JP5101253B2 - ランダムエラー発生装置、m系列発生回路及びその設計方法 - Google Patents
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Description
ここで、原始元αとは、ガロア体GF(pm)の零元「0」を除く全ての元がαのべき乗によって生成される特別な元を示す。
q(x)=bmxm+bm-1xm-1+、…、+b1x+b0
で表せる。したがって、この多項式は、(2m+1)個存在する。
多項式q(x)=x3+x+1
は、ガロア基礎体GF(p)上の既約多項式である。これは、ガロア基礎体GF(2)の元である「0」と「1」を多項式q(x)に代入して容易に確かめることができる。
q(0)=03+0+1≠0、
q(1)=13+1+1=1≠0
となるから、多項式q(x)の根は「0」でも、「1」でもない。よって、この場合の多項式q(x)はガロア体GF(2)の上で既約多項式である。
専門書や文献等に記載されている原始多項式は3項式または5項式であることが多い。
いずれにせよ、項数が最小である原始多項式p(x)を選んでいる。
原始多項式p(x)=x10+x3+1
のガロア体乗算が完結しない。図16においては、レジスタ2の段数m(=10)回のクロック(CLK)が必要である。したがって、図16のM系列発生回路1を含むランダムエラー発生装置の高速性能が低下することになる。
「2、3、5、7、13、17、19、31、61、89、107、127」
の合計12個存在する。この12個のうちの1つを選択することによって、周期が前記最大長周期(2m―1)である原始多項式p(x)を確実に選択できる。
レジスタの個数m(m=正整数)を3以上に選択設定するレジスタ個数選択ステップと、この選択された数mを次数mとする2元の拡大ガロア体GF(2m)における次数mの全部の原始多項式をデータベースから検索する原始多項式検索ステップと、この検索された複数の原始多項式のうち一つの原始多項式p(x)を選択する原始多項式選択ステップと、
この原始多項式選択ステップで選択された原始多項式の根の1つである元αをデータベースから求める原始元算出ステップと、2元の拡大ガロア体GF(2m)を原始元αのべき乗の級数で表現した場合の2乗以上(k≧2)の指定べき乗値αkを選択する指定べき乗値選択ステップと、
この指定べき乗値選択ステップで選択された指定基準べき乗値αkの前記1番からm番までの各レジスタに帰還される各データ値にガロア体乗算する各指定基準べき乗値αkのべき乗値(αk、αk+1、αk+2、…、αk+m-1)を算出するべき乗値算出ステップと、
クロックが入力する毎に、各レジスタに帰還されるビットデータ値に対してべき乗値(αk)をガロア体乗算するガロア体乗算部を設定するガロア体乗算部設定ステップと、
べき乗値算出ステップで算出された各レジスタに対応するべき乗値(αk、αk+1、αk+2、…、αk+m-1)の桁各レジスタに対応する桁の値が「1」の場合に、該当レジスタからビットデータを前記桁が示すレジスタへガロア体乗算部としての排他的論理和ゲートを介して帰還させる帰還路を作成する帰還路作成ステップとを備えている。
図1は本発明の第1実施形態に係わるM系列発生回路が組込まれたランダムエラー発生装置の概略構成図である。図15に示す従来のランダムエラー発生装置と同一部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
c(x)=cm-1xm-1+cm-2xm-2+…+c1x+c0
y(x)=ym-1xm-1+ym-2xm-2+…+y1x+y0
y(x)=c(x)・v(x)
ここで、全ての多項式の各次の係数は基礎ガロア体GF(2)の元であり、c(x)は定数であるので、基礎ガロア体GF(2)上において、下記係数列は既知である。
したがって、
x0c(x),x1c(x),x2c(x),x3c(x),…、xm-1(x)
を予め計算して、求めておくことができる。
このことは、生成多項式f(x)で表現されるガロア体GF( )の各元の行列Tが定まれば、各レジスタ12にどのレジスタ12の出力を帰還すべきかが一義的に定まることを意味する。言い換えれば、レジスタ12にどのレジスタ12からのビットデータを帰還させるかは、指定べき乗値設定部15から印加されているmビット構成の指定べき乗値(αk)の各桁の「1」又は「0」の値によって定まる。
Y=[y3 y2 y1 y0]
これにより、上述したガロア体乗算「 y(x)=c(x)・v(x) 」の乗算結果y(x)は、下記に示すように、要素数4の行ベクトルVと4×4の行列Tとの積で要素数4の行ベクトルですことが可能である。
次に、元αの指定べき乗値kで得られる生成元(αk)が定数としてガロア体演算部13へ入力される場合を考える。この場合、拡大ガロア体GF(2m)の一つの多項式f(x)の根の一つがαであるので、このαを多項式形式で表現すると、「1」又は「0」の要素数mの行となる。
α2は、このαにαを掛けることによって求める。このようにして、先に求めた値を順番に掛けていって、生成元(αk)の「1」又は「0」の要素数mの行を求める。
そして、変数×定数のm×mのガロア体乗算が必要であるので、前述した手法で、各べき乗値αk、αk+1、αk+2、…、αk+m-1の各多項式形式で表現された「1」又は「0」の要素数mの行を算出する。その結果、前述した(m×m)の行列Tが得られる。
そして、0番から(m―1)番までの各レジスタに帰還される各ビットデータ値にガロア体乗算する各指定べき乗値αkの各べき乗値(αk、αk+1、αk+2、…、αk+m-1)の各レジスタに対応する桁の値が「1」の場合に、該当レジスタ12からビットデータを桁が示すレジスタ12へガロア体乗算部としての排他的論理和ゲート17を介して帰還させる帰還路18が形成される。
そして、この原始多項式p(x)の根の一つである、最大mビット構成の原始元αの指定べき乗kを107に設定している(k=107)。したがって、このM系列発生回路内におけるガロア体乗算部13に印加する指定べき乗値(αk)は、(α107)となる。
図8は本発明の第2実施形態に係わる、図6、図7に示すM系列発生回路の設計者が行う設計手順を示す流れ図である。
この検索された複数の原始多項式p(x)のうちの一つの原始多項式p(x)を選択する。この例では、630個の原始多項式p(x)のうち、5項数の1個の下記の原始多項式p(x)を選択する(S3)。
この選択した原始多項式p(x)の根の一つである原始元αを算出する。具体的には、典型的な原始多項式p(x)の各根である各原始元αは予め算出されていて、コンピュータのデータベースに記憶されており、このデータベースから一つの原始元αを選択する(S4)。
このべき乗kは最大長周期(2m―1)の1/3程度が望ましいが、この例では、最大長周期(2m―1)=8191に対して、約1/20のk=107に設定されている。このように、クロック(CLK)に同期して、順次乗算されるデータを原始元αでなくて指定べき乗値(αk)とすることにより、各レジスタ12に各クロック毎に書込まれるビットデータをよりランダムにできる。
本発明の第3実施形態のM系列発生回路においては、レジスタ12の数m(m=2以上の正整数)を次数mとする2元の拡大ガロア体GF(2m)の複数の多項式のうちの項数が多い多項式の根の一つである元eの2以上(k≧2)の指定べき乗値(ek)をさらにべき乗して配列した周期系列{(α1k)、(α2k)、(α3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)以内である。
図13は、本発明の第4実施形態に係わるランダムエラー発生装置の概略構成を示す図である。図1に示す第1実施形態のランダムエラー発生装置と同一部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
132K+172K=(169+289)K=458×K
となり、回路規模を大幅に縮小できる。
図14は、本発明の第5実施形態に係わるランダムエラー発生装置の概略構成を示す図である。図13に示す第4実施形態のランダムエラー発生装置と同一部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
Claims (9)
- 複数個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力するM系列発生回路と、このM系列発生回路からクロックに同期して並列出力された複数のビットデータが一端に入力され、この入力された複数のビットデータを一つの数値として取込み、この数値が他端に入力された指定誤り率に対応する基準値以下のときエラービットとなるランダムエラー信号を出力する比較器とを備えたランダムエラー発生装置であって、
前記M系列発生回路は、
前記レジスタの数m(m=2以上の正整数)を次数mとするガロア体GF(2m)の複数の原始多項式のうちの項数が多い原始多項式p(x)の一つの根αを2以上(k≧2)の指定べき乗値kでべき乗して得られる元(αk)を生成元(αk)として生成される巡回群{(α1k)、(α2k)、(α3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)であり、
前記クロックが入力する毎に各レジスタから並列出力される複数のビットデータが一端に入力され、前記生成元(αk)が他端に入力され、前記複数のビットデータと前記生成元(αk)との間のガロア体乗算を行い、そのガロア体乗算結果を前記各レジスタに対する各帰還ビットデータとして当該各レジスタへ並列出力する、前記各排他的論理和ゲートを構成するガロア体乗算部を備え
たことを特徴とするランダムエラー発生装置。 - 複数個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力するM系列発生回路と、このM系列発生回路からクロックに同期して並列出力された複数のビットデータが一端に入力され、この入力された複数のビットデータを一つの数値として取込み、この数値が他端に入力された指定誤り率に対応する基準値以下のときエラービットとなるランダムエラー信号を出力する比較器とを備えたランダムエラー発生装置であって、
前記M系列発生回路は、
前記レジスタの数m(m=2以上の正整数)を次数mとするガロア体GF(2m)の原始多項式のうちの項数が多い原始多項式p(x)の一つの根αを2以上(k≧2)の指定べき乗値kでべき乗して得られる元(αk)を生成元(αk)として生成される巡回群{(α1k)、(α2k)、(α3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)であり、
前記クロックが入力する毎に並列出力される複数のビットデータと前記生成元(αk)との間のガロア体乗算によって、各レジスタに記憶されたビットデータの前記排他的論理和ゲートを介した各レジスタに対する帰還路が定まる
ことを特徴とするランダムエラー発生装置。 - 複数個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力する複数のM系列発生回路と、この複数のM系列発生回路における各M系列発生回路からクロックに同期して並列出力された複数のビットデータがそれぞれ入力され、それぞれ入力された複数のビットデータのデータ位置を入れ替えるデータ位置入替回路と、このデータ位置入替回路でデータ位置が入れ替えられた複数のビットデータが一端に入力され、この入力された複数のビットデータを一つの数値として取込み、この数値が他端に入力された指定誤り率に対応する基準値以下のときエラービットとなるビットデータを出力する比較器とを備えたランダムエラー発生装置であって、
前記各M系列発生回路は、
前記レジスタの数m(m=2以上の正整数)を次数mとするガロア体GF(2m)の複数の原始多項式のうちの項数が多い原始多項式p(x)の一つの根αを2以上(k≧2)の指定べき乗値kでべき乗して得られる元(αk)を生成元(αk)として生成される巡回群{(α1k)、(α2k)、(α3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)であり、
前記クロックが入力する毎に各レジスタから並列出力される複数のビットデータが一端に入力され、前記生成元(αk)が他端に入力され、前記複数のビットデータと前記生成元(αk)との間のガロア体乗算を行い、そのガロア体乗算結果を前記各レジスタに対する各帰還ビットデータとして当該各レジスタへ並列出力する、前記各排他的論理和ゲートを構成するガロア体乗算部を備え、
たことを特徴とするランダムエラー発生装置。 - それぞれ互いに素の関係を有したm(m=2以上の正整数)個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力する複数のM系列発生回路と、この複数のM系列発生回路における各M系列発生回路からクロックに同期して並列出力された複数のビットデータが全部のM系列発生回路のビットデータに亘って並列に一端に入力され、この入力された全部のM系列発生回路に亘る複数のビットデータを一つの数値として取込み、この数値が他端に入力された指定誤り率に対応する基準値以下のときエラービットとなるビットデータを出力する比較器とを備えたランダムエラー発生装置であって、
前記各M系列発生回路は、
前記レジスタの数m(m=2以上の正整数)を次数mとするガロア体GF(2m)の複数の原始多項式のうちの項数が多い原始多項式p(x)の一つの根αを2以上(k≧2)の指定べき乗値kでべき乗して得られる元(αk)を生成元(αk)として生成される巡回群{(α1k)、(α2k)、(α3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)であり、
前記クロックが入力する毎に各レジスタから並列出力される複数のビットデータが一端に入力され、前記生成元(αk)が他端に入力され、前記複数のビットデータと前記生成元(αk)との間のガロア体乗算を行い、そのガロア体乗算結果を前記各レジスタに対する各帰還ビットデータとして当該各レジスタへ並列出力する、前記各排他的論理和ゲートを構成するガロア体乗算部を備え、
たことを特徴とするランダムエラー発生装置。 - 前記最大長周期(2m―1)がメルセンヌ素数となるような、前記レジスタ数mが素数に設定されており、前記選択された原始多項式の項数は前記レジスタ数mの半数程度に設定され、前記指定べき乗値αkのべき乗kは前記最大長周期(2m―1)の1/3程度に設定されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載のランダムエラー発生装置。
- 前記各レジスタに擬似乱数値を初期設定する初期設定部を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のランダムエラー発生装置。
- 複数個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力するM系列発生回路であって、
前記レジスタの数m(m=2以上の正整数)を次数mとするガロア体GF(2m)の複数の原始多項式のうちの項数が多い原始多項式p(x)の一つの根αを2以上(k≧2)の指定べき乗値kでべき乗して得られる元(αk)を生成元(αk)として生成される巡回群{(α1k)、(α2k)、(α3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)であり、
前記クロックが入力する毎に各レジスタから並列出力される複数のビットデータが一端に入力され、前記生成元(αk)が他端に入力され、前記複数のビットデータと前記生成元(αk)との間のガロア体乗算を行い、そのガロア体乗算結果を前記各レジスタに対する各帰還ビットデータとして当該各レジスタへ並列出力する、前記各排他的論理和ゲートを構成するガロア体乗算部を備え
たことを特徴とするM系列発生回路。 - 複数個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力するM系列発生回路であって、
前記レジスタの数m(m=2以上の正整数)を次数mとするガロア体GF(2m)の複数の多項式のうちの項数が多い多項式の一つの根eを2以上(k≧2)の指定べき乗値kでべき乗して得られる元(ek)を生成元(ek)として生成される巡回群{(e1k)、(e2k)、(e3k)、…、}の周期が最大長周期(2m―1)以内であり、
前記クロックが入力する毎に各レジスタから並列出力される複数のビットデータが一端に入力され、前記生成元(ek)が他端に入力され、前記複数のビットデータと前記生成元(ek)との間のガロア体乗算を行い、そのガロア体乗算結果を前記各レジスタに対する各帰還ビットデータとして当該各レジスタへ並列出力する、前記各排他的論理和ゲートを構成するガロア体乗算部を備え
たことを特徴とするM系列発生回路。 - 複数個のレジスタを有し、クロックが入力する毎に、各レジスタに記憶された各ビットデータを各レジスタに排他的論理和ゲートを介して帰還させると共に当該各ビットデータを並列に出力するM系列発生回路の設計方法において、
前記レジスタの個数m(m=正整数)を3以上に選択設定するレジスタ個数選択ステップと、
この選択された数mを次数mとする2元の拡大ガロア体GF(2m)における次数mの複数の原始多項式をデータベースから検索する原始多項式検索ステップと、
この検索された複数の原始多項式のうち一つの原始多項式p(x)を選択する原始多項式選択ステップと、
この原始多項式選択ステップで選択された原始多項式の根の一つである原始元αをデータベースから求める原始元算出ステップと、
前記2元の拡大ガロア体GF(2m)を原始元αのべき乗の級数で表現した場合の2乗以上(k≧2)の指定べき乗値αkを選択する指定べき乗値選択ステップと、
この指定べき乗値選択ステップで選択された指定基準べき乗値αkの前記1番からm番までの各レジスタに帰還される各データ値にガロア体乗算する各指定基準べき乗値αkのべき乗値(αk、αk+1、αk+2、…、αk+m-1)を算出するべき乗値算出ステップと、
前記クロックが入力する毎に、前記各レジスタに帰還されるビットデータ値に対して前記べき乗値(αk)をガロア体乗算するガロア体乗算部を設定するガロア体乗算部設定ステップと、
前記べき乗値算出ステップで算出された各レジスタに対応するべき乗値(αk、αk+1、αk+2、…、αk+m-1)の各レジスタに対応する桁の値が「1」の場合に、該当レジスタからビットデータを前記桁が示すレジスタへガロア体乗算部としての排他的論理和ゲートを介して帰還させる帰還路を作成する帰還路作成ステップと
を備えたことを特徴とするM系列発生回路の設計方法。
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