JP5141416B2 - マスタ・スレーブ通信システム - Google Patents
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Description
しかし、スレーブ局の配置条件によっては、通信線に分岐のある接続構成となる。分岐のある通信線を信号が通過すると、分岐点のインピーダンス不整合により反射が発生する(図14)。分岐が多い場合、複数の分岐からの反射波が重なり合い、特定のサブキャリアの伝達特性が悪くなることがある。さらに、マスタ局側とスレーブ局側とではこの周波数選択性の伝達特性が異なるため(図15)、通信線の接続構成によっては、予め割り付けたサブキャリアの伝達特性が悪くなり、従来の技術では安定した通信が出来なくなるという問題があった。
また、本発明によると、複数のスレーブ局に対して一斉送信による通信を行う場合でも、送信/受信の通信を通信相手のスレーブ局に対してシーケンシャルに行う場合でも、通信を安定して行うことができる。
マスタ局3と複数のスレーブ局2の間は共通の通信線4で接続されており、通信方式は、変調信号をこの通信線4に載せて通信する直交周波数分割多元接続方式である。
マスタ局3は第1の周波数割付部350で設定された送信割付サブキャリアに従い、送信部で指令データを変調し送信する。受信側のスレーブ局2は第2の周波数割付部250で予め決定された受信サブキャリア割付に従い、マスタ局3からの指令データを受信し復調する。
通信線4にはDC電源320がインダクタで接続されており、このDC電源320でマスタ局3や複数のスレーブ局2は動作する。スレーブ局2に備わっているDC/DC電源220は、DC電源320から供給される電力を使用して自局用のDC電力を発生させるものである。
従来のサブキャリアの割付は1つのスレーブ局に対して一つのサブキャリアが割付られている。この帯域はシャノン・ハートレーの定理により求めることができる。
B=C/log(1+S/N)
Bは通信路帯域幅(Hz)、Cは通信路容量(bps)、S は帯域幅上の信号の総電力(W) 、N は帯域幅上のノイズの総電力(W)
従来の方式で通信すると2MHzから30MHz範囲で、1. 156MHzの帯域幅は48に区切ることが出来る。しかし、既に説明したように、この1.156MHzの帯域幅に1箇所でも反射による受信信号の減少があると、この帯域では安定した通信ができなくなる。このため、本発明では直交周波数分割多元接続方式を用いて帯域の狭い複数のキャリアで通信し、反射波の影響する周波数帯域を回避するのである。
まず、マスタ局3は電源投入後、受信電力レベルの検出を行うため、伝達特性計測フレームを各スレーブ局2に送信し、その応答を各スレーブ局2から受信する。この伝達特性計測フレームの送受信は、通信線で使用可能な帯域が分割された複数のサブキャリア毎に行われる。
まず、マスタ局3が、サブキャリアのすべてを使って、アドレス#1のスレーブ局2へ伝達特性計測フレーム(指令)を送信する。
また、伝達特性のデータベースは、図5に示すように、マスタ局3における各スレーブ局2からの受信又は各スレーブ局2におけるマスタ局からの受信について、その受信電力レベルの論理値をサブキャリア毎に保持する。
図5の左欄最下行は、アドレス#nのスレーブ局2からの受信電力レベルの論理値を例示しているが、f0 〜fn はサブキャリアを、‘1’は受信電力レベルの論理値であって該受信電力レベルが閾値以上であることを、‘0’は受信電力レベルの論理値であって該受信電力レベルが閾値未満であることを意味する。
1つは、マスタ局3がポーリングを一斉放送で行い、各スレーブ局2が同時に応答する場合、即ち、マスタ局3が全てのスレーブ局2が受信できる共通のサブキャリアを使用し、各スレーブ局2が個別のサブキャリアを使用する場合(図4のサブキャリア割付の1の場合)である。
2つ目はマスタ局3とスレーブ局2がポーリングとレスポンスをシーケンシャルに繰り返す場合、即ち、マスタ局3は、各スレーブ局2との通信にそれぞれ異なるサブキャリアを使用する場合(図4のサブキャリア割付の2の場合)である。
各スレーブ局2の受信電力レベルの論理値は伝達特性のデータベース(図5)に保持されている。
マスタ局3は、サブキャリア毎に、全てのスレーブ局2からの受信電力レベルの論理値の論理積演算をする。
そこで、マスタ局3の割付可能なサブキャリアの抽出のためにはマスタ局3側の全てのスレーブ局2からの受信電力レベルの論理値がサブキャリア毎に論理積演算される。
論理積演算の結果残ったサブキャリアがポーリングの一斉放送に使用されるサブキャリアの候補である。
= アドレス#1のスレーブ局2側受信電力レベル(f)
* アドレス#2のスレーブ局2側受信電力レベル(f)
・
・
・
* アドレス#nのスレーブ局2側受信電力レベル(f) ・・・ (1)
(f)は、サブキャリア毎に評価されることを意味する。
このようにして、各スレーブ局2が共通に使用できるサブキャリアの候補が求められるが、マスタ局3が一斉放送するのはポーリングに限るわけではない。
このように、全てのスレーブ局2と通信したときのマスタ局3側受信電力レベルの論理値をサブキャリア毎に論理積演算する。
= #1スレーブ局2と通信時のマスタ局3側受信電力レベル(f)
* #2スレーブ局2と通信時のマスタ局3側受信電力レベル(f)
・
・
・
* #nスレーブ局2と通信時のマスタ局3側受信電力レベル(f)
・・・ (2)
(f)は、サブキャリア毎に評価されることを意味する。
このようにして、各スレーブ局が同時に応答するときのサブキャリアの候補が求められる。
図11に例示するように、スレーブ局2側の受信レベルとマスタ局3側の受信レベルの各サブキャリアにおける論理積を行い、残ったものが使用可能なサブキャリアとなる。
マスタ局3とスレーブ局2がポーリングとレスポンスを
シーケンシャルに繰り返す場合に使用するサブキャリアの候補
= #iスレーブ局2側受信電力レベル(f)
* #iスレーブ局2と通信時のマスタ局3側受信電力レベル(f)
・・・ (3)
(i=1〜n)
(f)は、サブキャリア毎に評価されることを意味する。
このようにして、マスタ局3とスレーブ局2がポーリングとレスポンスをシーケンシャルに繰り返す場合に使用するサブキャリアの候補が求められる。
各スレーブ局2への通知は、図7に基づいて行われるが、まず、アドレス#1のスレーブ局2へ、サブキャリア割付データを載せたサブキャリア割付フレーム(指令)を送信する。アドレス#1のスレーブ局2はマスタ局3からのサブキャリア割付フレーム(指令)を受信すると、第2の周波数割付部250へ受信データを書き込むと共に、サブキャリア割付フレーム(応答)を送信する。マスタ局3は、前記サブキャリア割付フレーム(応答)を受信する。以下同様にして、マスタ局3は次のスレーブ局2との間でサブキャリア割付フレーム(指令)の送信とサブキャリア割付フレーム(応答)の受信を繰り返して、全てのスレーブ局2へのサブキャリア割付を行う。
このサブキャリアの割付は、通常運転で実際に使用する占有制御方式に係るもののみに限って割付ても良いし、使用する可能性のある全ての占有制御方式に係るもの全ての割付を行っても良い。
後者の場合、通常運転に先立って予め使用される占有方式に係るサブキャリア割付が選択される。
伝達特性計測フレームは、通信で利用できる全てのサブキャリアを使って同時に任意に固定されたトレーニングデータを送信する。このデータを受信したスレーブ局2は、全てのサブキャリアに対して受信電圧レベルを検出し、任意の閾値で比較し論理値化し、この値をマスタ局3へ送信する。マスタ局3はこのデータを受信するとともに、全てのサブキャリアに対して受信電圧レベルを任意の閾値と比較し論理値化する。このようにして、マスタ局3側とスレーブ局2側とから見た通信線の伝達特性を得ることが出来る。
スレーブ局2はサブキャリア割付フレーム(指令)を正しく受信するとこれをサブキャリア割付フレーム(応答)でマスタに通知すると共に、第2の周波数割付部250へ格納する。
なお、図8中、SFDはStart Frame Delimiter、FCSはFrame Check Sequenceの省略形である。
図2において、通信LSI300から受けたデータを変調し送信するのが第1の送信部340である。第1の送信部340は第1の周波数割付部350から出力される送信周波数割付データに従ったサブキャリアを使用して、シンボルマッパ341と逆離散フーリエ変換器342が動作する。
図3において、通信LSI200から受けたデータを変調し送信するのが第2の送信部240である。第2の送信部240では第2の周波数割付部250から出力される送信周波数割付データに従ったサブキャリアを使用して、シンボルマッパ241と逆離散フーリエ変換器242が動作する。
2 スレーブ局
21 200 通信LSI
22 変復調モジュール
210 データバス
220 DC/DC電源
230 インダクタ
240 第2の送信部
241 シンボルマッパ
242 逆離散フーリエ変換
243 P/S変換器
244 D/A変換器
245 ローパスフィルタ
246 増幅器
250 第2の周波数割付部
260 第2の受信部
261 受信データ・デマッパ
262 等価器
263 離散フーリエ変換器
264 S/P変換器
265 A/D変換器
266 バンドパスフィルタ
270 コンデンサ
3 マスタ局
31 300 通信LSI
32 変復調モジュール
310 データバス
320 DC電源
330 インダクタ
340 第1の送信部
341 シンボルマッパ
342 逆離散フーリエ変換
343 P/S変換器
344 D/A変換器
345 ローパスフィルタ
346 増幅器
350 第1の周波数割付部
360 第1の受信部
361 受信データ・デマッパ
362 等価器
363 離散フーリエ変換器
364 S/P変換器
365 A/D変換器
366 バンドパスフィルタ
370 コンデンサ
4 通信線
5 終端抵抗
51 コンデンサ
221 変調回路
222 復調回路
Claims (3)
- 1のマスタ局と、
周波数分割多重通信により前記マスタ局との間でデータを通信する複数のスレーブ局と、
を備え、
前記マスタ局は、
前記複数のスレーブ局毎に、前記周波数分割多重通信における複数のサブキャリアそれぞれが使用可能か否かを示す論理値の集合である使用可否情報が記録された伝達特性データベースと、
通信を開始する際に、通信相手の前記スレーブ局について前記伝達特性データベースに記録された前記使用可否情報の論理積に基づいて、該通信相手のスレーブ局との通信に対して1又は2以上のサブキャリアを割付ける第1の周波数割付部と、
を有し、
前記マスタ局と前記通信相手のスレーブ局とは、前記第1の周波数割付部で割付けられたサブキャリアを使用して通信を行うことを特徴とする、マスタ・スレーブ通信システム。 - 前記伝達特性データベースには、前記使用可否情報として、前記複数のスレーブ局毎に、前記複数のサブキャリアそれぞれについて、前記マスタ局がデータを送信する際に使用可能か否かの送信時使用可否情報と、前記マスタ局がデータを受信する際に使用可能か否かの受信時使用可否情報とが、記録されていることを特徴とする、請求項1に記載のマスタ・スレーブ通信システム。
- 前記第1の周波数割付部は、
複数の前記通信相手のスレーブ局に対して一斉送信による通信を行う場合には、前記複数の通信相手のスレーブ局それぞれに対する送信時使用可能情報同士の論理積に基づいて、前記複数の通信相手のスレーブ局への送信に対して同じ前記サブキャリアを割付け、
複数の前記通信相手のスレーブ局のそれぞれに順次通信を行う場合には、該通信相手のスレーブ局に対する前記送信時使用可否情報及び前記受信時使用可否情報の論理積に基づいて、該通信相手のスレーブ局との間の通信における送信と受信とに対して同じ前記サブキャリアを割付けることを特徴とする、請求項2に記載のマスタ・スレーブ通信システム。
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