JP5060551B2 - 頭髪の少なくとも一部の合成画像を生成するための方法及びシステム - Google Patents

頭髪の少なくとも一部の合成画像を生成するための方法及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、頭髪の少なくとも一部の外観をシミュレートするための方法及びシステムに関する。
「外観」とは、人の頭皮に植毛された毛の形状すなわち頭髪を意味し、毛の色又は毛のテクスチャの重力場を考慮したシミュレーションが適宜補充して行なわれる。
実際、毛髪のシミュレーションは、仮想の人間を動画化するときに最も困難な問題の1つである。人間の毛髪は、互いに身体と相互作用し、数十万の非常に薄く、伸びないストランド(strand)からなる非常に複雑な材料である。百年にわたり研究され、今となっては古典的な方程式で十分にモデル化される固体又は流体とは異なり、毛髪には未確認のモデルにより記述される殆ど解決されていない問題がまだ残っている。
毛髪の動力学をモデル化することは、多数の困難を提起する。第1に、各々の個々のストランドは、滑らかな、ウェーブ、カールした又は産毛状といったその自然な形状に強く関連する複雑で非線形の力学的傾向を有する。第2に、一組のストランドの動力学は集団的傾向を帯びる。最後に、毛髪全部のシミュレーションは、効率性の点で明らかな問題を提起する。
計算モデルの3つのファミリーが、従来技術における個々の毛髪のストランドの動力学をシミュレーションするのに用いられた。
・非特許文献1及び非特許文献2に記載されるマス・スプリング・システム、
・非特許文献3、非特許文献4及び非特許文献5に記載される2次元投影動力学、
・非特許文献6及び非特許文献7に記載される一連の剛体。
上記第1のモデルのファミリーは、長くて伸長可能な毛髪の一房又は房を動画化するのに適している。
第2のモデルのファミリーは、延伸不能な直毛を効率的に取り扱う。
最後のモデルのファミリーは、毛髪のストランドのねじれ運動を取り扱い、依然として延伸を防ぐことによりリアリティ性を増加させる。
これらのモデルは非常によい結果をもたらしたが、幾つかの重要な毛髪の特徴がまだ考慮されていない。例えば、縮毛の変形は直毛と比較するとかなり特有であるが、従来の処理では単に真っ直ぐで伸長可能な毛髪の房のみをシミュレートし、カールしたストランドはレンダリングだけのために用いられていた。
さらに、従前のモデルのどれも、リアリティ性に対して大きな影響を有する、曲げやツイストの不安定性又は縮れといった非線形の傾向を示すものはなかった。
Rosenblum他著 「Simulating the structure and dynamics of human hair;Modling, rendering, and animation」141−148頁 The Journal of Visualization and Computer Animation 2,4 1991年 Plante他著 「A layered wisp modelfor simulating interactions inside ling hair」139−148頁 EG CAS’01、Springer,Computer Sience 2001年 Anjyo他著 「A simple method for extracting the natural beauty of hair」111−120ページ、1992年 Daldegan他著 「An integrated system for modelling, animating and rendering hair」211−221頁 Computer Graphics Forum 12、3 1993年 Lee and Ko他著 「Natural Hairstyle modelling and animation」67−85頁 Graphical Models 63 2001年 Daldegan他著 「An integrated system for modelling, animating and rendering hair」211−221頁 Computer Graphics Forum 12、3 1993年 Lee and Ko他著 「Natural Hairstyle modelling and animation」67−85頁 Graphical Models 63 2001年 BERTAILLS他著 「Super−Helices for Predicting the Dynamics of Natural Hair」ACM Translation Graphics SIGGRAPH 2006年8月
例えば、化粧品の分野で有益となり得るもので、毛髪又は頭部の動きをシミュレートするシステム又は方法に対する必要性が存在する。
さらに、動画の分野、具体的には例えばムービー又はビデオゲームのようなコンピュータ動画において、毛髪又は頭部の動きをシミュレートするための新規な方法を用いる必要性が存在する。
さらに、自然な又は処置された人間の毛髪の特徴付けを可能にする必要性が存在する。
本発明は、これらの必要性の幾つか又はすべてを満たし、費用対コストを適切なものに維持しながら毛髪の動力学を正確にモデル化することを意図する。
その態様の1つにおいて、本発明は、動いている毛髪の少なくとも一部の合成画像を生成するための方法を提供し、この方法は、少なくとも1つのディレクタ毛に、ねじれ及び曲げにおいて慣性及び剛性を有する伸長不能ロッドの少なくとも1つの機械モデルを適用することにより、前述の少なくとも1つのディレクタ毛の形状を計算し、このように計算されたディレクタ毛の形状から頭髪の少なくとも一部の仮想画像を生成するステップを含む。
なお、「合成の」という用語の同義語は「仮想の」である。また、「ディレクタ毛(director hair)」という用語は、本発明によるロッド機械モデル(a rod mechanical model)を用いてモデル化された毛髪を意味するのに用いられ、これは、1以上の髪の房(lock)を含む毛髪の一部、又は1以上のターゲット毛(target hair)の動きを求めるのに適した方法で動くものである。
本発明の例示的な実施形態は、複数のディレクタ毛の形状を計算することを可能にすることができ、ディレクタ毛の数は、例えばおそらく50〜200までの範囲にある。
従来技術の毛髪の動画とは異なり、本発明は測定された特徴から仮想毛髪をパラメータ化して、引用によりここに組み入れられる非特許文献8に記載される現実的なシミュレーションを生み出すことができる。
例えば、画像シーケンスのような少なくとも一本の毛の合成画像を人間の頭の少なくとも1つの画像に組み込むことができる。これは現実画像であってもよいし、3D画像であってもよい。
本発明による方法の例示的な実施は、顧客にアドバイスすることやヘアケア組成物の効果を勉強することや、ヘアケア組成物を販売促進すること、例えばヘアドレッサー或いはビュティシャン等の専門家を訓練するという状況に適用することができる。
本発明の方法は、さらに動物又は例えば動画フィルム、マンガ、広告スポット、ビデオゲーム、又は実際にはインターネットといったネットワークを介したコンピュータ媒体上で放送される動画シーケンスなどの動画において統合される仮想物体のキャラクタの毛を動画化する状況に適用することができる。
本発明の方法は、少なくとも1つの画像シーケンスを生成するために用いることができる。画像は、例えばビデオカメラのような任意の画像センサ手段で取得された画像を、上述のように動いている毛髪の少なくとも一部の合成画像を生成することにより取得された合成画像上に重ね合わせることにより取得される。
本発明の方法の実施は、さらに少なくとも1つの実際の画像シーケンスと実質的に同様な表現を有する合成画像シーケンスを生成することを可能にする。
本発明は、個人の毛髪又は動物或いは物体の毛の実際の画像シーケンスに類似する合成画像シーケンスを用いることにより、個人の頭髪又は動物或いは物体の毛の動きを再現することを可能にする。
実際の画像のシーケンスは、例えば携帯電話の一部を形成するカメラのように、ビデオカメラを用いて撮影した画像シーケンスに対応させることができる。
「個人の毛髪」という用語は、個人の髪の毛だけでなく、個人の身体の毛のあらゆる他の集合をカバーするものとして理解されるべきである。また、「動物の毛」という用語は、たてがみであれ或いは別のものであれ、動物のあらゆる毛の組をカバーし、さらにあらゆる羽毛の組或いは単一の羽毛の羽枝もカバーするものとして理解されるべきである。
「物体の毛」という用語は、個人の頭髪又は動物の毛と実質的には同じ形状をシミュレートする又は表わすことを意図する糸状要素のあらゆる組をカバーするものとして理解されるべきである。仮想物体は、例えば人格化することができる。その結果、例えば、その物体がアバター(avatar:ネット上での仮の像)を表わすことが意図されるときには、毛髪を有することができる。
本発明の例示的な実施形態は、動画フィルムの場合、例えばビデオゲームのような対話型システムにおける合成されたキャラクタに対して、又はアバターの毛髪を表わすために本発明の方法により取得された合成画像を用いることができる。
ロッド機械モデルに対して選択されたパラメータに応じて、毛が静止しているとき、又は、例えば風又は人が移動するときの頭の動きによりかけられる力のような外力の作用により動かされているとき、毛の形状を求めることができる。本発明は、毛の房と櫛或いは他の身体の部分といった物体によりかけられる力との間の衝突を、シミュレーションにおいて考慮することができる。
例示的な実施である動力学のためのキルヒホッフ(Kirchhoff)の方程式においては、伸長不能な弾性ロッドが、毛の動きを正確に予測するために用いられる。これらの方程式は、曲げ及びねじれに関する毛ストランド(hair strands)の非線形挙動を十分に考慮する。
本発明の例示的な実施は、コッセラロッド(Cosserat)の動力学を用いることにより、毛又は毛髪をシミュレートする問題に対するロバストな解決法を提供する。
本発明の方法は例えば、ロッド機械モデルを毛の各々に適用することにより、幾つかの毛ストランドの挙動をシミュレートするのに用いることができる。
動いている毛髪の少なくとも一部の少なくとも1つの合成画像は、実際の毛髪の一部の少なくとも1つの物理パラメータにより生成することができる。
動いている毛髪の少なくとも一部の少なくとも1つの合成画像は、毛髪の少なくとも一部の少なくとも2つのソース画像により生成することができる。ソース画像は、写真画像又はビデオ画像、スケッチ画像、描画画像又は合成画像とすることができる。ソース画像は、ムービー或いはビデオゲームのためのシナリオの一部、又はムービー或いはビデオに既に存在する画像とすることができる。
本発明の例示的な実施形態は、少なくとも1つの合成画像及びロッド機械モデルのシミュレーションパラメータを調整するための少なくとも1つの要素を、単一スクリーン上で表示することを含む。
本発明の例示的な実施形態は、例えば、実際の毛髪の部分のカールした又は真っ直ぐな外観の関数とするように、現実の毛髪の一部の少なくとも1つの物理特性の関数として、ロッド機械モデルの少なくとも1つのシミュレーションパラメータをユーザが選択することを可能にすることができる。
合成画像を生成するための方法の一例に対応するブロック図である。 毛の合成画像を生成するためのシステムの一例を概略的に表わす。 毛を特徴付けるための方法の一例に対応するブロック図である。 本発明による方法の他の例に対応するブロック図である。 本発明による方法の他の例に対応するブロック図である。 本発明による方法の他の例に対応するブロック図である。 本発明による方法の他の例に対応するブロック図である。 本発明による製品の一例を概略的に表わす。 10のロッド要素で構成されたロッドに適用されたロッド機械モデルの一例を示す図である。 現実の毛髪と、本発明の方法により取得された仮想の毛髪の動きを示す動画シーケンス間の比較を示す。 ディレクタ毛に関連するフレームを示す。 衝突検出目的のための表面エンベロープの例を示す。 毛のシミュレーションの例である。 毛のシミュレーションの例である。 毛のシミュレーションの例である。
本発明は、実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付の図面を調べることにより、より良く理解することができるが、これらに限定されるものではない。
ディレクタ毛から毛髪の一部を生成
毛髪の一部は、1つ又はそれ以上のディレクタ毛の動きに関連する動きを有するターゲット毛(target hair)を用いることにより、シュミレーションのために提供される。
「ターゲット毛(target hair)」という用語は、毛髪の一部を提供し、1つ又はそれ以上のディレクタ毛の動きにより決定される動きをあらわす一方で、1つ又はそれ以上のディレクタ毛又は房(lock)と関連する任意の仮想毛(virtual hair)を意味するのに用いられる。
本発明の例示的な実施においては、ディレクタ毛は、少なくとも一房のターゲット毛と関連し、これに関連するディレクタ毛の動きが与えられる。
他の態様においては、各々のディレクタ毛は、ターゲット毛のそれぞれの房と関連し、これに関連するディレクタ毛の動きが与えられる。一例として、これは、カールした、ウェーブした、又は編まれた毛髪のような一塊の毛に明らかに分けられた毛髪をモデル化することができる。
別の例示的な実施においては、複数のディレクタ毛は一組のターゲット毛と関連し、同じ組のターゲット毛と関連するディレクタ毛に重みを与えることができ、重みは、一組のターゲット毛における毛のストランドに依存させることができる。
所与のディレクタ毛が圧倒的な重みを有する場合には、ターゲット毛の組は、ディレクタ毛の周りでグループ分けされる傾向があり、例えば、動画中、他のディレクタ毛による影響は殆どない。
各々のターゲット毛に種々のディレクタ毛の重みがバランスされる場合には、ターゲット毛の組を構成するターゲット毛のパケットは、動画中、種々のディレクタ毛間で連続してみえる傾向があり、これにより、例えば、連続的で滑らかな外観を呈する毛髪をモデル化できる。
各々のターゲット毛と関連するディレクタ毛の重みは、所与のターゲット毛(ターゲット毛の組における)の根(root)と少なくとも一本のディレクタ毛の根との間の距離の関数として、及び/又は、所与のターゲット毛の自由端(ターゲット毛の組における)と少なくとも一本のディレクタ毛の自由端との間の距離の関数として求めることができる。第2の条件は、自由端が(例えば、肩をおおうといった)障害物上に配置された2つのディレクタ毛の間に毛を挟まないとするのが有益である。
ターゲット毛の組と関連するディレクタ毛の重みは、所与のターゲット毛の自由端と、ターゲット毛の組の少なくとも1つのディレクタ毛の自由端との間の距離の関数として、及び/又は、所与のディレクタ毛の根と、ターゲット毛の組の少なくとも一本のターゲット毛の根との間の距離の関数として、求めることができる。
ディレクタ毛の根とターゲット毛の根との間の距離、又は、それぞれの自由端の間の距離という、2つの距離の少なくとも一方が所定の値を超えたときは、重みゼロがディレクタ毛に与えられる。
本発明の例示的な実施においては、描画ステップ中で所与のターゲット毛の形状を決定するアルゴリズムは以下のようになる。
を、計算される形状のターゲット毛とする。
(1)事前の計算において、は主要なディレクタ毛gmain(又はg0とも標記される)に割り当てられ、さらに頭皮上で主要なディレクタ毛gmainに十分近似するように選択された他のディレクタ毛gi,i∈[1..n]が割り当てられ、頭皮上の主要なディレクタ毛gmainとターゲット毛との間の距離より常に大きくなるように選択される最大距離閾値trと適合する。一例として、この閾値は、主要なディレクタ毛gmainだけでなく、例えば、3〜10の隣接するディレクタ毛また選択できる値に設定してもよい。
ターゲット毛上の各々のディレクタ毛の最初の重みは、次いで、ターゲット毛と種々のディレクタ毛giとの間の頭皮上のユークリッド距離の正規化関数として以下の式で計算することができる。
Figure 0005060551
ここで
Figure 0005060551
はディレクタ毛giの根とターゲット毛の根との間のユークリッド距離である。
(2)その後、各々の時間ステップにおいて、
・動いているディレクタ毛dmainからディレクタ毛giまでの距離が観察される。毛は、その根の近くより先端部の近くに離れるように自由に移動できるため、ディレクタ毛間の相対運動を、その先端部間の距離により測定することができる。各々のディレクタ毛giに対して、ディレクタ毛giの自由端とディレクタ毛gmainの自由端との間の距離、すなわち、
Figure 0005060551

Figure 0005060551
さもなければwi,j=0である。ここで2つの閾値ta及びtbは、ターゲット毛に沿った弧長に比例する。毛に沿ったこの3次元の従属関係は、例えば、根に近い毛の補間を保証し、先端部に近い独立した房の外観を保存する。
弧長sにおけるターゲット毛の位置は、次いで、通常のgmain=g0及び
Figure 0005060551
を用いて、
Figure 0005060551
のように計算することができる。ここでpk,jは、弧長sjにおけるディレクタ毛gk上の点である。
上述のアルゴリズムは、ディレクタ毛に沿った完全な補間からまったく補間のないものまで滑らかに変化する(つまり、個々の毛のクラスタを生み出す)といった毛髪の一部を一組のディレクタ毛から生成することを可能にする。中間状態は、根の近くの特定の補間程度により特徴付けられ、ディレクタ毛の自由端の近くでは補間がない。
実際、補間パラメータの調整は、例えば、ディレクタ毛のカールレベルにより導くことができ、例えば、直毛(全体的に滑らかな態様)に対しては完全な補間を選択し、ウェーブのかかった毛(根の近くでは滑らかな態様、先端部近くでは膨らんだ態様)に対しては半補間を選択し、縮毛(根から先端部まで膨らんだ態様)に対しては補間なしを選択することができる。
ロッド機械モデル(Rod mechanical model)
本発明のロッド機械モデルは、ねじり及び曲げにおいて慣性及び剛性を有する伸長不能なロッド(rod)の機械モデルである。
モデルは、連続する剪断不能なロッドモデルの打ち切り形態とすることができる。
本発明の方法を用いてモデル化されたロッドの例は、各々が一定のねじれ及び曲げを有するロッドのモデルとなり得る一連のロッド要素を含むことができる。
「ロッド要素(rod element)」という用語は、あらゆる螺旋形状要素をカバーするのに用いることができ、さらに、円の弧及び/又は直線セグメントの形態におけるあらゆる縮退要素(degenerate element)に用いることができる。
ロッド要素の動きは、概して、ロッドの動画全体において結合させることができる。
図9は、本発明のロッド機械モデルの実施を示す。毛又は毛髪の一部は、例えば、各々を動画にしてもよいし又はしなくてもよい10個の異なるロッド要素S1...S10で構成されるロッドTによりモデル化することができる。ロッドTは、例えば、堅い(a)、ウェーブのかかった(b)、又は非常に縮れた1本の毛又は毛髪の一部をモデル化することができる。
ロッドは、螺旋形状要素により構成することができ、多数の要素は、例えば1〜10までの範囲で存在する。ロッド機械モデルの自由度の数は、例えば2〜100とすることができ、20〜50であるのがより好ましい。一例として、ロッド機械モデルは、ロッドのCosscrat及びキルヒホッフ(Kirchhoff)理論により構築される。
「ロッド(rod)」という用語は、一次元であること、すなわちその長さがその断面の大きさよりはるかに大きいことが効率的である弾性材料を意味する。ロッドは、長さLの伸長不能なロッドであり、0〜Lまでの範囲にあるsはロッドに沿った弧長であること考慮される。
中心線r(s,t)は、すべての断面の塊の中心を通る曲線である。この曲線は、特定の時間tにおけるロッドの形状を記述するが、その中心線においてロッドがどれだけねじれるかは示さない。ねじれを追跡するために、Cosscratモデルは、図11に示すように、中心線のすべての点において、材料フレームni(s,t)を導入する。「材料」とは、フレームが変形により周囲の材料と共に「流れる」ことを意味する。慣例により、n0は中心線の接線であり、
r’(s,t)=n0(s,t) …(1a)
ここで(nαα=1,2は断面の平面にわたる。素数は、中心線に沿った以下の空間導関数を示す。
Figure 0005060551
一方で、下記式によるドット(・)の表記は、時間導関数をあらわす。
Figure 0005060551
弾性ロッドに対するキルヒホッフモデルは、このCosscratt曲線の数学的記述により開始し、伸長不能性及び剪断不能性の物理的要求を加える。この場合、フレーム(ni(s))i=0,1,2は、すべてのsに対して正規直交であり、ダルブーベクトル(Darboux vector)と呼ばれるベクトルΩ(s,t)があり、
i=0,1,2に対して、n’i(s,t)=Ω(s,t) …(1b)
である。
適切な境界条件を指定しなければならない。例えば、毛ストランドの一端s=0は、頭においてクランプされ、他端s=Lは応力のない先端部である。埋め込み端部の位置は、最初のフレームの配向と共に、頭の動きによりインポーズされ、
Figure 0005060551
ここで下付き文字「c」はロッドの埋め込み端部、s=0を指す。
例えば、両端における自由境界条件といった異なる境界条件は、終点線加速度
Figure 0005060551
及び回転加速
Figure 0005060551
を未知数として考慮し、これらをすべての時間ステップで、この終点における内力及びモーメントに対する方程式を解いて求めることにより取り扱うことができる。
これらの方程式は、これらの線加速度及び回転加速度に関して線形である。次に、線速度及び回転速度、及び終点s=0の位置及び配向は、運動力学方程式を積分することにより、加速度から求めることができる。こうした境界条件は、例えば、幾つかの伸長不能ロッドを鎖状又は樹木状の幾何学的形状で組み合わせるのに有益である。、各々の伸長不能ロッドの終点における境界条件は、変位の連続性、及び、接合部上の力とモーメントのバランスを表わす。
断面及びそのねじれ
Figure 0005060551
の2つの方向に関するロッドの材料曲率(kα(s,t))は、局所的な材料フレームにおいてベクトルΩ(s,t)の座標として定義される。
Figure 0005060551
ねじれに対する冗長な表示ko=τを導入することにより、これらのパラメータをまとめて((ki)s,t)i=0,1,2と呼ぶことができる。
キルヒホッフロッドの自由度は、その材料曲率及びねじれ((ki)s,t)i=0,1,2である。
空間打ち切りは、以下のように行うことができる。
ストランドs∈[0,L]は、図9に示すようにN個のロッド要素(セグメントとも呼ぶことができる)SQに分けられ、
Figure 0005060551
によりインデックスされる。これらのロッド要素は、異なる長さを有することができ、Nは任意の整数N≧1である。
変形可能モデルの材料の曲げ及びねじれは、これらのロッド要素にわたり、区分的な定数関数により定義される。qi,Q(t)は、時間tにおけるロッド要素SQにおける曲率ki(i=1,2に対して)又はねじれk0=τ(i=0に対して)の定数値である。したがって、材料の曲率及びねじれに対する明示的な式は、以下の式のようになる。
Figure 0005060551
ここで、XQ(s)は、ロッド要素Qの特徴的な関数であり、s∈SQである場合には1と等しく、そうでない場合には0である。数qi,Q(t)は、モデルの一般化座標と呼ばれる3Nサイズのベクトルq(t)にまとめられる。
これらの一般化座標q(t)は、どのような所要の時間においても、ロッド形状を再構築するのに用いることができる。実際、方程式(3)を方程式(2)に入れ、次いで、方程式(2)を方程式(1aから1c)に入れることにより、sに関する微分方程式が生み出される。この方程式を積分することにより、中心線r(s)及び材料フレームni(s)がs及びq(t)の関数として取得される。
このように取得された関数は、以下の滑らかさを有する。関数ki(s,t)はsに関する区分的な定数であり、セグメント間の縁において不連続とすることができる。関数ni(s,t)は、変数sに関して連続導関数と連続する。
式を解くことにより、モデルは、すべての要素上で螺旋形に変形することがわかり、こうした本発明のモデルは、超へリックス(Super-Helix)と呼ぶことができる。rSH(s,q)及びni SH(s,q)は、一般化座標による超へリックスのパラメータ化を表わす。
超へリックスの記号的表現
Figure 0005060551
Figure 0005060551
これらの方程式は、要素の明確な再構築を与える。その中心線は螺旋状であり、軸はωに対して平行である。この派生物は、有名なロドリーグ(Rodrigues)の公式と等しい。2つの縮退例が可能であり、別個に考慮されなければならない。曲線は、τ=0であり、k1≠0又はk2≠0であるときに円弧であり、k1=k2=0であるときに直線であり、ねじれていても(τ≠0)又はねじれていなくても(τ=0、Ω=0であることを意味する)よい。
ここで導出された方程式は、中心線及び材料フレームを、要素の左手側sQ Lから右手側sQ Rに伝播するのに用いることができる。次に、ロッド全体は、方程式(1c)によりr及びniが定められている頭皮から開始して、この手順をすべての要素に連続して適用することにより再構築することができる。これにより、関数rSH(s,q)及びni SHの関数に対する公式が生み出され、各々の要素に対して、上で導出された形態を有する。積分定数は、要素境界における連続性により求められる。
最終的に、このことは、超へリックスを定義する関数rSH(s,q)及びni SHの記号的表現をもたらす。
代数を簡単に保つため、要素Aに対して適応されたフレームと呼ばれる特定のフレームにおいてすべての要素SQと関連する計算を実行するのが有益である。この正規直交フレーム(v0 Q,v1 Q,v2 Q)は、v0 Qが要素SQの定数ダルブーベクトルΩと整合され、v2 Qが要素の起点sQ LにおいてΩ×n0(sQ L)と整合されるものである(このことは、ベクトルΩ及びΩ×n0(sQ L)の両方はゼロではないことを前提とする)。要素の起点における適応されたフレームから材料フレームへの変換
Figure 0005060551
Figure 0005060551
により与えられる。
モデルのための動力学的方程式
その構成が一般化座標q(t)に依存する変形可能な本体が与えられると、ラグランジアン(Lagrangian)機構は、その運動方程式
Figure 0005060551
を導出するための系統的な方法を与える。これは、運動のラグランジアン方程式
Figure 0005060551
に、当面のシステムの物理学を記述する、運動エネルギ
Figure 0005060551
内部エネルギU(qt)、及び損失可能性
Figure 0005060551
の表現を供給することにより行われる。方程式(4)の右手側は、ロッドに適用された物理的な力の線密度F(s,t)から導出される一般化された力fiQであり、JiQは、ヤコビアン行列
Figure 0005060551
を定義する。例えば、3つの力の寄与、すなわち毛の重量、係数uをもつ周囲空気からの粘性抵抗(簡単にするために静止状態で考慮される)、及び周囲のストランド及び身体との相互作用力を考慮することができる。
Figure 0005060551
ここで、F(s,t)は単位長当たりロッドに適用された合計外力であり、pSは単位長当たりのロッドの塊であり、gは重力加速度である。他の力、例えば櫛によりかけられた力もまた考慮することができる。
弾性ロッドに関連のある運動の方程式(4)における3つのエネルギは、以下の通りである。
Figure 0005060551
運動エネルギTは、通常の方法において、ロッド速度の関数
Figure 0005060551
として定義される。方程式(5c)における内部エネルギは、ロッドの弾性エネルギである。係数(EI)iは、方向niにおけるロッドの主要な曲げ剛性であり(i=1,2の場合)、(EI)0はねじり剛性であり、μJと書かれる(i=0の場合)。
量ki n(s)はロッドの自然曲率(i=1,2)及びねじれ(i=0)である。これらは外力がないときのロッドの形状を特徴付け、ki(s)=ki n(s)、弾性エネルギは消えつつあり、したがって最小である。
ゼロ自然曲率(α=1,2に対してkα n=0)は直毛をモデル化する。非ゼロ値は、ウェーブがかった、カールした、又は縮れた毛をもたらす。
概して、ロッドの機械的特性は、剛性(EIii=0,1,2及び自然ねじれ及び曲げ(ki n(s))i=0,1,2という6つのエンティティのみにより捕捉することができる。例示的な実施形態においては、sに対する剛性の依存度は無視することができるが、自然ねじれ及び曲げの依存度は無視できない。sをもつ(ki n(s))Iの小さい変動は、より現実的な毛型を可能にする。
方程式(5d)における損失エネルギDにおいて、毛ストランドにおける粘弾性的効果を捕捉ための単純な発見的モデルを選択することができ、係数γは内部摩擦係数である。
方程式(4)に必要なすべての項は、方程式(5)で与えられる。後者を前者に入れることにより、明確な運動方程式が一般化座標q(t)について取得される。
これは、以下に示す超へリックスの運動方程式をもたらす。
Figure 0005060551
この方程式においては、括弧の表示は、すべての関数がその引数により明確な公式により与えられることを強調するのに用いられる。
Figure 0005060551
超へリックスの運動の方程式の実際的な計算
Figure 0005060551
Figure 0005060551
さらに、
Figure 0005060551
これらの計算を実行し、記号的計算ソフトウェアの助けを借りて、帰納関係を実施することが勧められる。
この時点では、上で導出された記号的表現を、ラグランジアンの運動方程式(4)及びエネルギ及びポテンシャル(5)に入れて、方程式(6)におけるすべての項に対する明確な記号的表現を導出することができる。これを行うためには、以下に詳述される2つのステップにおいて進めることが好都合である。第1のステップは、区分的に一定のねじれ又は曲率に対する任意の摂動による、材料フレームの配向に対する摂動
Figure 0005060551
を算出することである。第2のステップは、内力T(s)を算出することである。
Qとラベル表示された特定のロッド要素上の一定のねじれτ=κ0又は曲率κ1又はκ1に対するすべての可能な摂動を考慮する。こうした摂動は、結合[iQ]により索引付けされ、ここでi=0であり(ねじれに対する摂動を考慮するとき)、又は、i=1,(いずれかの曲率が摂動されるとき)である。この摂動に関連する材料フレームの配向の無限小変化δθ[iQ]を考慮する。ねじれ又は曲率が摂動されたときに、材料ベクトルnj(s)の無限小変化は、すべてのj=0,1,2及びすべてのsに対して、δnj(s)=δθ[iQ](s)×nj(s)を満たすという事実により、この量が定義される。この量は、ロッドの起点においての初期条件がδθ[iQ]微分方程式である場合、
Figure 0005060551
を記号的に積分することにより求めることができる。この表現においては、χQは先に導入された要素S上の特徴関数である。
内力T(s)は、平滑設定におけるように、以下の微分方程式の解として定義される。
Figure 0005060551
ここでp(s,t)は、適用された外力のlineic密度である。内力は、境界条件として、適用された力T(L)=TLを用いて求められる。この適用された力は、通常、毛に生じる応力のない先端部に対して、境界条件に依存するTL=0。力がこの終点に適用された場合には、TLの関連値を用いるべきであり、変位が終点において課された場合にはs=L、オペレータにより適用される力TLは問題のさらなる未知数であり、これを求めるためには、は、最終的には、このTLの一次関数であるという事実を用いることができる。力及び加速度に関する以下のT(s)の線形性を用いて、内力を幾つかの寄与に分けることが便利である。
Figure 0005060551

Figure 0005060551
Figure 0005060551

Figure 0005060551

Figure 0005060551
方程式(1から3)が中心線を求めるように積分するとき、又は、内力T(s)を求めるとき、又は上述の積分を算出するときのように、三角関数の不定積分が必要であるときはいつでも、C補正の関数を導入することが推奨される。例えば、以下の積分定数の選択は、サイン関数の不定積分における非平滑関数の導入を避け、
Figure 0005060551
により定義されるC関数であり、y=0であるときに、V(0)=0で継続することにより拡張される。
Figure 0005060551
小さい時間ステップの安定性の向上
すべての時間ステップにおいては、前に概説された部分的に暗黙的な方法によるq及び
Figure 0005060551
の更新法則は、係数が正方行列(M+εγII+ε2K)により与えられる線形システムの解を含み、ここでεは時間ステップであり、IIは3Nサイズの恒等行列である。e≠0において、この行列は正則行列である。しかしながら、前に構築された質量行列Mは行列式0を有し、非常に小さい時間ステップに対して、この線形システムは不良条件となる。このことは、非常に平滑な運動に対して可能である、時間ステップεが大きく保持される場合には問題ではない。しかしながら、例えば、突然の頭の動きを取り扱うために、時間ステップεを小さい値に設定しなければならない場合には、前の方式は不安定なものとなる。
行列Mは、典型的には、ランク2Nのものであるが、サイズ3N×3Nの正方行列であることがわかる。この縮退は、平滑設定から容易に理解することができる。実際、方程式(5b)におけるように、断面の回転慣性が無視されたときには、モーメントの均衡に対するキルヒホッフの式は、M’+n0×T=0と示し、ここでMは内部モーメントであり、Tは内力である。局所的なセッション方向n0に沿って投影されたとき、この方程式は、M’・n0となり、したがって(M・n0)’−(Ω×n0)・M=0である。これは、
Figure 0005060551
と書き直すことができる、この方程式は、境界条件μJ(τ(L))−τn(L))=M0,Lと一緒になり、ここでM0,Lは終点s=Lに適用されたねじれモーメントであり、この終点にストレスがない場合にはM0,Lであり、これは毛に通常生じる。この方程式から、どのようなときも、関数τ(s)は関数κ1(s)及びκ2(s)から及びM0,Lの値から直接求めることができることがわかる。この見解は、Mの縮退の説明となり、断面の回転慣性が無視されたときには、ねじれは独立した変数として考慮されることはできず、代わりに、その値は、材料の曲率値に直接依存する(ねじれは、上述の微分方程式の積分により、全体的に材料の曲率からのみ求めることができる)。
小さいεのための方式の安定性を劇的に改善するのに用いることができる2つの方法を与える。いずれの方法も可能である。第1の方法は、断面の回転慣性を無視しなくするものである。第2の方法は、アルゴリズムを修正して、材料曲線を自変数としてのみ保持し、ねじれは従属変数とするものである。
断面の回転慣性を回復させるために、運動エネルギにおいて付加的な項を含んで、方程式(5b)を以下のように修正しなければならない。
Figure 0005060551
ここでIiは局所的な材料形態(n0,1,n2)における断面の慣性テンソルの対角成分であり(このテンソルはこの形態においては対角であると仮定される)、ωiはこの形態における断面の角速度である。この新しい項は、行列M及び超へリックスの運動方程式における及びベクトルAに対して前に与えられた表現を修正する。修正された表現は、前に与えられたものと同様な推論により見出すことができる。
アルゴリズムの安定性を改善するための別の可能性は、従属変数をねじることである。このことは、幾つかの方法により行うことができる。例えば、各々の螺旋要素のねじれを、すべての他の要素の曲率の関数にすることができる。κi,Qを、要素Qと関連する第1(j=1)又は第2(j=2)の材料曲率とし、
Figure 0005060551
である。超へリックスの要素iのねじれτQは、
Figure 0005060551
により与えられる拘束アプリオリとすることができ、ΦQはN指定関数である。
関数ΦQの2つ可能な選択の組を提案する。第1のものはQ=1,...Nについて
Figure 0005060551
と示され、ここでτQ nは要素Qの自然なねじれである。この選択は、実施するのが非常に容易である。しかしながら、これは、超へリックのねじれ剛性を無限に設定することになり、常に現実的な結果をもたらすものではない。別の提案される関数の組は、
Figure 0005060551
となる。
Figure 0005060551
ねじれが曲率の指定関数である場合には、一般化座標は、各々の要素における材料曲率q2N(t)={κ1,1...,κ1,N,κ2,1...,κ2,N}を含む長さ2Nのベクトルq2N(t)である。一般化座標q2N(t)の運動方程式は、前に説明したものと同様な方法により導出される。具体的には、運動エネルギ及び弾性エネルギに対して、並びに、損失ポテンシャルに対して、同じ表現が用いられる。最終的には、一般化座標の導関数の増分
Figure 0005060551
がサイズ3N×3Nの線形システムの解により特定の時間ステップで与えられた場合には、最初の公式化においては、A・Δy=εBという結果になる。2Nの独立した自由度を有する、新しい減少した運動力学に対しては、増分はサイズ2N×2Nの線形システムを解くことにより、すべての時間ステップで求められ、すなわち、
(L・A・R)・Δy2N=(εL・(B−B0))
となる。
ここで、Δy2Nは、減少した運動力学における問題の一般化座標の時間導関数の未知の増分である
Figure 0005060551
行列Lは寸法2N×3Nを有する。行列Rは寸法3N×2Nを有する。ベクトルB0はサイズ3Nである。行列L及びR及びベクトルB0は、関数Φiの選択を反映し、現行の点q2N(t)において、これらの関数の値及びq2Nに関するその勾配に依存する。行列A及びベクトルBは、最初のアルゴリズム形態で算出されたものである。最後に、行列(L・A・R)により反転される線形システムは、不良条件ではなくなる。
超へリックスモデルの変形態様
前に導出された超へリックスを動画化するための方法は、弧長sの関数として、材料のねじれ及び曲率に対する特定の機能形態から開始し、すなわち、sの区分的な定数関数から開始する。方程式(3)を参照されたい。この特定の関数形態により、運動力学的方程式(1)及び(2)の積分を記号的に作成することができる。ラグランジアン機構によるこのモデルの動画化は、次いで、方程式(5)において与えられたエネルギ及びポテンシャルを用いて可能になる。
この方法の1つの簡単な拡張は、隣接する要素間の縁にディラックのデルタ関数δの形態で寄与を加えることであり、すなわち、方程式(3)を、
Figure 0005060551
で置き換えることであり、ここで一般化座標qは、ねじれ及び材料曲率の区分的定数値qi,Q及びディラック寄与qi,Q δの両方を収集する。このモデルの動的方程式の導出は、最初のものと非常に似ており、実際、これはすべての他の要素の長さを前の公式においてゼロにし、これらの無限小要素におけるねじれ及び曲率の強度を反比例するように増加させることになる。
この変形態様の特定の例は、述べるに値する。ロッド要素に沿って材料曲率を運動力学的にゼロに、(すべてのt及びQに対して、及びi=0に対してqi,Q(t)=0)、材料のねじれがディラック寄与(すべてのt及びQ、及びi=0に対してi,Q δ(t)=0)をもたないように運動力学的に拘束することができる。このモデルに対する運動方程式は、依然として、同じ方法により導出することができる。これは、物理的に、一組の、曲げ接合部と接続された、伸長可能であるがねじることもできる直線セグメントを表わす。これは、曲げ剛性及びねじり剛性の両方を示す連接鎖の自然モデルを提供する。このモデルは、「連接本体動力学」の一般的な分野であり、重要な違いは、これらはねじることができるため、「連結」は剛性ではないことである。
方程式(3)にsに対する異なる関数依存性を課すことにより取得される、モデルの他の変形態様が可能である。区分的定数関数を用いる代わりに、しかしながら、運動力学的方程式の積分をより含むことになり、及び/又は、記号的に作成できないことになり、運動方程式の導出をより困難にすることが欠点である。
エンベロープ表面
例えば、毛の間及び毛と身体又は物体との間の衝突を処理するためにアルゴリズムを用いることができる。
検出は、各々の時間ステップにおいて、互いに最も近い点の対を保持し更新するように作用することによって、毛の動きの時間コヒーレンスを利用することにより、効率的に実行することができる。大量の毛の間の接触は、非保存ペナルティ力により処理することができる。
本発明の例示的な実施においては、少なくとも1つのエンベロープ表面が各々の房に対して計算され、房は、例えば、複数のディレクタ毛を含む組と関連している。少なくとも1つのエンベロープ表面は、各々のディレクタ毛に対して計算することができる。変形態様においては、エンベロープ表面は、図12に示すように、各々のロッド要素に対して計算される。
「エンベロープ表面」という用語は、ロッド機械モデルが適用される要素を含む表面を意味するのに用いられる。エンベロープ表面を定義するパラメータは、エンベロープシリンダの例の助けを借りて、以下により詳細に説明される。
エンベロープ表面は、少なくとも、ディレクタ毛又はロッド要素の曲げ及びねじれの値により、及びディレクタ毛又はロッドの長さにより、別個に計算することができる。一組のエンベロープシリンダは、ロッド要素又はディレクタ毛又は房の周りに生成することができる。各々のロッド要素は、例えば、1〜3までの範囲で存在する、異なる数のエンベロープシリンダにより取り囲むことができる。エンベロープシリンダは、ロッド要素又は螺旋形状のディレクタ毛の周りに生成することができる。
ロッド要素、ディレクタ毛、又は房は、例えば1〜3までの範囲で存在する数のような異なる数のエンベロープシリンダの助けを借りて、モデル化することができる。衝突は、エンベロープ表面間で検出することができる。
衝突は、少なくとも1つのエンベロープ表面と、身体又は物体を表わす少なくとも1つの外面との間で検出することができる。身体又は物体を表わす外面は、例えば、少なくとも1つのエンベロープ球面又は少なくとも1つのエンベロープ平面によりモデル化することができる。本発明の実施においては、2つの異なるエンベロープ表面の少なくとも2つの主軸の間の距離は、時間で追跡される。観察される距離は、例えば、エンベロープシリンダの主軸と別のエンベロープシリンダの主軸との間の距離に対応することができ、又は、エンベロープ球面の中心とエンベロープシリンダの中心との間の距離、又は実際には、エンベロープシリンダの主軸とエンベロープ平面に属する点との間の距離に対応することができる。
2つのエンベロープ表面の主軸にそれぞれ属する複数の点の対の間の距離は追跡することができ、点の各対は追跡セグメントを定義する。追跡セグメントは、例えば、2つの異なるエンベロープシリンダの2つの異なる主軸に属する2つの点を相互接続するセグメントに対応することができ、又は実際は、一方の点はエンベロープシリンダの主軸に属することができ、他方の点はエンベロープ球面の中心であり、又は一方の点はエンベロープシリンダの主軸に属することができ、他方はエンベロープ平面に属することができる。
衝突は、少なくとも2つのエンベロープ表面の間、又はエンベロープ表面と身体又は物体を表わす外面との間で、以下のように検出することができる。
・追跡セグメントの各々の長さが所定の値distmaxより大きいとき衝突はなく、少なくとも2つのエンベロープ表面の追跡セグメントは中断され、こうした状況の下では、前に観察された点の対の付近にある複数の点の対の間の距離が追跡される。
・追跡セグメントの各々の長さが所定の値distminより小さいとき、衝突面間の相互浸透に比例する弾性ペナルティ力を、ロッド機械モデルに適用することができる。
変形態様において、衝突を処理するときにいわゆるラグランジアンの乗数法を適用することができる。ペナルティ力は、弾性垂直成分及び粘性摩擦をモデル化する接線成分を含むことができる。
少なくとも1つのエンベロープ表面と少なくとも1つの他のエンベロープ表面又は外面との間の衝突中に適用されるペナルティ力は、衝突している表面のエンベロープ表面の1つの主軸に投影される相対変位方向の関数とすることができる。このことは、人間の毛のスケールの配向を考慮し、シミュレーションの現実感を改善することを可能にすることができる。
少なくとも2つのディレクタ毛の間、又は少なくとも二房の毛の間で、効率的かつ精密な方法で生じることがある衝突を検出するために、本発明の方法はステップを含む。
・房が螺旋状に巻かれる程度まで、ある期間にわたり自動的に適応する数及びサイズの、適応可能な円筒形包含エンベロープを房の周りに用いる。
・各々の時間ステップにおいて、包含シリンダの主軸間で互いに最も近い点の対を追跡する。
適応円筒形包含エンベロープ
ディレクタ毛の要素Qiを包含する量は、例えば、螺旋の回転が十分に沢山あり、互いに密であるときのディレクタ毛の螺旋形状、或いは、例えば、要素の局所的な平均接線に沿って配向される1つ又は2つのような複数のシリンダのように、ディレクタ毛の形状を包含する単一のシリンダで構成することができる。このアルゴリズムは、以下に説明される。
螺旋の半径rh及びピッチΔhは、以下の公式
Figure 0005060551
を用いて、対応するロッドの曲げ及びねじれκ1,κ2,τから推論できる。ここで、
Figure 0005060551
である。螺旋部分が続く回転の数ntwistは、以下のように計算することができる。
Figure 0005060551
ここでliは要素Qiの長さである。
要素Qiにより記述される回転数、及び回転の「堅さ」を表わす螺旋のピッチΔhは、考慮中の要素に適応される包含量を選択するための基準として用いることができる。これらの基準は、各々の時間ステップにおいて再評価することができる。したがって、包含量は、毛の房の現在の形状を適応させる傾向がある。
Figure 0005060551
以下では、「ガイド量」という用語は、対応する房(包含シリンダの組)に対するディレクタ毛から定義された包含量を意味するように用いられる。
互いに最も近接する点の対の追跡
互いに最も近接する点の対は、上で定義されるように、異なる房の包含量として用いられるシリンダの主軸間で追跡することができる。これは、互いに密接したセグメントの対を追跡することになる。
セグメント対のリストは、シミュレーション中に互いに密接するセグメント対を含むことができる。開始時、リストは、毛の根に隣接するセグメントのすべてを取り込むことにより形成することができる対のすべてにより初期化することができる。次に、リストは、各々の時間ステップで更新することができる。
各々のセグメント対(segi,segj)に対して:
・segi,segjに隣接するセグメントから形成された(例えば、9つのセグメントのような)セグメントの対を試験し(取り込まれる2つのセグメントの近傍は前述のセグメントがそれらの共通のガイド容量に沿って隣接することを意味する)、新しい隣接するセグメントの対が抽出され、これが前の対と置き換えられることを可能にする。この方法は、相互作用する房に沿って検出対を伝搬させることを可能にすることができる。
・対はなくなり、それ自体及び対のすべてがその付近で特定の閾値distmaxより大きい距離のセグメントにより構成される場合には置き換えられることがない。これにより、追跡は必要でなくなることが仮定される。
・セグメントsegiとsegjとの間の距離が閾値distminより小さい場合には(対応する包含シリンダの半径の合計により求められる)、衝突応答処理がトリガされる。さらに、segi及びsegjに隣接するセグメントにより構成される対が、追跡されている対のリストに加えられる。
本発明のロッド機械モデルがそのパラメータとして曲げ及びねじれを有するとすると、位置又は速度でモデルに制約を課すのは相対的に困難とすることができる。それにもかかわらず、力によりモデルと相互作用することが可能であるため、衝突応答は、ペナルティ力を用いて計算することができる。
アルゴリズムは、小さい浸透に対しては二次正則化を用いて安定させることができる。任意に選択された正則化深さδregから開始すると、例えば、以下のように、(前のアルゴリズムと接触すると検出された)2つの互いに最も近接する点の間でかけられた垂直反作用RNを計算することが可能であり、
Figure 0005060551
ここで、ncは衝突方向を与える単位ベクトルであり(2つの互いに密接したセグメントのベクトル積として計算される)、kcは任意の方法で規定される。
接触する房の間の摩擦をモデル化するためには、以下の粘性摩擦関係を用いることができる。
T=−υ(υrel−(υrel.nc)nc
房と外部の物体との間に摩擦がある場合には、摩擦係数υは三角関数により調整して、毛の表面状態の異方性を考慮するようにすることができる。
ロッド機械モデルに適用されるパラメータ
本発明によるロッド機械モデルの例は、ディレクタ毛の動きの減衰をモデル化するために、少なくとも1つの動的損失パラメータを含むことができる。
損失パラメータは、例えば、毛の弾性と関連することができ、又は、毛の自然なカールと、又は実際には、例えば空気に対する粘性摩擦と関連することができる。
損失パラメータは、さらに、身体又は物体を表わす外面に接触して関連することができる。
ロッド機械モデルは、毛の半径(ii)、毛の主要半径(rx,ry)、具体的には毛の楕円率、1つ又はそれ以上の軸の周りの毛の自然なねじれ及びまげ(τn,κ1 n,κ2 n)、密度(ρ)、毛の線形質量、頭皮における毛のクランプ角(θ0)、毛の曲げ剛性(EI1、EI2)、ヤング係数(E)、ポアソン比(nu)、毛の自然なねじれ(τn)、ねじれ剛性(μJ)、及び毛の多孔性、及び具体的で特定的には、密度、毛の線密度、頭皮における毛のクランプ角、ヤング係数、ポアソン比、毛の自然なねじれ、及び毛の多孔性といったリストから選択された毛髪の少なくとも一部の少なくとも一本の毛の機械的特性と関連する少なくとも1つの物理的なパラメータを含むことができる。
物理的なパラメータの少なくとも1つは、毛に沿って測定された弧長の関数として変化することができる。
毛の房又は毛髪全体とすることができる所与の毛のサンプルの動きをシミュレートするためには、各々の超へリックスの物理的及び幾何的パラメータを、クランプを構成する毛のストランドの構造的及び物理的特性から推論することができる。次いで、モデル摩擦パラメータを、クランプの実際の動きにおいて観察された減衰に応じて調整することができる。最後に、超へリックス間に相互作用を設定して、異なる動画化された毛のグループの間に生じる接触に対処することができる。
毛の質量及び剛性
容量密度ρは、毛に対する典型的な値、立方センチメートル当たり1.3グラム(g・cm-3)と等しく設定することができる。超へリックスの断面の平均半径と楕円率
Figure 0005060551
は、現実の毛繊維の直接的な微視的観察により推論することができ、ヤング係数及びポアソン比は既存の表から取り込まれ、種々の民族的な起源に対して価値がある。これらのパラメータは、次いで、楕円形の断面をもつロッドの伝統的な公式を用いて、超へリックスの曲げ及びねじれ剛性(EI)i,0,2を算出する。
自然なカール
超へリックスモデルの自然な曲げ及びねじれパラメータは、
Figure 0005060551
により設定することができ、ここでrhは半径であり、Δhは先端部の近くで測定された現実の毛のクランプのおおよその螺旋形状のステップである。
実際の曲げ及びねじれは、重力役割は無視できるものとなる、ロッドの自由端における自然値と等しいとすることができる。
内部摩擦γ
このパラメータは、運動中の超へリックス内の内部損失量を測定する。これは特に動きが超へリックスによりガイドされる毛のクランプの内側で生じる毛間の損失相互作用に対処する。内部摩擦は、垂直発振運動が課されたときに、現実の毛のクランプとシミュレートされた毛のクランプとの間の変形の振幅を比較することにより調整することができる。良好な結果は、1秒当たりγ∈[5×10-10,5×10-11]キログラム立方メートル(kg・m3・s-1)で取得することができる。
空気と毛の摩擦係数
パラメータγが選択されると、空気と毛の摩擦パラメータは、例えば、振り子運動を課すときに、現実の毛のクランプとシミュレートされた毛のクランプとの間の減衰持続時間を比較することにより適合させることができる。空気と毛の摩擦係数νは、例えば、1メートル秒当たり5×10-6キログラム(規律のある毛)から5×10-5kg(ms)-1(縮れ毛)の範囲で選択することができる。
別の物体との摩擦
毛間の接触、及び本発明のモデルにより取得された毛と外部の物体(例えば身体)との間の接触は、接線粘性摩擦力と併せて垂直弾性応答を含むことができるペナルティ力により実行することができる。毛と外部の物体との間の現実の接触をシミュレートするためには、異方性摩擦力を用いて、個々の毛をカバーする指向性スケールを考慮する。
摩擦パラメータは、毛のクランプと所与の材料との間の摺動接触の実際の観察により直接調整して、次いで、コサイン関数を乗算して、外部の物体上の摺動運動に対する毛繊維の向きを考慮することができる。
相互作用的システム
上述のものと独立して又はこれと組み合わせて、本発明は、動いている毛髪の少なくとも一部を動的にシミュレートする相互作用的システムを提供し、このシステムは、
・少なくとも1つのディレクタ毛の形状を計算するためのコンピュータを含み、これは慣性、ねじれ剛性及び曲げ剛性を有する伸長不能ロッドの少なくとも1つの機械モデルを前述の毛に適用することにより行われ、
・この方法により計算されたディレクタ毛の形状から毛髪の一部の少なくとも1つの剛性画像を生成するための装置とを含む。
コンピュータは、例えば、美容院のような販売地点に配置し又は遠隔配置し、端末及びコンピュータ及び/又は電話網により調査することができる。コンピュータは、例えば、パーソナルマイクロコンピュータ又はサーバを含むことができる。
システムは、さらに、毛に適用される処置の関数として、毛髪の一部の毛の少なくとも1つの物理パラメータにおける変化に連結された情報を含むデータベースを含むことができる。
処置は、パーマネントウェーブ、クリンピング、デクリンピング、染め、濡れた毛の乾燥、毛への組成物の適用、具体的には、コーティング組成物、ゲル、セット、カット、調整、厚くする、長くする、外の気候上の事象、具体的には雨、風、太陽といったリストから選択することができる。
2つの処置は、少なくとも、適用される組成物の量、適用される組成物の層の厚さ、処置持続時間、クリンプアイロンの直径、クリンプアイロンの温度において互いに異なることができる。
処置は、毛に沿って測定される弧長の関数として変化することができる。
画像を生成するための装置は、処置の適用後に、毛の仮想画像又は画像のシーケンスを生成するように構成することができる。
画像を生成するための装置は、処置前の毛の画像又は画像のシーケンス、及び、処置の適用後の毛の画像又は画像のシーケンスを同時に表示するように構成することができる。
アトラス(Atlas)
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明はアトラスを提供し、このアトラスは、
・上述の方法により生成された、例えば、画像のシーケンスのような少なくとも2つの画像と、
・ディレクタ毛の少なくとも物理パラメータに連結された画像又は画像のシーケンスと関連する情報と、
を含む。
例えば、こうしたアトラスは、毛の1つ又はそれ以上の物理パラメータの異なる度合いに対応する画像の複数のシーケンスを含むことができる。画像は、印刷するか、スクリーン上に表示するか、又は電子形態でファイルに収容することができる。
情報は、英数字、記号、描画図、色、又はバーコードの1つ又はそれ以上を含むことができる。
上述のものとは独立し又はこれと組み合わせて、本発明は製品を提供し、この製品は、
・ヘアケア組成物と、
・上述の方法により生成された画像又は画像のシーケンスと、
・ディレクタ毛の物理パラメータと関連する画像又は画像のシーケンスと関連する情報とを含む。
画像及び関連する情報は、例えば、組成物が適する毛の種類又は取得することができる結果の種類に関して、顧客又は美容師に知らせるのに有益である。
特徴付け方法
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明は毛を特徴付けるための方法を提供し、この方法は、特徴付けられる毛の画像又は画像のシーケンスと、上述の方法により取得された仮想毛の画像又は画像のシーケンスとの間の比較を可能にするステップを含む。
例えば、特徴付けは、比較の対象である現実の毛の物理パラメータを定量化するのを目的とすることができる。適切な場合には、特徴付け方法は、例えば処置又は外部の事象の効果を強調表示するために、異なるときに実施することができる。適切な場合には、毛の物理パラメータは、特徴付けられる毛の少なくとも1つの画像又は画像のシーケンスと、仮想毛の少なくとも1つの画像又は画像のシーケンスとの間の類似性を高めるために、比較の関数として修正することができる。例えば、1つから4つ、さらに1つのみの、又は2つの物理パラメータを修正することができる。
毛の物理パラメータ及びシミュレーションパラメータの測定は、特徴付けられる毛の画像と仮想毛との間の要求される適合程度を実現するように調整することができる。
シミュレーションパラメータは、特徴付けされる毛の形状と仮想毛との所定の適合程度が実現されるまで修正することができる。測定された物理パラメータは、毛の長さ、毛の平均半径、毛の楕円率、毛の線形質量、毛の弾性率、その曲げモーメント又はモーメント、そのねじれモーメント、その自然な曲げ、その自然なねじれ、といったリストから選択することができる。
特徴付け方法は、特徴付けされる毛の電子画像、具体的にはコンピュータ画像を受信した後で実施することができる。特徴付けされる毛は、特徴付けされる毛の画像の代わりにそれ自体が用いられることができる。
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明はさらに毛の形状を定義するデジタルデータを生成するための方法を提供し、この方法は、
・毛の画像を受信し、
・受信した画像における毛の形状から及び行動関係から、毛の機械的特性に連結される1つ又はそれ以上の物理パラメータの1つ又はそれ以上の値を含むデジタルデータを生成するステップを含む。
処方方法
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明はさらにヘアケア組成物を処方するための方法を提供し、この方法は、
・現実の毛を、上述の方法により取得される仮想毛の少なくとも1つの画像又は画像のシーケンスと比較することにより、処置される毛髪からの毛の特徴を求め、
・求められた特徴の関数としてヘアケア組成物を処方する、ステップを含む。
選択されたヘアケア組成物は、例えば配送センターにより対象に送ることができる。
毛の処置方法
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明は毛の処置方法を提供し、この方法は、
・現実の毛を、上述の方法により取得された仮想毛の少なくとも1つの画像又は画像のシーケンスと比較することにより、顧客の毛の形状に連結する情報と、顧客とを関連させ、
・その情報の関数として、例えば、対応する識別子により識別される製品のような、一組の組成物からヘアケア組成物を選択し、
・選択された製品を用いて顧客を処置する、ステップを含む。
処置の影響をモデル化するための方法
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明は処置又は毛に適用される外部の事象の影響をモデル化するための方法を提供し、この方法は、
・毛の合成画像又は画像のシーケンスを表示し、
・処置又は選択された外部の事象を受けた後で、上述の方法により取得されたものであることが好ましい、前述の毛の合成画像又は画像のシーケンスを表示する、ステップを含む。
適切な場合には、処置又は選択された外部の事象は、複数の処置又は外部の事象から選択されたものとすることができる。
こうした方法は、例えばユーザが、適用される処置に関して詳細な情報を得た上での決断をすることを可能にするために、処置が行われた後の毛の外観を示し、処置前後の毛の外観を比較し、前もって処置の結果を示す。このことは、例えば、こうした処置により取得される結果をユーザに示すことを含むように、特定の処置の解決法をユーザに提案することを可能にする。
例えば、この方法は毛をコーティングする処置に対する毛の外観の効果を示すことができる。
処置された毛の合成画像は、物理的なシュミレーションパラメータを修正することにより計算することができ、この修正は、選択された処置に特に依存する。
処置後の動いている毛の画像のシーケンス、及び、処置前の動いている毛の画像のシーケンスは、同じスクリーン上に同時に表示することができる。
適用される処置は、パーマネントウェーブ、クリンピング、コーミング、デクリンピング、染め、濡らし、濡れた毛の乾燥、毛へのコーティング組成物の適用、ゲルの適用、セット、カット、調整、厚くする、長くする、外の気候事象、特に、雨、風、太陽、理毛、例えば、毛をくくってクランプすることによる幾何的拘束といったリストからの1つ又はそれ以上とすることができる。
処置は、毛に沿って測定された弧長の関数として異なることができる。
毛のコーティング又は毛による水分の損失或いは取り込みの機械的効果は、例えばシミュレートすることができる。
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明は美容師トレーニング方法を提供し、この方法は、
・毛に適用する処置を選択し、
・選択された処置を受けた毛の上述の方法により生成された仮想画像又は画像のシーケンスを表示する、ステップを含む。
ヘアケア組成物の販売促進方法
本発明は、さらに、例えば毛の形状に連結する2つ又はそれ以上の物理パラメータのような、毛の形状に連結する1つ又はそれ以上の物理パラメータを表わす情報を考慮して、例えば、パーマネントウェーブをかける、ストレートにする、及び/又は毛を滑らかにする組成物のようなヘアケア組成物の販売促進方法を提供する。
この促進は、あらゆる通信チャネルにより行うことができる。小売店により、販売店で直接、ラジオにより、テレビにより、又は電話により、例えば、コマーシャル又はショートメッセージの内容で行うことができる。これは、活字メディア又はあらゆる他の形態の文書により、例えば広告目的のために同等に行うことができる。これは、あらゆる他の適切なデータ処理ネットワーク、例えば、インターネットにより又は携帯電話網により行うことができる。これは、直接、製品自体に、具体的にはその包装の上に又はそれに関連するあらゆる説明書の上に同等に行うことができる。
上述のものとは独立して又はこれと組み合わせて、本発明は動いている毛の合成画像のシーケンスを生成するための方法を提供し、この方法は、
・1つ又はそれ以上の螺旋部分を含む少なくとも1つの螺旋ロッドにより少なくとも一本の毛又は毛の群を表わし、
・ラグランジアン機構の原理を用いることにより、前述の少なくとも1つのらせん状ロッドを動画化する、ステップを含む。
この方法は、さらにこのように表わされ、動画化された少なくとも一本の毛又は毛の群の少なくとも1つの画像のシーケンスを生成することにあるステップを含むことができる。
上述のものと独立して又はこれと組み合わせて、本発明はさらにシステムを提供し、このシステムは、
・1つ又はそれ以上の螺旋部分を有する少なくとも1つの螺旋ロッドにより表わされる少なくとも一本の毛又は毛の群が表わされることを可能にし、ラグランジアン機構の原理を用いて、前述の少なくとも1つの螺旋ロッドが動画化されるようにするコンピュータ手段と、
・このように表わされ、動画化された前述の少なくとも1本の毛又は毛の群の少なくとも1つの画像のシーケンスを生成するための手段と、を含む。
システムは、さらに前述の少なくとも1つの画像シーケンスを、具体的にはスクリーンにより表示するための手段を含むことができる。
システムは、さらに少なくとも、処置前の毛の第1の画像シーケンスと、前述の処置後の前述の毛の第2の画像シーケンスを生成するように構成することができる。
表示手段は、前述の少なくとも1つの第1のシーケンス及び前述の少なくとも第2のシーケンスを同時に又は連続して表示するように構成される。
上述のものと独立して又はこれと組み合わせて、本発明はさらにアバターの毛髪を与えるために又は化粧品の販売を促進するために、又はフィルム或いはビデオゲームにおいて、上述の方法により取得された画像の使用を提供する。
上述のものと独立して又はこれと組み合わせて、本発明はさらに少なくともマイクロプロセッサを含むコンピュータシステムにより可読の命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、前述の命令は、コンピュータシステムの動作を制御して、上述の方法を実施する。
実施
ここで説明された各々のモデル化形態は、毛の合成画像を生成するように用いることができる。以下のステップは、図1に示すように、本目的のために実行することができる。
・第1のステップ5において、上述のモデルを適用することにより、毛の形状を計算して、毛の機械的特性に連結する1つ又はそれ以上の物理パラメータの関数として、毛の形状を求める。
・第2のステップ6において、このように計算された形状をもつ毛の画像又は画像のシーケンスを生成する。
この方法は、図2に示すように、毛を表わすための対話型システムを用いて実施することができ、
・適切な場合には、コンピュータネットワーク27から遠隔サーバ30、例えばインターネットサイトサーバに接続された、上述のモデル化方法の1つを適用することにより毛の形状を計算する、例えばパーソナルコンピュータのようなコンピュータ7と、
・例えば、液晶スクリーン、陰極線管スクリーン、又はプラズマスクリーンのような、このように計算された形状の毛の画像を表示するためのスクリーン10と、
・適切な場合には、スクリーン10と置き換えることができるプリンタ9と、を含む。
シミュレーションの結果は、スクリーンの第1の領域及びスクリーンの第2の領域において、毛の機械的行動に影響を与える物理パラメータを調整するための要素を、毛の合成画像又は合成画像のシーケンスにより表示することができる。
システムは、さらに仮想毛の立体視を与える手段(図示せず)を含むことができる。
調整要素は、例えば、関連する物理パラメータの異なる値に対応する2つ又はそれ以上の位置の間で可動のカーソルを含むことができる。
もちろん、異なる数の物理パラメータを用いることは、本発明の範囲から離れるものではない。例えば、表示され、適切な場合には修正することができる物理パラメータは、例えば、毛の長さのような毛の外観と直接関係することができ、又は例えば、毛ストランドの半径、毛ストランドの楕円率、1つ又はそれ以上の軸に対する毛ストランドの自然な曲げ、頭皮における毛ストランドの埋め込み角度、毛ストランドの自然なねじれ、及び/又は、例えば、ヤング係数、ポアソン比、曲げモーメント、ねじれモーメント、毛の弾性係数、毛の多孔率、毛の密度又は線密度のような、毛を構成する1つ又はそれ以上に連結する特徴のような毛の機械的特性に連結することができる。
適切な場合には、物理パラメータは、毛の弧長の関数として変化することができる。例えば、ねじれは、毛に沿った特定の点でより大きいことがある。弧長の関数としての特定の物理パラメータの変化は、毛に行われる過去の処置に、及びこれがどのように延びるか、これはある時間にわたり変化することができ、又はこれがどのように経年変化するかに連結することができ、毛は、その根とは反対側の方向において、ますます古くなる。例えば、毛は、ブリーチ処置を受けた遠位部分と、その処置以来延ばされ、異なるメカニカルな特徴を有する近位端とを有することができる。適切な場合には、システムは、ユーザが、弧長の関数として毛に沿ってパラメータが変化する方法を定義することを可能にするように構成することができる。例えば、1つ又はそれ以上のパラメータは、毛の長さの第1の部分における第1の値と、第1のものとは異なる、その長さの第2の部分における第2の値とを有することができる。
適切な場合には、システムは、例えば民族的な毛の種類、その色及び/又は行われた特定の処置の関数として、特定のパラメータの典型的な値を含むデータベースを含むか又はこれにアクセスすることができる。
上述のシステム及び方法は、例えば、図3に示す方法のステップを実施することにより、毛を特徴付けるのに用いることができる。
第1のステップ18において、特徴付けられる毛の画像又はシーケンスが、上述のシミュレーション方法により取得された仮想毛の画像又はシーケンスと比較される。
次いで、ステップ19において、毛の物理パラメータは、特徴付けられる毛の画像と仮想毛の画像との間の類似性を高めることを意図して、比較の結果の関数として修正することができる。
人の毛髪は、同じ毛髪から取られた、同じ毛又は例えば3本の毛のような異なる毛を基にして特徴付けることができる。例えば、一方の毛を頭頂部から取り、他方の毛を頭の両側から取ることができる。適切な場合には、より多数の毛に行われた測定の結果は、例えば、シミュレーションにより測定された又は求められた値を平均化するために、統計的に処理することができる。或いは、毛を特徴付けるパラメータの変形は、毛髪の異なる場所にある毛について測定することができる。
これらの特徴付け結果は、毛が取られた人に関する情報でデータベースにリスト表示することができる。
このように毛の特徴を記録し、したがって、そのライフサイクルにおける異なるときに、具体的には毛の外観をシミュレートするのに用いられる物理パラメータの1つ又はそれ以上を知ることができる。
特徴付けの結果は、例えば、コンピュータネットワーク27により、電子形態で受信することができ、書かれた形態又は口述形態で、製品の販売点で、美容院又は理容院で、皮膚科医の手術において、又は例えばインターネットサイトサーバに接続することにより、遠隔で送給することができる。
毛は、手動で、半自動で、又は自動で特徴付けることができる。画像又は現実の毛は、図2に示すように、例えば、スキャナ24又はビデオカメラ25といった二次元取得システムにより、又は例えば、ステレオビジョンシステムといった三次元獲得システムにより取得することができる。特徴付けられる毛は、特徴付けられる毛の画像の代わりに、例えば、接着テープ又はあらゆる他の適切な固定手段を用いて、スクリーンに適用することにより、それ自体を用いることができる。
特徴付けには、適切な場合には、柔軟なアドバイスが続く。アドバイスは、例えば、毛の物理パラメータに対する作用を有する少なくとも1つのヘアケア組成物の処方を含むことができる。これは、例えば、パーマネントウェーブ、クリンピング、直毛化、及び/又は、デクリンピング、又は毛のコーティングのような、染める処置とは別の毛の処置の形態のための組成物である。
処方
図4は、ヘアケア組成物を処方するための方法を示し、
・ステップ31において、処置される毛髪の毛の特徴は、例えば、図3に示す方法を用いて、例えば実際の毛と図1に示す方法により取得された仮想毛とを比較することにより求められる。
ステップ32において、このように求められた特徴の関数としてヘアケア組成物の処方に連結するという推奨がなされる。
例えば、この処方方法は、販売点で、美容院又は美容室、香水のアウトレット店、デパートメントストア、又はコンピュータネットワーク27を用いて、遠隔で、用いることができる。
適切な場合には、ステップ32の後で、要求される結果を取得するように適応された製品がユーザに渡されるか或いは送られ、又はその場で用いられる。
製品は、あらゆる販売チャネル、具体的には、店或いは通信販売により、又は例えば、美容院又は美容室により供給することができる。
処置
上述の方法及びシステムは、図5に示す毛の処置プロセスを適用するのに用いることができ、このプロセスは、
・ステップ35において、顧客の現実の毛を、例えば本発明の方法により取得された仮想毛と比較することにより、毛の形状に連結する物理パラメータを表わす特徴と、顧客とを関連させ、
・ステップ36において、その特徴の関数として、対応する特徴により識別された一組の組成物からヘアケア組成物を選択し、
・ステップ37において、選択された組成物により顧客を処置する、ステップを含む。
処置は、パーマネントウェーブ、クリンピング、デクリンピング、染め、濡れた毛の乾燥、毛への組成物、具体的にはコーティング組成物の適用、ゲル、例えばポリマーコーティングの適用、セット、カット、調整、厚くする、長くするといったリストから選択することができる。
所定の事象に対する処置又は露出の影響のモデル化
上述の方法及びシステムは、さらに、毛に適用された処置又は例えば、気候事象、経年変化又は光線加齢のような所定の事象に対する露出の影響をモデル化する、図7に示す方法の実施を可能にし、この方法は、
・ステップ38において、毛の合成画像を表示し、
・ステップ39において、適用される処置又は所定の事象を選択し、
・ステップ40において、選択的な処置又は前述の事象に露出された後で、前述の毛の合成画像又は合成画像のシーケンスを表示する、ステップを含む。
処置される毛の合成画像は、上述の方法により取得することができる。
処置された毛の合成画像は、未処理の毛の物理パラメータを修正することにより計算することができる。修正は、選択される処置に依存することができる。このために、システムは、例えば、毛に適用された処置の関数として、毛の物理パラメータの展開を反映する情報を含むデータベースを含むことができる。同じことが、所定の事象に露出された毛にも適用される。
シミュレーション目的のために選択することができる2つの処置は、少なくとも、適用される組成物の量、適用される組成物の層厚、毛に対する組成物の分散、処置の持続時間、クリンピングアイロンの直径、又は例えば180℃又は200℃のようなクリンピングアイロンの温度において、互いに異なることができる。
影響がモデル化される処置は、毛に沿って測定された弧長の関数として変化することができる。処置後の毛の画像の画像シーケンスと、処置後の毛の画像の画像シーケンスは、同じスクリーン上に同時に表示することができる。
この方法は、さらに、例えば、毛を雨又は太陽に露出することに連結する、毛のコーティングの、又は、水分の損失或いは取り込みの機械的効果をシミュレートするために用いることができる。水の影響は、例えば、毛の曲げ及び/又は密度を増加させるものとすることができる。
処置された毛に対するこうした事象の影響をモデル化することにより、こうした方法は、さらに、毛調整組成物、又は例えば、雨、風、或いは太陽の作用のような外の天候事象に対する処置の抵抗を示すのに用いることができる。
上述の方法は、さらに、毛に適用された又はリンス後に毛に残るその量の関数として、組成物の効果を評価するのに用いることができる。
例えば、コーティング組成物の適用後の毛の重量の増加を評価することができる。
乾燥しているとき又は濡れているときの毛の異なる挙動もまた評価することができる。
例えば、これらの評価で、毛髪量の減少又は増加を判断しようとすることができる。
処置の影響をモデル化することは、例えば、新しいヘアケア処置剤又は組成物を開発するのに用いることができる。こうしたモデル化は、さらに、例えば、顧客又は美容師に、毛の外観及び/又は挙動に対する処置剤の影響を説明するような販売促進目的又は教育目的のために用いることができる。
美容師のトレーニング
本発明の例示的な実施形態は、図6に示す美容師のトレーニング方法であり、
・ステップ42において、毛に適用される処置を選択し、
・ステップ43において、選択された処置を受けた、で定義された方法により生成された毛の仮想画像又は仮想画像シーケンスを表示する、ステップを含む。
したがって、毛に対する処置の効果は、より容易に評価できるようになる。
製品
本発明は、ヘアケア組成物を、毛に特徴的な物理パラメータを表わす情報と関連させるのに用いることができる。
例えば、図8は、
・コンテナにおけるヘアケア組成物50と、
・本発明の方法により生成された画像51と、
・毛の物理パラメータを表わすことができる画像と関連する情報52と、
を含む製品を示す。
ヘアケア組成物50は、例えば、毛のパーマネントウェーブ、クリンピング、直毛化、及び/又はデクリンピング組成物、又は例えばヘアゲルのような、毛を成形するための組成物とすることができる。組成物は、さらに、シャンプーであってもよい。ヘアケア組成物は、毛の形状に作用することができるが、適切な場合には、その色及び/又は輝度に作用することができる。この作用は、多かれ少なかれ耐久性があり、及び/又は、多かれ少なかれ可逆性がある。
情報52は、例えば、毛の形状、又は、適切である及び/又は実現できる結果である毛髪の特徴に連結した物理パラメータの変形により、組成物の効果を示すことができる。
製品は、さらに、例えば組成物に関連し、毛の形状に連結しないパラメータを表わす情報を含むことができる。毛の形状に連結しないパラメータは、例えば、処置前後の毛の色及び/又は輝度を表わすことができる。
このさらに別の情報は、例えば、処置される或いは調べられる毛髪の色のCIE lab又はマンセル空間といった比色空間における座標を示すことができる。
情報は、直接明らかに人に、或いは別の方法により、種々の形態で表現することができる。情報は、英数字、記号、描画、色、又はバーコードを含むことができる。画像は、平面にある毛の画像であってもよいし、或いは、1つの平面内に完全に含まれるものではない毛の斜視的な画像であってもよい。
実験結果
図10は、動いている現実の毛髪の画像のシーケンス100と、本発明の方法により取得された仮想毛髪の画像のシーケンス200との間の比較を示す。
図13Aから図13Bは、現実の毛とシミュレートされた毛の画像の種々の例又は画像を示す。
本発明は、ここで与えられた例に限定されたものではない。
本発明は特定の実施形態に関して説明されたが、これらの実施形態は本発明の原理及び適用例を例示するものに過ぎないことを理解されたい。したがって、幾多の修正を例示的な実施形態に行うことができ、特許請求の範囲により定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成を考案することができる。
特許請求の範囲を含む説明全体を通して、反対に指定されない限り、「含む」は「少なくとも1つを含む」と同義であることを理解されたい。「毛」は「少なくとも一本の毛」と同義であることを理解されたい。

Claims (13)

  1. コンピュータを用いて、動いている毛髪の少なくとも一部の合成画像を生成するための方法であって、前記コンピュータは、
    ロッド機械モデルを用いてモデル化された毛髪を意味するディレクタ毛の少なくとも1本に、ねじれ及び曲げにおいて慣性及び合成を有する伸長不能の前記ロッド機械モデルを適用することにより、前記少なくとも1のディレクタ毛の形状を計算し、
    前記毛髪の少なくとも一部の仮想画像を前記ディレクタ毛の形状から生成する、ステップを実行し、
    前記ロッド機械モデルは、毛の楕円率、1つ又はそれ以上の軸の周りの毛のねじれ及びまげ(τ n ,κ 1 n ,κ 2 n )、密度(ρ)、毛の線形質量、頭皮における毛のクランプ角(θ 0 )、毛の曲げ剛性(EI 1 、EI 2 )、ヤング係数(E)、ポアソン比(nu)、毛の天然のねじれ(τ n )、ねじれ剛性(μJ)、及び毛の多孔性から選択される毛の長さ(L)、毛の半径(ii)、毛の主要半径(r x ,r y )に関する少なくとも1つの物理的なパラメータを含み、かつ、前記パラメータは前記毛髪の少なくとも一部の少なくとも一本の毛の機械的特性と関連することを特徴とする方法。
  2. 前記コンピュータは、複数のディレクタ毛の形状を計算ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ロッド機械モデルは一連のロッド要素を含み、その各ロッド要素は一様な材料のねじれ及び曲率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記コンピュータは、前記各ディレクタ毛について、少なくとも1つの包絡面を、以前に計算された前記ディレクタ毛に基づき計算ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記コンピュータは、前記包絡面間で衝突検出ることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記コンピュータがディレクタ毛の形状を計算するために用いる前記ロッド機械モデル前記ディレクタ毛の動きの減衰をモデル化する少なくとも1つの機械損失パラメータまれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記コンピュータは、動いている毛髪の少なくとも一部の少なくとも1つの合成画像、現実の毛髪の少なくとも一部の少なくとも2つのソース画像から生成ることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの合成画像は、前記ロッド機械モデルのシミュレーションパラメータを調整するための少なくとも1つの要素として、同じスクリーン上に表示される請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. ユーザは、前記ロッド機械モデルの少なくとも1つのシミュレーションパラメータを、現実の毛髪の一部の少なくとも1つの物理特性の関数として、現実の毛髪の一部の平滑な又はカールした外観の関数として選択し、前記コンピュータは当該パラメータを受け入れる請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. コンピュータを用いてを特徴付ける方法であって、
    前記コンピュータは、
    特徴付けられる毛髪の画像と、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の方法により取得された仮想毛髪の画像とを比較し、
    前記特徴付けられる毛髪と、前記仮想毛髪の画像との間の類似性を増加させるために、前記毛髪の少なくとも1つの物理パラメータを、前記比較の関数に応じて修正する、ステップを実行することを特徴とする方法。
  11. コンピュータを用いてヘアケア製品を処方する方法であって、
    前記コンピュータは、
    現実の毛髪と、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の方法により取得された仮想毛髪とを比較することにより、処置のために毛髪の少なくとも1つの特徴を求め、
    前記求められた特徴の関数に応じてヘアケア製品を処方する、ステップを実行することを特徴とする方法。
  12. コンピュータを用いてヘアケアに対する処置を決定するための方法であって、
    前記コンピュータは、
    顧客の毛を、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の方法により取得された仮想毛髪と比較することにより、その顧客の毛の動的挙動と関連する情報と、顧客とを関連させ、
    その情報の関数として、対応する識別子により識別される製品の組から少なくとも1つのヘアケア製品を選択し、
    前記選択されたヘアケア製品を用いて、前記顧客に対するパーマネントウェーブ、セット、カット、カラーリング、コーティング、ドライヤーの少なくとも何れかを含むヘアケア処置を決定する、ステップを実行することを特徴とする方法。
  13. コンピュータを用いて、毛髪への影響比較表示するための方法であって、
    前記コンピュータは、
    請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の方法により取得された毛髪の少なくとも一部の合成画像を表示し、
    請求項12に記載された前記顧客に対するヘアケア処置、又は太陽又は雨風を含む天候の影響を前記毛髪が受けた後に当該毛髪の少なくとも一部の合成画像を表示する、ステップを実行することを特徴とする方法。
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