JP5142763B2 - 分子分析方法および分子分析素子 - Google Patents

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Description

本発明は、各種有機分子、金属微粒子、生体分子等の試料を分子レベルで分析する分子分析方法および該分子分析方法に用いられる分子分析素子に関する。
半導体材料の微細加工および超高集積化を可能としたナノテクノロジーは、現代産業の核となる技術である。その加工レベルはすでに10nmのオーダーまで到達しており、センサー、エレクトロニクス、医療などの分野で広く用いられている。最近では、ヒトゲノムの塩基配列が決定され、それらのゲノム情報を活用していくために、ナノテクノロジーとバイオテクノロジーを融合させたナノバイオテクノロジーの実用化に向けた動きが急速に展開しつつある。
ナノテクノロジーを応用したバイオデバイス、いわゆるナノバイオデバイスとしては、例えばDNAチップが挙げられる。DNAチップは、固体基板上に1000種以上のオリゴヌクレオチドを、半導体リソグラフィで作製したパターン上のそれぞれ別の微小領域に貼り付け、DNA塩基対の相補性を利用して遺伝子の検出・分析をする手段である。
このように、生体分子を用いたデバイス応用では、生体分子の分子認識機能を利用したものがほとんどである。
一方、現在、生体分子の検出手段としては、光プローブを用いたものがほとんどであり、電気信号を用いた方法はほとんどない状況である。後者の実現のためには、基板上における分子レベルでの生体分子の操作や特性の評価が極めて重要であるが、現在のところあまり研究が進んでいるとは言い難い。その理由としては様々なものがあるが、大きな理由の1つとして、従来の半導体デバイスは大気中、あるいは真空中で動作し、水を嫌うのに対し、生体分子は水の存在下でのみその機能を発現するものがほとんどであり、取り扱いが難しいことが挙げられる。
生体分子以外の有機分子や微粒子については、分子(粒子)レベルで操作し、その特性を評価する方法として、Electrostatic Trapping(ET)法がある(例えば非特許文献1参照)。この方法は、分子サイズ(数nm〜数十nmオーダー)の微小なギャップ(ギャップ)を有する対電極、いわゆるナノギャップ電極を作製し、これを当該物質の溶液中に浸漬し、ナノギャップ電極間に電圧を印加することによって分子(粒子)を分極させて、分子(粒子)を電極間に捕捉する方法である。
A.Bezryadin、C.Dekker著、Applied Physics Letters誌、第71巻、1273頁(1997年)
しかしながら、上記方法は、適用できるのがフラーレンや金属微粒子など一部の物質に限られており、適用範囲が広いとは言い難い。すなわち、ET法では、三次元の溶液中に分散している分子(粒子)を電圧によって無理矢理に分極させてナノギャップ電極に引き付けているために、電極間に捕捉するための適当な条件を見出すのが非常に困難である。また、分子の形状によっては分極が小さく、この方法では分子を捕捉できないことがある。また、強い電圧印加によって電極構造が破壊されることもしばしば起こる。
特に、生体分子にET法を適用することは困難である。これは、生体分子が一般的に巨大分子であり、非常に大きな電圧印加が必要になると考えられるためであり、また仮にできたとしても、膜タンパク質など、個々の分子を取り出してきただけでは機能を発現しない生体分子も多く、どのようにして生体中と同じ環境下で、機能を発現させた状態で生体分子個々の特性を評価するかが大きな課題となる。
これらの問題の解決は、ナノバイオデバイス発展のための大きな課題である。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであって、広範な分子の分析に適用できる分子分析方法および該分子分析方法に用いられる分子分析素子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した
]ナノギャップ電極が設けられた基板上に脂質二分子膜を展開し、該脂質二分子膜を流路として、前記ナノギャップ電極のギャップに複数種の分析対象分子を輸送する工程と、
前記ナノギャップ電極のギャップ幅又は前記ナノギャップ電極への印加電圧を調節することによって、前記複数種の分析対象分子の間に、前記ギャップの通過しやすさの違いを生じさせる工程を有する分子分析方法。
]前記基板上に、前記ナノギャップ電極が複数設けられている[1]に記載の分子分析方法。
]前記ナノギャップ電極にて、分析対象分子の計数分析を行う工程を有する[1]または[2]に記載の分子分析方法。
]前記ナノギャップ電極への印加電圧を制御することによって、該ナノギャップ電極のギャップに輸送される分析対象分子の挙動を制御する工程を有する[1]〜[]のいずれか一項に記載の分子分析方法。
]前記印加電圧を制御することによって、前記ナノギャップ電極のギャップにて分析対象分子を捕捉し、その電気特性分析を行う[]に記載の分子分析方法。
]前記分析対象分子を、前記脂質二分子膜の自発展開によって輸送する[1]〜[]のいずれか一項に記載の分子分析方法。
]前記ナノギャップ電極のギャップ幅を調節して、分子サイズの異なる2種以上の分析対象分子のふるい分けを行う工程を有する[1]〜[]のいずれか一項に記載の分子分析方法。
]表面に親水領域を有する基板部と、該基板部上に設けられた、前記親水領域を横断する複数のナノギャップ電極とを備え、前記複数のナノギャップ電極のギャップ幅がそれぞれ異なり、前記親水領域に、分析対象分子を前記ナノギャップ電極のギャップに輸送する流路として脂質二分子膜が形成されることを特徴とする分子分析素子
本発明によれば、広範な分子の分析に適用できる分子分析方法および該分子分析方法に用いられる分子分析素子を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1に示す素子1は、基板部11と、該基板部11上に形成されたナノギャップ電極12、13とを備える。
本実施形態において、基板部11としては、表面に酸化膜を有するシリコン基板(半導体基板)が用いられる。シリコン基板としては、特に限定されず、たとえば市販のSi(100)やSi(111)でもよく、さらに高指数のシリコン基板であってもよい。
なお、本発明はこれに限定されず、表面に酸化膜を有するシリコン基板以外の半導体基板を利用できる。該半導体基板としては、表面の酸化膜を除去したシリコン基板、石英ガラス基板、サファイア基板、マイカ基板等が挙げられる。さらにこれらの基板に表面修飾(親水化処理・ポリマー修飾等)を施したものを用いてもよい。
ナノギャップ電極12、13は、基板部11の上にフォトリソグラフィや電子線リソグラフィの手法を用いて作製される。金属材料としては、金、白金、銀、アルミニウム、チタン等を用いることもできるし、ニッケル等の磁性金属を用いることもできる。
ナノギャップ電極12、13間には、ナノメートルオーダーの微小なギャップ10が設けられている。ギャップ10の幅(ナノギャップ電極12、13間の距離)は、流路部17に展開させる脂質二分子膜を構成する脂質分子が通過可能なサイズであればよく、必要に応じて数nm〜数百nmまで自由に変えることができる。該ギャップ10の幅は、形成しやすさ、脂質二分子膜の展開しやすさ等を考慮すると、5nm以上が好ましい。その上限は、使用する脂質分子の大きさ、分析対象分子の大きさ等を考慮して適宜設定すればよい。
ナノギャップ電極12、13は、それぞれ、金属パッド14、15に接続されている。該金属パッド14、15は、ナノギャップ電極12、13と同様の手法で作製できる。
該金属パッド14、15に、配線を介して、電圧印加装置を接続することにより、ナノギャップ電極12、13に電圧を印加することができる。また、電圧印加装置として、電流変化をモニターする電気測定手段を備えるものを接続すれば、ナノギャップ電極12、13を分子分析用の電極として用いることができる。
基板部11上には、ナノギャップ電極12、13を覆う疎水膜16が形成されている。また、疎水膜16の内部が2カ所円形状に剥離されて収容部18、19が形成されており、これらの収容部18、19を連絡する流路部17が、ナノギャップ電極12、13間のギャップ10の位置を通過するように、疎水膜16の一部を剥離することにより形成されている。
収容部18、19および流路部17は、ナノギャップ電極を覆う疎水膜を形成し、該疎水膜の一部を微細加工技術で剥離することによって形成できる。微細加工技術としては、リソグラフィ法等の従来公知の方法が利用できる。
たとえばリソグラフィ法の場合、以下の手順で収容部18、19および流路部17を形成できる。まず、シリコン基板上にスピンコート法等によりフォトレジストを塗布し、乾燥してレジスト膜を形成する。次に、該レジスト膜に対して、露光、現像し、収容部18、19および流路部17に該当する部分のレジスト膜を除去する。
疎水膜16の膜厚は、特に限定されないが、通常、数百nm〜数μmが好ましい。
なお、ここでは収容部18、19の形状を円形としているが本発明はこれに限定されず、たとえば矩形であってもよく、不定形であってもよい。
次に、上記素子1の収容部18、19および流路部17においては、ナノギャップ電極12、13部分を除き、基板部11表面が露出している。該表面は親水性の酸化膜から構成されるため、該表面に、脂質二分子膜を形成することができる。
本発明の分子分析方法では、該表面に脂質二分子膜を形成し、分析対象分子をナノギャップ電極12、13のギャップ10に輸送する流路として利用する。
好ましい実施形態としては、分析対象分子を、脂質二分子膜の自発展開によって輸送する形態が挙げられる。
本実施形態では、まず、分析対象分子と、脂質二分子膜を形成する脂質分子とを混合した混合物を作製する。
分析対象分子としては、脂質二分子膜により輸送可能なものであれば特に限定されず、多様な分子に適用できる。たとえば、従来のET法では、電圧印加による分極が容易な分子(フラーレンや金属微粒子)に限定されているが、本発明は、それ以外にも多様な分子に適用可能であり、たとえば生体膜中でのみその機能を発現する膜タンパク質等の生体分子にも適用できる。特に、膜タンパク質を本発明に適用すると、従来の方法では極めて困難であった生体膜中と同じ環境下における分子レベルでの特性計測が可能となる。
脂質分子としては、脂質二分子膜を形成可能なものであればよく、従来脂質二分子膜の形成に用いられているものを利用できる。具体的には、フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン等が挙げられる。
次に、この混合物を、素子1の収容部18に付着させる。この状態で素子1をバッファー溶液中に浸漬させ、静置する。すると前記混合物の裾野から、基板部11表面上に沿って、脂質分子の自己組織化により脂質二分子膜の単一膜が形成されていく(脂質二分子膜の自発展開)。
このとき、脂質二分子膜は、疎水的な金属構造(ナノギャップ電極12、13)や疎水膜16上には成長せず、親水的な基板部11表面上のみに成長する。すなわち、脂質二分子膜の単一膜は、収容部18から流路部17に展開し、流路部17に沿って、収容部19方向へと成長していく。
脂質二分子膜は、流路部17に展開していく途中、流路部17の途中に存在するナノギャップ電極12、13に到達し、ギャップ10を通過することになる。この時、脂質二分子膜の成長と共に、脂質分子に混入した分析対象分子も輸送され、ギャップ10を通過することになる。そして、ギャップ10を通過した分析対象分子および脂質二分子膜は、もう一方の収容部19に収容される。
なお、ここでは分析対象分子を脂質分子と混合し、脂質二分子膜の自発展開によって輸送しているが、本発明はこれに限定されず、予め脂質分子のみを用いて脂質二分子膜を形成しておく形態を取ってもよい。
すなわち、まず、ベシクルフュージョン法、脂質二分子膜の自発展開等の従来公知の脂質二分子膜の形成方法を用いて、収容部18、19および流路部17の表面を脂質二分子膜の単一膜で被覆しておく。その後、収容部18に分析対象分子を注入する。すると、拡散によって分析対象分子が脂質二分子膜内を輸送されていき、上記と同様、ギャップ10を通過する。
この方法は、使用する分析対象分子の量が、自発展開によって輸送する場合よりも少ない量で済むという利点がある。
予め脂質分子のみを用いて脂質二分子膜を形成する場合、脂質二分子膜の形成方法としては、上記のような脂質二分子膜の自発展開特性を利用した方法以外にも、従来公知の方法、たとえばLangmuir Blodgett法やベシクルフュージョン法などが利用できる。本発明においては、予め脂質分子のみを用いて脂質二分子膜を形成する場合にも、脂質二分子膜の自発展開特性を利用した方法が好ましく用いられる。
上記方法においては、脂質二分子膜の単一膜が分析対象分子の輸送担体として機能し、分析対象分子を二次元平面内に閉じ込める効果がある。すなわち、分析対象分子は、流路部17内を、基板部11表面に沿って輸送され、必ずナノギャップ電極12、13間のギャップ10に到達する。そのため、従来よりも効率よく分子分析をすることが可能である。たとえば従来のET法に用いられていた分子分析素子においては、分析対象分子が溶液中にランダムに漂っているために、ナノギャップ電極のギャップに分析対象分子を捕捉することは非常に困難である。
したがって、上記のようにして流路部17内を輸送される分析対象分子を観察することにより、分析対象分子の分析を行うことができる。たとえば、ギャップ10の幅を所定の値に設定し、分析対象分子がギャップ10を通過するかどうかを観察すれば、分析対象分子の大きさを評価できる。
このような場合、分析対象分子の観察手法としては、分析対象分子を蛍光色素で標識し、光学的な測定手法と組み合わせて観察する方法等の直接的観察方法が効果的である。
また、分析対象分子の直接的観察手法がない場合でも、ナノギャップ電極12、13間の電流変化をモニターする等の間接的観察手法によって、分析対象分子の計数分析や電気特性分析を実施できる。
たとえば、流路部17の脂質二分子膜中の分析対象分子の濃度が充分に希薄(たとえば脂質分子に対して10−5mol%以下)であれば、個々の分子レベルで分析を行うことができる。すなわち、脂質二分子膜中の分析対象分子間の距離が充分に開いていれば、ある時間にギャップ10を通過する分析対象分子は1個までと考えられる。そのため、ナノギャップ電極12、13に流れる電流をモニターすれば、分析対象分子の計数分析も可能であるし、印加電圧を制御することによって、ちょうどギャップに輸送されてきた分析対象分子を当該ギャップに捕捉し、該捕捉した分析対象分子個々の電気特性を評価することもできる。
また、ナノギャップ電極間のギャップへの分析対象分子の捕捉されやすさは、電極間の印加電圧の大きさに依存するので、印加電圧を制御することによって、分析対象分子の挙動(ギャップでの捕捉、放出、選択的捕捉等)を制御することができる。
たとえば、印加電圧が小さいときは、分析対象分子はギャップに捕捉されずに通過するが、印加電圧が大きくなると、徐々に分析対象分子が捕捉されやすくなる。そのため、印加電圧を大きくしていくと、捕捉された分析対象分子により次第にギャップが塞がれ、分析対象分子の輸送を止めることができる。また、その後印加電圧を下げると、ギャップから分析対象分子を放出し、分析対象分子の輸送を再開させることができる。
また、分析対象分子の捕捉が可能となる印加電圧は、分析対象分子によって異なるため、試料として、複数種の分析対象分子の混合物を用いる場合、印加電圧を調節することにより、ギャップを通過させるか捕捉するかを調節でき、分析対象分子の選択的捕捉が可能となる。
また、流路部17に、ナノギャップ電極12、13と同様のナノギャップ電極対を複数設置すれば、ナノギャップ電極毎にギャップの幅を変えたり、印加電圧を変えることによって、分析対象分子の選択的捕捉が可能となる。
以下、本発明を、実施例を示してより詳細に説明する。
参考例1:素子の製造と動作確認>
(1)素子の製造
以下に述べるプロセスを経て、図1に示す構成の素子1を製造した。
基板として、厚さ1μmの酸化膜を表面に有する4インチシリコンウェハを使用し、該基板上に、金属材料を用いて、電子線リソグラフィにより、ナノギャップ電極12、13と、それに繋がる電気測定用のパッド14、15を作製した。金属材料としては金を用いた。金の膜厚は30nmであり、接着性をよくするために基板表面と金との間に膜厚3nmのチタンの層を挟んでいる。ナノギャップ電極のギャップは40nmであった。
次に、この基板上に、有機フォトレジスト(TSMR−V3、東京応化工業(株)製)をスピンコート法により塗布し、120℃で90秒間加熱してフォトレジスト膜を形成した。該フォトレジスト膜を、フォトマスクを用いて露光、感光させ、引き続いて現像し、収容部18、19および流路部17を形成した。さらに、残留しているフォトレジスト膜(疎水膜16)と基板表面との密着性をよくするために、200℃で1時間ベーキングした。ここで形成した流路部17の幅は5μm、高さ(疎水膜16の膜厚)は1μmであった。
(2)脂質二分子膜の展開
脂質二分子膜を形成する脂質分子としては、卵黄から抽出したフォスファチジルコリン(L−α−PC)を用いた。また、試料としては、フルオレセイン色素が結合した1,2−ジヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−フォスフォエタノールアミン(フルオレセイン−DHPE))を用いた。
L−α−PCおよびフルオレセイン−DHPEを、フルオレセイン濃度がL−α−PCに対して5mol%となるように混合し、少量のクロロホルムに溶解させた。これを12時間真空乾燥し、クロロホルムを除くことにより、粘張性を有する固体(試料混合物)を得た。
この試料混合物を、ガラスキャピラリーの尖端に取り、素子1の収容部18内の基板表面に付着させた。脂質二分子膜の自発展開の様子を調べるために、レーザー共焦点顕微鏡を用いて、以下の手順で観察を行った。
顕微鏡の対物レンズと試料との間に、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン10mM、NaCl100mMの濃度で塩酸によりpH7.6に調製されたバッファー溶液を満たすことによって、脂質二分子膜の自発展開を開始させた。
図2にその結果を示す。図2は、上記の条件で脂質二分子膜を自発展開させた時の流路部17の経時変化を示したものであり、脂質二分子膜がナノギャップ電極に到達した時刻をt=t0(秒)とし、図中上側から、t0(秒)に対して−300秒、−100秒、0秒、+20秒、+100秒、+200秒および+400秒における流路部17の観察結果をそれぞれ示している。
図2中、流路部17の左側から右側へと経時的に帯状に伸びて行く領域は、試料混合物中に含まれるフルオレセイン−DHPEのフルオレセイン色素からの蛍光を示しており、この結果から、脂質二分子膜の単一膜が、図中左側の収容部から流路部17に入り、流路部17に沿って左から右へと成長していく様子が確認できた。また、脂質二分子膜が、ナノギャップ電極に到達した後、そのギャップを通って、さらにもう一端の収容部へ向かって成長していったことが確認できた。
また、フルオレセイン色素からの蛍光の観察結果から、このとき、試料中のフルオレセイン−DHPEがバッファー溶液中に溶け出したり、ナノギャップ電極の金属部分や有機レジスト部分上に成長していくことがなかったことが確認できた。すなわち、L−α−PCと共に輸送されてきたフルオレセイン−DHPEは、ナノギャップ電極のギャップのみを通って輸送されていた。
なお、脂質二分子膜の自発展開を利用して試料を輸送する代わりに、予め、ベシクルフュージョン法により脂質二分子膜を収容部18、19および流路部17の表面に張っておき、収容部18にフルオレセイン−DHPEを注入したところ、フルオレセイン−DHPEが、脂質分子の拡散によって、上記と同様にギャップ10を通過したことが確認できた。
参考例2:計数分析・電気特性分析>
参考例では、参考例1において動作確認ができた素子を用いた、分子(粒子)レベルでの試料の計数および電気特性分析を行う例を示す。
図3(a)には、本参考例で脂質二分子膜31の自発展開により試料(分析対象分子)32を輸送した際の素子の流路部36の状態を示す。流路部36には、参考例1と同様、1対のナノギャップ電極33、34が設けられており、該ナノギャップ電極33、34には電気測定装置35が接続されている。この素子は、参考例1において、ナノギャップ電極間のギャップを25nmとした以外は参考例1と同様にして作製した。
参考例では、試料32として、表面を脂質分子で覆われている平均粒径20nmの金微粒子を用いた。該試料32には、可視化のために蛍光標識(NBD色素)が付けてある。該試料32と脂質分子との混合物を調製し、これを、上流側(図中、左側)の収容部(図示せず)に付着させ、参考例1と同様にして自発展開を開始させた。このとき、試料32の濃度は、試料間の距離が充分離れた状況となるよう、脂質分子に対して10−7mol%と充分に希薄な濃度とした。
脂質二分子膜31の成長と共に試料32がナノギャップ電極33、34間を通過することを確認するために、ナノギャップ電極33、34間に流れる電流をモニターした。このとき、該電流をモニターするために、ナノギャップ電極33、34間に50mV、100Hzの交流電圧を印加した。その結果、図3(b)に示すように、経時的にスパイク信号が得られ、ナノギャップ電極を通過した試料32を分子(粒子)レベルで計数することが確認できた。
また、ちょうど試料32がナノギャップ電極33、34間のギャップを通過したところで、交流印加電圧を500mVに上げたところ、ギャップ部分に試料32を捕捉できた。この試料32について、直流で電圧−電流特性を測定した。その結果、図3(c)に示すような結果が得られた。このように、試料32について、分子(粒子)レベルでの電気特性計測を実施できることが示された。
<実施例3:分子(粒子)ふるい>
参考例1において、ナノギャップ電極間のギャップの幅を15nmとした以外は参考例1と同様にして素子を作製した。
試料として、蛍光色素で標識した2種の脂質分子(図5(a)に示すテキサスレッド標識脂質分子および図5(b)に示すNBD標識脂質分子)の混合物を使用し、参考例1と同様にして試料を含む脂質二分子膜を自発展開で成長させた。所定時間経過後、流路部17表面をレーザー共焦点顕微鏡により観察し、各標識脂質分子からの蛍光強度を測定した。その結果を図4に示す。図4(a)はテキサスレッド標識脂質分子についての測定結果を示すグラフであり、図4(b)はNBD標識脂質分子についての測定結果を示すグラフである。図4に示すグラフの横軸は、ナノギャップ電極の位置を基準(0)とした、流路部に沿った距離を示している。縦軸は、各位置での試料からの蛍光の相対強度である。
テキサスレッド標識脂質分子については、ナノギャップ電極の位置よりも下流側で、30%程度の蛍光強度の落ち込みがあるのに対して、NBD標識脂質分子については、蛍光強度の落ち込みがほとんど見られなかった。これは、テキサスレッド標識脂質分子は、蛍光標識部位のテキサスレッドの大きさが、脂質分子の親水部に比べて立体構造的に大きいため、試料分子同士の立体障害およびナノギャップ電極通過に対する立体障害によってナノギャップ電極を通過しにくいこと、その一方、NBD標識脂質分子は、蛍光標識部位の大きさが脂質分子の親水部とほとんど同じ大きさであるために、脂質二分子膜を構成する脂質分子(標識のない脂質分子)と通過しやすさにほとんど差が出ないこと等によるものと考えられる。
この結果から、ナノギャップ電極、試料のふるいに用いることが可能であることが示された。すなわち、試料の大きさが、脂質二分子膜を構成する脂質分子と比べて有意に大きい場合、試料はナノギャップ構造を通過する際に該脂質分子よりも通りにくくなる。そのため、試料の大きさに合わせてナノギャップ電極のギャップ幅を調節すれば、ナノギャップ電極のギャップの通過前後での試料の濃度を変えることも可能である。
参考例4:電圧制御による分子挙動制御>
参考例は、ナノギャップ電極にて電圧制御を行うことによって、試料中の分子の捕捉および放出を制御する例であり、図6を用いて説明する。図6には、本参考例で脂質二分子膜61の自発展開により試料(分析対象分子)62を輸送した際の素子の流路部66の状態を示す。流路部66には、参考例1と同様、1対のナノギャップ電極63、64が設けられており、該ナノギャップ電極63、64には電気測定装置65が接続されている。この素子は、参考例1において、ナノギャップ電極間のギャップを30nmとした以外は参考例1と同様にして作製した。
試料62として、表面を脂質分子で保護された平均粒径10nmの金微粒子を使用し、参考例1と同様にして試料62を含む脂質二分子膜61を自発展開で成長させた。
このとき、ナノギャップ電極63、64間の印加電圧が10mV(周波数100Hz)の時点では、図6(a)に示すように、試料がギャップに捕捉されずに通過していった。その後、印加電圧を500mV(周波数100Hz)にすると、次第に試料がギャップに捕捉されていき、やがて、図6(b)に示すように、ギャップが完全に塞がった。その後、印加電圧を10mV(周波数100Hz)に戻すと、図6(c)に示すように、捕捉された試料が放出され、再び試料が電極間を通過するようになった。
この結果から、ナノギャップ電極への印加電圧を変えるだけで試料の流れをコントロールできることが示された。
このように、ナノギャップ電極に印加する電圧を変えるだけで、電極の大きさを変えることなく、ナノギャップ電極のギャップの通過しやすさを制御でき、分子の流れをコントロールできることが示された。
<実施例5:複数のナノギャップ電極を設けた素子の例>
本実施例は、分子サイズの異なる4種の分子を含む試料について、ナノギャップ電極を複数設置し、各ナノギャップ電極のギャップ幅をそれぞれ変更することにより、当該試料中の分子のふるい分けを行う例であり、図7を用いて説明する。
本実施例では、流路部79に、それぞれギャップの幅が異なる3つのナノギャップ電極対71〜73を備える素子を参考例1と同様の手順で作製した。このとき、ナノギャップ電極対71、72、73のギャップの幅は、それぞれ、35nm、25nm、15nmとし、試料の進行方向にかけて次第に小さくなるように設定した。
試料74〜77としては、平均粒径がそれぞれ40nm、30nm、20nm、10nmの、脂質分子で表面保護された金微粒子の混合物を使用した。
該試料74〜77を含む脂質二分子膜を参考例1と同様にして試料を自発展開で成長させると、試料74〜77は、図7に示すような挙動を示す。
すなわち、まず、分子74〜77を含む脂質二分子膜78がナノギャップ電極71に到達すると、ナノギャップ電極71のギャップ幅よりも分子サイズが大きい分子74はそれよりも先へ進めず、ナノギャップ電極71よりも上流側にとどまる。一方、ナノギャップ電極71のギャップ幅よりも分子サイズが小さい分子75〜77はナノギャップ電極71を通過し、ナノギャップ電極72に到達する。すると、ナノギャップ電極72のギャップ幅よりも分子サイズが大きい分子75はそれよりも先へ進めず、ナノギャップ電極71とナノギャップ電極72との間にとどまる。一方、ナノギャップ電極72のギャップ幅よりも分子サイズが小さい分子76〜77はナノギャップ電極72を通過し、ナノギャップ電極73に到達する。すると、ナノギャップ電極73のギャップ幅よりも分子サイズが大きい分子76はそれよりも先へ進めず、ナノギャップ電極72とナノギャップ電極73との間にとどまる。一方、ナノギャップ電極73のギャップ幅よりも分子サイズが小さい分子77はナノギャップ電極73を通過し、結果、流路79内において、各ナノギャップ電極71〜73で分離された各区分に分子の分布が生じる。
このとき、脂質二分子膜78の自発展開が進行する限り、混合物を付着させた収容部からすべての種類の分子74〜77が供給され続けるが、脂質二分子膜78中の試料濃度が希薄な条件であれば無視できるので、充分に時間が経過するとそれぞれの区分には特定のサイズの分子のみが溜まる。
このように、それぞれギャップの幅が異なる複数のナノギャップ電極を設けると、各ナノギャップ電極が分子ふるいの役割を果たし、試料中の複数の分子を分別することができる。
なお、本実施例では、複数のナノギャップ電極それぞれのギャップの幅を変えて試料中の各分子を分別したが、本発明はこれに限定されず、たとえば各ギャップの大きさを一定にして(例えば上記の例ではギャップの幅をナノギャップ電極対71のギャップ幅に統一して)、各ナノギャップ電極対71〜73に印加する印加電圧の大きさをそれぞれ変えるだけでも、実施形態Cと同様に、各分子の分別を行うことができる。この方法では、印加電圧を変更するだけでよいため、ギャップの幅を変えるよりも汎用性が高い。
本発明によれば、分析対象分子が、脂質二分子膜の単一膜を輸送担体として、ナノギャップ電極のギャップを必ず通過することを利用して、ナノギャップ電極を通過する試料の計数分析を実施できる。また、ナノギャップ電極間の印加電圧の強さを制御することにより、ナノギャップ電極間に分析対象分子を捕捉し、その電気特性等を分析することも可能である。また、流路に複数のナノギャップ電極を設置し、ナノギャップ電極のギャップの大きさを変える、あるいはナノギャップ電極間の印加電圧を変えることによって、複数種類の分析対象分子のふるい分けを実施できる。また、脂質二分子膜の単一膜を輸送担体とすることから、ET法等の従来の分子分析方法では困難であった、生体分子への適用も可能である。
本発明の分子分析素子の一実施形態を示す概略構成図である。 参考例1において、脂質二分子膜が自発展開する様子を時間ごとに観察した結果を示す図である。 参考例2において、試料として金微粒子を用いた計数分析および電気特性評価の様子を示す説明図である。(a)試料の測定環境を示す平面図である。(b)時間経過に対する試料の計数を示すグラフ図である。(c)(b)のある時間に計数された試料を捕捉し、電流−電圧特性を測定したグラフ図である。 実施例3において、ナノギャップ電極のギャップ通過前後における、試料からの蛍光の相対強度の変化を示すグラフである。図4(a)はテキサスレッド標識脂質分子、図4(b)はNBD標識脂質分子の結果を示す。 実施例3で用いた試料の分子構造を示す図であり、図5(a)はテキサスレッド標識脂質分子、図5(b)はNBD標識脂質分子を示す。 参考例4において、ナノギャップ電極間の印加電圧を変えることによって、試料の流れをコントロールすることができることを示す説明図である。 実施例5において、複数のナノギャップ構造によって、4つの混合試料を分別する様子を時間ごとに示す説明図である。
符号の説明
1…素子、11…基板部、12,13…ナノギャップ電極、14,15…金属パッド、16…疎水膜、17…流路部、18,19…収容部、31…脂質二分子膜、32…試料、33,34…ナノギャップ電極、35…電気測定装置、36…流路部、61…脂質二分子膜、62…試料、63,64…ナノギャップ電極、65…電気測定装置、66…流路部、71,72,73…ナノギャップ電極対、74,75,76,77…試料、78…脂質二分子膜、79…流路部

Claims (8)

  1. ナノギャップ電極が設けられた基板上に脂質二分子膜を展開し、該脂質二分子膜を流路として、前記ナノギャップ電極のギャップに複数種の分析対象分子を輸送する工程と、
    前記ナノギャップ電極のギャップ幅又は前記ナノギャップ電極への印加電圧を調節することによって、前記複数種の分析対象分子の間に、前記ギャップの通過しやすさの違いを生じさせる工程を有する分子分析方法。
  2. 前記基板上に、前記ナノギャップ電極が複数設けられている請求項1に記載の分子分析方法。
  3. 前記ナノギャップ電極にて、分析対象分子の計数分析を行う工程を有する請求項1または2に記載の分子分析方法。
  4. 前記ナノギャップ電極への印加電圧を制御することによって、該ナノギャップ電極のギャップに輸送される分析対象分子の挙動を制御する工程を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の分子分析方法。
  5. 前記印加電圧を制御することによって、前記ナノギャップ電極のギャップにて分析対象分子を捕捉し、その電気特性分析を行う請求項に記載の分子分析方法。
  6. 前記分析対象分子を、前記脂質二分子膜の自発展開によって輸送する請求項1〜のいずれか一項に記載の分子分析方法。
  7. 前記ナノギャップ電極のギャップ幅を調節して、分子サイズの異なる2種以上の分析対象分子のふるい分けを行う工程を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の分子分析方法。
  8. 表面に親水領域を有する基板部と、該基板部上に設けられた、前記親水領域を横断する複数のナノギャップ電極とを備え、前記複数のナノギャップ電極のギャップ幅がそれぞれ異なり、前記親水領域に、分析対象分子を前記ナノギャップ電極のギャップに輸送する流路として脂質二分子膜が形成されることを特徴とする分子分析素子。
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