JP5090445B2 - イントロデューサ用トルク伝達手段および方法 - Google Patents
イントロデューサ用トルク伝達手段および方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2006年6月23日に出願された米国仮特許出願第60/815,853号明細書(‘853号出願)の優先権を主張する。本出願は、また、現在係属中の2006年12月28日に出願された米国特許出願第11/646,528号明細書(‘528号出願)の優先権も主張する。‘853号出願と‘528号出願は両方とも、参照により本明細書に完全に記載されているかのごとく援用される。
【0002】
本出願は、米国仮特許出願第60/815,852号明細書、米国仮特許出願第60/815,880号明細書、米国仮特許出願第60/815,881号明細書、および米国仮特許出願第60/815,882号明細書に関し、これらは全て2006年6月23日に出願された。上記出願は全て参照により本明細書に完全に記載されているかのごとく援用される。
【0003】
本出願は、また、現在は放棄されている1996年10月22日に出願された米国特許出願第08/735,036号明細書の一部継続出願である、1997年10月15日に出願された米国特許出願第08/943,683号明細書(現在、米国特許第6,161,543号明細書)の一部継続出願である、1998年9月21日に出願された米国特許出願第09/157,824号明細書(現在、米国特許第6,237,605号明細書)の一部継続出願である、1999年7月19日に出願された米国特許出願第09/356,476号明細書(現在、米国特許第6,311,692号明細書)の一部継続出願である、2000年2月18日に出願された米国特許出願第09/507,336号明細書の一部継続出願である、2000年7月12日に出願された米国特許出願第09/614,991号明細書(現在、米国特許第6,805,128号明細書)の一部継続出願である、2001年6月19日に出願された米国特許出願第09/884,435号明細書(現在、米国特許第6,719,755号明細書)の一部継続出願である、2002年2月15日に出願された米国特許出願第10/077,470号明細書(現在、米国特許第6,840,936号明細書)の一部継続出願である、2002年9月24日に出願された米国特許出願第10/255,134号明細書(現在、米国特許第7,052,493号明細書)の継続出願である、共に2006年4月11日に出願された米国特許出願第11/401,345号明細書および同第11/401,357号明細書に関する。上記は全て、明示的に参照により本明細書に完全に記載されているかのごとく援用される。
【0004】
(技術分野)
本発明は、一般に、組織をアブレーションする(ablating)ためのデバイスおよび方法に関する。心臓の電気生理学的疾患の診断および治療、より具体的には、心房細動を治療するための心外膜マッピングおよびアブレーションのためのデバイスおよび方法が、本発明のデバイスおよび方法に関連して記載される。より詳細には、本発明は、サイズ測定器(sizer)およびイントロデューサの改良に関し、その結果、トルク伝達が増加する。
【背景技術】
【0005】
心房細動が、心臓の筋肉(心筋)の無秩序な電気活動から生じることは周知である。心房細動を治療するためにメイズ手術が開発されてきたが、これは、瘢痕組織によって境界が形成された回廊状の生組織の伝導路を作り出すように、予め選択されたパターンで心房心筋に一連の外科的切開を作り出すことを含む。
【0006】
メイズ手術の外科的切開の代わりに、心臓の経壁アブレーションを使用してもよい。このようなアブレーションは、動脈または静脈を通して導入された血管内デバイス(例えば、カテーテル)を使用して心腔内から実施されても(心内膜アブレーション)、または、患者の胸部に導入されたデバイスを使用して心臓の外側から実施されてもよい(心外膜アブレーション)。以下に限定されないが、クライオアブレーション、高周波(RF)アブレーション、レーザーアブレーション、超音波アブレーション、およびマイクロ波アブレーションを含む様々なアブレーション法を使用してもよい。アブレーションデバイスは、細長い経壁損傷部(lesion)、即ち、電気伝導を遮断するのに十分な厚さの心筋を通って延びる損傷を作り出し、心房心筋中に回廊状の伝導路の境界を形成するのに使用される。外科的切開ではなく経壁アブレーションを使用することについておそらく最も有利なことは、最初に心肺バイパス(CPB)を確立することなくアブレーション処置を実施できることである。
【0007】
メイズ手術およびその変形を実施する際、アブレーションを使用するかまたは外科的切開を使用するかに関わらず、一般に、周囲の心筋から肺静脈を隔離する経壁切開または損傷部を含むことが最も効果的であると考えられる。肺静脈は、肺と心臓の左心房を接続し、心臓の後側の左心房壁に結合する。このような処置は、抗不整脈薬なしで57%〜70%成功することが分かった。しかし、それらはまた、損傷部回復、不整脈の非肺静脈病巣の結果として、20%〜60%の再発率を伴い、または更に組織を変化させる必要性を伴う。
【0008】
現在、肺静脈を隔離する方法は、肺静脈と左心房組織の周囲で湾曲するように設計されたデバイスの使用を含むことができる。従って、多くのカテーテル、イントロデューサ、または使用される他のデバイスは、規定の湾曲部位を有する。側方開胸術(lateral thoracotomy)切開を通してこれらのデバイスを配置することは、外科医が施術しなければならない空間が狭いため、困難で且つ時間がかかる可能性がある。従って、デバイスは、外科処置中、これらの湾曲したデバイスを心房または肺静脈などの解剖学的特徴の周囲に安全且つより効率的に導く必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、治療される領域にアブレーションデバイスを配置する際により有効な、アブレーションデバイスを導入するためのイントロデューサを提供できることが望ましい。
【0010】
また、外科医による患者の脈管構造を移動する操作を向上できるイントロデューサを提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
側方開胸術に使用されるキットを本明細書に開示する。キットは、近位端と遠位端、およびそれらの間の中間部分を有する細長い可撓性の本体を有するイントロデューサを含み、付勢されていない(即ち、弛緩した)休止状態のとき、遠位端は少なくとも部分的なループを形成する。細長い可撓性の本体は、また、近位端から、近位端と、遠位端が湾曲し始める点との間の点まで延びるルーメン、並びに、ルーメンを介してアクセス可能な少なくとも1つのトルク付与レセプタクルを含む。キットはまた、ハンドルとハンドルにしっかりと連結されたシャフトとを有するトルク伝達デバイスも含む。シャフトは、ルーメンに、および更に少なくとも1つのレセプタクルに挿入されるように構成されている。使用者がハンドルにトルクを付与するとき、シャフトはレセプタクルでイントロデューサの中間部分にトルクを伝達する。イントロデューサは、トルク伝達デバイスのハンドルを受け入れるように構成されているコネクタを有してもよい。任意に、イントロデューサの近位端は、トルク伝達デバイスのハンドルを受け入れるように構成されているスナップ嵌めコネクタを含んでもよい。好ましくは、トルク伝達デバイスのシャフトは、鋼などの捩り力に耐える材料で製造されている。イントロデューサの細長い可撓性の本体は2つ以上のレセプタクルを有してもよく、そのため、シャフトはレセプタクルに嵌合する対応する数の遠位端を有するように構成されてもよい。細長い本体の断面は変化してもよく、好ましくは遠位端よりも近位端のほうが大きい。イントロデューサの細長い本体は、近位端から遠位端までトルクの伝達を助けるため、編組ワイヤアセンブリを含んでもよい。
【0012】
心外膜表面に沿って少なくとも1つの肺静脈の周囲の少なくとも一部のサイズを測定するためのサイズ測定デバイスも開示される。サイズ測定デバイスは、近位端、遠位端、およびそれらの間の中間部分を有する細長い本体を含み、細長い本体は、弛緩状態のとき、遠位端付近に少なくとも部分的なループを含む。サイズ測定デバイスは、また、近位端にハンドルも含み、細長い本体は、近位端から、中間部分内の点まで延びるルーメンを含む。細長い可撓性の本体は、また、ルーメンを介してアクセス可能な少なくとも1つのレセプタクルも含み、レセプタクルは、細長い本体の中間部分にトルクを付与するように構成されている。サイズ測定デバイスは、また、ハンドルにしっかりと連結され、ハンドルから少なくとも1つのレセプタクルまで延び、ハンドルから中間部分までトルクを伝達することを助けるシャフトも含む。サイズ測定デバイスは、好ましくは、細長い本体の長さに沿って複数のサイズインジケータを含み、ここで、複数のサイズインジケータは、サイズ測定デバイスが心臓の一部の周囲に配置されるとき、サイズ測定デバイスの遠位端付近に形成される少なくとも部分的なループで測定される距離を示す。
【0013】
心外膜表面に沿って1つ以上の肺静脈の周囲の領域のサイズを測定するためのサイズ測定デバイスも開示する。サイズ測定デバイスは、遠位端、近位端、およびこれらの間の中間部分を有する細長い本体を含む。遠位端は、付勢されていない休止形状のとき、少なくとも部分的なループを形成するように構成されており、近位端は遠位端より大きい断面を有する。細長い本体は、遠位端または中間部分のどちらかに配置されたインサートを有する。ハンドルは、細長い本体の近位端に配置され、シャフトはハンドルに強固に連結され、細長い本体のインサートまで延び、ハンドルから、細長い本体の遠位端と中間部分の少なくとも1つまでトルクを伝達することを助ける。ハンドルは、アブレーションデバイスを受け入れるように構成されているスナップ嵌めコネクタであってもよい。シャフトは、好ましくは、鋼などの捩り力に耐える材料で製造される。インサートはねじの頭部にあるような溝として形成されてもよく、シャフトは、溝付きのインサートと嵌合するねじ回しに類似の平坦な頭部を有してもよい。
【0014】
心外膜表面をアブレーションするアブレーションデバイスを導入する方法も開示する。本方法は:遠位端、近位端、およびこれらの間の中間部分を有する細長い本体を有するイントロデューサを提供する工程であって、遠位端が弛緩状態で少なくとも部分的なループを形成する工程;トルク伝達デバイスをイントロデューサに挿入する工程であって、トルク伝達デバイスが、近位端に配置されたハンドルと、ハンドルから延びるシャフトとを含む工程;患者の切開を通してイントロデューサを挿入する工程;近位端でイントロデューサを操作し、イントロデューサの遠位端を心臓の少なくとも一部の周囲に巻き付ける工程;トルク伝達デバイスを取り外す工程;アブレーションデバイスをイントロデューサの近位端に取り付ける工程;および、アブレーションデバイスを患者の心臓の少なくとも一部の周囲に配置するようにイントロデューサを操作する工程を含む。また、イントロデューサを使用して、患者の心臓の少なくとも一部の周囲を示す測定値を推定してもよい。例えば、肺静脈隔離アブレーション損傷部を形成するためなどに、患者の心臓の一部を取り囲むのにアブレーション素子が幾つ必要であるかが測定値で使用者に分かってもよい。測定値に基づいて、使用者は適切なサイズのアブレーションデバイスを選択してもよい。
【0015】
本発明のデバイスは、心臓アブレーション中、均一で連続的な線状の損傷部を作り出すための、アブレーションデバイスの選択および導入が可能である。一部には近位のハンドルからイントロデューサの遠位端へのトルク伝達を実施する能力が高いため、サイズ測定器/イントロデューサデバイスをよりうまく操作することができる。
【0016】
本発明の1つの利点は、サイズを測定し、処置される組織領域にアブレーションデバイスを導入するのに必要な時間が短いことである。
【0017】
本発明の別の利点は、アブレーション処置中、外科医がより小さい切開を使用し得、それによって患者の回復プロセスが速くなることである。
【0018】
本発明の上記および他の態様、特徴、詳細、使用、および利点は、以下の説明および特許請求の範囲を読むことによって、および添付の図面を検討することによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態によるアブレーションシステムを概略的に示す図である。
【図2】イントロデューサを示す図である。
【図3】図2に示されたイントロデューサの側面図である。
【図4】PV隔離アブレーションを作り出すためのアブレーションデバイスを示す図である。
【図5】開放姿勢の図4のアブレーションデバイスを示す図である。
【図6】閉鎖ループを形成する図4のアブレーションデバイスを示す図である。
【図7】肺静脈の周囲に前進されている図2のイントロデューサを示す図である。
【図8】アブレーションデバイスのサイズを決定するため、肺静脈の周囲に延びるイントロデューサを示す図である。
【図9】イントロデューサに接続されているアブレーションデバイスを示す図である。
【図10】イントロデューサに連結され、イントロデューサの操作によって肺静脈の周囲に前進されているアブレーションデバイスを示す図である。
【図11】後のプロセス工程における図10と同じものを示す図である。
【図12】アブレーションデバイスから分離されているイントロデューサを示す図である。
【図13】イントロデューサとアブレーションデバイスの間の接続の拡大図である。
【図14】肺静脈の周囲に閉鎖ループを形成するアブレーションデバイスを示す図である。
【図15】肺静脈の周囲に閉鎖ループを形成し、縫合糸を使用してこの形状に固定されたアブレーションデバイスを示す図である。
【図16】イントロデューサ/サイズ測定器およびトルク伝達デバイスを含む、本発明に関する様々な構成要素の図である。
【図17】近位端付近から見たイントロデューサの断面端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態によるアブレーションシステム10が示されている。アブレーションシステム10は、好ましくは集束(focused)超音波エネルギーを送達するように動作する制御装置12を含む。アブレーションシステム10は、肺静脈(PV)隔離アブレーション損傷部を作り出すために、アブレーションデバイス14を心外膜位置の肺静脈の周囲に巻き付けるのに使用されてもよい。アブレーションシステム10は流動性材料の供給源16を更に含んでもよく、それは、標準的なルアー接続18によってアブレーションデバイス14に重力供給する食塩水のバッグであってもよい。
【0021】
図4〜図6に関して、アブレーションデバイス14は、共通軸に沿って実質的に整列し、好ましくはアブレーションデバイス14に一体に形成されたヒンジによって一緒に連結された複数のアブレーション素子26を含む。「共通軸に沿って実質的に整列した」は、一緒に連結されている方向に沿ってアブレーション素子26間に食い違い(staggering)がほとんどまたは全くないことを意味する。アブレーション素子26は、或いは、本発明の範囲から逸脱することなく、一体に形成されたヒンジではなく、機械的接続で一緒に連結されてもよいことを理解すべきである。
【0022】
アブレーションデバイス14は、好ましくは約5個〜約30個のアブレーション素子26、より好ましくは約10個〜約25個のアブレーション素子26、最も好ましくは約15個未満のアブレーション素子26を有する。しかし、アブレーションデバイス14の特定の用途に応じて、任意の数のアブレーション素子26を使用してもよいことを理解すべきである。例えば、大動脈、肺静脈、上大静脈、または下大静脈などの1本の血管の周囲だけに延びるようにアブレーションデバイス14を使用してもよく、その場合、アブレーションデバイス14は、好ましくは約4個〜約12個のアブレーション素子26、より好ましくは約8個のアブレーション素子26を含む。各アブレーション素子26は、好ましくは別個の自律的に制御されるセルである。
【0023】
アブレーションデバイス14の本体28は、好ましくは、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド(例えば、アルテム(Ultem)(登録商標))、シリコーン、またはウレタンなどのポリマー材料で製造され、好ましくは射出成形で形成される。しかし、当業者には、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、任意の好適な材料および方法を使用してアブレーションデバイス14を形成してもよいことが分かる。好ましくは、本体28の外面は、アブレーションデバイス14を患者の組織にひっかけるリスク、または他にアブレーションデバイス14の挿入中に外傷を引き起こすリスクを制限するように平滑である。
【0024】
アブレーションデバイス14は、心臓の領域を取り囲むことを容易にする所定の湾曲を有するように構成されているが、同時にアブレーションデバイス14がその全幅を最小限にするように直線状または平坦になることが可能である。後者の(即ち、平坦な)形状は、アブレーションデバイス14が心臓組織に到達するように患者の比較的小さい切開を通して挿入されることを容易にし、従って、本明細書では「挿入形状」と称される。換言すれば、アブレーションデバイス14は、少なくとも2つの異なる形状、即ち、心臓の周囲で操作することを容易にする所定の湾曲(例えば、図5)と、患者の体内に挿入することを容易にする実質的に直線状の略平坦な形状(湾曲がほとんどまたは全くない)を可能にするように構成されている。挿入中、平坦な形状を使用することによって、外科医はより小さい切開を使用し得、それによって患者の回復時間が短くなる。湾曲した形状を使用して患者の心臓の周囲でアブレーションデバイス14を操作することによって、外科医が、アブレーションデバイス14を処置位置に操作することが容易になる。また、アブレーションデバイス14を、図6、図14および図15に見られるような略閉鎖ループである第3の形状に変形させてもよい。この第3の形状は、以下に更に詳細に記載される。
【0025】
「所定の湾曲」という語句は、アブレーションデバイス14が湾曲形状を取り、ある一定の意図された操作中にその全体形状を維持するように設計されていることを意味することが意図されている。例えば、アブレーションデバイス14は挿入されるように実質的に直線状の姿勢に維持され得るが、アブレーションデバイス14は、心臓の周囲で操作するとき、再び湾曲形状を取り、維持することが意図されている。例えば、図6に示される実質的に閉鎖したループ状の第3の形状になるように、湾曲の程度を増加または減少させるため、アブレーションデバイス14に追加の力を加えてもよい。「所定の」の使用は、アブレーションデバイス14が、心臓の一部の周囲に配置されているとき、略湾曲形状を維持する(即ち、アブレーションデバイス14に外力が加わっていない、アブレーションデバイス14の「弛緩」状態は、略湾曲形状である)ことを意味することが意図されている。
【0026】
アブレーションデバイス14の1つの好ましい実施形態では、アブレーション素子26は、例示に過ぎないが、ニチノールなどの記憶金属を含む超弾性材料を使用して接続される。当業者が理解するように、「超弾性材料」は、塑性変形することなく、非常に大きい歪を受けることができる材料である。超弾性のため、アブレーションデバイス14は、実質的に同一平面上にあるように実質的に変形した後、所定の湾曲に戻ることが可能である。アブレーションデバイス14が比較的小さい切開を通して患者に挿入されるように実質的に直線状となり、その後、略湾曲形状で心臓の周囲の位置に操作され得るように、例えば、アブレーション素子26は全てニチノールまたは別の超弾性材料の1本以上のストランドを使用して相互接続されてもよい。ニチノールまたは別の超弾性材料は、複数のアブレーション素子26を接続し所定の湾曲を維持するヒンジワイヤの形態を取ってもよい。
【0027】
一実施形態では、各アブレーション素子26はハウジングに収容されており、その縁部は、隣接するアブレーション素子26が互いに少なくとも2つの関係を有することを可能にするように、即ち、1つでは、それらは実質的に同一平面上にあり、その結果、実質的に平坦な形状になり、もう1つでは、それらは角度をなしており、その結果、略湾曲形状となることを可能にするように、角度が付いていてもよい。好ましくは、アブレーションデバイス14がその弛緩状態(即ち、略湾曲形状)にあるときの隣接するアブレーション素子26の面の間の角度は、アブレーション素子26の数に基づいて調節されてもよく、典型的には約10度〜約30度であってもよい。ヒンジは、完全にまたは部分的にハウジングに一体化されていてもよい。
【0028】
アブレーション素子26の調節可能な形状が、機械的ヒンジおよび/またはばねの組み合わせなどの、ばねシステムを使用して実施され得ることも考えられる。機械的ヒンジおよび/またはばねを、前述のような角度の付いた縁部30を有するアブレーション素子26と併用してもよい。更に、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、一般に密巻きワイヤと任意にそれを通って延びるコアワイヤを含む標準的なガイドワイヤ構造(図示せず)を使用して、アブレーション素子26を相互接続してもよい。
【0029】
任意に、アブレーションデバイス14を患者に挿入するとき、シースを補助として用いてアブレーションデバイス14を一時的に変形させてもよい。シースはアブレーションデバイス14に変形力を加え、アブレーション素子26を実質的に直線状の挿入形状に維持することを助ける。好ましくは、シースは、アブレーションデバイス14を実質的に直線状の挿入形状で収容するサイズに作られている直線状の円筒である。従って、シースを使用し、アブレーションデバイス14を、切開を通して患者に導入してもよい。アブレーションデバイス14が切開を通して導入された後、シースは取り外されてもよく、超弾性ワイヤまたはばねシステムによって起こる張力により、アブレーションデバイス14は再びその所定の湾曲を取る。
【0030】
或いは、スタイレットを使用して、アブレーションデバイス14を略直線状の挿入形状に変形させてもよい。各アブレーション素子26は、中にスタイレットを受け入れる形状に作られたガイドチューブを含んでもよい。ガイドチューブは、各アブレーション素子26の内部にあってもよく、またはアブレーションデバイス14の外部に取り付けられていてもよい。スタイレットがガイドチューブを通るとき、スタイレットはアブレーションデバイス14に変形力を加え、アブレーション素子26を実質的に直線状の形状に維持することを助け、アブレーションデバイス14を、切開を通して患者に挿入することを容易にする。アブレーションデバイス14が導入された後、スタイレットは抜去されてもよく、そのとき、超弾性ワイヤまたはばねシステムによって起こる回復力により、アブレーションデバイス14は再びその所定の湾曲を取る。
【0031】
アブレーション素子26は、以下に限定されないが、集束(focused)超音波素子、高周波(RF)素子、レーザー素子、およびマイクロ波素子を含む、アブレーションエネルギーを心臓組織に向けて送達する任意の素子であってもよい。アブレーション素子26は、好ましくは約1mm〜約15mm、より好ましくは約10mmの幅と、約2mm〜約25mm、より好ましくは約12mmの長さを有する。RF素子を使用するとき、RF素子は、RFエネルギーを素子に伝達するRF発生装置に連結される。RF素子は好ましくはステンレス鋼または金メッキされた銅電極であるが、任意の好適な電極を使用してもよい。RFアブレーション素子26では、アブレーション素子26は好ましくは標的組織から、約0.5mm〜約3mm、より好ましくは約1.5mmの距離だけ離間している。
【0032】
アブレーション素子26はワイヤによって制御装置12に連結されている。ワイヤは、図1に示されるように、アブレーションデバイス14を制御装置12に連結するのに使用可能なプラグ36に集合的に組み込まれてもよい。制御装置12は、例えば、前述のようにアブレーションを制御する。アブレーションエネルギーの供給源(例えば、信号発生装置)は、制御装置12の一部であってもよく、またはそれとは別々であってもよい。1つ以上の温度センサ、好ましくは熱電対またはサーミスタは、温度を測定するために、アブレーションデバイス14の内側リップと外側リップの凹部内に配置される。温度センサはまた、監視の目的で、且つ、前述のようにアブレーションプロセスを制御するために温度フィードバックを提供するために、例えば、プラグ36を介して制御装置12に連結される。
【0033】
各アブレーション素子26は、アブレーションされる組織と適合可能な界面を提供するため、流体チャンバ内に流動性材料を収容する膜を有してもよい。この膜は、流動性材料が通って漏出または滲出し得る開口部を含んでもよく、それに繋がる個々の入口によって各膜に供給されてもよい。
【0034】
流動性材料は、好ましくは、少なくとも約0.24cc/秒、好ましくは少なくとも約0.50cc/秒、最も好ましくは少なくとも約1.0cc/秒の平均流量で各アブレーション素子26に供給されるが、これより少ないまたは多い流量を使用してもよい。流動性材料は、好ましくは、アブレーションデバイス14の入口に、アブレーション素子26を通る所望の平均流量が得られる設定圧力で送達される。所望に応じてまたは必要に応じて、アブレーションデバイス14の入口(例えば、図1に見られるようなルアー接続18)に送達する前に流動性材料を熱交換器44に通すことによって、流動性材料を加熱または冷却してもよい。流動性材料は、組織および/またはアブレーション素子26を冷却するため、好ましくは約40℃以下の温度で、より好ましくは約25℃以下の温度で送達される。また、流体チャンバ内に流動性材料を保持し、アブレーション素子26とアブレーションされる組織との直接接触を防止するため、ガーゼなどの流体浸透性多孔質構造を配置してもよい。
【0035】
本システムは、図2および図3に示されているイントロデューサ20を更に含み、それは、図7および図8に示され、後述されるように、肺静脈の周囲に前進される。図2に示されるように、イントロデューサ20は、好ましくは、付勢されていない形状で実質的に閉鎖したループを形成し、図3に示されるようにその遠位先端22付近に小さい片寄りがある。
【0036】
図16は、イントロデューサ20およびトルク伝達デバイス60を示し、トルク伝達デバイス60は、イントロデューサ20のルーメン61(図17)に挿入されるように設計されている剛性シャフト62を含む。好ましくは、トルク伝達デバイス60は、近位端にハンドル64も含む。より好ましくは、ハンドル64は、イントロデューサ20の近位端の対応する接続部46と相互連結する。好ましくは、トルク伝達デバイス60のシャフト62は、鋼またはステンレス鋼などの捩り力に耐える材料で製造されている。当然ながら、限定されることなく、他の金属および複合材料を含む任意の比較的剛性の高い材料を使用してもよい。
【0037】
イントロデューサ20は、近位端68、遠位端70、およびそれらの間の中間部分72を有する細長い可撓性の本体を有する。付勢されていない休止形状のとき、遠位端70は少なくとも部分的なループを形成するように構成されている。即ち、遠位端70の弛緩した形状は少なくとも部分的なループである。細長い可撓性の本体は、また、近位端68から、近位端68と、遠位端70が湾曲し始める点との間の点まで延びるルーメン61も含む。ルーメン61は、トルク伝達デバイス60のシャフト62を収容するように設計されている。
【0038】
トルク伝達デバイス60のシャフト62の遠位端を収容するため、イントロデューサ20の細長い可撓性の本体は、好ましくは、ルーメン61を介してアクセス可能な少なくとも1つのレセプタクル73(図17)またはインサートを収容している。ねじ回しがねじの頭部に嵌合するようにシャフト60がレセプタクル73に嵌合するように、レセプタクル73はねじの頭部の溝の形態を取ってもよく、シャフト62はねじ回しのような平坦な頭部を有してもよい。当然ながら、レセプタクル73は他の形態を取ってもよいが、一般に、シャフト60の遠位端と嵌合するように設計される。細長い可撓性の本体は、複数のこのようなレセプタクルを有してもよい。
【0039】
レセプタクル73の位置は、イントロデューサ20の近位端68と、遠位端70が湾曲し始める点との間の任意の点で様々であってよい。好ましくは、レセプタクル73は、近位端68と、遠位端70が湾曲し始める点との間の距離の少なくとも三分の一のところに、より好ましくは少なくとも半分のところに配置される。図16に示されるように、イントロデューサ20の断面が変化する場合、トルク伝達デバイス60のシャフト62がイントロデューサ20のルーメン61の中に少なくとも断面が減少し始める点まで挿入されるように、レセプタクル73が配置されることが好ましい。
【0040】
任意に、イントロデューサ20の近位端68は、トルク伝達デバイス60のハンドル64を受け入れるように構成されている、スナップ嵌めコネクタ46などのコネクタを含んでもよい。これは、ハンドル64からイントロデューサ20の近位端68へのトルク伝達を最大にするのに役立つ。
【0041】
トルク伝達デバイス60を使用すると、イントロデューサ20を患者の体内に挿入するプロセス中、外科医が制御し易くなり、従って、外科医がイントロデューサ20を素早く前進させ、患者のアブレーションデバイス14のサイズを決定することができるようになる。次いで、トルク伝達デバイス60を取り外し、イントロデューサ20の可撓性を回復させてもよく、それによって、アブレーションデバイス14の導入および配置が容易になる。(トルク伝達デバイス60の挿入により)剛性が改善されると、処置の初めに外科医が制御し易くなり、(トルク伝達デバイス60の取り外しにより)可撓性が高くなると、処置の治療段階で外科医が制御し易くなる。
【0042】
イントロデューサ20は、以下に限定されないが、エッチングされたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルブロックアミド、ナイロン、および他の熱可塑性エラストマーを含むポリマーを使用して製造されてもよい。このようなエラストマーには、アルケマ社(Arkema,Inc.)製のペバックス(Pebax)(登録商標)がある。以下に限定されないが、ペバックス(Pebax)30D〜ペバックス(Pebax)70Dを含む様々なデュロメータのペバックス(Pebax)を使用してもよい。当業者は、アブレーションシステム10の特定の用途に必要な所望の可撓度に基づいて、イントロデューサ20の製造に使用される成分を選択する。
【0043】
イントロデューサ20の少なくとも一部に編組ワイヤアセンブリ71(図17)を使用してもよい。編組ワイヤアセンブリ71は、好ましくは近位端68から遠位端70の方に延びる。例えば、それは、近位端68から、トルク伝達デバイス60がイントロデューサ20に挿入される深さまで延びてもよい。編組ワイヤアセンブリ71は、例えば、0.003インチ高張力ステンレス鋼ワイヤを含む、ステンレス鋼ワイヤで形成されてもよい。
【0044】
編組ワイヤアセンブリは、例えば、1インチ当たり45〜60ピック(「PPI」)の16本のワイヤなどの標準的な編組パターンで形成されてもよい。或いは、編組ワイヤアセンブリは様々な編組密度を有してもよい。例えば、編組ワイヤアセンブリは、イントロデューサ20の近位端68の第1の編組密度と、イントロデューサ20の遠位端70に近付いて1つ以上の異なる編組密度に移行することを特徴としてもよい。遠位端70の編組密度は、近位端68の編組密度より大きくても、または小さくてもよい。具体例では、基部(近位端)の1インチ当たりのピックの数は約50であり、トルク伝達デバイスが挿入される深さの1インチ当たりのピックの数は約10である。好ましくは、編組ワイヤアセンブリはトルク伝達デバイス60と併用されるが、編組ワイヤアセンブリがトルク伝達デバイス60の代わりに使用され得ることも考えられる。
【0045】
イントロデューサ20は、アブレーションデバイス14のサイズを決定するためのサイズ測定デバイスとして使用されてもよい。例えば、図2に示されるように、イントロデューサ20は、アブレーションデバイス14の適切なサイズを決定するために使用可能なサイズインジケータ24を有してもよい。図4〜6に示され、本明細書に詳細に記載されているアブレーションデバイス14では、アブレーションデバイス14のサイズは、実際上、アブレーション素子の数によって決定される。しかし、また、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、アブレーションデバイス14のサイズを決定するための他の方法を使用し得ることも考えられる。
【0046】
使用する際、並びに、図7および図8に示されているように、イントロデューサ20は患者に挿入され、心膜横洞に隣接する右上肺静脈に隣接する心膜翻転部(pericardial reflection)の切開を通される。好ましくは、イントロデューサ20は略直線状の形状で挿入される。従って、イントロデューサ20を患者に挿入する際に直線化イントロデューサ74(図16)をうまく使用してもよい。
【0047】
患者に挿入された後、イントロデューサ20を、心膜横洞を通して、左上および下肺静脈の周囲に前進させ、右下肺静脈近傍の心膜翻転部の別の切開を通して出してもよい。次いで、イントロデューサ20上に刻印されたインジケータ24を使用して、アブレーションデバイス14の適切なサイズを読み取ってもよい。例えば、図8では、イントロデューサ20のサイズインジケータ24は、「12」と読まれ、12個のアブレーション素子を有するアブレーションデバイス14が実質的に肺静脈を取り囲むことを示す。
【0048】
例えば、前述のようにイントロデューサ20を使用することによってアブレーションデバイス14の適切なサイズが分かった後、前述され、図9、図13および図16に示されるような嵌合するスナップ嵌めコネクタ46などの任意の好適な接続でアブレーションデバイス14をイントロデューサ20の近位端68に連結してもよい。また、イントロデューサ20から独立したデバイスまたは方法を使用してアブレーションデバイス14の適切なサイズを決定してもよいことを理解すべきである。アブレーションデバイス14は好ましくは、任意にシース、スタイレット、または他の直線化デバイスの使用により直線状にされているときに患者に導入される。
【0049】
次いで、アブレーションデバイス14を操作し、肺静脈の周囲にアブレーションデバイス14を巻き付けるため、図10および図11に示されているようにイントロデューサ20を更に引いてもよい。アブレーションデバイス14が切開を通して導入された後、肺静脈の周囲で操作されるように、アブレーションデバイス14が再びその所定の湾曲を取ることを可能にするため、シース、スタイレット、または他の直線化デバイスを取り外してもよい。
【0050】
図12に示されるように、アブレーションデバイス14を肺静脈の周囲に巻き付けた後、アブレーションデバイス14から取り外し可能なアセンブリ48を脱離させることによってイントロデューサ20をアブレーションデバイス14から脱離させてもよい。本発明の幾つかの実施形態では、取り外し可能なアセンブリ48は、取り外し可能なアセンブリ48をデバイス14に保持する1本以上の縫合糸50(図13)を単に切断することによって脱離される。1本以上の縫合糸50を切断する必要なく、最初にイントロデューサ20がアブレーションデバイス24に連結されるのと同じ場所でイントロデューサ20を分離することを可能にするように、イントロデューサ20とアブレーションデバイス14の間のスナップ嵌め接続46を取り外し可能とすることも考えられる。
【0051】
次いで、肺静脈の全部または一部を取り囲むように、アブレーションデバイス14をそれ自体に実質的に閉鎖したループ形状で固定してもよい。デバイス14は、両端に縫合糸52のように細長い要素を有し、それに張力をかけて一緒に締め、図6、図14、図15および図16に示されるように、止血帯54および縫合糸スネア56を使用してデバイス14の端部を互いに固定することができる。
【0052】
好ましくは、アブレーションデバイス14は、反対側にある2対の縫合糸52を有するが、他の数および形状の縫合糸52も本発明の範囲に入ると考えられる。縫合糸52に張力をかけることによってアブレーションデバイス14の端部が一緒に合わさるように、止血帯54を使用して縫合糸52に張力をかけ、アブレーションデバイス14の端部を寄せる。アブレーションデバイス14のサイズ決定により(前述のようにイントロデューサ20を使用して決定され得る)、縫合糸52に張力をかけることによって、アブレーションデバイス14が心外膜表面と接触するように肺静脈の全部または一部の周囲にぴったりとフィットする。図15に見られるように、アブレーションデバイス14を肺静脈の周囲の所定の位置に固定するために、止血鉗子58または他の好適なデバイスを使用して止血帯54を締め付けてもまたはかしめてもよい。或いは、アブレーションデバイス14は、それ自体に固定され、それによって肺静脈の周囲の所定の位置に固定されるようにバックルまたは他の取り外し可能な固定機構などの固定機構を使用してもよい。
【0053】
アブレーションデバイス14は、アブレーションされる組織にデバイス14が付着することを助けるため、吸引ウェル(suction well)を含んでもよい。吸引ウェルは任意の形態を取ってもよく、好ましくはアブレーションデバイス14の本体28の内側リップと外側リップの間に形成される。吸引ウェルは、ルーメンを通して真空供給源に連結された吸引ポートを有してもよい。真空供給源を作動させ、吸引ウェルでアブレーション素子26をアブレーションされる組織に当てて保持してもよい。吸引ポートは、好ましくは、ルーメンの断面サイズの約10%以下の断面サイズを有する。従って、比較的小さい吸引ポートで生じる流量は小さいため、1つのアブレーション素子26で吸引が失われても、他のアブレーション素子26で吸引を維持することができる。当然ながら、組織に付着しないアブレーション素子26を通して失われることを減少させるため、吸引ポート以外の真空流路の別の部分を小さいサイズに作ってもよい。
【0054】
制御装置12は、好ましくは、アブレーション素子26を所定の方法で作動させる。「所定の方法」という語句は、ランダムではない順序を指すことが意図されている。1つの動作モードでは、アブレーションは隣接するアブレーション素子26で実施される。また、第1および第2のアブレーション素子26、並びに、第5および第6のアブレーション素子26などの多数の隣接するアブレーション素子26対でアブレーションを実施してもよい。これらの隣接するアブレーション素子26でアブレーションを実施した後、第3および第4の、並びに第7および第8のアブレーション素子26などの、別の隣接する1つまたは複数のアブレーション素子26対を作動させる。隣接するアブレーション素子26の間のアブレーションの連続性を任意の好適な方法で確認してもよい。他の動作モードでは、制御装置12はアブレーション素子26を1つおきに、アブレーション素子26を2つおきに、または、4個以下などの限られた数のアブレーション素子26に通電してもよい。制御装置12は、また、一度に全アブレーション面積の約50%未満、更には約30%未満を作動させてもよい(アブレーションデバイス14では、全アブレーション面積のパーセンテージは、実際上、アブレーション素子26の総数のパーセンテージである)。
【0055】
好ましくは、アブレーションデバイス14は、アブレーション処置中、特定の近面(near surface)(NS)温度を達成し、維持するように設計されている。例えば、アブレーションデバイス14は、約0℃〜約80℃、より好ましくは約20℃〜約80℃、最も好ましくは約40℃〜約80℃の近面(NS)温度を維持するように設計されてもよい。流動性材料の流量、流動性材料の温度、および/またはアブレーション素子26に送達される出力を変化させることによって、温度を調節することができる。
【0056】
幾つかの実施形態では、アブレーションは、温度センサによって測定された温度に基づいて制御される。例えば、制御装置12は閾値温度未満の温度を有するアブレーション素子26にだけアブレーションエネルギーを送達するマルチプレクサを組み込んでもよい。或いは、マルチプレクサは、最低温度のアブレーション素子26にだけ、または最低温度を示すアブレーション素子にだけアブレーションエネルギーを送達してもよい。
【0057】
経時的温度変化を測定した後、温度応答を分析し、適切なアブレーション法を決定してもよい。分析は、既知の組織タイプの温度応答曲線に対するその温度応答の比較であってもよい。温度応答曲線は、実験的に作成されてもよく、または計算されてもよい。温度応答は、また、以下に限定されないが、血液温度、血流量、並びに脂肪の存在および量を含む、使用者が入力した他の変数を考慮してもよい。アブレーション素子26で加熱するときの温度応答を評価するとき、組織のキャラクタリゼーションに、組織に送達されたエネルギーの量を考慮に入れてもよい。
【0058】
温度応答評価の結果を使用して、制御装置12は、好ましくは、所望の遠面(far surface)(FS)温度を生じさせるのに適切なアブレーション法を決定する。1つの操作モードでは、NSが約60℃未満の温度に維持されるとき、制御装置12は所望のFS温度に到達するのに必要な時間を決定する。制御装置12は、好ましくは、所望のNS温度を維持するのに十分な流動性材料の流量と温度を維持する。制御装置12は、温度センサでNSの温度を監視する。計算された時間が経過した後、制御装置12は、アブレーション素子26へのアブレーションエネルギーの送達を自動的に停止する。或いは、温度センサで感知したとき、NSが標的温度に到達するまで、アブレーションを行ってもよい。次いで、アブレーションの連続性を前述のいずれかの方法で確認してもよい。
【0059】
アブレーションデバイス14は、好ましくは、少なくとも1つの寸法に集束した超音波エネルギーを送達する。特に、アブレーションデバイス14は、好ましくは約2mm〜約20mm、より好ましくは約2mm〜約12mm、最も好ましくは約8mmの焦点距離を有する集束された超音波を送達する。換言すれば、焦点は、前述の範囲内で焦点軸(FA)に沿ってアブレーションデバイス14の底(接触)面から離間している。集束超音波は、また、FAに対して約10度〜約170度、より好ましくは約30度〜約90度、最も好ましくは約60度の角度を形成する。好ましくは、超音波アブレーション素子26として圧電トランスデューサを使用する。トランスデューサは、好ましくは、筐体と、筐体に被嵌する蓋を有するハウジング内に取り付けられる。筐体は、トランスデューサの湾曲に概ね適合する湾曲したリップを筐体の両側に有してもよい。トランスデューサは、好ましくは、長さ約0.43インチ、幅約0.35インチ、および厚さ約0.017インチである。トランスデューサの曲率半径(R)は、前述の好ましい焦点距離と一致する。トランスデューサが形成する焦点(F)との角度(A)は、前述の好ましい角度範囲内にある。
【0060】
集束超音波エネルギーを使用する利点は、エネルギーを組織内に集中させることができるということである。集束超音波を使用する別の利点は、焦点に到達した後、エネルギーが発散し、それによって、平行超音波エネルギーと比較して、標的組織以外の組織を損傷する可能性が減少することである。心外膜組織を平行超音波でアブレーションするとき、標的組織によって吸収されなかった平行超音波エネルギーは心腔を通って移動し、心腔の他方側の心内膜表面に到達したとき、比較的小さい面積に集中したままである。本発明では、超音波エネルギーが焦点以外に発散し、より広い面積に広がるため、他の構造を損傷する可能性が減少する。
【0061】
集束超音波エネルギーは、好ましくは湾曲したトランスデューサで生成されるが、集束超音波エネルギーは任意の好適な構造で生成されてもよい。例えば、音響レンズを使用して集束した超音波を提供してもよい。音響レンズは、平坦な圧電素子および整合層と一緒に使用することができる。更に、超音波エネルギーは、好ましくは、組織の方に直接放射されるが、超音波エネルギーは、本発明の範囲から逸脱することなく、表面で反射されて組織の方に向けられてもよい。
【0062】
エネルギーは、また、長軸に沿ってまたはFAに沿って見たとき、前述の好ましい角度範囲および曲率半径内に超音波エネルギーを、例えば、エネルギーの少なくとも約90%を集束または集中させるように配向された多数の小さいトランスデューサによって生成されてもよい。例えば、多素子音波フェーズドアレイ(multi−element acoustic phased array)を使用して、1つ以上のセルから音響ビームを操縦できるようにしてもよい。当業者は、また、複数の整合層、集束音響レンズ、および非集束音響ウィンドウ等の使用が分かる。従って、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されていない他の方法を含む多数の異なる方法で、集束したエネルギーを生成してもよい。
【0063】
本発明の別の態様では、アブレーションデバイス14を2つの異なる時間に動作させ、そのとき、アブレーションエネルギーの周波数、アブレーションエネルギーの出力、組織に対する焦点の位置、および/またはアブレーション時間などのアブレーションデバイス14の少なくとも1つの特性を変化させる。例えば、アブレーションデバイス14を、ある時間にわたって様々な周波数で動作させ、制御された方法で組織をアブレーションしてもよい。具体的には、好ましくは組織へのエネルギー送達を制御することによって経壁損傷部を作り出すように、アブレーションデバイス14を動作させる。組織をアブレーションするとき周波数を変化させることが好ましいが、当然ながら、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、アブレーションデバイス14を単一の周波数で動作させてもよい。
【0064】
本発明の第1の処置方法では、約2MHz〜約7MHz、好ましくは約3.5MHzの周波数で、約80ワット〜約150ワット、好ましくは約130ワットの出力で、短いバーストでトランスデューサを作動させる。例えば、約0.01秒間〜約2.0秒間、好ましくは約1.2秒間、トランスデューサを作動させてもよい。作動と作動の間に、トランスデューサは約2秒間〜約90秒間、より好ましくは約5秒間〜約80秒間、最も好ましくは約45秒間、非作動状態である。このようにして、制御された累積エネルギー量を短いバーストで組織に送達して、焦点および焦点付近にある組織を加熱すると同時に、FSで冷却する血液の影響を最小限にすることができる。約0.5キロジュール〜約3キロジュールなどの制御されたエネルギー量が送達されるまで、この周波数でアブレーションを続けてもよい。この周波数で比較的短いバーストで処置すると、焦点が局所的に加熱される。第1の周波数では、エネルギーは、より高い周波数におけるほど急速に組織に吸収されず、そのため、焦点の加熱は、超音波エネルギーが焦点に到達する前に組織に吸収されることの影響をあまり受けない。
【0065】
第1の周波数で処置した後、焦点とトランスデューサの間の組織をアブレーションするため、トランスデューサを、より長い時間、好ましくは約1秒間〜約4秒間、より好ましくは約2秒間、動作させる。また、この処置中の周波数は、好ましくは約2MHz〜約14MHz、より好ましくは約3MHz〜約7MHz、最も好ましくは約6MHzである。トランスデューサを約0.7秒間〜約4秒間、約20ワット〜約80ワット、好ましくは約60ワットの出力で動作させる。トランスデューサは、各作動と作動の間、約3秒間〜約60秒間、好ましくは約40秒間、非作動状態である。このようにして、制御されたエネルギー量を送達して、焦点とトランスデューサの間の組織を加熱することができる。約750ジュールなどの制御された全エネルギー量が送達されるまで、この周波数で処置を続けてもよい。
【0066】
最終的な処置として、超音波トランスデューサをより高い周波数で作動させ、NSを加熱し、アブレーションする。トランスデューサを、好ましくは約3MHz〜約16MHz、好ましくは約6MHzの周波数で動作させる。超音波エネルギーはこれらの周波数で組織に急速に吸収され、NSが急速に加熱されるため、トランスデューサを上記処置方法より低い出力で動作させる。好ましい方法では、トランスデューサを約2ワット〜約20ワット、より好ましくは約15ワットで動作させる。好ましくは、組織をアブレーションするのに十分な持続時間、例えば、約20秒間〜約80秒間、好ましくは約40秒間、トランスデューサを動作させる。NS温度は、しばしば約70℃〜約85℃に到達する。
【0067】
前述の処置をそれぞれ単独で使用してもまたは他の処置と組み合わせて使用してもよい。更に、超音波エネルギーを組織に所望に応じて送達するため、トランスデューサのサイズ、出力、周波数、作動時間、および焦点距離の組み合わせは全て変更され得る。従って、特性の1つ以上を調節することによって好ましい実施形態を調節してもよく、従って、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これらのパラメータを変更してもよいことが分かる。前述の処置順序では、一般に、第2の処置中、エネルギーはNSのより近くに送達され、第3の処置中、NSの更に近くに送達される(即ち、連続的な処置で組織をFSからNSの方にアブレーションする)。
【0068】
組織の様々な深さにエネルギーを送達するため、超音波エネルギーの焦点を組織に対して移動させてもよい。トランスデューサと組織の間の間隙を埋めるのに必要な形状に膜を適合させて、標的組織のより近くに、および標的組織からより離れるようにアブレーションデバイス14を移動させることができる。好ましくは、例えば、食塩水などの流体を使用して膜を膨張、収縮させ、焦点を移動させる。しかし、ねじ足(threaded foot)などの他の任意の好適な機構でアブレーションデバイス14を移動させてもよい。
【0069】
アブレーション素子26の作動中に焦点を移動させてもよく、またはアブレーション素子26の作動と作動の間に焦点を移動させてもよい。超音波エネルギーの焦点の移動は、周波数を変化させることなく経壁損傷部を作り出すのに十分な場合もあれば、または、前述のように周波数の変化と併用される場合もある。フェーズドアレイまたは可変音響レンズなどを用いる他の任意の方法で焦点を移動させてもよい。
【0070】
アブレーション素子26を作動させて組織をアブレーションした後、各アブレーション素子26からのアブレーション部位とアブレーション部位の間の間隙にある組織をアブレーションすることが必要な場合がある。これらの間隙をアブレーションする1つの方法では、少なくとも幾つかのアブレーション素子26が、1つ以上の間隙にある組織をアブレーションするように配置されるように、アブレーションデバイス14全体を移動させる。従って、最初にアブレーション素子26全部で組織をアブレーションした後、アブレーションデバイス14を移動させ、少なくとも幾つかの、好ましくは全てのアブレーション素子26を再び作動させて実質的に連続的な損傷部を作り出す。
【0071】
間隙内の組織をアブレーションする別の方法は、アブレーション素子26を傾斜させて間隙内の組織をアブレーションすることである。この方法では、アブレーションデバイス14を移動させる必要はない。むしろ、膜を膨張させてトランスデューサを傾斜させ、それによって超音波エネルギーをトランスデューサ間の間隙内の組織の方に向けてもよい。
【0072】
別の実施形態では、アブレーション素子26がこのような間隙上に再配置された後、アブレーション素子26の作動によってアブレーションの間隙が埋められるように、1つ以上のアブレーション素子26が軌道に沿って(例えば、摺動により)調節または移動され得るように、アブレーション素子26を軌道に沿って配置してもよい。摺動する素子26の使用は、アブレーション処置に必要な全アブレーション素子26数を減少させるために使用されてもよい。例えば、サイズ測定(例えば、イントロデューサ20を用いて)で、適切なサイズのアブレーションデバイス14が20個のアブレーション素子26を必要とすることが分かった場合、アブレーション環を完全にするために10個のアブレーション素子26が軌道に沿って調節可能であれば、10個以下のアブレーション素子26を有するアブレーションデバイス14を使用することができる。好ましくは、軌道は、例えば、ニチノールなどの記憶金属を含む超弾性材料を使用して製造することができる。アブレーションデバイス14が患者に挿入されるように直線状にされ、その後、心臓の周囲で操作することを容易にするために所定の湾曲に操作され得るように、例えば、アブレーション素子26は全て、ニチノールまたは別の超弾性材料の1つ以上の軌道60を使用して相互接続されてもよい。
【0073】
軌道が超弾性材料で形成されるとき、軌道はアブレーション素子26がそれに沿って移動することを可能にするだけでなく、アブレーションデバイス14が2つの異なる形状を達成することも可能にする。前述のように、超弾性により、アブレーション素子26が実質的に同一平面上にあるようにアブレーションデバイス14が変形することが可能になり、それによってアブレーションデバイス14が挿入されるように直線状になることが可能になり、小さい切開を通して案内された後、心臓の周囲で操作されるとき所定の湾曲に戻る。
【0074】
また、軌道自体または軌道内の隔離されたチャネルが、軌道に沿って配置されたアブレーション素子26の動作を制御するのに使用される制御装置12からの制御信号の伝達を可能にしてもよい。これらの制御信号を使用して、軌道に沿ってアブレーション素子26を再配置してもよく、または他の方法で、組織に送達されるアブレーションエネルギーを変化させてもよい。
【0075】
制御装置12は、前述の任意の方法で自動的にアブレーションするように設計されてもよい。例えば、制御装置12は、周波数、出力、焦点距離、および/または動作時間を変化させて、所望のアブレーション法を提供することができる。周波数および出力の変化は、完全に自動的であってもよく、または、脂肪および/または組織の厚さの視覚表示などの使用者による幾らかの入力を必要としてもよい。例えば、制御装置12は、自動的に前述のものなどの2つ以上の異なるアブレーション法を順に行うように設計されてもよい。当然ながら、組織の特性、並びに1つ以上の超音波トランスデューサの種類および特性に応じて、他の方法を使用してもよい。制御装置12は、温度フィードバックまたは電気インピーダンスなどのフィードバックを使用して、アブレーションを能動的に制御してもよい。
【0076】
ある程度詳細に本発明の複数の実施形態を前述してきたが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。例えば、アブレーションデバイスは、全ての肺静脈の周囲に実質的に連続的な損傷部を作り出すことに関連して記載されたが、本明細書に開示される方法は、肺静脈の周囲を部分的にしかアブレーションしない場合にも同様に適用可能であることを理解すべきである。更に、電気生理学的症状の治療に他の損傷部が有利な場合があり、心臓の他の部分に、および身体の他の領域にこのような損傷部を作り出すのに、本明細書に記載されているデバイスおよび方法が有用な場合がある。また、アブレーション処置中、杖(wand)タイプのデバイスを本明細書に開示されている発明と併用して、例えば、PV隔離損傷部と隣接する僧帽状峡部アブレーション損傷部を作り出してもよく、または、アブレーションデバイス14によって作り出されたPV隔離損傷部の間隙を埋めてもよいことも理解すべきである。
【0077】
方向に関する全ての言及(例えば、上部、下部、上方、下方、左、右、左方、右方、頂部、底部、上、下、垂直、水平、時計回り、および半時計回り)は、読者の本発明の理解を助けるために識別の目的で使用されるに過ぎず、本発明の位置、向き、または使用に関して限定するものではない。結合についての言及(例えば、取り付けられた、連結された、および接続された等)は、広義に解釈されるべきであり、要素の接続の間の中間部材および要素間の相対的移動を包含し得る。従って、結合についての言及は、2つの要素が直接接続されており、互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。
【0078】
上記説明に記載されているまたは添付の図面に示されている事柄は全て例示に過ぎず、限定するものではないと解釈されることが意図されている。添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の趣旨から逸脱することなく、詳細または構造に変更がなされ得る。
【実施例】
【実施例1】
【0079】
遠位端、近位端、およびそれらの間の中間部分を有する細長い本体であって、弛緩状態のとき、前記遠位端付近に少なくとも部分的なループを有し、
前記近位端から前記中間部分内の点まで延びるルーメンも含み、
前記ルーメンを介してアクセス可能な少なくとも1つのレセプタクルも含み、前記レセプタクルが細長い本体の中間部分にトルクを付与するように構成されている、細長い本体;
前記近位端のハンドル;および
前記ハンドルにしっかりと連結され、前記ハンドルから前記少なくとも1つのレセプタクルまで延び、前記ハンドルから前記中間部分までトルクを伝達することを助けるシャフト、
を備える、心外膜表面に沿って少なくとも1つの肺静脈の周囲の少なくとも一部のサイズを測定するためのサイズ測定デバイス。
【実施例2】
【0080】
前記細長い本体の長さに沿って複数のサイズインジケータを更に備え、前記複数のサイズインジケータが、前記サイズ測定デバイスの遠位端付近に形成される前記少なくとも部分的なループによって測定される距離を示す、実施例1に記載のサイズ測定デバイス。
【実施例3】
【0081】
遠位端、近位端、およびこれらの間の中間部分を有する細長い本体であって、付勢されていない休止形状のとき、前記遠位端が少なくとも部分的なループを形成するように構成されており、前記近位端が、前記遠位端の断面より大きい断面を有し、細長い本体が、前記遠位端と前記中間部分の1つに配置されたインサートを有する、細長い本体;
前記細長い本体の近位端に配置されたハンドル;および、
前記ハンドルに強固に連結され、前記細長い本体のインサートまで延び、前記ハンドルから、前記細長い本体の遠位端と中間部分の少なくとも1つまでトルクを伝達することを助けるシャフト;
を備える、心外膜表面に沿って1つ以上の肺静脈の周囲の領域のサイズを測定するためのサイズ測定デバイス。
【実施例4】
【0082】
前記ハンドルが、アブレーションデバイスを受け入れるように構成されているスナップ嵌めコネクタを更に備える、実施例3に記載のサイズ測定デバイス。
【実施例5】
【0083】
前記シャフトが、捩り力に耐える材料で製造される、実施例3に記載のサイズ測定デバイス。
【実施例6】
【0084】
前記シャフトが鋼を含む、実施例3に記載のサイズ測定デバイス。
【実施例7】
【0085】
前記インサートが溝を備え、前記シャフトが溝と嵌合する平坦な頭部で終端する、実施例3に記載のサイズ測定デバイス。
Claims (7)
- 近位端、遠位端、およびそれらの間の中間部分を有する細長い可撓性の本体であって、
前記遠位端が弛緩状態で少なくとも部分的なループを形成し、
前記近位端から、前記近位端と、前記遠位端が湾曲し始める点との間の点まで延びるルーメンも含み、
前記ルーメンを介してアクセス可能な少なくとも1つのトルク付与レセプタクルも含み、前記レセプタクルが、細長い本体の中間部分にトルクを付与するように構成されている、細長い可撓性の本体、
を備えるイントロデューサ;および
ハンドルおよび前記ハンドルにしっかりと連結されたシャフトを備えるトルク伝達デバイスであって、前記シャフトが前記ルーメンを通して、前記少なくとも1つのレセプタクルに挿入されるように構成されており、それによって前記ハンドルに付与されたトルクが前記シャフトを介して前記イントロデューサの中間部分に伝達される、トルク伝達デバイス、
を備える、側方開胸術に使用されるキット。 - 前記イントロデューサの近位端が、前記トルク伝達デバイスのハンドルを受け入れるように構成されているコネクタを更に備える、請求項1に記載のキット。
- 前記イントロデューサの近位端が、前記トルク伝達デバイスのハンドルを受け入れるように構成されているスナップ嵌めコネクタを更に備える、請求項2に記載のキット。
- 前記トルク伝達デバイスのシャフトが、捩り力に耐える材料で製造される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のキット。
- 前記イントロデューサの前記細長い可撓性の本体が、少なくとも2つのレセプタクルを備え、前記トルク伝達デバイスのシャフトが鋼製であり、前記シャフトが、前記少なくとも2つのレセプタクルに嵌合するように構成されている少なくとも2つの端部を含む、請求項4に記載のキット。
- 前記細長い可撓性の本体の近位端の断面が、前記細長い可撓性の本体の遠位端の断面より大きい、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキット。
- 前記イントロデューサの前記細長い本体が、前記近位端から前記遠位端の方に延びる編組ワイヤアセンブリを更に備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のキット。
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