JP5137539B2 - 超電導ケーブルの接続方法 - Google Patents

超電導ケーブルの接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力ケーブル等に適用可能な酸化物超電導導体の接続方法に係り、特に、超電導ケーブルの終端接続部及び中間接続部において接続を行う方法に関する。
超電導ケーブルは、フォーマ、超電導導体層、電気絶縁層、超電導シールド層及び保護層を備えるケーブルコアと、このケーブルコアを内部に収納する断熱管とから構成されている。断熱管は、内管と外管からなる二重の可撓性同軸管を用い、これら内管及び外管の間に断熱層を配置して、内管及び外管間の空間が真空引きされて断熱性が高められている。超電導ケーブルが使用可能となる超電導状態では、ケーブルコアと断熱管の内管との間の空間が液体窒素等の冷媒で充填され、これによりケーブルコア及び内管が極低温状態に冷却されている。
以上のように構成される超電導ケーブルにおいて、フォーマは、フレキシブル性と超電導の臨界電流を超える過大電流が流れたときのバイパスとしての機能をもたせるために、複数の銅素線を撚り合せた撚線構造がとられている。また、フォーマを構成する銅素線は、交流損失低減のために、好ましくは素線の外側を1本1本絶縁されたものが用いられている。
このような超電導ケーブルを実際に布設する場合、200mから500mの長さのケーブルを中間接続部で接続して、長距離の布設を行うことになる。中間接続部において超電導ケーブルを接続する際、突き合せたケーブルコアの端部において各層を段剥ぎし、露出したフォーマ同士を付き合わせ、圧縮スリーブを介して圧縮接続したり、溶接接続することが行われる。圧縮接続の場合においては、接続するフォーマは、一旦、素線の撚りを解き、素線の絶縁被覆を除去した後、素線の撚り戻しを行い、その状態でフォーマ端部に圧縮スリーブをはめ込んで、圧縮接続が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−302674号公報
しかし、上記のようにフォーマを接続するための従来の端末処理技術では、一旦素線の撚りを解いて素線の絶縁被覆を除去してから素線の撚り戻しを行うと、撚りを解いた際に素線に加わる曲げなどのために、撚り戻した後のフォーマは素線間に隙間が生じてフォーマの外径が大きくなるという問題があった。フォーマの外径が大きくなると、その外側に巻きつけられる超電導線が、フォーマの径に沿って曲げられ、局所的な曲げ応力が加わり、超電導性能が劣化するという問題があった。
また、超電導導体の外側に、絶縁体を構成するために補強絶縁紙を巻きつけるが、フォーマ径の変化する部分において、絶縁紙と導体の間に隙間が生じて、そこで部分放電などが生じ、絶縁性能を大幅に低下させるという問題があった。
また、素線の絶縁被覆の除去の方法としては、薬品による絶縁材の溶解による方法、サンドブラスターを用いた機械的な除去が行われるが、どちらの方法も中間接続作業時間の長時間化、作業環境の悪化、接続後に残留する薬品やサンドが電気絶縁性能を劣化させケーブルとしての信頼性を落とす原因になる問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされ、フォーマの素線の撚りを解くことなく、また素線の絶縁被覆を一本一本除去することなく、フォーマ同士を接続することが可能であり、そのため、超電導特性の劣化や電気絶縁性の信頼性の低下を生ずることがなく、短時間での接続作業で実施可能な超電導ケーブルの接続方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、絶縁被覆した導体線を複数本撚り合せてなるフォーマ、超電導導体層、絶縁層、シールド層、及び保護層を同心状に中心から外側に順次配置してなる超電導ケーブルコアを備える超電導ケーブルの接続方法において、前記超電導ケーブルコアの端部の各層を外側から順次段剥ぎして、前記接続端部からフォーマ、超電導導体層、絶縁層、シールド層、及び保護層の順に、所定領域を露出した構造を提供する工程、撚り合わせを解くことなく、前記露出したフォーマの先端に傾斜面を成形する工程、前記フォーマの先端より所定の領域の前記フォーマ表面の絶縁被覆を除去する工程、前記フォーマの先端に成形した傾斜面部分の先端同士を突合せる工程、前記突合された部分に、前記フォーマの材料を含む溶接金属を埋めることにより、前記フォーマの接続端部を溶接する工程、前記溶接されたフォーマの接続部の周囲を、その径が接続部以外の部分のフォーマ径と同径とし、前記接続部に段差を生じさせないようにする工程、及び前記超電導導体層同士を接続する工程を具備することを特徴とする超電導ケーブルの接続方法を提供する。
以上のように構成される超電導ケーブルの接続方法において、前記露出したフォーマの先端に傾斜面を成形する工程として、前記露出したフォーマの先端を、斜めにカットすることが出来る。或いは、前記露出したフォーマの先端を、両側面から斜めにカットし、くさび型の形状とすることが出来る。或いはまた、前記露出したフォーマの先端を円錐状とすることが出来る。
前記先端に傾斜面を成形したフォーマの露出した領域の長さは、150mm以上とすることが出来る。また、前記フォーマ表面の絶縁被覆を除去する領域は、先端より50〜100mmとすることが出来る。この場合、前記フォーマ表面の絶縁被覆を除去する工程は、前記先端より50〜100mmの領域のフォーマの表面を焼いた後に、焼却残渣を除去するものとすることが出来る。
前記導体線は銅からなり、前記溶接金属は銅または銅合金からなるものとすることが出来る。
前記溶接されたフォーマの接続部の周囲を、その径が接続部以外の部分の径と同様となるように研磨する工程を更に具備することが出来る。
前記超電導導体層同士を接続する工程は、前記溶接されたフォーマの接続部上に超電導テープを巻きつけることにより行なうことが出来る。
前記超電導導体層の接続部上に補強絶縁紙を巻きつけて、所定の絶縁厚さとして絶縁層を形成することが出来る。
本発明によると、フォーマの接続に際し、フォーマの素線の撚りを解くことがないので、撚りを解くことにより生じる素線の曲がりにより巻き戻したときの避けられることができないフォーマの直径の変化が生じることを無くすことができる。その結果、フォーマの接続部の外径をフォーマの外径と同等に形成することができ、その上に巻きつける超電導テープに接続部周辺で径の変化に伴う曲げを与えることがないので、超電導テープの性能を劣化させずに接続することができる。
また、その上の絶縁層についても、超電導層が連続して平滑であることから、超電導層と絶縁層の間に隙間が生じることがなく、隙間で電界集中して部分放電などの電気絶縁の信頼性を損なう現象を防止することができる。
また、傾斜面を成形したフォーマの先端を突き合わせ、その周囲に溶接金属を埋めて、素線の端部断面で溶解接続することで、二つのフォーマの接続端部と溶接金属が金属組成的に一体化して、良好な電気接続及び機械接続を行うことができる。
また、接続するフォーマの被覆絶縁を一本一本除去する工程を省略できることで、接続作業時間の大幅な短縮を図ることができる。
更に、一本一本の素線の絶縁被覆除去を行わないことにより、従来、被覆を除去するために使用していた薬品や研磨剤を使う必要がないことで、環境的にも悪影響がなく、それらの除去材がケーブル内部に残留して電気絶縁的な信頼性を落とす原因を無くすことができるという効果もある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の一実施形態に係る超電導ケーブルの接続方法として、中間接続部で接続する超電導ケーブルの構成を、図2を参照して説明する。
図2において、超電導ケーブルは、その断面中心から外側に積層された、フォーマ1、超電導導体層2、絶縁層3、シールド層4、及び保護層5からなる超電導ケーブルコア8が、断熱管6内に収納された構造を有している。
フォーマ1は、エナメル絶縁、ホルマル絶縁などによって絶縁被覆された導体線を多層に撚り合されて構成される。この導体線としては、銅線、アルミ線や強度を目的とした銅合金線を用いることができ、銅線が最も好ましい。超電導導体層2は、フォーマ1上に超電導線材を多層に螺旋状に巻回することにより構成される。この超電導線材は、銀マトリクス中にBi2223(BiSrCaCu3x)系超電導フィラメントが多数本埋め込まれて形成されるBi超電導線でも、金属基板上にYBCO(YBa2Cu3Ox)超電導薄膜を形成したYBCO超電導線でもよく、両者ともテープ状のものである。なお、用いる超電導線としては、Bi2223系やYBCOに限らず、テープ状の線材であればよい。絶縁層3は、絶縁紙、絶縁紙とポリプロピレンフィルムとを接合した半合成紙、高分子不織テープなどを超電導導体層2上に巻回することにより構成される。また、シールド層4は、超電導導体層2に用いたものと同様の超電導線材を絶縁層3上に多層にらせん状に巻回することにより構成され、保護層5は、絶縁紙、高分子不織布、金属テープと絶縁紙や高分子不織布の積層などをシールド層4上に巻回することにより構成される。
以上のように構成される超電導ケーブルコアを収納する断熱管6は、ステンレスまたはアルミからなる内管6aと外管6cとを同心配置し、それらの間にスーパーインシュレーションやアルミ蒸着フィルムなどの絶縁材6bを介在させて構成され、熱絶縁性能を向上させるために、外管と内管の間を真空排気している。
次に、上記の超電導ケーブル同士を、中間接続部において接続するプロセスについて、図1を参照して説明する。なお、図1では、断熱管を省略して、超電導ケーブルコアのみを図示している。
超電導ケーブル同士を接続する際、まず、超電導ケーブル端部から超電導ケーブルコア8を、断熱管から一定長さだけ突き出して、露出させる。次いで、接続されるケーブルコア8の先端から順に段剥ぎする。即ち、ケーブルコア8の先端のフォーマ1a,1b、超電導導体層2a,2b、絶縁層3a,3b、超電導シールド層4a,4b、保護層5a,5bの各層を、最も外側の保護層5a,5bから順次所定の長さだけ剥ぐことにより、各層を露出させる。なお、フォーマ1a,1bの露出長さは、溶接時の銅を溶解する温度に対して、その外側の層である超電導層が高温にならない程度の長さ(150〜200mm)とすることが望ましい。
次に、フォーマ1a,1bの露出した部分の絶縁被覆を、トーチバーナーやTig溶接機を用いたアークなどを用いて、先端から100mmの範囲で十分に焼く。その後、フォーマの1a,1bの焼いた外面をワイヤーブラシ、スチールウール、ヤスリなどでこすり、焼却付着物を除去する。フォーマの中心まで十分に熱が伝わることで、フォーマ内部の絶縁被覆された良導体の絶縁被覆も十分に焼かれて炭化して、銅線表面に固着固定され、次の溶接工程で溶接部に絶縁被覆材料が混入する事も無く、良好な溶接ができる。
その後、図3に示すように、フォーマ1a,1bの絶縁被覆が除去された部分7aの先端を45度の角度でカットして、撚り合された素線の金属断面を露出させる。図中、参照符号7bは、フォーマ1a,1bの絶縁被覆が施された部分を示す。なお、本実施形態では、フォーマ1a,1bの部分7aの先端を、一方から他方に斜め45度(フォーマの長手方向に対する角度)でカットしたが、図4に示すように、両側から斜め45度にカットし、くさび型とする方法や、図5に示すように、円錐状とする方法によっても、本実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
また、カットする角度は、45度に限ることはなく、溶接時に溶融した溶接材料が隙間無く十分に充填する角度で30〜60度の範囲で適宜選択することが出来る。カットする角度が大き過ぎる場合には、溶接部の長さが長くなり,小さ過ぎる場合には、溶接金属を溶かしてフォーマ母材に接続する為の溶接トーチが2本のフォーマの間に入らずに十分な溶け込みが出来なくなり、好ましくない。
なお、これらのフォーマ1a,1bの先端のカットは、絶縁被覆を焼く前に行なうことも可能であり、その順番は問わない。
図3及び図4に示すように、フォーマ1a,1bの先端を斜めにカットする方法として、グラインダーで切削する方法や金属切断用のこぎりなどで切る方法を挙げることができる。また、図5に示すように、フォーマ1a,1bの先端を円錐状に成形する方法として、グラインダーで切削する方法、切断後端面をやすりで成形する方法を挙げることができる。
次に、カットしたフォーマ1a,1bの先端を突き合せ、引き続き、溶接を行う。溶接は、ガス溶接、アーク溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接などの方法を採用することが出来る。溶接は、フォーマ1a,1bの端部と溶接材料1cを溶解して、突き合された接続部、即ち、V字型断面の部分を埋めることにより行う。
使用する溶接材料1cは、フォーマを構成する金属材料の少なくてもひとつを含むことが望ましい。例えば、フォーマ1a,1bとして銅素線を撚り合せたものを用いた場合、溶接材料1cとしては、銅、銅銀合金などを用いることが出来る。
溶接に際しては、熱がフォーマ1a,1bを伝わって、超電導導体層2a,2b、絶縁層3a,3bなどに伝わり、これらの層が高熱になることで、超電導線や絶縁紙が焼損や熱劣化することがないように、フォーマ1a,1bの先端と超電導線までの間に、冷却装置を取り付けて冷却してもよい。
フォーマ1a,1bの先端を突合せ溶接した後、溶接部が盛り上がってフォーマの外径より太くなる場合があるが、そのような太い部分は、ヤスリやグラインダーなどを用いて削り、接続部の直径をフォーマ1a,1bの本体部の直径と一致させて、接続部で段差などが生じないようにすることが望ましい。
超電導ケーブルの中間接続部では、その後、フォーマ1a,1bの上の超電導導体層2a,2bを、それぞれ1本ずつ半田付けすることにより接続する。このとき、突合された超電導導体層2a,2bの間を、新しい接続用超電導線2cでつないでもよい。
次に、接続された超電導導体層2a,2b上の、絶縁層が除去されている位置に、空間が形成されることのないように絶縁紙を巻きつけて、補強用絶縁層3cを形成する。補強用絶縁層3cの外径を、接続部以外のケーブル部の絶縁層3a,3bの外径とほぼ同等もしくはそれ以上にすることで、ケーブル部と同等の十分な絶縁特性を得ることができる。
その後、絶縁層3c上で、超電導導体層同士を接続したのと同様に、超電導シールド層4a,4bを接続用超電導シールド層4cを介して接続し、さらに保護層5a,5bを接続用保護層5cを介して接続することで、中間接続部における超電導ケーブルの接続が完了する。
(実施例)
2本の超電導ケーブルA,Bを用いて接続を以下のように行った。なお、超電導ケーブルA,Bは、図2の構成のように、表面がエナメル絶縁によって絶縁被覆された銅線を複数本撚り合わせた直径(20mm)のフォーマ1a,1b、テープ状のYBCO超電導線を複数本互いに並行に配置させた超電導導体層2a,2b、絶縁紙(クラフト紙)からなる絶縁層3a,3b、超電導導体層2a,2bと同じテープ状のYBCO超電導線を複数本互いに並行に配置させたシールド層4a,4b、及び絶縁紙(クラフト紙)からなる保護層5a,5bが同心状に中心から外側に順次配置してなる超電導ケーブルコア8が、ステンレスからなる内管6aと外管6cとを同心配置し、それらの間をスーパーインシュレーションの絶縁材6bを介在させて構成された断熱管6に収納されている。
まず、超電導ケーブルA,Bそれぞれの端部から超電導ケーブルコア8を、断熱管6から一定長さ(700mm)だけ突き出して、露出させた。
次いで、接続されるケーブルコア8の先端から、ケーブルコア8の先端のフォーマ1a,1b、超電導導体層2a,2b、絶縁層3a,3b、超電導シールド層4a,4b、保護層5a,5bと、最も外側の保護層5a,5bから順次所定の長さだけ剥ぐことにより、各層を露出させた。このときの露出長さは、フォーマ1a,1bは250mm、超電導導体層2a,2bは100mm、絶縁層3a,3bは50mm、超電導シールド層4a,4bは100mm、保護層5a,5bは50mmとした。このときのフォーマの露出長さが150mm以下の場合には、溶接時の銅を溶解する温度(約1100℃)に対して、その外側の層である超電導層が高温になってしまい、好ましくない。また、露出長さが400mm以上の場合には、接続部の長さが長くなるという問題が生じてしまう。
次に、フォーマ1a,1bの露出した部分の絶縁被覆を、プロパンやブタンガスを用いたバーナーを用いて、先端から100mmの範囲で十分に焼き、その後、フォーマの1a,1bの焼いた外面をワイヤーブラシやスチールウールなどでこすり、焼却付着物を除去した。このときの焼く範囲は、100mmより長いと、超電導層、絶縁層、シールド層を高温にして、それぞれの性能を劣化させるという問題が生じ、また、50mm未満の場合には、フォーマの内部まで十分に熱が伝わらず、内部の導体線の絶縁被覆が残ってしまい、次の工程の溶接時に絶縁被覆が溶け出してまたは燃えて溶接部に混入して溶接不良をおこすという問題が生じるため、好ましくは50〜100mmの範囲である。この場合、フォーマの中心まで十分に熱が伝わることで、フォーマ内部の絶縁被覆された良導体(銅線)の絶縁被覆も十分に焼かれて炭化して、銅線表面に固着固定され、次の溶接工程で溶接部に絶縁被覆材料が混入する事も無く、良好な溶接ができる。
その後、図3に示すように、フォーマ1a,1bの絶縁被覆が除去された部分7aの先端を約45度の角度でカットして、撚り合された素線の金属断面を露出させた。なお、部分7aのカットは、金属が切断できる電動のこぎりで、のこぎりの歯を斜め45度に傾けて行った。
次に、カットしたフォーマ1a,1bの先端を突き合せ、溶接を行った。このときの溶接は、Tig溶接によって行った。溶接は、フォーマ1a,1bの端部と溶接材料1c(純銅線)を溶解して、突き合された接続部、即ち、V字型断面の部分を埋めることにより行った。
フォーマ1a,1bの先端を突合せ溶接した後、溶接部が盛り上がってフォーマの外径より太くなった部分を、ヤスリを用いて削り、接続部の直径をフォーマ1a,1bの本体部の直径と一致させて、接続部で段差などが生じないようにした。
その後、フォーマ1a,1bの上の超電導導体層2a,2bのYBCO超電導線を、それぞれ1本ずつ半田付けすることにより接続用超電導導体層2cを形成し超電導導体層2a,2bを接続した。
次に、接続された超電導導体層2a,2b上の、絶縁層が除去されている位置に、空間が形成されることのないように絶縁紙(半合成紙(PPL紙))を巻きつけて、補強用絶縁層3cを形成し、絶縁層3a、3bを接続した。このとき、補強用絶縁層3cの外径は、接続部以外のケーブル部の絶縁層3a,3bの外径(32mm)と同等の32mmとした。
その後、絶縁層3c上で、超電導導体層2a,2b同士を接続したのと同様に、超電導シールド層4a,4bのYBCO超電導線を、それぞれ1本ずつ半田付けすることにより接続用超電導シールド層4cを形成し、超電導シールド層4a,4bを接続し、さらに保護層5a,5bは絶縁層3cと同様に絶縁紙(半合成紙(PPL紙))を巻きつけて、接続用保護層5cを形成し、保護層5a,5bを接続したことで、中間接続部における超電導ケーブルの接続が完了した。なお、断熱管6の接続は、断熱管を除去した長さと同じ長さのステンレス製の半割パイプを用意して、その間にはめ合わせて、液体窒素が漏れないように溶接で接続を行った。
以上の実施形態の接続方法において、接続前にフォーマの接続端部の撚りを戻さないことにより、フォーマの外径を同径に維持して接続することができ、それによって、中間接続部をコンパクトにすることが可能となった。また、フォーマの上層の超電導導体層の接続においても、接続部におけるフォーマの外周に段差がないため、超電導線は、局所的な曲げなども無く、ケーブル本体部分と同じ電流容量の通電が可能であり、接続後のケーブルのIc測定の結果、導体部分のIcとほぼ同じ電流を1μΩ以下の抵抗で流すことができ、Ic低下などの不具合がなかった。
また、絶縁紙を緻密に導体層上に巻きつけることが出来るので、接続後のケーブル試験としての商用周波数課電試験において、部分放電や絶縁破壊などもなく実施することが出来た。更に、従来、被覆を除去するために使用していた薬品や研磨剤を使用する必要がないので、環境への影響も少ない。更にまた、放電開始の核となるものが減少することで、電気絶縁性能の長期信頼性を向上することができた。
なお、以上の実施形態では、中間接続部における超電導ケーブルの接続について説明したが、本発明は、これに限らず、終端接続部の端部における接続にも、同様に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る超電導ケーブルの接続方法により接続された、超電導ケーブルの中間接続部を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係る超電導ケーブルの接続方法に供される超電導ケーブルの接続端部の段剥ぎした状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超電導ケーブルの接続方法に供される超電導ケーブルのフォーマの接続端部を斜めに45度にカットした状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超電導ケーブルの接続方法に供される超電導ケーブルのフォーマの接続端部を、両側から45°にカットしたくさび型状にカットした状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超電導ケーブルの接続方法に供される超電導ケーブルのフォーマの接続端部を、円錐状に成形した状態を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b…フォーマ、1c・・・溶接金属、2,2a,2b・・・超電導導体層、2c・・・接続用超電導導体層、3,3a,3b・・・絶縁層、3c・・・補強用絶縁層、4,4a,4b・・・超電導シールド層、4c・・・接続用超電導シールド層、5,5a,5b・・・保護層、5c・・・接続用保護層、6・・・断熱管、6a・・・内管、6b・・・断熱材、6c・・・外管、7a・・・外周の絶縁を除去されたフォーマ部、7b・・・絶縁被覆されたフォーマ部、8・・・超電導ケーブルコア。

Claims (10)

  1. 絶縁被覆した導体線を複数本撚り合せてなるフォーマ、超電導導体層、絶縁層、シールド層、及び保護層を同心状に中心から外側に順次配置してなる超電導ケーブルコアを備える超電導ケーブルの接続方法において、
    前記超電導ケーブルコアの端部の各層を外側から順次段剥ぎして、前記接続端部からフォーマ、超電導導体層、絶縁層、シールド層、及び保護層の順に、所定領域を露出した構造を提供する工程、
    撚り合わせを解くことなく、前記露出したフォーマの先端に傾斜面を成形する工程、
    前記フォーマの先端より所定の領域の前記フォーマ表面の絶縁被覆を除去する工程、
    前記フォーマの先端に成形した傾斜面部分の先端同士を突合せる工程、
    前記突合された部分に、前記フォーマの材料を含む溶接金属を埋めることにより、前記フォーマの接続端部を溶接する工程
    前記溶接されたフォーマの接続部の周囲を、その径が接続部以外の部分のフォーマ径と同径とし、前記接続部に段差を生じさせないようにする工程、及び
    前記超電導導体層同士を接続する工程
    を具備することを特徴とする超電導ケーブルの接続方法。
  2. 前記露出したフォーマの先端に傾斜面を成形する工程は、前記露出したフォーマの先端を、斜めにカットすることからなる請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  3. 前記露出したフォーマの先端に傾斜面を成形する工程は、前記露出したフォーマの先端を、両側面から斜めにカットし、くさび型の形状とすることからなる請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  4. 前記露出したフォーマの先端に傾斜面を成形する工程は、前記露出したフォーマの先端を円錐状とすることからなる請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  5. 前記先端に傾斜面を成形したフォーマの露出した領域の長さは、150mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  6. 前記フォーマ表面の絶縁被覆を除去する領域は、先端より50〜100mmであることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  7. 前記フォーマ表面の絶縁被覆を除去する工程は、前記先端より50〜100mmの領域のフォーマの表面を焼いた後に、焼却残渣を除去することからなる請求項3に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  8. 前記導体線は銅からなり、前記溶接金属は銅または銅合金からなる請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  9. 前記超電導導体層同士を接続する工程は、前記溶接されたフォーマの接続部上に超電導テープを巻きつけることからなる請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
  10. 前記超電導導体層の接続部上に補強絶縁紙を巻きつけて、所定の絶縁厚さとして絶縁層を形成することからなる請求項1に記載の超電導ケーブルの接続方法。
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