JP5116194B2

JP5116194B2 - Inflammatory bowel disease preventive and therapeutic agent

Info

Publication number: JP5116194B2
Application number: JP2001267482A
Authority: JP
Inventors: 敏松本; 正人長岡; 慶一光山; 通夫佐田
Original assignee: Yakult Honsha Co Ltd
Current assignee: Yakult Honsha Co Ltd
Priority date: 2001-09-04
Filing date: 2001-09-04
Publication date: 2013-01-09
Anticipated expiration: 2021-09-04
Also published as: JP2003073286A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は安全かつ有効な炎症性腸疾患予防治療剤に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
炎症性腸疾患（Inflammatory Bowel Disease:IBD）は、近年発症が増加している。この炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎（ＵＣ）とクローン病（ＣＤ）に分けられる。
【０００３】
これらの炎症性腸疾患の病態は、腸管の粘膜にび爛や潰瘍が形成されるものであり、体重減少、下痢、血便等の症状が現れる。この発症原因は、腸粘膜免疫応答系の破綻に伴ったサイトカイン産生応答異常にあるとされているが、その詳細については解明されていない。このように炎症性腸疾患は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍とは、その病態及び発症原因ともに全く異なる疾患である。
【０００４】
従って、炎症性腸疾患の発症原因の解明と安全かつ有効な予防治療剤の開発が望まれている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、潰瘍性大腸動物モデル及びクローン病動物モデルを用いて炎症性腸疾患の発症原因について検討してきたところ、炎症性腸疾患においてはＩＬ−６生産が顕著に増加しており、ＩＬ−６が発症原因の一つであることを見出した。
ＩＬ−６は、炎症反応時、単球／マクロファージによって分泌される可溶性ＩＬ−６受容体（ＩＬ−６Ｒ）と複合体を形成する。複合体化したＩＬ−６／ＩＬ−６Ｒは、非リンパ系細胞を含めたほぼすべての細胞に発現するｇｐ１３０分子に結合することで、ＩＬ−６Ｒを発現していない細胞系へもＩＬ−６シグナルを伝達し（トランスシグナリング）、炎症反応を誘導することが知られている。そこで、本発明者は、炎症性腸疾患動物モデルにおけるＩＬ−６／ＳＴＡＴ−３リン酸化応答についても検討したところ、炎症性腸疾患ではこれも顕著に亢進していることを見出した。
そこで本発明者は、安全性の高い食用菌類に着目して炎症性腸疾患治療剤を見出すべく、検討したところ、全く意外にもラクトバチルス属細菌がＩＬ−６産生抑制作用を有し、その結果ＩＬ−６／ＳＴＡＴ３リン酸化応答を抑制することを見出しさらに炎症性腸疾患に対する予防治療効果があることをも見出し本発明を完成するに至った。また、これらの作用がラクトバチルス属細菌の菌体由来多糖画分において特に優れていることも併せて見出した。
【０００６】
すなわち、本発明は、ラクトバチルス属細菌又はその菌体由来多糖画分を有効成分とする炎症性腸疾患予防治療剤を提供するものである。
また本発明は、ラクトバチルス属細菌又はその菌体由来多糖画分を有効成分とするＩＬ−６産生抑制剤を提供するものである。
さらに、本発明は、ラクトバチルス属細菌又はその菌体由来多糖画分を有効成分とするＩＬ−６／ＳＴＡＴ３リン酸化応答抑制剤を提供するものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるラクトバチルス属細菌としては、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・ロイテリ等が挙げられるが、このうちラクトバチルス・カゼイ及びラクトバチルス・ガッセリが好ましい。ラクトバチルス・カゼイとしては、ラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９、（ＦＥＲＭＢＰ−１３６６）、ＹＩＴ９０１８（ＦＥＲＭＢＰ−６６５）が挙げられる。またラクトバチルス・ガッセリとしては、ラクトバチルス・ガッセリＹＩＴ０１６８（ＪＣＭ５８１３；旧分類ではラクトバチルス・アシドフィルス）が挙げられる。
【０００８】
本発明においてラクトバチルス属細菌は、生菌及び死菌体のいずれでもよいが菌体としては生菌を使用するのが好ましい。
【０００９】
ラクトバチルス属細菌の菌体由来多糖画分としては、例えば特開平４−５２３６号公報又はJ. Biochem., 108, 568-571(1990)記載の方法により得られる、ポリサッカライド−ポリペプチドグリカン複合体を含む画分（以下、ＰＳ−ＰＧということがある）が好ましい。この画分は、例えば次の如くして得ることができる。まず菌体を等張液に懸濁して細胞壁溶解酵素、例えばＮ−アセチルムラミデースで処理する。この処理に先立って、超音波処理やフレンチプレス等により菌体を破砕しておいてもよい。酵素処理後の菌体懸濁液から固形の細胞質を遠心分離して除去し、上清を核酸分解酵素で処理し、さらにトリプシンやプロナーゼで処理して蛋白質を分解し、最後に蒸留水で透析して低分子画分を除去し、多糖画分を採取し、必要に応じて凍結乾燥する。
【００１０】
ラクトバチルス属細菌又はその菌体由来多糖画分は、炎症性腸疾患モデル及び炎症性腸疾患症例の腸粘膜のＩＬ−６産生を抑制し、その結果ＩＬ−６／ＳＴＡＴ−３リン酸化応答をも顕著に抑制する。さらに、炎症性腸疾患モデルに対し強力な予防治療効果を有する。従って、ラクトバチルス属細菌又はその菌体由来多糖画分は、炎症性腸疾患、すなわち潰瘍性大腸炎及びクローン病の予防治療剤として有用である。
【００１１】
また、ラクトバチルス属細菌由来の多糖画分は、ラクトバチルス属細菌の菌体に比べて顕著に優れたＩＬ−６産生抑制作用を有し、菌体中の主な有効成分である可能性が高い。さらに、当該ラクトバチルス属細菌菌体由来の多糖画分のＩＬ−６産生抑制作用は、ビフィドバクテリウム属細菌菌体由来の多糖画分の作用に比べて極めて強力である。特にラクトバチルス・カゼイ由来の多糖画分は効果が高く、更にラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９又はＹＩＴ９０１８（ＦＥＲＭＢＰ−６６５）由来のものが好ましい。
【００１２】
本発明の炎症性腸疾患予防治療剤は、その有効成分がラクトバチルス属細菌の菌体又は菌体由来多糖画分であり、その安全性は確立されているのでそのまま経口投与してもよいが、必要に応じて当該菌体又は画分に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、乳化剤、分散剤、溶剤、安定化剤などを適宜添加して、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等に製剤して使用してもよい。成人１日当たりの投与量は、生菌で１×１０⁶個以上、特に１×１０⁶〜１×１０¹³個に相当する量の菌体又は菌体由来多糖画分を投与するのが好ましいが、症状により適宜増減可能である。
本発明の炎症性腸疾患予防治療剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。
【００１３】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例１
〔１〕材料と方法
【００１４】
（Ａ）動物：ＳＰＦＢａｌｂ／ｃマウス（雌、６週齢）、ＳＰＦＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統（雄、１０及び２０週齢）を実験に用いた。
【００１５】
（Ｂ）腸炎モデル
潰瘍性大腸炎（ＵＣ）モデル：ＤＳＳ大腸炎モデルマウス（Gastroenterology(1990）107, p1643）を用いた。
クローン病（ＣＤ）モデル：ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統（Gut(1998)43, p78, J.Clin. Inuest.(2001)142, p243）を用いた。
【００１６】
（Ｃ）ＩＢＤモデル及びＩＢＤ症例の腸粘膜におけるリン酸化ＳＴＡＴ検出
各モデルマウス及び手術材料より得られたヒトＩＢＤ腸粘膜を脱リン酸化酵素阻害剤並びに蛋白分解酵素阻害剤を加えたlysisバッファーでホモゲナイズした（J. Exp. Med. (2001)193, p471）。大腸ガン摘出腸管の非病変部を対照とした。２０，０００ｇ，１０分の遠心分離で得られた上清の蛋白量を測定した。１０μｇの蛋白を８％ＳＤＳゲルで電気泳動したのち、ナイロンメンブラン上に転写した。ナイロンメンブランを３％スキムミルク／ＰＢＳ溶液で一晩ブロッキングした。翌日、各リン酸化ＳＴＡＴ分子の特異抗体で反応させ、化学発光系で反応物を検出した。
【００１７】
（Ｄ）リン酸化ＳＴＡＴ３分子の免疫組織化学的検出
ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔｓｔｒａｉｎの回腸病変部の凍結切片を作製した。リン酸化ＳＴＡＴ３分子に対する特異抗体（Biocource）を用い、常法に従って免疫染色を行った。
免疫染色後、ヘマトキシリンで核染色し、顕微鏡下で観察した。
【００１８】
（Ｅ）ＩＢＤマウスの腸粘膜におけるＩＬ−６産生能の検討
ＤＳＳ大腸炎誘導後のＢａｌｂ／ｃマウス及びＳＰＦＢａｌｂ／ｃマウスより、既知の方法で大腸粘膜固有層細胞（ＬＰＬｓ）を単離した（ENBO J. (1998)17, p1006）。２．０×１０⁶個のＬＰＬｓを固相化ＴＣＲβ鎖抗体（H57-597：１０μｇ／mL）／液相化ＣＤ２８抗体（２μｇ／mL）で刺激した。培養４８時間後の培養上清を採取し、ＩＬ−６産生量をＥＬＩＳＡ法で検出した。また、ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔｓｔｒａｉｎの回腸部分より粘膜固有層細胞を分離後、常法にしたがってＲＮＡを抽出した。Ｇ３ＰＤＨ，ＩＬ−６特異的プライマーを用いたＲＴ−ＰＣＲ法でＩＬ−６ｍＲＮＡの発現を調べた。
【００１９】
（Ｆ）ラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株による腸炎抑制の検証
加熱死菌化したＹＩＴ９０２９株含有飼料（０．０５％）投与群（Ｌ群）と対照群（通常飼料：Ｃ群）をＤＳＳ大腸炎誘導２週間前よりマウスに与えた。常法に従い慢性ＤＳＳ大腸炎を誘導し、Ｇに示した各項目で腸炎の状態を評価した。
【００２０】
（Ｇ）腸炎の評価
（ア）マウスの死亡率
（イ）Ｄｉｓｅａｓｅａｃｔｉｖｉｔｙｉｎｄｅｘ（腸炎臨床スコア，Lab Invest(1993)vol 69 p 238-249）
（ウ）ＦＡＣＳ解析
（エ）サイトカイン産生
【００２１】
（Ｈ）脾臓細胞からのＮＫ細胞の調製とＮＫ活性の測定
脾臓細胞を調整後、マウスＮＫ細胞特異的抗体を用いてＮＫ細胞をＭＡＣＳ法で単離した。常法にしたがって、Ｙａｃ−１細胞をターゲットとして細胞障害活性を測定した。
【００２２】
（Ｉ）統計解析
ｔ−検定で統計学的処理を行った。
【００２３】
〔２〕結果
（１）ＩＢＤモデルマウス腸粘膜のリン酸化ＳＴＡＴ分子群の発現
ＵＣ及びＣＤモデルマウスの腸粘膜のリン酸化ＳＴＡＴ分子の発現をイムノブロット法で検出した。結果を図１に示す。ＵＣモデル（ＤＳＳ誘導大腸炎）においては、ＳＴＡＴ３分子のリン酸化反応が顕著であった（図１Ａ）。また、大腸炎非誘導マウスにおいては、ＳＴＡＴ分子群のリン酸化反応は認められなかった。一方、ＣＤモデルマウス（ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統）の腸粘膜では、活動期（１０週齢）における炎症部位の腸粘膜において、ＳＴＡＴ１，ＳＴＡＴ３，ＳＴＡＴ６分子のリン酸化（図中、ＰＹで示す）が認められたが、ＳＴＡＴ３リン酸化反応が最も顕著であった（図１Ｂ）。また、非活動期（２０週齢）の炎症においては、ＳＴＡＴ３のリン酸化反応のみが認められた。ＳＴＡＴ５のリン酸化反応は、病変部・非病変部の違いに関わらず認められた（図１Ｂ）。
【００２４】
（２）ヒトＩＢＤ症例の腸粘膜におけるリン酸化ＳＴＡＴ分子群の発現
上記（１）の結果から、ＣＤ、ＵＣ両モデル腸粘膜において、病態の発現に伴いＳＴＡＴ３分子のリン酸化反応が亢進していることが解った。そこで、ヒトＩＢＤ症例の腸粘膜で同様の反応が亢進しているかを確かめた。その結果を図２に示す。ＵＣ（２症例）及びＣＤ（１症例）ともにマウスモデルと同様にＳＴＡＴ３分子のリン酸化反応が顕著であった（図２）。大腸ガン症例由来正常腸組織（図中のＮｏｒ）においては、ＳＴＡＴ３分子のリン酸化反応は認められなかった（図２）。
【００２５】
（３）リン酸化ＳＴＡＴ３分子の免疫組織学的検出
ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統の回腸病変部におけるリン酸化ＳＴＡＴ３分子の組織学的局在を免疫組織化学的に検出した。その結果を図３に示す。リン酸化ＳＴＡＴ３分子は、粘膜固有層、粘膜下組織に分布した細胞核内に局在を示した（図３Ａ、矢印）。また、一部の腸絨毛先端部分の上皮細胞核内においても認められた（図３Ｂ、矢印）。
【００２６】
（４）ＩＢＤマウスの腸粘膜におけるＩＬ−６産生能の検討
ＵＣモデル（ＤＳＳ大腸炎）より単離したＬＰＬｓ細胞のＩＬ−６産生能は、正常マウスに対して著しく高かった（図４Ａ）。また、腸炎活動期のＣＤモデル（ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統）マウス病変部より単離したＬＰＬｓのＩＬ−６ｍＲＮＡは、非活動期に比べ増加していた（図４Ｂ）。
【００２７】
（５）ラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株の腸炎抑制能に関する検討
マウス腸炎モデル及びヒトＩＢＤ症例の腸粘膜において亢進していたＩＬ−６／ＳＴＡＴ３リン酸化応答の抑制が腸炎抑制につながるかどうかを検証するため、加熱死菌化したＹＩＴ９０２９株をＤＳＳ慢性大腸炎誘導マウスへ投与し、対照群と腸炎の状態を比較した。慢性ＤＳＳ大腸炎誘導後、対照群において約半分のマウスが死亡したが、ＹＩＴ９０２９株投与群では、マウスの死亡は認められなかった（図５）。マウスの体重減少、下痢及び血便を指標とした腸炎臨床スコアにおいてもＹＩＴ９０２９株群において腸炎に対する改善効果が認められた（図６）。マウスを解剖後、両群の大腸ＬＰＬｓにおけるＩＬ−６産生応答を比較した。その結果、ＹＩＴ９０２９株投与群においてＩＬ−６の産生抑制が認められた（図７）。また、ＹＩＴ９０２９株投与群では、腸炎誘導後に認められるＬＰＬｓ細胞の増加（αβＴＣＲＴ細胞、Ｂ２２０細胞）が抑制された（図８）。腸炎誘導マウスにおいては、脾臓細胞中のＮＫ細胞が著しく減少し、かつＮＫ細胞レベルの細胞障害活性も低下していた（図９、図１０）。一方、ＹＩＴ９０２９株投与群では、ＮＫ細胞の減少並びに細胞レベルの細胞障害活性の低下が抑制されていた（図９、図１０）。
【００２８】
実施例２
〔１〕材料と方法
動物：Ｂａｌｂ／ｃ（雌性、８週齢）を実験に用いた。
【００２９】
慢性大腸炎
４％（ｖ／ｗ）デキストラン硫酸ナトリウム（ＤＳＳ：ＩＣＮ社）水道水を１週間マウスに投与し、１週間投与を休止するサイクルを４サイクル行って慢性大腸炎を誘導した（Gastroenterology (1990)102, p43）。
【００３０】
大腸粘膜固有層細胞（ＬＩ−ＬＰＬｓ）の分離
常法にしたがって、ＬＩ−ＬＰＬｓを分離した（Microbial Ecology in Health and Disease(2000)12, p102）。
【００３１】
ＬＩ−ＬＰＬｓのＩＬ−６産生応答系
新鮮分離したＬＩ−ＬＰＬｓ細胞２．０×１０⁵個に大腸菌由来のリポポリサッカライド（ＬＰＳ；１０μｇ／mL）を加え４８時間培養した。培養上清中のＩＬ−６量をＥＬＩＳＡ法で検出した。
【００３２】
ＬＩ−ＬＰＬｓのＩＬ−６産生応答系に対する乳酸菌の影響
加熱死菌化したラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株及びラクトバチルス・ガッセリＹＩＴ０１６８株を作成し、種々の濃度を上記培養系へ添加した。培養４８時間後のＩＬ−６量をＥＬＩＳＡ法で調べた。生菌（加熱死菌化未処理実用菌株）についても同様の検討を行った。また、マウス・マクロファージ細胞株ＲＡＷ２６４．７株を用いて同様の実験を行った。
【００３３】
〔２〕結果
マウス慢性大腸炎由来ＬＩ−ＬＰＬｓ培養系に対するＬＰＳ刺激後のＩＬ−６産生応答
慢性大腸炎誘導マウス由来のＬＩ−ＬＰＬｓ培養系にＬＰＳを添加するとＩＬ−６産生応答が認められた（図１１）。
【００３４】
ＬＰＳ刺激後のＩＬ−６産生応答系に対する加熱死菌化株の影響
上記培養系に種々の濃度で加熱死菌化菌株（ＹＩＴ９０２９，ＹＩＴ０１６８）を添加し、ＩＬ−６産生応答を調べた。その結果、各菌株とも、ＬＰＳ刺激後のＩＬ−６産生を抑制した。各菌株において１μｇ／mL−０．５mg／mL前後が最もＩＬ−６産生抑制効果が高く、抑制率は約４０％であった（図１２）。
【００３５】
マウス・マクロファージ由来細胞株であるＲＡＷ２４１細胞を用いて同様の実験を行った。ＲＡＷ細胞培養系にＬＰＳを添加するとＩＬ−６産生応答が認められた（図１３）。また、本アッセイ系に加熱死菌化ラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株を添加すると慢性大腸炎由来ＬＩ−ＬＰＬｓ細胞を用いた場合と同様、菌体添加量に反比例してＩＬ−６産生が抑制された（図１３）。
【００３６】
ＩＬ−６産生抑制能を生菌（非加熱処理菌体）と加熱死菌体で比較した。慢性大腸炎由来ＬＩ−ＬＰＬｓ細胞のＩＬ−６産生抑制は生菌でも認められ、その活性は加熱死菌体を用いた場合と変わらなかった（図１４）。
【００３７】
製造例１（ＰＳ−ＰＧの調製）
ラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９菌体をＩＬＳ培地にて定常期まで培養し、遠心分離にて集菌し、脱イオン水を用いて洗浄した。洗浄菌体を脱イオン水に懸濁し１００℃、３０分加熱し、遠心分離にて集菌した後、菌体を脱イオン水で洗浄し凍結乾燥した。
こうして得られた菌体（６０ｇ）を３リットルの５mM、Tris-malate buffer（pH６．５，２mM CaCl₂を含む）に懸濁し、５０mg（１０mg×５本）のN-acetylmuramidase（生化学工業、１０mg）を加え、４２℃にて４０時間、振盪し、８５００rpmで１時間遠心分離した。遠心後、上清を集め、上清にBenzon nuclease（関東化学、GradeI:10000U）、１vial加え、３７℃にて２０時間、振盪し、プロナーゼ（ロシュ・ダイアグノステックス社製、５０mg／５mLをろ過したもの）を加え、３７℃にて２０時間反応を行った。これを遠心分離（８５００rpm、６０分）後、上清を集め、カットオフ３０００００の限外ろ過膜にて濃縮し、内液を集め、透析し、凍結乾燥した。
乾燥物をSephacryl S-300にてゲルろ過処理し、透析、凍結乾燥してＰＳ−ＰＧ画分とした。
【００３８】
実施例３
潰瘍性大腸炎患者由来の末梢血単核球（ＰＭＮＣ）におけるＩＬ−６産生能に対するラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株及び当該株由来の多糖画分（製造例１で得たＰＳ−ＰＧ）の作用を検討した。すなわち、潰瘍性大腸炎患者から採取したＰＭＮＣ細胞１．５×１０⁵個をＬＰＳ存在下で４８時間培養した。この培養系にＹＩＴ９０２９株菌体又はその多糖画分を種々の濃度で添加した。
培養上清中のＩＬ−６量をＥＬＩＳＡ法で検出した。
【００３９】
その結果、図１５に示すように、ＹＩＴ９０２９株の菌体はＩＬ−６産生抑制作用を示したが、その菌体由来多糖画分（ＰＳ−ＰＧ）は、菌よりもさらに強力なＩＬ−６産生抑制作用を示した。
【００４０】
実施例４
潰瘍性大腸疾患患者由来の末梢血単核球（ＰＭＮＣ）をリポポリカッカライドで刺激した場合のＩＬ−６産生応答系に対するラクトバチルス・カゼイ由来の多糖画分とビフィドバクテリウム・ビフィダム由来の多糖画分の作用を検討した。すなわち、潰瘍性大腸炎患者から採取したＰＭＮＣ細胞１．５×１０⁵個にリポポリサッカライド（ＬＰＳ：１０μｇ／mL）を加え４８時間培養した。この培養系にラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株由来の多糖画分（実施例３と同じ画分）又はビフィドバクテリウム・ビフィダムＹＩＴ４００７株由来の多糖画分（実施例３のＹＩＴ９０２９株と同様にして分画）を種々の濃度で添加した。
【００４１】
その結果、図１６に示すように、ラクトバチルス・カゼイ由来の多糖画分は、ビフィドバクテリウム・ビフィダム由来の多糖画分に比べて、極めて強力なＩＬ−６産生抑制作用を示した。
【００４２】
【発明の効果】
乳酸菌又はその菌体由来多糖画分は炎症性腸疾患予防治療効果が高く、かつその作用機序はＩＬ−６／ＳＴＡＴ３リン酸化応答抑制に基づくＩＬ−６産生抑制作用によるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】ＩＢＤモデルマウス腸粘膜のリン酸化ＳＴＡＴ分子群の発現を調べたウエスタンブロットの結果を示す図である（Ａ：ＤＳＳ誘導大腸炎、Ｂ：ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔマウス）。
【図２】ヒトＵＣ（２例）、ヒトＣＤ（１例）及び正常（Ｎｏｒ）の腸組織におけるリン酸化ＳＴＡＴ分子群の発現を調べたウエスタンブロットの結果を示す図である。
【図３】ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統の回腸病変部におけるリン酸化ＳＴＡＴ３分子の免疫組織学的検出結果を示す図である（Ａ：粘膜固有層及び粘膜下組織、Ｂ：腸絨毛先端部の上皮細胞）。
【図４】ＩＢＤマウスの腸粘膜におけるＩＬ−６産生能の検討結果を示す図である（Ａ：ＤＳＳ大腸炎、Ｂ：ＳＡＭＰ１／Ｙｉｔ系統）。
【図５】ラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株のＤＳＳ大腸炎に対する延命効果を示す図である。
【図６】ＤＳＳ大腸炎マウスの腸炎臨床スコアに対するラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株の効果を示す図である。
【図７】ＤＳＳ大腸炎マウスに対するラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株のＩＬ−６産生抑制効果を示す図である。
【図８】ＤＳＳ腸炎マウスにおけるＬＰＬｓ細胞の増加に対するラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株の効果を示す図である。
【図９】ＤＳＳ大腸炎マウスにおけるＮＫ細胞数の減少に対するラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株の効果を示す図である。
【図１０】ＤＳＳ大腸炎マウスにおけるＮＫ細胞レベルの細胞障害活性の低下に対するラクトバチルス・カゼイＹＩＴ９０２９株の効果を示す図である。
【図１１】慢性大腸炎マウス由来のＬＩ−ＬＰＬｓ培養系に対するＬＰＳ刺激後のＩＬ−６産生応答を示す図である。
【図１２】ＬＰＳ刺激後のＩＬ−６産生応答系に対する乳酸菌の影響を示す図である。
【図１３】ＲＡＷ２６４．７細胞培養系にＬＰＳを添加した時のＩＬ−６産生応答及びこれに対する乳酸菌の影響を示す図である。
【図１４】ＲＡＷ２６４．７細胞培養系にＬＰＳを添加したときのＩＬ−６産生応答に対する乳酸菌の加熱死菌体及び生菌の影響を示す図である。
【図１５】潰瘍性大腸炎患者由来のＰＭＮＣ細胞培養系におけるＩＬ−６産生能に対する乳酸菌及び菌体由来多糖画分の影響を示す図である。
【図１６】潰瘍性大腸炎患者由来のＰＭＮＣ細胞培養系にＬＰＳを添加したときのＩＬ−６産生応答に対する乳酸菌由来多糖画分及びビフィドバクテリウム属細菌由来多糖画分の影響を示す図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a safe and effective agent for preventing and treating inflammatory bowel disease.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
Inflammatory Bowel Disease (IBD) has been increasing in recent years. This inflammatory bowel disease is divided into ulcerative colitis (UC) and Crohn's disease (CD).
[0003]
The pathological conditions of these inflammatory bowel diseases are those in which intestinal mucous membrane erosions and ulcers are formed, and symptoms such as weight loss, diarrhea, and bloody stool appear. The cause of this onset is attributed to abnormal cytokine production associated with the breakdown of the intestinal mucosal immune response system, but the details have not been elucidated. Thus, inflammatory bowel disease is completely different from gastric ulcer and duodenal ulcer both in its pathological condition and onset cause.
[0004]
Therefore, elucidation of the onset cause of inflammatory bowel disease and development of a safe and effective preventive / therapeutic agent are desired.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the present inventor has examined the cause of the onset of inflammatory bowel disease using an ulcerative large intestine animal model and Crohn's disease animal model, and IL-6 production is significantly increased in inflammatory bowel disease, It was found that IL-6 is one of the causes of the onset.
IL-6 forms a complex with the soluble IL-6 receptor (IL-6R) secreted by monocytes / macrophages during the inflammatory response. The complexed IL-6 / IL-6R binds to gp130 molecules expressed in almost all cells including non-lymphoid cells, so that IL-6 can also be expressed in cell lines that do not express IL-6R. It is known to transduce signals (transsignaling) and induce inflammatory responses. Therefore, the present inventor also examined the IL-6 / STAT-3 phosphorylation response in an animal model of inflammatory bowel disease, and found that this was also significantly enhanced in inflammatory bowel disease.
Therefore, the present inventor studied to find a therapeutic agent for inflammatory bowel disease by paying attention to highly safe edible fungi, and surprisingly, the Lactobacillus bacterium has an IL-6 production inhibitory action, As a result, it was found that the IL-6 / STAT3 phosphorylation response was suppressed, and further that it had a preventive and therapeutic effect against inflammatory bowel disease, and the present invention was completed. It was also found that these actions are particularly excellent in the polysaccharide fraction derived from the cells of the genus Lactobacillus.
[0006]
That is, the present invention provides a prophylactic and therapeutic agent for inflammatory bowel disease comprising a Lactobacillus bacterium or a polysaccharide fraction derived therefrom as an active ingredient.
Moreover, this invention provides the IL-6 production inhibitor which uses the Lactobacillus genus bacterium or its cell-derived polysaccharide fraction as an active ingredient.
Furthermore, this invention provides the IL-6 / STAT3 phosphorylation response inhibitor which uses a Lactobacillus genus bacterium or its cell-derived polysaccharide fraction as an active ingredient.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of the genus Lactobacillus used in the present invention include Lactobacillus casei, Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus gasseri, Lactobacillus reuteri, among which Lactobacillus casei and Lactobacillus gasseri are preferred. . Examples of Lactobacillus casei include Lactobacillus casei YIT9029, (FERM BP-1366), and YIT9018 (FERM BP-665). Examples of Lactobacillus gasseri include Lactobacillus gasseri YIT0168 (JCM 5813; Lactobacillus acidophilus in the old classification).
[0008]
In the present invention, the bacterium belonging to the genus Lactobacillus may be either a live cell or a dead cell, but it is preferable to use a live cell as the cell.
[0009]
Examples of the polysaccharide fraction derived from bacterial cells of the genus Lactobacillus include polysaccharide-polypeptide glycan complexes obtained by the method described in JP-A-4-5236 or J. Biochem., 108, 568-571 (1990), for example. The fraction containing (hereinafter sometimes referred to as PS-PG) is preferred. This fraction can be obtained, for example, as follows. First, the cells are suspended in an isotonic solution and treated with a cell wall lytic enzyme, such as N-acetylmuramidase. Prior to this treatment, the cells may be crushed by ultrasonic treatment, French press, or the like. Solid cytoplasm is removed from the cell suspension after enzyme treatment by centrifugation, the supernatant is treated with nucleolytic enzyme, the protein is further digested with trypsin or pronase, and finally dialyzed with distilled water. The low molecular fraction is removed, and the polysaccharide fraction is collected and lyophilized as necessary.
[0010]
Lactobacillus genus bacteria or polysaccharide fraction derived from the same suppresses IL-6 production in the intestinal mucosa of inflammatory bowel disease models and inflammatory bowel disease cases, resulting in an IL-6 / STAT-3 phosphorylation response. Is also significantly suppressed. Furthermore, it has a powerful preventive and therapeutic effect on inflammatory bowel disease models. Therefore, the Lactobacillus genus bacteria or polysaccharide-derived polysaccharide fraction is useful as a prophylactic / therapeutic agent for inflammatory bowel disease, that is, ulcerative colitis and Crohn's disease.
[0011]
In addition, the polysaccharide fraction derived from Lactobacillus bacteria has a significantly superior IL-6 production inhibitory action compared to Lactobacillus bacteria, and may be the main active ingredient in the bacteria high. Furthermore, the IL-6 production inhibitory action of the polysaccharide fraction derived from the Lactobacillus bacterium cell body is extremely strong compared to the action of the polysaccharide fraction derived from the Bifidobacterium bacterium cell body. In particular, the polysaccharide fraction derived from Lactobacillus casei is highly effective, and those derived from Lactobacillus casei YIT9029 or YIT9018 (FERM BP-665) are preferred.
[0012]
In the inflammatory bowel disease preventive and therapeutic agent of the present invention, the active ingredient is a bacterial body of Lactobacillus bacteria or a polysaccharide-derived polysaccharide fraction, and its safety has been established, so it may be administered orally as it is. If necessary, excipients, binders, disintegrants, lubricants, coating agents, emulsifiers, dispersants, solvents, stabilizers, etc. are appropriately added to the cells or fractions, and tablets, granules , Powders, powders, capsules, etc. may be used. The dose per day for an adult is preferably 1 × 10 ⁶ or more, more preferably 1 × 10 ⁶ to 1 × 10 ¹³ cells of living bacteria or a polysaccharide-derived polysaccharide fraction. The dose can be adjusted according to symptoms.
The inflammatory bowel disease preventive / therapeutic agent of the present invention can be administered orally as it is, or can be added to any food or drink and taken daily.
[0013]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated further in detail, this invention is not limited to these.
Example 1
[1] Materials and methods [0014]
(A) Animals: SPF Balb / c mice (female, 6 weeks old), SPF SAMP1 / Yit strains (male, 10 and 20 weeks old) were used in the experiment.
[0015]
(B) Enteritis model Ulcerative colitis (UC) model: DSS colitis model mice (Gastroenterology (1990) 107, p1643) were used.
Crohn's disease (CD) model: SAMP1 / Yit strain (Gut (1998) 43, p78, J. Clin. Inuest. (2001) 142, p243) was used.
[0016]
(C) Detection of phosphorylated STAT in intestinal mucosa of IBD model and IBD case Homogenizing human IBD intestinal mucosa obtained from each model mouse and surgical material with lysis buffer with added dephosphorylating enzyme inhibitor and protease inhibitor (J. Exp. Med. (2001) 193, p471). The non-lesional part of the intestinal tract from which colorectal cancer was removed was used as a control. The amount of protein in the supernatant obtained by centrifugation at 20,000 g for 10 minutes was measured. 10 μg of protein was electrophoresed on an 8% SDS gel and then transferred onto a nylon membrane. The nylon membrane was blocked overnight with 3% skim milk / PBS solution. The next day, each phosphorylated STAT molecule was reacted with a specific antibody, and the reaction product was detected by a chemiluminescence system.
[0017]
(D) Immunohistochemical detection of phosphorylated STAT3 molecule A frozen section of the ileal lesion of SAMP1 / Yit strain was prepared. Using a specific antibody (Biocource) against phosphorylated STAT3 molecule, immunostaining was performed according to a conventional method.
After immunostaining, the cells were stained with hematoxylin and observed under a microscope.
[0018]
(E) Examination of IL-6 production ability in intestinal mucosa of IBD mouse Colonic lamina propria cells (LPLs) were isolated by a known method from Balb / c mouse and SPF Balb / c mouse after induction of DSS colitis (ENBO J. (1998) 17, p1006). 2.0 × 10 ⁶ LPLs were stimulated with an immobilized TCR β chain antibody (H57-597: 10 μg / mL) / liquid phase CD28 antibody (2 μg / mL). The culture supernatant after 48 hours of culture was collected, and the amount of IL-6 produced was detected by ELISA. In addition, lamina propria cells were separated from the ileal part of SAMP1 / Yit strain, and RNA was extracted according to a conventional method. The expression of IL-6 mRNA was examined by RT-PCR using G3PDH and IL-6 specific primers.
[0019]
(F) Verification of enteritis control by Lactobacillus casei YIT9029 strain YIT9029 strain-containing feed (0.05%) administration group (L group) and control group (ordinary feed: C group) induced by heat-killed bacteria were induced with DSS colitis Mice were given 2 weeks ago. Chronic DSS colitis was induced according to a conventional method, and enteritis status was evaluated for each item shown in G.
[0020]
(G) Evaluation of enteritis (A) Mortality rate of mice (I) Disease activity index (enteritis clinical score, Lab Invest (1993) vol 69 p 238-249)
(C) FACS analysis (d) Cytokine production
(H) Preparation of NK cells from spleen cells and measurement of NK activity After adjusting spleen cells, NK cells were isolated by the MACS method using a mouse NK cell-specific antibody. According to a conventional method, cytotoxic activity was measured using Yac-1 cells as a target.
[0022]
(I) Statistical analysis Statistical analysis was performed by t-test.
[0023]
[2] Results (1) Expression of phosphorylated STAT molecule group in intestinal mucosa of IBD model mouse Expression of phosphorylated STAT molecule in intestinal mucosa of CD model mouse was detected by immunoblotting. The results are shown in FIG. In the UC model (DSS-induced colitis), the STAT3 molecule phosphorylation was prominent (FIG. 1A). Further, in the non-colitis mouse, phosphorylation of the STAT molecule group was not observed. On the other hand, in the intestinal mucosa of CD model mice (SAMP1 / Yit strain), phosphorylation of STAT1, STAT3 and STAT6 molecules (indicated by PY in the figure) was observed in the intestinal mucosa at the inflamed site in the active phase (10 weeks of age). However, STAT3 phosphorylation was most prominent (FIG. 1B). In addition, in the inactive period (20 weeks of age), only STAT3 phosphorylation was observed. The phosphorylation reaction of STAT5 was observed regardless of the difference between the lesioned part and the non-lesioned part (FIG. 1B).
[0024]
(2) Expression of phosphorylated STAT molecule group in intestinal mucosa of human IBD case From the result of (1) above, in both CD and UC model intestinal mucosa, phosphorylation of STAT3 molecule is accompanied by the development of pathological condition. It turns out that it is increasing. Therefore, it was confirmed whether the similar reaction was enhanced in the intestinal mucosa of human IBD cases. The result is shown in FIG. In both UC (2 cases) and CD (1 case), the phosphorylation of the STAT3 molecule was remarkable as in the mouse model (FIG. 2). In normal intestinal tissue derived from colorectal cancer cases (Nor in the figure), STAT3 molecule phosphorylation was not observed (FIG. 2).
[0025]
(3) Immunohistochemical detection of phosphorylated STAT3 molecule The histological localization of phosphorylated STAT3 molecule in the ileal lesion of the SAMP1 / Yit strain was detected immunohistochemically. The result is shown in FIG. The phosphorylated STAT3 molecule was localized in the cell nucleus distributed in the lamina propria and submucosa (FIG. 3A, arrow). Moreover, it was recognized also in the epithelial cell nucleus of a part of intestinal villi tip part (FIG. 3B, arrow).
[0026]
(4) Examination of IL-6 production ability in intestinal mucosa of IBD mice The IL-6 production ability of LPLs cells isolated from the UC model (DSS colitis) was significantly higher than that of normal mice (FIG. 4A). In addition, IL-6 mRNA of LPLs isolated from lesions in CD models (SAMP1 / Yit strain) mice during the enteritis active phase increased compared to the inactive phase (FIG. 4B).
[0027]
(5) Lactobacillus casei Examination of YIT9029 strain for enteritis suppression Does inhibition of IL-6 / STAT3 phosphorylation response, which was enhanced in the intestinal mucosa of mouse enteritis model and human IBD case, lead to enteritis suppression? In order to verify whether or not, heat-killed YIT9029 strain was administered to DSS chronic colitis-induced mice, and the state of enteritis was compared with the control group. After induction of chronic DSS colitis, about half of the mice died in the control group, but no mouse death was observed in the YIT9029 strain administration group (FIG. 5). The YIT9029 strain group also showed an improvement effect on enteritis in the colitis clinical score using mouse weight loss, diarrhea and bloody stool as indices (FIG. 6). After the mice were dissected, the IL-6 production response in both groups of large intestine LPLs was compared. As a result, suppression of IL-6 production was observed in the YIT9029 strain administration group (FIG. 7). In the YIT9029 strain administration group, the increase in LPLs cells (αβTCRT T cells, B220 cells) observed after induction of enteritis was suppressed (FIG. 8). In enteritis-induced mice, NK cells in spleen cells were significantly reduced, and cytotoxic activity at the NK cell level was also reduced (FIGS. 9 and 10). On the other hand, in the YIT9029 strain administration group, the decrease in NK cells and the decrease in cytotoxic activity at the cellular level were suppressed (FIGS. 9 and 10).
[0028]
Example 2
[1] Materials and methods
Animals : Balb / c (female, 8 weeks old) was used in the experiment.
[0029]
Chronic colitis 4% (v / w) dextran sulfate sodium (DSS: ICN) tap water was administered to mice for 1 week, and 4 cycles of suspending the administration for 1 week were performed to induce chronic colitis (Gastroenterology ( 1990) 102, p43).
[0030]
Separation of colonic lamina propria lamina propria cells (LI-LPLs) LI-LPLs were isolated according to a conventional method (Microbial Ecology in Health and Disease (2000) 12, p102).
[0031]
IL-6 production response system of LI-LPLs Lipopolysaccharide (LPS; 10 μg / mL) derived from E. coli was added to 2.0 × 10 ⁵ freshly isolated LI-LPLs cells and cultured for 48 hours. The amount of IL-6 in the culture supernatant was detected by ELISA.
[0032]
Effect of lactic acid bacteria on IL-6 production response system of LI-LPLs Heat-killed Lactobacillus casei YIT9029 strain and Lactobacillus gasseri YIT0168 strain were prepared, and various concentrations were added to the culture system. . The amount of IL-6 after 48 hours of culture was examined by ELISA. The same study was performed on live bacteria (heat-killed and untreated practical strains). The same experiment was performed using the mouse macrophage cell line RAW264.7.
[0033]
[2] Results
IL-6 production response after LPS stimulation to LI-LPLs culture system derived from mouse chronic colitis IL-6 production response was observed when LPS was added to LI-LPLs culture system derived from chronic colitis-induced mice (FIG. 11).
[0034]
Effects of heat-killed strains on IL-6 production response system after LPS stimulation Heat-killed strains (YIT9029, YIT0168) were added to the above culture system at various concentrations, and IL-6 production response was obtained. Examined. As a result, each strain suppressed IL-6 production after LPS stimulation. In each strain, the IL-6 production inhibitory effect was highest at around 1 μg / mL-0.5 mg / mL, and the inhibition rate was about 40% (FIG. 12).
[0035]
A similar experiment was performed using RAW241 cells, a mouse macrophage-derived cell line. When LPS was added to the RAW cell culture system, an IL-6 production response was observed (FIG. 13). Moreover, when heat-killed Lactobacillus casei YIT9029 strain was added to this assay system, IL-6 production was suppressed in inverse proportion to the amount of added bacterial cells, as in the case of using LI-LPLs cells derived from chronic colitis. (FIG. 13).
[0036]
The ability to suppress IL-6 production was compared between live cells (non-heat-treated cells) and heat-killed cells. Inhibition of IL-6 production by LI-LPLs cells derived from chronic colitis was also observed in live cells, and the activity was not different from that in the case of using heat-killed cells (FIG. 14).
[0037]
Production Example 1 (Preparation of PS-PG)
Lactobacillus casei YIT9029 cells were cultured in ILS medium until stationary phase, collected by centrifugation, and washed with deionized water. The washed cells were suspended in deionized water, heated at 100 ° C. for 30 minutes, and collected by centrifugation. The cells were washed with deionized water and lyophilized.
The bacterial cells (60 g) thus obtained were suspended in 3 liters of 5 mM Tris-malate buffer (containing pH 6.5, ₂ mM CaCl ₂ ), and 50 mg (10 mg × 5) N-acetylmuramidase (Seikagaku Corporation, 10 mg), shaken at 42 ° C. for 40 hours, and centrifuged at 8500 rpm for 1 hour. After centrifugation, the supernatant was collected, Benzon nuclease (Kanto Chemical Co., Grade I: 10000 U), 1 vial was added, shaken at 37 ° C. for 20 hours, and pronase (Roche Diagnostics, 50 mg / 5 mL) was filtered. The reaction was carried out at 37 ° C. for 20 hours. After centrifugation (8500 rpm, 60 minutes), the supernatant was collected and concentrated with an ultrafiltration membrane with a cutoff of 300,000, and the internal solution was collected, dialyzed, and lyophilized.
The dried product was subjected to gel filtration with Sephacryl S-300, dialyzed and freeze-dried to obtain a PS-PG fraction.
[0038]
Example 3
Effects of Lactobacillus casei YIT9029 strain and polysaccharide fraction derived from the strain (PS-PG obtained in Production Example 1) on IL-6 production ability in peripheral blood mononuclear cells (PMNC) derived from ulcerative colitis patients investigated. That is, 1.5 × 10 ⁵ PMNC cells collected from a patient with ulcerative colitis were cultured for 48 hours in the presence of LPS. The YIT9029 strain or its polysaccharide fraction was added to this culture system at various concentrations.
The amount of IL-6 in the culture supernatant was detected by ELISA.
[0039]
As a result, as shown in FIG. 15, the cells of YIT9029 strain showed IL-6 production inhibitory action, but the cell-derived polysaccharide fraction (PS-PG) was more potent than IL-6. Production inhibition effect was shown.
[0040]
Example 4
Polysaccharide fraction derived from Lactobacillus casei and Bifidobacterium bifidum derived from IL-6 production response system when peripheral blood mononuclear cells (PMNC) derived from patients with ulcerative colorectal disease are stimulated with lipopolysaccharide The action of the polysaccharide fraction was examined. That is, lipopolysaccharide (LPS: 10 μg / mL) was added to 1.5 × 10 ⁵ PMNC cells collected from a patient with ulcerative colitis and cultured for 48 hours. In this culture system, a polysaccharide fraction derived from Lactobacillus casei YIT9029 strain (the same fraction as in Example 3) or a polysaccharide fraction derived from Bifidobacterium bifidum YIT4007 strain (separated in the same manner as the YIT9029 strain in Example 3). Were added at various concentrations.
[0041]
As a result, as shown in FIG. 16, the polysaccharide fraction derived from Lactobacillus casei exhibited an extremely strong IL-6 production inhibitory action compared to the polysaccharide fraction derived from Bifidobacterium bifidum.
[0042]
【Effect of the invention】
Lactic acid bacteria or a bacterial cell-derived polysaccharide fraction has a high effect of preventing and treating inflammatory bowel disease, and its mechanism of action is due to an IL-6 production inhibitory action based on suppression of IL-6 / STAT3 phosphorylation response.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 shows the results of Western blotting for examining the expression of phosphorylated STAT molecules in the intestinal mucosa of IBD model mice (A: DSS-induced colitis, B: SAMP1 / Yit mouse).
FIG. 2 is a diagram showing the results of Western blotting in which the expression of phosphorylated STAT molecule groups in human UC (2 cases), human CD (1 case) and normal (Nor) intestinal tissues was examined.
FIG. 3 shows the results of immunohistochemical detection of phosphorylated STAT3 molecules in the ileal lesion of the SAMP1 / Yit strain (A: lamina propria and submucosa, B: epithelial cells at the tip of the intestinal villi) .
FIG. 4 is a diagram showing the results of examining IL-6 production ability in the intestinal mucosa of IBD mice (A: DSS colitis, B: SAMP1 / Yit strain).
FIG. 5 is a graph showing the life-prolonging effect of Lactobacillus casei YIT9029 strain on DSS colitis.
FIG. 6 is a graph showing the effect of Lactobacillus casei YIT9029 strain on enterocolitis clinical scores in DSS colitis mice.
FIG. 7 is a graph showing the IL-6 production inhibitory effect of Lactobacillus casei YIT9029 strain on DSS colitis mice.
FIG. 8 is a graph showing the effect of Lactobacillus casei YIT9029 strain on the increase of LPLs cells in DSS enteritis mice.
FIG. 9 is a graph showing the effect of Lactobacillus casei YIT9029 strain on the decrease in the number of NK cells in DSS colitis mice.
FIG. 10 is a graph showing the effect of Lactobacillus casei YIT9029 strain on the reduction of NK cell level cytotoxic activity in DSS colitis mice.
FIG. 11 is a diagram showing an IL-6 production response after LPS stimulation with respect to a LI-LPLs culture system derived from a chronic colitis mouse.
FIG. 12 is a diagram showing the influence of lactic acid bacteria on the IL-6 production response system after LPS stimulation.
FIG. 13 shows IL-6 production response when LPS is added to a RAW264.7 cell culture system and the effect of lactic acid bacteria on this.
FIG. 14 is a diagram showing the influence of heat-killed lactic acid bacteria and live bacteria on IL-6 production response when LPS is added to the RAW 264.7 cell culture system.
FIG. 15 is a diagram showing the influence of lactic acid bacteria and the bacterial cell-derived polysaccharide fraction on IL-6 production ability in PMNC cell culture systems derived from ulcerative colitis patients.
FIG. 16 is a diagram showing the influence of a lactic acid bacteria-derived polysaccharide fraction and a Bifidobacterium-derived polysaccharide fraction on IL-6 production response when LPS is added to a PMNC cell culture system derived from a patient with ulcerative colitis. is there.

Claims

Lactobacillus casei YIT9029 (FERM BP-1366) or Lactobacillus gasseri YIT0168 (JCM 5813) or its cell-derived polysaccharide fraction having an inhibitory action on IL-6 production in the intestinal mucosa of inflammatory bowel disease Inflammatory bowel disease preventive and therapeutic agent.

An inhibitor of IL-6 production in the intestinal mucosa of inflammatory bowel disease, comprising as an active ingredient Lactobacillus casei YIT9029 (FERM BP-1366) or Lactobacillus gasseri YIT0168 (JCM 5813) or a polysaccharide fraction thereof.

IL-6 / STAT3 phosphorylation response of intestinal mucosa of inflammatory bowel disease containing Lactobacillus casei YIT9029 (FERM BP-1366) or Lactobacillus gasseri YIT0168 (JCM 5813) or its polysaccharide-derived polysaccharide fraction as an active ingredient Inhibitor.