JP5132145B2 - 粉体の誘電率測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に粉体と液体とからなるスラリーの複素インピーダンスプロットから粉体の誘電率を求める、粉体の誘電率測定方法に関するものである。
たとえば、電子部品の分野において、種々の誘電体が用いられているが、電子部品の設計にあたっては、用いられる誘電体の誘電率を把握する必要がある。電子部品に適用される、たとえばセラミックのような無機誘電体は、通常、粉体の状態で用意される。したがって、このようなセラミック等の粉体の誘電率を測定するにあたっては、一般的には、粉体をバインダとともに成形した後、焼成し、その表面に銀電極等を付与して、誘電率を測定することが行われている。
しかしながら、上述したような誘電率の測定方法は、測定までのプロセスが多く、それほど能率的ではないという問題がある。この問題を解決するため、粉体の比誘電率を、粉体の状態のままで求める方法も提案されている。たとえば、粉体と液体とからなるスラリーを一対の電極で挟持して前記スラリーの誘電率を測定し、対数混合則などの経験則を適用して前記粉体の誘電率を算出するという方法(特許文献1)や、経験則ではなく、スラリーモデルの有限要素法(FEM)計算を適用して前記粉体の誘電率を算出するという方法(非特許文献1)や、前記スラリーの誘電率ではなく、複素インピーダンスの周波数変化を測定し、一対の電極で前記粉体を挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路と前記液体を挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路とを直列に接続した直列接続回路を適用して前記粉体の誘電率を算出するという方法(非特許文献2)等が挙げられる。
特開平6−138075号公報 エス.ワタ゛(S. Wada),エイチ.ヤスノ(H. Yasuno),ティー.ホシナ(T. Hoshina),エス.ハイフンエム.ナム(S.-M. Nam),エイチ.カネモト アント゛ ティー.ツルミ(H. Kakemoto and T. Tsurumi);フ゜レハ゜レーション オフ゛ ナノメーターサイス゛ト゛ ハ゛リウム チタネート ファイン ハ゜ーティクルス゛ アント゛ セ゛ア ハ゜ウタ゛ー タ゛イエレクトリック フ゜ロハ゜ティース゛("Preparation of nm-Sized Barium Titanate Fine Particles and Their Powder Dielectric Properties")シ゛ャハ゜ン シ゛ャーナル アフ゜ライス゛ト゛ フィス゛ィクス ホ゛リューム 42 (2003) ヘ゜ーシ゛6188-6195(Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 42 (2003) pp. 6188-6195) フ゛イ.ヘ゜トロフスキー(V. Petrovsky),エー.マノハー アント゛ エフ.ト゛ーカ゛ン(A. Manohar and F. Dogan);タ゛イエレクトリック コンスタント オフ゛ ハ゜ーティクルス゛ テ゛ィターミント゛ ハ゛イ インヒ゜ータ゛ンス スヘ゜クトロスコヒ゜ー("Dielectric constant of particles determined by impedance spectroscopy") シ゛ャハ゜ン シ゛ャーナル アフ゜ライス゛ト゛ フィス゛ィクス ホ゛リューム 100 (2006) ヘ゜ーシ゛014102-014102-4(J. Appl. Phys. Vol. 100 (2006) pp. 014102-014102-4)
しかしながら、上述した方法は、何れも粉体の誘電率を算出する際に適用されるスラリーモデルに任意性がなく、粉体の分散状態によるスラリーの誘電率変化が考慮されていない。そのために、粒子サイズや表面状態の違いにより分散のしやすさが異なる粉体の誘電率を比較する上で、十分な精度があるとはいえなかった。
従って、本発明は、粒子サイズや表面状態の違いにより分散のしやすさが異なる粉体の誘電率を比較する上で、十分に高い精度を有する粉体の誘電率測定方法を提供することを目的とする。
本発明の粉体の誘電率測定方法は、粉体と液体とからなる粉体濃度xのスラリーを面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持して、1mHzから100MHzまでの全部ないし一部の周波数範囲で前記電極間の各周波数における電圧値と電流値とから前記スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定し、仮想的に、前記スラリーの一部である媒質1を粉体領域と液体領域とに並列に分離して該並列に分離された媒質1を面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路に、前記スラリーの一部とは粉体領域と液体領域との体積比が異なる媒質nを粉体領域と液体領域とに並列に分離して該並列に分離された媒質nを面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路を(n−1)個(n:2以上10未満の任意の自然数)直列に接続した等価回路を設定し、前記等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値を前記複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングさせることでn個の抵抗R、R、・・・RおよびキャパシタC、C、・・・Cを求め、該n個の抵抗R、R、・・・RおよびキャパシタC、C、・・・Cと前記液体の誘電率εと前記液体の導電率σと前記粉体濃度xとから、次の2n+2個の式を用いて前記粉体の誘電率εを算出することを特徴とするものである。
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ただし、εは真空の誘電率であり、S は粉体領域と液体領域とに並列に分離された媒質mを挟持する一対の電極の粉体領域における面積であり、(m=1、2、・・・n)は前記媒質mを挟持する一対の電極の間隔である。
このような粉体の誘電率測定方法によれば、粉体の分散状態に応じて等価回路の形状を表す形状因子である、d(m=1、2、・・・n)が決まるので、実際のスラリーとスラリーモデルとの不一致による粉体の誘電率の計算誤差が小さく、粉体の誘電率を十分に高い精度で求めることができる。
本発明の粉体の誘電率測定方法によれば、粉体の分散状態に応じて等価回路の形状が決まるので、粉体の誘電率を十分に高い精度で求めることができる。
以下、本発明の粉体の誘電率測定方法について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられる測定ジグ1を示すもので、(a)は上から見た平面図、(b)は断面図である。測定ジグ1は、例えば内径10mmの電気絶縁性の円筒2を具備する。この円筒2には、金属のような導電体からなる第1の電極部材3および第2の電極部材4が嵌め合わされ、それによって、閉じられた空間5が形成される。この空間5内には、複素インピーダンスの周波数変化の測定対象となる粉体と液体とからなるスラリー6が充填される。このとき、空間5内からスラリー6が漏れ出ないようにするため、円筒2と一方の電極部材(例えば第2の電極部材4)とはOリング7を介して螺子8止めされる。第1の電極部材3と第2の電極部材4との間隔は、例えば2.5mmと一定にされる。
スラリーを構成する液体としては、経時変化を最小限に抑える上で、誘電率や導電率といった特性が水と同程度に高く、かつ揮発性、吸水性が低いという点から、例えば、炭酸プロピレンが適している。但し、炭酸プロピレンは非水溶性であり、セラミック粉体との濡れ性が低いため、測定前にはセラミック粉体の乾燥処理とスラリーの真空脱泡を行うことが望ましい。
スラリー6における粉体濃度xは10±5vol%となるように秤量されることが望ましい。より好適には10±1vol%が望ましい。粉体濃度xがそれよりも低くなると、粉体の誘電率を測定する上で高い精度が得られにくくなり、粉体濃度xがそれよりも高くなると、スラリーの真空脱泡中に粉体が溢れ出やすくなり、正しい測定が困難となる。
このような測定ジグ1を用いながら、インピーダンスアナライザー等の測定器により、第1の電極部材3および第2の電極部材4間に交流電界を印加し、1mHzから100MHzまでの全部ないし一部の周波数範囲で第1の電極部材3および第2の電極部材4間の各周波数における電圧値と電流値とからスラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定する。得られたスラリーの複素インピーダンスの周波数変化は、複素インピーダンスの実部成分Z’[Ω]を横軸に、虚部成分Z”[Ω]を縦軸にプロットした複素インピーダンスプロットで表すことが望ましい。このとき、実軸と虚軸のスケールは等しくしておかなければならない。一般に、誘電体の複素インピーダンスプロットは半円を描き、その半円の頂点に対応する周波数f[Hz]は前記誘電体の誘電率εと導電率σを用いて次の(式5)で表される。スラリーを測定する場合の周波数範囲は粉体が描く半円ないしその頂点と液体が描く半円ないしその頂点とが複素インピーダンスプロット上に十分に収まるよう選定される。
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図2は本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられるn=2とした場合の等価回路を説明するための説明図である。図2では、第1の電極部材3と第2の電極部材4との間に等電位面9が配設された構造となっている。(式1)におけるCは第1の電極部材3と等電位面9で粉体を挟持してなるキャパシタC1,1と液体を挟持してなるキャパシタC1,2とを並列に接続した並列接続回路の合成キャパシタを表しており、Cは第2の電極部材4と等電位面9で粉体を挟持してなるキャパシタC2,1と液体を挟持してなるキャパシタC2,2とを並列に接続した並列接続回路の合成キャパシタを表している。また、(式2)におけるRは第1の電極部材3と等電位面9で粉体を挟持してなる抵抗R1,1と液体を挟持してなる抵抗R1,2とを並列に接続した並列接続回路の合成抵抗を表しており、Rは第2の電極部材4と等電位面9で粉体を挟持してなる抵抗R2,1と液体を挟持してなる抵抗R2,2とを並列に接続した並列接続回路の合成抵抗を表している。
並列に接続したR1,1とR1,2やC1,1とC1,2等は複素インピーダンスプロット上では分離できないため、まず、仮想的に、n個の合成抵抗R、R、・・・Rおよび合成キャパシタC、C、・・・Cからなる等価回路を設定し、次の(式6)で表される前記等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値を複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングさせることでn個の合成抵抗R、R、・・・Rおよび合成キャパシタC、C、・・・Cを求めることになる。
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この場合、仮想的に設定する等価回路は、スラリーの一部である媒質1を粉体領域と液体領域とに並列に分離して該並列に分離された媒質1を面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路に、前記スラリーの一部とは粉体領域と液体領域との体積比が異なる媒質nを粉体領域と液体領域とに並列に分離して該並列に分離された媒質nを面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路を(n−1)個(n:2以上10未満の任意の自然数)直列に接続した等価回路である。
次に、n個の抵抗R、R、・・・RおよびキャパシタC、C、・・・Cと液体の誘電率εと液体の導電率σと粉体濃度xとから、(式1)から(式4)までの2n+2個の式(式1がn個、式2がn個、式3が1個、式4が1個)を用いることで、粉体の誘電率εを算出することができる。
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図3は本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられるn=2とした場合の等価回路の形状因子S、dを説明するための説明図である。(式1)から(式4)まで6個の式を用いることで、粉体の誘電率εと粉体の導電率σと共に4個の形状因子S、S、d、dを算出することができる。これらの形状因子は、粉体の分散状態に応じて決定される。
例えば、一対の電極(面積:S、間隔:d)間に粉体と液体とが直列に配置されており、前記電極間のキャパシタCが次の(式7)で表されるような場合には、等価回路の形状はS/S=1、d/d=x、S/S=0、d/d=1−xとなり、一対の電極(面積:S、間隔:d)間に粉体と液体とが並列に配置されており、前記電極間のキャパシタCが次の(式8)で表されるような場合には、等価回路の形状はS/S=x、d/d=1、S/S=a(a:任意の数)、d/d=0となる。また、一対の電極(面積:S、間隔:d)間に球状粉体が液体中に分散しており、前記電極間のキャパシタCが次の(式9)で表されるような場合には、等価回路の形状はS/S=(1+2x)/3、d/d=3x/(1+2x)、S/S=0、d/d=(1−x)/(1+2x)となり、一対の電極(面積:S、間隔:d)間に球状液体が粉体中に分散しており、前記電極間のキャパシタCが次の(式10)で表されるような場合には、等価回路の形状はS/S=1、d/d=x/(3−2x)、S/S=2x/3、d/d=(3−3x)/(3−2x)となる。
Figure 0005132145
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このように、粉体の分散状態に応じて形状因子S、d(m=1、2、・・・n)が決まるので、実際のスラリーとスラリーモデルとの不一致による粉体の誘電率の計算誤差が小さく、粉体の誘電率を十分に高い精度で求めることができる。
このnは2以上10未満の任意の自然数であるが、その最適値は、フィッティングが良好となっているかどうか、等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値と複素インピーダンスの周波数変化の測定値との間に系統的な残差が残っていないかどうかで判断できる。このような点で、nは大きければ大きい程良いことになるが、フィッティングの収束性等を考慮し、通常の測定においてはn=3で十分である。
前記液体の誘電率εと前記液体の導電率σは、液体を一対の電極(面積:S、間隔:d)で挟持して前記電極間の各周波数における電位差と電流から前記液体の複素インピーダンスの周波数変化を1mHzから100MHzまでの全部ないし一部の周波数範囲で測定し、仮想的に、前記液体を一対の電極(面積:S、間隔:d)で挟持してなる抵抗RliqおよびキャパシタCliqの並列回路を設定し、前記並列回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値を前記複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングさせることで抵抗RliqおよびキャパシタCliqを求め、抵抗RliqおよびキャパシタCliqから、次の2個の式を用いて算出することができる。液体として炭酸プロピレンを使用した場合、ε=61.0〜63.5、σ=5.2〜5.9×10−4[S/m]となる。
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図4は本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられる接触抵抗Rとフリンジング容量Cの補正方法を説明するための等価回路図である。粉体の誘電率εをより高い精度で求める上では、インピーダンスアナライザー等の測定器と第1および第2の電極部材3および4との間に発生する接触抵抗Rと測定ジグに発生するフリンジング容量Cを補正することが望ましい。接触抵抗Rはスラリーや液体等の測定試料と直列に接続していることから、複素インピーダンスプロット上で分離ができる。そのため、接触抵抗Rを前記の仮想的に設定させる等価回路と直列に設け、この等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値を測定値にフィッティングさせることで決定することができる。一方、フリンジング容量Cはスラリーや液体等の測定試料と並列に接続していることから、複素インピーダンスプロット上では分離ができない。そのため、スラリーや液体の代わりに空気を測定試料とした場合のキャパシタンスの測定値Cから次の式を用いて決定しておき、得られたフリンジング容量Cを前記の仮想的に設定させる等価回路と並列に設け、この等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値を測定値にフィッティングさせることでn個の抵抗R(R、R、・・・R)およびキャパシタC(C、C、・・・C)と接触抵抗Rを求める必要がある。
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以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定する代わりに、種々のスラリーモデル(x=10[vol%]、S=1[mm]、d=1[mm]、ε=100、σ=2.5[S/m]、ε=25、σ=5[S/m])を作製し、時間領域有限差分法(FDTD法)電磁界シミュレーション(格子間隔:0.02[mm]、励振用入力波:ガウス波、励振用入力波の中心周波数:0[Hz]、励振用入力波のバンド幅:100[GHz]、タイムステップ数:150000)を実施して、次の式を用いて各スラリーモデルの0.1GHzから10GHz(計算時間を短縮するために高周波領域で計算)までの複素インピーダンスの周波数変化を計算し、これに本発明の粉体の誘電率の計算方法を適用することで、本発明の有効性を検討した。
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図5の上段は種々のスラリーモデル(並列、直列、ランダム、沈降)を表した図である。ランダムモデルは一対の電極間を10×10×10に分割し、乱数を用い、その1/10を粉体で満たすことで作製した。沈降モデルは前記ランダムモデルの粉体を電極面に垂直な方向でソートすることで作製した。図6は各スラリーモデルの複素インピーダンスの周波数変化を計算した結果を表したグラフである。図5の下段はこれに本発明の粉体の誘電率の計算方法を適用することで得られた、粉体の誘電率とn=2とした場合の等価回路の形状因子を計算した結果を表した図である。粉体の誘電率の入力値をε=100としており、この結果は、本発明の粉体の誘電率の計算誤差が3%以下と非常に小さいことを示している。
前記の最良の形態に基づいて、市販されている堺化学工業株式会社製のチタン酸ストロンチウム粉体ST03(平均粒径:300nm、密度:5.12g/cm)を用いて、粉体濃度xを8.7vol%、10.6vol%、11.8vol%とした3種類のスラリーを用意し、その40Hzから20MHzまでの複素インピーダンスの周波数変化を測定し、これに本発明の粉体の誘電率の計算方法を適用することで、本発明の有効性を検討した。なお、ST03は110℃×24hr乾燥させたものを使用した。
図7は各スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定した結果を表したグラフである。図8はn=2からn=5までの等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値をx=10.6[vol%]としたスラリーの500Hzから20MHzまでの複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングした結果を表したグラフである。n≧3でフィッティングが良好となっていることがわかる。
図9は粉体の誘電率と等価回路の形状因子を計算した結果を表した図である。粉体の誘電率の計算結果は何れのスラリーにおいてもn≧3で収束していることがわかる。これは粉体の分散状態が悪く、沈降した状態で測定していることに起因しているものと考えられる。n=3とした場合の粉体の誘電率の計算結果は232±3とばらつきが小さく、ST単結晶の誘電率が約300であることに対して妥当な数値である。
実施例2と同様に、前記の最良の形態に基づいて、市販されている堺化学工業株式会社製のチタン酸バリウム粉体BT05(平均粒径:500nm、密度:5.953g/cm)を用いて、粉体濃度xを10.0vol%、10.1vol%、10.2vol%とした3種類のスラリーを用意し、その40Hzから20MHzまでの複素インピーダンスの周波数変化を測定し、これに本発明の粉体の誘電率の計算方法を適用することで、本発明の有効性を検討した。なお、BT05は600℃×1hr乾燥させたものを使用した。
図10は各スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定した結果を表したグラフである。図11はn=2からn=5までの等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値をx=10.1[vol%]としたスラリーの500Hzから20MHzまでの複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングした結果を表したグラフである。n≧3でフィッティングが良好となっていることがわかる。
図12は粉体の誘電率と等価回路の形状因子を計算した結果を表した図である。粉体の誘電率の計算結果は何れのスラリーにおいてもn≧3で収束していることがわかる。これも実施例2と同様、粉体の分散状態が悪く、沈降した状態で測定していることに起因しているものと考えられる。n=3とした場合の粉体の誘電率の計算結果は2610±190とばらつきが小さく、BT単結晶の誘電率が約3000であることに対して妥当な数値である。
本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられる測定ジグ1を示すもので、(a)は上から見た平面図、(b)は断面図である。 本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられるn=2とした場合の等価回路を説明するための説明図である。 本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられるn=2とした場合の等価回路の形状因子S、dを説明するための説明図である。 本発明の粉体の誘電率測定方法に用いられる接触抵抗Rとフリンジング容量Cの補正方法を説明するための等価回路図である。 実施例1における種々のスラリーモデル、並びに粉体の誘電率とn=2とした場合の等価回路の形状因子を計算した結果を表した図である。 実施例1における各スラリーモデルの複素インピーダンスの周波数変化を計算した結果を表したグラフである。 実施例2における各スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定した結果を表したグラフである。 実施例2におけるn=2からn=5までの等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値をx=10.6[vol%]としたスラリーの複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングした結果を表したグラフである。 実施例2における粉体の誘電率と等価回路の形状因子を計算した結果を表した図である。 実施例3における各スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定した結果を表したグラフである。 実施例3におけるn=2からn=5までの等価回路をx=10.6[vol%]としたスラリーの複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングした結果を表したグラフである。 実施例3における粉体の誘電率と等価回路の形状因子を計算した結果を表した図である。
符号の説明
1・・・測定ジグ
3、4・・・電極部材
6・・・スラリー
7・・・Oリング
8・・・螺子
9・・・等電位面

Claims (1)

  1. 粉体と液体とからなる粉体濃度xのスラリーを面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持して、1mHzから100MHzまでの全部ないし一部の周波数範囲で前記電極間の各周波数における電圧値と電流値とから前記スラリーの複素インピーダンスの周波数変化を測定し、
    仮想的に、前記スラリーの一部である媒質1を粉体領域と液体領域とに並列に分離して該並列に分離された媒質1を面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路に、前記スラリーの一部とは粉体領域と液体領域との体積比が異なる媒質nを粉体領域と液体領域とに並列に分離して該並列に分離された媒質nを面積がS、間隔がdの一対の電極で挟持してなる抵抗RおよびキャパシタCの並列回路を(n−1)個(n:2以上10未満の任意の自然数)直列に接続した等価回路を設定し、
    前記等価回路より得られる複素インピーダンスの周波数変化の計算値を前記複素インピーダンスの周波数変化の測定値にフィッティングさせることでn個の抵抗R、R、・・・RおよびキャパシタC、C、・・・Cを求め、
    該n個の抵抗R、R、・・・RおよびキャパシタC、C、・・・Cと前記液体の誘電率εと前記液体の導電率σと前記粉体濃度xとから、次の2n+2個の式を用いて前記粉体の誘電率εを算出することを特徴とする粉体の誘電率測定方法。
    Figure 0005132145
    Figure 0005132145
    Figure 0005132145
    Figure 0005132145
    ただし、εは真空の誘電率であり、S は粉体領域と液体領域とに並列に分離された媒質mを挟持する一対の電極の粉体領域における面積であり、(m=1、2、・・・n)は前記媒質mを挟持する一対の電極の間隔である。
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