以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係わる画像処理システム10の一例を示す。画像処理システム10は、以下に説明するように、監視システムとして機能することができる。
画像処理システム10は、監視対象空間150を撮像する複数の撮像装置100a−d(以下、撮像装置100と総称する。)、撮像装置100により撮像された撮像画像を処理する画像処理装置120、通信ネットワーク110、画像処理装置170、画像DB175、および複数の表示装置180a−d(以下、表示装置180と総称する。)を備える。画像処理装置170および表示装置180は、監視対象空間150と異なる空間160に設けられている。
撮像装置100aは、撮像部102aおよび撮像画像圧縮部104aを有している。撮像部102aは、連続して監視対象空間150を撮像することによって複数の撮像画像を撮像する。なお、撮像部102aにより得られる撮像画像は、RAW形式の撮像画像であってよい。撮像画像圧縮部104aは、撮像部102aにより撮像されたRAW形式の撮像画像を同時化して、同時化して得られた複数の撮像画像を含む撮像動画をMPEG符号化等により圧縮して、撮像動画データを生成する。このように、撮像装置100aは、監視対象空間150を撮像して得られた撮像動画を符号化して撮像動画データを生成する。撮像装置100aは、当該撮像動画データを画像処理装置120に出力する。
なお、撮像装置100b、撮像装置100c、および撮像装置100dは、それぞれ撮像装置100aと同様の構成を有するので、撮像装置100b、撮像装置100c、および撮像装置100dの各構成要素の説明を省略する。このようにして、画像処理装置120は、複数の撮像装置100のそれぞれにより生成された撮像動画データを、複数の撮像装置100のそれぞれから取得する。
そして、画像処理装置120は、撮像装置100から取得した撮像動画データを復号して撮像動画を取得する。画像処理装置120は、取得した撮像動画に含まれる複数の撮像画像のそれぞれから、人物130が撮像された領域、車輌等の移動体140が撮像された領域等のように、特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出する。そして、画像処理装置120は、特徴の種類に応じた強度で特徴領域の画像を圧縮するとともに、特徴領域以外の領域の画像を、それぞれの特徴領域の画像を圧縮する圧縮強度より強い強度で圧縮する。
なお、画像処理装置120は、特徴領域以外の領域の画素を間引くとともに、特徴領域以外の領域のフレームレートを特徴領域より低くすることによって、撮像動画を圧縮する。このとき、画像処理装置120は、特徴領域以外の領域の画素を間引く位置を、撮像画像毎にシフトさせる。このため、画像処理装置120によると、異なる位置の画素を出力することができる。このため、同じ位置の画素を間引く場合に比べて、空間解像度の低下量を抑えることができる。
なお、画像処理装置120は、撮像画像から検出された特徴領域を特定する情報を含む特徴領域情報を生成する。そして、画像処理装置120は、特徴領域情報を圧縮動画データに付帯して、通信ネットワーク110を通じて画像処理装置170に送信する。
画像処理装置170は、特徴領域情報が対応づけられた圧縮動画データを画像処理装置120から受信する。そして、画像処理装置170は、受信した圧縮動画データを、対応づけられている特徴領域情報を用いて伸張して表示用動画を生成して、生成した表示用動画を表示装置180に供給する。表示装置180は、画像処理装置170から供給された表示用動画を表示する。
また、画像処理装置170は、圧縮動画データに対応づけられている特徴領域情報に対応づけて、当該圧縮動画データを画像DB175に記録してもよい。そして、画像処理装置170は、表示装置180からの要求に応じて、画像DB175から圧縮動画データおよび特徴領域情報を読み出して、読み出した圧縮動画データを特徴領域情報を利用して伸張して表示用動画を生成して、表示装置180に供給してもよい。
なお、特徴領域情報は、特徴領域の位置、特徴領域の大きさ、特徴領域の数、特徴領域が検出された撮像画像を識別する識別情報等を含むテキストデータ、もしくは当該テキストデータに圧縮、暗号化等の処理が施されたデータであってよい。そして、画像処理装置170は、特徴領域情報が含む特徴領域の位置、特徴領域の大きさ、特徴領域の数等に基づいて、種々の検索条件を満たす撮像画像を特定する。そして、画像処理装置170は、特定した撮像画像を復号して、表示装置180に提供してよい。
このように、画像処理システム10によると、特徴領域を動画に対応づけて記録しているので、動画における所定の条件に適合する撮像画像群を高速に検索、頭出しをすることができる。また、画像処理システム10によると、所定の条件に適合する撮像画像群だけ復号することができるので、再生指示に即応して速やかに所定の条件に適合する部分動画を表示することができる。
図2は、画像処理装置120のブロック構成の一例を示す。画像処理装置120は、画像取得部250、特徴領域検出部203、圧縮制御部210、圧縮部230、対応付け処理部206、および出力部207を備える。画像取得部250は、圧縮動画取得部201および圧縮動画伸張部202を有する。
圧縮動画取得部201は、圧縮された動画を取得する。具体的には、圧縮動画取得部201は、撮像装置100が生成した、符号化された撮像動画データを取得する。圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201が取得した撮像動画データを伸張して、撮像動画に含まれる複数の撮像画像を生成する。具体的には、圧縮動画伸張部202は、圧縮動画取得部201が取得した、符号化された撮像動画データを復号して、撮像動画に含まれる複数の撮像画像を生成する。なお、撮像動画に含まれる撮像画像は、フレーム画像およびフィールド画像であってよい。なお、本実施形態における撮像画像は、この発明における動画構成画像の一例であってよい。このように、画像取得部250は、複数の撮像装置100のそれぞれにより撮像された複数の動画を取得する。
圧縮動画伸張部202によって得られた複数の撮像画像は、特徴領域検出部203および圧縮部230に供給される。特徴領域検出部203は、複数の撮像画像を含む動画から特徴領域を検出する。具体的には、特徴領域検出部203は、複数の撮像画像のそれぞれから特徴領域を検出する。なお、上記における撮像動画は、以下の説明における動画の一例であってよい。
例えば、特徴領域検出部203は、動画において画像内容が変化する画像領域を、特徴領域として検出する。具体的には、特徴領域検出部203は、動くオブジェクトを含む画像領域を、特徴領域として検出してよい。なお、特徴領域検出部203は、複数の撮像画像のそれぞれから、特徴の種類が異なる複数の特徴領域を検出してよい。なお、特徴の種類とは、人物と移動体等のように、オブジェクトの種類を指標にしてよい。オブジェクトの種類は、オブジェクトの形状またはオブジェクトの色の一致度に基づいて決定されてよい。このように、特徴領域検出部203は、複数の撮像画像から、含まれるオブジェクトの種類が異なる複数の特徴領域を検出してよい。
例えば、特徴領域検出部203は、予め定められた形状パターンに予め定められた一致度以上の一致度で一致するオブジェクトを複数の撮像画像のそれぞれから抽出して、抽出したオブジェクトを含む撮像画像における領域を、特徴の種類が同じ特徴領域として検出してよい。なお、形状パターンは、特徴の種類毎に複数定められてよい。また、形状パターンの一例としては、人物の顔の形状パターンを例示することができる。なお、複数の人物毎に異なる顔のパターンが定められてよい。これにより、特徴領域検出部203は、異なる人物をそれぞれ含む異なる領域を、異なる特徴領域として検出することができる。なお、特徴領域検出部203は、上記の人物の顔の他にも、人物の頭部または人物の手等の人体の一部の部位、あるいは人体以外の生体の少なくとも一部の部位を含む領域を、特徴領域として検出することができる。なお、生体とは、生体内部の腫瘍組織または血管等のように、生体の内部に存在する特定の組織を含む。他にも、特徴領域検出部203は、生体の他にも、貨幣、キャッシュカード等のカード、車輌、あるいは車両のナンバープレートが撮像された領域を特徴領域として検出してよい。
また、特徴領域検出部203は、テンプレートマッチング等によるパターンマッチングの他にも、例えば特開2007−188419号公報に記載された機械学習(例えば、アダブースト)等による学習結果に基づいて、特徴領域を検出することもできる。例えば、予め定められた被写体の画像から抽出された画像特徴量と、予め定められた被写体以外の被写体の画像から抽出された画像特徴量とを用いて、予め定められた被写体の画像から抽出された画像特徴量の特徴を学習する。そして、特徴領域検出部203は、当該学習された特徴に適合する特徴を有する画像特徴量が抽出された領域を、特徴領域として検出してよい。これにより特徴領域検出部203は、予め定められた被写体が撮像されている領域を特徴領域として検出することができる。
このように、特徴領域検出部203は、複数の動画のそれぞれに含まれる複数の撮像画像から、複数の特徴領域を検出する。そして、特徴領域検出部203は、検出した特徴領域を示す情報を、圧縮制御部210に供給する。なお、特徴領域を示す情報とは、特徴領域の位置を示す特徴領域の座標情報、特徴領域の種類を示す種類情報、および特徴領域が検出された撮像動画を識別する情報を含む。
圧縮制御部210は、特徴領域検出部203から取得した特徴領域を示す情報に基づいて、特徴領域に応じて圧縮部230による動画の圧縮処理を制御する。以下に説明するように、圧縮部230は、撮像画像における特徴領域と撮像画像における特徴領域以外の領域とで異なる強度で圧縮することにより、撮像画像を圧縮する。例えば、圧縮部230は、動画に含まれる撮像画像における特徴領域以外の領域の解像度を低解像度化することにより撮像画像を圧縮する。このように、圧縮部230は、撮像画像における各画像領域のそれぞれを重要度に応じた強度で圧縮する。
より具体的には、圧縮部230は、第1撮像画像における特徴領域以外の領域に含まれる画素から第1の組み合わせの画素を選択することにより第1撮像画像における特徴領域以外の領域の画像を低解像度化する。また、圧縮部230は、第2撮像画像における特徴領域以外の領域に含まれる画素から第1の組み合わせの画素以外の画素を選択することにより第2撮像画像における特徴領域以外の領域の画像を低解像度化する。このように、圧縮部230は、特徴領域以外の領域から画素を間引く場合に、画素の間引き位置をシフトさせる。
なお、特徴領域検出部203が複数の特徴領域を検出した場合、圧縮部230は、撮像画像における複数の特徴領域の画像を、特徴領域の特徴の種類に応じて低解像度化することにより圧縮する。より具体的には、圧縮部230は、第1撮像画像における特徴領域に含まれる画素から、当該特徴領域の特徴の種類に応じた画素数の第2の組み合わせの画素を選択することにより第1撮像画像における特徴領域の画像を低解像度化する。さらに、圧縮部230は、第2撮像画像における特徴領域に含まれる画素から特徴領域の特徴の種類に応じた画素数の第2の組み合わせの画素以外の画素を選択することにより第2撮像画像における特徴領域の画像を低解像度化する。なお、圧縮部230のより具体的な内部の圧縮動作については、後に説明する。
対応付け処理部206は、撮像画像から検出された特徴領域を特定する情報を、撮像画像に対応づける。具体的には、対応付け処理部206は、撮像画像から検出された特徴領域を特定する情報を、撮像画像を動画構成画像として含む圧縮動画に対応づける。そして、出力部207は、対応付け処理部206によって特徴領域が対応付けされた圧縮動画を、画像処理装置170に出力する。
図3は、圧縮部230のブロック構成の一例を示す。圧縮部230は、画像分割部232、複数の固定値化部234a−c(以下、固定値化部234と総称する場合がある。)、および複数の圧縮処理部236a−d(以下、圧縮処理部236と総称する場合がある。)を有する。
画像分割部232は、画像取得部250から複数の撮像画像を取得する。そして、画像分割部232は、複数の撮像画像を、特徴領域と、特徴領域以外の背景領域とに分割する。具体的には、画像分割部232は、複数の撮像画像を、複数の特徴領域のそれぞれと、特徴領域以外の背景領域とに分割する。このように、画像分割部232は、複数の撮像画像のそれぞれを、特徴領域と背景領域とに分割する。そして、圧縮処理部236は、特徴領域の画像である特徴領域画像と背景領域の画像である背景領域画像とを、それぞれ異なる強度で圧縮する。具体的には、圧縮処理部236は、特徴領域画像を複数含む特徴領域動画と背景領域画像を複数含む背景領域動画とを、それぞれ異なる強度で圧縮する。
具体的には、画像分割部232は、複数の撮像画像を分割することにより、複数の特徴の種類毎に特徴領域動画を生成する。そして、固定値化部234は、特徴の種類毎に生成された複数の特徴領域動画に含まれる特徴領域画像のそれぞれについて、それぞれの特徴の種類の特徴領域以外の領域の画素値を固定値化する。具体的には、固定値化部234は、特徴領域以外の領域の画素値を予め定められた画素値にする。そして、圧縮処理部236は、特徴の種類毎に、複数の特徴領域動画を圧縮する。例えば、圧縮処理部236は、特徴の種類毎に、複数の特徴領域動画をMPEG圧縮する。
固定値化部234a、固定値化部234b、および固定値化部234cは、それぞれ第1の特徴の種類の特徴領域動画、第2の特徴の種類の特徴領域動画、および第3の特徴の種類の特徴領域動画を固定値化する。そして、圧縮処理部236a、圧縮処理部236b、および圧縮処理部236cは、第1の特徴の種類の特徴領域動画、第2の特徴の種類の特徴領域動画、および第3の特徴の種類の特徴領域動画を圧縮する。
なお、圧縮処理部236a−cは、特徴の種類に応じて予め定められた強度で特徴領域動画を圧縮する。例えば、圧縮処理部236は、特徴の種類に応じて予め定められた異なる解像度に特徴領域動画を変換して、変換した特徴領域動画を圧縮してよい。他にも、圧縮処理部236は、MPEG符号化により特徴領域動画を圧縮する場合には、特徴の種類に応じて予め定められた異なる量子化パラメータで特徴領域動画を圧縮してよい。
なお、圧縮処理部236dは、背景領域動画を圧縮する。なお、圧縮処理部236dは、圧縮処理部236a−cのいずれによる強度より高い強度で背景領域動画を圧縮してよい。なお、上述したように圧縮部230では、圧縮される画素の位置は時間的にシフトされるが、圧縮される画素は圧縮処理部236において選択されてよい。圧縮処理部236によって圧縮された特徴領域動画および背景領域動画は、対応付け処理部206に供給される。
なお、特徴領域以外の領域が固定値化部234によって固定値化されているので、圧縮処理部236がMPEG符号化等によって予測符号化する場合に、特徴領域以外の領域において予測画像との間の画像の差分量を著しく低減することができる。したがって、特徴領域動画の圧縮率を著しく高めることができる。
なお、本図では、圧縮部230が有する複数の圧縮処理部236のそれぞれが複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ圧縮したが、他の形態では、圧縮部230は一の圧縮処理部236を有してよく、一の圧縮処理部236が、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ異なる強度で圧縮してよい。例えば、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像が一の圧縮処理部236に時分割で順次供給され、一の圧縮処理部236が、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ異なる強度で順次圧縮してよい。
他にも、一の圧縮処理部236は、複数の特徴領域の画像情報および背景領域の画像情報を異なる量子化係数でそれぞれ量子化することによって、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ異なる強度で圧縮してよい。また、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像がそれぞれ異なる画質の画像に変換された画像が一の圧縮処理部236に供給され、一の圧縮処理部236が、複数の特徴領域の画像および背景領域の画像をそれぞれ圧縮してよい。また、上記のように一の圧縮処理部236が領域毎に異なる量子化係数で量子化したり、領域毎に異なる画質に変換された画像を一の圧縮処理部236が圧縮する形態では、一の圧縮処理部236は、一の画像を圧縮してもよく、本図で説明したように画像分割部232によって分割された画像をそれぞれ圧縮してもよい。なお、一の圧縮処理部236が一の画像を圧縮する場合には、画像分割部232による分割処理および固定値化部234による固定値化処理はなされなくてよいので、圧縮部230は、画像分割部232および固定値化部234を有しなくてよい。
図4は、画像処理装置170のブロック構成の一例を示す。画像処理装置170は、圧縮画像取得部301、対応付け解析部302、伸張制御部310、伸張部320、合成部330、出力部340を備える。
圧縮画像取得部301は、圧縮部230により圧縮された圧縮動画を取得する。具体的には、圧縮画像取得部301は、複数の特徴領域動画および、第1撮像画像および第2撮像画像を動画構成画像として含む背景領域動画を含む圧縮動画を取得する。より具体的には、圧縮画像取得部301は、特徴領域情報が付帯された圧縮動画を取得する。
そして、対応付け解析部302は、圧縮動画を複数の特徴領域動画および背景領域動画と特徴領域情報とに分離して、複数の特徴領域動画および背景領域動画を伸張部320に供給する。また、対応付け解析部302は、特徴領域情報を解析して、特徴領域の位置および特徴の種類を伸張制御部310に供給する。伸張制御部310は、対応付け解析部302から取得した特徴領域の位置および特徴の種類に応じて、伸張部320による伸張処理を制御する。例えば、伸張制御部310は、特徴領域の位置および特徴の種類に応じて圧縮部230が動画の各領域を圧縮した圧縮方式に応じて、伸張部320に圧縮動画が示す動画の各領域を伸張させる。
以下に、伸張部320が有する各構成要素の動作を説明する。伸張部320は、複数の復号器322a−d(以下、復号器322と総称する。)を有する。復号器322は、符号化された複数の特徴領域動画および背景領域動画のいずれかを復号する。具体的には、復号器322a、復号器322b、復号器322c、および復号器322dは、それぞれ第1特徴領域動画、第2特徴領域動画、第3特徴領域動、および背景領域動画を復号する。
合成部330は、伸張部320によって伸張された複数の特徴領域動画および背景領域動画を合成して、一の表示動画を生成する。具体的には、合成部330は、背景領域動画に含まれる撮像画像に、複数の特徴領域動画に含まれる撮像画像上の特徴領域の画像を合成することによって、一の表示動画を生成する。なお、合成部330は、復号器322dにより復号されて得られた第1撮像画像における特徴領域以外の領域における第1の組み合わせの画素、および、復号器322dにより復号されて得られた第2撮像画像における第1の組み合わせの画素以外の画素を用いて、一の撮像画像における特徴領域以外の領域の画像を生成する。このように、合成部330は、圧縮画像取得部301が取得した圧縮された第1撮像画像における特徴領域以外の領域における第1の組み合わせの画素、および、圧縮画像取得部301が取得した圧縮された第2撮像画像における第1の組み合わせの画素以外の画素を用いて、1の撮像画像における特徴領域以外の領域の画像を生成する。
出力部340は、対応付け解析部302から取得した特徴領域情報および表示動画を表示装置180または画像DB175に出力する。なお、画像DB175は、特徴領域情報が示す特徴領域の位置、特徴領域の特徴の種類、特徴領域の数を、表示動画に含まれる撮像画像を識別する情報に対応づけて、ハードディスク等の不揮発性の記録媒体に記録してよい。
図5は、圧縮部230の他のブロック構成の一例を示す。本構成における圧縮部230は、特徴の種類に応じた空間スケーラブルな符号化処理によって複数の撮像画像を圧縮する。
本構成における圧縮部230は、画質変換部510、差分処理部520、および符号化部530を有する。差分処理部520は、複数の階層間差分処理部522a−d(以下、階層間差分処理部522と総称する。)を含む。符号化部530は、複数の符号器532a−d(以下、符号器532と総称する。)を含む。
画質変換部510は、画像取得部250から複数の撮像画像を取得する。また、画質変換部510は、特徴領域検出部203が検出した特徴領域を特定する情報および特徴領域の特徴の種類を特定する情報を取得する。そして、画質変換部510は、撮像画像を複製することにより、特徴領域の特徴の種類の数の撮像画像を生成する。そして、画質変換部510は、生成した撮像画像を、特徴の種類に応じた解像度の画像に変換する。
例えば、画質変換部510は、背景領域に応じた解像度に変換された撮像画像(以後、低解像度画像と呼ぶ。)、第1の特徴の種類に応じた第1解像度に変換された撮像画像(第1解像度画像と呼ぶ。)、第2の特徴の種類に応じた第2解像度に変換された撮像画像(第2解像度画像と呼ぶ。)、および第3の特徴の種類に応じた第3解像度に変換された撮像画像(第3解像度画像と呼ぶ。)を生成する。なお、ここでは、第1解像度画像は低解像度画像より解像度が高く、第2解像度画像は第1解像度画像より解像度が高く、第3解像度画像は第2解像度画像より解像度が高いとする。
そして、画質変換部510は、低解像度画像、第1解像度画像、第2解像度画像、および第3解像度画像を、それぞれ階層間差分処理部522d、階層間差分処理部522a、階層間差分処理部522b、および階層間差分処理部522cに供給する。なお、画質変換部510は、複数の撮像画像のそれぞれについて上記の画質変換処理することにより、階層間差分処理部522のそれぞれに動画を供給する。
なお、画質変換部510は、特徴領域の特徴の種類に応じて、階層間差分処理部522のそれぞれに供給する動画のフレームレートを変換してよい。例えば、画質変換部510は、階層間差分処理部522aに供給する動画より低いフレームレートの動画を階層間差分処理部522dに供給してよい。また、画質変換部510は、階層間差分処理部522bに供給する動画より低いフレームレートの動画を階層間差分処理部522aに供給してよく、階層間差分処理部522cに供給する動画より低いフレームレートの動画を階層間差分処理部522bに供給してよい。なお、画質変換部510は、特徴領域の特徴の種類に応じて撮像画像を間引くことによって、階層間差分処理部522に供給する動画のフレームレートを変換してよい。なお、上述したように圧縮部230では、圧縮される画素の位置が時間的にシフトされるが、圧縮される画素は画質変換部510において選択されてよい。
階層間差分処理部522dおよび符号器532dは、複数の低解像度画像を含む背景領域動画を予測符号化する。具体的には、階層間差分処理部522は、他の低解像度画像から生成された予測画像との差分画像を生成する。そして、符号器532dは、差分画像を空間周波数成分に変換して得られた変換係数を量子化して、量子化された変換係数をエントロピー符号化等により符号化する。なお、このような予測符号化処理は、低解像度画像の部分領域毎に行われてよい。
また、階層間差分処理部522aは、画質変換部510から供給された複数の第1解像度画像を含む第1特徴領域動画を予測符号化する。同様に、階層間差分処理部522bおよび階層間差分処理部522cは、それぞれ複数の第2解像度画像を含む第2特徴領域動画および複数の第3解像度画像を含む第3特徴領域動画を予測符号化する。以下に、階層間差分処理部522aおよび符号器532aの具体的な動作について説明する。
階層間差分処理部522aは、符号器532dによる符号化後の第1解像度画像を復号して、復号した画像を第1解像度と同じ解像度の画像に拡大する。そして、階層間差分処理部522aは、拡大した画像と低解像度画像との間の差分画像を生成する。このとき、階層間差分処理部522aは、背景領域における差分値を0にする。そして、符号器532aは、差分画像を符号器532dと同様に符号化する。なお、階層間差分処理部522aおよび符号器532aによる符号化処理は、第1解像度画像の部分領域毎にされてよい。
なお、階層間差分処理部522aは、第1解像度画像を符号化する場合に、低解像度画像との間の差分画像を符号化した場合に予測される符号量と、他の第1解像度画像から生成された予測画像との間の差分画像を符号化した場合に予測される符号量とを比較する。後者の符号量の方が小さい場合には、階層間差分処理部522aは、他の第1解像度画像から生成された予測画像との間の差分画像を生成する。なお、階層間差分処理部522aは、低解像度画像または予測画像との差分をとらずに符号化した方が符号量が小さくなることが予測される場合には、低解像度画像または予測画像との間で差分をとらなくてもよい。
なお、階層間差分処理部522aは、背景領域における差分値を0にしなくてもよい。この場合、符号器532aは、特徴領域以外の領域における差分情報に対する符号化後のデータを0にしてもよい。例えば、符号器532aは、周波数成分に変換した後の変換係数を0にしてよい。なお、階層間差分処理部522dが予測符号化した場合の動きベクトル情報は、階層間差分処理部522aに供給される。階層間差分処理部522aは、階層間差分処理部522dから供給された動きベクトル情報を用いて、予測画像用の動きベクトルを算出してよい。
なお、階層間差分処理部522bおよび符号器532bの動作は、第2解像度画像を符号化するという点、および第2解像度画像を符号化する場合に、符号器532aによる符号化後の第1解像度画像との差分をとる場合があるという点を除いて、階層間差分処理部522bおよび符号器532bの動作は階層間差分処理部522aおよび符号器532aの動作と略同一であるので、説明を省略する。同様に、階層間差分処理部522cおよび符号器532cの動作は、第3解像度画像を符号化するという点、および第3解像度画像を符号化を符号化する場合に、符号器532bによる符号化後の第2解像度画像との差分をとる場合があるという点を除いて、階層間差分処理部522aおよび符号器532aの動作と略同一であるので、説明を省略する。
以上説明したように、画質変換部510は、複数の撮像画像のそれぞれから、画質を低画質にした低画質画像、および少なくとも特徴領域において低画質画像より高画質な特徴領域画像を生成する。そして、差分処理部520は、特徴領域画像における特徴領域の画像と、低画質画像における特徴領域の画像との間の差分画像を示す特徴領域差分画像を生成する。そして、符号化部530は、特徴領域差分画像および低画質画像をそれぞれ符号化する。
また、画質変換部510は、複数の撮像画像から解像度が低減された低画質画像を生成して、差分処理部520は、特徴領域画像における特徴領域の画像と、低画質画像における特徴領域の画像を拡大した画像との間の特徴領域差分画像を生成する。また、差分処理部520は、特徴領域において特徴領域画像と拡大した画像との間の差分が空間周波数領域に変換された空間周波数成分を持ち、特徴領域以外の領域において空間周波数成分のデータ量が低減された特徴領域差分画像を生成する。
以上説明したように、圧縮部230は、解像度が異なる複数の階層間の画像の差分を符号化することによって階層的に符号化する。このことからも明らかなように、本構成の圧縮部230による圧縮方式の一部は、H.264/SVCによる圧縮方式を含むことが明らかである。なお、画像処理装置170がこのような階層化された圧縮動画を伸張する場合には、各階層の動画データを復号して、階層間差分により符号化されている領域については、差分がとられた階層で復号された撮像画像との加算処理により、元の解像度の撮像画像を生成することができる。
図6は、撮像装置100により得られた撮像動画の一例を示す。撮像動画は、複数の撮像画像600−1〜11(以後、撮像画像600と総称する。)を含む。なお、特徴領域検出部203は、特徴領域の一例としての移動体領域601−1〜11(以後、移動体領域601と総称する。)を、撮像画像600から検出している。
圧縮処理部236dは、移動体領域601以外の領域の画像を、画素間引きによって縮小することによって、背景画像610−1〜6(以下背景画像610と総称する。)を生成する。なお、圧縮処理部236dは、圧縮すべき撮像画像600を一つおきに選択している。
以下の説明では、撮像画像600−1において移動体領域601以外の領域に含まれる画像領域605における間引き処理を例に挙げて説明する。なお、図示されるように、画像領域605には、画素Px11、画素Px12・・・等が含まれる。
圧縮処理部236dは、撮像画像600−1から画素を一つおきに選択することによって、背景画像610−1を生成する。具体的には、圧縮処理部236dは、x方向にPx11、Px13・・・・と画素を選択して、y方向にはPx11、Px31、・・・・と画素を選択することによって画像領域615の画像を生成する。そして、圧縮処理部236dは、背景画像610−2を生成する場合には、x方向にPx12、Px14・・・・と画素を選択して、y方向にはPx12、Px32、・・・・と画素を選択することによって画像領域615の画像を生成する。
同様に、圧縮処理部236dは、背景画像610−3を生成する場合には、x方向にPx21、Px23・・・・と画素を選択して、y方向にはPx21、Px41、・・・・と画素を選択することによって画像領域615の画像を生成する。また、圧縮処理部236dは、x方向にPx22、Px24・・・・と画素を選択して、y方向にはPx22、Px42、・・・・と画素を選択することによって画像領域615の画像を生成する。このようにして、圧縮処理部236dは、背景画像610−1〜4を生成した段階で、画像領域605における全ての画素を圧縮すべき画素として選択したことになる。
その後、圧縮処理部236dは、同様の動作を繰り返す。具体的には、圧縮処理部236dは、背景画像610−5および背景画像610−6を生成する場合には、それぞれ背景画像610−1および背景画像610−2を生成する場合に選択した組み合わせの画素と同じ組み合わせの画素を選択する。なお、以上の説明では、圧縮処理部236dの動作を例に挙げて圧縮部230の処理の一例を説明したが、図5で説明した圧縮部230の構成においては、画像取得部250が同様の間引き処理をすることができる。
図7は、背景画像610を圧縮する場合における背景画像610の組み合わせの一例を示す。圧縮処理部236dは、同じ組み合わせの画素が選択された背景画像610を動画として圧縮する。具体的には、圧縮処理部236dは、背景画像610−1、背景画像610−5、・・・を動画として圧縮する。また、圧縮処理部236dは、背景画像610−2、背景画像610−6・・・を動画として圧縮する。同様に、圧縮処理部236dは、背景画像610−3、背景画像610−7・・・を動画として圧縮するとともに、背景画像610−4、背景画像610−8・・・を動画として圧縮する。なお、図6では示されていないが、背景画像610−7および背景画像610−8は、それぞれ背景画像610−3および背景画像610−4が生成される場合と同じ組み合わせの画素が選択されて生成されたとする。
そして、圧縮処理部236dは、各組み合わせの背景画像610から形成される動画に、フレーム間圧縮を含む圧縮処理を施す。一例として、圧縮処理部236dは、背景画像610−1、背景画像610−5、・・・によって形成される動画に、フレーム間圧縮を含む圧縮処理を施す。なお、以上の説明では、圧縮処理部236dの動作を例に挙げて圧縮部230の処理の一例を説明したが、図5で説明した圧縮部230の構成では、差分処理部520dが同様の間引き処理をすることができる。以上の例では、圧縮処理部236dは、同じ位置の画素が選択された複数の背景画像610を一の動画として圧縮したが、圧縮処理部236dは、異なる位置の画素が選択されている背景画像610を含む複数の背景画像610−1〜8を一の動画として圧縮してよいことは言うまでもない。
このように、圧縮部230は、第1の組み合わせの画素を選択することにより低解像度化された複数の特徴領域以外の領域の画像を含む第1動画を圧縮して、第1の組み合わせの画素以外の画素を選択することにより低解像度化された複数の特徴領域以外の領域の画像を含む第2動画を圧縮する。そして、圧縮部230は、第1動画に含まれる画像のそれぞれを、第1動画に含まれる他の画像との差分により圧縮する。このように、圧縮部230によると、同じ位置の画素が選択された背景画像610同士をフレーム間圧縮する。このため、異なる位置の画素が選択された背景画像610同士をフレーム間圧縮する場合に比べて、圧縮率が向上することが期待される。
図8は、合成部330による合成動作の一例を示す。合成部330は、背景画像610−1〜4において選択された画素を組み合わせることによって、撮像画像600と同じ解像度の背景画像800−1を生成する。また、合成部330は、背景画像610−5〜8において選択された画素を組み合わせることによって、撮像画像600と同じ解像度の背景画像800−2を生成する。このように、画像処理システム10によると、特徴領域と同等の空間解像度を有する背景画像を提供することができる。
なお、背景画像800−1は、撮像時間が異なる撮像画像600から生成された背景画像610−1〜4の画素を組み合わせることによって生成される。したがって、背景画像800−1には、異なる時間に撮像された撮像画像600の情報が反映される。例えば、一の撮像画像600における背景領域内の全画素を一度に送信するシステムでは、移動体の背景となる領域の画像情報は次に背景領域を送信するまで得ることができない。しかしながら、画像処理システム10によると、時間的に分散したタイミングで得られた背景画像を送信するので、移動体の背景となる領域の画像情報を提供することができる場合がある。
図9は、他の実施形態に係る画像処理システム20の一例を示す。本実施形態における画像処理システム20の構成は、撮像装置100a−dがそれぞれ画像処理部804a−d(以下、画像処理部804と総称する。)を有する点を除いて、図1で説明した画像処理システム10の構成と同じとなっている。
画像処理部804は、画像処理装置120に含まれる構成要素のうち、画像取得部250を除く構成要素を有している。そして、画像処理部804に含まれる各構成要素の機能および動作は、画像処理装置120に含まれる各構成要素が圧縮動画伸張部202による伸張処理によって得られた撮像動画を処理することに替えて、撮像部102によって撮像された撮像動画を処理するという点を除いて、画像処理装置120に含まれる各構成要素の機能および動作と略同一であってよい。このような構成の画像処理システム20においても、図1から図8にかけて画像処理システム10に関連して説明した効果と略同一の効果が得ることができる。
なお、画像処理部804は、撮像部102からRAW形式で表された複数の撮像画像を含む撮像動画を取得して、取得した撮像動画に含まれるRAW形式で表された複数の撮像画像をRAW形式のまま圧縮してよい。なお、画像処理部804は、RAW形式で表された複数の撮像画像から1以上の特徴領域を検出してよい。また、画像処理部804は、圧縮されたRAW形式の複数の撮像画像を含む撮像動画を圧縮してよい。なお、画像処理部804は、撮像動画を、図1〜図8に関連して画像処理装置120の動作として説明した圧縮方法で圧縮することができる。また、画像処理装置170は、画像処理部804から取得した動画を伸張することにより、RAW形式で表された複数の撮像画像を取得することができる。画像処理装置170は、伸張することにより取得されたRAW形式で表された複数の撮像画像をそれぞれ領域毎に拡大して、領域毎に同時化処理を施す。このとき、画像処理装置170は、特徴領域以外の領域より、特徴領域においてより高精度な同時化処理を施してよい。
なお、画像処理装置170は、同時化処理によって得られた撮像画像における特徴領域の画像に、超解像処理を施してよい。画像処理装置170における超解像処理としては、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析に基づく超解像処理、あるいは特開2004−88615号公報に記載されたような被写体の動きに基づく超解像処理を例示することができる。
なお、画像処理装置170は、特徴領域に含まれるオブジェクト毎に、超解像処理を施してよい。例えば、特徴領域が人物の顔画像を含む場合に、画像処理装置170は、オブジェクトの一例としての顔部位(例えば、目、鼻、口など)毎に、超解像処理を施す。この場合、画像処理装置170は、特開2006−350498号公報に記載されたようなモデル等の学習データを、顔部位(例えば、目、鼻、口など)毎に記憶しておく。そして、画像処理装置170は、特徴領域に含まれる顔部位毎に選択した学習データを使用して、各顔部位の画像に超解像処理を施してよい。
このように、画像処理装置170は、主成分分析(PCA)を用いて特徴領域の画像を再構成することができる。なお、画像処理装置170による画像再構成手法、および当該画像再構成用の学習法としては、主成分分析(PCA)による学習・画像再構成の他に、局所保存投影(locality preserving projection:LPP)、線形判別分析(Linear Discriminant Analysis:LDA)、独立成分分析(Independent component analysis:ICA)、多次元スケーリング(multidimensional scaling:MDS)、サポートベクターマシン(サポートベクター回帰)、ニューラルネットワーク、隠れマルコフモデル、Bayes推論、最大事後確率推定、反復逆投影、Wavelet変換、局所線形埋め込み(locally linear embedding:LLE)、マルコフランダム場(Markov random field:MRF)等の手法を用いることができる。
また、学習データとしては、特開2006−350498号公報に記載されたようなモデルの他に、オブジェクトの多数のサンプル画像からそれぞれ抽出された、オブジェクトの画像の低周波成分および高周波成分を含んでよい。ここで、オブジェクトの画像の低周波成分は、オブジェクトの種類毎に、K−means法等によってさらにクラスタリングされていて、各クラスタ毎に代表的な低周波成分(例えば、重心値)が定められていてよい。
そして、画像処理装置170は、撮像画像における特徴領域に含まれるオブジェクトの画像から低周波成分を抽出する。そして、画像処理装置170は、抽出したオブジェクトの種類のオブジェクトのサンプル画像から抽出された低周波成分のクラスタのうち、抽出した低周波成分に適合する値が代表的な低周波成分として定められたクラスタを特定する。そして、画像処理装置170は、特定したクラスタに含まれる低周波成分に対応づけられている高周波成分のクラスタを特定する。このようにして、画像処理装置170は、撮像画像に含まれるオブジェクトから抽出された低周波成分に相関のある高周波成分のクラスタを特定することができる。そして、画像処理装置170は、特定した高周波成分のクラスタを代表する高周波成分を用いて、オブジェクトの画像をより高画質な高画質画像に変換してよい。例えば、画像処理装置170は、各オブジェクトの中心から顔上の処理対象位置までの距離に応じた重みでオブジェクト毎に選択された当該高周波成分をオブジェクトの画像に加算してよい。なお、当該代表する高周波成分は、閉ループ学習によって生成されてよい。このように、画像処理装置170は、各オブジェクト毎に学習することによって生成された学習データの中から、望ましい学習データをオブジェクト毎に選択して利用するので、オブジェクトの画像をより高い精度で高画質化することができる場合がある。
なお、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析に基づく超解像処理では、主成分ベクトルおよび重みづけ係数により物体の画像が表される。これらの重みづけ係数および主成分ベクトルのデータ量は、物体の画像そのものが有する画素データのデータ量に比べて大幅に小さい。そこで、画像処理部804は、撮像部102から取得した複数の撮像画像における特徴領域の画像を圧縮する圧縮処理において、特徴領域に含まれる物体の画像から上記重みづけ係数を算出してよい。すなわち、画像処理部804は、特徴領域に含まれる物体の画像を、主成分ベクトルおよび重みづけ係数で表すことによって圧縮することができる。そして、画像処理部804は、主成分ベクトルおよび重みづけ係数を画像処理装置170に送信してよい。画像処理装置170においては、画像処理部804から取得した主成分ベクトルおよび重みづけ係数を用いて、特徴領域に含まれる物体の画像を再構成することができる。なお、画像処理部804は、特開2006−350498号公報に記載されたような主成分分析に基づくモデルの他に、種々の特徴パラメータで物体を表現するモデルを利用して特徴領域に含まれる物体の画像を圧縮することができることはいうまでもない。なお、図1〜8に関連して説明した画像処理システム10の構成においても、画像処理装置170は、特徴領域の画像に上述した超解像処理を施すことができる。
図10は、画像処理装置120および画像処理装置170のハードウェア構成の一例を示す。画像処理装置120および画像処理装置170は、CPU周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、及び表示デバイス1580を有する。入出力部は、入出力コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信インターフェイス1530、ハードディスクドライブ1540、及びCD−ROMドライブ1560を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ1584に接続されるROM1510、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570を有する。
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、より高い転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505、及びグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510、及びRAM1520に格納されたプログラムの内容に応じて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示デバイス1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ1540、通信インターフェイス1530、CD−ROMドライブ1560を接続する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス1530は、ネットワーク通信装置1598に接続してプログラムまたはデータを送受信する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。
入出力コントローラ1584には、ROM1510と、フレキシブルディスク・ドライブ1550、及び入出力チップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、画像処理装置120および画像処理装置170が起動するときに実行するブート・プログラム、あるいは画像処理装置120および画像処理装置170のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540、及び通信インターフェイス1530に提供する。入出力チップ1570は、フレキシブルディスク・ドライブ1550、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
CPU1505が実行するプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ1540にインストールされ、RAM1520に読み出されてCPU1505により実行される。CPU1505により実行されるプログラムは、画像処理装置120を、図1から図9に関連して説明した画像処理装置120が有する各構成要素として機能させ、画像処理装置170を、図1から図9に関連して説明した、画像処理装置170が有する各構成要素として機能させる。
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595の他に、DVDまたはPD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の記憶装置を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして画像処理装置120および画像処理装置170に提供してもよい。このように、プログラムにより制御されるコンピュータが、画像処理装置120および画像処理装置170として機能する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、この発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。