JP5140075B2 - 心臓血管有害事象を起こす危険性が高い患者を同定する方法 - Google Patents

心臓血管有害事象を起こす危険性が高い患者を同定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、心臓血管有害事象を経験する危険性が高い患者を同定する方法に関する。本発明はまた、アスピリンによる抗血小板治療を受けている患者における、心臓血管系事象を経験する危険性が高いことを示す指標としての血小板凝集能亢進の決定にも関する。
用語「心臓血管疾患」は、心臓および/または血管(動脈および静脈)に関する病気の分類を意味しており、すなわち、心臓血管系に影響を与えるあらゆる病気のことである。5000万人を超える米国人が心臓血管系の問題を有しており、さらに、その他の西側諸国のほとんどが、高い、および、増加しつつある心臓血管疾患の割合に直面している。米国やほとんどの欧州諸国において、心臓血管疾患は、死亡および能力障害の原因の第一位である。
哺乳動物の生理学における血小板の役割は極めて多様であるが、それらの主要な役割は、止血を促進することである。血小板は、損傷を受けた血管に晒されると、露出した内皮下のマトリックスに付着すると予想される。最初の付着が起こった後、損傷部位で放出されたトロンビン、ADPおよびコラーゲンのような様々な因子が血小板を活性化する。血小板が活性化されると、血小板の糖タンパク質のGPIIb/IIIa受容体において構造変化が起こり、この受容体がフィブリノーゲンおよび/またはフォン−ウィルブランド因子と結合できるようになる。このような多価のフィブリノーゲンおよび/またはフォン−ウィルブランド因子分子と、GPIIb/IIIa受容体との隣接する血小板における結合によって、損傷部位への追加の血小板の補充、および、それらの凝集が引き起こされ、止血血栓または血栓が形成される。
対象となる質問としては、外科手術の前に、血栓形成をブロックする、または、促進すると予想される薬物を投与するかどうか、または、血小板の機能における不全を検出するかどうかが挙げられる。血小板は、心臓血管疾患(CVD)の発生に活発な役割を果たすことがわかっている。その結果として、血小板の機能を阻害する治療方策は、極めて重要である。
アスピリンは、心臓発作およびその他の心臓血管事象の危険を減少させる治療剤として、最も古く、且つ最も広く用いられる血小板阻害薬であるが、100万人もの人々がアスピリンを摂取している。このような人には、これまでに心臓血管系事象に罹患したことがある人、加えて、高コレステロール、心疾患の家族歴、または、その他の心臓血管疾患に関する危険因子を有する人が含まれる。危険因子を有する人のなかでも、心臓発症またはその他の心臓血管系事象を経験したことのある人の多くが、ある種の抗血小板剤(通常はアスピリン)を処方されている。アスピリン(アセチルサリチル酸)は、狭心症、心筋梗塞、末梢動脈疾患、または、脳血管虚血を経験したことがある個体における第二の血栓形成事象の危険を効果的に減少させる。またアスピリンは、健康な個体における初期の血栓形成事象の危険を減少させることもあり、さらに、心臓血管疾患の危険性が高いことが認識されていない多くの健康な人も、予防措置としてアスピリンを摂取している。この理由のために、多くの個体が、医師の処方箋または自己治療によって、血栓性の病気の一次的または二次的な予防のためにアスピリンを定期的に摂取している。
しかしながら、アスピリンは、虚血性の血管の事象をわずか約22%しか減少させないことが知られている。アスピリンに対して乏しい反応性しか有さない血管障害は、様々な実験室試験によって測定されたように、心筋梗塞、冠動脈疾患、および、卒中などの虚血性の血管障害に関連する。
従って、アスピリン治療を受けている患者が、心臓血管有害事象を経験する見込みがあるかどうかを決定できるようになることが望ましいといえる。アスピリン治療を受けている最中でも、主要な心臓血管有害事象を起こす危険性が高い患者を同定することが望ましいといえる。高い危険性を示す個体を同定する能力があれば、医師は、最大限の利点を受ける可能性がある個体に対する予防措置に集中することができるようになり、さらに危険にある個体がこのようなアプローチを受け入れるための強いきっかけを提供すると予想される。
要約
本発明の一形態は、心臓血管有害事象を経験する危険性が高い患者を同定する方法であって、ここにおいて該患者は、アスピリンによる抗血小板治療を受けている。このような患者からの血小板を含むサンプルは、血小板凝集能亢進に関して評価され、さらにこのサンプル中の血小板凝集能亢進は、患者が有する心臓血管有害事象の危険性に関連する。
本発明に係るその他の実施態様は、抗血小板物質であるアスピリン治療を受けている患者において、心臓血管有害事象の危険を評価する方法を対象とする。このような患者からの血小板を含むサンプルを、それらが開口部を含む膜と接触するように真空中で毛細管で吸い上げ、サンプル中の血小板を剪断力によって活性化する。上記膜は、血小板凝集刺激物質を含む。膜の開口部をブロックする血小板血栓が形成されるまでの時間が決定され、ここにおいて血小板血栓が形成されるまでの時間は、患者が有する心臓血管有害事象の危険性に関連する。
本発明に係るその他の実施態様は、抗血小板物質であるアスピリン治療を受けている患者において、心臓血管有害事象の危険を評価する方法である。患者からの全血サンプルを、それらが開口部を含む膜と接触するように真空中で毛細管で吸い上げ、サンプル中の血小板を剪断力によって活性化する(ここにおいて膜は、血小板凝集刺激物質を含む)。膜の開口部をブロックする血小板血栓が形成されるまでの時間が測定されるが、この時間は、患者が有する心臓血管有害事象の危険性に関連しており、この血小板血栓が形成されるまでの時間が、予め決定された時間と比較される。ここにおいて、血小板血栓が形成されるまでの時間が、予め決定された時間よりも短い場合は、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す。
安定な心臓血管疾患を有するアスピリン感受性患者における、死亡、心筋梗塞または脳血管発作の複合エンドポイントに対する血小板の機能の試験結果を示す敏感度−特異度グラフである。
上述したように、一実施態様において、本発明は、心臓血管有害事象を経験する危険性が高い患者を同定する方法を対象とする。対象の患者は、アスピリンの投与を伴う抗血小板治療を受けている患者である。このような患者からの血小板を含むサンプルは、血小板凝集能亢進に関して評価される。評価の結果は、患者の心臓血管有害事象の危険を評価するために用いられる。一般的に、サンプル中の血小板凝集能亢進は、心臓血管有害事象を起こす危険性が高いことを示す。典型的には、このような評価は、血小板凝集刺激物質の存在下において、高剪断条件下で行われる。
心臓血管有害事象としては、これらに限定されないが、例えば、動脈における血栓形成事象、または、虚血性の血管障害、例えば、心筋梗塞、冠動脈疾患、卒中、狭心症(安定、および、不安定)、末梢動脈疾患、脳血管虚血が挙げられる。
アスピリン治療を受けている患者とは、有効量のアスピリン、すなわち、動脈における血栓形成事象の発生率を低くする、並びに/または、安定狭心症を有する個体における心筋梗塞、脳血管性の血栓性の病気、および、血管死、不安定狭心症、心筋梗塞、一過性の脳虚血、末梢血管疾患、血栓性脳卒中などを予防するのに十分な量または有効な量のアスピリンでの治療を受けている患者である。アスピリン治療の典型的な用量は、30〜325mg/日であり得る。
抗血小板治療を受けている患者からの血小板を含むサンプルは、血小板凝集能亢進に関して評価される。このような血小板を含むサンプルは、凝集能亢進に関して評価することができる血小板を含む患者由来のあらゆるサンプルである。多くの例において、このようなサンプルは、全血であるか、または、多血小板血漿である。血小板を含むサンプルの具体的な形態は、血小板凝集能亢進を決定する方法の性質に応じて様々であってよい。
本発明の開示に関する血小板凝集能亢進とは、患者の血小板を含む所定のサンプルにおいて血小板血栓が形成されるまでの時間が、図1で示されるような敏感度−特異度グラフから決定される確立されたカットオフ値より短いことを意味する。
図1の例において、血小板凝集能亢進は、血小板血栓の形成時間が90秒未満であることと定義される。血小板が凝集能亢進を示す程度は、患者が心臓血管有害事象を経験する危険性に関する。一般的に、このような血小板血栓の形成時間が90秒未満の血小板凝集能亢進は、患者が、血小板血栓の形成時間が90秒より大きいか、または、90秒に等しい場合よりも4〜7倍高い可能性で、将来的に心臓血管系事象を経験することの危険性が高いことを意味する。
いくつかの実施態様において、血小板凝集能亢進は、高剪断力による試験方法、または、高剪断力による血小板機能検査を用いて評価される。このような方法のいくつかの実施態様において、患者からの血小板を含むサンプルを真空中で毛細管で吸い上げ、血小板を剪断力によって活性化する。毛細管は、その寸法によって定義され、一般的には、管を通って毛細管流動が生じるような毛細管の寸法、すなわち断面積を有する管である。断面の寸法、例えば幅、高さ、直径のうち少なくとも1つが、少なくとも約1μm、または、少なくとも約10μmであり、通常、約500μm以下、または、約200μm以下である。毛細管の寸法を有する管は、典型的には、約1〜約300ミクロン、または、約10〜約200ミクロン、または、約25〜約100ミクロンの内径(ID)を有する。
このような毛細管は、硬質または軟質の、透明または不透明の材料から製造される。毛細管製造において使途が見出されている具体的なプラスチックとしては、例えば、軟質または硬質の形態の、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、例えば、テフロン(TEFLON)(登録商標)、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、ポリスチレンまたはスチレンコポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ尿素、ポリアミド、ポリエチレンアミン、ポリアリーレンスルフィド、ポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリアセテート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、または、その他の材料または材料群と共に用いてもよい。
適切な硬質材料としては、例えば、ガラス(この用語は、シリカを含むものとして用いられる)、例えばバイオグラス、および、硬質プラスチックおよび樹脂、金属、例えばステンレス鋼などが挙げられる。硬質プラスチックとしては、例えば、例えばポリ(塩化ビニル)、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタラート)、ナイロン、ポリ(ビニルブチレート)などのようなポリマーが挙げられ、これらは、そのものを用いてもよいし、または、その他の材料と共に用いてもよい。選択される材料は、毛細管に適用されたサンプルまたは試薬と反応性を有さないものであるべきである。
毛細管に適用される真空または陰圧は、一般的に、サンプルを高剪断力に晒すのに有効であるか、または、十分な真空または陰圧である。用語「高剪断力」は、本発明の開示の目的において、約5000〜約6000/秒、または、それより高い剪断力を意味する。典型的には、剪断力は、動脈、および、部分的に閉塞した血管の剪断力に類似した剪断力である。真空は、通常、約1〜約10kPa、約2〜約9kPa、約3〜約8kPa、約4〜約7kPa、または、約4〜約6kPaである。
血小板は、毛細管中で高剪断力に晒された結果、活性化される。血小板の活性化とは、血小板糖タンパク質のGPIIb/IIIa受容体で構造変化が起こり、それによりフィブリノーゲンおよび/またはフォン−ウィルブランド因子と結合できるようになることを意味する。このような多価のフィブリノーゲンおよび/またはフォン−ウィルブランド因子分子と、GPIIb/IIIa受容体との隣接する血小板における結合によって、傷害部位への追加の血小板の補充、および、それらの凝集が引き起こされ、止血血栓、または、血栓が形成される。
いくつかの実施態様において、毛細管の開口部にある種の構成要素を配置させている。多くの実施態様において、この構成要素は液体の吸収剤であって、そこに、血中で血液凝固プロセスまたは血小板凝集を開始させることができる物質を包含させることができる。またこのような構成要素は、安定な構造を有していてもよく、それにより、例えば構成要素に穴を開けることによって構成要素に的確な開口部を設置することができる。いくつかの実施態様において、このような構成要素はまた、例えば血小板凝集刺激物質(例えばコラーゲン)のような試薬のための支持マトリックスとしても役立つ可能性がある。
上述したように、このような構成要素は吸収剤であってもよく、従って、多孔質の構成要素であってもよい。好ましい多孔質の構成要素の孔径は、本明細書において以下で考察されるように、物質が構成要素を透過することができ、さらに、例えば試験装置中で、構成要素中の開口部を通って血液を吸引するための陰圧の形成が妨害されることがないような孔径である。また孔径は、以下で考察されるように、実質的に全血は構成要素を透過しないが、膜中の開口部を通過するようにも選択される。
構成要素の主要寸法に相当する構成要素の表面が、毛細管中のサンプルの流れに対して実質的に横切るように、構成要素を毛細管に配置させてもよい。用語「実質的に横切る」とは、構成要素の表面が、毛細管中のサンプルの流れ方向に相当する軸に対して直角から約20度以内、直角から約15度以内、直角から約10度以内、直角から約5度以内、直角から約4度以内、直角から約3度以内、直角から約2度以内、直角から約1度以内、または、直角であることを意味する。毛細管に対する構成要素の位置は、例えば毛細管の長さ、開口部の直径、サンプルの性質などのような多数の要因に依存する。いくつかの実施態様において、構成要素は、毛細管の出口(サンプルが毛細管から出る毛細管の開口部である)に隣接して位置する。
いくつかの実施態様において、構成要素は、膜を含む。いくつかの実施態様において、上述したように、膜は開口部を含み、この開口部を通過して毛細管から出たサンプルが流動することができる。膜中の開口部のサイズは、多数の考察によって決定される。開口部の寸法は、特定の分析条件下で、血栓が形成され、開口部が閉塞されるように選択される。開口部は、分析に関係のない遮断が起こるほど小さいものであるべきでない。開口部は、血栓が適切に形成されないほど大きいものであるべきでない。本明細書において考察された血小板機能検査において、開口部は、約100ミクロン〜約200ミクロンであるか、または、約140ミクロン〜160ミクロン、または、約150ミクロンである。構成要素中の開口部の寸法は、装置における初期の流れ特性に大きな影響を与えない。一般的に、毛細管から出たサンプルのみが膜中の開口部を通過する。
膜の寸法は、膜の直径が、少なくとも上記で考察された開口部を適切に形成し、存在させるのに十分であるような寸法である。さらに、以下で考察されるように、膜は、血小板凝集刺激物質を含んでもよく、このような血小板凝集刺激物質は膜中に包含されていてもよいし、または、膜上に包含されていてもよい。従って、膜の直径および厚さは、特定の試験で用いられる血小板凝集刺激物質の量に依存する。膜の寸法は、膜に十分な量の血小板凝集刺激物質が含まれるような寸法であるべきである。
多孔質の構成要素は、凝固または血液凝固を促進する物質または物質群のための支持マトリックスを提供する。いくつかの実施態様において、多孔質の構成要素は、その中に試薬を包含させることができるように液体に対して吸収力を有し、同時に、そこに穴を開けて的確な開口部が形成できるように安定な構造を有する。多孔質の構成要素は、湿潤している場合でも開口部のサイズをそこで維持することができる材料から製造される。このような材料は、試験で用いられる物質に対して比較的不活性であり、さらに、血小板または一連の反応の活性化の妨害を引き起こさないものとする。また、試験中の温度(例えば約37℃)で、温度に対しても非感受性であるべきである。上記膜は、例えばセルロースエステル(例えばセルロースアセテート、硝酸セルロースなど)、セラミック、ポリマー(例えばナイロン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など)、ガラス(例えばガラス繊維など)から製造してもよい。いくつかの実施態様において、上記膜は、ミリポア社(Millipore Corp,ベッドフォード,マサチューセッツ州)製の混合型のセルロースエステル(酢酸エステルおよび硝酸エステル)の膜である。
多孔質の構成要素は、通常、その中に、血小板の機能、および、血液の凝固因子の直接的で十分な評価を可能にする物質を包含している。多くの実施態様において、膜は、血小板凝集刺激物質(すなわち、血小板凝集を促進する物質)を含む。血小板は、様々な条件下で、および、多数の様々な試薬の存在下で凝集することがわかっている。血小板凝集とは、血小板が互いに結合することを説明するのに用いられる用語である。このような事象は、多血小板血漿(PRP)または全血に凝集誘導物質を添加することにより誘導することができる。血小板凝集は、インビトロにおいては、ADPまたはコラーゲンのような凝集誘導物質によって活性化された後に、フィブリノーゲンおよび/またはフォン−ウィルブランド因子の表面に結合する血小板の能力に依存する。
本発明の方法で用いることが可能な適切な血小板凝集刺激物質の例としては、コラーゲン、リストセチン、アラキドン酸およびそれらの塩、セロトニン、アデノシン−5’−二リン酸塩、エピネフリン、トロンビン、血小板活性化因子(PAF)、トロンビン受容体アゴニストペプチド(TRAP)など、または、それらの組み合わせ、例えばコラーゲンおよびアデノシン−5’−二リン酸塩、コラーゲンおよびエピネフリンなどが挙げられる。
血小板凝集刺激物質は、通常は拡散によって、膜に、または、膜内に結合する。いくつかの実施態様において、血小板凝集刺激物質は、非共有結合によって膜に結合し、例えば吸着、吸収、吸収および乾燥等によって膜に結合する。一実施態様において、血小板凝集刺激物質の溶液が膜と接触すると、膜の孔がこの溶液を吸収するようになる。続いて、膜とこの溶液との接触を停止させ、乾燥させる。
膜上の血小板凝集刺激物質の量は、本発明の方法の条件下でサンプル中の血小板の凝集を促進するのに有効な、または、十分な量である。用いられる量は、血小板凝集刺激物質の性質、サンプルの性質などに依存する。血小板凝集刺激物質の量は、約1μg〜約100μg、約5μg〜約80μg、約10μg〜約70μg、約20μg〜約60μg、または、約30μg〜約50μgなどである。一実施態様において、膜は、アデノシン−5’−二リン酸塩50μg、および、コラーゲン約2μgを含む。「拡散によって結合した」とは、血小板凝集刺激物質が、本発明の方法の間に、通常は試験されるサンプルと接触した際、または、それらに曝露された際に膜から除去されるように膜に結合していることを意味する。血小板凝集刺激物質は、膜を透過する能力、いくつかの実施態様においては膜に染み込ませる能力を有するため、膜中にそれらが包含されるか、または膜上に被膜が形成され、その結果としてそれらが膜中に包含される。
高剪断力による試験方法、または、高剪断力による血小板機能検査は、通常、適度な温度で行われ、例えば約25〜約45℃、約30〜約40℃、約37〜約38℃などで行われる。
血小板血栓が形成される時間、すなわち、開口部をブロックする血小板血栓が形成されるまでの時間を測定し、これを、血小板凝集能亢進と関連付け、最終的に、アスピリンによる抗血小板治療を受けている患者が、心臓血管有害事象を経験する危険と関連付ける。いくつかの実施態様において、毛細管を流れる血流が、その元の流れの10%に減少したら、開口部がブロックされるとみなされる。この期間は、一般的に、真空を毛細管に適用した時点から、開口部をブロックする血小板血栓が形成された時点まで測定される。いくつかの実施態様において、この期間は、閉塞時間と称される。
いくつかの実施態様において、血小板血栓が形成されるまでの時間を、予め決定された時間と比較した際に、血小板血栓が形成されるまでの時間が予め決定された時間よりも短い場合は、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す。いくつかの実施態様において、予め決定された時間は、以下のように確立される:アスピリンを摂取しており、心臓血管疾患を有する患者からの血液サンプルを用いて、血小板の機能の試験を行う。血小板の機能の試験の結果、および、6ヶ月間、1年間、またはそれより長い期間にわたり同じ患者群で回収された有害事象の情報を用いて、図1で示されるような敏感度−特異度グラフを受信者操作特性曲線(ROC)解析を用いて作成する。ROC曲線を用いて、「完全」と名付けたポイントから、曲線上の最も近いポイントにラインを引く。この曲線上のポイントは、最適なカットオフ値、または、決定ポイント、もしくは、予め決定された試験時間を定義する。いくつかの実施態様において、心臓血管有害事象に関する危険の程度は、血小板血栓が形成されるまでの時間が、予め決定された時間よりどのぐらい短いかの程度に直接関連する。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示された方法は、米国特許第5,854,076号で開示された装置および試薬を用いて行ってもよい(関連するそれらの開示および図は、この参照により本明細書に含まれる)。上記の特許に記載の実施態様において、毛細管および膜は、試験用カートリッジ中に存在しており、この試験用カートリッジは、保持用チャンバー、および、試験用チャンバーの範囲を定めるハウジングを含む。ハウジングは、フランジ、タブ、および、取り外し可能なトップシールを含んでいてもよく、このような場合、このトップシールが、組み立てられた装置中でフランジに封印され、ボトムシールで底部に閉じられる。試験用チャンバーは、サンプルカップを受け取るように適合される。サンプルカップは、その中に開口部および毛細管のハブ(これは、毛細管をサンプルカップに操作可能に結合させるためのメカニズムを提供する)を有する、試薬で処理した多孔質の構成要素を支持する。サンプルカップの内部に、位置を定める手段(例えば、位置決めのための真空チャックの停止リブ)が備えられていてもよい。ハウジングは、試験用チャンバー内で、または、試験用チャンバーの一部で陰圧を発生させることができる装置に連結できるように適合される。一実施態様において、これはサンプルカップのリムによって達成され、ここにおいてこのようなリムは、試験用チャンバーの一部を構成する。このような装置は、連結部品を有しており、このような連結部品は、サンプルカップのリムと密封するように連結させることができる。連結部品は、分析中にリムを密封するように連結させるためのOリングが備えられた真空チャックを含んでもよい。このような装置によって、真空チャックとリムとが接触するように真空チャックを動かしてサンプルカップに下向きの圧力を作用させ、それにより毛細管を貫通可能な構成要素に向かって動かし、貫通可能な構成要素に毛細管を貫通させ、保持用チャンバー中のサンプル中に伸長させる。真空チャックのサンプルカップ中の停止リブは、真空チャックの下方への動きを制限する。装置によって形成された陰圧によって、保持用チャンバーから試験用チャンバーへのサンプルの流れが生じる。
いくつかの実施態様において、本明細書において開示された方法は、PFA−100(登録商標)システム(デイド・ベーリング(Dade BehringInc.),ディアフィールド,イリノイ州)を用いて行ってもよく、これは、インビトロで血管傷害後の血小板粘着および凝集プロセスを模擬した装置および試験用カートリッジのシステムである。このシステムは、抗血液凝固が抑制された全血のサンプルにおける血小板の機能の迅速な評価を可能にする。コラーゲン/エピネフリン(CEPI)、および、コラーゲン/アデノシン−5’−二リン酸塩(CADP)からなる膜、および、標準化した流れ条件下で生じた高剪断速度によって、血小板の付着、活性化および凝集が起こり、膜中の開口部において安定な血小板血栓が形成される。開口部の完全な閉塞が生じるのに必要な時間は、閉塞時間(CT)として秒で報告される。
上記の方法のいずれを行うにも、キットを用いることができる。このようなキットにおいて、試薬は、パッケージ化された組み合わせで提供することができ、ここにおいて試薬は、試薬の交叉反応性および安定性に応じて同じ容器または別個の容器中に、検出システムで用いられるレポーター分子からのシグナルが実質的に最適化されるような試薬の比率で提供されるようにパッケージ化された組合せで提供される。本診断キットは、パッケージ化された組み合わせ中に、上記で考察された毛細管および膜を含む試験用カートリッジを1個またはそれ以上含んでいてもよい。本キットはまた、上記試験で使用可能なその他の試薬を含んでいてもよい。
以下の例示的実施例によって、本発明をさらに実証する。温度はセ氏度で示され、この開示で用いられる部およびパーセンテージは、特に他の規定がない限り質量に基づく。
方法
患者群:総数326人の各年代の患者(全員安定な心臓血管疾患を有しており、少なくとも7日間、アスピリンを325mg/日摂取していた)を研究した。326人の患者のうち315人が、経過観察が可能であった。この調査の焦点は、Gum等で定義されたように、視覚的な凝集を用いてアスピリン治療が有効であるとみなされた患者[0.5mg/mLのアラキドン酸<20%、および、10μMのADP<70%]だけに向けられた。これらの基準に基づき、299人の患者を本発明の研究に採用した。しかしながら、PFA−100試験を実施するのに十分な量の全血を有していた患者は、296人だけであった。この患者群の完全な詳細は、これまでに報告されている(Gum PA,Kottke−Marchant K,Poggio ED,Gurm H,Welsh PA,Brooks L,Sapp SK,Topol EJ.Profile and prevalence of aspirin resistance in patients with cardiovascular disease.Am J Cardiol. 2001;88:230〜5.Gum PA,Kottke−Marchant K,Welsh PA,White J,Topol EJ.A prospective,blinded determination of the natural history of aspirin resistance among stable patients with cardiovascular disease.J Am Coll Cardiol. 2003;41:961〜5)。表1(以下)に、関連する人口統計学的な情報を示す。この研究は治験審査委員会によって承認されており、全ての患者はインフォームド・コンセントを受けた。上記の研究ではGum等による以前のデータベースを用いたが、本発明の方法および研究は、Gumでは開示もされていないし、または、示唆されてもいないことに留意することが重要である。
血液サンプル、および、血小板の機能を試験すること:全血を3.8%クエン酸ナトリウム緩衝液中で回収し、上述したようにして試験を行った。簡単に言えば、高剪断による血小板の機能の試験は、PFA−100(デイド・ベーリング・マールブルグ社(Dade Behring Marburg GmbH),ドイツ;この患者群における調査用装置として用いた)をCADPカートリッジと共に用いて二連で行われた。二連での測定結果の平均値をデータ解析に用いた。
臨床転帰の統計的分析:血小板のADP(HSPA)群(以下を参照)に対する陽性の過敏性と陰性の過敏性との基準の特徴における差を、二項選択の結果を得るためのカイ二乗解析によって決定した。一連の結果について、スチューデントのt検定が行われた。研究に登録した患者の22ヶ月の経過観察の平均を得た。受信者操作特性(ROC)曲線を用いて、血小板の機能試験に関する識別閾値(臨床的なカットオフ値)を作製した。この分析における最良の臨床能力は、「完全」の試験に最も近い曲線上の点を見出すことによって決定された(図1を参照)。これによって、CADP CTが90秒未満の患者のHSPAの定義が得られた(表1)。次に、複合事象、および、個々の要素の事象に関する相対危険度(RR)値を計算した。ポアソン回帰を用いて、付随する危険因子の作用を調節し、HSPA状態を、死亡、MIまたはCVAの複合的な結果、それに加えて個々の要素の独立した予測変数として評価した。この目的のためにポアソン回帰を選択したが、これは、ポアソン回帰はRRに関する結果を示すことが可能であるためである。
Figure 0005140075
結果
HSPAの基準:ROC解析によれば、CADP CTは、死亡、心筋梗塞または脳血管発作の複合エンドポイントと有意に相関していた(p<0.0001,図1)。ROC解析によって確立されたHSPAに関するカットオフは、90秒未満のCADP CTであった。
主要な臨床的な事象に関連するHSPAの罹患率:HSPA患者(125/296=42.2%)における複合エンドポイントは、19.2%(24/125)の割合であったが、非HSPA患者(171/296=57.8%)は、5.3%(9/171)の割合しか事象を経験しなかった。
主要な臨床的な事象の将来的な危険:HSPA患者は、複合エンドポイントに関して3.65のRR(95%C.I.:1.76〜7.57)(表2)を有していた。死亡した患者のRRは、CADP CTが90秒以上の患者と比較して6.56(95%C.I.:1.93〜22.35)高かった。この下位集団における10μMのADP凝集能測定でのRR値は、複合エンドポイントについては1.05〜4.95の範囲であったが、個々の死亡、心筋梗塞および脳血管発作の事象については統計学的に有意ではなかった。
Figure 0005140075
独立した危険因子としてのHSPAの確認:HSPAは、単にいくつかの擬似相関の副産物であるだけでなく、それ自身が有害な事象に関する危険因子でもあることを示すために、2種の多変量解析を考察のために示した。この最終目標のために、ポアソン回帰を用いて、HSPAおよびその他の典型的な危険因子に対する様々な結果の変数に関連する相対危険度を推測した。しかしながら、これらのモデルは、用いられる予測変数の変数が多すぎると、その有用性が損なわれる。モデルに入力する変数の数を制限するために、ポアソン回帰を用いて、どの危険因子がHSPAに関連するか、従って、HSPAと対象の結果の変数との間に擬似相関を生じる可能性があるかを決定した。この解析から、血小板の数および喫煙は、0.05の有意水準でHSPAと有意な関連を示したことが見出された(表3)。従って、これらの変数を統計モデルに入力するだけでよく、それにより、たとえモデル中の付随する変数の作用を調整した後でも、事象を予測することができるHSPAの能力が発揮される(表4)。HSPAは、複合事象および死亡の有意な予測変数であった。全てのRR推測値は統合したものよりも大きかったが、HSPAは、MIおよびCVAの結果に関して統計学的に有意ではない結果を示した。
Figure 0005140075
Figure 0005140075
考察
この研究は、アスピリン感受性患者の下位集団において特別にHSPAおよび臨床評価を評価するために、これまでROC解析を用いて評価されてこなかった結果に焦点を当てた。従って、明らかに治療のためにアスピリンを用いているにもかかわらず、患者は、それらのCADP CTが90秒未満の場合、その後の主要な有害事象を起こす高い危険性を顕著に示した。これは、全ての患者(アスピリン感受性、および、アスピリン耐性)がまとめて考慮される場合でも当てはまり、複合事象に関するRRは、2.88(95%C.I.:1.50−5.52)であり、死亡に関しては、5.32(95%C.I.:1.81〜15.66)(データ示さず)であった。加えて、多変量解析から、HSPAは、単にその他の危険因子の代理であるというよりむしろ、独立した死亡率の予測変数であることが裏付けられた。
CADP CTは、アスピリンの存在とは無関係ののようにみえる方式で複合事象と相関していた。この観察は、アスピリンにより誘導された血小板阻害に関して、CADPカートリッジは一般的に感受性を有さないことと一致しており、これは、CADP CTは、臨床的に有意な、根本的なADP依存性の血小板過敏症を検出することを示す。
複合および個々の事象に関するCADP CTの陰性適中率(NPV)は、それぞれ94.7%〜99.4%の範囲であった(表5)。当然のことながら、陽性適中率(PPV)は低く(<20%)、一方で、敏感度および特異度は、それぞれ73%〜83%、および、50%〜62%の範囲であった。これは、冠状動脈患者において、HSPAの測定は、不利な臨床的な事象に関して高度に排他的な適中率を有することを示す。
Figure 0005140075
要約
抗血小板物質のアスピリンに対する応答を検出することは臨床的に重要であるが、根本的なADPに対する過敏症が、何人かの安定な心臓血管疾患を有する患者に存在しており、主要な不利な臨床的な事象に関するそれらの危険を有意に増加させているようである。HSPAは、アスピリン治療の影響を受けないようであり、CADPカートリッジを用いたPFA−100(登録商標)システムによって測定することができるADP依存性プロセスによって検出可能である。この研究は、意図的に、これまでに確立されているアラキドン酸およびADPによって誘導された血小板凝集能の基準によってアスピリン感受性と定義された患者だけに焦点を当てている。死亡、心筋梗塞または脳血管発作の不利な臨床的な事象に関して、平均して22ヶ月さらに継続調査した。CADP CTが90秒未満の患者(125/296=42.2%)の複合エンドポイントの割合は、19.2%(24/125)であり、一方で、CADP CTが90秒以上の患者(171/296=57.8%)のエンドポイントの割合は、5.3%(9/171)であった。CADP CTが90秒未満の患者の相対危険度(RR)は、CADP CTが90秒以上の患者と比較して、再発性の事象については3.65(95%C.I.:1.76〜7.57)であり、死亡事象については6.56(95%C.I:1.93〜22.35)であった。
典型的なシステムとしてPFA−100(登録商標)システムを用いた本発明に係る血小板の機能の試験は、明らかに有効なアスピリン治療が行われているかどうかに関係なく、ADP過敏症に関連する主要な有害事象を起こす高い危険性を示す、安定な心臓血管疾患患者の下位集団を同定するようである。
本明細書において記載されている全ての出版物および特許は、本発明が関連する分野の当業者の能力レベルの指標である。全ての出版物および特許出願は、それぞれ個々の出版物または特許出願が、参照により導入するために具体的に、且つ個々に示したのと同様の程度に、参照により本明細書に含まれる。
前述の発明は、理解を明確にするために説明および実施例によって詳細に説明されているが、当業者であれば、本発明の教示の観点から、添付の請求項の本質または範囲から逸脱することなくにそれらに所定の変化および改変を施すことができるということは容易に理解できるものと思われる。さらに前述の記載では、説明のために、本発明の十分な理解を提供するために特定の学術名が用いられている。しかしながら、本発明を実施するにあたり特定の詳細は必要ではないことが当業者であれば明白であると思われる。従って、前述した本発明の具体的な実施態様の記載は、説明および記述のためになされたものであり、これらは網羅的でもないし、または、本発明を開示された正確な形態に限定するものでもない。上記の教示を考慮して、多くの改変および変形が可能である。上記実施態様は、本発明の原理およびその実際の適用を説明し、それによって当業者が本発明を利用できるようにするために選択され、説明されたものである。

Claims (18)

  1. 心臓血管有害事象を起こす危険性が高い患者を同定するためにサンプルを測定する方法であって、該患者は、アスピリンによる抗血小板治療を受けており、
    (a)患者からの血小板を含むサンプルの血小板凝集能亢進を測定すること、ここにおいて患者はアスピリン感受性であり、アスピリン感受性患者は、アラキドン酸およびADPによって誘導される血小板凝集に基づく視覚的な凝集法によってアスピリン治療が有効であると判断された患者である、および、
    (b)測定されたサンプル中の血小板凝集能亢進を、患者が有する心臓血管有害事象の危険性に関連づけること、ここにおいて測定された血小板凝集亢進は、予め決定された血小板凝集亢進と比較され、測定された血小板凝集亢進が予め決定された血小板凝集亢進よりも大きいことが、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す、
    を含む、上記方法。
  2. 工程(a)は、高剪断力による血小板機能検査を用いてサンプル中の血小板の機能を測定することによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 血小板の機能は、血小板凝集刺激物質を用いた高剪断力による血小板機能検査によって測定される、請求項1に記載の方法。
  4. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲン、リストセチン、アラキドン酸、セロトニン、アデノシン−5’−二リン酸塩、エピネフリン、およびトロンビン、並びにその組み合わせからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲンおよびアデノシン−5’−二リン酸塩である、請求項4に記載の方法。
  6. サンプルを、それが開口部を含む膜と接触するように真空中で毛細管を通して吸い上げ、サンプル中の血小板を剪断力によって活性化し、開口部をブロックする血小板血栓が形成されるまでの時間を測定し、それを患者における心臓血管有害事象を起こす高い危険性
    と関連付け、ここにおいて血小板血栓が形成されるまでの時間は予め決定された時間と比較され、血小板血栓が形成されるまでの時間が予め決定された時間よりも短いことは、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す、請求項1に記載の方法。
  7. 膜は、血小板凝集刺激物質を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲン、リストセチン、アラキドン酸、セロトニン、アデノシン−5’−二リン酸塩、エピネフリン、およびトロンビン、並びにその組み合わせからなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲンおよびアデノシン−5’−二リン酸塩である、請求項7に記載の方法。
  10. 血小板を含むサンプルは、全血である、請求項1に記載の方法。
  11. 抗血小板物質であるアスピリン治療を受けている患者において、心臓血管有害事象の危険を評価するためにサンプルを測定する方法であって、
    (a)患者からの血小板を含むサンプルを、それが開口部を含む膜と接触するように真空中で毛細管を通して吸い上げ、サンプル中の血小板を剪断力によって活性化すること、ここにおいて膜は、血小板凝集刺激物質を含み、かつ、ここにおいて患者はアスピリン感受性であり、アスピリン感受性患者は、アラキドン酸およびADPによって誘導される血小板凝集に基づく視覚的な凝集法によってアスピリン治療が有効であると判断された患者である、
    (b)膜の開口部をブロックする血小板血栓が形成されるまでの時間を測定すること、および、
    (c)血小板血栓が形成されるまでの時間を、患者が有する心臓血管有害事象の危険性に関連付けること、ここにおいて血小板血栓が形成されるまでの時間は予め決定された時間と比較され、血小板血栓が形成されるまでの時間が予め決定された時間よりも短いことは、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す、
    を含む、上記方法。
  12. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲン、リストセチン、アラキドン酸、セロトニン、アデノシン−5’−二リン酸塩、エピネフリン、およびトロンビン、並びにその組み合わせからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲンおよびアデノシン−5’−二リン酸塩である、請求項11に記載の方法。
  14. 血小板を含むサンプルは、全血である、請求項11に記載の方法。
  15. 血小板血栓が形成されるまでの時間を、予め決定された時間と比較した際に、血小板血栓が形成されるまでの時間が予め決定された時間よりも短い場合は、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す、請求項11に記載の方法。
  16. 抗血小板物質であるアスピリン治療を受けている患者において、心臓血管有害事象の危険性を評価するためにサンプルを測定する方法であって、
    (a)患者からの全血サンプルを、それが開口部を含む膜と接触するように真空中で毛細管を通して吸い上げ、サンプル中の血小板を剪断力によって活性化すること、ここにおいて膜は、血小板凝集刺激物質を含み、かつ、ここにおいて患者はアスピリン感受性であり、アスピリン感受性患者は、アラキドン酸およびADPによって誘導される血小板凝集に基づく視覚的な凝集法によってアスピリン治療が有効であると判断された患者である、
    (b)膜の開口部をブロックする血小板血栓が形成されるまでの時間を測定すること、および、
    (c)血小板血栓が形成されるまでの時間を、患者が有する心臓血管有害事象の危険性に関連付けること、
    を含み、ここにおいて該血小板血栓が形成されるまでの時間を、予め決定された時間と比較し、血小板血栓が形成されるまでの時間が予め決定された時間よりも短い場合は、心臓血管有害事象に関する患者の危険性が高いことを示す、上記方法。
  17. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲン、リストセチン、アラキドン酸、セロトニン、アデノシン−5’−二リン酸塩、エピネフリン、およびトロンビン、並びにその組み合わせからなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 血小板凝集刺激物質は、コラーゲンおよびアデノシン−5’−二リン酸塩である、請求項16に記載の方法。
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