JP5076785B2 - プラント運用計画装置、そのプログラム - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、各負荷種別毎の各プラント構成機器の起動・停止状態や燃料注入量や機器制御量等を入力情報として、この入力情報を利用して各制御時間毎の各機器の入出力状態を計算する定常プラントシミュレータが開示されている。更に、この入力情報を生成して定常プラントシミュレータに入力する最適化部が開示されている。
あるいは、特許文献4には、予め記述された接続情報を基にして計算順序を決めることが出来るという技術が開示されている。
単純な例にはならず、通常、シミュレーション対象は複数の機器が相互に接続されたプラントシステムであり、各機器は複数の入力又は出力を有する場合もあり、何らかの論理条件が課せられる場合もある(例えば、複数の入力全ての値が決まらないと、出力が算出できない等)。また、上記固定値変数も複数設定される場合が多い。
数とされた非固定値変数に関して前記計算実行条件を満たす非固定値変数がある場合には、該非固定値変数を新たな確定変数としてその計算順序を決定する前記第3の処理を実行し、全ての変数の計算順序が決定するまで前記第2の処理と第3の処理とを交互に繰り返し実行する。
また、上記プラント運用計画装置において、例えば、前記計算順序決定手段は、前記第2又は第3の処理において新たな確定変数とした非固定値変数が、既に確定変数となっている場合には、エラーとする。
図1(a)は、本例のプラント運用計画装置10の構成図である。
本装置10は、需給量予測部11と、固定値設定部12と、計算順序決定部13と、定常プラントシミュレータ部14とで構成されている。
尚、以下、固定値として設定された変数を“固定値変数”、非固定値として設定された変数を“非固定値変数”と呼ぶものとする。
順序1では、固定値設定部12による設定データを参照して各固定値変数を検索し、これを確定変数として計算順序を付ける。
順序3においては、上記新しい確定変数に接続され、かつ任意の論理条件(AND/OR等)を満たす機器内の変数を探し、これを新しい確定変数として計算順序を付ける。ただし、機器間および機器内で付けられる計算順序に重複があった場合はエラーとする。また、計算順序が付けられなかった未確定の変数があった場合もエラーとする。
定常プラントシミュレータ部14は、固定値設定部12により設定された又は需給量予測部11で予測された各固定値変数の値(入出力状態量等;例えば需給量予測部11による予測値を用いる)に基づき、計算順序決定部13により決定された計算順序で、従来通りのシミュレーション処理を行う。すなわち、例えば前記需給量予測部11による各予測値を満足するように、入出力状態量等をシミュレーションにより決定していくものである。尚、上記変数の値としては、上記入出力状態量以外にも、例えば各機器の起動・停止状態等がある。
、この構成では上記図1(a)に示す構成に最適化部15が追加されている。最適化部15は上記従来の最適化手段と略同様の機能を有するものとしてもよいし、他の既存の最適化処理機能を有するものであってもよい。
図2(a)は、プラント運用計画装置10のディスプレイに表示される固定値設定画面の一例である。
そして、図2(a)に示す設定画面例では、不図示の初期状態では全ての変数が非固定値変数(図示の“白丸”表示)となっており、オペレータ等がマウス操作等によって所望の変数(丸印表示位置)をクリック等して指定すると、この変数は固定値変数として指定されたものと判定され、この指定内容が記憶されると共に(後述する変数指定テーブル等に反映される)、その表示が図示の“黒丸”表示となる。よって、非固定値変数は、特に指定しなくても、固定値変数として指定されなかった変数が非固定値変数となる。
の変数の場合は入力0又は入力変数0、出力の変数の場合は出力0又は出力変数0等と記すものとする。
また、図2(a)において各変数(丸印)間を結ぶ直線は、機器間の接続関係を示すものであり、実際の内部データでは例えば図2(c)に示すように定義されている。図2(c)において、例えば「1001,0,1003,3」は、任意の2つの変数“1001,0”と“1003,3”とが機器間接続されることを定義している。そして、左側の変数“1001,0”は出力側、右側の“1003,3”は入力側を意味することになっている。よって、図2(c)において、例えば「1001,0,1003,3」は、「機器1の出力変数0」と「機器3の入力変数3」とが接続されることが定義されているものである。
破線矢印は、各矢印の行き先の変数の入力/出力状態量の計算には、少なくとも何れか1つの矢印の根元の変数の入力/出力状態量が必要となることを意味している。例えば、識別番号=1001の矩形(プラント構成機器)の内部に示す破線矢印は、入力0の変数から出力0と出力1の変数に向かう2本の破線矢印と、出力0から出力1へ向かう破線矢印と出力1から出力0へ向かう破線矢印とから成る。これは、「機器1の出力0」の出力状態量の計算には、少なくとも「機器1の出力1」の出力状態量又は「機器1の入力0」の入力状態量の何れか一方が必要であることを意味している(OR条件)。同様に、「機器1の出力1」の出力状態量の計算には、少なくとも「機器1の出力0」の出力状態量又は「機器1の入力0」の入力状態量の何れか一方が必要であることを意味している(OR条件)。
「機器3の入力3」及び「機器3の出力0」の計算の後に「機器3の入力0」の計算を行うという順序となる必要があることになる。同様に、例えば「機器1の出力0」の入力状態量の計算順序は、少なくとも「機器1の入力0」又は「機器1の出力1」の何れか一方の後であることが必要である(機器1の変数は全て非固定値であるので)。このように、上記計算順序決定部13は、この様なAND/OR条件を満たすように計算順序を決定できるものであり、これが特徴の1つとなっている。
この処理は、上記固定値設定部12によって固定値変数/非固定値変数が設定された後に実行される。
図3において、まず、上記固定値設定部12による設定内容(後述する変数指定テーブル等)を参照することで“固定値変数”を探し出し、これを確定変数1とし、計算順序を決定する(ステップS11)。尚、本処理は、最終的に全ての変数を確定変数とする(そして全ての変数の計算順序を決める)ものであるが、本ステップS11で確定変数としたものと、後述するステップS14やS18で確定変数としたものとを区別する為に、上記の通り、ここでは本ステップS11で決められた確定変数は確定変数1と呼ぶものとする。同様に、後述するステップS18で決められた確定変数は確定変数3と呼ぶものとする。
図4は、第1の具体例における変数指定テーブル20の設定内容を示す図である。
更に、ここでは図2(a)に示したシミュレーションモデルを利用して、図4の設定に基づき図3の処理によって各変数が確定変数となり計算順序が決定される様子を視覚的に示して説明する為の図面として、図5(a)〜(f)を用いるものとする。
図4に示す変数指定テーブル20は、当該第1の具体例における上記固定値設定部12による設定内容が記憶されたものである。変数指定テーブル20における変数指定23には、各入出力状態量24(上記変数に相当;以下、変数24と記す場合もある)毎に、それが固定値変数か非固定値変数かを示す値が格納される。ここでは固定値変数の場合は‘1’、非固定値変数の場合は‘0’であるものとする。これより、図4に示す例では、「機器0の出力0」、「機器3の入力1」、「機器3の入力2」、及び「機器4の入力0」が、固定値変数として設定されていることになる。
次に、以下、固定値変数が図6に示すように設定された場合を例にして、上記図5と同様、計算順序を決定する処理が途中でエラーになる様子を図7(a)〜(c)に示す(これを第2の具体例とする)。
続いてステップS14の処理では、上記5つの確定変数1のうち、「機器0の出力0」、「機器3の入力3」、及び「機器4の入力0」には、機器間接続されている変数が存在するので、図7(b)に示す通り、これら3つの変数、すなわち「機器1の入力0」、「機器1の出力0」、「機器3の出力0」を、新たな確定変数2としそれぞれ「計6」〜「計8」の計算順序が与えられる。
この為、続いてステップS18の処理を行うと、新たな確定変数2である「機器1の入力0」に接続された「機器1の出力0」は、第1の具体例で説明したようにOR条件が満たされているので新たな確定変数3となるが、上記の通り「機器1の出力0」は既に確定変数となっているので、ステップS19の判定はYESとなり(そのイメージを図7(c)に示す)、エラーメッセージを出力して計算順序決定処理を強制終了することになる。
この場合、まず、ステップS11の処理により図9(a)に示すようにこれら3つの変数を確定変数1としそれぞれ「計1」〜「計3」の計算順序が与えられる。
順序は、シミュレーションが正常に実行できる順序とすることができる。すなわち、計算順序が不適切な為に例えば上記計算実行条件が満たされない段階で計算を実行しようとすることで計算不能となってしまうような事態は生じない。
図10に示すコンピュータ50は、CPU51、メモリ52、入力部53、出力部54、記憶部55、記録媒体駆動部56、及びネットワーク接続部57を有し、これらがバス58に接続された構成となっている。
メモリ52は、任意の処理実行の際に、記憶部55(あるいは可搬型記録媒体59)に記憶されているプログラムあるいはデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CPU51は、メモリ52に読み出したプログラム/データを用いて、各種処理を実行する。
記憶部55は、例えばハードディスク等であり、上述したプラント運用計画装置10の処理機能(特に図3のフローチャートの処理)を、CPU51により実行させる為のアプリケーションプログラムが格納されている。また、この処理に必要な各種データ(図2(b)〜(f)に示すデータや変数指定テーブル20等)も記憶部55に格納されている。
実行することにより、上述したプラント運用計画装置10の各種機能・処理を実現する。
あるいは、上記記憶部55に格納される各種プログラム/データは、可搬型記録媒体59に記憶されているものであってもよい。この場合、可搬型記録媒体59に記憶されているプログラム/データは、記録媒体駆動部56によって読み出される。可搬型記録媒体59とは、例えば、FD(フレキシブル・ディスク)59a、CD−ROM59b、その他、DVD、光磁気ディスク等である。
11 需給量予測部
12 固定値設定部
13 計算順序決定部
14 定常プラントシミュレータ部
15 最適化部
20 変数指定テーブル
21 機器No.
22 機器名称
23 変数指定
24 各入出力状態量
50 コンピュータ
51 CPU
52 メモリ
53 入力部
54 出力部
55 記憶部
56 記録媒体駆動部
57 ネットワーク接続部
58 バス
59 可搬型記録媒体
59a FD(フレキシブル・ディスク)
59b CD−ROM
Claims (6)
- 各プラント構成機器に係る各変数毎に、シミュレーションにおいて拘束条件として扱われる固定値変数とするか、該シミュレーションによってその値が計算される非固定値変数とするかを任意に設定させると共に、前記固定値変数の値を任意に設定させる固定値設定手段と、
前記固定値設定手段によって設定された前記固定値変数を基点にして、前記各変数の計算順序を決定する計算順序決定手段と、
前記固定値設定手段によって設定された固定値変数の値を元に、前記計算順序決定手段で決定された計算順序に従って前記シミュレーションを実行することで、前記各非固定値変数の値を算出して出力する定常プラントシミュレータ手段と、
任意の2つの前記プラント構成機器間での任意の前記変数の接続関係を示す機器間接続情報を記憶する機器間接続情報記憶手段と、
前記各プラント構成機器内での計算実行条件を記憶する計算実行条件記憶手段とを有し、
前記計算順序決定手段は、
前記各固定値変数を確定変数としてその計算順序を決定する第1の処理を実行後、
最初は該第1の処理によって確定変数とされた各固定値変数を元に、その後は第3の処理によって新たな確定変数とされた非固定値変数を元に、前記機器間接続情報に基づいて、該確定変数に機器間接続されている前記非固定値変数を新たな確定変数としてその計算順序を決定する第2の処理を実行し、
該第2の処理によって新たな確定変数とされた非固定値変数に関して前記計算実行条件を満たす非固定値変数がある場合には、該非固定値変数を新たな確定変数としてその計算順序を決定する前記第3の処理を実行し、
全ての変数の計算順序が決定するまで前記第2の処理と第3の処理とを交互に繰り返し実行することを特徴とするプラント運用計画装置。 - 前記各プラント構成機器内での計算実行条件には、該機器内の任意の入力/出力を決定する際の該機器内の他の2以上の入力/出力に係わるAND/OR条件が含まれることを特徴とする請求項1記載のプラント運用計画装置。
- 前記計算順序決定手段は、
前記第2又は第3の処理において新たな確定変数とした非固定値変数が、既に確定変数となっている場合には、エラーとすることを特徴とする請求項1または2記載のプラント運用計画装置。 - 運転計画期間におけるプラントの各種需要量と各種供給量を予測して需給量予測値を生成する需給量予測手段を更に有し、
前記定常プラントシミュレータ手段で用いる前記固定値変数の値として、該需給量予測値も用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラント運用計画装置。 - 前記各変数は、前記プラント構成機器に関する入出力状態量であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のプラント運用計画装置。
- コンピュータを、
各プラント構成機器に係る各変数毎に、シミュレーションにおいて拘束条件として扱われる固定値変数とするか、該シミュレーションによってその値が計算される非固定値変数とするかを任意に設定させると共に、前記固定値変数の値を任意に設定させる固定値設定手段と、
任意の2つの前記プラント構成機器間での任意の前記変数の接続関係を示す機器間接続情報を記憶する機器間接続情報記憶手段と、
前記各プラント構成機器内での計算実行条件を記憶する計算実行条件記憶手段と、
前記固定値設定手段によって設定された前記固定値変数を基点にして、前記各変数の計算順序を決定する手段であって、前記各固定値変数を確定変数としてその計算順序を決定する第1の処理を実行後、最初は該第1の処理によって確定変数とされた各固定値変数を元に、その後は第3の処理によって新たな確定変数とされた非固定値変数を元に、前記機器間接続情報に基づいて、該確定変数に機器間接続されている前記非固定値変数を新たな確定変数としてその計算順序を決定する第2の処理を実行し、該第2の処理によって新たな確定変数とされた非固定値変数に関して前記計算実行条件を満たす非固定値変数がある場合には、該非固定値変数を新たな確定変数としてその計算順序を決定する前記第3の処理を実行し、全ての変数の計算順序が決定するまで前記第2の処理と第3の処理とを交互に繰り返し実行する計算順序決定手段と、
前記固定値設定手段によって設定された固定値変数の値を元に、前記計算順序決定手段で決定された計算順序に従って前記シミュレーションを実行することで、前記各非固定値変数の値を算出して出力する定常プラントシミュレータ手段、
として機能させる為のプログラム。
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