JP5108963B2 - 情報表現に透かしを埋め込む埋め込み装置、情報表現から透かしを検出する検出装置、方法およびコンピュータ・プログラムおよび情報信号 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、情報表現に透かしを埋め込むための埋め込み装置、情報表現透かしを検出するための検出装置、情報表現に透かしを埋め込む方法、情報表現の透かしを検出する方法、対応するコンピュータ・プログラムおよび情報信号に関する。
本発明のいくつかの実施形態は、反復した透かし埋め込みおよび透かし抽出のための方法に関する。
情報処理の多くの分野において、今日、情報に透かしを加えることが望ましい。透かしは、例えば、実質的に実際の情報に干渉することなく、実際の有益な情報に加えることができる情報の一片である。透かしを加えるときに、例えば有益な情報の上に透かし被せることによって、有益な情報のデータフォーマットは維持される。いくつかの周知の方法において、有益な情報に対する干渉ができるだけ低くなるように有益な情報に透かしを被せることが実施され、それにより、例えば、有益な情報の再生に干渉しないか、ごく弱く干渉するだけである。
透かしは、例えば、オーディオ信号を表す情報表現に加えられる。また、透かしは、例えば、ビデオ信号を表す情報表現に加えられる。しかしながら、透かしは、例えばコンピュータ・プログラムを表す情報表現にも加えられる。さらに、異なるデータ形式を表す更なる情報表現は、透かしを備えている。
いくつかの透かしが一つの有益な情報に埋め込まれることになっているときに、特別な課題が生じる。この場合、透かしの相互作用がしばしば発生し、それによって、いくつかのケースにおいて、検出は、より困難であるか不可能となる。透かしの相互作用は、容認できないほど高くなっている実際の有益な情報の干渉に至ることがある。
さらに、いくつかの従来の方法において、情報表現からいくつかの透かしを抽出しなければならないという取り組みは、堅調に増加している。
したがって、この発明の目的は、情報表現に透かしを埋め込むことを容易にし、または情報表現の透かしの検出を改善する概念を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込むための埋め込み装置によって、請求項20に記載の透かしを有する入力情報表現における少なくとも一つの透かしを検出するための検出装置によって、請求項32に記載の入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法によって、請求項33に記載の透かしを有する入力情報表現における少なくとも一つの透かしを検出する方法によって、請求項34に記載のコンピュータ・プログラムによって、そして、請求項35に記載の情報信号によって達成される。
一態様によれば、本発明は、透かしおよび付加用付加情報を備える情報表現を得るために、入力情報表現に透かしおよび付加用付加情報を提供する情報付加装置を有する入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込むための埋め込み装置を提供する。付加用付加情報は、入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む。
前述の態様は、入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みを示す記述的情報によって情報に埋め込まれた透かしの抽出が容易にされるという知見に基づく。埋め込み用透かしを備える情報表現に付加情報を加えることによって、透かし検出および/または透かし抽出を制御するための透かし検出装置により用いられる情報が与えられる。記述されている付加情報は、例えば、どのようにして、いつ、または誰から、透かしが入力情報表現に加えられたかに関する情報を有する。このように、付加情報は、透かしが抽出されることになっているかどうか、および/または透かしがどのような方法(例えば、どの検出パラメータを用いて)で抽出されることになっているかを決めるための透かし検出装置または透かし抽出装置に貢献することができる。透かしを備えている情報表現への透かしの埋め込みを示す付加情報の存在は、例えば、透かし検出装置にとって公知の考えられるあらゆる透かしのために、埋め込み用透かしを備えている情報表現を検索することを不要にすることができる。むしろ、透かし検出装置は、例えば、付加情報を用いて、透かしを備えている情報表現にどの透かしが含まれているかをすでに検出しているかもしれない。このように、透かし検出装置は、例えば、検索を狭め、それによって透かし検出装置の透かしの検索の取り組みはかなり減らされる。付加情報は、例えば、埋め込みにおいて用いられる情報資源に関する情報(例えば、周波数資源、時間資源またはコード資源)を更に含むことができ、その結果、埋め込み用透かしを備えている情報表現の透かしの検出において、検出装置は最適におよび/または明らかに検出パラメータを検出される透かしの検出に設定するために付加情報を評価することができる。
付加情報は、例えば、どれくらいの透かしが情報表現に埋め込まれているかという情報を更にもつことができる。このように、例えば、透かし検出装置は、対応する情報を評価した後に、終了基準を得ることができ、その結果、付加情報によって示されているように多くの透かしが見つかるときに、透かし検出装置は、例えば、透かしの検索を終了する。
要約すると、入力情報表現への、または、埋め込み用透かしを備えている情報表現への透かしの埋め込みを示す付加情報を加えることによって、透かしの検出の効率が透かし検出装置において実質的に改善されるということができる。
したがって、更なる態様によれば、本発明は、入力情報表現の少なくとも一つの透かしを検出する検出装置を提供し、そこにおいて、検出装置は、情報表現から入力情報表現(または、透かしを備えている情報表現)への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含んでいる埋め込み情報を抽出する埋め込み情報抽出装置を含む。対応する検出装置は、埋め込まれた情報に応じて入力情報表現に含まれる一つまたはいくつかの透かしを抽出する透かし抽出装置を含む。
対応する検出装置は、例えば、情報表現からの埋め込み情報として上述の埋め込み装置によって情報表現に加えられる付加情報を抽出して、埋め込み情報に応じて透かし抽出を制御することが可能である。このように、前述の検出装置は、例えば、付加情報を使用して、対応する埋め込み装置に関して上述の効果を実現することが可能である。
いくつかの更なる実施形態によれば、本発明は、少なくとも一つの透かしを含む情報信号と、情報信号への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を提供する。
対応する情報信号は、情報信号への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報の存在のため、従来可能であるよりも、実質的に簡単な(例えば、より速く、またはより資源経済的な)情報信号に埋め込まれる透かしの抽出を可能にする。
以下に、本発明の実施形態は、添付図面を参照して更に詳細に記載されている、
本発明の一実施形態にかかる透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし検出装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし検出装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし検出装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし情報検出装置および埋め込みパラメータ決定装置を有する透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施例にかかる埋め込み用透かしを有する情報信号の概略図である。 一方向性関数を用いた数値シーケンスの決定の概略図である。 初期値に基づいて埋め込みコードを算出する手順の図解図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし検出装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし埋め込み装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かし検出装置のブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる透かしを埋め込む方法の流れ図である。 本発明の一実施形態にかかる透かしを検出する方法の流れ図である。 本発明の一実施形態にかかる透かしを埋め込むためのステップの図解図である。 本発明の一実施形態にかかる透かしを検出する方法の流れ図である。 本発明の一実施形態にかかる透かしを埋め込む方法の流れ図である。 本発明の一実施形態にかかる透かしを検出する方法の流れ図である。
図1は、入力情報表現に埋め込まれるかまたは加えられる透かしを埋め込むための埋め込み装置のブロック図を示す。図1による埋め込み装置は、全体が100で示される。埋め込み装置100は、入力情報表現110を受信する。埋め込み装置100は、すでに入力情報表現110に含まれる透かし情報を検出するための透かし情報検出装置120を含む。このように、透かし情報検出装置120は、例えば、入力情報表現110において検出された透かし情報に関する情報122を提供する。埋め込み装置100は、埋め込み用透かし132を備えた情報表現134を得るために、付加用透かし132を含み、透かし情報検出装置120によって検出された透かし情報に応じて入力情報表現110を提供するための透かし付加装置130を含む。透かし付加装置130は、例えば、入力情報表現110および透かし情報検出装置120からの情報122を受信する。さらに、透かし付加装置130は、例えば、付加用透かし132を受信する。しかしながら、付加用透かし132は、透かし付加装置130に確実に保存される。
埋め込み装置100の機能に関して、透かし付加装置130が、すでに入力情報表現110に含まれる透かし情報に応じて入力情報表現110に付加用透かし132を加えることができる点に留意する必要がある。埋め込み装置100は、ランダムな方法ではなく、すでに入力情報表現110に含まれる透かしを考慮して、透かし132が入力情報表現110に加えられることを可能にする。
すでに入力情報表現110に含まれる透かしが透かし付加装置130によって考慮される方法に関して、例えば詳細に示される図7a−7dを参照して、以下において説明される異なる可能性が存在する。
図2は、一つの透かしを備えている情報表現において、少なくとも2つの透かしを検出するための検出装置のブロック図を示す。図2にかかる検出装置は、全体が200で示される。検出装置200は、透かしを備えた情報表現210を受信する。検出装置200は、透かしを備えた情報表現210の再利用可能な透かし情報を確認する検出情報検出装置220を含む。検出情報検出装置220は、例えば、情報表現210を受信して、再利用可能な透かし情報に関する情報222を提供する。検出装置200は、再利用可能な透かし情報を用いて第1の透かしを情報表現210から抽出し、再利用可能な透かし情報を用いて第2の透かしを入力情報表現210から抽出する透かし抽出装置230を含む。透かし抽出装置230は、例えば、情報表現210と、検出情報検出装置220によって与えられる情報222とを受信し、それに基づいて、第1の透かしに関する情報232および第2の透かしに関する情報234を提供する。
検出装置200の機能に関して、透かし抽出装置230が、例えば、情報232によって示される第1の透かしの検出のために、そして、情報234によって示される第2の透かしの検出のために、両方の透かしに共通の情報を用いる点に留意する必要がある。例えば、共通の再利用可能な情報は、両方の透かしのためにある同期情報である。このように、例えば、この場合一度だけ同期情報を検出するのに十分であり、少なくとも2つの透かしの検出は、共通の同期情報に基づいて実行される。
共通の再利用可能な情報は、例えば、第1の透かしおよび第2の透かしが少なくとも一つの共通の検出パラメータで検出されることができることを示す情報である。例えば、情報表現210は少なくとも2つの透かしが共通の埋め込み方法に従って情報表現210に埋め込まれたことを示す情報を含み、その結果、透かし抽出装置230は少なくとも2つの透かしが情報表現210から対応する共通の抽出方法によって抽出されることができると仮定することができる。
さらに、例えば、情報表現210は、どれくらいの透かしが情報表現210に埋め込まれるかという情報を持つことができる。対応する数値情報は、例えば、情報表現210に含まれる少なくとも2つの透かしを一般に示す共通の情報と考えることができる。数値情報は、例えば、検出情報検出装置220によって抽出され、例えば、いくつかの透かしを情報表現210から正しく抽出するために一つまたはいくつかの抽出パラメータを透かし抽出装置230のために設定するために用いることができる。換言すれば、数値情報は、2つの異なる透かしの抽出のために、透かし抽出装置230の検出パラメータを正しく設定するために用いることができる。
例えば、3つの透かしが情報表現210に含まれることがわかっているならば、例えば、第1の透かしの抽出において、そして、第2の透かしの抽出において、第4番目から第n番目の透かしを埋め込むために設けられているこの種の検出パラメータは考慮に入れなくてもよい。むしろ、それは、存在する透かしの数に従って考慮される検出パラメータの範囲を制限するのに十分である。
さらに、例えば図7a−7dを参照して、詳細が以下に再び記載されている。
図3aは、本発明の一実施形態による入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込むための埋め込み装置のブロック図を示す。図3aにおいて、埋め込み装置は、全体が300で示される。埋め込み装置300は、入力情報表現310を受信して、透かしおよび付加情報を備えた情報表現320を提供する。埋め込み装置300は、入力情報表現310を受信して、透かしおよび付加情報を備えた情報表現320を提供するための情報付加装置330を含む。情報付加装置330は、全体として、透かしおよび付加情報を備えた情報表現320を得るために、付加用透かし341および付加用付加情報343を有する情報表現310を提供する。付加用付加情報は、情報表現に少なくとも一つの透かしを埋め込むことに関する記述的情報を含む。例えば、記述的情報は、情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みを示す。
図3aは、情報付加装置330の典型的なトポロジーを示す。情報付加装置330は、例えば、並列構造であり、透かし付加装置340および付加情報付加装置342を含む。例えば、透かし付加装置360および付加情報付加装置342は、付加用透かしまたは付加用付加情報を加えるために、入力情報表現310を受信する。例えば、透かし付加装置340は、入力情報表現310および付加用または埋め込み用透かし341を受信して、それに基づいて、付加用透かしを備えた情報表現344を生成する。例えば、付加情報付加装置342は、入力信号表現310および付加用付加情報343を受信して、それに基づいて、付加情報を備えた情報表現346を生成する。図3aに示すように、透かしを備えた情報表現344は、例えば、透かしおよび付加情報を備えた情報表現320を得るために、付加情報を備えた情報表現346と組合されることができる。あるいは、透かし付加装置340が出力信号として情報表現310に適合する透かし情報を提供し、付加情報付加装置342が情報表現310に適合する付加情報を提供し、透かし付加装置340および付加情報付加装置342の出力信号が、透かしおよび付加情報を提供された情報表現320を得るために入力情報表現310と組み合わされることも可能でもある。
あるいは、情報付加装置330は、例えば、図3bおよび図3cに示されているように、他の構成を含んでいてもよい。例えば、埋め込み装置300の情報付加装置は、図3bに示すように、情報付加装置330bで置き換えることができる。情報付加装置330bは、例えば、透かし付加装置340bおよび付加情報付加装置342bの直列配列を含む。透かし付加装置340bは、例えば、入力情報表現310を受信して、付加情報付加装置342bに透かしを備えた入力情報表現344bを提供するように構成される。付加情報付加装置342bは、例えば、透かしを備えた情報表現344bに付加用付加情報を加えて、透かしおよび付加情報を備えた情報表現320を提供するように構成される。
図3cから推測できるように、付加情報付加装置および透かし付加装置の順序は、もちろん、図3bに関して例示される順序に対して変更することができる。この場合、付加情報付加装置342cは、例えば、透かし付加装置340cの前に配置される。
要約すると、付加用透かしおよび付加用付加情報の両方を入力情報表現310に加えるために、異なる構成を用いることができる点に留意する必要がある。情報のこれらの2つの部分の付加は、それとは別に、ブロック「透かし付加装置」および「付加情報付加装置」が組み合わされるかまたはまとめられた共通の情報付加装置によってされることもできる。換言すれば、分かれた付加装置は、透かしおよび付加情報のために必要ではない。
しかしながら、付加用付加情報は、透かし付加装置の埋め込みパラメータに依存する。このように、例えば、付加情報は、どのようにして透かし付加装置が付加用透かしを付加するために構成されパラメータ化されるかをコード化することができる。例えば、付加情報は、付加用透かしを付加するために透かし付加装置がどの透かし方法を使用したかに関する情報を含むことができる。さらに、付加情報は、入力情報表現310に付加用透かしを提供するときに、透かし付加装置が使用する個々のパラメータを示す。このように、付加情報は、例えば、透かし付加装置340がどの埋め込みコードを使用しているか、透かし付加装置340が透かしを埋め込むためにどの周波数資源(例えば周波数帯域)を使用しているか、または、透かし付加装置が透かしを埋め込むためにどの時間資源(例えばタイムスロット)を使用しているかという情報をもたらす。さらに、どの埋め込み方法を透かし付加装置340が使用しているかとは別に、付加情報が通常所定の埋め込み方法にしたがって埋め込まれている規格にしたがって要求されるとき、透かし付加装置340および付加情報付加装置342は、例えば、異なる埋め込み方法を用いることができる。この場合、透かしを加えるときに、そして、付加情報を加えるときに、実質的な相互干渉という結果にならないように、透かし付加装置340および付加情報付加装置342は実施される。
例えば図7a−7dに関して、透かしおよび付加情報の埋め込みに関する詳細は、以下において更に詳細に説明される。
図4は、透かしを備えた入力情報表現における少なくとも一つの透かしを検出するための検出装置のブロック図を示す。図4による検出装置は、全体が400で示される。検出装置400は、透かしを備えた情報表現(または入力情報表現)を受信する。検出装置400は、透かしを備えた情報表現410を受信して、情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報422を情報表現410から抽出するための埋め込み情報抽出装置420を含む。
検出装置400は、さらに、透かしを備えた情報表現410および情報表現410への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報422を受信するための透かし抽出装置430を含む。透かし抽出装置430は、埋め込み情報422に応じて情報表現410に含まれる一つまたはいくつかの透かしを抽出して、少なくとも一つの透かしに関する情報432を提供する。
透かし抽出装置430は、埋め込み情報422に基づいて情報表現410の透かしを効果的に確認することができる。記述的情報422に基づいて、透かし抽出装置430は、例えば、情報表現410に存在する透かしがどの埋め込み方法を用いて情報表現に埋め込まれているかという事実に関する情報422を有する。あるいは、例えば、どの検出コードまたは抽出コードが情報表現410からの透かしの抽出に用いられるかという事実に関して、情報422が埋め込み情報抽出装置420から透かし抽出装置430に提供される。さらに、埋め込み情報抽出装置420は、例えば、どれくらいの透かしが情報表現410に含まれているかに関して情報を透かし抽出装置430に提供する。
埋め込み情報抽出装置420は、記述的情報422を提供するために、例えば、情報表現に含まれる付加情報を評価することができる。付加情報は、例えば、透かしの実際の情報内容に属していないが、どのようにして一つまたはいくつかの透かしが情報表現410に埋め込まれるかについて記述している情報であってもよい。
図5は、本発明の一実施形態による情報表現に、または、入力情報表現に透かしを埋め込むための埋め込み装置のブロック図を示す。図5による埋め込み装置は、全体が500で示される。埋め込み装置500は、入力情報表現510を受信して、埋め込み用または付加用透かしを備えた情報表現534を生成する。埋め込み装置500は、埋め込みパラメータ決定装置520を含む。埋め込みパラメータ決定装置は、情報表現に埋め込み用透かしを埋め込むための埋め込みパラメータ526を得るために、図式的に示された導出関数522を、1回または数回、初期値524に適用する。埋め込み装置500は、さらに、入力情報表現510および埋め込みパラメータ526を受信する透かし付加装置530を含む。さらに、透かし付加装置530は、付加用または埋め込み用透かし532を受信する。付加用または埋め込み用透かしは、透かし付加装置530に更に確実に保存されることもできる。
このように、透かし付加装置530は、例えば埋め込みパラメータ526を用いて入力情報表現510に付加用透かし532を埋め込むことによって、埋め込み用透かしを備えた情報表現534を提供する。
埋め込み装置500は、このように初期値524に基づいて埋め込みパラメータ526の決定を可能にし、導出関数522が評価される。数回導出関数522を評価する可能性によって、一つの初期値524に基づいて、単純な方法で埋め込みパラメータ526の異なる一組を生成する可能性がある。例えば、暗号一方向性関数でもよい導出関数を用いることにより、アクセス権が異なる埋め込み装置に割り当てられることが達成される。これに関する詳細は、以下において示される。
図6は、透かしを備えた情報表現の透かしを検出するための検出装置のブロック図を示す。図6による検出装置は、全体が600で示される。検出装置600は、透かしを備えた情報表現または入力情報表現610を受信して、情報表現610に含まれる透かしに関する情報634を提供する。
検出装置600は、検出パラメータ決定装置620を含む。外部的に与えられ、または、検出パラメータ決定装置620に格納される初期値624に、検出パラメータ決定装置620は、1回または数回、略図的に示した導出関数622を適用し、情報表現の透かしの検出のための検出パラメータ626を得る。
検出装置600は、透かしを備えた情報表現610および検出パラメータ626を受信する透かし抽出装置630を含む。透かし抽出装置630は、さらに、検出パラメータ626を用いて透かしを備えた情報表現610から情報表現610に含まれる透かしに関する情報634を得るように構成される。換言すれば、検出パラメータ626は、透かし抽出装置630を設定するのに役立つ。検出パラメータは、例えば、どの資源(例えば、タイムスロットまたは周波数帯域)が透かしの検出において適用されるかについて示している。あるいは、例えば、情報表現610において異なるコードを有する異なる透かしが互いに別れている場合、検出パラメータ626は、例えば、検出コードを決定するために用いられる。
さらに、検出パラメータ決定装置620は、例えば、(オプションの)インデックスパラメータ640に基づいて、検出パラメータ626を得るために導出関数622がどれくらいの頻度で初期値624に適用されるかについて決定する。
それとは別に、初期値624から検出パラメータ626を決定するときに、例えば、さらなるアルゴリズムを用いることができる点に留意する必要がある。このように、例えば、初期値に対して導出関数を適用することによって得られた中間結果は、中間結果を検出コードにマッピングする計算規則のための入力値として役立つことができる。対応する関数規則を適用することによって、例えば、このようにして得られた検出パラメータが、透かし抽出のために、有利であるか、必要である特定の特性を含むことが実現される。例えば、アプリケーションによって得られる、初期値624への1回または数回の導出関数622の適用によって得られる中間値は、異なる種に基づいて異なる拡散コードを決定する拡散コード発生装置のための初期値(種)としての機能をはたし、拡散コードは、例えば、互いに少なくともおよそ直交性である。対応する拡散コードは、例えば、検出パラメータ626としての機能をはたす。
しかしながら、初期値に対して導出関数を適用することによって得られる中間結果を検出パラメータ626にマッピングすることに関して、多くの他の可能性が可能である。
図7aは、情報表現または入力情報表現に付加用透かしを埋め込むための埋め込み装置のブロック図を示す。図7aによる埋め込み装置は、全体が700で示される。埋め込み装置700は、入力情報表現710を受信し、それに基づいて、透かしを備えた情報表現720を生成する。透かしを備えた情報表現720は、例えば、埋め込みを示す付加情報を更に任意に備えることができる。
埋め込み装置700は、入力情報表現710を受信して、そこから透かしの埋め込みに関する情報を得るための透かし情報検出装置730を含む。埋め込み装置700は、さらに、例えば透かし情報検出装置730によって与えられている情報を用いて、透かしを備えた情報表現720を得るために、入力情報表現710に加えられる透かしを付加する透かし付加装置740を含む。埋め込み装置700は、例えば、透かし情報検出装置730から情報を受信し、一つまたはいくつかの埋め込みパラメータを透かし付加装置740に提供して、透かし付加装置740が埋め込みパラメータ決定装置750によって与えられる設定パラメータに応じて設定されるようにするための埋め込みパラメータ決定装置750を更に含む。
埋め込み装置700は、透かし情報検出装置から、入力情報表現710に含まれる透かしに関する情報を受信し、例えば、透かし付加装置740によって入力情報表現710に付加される付加情報を透かし付加装置740に提供して、透かしを備えた情報表現720が付加情報を更に含むようにするための付加情報供給装置760を含む。
以下に、どの情報が透かし情報検出装置730によって入力情報代表710から得られるか、そして、この情報がどのように透かし付加装置740、埋め込みパラメータ決定装置750および付加情報供給装置760によって使われることができるかについての詳細が示されている。
透かし情報検出装置730は、例えば、再利用可能な透かし情報の検出のための検出装置731を含む。再利用可能な透かし情報のための検出装置731は、例えば、入力情報表現710における同期情報を検出する。透かしが入力情報表現710にすでに存在するとき、例えば、同期情報が存在する。同期情報は、例えば、入力情報表現710に埋め込まれる透かしに先行し、または、例えば、入力情報表現710に埋め込まれる透かしと交互配置される入力情報表現710に含まれる特定のパターンでもよい。同期情報は、例えば、特定のコード化に従ってコード化される入力情報表現710に含まれる確実に定められるパターンでもよい。例えば、同期情報は、所定の同期埋め込みコードにしたがって、入力情報表現710に埋め込まれる。例えば、同期情報は、同時に(または、少なくとも時間的に重なって)情報表現のいくつかの個々の周波数帯域で起こり、同期情報は、例えば、特に検出可能である。再利用可能な透かし情報のための検出装置731は、例えば、透かし付加装置740に再利用可能な透かし情報に関する情報732を提供する。透かし付加装置740は、入力情報表現の中の再利用可能な透かし情報の存在に応答して、再利用可能な透かし情報の新たな埋め込みを防止する。例えば、再利用可能な透かし情報のための検出装置731の情報732が入力情報表現710において透かし情報が存在しないか検出不能であることを示すとき、透かし付加装置740は、同期情報を入力情報表現710に付加するだけであるように構成される。
再利用可能な透かし情報のための検出装置731の情報732が、例えば、入力情報表現710において、同期情報がすでに存在することを示している場合、透かし付加装置740は、例えば、入力情報表現にすでに存在している同期情報と同期して付加用透かしを付加する。この目的のために、検出装置731は、入力情報表現のどこに(例えば、いつ、または、どの周波数帯域において)同期情報がすでに存在するかについて、透かし付加装置740に再利用可能な透かし情報のための情報を提供する。それに基づいて、透かし付加装置740は、例えば、どこで(例えば、どの時間間隔で、またはどの周波数帯域で)付加用透かしが入力情報表現710に付加されることになっているかを計算して決定する。
さらに、再利用可能な透かし情報のための検出装置731の情報732が、入力情報表現710において、再利用可能な同期情報が検出されないことを示しているとき、透かし付加装置740は、同期情報を入力情報表現710に加えるように構成される。
同期情報が(および、多くの場合、透かし情報も)すでに存在する入力情報表現に透かし付加装置740によってさらなる透かしを埋め込むときに、同期情報の繰り返しの使用により、一方において、埋め込み用透かしを埋め込むことによる情報表現710の否定的な影響が最小化され、他方において、いくつかの透かしの資源節約的検出が透かしを備えている情報表現720において可能にされる。このように、従来は、情報表現における影響はより少なく、より少ない情報がそれに埋め込まれる。このように、すでに情報表現720に存在している同期情報が新しい付加的な同期情報を埋め込む代わりに再利用される場合、情報表現の情報量における影響は最小化される。透かし検出側において、それとは別に、同期情報を検出することは、同期情報の再利用には充分である。このように、検出努力は、同期情報の2つの異なる部分が検出されなければならない時と比較して低く保たれる。
透かし情報検出装置は、例えば、入力情報表現710に含まれる付加情報を検出するための検出装置733を更に含む。検出装置733は、例えば、付加情報に関する情報734を提供する。付加情報は、例えば、入力情報表現710に一つまたはいくつかの透かしの埋め込みを示すページ情報である。例えば、付加情報は、どれくらいの透かしが入力情報表現710にすでに埋め込まれているかという情報を有している。ここの付加情報は、埋め込まれた透かしの全体の数を必ずしも示す必要があるというわけではなく、どれくらいの透かしが入力情報表現への特定の埋め込み方法にしたがって埋め込まれているかについて示すことに制限される。さらに、存在する透かしの数に関する情報は、どれくらいの透かしが入力情報表現に特定の透かし埋め込み装置によって埋め込まれたかについて示すことに制限されてもよい。しかしながら、必ずしも成し遂げることができない理想的なケースにおいて、存在する透かしの数に関する情報は、全体の数の透かしに関する情報を有する。いくつかの実施形態において、存在する透かしの数に関する情報は、少なくとも存在する透かしの最小数に関する情報を提供するものであり、実際には、より多くの透かしが存在する。
例えば、検出装置733は、どの埋め込み方法にしたがって、入力情報表現710に存在している透かしが埋め込まれているかについて示す付加情報を検出する。この情報が、例えば、入力情報表現710における同期情報と関連して存在する。例えば、同期パターンの選択によって、同期情報は、どの透かし埋め込み方法にしたがって、情報表現710に含まれる透かし情報が埋め込まれているのかに関する情報を含む。あるいは、同期情報に続いて、または同期情報と平行して、対応する付加情報は、どの透かし埋め込み方法にしたがって、一つまたはいくつかの透かしが入力情報表現710に埋め込まれているかを示す入力情報表現710に存在する。
あるいは、付加情報は、例えば、どんな資源(例えば、タイムスロット、周波数帯域または埋め込みコードまたは拡散コード)が入力情報表現に一つまたはいくつかの透かしを埋め込むために用いられたかという情報を有する。この情報は、例えば、上述の構造を含む付加情報に含まれる。換言すれば、対応する付加情報は、例えば、入力情報表現において同期情報と時間的に平行して、または同期情報に続いて(例えば、直接同期情報に続いて)、同期情報内に含まれる。いくつかの実施形態において、付加情報は、付加情報によって示されている関連する透かし情報に個別にコード化される。透かし情報が、例えば、埋め込み装置側において自由に選択可能である特定の有益な情報をコード化する一方、付加情報は、例えば、どのパラメータによって透かしの実際の有益な情報がコード化され、または埋め込まれるかの事実に基づいて決定される。換言すれば、いくつかの実施形態において、透かしの有益な情報の表現のタイプに向けられる付加情報と、透かしによってコード化される実際の有益な情報との間で、厳しい論理的分離が存在する。換言すれば、付加情報を用いて、例えば、透かしによってコード化される有用な情報が情報表現に埋め込まれるのに用いられる埋め込みパラメータは、透かしの有用な情報を復号化する必要なく確認される。換言すれば、付加情報は、いくつかの実施形態において、透かしによってコード化される有益な情報とは無関係であり、埋め込み装置が作動するパラメータに依存するだけである。
いくつかの実施形態において、透かし情報検出装置730は、埋め込まれた透かしの埋め込みパラメータのための検出装置735を含む。検出装置735は、例えば、入力情報表現710を受信し、そこにおいて、埋め込みパラメータに関する情報736を提供して、それを用いて、一つまたはいくつかの透かしが入力情報表現710に埋め込まれる。検出装置735は、例えば、透かしがどの設定またはパラメータを用いて入力情報表現710に埋め込まれたかについて知るために入力情報表現710を分析する。この目的のために、検出装置735は、例えば、透かし自体を分析する。例えば、検出装置は、透かしが特定の埋め込み方法に従って入力情報表現710に埋め込まれたかどうか決定するために、パターン認識法を入力情報表現に適用することができる。パターン認識法として、例えば、相関法を用いることができ、それによって、入力情報表現710は一つまたはいくつかの比較の値と相関している。更に、検出装置は、入力情報表現710にすでに含まれている少なくとも一つの透かしの埋め込みパラメータに関する情報736を得るために、他のアルゴリズムを適用することもできる。
換言すれば、検出装置733が、例えば透かしによって表される有益な情報と異なる付加情報を評価する一方で、検出装置735は、例えば、有益な情報によって表される透かし情報を分析する。このように、情報が入力情報表現710に含まれる透かしにおいて得られる方法に関して、異なる可能性が存在する。検出装置733によって付加情報を評価するのとは別に、透かし情報(または、いくつかの実施形態において、有益な情報を含む完全な透かし情報)の直接分析は利用可能である。
一つの更なる実施形態において、透かし情報検出装置730は、(代わりに、または加えて)入力情報に埋め込まれる透かしの数を決定する検出装置737を含む。検出装置737は、例えば、入力情報表現710を受信して、埋め込まれた透かし(または、検出され埋め込まれた透かし)の数に関する情報738を提供する。
すでに上述したように、情報738には入力情報表現に含まれるすべての透かしを示す義務はない。むしろ、いくつかの実施形態において、情報738が入力情報表現において検出される透かしの数を示していれば充分である。
要約すると、入力情報表現710の中の透かしの埋め込みを示す透かし情報検出装置730によって情報を得るための多くの可能性がある点に留意する必要がある。以下に記載されているように、対応する情報732、734、736、738が、異なる方法で使われる。
例えば、情報732は再利用可能な透かし情報を経て透かし付加装置740に直接移され、その結果、例えば再利用可能な透かし情報に関する情報に基づいて、再利用可能な透かし情報が入力情報表現710に含まれるかどうか決めることができる。おそらく再利用可能な情報は、透かし付加装置740により直接用いられる。
さらに、付加情報供給装置760は、透かし情報検出装置730(または、上述の情報のおそらく一つまたはいくつか)によって与えられる情報732、734、736、738を受信し、入力情報表現710に加えられる付加情報をそこから引き出す。付加情報は、例えば、透かしの埋め込み、または、すでに入力情報表現710に含まれている透かし情報に関する情報を含む。例えば、付加情報762は、すでに入力情報表現710に含まれ、検出装置733によって検出される付加情報734への言及を含む。さらに、付加用付加情報762は、例えば、入力情報表現710に含まれる付加情報734のコピーを含み、さらに、例えば、付加用透かしの埋め込みに関連する他の情報によって補充される。さらに、付加情報732は、例えば、付加用透かしを備えている情報表現720に含まれる透かしの数を示す。このように、透かし情報検出装置730によって、入力情報表現710に埋め込まれる透かしの数に関する情報が与えられている場合、例えば、付加情報供給装置760は上述の数を増やして、付加情報762を生成し、情報表現720において付加用透かしを付加した後に含まれる透かしの数を示す。さらに、付加情報762は、埋め込みパラメータについてすでに入力情報表現710に含まれる透かしの埋め込みパラメータに関する情報を含み、それにより、付加用透かしが埋め込まれる。
もちろん、付加情報762が前述の情報の全てを含む必要があるというわけではないが、付加情報が情報の上述の部分の一つまたはいくつかを含んでいれば充分である点に留意する必要がある。
しかしながら、いくつかの実施形態において、付加情報762がどのようにして付加用透かしが入力情報表現710に付加されるかを示すときだけでなく、付加情報762が入力情報表現710にすでに含まれる透かしに関する情報を含むときにも、効果は得られる。すでに入力情報表現710に存在している透かし、および埋め込み用透かしの埋め込みの両方を示すこの複合情報は、検出装置によって特に効率的な方法で評価される。このように、検出装置は、例えば、一つの付加情報を評価することによって、入力情報表現710に含まれるすべての透かしの埋め込みに関する(または、少なくとも、入力情報表現に含まれる複数の透かしに関する)広範囲な情報を得ることができる。このように付加情報の多くの要素を評価して、それらの情報を蓄積する必要はない。
埋め込みパラメータ決定装置750は、透かし情報検出装置730によって与えられる情報732、734、736、738の一つまたはいくつかの要素に応じて透かし付加装置740によって付加される透かしの埋め込みのための埋め込みパラメータを設定または適応させる。例えば、付加情報734がすでに入力情報表現710に含まれる透かしがどの資源(例えば、どのタイムスロットを用いるか、どの周波数帯域を用いるか、または、どの埋め込みコードを用いるか)を用いて埋め込まれるかという情報を含む場合、埋め込みパラメータ決定装置750は、例えば、付加用透かしを埋め込むための適切な埋め込みパラメータまたは埋め込み資源を選択することができる。例えば、付加用透かしの埋め込みに用いられる資源、およびすでに存在する透かしの埋め込みに用いられる資源の間で、いかなる場合も容認できない交点がないように、埋め込みパラメータ決定装置750は付加用透かしの埋め込みのための資源を選択するように構成される。すでに入力情報表現710に含まれる透かしによってどのタイムスロットが用いられるかに関する情報に基づいて、埋め込みパラメータ決定装置750は、例えば、付加用透かしの埋め込みのための自由タイムスロットを選択する。同様にして、透かし情報検出装置730によって与えられる情報が周波数帯域の占有を示している場合、埋め込みパラメータ決定装置750は、付加用透かしの埋め込みのための適切な(自由であるか比較的弱く占有された)周波数帯域を選択する。
透かし情報検出装置730によって与えられている情報が、入力情報表現710への情報の埋め込みのためにどの埋め込みコードが用いられたかを示す場合、埋め込みパラメータ決定装置750は、例えば、入力情報表現710に用いられる埋め込みコードとは異なる、付加用透かしの埋め込みのための埋め込みコードを選択する。埋め込みパラメータ決定装置750は、例えば、少なくとも入力情報表現にすでに含まれる透かしの埋め込みのために用いられた埋め込みコードとほぼ直交する、付加用透かしの埋め込みのための埋め込みコードを選択する。このように、すでに存在する透かしの埋め込みコードとは異なる埋め込みコードを用いて付加用透かしが埋め込まれることは、透かし情報検出装置730による入力情報表現710の評価によって補償される。
一つの実施形態において、例えば、付加情報供給装置760によって与えられるように、埋め込みパラメータ決定装置は、付加情報の埋め込みのための埋め込みパラメータを生成する。この場合、付加情報762がすでに入力情報表現710に含まれる付加情報と同じ埋め込みパラメータを用いて実質的に埋め込まれるように、埋め込みパラメータ決定装置750は、例えば、付加情報762の埋め込みのために埋め込みパラメータを設定するように構成される。この目的のために、例えば、透かし情報検出装置730は埋め込みパラメータに関する情報を提供し、それを用いて、すでに情報表現710に含まれる付加情報が入力情報表現710に埋め込まれた。このようにして、例えば、入力情報表現710にすでに含まれる付加情報および付加用付加情報762の両方が検出装置によって能率的に検出されることが可能になる。
さらなる実施形態において、埋め込まれた透かしの数に関する情報738は、埋め込みパラメータを決定するかまたは特定するために評価される。例えば、埋め込みパラメータ決定装置750は、図5を参照して説明されたように、埋め込みパラメータ決定装置520の機能性に対応する機能性を有する。埋め込まれた透かしの数に関する情報738(それは、例えば、入力情報表現における付加情報に基づいて、または、入力情報表現の分析に基づいて決定される)は、例えば、埋め込みパラメータ526を得るために、導出関数522がどれくらいの頻度で初期値524に適用されるかを決定するために用いられる。
要約すれば、埋め込みパラメータ決定装置750によって、例えば、透かし付加装置740に供給される一つまたはいくつかの埋め込みパラメータ752が生成される。埋め込みパラメータは、例えば、入力情報表現710にすでに含まれる透かしに関する情報732、734、736、738に基づいて選択される。埋め込みパラメータは、例えば、埋め込み方法を選択するのに役立つ。さらに、埋め込みパラメータは、埋め込みに関する詳細、例えば埋め込みコード、埋め込みタイムスロットまたは埋め込み周波数帯域を示す。
埋め込み装置700の個々の態様に関する詳細は、図7b−7dを参照して以下に示される。このように、図7bは、透かし情報の埋め込みに利用できる資源のグラフ表示を示す。図7bの図解図は、全体が770で示される。図解図770は、情報表現の時間/周波数帯域表示を示す。横座標772において、例えば、時間が表示され、縦座標774において、例えば、周波数が表示される。時間/周波数表現は、例えば、個々の時間セクションおよび周波数帯域に分けられるオーディオ信号を表している。オーディオ信号の対応する表現は、例えば、フィルタバンクによって成し遂げられるようなスペクトル分析によって行われる。異なる時間セクションは、例えば、776a−776fによって示される。異なる周波数帯域は、777a−777gによって示される。
例えば周波数帯域777a−777fにおける一つの時間セクション776bにおいて、基本的に、同期情報(SYNC)が含まれる。さらに、例えば時間セクション776bにおける他の周波数帯域777g(すなわち、同期情報に時間的に併列)において、透かしの埋め込みを示す付加情報が含まれる。時間間隔776bの間の周波数帯域777gにおける付加情報は、もちろん、任意であると考えられる。さらに、付加情報は、例えば、同期情報(SYNC)の後のタイムスロットに含まれる。例えば、周波数帯域777a−777fにおける同期情報は、時間セクション776cの間に含まれる。
例えば、異なる埋め込まれた透かしのための付加情報は、異なる周波数帯域(またはタイムスロット)に含まれる。例えば、第1の埋め込まれた透かしを示す、または第1の透かし埋め込みに挿入される付加情報は、時間セクション776cの間の周波数帯域777fに含まれる。第2の透かしの埋め込みに関連する、または第2の透かしの埋め込みに付加される付加情報は、例えば、時間セクション776cの間の周波数帯域776eに挿入される。一般に、異なる透かしの埋め込みを示す付加情報、または異なる埋め込みステップにおいて埋め込まれる透かしは、異なる資源を用いて(ここでは、異なる周波数帯域を用いて)情報表現に付加される。このように、例えば、更なる透かしを加えるときに、存在する付加情報は、更なる付加情報を加えることによって、例えばこれまで使用されていない資源を用いて補充される。このように、例えば、付加情報のオーバーラップは防止され、それによって、例えば、情報表現が不必要に強く影響されないことが達成され、個々の付加情報が相互干渉なしで読み込み可能であることが更に達成される。この点で、情報表現における透かし情報の埋め込みにおいて、一旦情報表現に挿入されると、再び情報(例えば付加情報)を削除するかまたは変えることは、通常困難であるか不可能でさえある点に留意する必要がある。このために、本発明のいくつかの実施形態において、付加用透かしを付加するときに、付加情報はおそらくすでに存在する付加情報に加えられる。
さらに、図解図770は、異なる透かし埋め込みのために使用される異なる資源を示す。例えば、第1の透かしの有益な情報は、第1のハッチング778aによって示される資源セクションに挿入される。例えば、第1の時間セクション776dにおける第1の透かしの情報は、周波数帯域777b、777dおよび777fに含まれる。さらに、第4の時間セクション776fの間の第1の透かしの情報は、周波数帯域777b、777dおよび777fに含まれる。第2の透かしの情報は、例えば、第2のハッチング778b(時間セクション776d:周波数帯域777a,777c,777e:時間セクション776f:周波数帯域777a,777c,777e)によって示される資源を用いて、含まれるか、コード化される。第3の透かしの有用な情報は、例えば、第3のハッチング778cによって示される資源に含まれ、第4の透かしの有用な情報は、例えば、第4のハッチング778dによって示される資源に含まれる。
図解図770から、例えば、(ハッチング778a、778b、778c、778dによって示される図解図770の分野によって示される)保存される透かしの有益な情報が透かしの対応する付加情報と分離することが推測される。
要約すると、図7bの図解図が情報信号を示し、基礎をなす有用な情報(例えば、オーディオ信号、イメージ情報、テキスト情報またはコンピュータ・プログラム情報を含む)に加えて、透かしおよび、例えば、付加情報が情報信号に含まれる点に注意すべきである。情報信号は、埋め込み装置または検出装置に関して本願明細書の範囲内で記載されているすべてのそれらの特徴および態様によって補充される。
図7cは、一方向性関数を用いた埋め込みパラメータの決定の手順の図解図を示す。図7cによる図解図は、全体が780で示される。以下において、第1の値782が埋め込み装置(または検出装置)に知られていると仮定され、ここで、第1の値782は、第1の初期値または「初期値1」とされている。前述の一方向性関数を適用することによって、第2の値784は、例えば、第1の値782から得られる。ここで、例えば、アルゴリズムは、どのようにして比較的低い計算量で第2の値784が第1の値782から得られるかに関して公知である。しかしながら、いくつかの実施形態において、第2の値784から第1の値782を算出することは不可能であるか、大変な努力により可能となるだけである。このために、一方向性関数は、一部において「暗号一方向性関数」とも呼ばれる。
しかしながら、一方向性関数のさらなる適用により、第2の値784から、例えば、第3の値786が得られる。換言すれば、第2の値784を決定するために第1の値782に適用されたアルゴリズムが第2の値784に適用され、それにより、例えば、第2の値784から第3の値786が得られる。第3の値786に対する一方向性関数の更なる適用によって、例えば、第4の値788が得られる。一方向性関数は、第4の値788に再び適用されて、例えば、第5の値789が得られる。このように、一方向性関数の反復適用により第1の値782から第2ないし第5の値784−789を得るために、第1の値782および一方向性関数(または一方向性関数によって示されるアルゴリズム)を知っていれば充分であることに注意すべきである。
それとは別に、値782−789は、上述したように、例えば、埋め込み装置または検出装置の埋め込みパラメータまたは検出パラメータの説明として役立つ。
さらに、異なるアクセス権の管理を行うことができる。例えば、第1の埋め込み装置(または検出装置)が第1の値782(初期値1)を知っている場合、それに基づいて、一方向性関数を用いて、すべての値782−789を低い計算量で決定することができる。しかしながら、埋め込み装置(または検出装置)が第3の値786(初期値2)を知っているだけである場合、対応する埋め込み装置(または検出装置)は、適当な計算量で第4の値788または第5の値789(またはそれに続く値)を決定することができるだけである。第1の値782または第2の値784ではなく、第3の値786(初期値2)および一方向性関数を知っているだけである前述の検出装置は、適当な計算量で、第1の値782および第2の値784を決定することができない。したがって、初期値2を知っているだけの前述の検出装置は透かしの埋め込みまたは検出を実行することができず、その結果、埋め込みパラメータは第1の値782または第2の値784に属する埋め込みパラメータに対応する。このように、例えば、第3の値786(初期値2)を知っているだけである埋め込み装置が、第1の値782に属する埋め込みパラメータにしたがって、または、第2の値784に属する埋め込みパラメータにしたがって、未許可の方法で透かしの埋め込みを実行することができないことが保証される。
以下において、埋め込みパラメータが、一方向性関数を使用して、どのようにして得られるかが、図7dを参照して簡単に説明される。この目的のために、図7dは、一方向性関数を用いて初期値から埋め込みコードまたは検出コードを決定するときの手順の図解図を示す。図7dに従う図解図は、全体が790で示される。図解図790は、初期値792に基づいて、1回、または数回一方向性関数を適用することによって、中間結果794が得られることを示す。中間結果794は、例えば、図7cに従って第2の値784、第3の値786、第4の値788または第5の値789に対応する。もちろん、中間結果794は、例えば、第1の値782または初期値782に4回以上一方向性関数を適用することにより得られる他の値に対応することもできる。中間結果794は、例えば、埋め込みコード生成のための種(始動パラメータ)として役立つ。例えば、中間結果794に基づいて、埋め込みコードは、コード発生装置に対する種として中間結果を供給することによって生成される。コード発生装置として、ここでは、例えば、それが擬似乱数の生成で知られているように、フィードバックシフトレジスタ装置が役に立つ。いくつかの実施形態におけるフィードバックシフトレジスタ装置のための異なる初期値は、フィードバックシフトレジスタ装置の出力における異なるコードシーケンスをもたらし、異なるコードシーケンスは、例えば、異なる埋め込みコードを形成する。換言すれば、例えば、フィードバックシフトレジスタ装置が第1の初期値を備えているかまたはパルス化するときに、第1のコードシーケンスがフィードバックシフトレジスタ装置によって生成される。さらに、フィードバックシフトレジスタ装置が第2の初期値を備えるときに、第2のビットシーケンスまたはコードシーケンスは生成される。異なるビットシーケンスは、例えば、異なるコードシーケンスを形成する。
しかしながら、中間結果794から埋め込みコードまたは検出コード796を決定するために、通常、異なる種794に基づいて異なるコードを得ることを可能にするいかなるアルゴリズムも用いられることができ、コードは、例えば少なくともおよそ、デフォルト特性(例えば確率的特性)を含む。中間結果794から埋め込みパラメータを引き出すために、他のアルゴリズムも適用することができる。例えば、中間結果794の個々のビットは、直接埋め込みパラメータを形成するために直接用いることができる。さらに、異なるマッピング(それは、例えば、関連するマッピングテーブルまたは論理テーブルによって定義される)が、中間結果794から埋め込みパラメータを決定するために可能である。
図8は、透かしを備えた情報表現から透かしを抽出するための検出装置のブロック図を示す。図8による検出装置は、全体が800で示される。検出装置800は、例えば、透かしを備えた情報表現810を受信して、情報表現810に含まれる少なくとも一つの透かしを提供する。しかしながら、いくつかの実施形態において、検出装置800は、情報表現810に含まれる複数の透かしに関する情報を提供する。例えば、検出装置800は、第1の透かしに関する情報820を提供し、第2の透かしに関する情報822を提供する。
検出装置800は、例えば、透かしを備えた情報表現810を受信して、それに基づいて、情報表現810に含まれる透かし情報に関する情報を提供する透かし情報検出装置830を含む。例えば、透かし情報検出装置830は、埋め込み装置700の透かし情報検出装置730と同じ基本的な機能性を有する。それとは別に、透かし情報検出装置830は、例えば、図2に示す検出情報検出装置220に対応する。
このように、透かし情報検出装置830は、例えば、再利用可能な透かし情報に関する情報832を提供する。さらに、透かし情報検出装置830は、少なくとも一つの透かしを備えた情報表現810に基づいて、付加情報734に対応する付加情報834を提供する。さらに、透かし情報検出装置830は、情報表現810に基づいて、例えば、基本的に情報736に対応する埋め込みパラメータに関する情報836を提供する。あるいは、透かし情報検出装置830は、情報表現810に基づいて、情報表現810に埋め込まれる透かしの数に関する情報838を提供する。この点で、例えば、透かし情報検出装置が情報832、834、836、838の前述の部分の一つを提供するのに充分な点に留意する必要がある。しかしながら、透かし情報検出装置がすべての言及された情報を提供する実施例があり、この場合、特に強力な全体システムが得られる。
検出装置800は、さらに、透かしを備えた情報表現810を受信する透かし抽出装置840を含む。透かし抽出装置840は、さらに、この種の情報が透かし情報検出装置830によって与えられる限り、再利用可能な透かし情報に関する情報832を受信する。さらに、透かし抽出装置は、例えば、埋め込みパラメータ決定装置850から埋め込みパラメータ情報852を受信する。透かし抽出装置840は、情報表現810に基づいて、そして、情報832および埋め込みパラメータ852に応じて、少なくとも一つの透かしを抽出し、抽出された透かしに関する対応する情報820を提供する。情報832が、例えば、同期情報の存在に関する場合、例えば、透かし抽出装置840の同期は、再利用可能な透かし情報に関する情報832に基づいた形で行われる。この場合、例えば、透かし抽出装置840は、同じ同期情報を用いて2つの異なる透かしを抽出するように、情報832によって指示される。一つの透かしが抽出されさえすれば、例えば、再利用可能な透かし情報に関する情報832の評価は不必要になる。
埋め込みパラメータ決定装置850は、例えば、情報832、834、836、838に基づいて埋め込みパラメータまたは検出パラメータ852を決定する。埋め込みパラメータ決定装置850は、もちろん、埋め込みパラメータ852を決定するために、情報832、834、836、838の前述の部分のうちのたった一つを評価することもできる。埋め込みパラメータ決定装置850は、例えば、情報表現810に含まれるか、またはその存在が少なくとも情報832,834,846,848の一つの部分によって示される情報表現810から透かしが抽出されるように、埋め込みパラメータ852を設定する。換言すれば、埋め込みパラメータ決定装置852は、例えば、情報表現810に含まれないか、その存在が少なくとも情報832,834,836,838の少なくとも一つの部分によって示されない情報表現810から透かしを抽出する試みを防止するように構成される。このように、埋め込みパラメータ決定装置852は、情報832、834、836、838に基づいて、効果的に存在する透かしを抽出するために透かし抽出装置840を制御する。このように、情報表現810があらゆる有り得る透かしのために検索される装置と比較して、出力に関する相当な効果または速度に関する有利さが達成される。
検出装置800は、例えば、いくつかの透かしの抽出を制御するシーケンス制御装置860を更に含む。シーケンス制御装置860は、例えば、情報表現810の中に存在すると仮定されるすべての透かしが確認されたとき、情報表現810からの透かし抽出を終了するように構成される。透かし情報検出装置830が、例えば、情報表現に埋め込まれる透かしの数に関する情報838を提供する場合、例えば、透かしの数が情報838によって示される数と同じであることが確認されれば、シーケンス制御装置860は情報表現における透かしの検索を終了する。情報838を提供したとき、すなわち、例えば実は情報表現810に含まれるより少ない透かしの存在を示すとき、透かし情報検出装置830は機能しなくなるが、多くの場合、情報838は更なる透かしの検索を終了するための信頼できる終了基準とみなされる。例えば、すべての透かしが透かし抽出装置840によってすでに抽出された場合、情報838に応じて透かしの検索を終了している対応するシーケンス制御装置によって、それとは別に、更なる透かしの不必要なおよび無駄な検索は回避される。
従来の検出装置と比較して、検出装置800が相当な効果を提供することは、前記説明から推測される。再利用可能な透かし情報を使用することによって、透かし抽出は加速される。透かし情報検出装置830によって与えられる情報を使用することによって、それとは別に、埋め込まれた透かしの検索は非常に系統立った方法で行われ、その結果、例えば、実際に存在する透かしだけが抽出され、存在しない透かしの無駄な検索は要求されない。
埋め込みパラメータ決定装置850が一方向性関数を用いて一つまたはいくつかの埋め込みパラメータを決定するときに、更なる効果は、例えば(任意に)達成される。ここで、例えば、初期値が与えられ、埋め込まれた透かしの数に関する情報838が、どのくらいの頻度で一方向性関数が初期値に適用されるかについて決定するために用いられる。例えば、情報838が、3つの透かしが情報表現810に含まれることを示す場合、一方向性関数は、例えば、第1の透かしの抽出のための抽出パラメータを得るために初期値に1回適用される。第2の透かしの抽出のための抽出パラメータは、例えば、一方向性関数を初期値に適用して得られた値に、再度一方向性関数を適用することによって得られる。このように、例えば、次の透かしの抽出のための検出パラメータは、先の透かしの抽出のための検出パラメータから引き出され、それは検出パラメータを決定する仕組みの特に効果的な実現に至る。
それとは別に、埋め込みパラメータおよび検出パラメータという語が基本的に透かしの検出に関して同義的に用いられる点に留意する必要がある。もし、例えば、埋め込みパラメータが公知であり、それを用いて、透かしが情報表現または情報信号に埋め込まれるならば、多くのケースにおいて、検出パラメータが公知であり、それを用いて透かしが検出され、または再度抽出されるものとみなされる。抽出パラメータまたは検出パラメータの決定または検出は、多くのケースにおいて、埋め込みパラメータの決定に対応する。
図9は、オーディオ信号に透かしを埋め込むための埋め込み装置のブロック図を示す。図9による埋め込み装置は、全体が900で示される。埋め込み装置900は、データ入力910を介して、透かし情報、すなわち、例えば、透かしに埋め込まれることになっている有用な信号を埋め込む。埋め込み装置900は、さらに、データ入力910から透かしの有益な情報を受信し、それに基づいて、例えばmビットを有する並列データストリームを生成するデータストリーム発生装置920を含む。データストリーム発生装置920は、透かしの有益な情報を表している誤り保護されたデータストリームを得るために、例えば、データ入力910からの透かしの有益な情報に順方向誤り訂正(FEC)を適用する。さらに、データストリーム発生装置920は、例えば、タイムインターリーブされたデータストリームを得るために、誤り保護されたデータストリームにタイムインターリービングを適用する。タイムインターリーブされたデータストリームは、単なる誤り保護されたデータストリームより特定のエラー(例えばまとまったエラー)の傾向が少ない。さらに、データストリーム発生装置920は、例えば、第1の拡散コード(拡散コードC)でインターリーブされたデータストリームを拡散する。例えば、データストリーム発生装置920は、拡散コードを適用することによって、タイムインターリーブされたデータストリームの1ビットから複数のビットを生成する。このように、例えば、電気通信から公知であるように、データ入力910からの透かしの有益な情報から、一回拡散されたデータストリームが得られる。要約すると、順方向誤り訂正(FEC)を適用し、タイムインターリービングを適用し、そして拡散コードCを用いて第1の拡散手順を適用することにより、一回拡散されたデータストリームは、データ入力910からの透かしの有益な情報から得られる。一回拡散されたデータストリームの個々のビットは、並列のデータストリーム、例えば関連するビット(ビット1、ビット2、…、ビットm−1、ビットm)を有するm個の並列データストリームに分割される。前述のビットは、例えば、9221−922mで示される。並列のビット9221−922mの各々は拡散に従っている。拡散装置9301−930mの一つにおいて、例えば、対応するビット9221−922mの値に応じて、第1のシーケンス(シーケンス1)または第2のシーケンス(シーケンス2)が選択される。第1のシーケンスおよび第2のシーケンスは、例えば、互いに相補的であってもよい。シーケンスは、例えば、拡散シーケンスMであってもよいし、拡散シーケンスMの逆数であってもよい。このように、例えば、各ビット9221−922mは関連した拡散装置9301−930mによって拡散され、例えば、m個の拡散ビットシーケンス9321−932mが得られる。拡散ビットシーケンス9321−932mはそれぞれのレベル設定装置9401−940mに供給され、対応するレベル制御され、拡散されたビットシーケンス9421−942mが得られる。実施形態において、各々のレベル制御され、拡散されたビットシーケンス941iのレベルは、対応するレベル制御されていない、拡散されたビットシーケンス932i(i=1…n)のレベルと比較して、個々に設定可能である。しかしながら、レベル設定が、一緒に一群の拡散されたビットシーケンスのために行われる。
埋め込み装置900は、さらに、例えば、逆フーリエ変換を実行する合成フィルタバンク950を含む。合成フィルタバンク950は、例えば、レベル制御され、拡散されたビット9421−942mを受信するように構成される。さらに、合成フィルタバンク950は、加えて、一つまたはいくつかの(例えばレベル制御される)同期周波数を受信する。合成フィルタバンク950は、例えば、周波数帯域入力信号として、レベル制御されたビットシーケンス9421−942mおよびレベル制御された同期ビットシーケンスを受信し、それに基づいて、例えば逆フーリエ変換を形成することによって、対応するタイムシグナル952を生成する。
埋め込み装置900は、さらに、例えば、合成フィルタバンク950の出力信号952を主オーディオ信号962に加え、(透かしの有益な情報に従った)透かしを備えたオーディオ信号または合計オーディオ信号964を得る加算装置960を含む。
埋め込み装置900は、例えば、音響心理学的な制御装置970を更に含む。音響心理学的な制御装置970は、例えば、主オーディオ信号962を受信して、レベル設定装置9401−940mのためのレベル制御信号972を生成する。この目的のために、音響心理学的な装置970は、例えば、主オーディオ信号のマスキング閾値を決定するために、主オーディオ信号962を処理する。換言すれば、音響心理学的な装置970は、例えば、音響心理学的なモデルに従って、主オーディオ信号962に加えられる信号(例えば合成フィルタバンク950の出力信号952)が異なる周波数帯域においてどれくらい大きいかについて決定し、その結果、実質的な干渉は合計オーディオ信号964において起こらない。音響心理学的な装置970は、このように、例えば、合成フィルタバンク950の出力信号952による合計オーディオ信号964において聞いている印象の干渉が特定の境界を上回らないように、レベル設定装置9401−940mを設定する。換言すれば、信号952が、主オーディオ信号962によって生じる聴取印象と比較して、合計オーディオ信号964によって生じる聴取印象をわずかに損なわせるだけであるように、合成フィルタバンク950の出力信号952は主オーディオ信号962に埋め込まれるべきである。
埋め込み装置900は、例えば、合計信号964からの透かし抽出における同期に役立つ一つまたはいくつかのビットシーケンスを生成する同期シーケンス発生装置980を更に含む。同期シーケンス発生装置980は、例えば、レベル設定(例えば、音響心理学的な装置970によって制御される)に従属するレベル設定装置990において、一つまたはいくつかの同期シーケンス982を生成する。このようにして、前述したように、合成フィルタバンク950に供給されるレベル制御された同期シーケンスが得られる。
すでに上で示されるように、埋め込み装置900は異なる方法で改良される。例えば、同期シーケンス発生装置は、同期シーケンスが主オーディオ信号962にすでに存在するかどうかに応じて制御される。換言すれば、主オーディオ信号962は、例えば、図1による入力情報表現110、図3a−3cによる入力情報表現310、図5による入力情報表現510または図7aによる入力情報表現710に対応する。埋め込み装置900がこのように主オーディオ信号962に存在する同期信号を確認するための対応する透かし情報検出装置を備えている場合、同期シーケンス発生装置980は、例えば、主オーディオ信号962における同期信号の存在に応じて起動したり停止することができる。主オーディオ信号962において、同期シーケンスがすでに存在する場合、付加的な同期シーケンスはオーディオ信号に埋め込まれる必要はない。さらに、それとは別に、ビットストリーム(例えばビットストリーム9221−922m、およびそこから引き出されるビットストリーム)の生成は、主オーディオ信号962において検出される同期信号と同期する。
さらに、埋め込み装置900のパラメータ、例えば使用される拡散シーケンスまたは信号952の生成のために使用される周波数帯域は、主オーディオ信号962に含まれる透かしを示す情報に応じて設定される。
それとは別に、埋め込み装置900によって用いられるこれらのパラメータの選択は、例えば、図5および図7aを参照して説明したように、埋め込みパラメータを用いて行われる。
異なる拡散コードを用いて信号をどれくらい拡散するかについての詳細に関して、例えば、J.G.Proakisによる教科書「デジタルコミュニケーション(Digital Communication)」(第三版、Mc Grawヒル、ニューヨーク、1995)が参照される。また、順方向誤り訂正およびインターリービングを加えることが上述の本において、そして、更に電気通信上の従来の教科書において記載されている。また、例えば逆フーリエ変換または相似変換を実行する合成フィルタバンクの実現は、データ通信教科書から推測される。
図10は、本発明の一実施形態にかかる透かし検出装置のブロック図を示す。図10による透かし検出装置は、全体が1000で示される。透かし検出装置1000は、信号入力1010で少なくとも一つの透かしを備えたオーディオ信号を受信して、それに基づいて、透かしの有用な情報1020を形成する。検出装置1000は、透かしを備えたオーディオ信号を受信して、それを個々のスペクトル帯域に分ける分析フィルタバンク1030を含む。例えば、分析フィルタバンク1030は、フーリエ変換または高速フーリエ変換を実行する。分析フィルタバンクの出力で、例えば、複数の帯域のための個々の信号が適用され、そのいくつかは有用な信号周波数帯域信号10321−1032mとして働き、そのいくつかは同期周波数帯域信号10341−1034nとして働く。検出装置1000は、さらに、複数の、例えばm個の脱拡散装置および標準化装置1040iを含む。i番目の脱拡散装置および標準化装置1040iは、関連する有用な信号周波数帯域1034を検出拡散コード(一般的に、検出コードまたは抽出コード)に相関させ、拡散装置9301−930mによる拡散を逆転させる。例えば対応する拡散コード、または検出コードまたは抽出コードとの相関によって、1ビットは検出される。それとは別に、ビットの検出は、標準化、例えば埋め込み装置側のレベル設定装置9401−940mのレベル設定の逆転を含む。脱拡散装置および標準化装置10401−1040mの出力で、例えば脱拡散装置および標準化装置10401−1040mによって標準化および脱拡散化されたビット情報を有するビット情報10421−1042mが適用される。検出装置1000は、さらに、例えば、ビット信号10421−1042mを受信して、それに基づいて、透かしの有用な情報1020を再生する透かし再生装置1050を含む。透かし再生装置1050は、例えば、透かし埋め込み装置900のビットストリーム発生装置920において実行される拡散(Spreizen−C;spreading−C)を逆転させる脱拡散装置を含む。透かし再生装置1050は、例えば、ビットストリーム発生装置920において実行されるビットの時間インターリービングを逆転させる脱インターリーブ装置を更に含む。さらに、透かし再生装置1050は、例えば、ビットストリーム発生装置920によって加えられる誤り訂正情報を用いて、ビット信号10421−1042mに基づいて透かしの有用な情報1020を取得し、透かしの有用な情報1020においてビット信号10421−1042mにおけるビットエラーの効果が減少あるいは除去される誤り訂正装置または順方向誤り訂正装置を含む。
デコーダ1000は、同期信号10341−1034nを受信する同期装置1080を含む。同期装置は、例えば、一つまたはいくつかの同期相関装置10821−1082nを含み、同期相関装置10821−1082nは、それぞれの同期信号10341−1034nを受信し、それを所定の同期信号検出コードに相関させる。このように、同期相関装置10821−1082nは、同期信号10341−1034nにおける同期マークの存在を検出する。同期装置1080は、例えば、同期相関装置10821−1082nによって与えられる情報に基づいて、それに関して同期マークが同期信号10341−1034nに生じる位置を示す抽出された同期信号1086を供給するために、同期相関装置10821−1082nから、同期信号10341−1034nと所定の同期コードとの間の相関が閾値に到達あるいは超えるかどうかに関する情報を受信する後処理1084を含む。
抽出された同期信号1086は、例えば、脱拡散装置および標準化装置10401−1040mの関数と入力信号1010に含まれる同期情報とを同期化させるために脱拡散装置および標準化装置10401−1040mに供給される。
デコーダ1000は、上述の付加的な機能性の一つまたはいくつかを達成するために、さまざまな方法で拡張されることができる。例えば、デコーダ1000は、入力信号1010の再利用可能な情報を確認して、再利用可能な識別をいくつかの透かしの抽出のために提供する検出装置によって補充される。検出装置が、例えば、再利用可能な情報のために、入力信号においていくつかの透かしの検出または抽出のために使われる同期情報が含まれることを検出する場合、検出装置は対応する情報(例えば対応する同期情報)をいくつかの透かしの検出のために提供する。この場合、例えば、脱拡散装置および標準化装置の第1のセットは、第1の透かしを抽出するために、再利用可能な情報(例えば同期情報)を受信する。脱拡散装置および標準化装置の第2のセットは、第2の透かしを抽出するために、再利用可能な情報を受信する。脱拡散装置および標準化装置の第1のセットは、例えば、第1の埋め込み方法に従って、または、第1の埋め込みコードに従って、入力情報1010に埋め込まれる透かしを検出するように構成される。脱拡散装置および標準化装置の第2のセットは、例えば、第2の埋め込み方法に従って、または、第2の埋め込みコードを用いて、入力情報1010に埋め込まれる透かしを入力情報1010から抽出する。このように、再利用可能な情報が再び用いられ、そして、いくつかの異なる透かしの検出のための同期情報の1回の検出は充分である(例えば、異なる埋め込み方法を使用するか、または異なる埋め込みコードを用いて埋め込まれる)。
さらに、デコーダ1000において、異なる有利な概念は、透かしの抽出のために用いられる抽出パラメータを設定するために用いられる。検出装置1000は、例えば検出装置800の透かし情報検出装置830に対応する透かし情報検出装置を含むことができる。さらに、検出装置1000は、例えば、基本的に検出装置800の埋め込みパラメータ決定装置850に対応する埋め込みパラメータ決定装置を含むことができる。それとは別に、検出装置1000は、例えば基本的に検出装置800のシーケンス制御860に対応するシーケンス制御を含むこともできる。
このように、どの検出コードが信号10321−1032mを脱拡散させるために用いられるかは、例えば、埋め込みパラメータ決定装置で決定される。あるいは、どの検出コードが透かし再生装置1050における信号10421−1042mを脱拡散させるために用いられるかは、例えば、埋め込みパラメータ決定装置で決定される。あるいは、対応する信号を脱拡散させるための対応する検出コードがどのくらいの長さを有するかは、埋め込みパラメータ決定装置で決定される。それとは別に、また、透かし再生装置1050の時間インターリービングがどのように逆転することができるかに関する情報が、埋め込みパラメータ決定装置で決定される。それとは別に、埋め込みパラメータ決定装置によって、異なる透かしのための異なる検出方法が決定される。それとは別に、埋め込みパラメータ決定装置は、例えば、どの周波数帯域が透かしの抽出のために用いられるかについての情報を提供する。
以下に、埋め込み装置900および検出装置1000からなる全体システムに関するいくつかの詳細が示される。埋め込み装置900の入力において、例えば、PCM符合化オーディオ信号またはパルス符号変調方式に従ってコード化されるオーディオ信号が適用される。例えば音響心理学的な装置970によって、このオーディオ信号(例えば主オーディオ信号962)は、音響心理学的な方法を用いて分析される。音響心理学的な方法は、例えば、埋め込み用透かしの聞き取り難さを保証し、または埋め込み用透かしが非常に弱く認められるだけであるように配慮する。例えばデータ入力910に適用される、送信されるデータは、オリジナルのオーディオ信号(または主オーディオ信号962)に加えられる。埋め込み装置900は、例えば、オフライン信号処理に対してのみ対象とされるのではなく、すなわち放送に応用するために、リアルタイム埋め込みも行われる。内部ブロック処理によってのみ、例えば、特定の遅延は予想される。
抽出装置の入力1010の入力信号は、例えば、マイクロホンによって記録される。抽出装置のこのマイクロホンは、例えば、(概して、+/−5dBの周波数応答を有する)10Hzから10kHzの周波数応答を含む。適切なサンプリングレートとして、例えば、24kHzが選択される。
以下に、埋め込み装置900または抽出装置1000の基本的な機能が記載される。透かし伝送のために役立つ帯域は、例えば、抽出装置のマイクロホンによって、100Hzから10kHzまでの周波数範囲に区切られる。役立つ帯域の下方境界周波数は、例えば、fminによって示される。上方境界周波数は、例えば、fmaxによって示される。いくつかの実施形態において、fmin<100Hzおよびfmax>10KHzが適用される。0からfmaxまでの周波数帯域は、例えば、等しい幅のM個のサブバンドに分割され、これらのサブバンドにおいて、透かしの部分的な信号が送られる。ナンバーkを有するサブバンドが、例えば、(k−1)*fmax/Mからk*fmax/Mに拡張される。ここで、k=1,2,・・・,Mである。低周波数におけるマイクロホンの減衰のため、例えば、ナンバー1(k=1)を有するサブバンドはデータ伝送のために用いられない。透かしは、このようにM−1個のサブバンド信号を含む。これらのサブバンド信号は、合成フィルタバンクによって個々のサブバンドに変換される。例えばfs1によって示される合成フィルタバンクの入力におけるこれらのサブバンド信号のサンプリングレートは、出力におけるサンプリングレートの一部である(fs1:=24/K kHz、Kは整数)。
一実施形態にあるように、透かし抽出装置1000において、サブバンド信号(すなわち、例えば、信号10321−1032mまたは10341−1034m)がサンプリングレートfs1で更に処理され、透かし抽出装置の好ましい実現に関して、fs1をできるだけ小さく選択することは賢明である。サブバンドの帯域幅は、例えば、fmax/Mとすることができ、ここで、fmaxは、例えば、10kHzより小さい。サンプリング定理によれば、例えば、fs1≧2fmax/Mという条件が満たされていなければならない。このように、例えば2つのサンプリングレートの商24kHz/fs1について、以下のことが適用される。
Figure 0005108963
商24kHz/fs1がMの整数倍数であるときに、たとえば、合成フィルタバンク950の効率的実装が可能である。fmax=12kHzがオプションでないときに、例えば、fmax=6kHzが選択される。それとは別に、例えば、M=16が設定される。一つのサブバンドの帯域幅はこのように375Hzであり、例えば最小限のサンプリングレートの要請から、fs1=は750Hzという結果となる。
同期発生装置980およびレベル設定装置990によって提供される信号とともにM−1サブバンド信号(例えば、信号9421−942m)は、例えば、同期のために、透かし抽出装置において受信側で使われる符号化情報(例えば、透かしの有用な情報)および周知のトレーニングシンボルを含む。実施形態において、あらゆるサブバンドで、データシンボルは、時分割多重化の同期シンボルで伝送される。しかしながら、他の実施形態では、データシンボルおよび同期シンボルは、別々のサブバンドにおいて伝送される。r個の同期信号(例えば、r=3)およびM−1−r個のデータ信号がある。対応するサブバンドは、このようにデータチャネルまたは同期チャネルとも呼ばれる。
合成フィルタバンク950の出力信号は、例えば、オーディオ信号(例えば主オーディオ信号962)に加えられる実際の透かし(同期情報および透かしの有用な情報を含む)である。聞き取れない透かしのために、例えば、個々のサブバンド信号(例えば、信号9321−932mまたは982)は、振幅において変化する(すなわち、例えば、減少する)。この(例えば、レベル設定装置9401−940mまたは980による)時間可変重み付けは、例えば、それぞれのオーディオ信号(例えば、主オーディオ信号962)に、そして、人の音響心理学的な認識に依存する。これに関連して、音響心理学的な重み付けについて説明する。
図9は、例えば、透かし埋め込み装置の基本的な構成を示す。(例えば、ビット信号9221−922mによって表される)コード化されたビット(0および1)は、例えば、2つの直交する長さSpreizen−M(spreading−M)の拡散シーケンス(例えば、spreading−M=32)によって表される。これらの拡散シーケンスは、例えば、シンボル+1または−1からなる。このように、音響心理学的な重み付け(PAW)の前のサブバンド・データ信号は、(それぞれ、1の指数を有する)BPSK信号である。また、音響心理学的な重み付けの前の同期信号は、例えば、BPSK信号(各パワー1)である。
以下に、順方向誤り訂正(FEC)、拡散(spreading−M)および同期周波数に関する機構が、簡潔に記載されている。詳細は、J.G.Proakisによって教科書「デジタルコミュニケーションズ(Digital Communications)」(マグローヒル、第3版、ニューヨーク、1995)を参照されたい。
ビットストリーム発生装置920は、例えば、3つのパーツからなるか、または3つの処理ステップを実施する。
1.符号レートRを有する畳み込みエンコーダまたはターボ・エンコーダ
2.ファクターSpreizen C(spreading−C)による拡散
3.時間インターリーバ(インターリーバ)
エンコーダ(畳み込みエンコーダまたはターボ・エンコーダ)は、例えばk個の情報ビットからn>k個のコード化されたビットを生成する。符号レートは、例えば、商R=k/nとして定義される。例えば、k=1の場合が考慮されると、1<n≦5が適用されると仮定される。
低い符号レートは、例えば、長さspreading−Cのビットシーケンスを有するコード化されたビットの拡散によって生成することができる。ここで、例えば、値1の各コード・ビットはビットシーケンスsc[k]で置き換えられ、値0の各コード・ビットは否定されたビットシーケンスscnot[k](k=0、1、…、spreading−C−1)で置き換えられる。有効な符号レートは、例えば、R/spreading−Cである。例えば、R=1/3およびspreading−C=12に対して、1/36の有効な符号レートが得られる。この数値の例において、情報ビットは、36のコード・ビットによって表される。インターリーバによって、コード・ビットのシーケンスは、特定の方法で変えられる。インターリービングの反転(デインターリーバ)である逆演算を用いて、受信装置(透かし抽出装置)におけるビットは、正しいオーダーに再び持ってこられる。
以下に、拡散「Spreizen−M」(spreading−M)が簡潔に記載されている。実施形態において、ビットストリーム発生装置920から、または、順方向誤り訂正(FEC)から来るコード化されたビット(0または1)は、長さspreading−M(例えば、spreading−M=32)の2つの直交性拡散シーケンスによって表される。これらの拡散シーケンスは、シンボル+1または−1からなる。このように、例えば、音響心理学的な重み付けの前のサブバンド・データ信号は、(それぞれ1の指数を有する)BPSK信号である。
例えば、s0[k]またはs1[k](k=0、1、…、spreading−M−1)は、それぞれ、0または1によって表される拡散シーケンスである。ここの直交性は、内積<s0、s1>=0であることを意味する。
以下に、同期シーケンスに関する詳細が記載され、それらは同期シーケンス発生装置980によって与えられ、例えば、同期装置1080によって評価される。(例えば、透かし抽出装置における)受信側のデータの復号化のために、例えば、符合語がある時点は知られているときに有利である。これらの時点は、例えば、周知のシーケンスの伝送によって、そして、受信装置におけるこれらのシーケンスに対する相関によって見出される。これらのシーケンスは、例えば、同期チャネル上で伝送される。ここで、例えば、以下の手順が選択される。
シーケンスp[k](k=0、1、…、L−1)は、良好な自動相関特性を有するL個のBPSKシンボルによって生成される。p[k]の周期的な反復によって、それは、信号u[n]:=p[Lを法とするn](n=0、1・・・)に対する結果となる。本実施形態において、すべての同期チャネルに、同じ信号u[n]が伝送される。
以下に、音響心理学的な重み付けに関する詳細が記載されている。例えば、スペクトル拡散によって平均信号電力を減らすことが、拡張したバンド変調によって可能にされる。さらに、データ信号は、音響心理学的な原理に従って評価され修正される。これにより、例えば、オリジナルのオーディオ信号962に加えられる信号の不可聴が保証される。複合オーディオ信号964の透かし情報のこの不可聴は、すでに簡単に上で説明されるように、例えば、音響心理学的な装置970の制御の下でレベル設定装置9401−940mおよび990を用いることにより保証される。本発明を理解するために本質的ではないため、ここでは詳細な説明は省略される。
以下に、透かし検出装置または透かし抽出装置1000に関する詳細が記載されている。例えば埋め込み装置900によって生成される透かしを含んだオーディオ信号は、従来、例えば、既存の伝送チャネルを介して(例えば、放送を介して、または、インターネットを介して)配布され、例えば、最終的に透かし検出装置または透かし抽出装置1000に供給される。
検出装置1000の入力1010における入力信号は、例えば、オーディオ信号および透かしを含む音声チャンネルを経て送られる合計信号(例えば、複合オーディオ信号964)を含む。
分析フィルタバンク1030によって、例えば、12/M kHzのサンプリングレートで入力1010によってM個のサブバンド信号に分割される。例えば、使っていないサブバンド(例えば、サブバンドNo.17−32)の信号は算出されない。例えば、サブバンド信号No.1は算出されるが、いかなる情報ももたらさないため、評価されない。残りのM−1個のサブバンド信号は、例えば、M−1−r個のデータ信号とr個の同期信号に分割され、その後、更なる処理が施される。
同期信号から(例えば、信号10341−1034mから)時点が相関によって決定され、データ信号(例えば、信号10321−1032m)は、逆拡散する(Entspreizen―M;despreading−M)。
despreading−Mによって示されるブロック10401−1040mの出力信号は、例えば、対数的確度(LLR)、すなわちソフトビットである。正の対数的確度(LLR)は1ビットが論理的な1であることを示し、例えば、負の対数的確度(LLR)はこれが論理的な0であることを示す。例えば、対数的確度の値が高いほど、価値の信頼性は高くなる。
対数的確度は、例えば、透かし再生装置1050において、または、順方向誤り訂正(FEC)において更に処理される。
以下に、受信サブバンド信号(例えば、信号10321−1032mおよび10341−1034m)の特性について、簡潔に説明される。ここで、xk[n](k=1、2、…、M)は拡散(spreading−M)の後で、音響心理学的な重み付けの前の透かし埋め込み装置におけるサブバンド信号である。yk[n](k=1、2、…、M)は分析フィルタバンクの出力信号である。信号xk[n]は、3つの効果によって干渉される。
−音響心理学的な重み付け
−オーディオ信号
−音声チャンネル
一般に、受信信号(例えば、デコーダ1000によって受信される)のために、例えば、次式が適用される。
Figure 0005108963
ここで、ck[n]は(時間依存)チャネル係数であり、rk[n]は付加雑音である。歪みの効果は、例えば、チャネルごとの平均信号−ノイズ比によって、または、すべてのチャネルにわたって平均した平均信号/雑音比によって特徴づけられる。
電気通信の観点からの役立つ信号は、例えば、信号xk[n−D]である。残りは、ノイズタイプ干渉である。干渉電力Nに対する有効電力Cの比率、すなわちC/Nは、通常、デシベルで表され、例えば、信号/雑音比である。
以下に、透かしの検出または同期信号の処理(例えば、同期信号10341−1034mの処理)における同期が簡潔に述べられる。実施形態において、伝送された同期シーケンスp[k](k=0、1、…、L−1)は公知である。以下に、x[n]は、同期のための相関装置の入力信号に、y[n]は出力信号に関連する。出力信号は、例えば、インパルス応答p[L−1−n](n=0、1、…、L−1)のFIRフィルタで入力信号をフィルタリングすることによって、すなわち規定にしたがって、算出される。
Figure 0005108963
個々の相関装置の出力信号は、例えば、相関ピークの位置を決定するために結合される(「後処理」)。相関ピークの位置から、例えば、同期信号内における同期シーケンスp[k]の位置が決定される。これらの位置から、例えば、逆拡散するための起動時間が導き出される(entSpreizen−M;despreading−M)。この情報(例えば情報1086)は、同期化装置1080からdespreading−Mブロック10401−1040mに渡される。
以下に、despreading−Mのための手順が記載されている。despreading−Mによって示される処理装置(例えば、処理装置10401−1040mのうちの一つ)は、入力値Spreizen−M(spreading−M)のブロックから、正確に一つの出力値を(例えば、対数的確度LLRの形で)算出する。これは、以下に記載されている。
以下に、例えば、x[n](n=0、1、・・・、spreading−M)は、despreading−M(10401−1040m)の入力における長さspreading−Mのブロックのサンプルである。実施形態において、まず第一に、ブロックの電力は一つに標準化される。この点で、例えば、信号は形成される。
Figure 0005108963
信号y[n]は、例えば、2つの拡散シーケンスs1[n]およびs0[n]の差s10[n]:=s1[n]−s0[n]を用いて逆拡散される。結果は、例えば、対数的確度LLRである。
Figure 0005108963
拡散シーケンスの直交性(<s0、s1>=0)のため、例えば、y[n]−s1[n]に対する結果として、対数的確度LLR=1が得られ、y[n]−s0[n]に対してLLR=−1が得られる。
以下に、順方向誤り訂正に関する、または、透かし再生に関する詳細が記載されている。以下に記載されている方法は、例えば、透かし再生装置1050において実行される。透かし抽出装置1000の順方向誤り訂正(FEC)は、例えば、3つの部分または処理ステップを含む。
1.(例えば、いわゆるデインターリーバによる)時間インターリービングの反転
2.要素spreading−C(「despreading−C」とも呼ばれる)による逆拡散、および
3.例えば、FECデコーダにおける順方向誤り訂正デコーディング。
以下に、時間インターリービングを反転させることに関する詳細が記載されている。デインターリーバは、例えば、対数的確度(LLR)のシーケンスの対応する(例えば、逆転された)変化によって送信装置(または、埋め込み装置)において実行されるビットのシーケンスの変化を反転させる。
以下において、逆拡散(Entspreizen−C;despreading−C)が記載されている。要素spreading−Cによる逆拡散は、例えば、以下に記載されている方法で実行される。透かし埋め込み装置において使用される拡散シーケンスがsc[k](k=0、1、…、spreading−C−1)によって上記にゆだねられる点にここで注意される。このシーケンスはゼロと1とを含む。sc[k]から、例えば、次の規定に従って、
Figure 0005108963
番号1および−1だけを含むシーケンスsc1[k]が生成される。ここで、例えば、数sc[k]=0は数sc1[k]=−1にマッピングされ、そして、数sc[k]=1は数sc1[k]=1にマッピングされる。例えば、拡散シーケンスsc1[k]を用いて、対数的確度は、despreading−Mに関して記載されている手順に類似して逆拡散される。
以下において、xLLR[n](n=0、1、…、spreading−C)は、despreading−Cの入力における対数的確度(LLR)のブロックのサンプルである。まず第一に、例えば、ブロックの出力は1に標準化される。この点で、例えば、以下の信号が形成される。
Figure 0005108963
シーケンスyLLR[n]から、例えば拡散シーケンスsc1[k]を用いて、逆拡散対数的確度が得られる。
Figure 0005108963
これらの逆拡散する対数的確度は、例えば、順方向誤り訂正デコーダ(FECデコーダ)に移されて、そこで復号化される。
以下に、順方向誤り訂正デコーダ(FECデコーダ)に関する詳細が記載されている。
despreading−Cの後、対数的確度(LLR)を復号化するために、例えば、順方向誤り訂正デコーダが用いられる。例えば、複雑性が低く高性能な次のようなデコーダが選択可能である。
−(例えば短い符号語長を有する)ターボ・デコーダ;
−(ここでは、例えば、送信装置または埋め込み装置において、リード−ソロモン符号が畳み込み符号の下流に置かれる)リード−ソロモン・デコーダと関連したビタビ・デコーダ;または、
−高い流入長を有する逐次デコーダ(例えば、K=41;詳細は、J.G.Proakisによる教科書「デジタルコミュニケーションズ(Digital Communications」を参照)。
despreading−Mおよびdespreading−Cの後の対数的確度は、例えば符号レートR(例えば、R=1/3)を有し、コード化情報ビットを表す。順方向誤り訂正デコーダは、例えば、その出力にもどって、復号化情報ビットを提供する。できるだけ低いエラー可能性をもって情報ビットを復号化するために、比率Eb/N0が十分に高いことが望ましい。ここで、Ebは、情報ビット当たりのエネルギーを示し、N0は一方的ノイズ出力密度を示す。例えば、以下が適用される。
Figure 0005108963
ここで、C/Nは、分析フィルタバンク1030の出力の、すなわちdespreading−Mの前のすべてのデータチャネル全体の平均信号/雑音比である。第2の加数は、例えば、拡散ゲイン(spreading−M)およびコード化ゲイン(Spreizen−C/R(Spreizen−C/R;spreading−C/R)の合計である。例えば、spreading−M=32、spreading−C=12およびR=1/3に関して、Eb/N0の値は、C/N 30.6dBを超える。
Proakisによる前述の教科書において、例えば逐次デコーダのためのシミュレーション結果を用いて、ビットエラー可能性Pbが値Pb=le−6を、例えば、以下のEb/N0の値と考えることが示された。
− R=1/3:Eb/N0=2.5dB;
− R=1/2:Eb/N0=3dB
ターボ・デコーダに対して、同じ境界値が適用される。
例えば、干渉ノイズを補償するために2−3dBの予備が上述のEb/N0の値に加えられる場合、例えば、Eb/N0として5dBが要求される。Spreading−M、Spreading−CおよびRのための上述の数値に関して、例えば、despreading−Mの前のC/Nは−25dBである。
上述の説明から、特に、埋め込みにおいて透かしの有用な情報を拡散し、復号化において透かしの有用な情報を逆拡散することにより、透かしの有用な情報の埋め込みによってオーディオ信号が聞こえないかわずかに聞こえるだけであるように、透かし情報がオーディオ信号に埋め込まれることが達成されるということがわかる。異なる拡散コードを用いることにより、同じオーディオ信号に(または、他の情報表現に)異なる透かしを埋め込むことが更に可能になる。しかしながら、デコーダまたは抽出装置側において、透かしの信頼性の高い復号化または抽出は、埋め込み装置側の拡散コードにおいて適合され、または、埋め込み装置側の拡散コードに対応した適当な拡散コードを用いて行われる逆拡散(despreading−Mおよびdespreading−Cの両方)を必要とする。上記の考慮に関して、例えば、抽出のために用いられる拡散コードの選択に適している、抽出パラメータを設定するための上述のメカニズムは、逆拡散することを可能にするために都合よく使用されることは明らかである。
以下に、若干の本発明の態様が要約される。現在の説明の範囲内で記載されている概念が、例えば、キャリア・データへの透かしの埋め込みのために、そして、例えば、埋め込まれた透かしデータの抽出のために用いられる。
従来の透かし埋め込みにおいて、透かし埋め込みが、例えば、既存の透かしに関してキャリア信号(例えば、オーディオ信号またはイメージ信号)を検討することなく実行される。いくつかの実施形態では、透かしは、影響が生じることなくいくつかの単独の透かしを含むことが可能な特徴を有する。さらに、検出装置のための従来のいくつかの概念において、異なる埋め込み装置の埋め込み情報に関して知ることが好ましい。
透かしの反復埋め込みが可能であることが要求される場合、特別な要件が存在する。例えば、それぞれの更に挿入された透かしは、すでに既存の透かしを使用不可能にすることができない。さらに、検出装置または透かし検出装置は、異なる埋め込み装置の透かしを区別することが可能でなければならない。
関連した専門の刊行物から、異なる透かし方法が公知である。例えば、以下の透かし方法が、従来の埋め込み装置または抽出装置において、更に、発明の埋め込み装置または抽出装置において用いられることができる:
−狭帯域方法
−拡散帯域方法
−反響隠蔽
−多搬送波方法
−位相補正
従来法において、いくつかの不利な点が起こることはある。例えば、従来、あらゆる埋め込み装置は、情報表現(例えば、オーディオ信号)に個別に情報(または透かし情報)を加える。それ故、従来、検出装置または透かし検出装置は、あらゆる埋め込み装置のための完全な検出方法を実行しなければならない。さらに、従来、検出装置は、透かしを検出することができる埋め込み装置における正確な情報を有することを必要とする。例えば、拡散帯域方法を用いるときに、従来の検出装置は埋め込み装置によって用いられる拡散シーケンスを必要とする。
それ故、従来の検出装置において、従来の検出装置は、例えば、あらゆる可能な埋め込み装置に対して一つの抽出を試みるため、検出の複雑さおよびメモリの必要量が各透かしとともに増加する。それ故、従来、例えば、多くの可能な埋め込み装置が無制限であることは可能でない(それが、無制限の数の透かしがキャリア信号の中に存在することができることを必ずしも意味するというわけではない)。したがって、従来、埋め込み装置は、しばしば制限される。可能な埋め込み装置の数が非常に多い場合、従来は、(例えば検討された情報表現において)最後に一つの透かしだけが含まれるときでも、すべての埋め込み装置が捜されなければならない。その後に付加された埋め込み装置は、例えば、それまでの抽出装置に認識されず、例えば、埋め込み装置がその後に加えられるときに、検出装置の更新が必要になる。
以下に、いくつかの本発明の態様が要約される。本発明のいくつかの実施形態によれば、検出装置または透かし検出装置はできるだけすべての透かしのために必要とされるすべての情報および検出方法を共有することができ、それは複雑さ、必要メモリー、時間要件および/またはエネルギー所要量を減らすことができる。いくつかの実施形態において、余分な情報は、キャリア信号(例えばオーディオ信号)に重畳される必要はない。
加えて、いくつかの実施形態において、検出装置または透かし検出装置は、埋め込み装置に情報を有し、例えば、透かしの検索を重要な検出ステップに制限することができる。
いくつかの実施形態において、必要な検出情報(または検出パラメータ)は、埋め込み装置の情報の確定した導出ステップによって、動的に算出されることができる。このように、いくつかの実施形態において、新しく付加された埋め込み装置は、検出装置の情報のその後の変更を必要としない。
以下に、異なる実施形態のいくつかの態様が示される。異なる態様は、検出装置の範囲内で、抽出装置の範囲内で、または、検出装置および抽出装置を含む全体システムの範囲内で結合されることができる。
1.一つの態様によれば、あらゆる埋め込みプロセスの前(または、少なくともいくつかの埋め込みプロセスの前)に、キャリア信号(例えば、オーディオ信号またはイメージ信号またはビデオ信号またはコンピュータ・プログラム信号または一般的に情報表現)は、おそらく存在する透かしに対して調べられる。すでに存在する透かしが検出された場合、例えば、検出装置がすべての透かしのために共通のコンピューティング動作を用いることを可能にする方法で、オリジナルの透かしに応じて、新規な透かしが挿入される。例えば、同期シーケンス(一般に:同期情報)は再埋め込みされないが、既存の同期シーケンス(または同期情報)は用いられ、実際のデータ(例えば、透かしペイロード・データ)だけは(例えば、既存のシーケンスまたは同期シーケンスに同調して)埋め込まれる。
それ故、例えば、抽出装置は、すべての含まれた透かしのために同じもの(または、唯一のもの)である一つの同期シーケンス(または同期情報)だけのために捜さなければならない。同時に、この同期シーケンスは、例えば、次の埋め込み装置のための既存の透かしのための表示でありえる。
2.一つの態様によれば、埋め込み装置の情報は、全ての埋め込み装置のために同じである方法で加えられる。換言すれば、少なくとも2つの異なる埋め込み装置は、埋め込み装置の情報を埋め込むための同じ方法を使用する。埋め込み装置の情報は、例えば、生成情報でありえる。生成情報は、例えば、以前の透かしの数を記載することができる。それ故、例えば、第1の埋め込み装置は、第1の透かしを加えたことを示すことができる。例えば、第2の埋め込み装置は、現在、2つの透かしが含まれることを示すことができる。一つの態様によれば、この情報(すなわち、例えば生成情報)は、検出装置とは無関係に検出されることができる。
3.一つの態様によれば、データ(または、透かしペイロード・データまたは透かしペイロード情報)は、現在埋め込み装置によって(例えば、キャリア信号に)加えられ、その結果、透かしは各々に影響しない(または、わずかに影響するだけである)。そのために、異なる方法が、用いられることができる。例えば、CDMA方法またはコード多重送信(多重アクセス方法)が使われることができる。それぞれの拡散方法において、例えば、(複数の埋め込み装置の)全ての埋め込み装置はそれ自身の拡散シーケンスを使用し、それは他の埋め込み装置のシーケンスまたは拡散シーケンスに直交性である。データは、例えば(しかし、必然的にではなく)共通の周波数ドメイン、更には共通の時間領域を共有する。
あるいは、埋め込みは、時分割多重で、周波数分割多重で、またはこれらの組合せで実行されることができる。シーケンスが重複するので、例えば、CDMA方法を使用するときに、全体の埋め込み信号エネルギーはあらゆる更なる透かしとともに増加する。このことにより、例えば、透かしの検出がよりありそうになる程度まで、透かしエネルギーは増加することができる。一つの態様によれば、全ての透かしは、オーバレイを回避するために、異なる周波数帯域において、または、異なるタイムスロットにおいて埋め込まれることができる。ここで、全ての埋め込み装置がどんな透かしがすでに含まれるかについて知っているときに有利であり、その結果、オーバレイが起こらない(または受け入れられる範囲に起こるだけである)。換言すれば、ここでは、上に述べた生成情報は、検出装置のために有用であるだけでなく、全ての更なる埋め込み装置のために有用である。
透かしの複数の埋め込みが起こる場合、更なる埋め込み装置は、例えば、ポイント1で再び始まる。
4.いくつかの実施形態において、検出装置は、全ての更なる埋め込み装置と同様に、(それは、例えば、埋め込み装置によって用いられる埋め込みパラメータに関する情報、または検出装置によって用いられる検出パラメータに関する情報を含む)埋め込み装置の情報を抽出する。一態様によれば、検出装置は、同じ方法または同じ拡散シーケンスと同様にして、すべての埋め込み装置の生成情報を読み出すことができる。
すべての透かしのために用いられる情報(再利用可能な情報とも呼ばれる)は、例えば、キャリア信号から得られることもできる。例えば、すべての透かし(または、少なくとも複数の透かし)に有効な同期信号は、キャリア信号から得られることができる。さらに、埋め込み装置の情報に基づいて、含まれている透かしは、(例えば、検出装置によって)特に捜されることができる。
5.従来の検出装置はどれくらいの透かしがキャリア信号に含まれるかといういかなる情報も有しないので、検出装置はすべての可能な埋め込み装置の情報を捜さなければならない。この課題を解決するために、この数(すなわち、可能な透かしの数)は、例えば、あらかじめ制限されることができる。しかしながら、本発明の一態様によれば、特定のタイムスロット(または他の資源)は、例えば同期シーケンスに続いて、占有されていないままにされることができ、例えば、あらゆる埋め込み装置は、生成情報を挿入することができる。
一つの態様によれば、(いくつかの埋め込み装置のための)埋め込み方法は常に同じであることが好ましい。例えば、生成情報のあらゆる埋め込み装置は、同じ同期帯域を使用することができる。さらに、例えば、生成情報のあらゆる埋め込み装置は、同じ拡散シーケンスまたは同じ埋め込み方法を使用することができる。したがって、例えば、抽出装置は、抽出の複雑さを増加させることなく、同様にして、同じ方法(または同じ拡散シーケンス)ですべての埋め込み装置(または少なくとも複数の埋め込み装置)の生成情報を読み出すことができる。したがって、生成情報のための埋め込み方法がすべての埋め込み装置で同一のときに、それは有利である。
生成情報(すなわち透かしの数)についての知識に基づいて、例えば、抽出装置は、正確にそれがどれくらいの透かしを捜さなければならないかについて知っている。存在しない透かしの(従来は、しばしば発生している)役立たない検索は、それ故、不必要である。
更なる態様によれば、いわゆる導出関数が、埋め込み装置の情報のために用いられることができる。これに関する詳細は、下で要約される。拡散帯域方法において、埋め込み装置は、キャリア信号にこのシーケンス(例えば拡散シーケンス)を埋め込む。したがって、キャリア信号の中に存在するシーケンスまたは拡散シーケンスを検出することができるように、そして、検出装置がキャリア信号に含まれる透かし情報を抽出することができるように、シーケンスまたは拡散シーケンスが検出装置に知られていることが好ましい。したがって、すべての後に付加された埋め込み装置は、(従来)抽出装置の更新を生じさせる。他の透かし方法において、検出装置が埋め込み装置から検出のための特定の情報を知っていることが時々必要とされる。
例えば、規定された情報(この例では拡散シーケンス)が適切な導出関数によって固定データ量(例えば初期値)から算出されるときに、この要件は回避されることができる。新規な埋め込み装置は、例えば、すでに割り当てられた埋め込み装置、したがってまた、拡散シーケンスがあるのと同程度にしばしば、導出関数を初期値に適用することができる。
いくつかのケースにおいて、このように算出される値(すなわち、1回または数回導出関数を適用することによって初期値から算出される値)は、拡散シーケンスとして直接使用されることができない。それ故、拡散シーケンスにおいて、例えば相関特性およびスペクトルに関して、いくつかの要求が存在する。いくつかの実施形態において、導出関数を初期値に適用することによって算出される値は、実際の拡散シーケンスを生成するための「種」として役立つこともできる。(例えば、拡散シーケンスを使用しない)他の透かし方法において、1回または数回導出関数を初期値に印加することによって得られた値は、それぞれのデータ変調のためのベースとして役立つこともできる。
更なる態様によれば、更なる特性は、導出のためのいわゆる一方向性関数を用いることによりもたらされる。このように、例えば、階層的に低い値だけが派生値から算出されることができる。このことにより、例えば、アクセス権は、抽出装置に付与されることができる。検出装置が、例えば「最重要の」初期値の知識をもっている場合、すべての透かしを抽出することが可能である。例えば、初期値として2回導出された値だけを知る検出装置は、(上にある)2つのシーケンスを生成することができず、そのため、2つの埋め込み装置の透かしを読み出すことができない。しかしながら、一方向性関数の代わりに(例えば、少ない計算量で変換可能な)通常の導出関数が導出関数として用いられる場合、アクセス権の直接割当ては可能でない。しかしながら、埋め込みパラメータ値または検出パラメータ値のほぼ任意の量のシーケンスを得ることができる可能性がある。
以下に、既知の発明に関連して、本発明のいくつかの実施形態によって得られる改良および効果が示される。
本発明の範囲内で記載されているいくつかの実施形態によれば、キャリア信号にいくつかの透かしを埋め込み、またはキャリア信号からいくつかの透かしを読み出すことが可能である。このことにより、例えば、検出の複雑さは、独立した検出に関して減らされるかまたは最小化されることができる。本発明のいくつかの実施形態によれば、透かしの検出における必要メモリーおよび/またはエネルギー所要量が減少する。
本発明のいくつかの実施形態において、実際に含まれるか、または、自由にアクセスできる透かしが読み出されるように、キャリア信号にいくつかの透かしを埋め込んで、それらを読み出すことが可能である。いくつかの実施形態において、無駄な検出努力は、省略されることができる。
いくつかの実施形態において、検出装置は、検出のために必要なすべての埋め込み装置の情報を知る必要があるというわけではない。むしろ、いくつかの実施形態において、後に付加された埋め込み装置は、検出装置を更新することなく検出されることができる。
さらに、いくつかの実施形態において、検出装置(または全ての検出装置)は、これらの透かしのためのアクセス権を暗黙のうちに得ることができる。
以下に、本発明の別の実施形態が示される。まず、埋め込みが示される。実施形態によれば、埋め込み装置は、例えば、同期シーケンスの検索によって、キャリア信号に存在する透かしを捜す。(例えば、キャリア信号への透かしの最初の埋め込みにおける)埋め込み装置が第1の埋め込み装置であるので、このようなシーケンスは見つからない。したがって、埋め込み装置または第1の埋め込み装置は、同期シーケンスを挿入する。さらに、埋め込み装置または第1の埋め込み装置は、それが第1の埋め込み装置であることを目立たせることができる。それにより、第1の埋め込み装置は、データ(例えば、それが第1の埋め込み装置であることを示す信号の送信データ)を(例えばキャリア信号に)加えることができる。例えば、第1の埋め込み装置は、同期シーケンスの後の空きタイムスロットにおいて、または、同期シーケンスと並行した別の帯域において、データを加えることができる。一つの実施形態において、データは、同期シーケンスと平行して加えられる。
以下に、更なる埋め込みを実行する際のありうる手順が記載されている。この場合、埋め込み装置は、例えば、周知の同期シーケンスを再び捜すことができる。周知の同期シーケンスは、さらに、透かしの存在の目安と考えることができる。埋め込み装置が(例えば、更なる埋め込みの間の)周知の同期シーケンスを見つけた場合、それは、例えば第1の埋め込み装置を示した後に、それが第2の埋め込み装置であることを示す情報を加えることができる。それぞれのデータは、同期シーケンスと平行して再び加えられることができる。さらに、異なる方法で、例えば同期シーケンス後のタイムスロットで、データはキャリア信号に加えられることができる。
以下に、検出のための典型的な手順が記載される。検出装置は、例えば埋め込み装置の情報を捜すことができ、(例えば、上述の埋め込みの後)第1および第2の埋め込み装置から同期信号およびシグナル伝達を捜し出す。それ故、検出装置は、例えば、透かしを検出するために必要な抽出パラメータを引き出す。さらに、検出装置は、例えば、正確にこれらの2つの透かしデータを抽出する。例えば、両方の透かし(すなわち、例えば、第1の埋め込み装置によって埋め込まれる透かし、および、更なるまたは第2の埋め込み装置によって埋め込まれる透かし)が同じ同期信号に基づくので、例えば、同期はすべての透かしに対して一度だけ実行される。更に、更なる透かしは、捜される必要はない。
要約すると、いくつかの態様による本発明は、複数の透かし埋め込みおよび透かし抽出のための装置および方法を提供するものということができる。本発明のいくつかの実施形態は、キャリア・データまたはキャリア信号への複数の透かし埋め込みを可能にするために目的を解決し、従来の装置より限られた複雑さ、または、低い複雑さを有する検出が可能である。
一つの透かしだけでなく、いくつかの別の透かしも埋め込むことが応用の異なるケースのために好ましいか、必要であるため、それぞれの概念が有利に使われることができる。さらに、それぞれの方法が基本的に複数の埋め込みを許容するときでも、大部分の透かし方法は一つの透かしを埋め込むように設計されている。
従来、検出の複雑さおよび必要メモリは、可能な透かしの数とともに一様に増加する。
さらに、従来、検出装置は、通常、どれくらいおよびどんな透かしが実際にキャリア信号の中に存在するかという情報を有しない。それ故、例えば、すべての可能な透かしを検出することを試みなければならない。
本願明細書に記載されている実施形態の一態様では、キャリア信号は、場合により、あらゆる埋め込みプロセスの前における既存の透かしのために調べられる。すでに存在する透かしが検出された場合、新規な透かしは、検出装置が等しくすべての透かしのための共通の方法を使用できるようにして、オリジナルの透かしとは別に挿入される。
ここに記載されている実施形態のいくつかの他の態様によれば、両方の抽出装置にオリジナルの埋め込み装置に関する情報を提供し、更なる埋め込み装置に更なる(または以前の)埋め込みプロセスに関する情報を提供している付加情報の埋め込みが行われることができる。この情報のための抽出方法は、例えば、埋め込み装置から独立している。
ここに記載されている実施形態のいくつかの他の態様によれば、埋め込み装置に依存する情報は、任意に選択されなくて、明確な方法で互いに引き出される。
以下に、本発明の異なる実施形態によるいくつかの方法が記載される。
図11は、情報表現に埋め込まれる透かしを埋め込む方法の工程系統図を示す。図11による方法は、全体が1100で示される。第1のステップ1110において、方法1100は、情報表現にすでに含まれる透かし情報を検出するステップを含む。さらに、第2のステップ1120において、方法1100は、埋め込み用透かしを備える情報表現を得るために、情報表現において検出される透かし情報に応じて情報表現に透かしを提供するステップを含む。
図12は、透かしを備える情報表現において少なくとも2つの透かしを検出する方法の工程系統図を示す。図12による方法は、全体が1200で示される。第1のステップ1210において、方法1200は、透かしを備える情報表現において再利用可能な透かし情報を確認するステップを含む。さらに、第2のステップ1220において、方法1210は、再利用可能な透かし情報を用いて第1の透かしを情報表現から抽出するステップを含む。さらに、第3のステップ1230において、方法1200は、再利用可能な透かし情報を用いて第2の透かしを情報表現から抽出するステップを含む。さらに、第2のステップ1220および第3のステップ1230は、次々と実行されることができる。あるいは、第2のステップ1220および第3のステップ1230は、平行に、同時にまたは少なくとも時間的に重なるように実行されることもできる。
図13は、入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法の図解図を示す。図13による方法は、全体が1300で示される。方法1300は、透かしおよび付加用付加情報を備える情報表現を得るために、透かしおよび付加用付加情報を有する入力情報表現を提供するステップ1310を含む。付加用付加情報は、入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む。
図14は、入力情報表現において少なくとも一つの透かしを検出する方法の工程系統図を示す。図14による方法は、全体が1400で示される。第1のステップ1410において、方法1400は、情報表現から、情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する情報を含む埋め込みに関する記述的情報を抽出するステップを含む。さらに、第2のステップ1420において、方法1400は、埋め込み情報に応じて入力情報表現に含まれる一つまたはいくつかの透かしを抽出するステップを含む。
図15は、情報表現に透かしを埋め込む方法の工程系統図を示す。図15による方法は、全体が1500で示される。第1のステップ1510において、方法1500は、情報表現に透かしを埋め込むための埋め込みパラメータを得るために、初期値に、1回または数回、導出関数を適用するステップを含む。さらに、第2のステップ1520において、方法1500は、埋め込みパラメータを用いて情報表現に透かしを提供することを含む。
図16は、透かしを備える情報表現の少なくとも一つの透かしを検出する方法の工程系統図を示す。図16による方法は、全体が1600で示される。第1のステップ1610において、方法1600は、情報表現における透かしを検出するための検出パラメータを得るために、初期値に1回または数回導出関数を適用するステップを含む。さらに、第2のステップ1620において、方法1600は、検出パラメータを用いて、情報表現から透かしを抽出するステップを含む。
図12−16に関する方法1200−1600は、記載されている装置に関する現在の説明の範囲内で述べられるすべてのそれらのステップおよび/または特徴によって更に補充されることができる。さらに、現在の説明の範囲内で例示される方法は、コンピュータ・プログラムによって実現されることもできる。
換言すれば、発明の装置および発明の方法は、ハードウェアにおいて、または、ソフトウェアにおいて実行することができる。実現は、デジタル記憶媒体、例えば、それぞれの方法が実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み込み可能な制御信号を有するディスク、CD、DVD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリーになされることができる。
通常、コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で動くときに、本発明は、発明の方法を実行するための機械で読み取ることができるキャリアに格納されるプログラムコードを有するコンピュータ・プログラム製品から成る。換言すれば、コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で動くときに、本発明は発明の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータ・プログラムとして実現されることができる。
一実施形態によれば、本発明は、オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現310;710に埋め込み用透かし341;742を埋め込むための埋め込み装置300;700であって、前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報343;762を備えた情報表現320;720を得るために前記埋め込み用透かし341;742および前記付加用付加情報343;762を前記入力情報表現310;710に提供する情報付加装置330;740を含み、前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加情報を備えた前記情報表現320;720への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、前記付加用付加情報が前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現320;720にどれくらい多くの透かしが含まれているのかを示す情報を有するように、前記埋め込み装置は前記入力情報表現310;710に前記付加用付加情報343;762を供給する、埋め込み装置300;700である。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記情報付加装置330;740は、前記入力情報表現またはそこから引き出される情報に前記埋め込み用透かし341;742を提供する透かし付加装置340;340b;340cと、前記入力情報表現またはそこから引き出される情報に前記付加用付加情報を提供する付加情報付加装置342,342b,342cとを含み、前記透かし付加装置340;340b;340cおよび前記付加情報付加装置342;342b;342cは、動作中に、前記埋め込み用透かし341;742および前記付加用付加情報342;762を備えた情報表現を生成するために協働する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記付加用付加情報が前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現320;720において前記埋め込み用透かし341;742の存在を目立たせるように、前記埋め込み装置は前記入力情報表現310;710に付加用付加情報343;762を提供する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記付加用付加情報が前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現320;720にどれくらい多くの透かしが含まれているのかに関する情報を有するように、前記埋め込み装置は前記入力情報表現310;710に前記付加用付加情報343;762を供給する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記入力情報表現に前記埋め込み用透かしを提供するときに前記付加用付加情報が前記情報付加装置330;740によって使用される少なくとも一つのパラメータをコード化するように、前記埋め込み装置は前記入力情報表現310;710に前記付加用付加情報343;662を提供する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記付加用付加情報343;762が前記入力情報表現310;710に含まれる透かしに依存するように、前記埋め込み装置は前記入力情報表現に前記付加用付加情報343;762を提供する。
一実施形態によれば、本発明は、オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現310;710に埋め込み用透かし341;742を埋め込むための埋め込み装置300;700であって、前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報343;762を備えた情報表現320;720を得るために前記埋め込み用透かし341;742および前記付加用付加情報343;762を前記入力情報表現310;710に提供する情報付加装置330;740を含み、前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加情報を備えた前記情報表現320;720への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、前記埋め込み装置は、前記入力情報表現310;710における透かしの存在を検出し、前記入力情報表現における透かしの存在に関する情報を提供する透かし情報検出装置730を含み、前記埋め込み装置は、前記入力情報表現310;710における透かしの存在に関する情報に応じて前記付加用付加情報343;762を決定する、埋め込み装置300;700である。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記透かし情報検出装置730は、前記入力情報表現310;710において透かし同期シーケンスの存在を検出し、透かし同期シーケンスが前記入力情報表現に存在するとき、前記入力情報表現における少なくとも一つの透かしの存在を示す情報を提供する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記透かし情報検出装置730は、前記入力情報表現310;710において前記入力情報表現に存在する透かしの埋め込みを示す付加情報の存在を検出し、付加情報が前記入力情報表現に存在するとき、透かしの存在に関する情報として、前記入力情報表現に存在する付加情報に基づく情報を提供する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記情報付加装置330;740は、同期情報ブロックに隣接する付加情報ブロックにおける前記入力情報表現310;710に前記付加用付加情報341;762を加える。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記情報付加装置330;740は、前記入力情報表現310;710に含まれる同期情報に続くタイムスロットに前記付加用付加情報341;762を加える。
一実施形態によれば、本発明は、オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現310;710に埋め込み用透かし341;742を埋め込むための埋め込み装置300;700であって、前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報343;762を備えた情報表現320;720を得るために前記埋め込み用透かし341;742および前記付加用付加情報343;762を前記入力情報表現310;710に提供する情報付加装置330;740を含み、前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加情報を備えた前記情報表現320;720への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、前記埋め込み装置は、前記入力情報表現310;710にすでに含まれる透かしの数に関する情報に応じて前記埋め込み用透かし341;742を埋め込むための資源を選択する、埋め込み装置300;700である。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記埋め込み装置は、前記入力情報表現への透かしの埋め込みのための埋め込みパラメータを得るために、前記入力情報表現310;710にすでに含まれる透かしの数に関する情報に応じて、1回または数回、初期値に導出関数を適用する埋め込みパラメータ決定装置750を含み、前記情報付加装置330;740は、前記入力情報表現310;710に埋め込みパラメータを用いて前記埋め込み用透かしを提供する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記埋め込みパラメータ決定装置750は、所定の埋め込みコード計算規定にしたがって埋め込みコードを計算するための初期値として、初期値に導出関数を適用することによって得られる関数の値を1回または数回使用する。
埋め込み装置300;700の好ましい実施形態において、前記導出関数は、暗号一方向性関数である。
本発明の実施形態は、入力情報表現410;810における少なくとも一つの透かしを検出するための検出装置400,800であって、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を前記入力情報表現から抽出する埋め込み情報抽出装置と、前記埋め込み情報に応じて前記入力情報表現410;810に含まれる一つまたはいくつかの透かしを抽出する透かし抽出装置630;840とを含み、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、前記情報表現に埋め込まれた透かしの数に関する情報を含む前記情報表現410;810における付加情報を前記埋め込み情報として検出し、前記検出装置は、前記付加情報に応じて、どれだけ多くの透かしが前記入力情報表現から抽出されるかを決定する、検出装置400;800である。
検出装置400;800の好ましい実施形態において、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、前記情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する情報を含む埋め込み情報として前記情報表現410;810における付加情報を検出し、前記検出装置は、少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する情報に応じて前記入力情報表現410;810に含まれる少なくとも一つの透かしの抽出のための少なくとも一つの抽出パラメータを選択する。
検出装置400;800の好ましい実施形態において、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、前記透かし抽出装置430;840により前記入力情報表現410;810から抽出される透かしへの抽出コードの割当てを記述した前記入力情報表現410;810における付加情報を埋め込み情報として検出し、前記検出装置は、前記付加情報に応じて抽出される透かしの抽出のための抽出コードを選択する。
検出装置400;800の好ましい実施形態において、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、前記入力情報表現に埋め込まれた透かしの数に関する情報を含む前記入力情報表現410;810における付加情報を前記埋め込み情報として検出し、前記検出装置は、前記付加情報に応じて、どれだけ多くの透かしが前記入力情報表現から抽出されるかを決定する。
検出装置400;800の好ましい実施形態において、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、前記入力情報表現410;810におけるいくつかの埋め込み情報ユニットを確認し、前記埋め込み情報ユニットは前記入力情報表現における異なる透かし埋め込みに割り当てられ、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、複数の確認された埋め込み情報ユニットから最後の埋め込み情報ユニットを選択して、前記最後の埋め込み情報ユニットから付加情報を引き出す。
検出装置400;800の好ましい実施形態において、前記埋め込み情報抽出装置420;830は、前記入力情報表現410;810から抽出される透かしに属する透かしの数を埋め込み情報として抽出し、前記検出装置は、前記入力情報表現から抽出される透かしを抽出するための抽出パラメータを得るために、初期値に1回または数回透かしの数に応じて導出関数を適用する検出パラメータ決定装置850を含み、前記透かし抽出装置430;840は、前記抽出パラメータを用いて前記入力情報表現から抽出される透かしを抽出する。
本発明の実施形態は、少なくとも一つの透かしと、情報信号への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する一つの記述的情報とを含み、前記情報信号は、オーディオ信号、イメージ信号、テキスト信号またはコンピュータ・プログラム信号を含み、前記記述的情報は前記入力情報表現310;710に含まれる同期情報に続くタイムスロットに加えられる、情報信号770である。
情報信号770の好ましい実施形態において、前記記述的情報は、少なくとも一つの透かしに対する情報信号のタイムスロットの割当て、少なくとも一つの透かしに対する情報信号の周波数帯域の割当て、少なくとも一つの透かしに対する抽出コードの割当て、または情報信号に埋め込まれる透かしの数を記述する。

Claims (26)

  1. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(310;710)に埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための埋め込み装置(300;700)であって、
    前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報(343;762)を備えた情報表現(320;720)を得るために前記埋め込み用透かし(341;742)および前記付加用付加情報(343;762)を前記入力情報表現(310;710)に提供する情報付加装置(330;740)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、
    前記付加用付加情報が前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)にどれくらい多くの透かしが含まれているのかに関する情報を有するように、前記埋め込み装置は前記入力情報表現(310;710)に前記付加用付加情報(343;762)を提供する、埋め込み装置(300;700)。
  2. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(310;710)に埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための埋め込み装置(300;700)であって、
    前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報(343;762)を備えた情報表現(320;720)を得るために前記埋め込み用透かし(341;742)および前記付加用付加情報(343;762)を前記入力情報表現(310;710)に提供する情報付加装置(330;740)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、
    前記埋め込み装置は、前記入力情報表現(310;710)における透かしの存在を検出し、前記入力情報表現における透かしの存在に関する情報を提供する透かし情報検出装置(730)を含み、
    前記埋め込み装置は、前記入力情報表現(310;710)における透かしの存在に関する情報に応じて前記付加用付加情報(343;762)を決定する、埋め込み装置(300;700)。
  3. 前記透かし情報検出装置(730)は、前記入力情報表現(310;710)に付加情報が存在するとき、存在する前記付加情報から前記入力情報表現に含まれる透かしの数を示す情報を抽出し、
    前記付加用付加情報が、前記入力情報表現に含まれる透かしの数を示す情報に基づいて、前記埋め込み用透かしを加えた後の前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現に含まれる透かしの数を示すように、前記埋め込み装置は前記付加用付加情報(343;762)を決定する、請求項2に記載の埋め込み装置(300;700)。
  4. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(310;710)に埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための埋め込み装置(300;700)であって、
    前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報(343;762)を備えた情報表現(320;720)を得るために前記埋め込み用透かし(341;742)および前記付加用付加情報(343;762)を前記入力情報表現(310;710)に提供する情報付加装置(330;740)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、
    前記情報付加装置(330;740)は、前記入力情報表現にすでに存在する付加情報が存在するのと同じ埋め込みフォーマットで前記入力情報表現(310;710)に前記付加用付加情報(341;762)を加える、埋め込み装置(300;700)。
  5. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(310;710)に埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための埋め込み装置(300;700)であって、
    前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報(343;762)を備えた情報表現(320;720)を得るために前記埋め込み用透かし(341;742)および前記付加用付加情報(343;762)を前記入力情報表現(310;710)に提供する情報付加装置(330;740)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、
    前記埋め込み装置は、前記入力情報表現(310;710)にすでに含まれる透かし情報を検出する透かし情報検出装置(730)を含み、前記情報付加装置(330;740)は、前記透かし情報検出装置(330;730)によって検出される前記透かし情報に応じて前記埋め込み用透かしを前記入力情報表現に提供する、埋め込み装置(300;700)。
  6. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(310;710)に埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための埋め込み装置(300;700)であって、
    前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報(343;762)を備えた情報表現(320;720)を得るために前記埋め込み用透かし(341;742)および前記付加用付加情報(343;762)を前記入力情報表現(310;710)に提供する情報付加装置(330;740)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、
    前記埋め込み装置は、前記入力情報表現(310;710)にすでに含まれる透かしの数に関する情報に応じて前記埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための資源を選択する、埋め込み装置(300;700)。
  7. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(410;810)における少なくとも一つの透かしを検出するための検出装置(400,800)であって、
    前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を前記入力情報表現から抽出する埋め込み情報抽出装置と、
    前記埋め込み情報に応じて前記入力情報表現(410;810)に含まれる一つまたはいくつかの透かしを検出または抽出する透かし抽出装置(630;840)とを含み、
    前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、前記情報表現に埋め込まれた透かしの数に関する情報を前記埋め込み情報として検出し、
    前記検出装置は、前記埋め込み情報に応じて、前記透かし抽出装置によってどれだけ多くの透かしが前記入力情報表現から検出または抽出されるかを決定する、検出装置(400;810)。
  8. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法(1300)であって、
    埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現を得るために前記入力情報表現に埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を提供するステップ(1310)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含み、
    前記付加用付加情報が前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)にどれくらい多くの透かしが含まれているのかに関する情報を有するように、前記入力情報表現(310;710)は付加用付加情報(343;762)が供給される、埋め込み方法(1300)。
  9. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法(1300)であって、
    埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現を得るために前記入力情報表現に埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を提供するステップ(1310)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含み、
    透かしの存在が前記入力情報表現(310;710)において検出され、前記入力情報表現における透かしの存在に関する情報が供給され、
    前記入力情報表現(310;710)における透かしの存在に関する情報に応じて前記付加用付加情報(343;762)が決定される、方法(1300)。
  10. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法(1300)であって、
    埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現を得るために前記入力情報表現に埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を提供するステップ(1310)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含み、
    前記付加用付加情報(341;762)は、前記入力情報表現にすでに存在する付加情報が存在するのと同じ埋め込みフォーマットで前記入力情報表現(310;710)に加えられる、方法(1300)。
  11. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法(1300)であって、
    埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現を得るために前記入力情報表現に埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を提供するステップ(1310)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含み、
    前記入力情報表現(310;710)にすでに含まれる透かし情報が検出され、前記入力情報表現は、検出された透かし情報に応じて埋め込み用透かしが提供される、方法(1300)。
  12. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法(1300)であって、
    埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現を得るために前記入力情報表現に埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を提供するステップ(1310)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含み、
    前記入力情報表現(310;710)にすでに含まれる透かしの数に関する情報に応じて前記埋め込み用透かし(341;742)のための資源が選択される、方法(1300)。
  13. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現における少なくとも一つの透かしを検出する方法(1400)であって、
    入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を入力情報表現から抽出するステップ(1410)と、
    前記埋め込み情報に応じて入力情報表現に含まれる一つまたはいくつかの透かしを検出または抽出するステップ(1420)とを含み、
    埋め込み情報として、前記入力情報表現に埋め込まれた透かしの数に関する情報を含む情報表現(410;810)における付加情報が抽出され、
    前記付加情報に応じて、どれだけ多くの透かしが前記入力情報表現から検出または抽出される(1420)かが決定される、方法(1400)。
  14. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(310;710)に埋め込み用透かし(341;742)を埋め込むための埋め込み装置(300;700)であって、
    前記埋め込み用透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現(320;720)を得るために前記埋め込み用透かし(341;742)および前記付加用付加情報(343;762)を前記入力情報表現(310;710)に提供する情報付加装置(330;740)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記埋め込み用透かしおよび前記付加用付加情報を備えた前記情報表現(320;720)への少なくとも一つの透かしの埋め込みを記述する記述的情報を含み、
    前記情報付加装置(330;740)は、前記入力情報表現(310;710)に含まれる同期情報に続くタイムスロットに前記付加用付加情報(34;762)を加える、埋め込み装置(300;700)。
  15. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(410;810)における少なくとも一つの透かしを検出するための検出装置(400,800)であって、
    前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を前記入力情報表現から抽出する埋め込み情報抽出装置と、
    前記埋め込み情報に応じて前記入力情報表現(410;810)に含まれる一つまたはいくつかの透かしを検出または抽出する透かし抽出装置(630;840)とを含み、
    前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、前記入力情報表現(410;810)におけるいくつかの埋め込み情報ユニットを確認し、前記埋め込み情報ユニットは前記入力情報表現における異なる透かし埋め込みに割り当てられ、
    前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、複数の確認された埋め込み情報ユニットから最後の埋め込み情報ユニットを選択して、前記最後の埋め込み情報ユニットから埋め込み情報を引き出す、検出装置(400;800)。
  16. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現(410;810)における少なくとも一つの透かしを検出するための検出装置(400,800)であって、
    前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を前記入力情報表現から抽出する埋め込み情報抽出装置と、
    前記埋め込み情報に応じて前記入力情報表現(410;810)に含まれる一つまたはいくつかの透かしを検出または抽出する透かし抽出装置(630;840)とを含み、
    前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、前記入力情報表現(410;810)から検出または抽出される透かしに属する透かしの数を埋め込み情報として抽出し、
    前記検出装置は、前記入力情報表現から検出または抽出される透かしを検出または抽出するための検出パラメータを得るために、初期値に1回または数回透かしの数に応じて導出関数を適用する検出パラメータ決定装置(850)を含み、
    前記透かし抽出装置(430;840)は、前記検出パラメータを用いて前記入力情報表現から検出または抽出される透かしを検出または抽出する、検出装置(400;800)。
  17. 前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、前記透かし抽出装置(430;840)により前記入力情報表現(410;810)から抽出される透かしへの前記入力情報表現のタイムスロットの割当てを記述した前記入力情報表現(410;810)における付加情報を前記埋め込み情報として検出し、
    前記検出装置は、前記付加情報に応じて抽出される透かしの抽出のためのタイムスロットを選択する、請求項15または請求項16に記載の検出装置(400;800)。
  18. 前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、前記透かし抽出装置(430;840)により前記入力情報表現(410;810)から抽出される透かしへの前記入力情報表現の周波数帯域の割当てを記述した前記入力情報表現(410;810)における付加情報を埋め込み情報として検出し、
    前記検出装置は、前記付加情報に応じて抽出される透かしの抽出のための周波数帯域を選択する、請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の検出装置(400;800)。
  19. 前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、前記入力情報表現における同期情報に続く前記入力情報表現(410;810)の所定のタイムスロットにおける前記付加情報を探す、請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の検出装置(400;800)。
  20. 前記埋め込み情報抽出装置(420;830)は、異なる数の透かしを記述する前記入力情報表現(410;810)におけるいくつかの埋め込み情報ユニットを確認し、
    最後の埋め込み情報ユニットとして最も多い透かしを記述する埋め込み情報ユニットを選択する、請求項15に記載の検出装置(400;800)。
  21. 前記透かしの数は、どれくらいの頻度で前記導出関数が前記初期値に適用されるかを示す、請求項16に記載の検出装置(400;800)。
  22. 前記導出関数は暗号一方向性関数である、請求項16ないし請求項21のいずれかに記載の検出装置(400;800)。
  23. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現に埋め込み用透かしを埋め込む方法(1300)であって、
    透かしおよび付加用付加情報を備えた情報表現を得るために前記入力情報表現に透かしおよび付加用付加情報を提供するステップ(1310)を含み、
    前記付加用付加情報は、前記入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含み、
    前記付加用付加情報(343;762)は、前記入力情報表現(310;710)に含まれる同期情報に続くタイムスロットに加えられる、方法(1300)。
  24. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現における少なくとも一つの透かしを検出する方法(1400)であって、
    入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を入力情報表現から抽出するステップ(1410)と、
    前記埋め込み情報に応じて入力情報表現に含まれる一つまたはいくつかの透かしを抽出するステップ(1420)とを含み、
    前記入力情報表現(410;810)においていくつかの埋め込み情報ユニットが確認され、前記埋め込み情報ユニットは前記入力情報表現における異なる透かし埋め込みに割り当てられ、
    複数の確認された埋め込み情報ユニットから最後の埋め込み情報ユニットが選択され、埋め込み情報が最後の埋め込み情報ユニットから引き出される、方法(1400)。
  25. オーディオ信号を表すか、ビデオ信号を表すか、コンピュータ・プログラムを表すか、イメージを表すか、またはテキストを表す入力情報表現における少なくとも一つの透かしを検出する方法(1400)であって、
    入力情報表現への少なくとも一つの透かしの埋め込みに関する記述的情報を含む埋め込み情報を入力情報表現から抽出するステップ(1410)と、
    前記埋め込み情報に応じて入力情報表現に含まれる一つまたはいくつかの透かしを抽出するステップ(1420)とを含み、
    前記埋め込み情報として、抽出される透かしに属する透かしの数が前記入力情報表現(410;810)から抽出され、
    前記透かしの数に応じて、前記入力情報表現から抽出される透かしを抽出するための抽出パラメータを得るために、初期値に1回または数回導出関数が適用され、
    前記抽出される透かしは、前記抽出パラメータを用いて前記入力情報表現から抽出される、方法(1400)。
  26. コンピュータ・プログラムがコンピュータ上で動作するとき、請求項8ないし請求項13または請求項23ないし請求項25のいずれかに記載の方法を実行するための、コンピュータ・プログラム。
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