JP5100279B2 - 除振マウント - Google Patents

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Description

本発明は、除振マウントに係り、特に、除振または制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントに関するものである。
従来から、床を通して伝達されてくる外来の振動が精密な機器類に伝わらないように、そのような機器類を、除振機構(除振マウント)を介して、設置するようにした構造が、採用されてきている。特に、精密な測定機器類や制御装置を始め、コンピュータや通信機器に用いられる電子デバイスの回路パターンを形成するIC露光機や、回路パターンを読み取る3次元測定器等のように、1μm以下の精度が問題となる機器類においては、自励振動や外来の振動の影響を阻止する必要性が高く、その為に、床から機器類に伝えられる振動を減衰する除振機構の性能が、機械の性能を左右する重要な要素となることが認められている。
ところで、かかる除振機構としては、一般に、空気ばねを組み込んだ構造のものが、従来から用いられてきている。そこでは、固有振動数が1〜2kHzのダイヤフラム型空気ばねを用いることによって、除振機構の機能は、空気ばねとこの空気ばねに支持される機器類の質量との系によって、実現されるようになっている。そして、この空気ばねを用いることによる利点は、補助タンクを付設し、空気ばねとタンクとの間にオリフィスを入れることで、空気の粘性抵抗による減衰を得ることが出来、固有振動数における共振ピークを低く抑えることが可能となり、外乱による支持荷重の揺れを速やかに吸収することが出来ることであるが、そのような空気ばねには、補助タンクなどの付属装置の設置が必要とされることとなる為に、装置が大型化することとなる問題の他、制御系が複雑となる等により、高価なものとなる問題を内在している。
一方、そのような高価な空気ばね形式のものを用いることなく、垂直方向と水平方向との除振機能を得ることの出来る除振機構として、コイルばねと制振材との組み合わせによる装置(除振マウント)が知られており、例えば特許文献1においては、弾性体としてのコイルばねと、制振材としての円柱状の粘弾性体(エポキシ樹脂)とを組み合わせて用いて、かかる粘弾性体をコイルばねの内側空間内に配置し、そして粘弾性体の両端とコイルばねの両端とにフランジを取り付けて、コイルばねと粘弾性体の複合体に作用する荷重方向の弾性中心を粘弾性体側に包蔵させ、両者を一体に緊締してなる構造が明らかにされ、これを機械器具の防振支持に用いることにより、水平方向(横方向)と垂直方向(縦方向)に加えられる外力に対して、大きな制振効果を得ることが出来ることが、明らかにされている。
しかしながら、それら従来の除振機構において用いられるダイヤフラムや粘弾性体は、何れも、弾性を有する樹脂材質のものであるところから、それらが極低温の環境下において用いられると、その弾性特性や粘弾性特性等の除振に寄与する性能が大きく低下して、それら部材の本来の機能を奏することが困難となる他、それらの耐久性が悪化する等の問題が惹起されるようになる。特に、自然環境下に設置される機器類に伝えられる振動の減衰に用いられる除振機構には、−40℃〜+80℃の範囲の温度に晒されることが予想され、その為に、そのような広い温度範囲において有効な除振機能を奏し得る機構の提供が、望まれているのである。
特開昭63−306285号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にしてなされたものであって、その解決課題とするところは、除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントにおいて、周囲温度の変化により除振特性の影響を殆ど受けることのない、耐久性に優れた除振マウントを提供することにある。
そして、本発明にあっては、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいて採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されるものではなく、明細書全体の記載及び図面から把握される発明思想に基づいて認識されるものであることが、理解されるべきである。
(1) 除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントにして、(a)前記機器と前記ベースの何れか一方に取り付けられる第一の取付部材とそれらの何れか他方に取り付けられる第二の取付部材との間に配されて、該機器の重量を弾性的に支持するコイルばねと、(b)該コイルばねの内側空間内において、前記第一の取付部材から前記第二の取付部材に向かって延びるように一体的に設けられた筒体部と、該筒体部内に摺動可能に嵌挿されて、振動入力に基づくところの前記機器の荷重変化によって摺動せしめられるピストン部材とを含み、それら第一の取付部材と筒体部とピストン部材にて形成される空気室に対する空気の制限された流出入によって、該ピストン部材の摺動を緩和せしめて、入力振動の減衰を図るようにした振動減衰機構と、(c)前記第一の取付部材に設けられた筒体部の内周面に一体的に内挿、配設されて、前記ピストン部材が内孔内を摺動せしめられる摺接スリーブと、)前記ピストン部材と前記第二の取付部材との間に少なくとも一つの球体を配し、それらを該球体を介した点接触構造において当接せしめると共に、それらの対向方向に直角な方向に移動可能に支持させる点支持機構と、()前記ピストン部材と前記第二の取付部材とを常時相互に当接せしめてなる形態において保持し、該点支持機構を介して、該ピストン部材が該第二の取付部材に常に支持されるように構成した当接維持手段とを、有していることを特徴とする除振マウント。
(2) 前記球体が球形磁石にて構成され、該球形磁石に、前記ピストン部材及び前記第二の取付部材が吸着されることにより、前記当接維持手段が構成されている上記態様(1)に記載の除振マウント。
) 前記空気室を外部に連通せしめるオリフィスが設けられ、該オリフィスを通じて、空気の制限された流出入が行なわれるようになっている上記態様(1)又は2)に記載の除振マウント。
) 前記当接維持手段が、前記ピストン部材を前記第二の取付部材に向かって付勢するばね部材にて構成されている上記態様(1)乃至()のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
) 前記ピストン部材側における前記球体の当接面が、該球体よりも大なる半径を有する球面の一部にて構成されている上記態様(1)乃至()のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
) 前記第二の取付部材側における前記球体の当接面が、該球体よりも大なる半径を有する球面の一部にて構成されている上記態様(1)乃至()のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
) 前記点支持機構が、第一の球体と第二の球体を含む球体群を備え、前記第二の取付部材側に当接せしめられる該第一の球体の一つを、一つ又は複数の該第二の球体にて支持せしめるように構成されている上記態様(1)乃至()のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
このような本発明に従う除振マウントにあっては、除振又は制振されるべき機器の重量を弾性的に支持するコイルばねの内側空間内に、振動減衰機構が配設され、そしてそれを構成するピストン部材が、振動入力に基づくところの機器の荷重変化によって摺動せしめられて、そのような機構に形成される空気室に対する空気の制限された流出入を生じさせることにより、空気の粘性抵抗による減衰を発生させ、以て、垂直方向の防振機能が有利に発揮せしめられ得るのである。
しかも、そのような振動減衰機構におけるピストン部材は、それを支持する第二の取付部材との間において、球体を用いた点支持機構において、それらの対向方向に直角な方向に移動可能に支持されていることにより、水平方向の入力振動に対しては、ピストン部材と第二の取付部材との間における、球体を介した点接触構造に基づくところの、適度な転がり抵抗によって、有効な振動減衰作用が発揮され得ることとなる。
従って、本発明に係る除振マウントにおいては、従来の粘弾性体に替わる振動減衰作用が、振動減衰機構と点支持機構とによって発揮せしめられ、そして、それら機構における各部材は、何れも粘弾性特性乃至は弾性特性が必要とされるものではないところから、金属の如き硬質の材質からなる部材を用いることが出来ることとなり、以て、除振マウントの使用環境下において、温度が大きく変化しても、例えばマイナス40℃からプラス80℃に至る大きな温度変化においても、それら振動減衰機構や点支持機構によって実現される機能が損なわれることは殆ど無く、目的とする振動減衰作用を有利に発揮することが出来ることとなったのであり、加えて、そのような大きな温度変化に対しても、それぞれの機構を構成する部材の劣化を殆ど考慮する必要が無く、その耐久性の向上を有利に図り得ることとなったのである。
そして、このような特徴を有する本発明に従う除振マウントは、比較的軽量の機器の支持用として、有利に用いられることとなるのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に従う幾つかの実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う除振マウントの一つのものの概略が、断面形態において示されている。そこにおいて、除振マウント10は、第一の取付部材12と、第二の取付部材14と、それら二つの取付部材の間に配されて、除振又は制振されるべき機器の重量を弾性的に支持するコイルばね16とを含んで、構成されている。そして、第一の取付部材12は、非磁性のステンレススチールを材質として、除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベース、具体的には床面、地面、基礎面等の設置面の何れか一方に取り付けられ、また第二の取付部材14も、同様なステンレススチールを材質として、それらの何れか他方に取り付けられるようになっている。なお、ここでは、かかる第一の取付部材12には、所定の機器に取り付けられ得るように、上方に開口する取付用のねじ穴12aを有する円形凸部13が、下方に所定長さ延び出した形態において一体的に形成されており、また第二の取付部材14にも、所定のベースに取り付けられ得るように、下方に開口する取付用のねじ穴14aが設けられている。また、コイルばね16は、その上端及び下端において、それぞれ第一及び第二の取付部材12,14に固定的に取り付けられて、一体的な除振マウント10として取り扱い得るようになっているが、勿論、自由に離脱可能な形態において取り付けられていても、何等差し支えない。
また、かかる除振マウント10における、コイルばね16の内側空間内に位置するように、第一の取付部材12の下面、換言すれば第二の取付部材14に対向する側の面に対して、非磁性のステンレススチールからなる円筒体18が、一体的に設けられている。そして、この円筒体18内を、その軸方向(図において上下方向)に摺動可能に、非磁性のステンレススチールからなるピストン部材20が、嵌挿されている。なお、かかるピストン部材20の上部には、第一の取付部材12から延び出した円形凸部13の外径よりも僅かに大きな内径を有する、上方に開口した上部凹所20bが、後述する空気室24を与えるように充分な大きさにおいて設けられている。また、円筒体18の内周面には、かかるピストン部材20の上下方向の移動(摺動)が滑らかに行われ得るように、リン青銅等の公知の潤滑性材料からなる、潤滑性に優れた摺接スリーブ22が、一体的に内挿されて、配設されている。かくして、第一の取付部材12と円筒体18(摺接スリーブ22)とピストン部材20にて囲まれるように、空気室24が、円筒体18内に形成されることとなるのであるが、この空気室24は、ここでは、第一の取付部材12とピストン部材20との間の空間24aとピストン部材20の上部凹所20bにて与えられる空間24bとから構成されている。そして、かかる空気室24は、振動入力に基づくところの、搭載機器の荷重変化によって、その内圧を変化させ、更に、それによって、空気室24に対する空気の流出入により、容積を変化せしめて、ピストン部材20が上下方向に移動せしめられ得るようになっているのである。
すなわち、所定の機器が搭載された状態において、機器とそれが設置されるベースとの間に振動が入力すると、第一の取付部材12に作用する機器の荷重が変化するようになるが、そのような荷重変化は、空気室24内の内圧を変化せしめることとなる。而して、空気室24内の空気は、ピストン部材20と摺接スリーブ22との僅かな間隙や第一の取付部材12に別途に設けられたオリフィス26を通じて、制限された量において流出入せしめられ、以て空気の粘性抵抗による減衰が有利に発揮され得ることとなるところから、そのような空気室24の内圧変化に基づくところのピストン部材20の上下方向の移動(摺動)は、制約乃至は緩和されたものとなり、これにより、入力振動の減衰が効果的に図られ得ることとなるのである。従って、ここでは、筒体部としての円筒体18と、ピストン部材20と、円筒体18内に形成される空気室24とを含んで、振動減衰機構が構成されているのである。
また、かかるピストン部材20の下部に設けられた下部凹所20a内には、鉄などの強磁性体材料からなるノックピン形態の当接ロッド28が、所定長さで下方に突出した形態において、ピストン部材20に対して同軸的に立設せしめられており、この当接ロッド28の下端先端面が、球状凸面28aにて構成されている。そして、永久磁石からなる球形磁石30が、かかる当接ロッド28と第二の取付部材14に固定された強磁性体材料製の支持プレート32との間に介装されて、それら当接ロッド28と支持プレート32に吸着乃至は磁着せしめられている。これによって、球形磁石30を介した、当接ロッド28と支持プレート32の点接触構造における当接が実現されると共に、それら当接ロッド28と支持プレート32の、それらの対向方向に直角な方向、換言すれば水平方向に移動可能に支持するようにした点支持機構が、形成されている。
そして、ここでは、ピストン部材20と第二の取付部材14との間の点支持機構を構成する球体として、球形磁石30が用いられているところから、この球形磁石30による磁力(吸引力)によって、ピストン部材20、具体的には当接ロッド28の先端面である球状凸面28aと第二の取付部材14(支持プレート32)の上面に対する当接が、常に確保され得ることとなるのであり、これによって、点支持機構を介して、ピストン部材20が第二の取付部材14に常に支持され得る当接維持手段が、巧みに構成されているのである。
従って、かくの如き構成の除振マウント10にあっては、図において主として上下方向(垂直方向)、即ち円筒体18の軸方向に入力する振動に対しては、振動減衰機構を構成するピストン部材20が、そのような入力振動に基づくところの搭載機器の荷重変化によって摺動せしめられるようになると共に、円筒体18内に形成された空気室24に対する空気の流出入が制限されて、空気の粘性抵抗による減衰作用が発揮せしめられることにより、かかるピストン部材20の摺動が緩和せしめられることとなり、以て、そのような主として上下方向の入力振動の減衰が効果的に図られ得るのである。また、図において左右方向(水平方向)、即ち円筒体18の軸方向に直角な方向の入力振動に対しては、ピストン部材20が、球形磁石30を介して、第二の取付部材14の支持プレート32上に支持されているところから、そのような球形磁石30の転動が惹起されることとなり、そしてその転動に基づくところの転がり抵抗によって、主として、そのような左右方向の入力振動の減衰が効果的に図られ得、以て、除振又は制振されるべき搭載機器とそれが設置されるベースとの間における振動の伝達が、効果的に抑制乃至は阻止され得ることとなるのである。
しかも、そのような除振マウント10における除振又は制振の機構は、かかる除振マウント10の設置される周囲温度(環境温度)が、マイナス40℃からプラス80℃に至る広い温度領域においても、殆ど影響を受けることがないものであり、また、その構成部材も、金属の如き硬質の剛性材質にて形成され、従来の除振マウントにおける如きゴム材質のものや粘弾性体を用いたものではないところから、前記した広い温度範囲において、その材質乃至は特性が変化することはなく、従って所期の除振乃至は制振特性が有利に発揮せしめられ得ると共に、それら構成部材の耐久性が向上され、ひいては除振マウント10全体としての寿命の向上が有利に図られ得るのである。
さらに、この図1に示される除振マウント10では、ピストン部材20の上部凹所20bの内径が第一の取付部材12の円形凸部13の外径よりも僅かに大きくされていることによって、かかる上部凹所20b内に円形凸部13が突入せしめられる際に上部凹所20b(空間24b)内からの空気の流出抵抗が惹起されるようになっているところから、大きな振動の入力によって急激な荷重変化が生じたときに、それに基づくところのピストン部材20の変位に対する有効な緩衝作用が発揮され得ることとなり、これによって第一の取付部材12とピストン部材20との緩衝が有利に回避され得るようになっている。
ところで、かかる除振マウント10にあっては、摺接スリーブ22が、非磁性体であるリン青銅材質とされて、ピストン部材20に対して、球形磁石30の磁力が有効に作用せしめられるようにして、かかるピストン部材20の当接保持が有効に為され得るように配慮されているが、更にそのような作用・効果をより一層有利に享受すべく、摺接スリーブ22に加えて、ピストン部材20、円筒体18、第一の取付部材12、更にはコイルばね16等を非磁性体にて形成することも可能であり、更にその際、非磁性体として、公知の硬質の樹脂を用いることも可能である。
また、本発明に従う除振マウントは、上記の外、図2に示される如き構成とすることも可能である。即ち、図2に示される除振マウント40は、ピストン部材20を、大小二つの球形磁石42,44にて、第二の取付部材14の支持プレート32に対して、点接触構造において点支持せしめていると共に、それら二つの球形磁石42,44の吸引力にて、ピストン部材20と支持プレート32を常時相互に当接、保持するようにしている以外は、図1に示される除振マウント10と同様な構成とされているのである。
具体的には、大径の球形磁石42が、ピストン部材20の下部に設けられた、下面に開口する下部凹所20a内に嵌入されて、吸着乃至は保持されると共に、この大径の球形磁石42に対して、小径の球形磁石44が吸着されてなる形態において、かかる小径の球形磁石44が第二の取付部材14の支持プレート32に対して吸着せしめられ、以てそれら二つの球形磁石42,44を介して、ピストン部材20が、第二の取付部材14に対して点接触構造において点支持され、且つ、常に相互に当接せしめられてなる形態において支持されるようになっているのである。なお、ここでは、摺接スリーブ22は、鉄系の潤滑性材料にて形成されている。また、その他の構成は、図1に示される除振マウント10と同様である為、同一の符号を付して、詳細な説明は省略することとする。
このような構成の除振マウント40にあっても、ピストン部材20が、大小二つの球形磁石、特に小径の球形磁石44を介して、第二の取付部材14に点接触構造において点支持され、且つ常時相互に当接した形態において、保持されることとなるところから、ピストン部材20の垂直方向の摺動に基づくところの振動減衰作用と、小径の球形磁石44の転動に基づくところの転がり抵抗による振動減衰作用とが、それぞれ有効に発揮され得ることとなるのである。
さらに、本発明は、図3に示される如き構成の除振マウント50として実現することも可能である。そこにおいては、ピストン部材20を第二の取付部材14に対して点接触構造において当接支持する転動可能な球体として、先の図1や図2に示される球形磁石30,42,44とは異なり、吸引力を有しない通常の鋼球52が用いられ、この鋼球52がピストン部材20の下部に設けられた下部凹所20a内に収容された形態において、第二の取付部材14の支持プレート32上に配置されている。従って、ピストン部材20は、鋼球52の介在により、支持プレート32に対して点接触構造において点支持され、且つ鋼球52の転動により、図において左右方向(水平方向)に移動可能とされている。
また、ピストン部材20の上部凹所20b内に収容された形態において、第一の取付部材12とピストン部材20との間に、付勢用コイルスプリング54が介装されており、第一の取付部材12に対して所定の機器が搭載されて取り付けられた時に、ピストン部材20に対して、図において下方に向かう付勢力を作用せしめ、以てピストン部材20と第二の取付部材14における支持プレート32とを、鋼球52を介して、常時相互に当接せしめるようになっており、また、ピストン部材20が、第二の取付部材14に常に支持され得るようになっているのである。要するに、ここでは、付勢用コイルスプリング54が、ピストン部材20と第二の取付部材14との当接維持手段として、用いられているのである。
従って、そのような構造の除振マウント50にあっては、振動入力時におけるピストン部材20の上下方向の摺動や鋼球52の左右方向の転動も、先の二つの除振マウント10,40と同様に実現され得ることとなるのであり、以て、所定の機器とそれが設置されるベースとの間における振動の伝達が、効果的に抑制乃至は阻止され得るのである。
なお、図3に示される除振マウント50は、また、図4に示される如き構造の除振マウント60として構成することが可能である。そこでは、1個の鋼球52に代えて、公知のボール・ベアリング装置62が、ピストン部材20と第二の取付部材14(即ち支持プレート32)との間に配設されて、かかるピストン部材20が左右方向に移動可能に点支持せしめられるようになっている。具体的には、ボール・ベアリング装置62は、よく知られているように、1個の大球64を多数の小球66にて受けるようにした構造を有し、該大球64が支持プレート32に当接して、転動し得るように、ピストン部材20に取り付けられているのである。これにより、ピストン部材20の左右方向(水平方向)の移動が更にスムーズに行われ得ることとなり、以て、当接方向における振動減衰の向上に有効に寄与し得ることとなる。なお、ここで用いられるボール・ベアリング装置62としては、公知のものが適宜に選択され、例えばISBボールベアー((株)井口機工製作所)等として市販されているものを利用することが出来る。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、上述した実施形態においては、球体としての球形磁石30,42,44や鋼球52は、ピストン部材20側において、球状凸面28a(42)や球状凹面20cにて、点接触形態において受けられる一方、支持プレート32側においては、平坦面で受ける構造とされているが、これに変えて、支持プレート32側においても、球状凹面にて受けるように構成することも可能であり、その一例が、図5に示されている。
すなわち、図5においては、ピストン部材20の下部凹所20aの底面が、球状凹面20cとされている一方、支持プレート32の上面にも、球形凹面32aが設けられているのである。そして、それら二つの球形凹面20c,32aにて挟まれるように、鋼球52が介在せしめられていることにより、ピストン部材20と支持プレート32とが、点接触構造において当接、支持せしめられるようになっているのである。なお、それら球状凹面20c,32aは、何れも、鋼球52の半径よりも大なる半径を有する球面とされており、これによって、鋼球52の転動が可能とされていると共に、それら球状凹面20c,32aの中心と鋼球52の中心とが一致するように、更には鋼球52の中心がピストン部材20や円筒体18の軸上に位置するように、配慮されている。
また、例示の実施形態のものにおいては、何れも、円筒体18の内周面に摺接スリーブ22が内挿されて一体化され、以て、ピストン部材20の円筒体18の軸方向の摺動が円滑に行われ得るようになっているが、勿論、円筒体18の内面が充分に摺動性の優れた面として構成されているならば、円筒体18に対して、直接に、ピストン部材20を、その軸方向に摺動可能に内挿させてなる構成も、採用可能である。
さらに、空気室24に対する空気の出入り(流出入)は、ピストン部材20と摺接スリーブ22(円筒体18)との間の隙間及び/又は別途に設けられたオリフィス26によって、制限されることとなるが、そのような隙間の大きさやオリフィス26の径は、目的とする振動減衰作用を発揮させ得るに適したピストン部材20の動き(摺動)の緩和の程度に応じて、適宜に選定され得るものである。なお、ここで、オリフィス26は、例示の如く、第一の取付部材12に設けられる他、円筒体18やピストン部材20に設けることも可能である。加えて、球形磁石30,42,44の磁力(吸引力)の大きさや、付勢用コイルスプリング54の付勢力の大きさにあっても、ピストン部材20と第二の取付部材14とが常時相互に当接し得ると共に、それらの間に介装される球体の転動による振動減衰作用が有効に発揮され得るように、適宜に選定されることとなる。
更にまた、本発明においては、例示の如く、第一の取付部材12を所定の機器に、そして第二の取付部材14をベースに取り付ける場合の他、その逆の取付形態を採用することも可能である。
なお、本発明に従う除振マウントは、一般に、負担荷重が10kg程度以下、望ましくは5kg程度以下となる、比較的軽量の機器に対する支持用マウントとして、有利に用いられ得るものであるところから、そのような搭載機器の重量を弾性的に支持するコイルばね16にあっても、そのような負担荷重に適した細い線材からなるコイルばねが、適宜に選定されることとなる。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う除振マウントの一例を示す断面説明図である。 本発明に従う除振マウントの他の一例を示す断面説明図である。 本発明に従う除振マウントの更に別の一例を示す断面説明図である。 本発明に従う除振マウントの他の異なる一例を示す断面説明図である。 ピストン部材と第二の取付部材との間に介装される球体の配設形態の変形例 を示す部分拡大断面説明図である。
符号の説明
10,40,50,60 除振マウント 12 第一の取付部材
14 第二の取付部材 12a,14a 取付用のねじ穴
16 コイルばね 18 円筒体
20 ピストン部材 20a 下部凹所
20b 上部凹所 20c,32a 球形凹面
22 摺接スリーブ 24 空気室
26 オリフィス 28 当接ロッド
28a 球状凸面 30,42,44 球形磁石
32 支持プレート 52 鋼球
54 付勢用コイルスプリング 62 ボール・ベアリング装置
64 大球 66 小球

Claims (7)

  1. 除振又は制振されるべき機器とそれが設置されるベースとの間に介装されて、それらの間における振動の伝達を抑制乃至は阻止するようにした除振マウントにして、
    前記機器と前記ベースの何れか一方に取り付けられる第一の取付部材とそれらの何れか他方に取り付けられる第二の取付部材との間に配されて、該機器の重量を弾性的に支持するコイルばねと、
    該コイルばねの内側空間内において、前記第一の取付部材から前記第二の取付部材に向かって延びるように一体的に設けられた筒体部と、該筒体部内に摺動可能に嵌挿されて、振動入力に基づくところの前記機器の荷重変化によって摺動せしめられるピストン部材とを含み、それら第一の取付部材と筒体部とピストン部材にて形成される空気室に対する空気の制限された流出入によって、該ピストン部材の摺動を緩和せしめて、入力振動の減衰を図るようにした振動減衰機構と、
    前記第一の取付部材に設けられた筒体部の内周面に一体的に内挿、配設されて、前記ピストン部材が内孔内を摺動せしめられる摺接スリーブと、
    前記ピストン部材と前記第二の取付部材との間に少なくとも一つの球体を配し、それらを該球体を介した点接触構造において当接せしめると共に、それらの対向方向に直角な方向に移動可能に支持させる点支持機構と、
    前記ピストン部材と前記第二の取付部材とを常時相互に当接せしめてなる形態において保持し、該点支持機構を介して、該ピストン部材が該第二の取付部材に常に支持されるように構成した当接維持手段とを、
    有していることを特徴とする除振マウント。
  2. 前記球体が球形磁石にて構成され、該球形磁石に、前記ピストン部材及び前記第二の取付部材が吸着されることにより、前記当接維持手段が構成されている請求項1に記載の除振マウント。
  3. 前記空気室を外部に連通せしめるオリフィスが設けられ、該オリフィスを通じて、空気の制限された流出入が行なわれるようになっている請求項1又は請求項2に記載の除振マウント。
  4. 前記当接維持手段が、前記ピストン部材を前記第二の取付部材に向かって付勢するばね部材にて構成されている請求項1乃至請求項のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
  5. 前記ピストン部材側における前記球体の当接面が、該球体よりも大なる半径を有する球面の一部にて構成されている請求項1乃至請求項のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
  6. 前記第二の取付部材側における前記球体の当接面が、該球体よりも大なる半径を有する球面の一部にて構成されている請求項1乃至請求項のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
  7. 前記点支持機構が、第一の球体と第二の球体を含む球体群を備え、前記第二の取付部材側に当接せしめられる該第一の球体の一つを、一つ又は複数の該第二の球体にて支持せしめるように構成されている請求項1乃至請求項のうちの何れか一つに記載の除振マウント。
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