JP5066710B2 - 精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法 - Google Patents

精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5066710B2
JP5066710B2 JP2007014795A JP2007014795A JP5066710B2 JP 5066710 B2 JP5066710 B2 JP 5066710B2 JP 2007014795 A JP2007014795 A JP 2007014795A JP 2007014795 A JP2007014795 A JP 2007014795A JP 5066710 B2 JP5066710 B2 JP 5066710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pqbp
gene
dpqbp
mental retardation
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007014795A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008178351A5 (ja
JP2008178351A (ja
Inventor
均 岡澤
Original Assignee
国立大学法人 東京医科歯科大学
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 国立大学法人 東京医科歯科大学 filed Critical 国立大学法人 東京医科歯科大学
Priority to JP2007014795A priority Critical patent/JP5066710B2/ja
Publication of JP2008178351A publication Critical patent/JP2008178351A/ja
Publication of JP2008178351A5 publication Critical patent/JP2008178351A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5066710B2 publication Critical patent/JP5066710B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、精神発達遅滞の非ヒト動物モデル及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法に関する。
精神発達遅滞(MR)とは、精神の発達停止あるいは発達不全の状態であり、発達期に明らかになる全体的な知能水準に寄与する能力、例えば認知、言語、運動及び社会的能力の障害によって特徴づけられる。精神発達遅滞は、さまざまな原因によって引き起こされ、染色体異常や、妊娠出産時の事故などといった脳の発達に支障を及ぼす要因が原因になり得る。
一方で、PQBP−1(Polyglutamine tract binding protein)は転写因子であるBrn2のポリグルタミン配列に結合するタンパク質として同定され、ポリグルタミン病原因遺伝子であるataxin−1(AT−1)やhuntingtin(Htt)と共局在及び相互作用する事が報告されている。また、PQBP−1は、ヒトにおいてはX染色体に位置し、3つの主要な領域がある事が知られている。一つは、RNAポリメラ−ゼIIと結合するWW領域(WWD)。二つ目は、スプライシング因子複合体U5の構成成分であるU5−15kDと相互作用する事が判っているC末端領域(CTD)。そして、ポリグルタミン病の原因遺伝子に含まれるポリグルタミン配列と結合するpolar−rich amino acid repeat領域(PRD)である。これらの構造上の特徴から、PQBP−1はポリグルタミン病のみならず、転写やRNA代謝など生物の生命活動に不可欠なプロセスに関与していることが示唆される(例えば、非特許文献1参照)。
最近では、PQBP−1遺伝子中のWWDとCTD間の結合領域での挿入又は欠損により高頻度でヒト精神発達遅滞が引き起こされると共に、CTD内に変異をもつ精神発達遅滞患者には、この領域の部分的な欠損がみられる事が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
また、現在までPQBP−1は、Renpenning症候群やSutherland−Haan症候群、Golabi−Ito−Hall症候群として知られるX染色体関連精神発達遅滞の原因遺伝子であることが報告されている。
しかしながら、PQBP−1遺伝子は生物種によって構造が大きく異なっている場合もあり、ヒト以外の生物における機能及び作用機序については、不明な点が多い。特に、精神発達遅滞におけるPQBP−1の病的機能については、全く判明しておらず、PQBP−1遺伝子を標的とした精神発達遅滞のモデル動物については、未だに作成されていない。
Okazawa H, Sudol M, Rich T. PQBP−1(Np/PQ): A polyglutamine tract−binding and nuclear inclusion−forming protein. review..Brain Res Bull 2001 1;56(3−4):273−80. Kalscheuer VM, et al. Mutations in the polyglutamine binding protein 1 gene cause X−linked mental retardation. Nat Genet. 2003 23;35(4):313−5.
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、精神発達遅滞の非ヒトモデル動物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記精神発達遅滞の非ヒトモデル動物を用いて、精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。即ち、ヒトPQBP−1の相同遺伝子であるdPQBP−1を機能欠損させた、精神発達遅滞の非ヒトモデル動物としてのショウジョウバエは、学習獲得能力の低下、寿命短縮、性行動の亢進、概日時計の乱れといった、行動異常が引き起こされるという知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> PQBP−1の機能が欠損している精神発達遅滞の非ヒトモデル動物を用いたことを特徴とする精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法である。
<2> PQBP−1遺伝子の変異によって、PQBP−1の機能が欠損しているモデル動物を用いた前記<1>に記載の方法である。
<3> PQBP−1遺伝子内のWW領域の変異によって、PQBP−1の機能が欠損しているモデル動物を用いた前記<2>に記載の方法である。
<4> PQBP−1遺伝子の発現制御領域の変異によって、PQBP−1の機能が欠損しているモデル動物を用いた前記<1>に記載の方法である。
<5> 染色体上の両アレルに前記変異を有するモデル動物を用いた前記<2>から<4>のいずれかに記載の方法である。
<6> 学習獲得能力の低下、寿命短縮、性行動の亢進及び概日時計の乱れのうち、少なくともいずれか一つを有するモデル動物を用いた前記<1>から<5>のいずれかに記載の方法である。
<7> 動物がショウジョウバエであるモデル動物を用いた前記<1>から<6>のいずれかに記載の方法である。
<8> 学習獲得能力、寿命、性行動及び概日時計のうち、少なくともいずれか一つを測定する前記<1>から<7>のいずれかに記載の方法である。
本発明によれば、精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法を提供することができる。
以下、本発明の精神発達遅滞の非ヒトモデル動物について詳細に説明する。
(精神発達遅滞の非ヒトモデル動物)
本発明の精神発達遅滞の非ヒトモデル動物は、PQBP−1の機能が欠損していることを特徴とする。
<PQBP−1>
本発明において、「PQBP−1」(Polyglutamine tract binding protein)とは、転写因子であるBrn2のポリグルタミン配列に結合するタンパク質として同定され、ポリグルタミン病原因遺伝子であるataxin−1(AT−1)やhuntingtin(Htt)と共局在及び相互作用する事が報告されている。
なお、PQBP−1の呼称は種によって異なり、例えば、ショウジョウバエの場合には、dPQBP−1と呼ばれている。
本発明において、「PQBP−1の機能が欠損している」とは、PQBP−1遺伝子がコードしているPQBP−1タンパク質の機能が欠損していることを意味し、具体的には、PQBP−1タンパク質の産生量が欠損ないし低下している場合や、PQBP−1タンパク質の産生量に変化がなくてもPQBP−1タンパク質の活性が欠損ないし低下している場合を含む。
ここで、前記「PQBP−1タンパク質の活性」とは、PQBP−1タンパク質が本来有する活性であって、前記活性の欠損ないし低下によって動物が精神発達遅滞の症状を呈するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリグルタミン配列との結合活性、RNAポリメラーゼIIとの結合活性、スプライシング因子複合体U5の構成成分であるU5−15kDと相互作用する活性、転写抑制作用などが考えられる。
このようなPQBP−1の機能の欠損は、PQBP−1遺伝子の変異やPQBP−1遺伝子の発現制御領域の変異などにより生じさせることができる。また、PQBP−1の機能の欠損は、正常なPQBP−1のタンパク質やmRNAを分解又はその活性を阻害する物質を産生させる改変により生じさせることもできる。
PQBP−1遺伝子の塩基配列は、例えばヒト、マウス、ナズナ、線虫、ショウジョウバエにおいて公知であり、その配列はGenBank(NCBI)などの公共データベースを通じて容易に入手することができる(例えば、ショウジョウバエdPQBP−1:NCBI accession number NM−143074)。また、公共データベースにその配列が登録されていない非ヒトモデル動物の場合には、常法により、既知の動物のPQBP−1遺伝子との相同性から、そのPQBP−1遺伝子をクローニングし、配列を決定することができる。
前記「PQBP−1遺伝子の変異」とは、PQBP−1遺伝子配列の欠失、置換、付加及び挿入のうち、少なくとも一つを含むものとする。前記PQBP−1遺伝子において前記欠失、置換、付加又は挿入を行う部位は、PQBP−1の機能が欠損しうる限り特に限定されるものではなく、エキソンだけでなくイントロンも含む。
さらに、本発明者らの知見により、ショウジョウバエの知能や他の行動に関してPQBP−1遺伝子内のWW領域が重要であることが示唆された。したがって、精神発達遅滞に関連するPQBP−1の機能を欠損させるために、PQBP−1遺伝子の中でもWW領域において変異していることが特に好ましい。WW領域は、RNAポリメラーゼIIと結合する領域として知られている。なお、WW領域が重要であるという知見に関しては、後記する実施例において詳細に説明する。
前記「PQBP−1遺伝子の発現制御領域の変異」とは、PQBP−1遺伝子の発現制御領域の欠失、置換、付加及び挿入のうち、少なくとも一つを含むものとする。前記発現制御領域としては、例えば、プロモーター、エンハンサー、サプレッサーなどが挙げられ、前記発現制御領域において前記欠失、置換、付加又は挿入を行う部位は、PQBP−1の機能が欠損しうる限り特に限定されるものではない。
また、ポリアデニル鎖付加シグナル、ターミネーターなどの変異によりPQBP−1遺伝子の発現を低下させてもよい。
そして、前記「PQBP−1遺伝子の変異」及び前記「PQBP−1遺伝子の発現制御領域の変異」により本発明の非ヒトモデル動物のPQBP−1の機能を欠損させる場合には、染色体上の両アレルに同じ変異を有する方が、より確実にPQBP−1の機能を欠損させることができる点で好ましい。ただし、変異した遺伝子にコードされるタンパク質がドミナントネガティブである場合には、染色体上の一方のアレルのみの変異であっても充分にPQBP−1の機能が欠損しうるので、必ずしも染色体上の両アレルに同じ変異を有している必要はない。
−非ヒトモデル動物−
本発明における非ヒトモデル動物は、本来PQBP−1遺伝子を有する動物のうち、ヒト以外であればどのような動物であってもよく、「動物」には非ヒト哺乳動物だけでなく昆虫などの非脊椎動物も含むものとする。非ヒト哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、サルなどが用いられる。非脊椎動物としては、例えば、ショウジョウバエ、線虫などが用いられる。また、あらゆる「動物」の中では、ショウジョウバエが、X染色体関連精神発達遅滞の疾患モデル動物として既に利用されており、知見が蓄積されている点で特に好ましい。また、ショウジョウバエであれば、扱いが容易であり、繁殖させやすいという点でも非ヒトモデル動物として好ましい。
<PQBP−1を欠損させた非ヒトモデル動物の作成方法>
PQBP−1を欠損させた非ヒトモデル動物の作成方法としては、特に制限はなく、常法のトランスジェニック動物やノックアウト動物の作成方法から目的に応じて適宜選択することができる。PQBP−1遺伝子の塩基配列が既知の場合には、相同組替えを利用して欠損させることが好ましい。
具体的には、ターゲティングベクターを作成する工程、ターゲティングベクターをES細胞に導入する工程、前記ES細胞を胚盤胞に導入する工程、及び、胚盤胞を仮親の子宮に移植する工程により作成する。なお、前記ターゲティングベクターには、通常、導入する変異の5’及び3’に連結された相同領域、ポジティブセレクション用のマーカーなどが含まれる。
また、非脊椎動物、例えば、昆虫であれば、トランスポゾン挿入、RNAi、化学物質誘発性遺伝子変異などにより作成することができる。
(精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法)
精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、本発明の精神発達遅滞の非ヒトモデル動物に対して、経口投与や静脈注射で候補物質を投与し、候補物質の投与前後で、精神発達遅滞の症状(異常行動)を測定する。そして、候補物質の投与前後での測定値を比較することにより、精神発達遅滞の症状の改善する活性を有する物質をスクリーニングすることができる。
前記スクリーニング方法において、学習獲得能力、寿命、性行動及び概日時計のうち、少なくともいずれか一つを測定することが好ましい。なお、本発明の精神発達遅滞の非ヒトモデル動物が、今後、新たな症状を有することが判明した場合には、新たに判明した症状を指標としてスクリーニングしてもよい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1は、dPQBP−1欠損変異体のショウジョウバエについて、匂い条件付け学習・記憶解析を行った実施例である。
<実験材料>
−ショウジョウバエの系統−
1118(CS)系統(野生型)は、神経科学総合研究所の斎藤実先生より供与された。
piggyBacトランスポゾン因子の遺伝子への導入により、ショウジョウバエPQBP−1遺伝子が欠損した変異体w;P{FRT(whs)}2A P{neoFRT}82B PBac{GAL4D,EYFP}CG11820PL00109(dPQBP−1欠損変異系統)、及び、前記dPQBP−1欠損変異系統と遺伝的背景が同様であるw;P{FRT(whs)}2A P{neoFRT}82B(正常系統)は、Bloomington stock centerより購入した。
購入した前記dPQBP−1欠損変異系統のハエは、前記w1118(CS)系統と5回戻し交配を行い、遺伝的背景を野生型に合わせる事で、サイドエフェクトのないw;+/+;PBac{GAL4D,EYFP}CG11820PL00109(dPQBP−1欠損変異系統)を作成した。この戻し交配を行ったdPQBP−1欠損変異系統(以下、「dPQBP−1欠損変異体」と称する。)について、dPQBP−1遺伝子の欠損を確認するために、以下の試験(a)〜(c)を実施した。
(a)dPQBP−1遺伝子地図
常法に従って、dPQBP−1欠損変異体におけるdPQBP−1遺伝子近傍の塩基配列を決定し、遺伝子地図を作成した。
図1は、dPQBP−1欠損変異体におけるdPQBP−1遺伝子とpiggyBacの特徴・導入部位を示す地図である。図1に示すように、piggyBacは、ハエの眼や脳周辺グリア細胞特異的に発現する内在性Pax6遺伝子の制御下で働くEYFP(黄色マーカー遺伝子)と転写活性遺伝子であるGAL4とを含む突然変異誘発トランスポゾン因子であり、dPQBP−1遺伝子の転写開始点より50塩基部位に導入されていた。即ち、piggyBacは、dPQBP−1遺伝子内のWW領域に導入されていた。
(b)蛍光顕微鏡観察
蛍光顕微鏡観察により、piggyBac導入マーカーであるEYFPの発現パターンを確認した。
図2は、野生型とdPQBP−1欠損変異体との蛍光顕微鏡像であって、(A)は野生型の外観についての蛍光顕微鏡像、(B)はdPQBP−1欠損変異体の外観についての蛍光顕微鏡像、(C)は、dPQBP−1欠損変異体の頭部の凍結切片についての蛍光顕微鏡像である。図2(A)で示す野生型ではEYFPの発現が確認できなかったのに対し、図2(B)で示すdPQBP−1欠損変異体では眼以外にもアンテナなどの数箇所の部位でEYFPの発現を確認できた。さらに、図2(C)に示すように、dPQBP−1欠損変異体では、眼と神経系でのEYFPの発現を確認できた。
(c)ノーザンブロット解析
ノーザンブロット解析により、dPQBP−1遺伝子の発現を調べた。ノーザンブロット解析は、以下の手順で行った。
dPQBP−1欠損変異体の頭部を採取し、TRIZOL Reagent(Invitrogen)を用いてトータルRNAを抽出した。その後、MOPSバッファー中のホルムアルデヒド−アガロースゲルで、15μgのRNAを電気泳動して分離し、Hybond−Nメンブラン(Amersham Bioscience)にRNAを転写した。メンブランに転写したRNAをUV−cross link(120000μJ/cm)でメンブレンに固定した。プローブはdPQBP−1 EcoRI/NotI DNA断片を用いた。プローブを[α−32P]dCTP(Amersham Bioscience)とrandom primer DNA labeling kit(Takara)を用いて放射標識し、RNAを転写したメンブレンに60℃、一晩、ハイブリダイズした。1×SSCバッファー,0.1%SDS,50℃,20分で二回洗った。メンブレンをX線フィルムに当て、−80℃で適当な時間置いた後、バンドを検出した。野生型及びw;P{FRT(whs)}2A P{neoFRT}82B(正常系統)についても、同様に解析した。
図3は、ノーザンブロット解析の結果を示す図である。図3に示すように、野生型及びw;P{FRT(whs)}2A P{neoFRT}82B(正常系統)ではdPQBP−1遺伝子の発現が見られたのに対し、dPQBP−1欠損変異体ではdPQBP−1遺伝子の発現は全く見られなかった。
以上のようにdPQBP−1遺伝子の欠損が確認された、dPQBP−1欠損変異体について、匂い条件付け学習・記憶解析を行った。なお、対照としては野生型を用いた。
<方法>
匂い条件付け学習・記憶解析の評価方法としては、1985年にTullyらによって開発されたティーチングマシンによる匂い条件付けを採用した。具体的には、以下の手順で行った。
約100匹のハエをトレーニングチャンバーに入れ、まず3−Octanol(OCT)を嗅がせながら電気ショック(60V)を1分間与える。次いで4−Methylcyclohexanol(MCH)を電気ショックなしで1分間嗅がせる。OCTと電気ショックの関係を学習したハエは、テストで2つの匂いを嗅がせた時に、電気ショックのなかったMCHの方(正解)のチューブに移動する。正答率は、Performance Index(PI)として、下記(1)式により算出した。次に電気ショック時に嗅がせる匂いをMCHにして同様の操作を行い、2つのPI値の平均値を算出した(n=1)。
なお、0時間後の記憶特性はトレーニング直後にテストを行うことで評価した。1時間後及び3時間後の記憶特性は、トレーニングを1回実施してから1時間後及び3時間後にテストを行うことで評価した。24時間後の記憶特性は、トレーニングを1時間毎に5回実施してから24時間後にテストを行うことで評価した。
Figure 0005066710
・・・・・・(1)
<結果>
図4は、匂い条件付け学習・記憶解析の結果を示すグラフであって、(A)は、0〜3時間後の記憶特性を示すグラフであり、(B)は24時間後の記憶特性を示すグラフである。
図4(A)で示すように、dPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)は、匂いと電気刺激を関連づけてハエに覚えさせるトレーニングを行ってから直後に匂いをテストする0時間記憶(学習獲得能力テスト)が、野生型よりも顕著に低いことが判った。しかしながら、その後の記憶保持に関しては、1時間・3時間までの記憶の低下が野生型と同様のパターンを示す事から、短期記憶から中期記憶までの記憶保持は正常であることが示唆された。
また、図4(B)で示すように、長期記憶を評価する24時間記憶解析においても野生型に比べdPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)では記憶の大幅な減少が見られたが、一定の記憶は保持されていた。
実施例1によれば、dPQBP−1欠損変異体の学習獲得能力は顕著に低下するが、学習段階以降の記憶過程においては、正常に記憶は保持されることが判った。
(実施例2)
実施例2は、dPQBP−1欠損変異体のショウジョウバエについて、匂い回避嗅覚機能及び電気刺激感覚・運動機能解析を行った実施例である。
なお、実施例2で用いたdPQBP−1欠損変異体及びその対照としての野生型は、実施例1の<実験材料>で記載されたものと同じであるので、説明は省略する。
<方法>
匂い回避嗅覚機能解析の評価方法としては、実施例1の匂い条件付け学習・記憶解析で用いたティーチングマシンにおいて、匂い物質(ハエの嫌う匂い)OCT又はMCHをそれぞれ別々に空気(無臭)と同時に90秒間嗅がせ、OCT又はMCHの匂いに対して匂いのない方向へ逃げたハエの数を前記(1)式に当てはめ、PI値を算出する事で匂い回避嗅覚機能を評価した。なお、実施例2で使用したOCT又はMCHの濃度は、実施例1の匂い条件付け学習・記憶解析時に用いたものと同じ濃度(原液濃度)と1/10濃度である。
電気刺激感覚・運動機能解析の評価方法としては、60V及び20Vの電気刺激と電気刺激のない条件を90秒間同時に与え、電気が流れるグリッドから、電気刺激のないチューブに逃げたハエの数より、匂い回避嗅覚機能解析と同様にPI値を算出し、電気刺激に対する感覚・運動機能を評価した。
<結果>
表1は、匂い回避嗅覚機能及び電気刺激感覚・運動機能解析の結果を示す表である。
Figure 0005066710
表1に示すように、匂い回避嗅覚機能において、野生型とdPQBP−1欠損変異体(表中では、piggyBacPQBP−1と記載)と間に差は見られなかった。また、電気刺激感覚・運動機能においても、野生型とdPQBP−1欠損変異体との間に差は見られなかった。
実施例2によれば、学習・記憶能力値に影響する要因として考えられる匂いに対する嗅覚機能及び電気刺激に対する感覚・運動機能が、dPQBP−1欠損変異体において正常であることが示された。したがって、実施例1の匂い条件付け学習・記憶解析の結果は、dPQBP−1遺伝子欠損依存的に引き起こされたことが示唆された。さらには、dPQBP−1欠損変異体において、匂い記憶の中枢であるキノコ体や匂い刺激を伝える投射神経で、形態的又は機能的変化が引き起こされている可能性が示唆された。
(実施例3)
実施例3は、dPQBP−1欠損変異体のショウジョウバエについて、寿命解析を行った実施例である。
なお、実施例3で用いたdPQBP−1欠損変異体及びその対照としての野生型は、実施例1の<実験材料>で記載されたものと同じであるので、説明は省略する。
<方法>
寿命解析の評価方法は以下の手順で行った。
ハエを孵化後から4時間以内にバージンの状態で採取し、通常のエサ(コーンミール/アガー含む)の入ったバイアル1本につき雄・雌それぞれ25匹ずつ分けて回収した。これを各8バイアルずつ(w1118(CS)系統とショウジョウバエPQBP−1欠損変異体を、それぞれ雄200匹・雌200匹、計400匹ずつ)用意し、解析を試みた。ハエの飼育は、通常の飼育条件である室温25℃・湿度60%の条件下で行った。ハエは3日毎に新しいエサバイアルに移し、死んだハエの数を記録し、日毎のハエ生存率を算出し評価した。この解析は、全てのハエが死ぬまで行った。
<結果>
図5は、寿命解析の結果を示すグラフである。
図5に示すように、野生型よりもdPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)では全体的に極端に寿命が短くなっていた。さらに、これら2つの系統間での最長寿命においても10日以上の差が見られた。
実施例3の結果によれば、dPQBP−1遺伝子欠損依存的にハエの寿命が極端に短くなっていることが判った。
(実施例4)
実施例4は、dPQBP−1欠損変異体のショウジョウバエについて、性行動解析を行った実施例である。
なお、実施例4で用いたdPQBP−1欠損変異体及びその対照としての野生型は、実施例1の<実験材料>で記載されたものと同じであるので、説明は省略する。
<方法>
性行動解析の評価方法としては、1999年にMcBrideらよって確立された性行動解析を用いた。具体的には、以下の手順で行った。
テストに用いるハエ(雄)は、孵化してから4時間以内にバージンの状態で麻酔をかけ、エサ入りバイアルに採取し、明期・暗期が12:12時間の条件下で4−6日間飼育した後、解析に用いた。また、前記テストバエの対象のハエ(w1118(CS)系統)は、孵化してから3時間以内のバ―ジンの雌、又は、孵化後30分以内に採取し、孵化3時間以内のバージンの雄を用いた。
解析は、直径15mm,深さ5mmのガラス交配チャンバー(Ikeda工房)中に、麻酔をかけていないテスト雄ハエとバージン雌又はバージン雄を同時に入れ、10分間観察する事で行った。Courtship Index(CI)は、10分間の観察時間に対し、テストハエが対象ハエに求愛行動を示した時間の割合から評価した。全ての解析は、明期に行った。
<結果>
図6は、性行動解析の結果を示すグラフであって、(A)は、テストバエ雄の対象ハエ雌への性行動を示すグラフであり、(B)は、テストバエ雄の対象ハエ雄への性行動を示すグラフである。
図6(A)に示すように、w1118(CS)系統のバージンの雌に対する野性型の成熟した雄の求愛活動は観察時間の約2割であったのに対し、dPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)の成熟した雄ではおよそ5割程度の求愛活動を示し、亢進した性行動が認められた。
さらに、図6の(B)に示すように、バージンの雌とは異なる形態及びフェロモン特性を持つ未成熟な雄に対しても積極的に性行動を示し、バージン雌に対する求愛活動と同程度の性行動がdPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)で観察された。面白いことに、ここで見られた性行動の殆どが求愛行動の初段階である対象バエの後を追いかけ翅をパタつかせる段階で見られた。
実施例4の結果によれば、dPQBP−1遺伝子欠損依存的に雄の亢進した求愛活動が観察された。また、この亢進した性行動は、実施例3で認められたような減少した寿命が関与している事が示唆された。
(実施例5)
実施例5は、dPQBP−1欠損変異体のショウジョウバエについて、概日リズム及び活動性解析を行った実施例である。
なお、実施例5で用いたdPQBP−1欠損変異体及びその対照としての野生型は、実施例1の<実験材料>で記載されたものと同じであるので、説明は省略する。
<方法>
概日リズム及び活動性解析の評価方法は、以下の手順で行った。
1118(CS)系統とショウジョウバエPQBP−1欠損変異体のバージンハエ雄・雌それぞれ8匹ずつ(各16匹)を用いた。これらのハエを一匹ずつDrosophila Activity Monitor装置(Trikinetics)のガラスチューブに移し、明期・暗期が12:12時間(LD)の条件下で2日間概日リズムを同調させた。その後、Appleコンピューターに接続したDrosophila Activity Monitor装置を使い、LD及びDD(暗期のみ)の条件下で各2日間解析を行った。
<結果>
図7は、概日リズム及び活動性解析の結果を示すグラフであって、(A)は、LDの条件下での概日リズム及び活動性を示すグラフであり、(B)は、DD(暗期のみ)の条件下での概日リズム及び活動性を示すグラフである。図7(A)、(B)においては、縦軸は活動量を示し、横軸は、明暗の周期を示している。
図7(A)に示すように、LD条件下においてdPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)は、野生型と同様に光刺激に依存した活動パターン(概日リズム)を示した。
しかしながら、図7(B)に示すように、DD条件下においてdPQBP−1欠損変異体(図中では、piggyBacPQBP−1と記載)は、野生型のような2相性の概日リズムは殆ど見られなく、一日の活動量が全体的に顕著に低い事がわかった。
実施例5によれば、dPQBP−1欠損変異体は、LD条件下では野生型と同様の活動パターン(概日リズム)を示したが、DD条件下では野生型のような概日リズムは殆ど見られなく、顕著な活動能力の低下がみられた。この事は、dPQBP−1が概日時計を制御している時計遺伝子機能又は時計分子シグナル経路に影響している可能性が考えられる。
(その他)
以上のように、本実施例(実施例1ないし実施例5)によれば、ショウジョウバエにおける種々の行動(例えば、学習獲得能力の低下、寿命短縮、性行動の亢進、概日時計の乱れ)はdPQBP−1遺伝子が重要であり、このdPQBP−1欠損変異体が精神発達遅滞疾患のモデル動物になりえる事が証明された。
本発明の精神発達遅滞の非ヒトモデル動物は、精神発達遅滞におけるPQBP−1遺伝子の病的機能の解明に利用することができ、また、精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質のスクリーニングに利用することができる。
図1は、dPQBP−1欠損変異体におけるdPQBP−1遺伝子とpiggyBacの特徴・導入部位を示す地図である。 図2は、野生型とdPQBP−1欠損変異体との蛍光顕微鏡像であって、(A)は野生型の外観についての蛍光顕微鏡像、(B)はdPQBP−1欠損変異体の外観についての蛍光顕微鏡像、(C)は、dPQBP−1欠損変異体の頭部の凍結切片についての蛍光顕微鏡像である。 図3は、ノーザンブロット解析の結果を示す図である。 図4は、匂い条件付け学習・記憶解析の結果を示すグラフであって、(A)は、0〜3時間後の記憶特性を示すグラフであり、(B)は24時間後の記憶特性を示すグラフである。 図5は、寿命解析の結果を示すグラフである。 図6は、性行動解析の結果を示すグラフであって、(A)は、雄の雌への性行動を示すグラフであり、(B)は、雄の雄への性行動を示すグラフである。 図7は、概日リズム及び活動性解析の結果を示すグラフであって、(A)は、LDの条件下での概日リズム及び活動性を示すグラフであり、(B)は、DD(暗期のみ)の条件下での概日リズム及び活動性を示すグラフである。

Claims (7)

  1. PQBP−1の機能が欠損している学習獲得能力の低下、寿命短縮、性行動の亢進及び概日時計の乱れのうち、少なくともいずれか一つの精神発達遅滞を有する非ヒトモデル動物を用いたことを特徴とする精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法。
  2. PQBP−1遺伝子の変異によって、PQBP−1の機能が欠損しているモデル動物を用いた請求項1に記載の方法。
  3. PQBP−1遺伝子内のWW領域の変異によって、PQBP−1の機能が欠損しているモデル動物を用いた請求項2に記載の方法。
  4. PQBP−1遺伝子の発現制御領域の変異によって、PQBP−1の機能が欠損しているモデル動物を用いた請求項1に記載の方法。
  5. 染色体上の両アレルに前記変異を有するモデル動物を用いた請求項2から請求項4のいずれかに記載の方法。
  6. 動物がショウジョウバエであるモデル動物を用いた請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 学習獲得能力、寿命、性行動及び概日時計のうち、少なくともいずれか一つを測定する請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
JP2007014795A 2007-01-25 2007-01-25 精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法 Active JP5066710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007014795A JP5066710B2 (ja) 2007-01-25 2007-01-25 精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007014795A JP5066710B2 (ja) 2007-01-25 2007-01-25 精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008178351A JP2008178351A (ja) 2008-08-07
JP2008178351A5 JP2008178351A5 (ja) 2010-03-11
JP5066710B2 true JP5066710B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=39722751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007014795A Active JP5066710B2 (ja) 2007-01-25 2007-01-25 精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5066710B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6850414B2 (ja) * 2014-07-02 2021-03-31 国立大学法人 東京医科歯科大学 神経幹細胞の増殖の促進に用いられる製剤、神経幹細胞の減少に関連する疾患の予防又は治療に用いられる製剤、シナプス後部形成の促進に用いられる製剤、シナプス後部形成の減少に関連する疾患の予防又は治療に用いられる製剤、及びスクリーニング方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003073098A1 (fr) * 2002-02-28 2003-09-04 Japan Science And Technology Agency Procede de criblage de psychotropes
JP2006075156A (ja) * 2004-08-10 2006-03-23 Mitsubishi Chemicals Corp 新規非ヒト動物
JP4550530B2 (ja) * 2004-09-03 2010-09-22 独立行政法人科学技術振興機構 シナプス成熟障害モデル動物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008178351A (ja) 2008-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DiCarlo et al. Autism-linked dopamine transporter mutation alters striatal dopamine neurotransmission and dopamine-dependent behaviors
Orefice et al. Peripheral mechanosensory neuron dysfunction underlies tactile and behavioral deficits in mouse models of ASDs
Toth et al. Neurite sprouting and synapse deterioration in the aging Caenorhabditis elegans nervous system
Grundmann et al. Generation of a novel rodent model for DYT1 dystonia
Song et al. Functional analysis of dopaminergic systems in a DYT1 knock-in mouse model of dystonia
Tsika et al. Conditional expression of Parkinson's disease-related R1441C LRRK2 in midbrain dopaminergic neurons of mice causes nuclear abnormalities without neurodegeneration
Janus et al. Spatial learning in transgenic mice expressing human presenilin 1 (PS1) transgenes
McDowell et al. Reduced cortical BDNF expression and aberrant memory in Carf knock-out mice
Cook et al. Severe amygdala dysfunction in a MAPT transgenic mouse model of frontotemporal dementia
Kalbassi et al. Male and female mice lacking neuroligin-3 modify the behavior of their wild-type littermates
Gilliam et al. Golden Retriever dogs with neuronal ceroid lipofuscinosis have a two-base-pair deletion and frameshift in CLN5
Finch et al. Primate aging in the mammalian scheme: the puzzle of extreme variation in brain aging
Chen et al. Stxbp1/Munc18-1 haploinsufficiency impairs inhibition and mediates key neurological features of STXBP1 encephalopathy
Shoji et al. Comprehensive behavioral analysis of ENU-induced Disc1-Q31L and-L100P mutant mice
Molnar et al. DAAM is required for thin filament formation and Sarcomerogenesis during muscle development in Drosophila
Volders et al. Drosophila rugose is a functional homolog of mammalian Neurobeachin and affects synaptic architecture, brain morphology, and associative learning
Tamura et al. Drosophila PQBP1 regulates learning acquisition at projection neurons in aversive olfactory conditioning
Abrahams et al. Pathological aggression in “fierce” mice corrected by human nuclear receptor 2E1
Casimiro et al. Targeted point mutagenesis of mouse Kcnq1: phenotypic analysis of mice with point mutations that cause Romano-Ward syndrome in humans
Inoue et al. LMTK3 deficiency causes pronounced locomotor hyperactivity and impairs endocytic trafficking
Flint et al. Animal models of psychiatric disease
Bianchi et al. Forebrain deletion of αGDI in adult mice worsens the pre-synaptic deficit at cortico-lateral amygdala synaptic connections
US20140298494A1 (en) Animal model of autism
JP5066710B2 (ja) 精神発達遅滞の非ヒトモデル動物及び精神発達遅滞の症状を改善する活性を有する物質をスクリーニングする方法
Babovic et al. Age-related behavioural phenotype and cellular characterisation of mice with progressive ablation of D1 dopamine receptor-expressing cells

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120625

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120627

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150