JP5091069B2 - 制御棒 - Google Patents

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Description

本発明は、制御棒に係り、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な制御棒に関する。
複数の制御棒は、沸騰水型原子炉運転停止時に、沸騰水型原子炉の炉心内に全挿入されている。この制御棒は、横断面が十字形をしており、炉心に装荷された4体の燃料集合体の相互間に挿入される。沸騰水型原子炉の起動時において、制御棒は炉心から引抜かれる。定格出力運転時には、原子炉出力を調整するために用いられる複数の制御棒以外の制御棒は全て炉心から全引抜きされている。
沸騰水型原子炉に用いられる制御棒は、軸心に配置されたタイロッドから四方に4枚のブレードが伸びている(特開平9−61576号公報参照)。1つのブレードは、両側端がタイロッドに取り付けられて横断面がU字状をしているシース、及びシース内に配置された複数の中性子吸収部材を有する。中性子吸収部材は中性子吸収材であるハフニウムで構成されている。タイロッドの上端にはハンドル部材が取り付けられ、シースの上端がハンドル部材に溶接されている。タイロッドの下端には下部支持部材が取り付けられ、シースの下端が溶接されている。
中性子吸収棒の耐圧性の向上及び中性子吸収材量の増大を図るため、横断面が正方形をした複数の環状部材を水平方向に並べて結合し1つのブレードを形成した制御棒が提案されている(特開平1−254895号公報参照)。各管状部材内には中性子吸収材が充填されている。この制御棒は、軸心にタイロッドを配置して、複数の管状部材を結合した4つのブレードを、タイロッドから四方に伸びるように、タイロッドに取り付けている。タイロッドの上端にはハンドル部材が取り付けられ、タイロッドの下端には下部支持部材を取り付けている。各管状部材はハンドル部材と下部支持部材の間に配置されている。
沸騰水型原子炉に用いられる制御棒の他の例が、特表2002−533736号公報に説明されている。この制御棒は、4枚の各ブレードを、板材及び板材に開けた孔部内に中性子吸収材を充填して構成している。水平方向または上下方向に孔部が形成されている(図2a及び図2d参照)。
原子炉の定格出力運転時に炉心から全引抜きされている制御棒は、原子炉の運転を停止させるための制御棒である。この制御棒は、比較的高い中性子価値を有する。その定格出力運転時に原子炉出力を調整するために用いられる制御棒は、炉心内のコントロールセルに挿入されており、炉心の中性子束分布を調整して原子炉出力を制御する。後者の制御棒は、長期間炉心に挿入されているため、長い実用寿命を有する必要がある。
近年、制御棒において照射誘起型応力腐食割れ(Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking:IASCC)が原因と考えられる制御棒構造部材の劣化現象が認められている。その一事例は、平成18年5月31日付けの経済産業省原子力安全・保安院の報告書である「沸騰水型原子力発電所のハフニウム型制御棒のひび等に関する調査報告書の公表等について」及び別添の「沸騰水型原子力発電所のハフニウム型制御棒のひび等に関する調査報告書(概要)」で公表されている(原子力安全・保安院のホーム頁http://www.nisa.meti.go.jpの「事故・トラブル情報(過去の事故・トラブル情報)」参照)。
特開平9−61576号公報 特開平1−254895号公報 特表2002−533736号公報 原子力安全・保安院のホーム頁(http://www.nisa.meti.go.jp)の「事故・トラブル情報(過去の事故・トラブル情報)」、「沸騰水型原子力発電所のハフニウム型制御棒のひび等に関する調査報告書の公表等について」(平成18年5月31日)及び別添の「沸騰水型原子力発電所のハフニウム型制御棒のひび等に関する調査報告書(概要)」 P. Scott et al, "A review of irradiation assisted stress corrosion cracking", Journal of Nuclear Materials 211 (1994), page 101-122
IASCCは、中性子照射量、付加応力及び環境条件の三要因が重なって発生すると考えられている。一般的に、沸騰水型原子炉に用いられる制御棒では、中性子照射量は、制御棒の軸方向においてタイロッドの下端部から上端部に向かうほど、大きくなる傾向がある。連続的な付加応力の発生要因の一つとして、制御棒製作時の溶接の施工に伴う残留応力の影響が考えられている。さらに、環境条件としては、制御棒の複数の構造部材が炉心内の冷却水中において非常に狭い間隔で対向している構成、すなわち、隙間環境の形成がIASCCに関与する可能性が考えられている。
IASCC現象に関する一般的な説明が、P. Scott et al, “A review of irradiation assisted stress corrosion cracking”, Journal of Nuclear Materials 211 (1994), page 101-122になされている。
特表2002−533736号公報の図2aに記載された制御棒は、各ブレードを構成するステンレス鋼の板材に複数の横孔を開けてこれら横孔内に中性子吸収材を充填しているので、冷却水が存在する隙間環境が少なくとも形成されていない。このため、特表2002−533736号公報の図2aに記載された制御棒は、隙間環境が形成されていないことに起因したIASCCの発生確率が著しく低減される。しかしながら、この制御棒では、横孔内に中性子吸収材を充填した後、全ての横孔の開放端を溶接にて塞ぐ必要がある。これは、より長期間に亘って中性子が照射されて中性子照射量が多くなる、中性子吸収材の充填領域の上端部に溶接部が形成されることになる。制御棒に接触する冷却水の溶存酸素濃度が高くなるなど環境が悪化した場合には、中性子吸収材の充填領域の上端部に位置する各横孔の溶接部でIASCCが発生する可能性がある。
特表2002−533736号公報の図2dに記載された制御棒は、ステンレス鋼の板材に中性子吸収材を充填する複数の縦孔を形成している。これらの縦孔は制御棒の軸方向に長く伸びている。したがって、制御棒の軸方向において、ステンレス鋼の板材に長い縦孔を形成することが困難である。
本発明の目的は、照射誘起型応力腐食割れを防止でき、且つ製造が容易である制御棒を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、横断面が十字形をしており、互いに溶接にて結合されて軸方向に並んで配置された複数のセグメントを備え、
最も上方に位置する前記セグメントである第1セグメントが、1枚の金属板から加工された、ハンドル部及び前記軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している複数の中性子吸収材充填部をそれぞれ有する一対のブレードエレメントを十字形に組み合せて構成され、
最も下方に位置する前記セグメントである第2セグメントが、下部支持部及び前記軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している複数の中性子吸収材充填部をそれぞれ有する一対のブレードエレメントを十字形に組み合せて構成され、
前記第1セグメントと前記第2セグメントの間に配置された他の前記セグメントである少なくとも1つの第3セグメントは、前記軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している4つの中性子吸収材充填部を、十字形に組み合せて構成され、
前記セグメント同士の結合が、隣り合う前記セグメントの前記中性子吸収材充填部同士を溶接することによって行われたことにある。
最も上方に位置する第1セグメントが、1枚の金属板から加工された、ハンドル部及び軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している複数の中性子吸収材充填部をそれぞれ有する一対のブレードエレメントを十字形に組み合せて構成されているので、ハンドル部と中性子吸収材充填部を結合する溶接が不要になる。このため、制御棒の照射誘起型応力腐食割れを防止することができる。
制御棒が軸方向に配置した複数のセグメントを含んでいるので、各セグメントに形成された軸方向に伸びる各中性子吸収材充填孔の軸方向における長さを短くすることができる。このため、各中性子吸収材充填孔の加工が容易になり、制御棒の製造を容易に行うことができる。最も上方に位置するセグメントである第1セグメントが1枚の金属板から加工され、第1セグメントの下端部が他のセグメントの上端部と溶接されるので、溶接部が、中性子照射量が多くなる制御棒の上端部に形成されない。したがって、制御棒における照射誘起型応力腐食割れの発生が防止される。
本発明によれば、照射誘起型応力腐食割れを防止でき且つ制御棒の製造を容易に行うことができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1の制御棒を、図1から図8を用いて説明する。本実施例の制御棒1は沸騰水型原子炉に用いられる制御棒である。
横断面が十字形をしている制御棒1は、4枚のブレード2、ハンドル3、下部支持部材4及び速度リミッター5を備えている。4枚のブレード2は、制御棒1の軸心から四方に向かって伸びている。ハンドル3は4枚のブレード2の上端に設けられ、下部支持部材4は4枚のブレード2の上端に設けられる。この制御棒1は、軸方向に4つのセグメント、すなわち、上端部セグメント6、2つの中央セグメント27,37及び下端部セグメント38を有する。これらのセグメントは、上端から、上端部セグメント6、中央セグメント27,37及び下端部セグメント38の順に配置され、隣同士のセグメントは互いに溶接によって結合されている。各セグメントの具体的な構造を以下に説明する。
上端部セグメント6は、図2に示すように、ブレードエレメント7及び17を組み合せて構成される。ブレードエレメント7は、図3に示すように、ステンレス鋼製の金属板8を有している。この金属板8には、中性子吸収材充填部9,11及びハンドル部13が形成されている。金属板8は、上端部セグメント6の筺体であって、ブレード2の筺体の一部を構成している。中性子吸収材充填部9,11には、それぞれ、中性子吸収材充填部9,11の下端から上方に向かって伸びる複数の中性子吸収材充填孔16が形成されている。ハンドル部13が、中性子吸収材充填孔16の上端より上方で中性子吸収材充填部9,11につながっている。ハンドル部13及び中性子吸収材充填部9,11は、溶接にて一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作される。ハンドル部13には、燃料交換機のフックが挿入される開口部15が形成されている。開口部15の上端には溝14が形成される。中性子吸収材充填部9及び11の、互いに向かい合っている側面に、突起部10,12がそれぞれ形成されている。
金属板8の肉厚はTであり、中性子吸収材充填部9及び11の、水平方向における幅はWである。中性子吸収材充填部9及び11の側面を基点にした、突起部10,12の水平方向の幅は、それぞれW1である。突起部10と突起部12の間に形成された間隙Gの水平方向における幅は、金属板8の肉厚と同じTである。中性子吸収材充填部9及び11の、互いに向かい合っている側面の間の水平方向での幅は、間隙Gのその幅よりも広い(2W1+T)である。
ブレードエレメント17も、図4に示すように、ステンレス鋼製の金属板18を有している。この金属板18には、中性子吸収材充填部19,20及びハンドル部21が形成されている。金属板18も、上端部セグメント6の筺体であって、ブレード2の筺体の一部を構成する。中性子吸収材充填部19,20には、それぞれ、中性子吸収材充填部19,20の下端から上方に向かって伸びる複数の中性子吸収材充填孔16が形成されている。ハンドル部21が、中性子吸収材充填孔16の上端より上方で中性子吸収材充填部19,20につながっている。ハンドル部21及び中性子吸収材充填部19,20も、溶接にて一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作される。ハンドル部21には、燃料交換機のフックが挿入される開口部23が形成されている。ハンドル部21の上端部には溝22が形成される。中性子吸収材充填部19及び20は、下端部において連結部24でつながっている。連結部24は金属板18の一部である。
金属板18の肉厚はTであり、中性子吸収材充填部19及び20の、水平方向における幅はWである。中性子吸収材充填部19及び20の、互いに向かい合っている側面の間の水平方向での幅は、中性子吸収材充填部9及び11の、互いに向かい合っている側面の間の水平方向での幅と同じく、(2W1+T)である。連結部24の高さはL1であり、ブレードエレメント7に形成される突起部10,12の高さも、それぞれL1である。
ブレードエレメント17のハンドル部21が、ブレードエレメント7に直交した状態で、ブレードエレメント7の下端から、ブレードエレメント7の突起部10と突起部12の間に形成された間隙G内に挿入される。さらに、ハンドル部13の溝14にハンドル部21が嵌め合わされ、ハンドル部21の溝22にハンドル部13が嵌め合される。このとき、ブレ−ドエレメント17の連結部24は、突起部10と突起部12の間に位置している。ブレードエレメント7とブレードエレメント17が直交して嵌め合された状態で、突起部10及び12が連結部24に溶接にて結合される(図2参照)。25が突起部10と連結部24の溶接部である。溝14と溝22で嵌め合わされているハンドル部13とハンドル部21は溶接されない。
中性子吸収材充填部9,11,19及び20のそれぞれに形成された各中性子吸収材充填孔16内には、中性子吸収材が充填される。
中央セグメント27,37は、図5に示すように、ブレードエレメント28及び31を組み合せて構成される。ブレードエレメント28は、図6に示すように、ステンレス鋼製の金属板56を有している。この金属板56には、中性子吸収材充填部29及び突起部30が形成されている。金属板56は、中央セグメントの筺体であり、ブレード2の筺体の一部を構成する。中性子吸収材充填部29には、中性子吸収材充填部29の下端から上方に向かって伸びる複数の中性子吸収材充填孔16が形成されている。突起部30は、金属板56の一部が突出して形成され、中性子吸収材充填部29の一側面から突出している。突起部30の高さはL1であり、突起部30の水平方向の幅はW1である。中性子吸収材充填部29の水平方向における幅はWであり、中性子吸収材充填部29の肉厚はTである。中性子吸収材充填部29の高さはLpである。中性子吸収材充填部29の下端から中性子吸収材充填孔16の上端までの高さ、すなわち、中性子吸収材充填孔16の深さ(軸方向の長さ)はLhである。Lp及びLhは、Lp>Lhの関係にある。上端部セグメント6の中性子吸収材充填部9,11,19及び20にそれぞれ形成された各中性子吸収材充填孔16の深さもLhである。
ブレードエレメント31は、図7に示すように、ステンレス鋼製の金属板32を有している。金属板32には、中性子吸収材充填部33,34及び連結部35が形成されている。金属板32も、中央セグメントの筺体であり、ブレード2の筺体の一部を構成する。中性子吸収材充填部33,34には、それぞれ、中性子吸収材充填部33,34の下端から上方に向かって伸びる複数の中性子吸収材充填孔16が形成されている。連結部35が、ブレードエレメント31の下部において、中性子吸収材充填部33と中性子吸収材充填部34をつないでいる。中性子吸収材充填部33,34及び連結部35は、溶接にて一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作される。中性子吸収材充填部33,34の肉厚はTであり、中性子吸収材充填部33,34の、水平方向における幅はそれぞれWである。中性子吸収材充填部33,34の高さはLpであり、それぞれの中性子吸収材充填孔16の深さ(軸方向の長さ)はLh(<Lp)である。連結部35の高さはL1である。
2つのブレードエレメント28、及びブレードエレメント31を以下のように組み合せることによって、中央セグメント27,37を得ることができる。2つのブレードエレメント28が、ブレードエレメント31と直交するように配置される。一直線上に配置された各ブレードエレメント28の各突起部30は、互いに向い合うように配置され、ブレードエレメント31の連結部35の水平方向における中央部に面している。この状態で、各ブレードエレメント28の各突起部30が、ブレードエレメント31の連結部35の側面に溶接される。36が、突起部30と連結部35の溶接部である。中央セグメント27,37の各中性子吸収材充填部に形成されたそれぞれの中性子吸収材充填孔16内に中性子吸収材が充填される。中央セグメント27,37において、向かい合っている一対の中性子吸収材充填部29の側面の間に形成された間隙の水平方向における幅は、(2W1+T)である。また、向かい合っている中性子吸収材充填部33の側面と中性子吸収材充填部34の側面の間に形成された間隙の水平方向における幅も、(2W1+T)である。
下端部セグメント38は、図8に示すように、ブレードエレメント39及び45を組み合せて構成されている。ブレードエレメント39は、ステンレス鋼製の金属板40を有する。金属板40には、中性子吸収材充填部41,42及び下部支持部43が形成されている。金属板40は、下端部セグメント38の筺体であり、ブレード2の筺体の一部を構成する。中性子吸収材充填部41,42には、それぞれ、中性子吸収材充填部41,42の上端から下方に向かって伸びる複数の中性子吸収材充填孔16が形成されている。連結部44を有する下部支持部43が中性子吸収材充填部41と中性子吸収材充填部42をつないでいる。中性子吸収材充填部41,42及び下部支持部43は、溶接にて一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作される。図示されていないが、連結部44の上部には、溝22のような上端が開放されている溝が形成されている。
ブレードエレメント45は、ステンレス鋼製の金属板46を有する。金属板46には、中性子吸収材充填部47,48及び下部支持部49が形成されている。金属板46も、下端部セグメント38の筺体であり、ブレード2の筺体の一部を構成する。中性子吸収材充填部47,48には、それぞれ、中性子吸収材充填部47,48の上端から下方に向かって伸びる複数の中性子吸収材充填孔16が形成されている。連結部50を有する下部支持部49が中性子吸収材充填部47と中性子吸収材充填部48をつないでいる。中性子吸収材充填部47,48及び下部支持部49は、溶接にて一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作される。図示されていないが、連結部50の下部には、溝14のような下端が開放されている溝が形成されている。
金属板39,46の肉厚はTであり、中性子吸収材充填部41,42,47及び48のそれぞれの水平方向における幅はWである。連結部44,50の高さはL1である。各中性子吸収材充填部に形成された中性子吸収材充填孔16の深さはLhである。向かい合っている中性子吸収材充填部41の側面と中性子吸収材充填部42の側面の間に形成された間隙の水平方向における幅、及び向かい合っている中性子吸収材充填部47の側面と中性子吸収材充填部48の側面の間に形成される間隙の水平方向における幅は、いずれも(2W1+T)である。
ブレードエレメント39の下部支持部43が、ブレードエレメント45に直交した状態で、ブレードエレメント45の下部支持部49に嵌め合わされる。すなわち、連結部44の、上向きの溝が形成された部分と連結部50の、下向きの溝が形成された部分がお互いに嵌め合わされる。図8はこの状態を示している。直交している連結部44と連結部50が溶接によって結合される。51がこの溶接部である。
中性子吸収材充填部41,42,47及び48のそれぞれに形成された各中性子吸収材充填孔16内には、中性子吸収材が充填される。
各セグメントに形成された中性子吸収材充填孔16の内径は、中性子吸収材が中性子を吸収することによって生じるヘリウムの蓄積に起因した中性子吸収材充填孔16の内圧増大に耐えられる肉厚が、中性子吸収材充填孔16と筺体である金属板の外面との間、及び隣接する中性子吸収材充填孔16の間に、それぞれ、形成されるように、決定される。
次に、各セグメントの結合方法を、図9及び図10を用いて説明する。ここでは、上端部セグメント6及び中央セグメント27を例に挙げ、上端部セグメント6の中性子吸収材充填部9と中央セグメント27の中性子吸収材充填部29の結合について説明する。
上端部セグメント6は、中性子吸収材充填部9の下端、すなわち、中性子吸収材充填孔16の開放端が上向きになるように支持台(図示せず)の上に置かれる。中性子吸収材52が開放端から各中性子吸収材充填孔16内に充填される(図9(A)参照)。中性子吸収材52の充填は、中性子吸収材充填部9に形成された各中性子吸収材充填孔16だけでなく、中性子吸収材充填部11,19及び20に形成された全ての中性子吸収材充填孔16に対して行われる。上端部セグメント6において、全ての中性子吸収材充填孔16内への中性子吸収材52の充填が終了した後、端栓53が中性子吸収材充填孔16に挿入される。端栓53の先端部は、中性子吸収材充填孔16内への挿入性を高めるために直径が細くなっている。
中性子吸収材充填部9の全ての中性子吸収材充填孔16に対して端栓53が挿入される(図9(B)参照)。その後、全ての端栓53は一個ずつ全周が金属板8に溶け込むように金属板8に溶接される(図9(C)参照)。個々の端栓53が全周を金属板8に溶接されるので、隣り合う中性子吸収材充填孔16が互いに連通することを防止できる。54は端栓53と金属板8の溶接部である。各中性子吸収材充填孔16の一次封止部がこれらの溶接部54によって形成される。金属板8に溶接された各端栓53及び端栓53の溶接部54の上端部に対して機械加工が施され、各端栓53及び各溶接部54の上端部が研削される。この機械加工によって、中性子吸収材充填部9に溶接開先部55が形成される(図9(D)参照)。以上に述べた作業は、上端部セグメント6の他の中性子吸収材充填部、すなわち、中性子吸収材充填部11,19及び20に対しても行われる。
さらに、図9(A)、図9(B)、図9(C)及び図9(D)に示す各作業は、中央セグメント27,37及び下端部セグメント38の各中性子吸収材充填部に対しても実施される。
図9に示す前作業が終了した後、上端部セグメント6と中央セグメント27の結合を、図10を用いて説明する。中央セグメント27の、溶接開先部55が形成された端部とは反対側に位置する端部に、溶接開先部57を形成する。上端部セグメント6の中性子吸収材充填部9に形成された溶接開先部55と中央セグメント27の中性子吸収材充填部29に形成された溶接開先部57が向かい合うように、上端部セグメント6及び中央セグメント27を配置する(図10(A)参照)。このとき、上端部セグメント6の他の3つの中性子吸収材充填部に形成された各溶接開先部55も、中央セグメント27の他の3つの中性子吸収材充填部に形成された各溶接開先部57に向き合っている。中性子吸収材充填部9の溶接開先部55と中性子吸収材充填部29の溶接開先部57を接触させる(図10(B)参照)。他の中性子吸収材充填部9の溶接開先部55も他の中性子吸収材充填部29の溶接開先部57と接触する。その後、中性子吸収材充填部9の溶接開先部55及び中性子吸収材充填部29の溶接開先部57において、溶接が行われる。この結果、中性子吸収材充填部9と中性子吸収材充填部29が結合される(図10(C)参照)。溶接開先部55と溶接開先部57の溶接部は、各中性子吸収材充填孔16に対する二次封止部となる。溶接開先部55と溶接開先部57の溶接部の表面は、上端部セグメント6及び中央セグメント27のそれぞれの金属板の表面よりも低くなっている。このため、制御棒1の引き抜き等の操作を行う場合、その溶接部が炉心に装荷された燃料集合体のチャンネルボックスに、直接、接触することを防止することができる。
中性子吸収材充填部11及び他の中性子吸収材充填部28、中性子吸収材充填部19及び中性子吸収材充填部33、及び中性子吸収材充填部20及び中性子吸収材充填部34のそれぞれにおいて、溶接開先部55と溶接開先部57が溶接される。これらの溶接が終了したとき、上端部セグメント6及び中央セグメント27は一体化される。
図10(A)、図10(B)及び図10(C)の各作業は、中央セグメント27と中央セグメント37、及び中央セグメント37と下端部セグメント38に対して、順次、実行される。ただし、中央セグメント37と下端部セグメント38の結合は、中央セグメント37の下端に形成された溶接開先部55と、下端部セグメント38の上端に形成された溶接開先部55とを溶接することによって行われる。
全てのセグメント間において、図10(A)、図10(B)及び図10(C)の各作業が終了したとき、本実施例の制御棒1が完成する。制御棒1において、ハンドル3はハンドル部13及び21を含んでおり、下部支持部材4は下部支持部43及び49を含んでいる。1つのブレード2は、中性子吸収材充填部9,29及び41を含んでいる。他のブレード2は、中性子吸収材充填部11,29及び42を含んでいる。さらに他のブレード2は、中性子吸収材充填部19,33及び47を含んでいる。残りのブレード2は、中性子吸収材充填部20,34及び48を含んでいる。速度リミッター5は下部支持部43及び49の下端に取り付けられる。
図11は、制御棒1のブレード2の縦断面を示している。上端部セグメント6の中性子吸収材充填部9,11,19及び20では、全ての中性子吸収材充填孔16内に中性子吸収材52であるハフニウム52Aが充填されている。中央セグメント27の中性子吸収材充填部28,33及び34,中央セグメント36の中性子吸収材充填部28,33及び34及び下端部セグメント37の中性子吸収材充填部41,42,47及び48では、最も外側に位置している中性子吸収材充填孔16にも、ハフニウム52Aが充填されている。また、中央セグメント27の中性子吸収材充填部28,33及び34,中央セグメント36の中性子吸収材充填部28,33及び34及び下端部セグメント37の中性子吸収材充填部41,42,47及び48では、残りの中性子吸収材充填孔16内に中性子吸収材52である炭化ホウ素52Bの粉末(またはペレット)が充填されている。
沸騰水型原子炉では、炉心の中性子束分布を調整して原子炉出力を制御する原子炉出力調整用の制御棒は、原子炉の運転期間中に、長期において炉心に挿入されている。特に、この制御棒では、制御棒1の上端部が長期間に亘って炉心内に挿入されている。沸騰水型原子炉に用いられる原子炉出力調整用の制御棒が原子炉の運転期間中に受ける高速中性子の照射量は、図12に示すように、軸方向における制御棒の中性子吸収材有効長の下端からその有効長の上端に向かうほど、増大する。特に、中性子吸収材有効長の上端部では、高速中性子の照射量が最も大きくなる。このため、制御棒の上端部に至るほど、制御棒の構造材の劣化のポテンシャルが高くなる。中性子吸収材有効長は、制御棒において中性子吸収材が充填された領域の軸方向の長さを意味している。本実施例の制御棒1における中性子吸収材有効長はLaである(図1参照)。制御棒1の中性子吸収材有効長Laは、下端部セグメント38に形成された中性子吸収材充填孔16の下端から上端部セグメント6に形成された中性子吸収材充填孔16の上端までの、制御棒1の軸方向における長さであり、実質的には、各セグメントに形成された中性子吸収材充填孔16の軸方向の長さLhの4倍になっている。
制御棒1は、ハンドル部13及び中性子吸収材充填部9,11が、溶接で一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作され、ハンドル部21及び中性子吸収材充填部19,20も、溶接で一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作されているので、ハンドル2と中性子吸収材充填部9,11,19及び20の間に溶接部が存在していない。中性子吸収材充填部9,11,19及び20においても、下端部を除いて、溶接部が形成されていない。さらに、制御棒1では、特開平9−61576号公報に記載された制御棒において形成されている、冷却水が存在する隙間環境が、存在しない。特開平9−61576号公報に記載された制御棒では、その隙間環境がシースと中性子吸収部材との間に形成されている。
このように、従来の制御棒のようにシースが設けられていなくて隙間環境が形成されておらず、さらに、ハンドル2と上端部セグメント6の各中性子吸収材充填部の溶接部が存在しない制御棒1は、IASCCの発生を防止することができる。高速中性子の照射量が最も高くなるハンドル部13の上端部とハンドル部21の上端部は、溝14及び溝22の部分で前述したように嵌め合い構造となっており、互いに溶接されていないので、その部分でのIASCCの発生確率は実質的に0である。本実施例は、特表2002−533736号公報の図2aに記載された制御棒のように、中性子吸収材を充填した横孔を塞ぐ溶接部を、中性子照射量が多い、中性子吸収材の充填領域の上端部に形成していないので、IASCCの発生を防止することができる。
沸騰水型原子炉のスクラム時において、制御棒1は炉心内に緊急挿入される。スクラムが終了したときに、制御棒1が受ける軸荷重を図13に示す。図13は、制御棒1が受けるその軸荷重を制御棒1の中性子吸収材有効長に対応して示している。スクラム終了時における制御棒1が受ける軸荷重は、中性子吸収材有効長の上端からその下端に向うほど、大きくなっている。
一般的に、構造強度を確保する上で、溶接部は、欠陥ポテンシャルを考慮し、溶接部以外の部分の強度部材よりも安全係数を大きくして設計されている。このため、制御棒においては、スクラム時における軸荷重が大きくなる中性子吸収材有効長の下端付近に溶接部を形成しないことが望ましい。
本実施例の制御棒1では、中性子吸収材充填部41,42及び下部支持部43が、溶接で一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作され、さらに、中性子吸収材充填部47,48及び下部支持部49が、溶接で一体化された構造ではなく、1枚の金属板を機械加工することによって製作されている。このため、制御棒1は、下部支持部材4と中性子吸収材充填部41,42,47及び48を結合する溶接部が存在しないので、スクラム終了時に受ける軸荷重に対して余裕のある強度を確保することができる。
本実施例は、前述したように、それぞれの中性子吸収材充填孔16に挿入した各端栓53の全周を各セグメントの金属板に溶接して一次封止部を形成し、隣接するセグメントの向かい合った端部同士の溶接により、一次封止部を被う二次封止部を形成している。このため、制御棒1における各中性子吸収材充填孔16の密封性は、より強固になる。
本実施例では、4つのセグメント、すなわち、上端部セグメント6、2つの中央セグメント27,36及び下端部セグメント37を結合して制御棒1を構成している。このため、それらのセグメントに形成される中性子吸収材充填孔16の軸方向の長さを短くすることができるので、各中性子吸収材充填孔16の加工を容易に行うことができる。各中性子吸収材充填孔16の加工に要する時間も短くなる。したがって、制御棒1の製造が容易になり、その製造に要する時間も短縮される。
本実施例の制御棒1は、前述したように、軸方向に並べて配置した4つのセグメントを結合して構成しているので、軸方向の高速中性子の照射量に基づいて適切な中性子吸収材52を軸方向に配置することができる。具体的には、高速中性子の照射量が多い上部セグメント6では、核燃料物質(例えば、ウラン235)の核分裂に寄与する熱中性子の照射量も多くなる。したがって、上部セグメント6に形成された各中性子吸収材充填孔16には、中性子吸収反応の持続期間が長いハフニウム52Aを充填する。中央セグメント27,37及び下端部セグメント38では、最も外側に位置している中性子吸収材充填孔16を除いた他の全ての中性子吸収材充填孔16に中性子吸収断面積がハフニウムよりも大きな炭化ホウ素52Bを充填する。4つのセグメントを結合して構成された制御棒1では、上記のように、中性子の照射量に合せて、特性の異なる中性子吸収材を軸方向に配置することができる。
本実施例では、制御棒の軸方向に4つのセグメントを配置しているが、中央セグメントを1つにして3つのセグメントで制御棒を構成することも可能である。さらに、中央セグメントを3つ以上設けることも可能である。
本実施例の制御棒1では、2つ(または3つの)ブレードエレメントを溶接して各セグメントを構成した後、セグメント同士を溶接している。しかしながら、軸方向に配置されて隣接するセグメントの中性子吸収材充填部同士を先に溶接し、全てのセグメントの中性子吸収材充填部同士の溶接が終了した後、各セグメントにおいて2つ(または3つの)ブレードエレメント同士を溶接して、制御棒1を製造しても良い。このような手順で溶接を行うことによって、制御棒1の各ブレードにおける熱ひずみの発生を軽減することができる。
制御棒1のハンドル3の他の構造例を、図14及び図15を用いて説明する。制御棒1のハンドル3は、ハンドル部13の上端部とハンドル部21の上端部を、前述したように、溝14及び溝22の部分で互いに嵌め合わせる構造をとっている。このため、この嵌め合い構造の部分で、ハンドル部13とハンドル部21の間に極めて狭い隙間が長い範囲に亘って形成されている。この隙間には炉心内の冷却水が侵入する。
制御棒1のハンドル部13を図14(A)に示すハンドル部13Aに替え、ハンドル部21を図14(B)に示すハンドル部21Aに替える。ハンドル部13Aに形成された溝14Aは、両側面にそれぞれ曲面で形成されたへこみ部60及び突起部61を形成している。へこみ部60は突起部61の上方に位置する。へこみ部60の上端から突起部61の下端に掛けて、S字状の側面が形成される。向かい合った突起部61間に形成される、最も狭くなる部分での溝13Aの幅W3はハンドル部21Aの肉厚であるTになっている。溝14Aの底面、すなわち、溝14Aにおけるハンドル部13Aの下面は、図15に示すように、下方に膨らむ曲面62を形成している。
ハンドル部21Aに形成された溝22Aは、両側面にそれぞれ曲面で形成されたへこみ部63及び突起部64を形成している。へこみ部63は突起部64の下方に位置する。へこみ部63の下端から突起部64の上端に掛けて、S字状の側面が形成される。向かい合った突起部64間に形成される、最も狭くなる部分での溝22Aの幅W4はハンドル部13Aの肉厚であるTになっている。溝22Aの底面、すなわち、溝22Aにおけるハンドル部21Aの上面は、図15に示す形状とは逆に、上方に膨らむ曲面を形成している。
ブレードエレメント7とブレードエレメント17を組み合せて上端部セグメント6を構成するとき、溝14A内にハンドル部21Aが嵌め合わされ、溝22A内にハンドル部13Aが嵌め合わされる。このとき、ハンドル部13Aとハンドル部21Aの接触箇所、ハンドル部13Aと突起部64の接触箇所及びハンドル部21Aと突起部61の接触箇所は、それぞれ、線接触になる。したがって、制御棒1で形成されたハンドル部13とハンドル部21の間の隙間構造が解消できる。この隙間構造の解消により、本実施例はIASCCの発生確率を著しく低減することができる。
本発明の他の実施例である実施例2の制御棒を、図16を用いて説明する。本実施例の制御棒1Aも沸騰水型原子炉に用いられる制御棒である。制御棒1Aも横断面が十字形をしている。
図16には図示されていないが、本実施例の制御棒1Aも、実施例1の制御棒1と同様に、4枚のブレード2、ハンドル3、下部支持部材4及び速度リミッター5を備えており、4枚のブレード2は制御棒1Aの軸心から四方に向かって伸びている。制御棒1Aも、制御棒1と同様に、上端部セグメント6、中央セグメント27,37及び下端部セグメント38を接合して構成される。制御棒1では、上端部セグメント6の中性子吸収材充填部9,11,19及び20の各下端、中央セグメント27の中性子吸収材充填部29,33及び34の各上端及び各下端、中央セグメント37の中性子吸収材充填部29,33及び34の各上端及び各下端、及び下端部セグメント38の中性子吸収材充填部41,42,47及び48の各上端は、軸方向において同じ位置に存在する。
これに対して、制御棒1Aでは、上端部セグメント6の中性子吸収材充填部9,11,19及び20の各下端は、軸方向において異なる位置に存在する。中央セグメント27の中性子吸収材充填部29,33及び34の各上端は、中性子吸収材充填部9,11,19及び20の各下端の位置に合せて、軸方向の異なる位置に存在する。中央セグメント27の中性子吸収材充填部29,33及び34の各下端も、軸方向において異なる位置に存在する。中央セグメント37の中性子吸収材充填部29,33及び34の各上端は、中央セグメント27の中性子吸収材充填部29,33及び34の各下端の位置に合せて、軸方向で異なる位置に存在する。中央セグメント37の中性子吸収材充填部29,33及び34の各下端も、軸方向において異なる位置に存在する。下端部セグメント38の中性子吸収材充填部41,42,47及び48の各上端は、中央セグメント37の中性子吸収材充填部29,33及び34の各下端の位置に合せて、軸方向で異なる位置に存在する。図16は、制御棒1Aの上端部セグメントの1つのブレードエレメントであるブレードエレメント17を示している。中性子吸収材充填部19の下端は、中性子吸収材充填部20の下端よりもLdだけ下方に位置している。
制御棒1Aは、上端部セグメント6、中央セグメント27,37及び下端部セグメント38のそれぞれの境界の位置が制御棒1と異なっている以外は、制御棒1と同じ構成を有する。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、各セグメントにそれぞれ含まれている各中性子吸収材充填部の下端(または上端)の位置が異なっているので、制御棒1Aが炉心に挿入されているとき、4枚のブレードに形成された、隣り合うセグメント同士の境界の位置が、炉心の軸方向において異なった位置に存在する。このため、炉心に挿入されている制御棒1Aの挿入された高さの範囲内で、炉心の軸方向のどの位置においても、この制御棒1Aに含まれる中性子吸収材52が必ず存在する。この制御棒1Aは、その挿入高さの範囲内で、ほぼ一様に中性子を吸収することができる。
本発明の好適な一実施例である、沸騰水型原子炉に適用される実施例1の制御棒の斜視図である。 図1に示す上端部セグメントの斜視図である。 上端部セグメントを構成する一つのブレードエレメントの斜視図である。 上端部セグメントを構成する他のブレードエレメントの斜視図である。 図1に示す中央セグメントの斜視図である。 中央セグメントを構成する一つのブレードエレメントの斜視図である。 中央セグメントを構成する他のブレードエレメントの斜視図である。 下端部セグメントを構成する一つのブレードエレメントの斜視図である。 上端部セグメントの一つの中性子吸収材充填部に形成された各中性子吸収材充填孔を密封する作業工程を示す説明図であり、(A)は各中性子吸収材充填孔に中性子吸収材を充填した状態を示す説明図、(B)は各中性子吸収材充填孔に端栓を挿入した状態を示す説明図で、(C)は各端栓を溶接した状態を示す説明図、及び(D)は各端栓の端面に溶接開先部を形成した状態を示す説明図である。 上端部セグメントの一つの中性子吸収材充填部と中央セグメントの一つの中性子吸収材充填部を溶接により結合する作業工程を示す説明図であり、(A)は上端部セグメントの中性子吸収材充填部と中央セグメントの中性子吸収材充填部を対向させて配置した状態を示す説明図、(B)は上端部セグメントの中性子吸収材充填部と中央セグメントの中性子吸収材充填部を接触させた状態を示す説明図、及び(C)は上端部セグメントの中性子吸収材充填部と中央セグメントの中性子吸収材充填部を溶接により結合した状態を示す説明図である。 溶接によって結合された4つのセグメントを含む、制御棒の1つのブレードの縦断面図である。 制御棒の中性子吸収材有効長と高速中性子の照射量の関係を示す特性図である。 制御棒の中性子吸収材有効長とスクラム終了時における軸荷重の関係を示す特性図である。 図1に示すハンドルの他の構成例を示す斜視図であり、(A)は図3に示すハンドル部の他の構成例を示す斜視図、及び(B)は図4に示すハンドル部の他の構成例を示す斜視図である。 図14(A)のX−X断面図である。 本発明の他の実施例である、沸騰水型原子炉に適用される実施例2の制御棒の上部の構成図である。
符号の説明
1,1A…制御棒、2…ブレード、3…ハンドル、4…下部支持部材、6…上端部セグメント、7,17,28,31,39,45…ブレードエレメント、8,18,32,40,46,56…金属板、9,11,19,20,29,33,34,41,42,47,48…中性子吸収材充填部、10,12,30…突起部、13,21…ハンドル部、16…中性子吸収材充填孔、24,35,44,50…連結部、25,26,36,51,54…溶接部、27,37…中央セグメント、38…下端部セグメント、52…中性子吸収材、52A…ハフニウム、52B…炭化ホウ素、53…端栓。

Claims (5)

  1. 横断面が十字形をしており、互いに溶接にて結合されて軸方向に並んで配置された複数のセグメントを備え、
    最も上方に位置する前記セグメントである第1セグメントが、1枚の金属板から加工された、ハンドル部及び前記軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している複数の中性子吸収材充填部をそれぞれ有する一対のブレードエレメントを十字形に組み合せて構成され、
    最も下方に位置する前記セグメントである第2セグメントが、下部支持部及び前記軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している複数の中性子吸収材充填部をそれぞれ有する一対のブレードエレメントを十字形に組み合せて構成され、
    前記第1セグメントと前記第2セグメントの間に配置された他の前記セグメントである少なくとも1つの第3セグメントは、前記軸方向に伸びて中性子吸収材が充填された複数の中性子吸収材充填孔を形成している4つの中性子吸収材充填部を、十字形に組み合せて構成され、
    前記セグメント同士の結合が、隣り合う前記セグメントの前記中性子吸収材充填部同士を溶接することによって行われたことを特徴とする制御棒。
  2. 前記第2セグメントは、1枚の金属板から加工された、前記下部支持部及び前記複数の中性子吸収材充填部をそれぞれ有する前記一対のブレードエレメントを含んでいる請求項1に記載の制御棒。
  3. 前記セグメントに形成された各々の前記中性子吸収材充填孔の、前記中性子吸収材の充填時に開放されている端部にそれぞれ挿入した各端栓の全周を、前記セグメントの筐体に溶接することによって、前記セグメントに第1封止部を形成している請求項1または2に記載の制御棒。
  4. 前記セグメント同士の結合が、溶接によって前記第1封止部を被う第2封止部を形成することによって行われた請求項3に記載の制御棒。
  5. 前記第1セグメントに形成されたそれぞれの前記中性子吸収材充填孔内に充填された前記中性子吸収材がハフニウムであり、前記第2及び第3セグメントに形成された複数の中性子吸収材充填孔のうち、少なくとも、前記第2及び第3セグメントの外側端部に位置する前記中性子吸収材充填孔を除いた複数の前記中性子吸収材充填孔に、異なる前記中性子吸収材である炭化ホウ素を充填している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制御棒。
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