JP5105348B2 - Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼホスファターゼの特異的阻害剤 - Google Patents

Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼホスファターゼの特異的阻害剤 Download PDF

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Description

本発明は、Ca2+/カルモジュリン依存性蛋白質リン酸化酵素を脱リン酸化する、プロテインホスファターゼCaMKP(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase phosphatase)及び核局在型のCaMKP(CaMKP-N)の特異的阻害剤に関する。
細胞内にはCa2+結合蛋白質が数多く存在し、その中でもカルモジュリンはCa2+による細胞内情報伝達系において重要な役割を果たしている。生体内におけるタンパク質リン酸化反応の調節に関しても、Ca2+/カルモジュリン複合体は、多機能性Ca2+/カルモジュリン依存性タンパク質リン酸化酵素(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase, CaMK)を介して重要な機能を果たしている(非特許文献1)。とりわけCa2+/カルモジュリン依存性タンパク質リン酸化酵素II(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase II, CaMKII)やCaMKIVは、記憶などの高次神経機能制御や種々の細胞機能の調節に重要な役割を果たしていることが明らかにされてきている。CaMKIIの活性化機構は、自己阻害ドメインに存在するThr286が自己リン酸化されて活性化されることにより起こることが明らかにされているが、活性化された後どのように不活性化されるのか、というスイッチオフの機構に関してはこれまであまり研究がなされていなかった。
Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼホスファターゼ(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase phosphatase (CaMKP))はCaMKIIの自己リン酸化部位Thr286周辺のリン酸化合成ペプチドを良好な基質として、ラット脳より精製されたプロテインホスファターゼである(非特許文献2)。cDNA配列の解析の結果、ラット由来のCaMKP (rat CaMKP)は、450アミノ酸、分子量が49165の蛋白質であった(GenBank アクセッションno. AB023634)(非特許文献3, 4, 5)。CaMKPはMn2+依存性、オカダ酸/カリクリンA(Okadaic acid/calyculinA)に非感受性のSer/ThrプロテインホスファターゼでPP1やPP2Aなどとは異なり単量体として存在する。またPP2Aなどと同じくポリリシンやプロタミンなどのポリカチオンによって強く活性化される。CaMKPはPPMファミリーに属するプロテインホスファターゼであるが、PP2C alphaとの相同性は28%とかなり低くN末端側にはPP2Cには見られない大きなドメインが存在する。CaMKPの組織分布を調べたところ、CaMKPは臓器間で広く発現が見られ、細胞質に局在する事が判明した。rat CaMKPの一次構造に基づくホモロジー検索により、この蛋白質を遺伝子データベース(GenBank)で検索したところ、遺伝子レベルで82%、アミノ酸レベルで79%の相同性を有するヒト遺伝子が存在することが判明した (KIAA0015, GenBank アクセッションno. AF305840) (非特許文献6)。これは既にヒト未分化myeloid cell line KG-1よりランダムクローニングによって得られていた機能未知の遺伝子であったが、これをポリメラーゼ連鎖反応法(Polymerase chain reaction, PCR法)で単離し、大腸菌で発現させた。その酵素学的性質を調べてみたところ、この遺伝子産物はrat CaMKPと同様のプロテインホスファターゼ活性を持っていることを確認したので、これをhuman CaMKPと命名した(特許文献1)。
このhuman CaMKPの一次構造を基に、更に遺伝子データベース(GenBank)でヒト遺伝子を検索したところ、また別のホモログと思われるヒト遺伝子が存在することが判明した(KIAA1072, GenBank アクセッションno. AB028995)。この遺伝子を取得して詳細に解析したところ、このホモログはN末端とC末端にCaMKPにはない長大な領域を持っているが、ホスファターゼドメインを中心にヒトCaMKPと64%のホモロジーをもつ領域が存在する(非特許文献4, 7, 8)。このヒト遺伝子はCaMKPとは異なり、脳に特異的に発現し、細胞内局在を調べると核に局在していることが明らかになった。昆虫細胞Sf9に発現させて酵素活性を調べたところ、この酵素はリン酸化CaMKIVを良好な基質にするなどCaMKPと似た酵素学的性質を示したので、核局在型CaMKPという意味で、これをCaMKP-Nと命名した。
以上のような経緯で単離・同定されたCaMKP及びCaMKP-Nであるが、これらが生体内でどのように役割分担し、どのような生物学的機能を担っているのかという問題は次なる重要課題である。そこでアンチセンスモルフォリノオリゴを用いたgene knockdownが可能なゼブラフィッシュをモデル動物としてCaMKPとCaMKP-Nが脊椎動物の初期発生にどのような役割を果たしているか調べることにした。まず、そのためにゼブラフィッシュ由来のCaMKP(zCaMKP)のcDNAクローニングが試みられた。その結果zCaMKPは424アミノ酸で構成されており、rat CaMKP(450アミノ酸)やhuman CaMKP(454アミノ酸)よりもN末端とC末端が短かった(図1)。zCaMKPの酵素学的な性質は、至適pHは8.0で、Mn2+を要求するrat CaMKPと異なり、むしろMg2+を要求した。zCaMKPはラット酵素でポリカチオンによる活性化の責任領域であることが判明している酸性アミノ酸クラスターを欠失しており、rat CaMKPとは違ってポリリシンによる活性化を受けない。またNeuro2a細胞に一過性に発現させたrat CaMKPはほとんどが細胞質に局在するのに対し、zCaMKPは核の中にもかなりの量が存在した。このように、rat CaMKPと比較していくつかの相違点はあるものの、rat CaMKPと同様CaMKに対する基質特異性が高いことなどから本酵素をCaMKPのゼブラフィッシュホモログであると結論付けた。またzCaMKPに対するアンチセンスモルフォリノオリゴを1〜4細胞期の胚にマイクロインジェクトし、胚発生に及ぼす影響を検討したところ、受精後72時間までに全身にアポトーシス細胞が出現し、著しい奇形を生じた(非特許文献5)。
ゼブラフィッシュ由来のCaMKP-N(zCaMKP-N)のcDNAはzCaMKPの場合と同様、ヒト由来のCaMKP-N(human CaMKP-N)と相同性が高い配列をもとに取得された。human CaMKP-Nの一次構造と比較すると触媒領域は高度に保存されていたが、zCaMKP-Nでは触媒領域よりもN末端部分を大きく欠損していた(図2)。ヒトとラットのCaMKP-Nにおいて,この領域にはポリカチオンによる活性化の責任領域である酸性アミノ酸クラスターが存在するが、zCaMKP-Nではこれが触媒領域よりもC末端側に移行していた。またzCaMKP-NのC末端部分575-587の領域にはRKKRRLDVLPLRRという塩基性アミノ酸に富む、典型的な核移行シグナルと思われる配列が見いだされたが、実際にこの領域が核移行シグナルとして機能していることが確認された(非特許文献9)。ラット、ヒト、ゼブラフィッシュ由来のCaMKP-Nは,試験管内ではCaMKに特異的に作用して脱リン酸化するが、CaMKの中でもCaMKIとCaMKIIは主に細胞質に、CaMKIVは主に核に局在することを考えると、細胞内でのCaMKP-NのターゲットはCaMKIVではないかと考えられた。そこでzCaMKP-Nがin vivo(細胞内)においてもCaMKIVを脱リン酸化するかどうかを調べるため、rat CaMKIVを単独、あるいはzCaMKP-Nと共発現させたNeuro2a細胞を、カルシウムイオノフォアであるイオノマイシンで刺激し、CaMKIVのリン酸化レベルを両者で比較した。その結果、CaMKIVを単独で発現させた細胞ではイオノマイシン刺激後Thr196のリン酸化が著しく亢進されたが、zCaMKP-Nを共発現させた細胞ではリン酸化レベルが顕著に低下した。一方で活性を持たない変異体D188Aを共発現させてもリン酸化レベルの低下は認められなかった(非特許文献9)。以上の結果よりzCaMKP-Nはin vitroだけでなく、in vivoにおいてもCaMKIVの負の制御因子として機能することが示された。
更にアンチセンスモルフォリノオリゴによるgene knockdownにより、頭部の構造が不明瞭になり、脳にはアクリジンオレンジで染色されるアポトーシス細胞が出現したことから、zCaMKP-NはzCaMKPと同様にゼブラフィッシュの初期発生に不可欠であるが、特に中枢神経系の初期発生に必須の役割を果たす酵素であることが強く示唆された(非特許文献9)。
CaMKPやCaMKP-Nの生理的役割の解析には以上述べたような個体レベルでのアプローチ(トランスジェニック、ノックアウトマウス、病態モデル動物)、分子生物学を用いた分子レベルでのアプローチ(部位特異的変位等)も重要であるが、より多彩な系を用いて生理機能を解明するためには、これらの酵素に特異的に作用する制御分子、特に細胞膜透過性を有する低分子阻害剤が必要不可欠である。しかしながら、これまでにCaMKP及びCaMKP-Nと同じPPMファミリーに属するPP2C alphaに阻害作用を示す化合物が報告されているにすぎない(非特許文献10)。CaMKPやCaMKP-NはCaMKの活性制御に密接に関わっていることから、そのような特異的阻害剤はCaMKの制御破綻に起因する様々な疾患や機能不全の治療に有効な手段を提供する可能性がある。
特開2001-333776 Soderling, T. and Stull, J. (2001) Structure and regulation of calcium/calmodulin-dependent protein kinases. Chem. Rev. 101, 2341-2352 Ishida, A., Kameshita, I. and Fujisawa, H. (1998) A novel protein phosphatase that dephosphorylates and regulates Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase II. J. Biol. Chem., 273, 1904-1910. Kitani, T., Ishida, A., Okuno, S., Takeuchi, M., Kameshita, I. and Fujisawa, H. (1999) Molecular cloning of Ca2+/Calmodulin-dependent protein kinase phosphatase. J. Biochem., 125, 1022-1028. Ishida, A., Shigeri, Y., Taniguchi, T., and Kameshita, I. (2003) Protein phosphatases that regulate multifunctional Ca2+/calmodulin-dependent protein kinases: From biochemistry to pharmacology. Pharmacol. Ther. 100, 291-305. 末吉紀行、石田敦彦、亀下勇 (2005) 多機能性Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼを制御するプロテインホスファターゼ 生化学 77, 1317-1326. Nomura,N., Miyajima,N., Sazuka,T., Tanaka,A., Kawarabayasi,Y., Sato,S., Nagase,T., Seki,N., Ishikawa,K. and Tabata,S. (1994) Prediction of the coding sequences of unidentified human genes. I. The coding sequences of 40 new genes (KIAA0001-KIAA0040) deduced by analysis of randomly sampled cDNA clones from human immature myeloid cell line KG-1. DNA Res. 1, 27-35. Takeuchi, M., Ishida, A., Kameshita, I., Kitani, T., Okuno, S. and Fujisawa, H. (2001) Identification and characterization of CaMKP-N, nuclear calmodulin-dependent protein kinase phosphatase. J. Biochem. 130, 833-840. Tada, Y., Nimura, T., Sueyoshi, N., Ishida, A., Shigeri, Y. and Kameshita, I. (2006) Mutational analysis of Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase phosphatase. Arch. Biochem. Biophys. 452, 174-185. Nimura, T., Sueyoshi, N., Ishida, A., Yoshimura, Y., Ito, M., Tokumitsu, H., Shigeri, Y., Nozaki, N. and Kameshita, I. (2007) Knockdown of nuclear Ca2+/Calmodulin-dependent protein kinase phosphatase causes developmental abnormalities in zebrafish. Arch. Biochem. Biophys. 457, 205-216. Rogers, J. P., Beuscher, A. E. IV, Flajolet, M., McAvoy, T., Nairn, A. C., Olson, A. J., and Greengard, P. (2006) Discovery of protein phosphatase 2C inhibitors by virtual screening. J. Med. Chem. 49, 1658-1667.
そこで、本発明は、CaMKP及びCaMKP-Nに特異的に作用する阻害剤を提供することを目的とする。
本発明者は、CaMKPの機能を特異的に阻害する化合物を化合物ライブラリーからスクリーニングしたところ、2つの色素化合物エバンスブルー(Evans Blue)及びシカゴスカイブルー6B(Chicago Sky Blue 6B)がCaMKP及びCaMKP-Nに対して特異的に阻害活性を示すことを見出した。また、本発明者は、オキサミンブルーB(Oxamine Blue B)、アゾブルー(Azo Blue)もCaMKP及びCaMKP-Nに対して特異的に阻害活性を示すことを見出した。また、本発明者は、これら色素の部分構成ユニットである1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸(1-amino-8-naphthol-2,4-disulfonic acid)や1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸(1-amino-8-naphthol-4-sulfonic acid)がCaMKP及びCaMKP-Nに対して特異的に阻害活性を示すことを見出した。
なお、前記エバンスブルーは、以下式(1)で表される化合物を示す。
Figure 0005105348
また、前記シカゴスカイブルー6Bは、以下式(2)で表される化合物を示す。
Figure 0005105348
また、前記オキサミンブルーBは、以下式(3)で表される化合物を示す。
Figure 0005105348
また、前記アゾブルーは、以下式(4)で表される化合物を示す。
Figure 0005105348
また、前記1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸は、以下式(5)で表される化合物を示す。
Figure 0005105348
また、前記1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸は、以下式(6)で表される化合物を示す。
Figure 0005105348
本発明は、以下、阻害剤及び治療剤に関する。
項1. 式(1)〜式(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼホスファターゼ(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase phosphatase(CaMKP))及び/または核局在型のCaMKP(CaMKP-N)の阻害剤。
項2. 式(1)〜式(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を有効成分として含む、CaMKP及び/またはCaMKP-NによるCaMKの不活性化に起因する疾患の治療剤。
本発明者はCaMKPとCaMKP-Nの機能を特異的に阻害する化合物を明らかにするため、種々の化合物について阻害活性を調べたところ、数多くの化合物のうち、式(1)で表される化合物であるエバンスブルー及び式(2)で表される化合物であるシカゴスカイブルー6BがCaMKPの機能を特異的に阻害することを明らかにした。また、本発明者は、エバンスブルー、シカゴスカイブルー6Bの類似化合物である式(3)で表される化合物であるオキサミンブルーB及び式(4)で表される化合物であるアゾブルーもCaMKPの機能を特異的に阻害することを見出した。さらにこれら4つの色素化合物は、CaMKPとホモロジーが高く核に局在しているPPMファミリーであるCaMKP-Nに対しても阻害活性を示すことを明らかにした。同時に、本発明者は、これら4つの化合物がCaMKPとは進化的に異なるファミリーであるPPPファミリーに属するプロテインホスファターゼ、カルシニューリンを全く阻害しないこと、また、CaMKPと同じPPMファミリーに属するPP2C alphaには作用しないことも明らかにした。また実施例5の実験結果より、これらの化合物の細胞膜透過性も良好であることが示唆される。従って、これら4つの化合物は、これまであまり報告のないPPMファミリーのプロテインホスファターゼに対して作用するものであるというだけでなく、PPMファミリー内でもCaMKP/CaMKP-Nに特異的に作用し、しかも細胞膜透過性を有する阻害剤として、極めて有望であると期待される。
これら4つの化合物エバンスブルー、シカゴスカイブルー6B、オキサミンブルーB及びアゾブルーの構造は、大きく分けて、中央部分のユニット、左右の対称なユニットの二つの部分構成ユニットから形成される。そこで、これらの色素化合物のCaMKPへの阻害活性に必要な部分構成ユニットを明らかにするため、エバンスブルーの両端の構造に似た1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸(1-amino-8-naphthol-2,4-disulfonic acid、上前記式(5)で表される化合物)、1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸(1-amino-8-naphthol-4-sulfonic acid、上前記式(6)で表される化合物)、1-ナフトール-5-スルホン酸(1-naphthol-5-sulfonic acid)、4-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸(4-amino-1-naphthalene sulfonic acid)、5-アミノ-1-ナフトール(5-amino-1-naphthol)と、中央の構造に似た3,3’-ジヒドロキシベンジジン(3,3’-dihydroxybenzidine)、3,3’-ジメトキシベンジジン(3,3’-dimetoxybenzidine)、3,3’-ジメチルベンジジンジヒドロクロリド((3,3’- dimethylbenzidine dihydrochloride)を用いて、CaMKP、CaMKP-N及びPP2C alphaの活性測定を行った。その結果、1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸と1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸だけが、CaMKPに対し阻害活性を示した。また、これら二つの部分構成ユニットは、CaMKP-Nに対しても阻害活性を示した。しかし、これらはPP2C alphaには阻害活性を示さなかった。エバンスブルー、ならびにエバンスブルーの両端の構造に似た化合物及び中央の構造に似た化合物の構造を図3に示す。
このように、本発明では、エバンスブルー、シカゴスカイブルー6B、オキサミンブルーB及びアゾブルーのCaMKP及びCaMKP-Nに対する特異的阻害活性の責任部位は、当該化合物群の部分構成ユニット及び当該ユニットと類似の構造を有する化合物のうち、1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸及び1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸の部分であることも明らかにした。これらの知見は特に、今後、更に阻害特異性・膜透過性・阻害活性を高めたより有効な阻害剤をデザインする際に、有用な情報を提供するものと期待される。
PPPファミリーのプロテインホスファターゼに関してはオカダ酸をはじめとして、有効な特異的阻害剤がいくつか報告されており、PPPファミリーのプロテインホスファターゼの生理機能を探る研究に不可欠のツールとなっている。しかしながら、PPMファミリーのプロテインホスファターゼに関しては、上記非特許文献10においてPP2C alphaの阻害剤が報告されており、また例えば、PP2C alphaに阻害活性を示す化合物としては、活性に必須な金属イオンをキレートする各種キレーターを除けば、脱リン酸化酵素に広い阻害活性を示すバナジン酸が、また、CaMKPに関してはヘパリンやNaFのように同様に脱リン酸化酵素に広く阻害活性を示す化合物が報告されているものの、PPPファミリーのプロテインホスファターゼに対する阻害剤ほど多くは報告されていない。そしてこのことが、PPMファミリーホスファターゼの生理機能を探る研究がPPPファミリーに比べて遅れていることの一因ともなっていた。
今回見いだされた一連の化合物及び部分構成ユニットは、同じPPMファミリーでも、これまで活性中心付近の構造が一次構造のレベルでは比較的似ていると考えられていたPP2C alphaには全く作用しない。従ってこれらの化合物はCaMKP/CaMKP-NとPP2C alphaの活性中心の微妙な立体構造上の差異を弁別しているものと考えられる。従って、上記の阻害活性のみられた化合物は、PPMファミリーホスファターゼに特異的であるばかりでなく、PPMファミリーの中でもCaMKP及びCaMKP-Nに特異的であることから、これまで有効な特異的阻害剤がなく、研究が遅れていたCaMKP/CaMKP-N、さらにはPPMファミリーホスファターゼの生理機能解明に役立つことが期待される。よって、本発明は、CaMKP及びCaMKP-Nの機能を特異的に阻害する化合物の用途の一つとして、該化合物を含むCaMKP及びCaMKP-Nの阻害剤を提案するものである。
CaMKIIやCaMKIVなどのCaMKは記憶などの高次神経機能制御や種々の疾患の発症メカニズムに深く関わっていることが知られている。CaMKP及びCaMKP-NはCaMKに作用し、脱リン酸化してこれらを不活性化する。従って、CaMKP及びCaMKP-Nの機能を特異的に阻害できる化合物によれば、CaMKの不活性化を防ぎ、CaMKの制御破綻に起因する各種の疾患並びに障害を治療乃至改善することが可能であると考えられる。実際、Genouxらは、CaMKIIのリン酸化状態を制御するプロテインホスファターゼの一つであるPP1に特異的な阻害タンパク質I-1を遺伝子工学の手法を使って過剰に発現させると、特に加齢マウスにおいて、記憶学習効果が著明に改善されたと報告している(Genoux,D., Haditsch,U., Knobloch,M., Michalon,A., Storm,D. and Mansuy,I. (2002) Protein phosphatase 1 is a molecular constraint on learning and memory. Nature, 418,970-975)。
しかしながら、I-1はタンパク質であるので、薬剤としての使用は困難であり、カリクリンAなど、低分子のPP1阻害剤は通常強い発ガン性を有するので、医薬としての使用は現実的ではない。CaMKP及びCaMKP-NもCaMKIIのリン酸化状態を制御する重要なプロテインホスファターゼであるので、これらに対する特異的阻害剤は、PP1阻害剤と同様の効能を持つ可能性が期待できる。従って本発明は、CaMKP及びCaMKP-Nの機能を特異的に阻害する化合物の用途の一つとして、該化合物を有効成分とするCaMKP及びCaMKP-Nを介するCaMKの不活性化に起因する疾患の治療剤を提案するものである。
CaMKの不活性化に起因する疾患としては、CaMKが不活性化することによって直接乃至は間接的に生じる疾患(障害を含む)を、将来知られ得るものを含めて広く挙げることができる。具体的には、上記のように加齢に伴う高次神経機能の低下や障害に起因する記憶障害(痴呆を含む)等を例示することができるが、これらに制限されない。
このような本発明の阻害剤及び治療剤は、前述するCaMKP及びCaMKP-Nを特異的に阻害する化合物を含むものであればよく、他に許容される担体、並びに緩衝剤,安定化剤,着色剤,保存剤,香料,風味剤又は甘味剤等といった各種の添加剤を配合することについて特に制限するものではない。またこれらの担体や添加剤の種類並びにその配合量は、CaMKP及びCaMKP-Nを特異的に阻害する化合物の阻害活性を妨げるものでなければ、特に制限されず、製剤形態に応じて当業界における常法に従って適宜選択採用される。
さらに、本発明の阻害剤は固形状、半固形状または液体状等のいずれもの形態に調製することができる。例えば固形状阻害剤としては錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末(散剤)または顆粒剤等が、液体状阻害剤としては液剤,懸濁剤または乳剤等が挙げられる。
また、本発明の治療剤は、対象とする疾患の種類や程度に応じて、投与時期、投与経路、投与形態及び投与量などを適宜調整し設計することができ、それらに特に制限されない。例えば、投与形態としては経口投与、非経口投与、局所投与、全身投与などが挙げられ、かかる投与形態に応じて、本発明の治療剤は固形状、半固形状または液体状等のいずれもの形態に調製することができる。例えば固形状製剤としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末(散剤)又は顆粒剤等が挙げられ、また液体状製剤としては、経口用の液剤,懸濁剤,乳剤、並びに注射剤や点滴剤(懸濁剤,乳剤を含む)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
本発明では、以下のアッセイ法によりプロテインホスファターゼの活性を測定した。
(1)CaMKP活性測定
rat CaMKPの基質としてCaMKIIの自己リン酸化部位周辺配列のアミノ酸を模した12個のアミノ酸からなるリン酸化ペプチドpp10(YGGMHRQET(p)VDC)を用いて活性測定を行った。反応液(50μl)は50 mM Tris-HCl(pH 8.0)、2 mM MnCl2、0.1 mM EGTA、0.01% Tween 20、20μM pp10とCaMKPからなっている。反応はrat CaMKPを加えることで開始し、30℃、6分間、反応を行った。その後マラカイトグリーン反応停止液を加え、反応液中の遊離リン酸はマラカイトグリーンアッセイにより測定した(Baykov, A., Evtushenko, O. and Avaeva, S. (1988) A malachite green procedure for orthophosphate determination and its use in alkaline phosphatase-based enzyme immunoassay. Anal. Biochem. 171, 266-270)。
(2)PP2C alphaの活性測定
rat PP2C alphaの活性測定はrat CaMKPの条件を模して行った。2 mM MnCl2の代わりに5 mM MgCl2を使用した。
(3)CaMKP-Nの活性測定
zCaMKP-Nの活性測定はrat CaMKPの条件を模して行った。20μM pp10の代わりに40μM pp10を使用した。
なお、英国トクリス社(http://www.tocris.com/)の化合物ライブラリーをトクリス社から購入した。
本発明では、CaMKP及びCaMKP-Nを特異的に阻害する化合物を以下のようにして決定した。
実施例1:英国トクリス社の化合物ライブラリーからのスクリーニング
トクリス社の化合物ライブラリー合計817種類について、最終濃度が10μM乃至40μMとなるようにそれぞれ酵素反応液に添加し、rat CaMKPとrat PP2C alphaへの影響を調べた。その結果、rat CaMKPを特異的に阻害する化合物が2種類見いだされた。2つの化合物はエバンスブルーとシカゴスカイブルー6Bであった。rat CaMKPに対するIC50値はエバンスブルーは4.1 ± 0.2μM、シカゴスカイブルー6Bは4.1 ± 0.3μMと、ほぼ同程度の阻害活性を示した。両化合物共にrat PP2C alphaへの阻害活性は認められなかった(表1)。
Figure 0005105348
実施例2:エバンスブルーの類似化合物の阻害活性
エバンスブルーやシカゴスカイブルー 6Bの類似化合物でも阻害活性を有しているかどうかを調べるために、オキサミンブルーBとアゾブルーを用いてrat CaMKPとrat PP2C alphaの活性測定を行った。その結果、これら2つの化合物はrat CaMKPに対しては阻害活性を有していたが、rat PP2C alphaはほとんど阻害しなかった。rat CaMKPに対するIC50値はオキサミンブルーは7.9 ±0.3μM、アゾブルーは16.1 ± 1.2μMであった(表1)。
実施例3:エバンスブルーの部分構成ユニットの阻害活性
エバンスブルー、シカゴスカイブルー 6B、オキサミンブルーB及びアゾブルーの色素化合物の構造は、大きく分けて、中央部分のユニット、左右の対称なユニットの二つの部分構成ユニットから形成される。これらの色素化合物のCaMKPへの阻害活性に必要な部分構成ユニットを明らかにする事にした。そこで、エバンスブルーの両端の構造に似た1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸、1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸を用いてrat CaMKPとrat PP2C alphaの活性測定を行った。その結果、これら2つの化合物はいずれもrat CaMKPに対し阻害活性を示した。これらのrat CaMKPに対するIC50値は、1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸は5.2 ± 0.8μM、1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸は3.3 ± 0.2μMであった。一方、rat PP2C alphaに対してはどの化合物も阻害活性を示さなかった。
実施例4:zCaMKP-Nに対する阻害活性
rat CaMKPに相同性が高いzCaMKP-Nを用いて、上記の化合物が阻害活性を示すかどうか調べた。その結果、rat CaMKPの場合と同様に阻害活性を示した(表1)。さらにエバンスブルー、シカゴスカイブルー 6B、オキサミンブルーB及びアゾブルーはrat CaMKPより強くzCaMKP-Nを阻害した。各化合物のzCaMKP-Nに対するIC50値はエバンスブルーは0.9 ± 0.1μM、シカゴスカイブルー 6Bは1.0 ± 0.1μM、オキサミンブルーBは2.2 ± 0.3μM、アゾブルーは3.0 ± 0.3μM、1-アミノ-8-ナフトール-2,4-ジスルホン酸は6.6 ± 0.8μM、1-アミノ-8-ナフトール-4-スルホン酸は3.8 ± 0.8μMであった。
比較例
エバンスブルーの両端の構造に似た1-ナフトール-5-スルホン酸、4-アミノ-1-ナフタレンスルホン酸、5-アミノ-1-ナフトールと、中央の構造に似た3,3’-ジヒドロキシベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジンジヒドロクロリドを用いてrat CaMKPとrat PP2C alphaの活性測定を行った。その結果、これらの化合物はいずれもrat CaMKP及びrat PP2C alphaに対して阻害活性を示さなかった。
さらに、本発明では、次の方法により細胞で発現させたCaMKP-Nに対する阻害活性を評価した。まず、マウス神経芽腫瘍細胞Neuro2aを12ウェルプレートに2x104個播き、10%仔牛血清を含むDMEMで24時間培養した。次に、rat CaMKIVの発現ベクター(0.83μg)と空ベクター(pcDNA3.1(+)/myc-His B, 0.33μg)、もしくはrat CaMKIVの発現ベクター(0.83μg)とzCaMKP-Nの発現ベクター(0.33μg)をLipofectamine 2000を用いて細胞に導入した。24時間後、血清を含まないDMEMに溶解した阻害剤エバンスブルーまたはシカゴスカイブルー6B(それぞれ100μM)で処理し、血清飢餓状態にすると同時に、細胞内に上記の阻害剤を取り込ませた。6時間後に上記培地にさらに1μMのIonomycinを加えたものに置き換えて10分間培養した。培地を除去し、SDSサンプルバッファーで反応を停止させ、タンパク定量後、SDS-PAGEに供した。リン酸化rat CaMKIVは抗リン酸化rat CaMKIV抗体(α-P-rat CaMKIV)を用いたウエスタンブロッティングにより検出した。
実施例5
rat CaMKIVをNeuro2a細胞で発現させてIonomycinを作用させると、カルシウムイオン濃度の上昇によりrat CaMKIVのリン酸化レベルが上昇するが、そこにzCaMKP-Nを共発現させると、rat CaMKIVのリン酸化レベルは有意に低下する(非特許文献9)。そこで、エバンスブルー、シカゴスカイブルー6Bが、細胞レベルでも効果的に作用するかどうか調べた。rat CaMKIVを単独で発現させ、Ionomycin刺激した細胞に比べ、さらにzCaMKP-Nを共発現させた細胞ではrat CaMKIVのリン酸化レベルの低下が確認された(図4、レーン2と5の比較)。一方、rat CaMKIVとzCaMKP-Nを共発現させた細胞にエバンスブルー(図4、レーン6)またはシカゴスカイブルー6B(図4、レーン7)を取り込ませ、Ionomycin刺激すると、これらの阻害剤を添加しないとき(図4、レーン5)と比べてリン酸化レベルが上昇した。また、これらの阻害剤は、rat CaMKIVを単独で発現させてIonomycin刺激したときにCaMKIVのリン酸化レベルに影響を及ぼさなかった(図4、レーン2-4)。これらの結果より、エバンスブルー及びシカゴスカイブルー 6Bはいずれも細胞の中に取り込まれて阻害活性を発揮出来ることが示された。
図1は、ラット、ヒト、ゼブラフィッシュのCaMKPとラットのPP2C alphaの一次構造の比較を示す。 図2は、ヒトCaMKP-N(human CaMKP-N)とゼブラフィッシュCaMKP-N(zCaMKP-N)の一次構造の比較を示す。 図3は、エバンスブルー、ならびにエバンスブルーの両端の構造に似た化合物及び中央の構造に似た化合物の構造を示す。 図4は、CaMKP-Nに対するエバンスブルー及びシカゴスカイブルー6Bの阻害活性を示す。

Claims (1)

  1. 以下、式(1)〜式(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼホスファターゼ(Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase phosphatase(CaMKP))及び/または核局在型のCaMKP(CaMKP-N)の阻害剤、
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