JP5113027B2 - 無線基地局装置 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル無線システムにおける無線基地局装置に係り、特に、パケット生成周期と無線フレームタイミングのずれにより生じる遅延時間を短縮し、無線リソース使用効率を向上させる無線基地局装置に関する。
無線基地局装置と移動局装置から構成されるデジタル無線システムでは、無線基地局装置と移動局装置との無線通信品質(Channel Quality Indicator)や、QoS(Quality of Service)バッファ滞留量等を考慮して、共通の無線チャネルでパケットを送信すべき、単一又は複数のユーザを選択する機能を有するものがある。この機能を一般にMAC(Medium Access Control)スケジューラと呼ぶ。
また、上記デジタル無線システムでは、無線基地局装置が無線フレーム上のリソースを全て管理する集中管理方式がある。この方式では、上りリンクのリソース割り当て方法に関しても、無線基地局装置内のMACスケジューラが管理する。例えば、IEEE規格(非特許文献1,2)で規定されているWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)規格のデジタル無線システムはこの集中管理方式である。
QoSのクラスとしては、固定割り当て(UGS:Unsolicited Grand Service)、リアルタイムサービス(rtPS:real-time Polling Service)、非リアルタイムサービス(nrtPS:non rtPS)、ベストエフォート(BE:Best Effort)がある。
WiMAX上でVoIP(Voice over IP)を行う場合、非特許文献1にあるように、UGSのサービスクラスを使用するのが一般的であり、固定的にリソースが割り当てられる。
一方、VoIPに関して、下記非特許文献3の図3−2の標準的な端末形態に示されているように、音声の符号化方式としては、ITU−T G.711、パケット化周期20msecを使用するのが一般的である。
また、ネットワークの品質基準として、非特許文献3において図3−3のネットワーク品質の基準値に示されているように、UNI−UNI間のIPレイヤのネットワーク品質が以下のとおり規定されているが、無線の観点からみると転送遅延時間、転送遅延揺らぎ、パケット損失率ともにかなり厳しい値である。
UNI−UNI ネットワーク品質
IPパケット転送遅延時間 70ms以下
IPパケット転送遅延揺らぎ 20msec以下
IPパケット損失率 0.1%以下
WiMAX上で、ITUーT G.711、パケット化周期20msecのVoIPをサービスする場合、WiMAXの1無線フレーム時間は5msecなので、4フレームに1回、固定周期で割り当てを行えば、VoIPのパケット化周期を満たすことになる。
ここで、無線基地局装置から移動局装置にデータを送信する下りリンクにおいては、VoIPデータの到達が無線基地局装置で把握できるため、VoIPデータが到着次第、最優先で送信することにより、転送遅延時間を最小限にすることができる。
しかし逆に、上りリンクの場合、無線基地局装置が移動局装置の音声データの発生タイミングを把握できないため、転送遅延を最小限にするフレーム割り当てタイミングを把握するのは難しいという問題がある。
また、無線フレームにおけるタイミング精度と音声パケット化のタイミング精度とが異なることにより、以下のような問題もある。図16は、音声パケット化周期20msecとWiMAX無線フレームの関係を示した図である。図の左側は、Layerを示している。CS SAPはLayer3(ネットワーク層)とLayer2(データリンク層)の境界点であり、また、PHY(Physical Layer) SAPはLayer2(MAC層)とLayer1(物理層)の境界点である。
音声パケット化部分は、8kHzサンプリングで20msec分のデータが蓄積されたら、パケット化を行うもので、160回サンプリング分の音声データが蓄積したら、パケット化処理を行って下位層に受け渡す。
しかし、WiMAX規格における無線フレームのタイミングの精度は、規格の規定により、GPSの1pps信号に対して±1μsec以下で同期しなければならないと決められている。そのため、図15のように、GPSの1pps信号と無線フレームの先頭のプリアンブルのタイミングを合わせなければならない。
図15は、GPSの1PPS信号とWiMAX無線フレームのプリアンブルが同期していることを示す図である。この同期の精度は、規格で±1μsec以下と決められている。
一方、ITU−T G.711のサンプル精度は、規格の規定により、±50ppm以下でなければならないと定められている。±50ppmは8kHzのサンプリングで、0.4Hzのずれがあることを意味している。
そのため、ITU−T G.711で使用される8kHzのサンプリングは、7999.6Hzから8000.4Hzの間のサンプリング周波数である。
WiMAXの無線フレームのタイミングに使用するGPS信号とITU−T G.711の8kHzのサンプリングクロックは独立しているため、長時間のVoIPの通信を行っていると、細かい誤差が積み重なり、VoIPのパケット化タイミングが、無線フレームのタイミングを基準とした初期タイミング位置に対して、前方又は後方のフレームにずれが生じる。後方にずれた状態を図18に、前方にずれた状態を図19に示す。
図18は、音声パケット化周期が遅い場合のタイミングチャートを示しており、図19は、音声パケット化周期が早い場合のタイミングチャートを示している。
図18に示すように、後方にずれた場合には、VoIPデータが欠落してしまう。
また、これに対して、図19に示すように、前方にずれる場合には、VoIPデータは欠落していないので、無線基地局装置は前方にずれていることを把握できない。更に、前方にずれている場合には、無線端末内でVoIPデータの待ち時間が発生してしまい、転送遅延時間に厳しいVoIPでは、この待ち時間が問題となる。
尚、関連する特許文献として、特開2008−211815号公報「無線伝送装置」(出願人:株式会社日立国際電気)がある(特許文献1)。
特許文献1には、固定長のデータ伝送用スロットに複数の伝送データフレームを格納して無線送信することで、無線送信用キュー内の滞留、遅延を低減する無線伝送装置が示されている。
特開2008−211815号公報 IEEE Std 802.16-2004, Part 16: Air Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems IEEE Std 802.16e-2005 and IEEE Std 802.16-2004/Cor1-2005, Part 16: Air Interface for Broadband Wireless Access Systems, Amendment 2: Physical and Medium Access Control Layers for Combined Fixed and Mobile Operation in Licensed Bands 報道資料「『OAB〜J番号を使用するIP電話の基本事項に関する技術的条件案』に対する意見募集の結果(IPネットワーク設備委員会報告案に対する意見募集の結果)」総務省,情報通信審議会,情報通信技術分科会,IPネットワーク設備委員会,平成19年1月22日
しかしながら、上記従来の無線基地局装置では、上り方向のスケジューリングにも固定割り当て(UGS)クラスは存在するものの、無線通信である以上、固定周期データ生成タイミングと無線フレームタイミングとのズレが発生する。
また、無線伝播路で印加されるノイズに起因する無線データの破棄等の障害を完全に除去することは不可能であるため、単純に無線帯域を固定周期で割り当てるだけでは、固定周期データフローのQoS要求を満たすことができないという問題点があった。
また、上り方向のスケジューリングでは、基地局装置が移動局装置内の送信データのバッファリング状況を把握できないことから、移動局装置の最速送信可能タイミングが不明なまま無線帯域を割り当てなければならず、下り方向のスケジューリングでは考慮する必要のない、上り方向のスケジューリング特有の問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減させ、無線リソース使用効率を向上できるスケジューリングを行う無線基地局装置を提供することを目的とする。
の発明は、固定周期でデータが生成される複数の移動局に対して、1台の基地局装置が上り/下り方向のスケジューリング制御を実行するデジタル無線システムにおける無線基地局装置であって、上り方向の無線フレーム割り当て周期を毎フレーム周期とする、第1のスケジューリング制御を行う状態と、上り方向の無線フレーム割り当て周期をQoSパラメータで設定される無線フレーム割り当て周期とする、第2のスケジューリング制御を行う状態とを有し、前記第2のスケジューリング制御を行う状態において、割り当てられている無線フレームで上り方向の無線データを受信できなかった時に、前記第1のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、上り方向のデータを受信したフレームタイミングを検出し、その後再び前記第2のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、検出した前記フレームタイミングで上り方向の無線データを受信するように無線フレーム割り当てを行うことを特徴とする。
2の発明は、固定周期でデータが生成される複数の移動局に対して、1台の基地局装置が上り/下り方向のスケジューリング制御を実行するデジタル無線システムにおける無線基地局装置であって、上り方向の無線フレーム割り当て周期を毎フレーム周期とする、第1のスケジューリング制御を行う状態と、上り方向の無線フレーム割り当てを、QoSパラメータで設定される割り当て周期で割り当てられる無線フレームに加えて、少なくともその次の無線フレームにも割り当てる、第のスケジューリング制御を行う状態とを有し、前記第3のスケジューリング制御を行う状態において、前記QoSパラメータで設定される割り当て周期で割り当てられる無線フレーム以外の無線フレームで上り方向の無線データを受信した時に、前記第1のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、上り方向のデータを受信した無線フレームタイミングを検出し、その後再び前記第3のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、検出した前記無線フレームタイミングを、前記QoSパラメータで設定される割り当て周期で割り当てられる無線フレームのタイミングとして設定することを特徴とする。
前記第の発明によれば、上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減でき、無線リソース使用効率を向上でき、更に上り方向の無線データを正常に受信できなかった場合に上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減できる効果がある。
前記第の発明によれば、上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減でき、無線リソース使用効率を向上でき、更に基地局装置で最適な割り当て周期を補正できる効果がある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る無線基地局装置は、固定周期でデータが生成される複数の移動局に対して、1台の基地局装置が上り/下り方向のスケジューリング制御を実行するデジタル無線システムにおける無線基地局装置であって、上り方向の無線フレーム割り当て周期をQoSパラメータで設定される無線フレーム割り当て周期に従わず毎フレーム周期とする、第1のスケジュールリング制御を行う状態と、上り方向の無線フレーム割り当て周期を前記QoSパラメータで設定される無線フレーム割り当て周期とする、第2のスケジューリング制御を行う状態とを有し、前記第1のスケジューリング制御を行う状態において、上り方向のデータを受信したフレームタイミングを検出し、前記第2のスケジューリング制御を行う状態において、検出した前記フレームタイミングで上り方向の無線データを受信するように無線フレーム割り当てを行うものとしているので、上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減でき、無線リソース使用効率を向上できるものである。
[ネットワーク構成例:図1]
本発明の実施の形態に係るネットワーク構成例について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るネットワーク構成例を示す概略図である。
図1に示すように、ネットワークは、固定周期データフローとしてVoIP(Voice over IP)通信を例にしている。
図1のネットワークでは、基地局100と移動局300とは無線接続されており、移動局300側には、ユーザが使用する電話500とその電話500をVoIPパケットに変換するVoIP−TA(VoIP Telephony Adaptor)400が接続されている。
これら複数の基地局100、移動局300、VoIP−TA400、電話500は、VoIP基盤網600に接続されており、任意の2つの電話500間におけるVoIP通信は、VoIP基盤網600を介して実現される。
ここで、本発明の特徴部分は、VoIP−TA400から基地局100までの上り方向の通信区間に関するものである。そこで、説明を分かり易くするために、以下、VoIP−TA400、移動局300、基地局100での通信に限定して説明する。
尚、上記ネットワークシステムにおける移動局300、VoIP−TA400、電話500は、VoIP対応端末として一体で構成されることも考えられる。
[プロトコルスタック:図2]
移動局300のプロトコルスタックの例について図2を参照しながら説明する。図2は、WiMAX規格に準拠した移動局300のプロトコルスタックの例を示す概略図である。
図2に示すように、移動局300のプロトコルスタックは、VoIPをサポートするために、SIPとSDPをサポートしている。MAC層と物理層は、WiMAX Forumに準拠した機能を備える。また、アプリケーションの一例として、音声と映像を載せている。
ここで、WiMAX Forumは、各ベンダー間の相互接続を確保するために、非特許文献1,2内でサポートしなければならない機能を選別し、非特許文献1,2で規定されていないLayer3以上の機能を決めている標準化作成機関である。
また、WiMAX規格に準拠していることから、Layer2はIEEE802.16e MAC、Layer1はIEEE802.16e OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access) PHY(Physical layer)となっている。
[無線フレーム:図3]
次ぎに、無線フレームの一例について図3を参照しながら説明する。図3は、WiMAX無線フレームの一例を示す図である。
WiMAX無線フレームは、図3に示すように、時間軸方向と周波数方向の2次元に配置され、先頭の10FDMAシンボルはプリアンブルであり、フレーム長は5msecで、TDD(Time Division Duplex)なので、1フレーム内の同一周波数上に、無線基地局から端末への下りリンク(下りサブフレーム)と端末から無線基地局への上りリンク(上りサブフレーム)が時分割で存在する。
下りサブフレームと上りサブフレームとの間と、上りサブフレームの後には、無線信号の衝突を回避するために、切り替え時間としてガードタイムが設けられている。
具体的には、下りサブフレームの制御チャネルではデータ割り当てに関するアサイン情報(下りアサイン情報及び上りアサイン情報)が通知され、下りサブフレームの個別チャネル1,2は下りデータ領域として使用され、上りサブフレームは上りデータ領域として使用される。
下りサブフレームのプリアンブルは、移動局が基地局との無線的特性を同期させるために使用する信号である。
アサイン情報は、下り方向のアサイン情報については、各サービスフローのデータが無線フレーム構成上のどこに配置されているかを示す情報であり、上り方向アサイン情報については、移動局(端末)が無線フレーム上のどこで送信するべきかを示す情報である。
下りデータ領域/上りデータ領域は、それぞれの方向におけるユーザデータが配置される領域となっている。
下りリンクの個別チャネルの割り当てや上りリンクの個別チャネルの割り当ては、下りの制御チャネルで通知される。
この制御チャネル内には、WiMAXのFCH、DL−MAP、UL−MAPが存在する。また、制御チャネル内の上りリンクの割り当て情報は、図16で示した割り当て情報のように、次ぎフレームの割り当てを示している。
[無線基地局装置:図4]
次ぎに、本発明の実施の形態に係る無線基地局装置について図4を参照しながら説明する。図4は、無線基地局装置の構成図である。
無線基地局装置100は、ネットワークインタフェース部101と、MAC(Medium Access Control)部102と、PHY(Physical Layer)部103と、RF(Radio Frequency)部104と、アンテナ部105とを備えている。
ネットワークインタフェース部101は、無線基地局装置をネットワーク機器に接続するためのインタフェース部である。
MAC部102は、MACスケジューラを備え、ネットワークインタフェース部101から入力されるデータに対して、無線帯域の割り当て量と周期を設定し、無線フレームデータを構築してアサイン情報(割り当て情報)と共にPHY部103に出力し、PHY部103から入力された受信無線フレームデータからMAC SDU(Service Data Unit)を生成してネットワークインタフェース部101に出力する。MAC部102の具体的構成は後述する。
PHY部103は、MAC部102からの無線フレームデータをOFDMA方式により物理層での伝送を実現し、RF部104に出力し、RF部104からの受信データを物理層のプロトコルに従い取り込み、無線フレームデータとしてMAC部102に出力する。
RF部104は、PHY部103からの無線フレームデータを変調してアンテナ部105に出力し、アンテナ部105からの受信信号を復調してPHY部103に出力する。
アンテナ部105は、電波の送受を行う。
[MAC部:図5]
本発明の実施の形態に係るMAC部の一般的構成部分について図5を参照しながら説明する。図5は、MAC部の構成図である。
MAC部200は、図5に示すように、QoS識別部201と、下りMACスケジューラ部202と、下りMAC処理部203と、上りMACスケジューラ部204と、上りMAC処理部205と、フレームカウンタ生成部206とを備えている。
[下りデータパケット処理]
QoS識別部201は、下りデータパケット処理において、該当サービスフローのサービスクラスを識別し、下りMACスケジューラ部202に通知する。
下りMACスケジューラ部202は、設定されるQoSパラメータに従い、各サービスフローの送信順番を制御し、アサイン情報を下りMAC処理部203に通知する。
下りMAC処理部203は、通知されたアサイン情報に従い、無線フレームデータを構築し、PHY部103に通知する。
[上りデータパケット処理]
QoS識別部201は、上りデータパケット処理において、上りMACスケジューラ部204にQoSパラメータを通知する。
上りMACスケジューラ部204は、通知されたQoSパラメータに従い、無線帯域の割り当て量と周期を設定し、設定から求められたアサイン情報を無線フレーム周期で、下りMAC処理部203に通知する。
ここで、上記無線帯域割り当て量とは、フレーム毎に割り当てられる該当サービスフローに対する無線帯域のことであり、通常は一定値である。また、上記無線帯域割り当て周期とは、該当サービスフローに対する無線帯域を割り当てるフレームの周期のことである。
下りMAC処理部203は、通知されたアサイン情報をPHY部103に通知する。
また、上りMACスケジューラ部204は、上りMAC処理部205へもアサイン情報を通知する。
上りMAC処理部205は、通知されたアサイン情報に従い、PHY部103からの無線受信データを待ち受け、受けた無線受信データに基づき、MAC SDUを生成し、ネットワークインタフェース部101へ通知する。
また、上り/下りMACスケジューラ処理部202,204は、無線フレームに同期し、フレーム周期毎に処理を実施している。それらの処理においては、フレームカウンタ生成部206で更新されるフレームカウンタを使用している。
また、本発明の実施の形態に係る上り方向のアサイン情報の通知とユーザデータ送信タイミングについて説明する前に、本実施の形態に係る技術の理解を助けるために、従来の技術について説明しておく。
[パケット化周期と無線フレーム:図16]
図16を参照しながら、制御チャネルについて説明する。
まず、制御チャネルは、5msec毎に、毎フレーム送信される。
次ぎに、フレーム(Frame)番号nを例にして、制御チャネルに関する端末の動きを細かく説明する。
Frame番号nの制御チャネル内に存在する上りリンクの割り当て情報(アサイン情報)は、Frame番号n+1の上りリンクの割り当て情報である。そのため、Frame番号nで割り当て情報を通知して、Frame番号n+1で端末がデータを送信する動きになる。
MAC処理時間の欄に存在する上向きの矢印は、MAC層でのスケジューリング・タイミングを示している。このタイミングでは、Frame番号nの割り当て情報を検出し、送信可能な領域が割り当てられていることを確認して、送信したいデータをPHY部103に出力する。
その後、PHY層で送信するためのコーディング処理が行われ、Frame番号n+1のタイミングでデータが送信される。また、図16の割り当て周期は、VoIPのパケット化周期20msecと同期している状態を示している。
つまり、VoIP−TA400は、20msec周期でVoIPパケットを生成し、移動局300に送信する。但し、この生成周期は、無線フレーム周期とは非同期である。また、QoSパラメータとして設定される固定割り当て周期は、VoIP−TA400がパケット生成する周期と同じ20msecが設定されている。
[初期遅延発生条件:図7]
ここで、本発明が解決する課題の一つである初期遅延について図7を参照しながら説明する。図7は、初期遅延の発生を示すタイミングチャートである。
移動局300から基地局100への送信タイミングは、基地局の上りMACスケジューラ部204により制御されており、基地局100と移動局300の接続(コネクション)が確立してから最初のアサイン情報が移動局300に通知されるまでには、移動局内で複数フレーム分の遅延が発生する。
図7ではVoIP−TA400でのVoIPパケットがフレーム#1で発生し、移動局へのアサイン情報がフレーム#3で通知され、移動局からのVoIPパケットはフレーム#4で送信されている。この場合の初期遅延は図7に示すとおり、フレーム#1からフレーム#4までの時間としている。基地局の上りMACスケジューラ処理は、固定周期でアサイン情報を割り当てるため、ここで示した初期遅延は解消されることなく、通信中の固定的な遅延として継続することになる。
また、実際にはITU−T G.711の8kHzサンプリングに関して、規格で±50ppmの誤差が許容されている。この誤差は、8kHzのサンプリング周波数で、7999.6Hzから8000.4Hzの間の周波数となり、以下のような問題が発生する。
[後方ずれによる遅延の発生(サンプリング周波数8000.4Hz):図18]
サンプリング周波数が8000.4Hzの場合について図18を参照しながら説明する。
8000.4Hzの場合、8000Hzより遅いので、無線フレームのタイミングに対して、音声パケット化タイミングが遅延していく方向に向かう。
そのため、長時間の通話を行うと、この0.4Hzのずれが蓄積し、図18のFrame番号nとFrame番号n+1のところのように、MACスケジューリング・タイミングより遅くなり、Frame番号n+1の上りフレームで音声データを送信できないという問題が発生する。
[前方ずれによる遅延の発生(サンプリング周波数7999.6Hz):図19]
サンプリング周波数が7999.6Hzの場合について図19を参照しながら説明する。
7999.6Hzの場合、8000Hzより早いので、無線フレームのタイミングに対して、音声パケット化タイミングが前のフレームの方にずれ込んでいく。
そのため、長時間の通話を行うと、この0.4Hzのずれが蓄積し、図19のFrame番号n−1とFrame番号nのタイミングにあるように、MAC内で待ち時間が発生するようになる。
しかし、この現象の場合、無線基地局装置が期待しているタイミングに音声データが端末から送信されるので、無線基地局装置はMAC内で待ち時間が発生していることを把握できない。
[改良MAC部:図6]
そこで、上記問題に対応するために、改良したMAC部について図6を参照しながら説明する。図6は、改良に係るMAC部の構成図である。
MAC部900は、図6に示すように、QoS識別部901と、下りMACスケジューラ部902と、下りMAC処理部903と、上りMACスケジューラ部904と、上りMAC処理部905と、フレームカウンタ生成部906と、フレームカウンタ保持部907と、連続受信カウント閾値保持部908とを備えている。
[下りデータパケット処理]
QoS識別部901は、下りデータパケット処理において、該当サービスフローのサービスクラスを識別し、下りMACスケジューラ部902に通知する。
下りMACスケジューラ部902は、設定されるQoSパラメータに従い、各サービスフローの送信順番を制御し、アサイン情報を下りMAC処理部903に通知する。
下りMAC処理部903は、通知されたアサイン情報に従い、無線フレームデータを構築し、PHY部103に通知する。
[上りデータパケット処理]
QoS識別部901は、上りデータパケット処理において、上りMACスケジューラ部904にQoSパラメータを通知する。
上りMACスケジューラ部904は、通知されたQoSパラメータに従い、無線帯域の割り当て量と周期を設定し、設定から求められたアサイン情報を無線フレーム周期で、下りMAC処理部903に通知する。
ここで、上記無線帯域割り当て量とは、フレーム毎に割り当てられる該当サービスフローに対する無線帯域のことであり、通常は一定値である。また、上記無線帯域割り当て周期とは、該当サービスフローに対する無線帯域を割り当てるフレームの周期のことである。
下りMAC処理部903は、通知されたアサイン情報をPHY部103に通知する。
また、上りMACスケジューラ部904は、上りMAC処理部905へもアサイン情報を通知する。
上りMAC処理部905は、通知されたアサイン情報に従い、PHY部103からの無線受信データを待ち受け、受けた無線受信データに基づき、MAC SDUを生成し、ネットワークインタフェース部101へ通知する。
また、上り/下りMACスケジューラ処理部902,904は、無線フレームに同期し、フレーム周期毎に処理を実施している。それらの処理においては、フレームカウンタ生成部906で更新されるフレームカウンタを使用している。
そして、フレームカウンタ保持部907は、フレームカウンタ生成部906から無線フレーム周期で通知されるフレームカウンタ(カウント値)を保持し、かつ、上り方向のデータパケットを受信したときのフレームカウンタを上りMACスケジューラ部904に通知する。
上りMACスケジューラ部904は、フレームカウンタを通知されると、上り方向の無線帯域割り当て量と周期を再設定し、下りMAC処理部903に通知するアサイン情報へ反映させる。
また、上りMACスケジューラ部904では、上記無線帯域割り当て量と周期を再設定する際に、上り方向のデータ通信中において現在の割り当て周期でパケットを連続受信している間のフレームカウント値(または現在の割り当て周期で連続して受信している時間)と、連続受信カウント閾値保持部908が保持する連続受信カウント閾値(または連続受信時間閾値)(カウント閾値、連続受信時間閾値はともに一定値)を参照する。
ここで、上記で行われる再設定の具体的処理内容については、以下それぞれの発明実施形態において詳述する。
[最適タイミング検索方法:図17]
まず、上りリンクで発生する移動局内での遅延を最小にすることを可能とする、最適なアサイン情報(割り当て情報)通知タイミングを探すときに用いる無線フレーム割り当て方法を、図17を参照しながら説明する。
既述したように、上りリンクの場合、最適タイミングを通知する方法がない。そこで、図17に示すようにアサイン情報を5msec周期で全てのフレームに割り当てることにより、端末内での待ち時間が最小となる最適タイミングを検索する。
最適タイミングが見つかれば、そのタイミングを無線基地局装置内の上りMACスケジューラ部904で記憶し、アサイン情報をその最適タイミングで20msec毎に割り当てるように、上りスケジューリング処理を切り替える。切り替えた後は、図16の状態になる。
ここで、例えば上記最適タイミングを検索するため、上りMACスケジューラ部904では次のような処理を行う。
まず、アサイン情報を5msec周期ですべてのフレームに割り当てるモード、及び、アサイン情報を20msec周期(4フレームに1回の周期)で割り当てるモードの2つの状態を切り替えるものとする。また、20msec周期、つまり本例の場合、4フレーム周期の中の4個のフレームのうち、どのフレームであるかを示す値としてフレームオフセット値を設ける。
例えば、あるフレームのオフセット値を0とすると、次のオフセット値は1、その次は2、その次は3、その次は0に戻り、以降はこれを繰り返す。尚、ここでいうフレームオフセット値は、上述したフレーム割り当てタイミングに相当する。
[最適タイミングの検索:図20]
ここで、図20に最適タイミングの検索を行うためのフローチャートを示す。図20において、上りMACスケジューラ部904は、フレームカウンタ保持部907のフレームカウント値と、同一オフセット値で連続受信した回数を考慮して、上記2つの割り当てモードの切り替えを行い、連続受信しているオフセット値のフレームを割り当てる。
以下、図20をさらに具体的に説明する。基地局装置は、まず上り方向のパケットを受信した場合(ステップ1000)、フレームカウンタ保持部907からデータを受信したフレームのフレームカウント値を取得し、そのフレームオフセット値を算出する(ステップ1001)。続いて現在の割り当てフレーム周期が20msecか、5msecか、どちらのモードであるかを判断する(ステップ1002及び1005)。
ステップ1002で、割り当てフレーム周期が20msecの場合(Yesの場合)、データを受信したフレームのオフセット値が、現在設定されている割り当てフレームオフセット値と一致するか否かを判断する(ステップ1003)。
そして一致した場合(Yesの場合)、20msec周期でパケットを連続受信しているものとして、同一フレームオフセット値での受信回数(上述した、固定周期でパケットを連続受信している間のフレームカウント値)をインクリメントする(ステップ1004)。
また、ステップ1003で、一致しない場合(Noの場合)、20msec周期以外でパケットを受信しているため、最適タイミングではないものとして割り当てフレームタイミングを5msecに変更しモードの切り替えを行う(ステップ1010)。
一方、ステップ1005において、上り方向のパケットを受信したときの割り当てフレーム周期が5msecである場合(Yesの場合)、データを受信したフレームのオフセット値が、現在設定されている割り当てフレームオフセット値と一致するか否かを判断する(ステップ1006)。
そして一致した場合(Yesの場合)、前回受信時と同一オフセット値でパケットを連続受信しているものとして、ステップ1004と同様に、同一フレームオフセット値での受信回数(上述した、現在の割り当て周期でパケットを連続受信している間のフレームカウント値に相当)をインクリメントする(ステップ1007)。
その後、同一フレームオフセット値での受信回数と、予め設定している閾値(上述した、連続受信カウント閾値に相当)とを比較する(ステップ1008)。ここで、同一フレームオフセット値での受信回数が閾値以上である場合(Yesの場合)には、現在設定されている割り当てフレームオフセット値が最も遅延が少なく最適であるため、現在の割り当てフレームオフセット値のまま、割り当てフレーム周期を20msecに変更しモードの切り替えを行う(ステップ1009)。また、アサイン情報の通知タイミングも現在の割り当てフレームオフセット値で受信できるようなタイミングで決定される。
以上の処理を行うことにより、最適なアサイン情報の通知タイミングを検索し、割り当てフレーム周期を切り替えることができる。
[初期遅延対策:図8]
上述した初期遅延に対する対策処理について図8を参照しながら説明する。図8は、初期遅延対策のタイミングチャートである。尚、本対策処理と、後述する使用効率改善処理1の処理は、図17及び図20を参照して説明した最適タイミングの検索方法によっても実現されるが、ここでは特に初期遅延に対する対策に焦点を当てて説明する。
従来技術の初期遅延は、コネクション確立後からアサイン情報の初期割り当てまでの経過時間が固定的な遅延となり、通信中は解消されるものではない。
これに対して、図8に示すスケジューリングでは、コネクションが確立してからフレーム#3でアサイン情報の初期割り当てを行ってから、それ以降、アサイン情報を5msec周期で割り当てる。
これにより、フレーム#5以降に生成されるVoIPパケットは、初期遅延を引きずることなく、最速で基地局まで送信することができる。
しかし、この方式では、20msec周期のデータフローに対して5msec周期の無線帯域を割り当てているため、無線リソースの使用効率が4分の1に低下してしまう。
そこで、初期遅延が解消された後に、無線リソースの使用効率を向上させる処理を行うようにする。
[使用効率改善処理1:図9]
初期遅延が解消された後に、無線リソースの使用効率改善処理1について図9を参照しながら説明する。図9は、無線リソースの使用効率改善処理1のタイミングチャートである。
図9のフレーム#1〜#9は、図8と同様なタイミングになっている。更に、図9では、フレーム#5〜#n+2の区間において、基地局が連続して20msec周期でVoIPパケットを受信できている場合を示している。
基地局では、図9に示す連続受信時間1(t1)の期間を連続して20msec周期でVoIPパケットを受信できたときに、アサイン情報の割り当て周期を5msecから20msec周期に切り替える動作を実行する。
具体的には、連続受信時間1は連続受信カウント閾値保持部908が保持しており、上りMACスケジューラ部904は、基地局が連続して20msec周期でVoIPパケットを受信できている時間が連続受信時間1を超えたときに、上記の周期切り替えの動作を実行する。
ここで、図9の例では、固定周期(20msec周期)で連続して受信している時間を用いているが、時間ではなく固定周期でパケットを連続受信している間のフレームカウント値を用いることもできる。この場合、連続受信カウント閾値保持部908が保持する連続受信カウント閾値1を超えたときに、上記周期切り替えの動作を実行する。
そして、20msec周期に切り替えた時に割り当てるアサイン情報のタイミングは、基地局がVoIPパケットを連続受信中に受信していたフレームタイミングで基地局が受信できるように決定される。
このようにタイミングを決定することで、アサイン情報の割り当て周期の切り替え時に新たな遅延時間が発生することがない。更に、無線リソースの使用効率を従来と同等に抑えることが可能となる。
[使用効率改善処理2:図12]
初期遅延が解消された後に、無線リソースの使用効率改善処理2について図12を参照しながら説明する。図12は、無線リソースの使用効率改善処理2のタイミングチャートである。
図12のフレーム#1〜#9は、図8と同様なタイミングになっている。更に、図12では、フレーム#5〜#n+2の区間において、基地局が連続して20msec周期でVoIPパケットを受信できている場合を示している。
基地局は、図12に示す連続受信時間1(t1)の期間を連続して20msec周期でVoIPパケットを受信できたときに、アサイン情報の割り当て周期を5msecから20msec周期に切り替える動作を実行する。
図12に示すアサイン情報[1番]のみの割り当てが、図9に示す処理に対応する。更に、図12では、アサイン情報[1番]に加え、その次のフレーム周期のアサイン情報[2番]も20msec周期で割り当てる。
図12で示しているVoIPパケット[5〜7番]は、アサイン情報[1番]に従い、移動局から基地局へ送信しており、アサイン情報[2番]は、図12で示す条件では使用されていない。
この使用されていないアサイン情報と割り当て無線帯域は、VoIPパケット生成タイミングと無線フレームタイミングのずれが生じたときに遅延時間を増大させないための余剰帯域であり、その余剰帯域の使用方法と効果は後述する。
図12に示す無線帯域の割り当て方式により、無線リソースの使用効率を図8で示す毎フレーム割り当て方式に比べ、半分に抑えることができる。
尚、本実施例では剰余帯域のために1個後ろのアサイン情報のみを余分に割り当てるが、無線リソースの使用効率とのバランスによっては、さらにそれ以降のアサイン情報(2個後ろ、3個後ろ、・・・)も余分に割り当てることも考えられる。
[異常対応処理]
図9に示したように、VoIPパケットの遅延時間が最短となるタイミングで、かつ、アサイン情報の割り当て周期が20msec周期に遷移している状態で、VoIPパケットが正常受信できなかった場合について説明する。
正常受信できない条件には、VoIP−TA400でのVoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合や、無線伝播路で印加されるノイズに起因する無線データの破棄(パケットドロップ)などが想定される。
ここでの異常系の対応動作の説明は、VoIP−TA400でのVoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合(パケット生成の後方ずれによる遅延発生の場合)について以下説明する。
[異常対応処理1:図10]
VoIP−TA400でのVoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合の対応処理1について図10を参照しながら説明する。図10は、VoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合の対応処理1のタイミングチャートである。
図10では、VoIPパケットの遅延時間が最短となるタイミングで、かつ、アサイン情報の割り当て周期が20msec周期に遷移している状態がフレーム#1〜#6まで続いていることを示している。そこで、VoIP−TA400と移動局は、フレーム#6までと同様に固定周期で動作している。
しかし、VoIP−TA400のパケット生成周期が無線フレームに対して後方にずれ、フレーム#n+6ではなく、フレーム#n+7でVoIPパケットが生成されている。
移動局は、前フレームまでの周期的な処理に従い、フレーム#n+6の次ぎはフレーム#n+10でしか、VoIPパケットを送信することができないため、VoIPパケット[5番]は、フレーム#n+6からフレーム#n+10まで遅延して送信される。
ここで、フレーム#n+10でVoIPパケットを受信した基地局は、上りMACスケジューラ部904が決定したアサイン情報どおりに、フレーム#n+6でVoIPパケットを受信できなかった場合、フレーム#n+13からアサイン情報の割り当て周期を5msec周期に切り替える。
そして、フレーム#n+13以降は、図9と同様に、無線リソースの使用効率を向上させる動作を実行する。
[異常対応処理2:図13]
VoIP−TA400でのVoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合の対応処理2について図13を参照しながら説明する。図13は、VoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合の対応処理2のタイミングチャートである。
図13では、図12と同様に、VoIPパケットの遅延時間が最短となるタイミングで、かつ、アサイン情報の割り当て周期が20msec周期に遷移している状態がフレーム#m+1〜#n+2まで続いていることを示している。そこで、VoIP−TA400と移動局は、フレーム#n+2までと同様に固定周期で動作している。
ここで、図10と同様に、VoIP−TA400のパケット生成周期が無線フレームに対して後方にずれ、フレーム#n+6ではなく、フレーム#n+7でVoIPパケットが生成されている。
しかし、以降の動作は、図10の場合と異なり、移動局は、フレーム#n+6とフレーム#n+7で送信することができるため、VoIPパケット[5番]は、移動局に無駄に滞留することがない。
また、フレーム#n+7でVoIPパケットを受信した基地局は、異常対応処理1と同様に、上りMACスケジューラ部904が決定したアサイン情報どおりにフレーム#n+6でVoIPパケットを受信できなかった場合、フレーム#n+9からアサイン情報の割り当て周期を5msec周期に切り替える。
そして、フレーム#n+9以降は、図12と同様に、無線リソースの使用効率を向上させる動作を実行する。
[パケット生成タイミングが早い場合の処理1:図11]
次ぎに、VoIPパケットを正常に連続受信中にアサイン情報の通知を20msec周期から5msec周期に切り替える動作について説明する。
この動作は、VoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも早い場合(前方ズレによる遅延発生の場合)の遅延を解消するための機能である。
従来技術では、基地局に対しては、アサイン情報に従って移動局がVoIPパケットを送信するため、基地局では、その遅延を認識することができない。そこで、基地局装置が周期的に最適なアサイン情報を通知する周期を補正する必要がある。その方法を以下、説明する。
パケット生成タイミングが早い場合の処理について図11を参照しながら説明する。図11は、パケット生成タイミングが早い場合の処理のタイミングチャートである。
図11では、フレーム#m+1以前からフレーム#m+6のVoIPパケット生成までは安定して生成周期が20msecのときに、VoIP−TA400のVoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングとのズレにより、フレーム#m+9でVoIPパケットを生成したときに生じる遅延時間を解消する方法を示している。
まず、基地局は、フレーム#10以降、遅延時間が1フレーム分の5msecが発生していることを認識できていないが、本発明の実施の形態では、基地局がアサイン情報の割り当て周期を20msec周期に切り替えてから、図11に示す連続受信時間2(t2)の期間、連続してVoIPパケットを正常に受信できた場合、アサイン情報の割り当て周期を5msec周期に切り替える処理を実行する。
具体的には、連続受信時間2(t2)は連続受信カウント閾値保持部908が保持しており、上りMACスケジューラ部904は、基地局が連続して20msec周期でVoIPパケットを受信できている時間が連続受信時間2(t2)を超えたときに、上記の周期切り替えの動作を実行する。
ここで、図11の例では、固定周期(20msec周期)で連続して受信している時間を用いているが、時間ではなく、固定周期でパケットを連続受信している間のフレームカウント値を用いることもできる。ここで、図20のステップ1004にてカウントを行う、『同一フレームオフセット値での受信回数』が、このカウント値に当たる。この場合、連続受信カウント閾値保持部908が保持する連続受信カウント閾値2を超えたときに、上記の通りアサイン情報の割り当て周期を5msec周期に切り替える動作を実行する。
その後、図17及び図20で示したように、最適アサイン情報の割り当てタイミングを検索し、無線リソースの使用効率を向上させる動作を実行する。
この動作により、基地局が検知できないVoIP−TA400のVoIPパケット生成周期が早まったときに生じる遅延時間を解消することができる。
上述した連続受信時間1(t1)と連続受信時間2(t2)は、遅延時間の短縮化と無線リソース使用効率の向上を調整するための設定パラメータであり、それぞれの特性についてトレードオフの関係にある。
[パケット生成タイミングが早い場合の処理2:図14]
また、パケット生成タイミングが早い場合の問題に対処するための別の方法について図14を参照しながら説明する。図14は、パケット生成タイミングが早い場合の処理(別の実施形態)のタイミングチャートである。
まず、アサイン情報の割り当て周期が20msec周期である状態から、割り当て周期が5msec周期の状態に切り替わるまでの動作は、上述した「パケット生成タイミングが早い場合の処理1」と同様である。
ここで、「パケット生成タイミングが早い場合の処理1」は、5msec周期の状態に切り替わるが、本実施の形態の場合、図14に示すような割り当てを行う。つまり、図14のフレームのように、初期の20msec周期での割り当てにおいて最適タイミングとしていたフレームとその一つ前のフレーム、Frame番号nが初期の20msec周期での割り当てにおいて最適タイミングの場合、Frame番号n−1に追加割り当てを行う。
そして、Frame番号m−1とFrame番号mのように、0.4Hzの誤差は1フレーム以上になった場合には、Frame番号m−1の割り当てにより、MACで待ち時間が発生することなく、端末が送信できるものである。
そのため、端末のMAC層での待ち時間が最大でも5msec以内に抑えることができる。
その後は、Frame番号m−1の位置を最適タイミングとして20msec周期でフレーム割り当てを行うことにより、その後のVoIP通信でも待ち時間を抑えることができる。
図14における周期を具体的に説明する。
サンプリング周波数が8kHzの場合、125μsec毎にサンプリングが行われる。
サンプリング周波数が7999.6Hzの場合、124.994μsec毎にサンプリングが行われる。
上記2つのずれ量は、6nsecである。
このずれが蓄積され、無線フレームの5msecと同じ量になる時間は、約104.167秒である。そのため、少なくとも、約104.167秒に1回は、図14に示した処理を行う必要がある。
[実施の形態の効果]
本装置によれば、上り方向の無線帯域割り当て周期をQoSパラメータで設定されている無線帯域割り当て周期に従わず、毎フレーム割り当てを行うものであるが、基地局装置で連続受信時間t1を保持し、上り方向の無線データを連続で受信できている時間が該連続受信時間t1を超えたときに、上り方向の無線帯域割り当て周期を、QoSパラメータで設定される無線帯域割り当て周期に切り替えるようにしているので、上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減でき、無線リソース使用効率を向上できる効果がある。
本発明は、上り方向の固定周期データフローの遅延時間を軽減させ、無線リソース使用効率を向上させる無線基地局装置に好適である。
本発明の実施の形態に係るネットワーク構成例を示す概略図である。 WiMAX規格に準拠した移動局300のプロトコルスタックの例を示す概略図である。 WiMAX無線フレームの一例を示す図である。 無線基地局装置の構成図である。 MAC部の構成図である。 改良に係るMAC部の構成図である。 初期遅延が発生する場合のタイミングチャートである。 初期遅延対策のタイミングチャートである。 無線リソースの使用効率改善処理1のタイミングチャートである。 VoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合の対応処理1のタイミングチャートである。 パケット生成タイミングが早い場合の処理のタイミングチャートである。 無線リソースの使用効率改善処理2のタイミングチャートである。 VoIPパケット生成周期が無線フレームタイミングよりも遅い場合の対応処理2のタイミングチャートである。 待ち時間対応処理のタイミングチャートである。 GPSの1PPS信号とWiMAX無線フレームのプリアンブルが同期していることを示す図である。 音声パケット化周期20msecとWiMAX無線フレームの関係を示した図である。 上りリンクで、音声パケット化周期とWiMAX無線フレームの最適タイミングを探すときに使う無線フレームを表した図である。 音声パケット化周期が遅い場合のタイミングチャートである。 音声パケット化周期が早い場合のタイミングチャートである。 最適割り当てタイミング検索処理のフローチャートである。
符号の説明
100…無線基地局装置(基地局)、 101…ネットワークインタフェース部、 102…MAC部、 103…PHY部、 104…RF部、 105…アンテナ部、 200…MAC部、 201…QoS識別部、 202…下りMACスケジューラ部、 203…下りMAC処理部、 204…上りMACスケジューラ部、 205…上りMAC処理部、 206…フレームカウンタ生成部、 300…移動局、 400…VoIP−TA、 500…電話、 600…VoIP基盤網、 900…MAC部、 901…QoS識別部、 902…下りMACスケジューラ部、 903…下りMAC処理部、 904…上りMACスケジューラ部、 905…上りMAC処理部、 906…フレームカウンタ生成部、 907…フレームカウンタ保持部、 908…連続受信カウント閾値保持部

Claims (2)

  1. 固定周期でデータが生成される複数の移動局に対して、1台の基地局装置が上り/下り方向のスケジューリング制御を実行するデジタル無線システムにおける無線基地局装置であって、
    上り方向の無線フレーム割り当て周期を毎フレーム周期とする、第1のスケジューリング制御を行う状態と、
    上り方向の無線フレーム割り当て周期をQoSパラメータで設定される無線フレーム割り当て周期とする、第2のスケジューリング制御を行う状態とを有し、
    前記第2のスケジューリング制御を行う状態において、割り当てられている無線フレームで上り方向の無線データを受信できなかった時に、
    前記第1のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、上り方向のデータを受信したフレームタイミングを検出し、
    その後再び前記第2のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、検出した前記フレームタイミングで上り方向の無線データを受信するように無線フレーム割り当てを行うことを特徴とする無線基地局装置。
  2. 固定周期でデータが生成される複数の移動局に対して、1台の基地局装置が上り/下り方向のスケジューリング制御を実行するデジタル無線システムにおける無線基地局装置であって、
    上り方向の無線フレーム割り当て周期を毎フレーム周期とする、第1のスケジューリング制御を行う状態と、
    上り方向の無線フレーム割り当てを、QoSパラメータで設定される割り当て周期で割り当てられる無線フレームに加えて、少なくともその次の無線フレームにも割り当てる、第のスケジューリング制御を行う状態を有し、
    前記第のスケジューリング制御を行う状態において、前記QoSパラメータで設定される割り当て周期で割り当てられる無線フレーム以外の無線フレームで上り方向の無線データを受信した時に、
    前記第1のスケジューリング制御を行う状態に切り替わり、上り方向のデータを受信した無線フレームタイミングを検出し、
    その後再び前記第のスケジューリングを行う状態に切り替わり、検出した前記無線フレームタイミングを、前記QoSパラメータで設定される割り当て周期で割り当てられる無線フレームのタイミングとして設定することを特徴とする無線基地局装置。
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