JP5119105B2 - 開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングおよび超音波センサ - Google Patents

開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングおよび超音波センサ Download PDF

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Description

本発明は、開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングおよび、これらの開放型超音波送受信ユニットと保護ハウジングとを備えた超音波センサに関する。
従来から、距離測定や障害物検知を行うために超音波を送信または受信する開放型超音波送受信ユニット(以下、超音波ユニットという)が用いられている。超音波ユニットは、超音波を送信または受信する際に振動する圧電素子から成る振動体や振動体に固定されている共振子などが直接外気に触れる構造となっている。このような超音波ユニットは、例えば、車両等に搭載して安全確保のために用いられることから、安定した動作や信頼性の高い測定精度や検知精度が要求される。
そこで、製造時における振動体の位置決め方法や固定支持方法を改善することにより、超音波出力すなわち超音波音圧出力のばらつきが小さく、安定した指向性を有するようにした超音波ユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、圧電素子に印加する印加電圧の周波数域が、音圧出力の最大レベルに調整していた周波数域からずれた場合であっても、従来よりも、音圧出力の低下がより少なくなるようにした超音波ユニットが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−253395号公報 特開平5−328498号公報(特許第3010242号)
このような従来の超音波ユニットは、自動扉用の人体検知センサ、駐車場の車検知センサ、車室内の防犯センサなどに使用されることが多く、その想定される使用環境温度が−40℃から80℃などという過酷かつ広範囲に変化する環境のもとで、信頼性の高い動作が要求される。
また、超音波ユニットは、通常、センサとしての指向性の確保、機械的または化学的な損傷からの保護、取り扱いや取付の容易性などのために、開口を有する保護ハウジング内に設置される。このような保護ハウジングは、必然的に特定周波数に対して共鳴器(ヘルムホルツの共鳴器と呼ばれる)を構成する。超音波送受信のエネルギ効率および受信感度は、保護ハウジングが共鳴モードにあるときの超音波の周波数において高くなる。そこで、多くの場合、所定の周波数に対する共鳴モードまたはそれに近い動作モードとなる保護ハウジングが用いられる。
ところが、上述のような超音波ユニットを使用している環境の温度、すなわち媒質としての空気の温度が変動すると超音波の波長が変化するので、保護ハウジングが所定の周波数に対する共鳴器として動作しなくなり超音波出力が低下する。これを、図16に示す空気中の超音波の波長と温度の関係を参照して説明する。保護ハウジングの共鳴モード条件として空気温度T=20℃における波長λ≒8.5mmが設定されたとすると、T=80℃のときλ=9.4mmとなり、T=−40℃のときλ=7.6mmとなる。T=20℃からの温度変化をΔT=±60℃とすると、周波数が一定でも、波長が±0.9mm変化するので、保護ハウジングが共鳴器として動作しなくなり、超音波出力が低下する。超音波出力が低下すると、超音波ユニットをセンサとして用いた検知装置が誤検出や誤動作を引き起こす可能性が高くなる。なお、周波数は波長および温度から一意的に定まる。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、環境温度の変化に対する超音波出力または入力信号の変化を抑制でき、信頼性の高い動作を実現できる超音波ユニット用の保護ハウジングおよび超音波センサを提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、請求項1の発明は、超音波を送信または受信するための振動体の外周をケースで取り囲んで成る開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングであって、前記保護ハウジングは、前記ケースを取り囲むと共に前方に伸びる壁面によって前記振動体の前方に開口する開空間を形成し、前記開空間における共鳴モードの節部に吸音部材を備えたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の保護ハウジングにおいて、吸音部材はリング形状であり、前記壁面の開口端部における窪んだ段差部に該吸音部材を設けたものである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の保護ハウジングにおいて、前記開空間に防塵用のメッシュ状部材を設けたものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の保護ハウジングにおいて、前記壁面が前方に向けて前記開空間を狭めるテーパ部を有しているものである。
請求項5の発明は、開放型超音波送受信ユニットと、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の保護ハウジングと、を備えた超音波センサである。
請求項1の発明によれば、保護ハウジングにおける共鳴モードの節部に吸音部材を備えているので、保護ハウジングの共鳴の鋭さ(いわゆるQ値)が抑制される。従って、このような保護ハウジングを超音波ユニットに備えて成る超音波センサは、周囲環境温度変化による出力変化が少なく、安定した信頼性の高い動作を実現できる。
請求項2の発明によれば、段差部を用いるので簡便に吸音部材を設けることができる。また、吸音部材がリング状であるので超音波出力を過度に低下させることがなく、取り扱い容易で所望の効果を容易に実現できる。
請求項3の発明によれば、保護ハウジングとしての機能を充実させることができる。
請求項4の発明によれば、保護ハウジングによって送信超音波に指向性を付与することができる。
請求項5の発明によれば、開放型超音波送受信ユニットの機能を安定に引き出すことができ、周囲環境温度変化による出力変化が少なく、誤検知や誤動作のない安定した信頼性の高い動作を実現できる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングおよび超音波センサについて、図1乃至図4を参照して説明する。図1、図2に示すように、超音波センサ10は、保護ハウジング1と、開放型超音波送受信ユニット2(以下、超音波ユニット2という)とを備えている。保護ハウジング1は、超音波ユニット2のケース20を取り囲む円筒体11を有し、この円筒体11の前方に伸びる壁面12によって、前方に開口する開空間3を形成する。保護ハウジング1は、壁面12に接し、かつ、開空間3における共鳴モードの節部(定在波の節部)に吸音部材4を備えている。なお、本明細書において、前方は超音波を送信する方向または受信する超音波が伝播してくる方向であり、後方は前方の逆方向であり、前面後面はこの前方後方によって定義される。
ここで、まず、超音波ユニット2について説明する。超音波ユニット2は、送信または受信する超音波の周波数で振動する振動体21と、振動体21の後面側にあって振動体21と一体となって振動する電気機械トランスジューサである圧電素子22と、振動体21の前面側にあって振動体21と共振する共振子23と、これらの振動部分を後方から支持する支持台24と、振動体21を含む振動部分の外周を取り囲むように配置されて支持台24の外縁に固定された円筒形のケース20と、を備えている。これらの各構成部材は、概略円形の外形を有し、その円形中心軸方向が前後方向となっている。また、超音波ユニット2は、支持台24に立設された2本の電極ピン25と、各電極ピン25と圧電素子22とを電気接続する2本のリード線26と、を有し、超音波ユニット2の全体が、電極ピン25によって基板27に固定されている。
振動体21は、円板状の金属製部材からなっている。圧電素子22は、振動体21よりも小さい円板形状を有し、振動体21の後面側に電気的に導通するように張り合わされて固定されている。圧電素子22は、その外縁部の数点を局所的に支持するように配置されたシリコンゴム等の弾性部材24aによって、支持台24に固着されている。弾性部材24aは、圧電素子22を含む振動部分の振動が支持台24に伝わらないように、振動を遮断する。また、圧電素子22の後面にはリード線26が直接電気接続され、前面には金属製の振動体21を介してリード線26が接続されている。共振子23は、前方に底面を向けた逆三角錐形状を有し、その頂点部分を振動体21の前面側の略中央部に接着剤23aによって固着されている。
上記構成の超音波ユニット2が超音波を送信する場合、各電極ピン25を介して圧電素子22の両面に電圧が印加され、超音波発生用の駆動信号である高周波(トーンバースト波)電力が供給される。電力供給により、圧電素子22が振動体21および共振子23を振動させ、前後に移動する共振子23の前面から超音波が空気中に送信される。超音波を受信する場合、共振子23の前面に伝播してきた超音波が、共振子23、従って、振動体21、圧電素子22を振動させ、圧電素子22の振動が電気振動となって各電極ピン25から出力される。
次に、保護ハウジング1について説明する。保護ハウジング1は、円筒体11を保持する脚部11bを有し、脚部11bは基板27の全体を上方から囲むように配置構成されている。保護ハウジング1は、樹脂成形により形成することができる。開空間3は、特定の周波数の超音波に対して共鳴空間となる。つまり、円筒体11は特定周波数に対して共鳴器(ヘルムホルツの共鳴器)を構成し、その開口端部11a、またはその近傍が共鳴モードの節部となる。節部は開空間3を横切るように面状に分布する。
開空間3が共鳴モードにあるときの開空間3内の音圧の変化は、例えば、図3(a)に示すように、前方方向の座標軸xに沿って音圧低位置PLと音圧高位置PHとが交互に発生し、開口端部11aの位置が音圧低位置PLとなる。また、この共鳴モードのとき、媒質である空気の粒子速度は、音圧の変化に対応して、図3(b)に示すように、座標軸xに沿って粒子速度高位置VHと粒子速度低位置VLとが交互に発生し、開口端部11aの位置が粒子速度高位置VHとなる。音圧低位置PLのところが共鳴モードの節部であり、本例では、節部が2ヶ所となる例を示している。共鳴モードの節部は、一般に、開空間3の構造と超音波の周波数などに依存して、座標軸xに沿う複数ヶ所に発生する。
保護ハウジング1の吸音部材4は、共鳴モードにある開空間3における共鳴の鋭さ(いわゆるQ値)を低く抑えて、環境温度(媒質である空気の温度)の変化に対する超音波出力の変化の度合いを抑制する。このような吸音部材4は、ウレタンのような発泡体や焼結金属などのように多孔質の材料、または、ゴムなどの粘弾性体などの材料で構成される。また、吸音部材4の材料はこれらに限定されるものではなく、超音波ユニット2が送信または受信する超音波の周波数領域、例えば数10kHzの周波数帯において吸音可能な材料であれば好適に用いられる。
ここで、開空間3が共鳴モードとされることについて説明する。保護ハウジング1は、超音波ユニット2を超音波センサとして用いる際に、超音波センサの指向性確保、機械的または化学的な損傷からの保護、取り扱いや取付の容易性などのために、超音波ユニット2を取り囲むように配置される。このような保護ハウジング1は、エネルギ効率の観点から、結果的に、所望の特定周波数に対して共鳴器を構成する。これは、保護ハウジング1が共鳴モードにあるときの超音波の周波数において、超音波送信時のエネルギ効率、または受信時の受信感度が高くなるからである。従って、円筒体11は、用いる超音波の周波数に対して共鳴モードとなる開空間3を形成するように構成されることになる。
次に、超音波センサ10の評価結果について説明する。超音波センサ10は、図4に示すように、便宜的に音圧の出力レベルSの周波数依存性によって評価される。つまり、媒質の温度変化に対して音圧の出力レベルSがどのように変化するかを評価するかわりに、温度変化による波長変化を、温度一定下における周波数の変化に置き換えて評価する。本実施形態の場合、常温20℃における開空間3の共鳴周波数は約40kHzであり、この周波数における出力レベルSを0dBとする。曲線cは、比較例として、吸音部材4を備えない場合の超音波センサ10の前方での出力レベルSの周波数依存性を示し、曲線dは、吸音部材4を備えている本実施形態の場合の周波数依存性を示す。
図4に示すように、周波数が共鳴周波数から+5kHz変位した場合に、比較例(曲線c)では出力レベルSが7dB低下しているのに対し、本実施形態(曲線d)では僅かに1dBの低下に納まっている。この場合の+5kHzは、媒質の空気温度が20℃から−40℃まで−60℃変動した場合に相当する。このように、吸音部材4の作用により、温度変動に対して、超音波センサ10の前方での音圧の出力レベルSの落ち込み量が低減されており、センサとして安定した出力特性が得られることが分かる。
上述のように、本実施形態の保護ハウジング1によれば、共鳴モードの節部に吸音部材4を備えて保護ハウジング1の共鳴の鋭さを低く抑えるので、環境温度の変化に対する超音波出力の変化の度合い、または超音波受信時の感度の変化の度合いを抑制できる。また、このような保護ハウジング1を超音波ユニット2に備えて成る超音波センサ10は、周囲環境温度変化による出力変化が従来のものよりも少なく、安定した信頼性の高い動作を実現できる。
ここで、吸音部材4の配置や吸音の程度について説明する。吸音部材4は、上述のように、共鳴器としての開空間3の機能を保持しつつ、共鳴の鋭さを鈍らせることにより、環境温度の変化などに過敏に影響されない超音波センサ10を構成するものである。従って、吸音部材4は、このような構成を実現すればよいので、吸音効率の高い材料の場合は、開口端部11aの近傍の壁面12に狭い面積に備えればよく、吸音効率の低い材料の場合には広い面積に備えればよい。また、本実施形態では、吸音部材4を開口端部11aの近傍の壁面12に備えた例を示しているが、この開口端部11aではなく、超音波ユニット2に近い側の他の音圧低位置PLに吸音部材4を設けるようにしてもよい。また、音圧低位置PL、つまり節部の位置に吸音部材4を配置するのは、この位置において吸音効果が高いからであり、節部ではない位置に吸音部材4を配置してもかまわない。吸音部材4は、壁面12に、例えば、接着したり、塗布したり、嵌合させたりして取り付けることができる。
また、上述の超音波ユニット2は、一般に、開放型と呼ばれる超音波送受信ユニットの一例を示すものであり、超音波を送信または受信する際に振動する振動体21などが直接外気に触れる構造となっている。超音波ユニット2は、保護ハウジング1によって保護されることにより、その機能を安定に発揮できる超音波センサ10とされ、例えば、車両等に搭載して距離測定や障害物測定に用いることができる。超音波センサ10は、送受信兼用として単独で用いることもでき、また、それぞれ送信専用と受信専用とした複数個を組合せて用いることもできる。
(第2の実施形態)
図5(a)(b)は第2の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、吸音部材4の構造とその設置構造が第1の実施形態と相違する。すなわち、図5(a)に示すように、吸音部材4はリング形状であり、円筒体11の壁面12の開口端部に形成された窪んだ段差部13に挿入配置されている。吸音部材4は、例えば、粘弾性体であるゴム系材料により形成され、段差部13に圧入して、または接着して固定される。吸音部材4の厚み(前後方向長さ)は、例えば、送受信する超音波の周波数を40kHzとした場合、2.3mm以上とする。これは、想定波長(80℃で9.4mm、−40℃で7.6mm)の1/4以上の長さである。
本実施形態によれば、段差部13を用いるので簡便に吸音部材4を設けることができ、また、吸音部材4がリング状であるので取り扱いが容易であり、リングサイズを変更することにより吸音の程度を微調整することができ、所望の効果を容易に実現できる。
(第3の実施形態)
図6は第3の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、吸音部材4の構造とその設置構造が第2の実施形態と相違する。すなわち、吸音部材4は多数の開口を有する平板状であり、円筒体11の壁面12の開口端部に形成された窪んだ段差部13に圧入してまたは接着して固定されている。吸音部材4における開口の見開きサイズは、例えば、送受信する超音波の周波数を40kHzとした場合、0.76mm以下、つまり、想定波長(80℃で9.4mm、−40℃で7.6mm)の1/10以下とする。また、吸音部材4の厚みは、2.3mm以上とする。これは、想定波長の1/4以上の長さである。開口の見開きサイズの下限や、吸音部材4の厚みの上限は、出力レベルSの許容減衰量で決定される。
吸音部材4は、所定の開口、厚み条件を満足する金網、焼結金属ポーラス体、発泡樹脂体などで構成される。吸音部材4は、単一体による構成に限らず、複数の吸音部材を所定の厚さに重ねて構成してもよい。本実施形態における吸音部材4は、第1、第2の実施形態と同様に、環境の温度変化に対する超音波センサ10の安定性を確保できることに加え、超音波ユニット2への外部からの異物の侵入を防止できる。
(第4の実施形態)
図7、図8は第4の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、開空間3の構造が第1の実施形態と相違する。すなわち、本実施形態の保護ハウジング1における開空間3は、超音波ユニット2に近い側の円筒形の壁面12aと、前方に向けて開空間3を狭めるテーパ部を構成する壁面12bと、開口端部側の円筒形の壁面12cとを順番に連続させた壁面12によって形成されている。吸音部材4は、第1の実施形態と同様に、壁面12cの開口端部側、すなわち、共鳴モードの節部に設けられている。
図7、図8に示すような開空間3においては、開口部に向かって狭まるテーパ部の断面変化による吸音作用が発生するので、第1の実施形態と比べて、吸音部材4の配置面積を減らすことができる。また、開空間3の入口が狭まっていることから、超音波ユニット2への外部からの異物の侵入を減らすことができる。さらに、保護ハウジング1によって送信超音波により強い指向性を付与することができる。
(第5の実施形態)
図9は第5の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、第1の実施形態に対する第2の実施形態と同様に、吸音部材4の構造とその設置構造が第4の実施形態と相違する。すなわち、吸音部材4はリング形状であり、壁面12cの開口端部に形成された窪んだ段差部13に配置されている。吸音部材4の材料や寸法、固定構造、および、その効果は、第2の実施形態と同様である。
(第6の実施形態)
図10は第6の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、第2の実施形態に対する第3の実施形態と同様に、多数の開口を有する平板状の吸音部材4が第5の実施形態と相違する。すなわち、吸音部材4は平板状であり、壁面12cの開口端部に形成された窪んだ段差部13に配置されている。吸音部材4の材料や寸法、固定構造、および、その効果は、第3の実施形態と同様である。
(第7の実施形態)
図11は第7の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、第4の実施形態における保護ハウジング1の壁面12cの長さがゼロになったものと見做すことができる。すなわち、本実施形態の保護ハウジング1における開空間3は、超音波ユニット2に近い側の円筒形の壁面12aと、前方に向けて開空間3を狭めるテーパ部を構成する壁面12bを順番に連続させた壁面12によって形成されている。吸音部材4は、テーパ状の壁面12b、すなわち、共鳴モードの節部に設けられている。本実施形態の保護ハウジング1、および超音波センサ10は、第4の実施形態と同様の効果を奏する。
(第8の実施形態)
図12乃至図14は第8の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10について示す。本実施形態においては、吸音部材4の配置と構造が第4の実施形態と相違する。すなわち、本実施形態では、保護ハウジング1の開口端側ではなく、開空間3の内部側における共鳴モードの節部に、多数の開口を有する平板状の吸音部材4を配置している。吸音部材4は、図12、図13に示すように、支持部材4aによって支持されて、保護ハウジング1の中心軸回りに局在するように設置されている。吸音部材4の材質や開口構成、および厚み寸法などは、第3の実施形態における吸音部材4と同様とすることができる。支持部材4aは、超音波を減衰させないような開口の金網や、梁や支持棒の組合せなどにより構成される。
図14により、本実施形態の超音波センサ10の評価結果を説明する。図14における前提は、図4の場合と同様に、常温20℃における開空間3の共鳴周波数が約40kHzであり、この周波数における出力レベルSを0dBとしている。曲線eは比較例を示し、曲線fは吸音部材4を備えている本実施形態を示す。周波数が共鳴周波数から+5kHz変位した場合に、比較例(曲線e)では出力レベルSが5dB低下しているのに対し、本実施形態(曲線f)では僅かに1dB弱の低下に納まっている。この場合の+5kHzは、媒質の空気温度が20℃から−40℃まで−60℃変動した場合に相当する。このように、吸音部材4の作用により、温度変動に対する出力レベルSの落ち込み量が低減されており、センサとして安定した出力特性が得られることが分かる。
(第9の実施形態)
図15(a)(b)は第9の実施形態に係る保護ハウジング1、および超音波センサ10を示す。本実施形態においては、開空間3に設けた防塵用のメッシュ状部材5が第4の実施形態と相違する。メッシュ状部材5は、超音波ユニット2が送受信する超音波の伝播を極力妨げない形状の部材であり、例えば金網が用いられる。メッシュ状部材5は、防塵のため開空間3の開口を塞ぐように面状に配置される。その配置位置は、防塵のためには、図15(a)に示すように、開口端側が好適であるが、吸音部材4とは異なり、共鳴モードの節部とは限定されないので、図15(b)に示すように、任意の配置位置とすることができる。本実施形態によれば、吸音部材4の効果に加え、メッシュ状部材5の防塵効果により、保護ハウジング1としての機能をより充実させることができる。
以上、第1乃至第9の実施形態について説明したが、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、第9の実施形態のメッシュ状部材5は、他の実施形態においても適用できる。また、第1乃至第7の実施形態において開口端部における共鳴モードの節部に配置した吸音部材4は、超音波ユニット2に近い側の節部に配置することができる。また、保護ハウジング1の壁面12や壁面12a,12b,12cを形成する円筒体11などの前後方向の長さは、所定周波数(使用周波数)に対して開空間3が共鳴モードとなる任意の長さとすることができ、その任意の節部に吸音部材4を1ヶ所とは限らず複数箇所に配置できる。また、保護ハウジング1の開空間3は、軸対称形に限らず、断面が多角形や楕円形などの任意の形状とすることができる。
また、圧電素子22として、モノモルフ型、バイモルフ型、積層型などを用いることができる。任意の圧電素子22の構成に基づく任意の構成の開放型の超音波ユニット2に対して、保護ハウジング1を適用することができ、超音波センサ10を構成することができる。また、保護ハウジング1を適用して超音波センサ10を構成する開放型の超音波ユニット2は、必ずしも振動体21を含む振動部分の外周を取り囲むように配置された円筒形のケース20を備えている必要はない。すなわち、超音波センサ10は、ケース20と保護ハウジング1とが兼用と成る構成でもよい。
本発明の第1の実施形態に係る開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 同上超音波センサの一部断面を含む斜視図。 (a)は同上超音波センサの保護ハウジングの開空間における共鳴モード状態の音圧分布図、(b)は同共鳴モード状態における粒子速度分布図。 同上超音波センサと比較例の超音波センサの各出力レベルの周波数依存性のグラフ。 (a)は第2の実施形態に係る保護ハウジングの開口端部の分解断面図、(b)は同保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 第3の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 第4の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 同上超音波センサの一部断面を含む斜視図。 第5の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 第6の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 第7の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 第8の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図。 同上保護ハウジングにおける吸音部材の配置を示す透視斜視図。 同上超音波センサと比較例の超音波センサの各出力レベルの周波数依存性のグラフ。 (a)は第9の実施形態に係る保護ハウジングを備えた超音波センサの断面図、(b)は同超音波センサの変形例を示す断面図。 空気中の超音波の波長と周波数の関係、および波長と温度の関係を示すグラフ。
符号の説明
1 保護ハウジング
2 開放型超音波送受信ユニット(超音波ユニット)
3 開空間
4 吸音部材
5 メッシュ状部材
10 超音波センサ
11a 開口端
12,12a,12b,12c 壁面
13 段差部
20 ケース
21 振動体

Claims (5)

  1. 超音波を送信または受信するための振動体の外周をケースで取り囲んで成る開放型超音波送受信ユニット用の保護ハウジングであって、
    前記保護ハウジングは、前記ケースを取り囲むと共に前方に伸びる壁面によって前記振動体の前方に開口する開空間を形成し、前記開空間における共鳴モードの節部に吸音部材を備えたことを特徴とする保護ハウジング。
  2. 前記吸音部材はリング形状であり、前記壁面の開口端部における窪んだ段差部に該吸音部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の保護ハウジング。
  3. 前記開空間に防塵用のメッシュ状部材を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保護ハウジング。
  4. 前記壁面が前方に向けて前記開空間を狭めるテーパ部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の保護ハウジング。
  5. 開放型超音波送受信ユニットと、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の保護ハウジングと、を備えたことを特徴とする超音波センサ。
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