JP5088374B2 - 移動通信システム、共通チャネル送信制御装置及びそれらに用いる共通チャネル送信制御方法 - Google Patents

Description

本発明は移動通信システムに関し、特にＣＤＭＡ（Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ）移動通信システムにおける共通チャネル送信制御方法に関する。

ＣＤＭＡ移動通信システムにおいて、基地局から移動局へ送信される共通チャネル［ＣＰＩＣＨ（Ｃｏｍｍｏｎ Ｐｉｌｏｔ Ｃｈａｎｎｅｌ），Ｐ−ＣＣＰＣＨ（Ｐｒｉｍａｒｙ−Ｃｏｍｍｏｎ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ），Ｓ−ＣＣＰＣＨ（Ｓｅｃｏｎｄａｒｙ−Ｃｏｍｍｏｎ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）等］は、セル境界に位置する移動局でも受信可能となる電力にて送信制御される。

本発明に関連するＣＤＭＡ基地局装置の送信部を図１に示す。図１において、上位局（図示せず）から送信された共通チャネルデータ３０２は、共通チャネル送信部（共通チャネル１）３２−１に入力される。

共通チャネル送信部３２−１では、まず、チャネルコーディング部３２１−１が、共通チャネルデータ３０２に対して、ビットレート、データ内容に応じたビット符号化処理を実行して、共通チャネルデータ３０２を無線送信用のフォーマットに変換する。共通チャネルデータ３０２は、無線送信用のフォーマットに変換された後に、拡散部３２２−１に入力される。拡散部３２２−１は、チャネルコーディング部３２１−１から供給された共通チャネルデータを、ビットレートに応じた符号化率の拡散符号で拡散し、その拡散データを多重合成部３３へ出力する。多重合成部３３の出力は、Ｄ／Ａコンバータ３４および無線部３５を介してアンテナ３６に供給される。

ＣＤＭＡ基地局装置の送信部は、ＣＰＩＣＨ用やＰ−ＣＣＰＣＨ等のチャネル用として複数の共通チャネル送信部３２−１〜３２−Ｎを有する。共通チャネル送信部３２−２〜３２−Ｎは、上記の共通チャネル送信部３２−１と同様な構成である。

ＣＤＭＡ基地局装置の送信部は、さらに、複数の個別チャネル送信部３１−１〜３１−Ｍを有する。個別チャネル送信部３１−１〜３１−Ｍでは、ユーザ毎に、ビットレートやデータ内容に応じたビット符号化処理や拡散処理が行われる。

すなわち、ユーザ毎の個別チャネルデータ３０１１〜３０１Ｍは、個別チャネル送信部３１−１〜３１−Ｍに入力される。例えば、個別チャネル送信部３１−１では、まず、チャネルコーディング部３１１−１が、個別チャネルデータ３０１１に対して、ビットレート、データ内容に応じたビット符号化処理を行って、個別チャネルデータ３０１１を無線送信用のフォーマットに変換する。個別チャネルデータ３０１１は、無線送信用のフォーマットに変換された後に、拡散部３１２−１に入力される。拡散部３１２−１は、チャネルコーディング部３１１−１から供給された個別チャネルデータを、ビットレートに応じた符号化率の拡散符号で拡散し、その拡散データを多重合成部３３へ出力する。

尚、図示していないが、個別チャネル送信部３１−２〜３１−Ｍも上記の個別チャネル送信部３１−１と同様の構成であり、その動作は個別チャネル送信部３１−１と同様である。

多重合成部３３は、共通チャネル送信部３２−１〜３２−Ｎからの各共通チャネルの拡散データおよび個別チャネル送信部３１−１〜３１−Ｍからの各個別チャネルの拡散データを各チャネルの電力値を踏まえて合成する。各共通チャネルの送信電力を示す情報として、上位局（基地局制御装置）からＣＤＭＡ基地局装置に、指定された電力値が送信される。ＣＤＭＡ基地局装置では、上位局によって指定された電力値が多重合成部３３へ入力される。ＣＤＭＡ基地局装置は、各個別チャネルについて、図示せぬ移動局からのＴＰＣ（Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｐｏｗｅｒ Ｃｏｎｔｒｏｌ）ビットを復号して送信電力を制御する。このようにして制御された送信電力値が、多重合成部３３へ入力される。

上位局は、共通チャネルの送信電力として、基地局近傍からセル境界までの範囲において移動局が受信可能となる電力値を指定する。したがって、基地局近傍の移動局は、共通チャネルについて、必要以上の電力で無線信号を受信する。

また、ＭＢＭＳ（Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ）等の新たなサービスが適用されると、Ｓ−ＣＣＰＣＨを用いてＰｏｉｎｔ−ｔｏ−Ｍｕｌｔｉｐｏｉｎｔのサービスが実行される。ＭＢＭＳでは、複数の移動局がＳ−ＣＣＰＣＨを用いて同一の信号を受信する。これにより、テレビ映像やデータ等の配信サービスを提供するこができる。この場合は、個別チャネルを用いないため、移動局の受信における他移動局からの干渉電力は変わらない。

しかしながら、ＭＢＭＳ専用の新たなＳ−ＣＣＰＣＨが設定され、Ｓ−ＣＣＰＣＨ用の送信電力が設定された場合は、基地局としての全送信電力値が増加するため、移動局側では、干渉波電力が増え、個別チャネルの受信ＳＩＲ（Ｓｉｇｎａｌ−ｔｏ−Ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ ｒａｔｉｏ）値が小さくなる。このような場合、移動局は、基地局へ個別チャネルの送信電力の増加を要求するため、セル内の個別チャネルの最大所要ユーザが減少する場合がある。

また、ＭＢＭＳを利用したい移動局が、基地局近傍およびセル境界のいずれに位置する場合でも、ＭＢＭＳ通信用のＳ−ＣＣＰＣＨは移動局の位置に関わらず同一の電力にて送信制御が行われる。このため、ＭＢＭＳを受信したい移動局が基地局近傍にしか存在しなかった場合は、セル内において必要以上の電力にて共通チャネルの送信制御が行われる。

本発明に関連する技術として、ＭＢＭＳ等の新たなサービス専用の共通チャネルが設定された場合に、追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍にしか存在しなければ、追加となった共通チャネルの送信電力を小さくするように制御し、必要以上の共通チャネルの送信電力値を抑える方法が、本願出願人から提案されている。

図２は、上記の関連技術におけるＣＤＭＡ基地局装置の送信部を示している。図２において、送信電力生成部４１３は、図示せぬ上位局から指定された送信電力値４０３を基準にして、個別チャネル受信部４９−１〜４９−ｍにおける有効パス４２１〜４２ｍを用いて、追加された共通チャネルを利用している個別チャネルの中で最も有効パス位置の遠いユーザを検出する。

個別チャネル受信部４９−１は、逆拡散部４９１−１およびビット復号部４９２−１を有する。個別チャネル受信部４９−２〜４９−ｍも、個別チャネル受信部４９−１と同様の構成であり、逆拡散部４９１−２〜４９１−ｍおよびビット復号部４９２−２〜４９２−ｍを有する。逆拡散部４９１−１〜４９１−ｍのそれぞれは、Ａ／Ｄコンバータ４８の出力を入力とする。Ａ／Ｄコンバータ４８の入力は、無線部４７を介してアンテナ４６に接続されている。

送信電力生成部４１３は、検出したユーザの有効パス位置から、追加された共通チャネルの送信電力を変更するかどうかを判定し、判定後の共通チャネルの送信電力値を多重合成部４２へ出力する。多重合成部４２の出力は、Ｄ／Ａコンバータおよび無線部４４を介してアンテナ４５に供給される。

上記の関連技術によれば、その追加時点使用されている個別チャネルの有効パスサーチ位置を監視して、追加共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍にしか存在しない場合に、追加となった共通チャネルの送信電力を小さくすることによって、必要以上の共通チャネルの電力送信を抑えることができる。

本発明に関連する送信電力制御として、特開２００４−２１５３０５号公報（特許文献１）や特開２００４−２０１０９５号公報（特許文献２）に記載の技術がある。

ＣＤＭＡ移動通信システムにおいて、上位局は、共通チャネルの送信電力として、基地局近傍からセル境界までの範囲において移動局が受信可能となる電力値を指定する。したがって、基地局近傍の移動局は、共通チャネルについて、必要以上の電力で無線信号を受信する。

さらに、ＭＢＭＳ等の新たなサービスが適用されると、ＭＢＭＳの場合にはＳ−ＣＣＰＣＨを用いてＰｏｉｎｔ−ｔｏ−Ｍｕｌｔｉｐｏｉｎｔのサービスが運用されることとなる。ＭＢＭＳでは、Ｓ−ＣＣＰＣＨを用いることによって複数の移動局が同じデータを受信することで、テレビ映像、データ等の配信サービスを受けることができ、個別チャネルを用いないため、移動局の受信においては、他移動局から受ける干渉量はＭＢＭＳがない場合と比べて変わらない。

しかしながら、ＭＢＭＳ専用の新たなＳ−ＣＣＰＣＨが設置された場合、基地局の送信電力値が増加するために、移動局側では個別チャネルのＳＩＲ値が小さくなり、基地局への各個別チャネルの送信電力の増加を要求することになるため、結果的にセル内個別チャネルの最大所要ユーザが減少する懸念がある。

また、ＭＢＭＳ等の新たなサービス専用の共通チャネルが設定された場合、追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍にしか存在しない場合には、追加となった共通チャネルの送信電力を小さくするように制御し、必要以上の共通チャネルの送信電力値を抑える、という制御方法があっても、追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍にしか存在しない状態になり、追加された共通チャネルの送信電力を小さくした後にセル境界近傍にいる移動局が新規で共通チャネルを受信しようとしても受信することができなくなる、あるいはセル境界近傍にいる移動局でも受信できるような共通チャネルの送信電力を送信しなければならないという問題がある。これらの問題は上記の特許文献１，２に記載でも解決することができない。

本発明の目的は、上記の課題を解消し、必要以上の共通チャネルの送信電力値を抑えることができる移動通信システム、共通チャネル送信制御装置及びそれらに用いる共通チャネル送信制御方法を提供することにある。

本発明による移動通信システムは、新たなサービス提供によって共通チャネル数が追加となる移動通信システムであって、
前記共通チャネルを複数個配置して同一のデータを送信可能とし、
移動局の個別チャネル及びランダムアクセスチャネルのいずれかの受信パスサーチ結果を用いてセル内の移動局の通信状態を監視する監視手段と、前記監視手段による監視結果から得られる前記新たなサービスを受ける移動局のセル内の分布に応じて前記複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けるよう制御する制御手段とを備えている。

本発明による共通チャネル送信制御装置は、上記の移動通信システムに記載の監視手段及び制御手段を含むことを特徴とする。

本発明による共通チャネル送信制御方法は、新たなサービス提供によって共通チャネル数が追加となる移動通信システムｉ用いる共通チャネル送信制御方法であって、
前記共通チャネルを複数個配置して同一のデータを送信可能とし、
移動局の個別チャネル及びランダムアクセスチャネルのいずれかの受信パスサーチ結果を用いてセル内の移動局の通信状態を監視する監視処理と、前記監視処理の監視結果から得られる前記新たなサービスを受ける移動局のセル内の分布に応じて前記複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けるよう制御する制御処理とを含むことを特徴とする。

本発明によれば、上記のような構成及び動作とすることで、必要以上の共通チャネルの送信電力値を抑えることができるという効果が得られる。

図１は、本発明に関連するＣＤＭＡ基地局装置の送信部の構成を示すブロック図である。 図２は、本発明に関連するＣＤＭＡ基地局装置の送信部の構成を示すブロック図である。 図３は、本発明の一実施形態によるＣＤＭＡ基地局装置の構成例を示すブロック図である。 図４は、図３の送信制御部の構成例を示すブロック図である。 図５は、図３の送信制御部の動作を示すフローチャートである。

符号の説明

１１ 送信制御部
１１ａ メモリ
１１ｂ 追加共通チャネル送信電力設定部
１１ｃ 判定部
１１ｄ 有効パス判定部
１１ｅ 個別チャネル送信周波数制御部
１２ 追加第１共通チャネル送信部
１３，１８ 多重合成部
１４，１９ Ｄ／Ａコンバータ
１５，２０，２４ 無線部
１６，２１ 送信アンテナ
１７ 追加第２共通チャネル送信部
２２ 個別チャネル送信部
２３ 受信アンテナ
２５ Ａ／Ｄコンバータ
２６−１〜２６−ｍ 個別チャネル（１〜ｍ）受信部
１２１，１７１，２２１ チャネルコーディング部
１２２，１７２，２２２ 拡散部
２２３ 周波数設定部
２６１−１〜２６１−ｍ 逆拡散部
２６２−１〜２６２−ｍ ビット復号部

次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

図３は、本発明の一実施形態によるＣＤＭＡ（Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ）基地局装置（共通チャネル送信制御装置）の構成を示すブロック図である。図３には、本実施形態のＣＤＭＡ基地局装置に追加された共通チャネル（以降、追加共通チャネルとする）の送信制御に関連する構成が示されている。

本実施形態のＣＤＭＡ基地局装置は、送信制御部１１、追加第１共通チャネル送信部１２、多重合成部１３，１８、Ｄ／Ａ（ディジタル／アナログ）コンバータ１４，１９、無線部１５，２０，２４、送信アンテナ１６，２１、追加第２共通チャネル送信部１７、個別チャネル送信部２２、受信アンテナ２３、Ａ／Ｄ（アナログ／ディジタル）コンバータ２５および個別チャネル（１〜ｍ）受信部２６−１〜２６−ｍを有する。

追加第１共通チャネル送信部１２は、チャネルコーディング部１２１と拡散部１２２とからなる。追加第２共通チャネル送信部１７は、チャネルコーディング部１７１と拡散部１７２とからなる。個別チャネル送信部２２は、チャネルコーディング部２２１と拡散部２２２と周波数設定部２２３とからなる。

個別チャネル（１〜ｍ）受信部２６−１は、逆拡散部２６１−１とビット復号部２６２−１とからなる。個別チャネル（１〜ｍ）受信部２６−２〜２６−ｍも、個別チャネル（１〜ｍ）受信部２６−１と同じ構成であって、逆拡散部２６１−２〜２６１−ｍとビット復号部２６２−２〜２６２−ｍとを有する。

ＭＢＭＳ等の追加共通チャネルデータ１０１は、図示せぬ上位局（基地局制御装置）からＣＤＭＡ基地局装置に送信される。ＣＤＭＡ基地局装置では、上位局からの追加共通チャネルデータ１０１は、共通チャネル送信部１２に入力される。共通チャネル送信部１２では、まずチャネルコーディング部１２１が、追加共通チャネルデータ１０１に対して、ビットレート、データ内容に応じたビット符号化処理を行い、追加共通チャネルデータ１０１を無線送信用のフォーマットに変換する。フォーマット変換された追加共通チャネルデータは、拡散部１２２に入力される。拡散部１２２は、フォーマット変換された追加共通チャネルデータをビットレートに応じた符号化率の拡散符号で拡散する。拡散したデータは、多重合成部３３に供給される。

多重合成部３３には、ＣＰＩＣＨ（Ｃｏｍｍｏｎ Ｐｉｌｏｔ Ｃｈａｎｎｅｌ），Ｐ−ＣＣＰＣＨ（Ｐｒｉｍａｒｙ−Ｃｏｍｍｏｎ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｐｈｙｓｉｃａｌ Ｃｈａｎｎｅｌ）等の図示せぬ他の共通チャネルと、図示せぬ各個別チャネルの拡散データも入力される。多重合成部３３は、送信電力値を踏まえて多重合成を行う。

ここで、図示せぬ他の共通チャネルの送信電力については、上位局から指定された電力値が、上位局からＣＤＭＡ基地局装置に送信される。一方、追加共通チャネルの送信電力は、送信制御部１１を用いて以下の構成で制御される。

送信制御部１１には、上位局から指定された送信電力値１０２と、追加共通チャネルを利用している移動局の情報１０３と、個別チャネル受信部２６−１〜２６−ｍにおけるパスサーチ結果の有効パス情報１２１〜１２ｍが入力される。

送信制御部１１は、追加共通チャネルを利用している個別チャネル数の検出及び個別チャネルの有効パス位置が任意のしきい値以上ある個別チャネル数を検出する。これによって、送信制御部１１は、追加共通チャネルを利用している移動局の数と、追加共通チャネルを利用している基地局から遠い位置にいる移動局の数との情報を取得し、その取得結果によって送信電力を制御し、制御後の電力値を信号１１１にて多重合成部１３へ出力する。多重合成部１３の出力はＤ／Ａ（ディジタル／アナログ）コンバータ１４でＤ／Ａ変換された後、無線部１５を介して送信アンテナ１６から送信される。

ここで、送信制御部１１にて追加共通チャネルを利用している個別チャネル数が一定以上あり、かつ有効パス位置が任意のしきい値以上ある個別チャネル数が非常に少ない状態を検出した場合には、共通チャネル送信部１２への送信電力を下げ、かつ共通チャネル送信部１２とは別の周波数で新たな共通チャネル送信部１７からの送信を有効とする。

そのため、共通チャネル送信部１７では、チャネルコーディング部１７１において、上位局から供給された追加共通チャネルデータ１０４に対して、共通チャネル送信部１２と同一のデータ内容に応じたビット符号化処理が行われ、さらに無線送信用のフォーマットへの変換処理が行われる。無線送信用のフォーマットに変換されたデータは、拡散部１７２に入力される。拡散部１７２は、無線送信用のフォーマットに変換されたデータをビットレートに応じた符号化率の拡散符号で拡散し、その拡散データを多重合成部１８へ出力する。

また、送信制御部１１は、信号１１２にて送信電力値を設定し、それを多重合成部１８へ出力する。多重合成部１８の出力はＤ／Ａコンバータ１９でＤ／Ａ変換された後、無線部２０を介して送信アンテナ２１から送信される。

さらに、個別チャネル送信部２２において、周波数の異なる新たな共通チャネルで通信するよう切替えられた移動局の場合には、送信制御部１１からの信号１１３に基づいて周波数切換えの設定が周波数設定部２２３にて行われる。個別チャネル送信部２２では、拡散部２２２の出力データが変更された周波数の多重合成部（図示せず）へ入力される。

尚、個別チャネル送信部２２の周波数切換えは、追加共通チャネルの周波数切換えと同時に行われ、公知のセル内異周波ハンドオーバ動作で実行することができるため、その構成の図示及び動作の説明を省略する。

また、本実施の形態では、追加共通チャネルを利用する移動局の位置情報を得る手段として、個別チャネルを使用して個別チャネル受信部２６−１〜２６−ｍのパスサーチ結果を利用する構成をとっているが、追加共通チャネルを利用する移動局が個別チャネルを利用していない場合には、移動局のランダムアクセスチャネルの有効パス情報を利用してもよい。

さらに、本実施の形態の送信制御部１１は、基地局装置および基地局制御装置のいずれに設けられてもよい。

図４は図３の送信制御部１１の構成例を示すブロック図である。図４において、送信制御部１１は、メモリ１１ａと、追加共通チャネル送信電力設定部１１ｂと、判定部１１ｃと、有効パス判定部１１ｄと、個別チャネル送信周波数制御部１１ｅとから構成されている。

図５は図３の送信制御部１１の動作を示すフローチャートである。これら図３〜図５を参照して本発明の実施の形態による送信制御部１１の動作について説明する。

上位局から設定される追加共通チャネルの送信電力Ａがメモリ１１ａに入力される（図５ステップＳ１）。有効パス判定部１１ｄは、個別チャネル受信部２６−１〜２６−ｍから出力されたパスサーチ結果である有効パス位置情報１２１〜１２ｍまでの中で任意のしきい値よりも大きいパス遅延情報を判定部１１ｃへ出力する（図５ステップＳ２）。

判定部１１ｃは、有効パス位置が任意のしきい値よりも大きいパス遅延情報について、信号１０３から入力される追加共通チャネルを利用している移動局情報に該当するかどうかを判定する（図５ステップＳ３）。

判定部１１ｃは、追加共通チャネルを利用する移動局数に対する該当する移動局の数が予め設定されたしきい値より少なければ（図５ステップＳ４，Ｓ５）、周波数の異なる追加共通チャネルを新たに追加し、かつ現行の追加共通チャネルの送信電力を小さくするように追加共通チャネル送信電力設定部１１ｂへ設定する（図５ステップＳ６）。

追加共通チャネル送信電力設定部１１ｂは、判定部１１ｃからの入力結果に基づき、追加共通チャネルの送信電力値を決定し、信号１１１、信号１１２にてそれぞれの追加共通チャネルへ送信電力値を送信する。

また、判定部１１ｃにおいて、該当する移動局の数が予め設定されたしきい値より少なければ、周波数の異なる追加共通チャネルが新たに追加されることとなるため、判定部１１ｃに入力されたパス遅延情報を持つ個別チャネルについては、判定部１１ｃから個別チャネル送信周波数制御部１１ｅへ周波数切換えを指示する信号を送信する。

個別チャネル送信周波数制御部１１ｅは、信号１１３にて該当する個別チャネルへ送信周波数を変更するように個別チャネル送信部２２へ設定する。尚、個別チャネル送信周波数制御部１１ｅでは、個別チャネル送信部２２に対しての送信であるが、判定部１１ｃの判定結果によって、複数の個別チャネルに対して周波数変更が必要な場合には、個別チャネル送信周波数制御部１１ｅから該当する複数の個別チャネル送信部（図示せず）へ周波数変更が設定される。

このように、本実施の形態では、ＭＢＭＳ（Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ）等の新たなサービスで追加となった共通チャネルにおいて、追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が、基地局近傍に多数存在し、セル境界近傍にわずかしか存在しない状態となった場合に、送信制御部１１が、セル境界近傍にわずかしか存在しない移動局専用に周波数の異なる共通チャネルを設定して通信するように切換え、追加となった共通チャネルの送信電力を小さくするように制御するので、必要以上の共通チャネルの送信電力値を抑えることができる。

また、本実施の形態では、上記のような構成としているので、基地局装置または基地局制御装置の回路変更で構成することができ、移動局側の回路変更及び演算処理が増えないという効果を奏する。

尚、本実施の形態では、送信制御部１１においてセル内の複数の周波数の個別チャネルのパスサーチによる有効パス情報を入力とすることによって、複数の周波数の移動局数をまとめて制御する構成にしても、上記の動作を実現することが可能である。

上記のように、本発明によれば、ＣＤＭＡ移動通信システムでＭＢＭＳ等の新たなサービス提供によって共通チャネル数が追加となる場合において、同一のデータを送信する共通チャネルを複数個用意することとし、基地局または基地局制御装置にて移動局の個別チャネルまたはランダムアクセスチャネルの受信パスサーチ結果を用いてセル内の移動局の通信状態を監視することによって、ＭＢＭＳサービスを受ける移動局のセル内の分布が偏った状態を示していた場合に、複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けることで、共通チャネルの送信電力を必要以上発生させないシステムを構築することができる。この場合には、移動局のセル内の所要容量を極力減らさないようにすることができる。

つまり、本発明の送信制御部には、上位局から指定された送信電力値と、追加された共通チャネルを利用している移動局の情報と、個別チャネル受信部におけるパスサーチ結果の有効パス位置情報とが入力され、追加共通チャネルを利用している個別チャネル数が一定以上あり、かつ有効パス位置が任意のしきい値以上ある個別チャネル数が非常に少ない状態を検出した場合に、共通チャネル送信部への送信電力を下げ、かつ共通チャネル送信部とは別の周波数で新たな共通チャネル送信部からの送信を有効とする。

このようにして、本発明では、追加共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が、基地局近傍に多数あり、かつセル境界近傍にわずかしか存在しない場合に、セル境界近傍に存在する移動局に対して同一データを送信する別の周波数の共通チャネルと通信するように切換えて、また基地局近傍に存在する移動局に対しては十分受信できる程度の大きさに共通チャネルの送信電力を下げることによって、必要以上の共通チャネルの電力送信を抑えることができる。

本発明では、ＭＢＭＳ等の新たなサービスで追加となった共通チャネルにおいて、その追加時点で使用されている個別チャネルのパスサーチ位置の有効パスの状態を用いて個別チャネルの総数とセル内の受信位置を監視し、追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍に集中し、セル境界近傍にわずかしか存在しない場合に、新たに送信周波数の異なる共通チャネルを用意し、セル境界近傍に存在する移動局には新たに追加した送信周波数の共通チャネルと通信するように切換え、かつ現在通信している共通チャネルの送信電力を小さくするように制御する送信制御部を設けている。これによって、本発明では、追加共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が、基地局近傍に多数あり、かつセル境界近傍にわずかしか存在しない場合でも必要以上の共通チャネルの送信電力値を抑えることができる。

本発明では、同一のデータを送信する前記共通チャネルを複数個用意し、それぞれの共通チャネルの送信周波数を分けて送信し、ＭＢＭＳサービスを受けたい移動局のトラヒックがセル内で偏った分布状態を示している場合でも、複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けることによって、共通チャネルの送信電力を必要以上に発生させないことができる。

本発明は、複数の周波数を送信することが可能な基地局を持つＣＤＭＡ移動通信システムに利用することができる。

以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成および動作については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、当業者が理解し得る様々な変更を行うことができる。

本発明の一態様によれば、新たなサービス提供によって共通チャネル数が追加となる移動通信システムにおいて、上記共通チャネルを複数個配置して同一のデータを送信可能とし、移動局の個別チャネル及びランダムアクセスチャネルのいずれかの受信パスサーチ結果を用いてセル内の移動局の通信状態を監視する監視手段と、上記監視手段による監視結果から得られる上記新たなサービスを受ける移動局のセル内の分布に応じて上記複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けるよう制御する制御手段とを有する。ここで、監視手段は、図４の有効パス判定部１１ｄに対応し、制御手段は、図４の判定部１１ｃに対応する。

上記の移動通信システムにおいて、上記監視手段は、上記新たなサービスで追加となった共通チャネルにおいて、その追加時点で使用されている個別チャネルのパスサーチ位置の有効パスの状態を用いて個別チャネルの総数とセル内の受信位置とを監視し、上記制御手段は、その監視結果によって当該追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍に集中すると判定された時に、新たに送信周波数の異なる共通チャネルを用意し、セル境界近傍に存在する移動局が新たに追加した送信周波数の共通チャネルと通信するように切換えてもよい。

また、上記制御手段は、現在通信している共通チャネルの送信電力を小さくするよう制御してもよい。

さらに、上記制御手段は、上記監視手段が上記新たなサービスで追加となった共通チャネルを利用している個別チャネル数が一定以上ありかつ有効パス位置が任意のしきい値以上ある個別チャネル数が非常に少ない状態を検出した時に上記現在通信している共通チャネルの送信電力を小さくするよう制御し、上記新たに追加した送信周波数の共通チャネルの送信を有効としてもよい。

さらに、上記制御手段は、セル内の複数の周波数の個別チャネルのパスサーチによる有効パス情報を入力とし、複数の周波数の移動局数をまとめて制御してもよい。

さらに、上記監視手段及び上記制御手段を基地局装置及び基地局制御装置のいずれかに配設してもよい。

さらに、上記サービスが、少なくともＭＢＭＳ（Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ）のサービスを含むものであってもよい。

本発明の別態様によれば、共通チャネル送信制御装置は、上述の監視手段及び制御手段を含む。

この出願は、２００７年１０月２４日に出願された日本出願特願２００７−２７５８６５を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (8)

1. 新たなサービス提供によって共通チャネル数が追加となる移動通信システムであって、
   前記共通チャネルを複数個配置して同一のデータを送信可能とし、
   移動局の個別チャネル及びランダムアクセスチャネルのいずれかの受信パスサーチ結果を用いてセル内の移動局の通信状態を監視する監視手段と、前記監視手段による監視結果から得られる前記新たなサービスを受ける移動局のセル内の分布に応じて前記複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けるよう制御する制御手段とを有し、
   前記監視手段は、前記新たなサービスで追加となった共通チャネルにおいて、その追加時点で使用されている個別チャネルのパスサーチ位置の有効パスの状態を用いて個別チャネルの総数とセル内の受信位置とを監視し、
   前記制御手段は、その監視結果によって当該追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍に集中すると判定された時に、新たに送信周波数の異なる共通チャネルを用意し、セル境界近傍に存在する移動局が新たに追加した送信周波数の共通チャネルと通信するように切換えることを特徴とする移動通信システム。
2. 前記制御手段は、現在通信している共通チャネルの送信電力を小さくするよう制御することを特徴とする請求項１に記載の移動通信システム。
3. 前記制御手段は、前記監視手段が前記新たなサービスで追加となった共通チャネルを利用している個別チャネル数が一定以上ありかつ有効パス位置が任意のしきい値以上ある個別チャネル数が非常に少ない状態を検出した時に前記現在通信している共通チャネルの送信電力を小さくするよう制御し、前記新たに追加した送信周波数の共通チャネルの送信を有効とすることを特徴とする請求項２に記載の移動通信システム。
4. 前記制御手段は、セル内の複数の周波数の個別チャネルのパスサーチによる有効パス情報を入力とし、複数の周波数の移動局数をまとめて制御することを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の移動通信システム。
5. 前記監視手段及び前記制御手段を基地局装置及び基地局制御装置のいずれかに配設したことを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の移動通信システム。
6. 前記サービスが、少なくともＭＢＭＳ（Ｍｕｌｔｉｍｅｄｉａ Ｂｒｏａｄｃａｓｔ Ｍｕｌｔｉｃａｓｔ Ｓｅｒｖｉｃｅ）のサービスを含むことを特徴とする請求項１から５のいずれかに記載の移動通信システム。
7. 請求項１から６のいずれかに記載の監視手段及び制御手段を含むことを特徴とする共通チャネル送信制御装置。
8. 新たなサービス提供によって共通チャネル数が追加となる移動通信システムに用いる共通チャネル送信制御方法であって、
   前記共通チャネルを複数個配置して同一のデータを送信可能とし、
   移動局の個別チャネル及びランダムアクセスチャネルのいずれかの受信パスサーチ結果を用いてセル内の移動局の通信状態を監視する監視処理と、前記監視処理の監視結果から得られる前記新たなサービスを受ける移動局のセル内の分布に応じて前記複数の共通チャネルで許容する通信範囲を使い分けるよう制御する制御処理とを含み、
   前記監視処理において、前記新たなサービスで追加となった共通チャネルにおいて、その時点で使用されている個別チャネルのパスサーチ位置の有効パスの状態を用いて個別チャネルの総数とセル内の受信位置とを監視し、
   前記制御処理において、その監視結果によって当該追加となる共通チャネルを利用したサービスを受ける移動局が基地局近傍に集中すると判定された時に、新たに送信周波数の異なる共通チャネルを用意し、セル境界近傍に存在する移動局が新たに追加した送信周波数の共通チャネルと通信するように切換えることを特徴とする共通チャネル送信制御方法。

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