JP5105652B1 - 流水発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】海域を流れる流水のエネルギーを電力に効率よく変換する。
【解決手段】流水発電装置90は、発電塔100と、ツインフロート110と、ベルト2L、2R、2L、2Rと、センターピストン120と、サイドピストン130L、130Rと、クランクシップ140とを一体化したものである。センターピストン120及びサイドピストン130L、130R内の塞止板の流水抵抗は、各々が前方に移動したときに大きくなり、各々が後方に移動したときに小さくなる。
【選択図】図1
【解決手段】流水発電装置90は、発電塔100と、ツインフロート110と、ベルト2L、2R、2L、2Rと、センターピストン120と、サイドピストン130L、130Rと、クランクシップ140とを一体化したものである。センターピストン120及びサイドピストン130L、130R内の塞止板の流水抵抗は、各々が前方に移動したときに大きくなり、各々が後方に移動したときに小さくなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、流水から電力を発生する流水発電装置に関する。
この種の流水発電装置に関わる技術を開示した文献として、特許文献1、2、及び3がある。特許文献1に開示される流水発電装置は、殊に既存の水車用水路を活用して2つのドラムに張架した巡回体を水力によって回転させ、その動力により発電を行うものである。特許文献2に開示される流水発電装置は、流水の流れに抗して係留された浮体と当該浮体に取り付けられ流れに沿って移動する複数の受圧体とを有し、シンプルな構造で小型・軽量化が可能であるとともに、土木工事なしに簡単に設置され得る。特許文献3に開示される流水発電装置は、移動方向に多数の水受けポケットを有したベルトが複数の回転体に配設され、水力により巡回するベルトの摩擦力によって回転する駆動ローラーの動力を発電機に伝えて電力を取り出している。
ところで、津軽海峡などのように常時3ノット前後の海流がある海域では、大型タンカーが1分間に100メートル以上に渡って引きずられてしまうほどの運動エネルギーが得られる。地球温暖化や地震による原子力発電所の機器の不具合などの問題が生じ得る現状においては、このような海流の働きによる運動エネルギーを発電に活用する技術に対するニーズが存在する。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、プロペラやタービンを用いた従来の手法のように機器を設置したポイントのエネルギーのみを取り出すのではなく、流水方向のまとまった距離に存在する運動エネルギーを直接的に利用することにより、効率よく電力に変換することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、発電機と、軸回りに回転する回転盤と、前記回転盤の回転力を前記発電機に伝える歯車機構とを有する発電塔と、各々の間に間隔をあけて前後方向に延在するとともに各々の前端部によって前記発電塔を支持する2つの浮揚体と、前記第2つの浮揚体の各々の一面に1個または複数個ずつ枢着された滑車とを有するツインフロートと、前記滑車に巻かれたベルトと、前記2つの浮揚体の間の空間である内側移動空間と前記2つの浮揚体の各々を間に挟んだ前記内側移動空間の反対側の空間である外側移動空間とを前後方向における相反する方向に交互に移動し得るようにして前記ベルトの一端及び他端に支持された2種類のピストンであって、各ピストンが、前後方向に延在する流路を囲む複数個の壁と、前記流路内に支持された一又は複数の塞止板と、当該ピストンが後方に動いたときに当該ピストン内の前記塞止板の流水抵抗が小さくなり当該ピストンが前方に動いたときに当該ピストン内の前記塞止板の流水抵抗が大きくなるように前記塞止板を動かす駆動機構とを有する2種類のピストンと、前記複数個のピストンのうちの一つと前記回転盤における回転軸から離れた位置とを連結するクランクシップとを具備する流水発電装置を提供する。
本発明によると、2種類のピストンは、前後方向における相反する方向に交互に移動し得るようにして支持されている。また、2種類のピストンにおける後方に動いた方の塞止板の流水抵抗が小さくなり、前方に動いた方の塞止板の流水抵抗が大きくなる。また、2種類のピストンのうちクランクシップを介して回転盤に連結されているものの前方への推進力はクランクシップにより回転盤の回転力に変換される。よって、本発明によると、ピストンの往復運動を動力源とする発電が半永久的に持続する。従って、本発明によると、海域を流れる流水のエネルギーを電力に効率よく変換することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である流水発電装置90を上から見た図である。図2は、流水発電装置90を左側方から見た図である。図3は、流水発電装置90を前方から見た図である。図4は、流水発電装置90を後方から見た図である。この流水発電装置90は、海洋上における平均1〜2ノット以上、理想的には常時3ノット前後の海流がある位置に係留して稼働させる。流水発電装置90の寸法は、小船の船体程度のものから大型の貨物船を超えるものまで可能であり、出力の拡張性を有する。ここでは大型の実施例を想定し、長さL1(例えば、L1=450m)、高さH1(例えば、H1=85m)、幅W1(例えば、W1=160m)の寸法を有している。流水発電装置90は、発電塔100と、ツインフロート110と、ベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)と、センターピストン120と、サイドピストン130L、130Rと、クランクシップ140とからなる。ここで、本実施形態では、長さL1方向における発電塔100のある側の方向を前方とし、その反対側の方向を後方とする。また、幅W1方向におけるサイドピストン130Lのある側の方向を左方向とし、サイドピストン130Rのある側の方向を右方向とする。以下、発電塔100、ツインフロート110、ベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)、センターピストン120、サイドピストン130L、130R、クランクシップ140の各部の構成を順に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である流水発電装置90を上から見た図である。図2は、流水発電装置90を左側方から見た図である。図3は、流水発電装置90を前方から見た図である。図4は、流水発電装置90を後方から見た図である。この流水発電装置90は、海洋上における平均1〜2ノット以上、理想的には常時3ノット前後の海流がある位置に係留して稼働させる。流水発電装置90の寸法は、小船の船体程度のものから大型の貨物船を超えるものまで可能であり、出力の拡張性を有する。ここでは大型の実施例を想定し、長さL1(例えば、L1=450m)、高さH1(例えば、H1=85m)、幅W1(例えば、W1=160m)の寸法を有している。流水発電装置90は、発電塔100と、ツインフロート110と、ベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)と、センターピストン120と、サイドピストン130L、130Rと、クランクシップ140とからなる。ここで、本実施形態では、長さL1方向における発電塔100のある側の方向を前方とし、その反対側の方向を後方とする。また、幅W1方向におけるサイドピストン130Lのある側の方向を左方向とし、サイドピストン130Rのある側の方向を右方向とする。以下、発電塔100、ツインフロート110、ベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)、センターピストン120、サイドピストン130L、130R、クランクシップ140の各部の構成を順に説明する。
図5は、発電塔100を上から見た図である。図6は、発電塔100を下から見た図である。発電塔100は、支持体101と、回転盤102と、載置台103と、発電機104と、歯車機構105とを有している。支持体101は、真円の外周の一部分を内側に切り欠いたような形状を有している。支持体101の中心の下部にはその表面と裏面の間を貫く真円状の孔P1が形成されている。孔P1の内壁には孔P1の内周を一巡するレールが設けられている。この孔P1には回転盤102が嵌め込まれている。孔P1のレールと回転盤102との間には複数個(図5および6の例では34個)の車輪PHが介挿されている。このため、回転盤102は、孔P1のレールに沿った回転が可能である。また、回転盤102の裏面における外側に離れた位置には連結部106がある。この連結部106は、異なる直径を持った4つの円筒壁を同心円状に配したものである。
図6に示すように、支持体101の裏面における孔P1を挟んで前後に対向する各部分には保護壁PRWAが設けられている。図5に示すように、支持体101の表面には載置台103が設けられている。この載置台103は、支持体101の表面における孔P1の中心を挟んで上下左右に対向する各位置から中心に向かって延在するくの字状屈曲部材1131−1〜1131−4と、これら4つの部材1131−1〜1131−4の基端位置を孔P1の中心を回転軸として45度回転させた各位置から中心に向かって延在するくの字状屈曲部材1131−5〜1131−8と、くの字状屈曲部材1131−1〜1131−8の先端部に支持された環状部材1134と、くの字状屈曲部材1131−1、1131−3、1131−4の先端から孔P1の中心に向かって延在するくの字状屈曲部材1132−1、1132−3、1132−4と、くの字状屈曲部材1131−2の先端部に固定された発電機保持部1135とからなる。この発電機保持部1135には発電機104が固定されている。
また、支持体101の表面側における回転盤102と載置台103との間には歯車機構105が設けられている。この歯車機構105は、各々が、1個の太陽歯車と、4個の遊星歯車と、1個の遊星キャリアと、1個の内歯車とからなる3層の遊星歯車機構を組み合わせたものである。この歯車機構105における第1層(最下層)の遊星歯車機構の内歯車IGは回転盤102の表面に固定されている。また、この歯車機構105における第3層(最上層)の遊星歯車機構105の太陽歯車SGは発電機104の駆動軸と嵌合している。回転盤102の回転力は、歯車機構105による増幅を経て、例えば数分に1回転から毎分数十回転にまで増速され、さらに大型の風力発電機等に用いられる一般的な増速器を経て発電機104の駆動軸に伝わるようになっている。
図7は、ツインフロート110の斜視図である。ツインフロート110は2つの浮揚体111L及び111Rを有している。浮揚体111L及び111Rは前後方向に延在する鋼鉄製の部材である。浮揚体111L及び111R内は中空になっている。図2に示すように、浮揚体111L及び111Rの前部は発電塔100の支持体101を支持している。浮揚体111L及び111R内は海水よりも比重が十分に軽い気体である空気および浮力調整用のバラスト水により満たされているため、ツインフロート110は、発電塔100を支持したまま浮くことが可能である。ここで、図2、図3、図4における線SURは、当該流水発電装置90を海上に係留させた場合における水面の高さを示している。
図7に示すように、浮揚体111Lの上面には台座部112Lp(p=1〜4)が形成されている。浮揚体111Rの上面には台座部112Rp(p=1〜4)が形成されている。ここで、簡便のため、図7では、台座部112L2、112L3、112L4、112R2、112R3、112R4の符号の図示を割愛する。台座部112Lp(p=1〜4)の各々における幅W1方向に対向する2つの側面には長さL1方向に延在するレール113LLp及び113CLpが設けられている。台座部112CRp(p=1〜4)の各々における幅W1方向に対向する2つの側面には長さL1方向に延在するレール113RRp及び113CRpが設けられている。
また、浮揚体111Lの表面にはその前端よりも後方の位置と後端の位置を基端として前後に延在するアーチ部114Lが設けられている。浮揚体111Rの表面にはその前端よりも後方の位置と後端の位置を基端として前後に延在するアーチ部114Rが設けられている。浮揚体111Lの表面とアーチ部114Lの裏面との間には滑車3Lj(j=1〜5)が枢着されている。浮揚体111Rの表面とアーチ部114Rの裏面との間には滑車3Rj(j=1〜5)が枢着されている。
アーチ部114Lには枠体5Li(i=1〜3)が設けられている。アーチ部114Rには枠体5Ri(i=1〜3)が設けられている。枠体5Li(i=1〜3)は、アーチ部114Lを挟んで幅W1方向に延在する一対の板と、これらの板の端部間に架設されたもう一対の板とを四辺とする略四角枠状をなしている。枠体5Ri(i=1〜3)は、アーチ部114Rを挟んで幅W1方向に延在する一対の板と、これらの板の端部間に架設されたもう一対の板とを四辺とする略四角枠状をなしている。枠体5Li(i=1〜3)における幅W1方向に対向する2枚の板の各々には長さL1方向に延在する長孔が穿設されている。枠体5Ri(i=1〜3)における幅W1方向に対向する2枚の板の各々には長さL1方向に延在する長孔が穿設されている。
枠体5Li(i=1〜3)の各々における長孔が設けられた2枚の板のうち左側の板の前後の各端部には左側に凸んだ受部6LLFi、6LLBiがある。枠体5Li(i=1〜3)の各々における長孔が設けられた2枚の板のうち右側の板の前後の各端部には右側に凸んだ受部6CLFi、6CLBiがある。枠体5Ri(i=1〜3)の各々における長孔が設けられた2枚の板のうち右側の板の前後の端部には右側に凸んだ受部6RRFi、6RRBiがある。枠体5Ri(i=1〜3)の各々における長孔が設けられた2枚の板のうち左側の板の前後の端部には左側に凸んだ受部6CRFi、6CRBiがある。
受部6LLFi(i=1〜3)、6LLBi(i=1〜3)、6CLFi(i=1〜3)、6CLBi(i=1〜3)、6RRFi(i=1〜3)、6RRBi(i=1〜3)、6CRFi(i=1〜3)、6CRBi(i=1〜3)は三角柱状をなしている。受部6LLFiと受部6LLBiは前後方向の間隔をあけて平行対面している。受部6CLFiと受部6CLBiは前後方向の間隔をあけて平行対面している。受部6RRFiと受部6RRBiは前後方向の間隔をあけて平行対面している。受部6CRFiと受部6CRBiは前後方向の間隔をあけて平行対面している。
図8は、ベルト2L1の概略図である。ベルト2L1は、鋼鉄製のブロックを各々の連結部同士が回動し得るように直列に連結したものである。ベルト2L2、2L3、2L4、2L5、2Rj(j=1〜5)の構成はベルト2L1の構成と同じである。図1に示すように、ベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)は、ツインフロート110における浮揚体111L及び111Rの滑車3Lj(j=1〜5)、3Rj(j=1〜5)に巻かれている。
図9は、センターピストン120の斜視図である。図10は、図9を透明にした図である。図11は、サイドピストン130L、130Rの斜視図である。図12は、図11を透明にした図である。センターピストン120及びサイドピストン130L、130Rは、浮揚体111L及び111R間の空間(以下、内側移動空間SPINという。図7参照)及び浮揚体111L及び111Rの各々を間に挟んだ内側移動空間SPINの反対側の空間(以下、外側移動空間SPOUTという。図7参照)を前後方向における相反する方向に交互に移動し得るようにしてベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)の一端及び他端に支持されている。2種類のピストンについて詳細に説明すると、図9及び図10に示すように、センターピストン120は、前後方向に延在する流路CCHを上下左右から囲む4枚の壁WCU、WCD、WCL、WCRを有している。壁WCUの内部は空気により満たされており、センターピストン120は浮くことが可能である。壁WCUの前端部の真中の部分は前方に突出しており、この突出した部分の裏面には連結部127が設けられている。連結部127は、異なる直径を持った4つの円筒壁を同心円状に配したものである。
壁WCUの表面における幅W1方向に対向する縁の内側には上方に凸んだ凸部122Lj(j=1〜4)、122Rj(j=1〜4)が設けられている。凸部122Lj(j=1〜4)、122Rj(i=1〜4)の各々の前端面はベルトの連結部分を有している。図1に示すように、凸部122Lj(j=1〜4)のベルトの連結部分にはベルト2Lj(j=1〜5)の端部(右側の端部)が固定されている。凸部122Rj(j=1〜4)の各々におけるベルトの連結部分にはベルト2Rjの端部(左側の端部)が固定されている。壁WCLの上縁付近には水平方向に凸んだ凸部123Lp(p=1〜4)が設けられている。壁WCRの上縁付近には水平方向に凸んだ凸部123Rp(p=1〜4)が設けられている。凸部123Lp(p=1〜4)の表面には3つの車WH−1、WH−2、及びWH−3が枢着されている。凸部123Rp(p=1〜4)の表面にも3つの車WH−1、WH−2、及びWH−3が枢着されている。ここで、簡便のため、図9では、凸部123L2、123L3、123L4、123R2、123R3、123R4における車WH−1、WH−2、及びWH−3の符号の図示を割愛する。図13に示すように、凸部123Lp(p=1〜4)の各々の車WH−1、WH−2、及びWH−3は、浮揚体111Lのレール113CLp内を摺動し得るようにしてレール113CLpに収められている。同様に、凸部123Rp(p=1〜4)の各々の車WH−1、WH−2、及びWH−3は、浮揚体111Rのレール113CRp内を摺動し得るようにしてレール113CRpに収められている。
図10に示すように、センターピストン120の流路CCH内における流路CCHの入り口から後方に離れた位置には32枚の塞止板1Cmn1(m=1〜4)(n=1〜8)が4行8列のマトリクスをなすように並べて配置されている。流路CCH内における塞止板1Cmn1(m=1〜4)(n=1〜8)から後方に離れた位置には32枚の塞止板1Cmn2(m=1〜4)(n=1〜8)が4行8列のマトリクスをなすように並べて配置されている。流路CCH内における塞止板1Cmn2(m=1〜4)(n=1〜8)から後方に離れた位置には32枚の塞止板1Cmn3(m=1〜4)(n=1〜8)が4行8列のマトリクスをなすように並べて配置されている。塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)の各々にはこれと直交する3枚の補強板PRWBが固定されている。塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)における各n列をなす4枚の塞止板1Cmni(m=1〜4)は、塞止板1Cmni(m=1〜4)と補強板PRWBの中心を高さH1方向に貫く支持棒7Cniによって支持されている。支持棒7Cniの下端は壁WCDの孔に嵌め込まれている。支持棒7Cniの上端は壁WCUの孔に嵌め込まれている。塞止板1Cmni及び補強板PRWBは支持棒7Cniを回転中心として時計回り方向及び反時計回り方向に回転し得る。
図11及び図12に示すように、サイドピストン130Lは、前後方向に延在する流路LCHを囲む4枚の壁WLU、WLD、WLL、WLRを有している。壁WLUの内部は空気により満たされており、サイドピストン130Lは浮くことが可能である。サイドピストン130Rは、前後方向に延在する流路RCHを囲む4枚の壁WRU、WRD、WRL、WRRを有している。壁WRUの内部は空気により満たされており、サイドピストン130Rは浮くことが可能である。壁WLUの表面における幅W1方向に対向する縁の内側には上方に凸んだ凸部132Lj(j=1〜5)が設けられている。凸部132Lj(j=1〜5)の前端面はベルトの連結部分を有している。壁WRUの表面における幅W1方向に対向する縁の内側には上方に凸んだ凸部132Rj(j=1〜5)が設けられている。凸部132Rj(j=1〜5)の前端面はベルトの連結部分を有している。
図1に示すように、凸部132Lj(j=1〜5)の各々のベルトの連結部分にはベルト2Ljにおける凸部122Ljに連結されている側と反対側の端部が固定されている。凸部132Rj(j=1〜5)の各々のベルトの連結部分にはベルト2Rjにおける凸部122Rjに連結されている側と反対側の端部が固定されている。壁WCLの側面の上縁付近には水平方向に凸んだ凸部133Lp(p=1〜4)が設けられている。壁WCRの側面の上縁付近には水平方向に凸んだ凸部133Rp(p=1〜4)が設けられている。凸部133Lp(p=1〜4)の表面には3つの車WH−1、WH−2、WH−3が枢着されている。凸部133Rp(p=1〜4)の表面には3つの車WH−1、WH−2、WH−3が枢着されている。ここで、簡便のため、図11では、凸部133L2、133L3、133L4、133R2、133R3、133R4における車WH−1、WH−2、及びWH−3の符号の図示を割愛する。
図14に示すように、凸部133Lp(p=1〜4)の各々の車WH−1、WH−2、WH−3は、浮揚体111Lのレール113LLp内を摺動し得るようにしてレール113LLpに収められている。同様に、凸部133Rp(p=1〜4)の各々の車WH−1、WH−2、WH−3は、浮揚体111Rのレール113RRp内を摺動し得るようにしてレール11RRpに収められている。
図12に示すように、サイドピストン130Lの流路LCH内における流路LCHの入口から後方に離れた位置には16枚の塞止板1Lmk1(m=1〜4)(k=1〜4)が4行4列のマトリクスをなすように並べて配置されている。流路LCH内における塞止板1Lmk1(m=1〜4)(k=1〜4)から後方に離れた位置には16枚の塞止板1Lmk2(m=1〜4)(k=1〜4)が4行4列のマトリクスをなすように並べて配置されている。流路LCH内における塞止板1Lmk2(m=1〜4)(k=1〜4)から後方に離れた位置には16枚の塞止板1Lmk3(m=1〜4)(k=1〜4)が4行4列のマトリクスをなすように並べて配置されている。塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)の各々にはこれと直交する3枚の補強板PRWBが固定されている。塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)における各k列をなす4枚の塞止板1Lmki(m=1〜4)は、塞止板1Lmki(m=1〜4)と補強板PRWBの中心を高さH1方向に貫く支持棒7Lkiによって支持されている。支持棒7Lkiの下端は壁WLDの孔に嵌め込まれている。支持棒7Lkiの上端は壁WLUの孔に嵌め込まれている。塞止板1Lmniは支持棒7Lniを回転中心として時計回り方向及び反時計回り方向に回転し得る。
同様に、サイドピストン130Rの流路RCH内における流路RCHの入口から後方に離れた位置には16枚の塞止板1Rmk1(m=1〜4)(k=1〜4)が4行4列のマトリクスをなすように並べて配置されている。流路RCH内における塞止板1Rmk1(m=1〜4)(k=1〜4)から後方に離れた位置には16枚の塞止板1Rmk2(m=1〜4)(k=1〜4)が4行4列のマトリクスをなすように並べて配置されている。流路RCH内における塞止板1Rmk2(m=1〜4)(k=1〜4)から後方に離れた位置には16枚の塞止板1Rmk3(m=1〜4)(k=1〜4)が4行4列のマトリクスをなすように並べて配置されている。塞止板1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)の各々にはこれと直交する3枚の補強板PRWBが固定されている。塞止板1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)における各k列をなす4枚の塞止板1Rmki(m=1〜4)は、塞止板1Rmki(m=1〜4)と補強板PRWBの中心を高さH1方向に貫く支持棒7Rkiによって支持されている。支持棒7Rkiの下端は壁WRDの孔に嵌め込まれている。支持棒7Rkiの上端は壁WRUの孔に嵌め込まれている。塞止板1Rmniは支持棒7Rniを回転中心として時計回り方向及び反時計回り方向に回転し得る。
センターピストン120の流路CCHの容積とサイドピストン130L、130Rの流路LCH、RCHの総容積は同じになっている。また、センターピストン120の流路CCHにおける当該流路CCHの延在方向と直交する断面の断面積と、サイドピストン130L、130Rの流路LCH、RCHにおける当該流路LCH、RCHの延在方向と直交する断面の総断面積は同じになっている。
センターピストン120の壁WCUの表面における塞止板1Cm51(m=1〜4)、1Cm61(m=1〜4)、1Cm71(m=1〜4)、1Cm81(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10CL1が設けられている。センターピストン120の壁WCUの表面における塞止板1Cm52(m=1〜4)、1Cm62(m=1〜4)、1Cm72(m=1〜4)、1Cm82(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10CL2が設けられている。センターピストン120の壁WCUの表面における塞止板1Cm53(m=1〜4)、1Cm63(m=1〜4)、1Cm73(m=1〜4)、1Cm83(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10CL3が設けられている。
センターピストン120の壁WCUの表面における塞止板1Cm11(m=1〜4)、1Cm21(m=1〜4)、1Cm31(m=1〜4)、1Cm41(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10CR1が設けられている。センターピストン120の壁WCUの表面における塞止板1Cm12(m=1〜4)、1Cm22(m=1〜4)、1Cm32(m=1〜4)、1Cm42(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10CR2が設けられている。センターピストン120の壁WCUの表面における塞止板1Cm13(m=1〜4)、1Cm23(m=1〜4)、1Cm33(m=1〜4)、1Cm43(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10CR3が設けられている。
サイドピストン130Lの壁WLUの表面における塞止板1Lm11(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10LL1が設けられている。サイドピストン130Lの壁WLUの表面における塞止板1Lm12(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10LL2が設けられている。サイドピストン130Lの壁WLUの表面における塞止板1Lm13(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10LL3が設けられている。
サイドピストン130Rの壁WRUの表面における塞止板1Rm11(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10RR1が設けられている。サイドピストン130Rの壁WRUの表面における塞止板1Rm12(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10RR2が設けられている。サイドピストン130Rの壁WRUの表面における塞止板1Rm13(m=1〜4)の真上に当たる位置には駆動機構10RR3が設けられている。
センターピストン120の駆動機構10CLi(i=1〜3)及び10CRi(i=1〜3)は、第1の位置PF(図1参照)とこの位置PFよりも後方の第2の位置PB(図1参照)の間の範囲を内側移動空間SPINにおけるセンターピストン120の前後の移動範囲とし、センターピストン120が位置PFから位置PBに向かって後方に動いたときにセンターピストン120内の塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)の流水抵抗RINが小さくなり、センターピストン120が位置PBから位置PFに向かって前方に動いたときにセンターピストン120内の塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)の流水抵抗RINが大きくなるように塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)を動かす機構である。
サイドピストン130L及び130Rの駆動機構10LLi(i=1〜3)及び10RRi(i=1〜3)は、位置PFと位置PBの間の範囲を外側移動空間SPOUTにおけるサイドピストン130L及び130Rの移動範囲とし、サイドピストン130L及び130Rが位置PFから位置PBに向かって後方に動いたときにサイドピストン130L及び130R内の塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)及び1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)の流水抵抗ROUTが小さくなり、サイドピストン130L及び130Rが位置PBから位置PFに向かって前方に動いたときにサイドピストン130L及び130R内の塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)及び1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)の流水抵抗ROUTが大きくなるように塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)及び1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)を動かす機構である。駆動機構10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)、10LLi(i=1〜3)、10CRRi(i=1〜3)の詳細については後述する。
図15は、クランクシップ140の斜視図である。クランクシップ140は、一方向に延在する筐体141の表面における一端と他端に連結部142と連結部144とを設けたものである。連結部142は、連結部106の最も内側の円筒壁に収まる寸法を持った円柱壁143Aと、連結部106における内側から2番目の円筒壁に収まる寸法を持った円筒壁143Bと、連結部106における内側から3番目の円筒壁に収まる寸法を持った円筒璧143Cと、連結部106における内側から4番目の円筒壁に収まる寸法を持った円筒壁143Dと、連結部106における内側から4番目の円筒壁よりも僅かに大きな寸法を持った円筒壁143Eを有する。連結部144は、連結部126における最も内側の円筒壁に収まる寸法を持った円柱壁145Aと、連結部126における内側から2番目の円筒壁に収まる寸法を持った円筒壁145Bと、連結部126における内側から3番目の円筒壁に収まる寸法を持った円筒璧145Cと、連結部126における内側から4番目の円筒壁に収まる寸法を持った円筒壁145Dと、連結部126における内側から4番目の円筒壁よりも僅かに大きな寸法を持った円筒壁144Eとを有する。図16に示すように、クランクシップ140の連結部142は回転盤102の連結部106に連結されている。クランクシップ140の連結部144はセンターピストン120の連結部126に連結されている。
次に、駆動機構10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)、10LLi(i=1〜3)、10RRi(i=1〜3)の1つである駆動機構10LL1を例にとり、その構造を説明する。図17は、サイドピストン130Lにおける流路LCH内の塞止板1Lmk1(m=1〜4)(k=1〜4)と駆動機構10LL1の斜視図である。図18は、図17から駆動機構10LL1の一部要素を除去した状態を示す図である。図19は、図17を透明にした図である。図20は、図17を矢印A方向から見た図(正面図)である。図21は、図17を矢印B方向から見た図(側面図)である。図18に示すように、塞止板1Lmk1(m=1〜4)(k=1〜4)を支持する支持棒7Lk1(k=1〜4)は壁WLUとその表面に固定された中板21LL1とを貫いて中板21LL1の上方に達しており、支持棒Lk1(k=1〜4)の各々における中板21LL1の上方の部分には歯車22ALL1、22BLL1、22CLL1、22DLL1が枢着されている。駆動機構10LL1は、この歯車22ALL1、22BLL1、22CLL1、22DLL1と、カバー部23LL1と、ガイド部24LL1と、スライド部26LL1と、レール部25LL1と、ガイド部27LL1及び28LL1と、スライド部29LL1を有している。
より詳細に説明すると、歯車22ALL1、22BLL1、22CLL1、22DLL1の上方、後方、および側方はカバー部23LL1に覆われている。カバー部23LL1の前側部分には矩形状の開口30LL1がある。この開口30LL1からは歯車22ALL1、22BLL1、22CLL1、22DLL1の一部が露出している。カバー部23LL1の前方にはガイド部24LL1がある。図22は、ガイド部24LL1の斜視図である。図22に示すように、ガイド部24LL1は、幅W1方向に延在する板の前面31LL1を下方に傾いたテーパ面とするとともにその後部を階段状に切り欠いたような形状を有している。
ガイド部24LL1の後面32LL1はカバー部23LL1の開口30LL1と隙間を挟んで対向している。ガイド部24LL1の前面31LL1の先端部における幅W1方向の中心よりもわずかにずれた位置の前部にはこの位置を基端として前方に延在するレール部25LL1がある。図23はレール部25LL1の概略図である。図23に示すように、レール部25LL1の表面33LL1には上方に凸んだ凸部34ALL1及び34BLL1がある。凸部34ALL1及び34BLL1は、レール部25LL1自体の延在方向と平行に延在している。凸部34ALL1及び34BLL1の間には幅W1方向の間隔があいている。
ガイド部24LL1の後面32LL1とカバー部23LL1の開口30LL1の間の隙間にはスライド部26LL1がはめ込まれている。図24は、スライド部26LL1の斜視図である。図25は、図24を矢印C方向から見た図である。図24および図25に示すように、スライド部26LL1は、2枚の板33LL1及び34LL1をL字をなすように交差させたものである。スライド部26LL1における幅W1方向の寸法は、カバー部23LL1及びガイド部24LL1のそれよりもわずかに小さくなっている。
スライド部26LL1の板33LL1の表面には直線歯車35ALL1及び35BLL1が形成されている。スライド部26LL1の板34LL1の表面には2つの車36ALL1及び36BLL1が枢着されている。この2つの車36ALL1及び36BLL1は幅W1方向に離間している。車36ALL1及び36BLL1の側面における高さH1方向の真中の位置には環状に括れた凹部Xがある。
スライド部26LL1がガイド部24LL1の後面32LL1とカバー部23LL1の開口30LL1の間の隙間に嵌め込まれた状態において、直線歯車35ALL1はカバー部23LL1内の歯車22ALL1、22BLL1における開口30LL1から露出した部分と噛合しており、直線歯車35BLL1はカバー部23LL1内の歯車22CLL1、22DLL1における開口30LL1から露出した部分と噛合している。また、この状態において、スライド部26LL1の板34LL1の表面、ガイド部24LL1の表面、及びカバー部23LL1の表面は面一になっている。また、この状態において、スライド部26LL1は、ガイド部24LL1上を幅W1方向に摺動し得る程度の弱い摩擦力を持ってガイド部24LL1に接している。
図17に示すように、ガイド部24LL1及びカバー部23LL1の上にはガイド部27LL1及び28LL1がある。ガイド部27LL1及び28LL1における直交する2つの側面のうち一方の側面はガイド部24LL1の表面及びカバー部23LL1の表面に固定されている。ガイド部27LL1における他方の側面とガイド部28LL1における他方の側面は幅W1方向に間隔をあけて対向している。
ガイド部27LL1とガイド部28LL1の間にはスライド部29LL1が嵌め込まれている。図26は、スライド部29LL1の斜視図である。図27は、図26の左側面図である。図28は、図26の裏面図である。図26、図27、および図28に示すように、スライド部29LL1は、前後方向に並べて連結された前板40LL1、中板41LL1、及び後板42LL1と、これらの板40LL1、41LL1、及び42LL1の裏面に固定された側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1および湾曲板44ALL1、44BLL1、45ALL1、45BLL1と、前板40LL1の表面に固定された鎚部46LL1とからなる。
前板40LL1の前半部はその後半部よりも幅厚に形成されている。前板40LL1の前半部の表面及び裏面は、矩形の一角部分を切り欠いたような形をなしている。前板40LL1の前半部の前面81LL1及び後面82LL1はテーパ面を形成している。前板40LL1の前面81LL1及び後面82LL1の傾斜角度はレール部25LL1の前面31LL1の傾斜角度と同じである。前板40LL1の後面82LL1の上縁部分は凹部47LL1として前方に切り欠かれている。前板40LL1の後半部はこの凹部47LL1の上の部分を基端として後方に延在している。前板40LL1の後半部の後端には中板41LL1の前端が固定されている。中板41LL1の後端には後板42LL1の前端が固定されている。前板40LL1の後半部の裏面、中板41LL1の裏面、及び後板42LL1の裏面は面一になっている。
後板42LL1の後端は凸縁部48LL1として下方に折れ曲がっている。この凸縁部48LL1の内面83LL1は後板42LL1の裏面と直交している。この内面83LL1と凹部47LL1との間には側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1が介挿されている。側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1の高さH1方向の寸法は凹部47LL1のそれと同じである。側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1の前端は凹部47LL1に嵌め込まれている。側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1の後端は内面83LL1と当接している。側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1の表面は、前板40LL1の後半部の裏面、中板41LL1の裏面、及び後板42LL1の裏面と当接している。
前板40LL1の後半部、中板41LL1、及び後板42LL1の裏面の下における前後を凹部47LL1及び内面83LL1に挟まれた幅薄な空間は側板50ALL1、50BLL1、51ALL1、51BLL1により3つの空間SPA、SPB、SPCに区切られている。空間SPA、SPB、SPCのうち左右の空間SPA、SPBの幅W1方向の寸法は真中の空間SPCのそれよりも広くなっている。空間SPA内には湾曲板44ALL1と湾曲板45ALL1がある。空間SPB内には湾曲板44BLL1と湾曲板45BLL1がある。湾曲板44ALL1、44BLL1、45ALL1、45BLL1は、湾曲した板の内面における高さH1方向の中心部分を凸部Yとして凸ませたものである。
湾曲板44ALL1の上面は、前板40LL1の後半部の裏面、中板41LL1の裏面、及び後板42LL1の裏面に当接している。湾曲板45ALL1の上面は、前板40LL1の後半部の裏面、中板41LL1の裏面、及び後板42LL1の裏面に当接している。湾曲板44ALL1の一端は後面82LL1を向いており湾曲板44ALL1の他端は側板50ALL1に接している。湾曲板45ALL1の一端は後板42LL1の内面83LL1に接しており湾曲板45ALL1の他端は側板51ALL1に接している。湾曲板44ALL1における側面51ALL1の側に折れ曲がった部分と湾曲板45ALL1における側面50ALL1の側に折れ曲がった部分は前後方向に対して略45度傾いた方向の間隔をあけて平行対面している。
湾曲板44BLL1の上面は、前板40LL1の後半部の裏面、中板41LL1の裏面、及び後板42LL1の裏面に当接している。湾曲板45BLL1の上面は、前板40LL1の後半部の裏面、中板41LL1の裏面、及び後板42LL1の裏面に当接している。湾曲板45BLL1の一端は後面82LL1を向いており湾曲板45BLL1の他端は側板51BLL1に接している。湾曲板44BLL1の一端は後板42LL1の内面83LL1に接しており湾曲板44BLL1の他端は側板50BLL1に接している。湾曲板45BLL1における側面51BLL1の側に折れ曲がった部分と湾曲板44BLL1における側面50BLL1の側に折れ曲がった部分は前後方向に対して略45度傾いた方向間隔をあけて平行対面している。
前板40LL1の表面における前面81LL1との交差位置から後方に離れた位置には鎚部46LL1がある。鎚部46LL1は、円柱部52LL1と台座部53LL1とを有する。円柱部52LL1の前面54LL1と後面55LL1の中心には穴が穿設されている。また、円柱部52LL1の側面における前面54LL1よりも僅かに後方の位置と後面55LL1よりも僅かに前方の位置には環状に括れた凹部Zがある。円柱部52LL1の側面は台座部53LL1に固定されており、台座部53LL1は前板40LL1の表面に固定されている。
図19に示すように、ガイド部27LL1とガイド部28LL1の間にスライド部29LL1が嵌め込まれた状態において、スライド部29LL1はスライド部26LL1の車36ALL1及び36BLL1を覆っている。車36ALL1はスライド部29LL1の湾曲板44ALL1及び45ALL1によって挟まれており、車36ALL1の凹部Xには湾曲板44ALL1及び45ALL1の凸部Yが嵌っている。車36BLL1はスライド部29LL1の湾曲板44BLL1及び45BLL1によって挟まれており、車36BLL1の凹部Xには湾曲板44BLL1及び45BLL1の凸部Yが嵌っている。また、スライド部29LL1はレール部25LL1の凸部34ALL1及び34BLL1上を摺動し得る程度の弱い摩擦力を持って凸部34ALL1及び34BLL1に接している。
以上が、駆動機構10LL1の構成の詳細である。駆動機構10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)、10LL2、10LL3、10RRi(i=1〜3)の構成も駆動機構10CL1の構成と同様である。
ここで、図1に示すように、駆動機構10CLi(i=1〜3)における各駆動機構10CLiの鎚部46CLiは枠体5Liの受部6CLFi及び6CLBiの間に位置している。また、駆動機構10CRi(i=1〜3)における各駆動機構10CRiの鎚部46CRiは枠体5Liの受部6CRFi及び6CRBiの間に位置している。また、駆動機構10LLi(i=1〜3)における各駆動機構10LLiの鎚部46LLiは枠体5Liの受部6LLFi及び6LLBiの間に位置している。駆動機構10RRi(i=1〜3)における各駆動機構10RRiの鎚部46RRiは枠体5Riの受部6RRFi及び6RRBiの間に位置している。
鎚部46CLi、46CRi、46CLi、及び46CRiと受部6CLFi、6CLBi、6CRFi、6CRBi、6CLFi、6CLBi、6CRFi、及び6CRBiの位置関係がこのようになっているため、当該流水発電装置90では、センターピストン120がサイドピストン130L、130Rよりも前に動くとセンターピストン120内の塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)が閉じてサイドピストン130L、130R内の塞止板1Lmki、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)が開き、サイドピストン130L、130Rがセンターピストン120よりも前に動くとサイドピストン130L、130R内の塞止板1Lmki、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)が閉じてセンターピストン120内の塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)が開く、という動作を繰り返す。以下、この動作の詳細を説明する。
図29(A)は、サイドピストン130L、130Rが第1の位置PFにありセンターピストン120が第2の位置PBにある状態ST1における流水発電装置90を上方と正面から見た図である。図29(B)は、状態ST1における駆動機構10CL1の中板41CL1を除去して同機構10CL1の内部を露出させた図である。図29(C)は、状態ST1における駆動機構10LL1の中板41LL1を除去して同機構10LL1の内部を露出させた図である。図30(A)は、サイドピストン130L、130Rが第2の位置PBにありセンターピストン120が第1の位置PFにある状態ST2における流水発電装置90を上方と正面から見た図である。図30(B)は、状態ST1における駆動機構10LL1の中板41LL1を除去して同機構10LL1の内部を露出させた図である。図30(C)は、状態ST2における駆動機構10CL1の中板41CL1を除去して同機構10CL1の内部を露出させた図である。
図29(A)に示すように、状態ST1において、センターピストン120内の塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)は開いて(センターピストン120内の流路CCHの延在方向と平行な方向を向いて)おり、サイドピストン130L、130R内の塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)は閉じて(サイドピストン130L、130R内の流路LCH、RCHの延在方向と直交する方向を向いて)いる。状態ST1では、センターピストン120内の塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)の流水抵抗RINとサイドピストン130L、130R内の塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)の流水抵抗ROUTの大小関係はRIN<ROUTとなり、センターピストン120を後方に押す流水の力FINとサイドピストン130L、130Rを後方に押す流水の力FOUTの大小関係はFIN<FOUTとなる。このため、状態ST1では、サイドピストン130L、130Rはベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)における当該ピストン130L、130Rに連結された端部を引っ張りつつ後方に動き、センターピストン120はベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)における当該ピストン120に連結された端部に引っ張られて前方に動く。
サイドピストン130L、130Rが第1の位置PFから後方に動いて第2の位置PBよりも僅かに手前の位置PB’に達すると、駆動機構10LLi(i=1〜3)の各々のスライド部29LLiの鎚部46LLiが受部6LLBiに接触し、駆動機構10RRi(i=1〜3)の各々のスライド部29RRiの鎚部46RRiが受部6RRBiに接触する。この接触以降は、受部6LLBi、6RRBiの位置よりも後方へのスライド部29LLi、29RRiの移動が受部6LLBi、6RRBiにより規制される。サイドピストン130L、130Rがさらに後方に動くと、駆動機構10LLi(i=1〜3)、10RRi(i=1〜3)の各々におけるスライド部29LLi、29RRi以外の各部がスライド部29LLi、29RRiを残して後方に動く。
駆動機構10LLiにおけるスライド部29LLi以外の各部がスライド部29LLiを残して後方に動くと、スライド部29LLiの空間SPA内における湾曲板44ALLi及び45ALLiと車36ALLiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BLLi及び45BLLiと車36BLLiの係合位置は左斜め後方に動き、スライド部26LLiがガイド部24LLi上を左に摺動する。駆動機構10RRiにおけるスライド部29RRi以外の各部がスライド部29RRiを残して後方に動くと、スライド部29RRiの空間SPA内における湾曲板44ARRi及び45ARRiと車36ARRiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BRRi及び45BRRiと車36BRRiの係合位置は右斜め後方に動き、スライド部26RRiがガイド部24RRi上を右に摺動する。
スライド部26LLiが左に動くと、スライド部26LLiの直線歯車35ALLi、35BLLiに嵌合している歯車22ALLi、22BLLi、22CLLi、22DLLi及びこれに支持棒7Lki(k=1〜4)を介して連結された塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)が回転する。スライド部26RRiが右に動くと、スライド部26RRiの直線歯車35ARRi、35BRRiに嵌合している歯車22ARRi、22BRRi、22CRRi、22DRRi及びこれに支持棒7Rki(k=1〜4)を介して連結された塞止板1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)が回転する。この回転によってサイドピストン130L、130R内の流路LCH、RCHの塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)の向きが変化し、サイドピストン130L、130Rが第1の位置PFに達すると塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)の向きは流路LCH、RCHの延在方向と直交する。
センターピストン120が第2位置PBから前方に動いて第1の位置PFよりも僅かに手前の位置PF’に達すると、駆動機構10CLi(i=1〜3)の各々のスライド部29CLiの鎚部46CLiが受部6CLFiに接触するとともに、駆動機構10CRi(i=1〜3)の各々のスライド部29CRiの鎚部46CRiが受部6CRFiに接触する。この接触以降は、受部6CLFi、6CRFiの位置よりも前方へのスライド部29CLi、29CRiの移動が受部6CLFi、6CRFiにより規制される。センターピストン120がさらに前方に動くと、駆動機構10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)の各々におけるスライド部29CLi、29CRi以外の各部がスライド部29CLi、29CRiを残して前方に動く。
駆動機構10CLiにおけるスライド部29CLi以外の各部がスライド部29CLiを残して前方に動くと、スライド部29CLiの空間SPA内における湾曲板44ACLi及び45ACLiと車36ACLiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BCLi及び45BCLiと車36BCLiの係合位置は右斜め前方に動き、スライド部26CLiがガイド部24CLi上を右に摺動する。駆動機構10CRiにおけるスライド部29CRi以外の各部がスライド部29CRiを残して前方に動くと、スライド部29CRiの空間SPA内における湾曲板44ACRi及び45ACRiと車36ACRiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BCRi及び45BCRiと車36BCRiの係合位置は左斜め前方に動き、スライド部26CRiがガイド部24CRi上を左に摺動する。
スライド部26CLiが右に動くと、スライド部26CLiの直線歯車35ACLi、35BCLiに嵌合している歯車22ACLi、22BCLi、22CCLi、22DCLi及びこれに支持棒7C5i、7C6i、7C7i、7C8iを介して連結された塞止板1Cm5i(m=1〜4)、1Cm6i(m=1〜4)、1Cm7i(m=1〜4)、1Cm8i(m=1〜4)が回転する。スライド部26CRiが左に動くと、スライド部26CRiの直線歯車35ACRi、35BCRiに嵌合している歯車22ACRi、22BCRi、22CCRi、22DCRi及びこれに支持棒7C1i、7C2i、7C3i、7C4iを介して連結された塞止板1Cm1i(m=1〜4)、1Cm2i(m=1〜4)、1Cm3i(m=1〜4)、1Cm4i(m=1〜4)が回転する。この回転によってセンターピストン120内の流路CCHの塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)の向きが変化し、センターピストン120が第2の位置PBに達すると塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)の向きは流路CCHの延在方向と平行になる。
図30(A)に示すように、状態ST2において、サイドピストン130L、130R内の塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)は開いて(サイドピストン130L、130R内の流路LCH、RCHの延在方向と平行な方向を向いて)おり、センターピストン120内の閉塞板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)は閉じて(センターピストン120内の流路CCHの延在方向と直行する方向を向いて)いる。状態ST2では、サイドピストン130L、130R内の塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)(i=1〜3)の流水抵抗ROUTとセンターピストン120内の閉塞板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)(i=1〜3)の流水抵抗RINの大小関係はROUT<RINとなり、サイドピストン130L、130Rを後方に押す流水の力FOUTとセンターピストン120を後方に押す流水の力FINの大小関係はFOUT<FINとなる。このため、状態ST2では、センターピストン120はベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)における当該ピストンに連結された端部を引っ張りつつ後方に動き、サイドピストン130L、130Rはベルト2Lj(j=1〜5)、2Rj(j=1〜5)における当該ピストンに連結された端部に引っ張られて前方に動く。
センターピストン120が第1の位置PFから後方に動いて第2の位置PBよりも僅かに手前の位置PB’に達すると、駆動機構10CLi(i=1〜3)の各々のスライド部29CLiの鎚部46CLiが受部6CLBiに接触するとともに、駆動機構10CRi(i=1〜3)の各々のスライド部29CRiの鎚部46CRiが受部6CRBiに接触する。この接触以降は、受部6CLBi、6CRBiの位置よりも後方へのスライド部29CLi、29CRiの移動が受部6CLBi、6CRBiにより規制される。センターピストン120がさらに後方に動くと、駆動機構10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)の各々におけるスライド部29CLi、29CRi以外の各部がスライド部29CLi、29CRiを残して後方に動く。
駆動機構10CLiにおけるスライド部29CLi以外の各部がスライド部29CLiを残して後方に動くと、スライド部29CLiの空間SPA内における湾曲板44ACLi及び45ACLiと車36ACLiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BCLi及び45BCLiと車36BCLiの係合位置は左斜め後方に動き、スライド部26CLiがガイド部24CLi上を左に摺動する。駆動機構10CRiにおけるスライド部29CRi以外の各部がスライド部29CRiを残して後方に動くと、スライド部29CRiの空間SPA内における湾曲板44ACRi及び45ACRiと車36ACRiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BCRi及び45BCRiと車36BCRiの係合位置は右斜め後方に動き、スライド部26CRiがガイド部24CRi上を右に摺動する。
スライド部26CLiが左に動くと、スライド部26CLiの直線歯車35ACLi、35BCLiに嵌合している歯車22ACLi、22BCLi、22CCLi、22DCLi及びこれに支持棒7C5i、7C6i、7C7i、7C8iを介して連結された塞止板1Cm5i(m=1〜4)、1Cm6i(m=1〜4)、1Cm7i(m=1〜4)、1Cm8i(m=1〜4)が回転する。スライド部26CRiが右に動くと、スライド部26CRiの直線歯車35ACRi、35BCRiに嵌合している歯車22ACRi、22BCRi、22CCRi、22DCRi及びこれに支持棒7C1i、7C2i、7C3i、7C4iを介して連結された塞止板1Cm1i(m=1〜4)、1Cm2i(m=1〜4)、1Cm3i(m=1〜4)、1Cm4i(m=1〜4)が回転する。この回転によってセンターピストン120内の流路CCHの塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)の向きが変化し、センターピストン120が第2の位置PBに達すると塞止板1Cmni(m=1〜4)(n=1〜8)の向きは流路CCHの延在方向と平行になる。
サイドピストン130L、130Rが第2の位置PBから前方に動いて第1の位置PFよりも僅かに手前の位置PF’に達すると、駆動機構10LLi(i=1〜3)の各々のスライド部29LLiの鎚部46LLiが受部6LLFiに接触するとともに、駆動機構10RRi(i=1〜3)の各々のスライド部29RRiの鎚部46RRiが受部6RRFiに接触する。この接触以降は、受部6LLFi、6RRFiの位置よりも前方へのスライド部29LLi、29RRiの移動が受部6LLFi、6RRFiにより規制される。サイドピストン130L、130Rがさらに前方に動くと、駆動機構10LLi(i=1〜3)、10RRi(i=1〜3)の各々におけるスライド部29LLi、29RRi以外の各部がスライド部29LLi、29RRiを残して前方に動く。
駆動機構10LLiにおけるスライド部29LLi以外の各部がスライド部29LLiを残して前方に動くと、スライド部29LLiの空間SPA内における湾曲板44ALLi及び45ALLiと車36ALLiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BLLi及び45BLLiと車36BLLiの係合位置は右斜め前方に動き、スライド部26LLiがガイド部24LLi上を右に摺動する。駆動機構10RRiにおけるスライド部29RRi以外の各部がスライド部29RRiを残して前方に動くと、スライド部29CRiの空間SPA内における湾曲板44ARRi及び45ARRiと車36ARRiの係合位置と空間SPB内における湾曲板44BRRi及び45BRRiと車36BRRiの係合位置は左斜め前方に動き、スライド部26RRiがガイド部24RRi上を左に摺動する。
スライド部26LLiが右に動くと、スライド部26LLiの直線歯車35ALLi、35BLLiに嵌合している歯車22ALLi、22BLLi、22CLLi、22DLLi及びこれに支持棒7Lki(k=1〜4)を介して連結された塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)が回転する。スライド部26RRiが左に動くと、スライド部26RRiの直線歯車35ARRi、35BRRiに嵌合している歯車22ARRi、22BRRi、22CRRi、22DRRi及びこれに支持棒7Rki(k=1〜4)を介して連結された塞止板1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)が回転する。この回転によってサイドピストン130L、130R内の流路LCH、RCHの塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)の向きが変化し、サイドピストン130L、130Rが第1の位置PFに達すると塞止板1Lmki(m=1〜4)(k=1〜4)、1Rmki(m=1〜4)(k=1〜4)の向きは流路LCH、RCHの延在方向と直交する。
以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態では、センターピストン120とサイドピストン130L、130Rは、前後方向における相反する方向に交互に移動し得るようにして支持されている。また、センターピストン120及びサイドピストン130L、130Rにおける後方に動いた方の塞止板の流水抵抗RIN(またはROUT)が小さくなり、前方に動いた方の塞止板の流水抵抗RIN(またはROUT)が大きくなる。また、センターピストン120及びサイドピストン130L、130Rのうちクランクシップ140を介して回転盤102に連結されているセンターピストン120の前方への推進力はクランクシップ140により回転盤102の回転力に変換される。よって、本実施形態によると、センターピストン120とサイドピストン130L、130Rの往復運動を動力源とする発電が半永久的に持続する。従って、本実施形態によると、従来のプロペラやタービンを設置する方法とは異なり、流水方向に対して長い距離に渡って存在する運動エネルギーを直接回転盤に伝えることができるため、海域を流れる流水のエネルギーを電力に効率よく変換することができる。
第1に、本実施形態では、センターピストン120とサイドピストン130L、130Rは、前後方向における相反する方向に交互に移動し得るようにして支持されている。また、センターピストン120及びサイドピストン130L、130Rにおける後方に動いた方の塞止板の流水抵抗RIN(またはROUT)が小さくなり、前方に動いた方の塞止板の流水抵抗RIN(またはROUT)が大きくなる。また、センターピストン120及びサイドピストン130L、130Rのうちクランクシップ140を介して回転盤102に連結されているセンターピストン120の前方への推進力はクランクシップ140により回転盤102の回転力に変換される。よって、本実施形態によると、センターピストン120とサイドピストン130L、130Rの往復運動を動力源とする発電が半永久的に持続する。従って、本実施形態によると、従来のプロペラやタービンを設置する方法とは異なり、流水方向に対して長い距離に渡って存在する運動エネルギーを直接回転盤に伝えることができるため、海域を流れる流水のエネルギーを電力に効率よく変換することができる。
第2に、本実施形態では、塞止板は、流路の延在方向と直交する方向の軸である支持棒を回転軸として回転し得るように支持されている。そして、2種類のピストンの各々の駆動機構は、当該ピストンが第1の位置PFに達したときに当該ピストンの塞止板を当該ピストン内の流路の延在方向と直交する向きに回転させ、当該ピストンが第1の位置PFよりも後方の第2の位置PBに達したときに当該ピストンの塞止板を当該ピストン内の流路の延在方向と平行な向きに回転させる。よって、本実施形態によると、ピストンが第1の位置PFに達したときに当該ピストンの塞止板の流水抵抗RIN(またはROUT)が最大になり、ピストンが第2の位置PBに達したときに当該ピストンの塞止板の流水抵抗RIN(またはROUT)が最小になる。よって、本実施形態によると、発電効率をより一層高くすることができる。
第3に、本実施形態では、センターピストン120の流路CCHの容積とサイドピストン130L、130Rの流路LCH、RCHの総容積が同じになっている。また、センターピストン120の流路CCHにおける当該流路CCHの延在方向と直交する断面の総断面積と、サイドピストン130L、130Rの流路LCH、RCHにおける当該流路LCH、RCHの延在方向と直交する断面の総断面積が同じになっている。このため、本実施形態では、センターピストン120およびサイドピストン130L、130Rにおける第1の位置PFから第2の位置PBへの移動の速度と第2の位置PBから第1の位置PFへの移動の速度がほぼ同じになる。よって、本実施形態によると、発電塔100の回転盤102の回転速度の変化が小さくなる。従って、本実施形態によると、発電機104による発電量を安定化させることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)上記実施形態において、センターピストン120内における塞止板1Cmniの数を32枚より多くしてもよいし、少なくしてもよい。また、サイドピストン130L、130R内における塞止板1Lmk1、1Rmk1の数を16枚より多くしてもよいし、少なくしてもよい。
(1)上記実施形態において、センターピストン120内における塞止板1Cmniの数を32枚より多くしてもよいし、少なくしてもよい。また、サイドピストン130L、130R内における塞止板1Lmk1、1Rmk1の数を16枚より多くしてもよいし、少なくしてもよい。
(2)上記実施形態では、塞止板1Cmni、1Lmki、1Rmkiがこれらを高さH1方向に貫く支持棒7Cni、7Lki、7Rkiにより支持されており、支持棒7Cni、7Lki、7Rkiを回転させることにより塞止板1Cmni、1Lmki、1Rmkiの向きを変化させた。しかし、塞止板1Cmni、1Lmki、1Rmkiをそれらを幅W1方向に貫く支持棒により支持してもよい。この場合において、各支持棒における左側の端部または右側の端部に車を枢着するとともに、これらの車にベルトを巻回し、第1の位置PF及び第2の位置PB間のピストンの移動とベルトの駆動とを連動させることにより、塞止板1Cmni、1Lmki、1Rmkiの向きを変えるようにするとよい。
(3)上記実施形態において、センターピストン120およびサイドピストン130L、130Rの各々を前後方向に複数個連結できるようにしてもよい。上記実施形態の流水発電装置90の発電量は、センターピストン120およびサイドピストン130L、130Rの流路CCH、LCH、RCHの容積に依存する。よって、たとえば、センターピストン120およびサイドピストン130L、130Rを前後に2個連結すれば発電量は2倍になり、3個連結すれば発電量は3倍になる。したがって、この変形例によると、より大きな発電量を得ることができる。
(4)上記実施形態では、駆動機構10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)、10CLi(i=1〜3)、10CRi(i=1〜3)は、センターピストン120及びサイドピストン130L、130Rのうち第1の位置PFに達した方のピストンの塞止板を流路の延在方向と直交する向きにし、第2の位置PBに達した方のピストンの塞止板を流路の延在方向と平行な向きにした。しかし、第1の位置PFに達した方のピストンの塞止板を流路の延在方向に対して斜めの向きにし、第2の位置PBに達した方のピストンの塞止板を流路の延在方向と平行な向きにしてもよい。また、第1の位置PFに達した方のピストンの塞止板を流路の延在方向と直交する向きにし、第2の位置PBに達した方のピストンの塞止板を流路の延在方向に対して斜めの向きにしてもよい。
(5)上記実施形態では、スライド部29CLi、29CRi、29LLi、29RRiの円柱部の前面と後面には孔が穿設されており、円柱部の側面における前面よりも僅かに後方の位置と後面よりも僅かに前方の位置には凹部Zがあった、しかし、円柱部と凹部Zを有しない形状にしてもよい。
(6)上記実施形態において、流水発電装置90を如何なる設備を用いて係留させてもよい。望ましくは、図31に示すように、例えば、FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system)300を用いて流水発電装置90を係留させるとよい。
(7)上記実施形態において、台風などの悪天候時には浮揚体111L及び111Rにセンターピストン120およびサイドピストン130L、130Rを固定してピストン120、130L、130Rの移動を停止させるようにしてもよい。例えば、浮揚体111Lにおけるピストン120、130Lの各々に臨む面にピストン120、130Lと嵌合する第1の固定用パーツを設けるとともに、浮揚体111Rにおけるピストン120、130Rの各々に臨む面にピストン120、130Rと嵌合する第2の固定用パーツを設け、2つの固定用パーツのピストン120、130L、130Rへの係合とその解除とを天候に応じて切り替えるようにするとよい。
2…ベルト、90…流水発電装置、100…発電塔、110…ツインフロート、120…センターピストン、130…サイドピストン、140…クランクシップ。
Claims (3)
- 発電機と、軸回りに回転する回転盤と、前記回転盤の回転力を前記発電機に伝える歯車機構とを有する発電塔と、
各々の間に間隔をあけて前後方向に延在するとともに各々の前端部によって前記発電塔を支持する2つの浮揚体と、前記第2つの浮揚体の各々の一面に1個または複数個ずつ枢着された滑車とを有するツインフロートと、
前記滑車に巻かれたベルトと、
前記2つの浮揚体の間の空間である内側移動空間と前記2つの浮揚体の各々を間に挟んだ前記内側移動空間の反対側の空間である外側移動空間とを前後方向における相反する方向に交互に移動し得るようにして前記ベルトの一端及び他端に支持された2種類のピストンであって、各ピストンが、前後方向に延在する流路を囲む複数個の壁と、前記流路内に支持された一又は複数の塞止板と、当該ピストンが後方に動いたときに当該ピストン内の前記塞止板の流水抵抗が小さくなり当該ピストンが前方に動いたときに当該ピストン内の前記塞止板の流水抵抗が大きくなるように前記塞止板を動かす駆動機構とを有する2種類のピストンと、
前記複数個のピストンのうちの一つと前記回転盤における回転軸から離れた位置とを連結するクランクシップと
を具備すること特徴とする流水発電装置。 - 前記塞止板は、前記流路の延在方向と直交する方向の軸を回転軸として回転し得るように支持されており、
前記各ピストンの駆動機構は、当該ピストンが第1の位置に達したときに当該ピストンの前記塞止板を前記流路の延在方向と直交する向きに回転させ、当該ピストンが前記第1の位置よりも後方の第2の位置に達したときに当該ピストンの前記塞止板を前記流路の延在方向と平行な向きに回転させることを特徴とする請求項1に記載の流水発電装置。 - 前記2種類のピストンの流路の種類毎の総容積が同じであり、前記2種類のピストンの流路における当該流路の延在方向と直交する断面の種類毎の総断面積が同じであることを特徴とする請求項2に記載の流水発電装置。
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