以下に、本発明に係る遊技機の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
ここに、図1は本発明を適用した一例としてのパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図、図2から図5はその遊技盤面に備えられる特別変動入賞装置の動作態様を示した拡大図である。
図1において、1は遊技盤、2は遊技領域、3は一般入賞口、4はアウト穴、5は第1始動入賞口、6は第2始動入賞口、7は普通電動役物(補助変動入賞装置)、8は普通図柄表示装置(補助可変表示装置)、9は普図ゲート、10は普図始動記憶表示器、11は特別変動入賞装置である。
なお、普通図柄表示装置8はセグメント型表示器、普図始動記憶表示器10はLEDランプによるものである。
変動入賞装置を示す図2から図5において、12は羽根部材、13は誘導路、14は入賞検出手段としてのカウントセンサ、15は装飾LED、16,17は特別入賞率変更手段(16は床板部材,17はV誘導部材)、18は球保持部、19はV入賞口(特別入賞口)、20は遊技状態決定用表示器(可変表示装置)である。
また、上記遊技盤1の遊技領域2には、予備遊技状態の発生を知らせる各種装飾ランプ21やLED(発光ダイオード)等が設けられている。
特別変動入賞装置11は、遊技領域2のほぼ中央部に設けられており、上部の左右一対の羽根部材12,12と、その下方の正面から見た形状がほぼJ字状をなす誘導路13と、特別入賞率変更手段16,17と、特別入賞口19とを備え、上記J字状の誘導路13には、入賞球を計数するカウントセンサ14と、入賞球の通過に対応して点滅する多数の装飾LED15,15,15,・・・が設けられている。
上記特別変動入賞装置11の内部に設けられる特別入賞率変更手段は、J字状の誘導路13で囲まれた内方の下部に配置した左右作動可能な床板部材16と、その上方に配置した昇降移動可能なV誘導部材17とからなり、図示例では、口を開けた状態の人物の顔に模したV誘導部材17の下部に球保持部18を有している。
この球保持部18に、J字状の誘導路13を通過した入賞球が保持されて、V誘導部材17が上昇すると、特別変動入賞装置11のほぼ中央部に開口した特別入賞口である所謂V入賞口19に、球保持部18に保持された入賞球が入賞するようになっている。
さらに、上記特別変動入賞装置11の上部には、LED表示器による遊技状態決定用表示器20が備えられており、この遊技状態決定用表示器20は、左右一対の羽根部材12,12の間に位置している。
上記遊技盤1は、第2種(所謂羽根物タイプ)のパチンコ遊技機に属し、遊技領域2に投入された遊技球が、下部左右の第1始動入賞口5,5の何れかに入賞した場合には、ほぼ中央部の特別変動入賞装置11の上部の左右一対の羽根部材12,12が、図示しないソレノイドの駆動により、図2に示すように、逆ハ字状に1回開放動作する。
また、下部中央の第2始動入賞口6に遊技球が入賞した場合には、左右一対の羽根部材12,12が、逆ハ字状に2回開放動作する。
これと同時に、特別変動入賞装置11の始動遊技が行われ、例えば、各々のモータの駆動により、図2に示すように、床板部材16が左右に作動動作を行うと共に、V誘導部材17が下降動作を行う。
そして、羽根部材12,12が逆ハ字状に開放された状態において、遊技球が特別入賞装置11に入賞し、J字状の誘導路13を通過してその内側の床板部材16上に入賞球が達した時点で、例えば、図3に示すように、V誘導部材17の球保持部18に入賞球が保持されると、図4に示すように、その入賞球を球保持部18に保持したV誘導部材17が上昇して、V入賞口19に入賞球が入賞すると、特別変動入賞装置11において、その特別遊技状態である大当たり状態が発生する。大当たり中は、各々のモータの駆動により、図3に示すように、床板部材16が水平の位置で停止して、その上にV誘導部材17の球保持部18が停止した状態となり、こうしてV誘導動作状態となって、球保持部18に入賞球が保持し易い状態になる。
さらに、この大当たりの発生と共に、上方の遊技状態決定用表示器20において、複数の識別情報(例えば、数字、アルファベット、記号、絵等)による変動図柄が始動する。
なお、特別入賞率変更手段(床板部材16及びV誘導部材17)による入賞球の振り切り動作状態を図5に示しており、始動遊技中または大当たり中でV誘導動作無しの場合においては、図示のように、床板部材16が左右作動を行うと共に、V誘導部材17が最下部動作(始動遊技中は1回、大当たり中でV誘導動作無しの場合は2回)以降は球を保持できない上の位置で停止する。
ここで、床板部材16は奥側に傾斜しているため、球保持部18に保持されない球は、奥側の一般入賞口に入賞する。また、J字状の誘導路13の下部の入賞口13aは、誘導路13を通過した球が床板部材16まで到達できなかった場合の入賞口である。また、前記遊技状態決定用表示器20において、大当たり中は、そのラウンド数とカウント数が表示される。
また、図1において、特別変動入賞装置11の両側の普図ゲート9,9の何れかを遊技球が通過すると、その普図ゲート9,9の各々に設けた普図始動スイッチのONにより、下部中央の普通図柄表示装置8において、1桁の識別情報による変動図柄が始動する。
この普通図柄表示装置8の変動図柄が特定の図柄(例えば、数字の"7")で停止すると、その下部の電動チューリップ7が、図示しないソレノイドの駆動により逆ハ字状に1回開放動作する。この電動チューリップ7の逆ハ字状の開放動作によって、その下部の第2始動入賞口6に遊技球が入賞し易くなる。
ここで、図6のブロック図を参照して上記遊技盤1を備えるパチンコ遊技機の制御系の構成を説明する。
パチンコ遊技機の裏面側に備えられる遊技制御装置(役物制御回路)30は、例えば、入力インタフェース42,出力インタフェース43および水晶発振子等からなるクロックジェネレータとしての発振器36を備える遊技用マイクロコンピュータMCで構成されている。
遊技用マイクロコンピュータMCは、例えばMOS IC等で構成されるワンチップ・マイコンなどが用いられ、内部にCPU(中央処理装置)32、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)33及びROM(読み出し専用メモリ)34を備えている。
遊技制御装置30の入力インタフェース42には、普図始動スイッチ24、遊技用始動スイッチSW1,SW2、カウントスイッチ(入賞検出手段)14、継続(V)スイッチ27、V誘導部材用モータ制御センサ(第2モータ制御用センサ)25、床板駆動用モータ制御センサ(第1モータ制御用センサ)26が接続されている。
さらに、出力インタフェース43には、装飾ランプ及びLEDなどによる各種表示部21、特別変動入賞装置11、普通変動入賞装置(電動チューリップ)7、普通図柄表示装置8、普図始動記憶表示器10、遊技状態決定用表示器20、床板駆動用モータ(第1モータ)22、V誘導部材用モータ(第2モータ)23が接続されている。
遊技制御装置30において、CPU32は、制御部,演算部,各種カウンタ(普図時短カウンタなど),各種レジスタ,各種フラグなどを備え、演算制御の他、特別変動入賞装置11による特別遊技や普通変動入賞装置(電動チューリップ)7による特定遊技の発生確率を定める乱数などの生成も行っている。
また、RAM33は、各種データの記憶領域や作業領域を備えると共に、カウンタを備えている。
ROM34には、パチンコ遊技機の遊技制御や表示制御のプログラム、特別変動入賞装置11の遊技制御プログラム、その遊技状態決定用表示器20への表示データ及びその表示制御プログラム、普通図柄表示装置8への表示データ及びその表示制御プログラム、前記特別遊技や特定遊技発生の乱数判定値などが書き込まれている。
概略上記のように構成された遊技制御装置30の動作について簡単に説明すると、遊技用マイクロコンピュータMCが、入力インタフェース42を介して入力される普図始動スイッチ24や遊技用始動スイッチSW1,SW2からの検出信号に基づき、ROM34中の遊技制御プログラムに従って、普通図柄表示装置8に普通図柄の可変表示ゲームを行わせたり、特別変動入賞装置11(V誘導部材用モータ22,床板駆動用モータ23)に特別遊技を行わせたり、遊技状態決定用表示器20に遊技状態決定図柄の可変表示ゲームを行わせるなどの制御を行う。なお、その制御の一環として、普通図柄表示装置8の停止図柄を作成する普図停止図柄作成手段と、遊技状態決定用表示器20の遊技状態決定図柄を作成する遊技状態決定図柄作成手段としての機能なども備えている。
また、遊技用マイクロコンピュータMCは、普図の可変表示ゲームや遊技状態決定図柄の可変表示ゲームの結果、普図始動スイッチ24、遊技用始動スイッチSW1,SW2、カウントスイッチ14、継続(V)スイッチ27、V誘導部材用モータ制御センサ25、床板駆動用モータ制御センサ26からの検出信号などに基づいて、特別変動入賞装置11,普通変動入賞装置(電動チューリップ)7,普通図柄表示装置8,普図始動記憶表示器10,遊技状態決定用表示器20,
装飾ランプ及びLEDなどによる各種表示部21をROM34中の制御プログラムに従って制御するようになっている。
ここで、図7から図10を参照して特別変動入賞装置11の第1始動スイッチSW1の動作について説明する。
図7は第1始動入賞口への入賞による特別変動入賞装置のSW1の動作状態を示すタイミングチャート、図8は第2始動入賞口6への入賞による特別変動入賞装置11の第2始動スイッチSW2の動作状態を示すタイミングチャート、図9は大当たり中の特別変動入賞装置のV誘導動作有りの動作を示すタイミングチャート、図10は大当たり中の特別変動入賞装置のV誘導動作無しの動作を示すタイミングチャートである。
前出の図1における2つの第1始動入賞口5,5に設けられた第1始動スイッチSW1が入賞球により作動されると羽根部材12,12の1回開放動作を伴う始動遊技が開始される。また、第2始動入賞口6に設けられた始動スイッチSW2が作動されると羽根部材12,12の2回開放動作を伴う始動遊技が開始される。
まず、遊技球が第1始動入賞口5に入賞すると、図7に示すように、特別変動入賞装置11において、第1始動スイッチSW1のONから1秒後に、閉鎖状態の羽根部材12,12が0.4秒間だけの1回開放動作を行う。このとき、羽根部材12,12の開放によって遊技球が拾われると、羽根部材12,12の開放時間中、あるいは羽根部材12,12閉鎖後の1秒間の予備時間内に、遊技球がカウントスイッチ14を通過する。このようにして、カウントスイッチ14を遊技球が通過した場合には、この1回開放動作を含んでV有効時間は、0.4+7秒と設定している。また、カウントスイッチ14を上記の時間内に遊技球が通過しなかった場合(即ち、遊技球が拾われなかった場合)のV有効時間は、0.4+1秒と設定している。なお、V有効時間とは、この時間のみV入賞を有効とする期間のことである。
また、カウント無しのときは、羽根部材12,12が1回開放動作後に閉鎖状態になって1秒(予備時間)経過後に、第1及び第2始動スイッチSW1,SW2の何れかがONすれば、再び羽根部材12,12の開放動作が行われる(すなわち、予備時間の経過後に第1及び第2始動スイッチSW1,SW2が有効となる。言い換えれば、V有効時間の終了に伴って第1及び第2始動スイッチSW1,SW2が有効となるともいえる)。
また、カウント有りのときは、羽根部材12,12が1回開放動作後に閉鎖状態になって1秒(予備時間)経過後、さらに延長の有効時間6秒を加えて、併せて合計7秒後に、第1及び第2始動スイッチSW1,SW2の何れかがONすれば、再び羽根部材12,12の開放動作が行われる(すなわち、V有効時間の終了後に第1及び第2始動スイッチSW1,SW2が有効となる)。
始動遊技については、SW1のONに続いてV誘導部材用モータ(第2モータ)23が駆動を開始して、最上部位置にあるV誘導部材17を下降させ始め、最下部位置で第2モータ制御用センサ25の検出によって停止する。このようなV誘導部材17の下降による最下部位置での停止は、前述した羽根部材12,12の開放動作に先立って行われ、かつ、羽根部材12,12の1回開放動作後の0.37秒経過まで行われる。そして、0.37秒経過後、V誘導部材用モータ23の駆動によりV誘導部材17が上昇して最上部位置に戻される。
また、同時に、SW1のONに続いて床板駆動用モータ(第1モータ)22が駆動を開始して、水平な位置にある床板部材16が左傾斜し始め、その左傾斜位置で第1モータ制御センサ26の検出により一旦停止してから、若干遅れて床板駆動用モータ22が駆動し、床板部材16が右傾斜し始める。そして、その右傾斜位置で第1モータ制御センサ26の検出により一旦停止してから、若干遅れて床板駆動用モータ22の駆動により床板部材16が水平な位置に戻されて停止する。このような床板部材16の水平な位置に戻されての停止は1秒間保たれ、その後、前述したような左傾斜、右傾斜、水平な位置への戻りを1サイクルとして、複数回にわたって同様に間欠的に繰り返される。
次に、遊技球が第2始動入賞口6に入賞すると、図8に示すように、特別変動入賞装置11において、第2始動スイッチSW2のONから1秒後に、閉鎖状態の羽根部材12,12が、順次、0.5秒間の開放動作、0.6秒間の閉鎖動作、0.5秒間の開放動作の態様により、トータル1.6秒の開放を行う。これら開放動作と閉鎖動作を含んだトータルの開放時間を開放動作時間とする。
この開放動作時間中に羽根部材12,12の開放により遊技球が拾われると、この開放動作時間中、あるいは開放動作時間経過後の1秒間の予備時間内に、遊技球がカウントスイッチ14を通過する。このようにして、カウントスイッチ14を遊技球が通過した場合には、この開放動作時間を含んでV有効時間は1.6秒+7秒と設定している。一方、カウントスイッチ14を上記時間内に遊技球が通過しなかった場合(即ち、遊技球が拾われなかった場合)のV有効時間は1.6+1秒と設定している。
また、カウント無しのときは、上記開放動作時間に続き1秒(予備時間)経過後に、第1及び第2始動スイッチSW1,SW2の何れかがONすれば、再び羽根部材12,12の開放動作が行われる(すなわち、予備時間の経過後に第1及び第2始動スイッチSW1,SW2が有効となる。言い換えればV有効時間の終了にともなって第1及び第2始動スイッチSW1,SW2が有効となる)。また、カウント有りのときは、上記開放動作時間に続き1秒(予備時間)経過後、さらに延長の有効時間6秒を加えて、併せて合計7秒後に、第1及び第2始動スイッチSW1,SW2の何れかがONすれば、再び羽根部材12,12の開放動作が行われる(すなわち、V有効時間の終了後に第1及び第2始動スイッチSW1,SW2が有効となる)。
そして、始動遊技についても、前述した第1始動入賞口5への入賞の場合と同様に、SW2のONに続いてV誘導部材用モータ23が駆動を開始して、最上部位置にあるV誘導部材17を下降し始め、最下部位置でV誘導部材用モータ制御センサ25の検出により停止する。このようなV誘導部材17の下降による最下部位置での停止は、前述した羽根部材12,12の開放動作に先立って行われ、かつ、羽根部材12,12の2回開放動作後の0.37秒経過まで行われる。その0.37秒経過後、V誘導部材用モータ23の駆動によりV誘導部材17が上昇して最上部位置に戻される。
また、同時に、前述した第1始動入賞口5への入賞の場合と同様に、SW2のONに続いて床板駆動用モータ22が駆動を開始して、水平な位置にある床板部材16が左傾斜し始め、その左傾斜位置で第1モータ制御センサ26の検出により一旦停止してから、若干遅れて床板駆動用モータ22の駆動により床板部材16が今度は右傾斜し始める。そして、その右傾斜位置で床板駆動用モータ制御センサ26の検出により一旦停止してから、若干遅れて床板駆動用モータ22の駆動により床板部材16が平らな位置に戻されて停止する。このような床板部材16の水平な位置に戻されての停止は1秒間保たれ、その後、前述したような左傾斜、右傾斜、水平な位置への戻りを1サイクルとして、同様の動作が間欠的に繰り返される。
ところで、前記V入賞口19の内部には、継続スイッチとして所謂Vスイッチ27が設けられており、V入賞口19に入った入賞球はこのVスイッチ27により検出されて、特別変動入賞装置11が大当たり状態またはその継続状態となる。
また、大当たり状態が発生すると、図9に示すように、特別変動入賞装置11において、羽根部材12,が0.8秒間の開放動作を0.8秒の間隔を介して間欠的に開放動作を繰り返し、最大で18回行う。
そして、このような羽根部材12,12の最大18回繰り返す開放動作に先立って、V誘導部材用モータ23が駆動を開始して、最上部位置にあるV誘導部材17を下降し始め、最下部位置でV誘導部材用モータ制御センサ25の検出により停止する。このV誘導部材17の最下部位置での停止状態(図3参照)は、前述した羽根部材12,12の最大18回開放動作後の0.37秒経過まで継続される。また、大当たり中でV誘導動作有りの場合、床板部材16は水平な位置で停止状態(図3参照)にある。従って、図3に示すように、水平の位置で停止状態の床板部材16上にV誘導部材17が停止状態となって、その球保持部18に入賞球が非常に保持されやすい。
即ち、V誘導動作が行われて、羽根部材12,12の開放動作が18回になるか、または、カウントセンサ(カウントスイッチ)14により計数された入賞球が10個になるかの何れかの条件が成立すると、羽根部材12,12が閉じると共に、V誘導部材17が上昇する。ここで、V誘導部材17は、その球保持部18に入賞球を保持しているので、図4に示すように、最上部位置でV入賞口19に入賞球が入賞する。これにより、V入賞口19に入った入賞球はVスイッチ27により検出されて再び大当たり状態が発生し、大当たりの継続動作が行われることとなる。この継続動作は、最大でも15回に制限されている。
また、大当たり状態では、図10に示すように、特別変動入賞装置11において、羽根部材12,12が0.8秒間の開放動作を0.8秒の間隔を介して間欠的に開放動作を繰り返し最大で18回行う。
そして、このような羽根部材12,12の最大18回繰り返す開放動作に先立って、V誘導部材用モータ23が駆動を開始して、最上部位置にあるV誘導部材17を下降し始め、最下点より上部の位置で一旦停止する。この最下点より上部の位置でのV誘導部材17の一旦停止状態は、2.5秒間継続される。その2.5秒経過後に、再びV誘導部材17が下降して最下部位置で停止する。このV誘導部材17の最下部位置での停止状態は、僅か0.2秒間だけである。その0.2秒後、直ちにV誘導部材17が上昇して再び最下点より上部の位置で2.5秒間停止状態となってから、再びV誘導部材17が下降して最下部位置で僅か0.2秒間だけ停止し、直ちにV誘導部材17が上昇して再び最下点より上部の位置で停止状態となる。このV誘導部材17の最下点より上部の位置で停止状態(図5参照)は、前述した羽根部材12,12の最大18回開放動作後の0.37秒経過まで継続される。
また、大当たり中でV誘導動作無しの場合には、床板部材16が左傾斜し始め、その左傾斜位置で一旦停止し、若干遅れて床板部材16が右傾斜し始める。そして、その右傾斜位置で一旦停止してから、若干遅れて水平な位置に床板部材16が戻されて停止する。このような床板部材16の水平な位置に戻されての停止は1秒間保たれ、その後、前述したような左傾斜、右傾斜、水平な位置への戻りを1サイクルとして、同様の動作が間欠的に繰り返される。
従って、前述したように、僅か0.2秒間だけV誘導部材17が最下部位置に停止する2回の場合だけは、図3に示すように、斜め或いは水平状態の床板部材16上にV誘導部材17が短時間(0.2秒)の2回だけ停止して、その球保持部18に入賞球が保持される可能性はあるが、その確率は非常に低い。
その後は、図5に示すように、V誘導部材17が最下点より上部の位置で停止状態となって、その球保持部18に入賞球が入らない振り切り動作中となる。この結果、羽根部材12,12の開放動作が18回になるか、または、カウントセンサ(カウントスイッチ)14により計数された入賞球が10個になるかの何れかの所定の条件が成立して、羽根部材12,12が閉じると共に、V誘導部材17が上昇しても、V誘導部材17の球保持部18には入賞球が殆ど保持されないので、V入賞口19への入賞はなく、即ち、大当たりの継続は殆ど発生しない。
以上のような遊技態様を持つ特別変動入賞装置11においては、その遊技状態決定用表示器20による大当たり発生時の停止図柄によって以下の如く設定されている。
即ち、遊技状態決定用表示器20による大当たり発生時の停止図柄が、"7"であれば、15R(ラウンド)までV誘導が行われ、また、"3"であれば、4RまでV誘導を行った後、5Rから振り切り処理が行われ、その他の場合には、2RまでV誘導を行った後、3Rから振り切り処理が行われるようになっている。
ここで、図11は遊技状態決定用表示器20に表示される遊技状態決定図柄の図柄配列の一例を示す図表である。即ち、ポインタ0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,Bに各々対応して図柄"×","◆","3","×","◆","☆","×","◆","7","×","◆","☆"がそれぞれ設定されている。
そして、このような遊技状態決定図柄による各図柄の出現率及びV誘導については、図12に示すように、"7"の場合は、出現率1/12で、15RまでV誘導を行い、"3"の場合は、出現率1/12で、4RまでV誘導を行うように設定されており、また、他の外れの"×"、"◆"、"☆"の場合、出現率10/12で、2RまでV誘導を行うように設定されている。
以上のような遊技状態決定図柄において、遊技状態決定用表示器20に表示されるスクロール態様としては、V入賞で高速スクロールを開始し、停止する場合は必ず"×"(ポインタ0,3,6,9)から低速スクロールを開始する。この低速スクロールは1〜3コマの範囲で停止する。そして、"3"や"7"が出る場合は、必ず3コマ目の低速スクロールで停止する(3コマ目でも"☆"だと外れ)ため、低速スクロール中に2コマ目が通り過ぎると、非常に期待感が向上するような図柄配列と低速スクロール制御になっている。
また、図13は普通図柄表示装置8の時間短縮(時短)中における普電(電動チューリップ)7の開放タイミングと特別変動入賞装置11の始動遊技の関係を示すもので、作動パターン1の場合のタイミングチャートである。
この作動パターン1は、1回の普電開放時間を始動遊技が2回発生可能なように設定して、大当たりのチャンスを大きくするものである。即ち、普通図柄表示装置8において、"7"で停止して普図が当たると、図13に示すように、普電(電動チューリップ)7が開放状態となってその開放状態が5.8秒保たれる。従って、遊技球が普電(電動チューリップ)7の開放により、第2始動入賞口6に入賞してSW2のONにより、特別変動入賞装置11において、羽根部材12,12が2回開放動作する(図8参照)が、その間を含むV有効時間中、始動スイッチのONは無効とされる。
そして、遊技球が羽根部材12,12の開放により拾われなかった場合(遊技球がカウントされなかった場合)、V有効時間(ここで無効時間と呼ぶ)終了後の第2始動入賞口6への入賞によるSW2のONで、再び特別変動入賞装置11の羽根部材12,12が2回開放動作する。このように、無効時間より、普電(電動チューリップ)7の開放時間が長く設定されているため、遊技球がカウントされなかった場合には、無効時間を過ぎてからも普電(電動チューリップ)7への入賞の可能性が残され、始動遊技が連続して発生する可能性がある。
ここで、図14を参照して作動パターン2について説明する。
図14は、作動パターン2の場合のタイミングチャートである。
この作動パターン2は、普電の開放パターンを2回の間欠制御とすることにより、始動遊技が2回発生可能なようにして、大当たりのチャンスを大きくするものである。即ち、普通図柄表示装置8において、"7"で停止して普図が当たると、図14に示すように、普電(電動チューリップ)7が開放状態となってその開放状態が2.0秒保たれる。従って、遊技球が第2始動入賞口6に入賞してSW2のONにより、特別変動入賞装置11において、羽根部材12,12が2回開放動作する(図8参照)が、その間を含むV有効時間(無効時間)中、始動スイッチのONは無効とされる。そして、遊技球が羽根部材12,12の開放により拾われなかった場合(即ち、遊技球がカウントされなかった場合)には、無効期間終了後に、普電(電動チューリップ)7が再び開放状態となってその開放状態が2.0秒保たれる。従って、第2始動入賞口6への入賞によるSW2のONで、再び特別変動入賞装置11の羽根部材12,12が2回開放動作する。
次に、図15を参照して、本実施形態に係る遊技機の遊技制御装置30の遊技進行に関わる制御内容について説明する。
ここに図15は、遊技進行の制御の処理手順を示すゼネラルフローチャートである。
まず、ステップS1では、遊技制御装置30を構成する遊技用マイクロコンピュータMCの初期化処理が行われ、ステップS2で始動SWの監視処理を開始する。この始動SW監視処理については、図16に示すサブルーチンで後述する。
次いでステップS3に移行してラウンド数を「0」に設定してステップ4に進み変動入賞装置の初期開閉処理を行う。なお、この変動入賞装置の初期開閉処理の詳細については後述する。
続いて、ステップS5に移行して継続フラグがセットされたか否かが判定され、NOの場合には上記ステップ2の始動SWの監視処理まで戻り、YESの場合にはステップS6に移行してラウンド数を「1」インクリメントしてステップS7に進む。
ステップS7ではカウント数を0にクリアしてからステップS8に移行し、3秒間のインターバル動作を実行する。次いでステップS9に移行して作動回数に18を設定し、ステップS10で開放時間に0.8秒を設定し、ステップS11で閉止時間に0.8秒を設定してからステップS12に移行する。
ステップS12では、変動入賞手段の特別開閉処理を実行して上記ステップS5まで戻り処理が継続される。なお、変動入賞手段の特別開閉処理については後述する。
次に、図16のフローチャートを参照して、上記ゼネラルフローチャートのステップS2に係る始動SW監視処理のサブルーチンの処理手順を説明する。
この始動SW監視処理では、まず、ステップS201で第2始動スイッチ(SW2)でパチンコ球が検出されたか否かが判定され、YESの場合にはステップS203に移行して、作動回数に「2」を設定し、ステップS204で開放時間に0.5秒を設定し、ステップS205で閉止時間に0.6秒を設定してステップS209に移行する。
一方、ステップS201でNOと判定された場合にはステップS202に移行して、第1始動スイッチ(SW1)でパチンコ球を検出したか否かを判定し、NOの場合には前記ステップS201まで戻り、YESの場合にはステップS206に移行して作動回数に「1」を設定し、ステップS207で開放時間に0.4秒を設定し、ステップS208で閉止時間にダミーとして0秒を設定してからステップS209に移行する。
ステップS209では、始動SWの無効化処理が行われ、このステップ以降の始動入賞口(5,6)の入賞検出を無視するように所定の制御フラグが設定されるので、予備遊技状態(変動入賞装置11の開放動作)の無効化状態が開始される。ステップS210では1秒間の開閉直前ディレイ処理が行われた後に、上記ゼネラルフローチャートのステップS3に戻る。この始動SW監視処理により、始動入賞口(5,6)へ遊技媒体が入賞してから所定時間が経過するまでの間、他の遊技媒体の始動入賞口(5,6)への入賞に基づく予備遊技状態の起生を無効化する制御を実現することができる。
次に、図17および図18に示すフローチャートを参照して、上記ゼネラルフローチャートのステップS4に係る変動入賞装置の初期開閉処理の第1実施形態に係るサブルーチンの処理手順を説明する。
第1実施形態に係る変動入賞装置の初期開閉処理では、まずステップS1401で入賞検出フラグをクリアし、ステップS1402で継続フラグをクリアする。そして、ステップS1403に移行して継続スイッチ27の有効化処理を実行することによって、このステップ以降の継続スイッチ27の検出によって特別遊技状態が発生するように所定の制御フラグが設定されるので、V有効時間が開始する。さらに、ステップS1404に進む。
ステップS1404では、変動入賞装置11のソレノイドがオンか否かが判定され、NOの場合にはステップS1405に移行して変動入賞装置11のソレノイドをオンにしてステップS1406に進み、制御タイマに開放時間(T4)を設定してステップS1411に移行する。
一方、前記ステップS1404でYESと判定された場合には、ステップS1407に進んで変動入賞装置11のソレノイドをオフしてステップS1408に移行し、制御タイマに閉止時間を設定し、ステップS1409で作動回数を「1」デクリメントしてステップS1410に移行する。ステップS1410では、作動回数が「0」か否かが判定され、YESの場合にはステップS1417に移行し、NOの場合にはステップS1411に移行する。
ステップS1411では、継続スイッチ27でパチンコ球が検出されたか否かが判定され、YESの場合にはステップS1416に移行して変動入賞装置11のソレノイドをオフしてからステップS1430に移行し、NOの場合にはステップS1412に進む。
ステップS1412では、カウントスイッチ14でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合にはステップS1414にそのまま移行し、YESの場合にはステップS1413で入賞検出フラグをセットしてからステップS1414に移行する。
ステップS1414では、制御タイマを更新し、ステップS1415で制御タイマがタイムアップか否かが判定される。そして、その判定結果がYESの場合には前記ステップS1404まで戻り、NOの場合には前記ステップS1411まで戻る。
従って、制御タイマの減算にともなって変動入賞装置11の羽根部材12のソレノイドの開放時間と閉止時間とが管理されており、作動回数の値を1つ減算する毎に、羽根部材12が1回の開閉動作を行うように制御されている。
一方、ステップS1417では、制御タイマに1秒(図19のT2に相当)を設定してステップS1418に移行し、継続スイッチ27でパチンコ球を検出したか否かが判定され、YESの場合にはステップS1430に移行して継続フラグをセットし、ステップS1431で継続スイッチ27の無効化処理(このステップ以降に発生した継続スイッチ27の遊技球検出を無視するように、所定の制御フラグを設定する処理)を行ってV有効時間を終了した後、ゼネラルフローチャートの前記ステップS5に移行する。
また、前記ステップS1418でNOと判定された場合にはステップS1419に移行して、カウントスイッチ14でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合にはステップS1421にそのまま移行し、YESの場合にはステップS1420で入賞検出フラグをセットしてからステップS1421に移行する。
ステップS1421では、制御タイマを更新してからステップ1422に移行し、制御タイマがタイムアップか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS1418まで戻り、YESの場合にはステップS1423に移行する。ステップS1423では入賞検出フラグがセットされたか否かが判定され、NOの場合にはステップS1428に移行する。
一方、ステップS1423でYESと判定された場合にはステップS1424で制御タイマに(T3=6秒:図19参照)を設定してからステップS1425に移行する。ステップS1425では、継続スイッチ27でパチンコ球が検出されたか否かが判定され、YESの場合には前記ステップS1430に移行し、NOの場合にはステップS1426で制御タイマを更新してからステップS1427に移行する。ステップS1427では、制御タイマがタイムアップか否かが判定され、NOの場合にはステップS1425まで戻り、YESの場合にはステップS1428に移行して継続スイッチ27の無効化処理を実行し、ステップS1429で始動スイッチの有効化処理を実行してゼネラルフローチャートの前記ステップS5に移行する。
以上の図17,図18のフローチャートにしたがった制御手順により、図19のタイミングチャートに示すような動作が実現される。
即ち、始動入賞口へのパチンコ球の入賞(例えば、第2始動スイッチSW2の入力N1)に基づいて予備遊技状態(変動入賞装置11の開放動作)を起生し、かつ、特別入賞口への遊技媒体の入賞を有効化(V領域有効状態に相当)するとともに、予備遊技状態の起生に基づいて変動入賞装置(11)が開放動作を開始した後、所定時間(T4)内に、カウントスイッチ14による入力C1があった場合には、所定時間(T4+T3)が経過するまで他のパチンコ球の始動入賞口(5,6)への入賞に基づく予備遊技状態の起生を無効化し、所定時間(T4+T3)が経過後に始動入賞口(5,6)への入賞を有効化させる。
装飾ランプ,LED21による装飾演出は、第2始動スイッチSW2のオンで開始され、上記所定時間(T4+T3)後の始動入賞有効化タイミングで終了される。但し、両タイミングは必ずしも一致させなくてもよい。
一方、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による入力が無い場合には、所定時間(T4)経過後にV領域の有効状態を無効化するとともに、始動入賞口(5,6)への入賞を有効化させる。これにより、変動入賞装置11の開放中にパチンコ球が拾われずカウントスイッチ14による入賞が検出されなかった場合には、余り間をおかずに始動入賞口(5,6)への入賞が有効になるので遊技者の不快感を低減して遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、誘導構
造物(V誘導部材17及び床板部材16)の動作についても、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による入力が有る場合には、所定時間(T4+T3)経過後に動作を終了し、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による入力が無い場合には、所定時間(T4)経過後に途中で動作を中止して、通常の状態に復帰するように初期化される。
また、装飾ランプ,LED21による装飾演出状態については、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による入力が無かった場合にも、所定時間(T4+T3)が経過するまで点滅させるようにすることもでき、その場合には変動入賞装置11内への入賞頻度が低い場合でも、通常の遊技装飾演出に切り替わるタイミングを所定時間遅らせた状態となり、遊技者のパチンコ球が余り入賞していないという印象を軽減することができ、遊技者の不快感を低減することができる。
なお、第2始動スイッチSW2への入賞によって、羽根部材12が2回開閉動作をする予備遊技状態が起生する場合のみならず、第1始動スイッチSW1への入賞によって、羽根部材12が1回開閉動作をする予備遊技状態が起生する場合であっても、本実施形態は適用可能である。
図20は、第2の実施形態に係る変動入賞装置の初期開閉処理のタイミングチャートである。第1の実施形態(図19)との違いは、可動部材の開放動作に伴って遊技球が変動入賞装置の内部に取り込まれることを条件としてV領域有効化状態が開始される点にある。
この実施形態では、始動入賞口ヘのパチンコ球の入賞(例えば、第2始動スイッチSW2の入力N1)に基づいて予備遊技状態(変動入賞装置11の開放動作)を起生するとともに、所定時間(T4+T3)が経過するまで、他のパチンコ球の始動入賞口(5,6)への入賞に基づく予備遊技状態の起生を無効化し、予備遊技状態の起生に基づいて変動入賞装置(11)が開放動作を開始した後所定時間(T4)内に、カウントスイッチ14によるパチンコ球の入賞(C1)が検出された場合に、特別入賞口への遊技媒体の入賞を有効化(V領域有効状態に相当)する。
一方、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による入力が無い場合には、
V領域有効化状態を発生させないで、第1の実施形態と同様、所定時間(T4)経過後に始動入賞口(5,6)への入賞を有効化させる。
これにより、変動入賞装置11の開放中にパチンコ球が拾われずカウントスイッチ14による入賞が検出されなかった場合には、余り間をおかずに始動入賞口(5,6)への入賞が有効になるので遊技者の不快感を低減して遊技に対する興趣を向上させることができる。また、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による検出が無い限り、V領域は有効状態にならないため、不正な入賞をより正確に排除することができるというメリットがある。
ここでは、変動入賞装置11の可動部材12の予備遊技状態における動作中、および該可動部材が最後に動作終了したタイミング(LT:図20の<カウント入賞有りの時>を参照)の直後に所定の予備時間(T2)を設け、上記制御手段は、この予備時間(T2)内に入賞検出手段(カウントスイッチ14)によりパチンコ球の通過を検出した場合には、変動入賞装置11の動作に伴う有効な入賞と判定し、予備時間(T2)経過後にカウントスイッチ14によりパチンコ球の通過を検出した場合(例えば検出信号C2:図20参照)には、変動入賞装置11の動作に伴わない無効な入賞と判定するようにしており、T2の時間設定によってT4の時間が一義的に決定されるようになっている。
よって、予備時間(T2)経過後におけるカウントスイッチ14によるパチンコ球の通過検出は、変動入賞装置11の動作に伴わない不正行為の発生あるいは装置異常の発生と考えられるので、その場合には入賞を無効と判定することにより精度の高い遊技制御を行うことができ、遊技機の信頼性を高めることができる。
なお、第1始動スイッチSW1(または第2始動スイッチSW2)の入力があってから実際に羽根部材11が開動作されるまでに遅延時間DLY(図20参照)があるので、上記始動スイッチの有効化タイミング(t1)は、この遅延時間DLY分早めるようにしてもよい。これにより、遊技者の焦燥感をより低減することができる。また、装飾ランプ,LED21による装飾演出状態については、上記第1の実施形態と同様に、所定時間(T4)内にカウントスイッチ14による入力が無かった場合にも、所定時間(T4+T3)が経過するまで点滅させるようにすることもでき、その場合には変動入賞装置11内への入賞頻度が低い場合でも、通常の遊技装飾演出に切り替わるタイミングを所定時間遅らせた状態となり、遊技者のパチンコ球が余り入賞していないという印象を軽減することができ、遊技者の不快感を低減することができる。
次に、図21および図22に示すフローチャートを参照して、上記ゼネラルフローチャートのステップS4に係る変動入賞装置の初期開閉処理の第3実施形態に係るサブルーチンの処理手順を説明する。
なお、本実施形態に係る遊技機においては、図23に示すように、特別変動入賞装置11の遊技媒体の出口側に流出検出手段としての出口カウントスイッチ50が設けられており、その出口カウントスイッチ50は前出の図6に鎖線で示したように遊技制御装置30の入力インターフェース42に接続されている。
第3実施形態に係る変動入賞装置の初期開閉処理では、まずステップS2401で残留数カウンタを0にクリアし、ステップS2402で継続フラグをクリアしてからステップS2403に移行する。
ステップS2403では、変動入賞装置11のソレノイドがオンか否かが判定され、NOの場合にはステップS2404に移行して変動入賞装置11のソレノイドをオンし、ステップS2405で制御タイマに開放時間(T4)を設定してステップS2410に進む。
一方、前記ステップS2403でYESと判定した場合にはステップS2406に移行して変動入賞装置11のソレノイドをオフし、ステップS2407で制御タイマに閉止時間を設定し、ステップS2408で作動回数を「1」デクリメントしてステップS2409に移行する。
ステップS2409では、作動回数が「0」か否かが判定され、YESの場合にはステップS2419に移行し、NOの場合にはステップS2410に移行する。
ステップS2410では、継続スイッチ27でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合にはステップS2411に移行して入口カウントスイッチ14による監視処理を行い、ステップS2412で出口カウントスイッチ50による監視処理を行い、ステップS2413で制御タイマを更新してステップS2414に移行し、制御タイマがタイムアップか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS2410に戻り、YESの場合には前記ステップS2403まで戻る。
一方、前記ステップS2410で、YESと判定された場合にはステップS2415に移行して、残留カウンタが「0」より多いか否かが判定され、YESの場合には前記ステップS2411まで戻り、NOの場合にはステップS2416で変動入賞装置11のソレノイドをオフし、ステップS2417で継続フラグをセットし、ステップS2418で継続スイッチ27の無効化処理を行った後、前記ゼネラルフローチャートのステップS5に戻る。
また、前記ステップS2419では、制御タイマに(T2=1秒:図24参照)を設定してからステップS2420に移行する。
ステップS2420では、継続スイッチ27でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合にはそのままステップS2422に移行し、YESの場合にはステップS2421で残留カウンタが「0」より多いか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS2417に移行し、YESの場合にはステップS2422に進む。
ステップS2422では、入口カウントスイッチ14による監視処理(即ち、入口カウントスイッチ14を遊技球が通過することに伴って残留数カウンタを「1」インクリメントする処理)を行い、ステップS2423で出口カウントスイッチ50による監視処理(即ち、出口カウントスイッチ50を遊技球が通過するに伴って残留数カウンタを「1」デクリメントする処理)を行う。
次いで、ステップS2424で制御タイマを更新してステップS2425に移行し、制御タイマがタイムアップか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS2420まで戻り、YESの場合にはステップS2426に移行する。
ステップS2426では、残留カウンタが「0」より多いか否かが判定され、NOの場合にはステップS2436に移行し、YESの場合にはステップS2427に移行して監視タイマに30秒を設定してステップS2428に進む。
ステップS2428では、継続スイッチ27でパチンコ球を検出したか否かが判定され、YESの場合には前記ステップS2417に移行し、NOの場合にはステップS2429に進んで監視タイマを更新してからステップS2430に移行する。
ステップS2430では、監視タイマがタイムアップか否かが判定され、YESの場合には、入口カウントスイッチ14による検出数と、出口カウントスイッチ50による検出数が一致せず、装置の故障等の異常かあるいは何らかの不正行為があったと判断して、ステップS2431に移行して所定の異常対応処理(例えば警告ランプを点灯させる,盤面のスイッチの入力を全て無効にして遊技を停止させる,出口側のカウントスイッチ50に残留数分の球を通すと遊技を復帰させる,球の発射を停止させるなどの処理)を行う。
一方、ステップS2430でNOと判定された場合にはステップS2432に移行して出口カウントスイッチ50でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS2428まで戻り、YESの場合にはステップS2433に移行して残留数を「1」デクリメントし、ステップS2434で監視タイマに30秒を設定してからステップS2435に移行する。
ステップS2435では残留数が「0」か否かが判定され、NOの場合には前記ステップS2428まで戻り、YESの場合にはステップS2436に移行して継続スイッチ27の無効化処理を行うことによりV有効時間を終了し、ステップS2437で始動スイッチ(SW1,SW2)の有効化処理(始動スイッチが有効になるよう所定の制御フラグを設定する処理)を行うことにより予備遊技状態の無効化状態が解除され(このステップ以降は、始動スイッチの検出により予備遊技状態の起生が可能な状態となる)、前記ゼネラルフローチャートのステップS5に戻る。
以上の図21,図22のフローチャートにしたがった制御手順により、図24のタイミングチャートに示すような動作が実現される。
即ち、始動入賞口ヘのパチンコ球の入賞(例えば、第2始動スイッチSW2の入力N1)に基づいて予備遊技状態(変動入賞装置11の開放動作)を起生するとともに、所定時間が経過するまで、遊技媒体の該始動入賞口への入賞に基づく予備遊技状態の起生を無効化し、予備遊技状態の起生に基づいて変動入賞装置(11)が開放動作を開始した後所定時間(T4)内に、入賞検出手段(入口側のカウントスイッチ14)によるパチンコ球の入賞が検出された場合(即ち、残留数カウンタが>0の場合)には、特別入賞口への遊技媒体の入賞を有効化(V領域有効状態に相当)するとともに、予備遊技状態(変動入賞装置11の開放動作)の起生の無効化状態を継続する。
さらに、この実施形態では、入賞検出手段(入口側のカウントスイッチ14)からの検出信号(例えば、F1,F2,F3)と流出検出手段(出口側のカウントスイッチ50)からの検出信号(例えば、G1,G2,G3)に基づいて、変動入賞装置11内のパチンコ球の残留の有無を監視し、検出信号(F1,F2,F3)と(G1,G2,G3)との比較により変動入賞装置11内にパチンコ球が残留していないことが確認されたことを条件として、特別入賞口への遊技媒体の入賞の有効化状態および上記予備遊技状態の起生の無効を解除する。
また、入口カウントスイッチ14と出口カウントスイッチ50に基づいて残留数を監視できるので、変動入賞装置開放後長時間にわたって残留数が「0」にならなければ玉詰まり等の異常が発生したことを検出することができる。また、この実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、所定時間T4経過するまでに入口カウントスイッチ14の入力がなかったときは、V領域入賞有効状態を無効化するとともに、始動スイッチ(SW1,SW2)の無効状態を有効化する。
これによれば、変動入賞装置11内での遊技球の動きに幅を持たせることができるので、遊技球を比較的長時間にわたって変動入賞装置内で転動させて、入賞するか否かのスリル感を増大させ、興趣を向上させることができる。
なお、誘導構造物(V誘導部材17及び床板部材16)の動作についても、入口側のカウントスイッチ14からの検出信号(F1,F2,F3)と出口側のカウントスイッチ50からの検出信号(G1,G2,G3)の比較により変動入賞装置11内にパチンコ球が残留していないことが確認されたことを条件として、動作を終了するようにできる。
また、装飾ランプ,LED21による装飾演出状態についても、入口側のカウントスイッチ14からの検出信号(F1,F2,F3)と出口側のカウントスイッチ50からの検出信号(G1,G2,G3)の比較により変動入賞装置11内にパチンコ球が残留していないことが確認されたことを条件として、消灯するようにしてもよい。
次に、図25,図26のフローチャートを参照して、図15のゼネラルフローチャートのステップS12に係る変動入賞装置特別開閉処理のサブルーチンの処理手順を簡単に説明する。
まず、ステップS3001では継続フラグをクリアしてステップS3002に移行し、ラウンド数が最大ラウンド数(例えば15R)か否かが判定され、YESの場合にはそのままステップS3004に移行し、NOの場合にはステップS3003に移行して継続スイッチ27の有効化処理を行ってからステップS3004に進む。
ステップS3004では、変動入賞装置11のソレノイドがオンか否かが判定され、NOの場合にはステップS3005に移行して変動入賞装置11のソレノイドをオンし、ステップS3006で制御タイマに開放時間を設定してからステップS3011に進む。
一方、ステップ3004でYESと判定された場合にはステップS3007に移行して変動入賞装置11のソレノイドをオフし、ステップS3008で制御タイマに閉止時間を設定し、ステップS3009で作動回数を「1」デクリメントしてステップS3010に移行する。
ステップS3010では、作動回数が「0」か否かが判定され、NOの場合にはステップS3011に移行し、YESの場合にはステップS3020に移行する。
前記ステップS3011では、継続スイッチ27でパチンコ球を検出したか否かが判定され、YESの場合にはステップS3012に移行してラウンド数が最大か否かが判定され、YESの場合にはステップS3014に進み、NOの場合にはステップS3013で変動入賞装置11のソレノイドをオフしてステップS3027に移行する。
一方、ステップ3011でNOと判定した場合にはステップS3014に移行してカウントスイッチ14でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合にはそのままスイッチS3018に進み、YESの場合にはステップS3015に移行してカウント数を「1」インクリメントしてステップS3016に移行する。
ステップS3016では、カウント数が最大値(例えば10個)以上か否かが判定され、YESの場合にはステップS3017で変動入賞装置11のソレノイドをオフしてからステップS3020に移行し、NOの場合にはステップS3018に進んで制御タイマを更新してからステップS3019に移行する。
ステップS3019では、制御タイマがタイムアップか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS3011に戻り、YESの場合には前記ステップS3004に戻る。
従って、制御タイマの減算に伴って変動入賞装置11の羽根部材12のソレノイドの開放時間と閉止時間とが管理されており、作動回数の値を1つ減算する毎に、羽根部材12が1回の開閉動作を行うように制御されているので、このステップS3004〜S3019までの処理によって、羽根部材12の一連の開閉動作が制御される。
一方、ステップS3020では制御タイマに6秒を設定してからステップS3021に移行し、継続スイッチ27でパチンコ球を検出したか否かが判定され、NOの場合には制御タイマを更新してステップS3023に進み、制御タイマがタイムアップか否かが判定され、NOの場合には前記ステップS3021に戻り、YESの場合にはステップS3024に移行して継続スイッチ27の無効化処理を行い、ステップS3025で始動スイッチの有効化処理を行ってから前記ゼネラルフローチャートに戻る。
また、前記ステップS3021でYESと判定された場合にはステップS3026に移行して、ラウンド数は最大か否かが判定され、YESの場合には前記ステップS3022に移行し、NOの場合にはステップS3027に進んで継続フラグをセットし、ステップS3028で継続スイッチ27の無効化処理を行うことによりV有効時間を終了してから、前記ゼネラルフローチャートに戻る。
なお、以上の実施の形態例においては、第2種(いわゆる羽根物タイプ)のパチンコ遊技機としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動入賞装置の内部に特別入賞口を配置した構成の遊技機であれば、第1種(いわゆるセブン機タイプ)や第3種(いわゆる権利物タイプ)のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機等の他の弾球遊技機であっても適用可能である。また、変動入賞装置及び可変表示装置の構成、遊技機能や表示内容等も任意であり、特別入賞率変更手段についても、V誘導部材と床板部材からなる組み合わせの他、適宜のものを採用し得る。さらに、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることはいうまでもない。
また、遊技球を受け入れて賞球を払い出す入賞口を、始動入賞口として例示したが、遊技球の通過を検出可能な領域であれば、賞球が獲得不能なもの(いわゆる通過ゲート等)であっても始動入賞口としての機能を有することも勿論である。