JP5147129B2 - 自律型移動体 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された自走式車両は、走行手段を備えた車輌本体と、この車輌本体に設けられ、進行方向前方の走行路面を車幅方向に一次元走査して走行路面との距離を測定し、かつ走査面が互いに平行しているとともに互いに同期して走査を実施する複数の距離測定装置と、各距離測定装置により取得した距離データから、適正な距離データを抽出するデータ抽出手段と、データ抽出手段により抽出された距離データを用いて、障害物が存在しない走行路面と各距離測定装置における走査面との交線である路面平均線を算出する路面平均線算出手段と、各距離測定装置から各距離測定装置に対応する路面平均線までの距離、および各距離測定装置の設置間隔に基づいて、走査範囲の所定方向における走行路面の断面形状を算出する路面断面形状算出手段と、路面断面形状算出手段により算出された所定方向における走行路面の断面形状、および1個の距離測定装置により測定した所定方向の距離データに基づいて障害物の高さを算出し、走行路面の傾斜あるいは障害物の高さにより走行の可否を判断するとともに、走行困難と判断した障害物の概略位置を算出する障害物判断手段と、障害物判断手段により算出された障害物の概略位置に基づいて、障害物を回避する態様で車輌本体を走行制御する車輌制御装置とを具備したものである。
そして、評価された結果から障害物地図を生成し、それを用いて経路計画を行って自律走行する。なお、障害物地図は、外界計測結果を逐次反映させながら更新されていくようになっている。
レーザレンジファインダ2に用いた測距の原理は、レーザ光の投光から受光までの時間を計測するタイムオブフライト方式によるものであり、例えば1本若しくは数本のレーザ光源を用い、横方向に高速にラインスキャンを行う光軸を、光軸を光学的若しくは機械的に掃引して上下(チルト)方向に振ることにより、3次元スキャンを行うタイプのものである。以下、横方向を「ラインスキャン」、上下方向の揺動を「フレームスキャン」とする。
レーザレンジファインダ2による計測結果に基づいて障害物の検出を行った結果、障害物地図Mの全移動領域のうち、障害物が存在すると看做した領域を黒色、走行可能領域を白色、未計測領域をグレーで表している。
なお、白,黒,グレーで表示した領域を合わせた領域を「移動領域Ma」としている。
一度障害物として検出された領域については、移動障害物が移動離脱した後、その領域が再度走行可能と評価されるためには、その領域の路面を再度計測しなおす必要がある。
そのため、移動障害物が移動した後、それらの領域が再計測されるまで、その領域は障害物として更新されないことになる。
また、フレームスキャンのレートに相当する時間経過毎に、当該マーキングした地図上の座標位置から当該移動障害物データを消去することにより、ゴーストの発生はフレームスキャンのレートと同程度まで抑えることができる。
オドメトリ33は、無人車両Aの車輪35の回転量に基づいて、自己の位置情報を取得するためのセンサである。
GPS34は、無人車両Aの座標情報を取得するためのものである。
(1)測距装置(以下、「LRF」とも略記する。)31により取得した測距データに基づき、自律移動の妨げとなる障害物を検出する機能。これを「障害物検出手段30a」という。
(2)自律移動の妨げとなる障害物が移動障害物であるか否かを判定する機能。この機能を「障害物判定手段30b」という。
以下に、前方に正対した障害物が存在する場合を例として、測距データを取得して移動障害物であるか否かについて説明する。図3は、無人車両の前方に正対した障害物が存在する場合の測距の様子を示す説明図である。
本実施形態において、人や車両等の路面上を移動するものを移動障害物としており、LRF11から見た場合、光軸に対し正対する面を持つものと仮定する。
一方、LRF11に障害物Pが正対したの場合、LRF11から正対した対象までの水平距離をLとすると、障害物との測距値rb=L/cos(θ)となり、当該測距値rbは光軸のチルト角θに対しての変化量は小さい。ここで、測距値をチルト角度で微分すると、下記の式1,2で表すことができる。
よって、フレーム内において測距値のチルト角に対する変化率が1/100程度減少した場合、それらの領域は正対した物体(障害物)と考えられる。
しかし、このような近傍においては路面Tの計測点密度は自ずと密となるため、上記処理を行わなくてもゴーストの消去も頻繁に行うことができる。
例えば、センサの高さを地上から1mとし、また、5メートル先において正対した障害物を検出しできるように、測距値の変化量の比を25とする。すなわち、正対した障害物が、5m以遠にある場合は障害物を検出することができる一方、5m以前に障害物があるときは検出できない。
具体的には、移動障害物データの地図上の座標位置にフラグを設定することによる。なお、本実施形態における地図は、上記図6において説明したものと概念上同等のものであり、地図Mで示した領域を移動領域としているので、その説明については省略する。
(5)所定の時間経過毎に、当該マーキングした地図上の座標位置から当該移動障害物データを消去する機能。この機能を「移動障害物消去手段20b」という。
「所定の経過時間」は、フレームスキャンのレートに相当する時間である。換言すると、移動障害物データの寿命を設定するのである。
すなわち、正対した物体は、毎フレームスキャンにおいても安定して計測されるため、寿命はフレームスキャンのレートと同程度とするとよい。これにより、ゴーストの発生はフレームスキャンのレートと同程度まで抑えることができる。
(7)移動障害物データを消去した地図上の座標位置に、その移動障害物データが存在しない時点における測距データに基づく地形データを置換する機能。この機能を「データ置換手段20d」という。
移動障害物が存在しない時点における測距データは、例えば地図作成・経路計画コンピュータ20内の図示しない記憶領域に順次記憶しておく。これにより、移動障害物を消去した座標位置を自然な起伏状態にすることができる。
(7)作成した経路計画に従い、駆動機構Cを介して移動領域内を移動するための機能。この機能を「移動手段10a」という。
このような測距値は、無人車両近傍のデータであり、測距値の変化量が少なくなるため、この条件に適わない場合は、正対した障害物であるかの判断処理は行わず、後述のステップ9の処理を行う。
具体的には、座標変換後のデータについて、ヨー方向に同じ方向のデータに対し、チルト角の変化量に対する測距値の変化量を計算する。値は離散値であるため差分となる。また、この際にチルト角の変化量が非常に小さいデータについて、差分の誤差の影響が大きくなる場合には評価の対象外とする。
例えばセンサの高さを地上から1mとし、また、5メートル先において正対した障害物を検出しようとする。
なお、例えばより近くの正対した障害物を検出するには、センサ(LRF31)の高さを低く設定する。
次に、移動障害物を想定した高さを閾値とし、比較する。これは、高さの低い正対した物体は固定障害物であると想定できる場合、ゴーストの発生源とはならないためである。閾値は、想定する移動障害物のサイズを考慮して決定する。例えば人のサイズを想定した場合、屈んだ状態も想定して、たとえば500mm以上の高さとする等である。
ステップ8:地図生成アプリケーション上においては、通常の固定障害物は新しい計測データが得られるまで過去の計測データを保持するが、移動障害物であることを示すフラグのついたデータについては、1フレーム程度時間が経過した後にそのグリッド上のデータを消去する。
なお、過去の測距データがあれば、それを復活させる。換言すると、移動障害物データを消去した地図上の座標位置に、その移動障害物データが存在しない時点における測距データに基づく地形データを置換する。
上記ステップ(シーケンス)を連続的に繰り返し行い、地図の生成を継続的に行うことにより、ゴーストの発生の少ない地図を生成する。
以上詳述した本発明によれば、移動障害物のゴーストを適時に除去することにより、効率的な自律移動を行うことができる。
上述した実施形態においては、無人車両を、行動制御用コンピュータ、地図作成・経路計画コンピュータ及びセンサデータ処理コンピュータからなる3つのコンピュータにより、無人車両全体を制御するものを例として説明したが、3つのコンピュータに分担させることなく、単一のコンピュータで制御するようにしてもよい。
20a 地図作成手段
20b 移動障害物消去手段
20c 経路計画作成手段
20d データ置換手段
30b 障害物判定手段
30c マーキング手段
31 測距装置
A 自律型移動体
C 駆動機構
M 地図
Ma 移動領域
Claims (2)
- 移動領域内の測距データを取得するための測距装置とともに、その移動領域内を自律移動するための駆動機構を有する自律型移動体において、
上記測距装置が、レーザ光を少なくともフレームスキャンすることによる測距を行うレーザーレンジファインダであり、
その測距装置により取得した測距データに基づき、自律移動の妨げとなる障害物が移動障害物であるか否かを判定する障害物判定手段と、
判定に係る移動障害物に対応する移動障害物データを含む地図を作成する地図作成手段と、
上記移動障害物データの地図上の座標位置をマーキングするマーキング手段と、
フレームスキャンのレートに相当する時間経過毎に、当該マーキングした地図上の座標位置から当該移動障害物データを消去する移動障害物消去手段と、
移動障害物データを消去した後の地図に基づいて、経路計画を作成する経路計画作成手段と、
その作成した経路計画に従い、駆動機構を介して移動領域内を移動するための移動手段とを有していることを特徴とする自律型移動体。 - 移動障害物データを消去した地図上の座標位置に、その移動障害物データが存在しない時点における測距データに基づく地形データを置換するデータ置換手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自律型移動体。
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