<第一実施形態>
図1は、第一実施形態の管理システム1において用いられる無線タグ10の構成を表す機能ブロック図である。無線タグ10は、電池111、制御部12、通信部13、ROM14、アクティブ通信用アンテナ151、パッシブ通信用コイル152を備える。
電池111は、制御部12及び通信部13に電力を供給する。なお、電池111が通信部13へ電力を供給する場合は、アクティブ通信が動作する場合である。この場合、電池111は、制御部12の指示に従って供給を行う。
制御部12は、無線タグ10の動作を制御する。無線タグ10の制御部12は、例えばピックマイコンを用いて構成される。この場合、制御部12の動作はファームウェアにて定義される。このようなピックマイコンにおけるファームウェアの書き換えは、一部分のみの書き換えはできず、全てを書き換える必要がある。
通信部13は制御部12の指示に従い、外部装置(アクティブ用読取機20及びパッシブ用読取機30)との通信を行う。このとき、通信部13は、アクティブ通信用アンテナ151とパッシブ通信用コイル152とを状況に応じて使い分けて通信を行う。ROM14は、他の無線タグと重複しない唯一の識別情報(タグID:無線タグ識別情報)を記憶し、書き換え不能に構成される。
アクティブ通信用アンテナ151は、制御部12の制御に従って、アクティブ用読取機20(第二無線通信装置)に対してアクティブ通信(第二無線通信)による無線信号でROM14に記憶されるタグIDを含む情報を送信する。
パッシブ通信用コイル152は、パッシブ用読取機30(第一無線通信装置)からの指示を受信する。また、パッシブ通信用コイル152は、パッシブ用読取機30からの指示に応じて、パッシブ通信(第一無線通信)による無線信号でROM14に記憶されるタグIDを含む情報を送信する。
アクティブ通信用アンテナ151によって送信されるタグIDと、パッシブ通信用コイル152によって送信されるタグIDとは同じである。このように、アクティブ通信用アンテナ151によって送信されるタグIDと、パッシブ通信用コイル152によって送信されるタグIDとを共通とすることにより、ROM14等のタグIDに関係する部品を共通化して小さく構成することが可能となる。また、アクティブ通信とパッシブ通信とでそれぞれ異なるタグIDが用いられた場合、データベースサーバはこれらの2つのタグID間の関係についても管理する必要が生じる。加えて、各送信フォーマットも複雑化してしまう。これに対し、第一実施形態における管理システム1では、アクティブ通信とパッシブ通信とで同じタグIDが用いられるため、データベースサーバの構成及び各送信フォーマットを簡易化することが可能となる。
なお、万が一ROM14が記憶するタグIDが書き換えられた場合、このタグIDを記憶するデータベースサーバ60の記録内容を修正する必要が生じてしまう。そこで、ROM14が記憶するタグIDの書き換えができないように構成されることにより、不必要にデータベースサーバ60の記録内容を修正する必要が生じることを防止することが可能となる。
タグIDは、ファームウェアの一部に記録されるように構成されても良い。このように構成されることにより、仮にタグIDが書き換えられた場合にはファームウェア自体が書き換えられるため、無線タグ10は通信機能を失い動作しなくなる。したがって、実質的にタグIDを書き換えることができなくなる。
アクティブ通信は一般に長い距離の通信が可能である。そのため、アクティブ通信によって通信を行う場合、無線タグ10にアクティブ用読取機を近接させることなく無線タグ10と通信することが可能になるというメリットがある。しかし上述したように、アクティブ通信の場合、無線タグのタグIDの登録/確認時に、アクティブ用読取機は周囲の余計な無線タグから送信された情報も受信してしまう。これに対し、パッシブ無線通信は通信距離が短いため、無線タグのタグIDの登録/確認時に、パッシブ用読取機は周囲の余計な無線タグと通信してしまうことがほとんどない。このように、無線タグのタグIDの登録/確認時には、パッシブ無線通信の方がアクティブ無線通信よりも有効である。しかし、パッシブ無線通信の場合、パッシブ用読取機を無線タグ10に近接させないと通信できないという問題が生じる。
そこで、第一実施形態における無線タグ10は、両者のデメリットを他方のメリットで補うように構成したものである。
アクティブ通信の通信距離Raは約数十メートルである。また、パッシブ通信の通信距離Rpは数センチメートルである。このため、パッシブ用読取機は、近接する特定の無線タグのみと通信することが可能となる。
なお、管理システム1において適用可能なパッシブ通信としては、ISO/IEC10536(静電気の誘導作用を利用した静電結合の場合、通信距離は数ミリメートルであり、密に結合した電磁誘導の相互誘導作用を利用した電磁結合の場合、通信距離は数センチメートル)、ISO/IEC14443(電磁誘導作用を利用した電磁誘導による通信、約1メートルの通信距離、125[kHz]〜135[kHz])、ISO/IEC15693(電磁誘導による通信、約1メートルの通信距離、13.56[MHz])などがある。
また、管理システム1において適用可能なアクティブ通信としては、微弱無線通信および特定用電力無線通信などがある。微弱無線通信および特定用電力無線通信は、電波法施行規則第6条1項で規格化された空中間電力の範囲内(無線局の免許の必要のない範囲内)での電波強度により、電波を発信する。微弱無線通信においては、旧微弱無線局電界強度測定法により、100メートルの距離において、15[μV/m](23.5[dBμV/m])を基準としており、一方、特定用電力無線は、空中線電力が10[mW]以下の無線規格である。
図2は、第一実施形態における管理システム1のシステム構成を表す図である。管理システム1は、複数の無線タグ10(a−Tag_1、a−Tag_2)、アクティブ用読取機20、パッシブ用読取機30、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70を備える。
アクティブ用読取機20は、無線タグ10とアクティブ通信によって通信する。無線タグ10から送信された無線信号は、図2において、無線タグa−Tag_1からアクティブ用読取機20へ伸びる破線の矢印で示している。アクティブ用読取機20は、アクティブ通信距離Raの範囲内にある無線タグ10からと通信する。図2の場合、アクティブ用読取機20は、a−Tag_1及びa−Tag_2の2つの無線タグ10と通信する。
なお、図2において、a−Tag_1及びa−Tag_2の通信範囲を破線の円で囲み示している。これらの2つの破線の円の両方で囲まれた範囲にアクティブ用読取機20は位置する。
パッシブ用読取機30は、距離がRp以内に位置する無線タグ10に対しパッシブ通信を行うことによって、アクティブ通信で登録情報を送信することを指示する。この送信の指示を、図2ではパッシブ用読取機から無線タグa−Tag_1への破線の矢印で示している。パッシブ用読取機30は、一般的なパッシブ無線タグを読取る機能を持つハンディ型リーダでも構わないが、ここでは特に、パッシブ通信で無線タグへ指示を与える機能だけを持つ携帯端末であっても良い。
制御管理PC40は、アクティブ用読取機20から、無線タグa−Tag_1が送信した登録情報を受け取る。アクティブ用読取機20から受け取った登録情報の流れを、図2ではアクティブ用読取機20から制御管理PCへの破線の矢印で示している。受信した登録情報に含まれるタグIDが既に登録されている無線タグのものか否かを制御管理PCが判断する。この判断の際には、制御管理PCは、LAN70を介してデータベースサーバ60にアクセスし、受信したタグIDがデータベースに既に登録されているか否か確認する。
受信したタグIDが既に登録されている場合、制御管理PCは、受信したタグIDが既に登録されていることを、LAN及び無線LANを介してパッシブ用読取機へ伝える。一方、受信したタグIDが未登録である場合、制御管理PCは、データベースサーバへ登録処理を行う。登録処理については後述する。
LANは、制御管理PC、データベースサーバ、無線LANモデムなどの装置を繋ぐネットワークであり、ルータや配線を用いて構成される。管理システム1が1つの小さな室内に閉じた空間で運用される場合には、アクティブ用読取機、制御管理PC、データベースサーバ、無線LANモデムはそれぞれ1台のみで済むため、LANを用いることなく管理システム1が構成されても良い。一方、広い部屋や部屋を越えた範囲で管理システム1が運用される場合には、無線LANモデム、アクティブ用読取機、制御管理PCなどを複数設置する必要があるため、LANを用いて構成される。なお、アクティブ用読取機と制御管理PCとがLANによって接続されても良いし、複数のアクティブ用読取機が一台の制御管理PCにLANによって接続されても良い。
データベースサーバは、過去にアクティブ用読取機で読取られた登録情報に基づいて無線タグのタグIDを登録している。データベースサーバ内に登録される情報としては、無線タグのタグID、登録日時、登録時に使用されたパッシブ用読取機の識別情報、登録時に使用されたアクティブ用読取機の識別情報、無線タグが取付けられた物品(管理対象)に関する情報などがある。
図2において、制御管理PCがデータベースサーバへ無線タグのタグIDを登録する処理を、制御管理PCからLANへの破線の矢印と、LANからデータベースサーバへの破線の矢印とで示している。
無線LANモデムは、パッシブ用読取機と無線LAN通信を行う。具体的には、無線LANモデムは、制御管理PCから出力される、新たにデータベースサーバへ登録される無線タグのタグIDの登録処理の結果やその完了通知を、パッシブ用読取機へ通知する。図2では、この通知を、制御管理PCからLANへの破線の矢印、データベースサーバからLANへの破線の矢印、LANから無線LANモデムへの破線の矢印、無線LANモデムからパッシブ用読取機への破線の矢印で示している。ここで、無線LANモデムからパッシブ用読取機への送信における宛先指定は、無線タグに対してパッシブ用読取機が送信した指示に含まれるパッシブ用読取機アドレスが、無線タグからアクティブ用読取機へ登録情報として送信され、さらにアクティブ用読取機から制御管理PC、LANを介して無線LANモデムへ通知され、無線LANがこのパッシブ用読取機アドレスを用いることによって行われる。なお、タグ登録の際に該当する無線タグを取付けた物品に関る情報もデータベースへ投入するには、この無線LANモデムは、パッシブ用読取機からデータベースサーバもしくは制御管理PCへ情報を送るため用いられても良い。
図3及び図4は、管理システム1において送受信される各データの概略を表す概略図である。図3(a)は、パッシブ用読取機30からの指示に関わらず無線タグ10が定期的にアクティブ通信によって送信するタグ情報のフォーマットを表す。タグ情報は、プリアンブル(Preamble)、タグID、EOF(End of Frame)を含む。
プリアンブルは、アクティブ通信の開始位置を示す。そのため、常に正確な一定間隔の間欠送信を行う場合、即ち最初の送信タイミングとその後の間隔が予め決められている場合は、タグ情報がプリアンブルを含まないように構成されても良い。
タグ情報に含まれるタグIDは、タグ情報を送信する無線タグ10のROM14に記憶されているタグIDである。
タグ情報のEOFは、タグ情報のフレームの最後の位置を示すとともに、このフレーム内の情報に誤りが含まれてないかをチェックする誤り検出ビットを含む。アクティブ用読取機20や制御管理PC40は、EOFを用いて誤りを検出した場合には、このタグ情報のフレームは正しくないと判断し、タグ情報を廃棄する。特に、複数の無線タグ10からの送信が衝突した場合には、プリアンブルが正しく受信されないことによって、又は、EOFにより誤りが検出されることによって、衝突が検出され破棄される。
図3(b)は、パッシブ用読取機30が無線タグ10に対してパッシブ通信によって送信する登録指示のフォーマットを表す。登録指示は、プリアンブル、フレーム種別、パッシブ用読取機アドレス、EOFを含む。
登録指示のプリアンブルは、パッシブ通信の開始位置を示す。パッシブ通信による登録指示は、パッシブ用読取機30から無線タグ10へ不定期に実施される。従って、登録指示のプリアンブルは必須である。
フレーム種別は数ビットで構成され、このパッシブ通信が登録指示であるのか確認指示であるのかを示す。登録指示のフレーム種別には、登録指示であることを表すビット列が入れられる。
パッシブ用読取機アドレスは、このパッシブ通信(登録指示)を送信したパッシブ用読取機30の通信アドレスを表す。パッシブ用読取機アドレスの項目には、パッシブ用読取機アドレスに代えて、パッシブ用読取機30を一意に識別する為の識別情報が入れられても良い。
EOFは、登録指示の最後の位置を示し、構成はタグ情報におけるEOFと同様である。
図3(c)は、登録指示を受信した無線タグ10がアクティブ通信によって送信する登録情報のフォーマットを表す。登録情報は、プリアンブル、フレーム種別、パッシブ用読取機アドレス、タグID、EOFを含む。なお、プリアンブル、フレーム種別、EOFの内容は、図3(b)に示した登録指示のフォーマットのものと同様であるため説明を省略する。
パッシブ用読取機アドレスは、無線タグ10が受信した登録指示に含まれていたパッシブ用読取機アドレスである。
タグIDは、無線タグ10がROM14に記憶する、自身に割り当てられているタグIDである。
図4(a)は、パッシブ用読取機30が無線タグ10に対してパッシブ通信によって送信する確認指示のフォーマットを表す。確認指示は、プリアンブル、フレーム種別、パッシブ用読取機アドレス、EOFを含む。確認指示のフォーマットは、フレーム種別に確認指示であることを表すビット列が入れられる点でのみ登録指示のフォーマットと異なり、他の点では登録指示のフォーマットと共通する。
図4(b)は、確認指示を受信した無線タグ10がアクティブ通信によって送信する確認情報のフォーマットを表す。確認情報は、プリアンブル、フレーム種別、パッシブ用読取機アドレス、タグID、EOFを含む。なお、プリアンブル、フレーム種別、EOFの内容は、図4(a)に示した確認指示のフォーマットのものと同様であるため説明を省略する。
パッシブ用読取機アドレスは、無線タグ10が受信した確認指示に含まれていたパッシブ用読取機アドレスである。
タグIDは、無線タグ10がROM14に記憶する、自身に割り当てられているタグIDである。
図5〜7は、データベースサーバが管理するデータベースの構成を表す図である。図5は、無線タグ10に関する情報のデータベース(無線タグデータベース)のデータ構成を表す図である。無線タグデータベースは、無線タグ10から送信された登録情報の内容を記憶する。
無線タグデータベースは、タグID、登録日時、登録場所、登録者の各項目の値を対応付けて記憶する。タグIDは、登録情報を送信した無線タグ10のタグIDである。
登録日時は、アクティブ用読取機20を介して制御管理PCが登録情報を受信した日時を表す。なお、登録日時は、無線タグ10から登録情報が送信された日時でも良いし、アクティブ用読取機20が登録情報を受信した日時でも良いし、制御管理PCが無線タグデータベースに登録情報の内容を書き込んだ日時でも良い。
登録場所は、登録情報を受信したアクティブ用読取機20が設置されていた場所を表す。アクティブ用読取機20が登録情報を自装置のIDとともに制御管理PCに送信することによって、制御管理PCがこのIDに基づき登録場所を判断する。登録場所の項目の値として、このIDそのものが記録されても良い。
登録者は、登録指示を送信したパッシブ用読取機30を操作した人を表す。パッシブ用読取機30が操作者毎に割り当てられ、パッシブ用読取機アドレスと操作者とが一対一に対応付けて制御管理PCによって管理されることにより、制御管理PCが登録情報に含まれるパッシブ用読取機アドレスに基づき登録者を判断する。登録者の項目の値として、パッシブ用読取機アドレスそのものが記録されても良いし、パッシブ用読取機のIDが用いられても良い。
この図5に示す例では、7つの無線タグ10が扱われている。これら7つの無線タグのタグIDは“0025720”、“0057242”、“0013798”、“0016035”、“0064078”、“0067702”、“0024517”である。この図5において、最上段の行は、タグIDが“0025720”、無線タグ10を登録した登録日時が“2008.6.03 14:35”、登録場所(読取機ID)が“第1会議室(00085863)”、登録者(読取機ID)が“山本優子(065931)”であることを表す。
図6は、無線タグ10によって管理される対象となる物品に関する情報のデータベース(物品データベース)のデータ構成を表す図である。物品データベースは、管理対象となる各物品に関する情報を記憶する。物品データベースは、管理システム1において予め登録されている。
物品データベースは、物品番号、物品名、購入日、部署(コード)、使用者(社員ID)を対応付けて記憶する。なお、この物品データベースでの使用者は、無線タグデータベースにおける登録者(作業者)とほとんどの場合は一致する。
物品番号は、各物品に対し他の物品と重複しないように割り当てられた識別番号である。物品名は、各物品の名称である。
購入日は、物品が購入された日付である。部署(コード)は、物品を購入した部署(組織)の名称と識別番号(コード)である。使用者(社員ID)は、その部署においてその物品を主に使用する人物の氏名と社員IDである。
図6に示す例では、8つの物品が扱われている。この8つの物品の物品番号は、“002620”、“009372”、“005726”、“001244”、“002796”、“003104”、“007855”、“005803”である。この図6において、最上段の行は、物品番号が“002620”、物品名が“営業用notePC−5”、購入日が“2008.6.02”、部署(コード)が“営業部(00077)”、利用者(社員ID)が“山本優子(826)”であることを表す。
図7は、無線タグ10と物品との対応付けを表す対応データベースのデータ構成を表す図である。対応データベースでは、無線タグ10に関する無線タグデータベースの各項目の値と、この無線タグ10に対応付けられた物品に関する物品タグデータベースの各項目の値と、が対応付けられて一つのレコードとして管理される。
無線タグデータベース、物品データベース、対応データベースは、それぞれ制御管理PC40によってその内容が管理され、データベースサーバ60に記憶される。
図8及び図9は、管理システム1において無線タグのタグIDをデータベースサーバへ登録する際の動作を表すフローチャートである。図8及び図9を用いた登録動作の説明の前に、無線タグ10が定期的に行う処理について説明する。
無線タグ10は、アクティブ用読取機20に対するアクティブ通信によるタグ情報の送信を、長い期間(例えば、数分間、数十分間、1時間、数時間)の停止と送信とを繰り返す間欠動作として実施する。間欠動作として実施する理由は以下の通りである。即ち、複数の無線タグ10からの送信タイミングが重なると、アクティブ用読取機20は、両方の登録情報を受信することができない。これに対し、間欠動作として実施されることにより、このような複数の無線タグ10からの信号が重なり衝突が発生する確率を低く抑えることが可能となる。そのため、この停止の期間の長さは、アクティブ用読取機20が通信可能な範囲に存在する無線タグ10の数に応じて適宜設定される。即ち、無線タグ10の数が多いほど停止の期間の長さは長く設定され、無線タグ10の数が少ないほど停止の期間の長さは短く設定される。
また、間欠動作として実施する別の理由もある。アクティブ通信による送信は電池111の電力を消耗するため、送信を間欠動作として実施することにより、電池111の消耗を抑制し、無線タグ10の長寿命化を図ることができる。
次に、図8を用いて登録動作について説明する。まず、作業者が、タグIDを登録しようとする対象の無線タグ10に対して、パッシブ用読取機30で登録操作を行うことにより、図8のフローチャートにおける処理が開始される。この操作は、登録の操作ボタンを作業者が押下することによって行われる(ステップS101)。
登録操作が行われると、パッシブ用読取機30は、近接する無線タグ10に対して登録指示をパッシブ通信によって送信する。無線タグ10は、登録指示を受信するまで待機する(ステップS102−NO)。無線タグ10がパッシブ通信による登録指示を受信すると(ステップS102−YES)、登録指示に応じて無線タグ10は登録情報をアクティブ通信によってアクティブ用読取機20に送信する(ステップS103)。
アクティブ用読取機20は、登録情報を受信するまでは、タグ情報を受信しつつ待機する(ステップS104−NO)。なお、アクティブ用読取機20は、無線タグ10からアクティブ通信で送信されたタグ情報を受信して、この受信したタグ情報の内容(例えば、パッシブ用読取機30をきっかけとして送信された登録情報や、後述する確認情報)によって、そのタグ情報の内容を制御管理PC40に通知する。
アクティブ用読取機20が登録情報を受信すると(ステップS104−YES)、アクティブ用読取機20は受信された登録情報を制御管理PC40へ送信する(ステップS105)。制御管理PC40は、データベースサーバ60の無線タグデータベースを参照することによって、受信した登録情報に含まれるタグIDが未登録のタグIDであるか否か判断する(ステップS106)。未登録のタグIDである場合(ステップS106−YES)、制御管理PC40は、受信された登録情報の内容を無線タグデータベースに登録する(ステップS107)。一方、登録済みのタグIDである場合(ステップS106−NO)、制御管理PC40は、無線タグデータベースにこのタグIDと対応付けて登録されている各項目の値を読み出す(ステップS108)。
ステップS107又はステップS108の処理の後、制御管理PC40は、登録結果又は読み出した各項目の値を、無線LANモデム50を介して、登録情報に含まれるパッシブ用読取機アドレスを送信先として送信する(ステップS109)。パッシブ用読取機30は、制御管理PC40からデータを受信すると、登録結果又は読み出された各項目の値を表示する(ステップS110)。
次に、制御管理PC40は、対応データベースを参照することによって、現在処理中のタグIDが対応データベースに登録済みか否か(タグIDは未対応付け?を)判断する(ステップS201)。既に対応付けされている場合(ステップS201−NO)、制御管理PC40は、無線LANモデム50を介してパッシブ用読取機30にそのことを通知し、処理を終える。
一方、対応付けされていない場合(ステップS201−YES)、制御管理PC40は、物品データベースに登録されている物品のうち、対応データベースに未登録の物品に関する情報を物品データベースから検索し、物品データを要求する(ステップS202)。このような物品が存在しない場合(ステップS203−YES)、制御管理PC40は、無線LANモデム50を介してパッシブ用読取機30にそのことを通知し、さらに新たな物品に関するデータを物品データベースに登録することを要求し(ステップS206)、ステップS201の処理に戻る。
一方、対応データベースに未登録の物品が存在する場合(ステップS203−NO)、制御管理PC40は、該当する物品の情報を物品データベースから読み出し、物品情報のリストとして無線LANモデム50を介してパッシブ用読取機30へ送信する(ステップS204)。パッシブ用読取機30は、物品情報のリストを受信すると、この物品情報のリストを表示する(ステップS205)。
作業者は、この表示を参照し、表示された物品情報のリストの中から無線タグ10に対応付けて登録しようとする物品を選択する(ステップS207)。なお、この時点で選択すべき物品がリスト中に存在しない場合には、作業者は、該当する物品を物品データベースに新たに登録したうえで再度ステップS101以降の処理を実行することにより、無線タグ10と所望の物品とを対応付けて登録することが可能となる。また、物品データベースへの登録後にステップS101に戻ることなく、ステップS201以降の処理を実行するように構成されても良い。
ステップS207の処理の後、パッシブ用読取機30は、作業者によって選択された物品の物品番号を、無線LANモデム50を介して制御管理PC40へ送信することにより、選択された物品と無線タグ10のタグIDとを対応付けて対応データベースに登録することを要請する(ステップS208)。
制御管理PC40は、この要請を受けて、受信した物品番号の物品の物品情報を物品データベースから読み出し、現在処理の対象となっている無線タグ10の情報を無線タグデータベースから読み出し、読み出された各データを対応付けて対応データベースに新たに登録する。次に、制御管理PC40は、登録が完了したことを表す完了結果をパッシブ用読取機30へ無線LANモデム50を介して送信する。そして、パッシブ用読取機30は、この完了報告を表示し、作業者に対して登録が完了したことを報知する(ステップS209)。
この後、作業者が登録処理の継続を希望しない場合には、作業者が登録終了をパッシブ用読取機30に入力し(ステップS210−NO)、フローチャート全体の処理を終える。一方、作業者が登録処理の継続を希望する場合には、作業者が継続希望をパッシブ用読取機30に入力する(ステップS210−YES)。この場合、パッシブ用読取機30は、以前のステップS204の処理において既に受信している物品情報のリストを再度表示し(ステップS205)、ステップS207以降の処理を繰り返し実行する。このとき、パッシブ用読取機30は、S202以降の処理を繰り返し実行するように構成されても良いし、ステップS101以降の処理を繰り返し実行するように構成されても良い。
図10は、管理システム1において無線タグのタグIDの登録状況を確認する際の動作を表すフローチャートである。まず、作業者が、タグIDを確認しようとする対象の無線タグ10に対して、パッシブ用読取機30で確認操作を行うことにより、図10のフローチャートにおける処理が開始される。この操作は、確認の操作ボタンを作業者が押下することによって行われる(ステップS301)。
確認操作が行われると、パッシブ用読取機30は、近接する無線タグ10に対して確認指示をパッシブ通信によって送信する。無線タグ10は、確認指示を受信するまで待機する(ステップS302−NO)。無線タグ10がパッシブ通信による確認指示を受信すると(ステップS302−YES)、確認指示に応じて無線タグ10は確認情報をアクティブ通信によってアクティブ用読取機20に送信する(ステップS303)。
アクティブ用読取機20は、確認情報を受信するまでは、定期的にタグ情報を受信しつつ待機する(ステップS304−NO)。なお、アクティブ用読取機20は、タグ情報を受信した場合には、受信されたタグ情報の内容を制御管理PC40へ送信する。
アクティブ用読取機20が確認情報を受信すると(ステップS304−YES)、アクティブ用読取機20は受信された確認情報を制御管理PC40へ送信する(ステップS305)。制御管理PC40は、データベースサーバ60の対応データベースを参照することによって、受信した確認情報に含まれるタグIDが対応データベースに対して未登録のタグIDであるか否か判断する(ステップS306)。
登録済みのタグIDである場合(ステップS306−YES)、制御管理PC40は、対応データベースにこのタグIDと対応付けて登録されている各項目の値(情報)を読み出し(ステップS307)、パッシブ用読取機30に対し読み出した情報を、無線LANモデム50を介して送信する(ステップS308)。そして、パッシブ用読取機30は、受信した情報を表示する。
一方、未登録のタグIDである場合(ステップS306−NO)、制御管理PC40は、未登録であることをパッシブ用読取機30に、無線LANモデム50を介して通知する(ステップS309)。そして、パッシブ用読取機30は、未登録である旨を表示する(ステップS310)。
図11は、登録情報又は確認情報の送信とタグ情報の送信とが同時に行われたことにより二つの通信が衝突した場合の処理の流れを表す図である。図11では、横軸を時間軸とし、左から右方向へ時間経過を表す。
図11において、パッシブ用読取機30は、パッシブ通信(登録指示又は確認指示)を2度行う。最初のパッシブ通信によって、無線タグ10(a−Tag_1)が間欠送信を開始するとともに、すぐにパッシブ通信の内容に応じたアクティブ通信を一度行う。図11では、a−Tag_1の最初の送信が、他の無線タグ10(a−Tag_2)からの間欠送信のタイミングと重なり、衝突が発生し、アクティブ用読取機20は受信できない。次に、パッシブ用読取機30が2回目のパッシブ通信を行うと、a−Tag_1はパッシブ通信の内容に応じたアクティブ通信を一度行う。このアクティブ通信は、1回目とは異なり、タグa−Tag_2からの間欠送信のタイミングとは衝突せずアクティブ用読取機20によって受信される。
a−Tag_1は、パッシブ用読取機30からの最初のパッシブ通信後に間欠的にタグ情報の送信を繰り返す。タグ情報の送信における送信タイミング(停止している時間)は、一定間隔ではなく、一定の幅での揺らぎをもつ。例えば、所定のタイミングに対し、一定の時間幅でランダムな変動を与えるとによって、タイミングに変動性を持たせることができる。図11では、破線の矩形が一定間隔のタイミングを表し、その破線の矩形の近傍に示される矢印が変動の時間幅を表し、実線の矩形が変動後の実際の送信タイミング(タグ情報の送信タイミング)を表す。
このように、タグ情報の送信タイミングにランダムな時間変動の揺らぎを持たせたことによって、複数の無線タグ(図11においては、a−Tag_1とa−Tag_2)によるタグ情報の送信が常に衝突してしまうことを防止することが可能となる。
<変形例>
上述した実施形態では、作業者が直接的にパッシブ用読取機30を操作するように構成されていたが、制御管理PC40が無線LANモデム50を通してパッシブ用読取機30へ指示を送信し、その指示に従ってパッシブ用読取機30が登録指示を無線タグ10に送信するように構成されても良い。
また、最初にパッシブ用読取機30から無線LANモデム50を介して制御管理PC40へ情報参照を要求するように構成されても良い。この場合、この要求に応じて制御管理PC40はデータベースサーバ60に登録されている無線タグデータベースの内容や物品データベースの内容を読み出し、パッシブ用読取機30へ送信し、パッシブ用読取機30がデータベースの内容を表示する。作業者は、パッシブ用読取機30において各データベースの内容を確認してから、ステップS101の処理を行うことが可能となる。
管理システム1によれば、タグIDの登録処理の対象となる無線タグ10に対し、通信距離が短いパッシブ通信によって登録指示を送信する。そのため、作業者が登録しようとしている無線タグ10に対してのみ登録指示を送信することが可能となり、作業者が意識していなかった他の無線タグ10について登録処理が誤って行われることを防止することが可能となる。
さらに、管理システム1によれば、登録指示を受信した無線タグ10は通信距離が長いアクティブ通信によって登録情報を送信する。そのため、一台のアクティブ用読取機20によって広範囲に配置された無線タグ10と通信することが可能となる。
また、管理システム1によれば、作業者は、パッシブ用読取機30を操作することによって、無線タグ10を無線タグデータベースに登録する作業と、無線タグ10と物品との対応付けを対応データベースに登録する作業とを、無線タグ10が配置されている現場で直ちに行うことが可能となる。
また、確認の対象となる無線タグ10について対応データベースの内容を現場で確認することが可能となるため、無線データベースや対応データベースへの登録ミスの確認や訂正も現場で行うことが可能となる。したがって、作業ミスの低減や訂正作業の効率化も図れる。
また、他のパッシブ用読取機30によって登録された内容を確認した後に、その内容を現場で容易に修正することも可能となる。
なお、アクティブ用読取機20は、パッシブ用読取機30から無線タグ10へ登録指示を送信したタイミングで、アクティブ用読取機20が受信した情報が、登録すべきタグIDに関する情報とみなすように構成されても良い。
<第二実施形態>
図12は、第二実施形態の管理システム1aにおいて用いられる無線タグ10aの構成を表す機能ブロック図である。無線タグ10aは、通信部13に代えて通信送信部131及び通信受信部132を備える点、アクティブ通信用アンテナ151及びパッシブ通信用コイル152に代えて兼用コイル153を備える点、で第一実施形態における無線タグ10と異なる。
通信送信部131は、セミパッシブ通信によって送信を行う。通信受信部132は、パッシブ通信によって受信を行う。兼用コイル153は、通信送信部131によるセミパッシブ通信と、通信受信部132によるパッシブ通信とを行う。制御部12は、セミパッシブ通信による送信の際に、通信送信部131へ電池111から給電する。この給電により、セミパッシブ通信の距離が長くなる。なお、制御部12は、送信時以外の時は通信送信部131への給電は停止している。
また、第一実施形態におけるアクティブ通信とパッシブ通信との関係と同様に、セミパッシブ通信の場合とパッシブ通信の場合とで使用されるタグIDは同じである。また、無線タグ10aは、第一実施形態と同様にパッシブ用読取機30からのパッシブ通信を受けたタイミングで、セミパッシブ通信によってタグ情報を送信する。ただし、第二実施形態においては、無線タグ10aは間欠的に自ら繰り返し送信をしない。つまり、図11でのパッシブ用読取機30からパッシブ通信があったタイミングでのみ、無線タグ10aはセミパッシブ通信を行う。
セミパッシブ通信の通信距離Rspは数メートルであり、アクティブ通信の通信距離Raの数十メートルには及ばないものの、パッシブ通信の通信距離Rpの数センチメートルに比べて長い。従って、セミパッシブ通信は、パッシブ通信に比べて広い通信範囲を持つ。
ここで、セミパッシブ通信について説明する。セミパッシブ通信を行う無線タグは、エネルギー源として内蔵した電池を利用する。しかし、セミパッシブ通信を行う無線タグは、アクティブ通信を行う無線タグとは異なり、パッシブ通信を行う無線タグと同様の受信機能を持つ。セミパッシブ通信を行う無線タグは、アクティブ通信を行う無線タグのように無線タグから能動的に電波を発信することはなく、リーダ/ライタから電波を受信したときのみ電波を送信する。この仕組みによって、セミパッシブ通信を行う無線タグは、電波を受信するまでの間をスリープ状態とすることが可能であり、電池寿命を延ばすことができる。また、セミパッシブ通信を行う無線タグは、電池をエネルギー源にしているため、通信距離を伸ばすことができる。なお、セミパッシブ通信には、通信距離と電池寿命のメリットがあるが、小型化や低価格化が難しいという課題がある。
図13は、第二実施形態における管理システム1aのシステム構成を表す図である。管理システム1aは、複数の無線タグ10a(sp−Tag_1、sp−Tag_2)、セミパッシブ用読取機80、パッシブ用読取機30、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70を備える。セミパッシブ用読取機80は、無線タグ10aとセミパッシブ通信によって通信を行う。複数の無線タグ10a(sp−Tag_1、sp−Tag_2)は、いずれもセミパッシブ用読取機80とセミパッシブ通信を行うことが可能な位置に設置されている。パッシブ用読取機30、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70の構成は、第一実施形態と同様である。
図14は、管理システム1aにおいて無線タグのタグIDをデータベースサーバへ登録する際の動作を表すフローチャートである。まず、作業者が、タグIDを登録しようとする対象の無線タグ10aに対して、パッシブ用読取機30で登録操作を行うことにより、図14のフローチャートにおける処理が開始される。この操作は、登録の操作ボタンを作業者が押下することによって行われる(ステップS401)。
登録操作が行われると、パッシブ用読取機30は、近接する無線タグ10aに対して登録指示をパッシブ通信によって送信する。無線タグ10aは、登録指示を受信するまで待機する(ステップS402−NO)。無線タグ10aがパッシブ通信による登録指示を受信すると(ステップS402−YES)、登録指示に応じて無線タグ10aは登録情報をセミパッシブ通信によってセミパッシブ用読取機80に送信する(ステップS403)。
セミパッシブ用読取機80は、登録情報を受信するまでは、タグ情報を受信しつつ待機する(ステップS404−NO)。なお、セミパッシブ用読取機80は、第一実施形態のアクティブ用読取機20と同様に、無線タグ10aからセミパッシブ通信で送信されたタグ情報を受信して、この受信したタグ情報の内容(例えば、パッシブ用読取機30をきっかけとして送信された登録情報や、後述する確認情報)によって、そのタグ情報の内容を制御管理PC40へ伝える。
セミパッシブ用読取機80が登録情報を受信すると(ステップS404−YES)、セミパッシブ用読取機80は受信された登録情報を制御管理PC40へ送信する(ステップS405)。制御管理PC40は、データベースサーバ60の無線タグデータベースを参照することによって、受信した登録情報に含まれるタグIDが未登録のタグIDであるか否か判断する。未登録のタグIDである場合、制御管理PC40は、受信された登録情報の内容を無線タグデータベースに登録する(ステップS407)。一方、登録済みのタグIDである場合、制御管理PC40は、無線タグデータベースにこのタグIDと対応付けて登録されている各項目の値を読み出す(ステップS408)。
ステップS407又はステップS408の処理の後、制御管理PC40は、登録結果又は読み出した各項目の値を、無線LANモデム50を介して、登録情報に含まれるパッシブ用読取機アドレスを送信先として送信する(ステップS409)。パッシブ用読取機30は、制御管理PC40からデータを受信すると、登録結果又は読み出された各項目の値を表示する(ステップS410)。
ステップS410以降の処理は、第一実施形態における図9のステップ201以降の処理と同じである。
管理システム1aによれば、タグIDの登録処理の対象となる無線タグ10aに対し、通信距離が短いパッシブ通信によって登録指示を送信する。そのため、作業者が登録しようとしている無線タグ10aに対してのみ登録指示を送信することが可能となり、作業者が意識していなかった他の無線タグ10aについて登録処理が誤って行われることを防止することが可能となる。
さらに、管理システム1aによれば、登録指示を受信した無線タグ10aは通信距離がパッシブ通信よりも長いセミパッシブ通信によって登録情報を送信する。そのため、一台のセミパッシブ用読取機80によって広範囲に配置された無線タグ10aと通信することが可能となる。
また、管理システム1aによれば、作業者は、パッシブ用読取機30を操作することによって、無線タグ10aを無線タグデータベースに登録する作業と、無線タグ10aと物品との対応付けを対応データベースに登録する作業とを、無線タグ10aが配置されている現場で直ちに行うことが可能となる。
また、確認の対象となる無線タグ10aについて対応データベースの内容を現場で確認することが可能となるため、無線データベースや対応データベースへの登録ミスの確認や訂正も現場で行うことが可能となる。したがって、作業ミスの低減や訂正作業の効率化も図れる。
また、他のパッシブ用読取機30によって登録された内容を確認した後に、その内容を現場で容易に修正することも可能となる。
また、管理システム1aにおいて、図10と同様の流れによって確認処理が行われるように構成されても良い。
<第三実施形態>
図15は、第三実施形態の管理システム1bにおいて用いられる無線タグ10bの構成を表す機能ブロック図である。無線タグ10bは、電池111に代えて電力生成部112を備える点、通信部13に代えて通信部13bを備える点、アクティブ通信用アンテナ151及びパッシブ通信用コイル152に代えてUHF帯パッシブ通信用コイル154を備える点、で第一実施形態における無線タグ10と異なる。
UHF帯パッシブ通信用コイル154は、UHF(Ultra High Frequency)帯を利用して通信を行う。このようにUHF帯を利用して通信するRFIDタグは、一般的にはUHF帯無線ICタグと呼ばれる。そこで、まずUHF帯無線ICタグについて説明する。2005年3月に総務省がUHF帯無線ICタグの実用化を認可する方針を発表し、同年4月から対象のUHF帯周波数が開放された。これにより、UHF帯無線ICタグは、ユビキタスネットワーク社会を実現するツールとして、物流、食品管理、道路・交通など幅広い分野において利活用されていくことが期待されている。
UHF帯無線ICタグは、従来のパッシブ通信を扱う無線ICタグなどと比べ格段に通信距離が長く、5メートル以上の通信も可能である。アメリカでは、国防総省や大手流通業者が納入業者に対しUHF帯無線ICタグの貼付を義務付けているなど、すでに普及がはじまっている。総務省による方針では、無線局免許の取得が必要な高出力タイプ(出力10[mW]超)の無線ICタグが対象となっている。UHF帯無線ICタグに割り当てられる周波数帯は950[MHz]〜956[MHz]だが、実際にはそのうちの952[MHz]〜954[MHz]の帯域が割り当てられ、950[MHz]〜951[MHz]と955[MHz]〜956[MHz]の帯域は、それぞれ両側の周波数帯を使っている携帯電話システムとの干渉を防ぐための空き帯域として確保するとされている。
UHF帯パッシブ用読取機90から無線タグ10bへの通信距離は、数メートルであり、UHF帯パッシブ無線タグ10bからUHF帯パッシブ用読取機90への通信距離とほぼ同じである。
具体的なUHF帯パッシブ通信としては、マイクロ波帯の電波(ARIB規格:RCR STD−1,RCR STD−29,ARIB STD−T81,RCT STD−38)が挙げられる。なお、この場合の通信距離は約5メートルであるが、最近日本でも利用可能となった960[MHz]帯では7メートル〜10メートルの通信距離を持つものもある。
UHF帯パッシブ通信用コイル154は、UHF帯の無線信号の電波を受信すると、受信した電波を電力生成部112へ渡す。また、UHF帯パッシブ通信用コイル154は、受信した電波を通信部13bにも渡す。また、UHF帯パッシブ通信用コイル154は、通信部13bから信号を受けると、この信号をUHF帯の無線信号として送信する。
電力生成部112は、UHF帯パッシブ通信用コイル154が受信した電波エネルギーを受けて電力を生成する。電力生成部112は、生成した電力を、制御部12及び通信部13bへ供給する。
通信部13bは、UHF帯パッシブ通信によって送受信を行う。具体的には、通信部13bは、UHF帯パッシブ通信用コイル154から受信した電波に含まれる信号情報を取り出して、その情報を制御部12へ伝える。また、通信部13bは、制御部12から送信用のデータ(登録情報、確認情報)を受けると、送信用のデータを変調することによって信号を生成しUHF帯パッシブ通信用コイル154から無線送信する。
図16は、第三実施形態における管理システム1bのシステム構成を表す図である。管理システム1bは、複数の無線タグ10b(up−Tag_1、up−Tag_2)、UHF帯パッシブ用読取機90、パッシブ用読取機30、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70を備える。UHF帯パッシブ用読取機90は、無線タグ10bに対しUHF帯の電波を送信し、無線タグ10bがこの電波のエネルギーを用いて送信するUHF帯パッシブ通信の無線信号を受信する。複数の無線タグ10b(up−Tag_1、up−Tag_2)は、いずれもUHF帯パッシブ用読取機90とUHF帯パッシブ通信を行うことが可能な位置に設置されている。パッシブ用読取機30、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70の構成は、第一実施形態と同様である。
また、第一実施形態におけるアクティブ通信とパッシブ通信との関係と同様に、パッシブ用読取機30との通信の場合とUHF帯パッシブ用読取機90との通信の場合とで、無線タグ10bが使用するタグIDは同じである。また、無線タグ10bは、第二実施形態と同様なパッシブ用読取機30のパッシブ通信があるタイミングでUHF帯パッシブ通信によってタグ情報を送信する。なお、第一実施形態のような間欠的な繰り返し送信はしない。
無線タグ10bからUHF帯パッシブ用読取機90への通信距離Rupは数メートルであり、パッシブ用読取機30から無線タグ10bへの通信距離mRupは数センチメートルであり、RupはmRupに比べて長い。
図17は、管理システム1bにおいて無線タグのタグIDをデータベースサーバへ登録する際の動作を表すフローチャートである。まず、作業者が、タグIDを登録しようとする対象の無線タグ10bに対して、パッシブ用読取機30で登録操作を行うことにより、図17のフローチャートにおける処理が開始される。この操作は、登録の操作ボタンを作業者が押下することによって行われる(ステップS501)。
登録操作が行われると、パッシブ用読取機30は、近接する無線タグ10bに対して登録指示をパッシブ通信によって送信する。無線タグ10bは、登録指示を受信するまで待機する(ステップS502−NO)。無線タグ10bがパッシブ通信による登録指示を受信すると(ステップS502−YES)、登録指示に応じて無線タグ10bは登録情報をUHF帯パッシブ通信によってUHF帯パッシブ用読取機90に送信する(ステップS503)。
UHF帯パッシブ用読取機90は、登録情報を受信するまでは、UHF帯無線信号を周囲の無線タグ10bに対して送信し、無線タグ10bからタグ情報を受信しつつ待機する(ステップS504−NO)。なお、UHF帯パッシブ用読取機90においては、第二実施形態のセミパッシブ用読取機80と同様に、無線タグ10cからUHF帯パッシブ情報で送信されたタグ情報を受信して、この受信したタグ情報の内容(例えば、ここでもパッシブ用読取機30をきっかけとして送信された登録情報とか後述する確認情報とか)によって、そのタグ情報の内容を制御管理PC40へ伝える。
UHF帯パッシブ用読取機90が登録情報を受信すると(ステップS504−YES)、UHF帯パッシブ用読取機90は受信された登録情報を制御管理PC40へ送信する(ステップS505)。制御管理PC40は、データベースサーバ60の無線タグデータベースを参照することによって、受信した登録情報に含まれるタグIDが未登録のタグIDであるか否か判断する(ステップS506)。未登録のタグIDである場合(ステップS506−YES)、制御管理PC40は、受信された登録情報の内容を無線タグデータベースに登録する(ステップS507)。一方、登録済みのタグIDである場合(ステップS506−NO)、制御管理PC40は、無線タグデータベースにこのタグIDと対応付けて登録されている各項目の値を読み出す(ステップS508)。
ステップS507又はステップS508の処理の後、制御管理PC40は、登録結果又は読み出した各項目の値を、無線LANモデム50を介して、登録情報に含まれるパッシブ用読取機アドレスを送信先として送信する(ステップS509)。パッシブ用読取機30は、制御管理PC40からデータを受信すると、登録結果又は読み出された各項目の値を表示する(ステップS510)。
ステップS510以降の処理は、第一実施形態における図9のステップ201以降の処理と同じである。
管理システム1bによれば、タグIDの登録処理の対象となる無線タグ10bに対し、通信距離が短いパッシブ通信によって登録指示を送信する。そのため、作業者が登録しようとしている無線タグ10bに対してのみ登録指示を送信することが可能となり、作業者が意識していなかった他の無線タグ10bについて登録処理が誤って行われることを防止することが可能となる。
さらに、管理システム1aによれば、登録指示を受信した無線タグ10bは通信距離がパッシブ通信よりも長いUHF帯パッシブ通信によって登録情報を送信する。そのため、一台のUHF帯パッシブ用読取機90によって広範囲に配置された無線タグ10bと通信することが可能となる。
また、管理システム1bによれば、作業者は、パッシブ用読取機30を操作することによって、無線タグ10bを無線タグデータベースに登録する作業と、無線タグ10bと物品との対応付けを対応データベースに登録する作業とを、無線タグ10bが配置されている現場で直ちに行うことが可能となる。
また、確認の対象となる無線タグ10bについて対応データベースの内容を現場で確認することが可能となるため、無線データベースや対応データベースへの登録ミスの確認や訂正も現場で行うことが可能となる。したがって、作業ミスの低減や訂正作業の効率化も図れる。
また、他のパッシブ用読取機30によって登録された内容を確認した後に、その内容を現場で容易に修正することも可能となる。
また、管理システム1aにおいて、図10と同様の流れによって確認処理が行われるように構成されても良い。
<第四実施形態>
図18は、第四実施形態における管理システム1cのシステム構成を表す図である。管理システム1cは、複数の無線タグ10c(La−Tag_1、La−Tag_2)、アクティブ用読取機20c、パッシブ用読取機30c、制御管理PC40c、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70を備える。無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70の構成は、第一実施形態と同様である。
無線タグ10cは、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)17を備える点で無線タグ10と異なり、他の構成は無線タグ10と同様である。
図19は、管理システム1cにおいて無線タグのタグIDの登録状況を確認する際の動作を表すフローチャートである。まず、作業者が、タグIDを確認しようとする対象の無線タグ10cに対して、パッシブ用読取機30cで確認操作を行うことにより、図19のフローチャートにおける処理が開始される。この操作は、確認の操作ボタンを作業者が押下することによって行われる(ステップS601)。
確認操作が行われると、パッシブ用読取機30は、近接する無線タグ10cに対してパッシブ通信を行う。無線タグ10cは、パッシブ通信を受信するまで待機する(ステップS602−NO)。無線タグ10cがパッシブ通信を受信すると(ステップS602−YES)、無線タグ10cはパッシブ通信により、ROM14に記憶されているタグIDを送信し、パッシブ用読取機30cがタグIDを受信する(ステップS603)。
パッシブ用読取機30cは、無線LAN通信を行うことによって、無線LANモデム50及びLAN70を介して制御管理PC40cにタグIDを送信する(ステップS604)。なお、パッシブ用読取機30cは、制御管理PC40cのアドレスを予め記憶しており、このアドレスを送信先としてタグIDを送信する。
制御管理PC40cは、データベースサーバ60にアクセスし、受信されたタグIDが対応データベースに登録されているか否か確認する。受信されたタグIDが登録済みであった場合(ステップS605−YES)、制御管理PC40は、受信されたタグIDを含むLED点灯指示を生成し、LED点灯指示をアクティブ用読取機20cに送信する(ステップS606)。このとき、制御管理PC40は、各アクティブ用読取機20cのアドレスとその設置場所とを対応付けたテーブルを予め記憶しており、データベースサーバ60の無線タグデータベースにおいて、LED点灯指示に含まれるタグIDに対応付けられている登録場所(設置場所)に対応するアクティブ用読取機20cのアドレスを送信先としてLED点灯指示を送信する。
アクティブ用読取機20cは、LED点灯指示を受信すると、このLED点灯指示をアクティブ通信により無線タグ10cに対して送信する(ステップS607)。ここで、アクティブ用読取機20cから無線タグ10cへ送信されるアクティブ通信は、LED点灯指示の情報が付加された図4(b)に示す確認情報フォーマットである。この確認情報フォーマットの中で、LED点灯指示の情報が追加される位置は、例えばパッシブ用読取機アドレスとタグIDとの間に設けられても良い。そして、LED点灯指示を受信した無線タグ10cの制御部12は、LED点灯指示に含まれるタグIDと自装置のROM14に記憶されるタグIDとを比較し、一致しない場合はなにもせず、一致した場合はLED17を点灯させる。
ステップS605の処理において、タグIDが未登録であった場合(ステップS605−NO)、制御管理PC40cは、タグIDを送信してきたパッシブ用読取機30cに対し、タグIDが未登録であることのメッセージと、この無線タグ10cを新規に登録することを促すメッセージとを送信する。このとき、制御管理PC40は、ステップS604の処理においてタグIDとともにパッシブ用読取機30cから送信されるパッシブ用読取機30cのアドレスを送信先としてメッセージを送信する。そして、パッシブ用読取機30cは、このメッセージを受信し表示する(ステップS608)。
<第五実施形態>
図20は、第五実施形態における管理システム1dのシステム構成を表す図である。管理システム1dは、複数の無線タグ10d(va−Tag_1、va−Tag_2)、アクティブ用読取機20、携帯端末100、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70を備える。アクティブ用読取機20、制御管理PC40、無線LANモデム50、データベースサーバ60、LAN70の構成は、第一実施形態と同様である。
無線タグ10dは、振動センサ18を備える点で無線タグ10と異なり、他の構成は無線タグ10と同様である。振動センサ18は、特定の振動を感知した場合、アクティブ通信によって確認情報を送信する。
無線タグ10dの制御部12は、確認情報に、センサ情報を加える。つまり図3(a)に示すタグ情報のフォーマットにセンサ情報が追加される。このセンサ情報の追加位置は、例えばタグIDとEOFとの間に設けられても良い。センサ情報は、数ビットで構成される。センサ情報は、振動センサ18が所定の振動を感知したか否かを表す。例えば、感知したか否かを表す情報としては、振動センサ18が振動を検知した場合には“1”を有し、振動センサ18が振動を検知していない場合には“0”を有する。
図21は、振動センサ18が感知する振動パターンを表す図である。パターンA(確認)は、横軸を左から右方向へ時間経過を示し、矩形を描いた位置で振動ありを表している。矩形の時間幅はtとして、例えばt=300[msec]であり、ある振動が存在することを示す矩形から次の矩形までの時間はsとする。例えば、図21ではs=t=300[msec]としている。このパターンAにおいては、最初に1.2[sec]を超える時間に、つまり>2(t+s)の時間には振動はなく、続く300[msec]つまり矩形で示すt時間の間に振動があり、t+2sに当たる900[sec]の時間は振動がなく、そしてt時間の間の振動とs時間の間に振動がないことが繰り返され、この繰り返しで3度の振動があって、最後に>2(t+s)の時間には振動がない。振動センサ18は、このようなパターンAの振動が感知した場合、制御部12は確認情報をアクティブ通信で送信する。
振動Aは、パターンAが矩形の有無で示している振動を、無線タグ10dに加えられる振動の波形として改めて示したものである。パターンAに示す矩形の時間内に、振動Aは無線タグ10dに与えられた振動の波形を示す。
パターンB(登録)は、先に説明したパターンA(確認)と同様な表示であるので、その表示についての説明は省略する。このパターンBにおいては、最初に1.2[sec]を超える時間、つまり>2(t+s)の時間には振動はなく、この部分もパターンA(確認)と同じである。続く300[msec]つまり矩形で示すt時間の間に振動ありと、s時間の(300[msec])間に振動がないことが2度繰り返される。さらにその後t+2sに当たる900[sec]の時間は振動がなく、そして前にあったt時間の間の振動とs時間の間に振動がないことが再び2度繰り返される。また最後にパターンA(確認)と同じく>2(t+s)の時間には振動がない。以上のようなパターンBの振動が与えられたら、これを無線タグに搭載された振動センサが検知し、登録の合図として認識する。
振動Bは、振動Aと同様に、パターンB(登録)が矩形の有無で示している振動を、無線タグ10dに加えられる振動の波形として改めて示したものである。パターンBに示す矩形の時間間隔内に、振動Bでは無線タグ10dに与えられる振動の波形を示す。
一般的な振動は、振動Aおよび振動Bと認識されないものである。先の振動Aおよび振動Bとこの一般的な振動との違いとしては、決められた振動がある前後に振動がない時間の有無や決められた時間間隔での特定の振動パターンの有無である。図21に示すように、一般的な振動では、振動がない時間や特定の振動パターンは何れも現れないし、仮にそれらの一方が現れたとしても両方が揃うことは確率的に相当に低い。従って、振動A及び振動Bは、無線タグ10bの振動センサ18及び制御部12によってそれぞれ認識され、一般的な振動と区別される。
携帯端末100は、予め無線LANを介して制御管理PC40に対し自装置のアドレスを送信する。そして、制御管理PC40は、携帯端末100からアドレスを受信した後、所定時間内にアクティブ用読取機20から登録情報を受信した場合に、この登録情報と、受信されたアドレスとを対応付けてデータベースへの登録を行う。この場合、第一実施形態におけるパッシブ用読取機アドレスに代えて、携帯端末100のアドレスが用いられる。
図22は、管理システム1dにおいて無線タグのタグIDの登録状況を確認する際の動作を表すフローチャートである。まず、作業者が、タグIDを確認しようとする対象の無線タグ10dに対して、確認パターン(パターンA)の振動を与えることによって、図22のフローチャートにおける処理が開始される(ステップS701)。
なお、無線タグ10dは、確認パターンの振動を検知するまで待機する(ステップS702−NO)。無線タグ10dが確認パターンの振動を検知すると(ステップS702−YES)、無線タグ10dは確認情報をアクティブ通信によってアクティブ用読取機20に送信する(ステップS703)。ここでのアクティブ通信による確認情報は、先述したセンサ情報が追加される図3(a)に示す確認情報フォーマットである。このセンサ情報は数ビットで構成され、図3(a)に示す確認情報フォーマット内で、センサ情報の追加位置は、例えばタグIDとEOFとの間に設けられても良い。
アクティブ用読取機20は、確認情報を受信するまでは、定期的にタグ情報を受信しつつ待機する(ステップS704−NO)。なお、アクティブ用読取機20は、タグ情報を受信した場合には、受信されたタグ情報の内容を制御管理PC40へ送信する。ここでアクティブ用読取機20から制御管理PC40への情報は、図4(b)に示す確認情報フォーマットにセンサ情報が追加されたものである。この確認情報フォーマット内でセンサ情報の追加位置は、例えばタグIDとEOFとの間に設けられても良い。このセンサ情報は、例えば数ビットで構成される。
アクティブ用読取機20が確認情報を受信すると(ステップS704−YES)、アクティブ用読取機20は受信された確認情報を制御管理PC40へ送信する(ステップS705)。制御管理PC40は、データベースサーバ60の対応データベースを参照することによって、受信した確認情報に含まれるタグIDが対応データベースに対して未登録のタグIDであるか否か判断する(ステップS706)。
登録済みのタグIDである場合(ステップS706−YES)、制御管理PC40は、対応データベースにこのタグIDと対応付けて登録されている各項目の値(情報)を読み出し(ステップS707)、携帯端末100に対し読み出した情報を、無線LANモデム50を介して送信する(ステップS708)。そして、携帯端末100は、受信した情報を表示する。
一方、未登録のタグIDである場合(ステップS706−NO)、制御管理PC40は、未登録であることを携帯端末100に、無線LANモデム50を介して通知する(ステップS709)。そして、携帯端末100は、未登録である旨を表示する(ステップS710)。
第五実施例のように構成されることにより、パッシブ通信を用いることなく、無線タグ10dに対して確認指示や登録指示を与えることが可能となる。
なお、無線タグ10dは、振動センサ18に加えて他のセンサをさらに備えても良い。例えば、無線タグ10dは、温度センサを備えるように構成されても良い。この場合、無線タグ10dの制御部12は、確認情報に温度センサによる測定結果を含めて送信する。そして、制御管理PC40は、無線タグデータベースや物品データベースや対応データベースのいずれか又は複数に対し、無線タグIDに対応付けて温度センサによる測定結果を登録する。
また、無線タグ10dの制御部12は、振動センサ18が図21のパターンBを検知した場合には、登録情報をアクティブ通信によって送信するように構成されても良い。この場合、携帯端末100は、予め無線LANを介して制御管理PC40に対し自装置のアドレスを送信する。そして、制御管理PC40は、携帯端末100からアドレスを受信した後、所定時間内にアクティブ用読取機20から登録情報を受信した場合に、この登録情報と、受信されたアドレスとを対応付けてデータベースへの登録を行う。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
10…無線タグ、 111…電池、 112…電力生成部、 12…制御部、 13…通信部、 131…通信送信部、 132…通信受信部、 14…ROM、 151…アクティブ通信用アンテナ、 152…パッシブ通信用コイル、 153…兼用コイル、 154…UHF帯パッシブ通信用コイル、 17…LED、 18…振動センサ、 20…アクティブ用読取機、 30…パッシブ用読取機、 40…制御管理PC、 50…無線LANモデム、 60…データベースサーバ、 70…LAN(ルータ)、 80…セミパッシブ用読取機、 90…UHF帯パッシブ用読取機、 100…携帯端末