JP5072250B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波(RF: radio frequency)信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する磁気共鳴(MR:magnetic resonance)信号から画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、励起パルスの中心周波数を調整することによってケミカルシフト(化学シフト)の異なる物質を選択的にイメージングする磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数のRF信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
この磁気共鳴イメージングの分野において、被検体を構成する物質ごとのケミカルシフトの違いを利用して、特定の物質を選択的にイメージングするケミカルシフトイメージングが行われている。ケミカルシフトは、軌道電子による遮蔽効果のために起こる磁気共鳴周波数の変化であり、生体の組織として代表的な水と脂肪についてみると、脂肪の共鳴周波数が水の共鳴周波数0ppm(parts per million)に対して約0.5ppmだけシフトしていることが知られている。
従って、この磁気共鳴する中心周波数の差を利用して脂肪からの信号を周波数選択的に抑制する脂肪抑制法や水からの信号を周波数選択的に抑制する水抑制法による撮像が可能となる。ただし、ケミカルシフトによる共鳴周波数のピークは、静磁場強度の均一性の影響を受け、静磁場強度の均一性が不完全であると、共鳴周波数のピークも不完全となり物質の識別が困難となる。従って、ケミカルシフトを利用した脂肪抑制法や水抑制法による撮像においては、撮像に先立って、物質に応じた共鳴周波数のピークが明瞭となるように静磁場強度の均一性を調整するシミングが行われる。
また、ケミカルシフトイメージングにより脂肪のみならず、ブレストインプラント等の材料として用いられるシリコーン(silicone)を選択的にイメージングする試みがなされている。ブレストインプラントとして用いられる材料としては、シリコーンの他、セーリン(食塩水;saline)が挙げられる。近年では、シリコーン漏れによる正常マンモ組織への影響が問題化されており、安全性の高いセーリンインプラントがより用いられるようになっている。従って、インプラントがシリコーンであるかセーリンであるかという点に患者の興味が注がれつつある。
しかしながら、インプラントがシリコーンであるかセーリンであるかを判定するための適切な検査方法は確立されていない。このため、セーリンまたは水を選択的に撮像するために励起パルスの中心周波数をセーリンまたは水に合わせた撮像を行った後、シリコーンを選択的に撮像するために励起パルスの中心周波数をシリコーンに合わせた撮像を行うという煩雑な方法が取られている。つまり、ブレストインプラントのイメージングでは、水からの信号を周波数選択的に強調した水画像と、シリコーンからの信号を周波数選択的に強調したシリコーン画像とが必要となる。
図23は、従来の水およびシリコーンのケミカルシフトイメージングの手順を示すフローチャートであり、図中のS記号はフローチャートの各ステップを示す。
まずステップS1において、オペレータの操作により1回目のシミングが行われ、静磁場強度の均一性が調整される。すなわち、静磁場強度を調整するために備えられているシムコイルに供給される電流が制御される。
次に、ステップS2において、ケミカルシフトによる各物質の共鳴周波数を表す周波数スペクトルを取得するためのスキャンが実施される。このスキャンによって得られた周波数スペクトルから水またはセーリンの共鳴周波数のピークを検出することが可能となる。
次に、ステップS3において、イメージング用の励起パルスの中心周波数がセーリンまたは水の共鳴周波数に合わせられる。すなわち、尚、セーリンの共鳴周波数は、0.2ppmであるため、共鳴周波数が0ppmである水からの信号を選択的に画像化してもインプラントがシリコーンであるかセーリンであるかを判定することができる。そこで、例えば励起パルスの中心周波数が水の共鳴周波数に合わせられる。
静磁場強度の均一性から励起パルスの中心周波数の設定までの一連の作業をシミングと称する場合もあるが、ここでは、静磁場強度の均一性の調整作業をシミングと称する。
次に、ステップS4において、励起パルスの中心周波数が水の共鳴周波数に合わせられた状態で撮像が行われる。これにより、水からの信号が周波数選択的に強調された水画像を得ることができる。
次に、励起パルスの中心周波数をシリコーンに合わせた撮像を行う必要がある。水の共鳴周波数0ppmに対してシリコーンの共鳴周波数は約−5ppmである。そこで、既に取得した周波数スペクトルに基いて励起パルスの中心周波数をシリコーンの共鳴周波数のピークに合わせることができるが、装置によっては、シミングおよび周波数スペクトル取得用のスキャンを実施しないと、励起パルスの中心周波数を変更できないものがある。
そのような装置の場合には、ステップS5において、オペレータの操作により2回目のシミングが行われる。
次に、ステップS6において、周波数スペクトルを取得するためのスキャンが実施される。このスキャンによって得られた周波数スペクトルからシリコーンの共鳴周波数のピークが検出される。
次に、ステップS7において、励起パルスの中心周波数がシリコーンの共鳴周波数に合わせられる。
次に、ステップS8において、励起パルスの中心周波数がシリコーンの共鳴周波数に合わせられた状態で、撮像が行われる。これにより、シリコーンからの信号が周波数選択的に強調されたシリコーン画像を得ることができる。
一方、ケミカルシフトを利用した脂肪抑制の効果を向上させるために、プロトンの励起用の90°RFパルスとリフォーカス用の180°RFパルスとを組合せ、かつ90°RFパルスおよび180°RFパルスと共にそれぞれ印加されるスライス選択用傾斜磁場の極性を互いに反転させて撮影を実行するためのPASTA(polarity altered spectral-spatial selective acquisition)シーケンスが考案されている(例えば特許文献1または非特許文献1参照)。
すなわち、PASTAシーケンスによる撮像では、90°RFパルスと共に印加される第1のスライス選択用傾斜磁場と極性が反転した第2のスライス選択用傾斜磁場が180°RFパルスと共に印加される。また、90°RFパルスの周波数帯域は水の共鳴周波数帯域と脂肪の共鳴周波数帯域がオーバーラップしないような、すなわち水と脂肪とをケミカルシフトを利用して選択可能な狭い幅に設定される。逆に、180°RFパルスの周波数帯域は水および脂肪の双方をリフォーカスできる幅に設定される。
このようなPASTAシーケンスにより、例えば脂肪抑制する場合には、90°RFパルスによって励起された水部分におけるプロトンは、励起時と逆の極性の傾斜磁場下において180°RFパルスによってリフォーカスされる。このため、水部分におけるプロトンからは、エコー信号が発生することとなる。一方、脂肪部分におけるプロトンは、90°RFパルスの影響を受けることなく180°RFパルスによってリフォーカスされる。このため、脂肪部分におけるプロトンからはエコー信号が発生しないこととなる。この結果、脂肪抑制による水画像を得ることが可能となる。
特開平9−122101号公報 Miyazaki M, Takai H, Tokunaga Y, Hoshino T, Hanawa M. A polarity altered spectral and spatial acquisition technique. In "Proceedings, ISMRM, 3rd Annual Meeting" Nice, p657, 1995.
しかしながら、従来のケミカルシフトイメージングでは、ケミカルシフトの違いを利用して複数の異なる物質をそれぞれ選択的にイメージングしようとする場合に、物質ごとに撮像の都度、事前にシミング、周波数スペクトル用のスキャンおよびオペレータによる励起パルスの中心周波数の調整を行うという煩雑な作業が必要である。例えば、上述のように水信号の選択的収集用のシミングおよび周波数スペクトル取得用のスキャンと、脂肪信号やシリコーン信号の選択的収集用のシミングおよび周波数スペクトル取得用のスキャンとをそれぞれオペレータが行う必要がある。また、シミングに加えて、励起パルスの中心周波数をケミカルシフトの異なる物質間で撮影の度にオペレータが変更する必要がある。例えば、ブレストインプラントのイメージングでは、励起パルスの中心周波数を水の共鳴周波数からシリコーンの共鳴周波数にオペレータが変更する必要が生じる。
特にケミカルシフトの知識がないオペレータが装置を操作する場合には、適切なシミングや励起パルスの中心周波数の設定が困難となり、目的とする画像が得られない恐れがある。逆に、ケミカルシフトを利用したイメージングを行う場合に、オペレータがケミカルシフトの知識を得る必要が生じ、磁気共鳴イメージング装置の利便性の低下要因となっている。さらに、薬物等の分子を映像化するためには、極めて詳細なケミカルシフトの知識が必要となり、ケミカルシフトイメージングの対象とできる物質が水や脂肪等の特定の物質に限られているのが現状である。
また、シミングが適切に行われなかった場合や、ケミカルシフトに十分な知識のないオペレータによって周波数スペクトルのピークが検出された場合には、誤った周波数が共鳴周波数と認識されて励起パルスの中心周波数に不適切な周波数が設定される恐れがあるという問題もある。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、より簡便な操作で適切に目的とする物質についてのケミカルシフトを利用したイメージングを行うことが可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、少なくとも水とシリコーンのケミカルシフトデータを保存するケミカルシフトデータ保存部と、静磁場の均一性を調整した後に周波数スペクトラムを取得するスペクトラム取得部と、前記取得した周波数スペクトラムから、シリコーンおよび水のいずれか指定された一方の第1の物質の共鳴周波数を特定し、第1の励起パルスの中心周波数を前記特定した第1の物質の共鳴周波数に合わせる第1の周波数調整を実行する第1の調整部と、前記第1の励起パルスを用いて第1のケミカルシフトイメージングスキャンを実行することによって、前記第1の物質を含む領域から第1の磁気共鳴信号を収集し、前記第1の磁気共鳴信号を用いて前記第1の物質を強調した画像を生成する第1のイメージング処理を実行する第1のイメージング処理部と、シリコーンおよび水の他方の第2の物質の共鳴周波数を、前記特定した第1の物質の共鳴周波数に対して、前記ケミカルシフトデータ保存部に保存された水とシリコーンのケミカルシフトの差だけシフトさせて決定し、第2の励起パルスの中心周波数を前記決定した第2の物質の共鳴周波数に合わせる第2の周波数調整を実行する第2の調整部と、前記第2の励起パルスを用いて第2のケミカルシフトイメージングスキャンを実行することによって、前記第2の物質を含む領域から第2の磁気共鳴信号を収集し、前記第2の磁気共鳴信号を用いて前記第2の物質を強調した画像を生成する第2のイメージング処理を実行する第2のイメージング部と、を備え、前記周波数スペクトラムの取得、前記第1の周波数調整、前記第1のイメージング処理、前記第2の周波数調整、及び前記第2のイメージング処理を、この順序で連続して自動実行する制御部と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置においては、より簡便な操作で適切に目的とする物質についてのケミカルシフトを利用したイメージングを行うことができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図である。
磁気共鳴イメージング装置20は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石21、この静磁場用磁石21の内部に設けられたシムコイル22、傾斜磁場コイルユニット23およびRFコイル24を図示しないガントリに内蔵した構成である。
また、磁気共鳴イメージング装置20には、制御系25が備えられる。制御系25は、静磁場電源26、傾斜磁場電源27、シムコイル電源28、送信器29、受信器30、シーケンスコントローラ31およびコンピュータ32を具備している。制御系25の傾斜磁場電源27は、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zで構成される。また、コンピュータ32には、入力装置33、表示装置34、演算装置35および記憶装置36が備えられる。
静磁場用磁石21は静磁場電源26と接続され、静磁場電源26から供給された電流により撮像領域に静磁場を形成させる機能を有する。尚、静磁場用磁石21は超伝導コイルで構成される場合が多く、励磁の際に静磁場電源26と接続されて電流が供給されるが、一旦励磁された後は非接続状態とされるのが一般的である。また、静磁場用磁石21を永久磁石で構成し、静磁場電源26が設けられない場合もある。
また、静磁場用磁石21の内側には、同軸上に筒状のシムコイル22が設けられる。シムコイル22はシムコイル電源28と接続され、シムコイル電源28からシムコイル22に電流が供給されて静磁場が均一化されるように構成される。
傾斜磁場コイルユニット23は、X軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zで構成され、静磁場用磁石21の内部において筒状に形成される。傾斜磁場コイルユニット23の内側には寝台37が設けられて撮像領域とされ、寝台37には被検体Pがセットされる。RFコイル24はガントリに内蔵されず、寝台37や被検体P近傍に設けられる場合もある。
また、傾斜磁場コイルユニット23は、傾斜磁場電源27と接続される。傾斜磁場コイルユニット23のX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zはそれぞれ、傾斜磁場電源27のX軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zと接続される。
そして、X軸傾斜磁場電源27x、Y軸傾斜磁場電源27yおよびZ軸傾斜磁場電源27zからそれぞれX軸傾斜磁場コイル23x、Y軸傾斜磁場コイル23yおよびZ軸傾斜磁場コイル23zに供給された電流により、撮像領域にそれぞれX軸方向の傾斜磁場Gx、Y軸方向の傾斜磁場Gy、Z軸方向の傾斜磁場Gzを形成することができるように構成される。
RFコイル24は、送信器29および受信器30と接続される。RFコイル24は、送信器29からRF信号を受けて被検体Pに送信する機能と、被検体P内部の原子核スピンのRF信号による励起に伴って発生したMR信号を受信して受信器30に与える機能を有する。
一方、制御系25のシーケンスコントローラ31は、傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30と接続される。シーケンスコントローラ31は傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させるために必要な制御情報、例えば傾斜磁場電源27に印加すべきパルス電流の強度や印加時間、印加タイミング等の動作制御情報を記述したシーケンス情報を記憶する機能と、記憶した所定のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場GzおよびRF信号を発生させる機能を有する。
また、シーケンスコントローラ31は、受信器30におけるMR信号の検波およびA/D変換により得られた複素データである生データ(raw data)を受けてコンピュータ32に与えるように構成される。
このため、送信器29には、シーケンスコントローラ31から受けた制御情報に基づいてRF信号をRFコイル24に与える機能が備えられる一方、受信器30には、RFコイル24から受けたMR信号を検波して所要の信号処理を実行するとともにA/D変換することにより、デジタル化された複素データである生データを生成する機能と、生成した生データをシーケンスコントローラ31に与える機能とが備えられる。
また、コンピュータ32の記憶装置36に保存されたプログラムを演算装置35で実行することにより、コンピュータ32には各種機能が備えられる。ただし、プログラムによらず、特定の回路を設けてコンピュータ32を構成してもよい。
図2は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20におけるコンピュータ32の機能ブロック図である。
コンピュータ32は、プログラムによりシーケンスコントローラ制御部40、k空間データベース41、画像再構成部42、画像データベース43、画像処理部44、ケミカルシフトデータ記憶部45、シミング条件設定部46、共鳴周波数取得部47および撮影条件設定部48として機能する。
シーケンスコントローラ制御部40は、入力装置33またはその他の構成要素からの情報に基づいて撮影条件設定部48から受けた所要のパルスシーケンスをシーケンスコントローラ31に与えることにより駆動制御させる機能と、シーケンスコントローラ31からk空間データである生データを受けてk空間データベース41に形成されたk空間(フーリエ空間)に配置する機能とを有する。また、シーケンスコントローラ制御部40は、パルスシーケンスの実行に必要なパラメータを入力装置33またはその他の構成要素から取得してシーケンスコントローラ31に与えることができるように構成される。
このため、k空間データベース41には、受信器30において生成された各生データがk空間データとして保存され、k空間データベース41に形成されたk空間にk空間データが配置される。
画像再構成部42は、k空間データベース41からk空間データを取り込んで3次元(3D)フーリエ変換処理等の所定の画像再構成処理を施すことにより、被検体Pの3次元画像データを再構成して画像データベース43に書き込む機能を有する。ただし、2Dフーリエ変換処理等の処理により一旦2D画像データ等の中間的なデータを作成した後、3D画像データを再構成するようにしてもよい。
このため、画像データベース43には、被検体Pの3D画像データが保存される。
画像処理部44は、画像データベース43から読み込んだ3D画像データに必要な画像処理を行って表示装置34に表示させる機能を有する。
ケミカルシフトデータ記憶部45には、ケミカルシフトした物質固有の共鳴周波数の値や特定の物質、例えば水の共鳴周波数からの各物質の共鳴周波数の相対的なシフト量がケミカルシフトデータとして保存される。
図3は、図2に示すケミカルシフトデータ記憶部45に記憶されるケミカルシフトデータの基となる周波数スペクトルの一例を示す図である。
図3において横軸は周波数を示し、縦軸は、信号強度を示す。図3に示すように、シリコーン、脂肪、水からの信号強度が、それぞれの共鳴周波数でピークとなっている。すなわち、ケミカルシフトによって、基準となる水の共鳴周波数0ppmに対して、脂肪の共鳴周波数は3.5ppmだけシフトしており、シリコーンの共鳴周波数は、5ppmだけシフトしている。図3に示すシリコーン、脂肪、水の他、セーリンや様々な薬物等に使用される物質ごとの共鳴周波数をケミカルシフトデータとしてケミカルシフトデータ記憶部45に保存することができる。
図3に示すような周波数スペクトルは、周波数スペクトル取得用のスキャンによって得ることができるが、撮影部位や被検体ごとに異なり、かつ静磁場分布等の様々な条件に依存して変化する。また、静磁場用磁石21によって形成される静磁場の均一性が低いと、静磁場の不均一性の影響により周波数スペクトルにおいて良好な共鳴周波数のピークが得られない恐れがある。そこで、ケミカルシフトイメージングでは、撮像部位や被検体が変わる度に静磁場の均一性を調整するシミングを行った後、スキャンによって周波数スペクトルが取得される。そして、取得した周波数スペクトルに基いて、ケミカルシフトデータ記憶部45に保存されたケミカルシフトデータの補正が行われる。特に、ケミカルシフトデータを一定の値だけシフトする補正はゼロ次補正と呼ばれる。
シミング条件設定部46は、入力装置33から受けた指示情報に従って、シムコイル電源28に制御信号を与えることにより、シムコイル電源28からシムコイル22に供給される電流を調節する機能を有する。これにより、静磁場の均一化のためのシミングを実施することができる。
共鳴周波数取得部47は、ケミカルシフトイメージングにより画像化しようとする物質の共鳴周波数、すなわち励起パルスの中心周波数とするべき周波数を求める機能を有する。そのために、共鳴周波数取得部47は、周波数スペクトル取得部49、共鳴周波数検出部50および周波数補正部51を備えている。
周波数スペクトル取得部49は、周波数スペクトルの取得用のスキャンによって収集されたデータをシーケンスコントローラ制御部40から受け取ることによって、周波数スペクトルを取得する機能と、取得した周波数スペクトルを共鳴周波数検出部50に与える機能とを有する。また、周波数スペクトル取得部49は、入力装置33から受けた指示情報に従って、周波数スペクトルを表示装置34に表示できるように構成されている。
共鳴周波数検出部50は、周波数スペクトル取得部49から受けた周波数スペクトルから少なくとも1つの物質の共鳴周波数を検出し、検出した共鳴周波数を物質の識別情報とともに周波数補正部51に与える機能を有する。共鳴周波数の検出方法としては、周波数スペクトルの最大値を検出する方法と、周波数スペクトルのピークを検出する方法が挙げられる。周波数スペクトルのピークを検出する場合には、複数のピークが検出される可能性があり、複数の物質の共鳴周波数を検出するようにしてもよい。
共鳴周波数の検出方法は、入力装置33から指示することが可能であり、共鳴周波数の検出結果は、表示装置34に表示できるように構成されている。また、共鳴周波数検出部50は、共鳴周波数に対応する物質を自動的に検出するように入力装置33から指示された場合には、ケミカルシフトデータ記憶部45に保存されたケミカルシフトデータを参照し、共鳴周波数に対応する物質を自動検出できるように構成されている。
周波数補正部51は、共鳴周波数検出部50から受けた少なくとも1つの物質の共鳴周波数を用いてケミカルシフトデータ記憶部45から取得したケミカルシフトデータを補正する機能と、補正後のケミカルシフトデータを撮影条件設定部に与える機能を有する。すなわち、周波数補正部51は、スキャンによって取得したある物質の共鳴周波数とケミカルシフトデータ記憶部45から取得した対応する物質についての共鳴周波数の差分を求め、求められた差分値だけケミカルシフトデータ全体をシフトするゼロ次補正を行う機能を有する。また、周波数補正部51は、周波数スペクトル取得部49において取得された周波数スペクトルに基いて、数式化されたケミカルシフトデータの1次以上の係数の補正を行うこともできるように構成されている。
さらに、周波数補正部51は、共鳴周波数検出部50において、誤って別の物質の共鳴周波数が、ある物質の共鳴周波数であると認識された場合に、ケミカルシフトデータ記憶部45に保存されたケミカルシフトデータに基いて正しい共鳴周波数に補正する機能が備えられる。特に、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数であると誤認識された場合に、ケミカルシフトデータ記憶部45に保存されたシリコーンと水の共鳴周波数の差分に基いて水の共鳴周波数を補正する機能を周波数補正部51に設けることが実用的である。
図4は、共鳴周波数検出部50においてシリコーンの共鳴周波数が誤って水の共鳴周波数であると認識される場合の例を説明する図である。
図4(a)および図4(b)において横軸は、周波数を示し、縦軸は信号強度を示す。図4(a)は、ある被検体のマンモ組織からのデータによって得られた周波数スペクトルの例であり、図4(b)は、別の被検体のマンモ組織からのデータによって得られた周波数スペクトルの例である。
図4(a)および図4(b)に示すように被検体や撮影部位が異なると、各物質からの信号強度が変化する。すなわち、図4(a)に示すように通常は、周波数スペクトルの最大値が、水の共鳴周波数帯域の中心周波数となる。しかし、被検体によっては、マンモ組織の成分が異なり、図4(B)に示すようにシリコーンの共鳴周波数が周波数スペクトルの最大値となる場合がある。
例えば、水の共鳴周波数を求めようとする場合に、図4(a)に示すように水の共鳴周波数において信号強度が最大となる周波数スペクトルから最大値を検出すれば、水の共鳴周波数を0ppmとして求めることができる。しかし、図4(b)に示すようにシリコーンの共鳴周波数において信号強度が最大となる周波数スペクトルから周波数スペクトルが水の共鳴周波数で最大値をとるとの前提で最大値を検出すると、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数0ppmとして検出されることとなる。すなわち、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数であると誤認識されてしまうこととなる。従って、誤認識された周波数を正しい水の共鳴周波数に合わせる必要がある。
このような共鳴周波数の誤認識は、例えば周波数スペクトルから検出された複数のピークを表示装置34に表示させてオペレータが1つのピークを入力装置33の操作によって選択する場合や、周波数スペクトルの最大値を検出する場合に起こり得る。
一方、周波数スペクトルから最も周波数が小さい側のピークを検出すれば、各物質のそれぞれの信号強度の大きさに依らず、確実に水の共鳴周波数を求めることができる。すなわち、図4(a)および図4(b)において最も右側のピークを検出すれば、図4(a)に示すような周波数スペクトルからであっても図4(b)に示すような周波数スペクトルからであっても確実に水の共鳴周波数を求めることができる。
そこで、周波数補正部51には、オペレータによる入力装置33の操作を伴って特定の共鳴周波数が求められた場合や、周波数スペクトルの最大値を検出することによって特定の共鳴周波数が求められた場合のように、共鳴周波数が誤認識されている可能性がある場合には、共鳴周波数が誤認識されているか否かを検知する機能と、共鳴周波数が他の物質の共鳴周波数と誤認識されていると検知した場合に正しい共鳴周波数に補正する機能とが設けられる。共鳴周波数が誤認識されているか否かの検知は、例えば周波数補正部51が共鳴周波数検出部50に周波数スペクトルから当該物質に対応する位置のピーク(例えば水の共鳴周波数を求める場合には周波数が小さい側のピーク)を検出するように指示し、この指示の結果、共鳴周波数検出部50から再度取得した共鳴周波数と、誤認識の可能性のある共鳴周波数とを比較することによって検出することができる。つまり、物質に対応する位置のピークを周波数スペクトルから検出することによって得られた共鳴周波数と誤認識の可能性のある共鳴周波数とが同一とみなせれば、共鳴周波数が誤認識されていないと判定することができる。
ただし、共鳴周波数が誤認識されているか否かの判定は、任意の方法で行うことができる。例えば、予めゼロ次補正によるケミカルシフトデータのシフト量の閾値を設定し、設定した閾値を超える場合に、オペレータへの確認表示を伴って、共鳴周波数が誤認識されたと判定するようにしてもよい。また、誤認識の可能性のある共鳴周波数を表示装置34に表示させて、オペレータが共鳴周波数の誤認識の有無を判断するようにしてもよい。さらに、共鳴周波数が誤認識されたと判断された場合に入力装置33の操作により手動で共鳴周波数を補正できるように構成することもできる。
また、特にシリコーンは、バッグに一定の濃度で封入された状態で被検体P内部に設けられるため、水信号や脂肪信号よりも信号強度が大きい場合が多い。このため、シリコーンの共鳴周波数の検出は比較的容易である。従って、共鳴周波数を誤認識した場合に限らず、水信号や脂肪信号の強度が低く、水や脂肪の共鳴周波数の検出が困難な場合に、水や脂肪の共鳴周波数を求めるために意図的にシリコーンの共鳴周波数を検出し、検出したシリコーンの共鳴周波数からケミカルシフト値に基いて水や脂肪の共鳴周波数を求めることが可能となる。このシリコーン信号を検出することによって、水または脂肪の共鳴周波数を求める機能も周波数補正部51に設けて、共鳴周波数検出モードとしてモーダルに動作させることができる。
つまり、共鳴周波数検出部50において検出された共鳴周波数と物質の関連付け、共鳴周波数が誤認識されたか否かの判定および共鳴周波数が別の物質の共鳴周波数であると誤認識された場合における共鳴周波数の補正は、共鳴周波数取得部47において自動的に行うこともできるし、オペレータによる入力装置33の操作を伴って手動で行うこともできる。そして、共鳴周波数検出部50において検出された共鳴周波数と物質の関連付け、共鳴周波数が誤認識されたか否かの判定および共鳴周波数が別の物質の共鳴周波数であると誤認識された場合における共鳴周波数の補正を自動で行うか手動で行うかの切換は、自動モードおよび手動モードの選択によりモーダルに切換えることができる。
撮影条件設定部48は、ケミカルシフトイメージングのための撮影条件としてパルスシーケンスを設定する機能と、設定したパルスシーケンスをシーケンスコントローラ制御部40に与える機能とを有する。パルスシーケンスは、ケミカルシフトイメージングに用いることが可能なものであればよい。従って、励起パルスおよびリフォーカスパルスの印加を伴うSE(spin echo)シーケンス、FSE(fast spin echo)シーケンス、FASE(fast advanced spin echo)シーケンス、EPI(echo planar imaging)シーケンス等のシーケンスを用いることができる。
尚、ケミカルシフトを利用した脂肪抑制の効果を向上させるために考案されたPASTAシーケンス、水励起に用いられるbinomial pulse(2項パルス)を励起パルスとして用いたシーケンスあるいはThree-point Dixson法に従うシーケンスもケミカルシフトイメージングに用いることができる。
これらのシーケンスの磁化条件を調整してケミカルシフトイメージングを行えば、水および脂肪のみならず、シリコーン、セーリンや薬物等のケミカルシフト値が既知の任意の物質を周波数選択的に励起してエコー信号を収集し、収集したエコー信号を画像化するmolecular imagingを行うことが可能となる。特に、PASTAシーケンス、binomial pulseを用いたシーケンス、Three-point Dixsonシーケンスをケミカルシフトイメージング用のシーケンスとして用いれば、より確実に特定の物質からの信号を抑制すべき物質から信号から分離することが期待できる。
そこで、ここでは、PASTAシーケンス、binomial pulseを用いたシーケンス、Three-point Dixsonシーケンスをケミカルシフトイメージング用のシーケンスとして用いる場合における撮影条件の設定方法について説明する。
図5は、図2に示す撮影条件設定部48において設定されるPASTAシーケンスの概念図である。
図5において、RFは、撮影部位に送信されるRF信号を示す。またGS、GP、GR、ECHOは、それぞれスライス選択(slice selection)用傾斜磁場、位相エンコード(phase encode)用傾斜磁場、リードアウト(readout)用傾斜磁場、エコー信号を示す。
図5に示すように、PASTAシーケンスでは、周波数帯域幅がBW90であり、τ長(ロブ長:length of lobe)がτ90の90°励起パルスに続いて周波数帯域幅がBW180であり、τ長がτ180の180°リフォーカスパルスが印加される。また、スライス選択用傾斜磁場GS、位相エンコード用傾斜磁場GPおよびリードアウト用傾斜磁場GRがそれぞれ印加される。そうすると、90°励起パルスの印加からエコー時間TE(echo time)経過後にエコーデータが収集される。
ただし、90°励起パルスの周波数帯域幅BW90は、180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW180よりも小さく設定される。また、90°励起パルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場G90と180°リフォーカスパルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場G180の極性は互いに逆方向とされる。図5は、90°励起パルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場G90の極性を正とし、180°リフォーカスパルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場G180の極性を負とした例を示している。
そして、90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW90、BW180およびτ長τ90、τ180並びに90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスとともにそれぞれ印加されるスライス選択用傾斜磁場G90、G180等の磁化条件が所要の条件を満たすように制御することによって、特定の物質からエコー信号を発生させて映像化するケミカルシフトを利用したmolecular imagingを行うことが可能となる。
図6は、図5に示すPASTAシーケンスによるスキャンの実行によって励起およびリフォーカスされる周波数領域を示す図である。
図6において横軸は、スライス方向の位置Zを示し、縦軸は周波数fを示す。また、実線で示すRF90(H2O)は、90°励起パルスとともにスライス選択用傾斜磁場G90が印加された状態におけるスライス方向の位置Zの水の共鳴周波数を示し、実線で示すRF180(H2O)は、180°リフォーカスパルスとともにスライス選択用傾斜磁場G180が印加された状態におけるスライス方向の位置Zの水の共鳴周波数を示す。すなわち、90°励起パルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場G90と180°リフォーカスパルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場G180の極性は互いに逆方向であるため、スライス選択用傾斜磁場G90が印加された状態の水の共鳴周波数RF90(H2O)の位置変化とスライス選択用傾斜磁場G180が印加された状態の水の共鳴周波数RF180(H2O)の位置変化は線対称となる。
ここでケミカルシフト値が既知の物質(M)の水に対するケミカルシフト量をΔFとすると、スライス選択用傾斜磁場G90が印加された状態の物質(M)の共鳴周波数のスライス方向Zの位置変化は、点線で示すRF90(M)のように水の共鳴周波数RF90(H2O)を周波数f方向にケミカルシフト量ΔFだけシフトした直線となる。同様に、スライス選択用傾斜磁場G180が印加された状態の物質(M)の共鳴周波数のスライス方向Zの位置変化は、点線で示すRF180(M)のように水の共鳴周波数RF180(H2O)を周波数f方向にケミカルシフト量ΔFだけシフトした直線となる。
そして、スライス厚ΔSのスライス内において、例えば90°励起パルスにより物質(M)からのエコー信号を抑制しつつ水からのエコー信号を取得しようとする場合には、スライス厚ΔSのスライス内の位置Zにおいて90°励起パルスの周波数帯域幅BW90が水の共鳴周波数RF90(H2O)とオーバーラップする一方、物質(M)の共鳴周波数RF90(M)とオーバーラップしないように90°励起パルスの周波数帯域幅BW90を設定すればよい。また、180°リフォーカスパルスによって、物質(M)および水の双方に含まれるプロトンスピンをリフォーカスしようとする場合には、180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW180が水の共鳴周波数RF180(H2O)および物質(M)の共鳴周波数RF180(M)の双方とオーバーラップするように180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW180を設定すればよい。
すなわち、物質(M)を含む領域のプロトンを励起させずに水領域のプロトンを励起させ、かつ物質(M)を含む領域および水領域の双方のプロトンをリフォーカスさせるための条件は、式(1)のように表すことができる。
[数1]
R = (ΔS-|ΔF/G90-ΔF/G180|)/ΔS <0 (1)
ただし、式(1)においてRは、90°励起パルスによって励起されるスライス方向の物質(M)を含む領域(ZA-ZB)と180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるスライス方向の物質(M)を含む領域(ZC-ZD)とのオーバーラップ比(overlapratio)である。つまりオーバーラップ比Rが負の値をとるように磁化条件を設定すれば、物質(M)からの信号を完全に抑制することが可能となる。
ここで、90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスのτ長τ90、τ180とスライス選択用傾斜磁場G90、G180とのそれぞれの関係を示す式(2−1)および式(2−2)を用いると、式(1)は式(2−3)のように表される。
[数2]
|G90| = τ90/ΔS (2-1)
|G180| = τ180/ΔS (2-2)
R = 1-|ΔF・(τ90+τ180)| < 0 (2-3)
従って、物質(M)からの信号を抑制しつつ水からの信号を取得するための条件は、式(3−1)および式(3−2)に加え、式(2−3)から導かれる式(3−3)となる。
[数3]
BW90 < BW180 (τ180 > τ90) (3-1)
|G90|=-|G180| (3-2)
τ90+τ180 > 1/ΔF (3-3)
従って式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)を満たすように撮影条件を設定すれば、特定の物質を強調した画像を得るmolecular imagingを行うことができる。例えばあるmolecular imagingの対象となる薬物の水に対するケミカルシフト値±200Hzである場合には、式(4−1)から式(4−2)が90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスのそれぞれのτ長τ90,τ180の条件となる。
[数4]
ΔF = ±200 (Hz) (4-1)
τ90+τ180 > 5.00 (ms) (4-2)
また、脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号を収集して画像を得る場合には、脂肪の水に対するケミカルシフト値230Hzを用いて、式(5−1)から式(5−2)が90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスのそれぞれのτ長τ90,τ180の条件となる。
[数5]
ΔF = 230 (Hz) (5-1)
τ90+τ180 > 4.35 (ms) (5-2)
このように、水や脂肪等の基準となる物質に対する特定の物質のケミカルシフト値ΔFが分かれば、当該物質のケミカルシフト値ΔFから式(3−1)、式(3−2)および式(3−3)に示すように磁化条件を設定し、かつ90°励起パルスの中心周波数を当該物質の共鳴周波数に合わせることによって、特定の物質をイメージングするmolecular imaging を行うことができる。
図7は、図2に示す撮影条件設定部48においてPASTAシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定例を示す図である。
図7において横軸は周波数を示し、縦軸はエコー信号の強度を示す。図7の実線枠に示すように90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90を水の共鳴周波数帯域とオーバーラップしないようにイメージングしようとする物質(M)の共鳴周波数に合わせた状態で90°励起パルスを印加した後、点線枠に示すように180°リフォーカスパルスの中心周波数および周波数帯域幅BW180を物質(M)および水の共鳴周波数を包含するよう合わせた状態で180°リフォーカスパルスを印加すると、水からの信号を抑制しつつ物質(M)からの信号を収集することができる。
図8は、図7に示す周波数領域の励起およびリフォーカスによって遷移されるプロトンのスピン状態を示す図である。
図8(a)および図8(b)において縦軸zおよび横軸xは、それぞれプロトンスピンの磁化方向を示す。水領域および物質(M)を含む領域のプロトンスピンがz軸方向に磁化された状態で、図7に示すように中心周波数および周波数帯域幅BW90を物質(M)の共鳴周波数に合わせた90°励起パルスを撮像対象となるスライスに印加すると、図8(a)に示すように物質(M)を含む領域のプロトンは90°励起パルスによって励起されるため90°傾いてx軸方向に磁化される。一方、水領域のプロトンは90°励起パルスの影響を受けないため磁化方向がz軸方向のまま維持される。
続いて、図7に示すように物質(M)および水の共鳴周波数をカバーするように中心周波数および周波数帯域幅BW180が設定された180°リフォーカスパルスをスライスに印加すると、図8(b)に示すように物質(M)を含む領域のプロトンは180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるため180°傾いてx軸上で反転する方向に磁化される。一方、水領域のプロトンは180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるため180°傾いてz軸上で反転する方向に磁化される。
このため、水からはエコー信号が発生しないが物質(M)からはエコー信号が発生することとなる。これにより水からの信号を抑制した状態で物質(M)からのエコー信号を収集することが可能となる。
図9は、図5に示すPASTAシーケンスによって励起およびリフォーカスされる領域を通常のSEシーケンスによって励起およびリフォーカスされる領域と比較した図である。
図9に示すように通常のSEシーケンスでは、90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスによって、選択されたスライス内の水領域および物質(M)を含む領域の双方がそれぞれ励起およびリフォーカスされる。これに対し、図6からも分かる通り、PASTAシーケンスでは、選択されたスライス内の物質(M)を含む領域が90°励起パルスによって励起されるが、水領域は選択されたスライスの外部において90°励起パルスによって励起されることとなる。その後、180°リフォーカスパルスによって、選択されたスライス内の水領域および物質(M)を含む領域の双方がリフォーカスされる。
ここまでは、物質(M)をイメージングする場合について説明したが、ブレストインプラントのイメージングを行う場合には、水およびシリコーンのイメージングが必要となる。従って、PASTAシーケンスにおける90°励起パルスの中心周波数および磁化条件を調整することによって、90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90をシリコーンおよび水の双方の共鳴周波数に別々に2回に亘って合わせることが必要となる。ただし、水の共鳴周波数と、シリコーンの共鳴周波数との間に脂肪の共鳴周波数がシリコーンの共鳴周波数側に接近して存在する。このため、シリコーンとともに脂肪も90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスによって影響を受けることとなる。
図10は、図5に示すPASTAシーケンスによるスキャンの実行によって水を励起する場合に励起およびリフォーカスされる周波数領域を示す図である。
図10において横軸は周波数を示し、縦軸はエコー信号の強度を示す。図10の実線枠に示すように90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90をシリコーンおよび脂肪の共鳴周波数帯域とオーバーラップしないように水の共鳴周波数に合わせた状態で90°励起パルスを印加した後、点線枠に示すように180°リフォーカスパルスの中心周波数および周波数帯域幅BW180をシリコーン、脂肪および水の共鳴周波数に合わせた状態で180°リフォーカスパルスを印加すると、シリコーンおよび脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号を収集することができる。
図11は、図10に示す周波数領域の励起およびリフォーカスによって遷移されるプロトンのスピン状態を示す図である。
図11(a)および図11(b)において縦軸zおよび横軸xは、それぞれプロトンスピンの磁化方向を示す。水領域、シリコーン領域および脂肪領域のプロトンスピンがz軸方向に磁化された状態で、図10に示すように中心周波数および周波数帯域幅BW90を水の共鳴周波数に合わせた90°励起パルスを撮像対象となるスライスに印加すると、図11(a)に示すように水領域のプロトンは90°励起パルスによって励起されるため90°傾いてx軸方向に磁化される。一方、シリコーン領域および脂肪領域のプロトンは90°励起パルスの影響を受けないため磁化方向がz軸方向のまま維持される。
続いて、図10に示すようにシリコーン、脂肪および水の共鳴周波数をカバーするように中心周波数および周波数帯域幅BW180が設定された180°リフォーカスパルスをスライスに印加すると、図11(b)に示すように水領域のプロトンは180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるため180°傾いてx軸上で反転する方向に磁化される。一方、シリコーン領域および脂肪領域のプロトンは180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるため180°傾いてz軸上で反転する方向に磁化される。
このため、シリコーンおよび脂肪からはエコー信号が発生しないが水からはエコー信号が発生することとなる。これによりシリコーンおよび脂肪からの信号を抑制した状態で水からのエコー信号を収集することが可能となる。
図12は、図5に示すPASTAシーケンスによるスキャンの実行によってシリコーンを励起する場合に励起およびリフォーカスされる周波数領域を示す図である。
図12において横軸は周波数を示し、縦軸はエコー信号の強度を示す。図12の実線枠に示すように90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90を水の共鳴周波数帯域とオーバーラップしないようにシリコーンおよび脂肪の共鳴周波数に合わせた状態で90°励起パルスを印加した後、点線枠に示すように180°リフォーカスパルスの中心周波数および周波数帯域幅BW180をシリコーン、脂肪および水の共鳴周波数に合わせた状態で180°リフォーカスパルスを印加すると、水からの信号を抑制しつつシリコーンおよび脂肪からの信号を収集することができる。
図13は、図12に示す周波数領域の励起およびリフォーカスによって遷移されるプロトンのスピン状態を示す図である。
図13(a)および図13(b)において縦軸zおよび横軸xは、それぞれプロトンスピンの磁化方向を示す。水領域、シリコーン領域および脂肪領域のプロトンスピンがz軸方向に磁化された状態で、図12に示すように中心周波数および周波数帯域幅BW90をシリコーンおよび脂肪の共鳴周波数に合わせた90°励起パルスを撮像対象となるスライスに印加すると、図13(a)に示すようにシリコーン領域および脂肪領域のプロトンは90°励起パルスによって励起されるため90°傾いてx軸方向に磁化される。一方、水領域のプロトンは90°励起パルスの影響を受けないため磁化方向がz軸方向のまま維持される。
続いて、図12に示すようにシリコーン、脂肪および水の共鳴周波数を中心周波数および周波数帯域幅BW180がカバーするように設定された180°リフォーカスパルスをスライスに印加すると、図13(b)に示すようにシリコーン領域および脂肪領域のプロトンは180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるため180°傾いてx軸上で反転する方向に磁化される。一方、水領域のプロトンは180°リフォーカスパルスによってリフォーカスされるため180°傾いてz軸上で反転する方向に磁化される。
このため、水からはエコー信号が発生しないがシリコーンおよび脂肪からはエコー信号が発生することとなる。これにより水からの信号を抑制した状態でシリコーンおよび脂肪からのエコー信号を収集することが可能となる。
ただし、前述のように脂肪およびシリコーン間の相対的なケミカルシフトが小さいため、90°励起パルスの周波数帯域幅BW90等の磁化条件や中心周波数の調整のみでは、脂肪およびシリコーンの一方のみを励起することが困難となる場合がある。そこで、脂肪からの信号を抑制するために脂肪抑制パルスをプリパルスとして印加するようにパルスシーケンスを設定することもできる。
図14は、図5に示すPASTAシーケンスに脂肪抑制パルスをプリパルスとして付加したシーケンスを示す図である。
図14において、RFは、撮影部位に送信されるRF信号を示す。またGS、GP、GR、ECHOは、それぞれスライス選択用傾斜磁場、位相エンコード用傾斜磁場、リードアウト用傾斜磁場、エコー信号を示す。
図14に示すように、90°励起パルスの印加に先立ってプリパルスとして脂肪抑制(Fat saturation)パルスが印加されるようにパルスシーケンスを設定することができる。脂肪抑制パルスを印加する場合には、脂肪抑制パルスの印加に続いて、スライス選択用傾斜磁場GS、位相エンコード用傾斜磁場GP、リードアウト用傾斜磁場GRにそれぞれスポイラパルスGSspoil、GPspoil、GRspoilが印加される。
そして、上述したような励起対象となる物質や脂肪抑制パルスの有無は撮影プロトコルとして規定することができる。撮影プロトコルを規定すれば、オペレータが入力装置33の操作によって撮影目的に応じた撮影プロトコルを選択するのみで撮影条件設定部48においてパルスシーケンスを設定することが可能となる。
図15は、図2に示す撮影条件設定部48において指定可能な撮影プロトコルの一例と各撮影プロトコルによって画像化が可能な物質を示す図である。
例えば、図15の(1)に示すように90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90を水の共鳴周波数に合わせ、イメージング部分のシーケンスをFSEシーケンスとしたPASTAシーケンスを撮影プロトコルFSE+15_pastaとして設定することができる。また、(2)に示すように90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90をシリコーンの共鳴周波数に合わせ、イメージング部分のシーケンスをFSEシーケンスとしたPASTAシーケンスを撮影プロトコルFSE+15_pastaSi without FatSatとして設定することができる。さらに、(3)に示すように、90°励起パルスの中心周波数および周波数帯域幅BW90をシリコーンの共鳴周波数に合わせ、イメージング部分のシーケンスをFSEシーケンスとした脂肪抑制パルスの印加を伴うPASTAシーケンスを撮影プロトコルFSE+15_pastaSi with FatSatとして設定することができる。
(1)の撮影プロトコルFSE+15_pastaを実行すると、脂肪およびシリコーンからの信号が抑制され、水およびセーリンからのエコー信号を収集することによって水画像を再構成することが可能となる。(2)の撮影プロトコルFSE+15_pastaSi without FatSatを実行すると、水およびセーリンからの信号が抑制され、脂肪およびシリコーンからのエコー信号を収集することによって脂肪およびシリコーンを映像化した画像を再構成することが可能となる。(3)の撮影プロトコルFSE+15_pastaSi with FatSatを実行すると、ケミカルシフトイメージングにより水およびセーリンからの信号が抑制され、かつ脂肪抑制パルスにより脂肪からの信号が抑制されるため、シリコーンからのエコー信号を収集することによってシリコーン画像を再構成することが可能となる。
従って、これらの撮影プロトコルを組合せたスキャンの実行によって、ブレストインプラントの検査を行うとインプラントがシリコーンであるかセーリンであるのかを識別することができる。また、シリコーン漏れを検出することができる。すなわち、撮影プロトコルFSE+15_pastaによるスキャンと、撮影プロトコルFSE+15_pastaSi without FatSatによるスキャンとを行うと、両者のスキャンにより得られた画像を比較することによりインプラントがシリコーンであるかセーリンであるのかを識別することができる。また、撮影プロトコルFSE+15_pastaSi without FatSatによるスキャンと、撮影プロトコルFSE+15_pastaSi with FatSatによるスキャンとを行うと、両者のスキャンにより得られた画像を比較することによりシリコーン漏れを検出することができる。
次に、binomial pulseを用いたシーケンスによるmolecular imagingについて説明する。binomial pulseは、1:1, 1:2:1, 1:3:3:1とうように2項分布に従う割合で分割したコンポーネントパルスであり、分割数が増すほど脂肪抑制効果が向上することが知られている。このbinomial pulseのτ長の時間を調整することによっても、特定の物質のケミカルイメージングが可能となる。binomial pulseを用いれば、τ長の制御が容易となる。
図16は、図2に示す撮影条件設定部48において1:2:1-binomial pulseの印加を伴うシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定方法を説明する図である。
図16に示すように、1:2:1-binomial pulseは、22.5°励起パルス、45°励起パルスおよび22.5°励起パルスの3つのコンポーネントパルスがτ長時間の経過とともに順次印加されるようにしたパルス列である。また、45°励起パルスの極性は、2つの22.5°励起パルスの極性に対して逆向きとされる。
1:2:1-binomial pulseのτ長時間をイメージングしようとする物質のケミカルシフト値に応じて調整すると、molecular imagingが可能となる。すなわち、イメージングしようとする物質のケミカルシフト値に応じた磁化の位相ずれによって、当該物質の磁化の位相がτ長時間後に逆位相となれば当該物質から選択的にエコー信号を得ることができる。従って、物質のケミカルシフト値ΔFから式(6)によりτ長を設定すれは良いことになる。
[数6]
τ = 1/(2ΔF) (6)
例えば、脂肪を抑制して水からのエコー信号を収集する場合には、脂肪の水に対するケミカルシフト値ΔF=230Hzから式(6)によりτ長時間は、τ=2.17msとなる。また、例えばイメージング対象となる薬物のケミカルシフト値がΔF=150Hzである場合には、式(6)によりτ長時間をτ=3.33msに設定すれば、水からの信号を抑制しつつ薬物からの信号を選択的に収集して薬物の画像を生成することが可能となる。
図17は、図16に示す1:2:1-binomial pulseを用いて脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号を収集する場合におけるプロトンのスピン状態の遷移を示す図である。
図17(a)、(b)、(c)、(d)、(e)において縦軸はプロトンスピンのz軸方向成分を、横軸はプロトンスピンのxy平面上の成分を示す。水領域および脂肪領域のプロトンスピンがz軸方向に磁化された状態で、脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号が収集されるようにτ長を設定した図16に示すような1:2:1-binomial pulseを印加すると、1番目の22.5°励起パルスによって、水領域および脂肪領域のプロトンスピンがそれぞれ励起される。この結果、水領域および脂肪領域のプロトンスピンは、図17(a)のようにz軸からxy軸に22.5°傾いた方向に磁化される。
そして、τ時間が経過すると、脂肪領域のプロトンスピンの磁化の位相がずれて図17(b)に示すようにz軸からxy軸に−22.5°傾いた方向となる。
ここで、2番目の45°励起パルスを印加すると、図17(c)に示すように脂肪領域のプロトンスピンの磁化方向は、時計周り方向に45°シフトしてz軸からxy軸に22.5°傾いた方向となる。また、水領域のプロトンスピンの磁化方向は、時計周り方向に45°シフトしてz軸からxy軸に67.5°傾いた方向となる。
そして、τ時間が経過すると、脂肪領域のプロトンスピンの磁化の位相がずれて図17(d)に示すようにz軸からxy軸に−22.5°傾いた方向となる。
ここで、3番目の22.5°励起パルスを印加すると、図17(e)に示すように脂肪領域のプロトンスピンの磁化方向は、時計周り方向に22.5°シフトしてz軸方向となる。また、水領域のプロトンスピンの磁化方向は、時計周り方向に22.5°シフトしてxy軸上となる。
このため、脂肪からはエコー信号が発生しないが水からはエコー信号が発生することとなる。これにより脂肪からの信号を抑制した状態で水からのエコー信号を収集することが可能となる。
図18は、図2に示す撮影条件設定部48において1:1-binomial pulseの印加を伴うシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定方法を説明する図である。
図18に示すように1:1-binomial pulseは、2つの45°励起パルスがτ長時間の経過とともに順次印加されるようにしたパルス列である。また、2つの45°励起パルスの極性は、互いに逆向きとされる。1:2:1-binomial pulseを用いてmolecular imagingを行う場合と同様の原理によって、式(6)により1:1-binomial pulseのτ長時間を設定すれば、1:1-binomial pulseを用いてmolecular imagingを行うことができる。
図19は、図18に示す1:1-binomial pulseを用いて脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号を収集する場合におけるプロトンのスピン状態の遷移を示す図である。
図19(a)、(b)、(c)において縦軸はプロトンスピンのz軸方向成分を、横軸はプロトンスピンのxy平面上の成分を示す。水領域および脂肪領域のプロトンスピンがz軸方向に磁化された状態で、脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号が収集されるようにτ長を設定した図18に示すような1:1-binomial pulseを印加すると、1番目の45°励起パルスによって、水領域および脂肪領域のプロトンスピンがそれぞれ励起される。この結果、水領域および脂肪領域のプロトンスピンは、図19(a)のようにz軸からxy軸に45°傾いた方向に磁化される。
そして、τ時間が経過すると、脂肪領域のプロトンスピンの磁化の位相がずれて図19(b)に示すようにz軸からxy軸に−45°傾いた方向となる。
ここで、2番目の45°励起パルスを印加すると、図19(c)に示すように脂肪領域のプロトンスピンの磁化方向は、時計周り方向に45°シフトしてz軸上となる。また、水領域のプロトンスピンの磁化方向は、時計周り方向に45°シフトしてxy軸上となる。
このため、脂肪からはエコー信号が発生しないが水からはエコー信号が発生することとなる。これにより脂肪からの信号を抑制した状態で水からのエコー信号を収集することが可能となる。
次に、Three-point Dixsonシーケンスを用いたシーケンスによるmolecular imagingについて説明する。
Three-point Dixson法は、SE法において通常の180°リフォーカスパルスに加えて印加時刻を±τ長時間だけシフトしたπパルスと−πパルスを印加するものである。ただし、πパルスと−πパルスとによって、TE後に水と特定の物質の横磁化位相が180°反転するようにτ長時間が設定される。そして、水と特定の物質の横磁化位相が同相となるようにして収集した画像データと、横磁化位相が180°反転するようにして収集した画像データとを加減算することによって、水画像と特定の物質を強調した画像とを分離して得ることができる。
図20は、図2に示す撮影条件設定部48においてThree-point Dixsonシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定方法を説明する図である。
図20に示すように、Three-point Dixsonシーケンスでは、90°励起パルスからTE後にエコー信号が得られるが、90°励起パルスからTE/2後に180°リフォーカスパルスが印加される。また、180°リフォーカスパルスからτ長時間だけ先立って、−πパルスが印加され、180°パルスからτ長時間だけ後に+πパルスが印加される。このThree-point Dixsonシーケンスのτ長時間を式(6)のように物質のケミカルシフト値に基いて設定すれば、molcular imagingを行うことが可能となる。
例えば、イメージング対象となる薬物の水に対するケミカルシフト値がΔF=3.0ppmである場合には、式(6)よりτ長時間を設定することができる。静磁場強度が1.5Tである場合には、式(7−1)のように薬物のケミカルシフト値ΔFが求められるため、式(7−2)のようにτ長時間を決定することができる。
[数7]
ΔF = 3.0 (ppm) = 192 (Hz) (∵1ppm = 64Hz) (7-1)
τ = 1/(2・192) = 2.6 (ms) (7-2)
以上のように撮影条件を設定する撮影条件設定部48には、ケミカルイメージングの対象となる単一または複数の物質を指定する機能、指定された物質の共鳴周波数に励起パルスの中心周波数を合わせる機能、指定された物質に合わせてτ長等の磁化条件を調整する機能、脂肪抑制パルスの印加の有無を指定する機能が備えられる。
さらに、撮影条件設定部48には、オペレータの利便性を向上させるために、ケミカルシフトに関する知識を要することなく目的とする物質についての画像を得るための撮影条件を設定する機能、1回のシミングおよびケミカルシフトイメージングの対象となる物質の指定操作で励起パルスの中心周波数を自動的に複数の物質の共鳴周波数に合わせる機能が備えられる。これらの諸機能は、自動撮影条件設定モードおよび周波数自動設定モードを選択することによりモーダルに動作させることができる。
そのために、撮影条件設定部48には、物質指定部52、第1の周波数設定部53、第2の周波数設定部54、磁化条件設定部55および脂肪抑制指定部56が設けられる。また、撮影条件設定部48は、GUI(Graphical User Interface)技術を利用して撮影条件を設定するための設定画面を表示装置34に表示させる一方、入力装置33の操作により撮影条件を設定することができるように構成される。
物質指定部52は、入力装置33からの指示情報に従ってケミカルシフトイメージングの対称となる物質を指定する機能と、指定された物質の識別情報を第1の周波数設定部53、第2の周波数設定部54および磁化条件設定部55に与える機能とを有する。ここで、指定する物質は単一であっても複数であってもよい。複数の物質のケミカルシフトイメージングを行う場合には、撮影順序も指定される。指定対象となる物質の例としては、水、脂肪、シリコーン、セーリンの他、ケミカルシフト値が既知である薬物等の物質が挙げられる。
ケミカルシフトイメージングの対称となる物質の指定は物質名やケミカルシフト値として指定する他、図15に示すような特定の物質のケミカルシフトイメージングを目的とする撮影プロトコル(シーケンス)を選択することによって行うこともできる。また、入力装置33の操作によって撮影目的を物質指定部52に指示することによって、ケミカルシフトイメージングの対称となる物質を指定することもできる。例えば、ブレストインプラントがシリコーンであるのかあるいはセーリンであるのかを調べることを撮影目的として指示すれば、ケミカルシフトイメージングの対称となる物質をシリコーンおよび水またはセーリンに指定することができる。また、例えば、ブレストインプラントのシリコーン漏れの検知を撮影目的として指示すれば、ケミカルシフトイメージングの対称となる物質を脂肪およびシリコーンに指定することができる。
そして、最初にケミカルシフトイメージングの対象となる物質の識別情報が物質指定部52から第1の周波数設定部53に与えられ、2番目以降に実施されるケミカルシフトイメージングの対象となる物質の識別情報と撮影順序を示す撮影順序情報が物質指定部52から第2の周波数設定部54に与えられるように構成される。また、ケミカルシフトイメージングの対象となる全ての物質の識別情報と撮影順序を示す撮影順序情報が物質指定部52から磁化条件設定部55に与えられるように構成される。
第1の周波数設定部53は、物質指定部52からケミカルシフトイメージングの対象となる物質の識別情報を受けた場合に、対応する物質の共鳴周波数を共鳴周波数取得部47から取得する機能と、1番目の物質のケミカルシフトイメージングに用いられるパルスシーケンスにおける励起パルスの中心周波数を1番目の物質の共鳴周波数に合わせる機能とを有する。
第2の周波数設定部54は、物質指定部52から2番目以降に実行されるケミカルシフトイメージングの対象となる物質の識別情報と撮影順序情報を受けた場合に、対応する物質の共鳴周波数を共鳴周波数取得部47から取得する機能と、第1の周波数設定部53によって作成されたパルスシーケンスに続いて2番目以降に実行されるパルスシーケンスにおける励起パルスの中心周波数を対応する順番の物質の共鳴周波数に合わせる機能とを有する。
つまり、撮影条件設定部48は、ケミカルシフトイメージングの対象となる物質をオペレータが1回指定すれば、指定された物質が2つ以上であっても、第2の周波数設定部54によって自動的に励起パルスの中心周波数が対応する物質の共鳴周波数に変更されるように構成されている。従って、ケミカルシフトイメージングする対象となる3つの物質が指定された場合には、第2の周波数設定部54により2回に亘って励起パルスの中心周波数が対応する物質の共鳴周波数に自動的に変更されることとなる。
磁化条件設定部55は、物質指定部52からケミカルシフトイメージングの対象となる物質の識別情報と撮影順序情報を受けた場合に、PASTAシーケンスにおいて抑制されるべき物質の共鳴周波数と90°励起パルスの周波数帯域幅BW90がオーバーラップしないように90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW90、BW180、τ長τ90、τ180並びに90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスとともにそれぞれ印加されるスライス選択用傾斜磁場G90、G180等の磁化条件を設定する機能、binomial pulseやThree-point Dixsonシーケンスの磁化条件であるτ長時間をイメージング対象となるケミカルシフト値に合わせて設定する機能、設定した磁化条件をパルスシーケンスに反映させる機能とを有する。また、磁化条件設定部55は、磁化条件の設定のために必要な物質の共鳴周波数を共鳴周波数取得部47から取得できるように構成されている。
脂肪抑制指定部56は、入力装置33からの指示情報に従って各物質のイメージングごとに脂肪抑制パルスの印加の有無を決定する機能と、脂肪抑制パルスを印加すると決定した場合に、対応するケミカルシフトイメージングを行うためのパルスシーケンスに脂肪抑制パルスを付加する機能とを有する。
そして上述した各構成要素によって作成された物質ごとのパルスシーケンスは、撮影条件設定部48から撮影順序に従って順次シーケンスコントローラ制御部40に与えられる。また、撮影条件としてパルスシーケンスを設定するための画面情報や共鳴周波数の取得方法や補正を指示する画面情報が撮影条件設定部48および共鳴周波数取得部47から表示装置34に与えられ、表示装置34にケミカルシフトイメージング用の設定画面がインターフェースとして表示される。
図21は、図2に示す表示装置34に表示されるケミカルシフトイメージング用の設定画面の一例を示す図である。
図21に示すように表示装置34には、ケミカルシフトイメージング用の設定画面が表示される。設定画面には、周波数スペクトル取得部49において取得された周波数スペクトル60が表示される。
またマウスやポインタ等の入力装置33の操作により、共鳴周波数の検出を自動で行うか或いは手動で行うかを指定することができる。また検出対象となる共鳴周波数の物質を物質名またはケミカルシフト値として選択または入力することができる。さらに、周波数スペクトルのピークを検出することによって共鳴周波数を取得するのか或いは最大値を検出することによって共鳴周波数を取得するのかを指定することもできる。
また、検出された共鳴周波数が誤認識されたものであるか否か、すなわちエラーの自動検出の動作の切換を入力装置33の操作により指示することができる。例えば、共鳴周波数のエラー検出機能をオンにいた状態で、図21の例に示すように周波数スペクトル60から検出された複数の点線で示すピークの中から実線で示す周波数が大きい側のピークをマニュアルで水の共鳴周波数として認識させると、"ERROR DETECTED !"というメッセージが表示される。
このような共鳴周波数の検出エラーを補正するために、共鳴周波数の補正を入力装置33の操作により自動または手動で行うことができる。例えば、補正後の共鳴周波数の物質名を水とした状態で、マウスやポインタ等の入力装置33の操作により指示記号61を動かして周波数スペクトル60の周波数が小さい側のピークを選択すると、水の共鳴周波数が正しく認識される。
また、設定画面の下部には、撮影条件の設定欄が表示されている。オペレータは、入力装置33の操作により撮影順序、撮影プロトコル、ケミカルイメージングの対象となる物質、ケミカルシフト値、撮影目的、脂肪抑制パルスの有無に加えて、励起パルスの中心周波数の自動設定を行うか否かを指示することができる。尚、撮影プロトコルや撮影目的を選択または入力すると、他の撮影条件が自動的に表示されるようにすることもできる。
さらに、τ長時間等の磁化条件を参照用に設定画面に表示させるようにしてもよい。
次に磁気共鳴イメージング装置20の動作および作用についてPASTAシーケンスを用いてブレストインプラントの検査を行う場合を例に説明する。
図22は、図1に示す磁気共鳴イメージング装置20により、ケミカルシフトを利用したブレストイメージングを行う場合の流れの一例を示すフローチャートであり、図中Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
まずステップS10において、オペレータによる入力装置33の操作によってケミカルシフトイメージングの対象となる物質が指定される。ブレストインプラントのイメージングでは、水またはセーリンとシリコーンをイメージングする必要がある。また、シリコーン漏れの検出を行う場合には、水および脂肪を抑制したシリコーン画像も必要となる。
そこで、オペレータは、例えば入力装置33の操作によって図15に示すFSE+15_pasta、FSE+15_pastaSi without FatSatおよびFSE+15_pastaSi with FatSatの3つの撮影プロトコルを選択し、撮影順序をFSE+15_pastaの次にFSE+15_pastaSi without FatSatによる撮影を、FSE+15_pastaSi without FatSatの次にFSE+15_pastaSi with FatSatによる撮影を行うように設定する。また、オペレータは、入力装置33の操作によって周波数自動設定モードを選択する。
そうすると、物質指定部52はにより1番目に行われるケミカルシフトイメージングの対象となる物質が水に、2番目および3番目に行われるケミカルシフトイメージングの対象となる物質がシリコーンにそれぞれ設定される。また、3番目に行われるケミカルシフトイメージングにおいて脂肪抑制パルスの印加が脂肪抑制指定部56において指定される。
ただし、オペレータが、シリコーンや水を物質名あるいはケミカルシフト値として指定したり、撮像目的として指定してもよい。また、脂肪抑制の要否を直接入力装置34の操作によって行ってもよい。
そうすると、物質指定部52から1番目のスキャンにおいてPASTAシーケンスにより水画像を収集する旨の情報が第1の周波数設定部53に与えられる。また、物質指定部52から2番目および3番目のスキャンにおいてそれぞれPASTAシーケンスによりシリコーン画像を収集する旨の情報が第2の周波数設定部54に与えられる。さらに、1番目のスキャンにおいてPASTAシーケンスにより水画像を収集し、2番目および3番目のスキャンにおいてそれぞれPASTAシーケンスによりシリコーン画像を収集する旨の情報が物質指定部52から磁化条件設定部55に与えられる。
次に、ステップS11において、オペレータの操作によりシミングが行われ、静磁場強度の均一性が調整される。すなわち、オペレータが入力装置34からシミング条件設定部46を通じてシムコイル電源28に指示情報を与えると、シミング条件設定部46はシムコイル電源28に制御信号を与えることにより、シムコイル電源28からシムコイル22に供給される電流を調節する。これにより、静磁場用磁石21の内部に形成された静磁場が均一化される。
次に、ステップS12において、オペレータが周波数スペクトルの取得を入力装置34から指示すると、周波数スペクトルの取得用のシーケンスが撮影条件設定部48からシーケンスコントローラ制御部40を通じてシーケンスコントローラ31に与えられる。
そうすると、シーケンスコントローラ31は、周波数スペクトルの取得用のシーケンスに従って傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30を駆動させることによりX軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,Z軸傾斜磁場GzおよびRF信号を発生させる。そして、被検体P内部のプロトンスピンの核磁気共鳴によって生じたMR信号がRFコイル24において受信され、受信器30、シーケンスコントローラ31およびシーケンスコントローラ制御部40を通じて、周波数スペクトル取得部49に与えられる。そして、周波数スペクトル取得部49は、MR信号から周波数スペクトルを取得し、取得した周波数スペクトルが共鳴周波数検出部50に与えられる。また、周波数スペクトルは、表示装置34に与えられて表示される。
次に、共鳴周波数検出部50は、オペレータによる入力装置33の操作によって指定された検索方法で、周波数スペクトルから少なくとも1つの物質の共鳴周波数を検出する。例えば、基準となる水の共鳴周波数として周波数スペクトルの最大値に対応する周波数が共鳴周波数検出部50によって自動検出される。ただし、オペレータが入力装置33の操作によって、共鳴周波数検出部50によって検出された周波数スペクトルの最大値に対応する周波数を水の共鳴周波数に関連付けてもよい。そして、共鳴周波数検出部50は、検出した周波数を水の共鳴周波数として周波数補正部51に与える。
ここで、周波数スペクトルが図4(a)に示すように水の共鳴周波数帯域の中心周波数が最大値となる形状であれば、水の共鳴周波数が周波数補正部51に与えられる。しかし、周波数スペクトルが図4(b)に示すようにシリコーンの共鳴周波数帯域の中心周波数が最大値となる形状である場合には、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数であると誤認識されて周波数補正部51に与えられる。
そこで、ステップS13において、共鳴周波数が誤認識された場合には、周波数補正部51によって、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数に補正される。そのために、周波数補正部51は、共鳴周波数検出部50に周波数スペクトルのピークに対応する周波数およびその位置を検出するように指示を与える。この結果、共鳴周波数検出部50により検出された周波数スペクトルのピークに対応する周波数およびその位置が周波数補正部51に与えられ、表示装置34に表示される。
共鳴周波数の手動誤認識検出モードおよび手動補正モードが選択されている場合には、オペレータが、表示装置34を確認する。そして、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数であると誤認識されていると判断される場合には、水の共鳴周波数のピークに相当する周波数を入力装置33の操作により指定する。ただし、シリコーンの共鳴周波数の水に対するケミカルシフト値−5ppmやシリコーンの共鳴周波数が誤って取得された旨の情報を入力装置33から周波数補正部51に入力し、周波数補正部51に補正指示を与えてもよい。
また、共鳴周波数の手動誤認識検出モードおよび自動補正モードが選択されている場合には、周波数補正部51が最も周波数が小さい側のピークに対応する周波数が周波数スペクトルの最大値に対応する周波数と一致するか否かを判定する。そして、最も周波数が小さい側のピークに対応する周波数が周波数スペクトルの最大値に対応する周波数と一致しない場合には、周波数補正部51は、シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数として誤認識されたと判断する。さらに、周波数補正部51は、シリコーンの水に対する共鳴周波数のケミカルシフト値に基いてシリコーンの共鳴周波数−5ppmだけ自動的にシフトさせることにより正しい水の共鳴周波数を求める。
次に、周波数補正部51は、取得された水の共鳴周波数に基いてケミカルシフトデータ記憶部45から取得したケミカルシフトデータのゼロ次補正を行うことにより、各物質の共鳴周波数を取得する。また、必要に応じて周波数補正部51は、周波数スペクトル取得部49により取得された周波数スペクトルを用いてケミカルシフトデータ記憶部45から取得したケミカルシフトデータの1次以上の係数の補正を行う。
そして、周波数補正部51は、補正によって得られたシリコーンおよび水の共鳴周波数を第1の周波数設定部53、第2の周波数設定部54および磁化条件設定部55に与える。
次に、ステップS14において、第1の周波数設定部53は、PASTAシーケンスの90°励起パルスの中心周波数を周波数補正部51から取得した水の共鳴周波数に合わせる。また、磁化条件設定部55は、撮影対象となるスライス内において、90°励起パルスの周波数帯域幅BW90がシリコーンおよび脂肪の共鳴周波数帯域とオーバーラップせず、かつ180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW180が水、脂肪およびシリコーンの共鳴周波数帯域とオーバーラップするように、90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW90、BW180およびτ長τ90、τ180並びに90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスとともにそれぞれ印加されるスライス選択用傾斜磁場G90、G180を設定する。そして、撮影条件設定部48は、PASTAシーケンスをシーケンスコントローラ制御部40に与える。
次に、ステップS15において、シーケンスコントローラ制御部40からPASTAシーケンスがシーケンスコントローラ31に与えられ、シーケンスコントローラ31による傾斜磁場電源27、送信器29および受信器30の制御によって、FSE+15_pastaによるスキャンが実行される。この結果、RFコイル24において受信されたデータは、受信器30、シーケンスコントローラ31およびシーケンスコントローラ制御部40を通じて、k空間データベース41に形成されたk空間にk空間データとして配置される。そして、画像再構成部42は、k空間データベース41からk空間データを取り込んで画像再構成処理を施すことにより、3次元画像データを再構成して画像データベース43に書き込む。さらに、画像処理部44は、画像データベース43から読み込んだ3D画像データに必要な画像処理を行って表示装置34に表示させる。
ここで、表示装置34に表示される画像は、90°励起パルスによって脂肪領域およびシリコーン領域が励起されないように水領域が選択的に励起されることによって得られたものであるため、脂肪信号およびシリコーン信号が抑制された水画像となる。
次に、ステップS16において、第2の周波数設定部54は、PASTAシーケンスの90°励起パルスの中心周波数を周波数補正部51から取得したシリコーンの共鳴周波数に自動的に合わせる。すなわち、水の共鳴周波数0ppmに対してシリコーンの共鳴周波数は、約−5ppmであるため、励起パルスの中心周波数が−5ppmだけ自動的にシフトされる。また、磁化条件設定部55は、撮影対象となるスライス内において、90°励起パルスの周波数帯域幅BW90が水の共鳴周波数帯域とオーバーラップせず、かつ180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW180が水、脂肪およびシリコーンの共鳴周波数帯域とオーバーラップするように、90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスの周波数帯域幅BW90、BW180およびτ長τ90、τ180並びに90°励起パルスおよび180°リフォーカスパルスとともにそれぞれ印加されるスライス選択用傾斜磁場G90、G180を設定する。そして、撮影条件設定部48は、PASTAシーケンスをシーケンスコントローラ制御部40に与える。
次に、ステップS17において、シーケンスコントローラ制御部40からPASTAシーケンスがシーケンスコントローラ31に与えられ、FSE+15_pastaSi without FatSatによるスキャンが実行される。スキャンにより得られた画像は、表示装置34に表示される。
ここで、表示装置34に表示される画像は、90°励起パルスによって水領域が励起されないように脂肪領域およびシリコーン領域が選択的に励起されることによって得られたものであるため、水信号が抑制され、脂肪信号およびシリコーン信号が強調された画像となる。
次に、ステップS18において、脂肪抑制指定部56は、2番目のスキャンに用いたPASTAシーケンスに脂肪抑制パルスを付加する。そして、撮影条件設定部48は、PASTAシーケンスをシーケンスコントローラ制御部40に与える。このため、シーケンスコントローラ制御部40からPASTAシーケンスがシーケンスコントローラ31に与えられ、FSE+15_pastaSi with FatSatによるスキャンが実行される。スキャンにより得られた画像は、表示装置34に表示される。
ここで、表示装置34に表示される画像は、脂肪抑制パルスによって脂肪信号が抑制され、かつ90°励起パルスによって水領域が励起されないようにシリコーン領域が選択的に励起されることによって得られたものであるため、水信号および脂肪信号が抑制され、シリコーン信号が強調された画像となる。
このため、オペレータは、FSE+15_pastaおよびFSE+15_pastaSi without FatSatの実行によりそれぞれ得られた画像を参照することによって、ブレストインプラントがシリコーンであるのかセーリンであるのかを判断することができる。また、FSE+15_pastaSi without FatSatおよびFSE+15_pastaSi with FatSatによりそれぞれ得られた画像を参照することによって、シリコーン漏れを検出することができる。
つまり以上のような磁気共鳴イメージング装置20は、励起パルスの中心周波数およびτ長時間等の磁化条件を物質のケミカルシフト値に応じて調整することによって、moleculara imagingを実行できるようにしたものである。また、複数の物質がケミカルイメージングの対象として指定された場合には、自動的に励起パルスの中心周波数を変更するようにしたものである。
このため、磁気共鳴イメージング装置20によれば、ある成分のケミカルシフト値が既知であれば、当該成分のケミカルシフト値を入力することによって、自動的に当該成分のイメージングが可能となる。
また、磁気共鳴イメージング装置20によれば、ケミカルシフトの知識を要することなく、オペレータがケミカルシフトイメージングを行うことができる。さらに、磁気共鳴イメージング装置20によれば、ブレストインプラントの検査のように、複数の物質をケミカルイメージングの対象とする場合に、シミングや中心周波数の設定並びに磁化条件の調整をスキャンの都度行う必要がなくなり、オペレータの利便性を向上させることができる。
特に実用的な例としては、シリコーンを指定すれば、ケミカルシフトの知識を要することなく自動的に励起パルスの中心周波数をシリコーンの中心周波数に合わせることができる。また、水およびシリコーンを指定すれば、水画像用のスキャン後に、励起パルスの中心周波数を自動的に−5ppmシフトさせてシリコーンの共鳴周波数を励起させることができる。
また、磁気共鳴イメージング装置20によれば、物質の共鳴周波数の検出、共鳴周波数の誤認識の検出および誤認識された共鳴周波数の補正を自動または手動により行うことができる。このため、オペレータにとって物質間の共鳴周波数の識別が困難である場合であっても、自動的に所定の物質の共鳴周波数を求めることができる。また、オペレータが誤って別の物質の共鳴周波数を励起パルスの中心周波数に設定するといったミスを低減させることができる。特に、シリコーン信号の強度が大きい場合に、シリコーン信号が水信号であると誤認識されても正しい水信号に自動的または手動で補正することができる。
さらに、プレスキャンによって得られた周波数スペクトルから水の中心周波数を自動的に検出し、検出した水の中心周波数に励起パルスの中心周波数を自動設定してケミカルイメージングを行うこともできる。このように、共鳴周波数の検出および中心周波数や磁化条件の設定を自動化すれば、オペレータの利便性を向上させることができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態を示す構成図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置におけるコンピュータの機能ブロック図。 図2に示すケミカルシフトデータ記憶部に記憶されるケミカルシフトデータの基となる周波数スペクトルの一例を示す図。 共鳴周波数検出部においてシリコーンの共鳴周波数が誤って水の共鳴周波数であると認識される場合の例を説明する図。 図2に示す撮影条件設定部において設定されるPASTAシーケンスの概念図。 図5に示すPASTAシーケンスによるスキャンの実行によって励起およびリフォーカスされる周波数領域を示す図。 図2に示す撮影条件設定部においてPASTAシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定例を示す図。 図7に示す周波数領域の励起およびリフォーカスによって遷移されるプロトンのスピン状態を示す図。 図5に示すPASTAシーケンスによって励起およびリフォーカスされる領域を通常のSEシーケンスによって励起およびリフォーカスされる領域と比較した図。 図5に示すPASTAシーケンスによるスキャンの実行によって水を励起する場合に励起およびリフォーカスされる周波数領域を示す図。 図10に示す周波数領域の励起およびリフォーカスによって遷移されるプロトンのスピン状態を示す図。 図5に示すPASTAシーケンスによるスキャンの実行によってシリコーンを励起する場合に励起およびリフォーカスされる周波数領域を示す図。 図12に示す周波数領域の励起およびリフォーカスによって遷移されるプロトンのスピン状態を示す図。 図5に示すPASTAシーケンスに脂肪抑制パルスをプリパルスとして付加したシーケンスを示す図。 図2に示す撮影条件設定部において指定可能な撮影プロトコルの一例と各撮影プロトコルによって画像化が可能な物質を示す図。 図2に示す撮影条件設定部において1:2:1-binomial pulseの印加を伴うシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定方法を説明する図。 図16に示す1:2:1-binomial pulseを用いて脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号を収集する場合におけるプロトンのスピン状態の遷移を示す図。 図2に示す撮影条件設定部において1:1-binomial pulseの印加を伴うシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定方法を説明する図。 図18に示す1:1-binomial pulseを用いて脂肪からの信号を抑制しつつ水からの信号を収集する場合におけるプロトンのスピン状態の遷移を示す図。 図2に示す撮影条件設定部においてThree-point Dixsonシーケンスを用いてmolecular imagingを行う場合における撮影条件の設定方法を説明する図。 図2に示す表示装置に表示されるケミカルシフトイメージング用の設定画面の一例を示す図。 図1に示す磁気共鳴イメージング装置により、ケミカルシフトを利用したブレストイメージングを行う場合の流れの一例を示すフローチャート。 従来の水およびシリコーンのケミカルシフトイメージングの手順を示すフローチャート。
符号の説明
20 磁気共鳴イメージング装置
21 静磁場用磁石
22 シムコイル
23 傾斜磁場コイルユニット
24 RFコイル
25 制御系
26 静磁場電源
27 傾斜磁場電源
28 シムコイル電源
29 送信器
30 受信器
31 シーケンスコントローラ
32 コンピュータ
33 入力装置
34 表示装置
35 演算装置
36 記憶装置
37 寝台
40 シーケンスコントローラ制御部
41 k空間データベース
42 画像再構成部
43 画像データベース
44 画像処理部
45 ケミカルシフトデータ記憶部
46 シミング条件設定部
47 共鳴周波数取得部
48 撮影条件設定部
49 周波数スペクトル取得部
50 共鳴周波数検出部
51 周波数補正部
52 物質指定部
53 第1の周波数設定部
54 第2の周波数設定部
55 磁化条件設定部
56 脂肪抑制指定部
60 周波数スペクトル
61 指示記号
P 被検体

Claims (7)

  1. 少なくとも水とシリコーンのケミカルシフトデータを保存するケミカルシフトデータ保存部と、
    静磁場の均一性を調整した後に周波数スペクトラムを取得するスペクトラム取得部と、
    前記取得した周波数スペクトラムから、シリコーンおよび水のいずれか指定された一方の第1の物質の共鳴周波数を特定し、第1の励起パルスの中心周波数を前記特定した第1の物質の共鳴周波数に合わせる第1の周波数調整を実行する第1の調整部と、
    前記第1の励起パルスを用いて第1のケミカルシフトイメージングスキャンを実行することによって、前記第1の物質を含む領域から第1の磁気共鳴信号を収集し、前記第1の磁気共鳴信号を用いて前記第1の物質を強調した画像を生成する第1のイメージング処理を実行する第1のイメージング処理部と、
    シリコーンおよび水の他方の第2の物質の共鳴周波数を、前記特定した第1の物質の共鳴周波数に対して、前記ケミカルシフトデータ保存部に保存された水とシリコーンのケミカルシフトの差だけシフトさせて決定し、第2の励起パルスの中心周波数を前記決定した第2の物質の共鳴周波数に合わせる第2の周波数調整を実行する第2の調整部と、
    前記第2の励起パルスを用いて第2のケミカルシフトイメージングスキャンを実行することによって、前記第2の物質を含む領域から第2の磁気共鳴信号を収集し、前記第2の磁気共鳴信号を用いて前記第2の物質を強調した画像を生成する第2のイメージング処理を実行する第2のイメージング部と、
    前記周波数スペクトラムの取得、前記第1の周波数調整、前記第1のイメージング処理、前記第2の周波数調整、及び前記第2のイメージング処理を、この順序で連続して自動実行する制御部と、
    を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記第1のイメージング部は、前記第2の物質の共鳴周波数帯域とオーバーラップしないように周波数帯域およびロブ長の少なくとも一方を調整した前記第1の励起パルスに続いて前記第1の励起パルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場と極性が逆のスライス選択用傾斜磁場をリフォーカスパルスとともに印加するシーケンス、前記第1の物質についてのケミカルシフトデータに基いて前記第1の磁気共鳴信号が強調されるように2項分布に従う割合で励起パルスを分割したコンポーネントパルス間の時間を磁化条件として調整したシーケンスおよび前記第1の物質についてのケミカルシフトデータに基いて前記第1の磁気共鳴信号が強調されるようにリフォーカスパルス前後に印加されるπパルスおよび−πパルスと前記リフォーカスパルスとのそれぞれの間の時間を磁化条件として調整したシーケンスのいずれかのシーケンスを用いることによって前記第1のケミカルシフトイメージングスキャンを実行するように構成される一方、
    前記第2のイメージング部は、前記第1の物質の共鳴周波数帯域とオーバーラップしないように周波数帯域およびロブ長の少なくとも一方を調整した前記第2の励起パルスに続いて前記第2の励起パルスとともに印加されるスライス選択用傾斜磁場と極性が逆のスライス選択用傾斜磁場をリフォーカスパルスとともに印加するシーケンス、前記第2の物質についてのケミカルシフトデータに基いて前記第2の磁気共鳴信号が強調されるように2項分布に従う割合で励起パルスを分割したコンポーネントパルス間の時間を磁化条件として調整したシーケンスおよび前記第2の物質についてのケミカルシフトデータに基いて前記第2の磁気共鳴信号が強調されるようにリフォーカスパルス前後に印加されるπパルスおよび−πパルスと前記リフォーカスパルスとのそれぞれの間の時間を磁化条件として調整したシーケンスのいずれかのシーケンスを用いることによって前記第2のケミカルシフトイメージングスキャンを実行するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. イメージング対象となる物質の名称、イメージングに用いるシーケンスの名称、イメージングの目的およびイメージング対象となる物質についてのケミカルシフトデータのいずれかを特定することによって前記第1の物質および前記第2の物質を指定する物質指定部をさらに設けたことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記第1の調整部は、
    前記第2の物質の共鳴周波数が前記第1の物質の共鳴周波数であると誤って特定された場合に、特定された前記第2の物質の共鳴周波数を前記ケミカルシフトデータに基いて前記第1の物質の共鳴周波数に補正し、前記第1の励起パルスの中心周波数を前記補正した第1の物質の共鳴周波数に合わせる、
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. シリコーンの共鳴周波数に合わせた中心周波数で行われる前記第1または第2のいずれかのイメージング処理では、脂肪抑制パルスの印加を伴うケミカルシフトイメージングスキャンを実行することによって、脂肪を含む領域からの信号を抑制しつつ前記シリコーンを含む領域から磁気共鳴信号を収集し、前記磁気共鳴信号を用いて前記シリコーンを強調した画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 前記第1の調整部は、
    前記共鳴周波数補正部は、前記周波数スペクトルにおける前記第1の物質の共鳴周波数のピークの位置に基いて、前記第2の物質の共鳴周波数が前記第1の物質の共鳴周波数であると誤って特定されたか否かを検知するように構成されることを特徴とする請求項4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  7. 前記第1の調整部は、
    シリコーンの共鳴周波数が水の共鳴周波数であると誤って特定された場合に、前記特定されたシリコーンの共鳴周波数を前記ケミカルシフトデータに基いて前記水の共鳴周波数に補正するように構成されることを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置。
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