケットエラーレートとを用いて、前記隠れ端末によるパケット誤り率を算出する隠れ端末干渉エリア解析手段と、
    前記パケット誤り率から算出される、隠れ端末に起因する干渉回避率と、前記特定の送信端末における希望波送信成功率との積である、前記特定の送信端末から前記特定の受信端末へのパケット到達率を算出する特性算出手段と、
    を有する通信品質評価装置。
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