JP5093752B2 - 需要量予測装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、曜日などに依存して需要量が変化する物品の供給量に係るデータを適正に分類し、分類したデータを用いて未来の物品における合計需要量の上限値を予測する需要量予測装置及びコンピュータプログラムに関する。
商品を販売する小売業においては、品切れによる商品の欠品が生じないように、また過剰な在庫を発生させないように、適切なタイミングと発注量で商品を発注できるような在庫管理方法の構築が望まれている。こうした在庫管理は、適切な時期に適当な量を発注及び補充することが重要であり、これらは現時点での在庫数や、需要の将来予測値を元にして決定される。
一つの例として、図9は、ある商品に関し、発注前と発注後における在庫数の経時的な推移をグラフで示したものである。ここでは説明のために、途中の納品・入荷や、季節性(季節指数)や、次回納品前の欠品や、隠し在庫がないものと仮定する。図9において、実線は現時点での初期在庫数から、途中で発注や納品が一切行なわれなかった場合に予測される発注前の在庫数の推移を示している。また、同図における波線は、今回発注日による発注を受けて、次回の納品日に所定の発注数で入荷が行なわれる場合に予測される発注後の在庫数の推移を示している。制御要素として操作量となる発注量は、次回の発注日に対応した次々回の納品日時点で、前記発注前の在庫数がどの程度不足するのかを示す表わす欠品数になる。また、制御要素として操作時刻となる発注タイミングは、次々回の納品日に、前記発注後の在庫数が零になる欠品が予測される時に設定される。
図10は、図9に示す発注前の在庫数の推移を示したものであるが、ここで予測される販売量は、今回の発注日から次々回の納品日までの在庫数の変動すなわち販売数量となる。需要の予測値は、欠品や過剰な在庫を生じないような安全分を見込んで予測される。
従来知られている需要量の予測装置として、例えば特許文献1には、定量的に出荷がある商品のみならず、非定量的に出荷がある商品に対しても、出荷予測値を補正して発注数量を調整することができる発注数量計算装置が開示されている。また、別な特許文献2には、商品の属するカテゴリ毎に平均在庫週数を求め、そのカテゴリにおける平均在庫週数が、当該カテゴリの属する部門の目標在庫週数よりも大きい場合は過剰在庫として、逆に小さい場合は過小在庫として、各商品の目標在庫週数を平準化する自動発注勧告装置が開示されている。さらに特許文献3には、販売戦略,在庫状況,又はキャンペーンなどに応じて、平均販売量の何倍の販売量を見込むかをキャンペーン係数として導入し、特売などの特殊条件に応じて最適な在庫量や発注量を指示する発注指示システムが開示されている。
しかし、これらの特許文献1〜特許文献3に記載されたものは、商品のライフサイクルが短く、且つ商品の需要に強い曜日依存性がある業種への適用を考えた時に、日次需要の曜日変動を考慮した需要量の予測を行なうことができない。
一方、日次需要の曜日変動を考慮した需要量予測装置は、例えば特許文献4や特許文献5に開示されている。特許文献4では、今回の発注日から次回の発注日までの発注による納品日までの日数をd日としたときに、発注日から各d(=1〜d)日間に販売される商品の需要量を予測する計算処理手段を備えている。また特許文献5では、例えば平日,土曜,及び日曜などの需要水準が類似するグループ毎に、販売量に係るデータを区分し、日別の需要量が各々独立な正規分布に従うと仮定して、各データ群に属する日別の需要量の平均と分散の推定値から、需要量の上限を予測する手法が提案されている。
ところで、従来例における需要量の予測方法は、統計学的視点に基づくものと、時系列解析の概念を用いたものとに大別される。統計学的アプローチとしては、前述した特許文献5のように、日別の需要量が正規分布に従うと仮定する古典的な方法の他に、正規分布以外の様々な分布関数を仮定するものや、特定の分布関数に依存しない系への拡張を行ない、予測の信頼性や頑健性を高めたものが知られている。一方、時系列解析に基づくアプローチでは、需要モデルとしてAR(自己回帰)モデルを用いたものをベースに、季節性を有する場合の需要に対応できるように拡張したSARIMA(季節自己回帰移動平均)モデルに基づく方法などが提案されている。
統計学的アプローチによる方法は、パラメータ推定に要するデータのサンプル数が、比較的少ないという利点があるものの、需要の周期性やトレンドの変化など、時間軸からみた需要の規則性を考慮するのが難しい。それに対して、時系列解析に基づくアプローチは、時間軸の視点での性質を取り込むのには適しているが、パラメータ推定や販売量の予測に必要なサンプル数が多く、販売開始後直ぐに稼動できない虞れがあり、また元データに異常値が含まれる場合などに、十分な予測精度を確保できない難点がある。
ここで、統計学的アプローチによる従来の方法について簡単に説明する。需要量の周期性を考慮しない最も単純な場合を想定すると、日別の需要量は、μを平均とし、σを分散として、正規分布N(μ,σ)にそれぞれ独立に従うものと仮定する。また、販売数の実績値すなわち販売実績値をx(但し、tは日付を表わす独立変数で、本日はt=tとする)とすると、過去p日分の販売実績値を用いて、日別の需要量の平均μ及び分散σを、次のように推定することができる。
なお、各数式中において、記号の上に付したハット(^)は推定量を意味するもので、数式以外では、便宜的に記号の後にハットを記す。
発注から納品までの納品リードタイム期間中の合計需要量は、正規分布の加法性を利用して予測することができる。すなわち、納品リードタイムをkとしたときに、当該期間中における需要量の合計は、正規分布N(k・μ,k・σ)に従う。納品リードタイム期間中の需要量が、過去の平均需要量よりも多い場合にも欠品を生じないようにするためには、当該期間中における合計需要量の上限値Dを見積もることが重要である。従来は、納品リードタイム期間中における合計需要量の上限値Dを、次のように予測することを提案している。
但し、Fは安全係数、αは危険率である。実用上は、危険率α={0.01,0.05,0.1}の何れかが用いられ、また安全係数Fは、正規分布の上側1−α/2パーセントの点での値(確率変数)が使用される。したがって、危険率αを特定すれば、安全係数Fは標準正規分布表から簡単に決定できる。
上式による上限値Dの算出は、需要に周期性があまり伴わないような場合に、実用上十分な予測精度を得ることができる。しかし、商品のライフサイクルが短く、かつ需要が曜日によって大きく変動するような業種では、過剰在庫となりやすい。そこで、特許文献5では、需要の曜日依存性を考慮するために、需要水準が近い曜日どうしを、同じデータ群として一つのグループにまとめ、各グループ毎に需要分布の推定と予測を行なう方法を提案している。例えば、月曜〜金曜の平日のデータ群をグループ1とし、土曜日のデータ群をグループ2とし、日曜日のデータ群をグループ3として、日々の販売実績値(販売データ)を三つのグループに分割し、日別の需要がそれぞれのグループで正規分布N(μ,σ ),N(μ,σ ),N(μ,σ )に独立に従うと仮定して、上記数16を用いて、それぞれのグループに属する日別需要量の平均と分散を推定する。納品リードタイムをkとし、当該期間中のグループ1〜3に属する日数が、それぞれk,k,kであるとすると(k=k+k+k)、納品リードタイム期間中における合計需要量の上限値Dは、次の式にて予測できる。
特開平11−306251号公報 特開2006−293514号公報 特開2007−200185号公報 特開2006−18777号公報 特開2006−119932号公報
上記数18による需要量の上限値予測手法は、平日・土曜・日曜の販売実績値が異なる母集団からの標本であるとみなし、それぞれの分布のパラメータである平均や分散を別々に推定しており、時系列解析に基づくアプローチを利用した場合と比較して、推定に必要なサンプル数が少なく済む。しかし、各グループに属するデータが二サンプル以上必要であることから、例えば平日・土曜・日曜の三グループに分ける場合には、パラメータの推定に少なくとも二週間分以上の販売実績値が必要になる。これは、数17における上限値Dの算出方法と比較すると、新たな商品を投入した後に、上限値Dを算出するアルゴリズムが適用可能になるまでの期間が長くなり、特にライフサイクルの短い商品を取り扱う業種において、新製品の導入後に、早い段階から納品ロードタイム期間中の合計需要量の上限値や、同期間中の在庫推移を予測したいという要望に応えられなかった。
本発明は上記の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、新たな物品の導入後に、早い段階から所定期間中の合計需要量の上限値を算出することが可能な需要量予測装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明は、過去の複数の時点それぞれでの物品の供給数に基づいて、未来の所定区間中における合計需要量の上限値を予測する需要量予測装置において、
過去の各時点での物品の供給数を、当該過去の各時点に応じたデータ群の何れかに含まれるように分類して記憶すると共に、前記未来の所定区間を構成する未来の各時点で予測される物品の供給数が、前記データ群の何れに属するのかを記憶する記憶手段と、
前記過去の各時点の数をp,前記データ群の数をl,現時点をtとして、或る時点tにおける前記物品の供給数xが、一時点あたりの需要量の平均に相当するパラメータμと、前記過去の各時点が前記データ群の何れに含まれるかで決定されるダミー変数zと、モデル化誤差vとにより、次の線形回帰モデルで表わされるとして(但し、Tは転置行列を意味する)、前記記憶手段に記憶される各時点での物品の供給数xt0−1,xt0−2,…xt0−pを各要素とした行列Xと、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれについて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれているか否かで値が決定される前記ダミー変数Zitを各要素とした行列Zとにより、前記パラメータμを推定するパラメータ推定手段と、
前記推定パラメータμ^の値と、前記物品の供給数xと、前記ダミー変数zと、前記過去の各時点の数pとから、次の式により標本分散sを算出する標本分散算出手段と、
前記未来の各時点が前記データ群に属するのかを前記記憶手段から読み込み、i(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれる未来の時点数をkとして、次の式に示す説明変数kの値を決定する説明変数決定手段と、
前記推定パラメータμ^の値と、前記標本分散sと、前記説明変数kの値と、前記行列Zとにより、次の式により前記合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出手段と(但し、Tp−1,1−α/2は、自由度p−1のt分布に対する上側1−α/2パーセント点の値であり、αは危険率である)、
を備えている。
この場合の前記パラメータ推定手段は、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれにおいて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれていれば、前記ダミー変数Zitの値を1にし、そうでなければ前記ダミー変数Zitの値を0にすると共に、これらのダミー変数Zitによって、次の式にて行列Zの各要素を設定するものであることを特徴とする。
また前記データ群は、暦に依存して前記過去の各時点にそれぞれ与えられる第1データ群と、暦に依存することなく突発的に与えられる第2データ群からなり、
前記過去の各時点において、第2データ群が存在する場合には当該第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には前記第1データ群を割り当てるように構成される。
そして、前記未来の時点で前記第2データ群が存在する場合に、当該第2データ群が存在する前記過去の時点を含むように、この過去の各時点の数pを可変させる構成とするのが好ましい。
本発明は、過去の各時点での物品の供給数を、当該過去の各時点に応じたデータ群の何れかに含まれるように分類して記憶すると共に、未来の所定区間を構成する未来の各時点で予測される物品の供給数が、前記データ群の何れに属するのかを記憶するコンピュータに、前記過去の複数の時点それぞれでの物品の供給数に基づいて、前記未来の所定区間中における合計需要量の上限値を予測させるコンピュータプログラムであって、
前記過去の各時点の数をp,前記データ群の数をl,現時点をtとして、或る時点tにおける前記物品の供給数xが、一時点あたりの需要量の平均に相当するパラメータμと、前記過去の各時点が前記データ群の何れに含まれるかで決定されるダミー変数zと、モデル化誤差vとにより、次の線形回帰モデルで表わされるとして(但し、Tは転置行列を意味する)、前記コンピュータに記憶した各時点での物品の供給数xt0−1,xt0−2,…xt0−pを各要素とした行列Xと、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれについて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれているか否かで値が決定される前記ダミー変数Zitを各要素とした行列Zとにより、前記パラメータμを推定するパラメータ推定手順と、
前記推定パラメータμ^の値と、前記物品の供給数xと、前記ダミー変数zと、前記過去の各時点の数pとから、次の式により標本分散sを算出する標本分散算出手順と、
前記未来の各時点が前記データ群に属するのかを読み込み、i(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれる未来の時点数をkとして、次の式に示す説明変数kの値を決定する説明変数決定手順と、
前記推定パラメータμ^の値と、前記標本分散sと、前記説明変数kの値と、前記行列Zとにより、次の式により前記合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出手順と(但し、Tp−1,1−α/2は、自由度p−1のt分布に対する上側1−α/2パーセント点の値であり、αは危険率である)、
を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
この場合の前記パラメータ推定手順は、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれにおいて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれていれば、前記ダミー変数Zitの値を1にし、そうでなければ前記ダミー変数Zitの値を0にすると共に、これらのダミー変数Zitによって、次の式にて行列Zの各要素を設定する。
また前記データ群は、暦に依存して前記過去の各時点にそれぞれ与えられる第1データ群と、暦に依存することなく突発的に与えられる第2データ群からなり、
前記過去の各時点において、第2データ群が存在する場合には当該第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には前記第1データ群を割り当てるようになっている。
そして、前記未来の時点で前記第2データ群が存在する場合に、当該第2データ群が存在する前記過去の時点を含むように、この過去の各時点の数pを可変させるのが好ましい。
請求項1の装置及び請求項のコンピュータプログラムによれば、需要量が暦に依存して周期的若しくは非周期的に変動するのを考慮して、過去の各時点での物品の供給数と、未来の各時点で予測される物品の供給数が、どのデータ群に属するのかを記憶したものにおいて、データ群毎に母分散の推定を行なうのではなく、データ群全体の標本分散sを用いることで、推定や予測に必要とされる過去の各時点での物品の供給数のサンプル数を少なくしつつ、未来の所定区間中における合計需要量の上限値を算出することができる。そのため、少なくとも各データ群に属する過去の各時点での物品の供給数が、一サンプルずつあればよく、需要の変化に対して素早く追従することができ、新たな物品の導入後に、早い段階から所定期間中の合計需要量の上限値を算出することが可能になる。
請求項2の装置及び請求項のコンピュータプログラムによれば、行列Zの各要素となるダミー変数Zitは、過去の各時点のそれぞれにおいて、時点tがi番目の前記データ群に含まれているか否かで、1または0の値を取る。そのため、簡単な処理で各ダミー変数Zitの値を設定できる。
請求項3の装置及び請求項のコンピュータプログラムによれば、曜日や祝日などのように、暦に依存した需要特性である第1データ群の他に、特売やフェアなどのように、どの第1データ群にも属さないような暦に依存しない特殊な条件である第2データ群を考慮し、過去の各時点において、第2データ群が存在する場合には当該第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には第1データ群を割り当てるようにすれば、特殊な条件に対しても、第2データ群に基づく新たなダミー変数を追加することで柔軟に対応することができる。
請求項4の装置及び請求項のコンピュータプログラムによれば、未来の或る時点で第2データ群に関連した突発的な需要変動が見込まれる場合、同じ突発的な需要変動が生じた過去の時点における物品の供給数を、意図的にサンプルとして取り入れるようにすることで、こうした突発的な需要変動を考慮した所定期間中の合計需要量の上限値を、正しく予測することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明における好適な実施例を詳細に説明する。前提条件として、以下の記述では店舗で物品を販売(供給)する小売業で、本発明に係る物品である商品の発注を行なう場合を想定して説明する。なお、本実施例で適応対象業種となるのは、アイテム(SKU;Stock Keeping Unit)数が非常に多く、全商品の人的管理がほぼ不可能な、多品種少量での在庫コントロール調整を必要とする小売業であるが、同様の特徴を有する他業種にも適用可能である。また、ここでは1SKU当りの在庫保管スペースが小さく、日々の需要には大きな変動があり、且つ決められた時期にしか発注できない状況を想定している。このような制約条件は、100円ショップ,DIY,生活雑貨店の他に、コンビニエンスストア関連の業種でも多く見受けられ、商品の単価は比較的低いものの、競合する他社でも類似或いは同一の商品を入手できることが多い。従って、殆どの商品について、バックオーダー(入荷待ち)は許容できず、欠品の発生時には、販売機会のロスにつながることが多い。さらに、商品のライフサイクルは、数ヶ月から最大でも一年程度であると共に、曜日によって需要水準が異なり、短期の周期的変動がある状況を想定している。また、発注可能な回数は、一週間に1回〜3回程度を想定している。
図1は、本発明における物品の発注量決定装置1の機能構成を示すブロック図である。同図において、ここでの発注量決定装置1は、コンピュータを用いて構成されており、各種の演算処理を行なう演算部としてのCPU11と、CPU11の演算処理に伴って発生する一時的な情報を記憶するRAM12と、CD−ROMドライブ等の外部記憶装置13と、ハードディスク等の記憶部としての内部記憶装置14とを備えている。CPU11は、CD−ROM等の記録媒体2から本発明のコンピュータプログラム20を外部記憶装置13にて読み取り、読み取ったコンピュータプログラム20を内部記憶装置14に記憶させる。コンピュータプログラム20は必要に応じて内部記憶装置14からRAM12へロードされ、ロードされたコンピュータプログラム20に基づいて、CPU11が発注量決定装置1に必要な処理を実行するようになっている。
なお、本実施例におけるコンピュータプログラム20は、発注量決定装置1に接続された図示しない他のサーバ装置から発注量決定装置1へロードされて、内部記憶装置14に記憶される形態であってもよい。
また発注量決定装置1は、外部からのデータの入力を受け付ける入力部15と、外部へデータを出力する出力部16とを備えている。入力部15は、使用者の操作によりデータを受け付けるキーボード等の受付装置、または図示しない外部の機器から送信されるデータを受信するインタフェースである。出力部16は、処理結果を表示するディスプレイ装置、処理結果を出力するプリンタ装置、または図示しない外部の機器へ処理結果を送信するインタフェースである。
ここで、図2をも参照しながら、内部記憶装置14のデータ構造をより詳細に説明する。内部記憶装置14は、店舗で販売する商品の基本情報を記録した商品マスタ14aを記憶している。具体的には、この商品マスタ14aは、商品を個別に特定付ける識別子としてのPOSコードと、商品の名称である商品名と、商品の仕入単価と、商品がどのような種類に属するのかを階層的(例えば、大分類,中分類,小分類)に特定付ける分類コードと、商品の販売開始日及び販売終了日と、後述する予測計算アルゴリズムを、簡便法若しくは詳細法の何れで行なうのかを設定する予測方式と、商品毎に設定される前記危険率αを段階的なデータ(例えば、α=0.01ならばデータ「A」,α=0.05ならばデータ「B」,α=0.1ならばデータ「C」,α=0.2ならばデータ「D」,α=0.4ならばデータ「E」)として記憶する管理レベルと、商品の発注可能日と、商品の納品リードタイムとからなる商品の基本情報が、各商品毎に関連付けられて記憶保存される。CPU11は、コンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、前記基本情報の新規追加や削除の他に、必要に応じて基本情報内の各データを更新する機能を備えている。
内部記憶装置14は、前記商品マスタ14aの他に、単品販売データ14bと、需要特性データに相当するカレンダデータ14cと、発注データ14dと、納品予定データ14eと、在庫データ14fと、需要予測データ14gと、t分布表14hをそれぞれ備えている。
単品販売データ14bは、店舗で販売された商品の販売量の実績値を、各商品,各店舗,及び各日(販売期間)毎にそれぞれ販売実績情報として記録したもので、これは前記商品マスタ14aにも記憶されるPOSコードおよび分類コードの他に、どの店舗であるのかを特定する店舗コードと、その商品の販売日及び販売数が、一つの販売実績情報として互いに関連付けられて記憶保存される。CPU11は、コンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、前記販売実績情報の新規追加や削除の他に、必要に応じて販売実績情報内の各データを更新する機能を備えている。
カレンダデータ14cは、商品を販売する各店舗で、各日毎にどのような需要水準にあり、さらには特売などの特殊要因の有無を、需要特性情報として記録したもので、これは前記単品販売データ14bにも記憶される店舗コードの他に、日付,曜日及び祝日などを示す暦データと、その店舗における日々の需要水準が、類似するどのグループに属するのかを特定する需要水準データと、特売や特殊な異常値などの不定期な需要変動の有無を記憶する特殊要因データが、一つの需要特性情報として互いに関連付けられて記憶保存される。CPU11は、コンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、前記需要特性情報の新規追加や削除の他に、必要に応じて需要特性情報内の各データを更新する機能を備えている。
ここで、カレンダデータ14cの一例を図3に基づき説明する。同図において、ここに示すカレンダデータ14cは、同じ店舗コード(図示せず)を有する複数の需要特性情報31を、暦データ32に含まれる日付順に並べている。33は前述の需要水準データに相当し、ここではその店舗コード対応した店舗で取り扱う全商品を対象に、日々の需要水準を考慮して、祝日ではない月曜日〜金曜日をグループ1とし、祝日ではない土曜日をグループ2とし、日曜日または祝日をグループ3とした需要水準の属性が、「1」,「2」または「3」の数字で保存記憶される。なお、この需要水準データ33は、CPU11がコンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、暦データ32の各曜日および祝日から、自動的に設定できるようにしてもよい。
また34は、当該店舗で取り扱う全商品を対象に、通常とは異なる特殊な需要変動があるか否かを示す第1需要変動データである。この例では、9月15日,9月16日,9月24日の第1需要変動データ34が、商品全体で需要の増加が見込まれる特売日として「1」になっており、それ以外の日の第1需要変動データ34は、通常の需要水準に従う「0」になっている。
35は、当該店舗で取り扱う同じ分類コードに属する商品を対象に、通常とは異なる需要変動があるか否かを示す第2需要変動データである。この例では、中分類としてキッチン用品に属する商品を対象に、毎週木曜日の第2需要変動データ35が、需要の増加が見込まれるフェア(催し物)の日として「1」になっており、それ以外の日の第2需要変動データ35は、通常の需要水準に従う「0」になっている。
36は、当該店舗で取り扱う商品単位で、通常とは異なる需要変動があるか否かを示す第3需要変動データである。この例では、特定の商品を対象に、9月15日にまとめ買いが発生したことを考慮して、その日の第3需要変動データ36が、突発的に需要が増加した異常値として「1」になっており、それ以外の日の第3需要変動データ36は、通常の需要水準に従う「0」になっている。
これらの需要変動データ34〜36は、前述したカレンダデータ14cに含まれる特殊要因データに相当する。図3に示すカレンダデータ14cはあくまでも一例であり、別な分類や商品を対象にして、一乃至複数の需要変動データを生成してもよい。
図1及び図2に戻って再度説明すると、発注データ14dは、過去に発注した商品の発注量を含め、発注を決定した商品の発注量を記録したもので、これは例えば前記商品マスタ14aにも記憶されるPOSコードの他に、そのPOSコードに対応した発注日及び発注量が、一つの発注情報として互いに関連付けられて記憶保存される。CPU11は、コンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、前記発注情報の新規追加や削除の他に、必要に応じて発注情報内の各データを更新する機能を備えている。
納品予定データ14eは、商品の納品予定日や納品予定量を記録したもので、これは例えば前記商品マスタ14aにも記憶されるPOSコードの他に、そのPOSコードに対応した納品予定日及び納品予定量と、納品が行なわれたか否かを記録する納品状況とを、一つの納品情報として互いに関連付けられて記憶保存される。CPU11は、コンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、発注データ14dとして新規な発注情報が追加されると、自動的に納品の予定となる納品情報が納品予定データ14eに新規追加され、その後、納品前までに納品予定日や納品予定量の変更があれば、入力部15を介して例えば手動での修正を可能にする機能を備えており、納品状況で納品が行なわれた旨のデータを入力部15から入力すると、CPU11は、前記納品予定日及び納品予定量を納品日及び納品量としてそれぞれ取り扱う。
在庫データ14fは、各商品の在庫量を記録したもので、これは例えば前記商品マスタ14aにも記憶されるPOSコードの他に、そのPOSコードに対応した実棚日及び在庫量が、一つの在庫情報として互いに関連付けられて記憶保存される。CPU11は、コンピュータプログラム20に従った処理を行なうことにより、前記在庫情報の新規追加や削除の他に、実棚時に入力部15からの入力を受け付けて、在庫情報内の実棚日及び在庫量を更新する機能を備えている。
需要予測データ14gは、後述するコンピュータプログラム20に従った処理手順で、CPU11が算出した各商品の所定期間中における合計需要量の上限値や、そこから求められる所定期間中における合計需要量の予測値を記録したもので、これは例えば前記商品マスタ14aにも記憶されるPOSコードの他に、そのPOSコードに対応した合計需要量の上限値及び予測値が、一つの需要予測情報として互いに関連付けられて記憶保存される。この需要予測データ14gは、最終的に内部記憶装置14にではなくRAM12に備えてもよい。
t分布表14hは、前記所定期間中における合計需要量の上限値を算出する際に読み出されるもので、このt分布表14hを利用することで、自由度と上側確率からパーセント点を特定できるようになっている。
コンピュータプログラム20は、所定期間中における合計需要量の上限値と予測値を算出する需要量予測計算処理を、CPU11が行なうためのプログラムを含んでいる。CPU11は、コンピュータプログラム20に従って需要量予測計算処理を行なう機能を備え、発注量決定装置1は、その一部が本発明の需要量予測装置として機能することができる。またコンピュータプログラム20は、前記需要量予測計算処理で算出された所定期間中における合計需要量の予測値から、商品の発注量を決定する発注量決定処理をCPU11が行なうためのプログラムを含んでいる。CPU11は、コンピュータプログラム20に従って発注量決定処理を行なう機能を備え、発注量決定装置1は、その一部が本発明の発注量決定処理として機能することができる。
次に、本実施例で新規に提案する需要量予測計算処理の方法について、その詳細を説明する。
ここで提案する方法は、日時需要の推計モデルとして、多変量の線形回帰モデルをベースにしたものを用いる。当該線形回帰モデルは切片が0で、目的変数としての販売数を縦軸とし、ダミー変数(説明変数)としての曜日特性を横軸に採用しており、異なる需要特性に対しては、ダミー変数を追加することで対応するようになっている。これにより、全ての日時需要を一つの回帰式で表現できる。
先ず、説明を簡単にするために、需要特性が一つだけの場合を考える。時点t(t−p≦t≦t−1:すなわち時点tは、本日を起点として過去p日分から昨日までの間とする)における日次の販売実績値xは、次のような線形回帰モデルで表わされると仮定する。
但し、vはモデル化誤差であり、zは常に1とする。ここでのzは、ダミー変数の役割を果たしており、推定や予測の対象となる日が異なる特性で表わされる場合には0となる。また、μは推定すべきパラメータであり、上記数34の場合には、一日あたりの需要量の平均に相当する。x^=μ^・zの推計式を用いて推定を行なう時、数35に示す残差平均和Σe を最小にするように、推定すべきパラメータμ^の値を求めると、数36に示すようになる。
ここでΣは、t−p≦t≦t−1についての和を意味する。次に、数37に示すようにwを定義する。
は、次の性質を満たす。
したがって、推定パラメータμ^は次の式のようになる。
推定パラメータμ^はμの不変推定量であり、またモデル化誤差vの母分散をσとすると、次の式が成立する。
なお、E[a]はaの期待値である。上記数40から、推定パラメータμ^の分散Var(μ^)は、次の式のとおり見積もられる。
次に、回帰式の説明変数の値がz=zを取るときに、対応する目的変数の値xを、次の式のように予測することを考える。
このとき、真の値xとの誤差εは、次の式のようになる。
したがって、誤差εの分散は、次の式のように見積もられる。
ここで、vの母分散σを次の式の標本分散sで置き換える。
このとき、次の統計量tは自由度p−1のt分布に従う。
この性質を用いることで、納品リードタイム期間中における合計需要量の上限値を予測できる。ここで、回帰式の説明変数は前述した曜日特性に依存するダミー変数として扱っているので、z=1(t−p≦t≦t−1)となり、パラメータμ^と標本分散sは、それぞれ次の式のようになる。
前述したように、納品リードタイムがk日であるとしたとき、説明変数の値としてz=kを代入し、危険率αから信頼率が1−αのときの予想区間上限を、求める合計需要量の上限値Dとすると、当該上限値Dは次の式のようになる。
ここで、Tp−1,1−α/2は、自由度p−1のt分布に対する上側1−α/2パーセント点の値である。上記数48において、サンプル数である過去の日数pが大きく、且つ納品リードタイムkが過去の日数pとほぼ等しい(k≒p)場合には、前述の数17の値に近づく。数17の予測式では、母平均や母分散の推定誤差を考慮していないが、数48では右辺第二項にこれが明示的に含まれている。そのため、推定や予測に利用可能な実績データのサンプル数が少ない場合には、数48を利用した方が、より安全側での予測が可能になる。
次に、上述した提案方法を、需要特性が複数存在する場合に拡張し、l(l≧1)個の需要特性iからなる場合を考える。上述の場合と同じく、時点t(t−p≦t≦t−1)における日次の販売実績値xが、次のような線形回帰モデルで表わされると仮定する。
ここで、[z(≡Zit)(1≦i≦l,t−p≦t≦t−1)は、ダミー変数の役割を果たしており、稼働日が需要特性iに属するときには1となり、属さないときには0となる。また、[μ](≡μ)は推定すべきパラメータであり、μはμの転置行列を表わす。x^=μ^・zの推計式を用いて推定を行なう時、残差平均和を最小にするような推定すべきパラメータμ^の値は、次の式に示すようになる。
ここで、ZとXはそれぞれ、次のような行列で表せる。
上述した場合と同様な考察により、推定パラメータμ^の分散Var(μ^)は、次の式のとおり見積もられる。
さらに、回帰式の説明変数の値がz=zを取るときに、対応する目的変数の値xを、次の式のように予測することを考える。
このとき、真の値xとの誤差ε=x−x^の分散は、次の式のようになる。
ここで、vの母分散σを次の式の標本分散sで置き換える。
このとき、次の統計量tは自由度p−lのt分布に従う。
この性質を用いることで、納品リードタイム期間中における合計需要量の上限値を予測できる。納品リードタイムがk日で、そのうち需要特性i(1≦i≦l)に含まれる日数が、k日であるとすると、次の式が成り立つ。
ここで、説明変数zの値として次の式を代入する。
すると、上記線形回帰モデルから予測される区間の上限値Dは、次のように算出される。
ここで、Tp−l,1−α/2は、自由度p−lのt分布に対する上側1−α/2パーセント点の値である。数59でl=1とすると、前述した数48と等しくなる。
例として、需要特性iの個数lが3つあるとし(l=3)、各需要特性(1≦i≦3)がそれぞれ平日,土曜,日曜を表わすものとすると、平日の月曜日〜金曜日の場合は、説明変数が{z1t,z2t,z3t}={1,0,0}となり、土曜日の場合は、説明変数が{z1t,z2t,z3t}={0,1,0}となり、日曜日の場合は、説明変数が{z1t,z2t,z3t}={0,0,1}となる。この場合の説明変数間には、次の関係が成り立つ。
また、数59に示すZZは対行列となる、推定に用いる実績値のサンプル数すなわち過去の日数をpとし、需要特性iのサンプル数をpとする(p+p+p=p)。これにより、数59の予測式は次のように表わせる。
但し、推定パラメータμ^は次の式のように表わせる。
また、上記数62において、t∈Pは需要特性iのみの日付を取り出すことを表わしている。
本方法における数61と、従来法における数18とを比較したときの最も大きな違いの一つは、数18では需要特性別に母分散の推定(σ〜σ)を行なっているのに対し、数61では需要特性を考慮せず、全体の標本分散sのみを用いていることである。このため、推定や予測に必要な実績データのサンプル数を少なくすることができ、各需要特性に依存する実績値のサンプル数は1以上あればよい。従って、例えば一週間で曜日別の需要特性を考える場合には、同じ一週間以上の販売実績値があれば、予測区間における需要量の上限値Dを予測できる。
さらに、より一般的な数59の方法では、説明変数どうしに相関があってもよく、数60を満たさなくてもよい点が注目される。これは例えば特売などを行なった時に、その特売を表わす新たな説明変数を新たに追加することで、特売の影響を取除いた推定を行なったり、納品リードタイム期間中に特売がある場合の推定を行なったりすることなどもできる。これに対して、従来法の数18では、全ての稼働日が、何れかのグループに属することが求められており、こうした特売などを考慮した推定や予測を行なうことができない。
次に、本実施例の発注量決定処理に関連して、発注可能なタイミングが離散的且つ周期的でない場合の、発注量の決定方法について検討する。ここでは、納品数と販売数が0から始まる自然数である非負整数値をとる場合の在庫推移モデルについて考え、そこから発注量決定に関する最適化問題を考える。その後、導かれた最適解に代入すべき需要量の予測値について検討する。
ここでは、日付tにおける初期在庫をIとし、また当該日付tの納品数と販売数を、それぞれuとx〜とする。なお、記号の後に付したシンボル〜は、不確実性を含む予測値を意味するもので、数式では便宜的に記号の上にシンボル〜を記す。また、納品数uと予測される販売数x〜は、何れも0以上であるとする(u≧0,xt〜≧0)。納品日当日での販売はできないものとすると、明日t+1における初期在庫It+1は、本日tの初期在庫Iに、本日tの納品数uを加算したものから、本日tの予測される販売数xt〜を差し引いて算出されることから、次の関係を満たす。
なお、発注日と納品日は同一の順序関係を有するものとする。すなわち、ここでいう同一の順序関係とは、発注日が遅くなれば、対応する納品日もその分だけ後になることを意味する。本日tが発注可能な日tであるとし、その発注に対応する次回の納品日がt+Lであるとすると共に、次回の発注時に対応する次々回の納品日が、同じく発注可能な本日tを起点として、t+L(L<L)であるとする。すると本日tの発注量は、次回の納品日t+Lの翌日以降、次々回の納品日t+Lまでの日付tの範囲(t+L+1≦t≦t+L)で、商品の在庫量をコントロールすることができる。
ここで目標とするのは、欠品を起こさず、且つできるだけ少ない水準で在庫量をコントロールすることにある。これを、下記の式で示される最適化問題に帰着させる。
つまり上記数64は、次回の納品日t+Lの翌日以降、次々回の納品日t+Lまでの発注によって制御可能な期間の全ての日付tにおいて、本日tの予測される販売数x〜が、その日tの初期在庫I以下になること(すなわち、欠品にならないこと)を条件として、上記期間の平均在庫水準(合計在庫数=平均在庫水準×(N−N)の関係を考慮する)を最小にすることを意味する。
さて、上記数63を繰り返し用いると、k≧Lであるとして、発注可能な日tからk+1日以降の初期在庫It0+k+1に関して、次の式が成り立つ。
ここで、記号の上に付したシンボル−は制御可能な要素であることを意味し、数式以外では便宜的に記号の後にシンボル−を記す。このとき、発注可能な日t=tにおける最適な発注量、すなわち次回納品日t=t+Lにおける最適な納品量u− t0+L1は次の通り与えられる。
なお、数66のSt0は、次の式で表わせる。
但し、数66の┌x┐は、xを下回らない最小の整数を意味し、またmax(a,b,…n)は、引数a〜nの最大値を取り出すことを意味する。
以下、数66で得られた次回の納品日t=t+Lにおける最適な納品量u− t0+L1が、前記数64の最適解となっていることを確認する。先ず、数65を繰り返し用いることで、数64における左辺の目的関数は、次のように表わせる。
上記数68において、制御可能な変数はu−t0+L1のみであるから、ここでの目的関数を最小にすることと、変数u−t0+L1を最小化することは同義である。数67におけるSt0が0以下の場合、すなわちSt0≦0のときには、次の式が成り立つ。
よって、kの値がL+1≦k≦Lに対して、次の式が成り立つ。
これは、前記数64の制約条件を満たしており、且つ納品数uはゼロ以上の値を取るので、数69は数64の最適解となっている。次に、St0が0よりも大きい場合(St0>0)について考えると、このときは変数u−t0+L1に関して次の式が成立する。
また、kの値がL+1≦k≦Lに対して、次の式が成り立つ。
従って、これも前記数64の制約条件を満足している。一方、上記数71よりも1だけ発注量を小さくすると、kの値が次々回までの納品期間Lであるとすると(k=L)、次の式が成り立つ。
これは、数64の制約条件に違反しており、結局上記数71が最適解であることがわかる。
因みに、前記数66におけるSt0の意味を考える。−St0は、次回の納品日t=t+Lにおける納品量u−t0+L1が0であるときに(u−t0+L1=0)、次々回の納品日の翌日t=t+L+1における初期在庫It0+L2+1に相当することから、結局は発注可能な日t=tに発注を行なわなかった場合の、日付t=t+L+1における在庫の不足分に相当する。以上のようにして、発注可能時期が離散的な場合の最適発注量を、上記数66から算出することが可能になる。
ところで、数66や数67を用いて最適な発注量を決定する際には、日付tにおける予測販売数x〜をどのように決定するのかが重要になる。特に本実施例で想定するような業種では、需要に不確実を含むため、平均的な水準よりも売れた場合であっても欠品を起こさないように、より安全側で需要予測を行なう。そこでは、前述した数59を用いて、予測区間における合計需要量の上限値Dを算出することにする。先ず、発注可能な日tからk日後までの期間中(t≦t≦t+k)の合計需要量の予測上限値を、Dt0 t0+kのように表わす。なお、これは数式以外での便宜的な表記であり、数式では記号Dの後の下付きと上付きの項を並べて記す。このとき、日付t=t+kに予測される販売数xt0+k〜を、次の式のように定める。
これは、例えばk=1と置いたときに、明日t=t+1に予想される販売数xt0+1〜が、本日から明日までの期間中における合計需要量の予測上限値Dt0 t0+1から、本日だけの合計需要量の予測上限値Dt0 t0を差し引いて算出できることを意味する。但し、発注可能な本日tから昨日tまでの合計需要量の予測上限値Dt0 t0−1は0とする(Dt0 t0−1=0)。上記数74から、数67の右辺第三項、すなわち発注可能な日tから、次々回の納品日t+Lまでの間に予測される販売数xの合計を、次のように計算できる。
このことから、一商品の発注量を決定するには、上記数76における在庫の不足分St0を算出すればよく、この在庫の不足分St0は、現在の在庫水準,納品予定数量,および合計需要量の予測上限値の一つのみを用いて求めることができる。
一方、実際には数74によって算出される需要量の予測値が外れ、欠品が発生する場合もある。現在の在庫数は低い水準にあり、次回の納品日までの範囲(t≦t+L1)で欠品が予測される場合でも、発注可能な日t=tの時点で発注量をいかに調整しても、欠品を防ぐことができない。そのため、バックオーダーを許容できない状況では、上記数74や数75を用いた予測が行なえず、別な予測方法を考える必要がある。この状況では、販売数が当日の初期在庫を上回ることはできないため、上記数74を次のように修正する。
但し、min[a,b,…n]は、引数a〜nの最小値を取り出すことを意味する。上記数76では、kの値の範囲に注意する。kの値が次回の納品日の翌日以降の範囲(k≧t+L+1)であれば、発注可能な日t=tに発注量を調整することで欠品を防止でき、数74を適用できる。したがって、数67の右辺第三項を次のように計算する。
上記数77において、右辺第一項は、発注可能な日tから、次回の納品日t+Lまでの間に予測される販売数xの合計であり、これは数76から算出する。また、右辺第二項と右辺第三項は、次回の納品日t+L以降において、以後欠品は生じないと想定し、合計需要量の上限値Dを利用した簡易的な演算を行なっている。
数76と数77は、非線形な演算を含むことから、数75のような簡潔な形式で表現することができない。また、在庫数It0+kと合計需要量の上限値Dt0 t0+kの両方を、全てのk(0≦k≦L)に対して、数63を用いて逐次的に計算する必要がある。このことは、需要量予測の上限値の計算だけでもL+1回行なわなければならないことを意味し、次回納品日までの期間Lが大きい時には、その分計算負荷は高くなる。一方、バックオーダーが許容できない状況で数75を使用すると、現在の在庫水準が低く、日付t≦t+L1の範囲で欠品が予測される場合に、発注量が最適量よりも大きく算出されることになる。
本実施例で検討対象とする業種では、バックオーダーが許容できない場合が多いと推定されるが、雑貨やDIY用品などでは商品の消費期限が長いため、多少過剰な発注を行なっても問題を生じないことが多い。そのため、簡便法である数75若しくは詳細法である数77の何れを用いるのかは、商品の単価や消費期限の長さ、在庫スペースの制約、或いは計算対象となる商品のアイテム数を考慮して決定し、前記商品マスタ14aの予測方式に記憶するのが好ましい。
続いて、上記提案法を考慮した本実施例の発注量決定装置1について、図4〜図7の各フローチャートを参照しながら、その処理手順を詳しく説明する。
図4および図5は、本実施例の発注量決定装置1が行なう需要量予測計算処理の手順を示すフローチャートである。発注量決定装置1には、日々の商品の販売量実績値が、当該商品を販売した店舗名と、販売した日付と共に、入力部15を介して入力される。これを受けて発注量決定装置1は、その商品を特定するPOSコードおよび分類コードと共に、入力した店舗名に対応する店舗コードと、販売した日付に対応する販売日と、商品の販売量実績値に対応する販売数とを関連付けた販売実績情報を、単品販売データ14bに記録する。また発注量決定装置1は、少なくとも1週間以上に渡って販売数のデータが蓄積された状態で、後述する需要量予測計算処理や発注量決定処理を行なう。CPU11は、RAM12にロードしたコンピュータプログラム20に従って、こうした各処理を実行する。
CPU11は、先ずステップS1において、内部記憶装置14に記憶している商品マスタ14aに含まれる各基本情報から、本日が「発注可能日」である全ての商品を抽出する。これは具体的には、商品マスタ14aに含まれる各基本情報の「発注可能日」が、内蔵するタイマ手段(図示せず)により決定される本日の日付と一致するか否かを検索し、「発注可能日」が本日の日付と一致していれば、その基本情報に含まれる「POSコード」および「商品名」を、商品を特定する情報として抽出することで行なわれる。なお、このステップS1において、前述した「発注可能日」が本日の日付と一致していたとしても、基本情報に含まれる「販売開始日」が、所定期間である7日未満である場合には、サンプル数が少な過ぎて、需要量の予測分析が不可能であると判断して、その商品の抽出を行なわないようにCPU11が処理している。
こうして、本日が発注可能日(t=t)である全ての商品を抽出し終わると、次にCPU11は、ステップS2の手順に移行し、線形回帰モデルとして考慮する1日前からp日前までの抽出範囲pの過去分(t−p≦t≦t−1)と、予測区間となる本日tから次々回納品日t+Lまでの未来分(t≦t≦t+L)について、内部記憶装置14に記憶しているカレンダデータ14cから、ステップ1で抽出した商品に関連付けられた需要特性情報を抽出する。
このときCPU11は、次のステップS3で、前記過去分の抽出範囲pを修正するために、基本情報に含まれる「販売開始日」を基に算出される販売開始後の経過日数と、予め設定した日数とを比較して、いずれか大きい方の値を前記pの値とする。例として、販売開始後の経過日数が14日未満の場合に、抽出範囲pを14日間とし、そうでない場合には、抽出範囲pを販売開始後の経過日数としたい場合には、予め設定した日数を14として、p=max{14,販売開始後の経過日数}の式から、CPU11がpの値を算出すればよい。また、ステップS2で抽出した需要特性情報において、未来分の予測区間中に「特殊要因データ」にイベントや特売などの不特定変動要因が存在する場合には、過去分の抽出範囲pで同じ不特定変動要因が「特殊要因データ」に存在するか否かをチェックし、抽出範囲p内で不特定変動要因が「特殊要因データ」に存在しなければ、不特定変動要因が「特殊要因データ」に存在するまで、例えば1週間ずつ離散的に抽出範囲pを増加させる(p=21,28,35,42…)。これは、本日tを起点として未来に特売を行なう予定の場合、過去に特売を行なった販売実績値が含まれていないと、正確な需要予測ができなくなるからである。なお、抽出範囲pをどのような範囲でどのように修正させるのかは、特に限定しない。したがって、抽出範囲pを一日ずつ連続的に増加させてもよい。
こうして、過去分と未来分のそれぞれについて、需要特性情報の抽出範囲が決定し、それに該当する需要特性情報を抽出したら、CPU11はステップS4の手順に移行して、前記需要特性情報に含まれる「需要水準データ」および「特殊要因データ」から、過去分(t−p≦t≦t−1)の抽出範囲p内における各稼働日が、特売などの特殊要因をも含むどの需要特性iに属するのかを特定し、「1」または「0」の値を取る前記数51に示す需要特性行列Zの各ダミー変数(特性フラグ)zitを設定する。またCPU11は、同じステップS4で、内部記憶装置14に記憶している単品販売データ14bから、過去分(t−p≦t≦t−1)の抽出範囲p内で、対象となる商品の各稼働日における「販売数」を抽出し、これを前記数51に示す日次販売実績値xとして設定する。なお、ダミー変数zitと実績値xの設定順位は特に限定せず、先に実績値xを設定してから、ダミー変数zitを設定しても構わない。
ここで、カレンダデータ14cから需要特性行列Zの各要素を得る手順を、図7に示すフローチャートに基づき説明すると、ここでは先ずステップS41において、CUP11は図3に示す需要水準データ33から、過去分(t−p≦t≦t−1)の抽出範囲p内における各稼働日について、何個の需要特性を含む独立変数が存在するのかという独立変数の数を計算する。図3の例では、例えば本日tが9月24日であるとして、過去分の例えば9月13日から9月23日の間に、需要水準データ33として「1」,「2」,「3」の独立変数が存在するので、ステップS41でCPU11が判断した需要特性の数は3になる。
次のステップS42では、CPU11が各独立変数毎に、「0」または「1」のフラグを作成して、ダミー変数zitを設定する。これは各稼働日ごとに、その日が需要特性(独立変数)iに属しているならば、ダミー変数zitを「1」に設定し、そうでない場合にはダミー変数zitを「0」に設定することで行なわれる。
さらにステップS43では、CPU11が過去分(t−p≦t≦t−1)の抽出範囲p内における各稼働日について、需要変動データ34〜36の値を読取り、その読取り結果を需要特性行列Zにマージする手順を含んでいる。これは、当該需要変動データ34〜36の値が「1」であって、予測対象となる商品が通常の需要水準に従わないと判断した場合に、前記独立変数の数と、それに対応するダミー変数zitを追加するもので、前述した例では、商品の分類に係らず、第1需要変動データ34に基づき、9月15日と9月16日の特売日について別な独立変数を割り当てる。そして、需要特性を含む独立変数iの数が4として、ダミー変数zitが「1」または「0」に設定される。また、「分類コード」の中分類として、特にキッチン用品を含む商品については、第2需要変動データ35に基づき、9月13日と9月20日のフェア日について、さらに別な独立変数を割り当てる。そして、需要特性を含む独立変数iの数が5として、ダミー変数zitが「1」または「0」に設定される。さらに特定の商品について、第3需要変動データ36に基づき、9月15日の異常日について、独立変数を割り当てることもできる。この場合は、需要特性を含む独立変数iの数が6になる。このように、曜日毎の需要特性iと全く同じ手順で、特売やフェアなどの通常とは異なる需要変動についても、需要特性行列Zの各要素であるダミー変数zitを「1」または「0」に設定することができる。
再度図4の手順に戻り、CPU11は続くステップS5で、推定パラメータμ^を算出する。これは前記数50の式を用いて算出できる。
推定パラメータμ^が算出されると、CPU11は続くステップS6で、数55の式を用いて、標本分散sを算出する。
次にCPU11はステップS7に移行し、その商品の予測方式が簡便法若しくは詳細法の何れに属するのかを、商品マスタ14aに含まれる「予測方式」を読み出すことで決定する。そして、簡便法による予測方式では、ステップS8に移行して、需要の予測区間が本日tから次々回納品日t+Lの間だけであるとCPU11が判断する一方で、詳細法による予測方式では、ステップS9に移行して、需要の予測区間が本日tから次々回納品日t+Lの間だけでなく、本日tから次回納品日t+Lまでの各稼働日であるとCPU11が判断する。なお、商品マスタ14aに含まれる「予測方式」を、簡便法若しくは詳細法の何れにするかは、例えば商品マスタ14aに含まれる商品の「仕入単価」が、所定値(例えば3,000円)以上であれば詳細法とし、そうでなければ簡便法にするなど、商品マスタ14aに含まれる「仕入単価」に応じて自動的にCPU11が設定することで、入力の手間を省くようにしてもよい。
CPU11は、次のステップS11で、本日tからk日後までの間の予測区間における合計需要量の予測上限値Dt0 t0+kを算出する。これは具体的には、前記ステップS2で抽出した需要特性情報から、前述した数58を用いて、ステップS12にて未来分の需要特性ベクトル(説明変数)kの各要素を決定する。例えば、需要特性iの個数lが3で、平日の需要特性1が3日,土曜日の需要特性2が1日,日曜日の需要特性3が1日である場合、需要特性ベクトルk=(3,1,1)となる。次いで、ステップS13では、前記ステップS2で抽出した基本情報に含まれる管理レベルから危険率αを決定し、この危険率αと、先に修正決定したサンプル数すなわち抽出範囲pと、需要特性iの個数lとを、内部記憶装置14に記憶しているt分布表14hと照合し、数59に記述される安全係数Tp−l,1−α/2を決定する。そして、ステップS13で決定した安全係数Tp−l,1−α/2の他に、ステップS4で設定した行列Zと、ステップS5で算出した推定パラメータμ^と、ステップS6で算出した標本分散sとを用い、数59を用いて本日tからk日後までの間の予測区間における合計需要量の予測上限値Dt0 t0+kを算出する。
なお、上記ステップS11〜ステップS14の算出に際して、簡便法では、本日tから次々回納品日t+Lまでの間の予測区間についてのみ、合計需要量の予測上限値Dt0 t0+L2が算出される(ステップS15)。すなわち、簡便法におけるkの値は、次々回までの納品期間Lに等しく、k=Lとなる。納品期間Lは、基本情報に含まれる「発注可能日」と、それに対応する「納品リードタイム」の関係から特定できる。
一方、詳細法では、本日tから次々回納品日t+Lまでの間の予測区間だけでなく、本日tから次回納品日t+Lに至る全ての予測区間に対しても、合計需要量の予測上限値Dが算出される(ステップS16)。したがって、この場合のCPU11は、k=0,1,2…Lと、k=Lの各予測区間について、ステップS11〜ステップS14の手順を繰り返し行ない、それぞれの予測区間での合計需要量の予測上限値Dを算出する。
こうしてCPU11が、決められた予測区間での合計需要量の予測上限値Dを算出すると、ステップS17の手順に移行し、当該算出結果を「合計需要量上限値」として商品の「POSコード」と関連付けて、需要予測データ14gに格納する。
図6は、図5に引き続いて本実施例の発注量決定装置1が行なう需要量予測計算処理と、それに続く発注量決定処理の手順を示している。同図において、CPU11はステップS21で、同じ対象商品に関して、内部記憶装置14に記憶している単品販売データ14bに含まれる販売実績情報と、納品予定データ14eに含まれる納品情報と、在庫データ14fに含まれる在庫情報とを読み込んで、これらの各情報から本日tの在庫量すなわち現在庫It0を決定すると共に、前記納品予定データ14eに含まれる納品情報の「納品予定日」と「納品予定数」に基づき、本日tから次回納品日の前日t+L−1までの期間(t≦t≦t+L−1)の納品予定数uを読み込む。次のステップS22で、CPU11は、ステップS21で読み込んだ納品予定数uから、数67の右辺第二項にある納品残Uを算出する。この納品残Uは、本日tから次回納品日の前日t+L−1までの期間における納品予定数uの合計に相当し、次の式で与えられる。
次に簡便法では、前記ステップS14およびステップS15で算出した本日tから次々回納品日t+Lまでの予測区間における合計需要量の予測上限値Dt0 t0+L2を利用して、CPU11が数67の右辺第三項にある合計需要量の予測値を算出する(ステップS23)。つまり、本日tから次々回納品日t+Lまでの所定期間中における合計需要量の予測値は、下記の式で計算される。
一方、詳細法では、先ずCPU11が数63および数76を利用して、翌日t+Lから次回納品日t+Lまでの間における各在庫推移It0+kと、需要予測値xt0+k〜を算出する。これは、先ずk=0とおいて、前記ステップS14およびステップS16で算出した合計需要量の予測上限値Dから、数76のDt0 t0+k−Dt0 t0+k-1を算出し(但し、前述のようにDt0 t0-1=0である。)、その算出した値と、ステップS21で決定した現在庫It0の値から、数76を用いて本日tの需要予測値xt0〜を算出すると共に、この需要予測値xt0〜と、前記現在庫It0の値と、ステップS21で読み込んだ本日tの納品予定数ut0とから、数63を用いて翌日t+1の在庫数It0+1を算出する。次に、k=1とおいて、前記ステップS14およびステップS16で算出した合計需要量の予測上限値Dから、数76のDt0 t0+k−Dt0 t0+k-1を算出し、その算出した値と、数63を用いて算出した翌日t+1の在庫数It0+1の値から、数76を用いて翌日t+1の需要予測値xt0+1〜を算出すると共に、この需要予測値xt0+1〜と、前記翌日t+1の在庫数It0+1と、ステップS21で読み込んだ翌日t+1の納品予定数ut0+1とから、数63を用いて翌々日t+2の在庫数It0+2を算出する。以下、同様の手順をk=2〜Lになるまで繰り返すことで、翌日t+1から次回納品日t+Lまでの日々の在庫推移It0+kと、需要予測値xt0+k〜を、それぞれ算出できる。
次にCPU11は、ステップS25において、数77の右辺第一項である次の値を算出する。これは前記ステップS24で、数76を用いて算出された本日tから次回納品日t+Lまでの日々の需要予測値x〜(t≦t≦t+L)を累算することで算出できる。
さらにCPU11は、ステップS25において、数77を用いて、数67の右辺第三項にある本日tから次々回納品日t+Lまでの所定期間中における合計需要量の予測値を算出する。この合計需要量の予測値は、前記ステップS14およびステップS16で算出した本日tから次回納品日t+Lまでの予測区間における合計需要量の予測上限値Dt0 t0+L1と、同じくステップS14およびステップS16で算出した本日tから次々回納品日t+Lまでの予測区間における合計需要量の予測上限値Dt0 t0+L2と、ステップS25で算出した数80の値とから、数77を利用することで算出できる。
こうして、簡便法および詳細法の何れの場合にあっても、本日tから次々回納品日t+Lまでの所定期間中における合計需要量の予測値が算出できれば、CPU11はそれまでの需要量予測計算処理を終了し、これに続く発注量決定処理により、数76と数77を利用して、次回納品日t+Lにおける最適な納品量u− t0+L1すなわち発注可能な本日tの最適な発注量を計算する(ステップS27)。CPU11は、続くステップS28で、ステップS1で抽出した全商品について、最適な納品量u− t0+L1の計算が完了するまで、上述したステップS2〜S27の各手順を繰り返し実行する。
CPU11は、ステップS1で抽出した全商品について、最適な納品量u− t0+L1の計算が完了すると、その計算結果を外部の発注支援システム(図示せず)に出力し、当該発注支援システムに表示または印刷させる。勿論、本実施例における発注量決定装置1の出力部16で、こうした計算結果を表示または印刷させてもよい。
また、こうした計算結果をユーザが閲覧・修正した後、CPU11は、内部記憶装置14に記憶している発注データ14dの発注情報と、納品予テーデータ14eの納品情報として、対象商品における新たな最適な納品量u− t0+L1を格納し(ステップS30)、一連の処理を終了する。
次に、本実施例で提案する方法の有効性を確認するために、或る小売業Aの販売実績値を用いて、上記発注量決定装置1により実際の数値シミュレーションを行なった結果を説明する。A社は生活雑貨を主力商品とする小売業で、約70の店舗数を有し、同時稼動のSKU数は約3500である。使用したデータは1月7日〜9月16日の253日間(そのなかで、4月1日から3日間は欠側)の日別販売実績値で、平日が祝日の日は、日曜日の需要特性を持つものとして扱っている。また、バックオーダーは許容せず、在庫ゼロの場合には販売ができないものとする。ここでは、本実施例で述べた前提条件を満たすものとし、連続需要である127SKUを実験対象とした。
上記表1は、一週間の発注及び納品のスケジュールを示している。平日,土曜日,日曜日(祝日)を、それぞれグループ番号1,2,3に分類する。「タスク」の項目における記号Oは発注日を示し、記号Dは納品日を示している。すなわちここでの発注日は、毎週月曜日,水曜日,金曜日の三回であり、それに対応する納品日は木曜日,土曜日,翌週月曜日となっている。
表2は、実験を行なった方式と、それぞれの方式で用いたパラメータを示している。方式1,2,4,5の需要予測に際しては、従来法である数17または数18を用い、また方式3,6の需要予測に際しては、本実施例で提案した数61を用いている。また、方式1,2,3では予測式として数75を用い、方式4,5,6では、バックオーダーを許容しない場合の修正予測式として数77を用いている。パラメータ推定に必要な実績値の最低サンプル数は、方式1,3,4,6では7日分、方式2,5では14日分とする。本シミュレーションでは、この期間に7日分を上乗せした値とし、初期在庫は28日分持たせることとした。なお、危険率αは何れの方式も0.05とする。
図8は、2月1日から9月16日までの間に、方式1〜3を用いた場合の、或る商品B(キッチン用品)の日次在庫推移を示している。曜日依存性を考慮しない方式1よりも、曜日依存性を考慮した方式2,3の方が、全体的に在庫水準が低く抑えられていることがわかる。ここで、丸で囲った部分に注目し、方式2と方式3とを比較すると、特に5月下旬と9月上旬に、方式2よりも方式3の方が、在庫水準が低くなっている。日本の慣習では、5月上旬と8月中旬に大型連休があり、この時期に売上水準が急激に高くなる。従来法による予測方法では、曜日依存性を考慮するためには、実績値のサンプル期間を長く取らなければならず、こうした大型連休の期間が過ぎても、暫くの間は需要を高く見積もり過ぎて、その結果在庫過剰を招いていることがわかる。一方、本実施例で提案する方法、すなわち数61の予測式を用いた方法では、実績値のサンプル期間を短く取ることができるので、実需要の変化に対する応答を速くすることができる。
表3は、上記方式1〜6に対する当該機関中の平均在庫数の全商品合計と、機会ロス率を示したものである。ここで、販売実績数が在庫数を上回る時に、その差を機会ロス数と定義し、機会ロス数の合計値を全商品の販売数で除した値が、欠品の発生率である機会ロス率となる。全体を概観すると、在庫水準が低くなると、機会ロス率が高くなる傾向にある。しかし、方式2と方式4とを比較すると、機会ロス率はほぼ同水準であるものの、在庫水準は方式2の方が低くなっており、需要予測の際に数77の修正予測式を用いることよりも、曜日依存性を考慮することの方が効果的であることがわかる。
また、方式2と方式3とを比較すると、方式3の方が平均在庫水準は低いものの、その分だけ機会ロス率が高くなっており、予測性能としては大きな差がないように思われる。しかし、表3には時系列的な観点は入っておらず、前述したように、需要水準の変化に素早く追従できる点で、数61を用いた提案法は有用であるといえる。なお、機会ロス率を下げるためには、有意水準を下げるなどのパラメータ調整を行なうことになる。方式4〜方式6は、在庫推移の予測として、数76の修正予測式を用いているが、これは本来、販売数が予測数よりも大幅に上回り、直ちに在庫切れになりそうな時に、発注数量を差し引くための方法である。このような方法は、商品の納品リードタイムが長く、且つ消費期限が短い商品では有用であると思われるが、A社のケースでは、目に見える改善効果があるとはいい難い。このため、数理的な厳密性という点では、数76や数77の修正予測式を用いるのが好ましい、計算負荷量を軽減したり、在庫削減効果を得たりしたい場合には、数74や数75の予測式で実用上十分であるといえる。
以上のように、本実施例では、過去の複数の時点それぞれでの商品の販売実績値すなわち物品の供給数に基づいて、未来の予測区間である所定区間中における合計需要量の上限値を予測する需要量予測装置を、発注量決定装置1の一部として備えたものにおいて、過去の各時点での物品の供給数を、当該過去の各時点に応じた少なくとも1以上のデータ群の何れかに含まれるように分類して記憶すると共に、未来の所定区間を構成する未来の各時点で予測される物品の供給数が、データ群の何れに属するのかを記憶する記憶手段としての内部記憶装置14と、過去の各時点の数をp,前記データ群の数をl,現時点をtとして、或る時点tにおける物品の供給数xが、一時点あたりの需要量の平均に相当するパラメータμと、過去の各時点がデータ群の何れに含まれるかで決定されるダミー変数zと、モデル化誤差vとにより、数49の線形回帰モデルで表わされるとして、内部記憶装置14に記憶される各時点での物品の供給数xt0−1,xt0−2,…xt0−pを各要素とした行列Xと、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれについて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれているか否かで値が決定されるダミー変数Zitを各要素とした行列Zとにより、パラメータμを推定するパラメータ推定手段と、推定パラメータμ^の値と、物品の供給数xと、ダミー変数zと、過去の各時点の数pとから、数55の式により標本分散sを算出する標本分散算出手段と、未来の各時点が前記データ群に属するのかを内部記憶装置14から読み込み、i番目のデータ群に含まれる未来の時点数をkとして、数58の式により説明変数kの値を決定する説明変数決定手段と、推定パラメータμ^の値と、標本分散sと、説明変数kの値と、行列Zとにより、数59の式から合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出手段とを、コンピュータプログラム20の需要量予測計算処理を実行するCPU11が備えている。
こうすると、物品の需要量が暦に依存して周期的若しくは非周期的に変動するのを考慮して、過去の各時点での物品の供給数と、未来の各時点で予測される物品の供給数が、どのデータ群に属するのかを内部記憶装置14に記憶したものにおいて、データ群毎に母分散の推定を行なうのではなく、データ群全体の標本分散sを用いることで、推定や予測に必要とされる過去の各時点での物品の供給数のサンプル数を少なくしつつ、未来の所定区間中における合計需要量の上限値を算出することができる。そのため、少なくとも各データ群に属する過去の各時点での物品の供給数が、一サンプルずつあればよく、需要の変化に対して素早く追従することができ、新たな物品の導入後に、早い段階から所定期間中の合計需要量の上限値を算出することが可能になる。
そしてこれは、パラメータμを推定するパラメータ推定ステップと、標本分散sを算出する標本分散算出ステップと、説明変数kの値を決定する説明変数決定ステップと、合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出ステップと、を有する需要量予測方法や、パラメータμを推定するパラメータ推定手順と、標本分散sを算出する標本分散算出手順と、説明変数kの値を決定する説明変数決定手順と、合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出手順と、をコンピュータである発注量決定装置1に実行させるコンピュータプログラム20であっても、同様の作用効果を発揮する。
また、本実施例のパラメータ推定手段や、パラメータ推定ステップや、パラメータ推定手順では、過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれにおいて、その時点tがi(1≦i≦l)番目のデータ群に含まれていれば、ダミー変数Zitの値を1にし、そうでなければダミー変数Zitの値を0にすると共に、これらのダミー変数Zitによって、数51にて行列Zの各要素を設定している。
こうすると、行列Zの各要素となるダミー変数Zitは、過去の各時点のそれぞれにおいて、時点tがi番目の前記データ群に含まれているか否かで、1または0の値を取る。そのため、複雑な手順を伴わない簡単な処理で各ダミー変数Zitの値を設定できる。
また、ここでのデータ群は、暦に依存して前記過去の各時点にそれぞれ与えられる第1データ群と、暦に依存することなく突発的に与えられる第2データ群からなり、過去の各時点において、第2データ群が存在する場合にはこの第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には第1データ群を割り当てるようになっている。
つまり、曜日や祝日などのように、暦に依存した需要特性である第1データ群の他に、特売やフェアなどのように、どの第1データ群にも属さないような暦に依存しない特殊な条件である第2データ群を考慮し、過去の各時点において、第2データ群が存在する場合には当該第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には第1データ群を割り当てるようにすれば、特殊な条件に対しても、第2データ群に基づく新たなダミー変数を追加することで柔軟に対応することができる。
さらに、前記ステップS3で説明したように、未来の時点で第2データ群が存在する場合には、この第2データ群が存在する過去の時点を含むように、この過去の各時点の数pを可変させるようになっている。
こうすると、未来の或る時点で第2データ群に関連した突発的な需要変動が見込まれる場合、同じ突発的な需要変動が生じた過去の時点における物品の供給数を、意図的にサンプルとして取り入れるようにすることで、こうした突発的な需要変動を考慮した所定期間中の合計需要量の上限値Dを、正しく予測することが可能になる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可能である。例えば、暦に依存した需要特性として、本実施例では平日,土曜日,日曜日の三分類と仮定したが、対象となる物品によっては、この分類以外であっても構わない。そのため、新たな需要特性を表わすダミー変数を考え、適切な変数の組み合わせを自動的に選択する手段や方法を構築するのが好ましい。
また、上記実施例のような商品の他に、商行為を伴わないあらゆる対象品を、本発明でいう物品として含めることができる。さらに、実施例では一日を基本単位として過去および未来の時点を設定していたが、例えば一日の中で昼間または夜間の各時間帯を、それぞれ一つの時点としてもよいし、複数日(週,月など)を基本単位として一つの時点を設定してもよい。加えて、過去や未来の各時点における物品の供給数を、二つ以上のデータ群に含ませても構わない。
本発明の一実施例における発注量決定装置の内部構成を示すブロック図である。 同上、内部記憶装置のデータ構造を模式的に示す概略図である。 同上、カレンダデータの内部構造の一例を示す概略図である。 同上、予測区間における合計需要量の予測上限値を算出する各処理手順を示すフローチャートである。 同上、図4に引き続いて、予測区間における合計需要量の予測上限値を算出する各処理手順を示すフローチャートである。 同上、図5に引き続いて、予測区間における合計需要量の予測値と最適発注量を算出する各処理手順を示すフローチャートである。 同上、カレンダデータから需要特性行列Zに変換するサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 同上、或る商品の日次在庫推移を示すグラフである。 ある商品に関し、発注前と発注後における在庫数の経時的な推移を示すグラフである。 図9に示す発注前の在庫数の推移を示すグラフである。
11 CPU(パラメータ推定手段,標本分散算出手段,説明変数決定手段,上限値算出手段)
14 内部記憶装置(記憶手段)

Claims (8)

  1. 過去の複数の時点それぞれでの物品の供給数に基づいて、未来の所定区間中における合計需要量の上限値を予測する需要量予測装置において、
    過去の各時点での物品の供給数を、当該過去の各時点に応じたデータ群の何れかに含まれるように分類して記憶すると共に、前記未来の所定区間を構成する未来の各時点で予測される物品の供給数が、前記データ群の何れに属するのかを記憶する記憶手段と、
    前記過去の各時点の数をp,前記データ群の数をl,現時点をtとして、或る時点tにおける前記物品の供給数xが、一時点あたりの需要量の平均に相当するパラメータμと、前記過去の各時点が前記データ群の何れに含まれるかで決定されるダミー変数zと、モデル化誤差vとにより、次の線形回帰モデルで表わされるとして(但し、Tは転置行列を意味する)、前記記憶手段に記憶される各時点での物品の供給数xt0−1,xt0−2,…xt0−pを各要素とした行列Xと、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれについて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれているか否かで値が決定される前記ダミー変数Zitを各要素とした行列Zとにより、前記パラメータμを推定するパラメータ推定手段と、
    前記推定パラメータμ^の値と、前記物品の供給数xと、前記ダミー変数zと、前記過去の各時点の数pとから、次の式により標本分散sを算出する標本分散算出手段と、
    前記未来の各時点が前記データ群に属するのかを前記記憶手段から読み込み、i(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれる未来の時点数をkとして、次の式に示す説明変数kの値を決定する説明変数決定手段と、
    前記推定パラメータμ^の値と、前記標本分散sと、前記説明変数kの値と、前記行列Zとにより、次の式により前記合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出手段と(但し、Tp−1,1−α/2は、自由度p−1のt分布に対する上側1−α/2パーセント点の値であり、αは危険率である)、
    を備えたことを特徴とする需要量予測装置。
  2. 前記パラメータ推定手段は、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれにおいて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれていれば、前記ダミー変数Zitの値を1にし、そうでなければ前記ダミー変数Zitの値を0にすると共に、これらのダミー変数Zitによって、次の式にて行列Zの各要素を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の需要量予測装置。
  3. 前記データ群は、暦に依存して前記過去の各時点にそれぞれ与えられる第1データ群と、暦に依存することなく突発的に与えられる第2データ群からなり、
    前記過去の各時点において、第2データ群が存在する場合には当該第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には前記第1データ群を割り当てるように構成したことを特徴とする請求項1または2記載の需要量予測装置。
  4. 前記未来の時点で前記第2データ群が存在する場合に、当該第2データ群が存在する前記過去の時点を含むように、この過去の各時点の数pを可変させる構成としたことを特徴とする請求項3記載の需要量予測装置。
  5. 過去の各時点での物品の供給数を、当該過去の各時点に応じたデータ群の何れかに含まれるように分類して記憶すると共に、未来の所定区間を構成する未来の各時点で予測される物品の供給数が、前記データ群の何れに属するのかを記憶するコンピュータに、前記過去の複数の時点それぞれでの物品の供給数に基づいて、前記未来の所定区間中における合計需要量の上限値を予測させるコンピュータプログラムであって、
    前記過去の各時点の数をp,前記データ群の数をl,現時点をtとして、或る時点tにおける前記物品の供給数xが、一時点あたりの需要量の平均に相当するパラメータμと、前記過去の各時点が前記データ群の何れに含まれるかで決定されるダミー変数zと、モデル化誤差vとにより、次の線形回帰モデルで表わされるとして(但し、Tは転置行列を意味する)、前記コンピュータに記憶した各時点での物品の供給数xt0−1,xt0−2,…xt0−pを各要素とした行列Xと、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれについて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれているか否かで値が決定される前記ダミー変数Zitを各要素とした行列Zとにより、前記パラメータμを推定するパラメータ推定手順と、
    前記推定パラメータμ^の値と、前記物品の供給数xと、前記ダミー変数zと、前記過去の各時点の数pとから、次の式により標本分散sを算出する標本分散算出手順と、
    前記未来の各時点が前記データ群に属するのかを読み込み、i(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれる未来の時点数をkとして、次の式に示す説明変数kの値を決定する説明変数決定手順と、
    前記推定パラメータμ^の値と、前記標本分散sと、前記説明変数kの値と、前記行列Zとにより、次の式により前記合計需要量の上限値Dを算出する上限値算出手順と(但し、Tp−1,1−α/2は、自由度p−1のt分布に対する上側1−α/2パーセント点の値であり、αは危険率である)、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  6. 前記パラメータ推定手順では、前記過去の各時点(t−p≦t≦t−1)のそれぞれにおいて、その時点tがi(1≦i≦l)番目の前記データ群に含まれていれば、前記ダミー変数Zitの値を1にし、そうでなければ前記ダミー変数Zitの値を0にすると共に、これらのダミー変数Zitによって、次の式にて行列Zの各要素を設定することを特徴とする請求項記載のコンピュータプログラム。
  7. 前記データ群は、暦に依存して前記過去の各時点にそれぞれ与えられる第1データ群と、暦に依存することなく突発的に与えられる第2データ群からなり、
    前記過去の各時点において、第2データ群が存在する場合には当該第2データ群を割り当て、第2データ群が存在しない場合には前記第1データ群を割り当てるようにしたことを特徴とする請求項または記載のコンピュータプログラム。
  8. 前記未来の時点で前記第2データ群が存在する場合に、当該第2データ群が存在する前記過去の時点を含むように、この過去の各時点の数pを可変させることを特徴とする請求項記載のコンピュータプログラム。
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