JP5149049B2 - 薬剤注入装置 - Google Patents
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Description
朝日新聞 ウイークリー AERA,2005年2月28日号 第71〜73頁
以下、薬剤注入装置210及び生体情報としての体温を測定する体温測定部100によって構成されるシステムの各部の構成について詳細に説明する。
図1(a)は、ICタグ(RFID)100の構成を示すものである。101は、ICタグ読み取り部としての通信部212からの信号を受け、ロジック部110を所定のフローで動作させるプログラムが記憶され、コンピュータで読取り可能な記憶媒体であるRAMである。102は、EEPROMで、温度センサ106のそれぞれに対応するオフセット値,温度補正値などが記憶されている。また、体温情報も記憶可能である。なお、ロジック部110は、より複雑な処理フローの制御が可能なCPUとしてもよい。温度センサ106としては、温度変化に対してほぼリニアにアナログ出力し、小型化・ICタグとの一体化が可能で、35〜42℃の間で温度分解能が0.05℃である、半導体型の温度センサ、例えばC−MOS温度センサが好ましく用いられるが、サーミスタ型、サーモパイル(熱電対)型でも可能である。103は、被検者Pに設けられた温度測定部を有するICタグ(RFID)100aの体温情報を取得するための送受信回路、103aはアンテナ、104は電源部である。この電源部104は、コイルを有するアンテナ部103aを介して、体温情報を読取られる時に温度測定部を有するICタグ100,100aの各部に電源を供給する。107はA/D変換部であり、温度センサ106と発振回路(不図示)で発生した体温信号をA/D変換するものである。ICタグ100,100aは、アンテナ103aを含めて5mm×5mm、厚さ1.5mm程度の大きさである。なお、ICタグ100,100aは、生体を通過可能な周波数の電磁波での通信(送受信)可能なものであれば、どのような周波数でもよいが、好ましくはISO14445やISO18092によって規定される13.56MHzのキャリア周波数の電磁波,950MHz帯域のキャリア周波数の電波,2.5GHz帯域のキャリア周波数の電波のいずれかで送信可能になっている。体温情報もEEPROM102に記憶できる。間違った被検者Pの情報を取得しないようにしたり、アンテナ103aから出力される信号を暗号化処理可能にしてセキュリティ機能を持たせることができる。このICタグ(RFID)100は、発泡性ポリウレタン等の断熱部材で囲包し、貼付部材により、患者の適所、例えば、腋下に貼り付けることで、より正確な患者の体温を取得することができる。
薬剤注入装置210は、マイクロコンピュータなどのCPUとCPUにより実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMとワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMなどを備える制御部211と、温度センサ106を備えた識別タグ(ICタグ:RFID)100と通信部212と比較的近距離通信での通信を行うことで識別タグ120の識別情報を取得するための電磁誘導方式を用いた通信部212と、薬剤注入装置のロック状態を表示するためのLEDやLCD等の表示部213と、薬剤注入装置210の流量や予定量の設定入力や送液開始・停止を行うためのボタンやスイッチなどで構成される操作部214と、薬剤を送液するための蠕動ポンプ,ローラーポンプ,駆動モータなど含む送液部215と、薬剤注入装置210が駆動するために内部や外部から取得した電源を装置に供給する電源部216と、薬剤注入装置210の状態遷移後の時間を計測するカウンタから構成されるカウンタ部217と、通信部212で取得した情報やポンプの動作状況など制御部211の注入動作状況,アラーム状況,装置を使用できる医療従事者リスト(識別コード等も含む)等をフラッシュメモリやハードディスクなどに記憶する記憶部218を備える。記憶部218は薬剤注入装置210の内部に配置されることに限定されず、装置外部に着脱が可能な状態で配置される構成も可能である。
注液処理フローについて、図1,2を参照して説明する。
図1において、輸液バッグから伸びる輸液チューブの一部を薬剤注入装置210にセットし、さらに輸液チューブの先端の針を患者Pの静脈にセットし、操作部214で、メイン電源をONにし、薬剤に応じて注入量(mL).初期注入速度(mL/h)を設定・入力し、薬剤注入を開始できる状態にする。操作部214での開始指示入力により、開始する。体温情報は、5〜10分毎に、患者Pの体表面に装着された体温測定部100に対して、薬剤注入装置210の通信部212から13.56MHzの電磁波を送信(送受信距離は、10cm〜1m程度)し、その信号と同期して得られる温度センサ106の体温情報を読取る(ステップS2)。これらの処理フローのブログラムは、コンピュータで読取り可能な記憶媒体の形で、ROM16,RAM17に記憶されており、制御部(CPU)211で読み出して実行される。患者Pの体温情報は、記憶部213に順次記憶され、所定値(例えば36.5℃)と比較される(ステップS3)。所定値以下となった場合、図4に示すように薬剤情報とともにテーブル化され記憶された体温−注入速度のデータベースに基づき、薬剤注入が開始される(ステップS4)。なお、図4は、5−フルオロウラシル誘導体の注入速度(mL/h)と測定された患者の体温との相関を示すものである。体温−注入速度が妥当であるか否か判断を行いながら薬剤注入を続ける(ステップS5)。妥当であると判断されるとそれまで通りの注入速度での薬剤注入を続ける(ステップS7)。体温−注入速度が妥当でないと判断されると、測定された体温情報に基づいて注入速度を変更し、薬剤の注入を行う(ステップS6)。なお、図3は体温−薬剤注入速度の関係の一例を示すものである。なお、本実施例による体温測定装置によらず、温度センサにサーミスタを用いて、薬剤注入装置へ有線で温度情報を送信してもよい。また、生体情報として体温情報以外に睡眠前駆反応に関連する脳波,心拍数等と関連付けし、投与する5−フルオロウラシル誘導体,ロイコボリン等の抗ガン剤の注入速度(mL/h)をテーブル化して記憶部に記憶しておいて、測定された脳波,心拍数等と関連付けして5−フルオロウラシル誘導体,ロイコボリン等の抗ガン剤の注入速度(mL/h)を制御部211で制御してもよい。また、併用して投与する5−フルオロウラシル誘導体,ロイコボリン等の抗ガン剤の注入速度(mL/h)をテーブル化して記憶部に記憶しておいて、測定された体温,脳波,心拍数等と関連付けして5−フルオロウラシル誘導体,ロイコボリン等の抗ガン剤の注入速度(mL/h)を制御部211で制御してもよい。こうすることで、生存期間が延びることが期待される。
Claims (2)
- 薬剤の送液処理を行う制御部と、流量や送液開始停止を行う操作部と、表示部と、記憶部と、通信部、前記薬剤の送液を行う送液部を有した薬剤注入装置であって、
生体情報としての患者の体温を測定する体温測定部をさらに備え、該体温測定部は、連続または間歇で前記患者の前記体温を測定し、測定された前記体温が所定温度である、36.5℃以下であると該制御部で判断すると、設定された注入速度(mL/h)で前記薬剤である抗ガン剤を注入開始するように前記制御部で制御するものであり、
前記体温測定部は、前記患者の体表面に装着され、温度変化に対してほぼリニアにアナログ出力し、小型化・ICタグとの一体化が可能で、35〜42℃の間で温度分解能が0.05℃である、半導体型の温度センサであるC−MOS温度センサと、ロジック部、前記ロジック部を所定のフローで動作させるプログラムが記憶され、コンピュータで読取り可能な記憶媒体であるRAM、前記温度センサのそれぞれに対応するオフセット値,温度補正値などが記憶されたEEPROM、送受信回路を備え、
前記温度センサで得られた前記患者の前記体温の情報は、前記通信部から13.56MHzのキャリア周波数の電磁波,950MHz帯域のキャリア周波数の電波,2.5GHz帯域のキャリア周波数の電波のいずれかの電磁波を送信して得られるものであることを特徴とする薬剤注入装置。 - 設定された前記注入速度(mL/h)は、体温に応じて、段階的に増減させるようにテーブル化された前記抗ガン剤の情報に基づき、該制御部で制御されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤注入装置。
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