JP5122203B2 - Combustion type driving tool - Google Patents
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Description
この発明は、可燃性ガスを燃焼させて作動させる燃焼式の打ち込み工具に関する。 The present invention relates to a combustion type driving tool that operates by burning a combustible gas.
この種の打ち込み工具は、釘等の打ち込み具を打撃するドライバを備えたピストンの上室を燃焼室とし、この燃焼室内に可燃性ガスと空気を供給し、これをファンの回転により撹拌するとともに点火プラグで点火して燃焼(爆発)させることにより得られる燃焼圧力でピストンを衝撃的に下動させて打撃力を得る構成としたもので、可燃性ガスをカセット式のガスボンベにより供給し、点火プラグへの電源供給をバッテリパックにより行うことにより、その可搬性及び取り扱い性が高められている。
従来、この種の燃焼式の打ち込み具に関する技術として、例えば下記の特許文献に開示されたものが公知になっている。これらの特許文献には、撹拌用のファンを回転させるための電動モータに付加される燃焼時や打撃時の衝撃或いは慣性等を抑制して、その耐久性を高めるための様々な技術が開示されている。例えば、当該電動モータを、シリンダヘッドに設けたモータ収容部内において巻きばねで支持することにより衝撃を吸収する構成とした技術が開示されている。
Conventionally, as a technique related to this type of combustion-type driving tool, for example, those disclosed in the following patent documents are known. These patent documents disclose various techniques for suppressing the impact or inertia at the time of combustion or striking applied to an electric motor for rotating a stirring fan and enhancing its durability. ing. For example, a technique is disclosed in which the electric motor is configured to absorb an impact by supporting the electric motor with a winding spring in a motor housing provided in the cylinder head.
しかしながら、従来の巻きばねを用いたモータ支持構造によれば、巻きばね自体について圧縮時の一定長さに相当する収容スペースを確保する必要上、限られたモータ収容部内において電動モータの衝撃吸収代(衝撃を吸収するために電動モータが移動可能な距離、以下同じ)を十分に確保することが困難であり、この点で従来のモータ支持構造はモータの衝撃吸収代が不十分であった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、燃焼式の打ち込み工具において、巻きばねを用いてモータに付加される衝撃を吸収する支持構造を採用する場合に、モータ収容部の大型化を招くことなく当該モータの衝撃吸収代を従来よりも大きく確保してその耐久性を一層高めることを目的とする。
However, according to the conventional motor support structure using a winding spring, it is necessary to secure a storage space corresponding to a certain length during compression of the winding spring itself, and the shock absorption margin of the electric motor is limited in the limited motor storage portion. It is difficult to ensure a sufficient distance (the same is true hereinafter for the distance that the electric motor can move to absorb the shock), and in this respect, the conventional motor support structure has insufficient motor shock absorption.
The present invention has been made in view of the above-described conventional problems, and in a combustion type driving tool, when a support structure that absorbs an impact applied to a motor by using a winding spring is adopted, a large-sized motor housing portion is provided. The purpose of this invention is to further increase the durability of the motor by ensuring a larger shock absorption margin than the conventional one without incurring a reduction in cost.
上記の課題は、以下の各発明により解決される。
第1の発明は、燃焼室に供給した可燃性ガスの撹拌用のファンを回転させるための電動モータを備えた燃焼式打ち込み工具であって、電動モータの収容部を備え、このモータ収容部の壁部と電動モータとの間に、巻き径が徐々に変化する円錐台形状の巻きばねを介在させて打ち込み方向の衝撃を吸収する構成とした打ち込み工具である。
第1の発明によれば、可燃性ガスの燃焼時或いは打ち込み具の打ち込み時等に発生する衝撃及びその反動が巻きばねで吸収緩和されることにより電動モータが当該衝撃等から保護される。この巻きばねには、巻き径が徐々に変化する円錐台形状のコニカルスプリングが用いられている。このため、巻きばねは、最も圧縮された状態では、ほぼその線径に相当する幅寸法にまで薄く圧縮された状態(平面的な渦巻き状態)となる。これに対して、巻き径が変化しない円筒形状の巻きばねを用いた場合には、最も圧縮された状態でも、その線径の巻き数分に相当する幅寸法の収容スペースを必要とする。このことから、上記コニカルスプリングを用いることによりモータ収容スペースを大きくすることなく、従来よりも大きな衝撃吸収代を確保することができ、これにより衝撃若しくは反動に対する電動モータの耐久性を従来よりも高めることができる。
第2の発明は、第1の発明において、モータ収容部の打ち込み方向前後の壁部と、電動モータの前部及び後部との間にそれぞれ巻きばねを介在させた打ち込み工具である。
第2の発明によれば、打ち込み方向及び反打ち込み方向の双方について衝撃若しくは反動が吸収されて電動モータの保護をより確実に行うことができる。
第3の発明は、第2の発明において、電動モータの後部にリード線保護用の後面保護キャップを取り付け、この後面保護キャップを介して電動モータの後部に巻きばねを作用させた打ち込み工具である。
第3の発明によれば、電動モータの後面から電源供給用のリード線が引き出されており、このリード線の引き出し部が後面保護キャップで保護されることにより、衝撃等により巻きばねが伸縮して電動モータが反復移動した場合にも当該リード線の主として引き出し部の損傷が防止される。
第4の発明は、第3の発明において、後面保護キャップは電動モータの後部に固定されており、この後面保護キャップをモータ収容部に対して凹凸係合させて電動モータの回り止めをした打ち込み工具である。
第4の発明によれば、後面保護キャップに、リード線保護機能と電動モータの回り止め機能を併せ持たせることができる。
Said subject is solved by each following invention.
1st invention is a combustion type driving tool provided with the electric motor for rotating the fan for stirring of the combustible gas supplied to the combustion chamber, Comprising: The accommodation part of an electric motor is provided. This is a driving tool configured to absorb a shock in the driving direction by interposing a frustoconical winding spring having a winding diameter that gradually changes between the wall portion and the electric motor .
According to the first aspect of the present invention , the electric motor is protected from the impact and the like by absorbing and mitigating the impact and the reaction generated when the combustible gas is burned or when the driving tool is driven. A conical spring having a truncated cone shape whose winding diameter gradually changes is used for this winding spring. For this reason, in the most compressed state, the wound spring is in a state of being compressed thinly to a width dimension substantially corresponding to the wire diameter (planar spiral state). On the other hand, when a cylindrical winding spring whose winding diameter does not change is used, an accommodation space having a width corresponding to the number of windings of the wire diameter is required even in the most compressed state. Therefore, by using the conical spring, it is possible to secure a larger shock absorption margin than before without increasing the motor accommodation space, thereby increasing the durability of the electric motor against impact or reaction than before. be able to.
A second invention is the driving tool according to the first invention, wherein a winding spring is interposed between the front and rear wall portions of the motor housing portion in the driving direction and the front portion and the rear portion of the electric motor .
According to the second invention , the impact or reaction is absorbed in both the driving direction and the counter driving direction, so that the electric motor can be protected more reliably.
A third invention is a driving tool according to the second invention, wherein a rear surface protection cap for protecting lead wires is attached to the rear portion of the electric motor, and a winding spring is applied to the rear portion of the electric motor via the rear surface protection cap. .
According to the third invention , the power supply lead wire is drawn out from the rear surface of the electric motor, and the lead wire lead portion is protected by the rear surface protection cap, so that the winding spring expands and contracts due to impact or the like. Even when the electric motor repeatedly moves, damage to the lead portion of the lead wire is prevented.
According to a fourth aspect , in the third aspect , the rear surface protective cap is fixed to the rear portion of the electric motor, and the rear surface protective cap is engaged with the motor housing portion so as to prevent the electric motor from rotating. It is a tool .
According to the fourth aspect of the invention , the rear surface protection cap can have both a lead wire protection function and an electric motor detent function.
次に、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るモータ支持構造を備えた燃焼式の打ち込み工具1を示している。この打ち込み工具1は、ピストン2とシリンダ3を内装した本体部10と、本体部10の側部から側方へ延びるハンドル部20と、ハンドル部20の先端部と本体部10の先端部間に掛け渡し状態で装備したマガジン30を備えている。以下の説明では、各部及び各部材の方向について、打ち込み具の打ち込み方向を下方として説明する。図1では、下側が打ち込み方向となる。
本体部10の本体ケース11の内周側に円筒形状のシリンダ3が固定されている。このシリンダ3の内周側にピストン2が往復動可能に支持されている。このピストン2の下面中心に打ち込み用のドライバ4が取り付けられている。このドライバ4は、ピストン2の中心から下方へ長く延びており、その先端部は、ドライバガイド5内に至っている。ドライバガイド5は、ドライバ4を打ち込み方向に案内するもので、本体部10の下端部から下方へ延びる状態に設けられている。このドライバガイド5に、マガジン30の送り方向先端部が結合されている。マガジン30には、多数の打ち込み具が並列状態で連結された連結打ち込み具が装填される。このマガジン30に装填された連結打ち込み具が、図示省略した連動機構を介して本体部10の打ち込み動作に連動してドライバガイド5側にピッチ送りされ、これによりドライバガイド5内に打ち込み具が1本づつ供給される。供給された1本の打ち込み具がドライバ4で打撃されて、ドライバガイド5の先端から打ち出される。
ハンドル部20は使用者が把持する部位で、その基部には使用者が指先で引き操作するスイッチレバー21が配置されている。このスイッチレバー21を引き操作すると点火スイッチ22がオンして打ち込み動作がなされる。この点火スイッチ22及びその周辺の構成については後述する。
ハンドル部20の先端には、充電式のバッテリパック25が装着されている。このバッテリパック25を電源として、以下説明する燃焼室撹拌用のファン40を回転させるための電動モータ45が起動する。
Next, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. FIG. 1 shows a combustion type driving tool 1 provided with a motor support structure according to the present embodiment. The driving tool 1 includes a
A
The
A
シリンダ3の上部には、円筒形状の燃焼室壁6が上下に移動可能に支持されている。この燃焼室壁6の内周側であって、シリンダヘッド7と燃焼室壁6とピストン2とシリンダ3により区画形成される空間部が燃焼室Fとされている。燃焼室壁6が上動すると、燃焼室Fが気密に閉じられて可燃性ガスが供給され、またその燃焼がなされる。燃焼室壁6が下動すると、燃焼室Fが開かれて排気がなされる。
燃焼室Fの周辺の構成が図2及び図3に拡大して示されている。この燃焼室Fの側部であって、燃焼室壁6とハンドル部20との間には、可燃性ガスが充填されたガスボンベ(図示省略)が装着されている。このガスボンベには、使用済みのものを簡単に新品に交換可能なカセット式のものが用いられている。ドライバガイド5の先端部を打ち込み材Wの打ち込み部位に当接させ、この状態で本体部10を打ち込み方向(図1において下方)に押し付けることによりドライバガイド5に沿って設けたコンタクトレバー9を本体部10に対して相対的に上動させると、このコンタクトレバー9の相対移動動作により燃焼室壁6が上動して燃焼室Fが気密に閉じられ、これに連動してガスボンベから一定量の可燃性ガスが燃焼室F内に噴射される。この可燃性ガス供給機構の基本的な構成については従来公知の技術であり、本実施形態において特に変更を要しない。
シリンダヘッド7の後方は、本体ケース11の後部に取り付けた後部ケース12によって塞がれている。
燃焼室F内に供給された可燃性ガスは、空気と混合されて一定比率の混合気とされる。この混合気を効率よく生成するとともに燃焼時の燃焼効率を高めるために、燃焼室Fには上記した撹拌用のファン40が設けられている。このファン40は、電動モータ45を駆動源として回転する。この電動モータ45は概ね円柱体形状を有しており、シリンダヘッド7に設けた円筒形状のモータ収容部8内に保持されている。このモータ収容部8の前壁8aに設けた挿通孔8bを経てこの電動モータ45の出力軸45aが当該モータ収容部8内から燃焼室F内に突き出されており、この突き出し部に上記ファン40が取り付けられている。
電動モータ45は、モータ収容部8内においてその回転軸線方向(出力軸45aの軸線方向)に移動可能に支持されている。モータ収容部8の前壁8aと、電動モータ45の前面との間には、圧縮コイルばね46が介装されている。この前側の圧縮コイルばね46によって電動モータ45は後方(図1において上方)に付勢されている。また、モータ収容部8の後部内周には孔用の止め輪47が装着されている。この止め輪47と、電動モータ45の後面(後述する後面保護キャップ49)との間にも圧縮コイルばね48が介装されている。この止め輪47がモータ収容部8の後壁として機能する。この後ろ側の圧縮コイルばね48によって電動モータ45は前方に付勢されている。この前後の圧縮コイルばね46,48によって、電動モータ45はモータ収容部8内において、その回転軸線方向両側に弾性付勢されたフローティング状態で支持されている。
また、電動モータ45は、モータ収容部8の側壁8cによって径方向(回転軸線に直交する方向、図1において左右方向)にはほぼガタツキのない状態で支持されている。
A cylindrical
The configuration around the combustion chamber F is shown enlarged in FIGS. A gas cylinder (not shown) filled with a combustible gas is mounted on the side of the combustion chamber F and between the
The rear side of the
The combustible gas supplied into the combustion chamber F is mixed with air to obtain a mixture of a certain ratio. In order to efficiently generate this air-fuel mixture and increase the combustion efficiency during combustion, the combustion chamber F is provided with the above-described
The
Further, the
このように電動モータ45が回転軸線方向両側にフローティング状態で支持されることにより、可燃性ガスの燃焼時(爆発時)あるいは打ち込み反動時の衝撃が吸収されて、電動モータ45に直接伝わらないようになっている。
両圧縮コイルばね46,48は、それぞれ巻き径が徐々に変化する円錐台形状の巻きばね(いわゆるコニカルスプリング)が用いられている。この両圧縮コイルばね46,48が、特許請求の範囲に記載した巻きばねに相当する。
このため、両圧縮コイルばね46,48は、圧縮されるとその大径側の端部46a,48aの内周側に順次小径側の端部46b,48bが入り込んで平面的な渦巻き状態になり得る。このため、両圧縮コイルばね46,48は、最終的にその線径に相当する幅寸法まで圧縮され得る。この点、巻き径が変化しない円筒形の圧縮コイルばねの場合には、最大で圧縮した場合であってもその線径×巻き数に相当する幅寸法以下に圧縮されることがない。このことから、上記のように円錐台形状のコニカルスプリングを前後の圧縮コイルばね46,48として用いることにより、回転軸線方向の寸法について同じ大きさのモータ収容部8内において電動モータ45の移動可能な距離を大きく確保することができ、これにより当該電動モータ45の支持構造について、モータ収容部8を大きくすることなく従来よりも大きな衝撃吸収代(衝撃吸収能力)を持たせることができる。
前側の圧縮コイルばね46の大径側の端部46aがモータ収容部8の前壁8aに当接され、小径側の端部46bが電動モータ45の前面に当接されている。大径側の端部46aは、前壁8aに直接当接されるとともに、側壁8cによってその径方向の位置ズレを規制された状態で当接されている。一方、小径側の端部46bは、電動モータ45の前面に設けたボス部45bをその内周側にガタツキなく嵌め込んで径方向への位置ズレが規制された状態で当該電動モータ45の前面に当接されている。これにより、当該前側の圧縮コイルばね46が電動モータ45の回転軸線に対して同心となる位置からの位置ズレが規制された状態で介装されている。
また、後ろ側の圧縮コイルばね48の大径側の端部48aが止め輪47に当接され、小径側の端部48bが後面保護キャップ49を介して間接的に電動モータ45の後面に当接されている。大径側の端部48aは、前側の圧縮コイルばね46と同様側壁8cによってその径方向の位置ズレを規制された状態で止め輪47に当接されている。後ろ側の圧縮コイルばね48の小径側の端部48bは、後面保護キャップ49の中心に設けたボス部49aをその内周側にガタツキなく嵌め込んで径方向への位置ズレが規制された状態で当該後面保護キャップ49を介して電動モータ45の後面に間接的に当接されている。このように装着された前後の圧縮コイルばね46,48は、電動モータ45の回転軸線を中心として相互に同心に配置されている。
As described above, the
Both compression coil springs 46 and 48 are frustoconical winding springs (so-called conical springs) whose winding diameters gradually change. Both the compression coil springs 46 and 48 correspond to the winding springs described in the claims.
For this reason, when both the compression coil springs 46 and 48 are compressed, the
A large-
In addition, the
後面保護キャップ49は、電動モータ45の外径とほぼ同じ外径を有する合成樹脂製の円環形状を有するもので、当該電動モータ45の後面に沿って支持されている。この後面保護キャップ49の内周側から当該電動モータ45の2本のリード線45c,45cが引き出されている。この後面保護キャップ49の内周側にはコーティング材49bが充填されて、両リード線45c,45cの損傷が防止されている。
この後面保護キャップ49には、外周側に突き出す係合部49cが設けられている。この係合部49cは、モータ支持部8の側壁8cに設けた係合溝部8d内に挿入されている。この係合溝部8dは、電動モータ45の回転軸線方向に一定の範囲で長く形成されている。このため、当該モータ支持部8内において電動モータ45がその回転軸線方向に移動すると、これと一体で後面保護キャップ49が移動し、従ってその係合部49cが係合溝部8d内を同方向に移動する。
電動モータ45の出力軸45aには、円環形状のシール板45dが装着されている。このシール板45dはボス部45bにほぼ当接する位置に保持されている。このシール板45dによって、燃焼室F内の混合気が前壁8aの挿通孔8bを経て当該モータ支持部8内に進入した場合であっても、これが当該シール板45dで遮蔽されて直接出力軸45aの支持部(ボス部45b)を経てモータ内部に侵入することが防止される。
次に、シリンダヘッド7には、燃焼室F内にスパークを発生させるための点火プラグ50が取り付けられている。この点火プラグ50及びその周辺の構成が図5及び図6に拡大して示されている。この点火プラグ50は、プラグ陽極51とプラグ絶縁部52を備えている。プラグ陽極51は、その先端部と後部を残してプラグ絶縁部52で覆われている。プラグ絶縁部52の取り付けねじ部52aをシリンダヘッド7に設けた取り付けねじ孔7aに締め付けて、当該点火プラグ50がプラグ陽極51の先端部を燃焼室F側に向けた状態で取り付けられている。
The rear surface
The rear surface
An
Next, a
本実施形態のプラグ絶縁部52は、高い絶縁耐力を有する樹脂成形材料を素材として一体成形されている。具体的には、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)等の絶縁耐力の温度依存性が低い熱可塑性エンジニアリングプラスチックを素材としている。または、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)を用いてもよい。従来、ナイロン樹脂を素材とするプラグ絶縁部の絶縁耐力(絶縁破壊強さ、絶縁材料が耐える電圧)は通常100℃前後で10kV/mm程度にまで低下するが、これらの熱可塑性エンジニアリングプラスチックを素材として用いることにより、100℃で少なくとも12kV/mm程度の絶縁耐力を確保することができ、これにより高温下においても電流の漏れ(リーク)を従来よりも大幅に抑制してプラグ陽極51とプラグ陰極53の先端部との間で確実にスパークさせることができるようになっている。
また、図5に示す沿面距離B(プラグ絶縁部52の取り付けねじ部52aの半径に相当)は、プラグ陽極51とプラグ陰極53との間のギャップ(隙間、図5においてA寸法)の少なくとも1.5倍(プラグギャップの1.5倍以上)に設定されている。このように、プラグ陽極51とプラグ陰極53と間の隙間(プラグギャップ)を基準としてプラグ絶縁部51の径(主として取り付けねじ部52aのねじ径)が設定されていることによっても、プラグ陽極51の先端部とプラグ陰極53との間において放電によるスパークの発生が確実になされて可燃性ガスの確実な点火が確保されるようになっている。
従来、プラグ絶縁部の材質がナイロンであったり、その肉厚が十分厚くないために、当該プラグ絶縁部の絶縁耐性が不十分であったために高温下においてプラグ絶縁部での電流漏れが発生し、その結果プラグ陽極の先端部とプラグ陰極との間で十分な放電がなされず、点火ミスを発生し、従って打ち込み動作不良が発生する場合があった。この点、上記したようにプラグ絶縁部52がPPS樹脂を素材として成形され、またその沿面距離B(プラグ絶縁部52の取り付けねじ部52aの半径に相当)がプラグギャップAの少なくとも1.5倍に設定されていることにより、当該プラグ絶縁部52の電流漏れを抑制してプラグ陽極51の先端部とプラグ陰極53との間で確実にスパークを発生させ、これにより可燃性ガスを確実に点火することができるようになっている。
プラグ陰極53は、アルミニウムを素材としてシリンダヘッド7に一体に設けられている。
The
Further, the creepage distance B (corresponding to the radius of the mounting
Conventionally, the material of the plug insulation part is nylon or the wall thickness is not sufficiently thick, so that the insulation resistance of the plug insulation part is insufficient, and current leakage at the plug insulation part occurs at high temperatures. As a result, a sufficient discharge is not generated between the tip of the plug anode and the plug cathode, resulting in an ignition error, and thus a defective driving operation may occur. In this regard, as described above, the
The
次に、燃焼室壁6の側方にファンスイッチ15が配置され、ハンドル部20の基部付近に点火スイッチ22が配置されている。ファンスイッチ15及びその周辺の構成が図7に拡大して示され、点火スイッチ22及びその周辺の構成が図8に拡大して示されている。
両スイッチ15,22には、公知のマイクロスイッチが用いられている。両スイッチ15,22は、それぞれ本体部15a,22aと、該本体部15a,22aの側部に設けられてオン位置とオフ位置との間を移動する作動ボタン15b,22bと、本体部15a,22aの側部に傾動可能に設けられてオン位置とオフ位置との間を傾動する作動レバー15c,22cを備えている。作動レバー15c,22cがオン位置まで傾動すると作動ボタン15b,22bまで押し込まれてスイッチ本体部15a,22aがオンする。スイッチ本体15a,22aがオンすると、オン信号が配線15d,22dを経て制御回路に出力される。
コンタクトレバー9のオン操作により、図示省略した従来公知の機械的手段によりガスボンベが開かれて一定量の可燃性ガスが燃焼室F内に供給され、これに連動してファンスイッチ15がオンすることにより電動モータ45が起動してファン40が回転し始める。一方、点火スイッチ22がオンすると、点火プラグ50のスパークにより燃焼室F内の可燃性ガスに点火され、従ってピストン2が下動して打ち込み動作がなされる。
前記したように、ドライバガイド5に沿ってコンタクトレバー9が相対的に上下動可能に設けられている。このコンタクトレバー9の先端を打ち込み材に当接させて本体部10を打ち込み方向に押し付けると、このコンタクトレバー9が相対的に上動する。
コンタクトレバー9は、図示省略した連結レバーを介して燃焼室壁6に連結されている。このため、コンタクトレバー9が本体部10に対して相対的に上動する(オンする)と、この燃焼室壁6が上動してシリンダヘッド7との間の隙間が塞がれて燃焼室Fが気密に閉じられる。これに対して、本体部10の押し付け操作を解除すると、コンタクトレバー9が相対的に下動する(オフする)。コンタクトレバー9がオフ位置に下動すると、その先端部がドライバガイド5の先端部よりも下方へ一定寸法だけ突き出された状態となるとともに、燃焼室壁6が下動して燃焼室Fが開かれる。
Next, a
Both switches 15 and 22 are known microswitches. The
When the
As described above, the
The
コンタクトレバー9のオン操作により燃焼室壁6が上動して燃焼室Fが閉じられると、ファンスイッチ15がオンする。燃焼室壁6の上部には、シリンダヘッド7に押圧されることにより燃焼室Fを気密に閉塞する円環形状のシール体6aがその全周にわたって装着されている。ファンスイッチ15は、このシール体6aの側方に配置されている。
コンタクトレバー9のオン操作によりこのシール体6aが燃焼室壁6と一体で上動すると、ファンスイッチ15の作動レバー15cがオン位置側(図7において右側)に押されて傾動し、これにより作動ボタン15bがオン位置に押し込まれて当該ファンスイッチ15がオンする。逆に、コンタクトレバー9のオフ操作によりシール体6aが燃焼室壁6と一体で下動すると、当該シール体6aが作動レバー15cの側方から下方へ退避する。シール体6aが側方から退避すると、作動レバー15cが作動ボタン15bの付勢力によりオフ位置に戻され、従って作動ボタン15bがオフ位置に復帰して当該ファンスイッチ15がオフする。
このように、シール体6aの移動方向(打ち込み具の打ち込み方向)に対して、ファンスイッチ15の作動レバー15c及び作動ボタン15bの移動方向(オンオフ作動方向)が直交若しくはこれに近い角度で交差する方向になるよう当該ファンスイッチ15の取り付け姿勢(向き)が設定されている。このため、コンタクトレバー9のオンオフ操作時等における上下方向の衝撃が作動レバー15cを経て作動ボタン15b及びスイッチ本体15aに直接付加されることがなく、これにより当該ファンスイッチ15の耐久性を高めることができる。
When the
When the
Thus, the moving direction (on / off operating direction) of the operating
一方、図8に示すようにスイッチレバー21の上部には、作動レバー部21aが上方へ突き出す状態に設けられている。この作動レバー部21aの側方(図8において右側)に点火スイッチ22が配置されている。
スイッチレバー21を使用者が指先で上方へ引き操作すると、これと一体で作動レバー部21aが上方へ移動する。作動レバー21aが上方へ移動すると、その側方に位置する点火スイッチ22の作動レバー22cがオン位置側(図8において右側)に押されて傾動し、これにより作動ボタン22bがオン位置に押し込まれて当該点火スイッチ22がオンする。逆に、スイッチレバー21の引き操作を解除すると、当該スイッチレバー21が図示省略した圧縮ばねの付勢力により下方のオフ位置に戻される。スイッチレバー21がオフ位置に戻されると、これと一体で作動レバー部21aが下方へ移動して、点火スイッチ22の作動レバー22cの側方から退避する。このため、作動レバー22cが作動ボタン22bの付勢力によりオフ位置に戻され、従って作動ボタン22bがオフ位置に復帰して当該点火スイッチ22がオフする。
このように、スイッチレバー21の操作方向に対して、点火スイッチ22が作動レバー22c及び作動ボタン22bの移動方向(オンオフ作動方向)が直交若しくはこれに近い角度で交差する方向になるよう当該点火スイッチ22の取り付け姿勢(向き)が設定されている。このため、スイッチレバー21のオンオフ操作時における上下方向の衝撃が作動レバー22cを経て直接作動ボタン22b及びスイッチ本体22aに直接付加されることがなく、これにより当該点火スイッチ22の耐久性を高めることができる。
このように本実施形態に係る打ち込み工具1では、打ち込み操作時に移動操作されるコンタクトレバー9とスイッチレバー21の移動方向に対して、それぞれファンスイッチ15及び点火スイッチ22のオンオフ作動方向が直交若しくは交差しているため、当該操作により発生する衝撃に対してファンスイッチ15及び点火スイッチ22を保護することができるようになっている。
On the other hand, as shown in FIG. 8, an operating
When the user pulls the
In this way, the
As described above, in the driving tool 1 according to the present embodiment, the on / off operation directions of the
スイッチレバー21には、規制バー23が設けられている。この規制バー23は、スイッチレバー21の側部に上下に回動可能に支持されている。この規制バー23は、本体ケース11に設けたガイド孔11aに挿通されている。このガイド孔11a内において、規制バー23はその長手方向のみならず、横方向にも一定の範囲で変位可能な状態で挿通されている。この規制バー23の先端側は、本体ケース11の挿通孔11bを経て燃焼室壁6の側部に至っている。
この規制バー23の先端部に対向する位置であって燃焼室壁6の側部には、規制板16が取り付けられ、また逃がし孔6bが設けられている。
コンタクトレバー9をオン操作して燃焼室壁6を上動させた状態において、スイッチレバー21を上方に引き操作すると、規制バー23がその長手方向斜め上方に変位して、その先端部を規制板16の下方を経て逃がし孔6bに進入させた状態となる。このため、この状態では、燃焼室壁6の下動が規制され、従って燃焼室Fが気密に閉じられた状態に維持される。
これに対してコンタクトレバー9をオン操作しない状態(オフ状態)であって燃焼室壁6が開かれた状態では、規制バー23の対向位置に規制板16が位置する状態となるため、規制バー23の斜め上方への移動が規制され、従ってスイッチレバー21を引き操作できない状態となる。従って、当該打ち込み機1の打ち込み操作手順として、コンタクトレバー9のオン操作した後に、スイッチレバー21を引き操作することにより打ち込み動作がなされ、逆の操作順では打ち込み動作がなされないようになっており、誤操作が防止されるようになっている。
A
A restricting
When the
On the other hand, in a state where the
以上のように構成した本実施形態に係る打ち込み工具1によれば、打ち込み具の打ち込み時或いは可燃性ガスの燃焼時(爆発時)の衝撃若しくは反動が前後の圧縮コイルばね46,48が伸縮することにより吸収される。前後の圧縮コイルばね46,48には、巻き径が徐々に変化する円錐台形状のコニカルスプリングが用いられている。このため、両圧縮コイルばね46,48は、最も圧縮された状態で、その線径に相当する幅寸法まで圧縮され得る。これに対して、両圧縮コイルばねに巻き径が変化しない円筒形の巻きばねを用いた従来構成の場合には、最も圧縮された状態でその線径の巻き数分(線径×巻き数)に相当する幅寸法までしか圧縮されない。このことから、前後の圧縮コイルばね46,48にコニカルスプリングを用いることによりモータ収容部8のモータ軸線方向の収容スペース(前壁8aと止め輪47との間の間隔)を大きくすることなく、従来よりも大きな衝撃吸収代(電動モータ45の移動可能な距離)を確保することができ、これにより衝撃に対する電動モータ45の保護をより一層確実に行うことができる。
According to the driving tool 1 according to the present embodiment configured as described above, the front and rear compression coil springs 46 and 48 expand and contract due to impact or reaction when the driving tool is driven or when combustible gas is burned (explosion). Is absorbed. As the front and rear compression coil springs 46 and 48, conical springs having a truncated cone shape whose winding diameter gradually changes are used. For this reason, both the compression coil springs 46 and 48 can be compressed to the width corresponding to the wire diameter in the most compressed state. On the other hand, in the case of a conventional configuration using a cylindrical winding spring in which the winding diameter does not change for both compression coil springs, the number of turns of the wire diameter in the most compressed state (wire diameter x number of turns) It is compressed only to the width dimension corresponding to. From this, by using conical springs for the front and rear compression coil springs 46 and 48, without increasing the accommodation space in the motor axial direction of the motor accommodating portion 8 (interval between the
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、電動モータ45の前後にコニカルスプリング46,48を用いる構成を例示したが、一方にのみ用い、他方については巻き径が変化しない通常の圧縮コイルばねを用いる構成としてもよい。係る構成によっても、前後双方に巻き径が変化しない通常の圧縮コイルばねを用いた構成よりも大きな衝撃吸収代を確保することができる。
また、巻きばねとして圧縮ばねを用いる構成を例示したが、引っ張りコイルばねを用いる構成としてもよい。係る構成であっても電動モータ45が衝撃付加方向についてフローティング支持され、かつ従来よりも大きな衝撃吸収代を確保することができる。
後面保護キャップ49の内周孔に対するコーティング材49bの充填は省略してもよい。コーティング材49bの充填を省略しても、後面保護キャップ49によってリード線45c,45cの引き出し部の保護はなされる。
Various modifications can be made to the embodiment described above. For example, although the configuration using the conical springs 46 and 48 before and after the
Moreover, although the structure which uses a compression spring as a winding spring was illustrated, it is good also as a structure which uses a tension coil spring. Even in such a configuration, the
The filling of the
1…打ち込み工具
2…ピストン
3…シリンダ
4…ドライバ
5…ドライバガイド
6…燃焼室壁、6a…シール体、6b…逃がし孔
F…燃焼室
7…シリンダヘッド
8…モータ収容部
8a…前壁、8b…挿通孔、8c…側壁、8d…係合溝部
9…コンタクトレバー
10…本体部
11…本体ケース、11a…ガイド孔、11b…挿通孔
12…後部ケース
15…ファンスイッチ
15a…スイッチ本体、15b…作動ボタン、15c…作動レバー、15d…配線
20…ハンドル部
21…スイッチレバー
22…点火スイッチ
22a…スイッチ本体、22b…作動ボタン、22c…作動レバー、22d…配線
23…規制バー
25…バッテリパック
30…マガジン
40…ファン
45…電動モータ
45a…出力軸、45b…ボス部、45c…リード線、45d…シール板
46…圧縮コイルばね(前側)、46a…大径側の端部、46b…小径側の端部
47…止め輪
48…圧縮コイルばね(後ろ側)、48a…大径側の端部、48b…小径側の端部
49…後面保護キャップ、49a…ボス部、49b…コーティング材、49c…係合部
50…点火プラグ
51…プラグ陽極
52…プラグ絶縁部、52a…取り付けねじ部
53…プラグ陰極
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Driving
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