JP5146217B2 - 交通信号制御システム、信号制御装置 - Google Patents
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Description
交通信号制御で決定すべきパラメータには、信号機の表示が一巡するのにかかる所要時間であるサイクル長(C)、1サイクルにおける各現示の割合(青時間の割合)であるスプリット(S)、および、隣接する信号機間の信号表示開始時刻のずれであるオフセット(O)がある。
したがって、互いに交差する方向の車両の通行台数(交通量)が同じ程度であったとしても、より多くの人間を輸送しようとする方向に優先的に青時間を割り当てることが可能となり、道路交通の便益が高まる。
なお、前記総信号待ち時間に基づく信号制御は、ある注目道路について算出し、その注目道路における総信号待ち時間が所定以下となるように制御する、といった方法でも良いし、交差点に接続する全ての道路における総信号待ち時間を小さくするように制御する方法でも良い。
車両は、人間がある地点から別の地点に移動するための手段であるから、このような計算方法により、信号待ちによって生じる移動時間のロスの総計を適切に算出することが可能になる。
なお、シミュレーションに際しては、考えうる全ての各信号灯色の表示時間の組み合わせについて総信号待ち時間を算出すれば、確実に総信号待ち時間を最小とする表示時間を決定しうるが、シミュレーションによる演算時間を短縮するために、例えば山登り法などの手法によって局所的な最適値(局所的に総信号待ち時間が最小となるような信号表示時間)を求める方法でも良く、ここにいう総信号待ち時間が最小となる各信号灯色の表示時間にはこのような局所解も含まれる。
また、シミュレーションにおいては、全信号灯色を変動させなくても良く、一部の灯色(例えば青信号)のみを変動させるような方法を用いても良い。
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る交通信号制御システムにおけるシステム構成の概要を示す模式図である。
図1のように、道路付近に設置される交通信号制御機1はルータや通信回線を通じて、交通管制センターに設置された信号制御装置5と接続されている。
信号制御装置5は、交通信号制御機1に対して、信号灯器1A等の制御についての信号制御指令情報を送信しており、その信号制御指令情報を受信した交通信号制御機1は、当該信号制御指令情報に基づいて青信号の時間配分等を決定し、信号灯器1A等の各信号灯色を点灯等する。
なお、1サイクルとは、信号機の表示が一巡する期間のことを指し、通常は主道路側に対して青信号の表示を開始した時から、再び主道路側に対して青信号の表示を開始する直前までの期間をいう。
なお、図2では、路上通信装置2を交通信号制御機1に内蔵する例を示しているが、路上通信装置2を交通信号制御機1とは独立した装置として設けて、交通信号制御機1との間で相互に通信可能なようにしておいても良い。
なお、車載機6が車両に搭乗する人数を把握する方法としては、車両に取り付けられた赤外線センサー等によって取得する方法でも良いし、各座席に重量検知センサーを取り付けて人間が着席しているかどうかを取得する方法でも良いし、各座席のシートベルトがされているかどうかを検知するセンサーを取り付けて人間が着席しているかどうかを取得する方法でも良い。
図3は、交通信号制御機1の設置されている交差点近傍の各車両の搭乗者数を示した図である。
交差点の北側の道路(南方向に進行する方路)では車両が2台進行してきており、その搭乗者数の合計は9人(4人+5人)である。
交差点の南側の道路(北方向に進行する方路)でも車両が2台進行してきており、その搭乗者数の合計は11人(5人+6人)である。
交差点の東側の道路(西方向に進行する方路)では車両が4台進行してきており、その搭乗者数の合計は6人(1人+2人+2人+1人)である。
交差点の西側の道路(東方向に進行する方路)でも車両が4台進行してきており、その搭乗者数の合計は4人(1人+1人+1人+1人)である。
したがって、例えば、南北方向に青時間を20秒割り当てるのであれば、東西方向には青時間を40秒割り当てるといったように、車両の台数が多い方路に大きな青時間が割り当てられていた。
しかし、この方法であれば、南北方向の車両に搭乗する人間の信号待ち時間は東西方向に比べて長くなってしまう。そのため、より多くの人間が長い時間信号待ちを強いられるため、この交差点において信号待ちする人間の総信号待ち時間が大きくなってしまうという問題があった。
すなわち、南北方向の信号待ち人数は20(=9+11)人、東西方向は10(=6+4)人と算出されるから、この人数に応じて信号の青時間を割り当てる。例えば、南北方向に青時間を40秒割り当てるのであれば、東西方向には青時間を20秒割り当てる。
このように制御すると、南北方向の車両の信号待ち時間を、東西方向の車両の信号待ち時間よりも短くすることができるため、大勢が信号待ちをする南北方向の人間の総信号待ち時間(移動時間)が短縮され、この交差点における交通の便益を高めることが可能となる。
例えば、従来のように、一旦、青信号の割当てを車両の台数に応じて決定した上で、各方向の搭乗者の信号待ち時間を計算して、その信号待ち時間に応じて青時間の割当てを補正する、といった方法でも良い。
例えば、従来までの信号制御方法によって、一旦、東西方向の青時間を20秒、南北方向の青時間を10秒と決定した上で、人数の比率が、東西と南北で1:2であることに応じて、東西方向には青時間を10秒加算し、南北方向には20秒加算するといった補正を行い、結果的に、東西・南北双方向に30秒ずつ割り当てる、といった方法を用いても良い。
例えば、東西方向と南北方向のそれぞれにどれだけの青時間を割り当てたら、どの車両までがその青信号で通過できるから結果的にこの交差点における搭乗者の総信号待ち時間の合計値が何秒になる、といったことをきめ細かく計算した上で、青信号表示期間中にどの車両まで通過させれば搭乗者の総信号待ち時間を最小とできるかを算出し、その車両が通過可能な分だけ各方路に青時間を割り当てる、といった方法を用いても良い。
ここで、南北方向の青時間を3秒減らして27秒にすると、東西方向の信号待ちによる搭乗者の総信号待ち時間はその分だけ減少し、「27秒×(B1+B2+・・・+B10)」となるが、南北方向の10台目の車両は、丁度1サイクル分信号待ちを強いられることになるため、南北方向でも「(27秒+30秒)×A10」の搭乗者の総信号待ち時間が発生することになる。
この場合、南北方向で発生する搭乗者の総信号待ち時間よりも東西方向で減少する搭乗者の総信号待ち時間の方が小さいのであれば、南北方向の青時間を3秒減少させた方が、この交差点で発生する搭乗者の総信号待ち時間を小さくすることができ有利である。
なお、この場合、考えうる全ての各信号灯色の表示時間の組み合わせについて、搭乗者の総信号待ち時間を算出すれば、確実に、搭乗者の総信号待ち時間を最小とすることが可能な信号制御方法を決定することが可能となるが、シミュレーションの演算時間短縮等の目的で、例えば山登り法などの手法によって局所的な最適値(局所的に総信号待ち時間が最小となるような信号表示時間)を求める方法でも良い。
また、各方路で変動させる信号灯色は、青信号だけではなく、黄信号や赤信号についても変動させることができる。
交通信号制御機1がこの総信号待ち時間の算出および青時間の割当ての決定を行う場合の各機器の動作を以下に説明する。
交通信号制御機1は、内蔵する路上通信装置2との間のインタフェース部から各車載機6から収集した搭乗者人数情報を取得し、全ての車両から受信した搭乗者人数情報を方路毎にメモリ上に用意されたテーブルに格納する。
そして、総信号待ち時間の算出を行うCPU等の演算部において、このテーブルに格納された搭乗者人数を参照して、方路毎の信号待ち時間を算出した後、これらを合算して交差点全体の総信号待ち時間を算出する。
最後に、算出した方路毎の信号待ち時間に応じて、信号制御演算部が各方路に割り当てる青信号の時間等を算出し、最終的に各信号灯色に割り当てる表示時間を確定させる。
確定された信号表示時間はメモリ上に書き込まれ、信号灯器を制御する灯器制御部がこの信号表示時間を読み出してその時間に従って各信号灯色の点灯等の制御を行う。
信号制御装置5は、路上通信装置2から交通信号制御機1等を経由して各車両の搭乗者人数情報を受信し、受信した搭乗者人数情報を方路毎にメモリ上に用意されたテーブルに格納する。
そして、交通信号制御機1で実行する場合と同様に、総信号待ち時間の算出を行うCPU等の演算部において、このテーブルに格納された搭乗者人数を参照して、方路毎の信号待ち時間を算出した後、これらを合算して交差点全体の総信号待ち時間を算出する。
最後に、算出した方路毎の信号待ち時間に応じて、信号制御演算部が各方路に割り当てる青信号の時間等を算出し、その青信号の時間等を格納した信号制御指令情報を作成して、交通信号制御機1宛に送信する。
当該信号制御指令情報を受信した交通信号制御機1は、その指令の内容に従って各信号灯色に割り当てる表示時間を確定させ、確定された信号表示時間に従って各信号灯色の点灯等の制御を行う。
1A乃至1D 信号灯器
2 路上通信装置
2A乃至2D 通信アンテナ
3 端末ルータ
4 中央ルータ
5 信号制御装置
6 車載機
Claims (4)
- 交差点に設置される信号灯器の各信号灯色の表示時間を決定する交通信号制御システムであって、
前記交差点に接続する道路上を走行する車両の車載機から当該車両の搭乗者数情報を受信する路上通信装置と、
受信した前記搭乗者数情報に基づいて、前記交差点において信号待ちする車両の搭乗者全員の総信号待ち時間を算出する総信号待ち時間算出手段と、
算出された前記総信号待ち時間に基づいて、前記信号灯器の各信号灯色の表示時間を決定する信号制御手段とを備えること
を特徴とする交通信号制御システム。 - 前記総信号待ち時間は、
交差点で信号待ちする車両毎に、信号待ち時間と搭乗者数とを乗算して当該車両の搭乗者信号待ち時間を算出し、
信号待ちする全ての車両の搭乗者信号待ち時間を合計して求められるものであること
を特徴とする請求項1に記載の交通信号制御システム。 - 前記信号制御手段は、前記総信号待ち時間を算出するシミュレーション機能を備えており、
当該シミュレーション機能は、
前記交差点の各信号灯器に割り当てる各信号灯色の表示時間を所定の範囲内で変動させ、
信号表示時間を変動させる毎に総信号待ち時間を算出するように構成されており、
総信号待ち時間が最小となる各信号灯色の表示時間を決定するものであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の交通信号制御システム。 - 交差点の信号灯器を制御する交通信号制御機に対して、前記信号灯器の制御に関する指示である信号制御指令情報を送信する信号制御装置であって、
前記交差点に接続する道路上を走行する車両の車載機が発信する当該車両の搭乗者数情報を受け取る路上通信装置から当該搭乗者数情報を受信する受信手段と、
受信した前記搭乗者数情報をテーブルに記憶する記憶手段と、
記憶した当該搭乗者数情報に基づいて、前記交差点において信号待ちする車両の搭乗者全員の総信号待ち時間を算出する総信号待ち時間算出手段と、
算出される前記総信号待ち時間に基づいて前記信号灯器の表示時間を決定し、その決定内容を含む信号制御指令情報を作成して前記交通信号制御機宛に送信する送信手段とを備えること
を特徴とする信号制御装置。
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