JP5150611B2 - 仮設構造物 - Google Patents
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Description
特に、近年では、温暖化の影響により、豪雨や台風の発生頻度が高まり、大型地震の発生も懸念されていることから、地球規模で仮設構造物の必要性が増している。
一般的な仮設構造物は、基礎を打ち、その上に複数の支柱を立設し、支柱の外側を軽量のボード或いはシートで覆って構築する。
しかし、このような仮設構造物は、基礎を打設するにも、支柱を立てるにも技術が必要であり、支柱の高さを一定に揃えるのも難しく、高い場所にボードやシートを張るのは危険で重労働であり、素人、特に、高齢者や病弱者が設置するのは困難であった。
しかし、この仮設構造物は、構造が複雑で大規模であるばかりか、昇降装置を昇降させるのに制御装置が必要であり、素人が建築するのは難しいだけでなく、コストも高くついた。
前記屋根材及び壁材は可撓性を有するシートとし、該シートの端部を巻取り器に巻き取り・巻き戻し自在に巻きつけても良い。
この時、前記屋根材を太陽光発電シートとすることができる。
また、杭支柱を低くして屋根材及び壁材を取り付けてから、杭支柱を伸ばして屋根及び壁を構築することができるので、組み立て作業がいっそう容易となり、積雪時には、屋根材の中央部を支持する杭支柱を高くして屋根勾配をきつくすることにより、雪を屋根から滑落させ、強風時には、杭支柱を低くして風による倒壊を避けることができる。
さらに、地盤が軟弱な場所であっても、地質改良補強材を地中に噴出して地盤を補強できるため、杭支柱を安定して打ち込むことが可能である。
また、地盤が固く杭が進入しにくい場合は、プレートを踏み込む力でトルク調整具が下方へ滑って支柱が下降し、これにより、杭支柱の高さを他の杭支柱と揃えることができる。
請求項3に係る発明によれば、太陽光発電シートによって発電した電力を供給できるため、光熱費を節減できるばかりか、災害等で停電が発生した時でも電気を使用することができる。また、杭支柱の高さを変えることにより、太陽の位置に応じて受光面の広さ及び傾きを変更することができるので、発電効率が良い。
図1は、本発明の実施例1に関し、農業用ハウス等の比較的小型で高い強度を必要としない仮設構造物の妻側から見た断面図である。
この仮設構造物は、屋根材及び壁材と、屋根材の中央部及び端部並びに壁材を支持する複数の杭支柱1,2とを備える。
屋根材及び壁材は、パネルやボードでもよいが、本実施例では可撓性のあるシート18を使用している。
なお、巻取り器18aは、シート18を巻き取る方向に軽く付勢し、シート18の弛みをなくすようにすると良い。
また、図示しないが、仮設構造物の妻面を含む壁は、別体のシートで被覆してある。
妻方向両端に立設された杭支柱2は伸縮タイプとし、その間に立設された杭支柱1は折り畳みタイプとして、高さ調節可能となっている。
折り畳みタイプの杭支柱1は、図2に示すように、支柱12とその下端内部に摺動自在に嵌合した杭11とから成る。
支柱12は、下段支柱121、中段支柱122及び上段支柱123に分割され、下段支柱121の上端と中段支柱122の下端、及び、中段支柱122の上端と上段支柱123の下端はそれぞれ蝶番124によって折り畳み可能に連結されている。
フック125を係止具126に係止すると、中段支柱122及び上段支柱123がそれぞれ下段支柱121及び中段支柱122に対して倒れないよう引き止められる。フック125を係止具126から外すと、中段支柱122及び上段支柱123を折り畳むことができる。
そして、連結パイプ127を連結部分に合致させると、中段支柱122が下段支柱121に対して起立すると共に、上段支柱123が中段支柱122に対して起立し、連結パイプ127を摺動させて連結部分からずらすと、中段支柱122及び上段支柱123を折り畳むことができる。
上段支柱123及び中層支柱13の上端周縁には、それぞれ鍔123a,13aが張り出してあり、内層支柱14の上端には円還部材14aが取り付けられる。このため、鍔123a,13aどうし及び円還部材14aがぶつかって、中層支柱13及び内層支柱14を完全に没入できないようになっている。
また、積雪量の多い地方では、内層支柱14を引き出した後、その側面にパイプ17を介して振動発生器16を取り付けることもできる。
なお、鍔123a,13aに、ロープ、補助材、備品等を取り付けるための還状金具を装着しても良い。
ノズルは、噴出口が下方を向いた下向きノズル111aと、噴出口が水平方向を向いた水平ノズル111bと、噴出口が上方を向いた上向きノズル111cとから成る。
中支柱23及び内支柱24は、適宜高さまで引き出してボルト23b,24b等により固定できるようになっている。なお、ボルト23b,24bの頭部には、ロープ、補助材、備品等を取り付けるための還状金具を設けると良い。
杭21には、杭11と同様に、地質改良補強剤Gを噴出する下向きノズル、水平ノズル、及び、上向きノズルが形成されている。
なお、下向きノズル、水平ノズル、及び、上向きノズルは、杭21の下部と中間部にそれぞれ設けても良い。
便宜上、足踏み込み用のプレート113を取り付けた折り畳みタイプの杭支柱1を図2に示す。
図2に示すように、杭支柱1の下段支柱121の外面にはリング113aが固定され、このリング113aの外面にプレート113が回動可能に取り付けられている。
プレート113は垂直状態(下段支柱121と平行な状態)から基部を中心に上方或いは下方へ回動させて水平に開き、水平に張り出した状態で固定できるようになっている。
そして、プレート113に足を掛けて踏み込むことにより、杭11を打ち込むことができる。
トルク調整具112は、下端に向かって次第に小径となり、その内面に鋸歯状の凹凸が形成され、この凹凸が、下段支柱121の外面下端部に形成された凹凸と係合している。
また、トルク調整具112の内面下端部は杭11の外面に食い込んでいる。
従って、プレート113を踏みつけて柔らかい地盤に杭11を打ち込む際には、下段支柱121と杭11とが共に地中に進入するが、杭11の先端が堅い地盤に突き当って進まなくなり、プレート113を踏んで下段支柱121に加わる軸力が設定値以上になると、トルク調整具112が杭11に沿って滑り落ち、下段支柱121のみが下降する。
杭21及び外支柱22を立設してから、外支柱22の内部に中支柱23を嵌合し、さらに、中支柱23の内部に内支柱24を嵌合する。
地盤の強度が不十分な場合は、杭11,21のノズル(特に、水平ノズル)から地質改良補強材Gを噴出して地盤を補強する。なお、杭支柱1及び杭支柱2の杭21を埋設する際には、ノズルは塞いでおくのが望ましい。
次いで、図1の破線で示すように、杭支柱2の中支柱23及び内支柱24を引き出して固定すると共に、杭支柱1の中段支柱122及び上段支柱123を伸ばして固定し、シート18を被せた状態で屋根を押し上げる。
シート18は、円還部材14a,24aの上にスライド自在に被せてあるので、杭支柱1,2を高くしても簡単に追随する。
また、強風時には、杭支柱1,2を低くして仮設構造物の高さを低くし、風による倒壊を防ぐ。
地震等により、杭支柱1,2が不同沈下した場合、或いは、杭打ち時に杭支柱1,2の高さが不ぞろいな場合は、所定高さより低い杭支柱1,2の下向きノズルから地質改良補強剤Gを噴出し、地盤から受ける上向きの反力により杭支柱1,2を上昇させて高さを補正する。
一方、所定高さより高い杭支柱1,2の上向きノズルから地質改良補強剤Gを噴出し、地盤から受ける下向きの反力により杭支柱1,2を下降させて高さを補正する。
また、シート18を中央部から分離し、左右の巻取り器18aによって完全に巻き取ることもできる。
さらに、必要に応じて、円還部材14a,24aに横架材を挿通する、折り畳み部分の下方において杭支柱1間に横架材を架設する、杭支柱2間に横架材を架設する等により補強すると良い。
また、杭支柱1,2の上端間に屋根勾配に沿ってロープを張り、シート18を受けることもできる。
また、屋根材となるシート18bと壁材となるシート18cとを別体とし、シート18bの下端部を杭支柱2の上部に装着した巻取り器18dに巻き取り・巻き戻し自在に巻きつけてあり、シート18cの下端部を杭支柱2の下部に装着した巻取り器18eに巻き取り・巻き戻し自在に巻きつけてある。シート18bには太陽光発電シートを用いることができる。
杭支柱2の中支柱23及び内支柱24を引き出すには、伸縮ジャッキを用いたり、円還部材24aや鍔23a等に設けた環状金具にロープを掛けて吊り上げる。
また、図4に示すように、地面よりもやや上方において、外支柱22間に横架材25を架設する。そして、通常は、この外支柱22間をつなぐ最も低い横架材25の上に床板をはる。
なお、図5では、仮設構造物の内部にも等間隔で杭支柱2を立設してあるが、杭支柱2のスパンが狭い場合は、居住の邪魔にならないよう、架設構造物内の適宜箇所のみに立設すればよいのは言うまでもない。
その他の構造及び使用方法は、実施例とほぼ同様なので詳細な説明を省略する。
11 杭
111 チューブ
111a 下向きノズル
111b 水平ノズル
111c 上向きノズル
112 トルク調整具
113 プレート
113a リング
12 支柱
121 下段支柱
122 中段支柱
123 上段支柱
123a 鍔
124 蝶番
125 フック
126 係止具
127 連結パイプ
13 中層支柱
13a 鍔
14 内層支柱
14a 円還部材
16 振動発生器
17 パイプ
18,18b,18c シート
18a,18d,18e 巻取り器
2 伸縮タイプの杭支柱
21 杭
22 外支柱
22a 鍔
23 中支柱
23a 鍔
23b ボルト
24 内支柱
24a 円還部材
24b ボルト
25 横架材
26,27 ブレース
28 梁受け材
29 接続プレート
G 地質改良補強材
Claims (4)
- 屋根材及び壁材を支持する複数の杭支柱を備え、該杭支柱は、高さ調節可能であって、支柱の下端部に杭を嵌合して成り、前記支柱の下部に足踏み込み用のプレートを設け、前記支柱と杭の嵌合部分を、設定以上の軸力が加わったときに摺動する環状のトルク調整具で締め付けて連結し、前記杭支柱の埋設部分に、地質改良補強剤を噴出するノズルを設けてあることを特徴とした仮設構造物。
- 前記屋根材及び壁材が可撓性を有するシートより成り、該シートの端部を巻取り器に巻き取り・巻き戻し自在に巻きつけてある請求項1に記載の仮設構造物。
- 前記屋根材が太陽光発電シートより成る請求項2に記載の仮設構造物。
- 前記ノズルは、噴出口が下方を向いた下向きノズルと、噴出口が水平方向を向いた水平ノズルと、噴出口が上方を向いた上向きノズルとから成る請求項1〜3のいずれかに記載の仮設構造物。
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