JP5075755B2 - 分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル - Google Patents

分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバを用いてその長手方向に沿って連続的に水圧や油圧等の圧力の分布を検知する分布型光ファイバ圧力センサに用いられる分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルに関する。
センサ部に光ファイバを用いて連続的に水圧や油圧等の圧力の分布を検知する分布型光ファイバ圧力センサの提案がなされている。
分布型光ファイバ圧力センサは、センサ部として光ファイバセンサケーブルを備え、光ファイバセンサケーブルの全体が水圧計として機能するものである。このようなセンサ部の一例として、図10に示すように圧力検出用光ファイバ51がケーブル長の円筒状の支持体52の外周面上にらせん巻きされ、外被53で被覆された構造の光ファイバセンサケーブル50が知られている。圧力の検知には、光ファイバに生じた歪を光ファイバの長手方向に沿って連続的に測定するため、BOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometry)やBOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)などが利用される。
例えば特許文献1には、中空パイプ肉厚内部の内層に2本のファイバを螺旋巻きして固定し、さらに外層に別の2本の光ファイバを螺旋巻きして固定した構成の光ファイバセンサが開示されている。
米国特許出願公開第2006/0071158号明細書
BOTDA等によって圧力を計測する場合、光ファイバに生じた散乱光の変化が圧縮歪によるものとは限らず、温度や引張力等によっても変化する。このため、温度や引張力の影響を除去しなければ、正確な圧力値を検出することができない。
圧力の影響を受けないように、ケーブルの内部に中空部を設けたり、その中空部に抗張力繊維やジェリー等の流動性のある物質を充填する方法が考えられる。しかしながら、ケーブルの内部に空隙があると、ケーブルの外被等が破損したときに、圧力計測対象の雰囲気に存在する水などの液体や気体がケーブル内に圧入され、測定器等の設備を損傷するおそれがある。
また、中空部をジェリーで充填した場合は、ケーブルに強い引張力が印加されると、ケーブルの内部に歪が残留し、引張力から解放された後も歪が初期値に戻らず、その後の計測値が不正確になることがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度および引張力の変化を補償して、より正確な圧力値を検出することが可能な分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、引張力補償用光ファイバを有する引張力補償用ユニットと、前記引張力補償用ユニットの外側にらせん巻きされた温度補償用光ファイバと、前記引張力補償用ユニットの外周面および前記温度補償用光ファイバの上を被覆する中間層と、前記中間層の外周面の全周を被覆する発泡層と、前記発泡層の外周面の全周を被覆するスキン層と、前記スキン層の外側にらせん巻きされた圧力検出用光ファイバと、前記スキン層の外周面および前記圧力検出用光ファイバの上を被覆する外被とを有し、前記引張力補償用ユニットは、引張力補償用光ファイバおよび抗張力体を内部に含み、前記引張力補償用光ファイバが前記抗張力体に縦添えされ、ユニット被覆材内に中実に一体化されているものであることを特徴とする分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルを提供する。
本発明の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルでは、前記引張力補償用ユニットの中心から前記引張力補償用光ファイバの中心までの距離が1.0mm以下であり、前記引張力補償用ユニットの中心から前記温度補償用光ファイバの中心までの距離が1.5mm以上であることが好ましい。
また、前記引張力補償用ユニットの中心から前記引張力補償用光ファイバの中心までの距離が、前記引張力補償用ユニットの中心から前記温度補償用光ファイバの中心までの距離の0.6倍以下であることが好ましい。
本発明によれば、分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルにおいて、圧力、温度および引張力の影響を受ける度合いが異なる3種類の光ファイバを利用することで、温度および引張力の変化を補償して、より正確な圧力値を計測することが可能になる。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。図1は、本形態例の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル(以下、単に光ファイバセンサケーブルという場合がある。)の一例を示す断面図である。図2は、図1に示す光ファイバセンサケーブルにおける光ファイバの配置を模式的に示す斜視図である。
図1に示す光ファイバセンサケーブル1は、引張力補償用光ファイバ3を有する引張力補償用ユニット2と、引張力補償用ユニット2の外側にらせん巻きされた温度補償用光ファイバ7と、引張力補償用ユニット2の外周面および温度補償用光ファイバ7の上を被覆する中間層8と、中間層8の外周面の全周を被覆する発泡層9と、発泡層9の外周面の全周を被覆するスキン層10と、スキン層10の外側にらせん巻きされた圧力検出用光ファイバ11と、スキン層10の外周面および圧力検出用光ファイバ11の上を被覆する外被12とを備えている。
引張力補償用ユニット2は、引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4をユニット被覆材5,6の内部に含むユニットである。このユニットにおいて、引張力補償用光ファイバ3は、抗張力体4に縦添えされて一体化されている。すなわち、抗張力体4は光ファイバセンサケーブル1の長手方向に配置されるものであり、引張力補償用光ファイバ3も、光ファイバセンサケーブル1の長手方向に沿って配置されている。らせん巻きされた光ファイバでは、らせんが余長を与えるため、らせんが引張力で伸縮することにより、引張力の影響を受けにくい。これに対して、縦添えされた光ファイバでは、該光ファイバの長手方向が、引張力の方向(すなわち光ファイバセンサケーブル1の長手方向)にほぼ一致している。このため、引張力に対して、引張力補償用光ファイバ3には、他の光ファイバよりも大きな歪量が付与される。
引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4を中実に一体化するためのユニット被覆材5,6の材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等のプラスチック樹脂やゴム等が挙げられる。
抗張力体4は、鋼線、ステンレス線などの金属線や、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)等の高強度繊維強化プラスチック(FRP)などを用いることができる。
本形態例では、1本の抗張力体4が引張力補償用ユニット2の断面略中心に配置され、一対の引張力補償用光ファイバ3が抗張力体4を中心にして対称に配置されている。引張力補償用ユニット2における引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4の断面配置は特にこの例に限定されない。他の例としては、1本の引張力補償用光ファイバ3が引張力補償用ユニット2の断面略中心に配置され、一対の抗張力体4が引張力補償用光ファイバ3を間にして対称に配置される形態、引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4が1本ずつ配置される形態、引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4がそれぞれ複数本配置される形態などが挙げられる。
温度補償用光ファイバ7は、引張力補償用ユニット2の外側にらせん巻きに配置されている。温度補償用光ファイバ7のらせんピッチPは、例えば100〜200mmとすることができる。また、温度補償用光ファイバ7のらせんの径は、引張力補償用ユニット2の径によって確保されるため、引張力補償用ユニット2の断面形状は、円形や略円形が好ましい。図1の例では、複数本の温度補償用光ファイバ7が近接して並べられ、それらが同一のらせんピッチでらせん巻きされている。
引張力補償用ユニット2の外周面および温度補償用光ファイバ7の上は、中間層8で被覆されている。温度補償用光ファイバ7は、中間層8で被覆されることによって、内側の引張力補償用ユニット2に対して固定され、外側の発泡層9との接触が防止される。中間層8は、引張力補償用ユニット2のユニット被覆材6に融着されている。
中間層8を構成する材料としては、ポリスチレン、ポリスチレンエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ゴム系樹脂、オレフィン系樹脂などが挙げられる。
中間層8の外周面は、全周が発泡層9で被覆されている。発泡層9は、中間層8に融着されている。発泡層9は、内部に気泡を有し、圧力の増加または減少に応じて体積が収縮または膨張するため、その内側に配置された引張力補償用ユニット2および温度補償用光ファイバ7に対して、外部の圧力の影響を低減することができる。
発泡層9は、ベースとなる樹脂に気泡となるガスを含ませた発泡樹脂で構成することが好ましい。発泡樹脂のベースとなる樹脂の具体例としては、ポリスチレン、ポリスチレンエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィン、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ゴム系樹脂、オレフィン系樹脂などが挙げられる。発泡層9のベースとなる樹脂が中間層8を構成する樹脂と同種のものであると、中間層8と発泡層9との密着性に優れるので好ましい。
発泡層9の発泡倍率(発泡前の材料の密度を発泡後の材料の密度で除した比)は、適宜選択することが好ましい。例えば1.1〜2.0倍の発泡倍率が挙げられる。
ケーブル内に水漏れや液漏れが生じたときに、気泡が水や液の流路とならないよう、発泡層9は気泡が独立気泡である発泡体からなるものが好ましい。
発泡層9の外周面は、全周がスキン層10で被覆されている。スキン層10は、発泡層9に融着されている。スキン層10の外側には圧力検出用光ファイバ11がらせん巻きされている。発泡層9と圧力検出用光ファイバ11との間にスキン層10が介在することで、発泡層9が収縮または膨張しても、スキン層10は変形しにくく、圧力検出用光ファイバ11の座屈を抑制することができる。また、径方向の圧力が圧力検出用光ファイバ11に加わりやすくなる。このため、スキン層10は、ショア硬度D50〜60程度の硬度を持つプラスチック樹脂からなり、適宜の厚さを有することが好ましい。スキン層10を構成する樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂等のプラスチック樹脂が挙げられる。
圧力検出用光ファイバ11は、スキン層10の外側にらせん巻きに配置されている。圧力検出用光ファイバ11のらせんピッチPは、例えば40〜60mmとすることができる。また、圧力検出用光ファイバ11のらせんの径は、スキン層10の径によって確保されるため、スキン層10の断面における外周の形状は、円形や略円形が好ましい。
図1の例では、2本の圧力検出用光ファイバ11がケーブル径方向にほぼ対向して配置され、同一のらせんピッチでらせん巻きされている。
スキン層10の外周面および圧力検出用光ファイバ11の上は、外被12で被覆されている。外被12を構成する材料としては、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの樹脂やエラストマーなどが挙げられる。
本形態例の光ファイバセンサケーブルによれば、発泡層9の外側に配置された圧力検出用光ファイバ11に対しては、外部から径方向に印加される圧力の影響が大きい。そして、発泡層9の内側に配置された引張力補償用光ファイバ3および温度補償用光ファイバ7に対しては、外部から径方向に印加される圧力の影響が小さい。
また、引張力補償用ユニット2の内部に縦添えに配置された引張力補償用光ファイバ3に対しては、長手方向に印加される引張力の影響が大きい。そして、引張力補償用ユニット2の外側にらせん巻きされた温度補償用光ファイバ7に対しては、長手方向に印加される引張力の影響が、引張力補償用光ファイバ3に対してよりも小さくなる。
それぞれの光ファイバ3,7,11は光ファイバセンサケーブル1内で樹脂により固定されている。このため、振動や自重などによって光ファイバが移動しない構造になっている。それぞれの光ファイバ3,7,11は、ケーブルの外部から圧力、温度、および引張力の影響を受けるが、その影響により光ファイバ3,7,11に生じる歪量の程度が表1に示すように異なる。このため、圧力、温度、および引張力という3つの因子の歪変化量への影響を分離することが可能になる。
Figure 0005075755
引張力補償用光ファイバ3に生じる歪をε、温度補償用光ファイバ7に生じる歪をε、圧力検出用光ファイバ11に生じる歪をε、ケーブル周囲の圧力の変化をΔP、ケーブル周囲の温度の変化をΔT、ケーブルに対する引張力の変化をΔFとおくとき、それぞれの歪の変化量Δε、Δε、Δεは、下記の偏微分式で表される。
Figure 0005075755
ここで、歪量を各因子で偏微分した偏導関数は、例えば∂ε/∂Pは圧力検出用光ファイバ11に生じる歪εに対する圧力Pの影響の程度(変化率)を示す。これらの偏導関数の値は、表1に示すように互いに程度が異なる。また、BOTDA等による光計測を用いれば、Δεは引張力補償用光ファイバ3に生じる歪量に基づき、Δεは温度補償用光ファイバ7に生じる歪量に基づき、Δεは圧力検出用光ファイバ11に生じる歪量に基づき、それぞれ計測が可能である。したがって、上記偏微分式を解くことでΔP、ΔT、ΔFを求めることができる。また、キャリブレーションデータと比較することで、圧力P、温度T、引張力Fを求めることができる。
引張力補償用光ファイバ3および温度補償用光ファイバ7を用いて、温度Tの因子と引張力Fの因子を分離するには、温度補償用光ファイバ7に対する引張力の影響を低減するためにらせん巻きの径を確保するとともに、ケーブルの長手方向に沿って縦添えした引張力補償用光ファイバ3は、ケーブルの径方向中心近くに配置することが好ましい。
ケーブルの径方向の中心位置を、断面における引張力補償用ユニット2の中心位置で代表させるとき、引張力補償用ユニット2の中心から引張力補償用光ファイバ3の中心までの距離が1.0mm以下であり、引張力補償用ユニット2の中心から温度補償用光ファイバ7の中心までの距離が1.5mm以上であることが好ましい。
また、引張力補償用ユニット2の中心から引張力補償用光ファイバ3の中心までの距離が、引張力補償用ユニット2の中心から温度補償用光ファイバ7の中心までの距離の0.6倍以下であることが好ましい。
本形態例においては、引張力補償用ユニット2は、引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4を内部に含む第1樹脂層5と、第1樹脂層5の外周面の全周を被覆する第2樹脂層6とを備えている。また、温度補償用光ファイバ7は、第2樹脂層6の外側にらせん巻きされている。
ケーブルの断面形状が偏心の無い同心円状と仮定すると、引張力補償用ユニット2内における引張力補償用光ファイバ3の位置に関わらず、引張力補償用ユニット2の中心から引張力補償用光ファイバ3の中心までの距離は、第1樹脂層5の半径から引張力補償用光ファイバ3の半径を減じた差が最大値となる。また、中間層8内での温度補償用光ファイバ7の位置に関わらず、引張力補償用ユニット2の中心から温度補償用光ファイバ7の中心までの距離は、引張力補償用ユニット2の半径に温度補償用光ファイバ7の半径を加えた和が最小値となる。
このような構成によれば、引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4の位置を第1樹脂層5の外径の範囲内に収容し、かつ、第2樹脂層6の外径で温度補償用光ファイバ7のらせん径を調整することが容易になる。第1樹脂層5を構成する材料および第2樹脂層6を構成する材料は、同一でも異なっても構わない。
ケーブルの各層の製造には、例えば樹脂の押出法を利用することができる。他の手法としては、樹脂を塗布する方法や樹脂チューブを融着する方法などが挙げられる。
次に手順の一例を示すが、本発明は特にこの手順に限定されるものではない。
まず、引張力補償用光ファイバ3を抗張力体4に縦添えして、樹脂の一括押出により形成したユニット被覆材5,6によって被覆し、引張力補償用ユニット2を形成する。引張力補償用光ファイバ3を抗張力体4に縦添えすることにより、引張力補償用光ファイバ3および抗張力体4を引張力補償用ユニット2の中心付近に配置することができる。
また、引張力補償用ユニット2の外径が大きい場合などには、ユニット被覆材を複数層の樹脂層で構成することができる。例えば、図1に示す例のように、第1樹脂層5を成形した後で、その外側に引張力補償用ユニット2の外径に必要な厚さの第2樹脂層6を被覆するようにしても良い。また、引張力補償用ユニット2が3層以上の樹脂層を備えた構成とすることもできる。
引張力補償用ユニット2の外周面に温度補償用光ファイバ7をらせん巻きしながら、中間層8を形成して温度補償用光ファイバ7を被覆する。さらに、中間層8の外側に発泡層9を形成し、発泡層9の外側にスキン層10を形成する。そして、引張力補償用ユニット2の外周面に圧力検出用光ファイバ11をらせん巻きしながら、外被12を形成する。
ケーブル外径を13mm以内としたときの各部寸法の設計例を示す。なお、この設計例は一例である。ケーブル外径や材料等の選択や変更により、他の設計寸法を採用しても構わない。
・引張力補償用ユニット2の外径(D2)は3.4〜3.6mm、半径は1.7〜1.8mm。
・第1樹脂層5の外径(D1)は1.5〜1.7mm、半径は0.75〜0.85mm。
・第2樹脂層6の外径(D2)は3.4〜3.6mm、肉厚は0.85〜1.05mm。
・中間層8の外径(D3)は4.4〜4.6mm、肉厚は0.4〜0.6mm。
・発泡層9の外径(D4)は7.8〜8.2mm、肉厚は1.6〜1.9mm。
・スキン層10の外径(D5)は10.3〜10.7mm、肉厚は1.05〜1.45mm。
・外被12の外径(D6)は11.7〜12.1mm、肉厚は0.5〜0.9mm。
・各光ファイバ3,7,11の外径は0.24〜0.26mm、半径は0.12〜0.13mm。
本形態例の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルは、液体や気体における圧力分布の測定に利用することができる。例えば、水中、油井、ガス中、メタンハイドレートの採取現場などに適用が可能である。
図3に、分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルを用いた圧力分布の測定方法の一例を示す。圧力センサ用光ファイバセンサケーブル20は、内部に4本の光ファイバ21,22,23,24を備えている。これらの光ファイバは、引張力補償用光ファイバ、温度補償用光ファイバおよび圧力検出用光ファイバを、少なくとも1本含む。
ケーブル両端25,26では、外被等の除去により、各光ファイバ21,22,23,24が露出されている。ケーブルの一端25側では、第1の光ファイバ21および第4の光ファイバ24がBOTDA測定器27に接続され、第2の光ファイバ22と第3の光ファイバ23とがループ接続部28で光接続されている。また、ケーブルの他端26側では、ループ接続部29で、第1の光ファイバ21と第2の光ファイバ22が光接続され、第3の光ファイバ23と第4の光ファイバ24とが光接続されている。このように各光ファイバ21,22,23,24がループとなるように直列に接続することで、測定器27から出射した試験光を順次各光ファイバ21,22,23,24内に伝搬させることができ、1つのループのみで、引張力補償用光ファイバ、温度補償用光ファイバおよび圧力検出用光ファイバの歪量を計測することができる。
本形態例の光ファイバセンサケーブルは、各樹脂層5,6,8,9,10,12がポリエチレンやポリスチレン等の炭化水素系の樹脂を主体として構成することで、平均の比重を例えば0.84程度と、水より低比重にすることができる。この場合、水中に布設してもケーブル自身の浮力により、張力が掛からない。ケーブルの先端や固定箇所等は、例えば図4に示すように金属製の半割り管などの管体33内に光ファイバセンサケーブル31を挿通し、管体33内および端部をエポキシ樹脂等の封止材32で封止することで、ケーブル31を管体33の外側からクランプしてもケーブル31に歪がかからない保護構造30とすることができる。管体33内のケーブル31は、外被除去等の加工は不要である。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
(実施例)
実施例の光ファイバセンサケーブルとして、図1の断面構造を備える光ファイバセンサケーブル1を次のように製造した。
引張力補償用ユニット2は、引張力補償用光ファイバ3(外径0.25mmのシングルモード(SM)光ファイバ2本)を抗張力体4(外径0.7mmの接着剤付き鋼線1本)に縦添えし、低密度ポリエチレン(LDPE)を主体とする樹脂を2層押出して形成した。第1樹脂層5の外径は1.6mm、第2樹脂層6の外径は3.5mmであった。
引張力補償用ユニット2の周囲に、温度補償用光ファイバ7(外径0.25mmのシングルモード(SM)光ファイバ4本)をピッチ180mmでらせん巻きしながらスチレン系エラストマーを主体とする樹脂を被覆し、中間層8を形成した。中間層8の外径は4.5mmであった。
中間層8の外側に、発泡剤を含有させたスチレン系エラストマーを主体とする樹脂(発泡倍率1.5倍)を被覆し、発泡層9を形成した。発泡層9の外径は8.0mmであった。
発泡層9の外側に、高密度ポリエチレン(HDPE)を主体とする樹脂を被覆し、スキン層10を形成した。スキン層10の外径は10.5mmであった。
スキン層10の周囲に、圧力検出用光ファイバ11(外径0.25mmのシングルモード(SM)光ファイバ2本)をピッチ45mmでらせん巻きしながら低密度ポリエチレン(LDPE)を主体とする樹脂を被覆し、外被12を形成した。外被12の外径は12.0mmであった。
このようにして製造した本実施例の光ファイバセンサケーブル(長さLは約4m)の各光ファイバを図3に示すようにループ接続し、さらにBOTDA測定器に接続した。光ファイバセンサケーブルが無張力の状態を初期値(長手方向の全長にわたり歪が0)とし、張力を3kgfずつ、15kgfまで順次増加させた。そのときの歪変化量を図8のグラフに示す。
また、張力を15kgfまで増加させた後、張力を解放して張力0kgfの状態に戻した。張力を解放した直後、解放後1時間、および解放後6時間における歪変化量を図9のグラフに示す。
図8および図9では、横軸に示す距離が約32〜36mである範囲が第1の圧力検出用光ファイバ11に対応し、距離が約38〜42mである範囲が第2の圧力検出用光ファイバ11に対応し、距離が約44〜47mである範囲が温度補償用光ファイバ7に対応し、距離が約49〜52mである範囲が引張力補償用光ファイバ3に対応している。
本実施例によれば、15kgfの張力が印加された場合でも、張力の解放後に歪変化量が初期値近く(繰り返し誤差±50με)まで戻り、その後の計測においても再現性が優れる。
(比較例1)
比較例1として、図5に示すように、チューブ46内に4本の光ファイバ41,42,43,44を収容して中空部45にジェリー(OP308(BPケミカル))を充填し、チューブ46の外側に抗張力体48として直径0.4mmの鋼線2本を縦添えしてポリエチレン(PE)で被覆して外被47とした光ファイバセンサケーブル40を製造した。
このようにして製造した比較例の光ファイバセンサケーブル(長さLは約10m)の各光ファイバを図3に示すようにループ接続し、さらに測定器に接続した。光ファイバセンサケーブルが無張力の状態を初期値(長手方向の全長にわたり歪が0)とし、張力を0.5kgfずつ、1.5kgfまで順次増加させた。そのときの歪変化量を図6のグラフに示す。
また、張力を1.5kgfまで増加させた後、張力を解放して張力0kgfの状態に戻した。張力を解放した後1時間における歪変化量を図7のグラフに示す。
図6および図7では、横軸に示す距離が約14〜24mである範囲が第1の光ファイバ41に対応し、距離が約35〜45mである範囲が第2の光ファイバ42に対応し、距離が約57〜67mである範囲が第3の光ファイバ43に対応し、距離が約78〜88mである範囲が第4の光ファイバ44に対応している。
本比較例によれば、張力を1.5kgfまで印加した後で解放しても、歪変化量が初期値近くまで戻らず、ばらつきが大きかった。また、特にグラフを示さないが、印加する張力が1.5kgfより大きいときには、張力解放後の歪変化量がより大きくなる。
(比較例2)
比較例2として、図11に示すように、引張力補償用光ファイバ61の周囲に樹脂62を被覆し、その上に温度補償用光ファイバ63をらせん巻きし、チューブ65内に収容し、中空部64にジェリーを充填するとともに、チューブ65の外側に圧力検出用光ファイバ66をらせん巻きしてその上に外被67を設けた構造の光ファイバセンサケーブル60を作製した。この光ファイバセンサケーブル60において、初期値および引張力から解放した後の歪(με)を図12に示す。この場合、引張解放後に歪が初期値に戻らず、再現性がない。
本発明は、水圧や油圧などの分布の計測に利用することができる。油井など、地下の高温高圧下となるエリアでの圧力分布測定などにより、地下資源開発への貢献が期待できる。
本発明の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルの一例を示す断面図である。 図1に示す光ファイバセンサケーブルにおける光ファイバの配置を模式的に示す斜視図である。 分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルを用いた圧力分布の測定方法の一例を示す模式図である。 光ファイバセンサケーブルをクランプするときに用いる保護構造の一例を示す部分切欠断面図である。 比較例1の光ファイバセンサケーブルの構造を模式的に示す断面図である。 比較例1において引張力を増加させたときの歪変化量を示すグラフである。 比較例1において引張力を解放した後の歪変化量を示すグラフである。 実施例において引張力を増加させたときの歪変化量を示すグラフである。 実施例において引張力を解放した後の歪変化量を示すグラフである。 従来の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブルの構造を模式的に示す斜視図である。 比較例2の光ファイバセンサケーブルの構造を模式的に示す断面図である。 比較例2において引張力を解放した後の歪変化量を示すグラフである。
符号の説明
1…分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル、2…引張力補償用ユニット、3…引張力補償用光ファイバ、4…抗張力体、5,6…ユニット被覆材、7…温度補償用光ファイバ、8…中間層、9…発泡層、10…スキン層、11…圧力検出用光ファイバ、12…外被。

Claims (3)

  1. 引張力補償用光ファイバを有する引張力補償用ユニットと、
    前記引張力補償用ユニットの外側にらせん巻きされた温度補償用光ファイバと、
    前記引張力補償用ユニットの外周面および前記温度補償用光ファイバの上を被覆する中間層と、
    前記中間層の外周面の全周を被覆する発泡層と、
    前記発泡層の外周面の全周を被覆するスキン層と、
    前記スキン層の外側にらせん巻きされた圧力検出用光ファイバと、
    前記スキン層の外周面および前記圧力検出用光ファイバの上を被覆する外被とを有し、
    前記引張力補償用ユニットは、引張力補償用光ファイバおよび抗張力体を内部に含み、前記引張力補償用光ファイバが前記抗張力体に縦添えされ、ユニット被覆材内に中実に一体化されているものであることを特徴とする分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル。
  2. 前記引張力補償用ユニットの中心から前記引張力補償用光ファイバの中心までの距離が1.0mm以下であり、前記引張力補償用ユニットの中心から前記温度補償用光ファイバの中心までの距離が1.5mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル。
  3. 前記引張力補償用ユニットの中心から前記引張力補償用光ファイバの中心までの距離が、前記引張力補償用ユニットの中心から前記温度補償用光ファイバの中心までの距離の0.6倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の分布型圧力センサ用光ファイバセンサケーブル。
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