JP5118756B2 - 電力節約モードにおけるコードキーイング - Google Patents

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Description

今日の計算装置の多くは、他の装置と無線通信を行う能力を有している。例えば、無線キーボードや無線マウスは、無線周波数チャネルによってラップトップやコンピュータと通信することができる。
一観点によれば、装置が、電力節約モードを開始し、所定数のコードからなるセットの一部であるコードを含む第1の同期パケットを、第1の電力節約サイクルにおける第1の送信タイムスロット内でリモート装置へ無線送信する回路を備えたものとしてもよい。加えて、当該回路は、第1の同期パケットの送信後にスリープして、エネルギーを節約し、第1の電力節約サイクルにおける第1の受信タイムスロットに起きて、セットの一部であるコードを含む応答同期パケットをリモート装置から受信するものとしてもよい。当該回路は、さらに、第1の電力節約サイクルに続く第2の電力節約サイクルの開始までスリープして、エネルギーを節約するものとしてもよい。
加えて、第1の同期パケットに含まれるコードは、リモート装置のIDから得られ、装置とリモート装置とを同期させる信号を提供するものとしてもよい。
加えて、応答同期パケットに含まれるコードは、装置のIDから得られ、コードは、第1の同期パケットが受信されたと示すものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、第1の受信タイムスロットにおいて応答パケットが受信されない場合、第1の送信タイムスロットに続く、第1の電力節約サイクルの第2の送信タイムスロットにおいて、第2の同期パケットを送信するものとしてもよい。
加えて、第1の同期パケットはデバイスアクセスコードからなるものとしてもよい。
加えて、デバイスアクセスコードはリモート装置のブルートゥースデバイスアドレスを含むものとしてもよい。
加えて、第1の同期パケットは、ヘッダと、データと、パケットがデータを含むと示すチャネルアクセスコードと、を含むものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、装置から送信すべき待機中の追加データはないと示すデバイスアクセスコードを含む第2の同期パケットを送信するものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、リモート装置から送信すべき待機中の追加データはないと示す、セットにおける第1のコード、またはリモート装置から送信すべき追加データが待機中であると示す、セットにおける第2のコード、のうちの1つを含む第2の応答同期パケットを受信するものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、装置から送信すべき待機中の追加データはないと示す、セットにおける第1のコード、または装置から送信すべき追加データが待機中であると示す、セットにおける第2のコード、のうちの1つを含む第2の応答同期パケットを送信するものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、リモート装置から送信すべき待機中の追加データはないと示す第1のコードと、またはリモート装置から送信すべき追加データが待機中であると示す第2のコード、のうちの1つを含む第2の応答同期パケットを受信するものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、第2のリモート装置の電力節約サイクルにおいて第2のリモート装置へ第2の同期パケットを送信するものとしてもよい。
加えて、第2のリモート装置の電力節約サイクルは、少なくとも所定数の同期試行によって第1の電力節約サイクルのアンカポイントから分離されたアンカポイントを含むものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、第1の受信タイムスロットに到達する前のある特定の時間、回路の構成要素に追加電力を提供して、構成要素が応答同期パケットを受信できるようにするものとしてもよい。
加えて、回路は、さらに、回路が第2の同期パケットをマスタ装置から聴取しようとする場合、回路におけるクロックドリフトを補うものとしてもよい。
加えて、回路は、応答同期パケットにおいてデバイスアクセスコードまたはチャネルアクセスコードのうちの1つを検出する相関部を備えるものとしてもよい。
加えて、回路は、ブルートゥース相関部を備えるものとしてもよい。
加えて、電力節約モードは、ブルートゥースにおけるスニフモードにおいて実装されるものとしてもよい。
加えて、装置は、携帯電話、ラップトップ、または無線コンピュータ周辺機器、を含むものとしてもよい。
別の観点によれば、方法が、複数のタイムフレームのうちの少なくとも1つにおいてリモート装置を別の装置に同期するステップを含むものとしてもよい。リモート装置を同期するステップは、所定数のコードからなるセットの一部であるコードを含む同期パケットを、タイムフレームのうちの1つにおける送信タイムスロット内でリモート装置へ送信するステップを含むものとしてもよい。リモート装置を同期するステップは、タイムフレームのうちの1つに関連する受信タイムスロットの開始まで電力消費低減状態でオペレーションを行うステップと、セットの一部であるコードを含む応答パケットが受信タイムスロットにおいて受信されたかどうか判定するステップと、をさらに含むものとしてもよい。さらに、リモート装置を同期するステップは、応答パケットが受信タイムスロット内で受信された場合、リモート装置へ送信すべきユーザデータ、またはリモート装置から受信すべきユーザデータを処理するステップを含むものとしてもよい。
加えて、ユーザデータを処理するステップは、ユーザデータが交換待機中であるかどうか判定するステップを含み、交換すべき待機中のユーザデータがない場合にリモート装置へ別の同期パケットを送信するステップ、またはユーザデータが交換待機中である場合にリモート装置とユーザデータを交換するステップのうちの少なくとも1つを含むものとしてもよい。
加えて、ユーザデータの処理は、応答パケットが受信タイムスロット内で受信された場合、タイムフレームのうちの1つが電力節約サイクルの最後のタイムフレームであるかどうか判定するステップを含むものとしてもよい。
加えて、当該方法は、タイムフレームのうちの1つが電力節約サイクルの最後のタイムフレームである場合、次のタイムフレームに到達するまで電力消費低減モードでオペレーションを行うステップをさらに含むものとしてもよい。
加えて、スニフモードを開始するステップと、スニフモードを終了するステップと、をさらに含むものとしてもよい。
さらに別の観点によれば、装置が、ある特定数のコードからなるセットの一部であるコードを含む同期パケットをタイムフレーム内にリモート装置へ無線通信する手段を備えるものとしてもよい。加えて、当該装置は、同期パケットの通信後、通信する手段を低減オペレーティングモードにして、エネルギーを節約する手段と、所定のタイムフレームにおいて通信する手段をフルオペレーションモードに戻す手段と、セットの一部であるコードを含む応答同期パケットをリモート装置から受信する手段と、を備えるものとしてもよい。さらに、当該装置は、応答同期パケットの受信後、受信する手段と通信する手段とを低減オペレーティングモードにする手段とを備えるものとしてもよい。
さらなる観点によれば、装置が、所定数のコードからなるセットの一部であるコードを含む第1の同期パケットを、第1の電力節約サイクルにおける第1の受信タイムスロット内でリモート装置へ受信する回路を備えるものとしてもよい。加えて、当該回路は、第1の同期パケットの受信後にスリープして、エネルギーを節約し、第1の電力節約サイクルにおける第1の送信タイムスロットに起きて、セットの一部であるコードを含む応答同期パケットをリモート装置へ送信し、第1の電力節約サイクルに続く第2の電力節約サイクルの開始までスリープして、エネルギーを節約するものとしてもよい。
本明細書に組み入れられて、その一部をなす添付図面は、ここで説明する1または2以上の実施形態を示し、発明を実施するための形態とともに実施形態を説明するものである。
図1は、ここで説明する発想を実施可能な装置例によって生成された信号例のタイミング図である。 図2は、装置例を含むネットワーク例を示す。 図3は、図2の装置例の構成要素例のブロック図である。 図4は、図3の装置例の機能ブロック図である。 図5は、図4の通信制御部例の機能ブロック図である。 図6は、コード相関部の機能ブロック図である。 図7Aは、図2のネットワーク例における装置例間で交換可能なパケット例のブロック図である。 図7Bは、syncパケット例のブロック図である。 図8は、電力節約モードにおけるコードキーイングの処理例のフローチャートである。 図9Aは、図2の装置例によって生成された信号例のタイミング図である。 図9Bは、図2の装置例によって生成された信号例のタイミング図である。 図10Aは、図2の装置例によって生成された信号例の追加タイミング図である。 図10Bは、図2の装置例によって生成された信号例の追加タイミング図である。 図11Aは、図2の装置例によって生成された信号例の詳細なタイミング図を示す。 図11Bは、図2の装置によって生成された信号のタイミング図信号を示す。 図12は、図2の装置例を示す。 図13Aは、図12の装置例によって生成された信号例のさらなるタイミング図を示す。 図13Bは、図12の装置例によって生成された信号例のさらなるタイミング図を示す。 図13Cは、図12の装置例によって生成された信号例のさらなるタイミング図を示す。
以下の詳細な説明では、添付図面を参照する。異なる図面に同一の参照番号があれば、同一または同様の要素を識別していることがある。
<概観>
ここで説明する実施形態において、装置(例えばコンピュータや携帯電話など)は、近くの装置と無線通信を行うことができる。確立された通信リンクによって装置が小さなデータを交換する場合、各装置は電力節約モードに入ることができる。電力節約モードでは、各装置は、所定の時間にわたって、ここではsyncパケットともいう同期パケットの送信および/または受信を行い、他の装置との同期を保つことができる。syncパケットのサイズを限定し、syncパケットの送信および/または受信が行われる時間を制限することによって、装置は、電力節約モードにおいて追加の電力を節約することができる。ここで「電力節約モード」や「スリープモード」という言葉を使用した場合は、装置や、装置の構成要素が電力消費を低減する装置/構成要素の状態を指すことがある。例えば、装置の送信部がスリープするという場合には、送信部を停止させるものとすることができる。装置/構成要素が「起きる(awake)」という場合には、装置/構成要素が電力消費を低減しない状態へ、装置/構成要素が戻るものとすることができる。
以下の例は、上述の発想を説明するものである。図1は、電力節約モード中に装置Xと装置Yとの間で交換される信号例のタイミング図である。実線のボックスおよび破線のボックスは、それぞれパケットの送信と受信とを表しているものとする。図示するように、時間TCYCLEの電力節約サイクルの各々は、アンカポイントにて開始、終了するもので、NSYNC ATTEMPT=2個のフレームを含んだものとする。NSYNC ATTEMPTは、TCYCLEにおいて装置Yを装置Xに同期する試行数を表したものとする。フレーム102−1はタイムスロット104−1および106−1を含むものとし、フレーム102−2はタイムスロット104−2および106−2を含むものとする。
図1では、タイムスロット104−1および104−2のうちの1つで装置Xがパケット108を送信し、タイムスロット106−1および106−2のうちの1つで装置Yが応答syncパケット110を送信するものとすることができる。syncパケットを短くしておくことによって、装置Xおよび装置Yは、電力節約モードにおける信号の送受信中のエネルギー消費を低減することができる。加えて、装置Xおよび装置Yがパケットを送信および/または受信するタイムスロットを制限することによって、装置Xおよび装置Yは、特定のタイムスロットのあたりでエネルギーを消費し、TCYCLEにおける他の時間ではエネルギー消費を低減するものとすることができる(例えば、他の時間では装置Xおよび装置Yがそれぞれの送受信部などをパワーダウンするものとすることができる)。結果的に、装置Xおよび装置YがTCYCLE全体で消費するエネルギーは小さくなる。
対照的に、他の既存のシステムや方法では、非常に長いsyncパケットを装置が交換することがある。例えば、ブルートゥース(Bluetooth)の電力節約モード(例えばスニフ(Sniff)モード)では、POLLパケットおよびNULLパケットが、装置を同期するために必要とはならない場合もあるビットを含むことがある。加えて、他の既存のシステムや方法では、各NSYNC ATTEMPT個のフレームの間、またはさらに多くのフレームの間、syncパケットを装置が聴取しようとすることがある。例えば、ブルートゥースのスニフモードでは、ロバスト性のためにNSYNC ATTEMPTを1よりも多くする場合があるところ、syncパケットがフレーム102−1で受信されたとしても、装置はNSYNC ATTEMPT個のフレームで聴取を強いられることがある。これにより、NSYNC ATTEMPT=4のとき、装置のデューティサイクルが約0.2%に設定される場合がある。
<ネットワーク例および装置例>
図2は、ここで説明する発想を実施可能な装置例を含むネットワーク例を示している。図示するように、ネットワーク200は、装置202−1〜202−5(ここでは装置202と総称し、個別には一般に装置202−xという)と、ネットワーク204とを含んだものとする。実施形態によって、ネットワーク200が含む装置を、少なくすることも、多くすることも可能であり、また異なる装置が含まれるようにすることも可能である。例えば、ネットワーク200は、装置202−2(例えば携帯電話)がネットワーク204における別の装置と通信できる無線アクセスポイント(WAP:wireless access point)を含んだものとすることも可能である。
装置202は、例えばブルートゥース、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi:Wireless Fidelity)、近距離無線通信(NFC:near-field communication)などによって無線通信を行うものとされた、または行うことが可能な以下の装置のいずれかを備えたものとすることができる。無線電話または移動電話などの電話。セルラ無線電話にデータ処理能力、ファクシミリ能力、および/またはデータ通信能力を組み合わせることが可能なパーソナルコミュニケーションシステム(PCS:personal communications system)端末。電子ノートパッド。ラップトップ。パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)。キーボード、マウス、スピーカなどのコンピュータ周辺機器。電話を備えることも可能な携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)。またはその他の種類の計算または通信装置。装置202は、近距離通信が可能な様々な種類の装置として実施可能であるが、以下の段落では、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN:wireless personal area network)などの無線ネットワークに参加するブルートゥース装置(例えばブルートゥース構成要素に対するホスト)として、装置202を説明する。
ネットワーク204としては、インターネット、アドホックネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN:metropolitan area network)、セルラネットワーク、公衆交換電話網(PSTN:public switched telephone network)、イントラネットが挙げられ、その他のネットワーク、またはネットワークの組合せとすることも可能である。
いくつかの実施形態では、ネットワーク200における装置202は、ブルートゥース通信技術に基づいて、互いに通信するものとすることができる。接続を確立するために、送信側(例えばマスタ装置)と受信側(例えばスレーブ装置)とを、時間においても、周波数においても同期させることができる。接続確立には、多くの異なる周波数で送信側が短いIDパケットを送信できるページング手続を使用することが可能である。受信側は、低デューティサイクルスキャニングを適用することが可能である。例えば、受信側は、毎秒、約10ミリ秒(ms)の間だけ単一の周波数をスキャンするものとすることができる。新たにスキャンするたびに、新たなホップ周波数が選択可能である。このような周波数ホッピング(FH:frequency hopping)によって、マルチパスフェーディングおよび干渉傾向の環境においてロバスト性を提供することが可能である。
ブルートゥースシステムにおいて、初期同期は、送信側(ペイジャ)および受信側(スキャナ)において余分に電力を消費することとなる遅延(エラーがない環境では典型的に1〜2秒であるが、エラー傾向の環境ではさらに長くなる)を招くことがある。したがって、ひとたび同期してしまえば、電力の観点から、即時に交換すべきデータが装置202になくとも、装置202間の同期を維持することが効果的な場合がある。
ブルートゥースシステムにおいて、WPANにおける参加装置によって電力節約モードで同期を維持することができる。例えば、ひとたび装置202が電力節約モード(例えばブルートゥースのスニフモード)になれば、スレーブ装置として動作中の装置202−x(例えば装置202−1、202−3、202−4、または202−5)は、ある時間の中の短い時間だけウェークアップすることができる。この時間に、マスタ装置として動作中の装置202−x(例えば装置202−2または202−6)はsyncパケットを送信することができる。このパケットをスレーブ装置が使用して、スレーブ装置の信号をマスタ装置に同期することができる。
図3は、装置例202−xの構成要素例のブロック図である。ここで「構成要素」という言葉を使用した場合は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、またはこの2つの組合せを指すことがある。図示するように、装置202−xは、記憶部302と、処理部304と、入力/出力(I/O:input/output)構成要素と、ネットワークインタフェース308と、バス310とを備えたものとする。他の実施形態では、装置202−xが備える構成要素は、図3に示すよりも少なくても、多くてもよく、異なる構成要素を備えることも可能である。
記憶部302としては、データおよび機械読出可能命令を記憶する読出専用メモリ(ROM:read only memory)などのスタティックメモリ、および/またはランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)などのダイナミックメモリ、またはオンボードキャッシュが挙げられる。記憶部302としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、CD読出/書込(R/W:read/write)ディスク、および/またはフラッシュメモリなどの格納装置も挙げられるが、その他の種類の格納装置としてもよい。処理部304としては、装置202−xを制御可能なプロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、および/または電界プログラム可能ゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)が挙げられるが、その他の処理回路としてもよい。
入力/出力構成要素306としては、装置202−xについて、物理的な事象や現象をデジタル信号へ、および/またはデジタル信号から物理的な事象や現象を変換するディスプレイ(例えば液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、ブラウン管(CRT:cathode ray tube)など)、キーボード、キーパッド、ボタン、マウス、スピーカ、マイクロフォン、DVD(Digital Video Disk)ライタ、DVDリーダ、および/またはUSB(Universal Serial Bus)ラインが挙げられるが、その他の種類の装置としてもよい。
ネットワークインタフェース308は、装置202−xが他の装置および/またはシステムと通信できる送受信部的機構であれば、いかなるものも含むことができる。例えば、ネットワークインタフェース308は、インターネット、地上波無線ネットワーク(例えばワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network))や衛星によるネットワークなどのネットワークによって通信を行う機構を備えたものとすることができる。追加または代替として、ネットワークインタフェース308としては、モデム、ローカルエリアネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN))に対するイーサネット(登録商標)インタフェース、および/または装置202−xを他の装置に接続するインタフェース/接続部も挙げられる。ある実施形態では、ネットワークインタフェース308はブルートゥース構成要素(例えばブルートゥースコントローラ)を備えたものとすることができる。
バス310は、装置202−xの構成要素が互いに通信可能なインタフェースを提供することができる。
図4は、装置202−xの機能ブロック図である。図示するように、装置202−xは、ホスト回路402と、通信リソース制御部404と、通信制御部406とを備えたものとする。ある実施形態では、ホスト回路402と、通信リソース制御部404と、通信制御部406とは、例えば処理部304によって、あるいはプラグイン構成要素によって実施可能である。加えて、ある特定の実施形態によっては、装置202−xが備える機能ブロックを、図4に示したものよりも少なくしたり、多くしたり、異なる種類のものとしたりすることが可能である。
ホスト回路402は、装置202−xの機能を提供するハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えたものとすることができる。例えば、ホスト回路402は、電子メールサービス、ブラウザ、テルネットクライアント、ファイル転送プロトコルクライアント、電話サービスなどを提供することができる。機能の提供において、ホスト回路402は通信リソース制御部404および通信制御部406とのやり取りを行うことができる。
通信リソース制御部404は、通信チャネル(例えば、ブルートゥースコアシステムにおけるロジカルリンクコントロールおよびアダプテーションプロトコル(L2CAP:Logical Link Control and Adaptation Protocol)リソースマネージャや、ブルートゥースコアシステムにおけるチャネルマネージャなど)の作成、管理、および/または削除を行うハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えたものとすることができる。加えて、通信リソース制御部404は、ベースバンド構成要素へのデータユニットフラグメントの提出を手配したり、基礎的物理チャネルがアクセス可能であってサービス品質(QoS:quality of service)に貢献できることを確証したりすることができる。
通信制御部406は、通信の下位レイヤによる通信リンク(例えば物理通信リンクやロジカルリンクなど)を制御する構成要素を備えたものとすることができる。通信制御部406の一例として、ブルートゥースコントローラが挙げられる。
図5は、通信制御部406のブロック図である。図示するように、通信制御部は、インタフェース502と、装置回路504と、リンク回路506と、ベースバンド回路508とリンク制御部510と、送受信部512とを備えるものとする。実施形態によって、通信制御部406が備える構成要素は、図5に示すものよりも多くしたり、少なくしたり、異なるものとしたりすることが可能である。
インタフェース502は、ホスト回路402と装置回路502および/またはリンク回路506との間に命令インタフェースを提供することができる。ホスト回路402は、インタフェース502によって通信制御部406の挙動を監督することができる。装置回路504は、装置202−xの全体的なオペレーションを制御するハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えたものとすることができる。このオペレーションとしては、同一の通信チャネル/プロトコルを共有する他のリモート装置の検出し、リモート装置へ接続するなど、一連の特定の通信機能に関係するものが挙げられる。リンク回路506は、リモート装置における他のリンク回路と通信することによってロジカルリンク/トランスポートの作成、変更、解放を行うハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えたものとすることができる。ベースバンド回路508は、QoSの取り決め、および通信サービスを要求する構成要素に対して物理チャネルの時間調整を行うハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えたものとすることができる。
リンク制御部510は、物理チャネルおよびロジカルリンク/トランスポートと関連するパラメータに基づいて、データペイロードとやり取りするパケットのエンコードおよび/またはデコードを行うものとすることができる。ある実施形態では、リンク制御部510にコード相関部(図5には示さず)を備えて、syncパケットを識別するものとすることができる。
送受信部512は、物理チャネルでパケットを送受信する構成要素を備えたものとすることができる。
図6は、リンク制御部510におけるコード相関部600の機能ブロック図である。コード相関部600は、受信したパケットがsyncパケットであるかどうか判定することが可能であり、このsyncパケットは2種類あるもので、そのうちのいずれかであるとすることができる。各種syncパケットについては、syncパケットがビットパターンd,d,d,……,dn−1のコードDを有しているか、それともビットパターンc,c,c,……,cn−1のコードCを有しているかに基づいて、互いに区別することができる。電力節約モードでは、純粋に同期を目的としてコードDを装置が送信し、データが伝送待ちであることを示すためにコードDを装置が送信するものとすることができる。
図示するように、コード相関部600は、遅延部602−1〜602−n(ここでは遅延部602と総称し、個別には一般に遅延部602−xという)と、加算部604と、加算部606とを含むものとする。実施形態によって、コード相関部600が備える構成要素は、図6に示すものよりも少なくしたり、多くしたり、異なるものとすることが可能である。
遅延部602の各々は、受信したパケットのビット値を遅延させたものを提供することができる。さらに、遅延させたビット値に、検出されることとなる特定のビット値を表す係数を乗算することができる。図6において、この係数としてはd,d,d,……,dn−1が挙げられる。乗算結果は加算部604によって合算され、出力値OUT1を生成する。OUT1の大きさは、係数に一致するビットシーケンスがパケットに存在するかどうかを示すものであり、つまりはビットシーケンスd,d,d,……,dn−1(すなわちコードD)を有するsyncパケットを識別するものとすることができる。
同様に、遅延したビット値に係数c,c,c,……,cn−1を乗算し、加算部606によって合算して、出力値OUT2を生成する。OUT2の大きさは、係数に一致するビットシーケンスがパケットに存在するかどうかを示すものであり、つまりはビットシーケンスc,c,c,……,cn−1(すなわちコードC)を有するsyncパケットを識別するものとすることができる。
ブルートゥースの実施形態では、コードCおよびコードDはブルートゥースデバイスアドレス(BD_ADDR:ブルートゥース Device address)から得ることができる。より具体的には、スレーブ装置のBD_ADDRをコードDとして使用して、待機中のデータなしに同期が行われていることを示し、マスタ装置のBD_ADDRをコードCとして送信して、データが交換待機中であることを示すことができる。スレーブ装置のBD_ADDR(コードD)およびマスタ装置のBD_ADDR(コードC)を、それぞれデバイスアクセスコード(DAC:Device Access Code)およびチャネルアクセスコード(CAC:Channel Access Code)ということがある。
図7Aは、ネットワーク200におけるパケット例702のブロック図である。図示するように、パケット702は、アクセスコード704と、ヘッダ706と、ペイロード708とを含んだものとする。アクセスコード704は疑似乱数ビットシーケンスを含むことが可能であり、オート相関性質およびクロス相関性質が良好で、時間および周波数において正確に受信部が送信側に同期できる。コード相関部600が通信制御部406において使用されるため、ダイレクトシーケンス処理ゲインがアクセスコード704に得られ、したがってアクセスコード704にロバスト性を追加できる。ヘッダ706は、エンコードされたリンク制御情報を含むことができる。ある実施形態では、ヘッダ706における情報は、アドレス、パケットタイプ(例えばブルートゥースにおけるPOLLパケットやNULLパケット)フロー制御タグ(例えば、受信装置が送信を中止するかどうか)、パケットシーケンス番号、および/またはチェックサムを含むものとすることができる。ペイロード708は、装置202−xとやり取りするデータを含むことができる。
電力節約モードにおいて装置202−xを他の装置と同期したままに維持するため、パケット702の短いものをsyncパケットとして使用することができる。図7Bは、syncパケット例710のブロック図である。図示するように、syncパケット710は、アクセスコード712を含んで、ヘッダ706とペイロード708とを除外したものとする。
パケット710におけるアクセスコード712は、アクセスコード704よりも短いものとすることも可能である。例えば、ブルートゥース通信では、パケット710をIDパケット(ブルートゥースで使用する最短のパケット)として、長さを68ビットとすることができる。対照的に、ブルートゥースにおけるフルパケット702におけるアクセスコード704は68ビットよりも長いものとなることがある。アクセスコード704において、アクセスコード704に続くビットに関しては追加ビットとすることができるが、ここで説明する実施形態では使用しないものとする。
電力節約モードでは、syncパケット710は、アクセスコード712のビットシーケンスに応じて、ユーザデータが送信側待ち行列で待機中であるかどうか、TCYCLE中に通信がさらに必要であるかどうかを示すことができる。つまり、コードキーイングを電力節約モード中に使用することができる。純粋に同期を目的として1つのコード(例えばコードD)を使用し、シグナリングを目的として2つのコード(例えばコードCおよびコードD)を使用することができる。例えば、ユーザデータが装置202−xにおいて待機中であれば、syncパケット710は、ビットシーケンスがc,c,c,……,cn−1のアクセスコードCを有し、待機中のユーザデータがなければ、syncパケット710は、ビットシーケンスがd,d,d,……,dn−1のもう1つのアクセスコードDを有するものとすることができる。すでに上述したように、リンク制御部510におけるコード相関部600が、syncパケットがコードCを有しているか、コードDを有しているか判定することができる。
ブルートゥースの実施形態では、アクセスコード712はブルートゥースデバイスアドレス(BD_ADDR)から得ることができる。より具体的には、より具体的には、スレーブ装置またはマスタ装置のいずれかがスレーブ装置のBD_ADDRをアクセスコード712として使用して、待機中のデータなしに同期が行われていることを示し、スレーブ装置またはマスタ装置のいずれかがマスタ装置のBD_ADDRをアクセスコード712として送信して、データが交換待機中であることを示すことができる。スレーブ装置のBD_ADDR(コードD)およびマスタ装置のBD_ADDR(コードC)を、それぞれデバイスアクセスコード(DAC)およびチャネルアクセスコード(CAC)ということがある。
<バックグラウンドイメージを使用する処理例>
図8は、電力節約モードにおけるコードキーイングの処理例のフローチャート800である。装置200−xが別の装置202−y(例えばジェネリック装置)との接続を確立したと想定する。処理800はブロック802から開始するものとし、装置202−xは装置202−yと電力節約モードに入ることを取り決めることができる。取り決めには、メッセージの交換が含まれることがある。例えば、ブルートゥース通信では、装置202−xと装置202−yとは、多くのメッセージを交換して、スニフモード(例えばブルートゥースプロトコルにおける電力節約モード)に関するパラメータを設定することができる。
装置202−xは、装置202−xが電力節約モードを抜けたどうか判定することができる(ブロック804)。いくつかの実施形態では、装置202−x、または装置202−xの構成要素(例えばネットワークインタフェース308)が電力節約モードを抜けたどうか、装置202−xのネットワークインタフェース308が判定することができる。例えばユーザが装置202−xで音楽をかけたり、装置202−xと装置202−yとの間でメッセージを交換させたりなどすると、装置202−x、および装置202−xが同期する他の装置(例えば装置202−1)が電力節約モードを抜けるものとすることができる。装置202−xが電力節約モードのままであれば、処理800はブロック806に進むものとする。そうでない場合、処理800は終了するものとする。
装置202−xは、送信タイムスロット内でsyncパケットを送信し、装置202−xが受信タイムスロットとなるまでスリープするができる(ブロック806)。例えば、再度図1を参照すると、装置202−xは、送信タイムスロット104−1でsyncパケットを送信し、タイムスロット106−1の開始までスリープするものとすることができる。
装置202−xは、受信タイムスロット内で応答syncパケットが受信されるかどうか判定することができる(ブロック808)。応答syncパケットが受信タイムスロット内で受信されなければ、処理800はブロック810に進むものとする。そうでない場合、処理800はブロック812に進むものとする。
ブロック810において、装置202−xに待機中のユーザデータがなければ、装置202−xは次のアンカポイントの第1送信タイムスロットの開始近くまでスリープすることができる(ブロック810)。ここで「アンカポイント」という言葉を使用した場合は、電力節約サイクルの開始を指すことがある。加えて、電力節約サイクルの期間TCYCLE、およびTCYCLEにおける各種送信タイムスロット、受信タイムスロットは所定のものとして、装置202−xの記憶部に記憶されるものとすることができる。第1送信時間の開始において、処理800はブロック804へ戻り、電力節約サイクルを続行することができる。
ブロック810において、装置202−xまたは装置202−yでユーザデータが待機中であれば、装置202−xと装置202−yとがデータを交換することができる。
図9Aおよび9Bは、装置202−xと装置202−yとの間でユーザデータを交換する場合の、装置202−xおよび装置202−yによって生成された信号例のタイミング図である。図9Aおよび9Bでは、装置202−xおよび装置202−yは、それぞれマスタ装置およびスレーブ装置として動作するものとする。
図9Aは、装置202−xが装置202−yにデータを送信していることを示す。図示するように、アンカポイント902−1とアンカポイント902−2との間に、装置202−xと装置202−yとがDAC904−1とDAC904−2とを交換するものとする。図示するように、装置202−x(例えばマスタ装置)がDAC904−1を送信して、装置202−yを装置202−xに同期させ、装置202−xには送信すべきデータがもうないことを示し、装置202−y(例えばスレーブ装置)がDAC904−2を送信して、DAC904−1の受信確認応答をして、装置202−yには送信すべきデータがもうないと示すことができる。DAC904−xは、スレーブ装置202−yのアクセスコードを含むことができる。
アンカポイント902−2の後、装置202−xは、装置202−xのアクセスコードを含んだCAC906−1を送信し、装置202−xからの送信を待機中のユーザデータがあると示すことができる。装置202yはDAC906−2で応答して、DAC906−1の受信確認応答をして、装置202−yには送信すべきデータがないと示すことができる。
続くタイムスロットでは、装置202−xがデータ908−1を送信し、装置202−yがDAC908−2で応答して、データ908−1の受信を示し、送信すべき待機中のデータがないと示すことができる。続くスロットでは、装置202−xがDAC910−1を送信して、もう送信すべき待機中のデータはないと示し、装置202−yがDAC910−2でDAC910−1の受信確認応答をすることができる。
図9Bは、装置202−xが装置202−yからデータを受信していることを示す。図示するように、装置202−xからの同期信号DAC912−1の受信後、DAC912−1が受信されたことを示し、データが装置202−yからの送信を待機中であると示すCAC912−2で、装置202−yが応答することができる。装置202−xがPOLLパケット914−1を送信して、データを受信する用意があると示し、装置202−yがPOLLパケット914−1に応じてデータパケット914−2を送信することができる。装置202−yがDAC916を送信することによって、もう送信すべきデータがないと示すまで、装置202−xおよび装置202−yはデータの交換を続けることができる。
異なる実施形態では、装置202−xまたは装置202−yが、最後のデータパケットのヘッダにスレーブ装置(例えば装置202−y)のDACを含むことによって、もうデータが続かないと最後のデータパケットでシグナリングすることも可能である。つまり、図9Aにおいては、DAC908−2が装置202−xへ送信された後、装置202−yが追加のsyncパケットを聴取しようとする必要はない場合があるということである。図9Bにおいては、データを含む最後の信号でマスタ装置2−2−xはスレーブのDACを受信することになるので、装置202−xが最後のPOLLパケット(例えばDAC916の直前のパケット)を送信する必要はない場合があるということである。
図10Aおよび10Bは、装置202−xと装置202−yとの間でユーザデータが交換されるときの、代替実施形態における、装置202−xおよび202−yによって生成された信号例のタイミング図である。図10Aおよび10Bでは、同期信号(たとえばアクセスコード)およびペイロードが、特定の条件の下、単一のパケットで送信されるものとすることができる。
図10Aは、装置202−xからのデータパケット1002−1を示している。データパケット1002−1は、CACもペイロードも組み入れたものとすることができる。装置202−yは、データパケット1002−1にDAC1002−2で応答することができる。次のデータパケット1004は、データを有するだけでなく、そのヘッダにDACを組み入れることによって、もうこれ以上データパケットは続かないと示すことも可能である。
図10Bは、装置202−xからのPOLLパケット1006−1および1008−1と、装置202−yからのデータパケット1006−1および1008−2とを示している。POLLパケット1006−1および1008−1におけるDACは、装置202−xにペンディングのデータはないと示すことができる。加えて、最後のデータパケット1008−2におけるDACは、装置202−yにペンディングの追加データはないと示すことができる。
図8に戻ると、ブロック812において、装置202−xは、目下のフレームが電力節約サイクルの最後のフレームであるかどうか判定することができる(ブロック812)。図1に示すように、長さTCYCLEの電力節約サイクルはNSYNC ATTEMPT個のフレームを含んだものとすることができる。したがって、例えば、装置202−xがタイムスロット106−1でsyncパケットを受信しなかったとすると、装置202−xは、フレーム102−1(例えば目下のフレーム)が電力節約サイクル内の最後のフレームであるかどうか判定することができる。判定は、プリセット時間TCYCLEに基づいて行われる。上述のように、装置202は、それぞれの記憶部302にTCYCLEの値を記憶しておくことができる。目下のフレームが電力節約サイクルの最後のフレームであれば、処理800はブロック810へ進み、そうでなければ、処理はブロック814へ進むものとする。
装置202−xは、次のフレームの開始までスリープすることができる(ブロック814)。次のフレームの開始において、処理800はブロック804へ戻るものとする。
上述の実施形態では、パケットの大きさを限定し、syncパケットの送信および/受信が行われる時間(例えばスロット)を制限することによって、装置202−xおよび202−yは、例えば、syncパケットの送信および/または受信が行われない時間だけ、ある構成要素(例えば送受信部512)をパワーダウンすることで、電力節約モードにおいてさらに電力を節約することができる。このタイムスロット/時間は、装置202の各々の記憶部302に予め記憶しておくことができる。さらに、パケットを短くして、装置202−xと装置202−yとがデータを交換できるようにしておくには、コードキーイングを使用する(例えば、コードCおよびコードDを使用して、データの同期および/または交換を行う)。
追加の電力節約は、装置202−xおよび202−yに対するデューティサイクルを得ることによって概算することができる。例えば、図11Aは、装置202−xおよび202−yがブルートゥース仕様にしたがって実施されるときの、装置202−xおよび202−yによって生成された信号例の詳細なタイミング図を示している。図1、9A、9B、10A、10Bと対照的に、図11Aは、装置202−xおよび装置202−yに対するパケットの送信/受信を別々の2つのタイミング図に示している。図11Aでは、syncパケットにおける各ビットは時間が1マイクロ秒(μs)であり、フレームは長さが1.25マイクロ秒であり、装置202−xおよび202−yにおける送受信部512はsyncパケットの送信の前に安定するために長さ50μsのウィンドウ1102を必要とする(例えば、装置202−xにおける構成要素をパワーアップして、電力節約/スリープモードを抜ける)ことがある、と想定する。
装置202−xがDAC1104を送信するために起きている時間は、68μs(例えば、DAC1104の長さ)+50μs(例えば、送受信部512が安定するための時間)=118μsで与えることができる。装置202−xがDAC1106を聴取しようと起きている時間は、68μs(例えば、DAC1106の長さ)+50μs(例えば、送受信部512が安定するための時間)=118μsで与えることができる。装置202−xがフレーム中に起きている総時間は、118μs+118μs=236μsで与えることができる。ここから、次式が求められる。
デューティサイクル=236μs/1.28秒=0.018% (1)
装置202−yがDACを送受信するために起きている総時間は、236μs+ドリフトタイムで与えることができる。ここで、ドリフト時間とは、ガード期間ともいうが、マスタ装置の信号に対してスレーブ装置が時間においてドリフト、つまり変動する時間とすることができる。ドリフトタイム(DT:drift time)は、
DT=TCYCLE・γ (2)
で与えることができる。ここでγはドリフトのレートである。γ=40ppm(parts per million:百万分率)(例えば、シナリオ例によれば20ppmの、装置それぞれの最大のエラーまたは不正確性の2倍)、TCYCLE=1.28秒における最悪のケースのドリフトを想定すると、DTは51μsと定めることができる。DTは正または負のいずれかとすることができるため、図11に示すように、DTはアンカポイント付近で対称とすることができる。この値を用いると、デューティサイクルは
デューティサイクル=(236μs+2・DT)/1.28秒=0.026% (3)
で与えることができる。
上述の処理800では、複数のスレーブ装置が単一のマスタ装置に同期している場合、スレーブ装置への信号について他のスレーブ装置への信号に対して時間調整を行うことによって、マスタ装置とスレーブ装置との間の通信リンクを、マスタ装置と他のスレーブ装置との間の他の通信リンクから分けることができる(例えば干渉を防止)。時間調整は、スレーブ装置ごとにアンカポイントを確立することができる。このような機構は、単一のCACをリンクに使用することがあるため、リンクにおける信号の区別に重要となることがある。
図11Bは、マスタ装置202−5からスレーブ装置202−3への信号を、マスタ装置202−5からスレーブ装置202−4への信号に対して調整することを示している。図示するように、装置202−3および装置202−4は、それぞれ電力節約サイクル期間をTCYCLE_1およびTCYCLE_2とすることができる。加えて、装置202−3は、装置202−4のアンカポイントとは異なるアンカポイントを有するものとすることができる。初期タイムオフセットTTIME OFFSETは、NSYNC ATTEMPTフレームに対応するタイムウィンドウよりも大きいものとすることができる。
時間1108において、マスタ装置202−5は、スレーブ装置202−3のBD−ADDRに基づいたDACを使用して、スレーブ装置202−3と通信することができる。時間1110において、マスタ装置202−3は、スレーブ装置202−4のBD−ADDRに基づいたDACを使用して、スレーブ装置202−4と通信することができる。DAC1およびDAC2は、同期を目的に使用することもできれば、送信すべき待機中のデータがないと示すために使用することもできる。マスタ装置202−5に基づくCACを使用して、送信すべきデータが待機中であると示すことができる。
<例>
図12、13A、13B、13Cを参照しながら、電力節約モードにおけるコードキーイングに関する処理について、以下の例で説明する。この例は、図8について上述した処理例800に一貫したものである。
この例では、図12に示すように、装置202−1(例えばヘッドセット)が装置202−2(例えば携帯電話)とのブルートゥース通信リンクを確立したと想定する。接続の確立後ある時間、装置202−2はスニフモードの開始を取り決める(例えば、ブルートゥース通信の電力節約モード)。
図13Aは、装置202−1および装置202−2によって生成された信号例のタイミング図を示している。図示するように、各電力節約サイクルはTCYCLE続き、アンカポイントで開始および終了するものである。加えて、核電力節約サイクルはNSYNC ATTEMPT=3個のフレームを含んでいる。
装置202−2がスニフモードであるため、装置202−2は送信タイムスロット内で装置202−1へsyncパケット1302−1を送信する。装置202−2はスリープモードを開始し、受信タイムスロットの開始時に起き、応答syncパケット1302−2を受信し、スリープに戻る。装置202−1は、送信タイムスロットにおいてパケットを聴取しようとし、応答syncパケット1302−2を送信し、スリープし、受信タイムスロットの開始時に起き、応答syncパケット1302−2を送信し、スリープする。装置202−1、装置202−1のどちらにも待機中のデータはない。装置202−1および装置202−2は次のアンカポイントまでスリープする。
図13Bは、装置202−1が装置202−2からsyncパケット1304−1を受信することができない場合の、装置202−1および装置202−2によって生成された信号例のタイミング図を示している。図示するように、装置202−2はsyncパケット1304−1を送信し、スリープし、受信タイムスロットの開始時に起き、応答syncパケットを受信せずに、スリープに戻る。装置202−1は、送信タイムスロット中にsyncパケット1304−1を聴取しようとし、syncパケットを検出せずに、スリープする。
次のフレームの開始時に、装置202−2は、装置202−1によって検出される別のsyncパケット1306−1を送信する。装置202−1および202−2のスリープ−覚醒の遷移時間後、応答syncパケット1306−2を受信/送信できると、装置202−1および202−2は、次のアンカポイントに到達するまでスリープする。
図13Cは、装置202−1と202−2とがNSYNC ATTEMPT=3フレーム内でsyncパケットと応答syncパケットとを交換できなかった場合の、装置202−1および装置202−2によって生成された信号例のタイミング図を示している。図示するように、装置202−2は、送信スロット中に、図13Cにおける各3フレーム内でsyncパケットを送信する。何度かスリープおよび覚醒期間を経ても、各sync
パケットは装置202−1に到達できない。結果的に、両装置202−1、202−2は、次のアンカポイントに到達するまでスリープする。
<結論>
上述の実施形態の説明は、説明を提供するものであるが、網羅的なものとしたり、厳密に開示した形態に実施形態を限定したりするつもりはない。修正および変更は、上述の開示に照らすと可能であり、あるいは開示の実施から得られる場合もある。
例えば、図8に示した処理例に関して一連のブロックを説明したが、他の実施形態ではブロックの順序を修正することができる。加えて、独立のブロックは、他のブロックと並行して実行可能な動作を表したものとすることも可能である。
ここで説明した態様が、図示した実施形態において、多種多様なソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアで実施可能なことは明らかであろう。態様を実施するために用いる実際のソフトウェアコードや特定制御ハードウェアは、発明を限定するものではない。したがって、ソフトウェアおよび制御ハードウェアはここでの説明に基づく態様を実施するために設計可能であるという理解のもと、態様の動作および挙動については、特定のソフトウェアコードを参照することなく説明した。
「comprises/comprising」という用語を本明細書で用いた場合、言明した特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を特定するものであるが、1または2以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその組合せの存在または追加を排除するものではないと解されることを強調したい。
さらに、実施形態のある部分は、1または2以上の機能を行う「回路(logic)」として説明した。この回路としては、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路、電界プログラム可能ゲートアレイなどのハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せが挙げられる。
特徴の特定の組合せについて、特許請求の範囲における記載および/または明細書における開示を行うが、かかる組合せで発明を限定する意図はない。実際、かかる特徴の多くは、具体的に請求項の記載および/または明細書の開示にはないやり方で組み合わせることも可能である。
本出願で用いたいかなる要素、動作、命令も、明示していない限りは、ここで説明した実施形態に対して決定的または本質的であると考えるべきではない。また、「a」という冠詞をここで使用した場合は、1または2以上のアイテムを含むという意図がある。1つのアイテムを意図する場合は、「one」という言葉や同様の言語を用いる。さらに、「based on(に基づく)」という表現は「based,at least in part, on(少なくとも部分的に基づく)」を意図しており、そうではない場合は明示してある。

Claims (10)

  1. 電力節約モードを開始し、
    リモート装置へ、自装置のアドレスに基づく第1のコード、または前記リモート装置のアドレスに基づく第2のコードのうちの1つを含む第1の同期パケットを、第1の電力節約サイクルにおける第1の送信タイムスロット内で送信し、前記第1のコードは、前記リモート装置へ送信すべきデータを自装置が有していると示すものであり、前記第2のコードは、前記リモート装置へ送信すべきデータを自装置が有していないと示すものであり、
    前記第1の同期パケットの送信後に自装置をスリープさせて、エネルギーを節約し、
    前記第1の電力節約サイクルにおける第1の受信タイムスロットに自装置を起こし、
    前記第1のコードまたは前記第2のコードのうちの1つを含む応答同期パケットを前記リモート装置から自装置において受信し、前記第1のコードは、自装置へ送信すべきデータを前記リモート装置が有していると示すものであり、前記第2のコードは、自装置へ送信すべきデータを前記リモート装置が有していないと示すものであり、
    第1の電力節約サイクルに続く第2の電力節約サイクルの開始まで自装置をスリープさせて、エネルギーを節約する
    回路、
    を備える装置。
  2. 前記第1の同期パケットが前記第2のコードを含む場合、前記第1の同期パケットは、前記装置と前記リモート装置とを同期する信号を提供するだけのものである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記応答同期パケットが前記第1のコードを含む場合、前記応答同期パケットは、前記装置へ送信すべきデータを有する、請求項1に記載の装置。
  4. 前記回路は、さらに、前記第1の受信タイムスロットにおいて応答同期パケットが受信されない場合、前記第1の送信タイムスロットに続く、前記第1の電力節約サイクルの第2の送信タイムスロットにおいて、前記リモート装置のアドレスに基づくデバイスアクセスコードを含む第2の同期パケットを送信し、前記第2の同期パケットは、前記装置から送信すべき待機中の追加データがないと示す、請求項1に記載の装置。
  5. 前記回路は、さらに、
    前記リモート装置から送信すべき追加データが待機中であると示す前記第1のコード、または
    前記リモート装置から送信すべき待機中の追加データはないと示す前記第2のコード、
    のうちの1つを含む第2の応答同期パケットを受信する、請求項1に記載の装置。
  6. 前記回路は、さらに、
    前記装置から送信すべき追加データが待機中であると示す前記第1のコード、または
    前記装置から送信すべき待機中の追加データはないと示す、前記リモート装置のアドレスに基づく前記第2のコード、
    のうちの1つを含む第2の応答同期パケットを送信し、
    前記リモート装置から送信すべき追加データが待機中であると示す前記第1のコードと、または
    前記リモート装置から送信すべき待機中の追加データはないと示す前記第2のコード、
    のうちの1つを含む第2の応答同期パケットを受信する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記回路は、さらに、前記第2のリモート装置の電力節約サイクルにおいて第2のリモート装置へ第2の同期パケットを送信し、前記第2のリモート装置の前記電力節約サイクルは、少なくとも所定数の同期試行によって前記第1の電力節約サイクルのアンカポイントからオフセットされたアンカポイントを含む、請求項1に記載の装置。
  8. 前記回路は、さらに、前記第1の受信タイムスロットに到達する前のある特定の時間、前記回路の構成要素に追加電力を提供して、前記構成要素が前記応答同期パケットを受信できるようにする、請求項1に記載の装置。
  9. 複数のタイムフレームのうちの少なくとも1つにおいてマスタ装置をスレーブ装置に同期するステップを含み、
    前記同期するステップは、
    前記マスタ装置のアドレスに基づく第1のコード、または前記スレーブ装置のアドレスに基づく第2のコードのうちの1つを含む同期パケットを、前記タイムフレームのうちの1つにおける送信タイムスロット内でリモート装置へ送信するステップであって、前記第1のコードは、前記スレーブ装置へ送信すべきデータを前記装置が有していると示すものであり、前記第2のコードは、前記リモート装置へ送信すべきデータを前記マスタ装置が有していないと示すものであるステップと、
    前記タイムフレームのうちの1つに関連する受信タイムスロットの開始まで電力消費低減状態で、前記マスタ装置または前記スレーブ装置のうちの少なくとも1つのオペレーションを行うステップと、
    前記第1のコードまたは前記第2のコードのうちの1つを含む応答パケットが前記受信タイムスロットにおいて受信されたかどうか判定するステップであって、前記第1のコードは、前記マスタ装置へ送信すべきデータを前記スレーブ装置が有していると示すものであり、前記第2のコードは、前記マスタ装置へ送信すべきデータを前記スレーブ装置が有していないと示すものであるステップと、
    前記応答パケットが前記受信タイムスロット内で受信された場合、前記スレーブ装置へ送信すべきユーザデータ、または前記スレーブ装置から受信すべきユーザデータを処理するステップと、
    を含む、方法。
  10. 前記応答パケットが前記受信タイムスロット内で受信された場合、前記タイムフレームのうちの1つが電力節約サイクルの最後のタイムフレームであるかどうか判定するステップと、
    前記タイムフレームのうちの1つが前記電力節約サイクルの最後のタイムフレームである場合、次のタイムフレームに到達するまで前記電力消費低減モードでオペレーションを行うステップと、
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
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