JP5139452B2 - ディジタル加入者線ネットワークにおける方法及び装置 - Google Patents

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    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems

Description

本発明は、ディジタル加入者線(DSL)ネットワークにおける方法及び装置に関するものである。特に、本発明は、DSLネットワークにおけるクロストークの悪影響を最小限に抑える方法及び装置に関するものである。
ディジタル加入者線は、高速インターネットアクセスを提供する最も重要な手段である。DSLネットワークにおける性能劣化の主要原因の1つとして、クロストークが知られている。クロストークは、同じケーブル内で伝送している異なるライン(lines)間の電磁結合の影響である。この現象は、図1に示すように、1つのラインの信号が周辺の全てのラインに漏れ込むものとして解釈できる。クロストークをバランシングすることが一補償策であるが、送信電力を低減することによりクロストークを減少させ、それによってシステム性能を向上させることには、通常、個々のラインの性能の低下を伴う。クロストークは、ネットワークの転送速度及び到達距離を改善する上での主要な障害であり、ひいては、より良いサービスの提供及びこの技術によりサービスを受けるユーザ数の増加を制限する最も重大な要因の1つである。
近年、クロストークに対処する新しい方法が開発されている。所与の対象受信部に対するクロストーク干渉は、対象ユーザ以外の全てのユーザの送信部の電力スペクトラル密度(PSD)とこれらの送信部から対象受信部への結合関数との、2つの要因に基本的に依存する。ケーブル内のクロストーク利得を操作することが可能な方法は存在しないものの、システムのデータ転送速度を維持したまま、場合によってはデータ転送速度を増加さえさせながら、クロストークを最小限に抑えるように、ユーザのPSDを設計することは可能である。ユーザのPSDを最適化及びカスタムに設計する方法は、動的スペクトラム管理(DSM、Dynamic Spectrum Management)と呼ばれる。
DSLのDSM問題に関しては2つの主要なアプローチがあり、それらは、転送速度適応(RA、Rate Adaptive)問題(非特許文献1)とも称されることが多い転送速度最大化問題(RMP、Rate Maximization Problem)と、固定マージン(FM、Fixed Margin)問題(非特許文献1)とも称されることが多い電力最小化問題(PMP、Power Minimization Problem)とである。
利用可能なスペクトラムをK個のトーンに分割する、Nユーザのマルチキャリヤシステムを検討する。pk nをユーザnのトーンkにおけるPSDとする。全てのpk nのマトリクスの配列P(N×K)を次のように考える。
左上隅の要素は、ユーザ1の第1のトーンのPSDを意味する。右下隅の要素は、N番目のラインのトーンKのPSDを意味する。Pnと称するマトリクスPの1行は、ユーザnの全てのトーンにわたるPSD分布を表し、即ち、Pn=[p1 n,p2 n,...,pK-1 n,PK n]である。Pkと表されるマトリクスPの1列は、1つのトーンにわたる全てのユーザのPSDの割り当てを表し、即ち、Pk=[pk 1,pk 2,...,pk N-1,Pk N]である。
RMPは、所与の1人のユーザ(例えば、ユーザ1)のデータ転送速度を最大化する一方で、ネットワーク内の他の全てのユーザの所望の最低転送速度Rmin nを達成し、かつ各ユーザに対する限られた電力割当量を順守するような所与のマトリクスPを見つけるタスクとして定式化してもよい。RMPの1つの式であって、これに限定されない定式化は、
である。上式で、転送速度Rmin nは、前述の最低転送速度を意味し、Pmax nは、前述の最大電力の拘束条件を意味する。Ptot nは、式(0)のn番目の行の合計と定められてもよく、Rnは、マルチキャリヤシステムのユーザnの各トーンにおける転送速度の合計と定められてもよい。
上記のように、RMPの背景にある主要な目的は、所与の拘束条件のセットのもとでPSDを最適化することである。
RMP問題の目的関数は、重み付けされた転送速度の合計値の最大化として、ユーザnの重み又は優先度wnの特定のセットを使用して、
と書き直されてもよい。wnを制御することによって、最大化の目的を達成するために1つのラインがどの程度の(電力に関する)リソースを使用できるか、又は使用しなければならないかを制御する。当該解決手段では、wnのセットは、最低転送速度の拘束条件によって一意に定められるため、何れの拘束条件も無視されることはない。たいていは、
とさらに見なされる。実際には、正しいwnは事前にわからないが、全ての転送速度の拘束条件が順守されるように(繰り返し)見つけられる。この場合、これらの変数は、各ユーザが(少なくとも)特定の最低転送速度を達成するために必要なチャネルリソースの量として解釈できる。たいてい、第1のユーザは、「残りの最大」、即ち、
を得るはずである。wの解釈はさらに展開され、C=1に設定する場合、wは比例の意味を有する。
PMPは、所与の最低データ転送速度のセットを達成するためにネットワークに割り当てられる総電力を最小限に抑えるように、全てのユーザに対するPSDのセットを見つけるタスクとして定式化され得る。従って、PMP問題は、以下のように(非限定的に)記述され得る。
上式で、wは、RMPの場合と同一の重み又は優先度の解釈を有する(式(2)も参照されたい)。
RMP及びPMPを解決する異なる方法の4つの特性、即ち複雑性、集中化、性能、及び要求される知識が重要である。複雑性は、要求される動作の数と単純に説明され得るのに対して、性能は、達成されたRの関数として通常説明される。達成可能な転送速度同士は関連しているので、転送速度の範囲の拡大を求めるのは標準的な手順であり、広ければ広いほど良い。集中化は、各ユーザに対するPSD決定間の調整を指す。非集中型の方式(通常、自律型と称される)では、PSDは、他のラインについてのさらなる知識(例えば、それらのPSD又はチャネル情報)なしで決定される。対照的に、完全集中型の方式では、全てのユーザの動作及びチャネルについての知識が前提とされ、利用される。この場合、中央管理は、この知識及び全ての動作を集中させることを前提とすることが多い。要求される知識は、様々な方式が機能するために必要又は前提とされる情報量である。複雑性及び性能は、「好み」の問題と考えることができるが、集中化と要求される知識には差し迫った重要性がある。チャネル測定は、時間及び費用がかかり、集中化は、ラインの分離(unbundling)及び異なるサービスプロバイダ間の競争にかかわる重大な問題である。
以下では、既存のアルゴリズムについて年代順に簡潔に説明する。
DSM問題に対する完全自律型の解決手段の最も代表的な例は、非特許文献2に開示されている反復注水(IWF、Iterative water filling)法である。IWFは、各ユーザが所与の最低データ転送速度を達成するために必要な最小電力を使用して、ネットワーク全体で周知の注水法を反復使用する。この方法は、複雑性が少ない自律的実施を享受し、クロストークに関するチャネルの知識を必要としない。しかし、遠近シナリオにおいては、明らかに準最適である。
OSB(最適スペクトル・バランシング、Optimal Spectrum Balancing)は、完全なチャネル知識を中央エージェントに十分に集中化したシステムを要求する。その複雑性はユーザ数に応じて指数関数的に増減するため、大規模なネットワークにおける使用を非常に難しくする。OSBは、転送速度の領域が凸状であると想定し、周波数にわたる問題を切り離すためにラグランジュ変数を使用して、トーン当たりの最大化を解決し、DSM問題に対する最適な結果を見つけ出す。OSBについては、特許文献1に記載されている。ISB(反復スペクトル・バランシング、Iterative Spectrum Balancing)は、OSBの反復バージョンである。ISBは、より少ない計算要求でRMPを最適に解決するが、依然として集中化された動作及び完全なチャネル知識を必要とする。
非特許文献3に開示されているSCALEは、元の非凸状の目的関数に凸状の近似を利用して、この近似が元の関数にできるだけ近くなるまでそれを反復する。
非特許文献4に記載されているASBは、各モデムから他のモデムへの影響を表す基準ラインの概念を使用する。当該基準ラインは、ケーブル内で悪影響を受けた典型的なラインを表す。この状況では、ラインAの悪影響を受けるラインは、このラインAのクロストークにより最も性能が劣化するラインと見なされる。基準ラインは、それぞれのラインに対して別々に行われる2ライン最適化方式における相手のラインとして使用され、そのPSD、ユーザnから基準ラインへの想定されるクロストーク利得、及び背景雑音によって分類される。ASBは、静的で事前に定められた(即ち、最適化が行われる前の)基準ラインの定義によってさらに特徴付けられ、その定義は、変更されずに使用され、最適化される全てのラインに対して同一である。
そのために、以下の欠点を伴う。
・ASB法は、何よりも各モデムが基準ラインのパラメータを必ず知ることを要求する。言い換えると、ネットワークは初期設定を必要とする。
・基準ラインの定義は静的であり、ネットワークの動的な性質を考慮していない、すなわち、新しいラインやシステムから出て行くラインなどのシステムの変更が考慮されていない。
・基準ラインによる方法の利用及び性能は、その最も都合のよい定義の前提に基づいている。当該定義が実際には何であるべきかは、通常は事前にわからない。
・それどころか、悪影響を受ける「典型的な」ラインがどのようであり得るかをさらに考慮し始めるためにでさえ、完全なチャネル知識が必要である。実際のところ、このチャネル知識は、状況によっては、不正確か、又は全く入手できないことがある。
・基準ラインは、物理的なラインの各々に対して個別に定義されていない、即ち、全てのラインに対して同一に定義されている。このことは、少なくとも最適性を妨げるはずであり、関係及びチャネルの広がり、並びにシステムの特性に起因して、大規模なネットワークでは恐らく不可能である。
1つの基準ラインの定義だけが存在し、かつ、これが事前に定義されなければならないという事実のために、システムのいかなる変化も、基準ラインの初期設定のやり直しによって、同時に全てのラインに影響を及ぼす。
欧州特許出願公開第01492261号明細書
Starr, Sorbara, Cioffi, Silverman,"DSL Advances", Prentice Hall W. Yu, G. Ginis, and J. Cioffi,"Distributed multiuser power control for digital subscriber lines,"IEEE Journal on Selected Areas of Communications, vol 20, pp. 1105-1115, 2002. J. Papandriopoulos and J. S. Evans,"Low-complexity distributed algorithms for spectrum balancing in multi-user DSL networks," IEEE International Conference on Communications (ICC), 2006. J. Huang, R. Cendrillon, M. Chiang, and M. Moonen"Autonomous Spectrum Balancing (ASB) for Frequency Selective Interference Channels,"IEEE International Symposium Information Theory (ISIT), Seattle, 2006. R. Cendrillon, W. Yu, M. Moonen, J. Verlinden, and T. Bostoen"Optimal Multi-user Spectrum Management for Digital Subscriber Lines,"in Proc. IEEE International Conference on Communications (ICC) 2004, pp. 1-5.
準最適のIWFを除く先行技術のアルゴリズムは、一般に、完全かつ十分なチャネル知識を前提とするが、それは実際には、通常、入手できない。また、良好な性能も、より高度な複雑性を伴うことが多い。従って、本発明の目的は、チャネル知識に可能な限り依存しない、最適に近く、複雑性の低い方式を実現することである。
本発明の目的は、いわゆるゴースト・ラインの導入によって達成される。ゴースト・ラインは仮想的なラインであり、特定のラインの伝送による残りのラインへの影響を反映する。中央エージェントは、現在のネットワーク状態に従ってゴースト・ラインのパラメータを調整する責任を有する。中央エージェントは、送信モデムと中央エージェントとの間のメッセージ伝達ステップを通して、ゴースト・ラインのパラメータを調整できる。
本発明の第1の態様によれば、DSLネットワークの第1のラインのクロストークを低減する方法が提供され、第1のラインを除外してDSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入される。当該方法は、第1のラインの第1のモデムと、少なくとも第2のラインの第2のモデムとから、クロストークの影響を示すそれぞれの測定値(CDR)を受信するステップと、クロストークの影響を示す受信した測定値(CDR)に基づいて、第1のモデムに関する判定変数(Φ)を計算し、かつ、第1のモデムに関する判定変数(Φ)に基づいて、第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータ(G)を計算するステップと、第1のモデムが、送信されるゴースト・ラインのパラメータに基づいて第1のラインに割り当てられる電力を更新できるように、計算したゴースト・ラインのパラメータを第1のラインのモデムへ送信するステップとを含む。
本発明の第2の態様によれば、DSLネットワークの第1のラインのモデムのための方法が提供され、それにより、第1のラインを除外してDSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入され、かつ、初期ゴースト・ラインが決定される。当該方法は、ゴースト・ラインに対して最適化された第1のラインに対して初期電力を割り当てるステップと、DSLネットワークの中央エージェントに対して、クロストークの影響を示す測定値を送信するステップとを含む。応答として、更新されたゴースト・ラインのパラメータが受信され、それにより、更新されたゴースト・ラインのパラメータが、クロストークの影響を表す測定値に基づいて少なくとも決定される。その後、更新され受信されたゴースト・ラインのパラメータに基づいて、第1のラインに割り当てられる電力が更新される。
第3の態様によれば、ディジタル加入者線(DSL)ネットワークの第1のラインのクロストークを低減する中央ユニットが提供され、第1のラインを除外してDSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入される。当該中央ユニットは、第1のラインの第1のモデムと、少なくとも第2のラインの第2のモデムとから、クロストークの影響を示すそれぞれの測定値(CDR)を受信する受信機と、クロストークの影響を示す受信した測定値(CDR)に基づいて、第1のモデムに関する判定変数(Φ)を計算し、かつ、第1のモデムに関する判定変数(Φ)に基づいて、第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する計算機と、第1のモデムが、送信されるゴースト・ラインのパラメータに基づいて第1のラインに割り当てられる電力を更新できるように、計算したゴースト・ラインのパラメータを第1のラインのモデムへ送信する報告機とを備える。
第4の態様によれば、ディジタル加入者線(DSL)ネットワークの第1のラインのモデムが提供され、それにより、第1のラインを除外してDSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入され、かつ、初期ゴースト・ラインが決定される。当該モデムは、ゴースト・ラインに対して最適化される第1のラインに対して初期電力を割り当てる。当該モデムは、DSLネットワークの中央エージェントに対して、クロストークの影響を示す測定値(CDR)を送信する送信機と、クロストークの影響を表す測定値に基づいて少なくとも決定される、更新されたゴースト・ラインのパラメータを、応答として受信する受信機と、更新され受信されたゴースト・ラインのパラメータに基づいて、第1のラインに割り当てられる電力を更新するPSD計算機とを備える。
本発明の利点は、本発明が離散型マルチトーン方式の伝送システムにおいて伝送性能を向上させる方法を与えることである。本発明は、DSL伝送に関連するクロストークの問題に対する解決手段を見いだすことを可能にし、このことは、システムレベルでデータ転送速度を最大化し、又は電力を最小化するように、ネットワーク内のあらゆるユーザ及びあらゆるトーンに対して送信PSDを見いだすことを意味する。当該方法は、信頼性を有し、かつ、安定している。
数値実験が示すところでは、提案の方法は、特に既存の解決手段と比較した場合に、最適に近い性能を、驚くほどの低い複雑性で、かつチャネルの事前知識について非常に限られた要求のみで達成する。
電話局からの送信に影響を及ぼす、リモート端末に由来するクロストークを示す図である。 本発明の一実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態で使用されるクロストーク悪影響率を示す図である。 図1に示されるシナリオに対する転送速度の範囲を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る方法を示すブロック図である。 本発明の方法を先行技術の方法と比較するためにシミュレーションを行ったシナリオを示す図である。 図6のシナリオのシミュレーションの、転送速度の範囲を示す図である。
本明細書では、転送速度最大化問題に重点的に取り組んでいるが、提案の方法及び装置は、電力最小化問題にも適用可能である。
本発明の基本的な考え方は、ネットワーク内のユーザ(即ち、ライン)にゴースト・ライン、即ちネットワーク内の残りのユーザに生じる悪影響を反映すべき仮想のラインを提供し、各ユーザが割り当てるPSDが、RMP又はPMPに従って、このゴースト・ラインに対して最適化されるように、各ユーザがPSDを割り当てることである。ゴースト・ラインとASBの基準ラインとの違いは、ゴースト・ラインは静的でないことである。中央エージェントは、全てのモデムからクロストークの影響を示す測定値を収集して、ゴースト・ラインを継続的かつ個別に更新する。クロストークの影響を示す当該測定値は、モデムがどの周波数でどのくらいクロストークの悪影響を受けるかについての情報を含むことが好ましい。この測定値は、モデムから送信され、スペクトラム管理センタ(SMC、Spectrum Management Centre)と称する中央エージェントによって収集される。中央エージェントは、モデムからクロストークの影響を示す更新済みの測定値を受信すると、更新済みのゴースト・ラインのパラメータを計算でき、さらに繰り返すことによって、更新済みのゴースト・ラインのパラメータは、各モデムと残りのモデムとの間の現在のクロストークの状況を反映するはずである。中央エージェントは、続いて全てのモデムに更新済みゴースト・ラインのパラメータGを送信する。次に、各モデムは、割り当てるPSDが更新済みゴースト・ラインに関して最適化されるように、PSDを割当て得る。この手順は、各モデムに対して反復されることが好ましい。上述のように、このようなラインごとの最適化の工程は、各ラインに個別に実行され、転送速度を最大化又は電力を最小化することを目標とし得る。
このようにして、DSLチャネルの動的な性質が考慮され、ネットワークは、初期状態と関係なく、自ネットワークを、より有利でかつ理にかなった状態に調整する。ここで、各モデムは、その転送速度又は電力の要件を知っており、他のラインに対する影響も知っている。
従って、本発明は、DSLネットワークにおける第1のモデム201についてのクロストークを低減するための方法及び装置に関するものである。ここで図2を参照すると、本発明の例示的な実施形態が示されている。本発明は、DSLネットワーク200の中央エージェント204及びモデム201〜203に関するものである。中央エージェントは、電話局(central office)に設置されるのが好ましい。中央エージェント204は、最低転送速度Rn_min及び最大電力Pn_maxの要件の少なくとも1つを与えられる。本発明に従って、第1のラインに対するゴースト・ラインが導入されるが、当該ゴースト・ラインは、第1のラインを除くDSLネットワークの複数のラインの置換としての役割を果たすことになっている。全てのモデムのゴースト・ラインは、各ラインに対して個別に決定され、対応する個別の各ラインに対して提供される。従って、第1のラインのゴースト・ラインは他のラインに与えられない。
初期ゴースト・ラインに対する最適化である初期PSD割り当ては、各モデム201〜203においてPSD計算部209b、211b、213bで決定される。初期ゴースト・ラインは、固定設定でもよいし、また電話局から示されてもよい。各モデム201〜203は、クロストーク報告部208、210、212を用いて、中央エージェント204に、各関連モデム、即ち第1のモデム及び当該第1のモデムの周辺のモデム202、203に対するクロストークの影響を示すそれぞれの測定値CDR1、CDR2、CDR3を送信する。当該測定値は、以下に説明するように、パラメータCDR(クロストーク悪影響率、Crosstalk Damage Ratio)でもよく、追加としてパラメータwでもよい。当該測定値は、クロストークの影響についての情報を与えるどのようなパラメータでもよく、追加のパラメータは、最低限の要件を達成するために、どの程度の(わずかな)チャネルリソースがゴースト・ラインと共有されなければならないかについての情報を与える、どのようなパラメータでもよい。その結果、中央エージェント204は、受信部205で当該測定値を受信し、ゴースト・ライン計算部206において、報告された情報の関数として更新済みのゴースト・ラインのパラメータを決定する。
更新済みの結合を含む、更新済みのゴースト・ラインのパラメータG1が、中央エージェントの報告部207から第1のモデム201に報告され、受信部209aで受信される(211a及び213aは、それぞれモデム202及び203の受信手段を示す)。変更される唯一のゴースト・ラインのパラメータは、クロストーク利得hk n,Gであることに留意すべきである。第1のモデム201は、当該報告に基づき、PSD計算部209によってPSDを割り当てる。更新済みのゴースト・ラインのパラメータは、第1のモデム201の各トーンに対して計算され、第1のモデムに対する上記の手順は、DSLネットワークの残りのモデム202、203に対しても繰り返されるべきであることに留意すべきである。
以下では、本発明の別の実施形態についてシーケンス及びテキストで説明する。
最低限必要な転送速度Rmin nが、各モデムnに対して決定される。入力は、最低転送速度の要件である(入力:Rmin n∀n≧1)。出力は、各ラインに対して1つの最適化されたPSDのセットであり、Pで示す(出力:P)。
1.pk n,G及びhk n,G∀nを均一のレベルに設定
2.繰り返し
3. n=1,...,Nの各々について、繰り返し
4. PSD割当て:各ラインはゴースト・ラインに対して最適化されたPSDを決定及び利用
5. 中央エージェント:
と、wn(式(2)及び(2b)を参照)∀n,kとを受信
6. 中央エージェント:処理
7.
8.
9. n=1,...,Nの各々について、繰り返し
10. k=1,...,Nの各々について、繰り返し
11.
12. Φk n>Lk supの場合(IF)
13.
14. Φ k n <L k inf の場合(else IF
15.
16. 中央エージェント:hk n,g∀n,kを送信
17.収束するまで繰り返し
1. 初めに、初期ゴースト・ラインのPSD Pk n,G、及びあるラインとその割り当てられたゴースト・ラインとの間の初期クロストーク利得hk n,Gとが、全てのn、即ち全てのモデムについて、所定のレベルに設定される。
これらは、1回目の繰り返しにおいて、全てのユーザに対するPSDの割り当てに影響を及ぼす値である(4.を参照)。PSDの割り当ては、ゴースト・ラインに対する最適化の手順において行われる。ここで、各ユーザは、その目標、即ち所与のPSD又は電力制限に対する最小又は最大の転送速度を達成することを試みる一方で、ゴースト・ラインの伝送にできるだけ悪影響を与えないようにするべきである。非特許文献5に開示されている双対分解(dual decomposition)アプローチのような既知の方法が適用可能であるが、それらに限定されない。
k n,G(基準PSD)及びhk n,G(ラインとそのゴースト・ラインとの間のクロストーク利得)の均一な初期値は、実際のチャネル状態を表さず、本方法の実行中に調整される。σk n,Gは、基準背景雑音である。ゴースト・ラインに対するビットローディングは、次のように計算され得る。
ビットローディングの計算は単純であり、既に熟練された手順である(DMT方式の全てのDSL標準規格を参照されたい)。
2.及び3. PSD割り当てが収束するまでの間、即ち、もはやあまり大幅に変化しなくなるまでの間、各1≦n≦Nの各々、即ち、全てのN個のモデムの各々について、以下の手順が繰り返される。
4. 現在のゴースト・ラインに対するPSDの割り当てを決定する。クロストークの情報がモデムからまだ受信されていない場合、初期ゴースト・ラインが使用される。PSDの割り当ては、RMP法又はPMP法の何れかを使用して行われ得る。何れを使用するかに関係なく、ゴースト・ラインは、可能な範囲で最高の転送速度を達成可能なはずである。その理由は、何れの場合においても、ネットワークの残りの部分へのクロストークを最小にすることを確実にすることである。
5. 各モデムは、その背景雑音の固定推定値を自由に有するべきであり、今日のモデムのハードウェアは、その背景雑音を容易に測定できる。これらの値は、次の関係を計算するために必要である。
以下ではこれを、トーンkにおけるユーザnのクロストーク悪影響率(CDR)と称する。CDRは、ユーザnが経験するクロストーク妨害の量と解釈し得る。ここで、bk n,xt+bgは、雑音がクロストーク及び背景雑音の場合のビットローディングであり、bk n,bgは、背景雑音のみが存在する場合のビットローディングである。クロストークを考慮すると、可能なビットローディングは、クロストークなしよりクロストークありの方が常に低いので、0≦bk n,xt+bg≦bk n,bgである。その結果として、CDRk n∈[0,1]である。2つの極端な事例、即ち、CDR=0及びCDR=1の事例が存在する。CDR=0の場合、クロストークは、達成可能なビットロードに影響を及ぼさず、そのために(少なくとも背景雑音と比較して)小さい。CDR=1の場合、情報伝送がもはや不可能な程度までの、大きなクロストークの影響が存在する。前述のように、他の全ての事例はその間にある。これは、図3aにも示されており、このため、CDRは、クロストークを表す品質の測定値として使用され得る。計算機シミュレーションによれば、あらゆる良好なDSM解決手段は、可能な限り低いクロストーク悪影響率を有することが分かっている。一連の繰り返しによって、中央エージェントは、かなり低いCDR値が提供されるように、ゴースト・ラインのパラメータに関する新たな値を示すであろう。
本実施形態によれば、モデムは、ゴースト・ラインと比較して使用される必要があるチャネルリソースの量に関する情報を与える値も、中央エージェントに報告し得る。式(2)又は(2b)に関連して定義された値wnが使用され得るが、注水ベースのアプローチの水レベルベースの品質等の、他の品質も適している。この値も0から1の範囲で変動するが、この値は、ゴースト・ラインの競合する最適化において、ユーザnが転送速度の要件を満足するために必要とする優先度の量と解釈され得る。
要求のラインが何であるかを説明するために、図1のシナリオについて検討する。当該シナリオでは、図4のような転送速度の範囲が存在する。破線は、ユーザ間にクロストークがない場合を示す。実線は、当該シナリオに関する仮想的な転送速度の範囲を示し、この場合、1人のユーザのデータ転送速度の増加は、他のユーザの転送速度の減少を伴うことが多い。実線がRRT軸及びRCO軸と接する点(図の点(Rmax RT,0)及び(0,Rmax CO))は、1人のユーザのみが送信中であることを意味し、即ち、これらの点は単一ユーザの点を表し、この場合、ユーザのうちの1人のみによってネットワークが使用されている。同一の関係は、あるラインとそのゴースト・ラインにも当てはまる。点(Rmax line,0)及び(0,Rmax Ghostline)は、w=1及びw=0に付随し、他の全ての点は、例えば式(2)の解において一意のw∈(0,1)に相当するであろう。従って、特定の最低転送速度の要件とwの直接的な関係が確立されてもよく、重み又は優先度から、要求目標がwの引数に基づいて決定されてもよい。その結果、これらの点の何れかまでの動作点の距離は、最適化中にどの程度の強調が対応するラインに与えられなければならないかの指針として解釈され得る。
全てのwn(モデムにつき1つのwnのみ)が送信された後で、中央エージェントは、図(3b)に示される許容クロストーク範囲の極限を選択する。wn(n>1)の最大値は、一般にLsupの関数に設定されてもよく、同様に最小値は、Linfの関数に設定されてもよい。wの種類についての信頼性のある情報が入手できない場合、固定された極限でも可能である。図4に関連して示されたように、wに関する極限の選択は妥当であり、1人のユーザ(即ち、モデム)が大きなwnを送信する場合、それは要求する要件を有することを意味する。このことは、このユーザが他のユーザに対してより多くのクロストークを発することを許容されており、逆もまた同様であることを意味する。
6.〜8. 図3aに示すように、中央エージェントは、特定の各シナリオについて、CDRの線の中に許容範囲及び禁止範囲の属性を有する。図3bに描くように、この区分は、本実施形態によれば許容領域の上限値Lsup及び下限値Linfによってそれぞれ特徴付けられる。上限のみが使用されてもよいことに留意すべきである。許容範囲及び禁止領域についてのこの判定は、図3bに示す「硬」判定とは対照的に、重み付けされた許容範囲に関してなだらかでもよい(図3cを参照)。例えば上述のように、極限Lsup又はLinfをなだらかにすることが可能である。即ち、図3cに示すように、許容条件の程度を反映する要素又は重みを導入することが可能であり、図3cでは、異なる範囲を示す色調が暗い又は明るい色調に徐々に変化している。この要素は、結果として生じる変化に対して重みを与えるために使用され、それにより、さらなる増加又は減少が当該変化に生じる。以下では、図3bに示す硬判定の代替手段について検討する。前述のように、及び本実施形態に従って、極限Lsup及びLinfはそれぞれ、wnの関数でもよい。許容範囲もまた、CDRの関数でもよい。
9〜11. 許容範囲の選択後、本方法は、これよりゴースト・ラインのパラメータの調整へ進む。変更される唯一のゴースト・ラインのパラメータは、クロストーク利得hk g,nである。従って、判定変数Φk kは、あらゆるユーザ及びあらゆるトーンについて、報告されたCDRの関数として計算される。当該判定変数は、11.に従って、報告されたCDRに加えて報告された品質wnの関数として計算されてもよいことに留意すべきである。wnとCDRとの線形結合は、シミュレーションで見いだされることに適しているが、非線形の従属関係が適用されてもよい。何れの場合も、最も大きな悪影響を受けるライン(most damaged victim)に強調が与えられるべきである。最も大きな悪影響を受けるラインでさえ保護されているので、他の全てのユーザも保護されていると考えることは妥当である。Φk kの計算は、追加の重み行列Iを含み、
の形式を有し、各要素は、0又は1である(即ち、in,j∈{0,1})。(i3,1は、第3の送信部から第1の受信部への妨害である)。in,j=0の場合、ユーザnがユーザjに干渉しないことを意味する。in,j=1の場合、相応の干渉が存在するものと想定される。これは、原理上、唯一必要なクロストークのチャネル情報であり、このことは、頻繁なチャネル測定を回避し得ることを意味する。I行列は、2つの特定のラインの間にかなりのクロストークが存在するか否かであるから、ネットワークトポロジの初期の検査で導出され得る。異なるレベルのチャネル知識を想定して、0と1との間の値とすることを可能にする、行列Iに示す干渉のさらなる微調整は、結果の品質をさらに改善することが可能である。
12.〜15. 次に、本方法は、ゴースト・ラインのパラメータhk n,Gの調整に進む。3つの状況が可能であり、それらは次の通りである。
1)判定変数Φk kが許容範囲内にある場合、ユーザnが他のユーザに引き起こすクロストークは、所望の限界内であり、変更の必要はない。
2)Φk kがLsupより大きい場合、ユーザnは、この特定のトーンについて他のユーザに対して過度のクロストークを引き起こし、このことは、hk n,Gが増加されることを意味する。これは、次の繰り返し後には、干渉を発するのが低減される結果となるであろう。ゴースト・ラインが最大転送速度を達成するのを可能にするために、ユーザnは、このトーンへの電力割り当てに関してより注意深くなるであろうからである(ステップ4の説明も参照されたい)。
3)Φk nがLinfより小さい場合、ユーザnは、このトーンについて他のユーザに大きなクロストークを引き起こさず、hk n,Gは減少され得る。従って、次の繰り返しにおいてユーザnは、このトーンへ電力を割り当てるために、より大きな自由度を有するであろう。hk n,Gがどのように増加/減少されるかは、まさに収束の速さに影響を及ぼし、固定的若しくは動的な増加/減少によって、又は係数αを用いて単に乗算(又は除算)することによって、行われてもよい。
16. 各ラインについてのゴースト・ラインのクロストーク利得の調整後、中央エージェントは、ここで新たなパラメータをモデムに提供できる。モデムは、ここで再びPSDを割り当て、CDR及びwを中央エージェントに送り返すことができる。
本発明による方法について、図5のフローチャートに示す。
501. モデムにおいて、それぞれの初期ゴースト・ラインに対して最適化された初期電力が、ラインに割り当てられる。
502. モデムからDSLネットワークの中央エージェントへ、クロストークの影響を示す測定値(CDR)を送信する。
503. クロストークの影響を示す受信した測定値(CDR)に基づいて第1のモデムに関する判定変数(Φ)を計算するとともに、第1のモデムに関する判定変数(Φ)に基づいて第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する。
504. 計算したゴースト・ラインのパラメータ(G)を第1のラインのモデムに報告する。
505. 受信した更新済みのゴースト・ラインのパラメータ(G)に基づき、第1のラインに割り当てられる電力を更新し、ステップ502に続く。
本発明の一実施形態によれば、ステップ503はステップをさらに以下のステップを含む。
506. 測定値(CDR、又はCDR及びw)の関数として、判定変数Φに対して許容されるクロストークの範囲(Lsup、Linf)を決定する。
507. クロストークを表す推定レベルがクロストークの許容範囲内にある場合、以前決定したゴースト・ラインのパラメータを維持する。
508. 判定変数Φがクロストークの許容範囲の上側の範囲外にある場合、ゴースト・ラインと第1のラインとの間の結合を増加させる。
509. 判定変数Φがクロストークの許容範囲の下側の範囲外にある場合、ゴースト・ラインと第1のラインとの間の結合を減少させる。
提案の方法の性能を他の解決手段と比較するために、図6のシナリオでシミュレーションを行った。下りストリームADSLで送信する電話局(CO)及び3つのリモート端末(RT)が、当該シナリオに含まれる。この遠近シナリオに起因して、COからの下りストリームの伝送は、深刻なレベルのクロストークの影響を受けており、保護されるべきである。RT1及びRT2に関する最低転送速度は、それぞれ2Mbps及び2.25Mbpsに設定したのに対して、RT3の最低転送速度は、各シミュレーションで3〜8Mbpsの範囲で変動させた。各状況について、10-7のBER及び12dBの雑音マージンで、COのユーザに対して何Mbpsを提供可能であるかを観測した。3つの異なる最適化方法は、図7に描く転送速度の範囲を有する。ISBは、最適だが完全集中型の解決手段であるOSBの反復バージョンであり、より良好に機能する一方で、増加した複雑性及びチャネル知識を要求する。ASBについて、基準ラインは、あるラインとCOが動作するライン(図6の上側の線)との間のクロストーク特性に設定されたが、これは、各ラインが個別の基準としての役割を果たすゴースト・ラインを有する本発明と対照的である。3つの方法の間で、ASBの性能が最も悪く、即ち、最も制約された転送速度の範囲となることが分かる。最も外側の線が最適であると言え、それ自体は当技術分野で受け入れられている。ISBが最も内側の線であり、BLINDが真ん中の線である。簡単に言えば、動作点の性能が良好であればあるほど、最も外側の線に近くなる。
このISB及びASBの2つの方法はともに、完全なチャネル知識を前提としていることを強調する価値がある。
提案の方法は、最適の方法(OSB/ISB、これらは最適であると一般に受け入れられている)とほぼ同等の性能であるが、相当に少ない複雑性及びチャネル知識を有する。提案の解決手段は、現実的なDSMの解決手段に関する最も重要な観点である、性能、複雑性、集中化及び要求されるシステムの知識に関する観点の間で、最善のトレードオフを達成することが分かる。
さらに、本発明による方法は、マルチキャリヤ伝送システムの一般的なクラスに適用可能である。

Claims (26)

  1. ディジタル加入者線(DSL)ネットワークの第1のラインのクロストークを低減するための、前記DSLネットワークの中央ユニットによって実行される方法であって、
    前記第1のラインを除外して前記DSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入され、
    前記方法は、
    前記第1のラインの第1のモデムと、少なくとも第2のラインの第2のモデムとから、クロストークの影響を示すそれぞれの測定値を受信するステップと、
    クロストークの影響を示す前記受信した測定値に基づいて、前記第1のモデムに関する判定変数を計算し、かつ、該第1のモデムに関する該判定変数に基づいて、該第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算するステップと、
    前記第1のモデムが、送信される前記ゴースト・ラインのパラメータに基づいて前記第1のラインに割り当てられる電力を更新できるように、計算した前記ゴースト・ラインのパラメータを前記第1のラインのモデムへ送信するステップと
    を含み、
    前記測定値は、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示すことを特徴とする方法。
  2. クロストークの影響を示す前記測定値は、前記DSLネットワークの各ラインの個別のモデムから受信されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. クロストークの影響を示す前記測定値は、前記モデムがクロストークの悪影響を受けている周波数に関する情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する前記ステップは、
    前記測定値に応じて、前記判定変数に対するクロストークの許容範囲を決定するステップをさらに含み、
    ゴースト・ラインのパラメータの前記計算は、前記許容範囲と前記判定変数との間の関係に依存することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記許容範囲は、前記測定値に依存することを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する前記ステップは、
    前記測定値が、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示す場合、該測定値に応じて、前記判定変数に対するクロストークの許容範囲を決定するステップをさらに含み、
    ゴースト・ラインのパラメータの前記計算は、前記許容範囲及び前記判定変数(Φ)に依存することを特徴とする請求項に記載の方法。
  7. 前記測定値が、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示す場合に、前記許容範囲は、該測定値に依存することを特徴とする請求項に記載の方法。
  8. 推定されたクロストークを表すレベルが、前記許容範囲内の場合、既に決定したゴースト・ラインのパラメータを維持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記判定変数が、クロストークの前記許容範囲の上側の範囲外にある場合、前記ゴースト・ラインと前記第1のラインとの間のクロストーク利得を増加させるステップをさらに含み、
    前記クロストーク利得は、前記ゴースト・ラインのパラメータに含まれており、かつ、前記第1のラインと、前記第1のラインを除く前記DSLネットワークの複数のラインとの間の現在のクロストークの状況を反映することを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記判定変数が、クロストークの前記許容範囲の下側の範囲外にある場合、前記ゴースト・ラインと前記第1のラインとの間のクロストーク利得を減少させるステップをさらに含み、
    前記クロストーク利得は、前記ゴースト・ラインのパラメータに含まれており、かつ、前記第1のラインと、前記第1のラインを除く前記DSLネットワークの複数のラインとの間の現在のクロストークの状況を反映することを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記DSLネットワークの複数のライン間の干渉を示す重み行列が導入され、
    前記重み行列にさらに基づいて、判定変数を計算するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の方法。
  12. ディジタル加入者線(DSL)ネットワークの第1のラインのモデムによって実行される方法であって、
    前記第1のラインを除外して前記DSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入され、かつ、初期ゴースト・ラインが決定され、
    前記方法は、
    前記ゴースト・ラインに対して最適化された初期電力を前記第1のラインに対して割り当てるステップと、
    前記DSLネットワークの中央エージェントに対して、クロストークの影響を示す測定値を送信するステップと、
    クロストークの影響を表す前記測定値に基づいて少なくとも決定される、更新されたゴースト・ラインのパラメータを、応答として受信するステップと、
    更新され受信された前記ゴースト・ラインのパラメータに基づいて、前記第1のラインに割り当てられる前記電力を更新するステップと
    を含み、
    前記測定値は、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示すことを特徴とする方法。
  13. クロストークの影響を示す前記測定値は、前記モデムがクロストークの悪影響を受けている周波数に関する情報を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. ディジタル加入者線(DSL)ネットワークの第1のラインのクロストークを低減する中央ユニットであって、
    前記第1のラインを除外して前記DSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入され、
    前記第1のラインの第1のモデムと、少なくとも第2のラインの第2のモデムとから、クロストークの影響を示すそれぞれの測定値を受信する受信機と、
    クロストークの影響を示す前記受信した測定値に基づいて、前記第1のモデムに関する判定変数を計算し、かつ、該第1のモデムに関する該判定変数に基づいて、該第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する計算機と、
    前記第1のモデムが、送信される前記ゴースト・ラインのパラメータに基づいて前記第1のラインに割り当てられる電力を更新できるように、計算した前記ゴースト・ラインのパラメータを前記第1のラインのモデムへ送信する報告機と
    を備え
    前記測定値は、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示すことを特徴とする中央ユニット。
  15. クロストークの影響を示す前記測定値は、前記DSLネットワークの各ラインの個別のモデムから受信されることを特徴とする請求項14に記載の中央ユニット。
  16. クロストークの影響を示す前記測定値は、前記モデムがクロストークの悪影響を受けている周波数に関する情報を含むことを特徴とする請求項14又は15に記載の中央ユニット。
  17. 前記第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する前記計算機は、
    前記測定値に応じて、前記判定変数に対するクロストークの許容範囲を決定する手段をさらに備え、
    ゴースト・ラインのパラメータの前記計算は、前記許容範囲と前記判定変数との間の関係に依存することを特徴とする請求項14乃至16の何れか1項に記載の中央ユニット。
  18. 前記許容範囲は、前記測定値に依存することを特徴とする請求項17に記載の中央ユニット。
  19. 前記第1のモデムに関するゴースト・ラインのパラメータを計算する前記計算機は、
    前記測定値が、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示す場合、該測定値に応じて、前記判定変数に対するクロストークの許容範囲を決定する手段をさらに備え、
    ゴースト・ラインのパラメータの前記計算は、前記許容範囲及び前記判定変数(Φ)に依存することを特徴とする請求項14に記載の中央ユニット。
  20. 前記測定値が、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示す場合に、前記許容範囲は、該測定値に依存することを特徴とする請求項19に記載の中央ユニット。
  21. 前記計算機は、
    推定されたクロストークを表すレベルが、前記許容範囲内の場合、既に決定したゴースト・ラインのパラメータを維持する手段を備えることを特徴とする請求項17乃至20の何れか1項に記載の中央ユニット。
  22. 前記計算機は、
    前記判定変数が、クロストークの前記許容範囲の上側の範囲外にある場合、前記ゴースト・ラインと前記第1のラインとの間のクロストーク利得を増加させる手段を備え
    前記クロストーク利得は、前記ゴースト・ラインのパラメータに含まれており、かつ、前記第1のラインと、前記第1のラインを除く前記DSLネットワークの複数のラインとの間の現在のクロストークの状況を反映することを特徴とする請求項17乃至20の何れか1項に記載の中央ユニット。
  23. 前記計算機は、
    前記判定変数が、クロストークの前記許容範囲の下側の範囲外にある場合、前記ゴースト・ラインと前記第1のラインとの間のクロストーク利得を減少させる手段を備え
    前記クロストーク利得は、前記ゴースト・ラインのパラメータに含まれており、かつ、前記第1のラインと、前記第1のラインを除く前記DSLネットワークの複数のラインとの間の現在のクロストークの状況を反映することを特徴とする請求項17乃至20の何れか1項に記載の中央ユニット。
  24. 前記DSLネットワークの複数のライン間の干渉を表す重み行列が導入され、
    前記判定変数の前記計算は、前記重み行列にさらに基づくことを特徴とする請求項14乃至23の何れか1項に記載の中央ユニット。
  25. ディジタル加入者線(DSL)ネットワークの第1のラインのモデムであって、
    前記第1のラインを除外して前記DSLネットワークの複数のラインの置換となるゴースト・ラインが導入され、かつ、初期ゴースト・ラインが決定され、
    前記ゴースト・ラインに対して最適化される初期電力を前記第1のラインに対して割り当てる手段と、
    前記DSLネットワークの中央エージェントに対して、クロストークの影響を示す測定値を送信する送信機と、
    クロストークの影響を表す前記測定値に基づいて少なくとも決定される、更新されたゴースト・ラインのパラメータを、応答として受信する受信機と、
    更新され受信された前記ゴースト・ラインのパラメータに基づいて、前記第1のラインに割り当てられる前記電力を更新するPSD計算機と
    を備え
    前記測定値は、所与の最低レートを達成するために割り当てる必要があるチャネル・リソースの割合をさらに示すことを特徴とするモデム。
  26. クロストークの影響を示す前記測定値は、前記モデムがクロストークの悪影響を受けている周波数に関する情報を含むことを特徴とする請求項25に記載のモデム。
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