JP5059964B2 - 地球儀 - Google Patents

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Description

本発明は従来の、台座の弓弧形状のアームに回転可能軸で球体が地軸角度で固定されている地球儀に代わる、球体を台座から離して自由に手に取って、または台座の上で自由な方向に回して鑑賞することができるもので、また軸方向を定めずに台座上に載せてある球体、または載せた球体が、自律的に地球の自転の傾きの回転になり、なおその自転の傾斜角度が定めた一定の角度の地軸線を示した地軸回転になるという、手にとっても、台座の上に置いても、十分な観賞が出来る地球儀に関する。
従来、通常の地球儀においては、弓弧形状のアームの支え台に、地球儀の球体の地軸の両端の極の部分が回転軸棒と地球儀の回転軸穴で23.4度の地球の地軸の傾きで支えられていて、これを手で回して地球の自転の姿を考えるようにしてある。しかしこのアームの支え台は、地球温暖化を考えるときに特に重要な北極と南極の部分を見えにくくするし、またアームに軸で固定されているため、球体を外して手に取って調べることに不都合があるし、また自転はしない。そのため、この弓弧形状のアームの支え台を不要にして、自転もする提案は出されている。
特許文献1は、地軸の傾きを持ち、また自由に手に取れることが出来ると良いという人々の要求に着眼し、台座の上に置くことで、地球の回転軸を持った自転をすることを目指した発明である。この発明は目的の一部は満たしているが、未だ地軸の方向と角度の安定性が不十分であるという問題点があった。
この発明の原理は、地球儀の球体の中の地軸の線上に固定軸の棒部材を設け、この軸から回転自在の支持腕を出し、その先端に極力球体の殻に近くしかし接触しない位置に重りをつける。この重りは球の中で棒部材を中心にして360度自由に回転するので、地球儀の球体がどの向きに回転しようとも、球体の中で最下部になる位置に居ようとする。また、重りと棒部材の距離は、重りが自重によって下部にある時に、固定軸の棒部材の角度が地軸の傾きになる距離になっている。
さらに球体は、台座の穴の縁にある3個以上のベアリングの球で支えられていて、その上で自由に回る。この穴は台座の中心より地軸の傾きの方向にずらして空けられている、また重りの効果で、固定軸の傾きは地軸の傾きに常になるとされている。
このベアリングのある穴の下には、モーターからオームギアーを介して、減速されて回転するウォームホイルが回転板としてあり、台座の中心に回転板の中心軸があり、この回転板の側面が地球儀の球体の下面に接していて、地球儀の球体を回転させる。これにより地球儀の球体は回転し、その回転は重りを下にして行われるため、傾いた棒部材を回転軸とする回転となる。
回転板の回転の進行方向は、地軸の傾き方向と直交しているため、地球儀の球体は地軸の傾きの方向を軸とした回転をするとされている。
この方法によると、地球儀の球は、ほぼ地軸の傾きを持って、ほぼ地軸の方向に傾いて回転するとある。しかし、ここにある問題点は、地球儀の球体のその傾き角度の不安定と、傾いた軸の方向の左右方向への不安定である。球体が傾く地軸の角度は変動し、傾く方向にも変動がある。そのため傾いて自転する地球の雰囲気を、概略示してはくれるものの、垂直より23.4度傾いて、一方向に向いた軸を変えずに自転し続ける地球を模すには、不十分な状態であった。
特許文献1の実施例に従うと、球体内の重りがその位置エネルギーを最も小さくする状態を維持するので、中心線の傾斜を一定に保つことができる。また中心線を回転軸として回転し続けるし、球体を任意の向きに台座にセットしても、重りによって球体の中心線を回転軸として回転する姿勢をとる、とある。
しかし、球体を載せるベアリングの摩擦抵抗のため、重りは常に直下には来てくれない。傾斜角度は正確に保たれず、その幅は+−8度ぐらいある。また球体を、球体の底部に接したウォームホイルの回転板が傾斜方向に直交する方向に移動する回転をすることで、地軸の傾く方向は安定すると考えられるが、台座に置いた時の角度によると求める方向を向かず、また工夫して置いても方向は安定せず、その大きさは+−30度程になり、その結果地軸は首ふり運動をする、という問題点があった。
特許文献2には、地球儀の球体の南極部分を強磁性体とし、台座の腕の先端に磁石を置いて、南極部を磁気的に結合し、台座にもたれかかる形で地軸の角度を維持し、台座の中の振動発生装置で球体を回転させようと言うものである。
ここには球体を自由に離して、球体を手に取って表面全体を見て、台座に戻せば地軸の回転をするという目的と、地球の南極の周辺を良く観察できるようにする目的が見られるが、南極部を磁気的に結合する時に、注意して位置決めをする必要があり、無造作に置くことは出来ず、また、もたれかかっている台座から外れやすいという問題点を有する。
特許文献3の発明は透明な外側の球体の中に、少し径の小さい内側の球体を入れ、その間隙に透明な液体を入れて内側の球体を外側の球体の中に浮かせることで、この内部にソーラバッテリー、無線受信機、地磁気感受体、動力等の機器を内蔵してある重い内側の球体を、弱い地磁気と重力により南北上下に安定するように駆動することを可能にしている。この内球体の表面には地球儀の印刷が施されている球形装置である。
この球体は台座に載せられ、台座から自由に取り上げて、重くはあるがこれを手に取ることが出来る。さらに動かない外側の球体を押さえていても。内側の球体が地球を模した動きをし、あたかも球体そのものが浮いているように見える。その状態で台座に乗せると、自転する地球儀となり注意と興味を引く。
しかしこの方式の持つ問題点は、外側の球体を地球儀の球体として手に持っている人が、球体の図柄の位置を希望する向きにしたいと考えても内側の球体を外から動かすことが出来ないことにある。地球儀面の調査を行いたくて外側の球体を動かしても、内側の球体が独自の動きをするためである。さらに複雑で高価になることも地球儀としての普及を妨げているという問題点を有する。
非特許文献1は、球体を磁気で浮かせる発明であり、それはアームの上先端に吸引する磁石を置き、球体の北極部にも磁石を置き、アームの底部には広く磁石を置き、それに反発する磁石を球体の南極部に置いて、反発と吸引の力を利用して非接触で球体を中空に浮かすというもので、球体を自由に手に持つことが出来て、なおアームの先端とアームの底部の間で、球体が非接触で中空に浮かんでいると言う利点がある半面、地軸が垂直に立ってしまい、本来あるべき地軸の傾きを表現することが出来ないと言う問題点を有する。
特開平7−219426号公報 特開平7−210081号公報 特表2003−514251号公報
単行本 GLOBES、 発行所・ダイヤモンド社、著者・高井ジロルの54ページ、マグネティックフロート
本発明は、地球儀の球体部分を気軽に手に取り、気軽に台座に置けることに加え、台座の上で自由な方向に回せて、球体を方向や位置を定めずに台座に置いたのちに、または方向や位置を定めずに台座に置かれている球体の回転が始まった後に、自由回転を経て自律的に地軸の傾きの回転に移り、なおその回転軸がほぼ正確な傾斜角度と傾斜の方向に維持されている地球儀を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)地球をかたどった小模型球体と、これを上に載せて地軸で回転させる台座とを組み合わせてなる地球儀であって、地球をかたどった小模型球体の重心位置が地軸線の近くで小模型球体の中心より南極点側へ寄った位置にあり、地球をかたどった小模型球体の南極点の位置には、磁石、強磁性体または凹形状部を設け、小模型球体が自由回転出来る台座には、台座に載せた地球をかたどった小模型球体の中心から台座への垂直の線と、地球をかたどった小模型球体の中心と南極点を結ぶ線との角度が18度から29度である、その延長線が台座と交わる少なくとも1箇所の位置に、小模型球体の南極点の位置に磁石或いは凹部を設けた場合は、磁石、強磁性体または凸形状部を設け、小模型球体の南極点の位置に強磁性体を設けた場合は、磁石を設けた、地球をかたどった小模型球体を回転させる機構を有することを特徴とする地球儀
である。
本発明は、独立した地球をかたどった小模型球体(以下、「小模型地球」という)と、この小模型地球を載せて回す台座(以下、「台座」という)とを組み合わせた地球儀である。
小模型地球と台座とは、各々独立に構成されたもので、小模型地球は台座の上で自由に回転させることが出来、また台座より取り上げて、自由に手に持って鑑賞・観察・調査(以下これを「鑑賞調査」と言う)することが出来る。また、鑑賞調査が終わってから起動・回転させている台座の上に小模型地球を方向や位置を考えずに気軽に載せる(以下、「気軽載せ」という)と、また止まっている台座の上で小模型地球を回転させて鑑賞調査をし、方向が変わった状態で台座を起動させると、小模型地球の回転が地軸回転になる地球儀である。
小模型地球の大きさと重さには制限が無いが、人が2人で持てる大きさと重さまでが良く、小さくは直径5cm、大きくは1m以上であるが、10〜60cmが多く使われる大きさである。大きさと機能の関係は殆んど無く、材質にも制限は無い。硬質のプラスチック製、紙製、軟質のボール、発泡体、ゴムボールのように空気の内圧で形を保つもの、またスポンジ製のボールも使える。
小模型地球は、重心位置を地軸線の近くで中心より南極点側へ寄った位置に置いてあり、南極点の位置には台座にある南極点を捕捉する機構(以下、「南極捕捉部」という)に捕捉される受捕機構(以下、「受捕部」という)を設けてある。その方法の例を図3と図4に示す。図3の中の101の小模型地球の北極点を上にして、南極点の位置に磁石8を置き、これに硬化樹脂9を流し込んだものである。102の小模型地球は、磁石を被せるように取り付けた非磁性体の錘10を、半球を合わせて接着して球体を作る前の半球の時に、南極点の位置に固定したものである。103の小模型地球は、球体を作る半球の、南極側の半球11の材質を厚くして合体させたものである。104の小模型地球は、球の中に、電気機器12を組み込んであるもので、この場合は北極点と南極点を電極にして随時充電する。いずれの場合も、重心の位置7は、中心点より南極点側に偏った位置にある。
小模型地球側にある磁気による受捕部を強磁性体にする場合は、図3の磁石8の位置に強磁性体を置く。このこと以外は磁石の場合と同一である。
図4は、南極点の位置を凹形状部にしたもので、105の小模型地球においては南極点の位置に凹形状部13を成形してから、南極点を下にして樹脂を流し込んだものである。106も同じく、南極点の位置に凹形状部を成形してから錘10を固定した。107の小模型地球においては、半球体を成形後、南極点に凹形状部を加工した。108の場合は、非接触充電のための電磁誘導コイル14を小模型地球の南極点の位置を中心にして備え、重心位置を考慮して電気機器を備えたのちに、南極点の位置に凹形状部を成形したものである。これらのいずれの場合も、重心位置7は、小模型地球の中心点より南極点側に偏った位置にある。
重心の位置が適当であるかどうかは、小模型地球を水平面に水平に置いて転がすことで、北極の位置が上になるその動きの状況を見て、容易に知ることが出来る。また重心位置の偏り量も、地軸が水平になってバランスする支点を球面上で探すことで、容易に知ることが出来る。
小模型地球の南極点の受捕部の内容は、台座側の南極捕捉部との関係で決まる。台座側の南極捕捉部にネオジューム磁石などの強い磁石を使用した場合は、鉄または鉄を含む合金で、磁石に強く引き寄せられ吸着される性質を持つ物質(以下、強磁性体という)を使用する。強磁性体は、鉄または鉄合金のほか、コバルト、ニッケルがあるが、一般の鉄鋼材料やマルテンサイト系のステンレスであるSUS440Cを使用することで、十分に目的が果たせる。
この強磁性体の形状は製作都合と錘効果の必要性に合わせて良いが、小模型地球の表面に近く来る部分は、例えば図20にある如く出来るだけ119の如く磁石の径に近い細い断面形状にするか、120または121の如く、磁石の径より小さくするのが良い。また南極点の位置の内側に固定する時に、台座と接する表面との距離を極力小さくすることを配慮する。これは磁石による吸着力を大きくするためであり、また吸着位置を正確に保つためである。
台座側の南極捕捉部が強磁性体の場合の、受捕部の磁石と南極捕捉部の強磁性体の形状の関係は、受捕部側が強磁性体である場合と同じで、南極捕捉部の強磁性体の形状より、図20の115の如く磁石は同じ径か、116または117のように大きい径であるのが好ましい。
捕捉機構において台座側にフェライト磁石のような弱い磁石を使用した場合は、小模型地球側もこれと引き合う極性の向きにした似た直径のフェライト磁石にする。
台座側の南極捕捉部に強磁性体を使用した場合は、小模型地球の南極点の位置に設ける受捕部は磁石でなければならない。これを小さい径にするためには、ネオジューム磁石やサマリュームコバルト磁石などの強い吸引力を持つ磁石にすることが望ましい。120mmから300mm径の小模型地球を対象に考えると、今日得られる磁石の中ではネオジューム磁石が好ましい。
このネオジューム磁石は、小模型地球の大きさにもよるが、直径2mmから10mm、厚さ3mmから10mmが適する。磁石が強すぎると、小模型地球を台座から取り上げる時に抵抗があり、弱すぎると磁気吸着に時間がかかる。回転させる機構の回転方向によっても、必要な磁石の磁気強度は決まる。
小模型地球の南極点の受捕部に磁石を使用する場合、台座の南極捕捉部の強磁性体に吸着面を最も近い位置にするには、磁石の表面を南極点に露出することである。また磁石の存在を隠すように、表面に印刷するか、または小模型地球の形成層の中に置くのも良い。この磁石と強磁性体の間になる層は薄いほうが吸着力では有利である。測定した一例では、磁気吸着力は層の厚さが0.3mmの場合は直接接触の70パーセントに、0.5mmの場合は50パーセントに、1mmの場合は25パーセントに減ずる。しかし小模型地球の外観を重視して層の中に入れることも良く、上記の磁石の場合は、0.5mmの層の中に入れて好結果を得ている。さらに層を厚くする場合は、磁石を大きくする。
引き寄せて吸着する、捕捉機構を構成する磁石と強磁性体のいずれの側を小模型地球に組み込むかは、それぞれに利欠点がある、本発明の小模型地球は台座から外して手に持って胸に抱かれることの出来ることを目指している。従って小模型地球の受捕部が磁石の場合、稀に心臓ペースメーカーを体内に装着している人が胸に抱いたときに、磁石の部分がその人の心臓ペースメーカーの近くにあって影響する稀な可能性を排除したい。ペースメーカーには磁気に対する防御策が施されているが、小さい磁石としても小さいながら影響する可能性が残る。
一方利点としては、台座の南極捕捉部に通常の鉄を含んだボールローラーを使えると言うこと、また小模型地球を単独で、台座以外の強磁性体に結合させて使用することも出来ると言うことがある。
磁気の使用が出来ない機構の時は、小模型地球と台座との磁気吸着に代えて、凹形状部と凸形状部の嵌まり込みによる捕捉を使う。台座にある南極捕捉部を凸形にする、またはボールローラーにする場合、これに嵌まり込む形の凹形状部を受捕部として、小模型地球の南極点に形成する。その状況を図4に示した。ここでの記号の意味することは図3と同じで、ここでは13が凹形状部を示している。
図4の108の小模型地球は、内部に、蓄電池、発光体、映像装置、映像装置、音響装置などを入れ、非接触充電のための電磁誘導コイル14を南極点の位置を中心にして備えても良く、この場合、電磁誘導コイルに使用する電磁誘導体と磁石との干渉を防ぐために、南極点の受捕部に凹形状部を成形したものである。
電磁誘導コイルの芯に電磁誘導体に加えて磁石を使い、電磁誘導体と磁石で電磁誘導と磁気吸着を行わすことも出来る。
この地球儀は小模型地球を載せる台座によって、地軸で回転する機能を有する地球儀となるのであり、その台座の基本機構は図2の如くである。図2の台座3には、小模型地球1を支える少なくとも3箇所の台座の接触支え部4(以下、「支え部」という)があり、この支え部4となる所の少なくとも1箇所に、小模型地球の南極点の位置が近づいた時に引き寄せて吸着する、磁石、強磁性体または凸形状部による南極捕捉部5があり、他の位置に、小模型地球を回転させる機構6(以下、「回転させる機構」という)がある。図2の台座の上に小模型地球が載った地球儀の自由回転の状態が図1である。
本発明は、小模型地球を起動してある台座の上に、気軽載せすると、小模型地球がまず方向を定めない自由な回転(以下、「自由回転」という)を行い、それを経て、捕捉機構が機能して自律的に地球の自転の地軸の傾きを持つ回転(以下、「地軸回転」という)に移行して、自転する地球儀となる。
また、台座の上に置いたまま手に取らずに回して自由に位置を変えて鑑賞調査の後に、回転させる機構を起動すると、同じく自由回転を経て地軸回転になる。
またさらに、地軸回転から自由回転に戻すことも出来る、これが必要な場合は、台座の南極捕捉部を電磁石にして、回転させる機構の軸方向を緯線と直交ささずに少しずらせれば、自在に自由回転と地軸回転との間を行き来さすことができる。
小模型地球という球体は台座の上で地軸の傾きのある回転をするので、台座を含む全体で地球儀となる。
地球は、低緯度で太陽の熱を吸収して、高緯度で熱の放散をしているという熱循環を持っているのであり、それゆえ赤道を横にして傾いた地軸の回転を示すことは重要である。また地球温暖化を考える上で重要な位置を占める北極と南極は、重要な部位でありこれを正面にして見ることも有用である。
また内部に発光体等の電気機器を入れて、単に反射光のみで見るように表面に図柄を印刷して表示している小模型地球に、裏面の模様を浮き出させて見せたり、紫外光の発光で別の表示をしたり、照明器具の機能を持たせたり、さまざまな機能を持たすことも出来る。
その方法は図4の108の図の、電磁誘導コイル14を使用した非接触充電の方法を使い、図21の14の電磁誘導コイルと39の電磁誘導フェライトにより外部より電源を取り入れる。円形に巻かれている送受コイルにとって南極点を中心とする同じ中心線の回転は電磁誘導の機能に影響しないので、非接触送電には適した方法であり、内部に蓄電池を持てば、小模型地球を台座から離しても電気機器の機能は継続する。この非接触充電は通常行われている技術であるので易しく実施できる。
台座には、小模型地球の中心から台座への垂直の線と、小模型地球の中心から南極点を結ぶ線との角度が18度から29度であるその延長線が、台座と交わる少なくとも1箇所の位置に、磁石、強磁性体または凸形状部による南極捕捉部を設ける。
南極捕捉部の部材は、小模型地球における南極点の受捕部の部材により決まる。南極点の受捕部の部材が強磁性体の場合は、磁石である。受捕部の部材が磁石の場合は、磁石または強磁性体、南極点の受捕部が凹形状部の場合は、南極捕捉部は、凸形状部である。小模型地球の受捕部の部材が、磁石の場合に南極捕捉部を強磁性体のボールローラーにするのは、良い組み合わせである。また、受捕部に磁石と浅い凹形状部を組み合わせて置くのも良い。
図20にある、南極捕捉部と受捕部の関係について簡略に説明する。ここでは台座側を下にし、小模型地球側を上にして表現した。磁石には太い斜線を入れてこれを示している。115の場合は小模型地球側の磁石8と、台座側が同じ径の強磁性体19である組み合わせであり、116の場合は磁石8に対して強磁性体19の先端を細くした組み合わせ、117の場合は磁石8より細い強磁性体19を使用した場合、118の場合は強磁性体19の先端を丸くした組み合わせである。これらには一長一短があり、同じ磁石8の場合、115の組み合わせは吸着力が強いが作られる地軸角度の精度に劣る。116の組み合わせと117の組み合わせは、その重量が異なるほか、115より地軸角度の精度に勝るが吸着力に劣る、118の組み合わせは、角度精度に勝るが回転の滑り性に劣る、などで、これらの特徴を生かして選ぶ。
図20の119、120、121、122の各組み合わせは、小模型地球側を強磁性体にしたもので、119は115と、120は116と、121は117と、122は118と特徴は同じである。
図20の123は台座側の強磁性体をボールローラー28のメインローラー29にした場合であり、この組み合わせは磁気吸着がスムーズで、磁気吸着後の小模型地球の回転にも摩擦抵抗が小さくて好ましい。124は小模型地球に磁石を使わない場合である。凹形状部13とボールロ−ラ―のメインボール29のみの結合となる。125は凹形状部13と磁石8とを組み合わせたもので、吸着力と、地軸角度の精度に勝る特徴がある。
図20の126は、ボールローラー28の下に磁石を置き、ボールローラーのメインボール29が磁力線を誘導して小模型地球の強磁性体を磁気吸着する。この場合ボールローラーのサブボールは非磁性体であることが好ましい。
図20の127は磁石も強磁性体も使用しない場合、電磁誘導による給電が必要な時に有効である。この目的で124の如く、ボールローラーを使う時は、ボールローラーを非磁性体にする。128は凹形状部13の吸着をしやすくするために磁石8を併用したものであり、それぞれの特徴がある。
本発明の小模型地球においては、北極点と南極点を結ぶ地軸線38(以下、「地軸線」という)の近くで、重心位置を小模型地球の中心点から南極点側に偏らせる(以下、「重心位置の偏り」という)、これの大きさは小模型地球の大きさと重量と、支え部の部材により変わる。支え部の部材が摩擦の小さい転がり摩擦のボールローラーの場合も、支え部が滑り摩擦の部材の場合もその程度は変わるが、重心位置の偏りは小模型地球の直径の2パーセントから11パーセントにあることが好ましい。

重心位置の偏りを作るために、小模型地球が中空の球体の場合は、南極点の位置に錘になる磁石、強磁性体または真鍮などの非磁性体を置く。電磁誘導が必要な場合はコイルなどを固定し、最適な重心位置の偏りを作る。偏りが大きすぎる場合は北極点に錘を入れて重心位置を調整することも好ましい。120mm径、65gの中空球体の南極位置に5gの錘を固定した例では、重心位置の偏りは直径の4パーセントである。
また小模型地球が地軸回転する回転軸の傾きの角度の正確さには、南極点の位置に設ける磁石、強磁性体または凹形状部の受捕部の形状・寸法と台座の南極捕捉部の形状・寸法との関係が大きく影響する。その関係は図20で説明したが、磁石の磁気の磁力線が絞られるように強磁性体を置く。細い磁石と先端の細い強磁性体の組み合わせが一番望ましいが、小さい磁石には吸着の強さに限界がある。また磁気吸引の強さは捕捉への速度に影響するので、この強さと正確さの矛盾のある関係の中で最良の関係を選ぶ。
一方、台座の小模型地球の球体を受ける構造は、支え部の中心から台座の中心までの距離を小模型地球の直径の10〜30パーセントにするのが良い。南極捕捉部を支え部の位置に置く場合は、直径の約20パーセントになる。
その台座の形状は、図19の如く、109の放射状に平面部を設けた形状、110の3本の柱形状、111の少なくとも3本の角の形状、112の凹面の皿形状、113の円筒形状、114の皿型の受けを柱の上につけた形状等で、外周の寸法が小模型地球の約50パーセントである。この台座の形状の自由度は大きく、商品デザインの選択を優先するとするのが好ましい。
この台座の上にある支え部4は、少なくとも3箇所を必要とし、3本の角または柱の形状の場合は、その先端を支え部4にする。円筒の場合や皿型の場合は、支え部4は無数にある。支え部4その表面の材質が小模型地球の回転に適した滑り性を持っている場合はその素材とし、その素材の滑り性が悪い時は、テフロン(登録商標)、高密度ポリエチレンなどの摩擦係数の小さい滑る部材18を図2の如く貼るか、図9または図10の如くメインボールが強磁性体のボールローラー28の如き回転物を装着する。この図10の場合の台座の形状は円筒形状で図9の受捕部は磁石8、図10の受捕部は凹形状部13であり、従って図9の南極捕捉部は強磁性体、図10の南極捕捉部はボールローラーによる凸形状部である。この回転させる機構にはモーター15と減速機16からフレキシブルジョイント30で回転を伝達する。
小模型地球の表面が滑らない素材である場合は、南極捕捉部をボールローラーにする、さらに支え部全てをボールローラーのするのも良い。この場合、例えば磁石または強磁性体を空気注入口または内部に固着させたゴムボールも使用出来る。この小模型地球側を磁石にする場合は、1箇所をボールローラーのメインボールを強磁性体のSUS440Cであるステンレス球にし、他をポリアセタール球とすると、南極捕捉部は1箇所になる。ステンレス球を2箇所以上にすると、安定する地軸方向を複数にすることが出来る。
小模型地球の南極点の位置または内部に、電気機器や他の機材を内蔵するときは、図3の104、図4の108の如く、重心位置の偏りを作る。内蔵する機材に錘を加えて好ましい重心を作っても良いし、小模型地球の南極点の位置または北極点の位置に錘を置いて重心位置の偏りを最適にしても良い。いずれの場合も、この小模型地球の南極点の位置の表面の近くには受捕部としての磁石、強磁性体または凹形状部を置くことが必要である。この磁石或いは強磁性体に錘の役を果たさすことも出来る。
重心位置の偏りは、自由回転から地軸回転への移行速度に影響する。しかし自律的に地軸を正しい位置にすることにおいては、変わらない。直径120mm自重65gの小模型地球で台座の支え部の表面をテフロン(登録商標)シートにした場合、南極点に内蔵した5gの錘で十分機能した。この場合の重心位置は中心点より4mm南極点側に移動している。これを15gの錘にして、重心位置を中心より12mm南極点側に移動した場合とを比較すると、最上部にある受捕部が南極捕捉部に捕捉されて、地軸回転に移行するまでの時間を同じ台座の同じ回転駆動で比較すると、50秒と10秒であった。
即ち、重心位置の偏りの自由回転から地軸回転に移行する速度は、支え部表面の材質と小模型地球の表面の材質と回転させる機能の機構と材質、さらに捕捉機構の吸着力などにより大きく影響されるので、それらを考慮して決める。重心位置の偏りは、他の条件の中で極力小さくすることが好ましい。また重心位置の偏りの量は、小模型地球の直径の11パーセント以内にするのが好ましい。
支え部の表面の摩擦にも自由度は大きいが、重心位置の偏りをそれに合わせる必要がある。特に全ての支え部にボールローラーを使用して回転摩擦を使用する場合と、テフロン(登録商標)樹脂や高密度ポリエチレンが表面にあって滑り摩擦を使用する場合とでは、様相が異なり、自由回転から地軸回転に移行する速度は大きく異なる。全ての支え部にボールローラーを使用する場合は、表面が滑らないゴム素材の小模型地球が使える半面、重心位置の偏りの注意が必要で、重心位置の偏りを直径の3パーセント以内とするのが好ましい。
重心位置の偏りが小さい場合、自由回転をしている球体が回転軸を変えて次第に軸を立てて地軸回転になるのにまず役立つ。重心位置の偏りは、小模型地球の南極点が最上部にある時、南極点が上部から離れた回転になり、さらに下に下がるのを促す。重心位置の偏りを小さくすると、軸を立てて、地軸回転になるのに時間が多くかかるが動きが穏やかであり、錘を入れて重心位置の偏りを大きくすると、軸を立てるまでの時間は短いが、動きが荒い。南極点が最上部にある時、南極捕捉部に捕捉されるまで3から10回転にするのが最適である。
磁石と強磁性体や、凹形状部と凸形状部による南極点の受捕部を南極捕捉部が捕捉する機能が無い場合を考えると、錘の効果で、自由回転中の南極点は下がり続け、回転させる機構の回転表面が誘導する回転軸になる。これにより地軸の傾きは垂直に立たず、回転させる機構が回転させる円のほぼ中心に南極点は来て回りながら安定する。重心位置の偏りにもよるが、好ましい重心位置の場合、最下部の近くでは錘の位置の移動による位置ポテンシャルエネルギーの大きさよりも、回転させる機構の移動力が勝るためである。ここで南極捕捉部が機能する。ほぼ地軸回転に近い動きの中にいる受捕部を引き寄せて磁気吸着、または嵌まり込みで、南極捕捉部の近くを受捕部が通る時に捕捉して、小模型地球は地軸の正確な回転になる。
このように回転させる機構の動きも南極点の受捕部を南極捕捉部に近づける役目を果たしている、回転させる機構の回転させる面は、支え部の内側の最下部から離れており、これの回転は、小模型地球を上から見た反時計方向へ回転させようとし、重心位置が下になろうとすることにより、南極捕捉部の近くを南極点の受捕部が通ることになり、磁気や凹凸部の引き寄せで磁気吸着または嵌まり込みで捕捉されるのである。回転させる機構の回転表面の動きが小模型地球を緯線方向に移動させようとする動きであるときは、南極点の捕捉に時間がかかるが、捕捉後の回転で、回転させる面の摩擦の無理が無い。回転させる機構が小模型地球を緯線方向と角度を持って動くと、捕捉にかかる時間は短いが、捕捉後の地軸回転には常に回転させる面でのずれが起きている。しかしいずれの場合も地軸回転になる。
即ち回転させる機構の回転軸の方向が、台座の上にあって地軸回転をする小模型地球の緯線と直交するのと全く関係ない方向の場合は、自由回転を通して錘の効果で受捕部は下部を通るようになり、南極捕捉部の近くを偶然に通る時に受捕部が捕捉されて、その後は回転させる機構の回転表面では常にロールの表面変形があるものの地軸回転になる。
この回転させる機構により出来る自由回転の軌跡を、南極捕捉部に受捕部が捕捉されている状態を図5と図6に示す。図5の如き駆動機構を持ち、回転させる機構の回転面の方向が緯線の方向に近い場合は、南極点が最上部に置かれた位置から南極点にある受捕部が南極捕捉部に捕捉されるまでこのような軌跡21となる。モーター15、減速機16、減速ギア17、滑る部材18、磁石、強磁性体または凸形状部による南極捕捉部5により、南極点の移動の始点20から、南極点の移動の軌跡21で回転して磁気吸着で受捕部が南極捕捉部に捕捉される。図6は、駆動機構をベルトで作り、回転させる機構の回転方向を緯線の方向から外した例で、減速機構22からベルトが回転させる機構23を通して、小模型地球に接して回転させる。
南極点の受捕部が南極捕捉部に捕捉されるまでの動きを考えると。南極点が上部にある時は、回転させる機構が働き、下がると重心位置の効果が大きくなり、さらに下がってくると再び回転させる機構が役立ち、捕捉される時は、磁気の吸着か凹凸形状部の嵌まり込みが役立っている、全ての位置でそれぞれが補完し合ってスムーズな動きを作っている。台座の上に小模型地球が気軽載せされる時は、南極点が最上部であることは稀であるが、いずれの場所からもほぼこのような軌跡に乗るのである。
球体の内部に、錘や、磁石または強磁性体のほかに、蓄電池、発光体、受信機、映像装置、音響装置、非接触充電のための電磁誘導コイル、など、重さのある電気機器を置いて表示機能を増やす場合は、南極点の位置に置く強磁性体、磁石または凹形状部に錘の効果を持たせなくても良い。この場合は地軸線の近くの中心点から南極側に重心位置の偏りがあるように内蔵する電気機器を配置する。
台座に小模型地球を乗せる3箇所以上の支え部を備え、その支え部とはことなる他の場所に、小模型地球の地軸の傾き角度に適する場所を定めて、ここを南極捕捉部として、磁石、強磁性体または凸形状体を置くのも良い。図7にその1例を南極捕捉部と受捕部が結合している姿で示した。この場合さらに南極捕捉部を24の如く取り替えることで、大きい異なるサイズの小模型地球25にも適するようにすることが出来る。または図8の如く南極捕捉部を移動できるようにして、地軸の方向を自在に動かすこともできる。回転はステッピングモーター26、駆動伝達ロール27で行う。
南極捕捉部の磁石または強磁性体は、表面に滑り性の良い樹脂などを被せるか、塗るか、貼るかして支え部の表面と同一面とするのも良いが、地軸回転を長時間行うために、この南極捕捉部の部分のみ約0.5mm浮き上がらすか、支え部を磁石または強磁性体の太さまで細くするかする。南極捕捉部を回転するようにするのも良い。
さらに図22の如く、磁気結合すると浮き上がる回転軸とするのも良い、129は磁石が沈んでいる状態、130は吸着して浮き上がって回転している状態である。また支え部の中の南極捕捉部のみをボールローラーにするのも好ましい。これは磁気吸着後の地軸回転の方向にも回転するので、地軸回転をスムーズにするのに役立つ。
台座側にある南極捕捉部と小模型地球側にある受捕部において、地軸回転の傾斜の角度を正確にするためには磁石と強磁性体との対面する面の大きさと形が重要になり、接触面の形も重要な役を持つ。
磁気吸着においては、小模型地球側の受捕部と台座側の南極捕捉部のどちらが磁石でどちらが強磁性体であるかに関係なく、磁気吸着の芯のずれの精度には寸法と形状が影響する。磁石の形状は円柱で断面が平滑であるものが一般的だが、磁石の径と、断面が平滑な強磁性体の径においては、同一か、強磁性体の径が磁石の径より小さいことが好ましく、これの逆である磁石の径が強磁性体の径より小さい場合は、磁気吸着の位置精度が悪くなる。
強磁性体の先端部を細くするのは有効であり、また先端を球面にするのも有効である。強磁性体のボールローラーを使用の場合は、磁石の径にはあまり影響されずに、位置精度の良い磁気吸着が行われる。
小模型地球の南極点の受捕部として凹形状部を置くときは、南極捕捉部に凸形状部を置くが、この寸法は凸形状部に合った凹形状部として、嵌合の精度を高めることで、自転軸の傾斜角度の精度を上げることが出来る。南極捕捉部がボールローラーの場合は、ボールの凸形状に合わせた形に凹形状部をする。受捕部の凹形状を浅くし、その裏に磁石を置き、南極捕捉部をボールローラーにすると、磁気吸着にも位置精度にも良い。また凸形状部に凹形状部が嵌まり込む時の揺れが小さい。凸形状部を上下に摺動して凹部に合わせて浮き上がる機構にするのも良い。
小模型地球の南極点の受捕部に強磁性体を置いて、南極捕捉部を電磁石にすると、自由回転と地軸回転の行き来が出来たり、複数の電磁石とすることで、複数の軸の地軸回転を自在に選ぶことも出来る。小模型地球の自転軸の角度を一つとせず、複数の南極捕捉部を持ち、地球の現在、過去、未来の、複数の自転軸角度を持つこともできる。この場合回転させる機構の回転軸は緯線の方向との直交とずらす。
台座の支え部の上に気軽載せされた小模型地球は、回転させる機構による回転の伝達によって、南極点にある受捕部の位置を移動させ、その移動の結果、受捕部が南極捕捉部に、捕捉吸着または捕捉嵌まり込みさせられる。
小模型地球を回転させる機構は、図11や図12の如く、回転軸につけたロールや、図13の如きベルトや、図14の中心軸につけたゴムの円盤32の回転物で良く、この場合は押し上げロール31で小模型地球に押し上げられ接触して回転を伝達する。回転速度と径と回転軸方向は、小模型地球を上面から見て反時計方向に誘導する動きであること以外自由であるが、回転軸の軸方向は望ましくは上に載る小模型地球の緯線と直交する角度に近いことが、捕捉と地軸回転に有利である。重心位置、磁石と強磁性体の関係、支え部の形状とロールの形状などとの関係によれば、回転軸の軸方向は、磁石が強い場合は殆んど無視できる。弱い磁石を使用した時や、凹形状部と凸形状部の組み合わせの時は、小模型地球の緯線と直交する角度に近くした方が良い。
回転させる機構は、駆動機構での減速率を大きくしてのロール径を太くすると、小模型地球の回転が揺れず静かである一方音が出やすい。細くすると減速機構には有利だが、小模型地球外面の小さな歪を拾って揺れやすい。小模型地球との接触部は、球体の材質に従い、摩擦がある程度発生するものが良い。例えば、小模型地球の表面が、紙やプラスチックの場合は、ウレタンや生ゴムの軟らかいゴム系の弾力のある材質が良く、小模型地球がゴムボールの如き材質で作られている場合は、表面に小さい凹凸をつけた硬質のプラスチックや金属で良い。
また図15の如く、小模型地球の球面に近い図19の112の形態の球面の凹部を持つ台座とし、その皿型部に穴を斜めにあけて逆時計回り方向に送風し、これを回転させる機構に代える方法もある。送風機33と空気流出口34による空気の流れが小模型地球を浮かせて回転させる。
回転させる機構が回転を伝達する接触圧は、図16の回転させる機構6の如く支え部の一つになって小模型地球の重さを支えると共に回転を伝えても良い。3箇所の支え部の内、129に示す1箇所の支え部4は小模型地球に接して支え、1箇所は磁石8と滑る部材18とからなる南極捕捉部5であり、1箇所が回転させる機構6である。この図16は、その3箇所がそれぞれ小模型地球に接している状態である。この3箇所によって小模型地球は支えられ、回転され、磁気吸着される。
小模型地球が重い場合は、回転させる機構に荷重をかけず、荷重は支え部にかけて、回転させる機構を弾力で小模型地球に押しつける方法が必要で、図17と図18にそれを示した。図17のばね軸35による方法、図18の回転させる機構を押しつけるばね36を使う方法がある。
これらの図では回転させる機構として、低速モーターから減速機構を通して回転速度の遅い回転軸を作り、これから様々なゴムロールの回転を作ったが、この駆動伝達の方法には拘らない。またゴムロールやゴムベルトの回転軸の方向と、回転面の移動方向にはそれぞれの他の機能により最適の状態がある。どのような回転方向でも、気軽載せされた小模型地球の自由回転は始まり、その後に地軸回転にすることが出来る。
自由回転の時の南極点の軌跡の形は、この軸方向によっていろいろあるが、いずれの場合も磁気吸着に必要な磁石の強さにより差があるものの、地軸回転には移行する。この時に、回転させる機構の軸方向が、緯線と直交に近い方向である場合は、自由回転から地軸回転への移行時間が長い半面、地軸回転で回転させる機構と小模型地球との無理な摩擦が無く、磁石も弱くて良い。
止めてある台座の上で、小模型地球は自由に手で回転させることが出来る、好む位置で観察調査して方向が変わった後に、そのまま台座を起動すると、気軽載せした時と同じく自由回転を経由して地軸回転に移る。
回転させる機構の軸方向によっては、南極捕捉部の近くを受捕部が通っても磁気吸着されない場合が稀にある。この場合軸方向を変えることが出来ないときは、磁石を大きくして磁力を強くし、磁気吸着の及ぶ範囲を広くする。
小模型地球の回転速度は24時間で一周する速度から、毎秒1回転まで様々考えられ、目的に合わせて行い得るが、自由回転から地軸回転に移るためには数回回る必要があり、回転が遅いと自由回転から地軸回転に移る時間もかかる。
地軸回転への移行が遅くても移行する機能には変わりがない。一方早い速度は地軸の効果などを感じるには良いが早すぎるのも不自然であり、通常は、3〜30秒で一周するのが良い。
速度を通常の方法で可変にするのが良い。さらに自由回転を速く、地軸回転を遅くしたい時は、南極捕捉部の捕捉吸着が終わった時の、南極捕捉部の動きを感知して、減速する方法を取るのが良い。
回転させる機構の回転方向は、南極点の位置と南極捕捉部が結合して、地軸線で小模型地球が地軸回転を始めたときに、地球の自転方向になっている方向に定める。それは上から見て反時計回りである、稀には気軽載せの方向が南極点が直上になって置かれた時または直下になっておかれた時など、気軽載せのあとに始まった回転が安定して、中々自由回転に移らない場合があるが、必ず自由回転になる。また受捕部が南極捕捉部をすり抜けることがあるが、その場合は回転軸の方向を変えるか磁石を強くするか、ゴムの摩擦を強くする。基本的には、回転軸の方向を緯線に直交に近くするのが有効である。
この回転させる機構の回転軸の方向を、正しい地軸回転の時の地球の緯線と直交にするとき、地軸回転は安定する。その程度は小模型地球の南極点に何も装着しなくても地軸回転に近い回転が行われる程である。しかしその地軸回転の軸は不安定であり、回転させる機構のみで地軸回転を正確な角度に安定させることは難しく、小模型地球の南極点に設ける磁気の吸着による結合、または凹形状部と凸形状部の嵌まり込みによる、南極点の受捕部と台座の南極捕捉部の捕捉と吸着接合の機能は重要である。
回転させる機構を置く位置と方向は、台座の形から自由に決めて良い。台座の中心から離れると安定が良く、近いと回転効率が良くて回転させる機構を台座の内部に入れやすくなり、離すと小模型地球の回転が行い易い。他の支え部が中心に近いとコンパクトになり、遠いと小模型地球の安定性が良い。
台座の機能の範囲を述べると、例えば台座の皿型部分を小さくして、その外の部分に南極捕捉部や回転させる機構を置くこともあり得るので、支え部、南極捕捉、回転させる機構を含む、全てが台座である。
本発明はこの南極点の位置に磁石、強磁性体または凹形状部を持った重心位置が南極側に偏ってある小模型地球と、支え部、南極捕捉部、および回転させる機構を持った台座とから成るものであり、これにより、気軽載せされた小模型地球が自由回転から地軸回転となることを可能としたものである。
本発明は、地球儀の一部である小模型地球の球体を、台座の上で好きな方向に自由に回せ、また台座の上から自由に手に取ることが出来て、地球を模した小模型球体の全ての面を、等しく同条件で鑑賞調査することが出来る。さらに鑑賞調査ののちに、方向を定めずに台座を起動する、または起動されている台座に、方向などを考えずに気軽載せして置いておくと、台座の上で、自由回転を始め、それを経たのちに、北極を上にして23.4度に近い地軸の角度に傾いた自転になり、地軸回転を続ける。その自転する自転軸の角度は、地球の地軸の角度とほぼ等しい定めた角度であり、回転軸の方向は安定して振れず、台座の南極捕捉部と受捕部の吸着精度、または嵌合精度に従って正確である、大きさ、材質の制限は殆んど無く適応できる、と言う効果を有する。
以下本発明を実施例で説明する。
図19の110の3本柱の形態の台座を使用した実施例である。この場合、使用した小模型地球は、通常に市販されている紙製の地球儀の球体部分であり、これの直径は120mm、重量は65gである。この小模型地球の南極部の穴をふさぎ、外面に出来るつなぎ目の境を消し、北極部の穴から、5gの直径5mm、長さ30mmの鋼鉄製の強磁性体を糸で縦に吊るして入れた。
外部より南極点の位置に磁石を置き、この強磁性体をここに吸着させて立てた状態に保ち、北極を上にして置き、北極部の穴から2液混合のエポキシ樹脂を約1cc注入し、硬化を待った。その結果出来た小模型地球の受捕部の状況は図3の101の如くであり、この結果の重心位置の偏りは5mmであった。北極部の穴は樹脂硬化後にふさいで真球の形状にした。
一方の台座は、図9の支え部の柱は、24mm径の木製の円柱である、片方の面を23.4度の角度に切ってある。南極捕捉部の柱の上面には、5mm径3mm厚さのネオジューム磁石を表面が0.5mm高いように埋め込み、その表面に出来た段差を残してテフロン(登録商標)シートを貼った。
一つの柱は支え部として、テフロン(登録商標)シートのみを表面に貼った。他の一つの柱には、回転させる機構の回転軸を3mmの回転軸を通して、先端にゴムロールをはめ込む。三本の柱を載せて貼った木製の箱の中には、モーターと減速機構を内蔵し、ゴムロールを小模型地球が載った時にテフロン(登録商標)シート面より0.5mm浮くように調整した。
この回転させる機構の軸の方向は、緯線との直交方向より、約2度ずれている。この台座に小模型地球を気軽載せして、外部スイッチを入れると。図5の如く、自由回転して地軸回転に移行し、その回転が継続した。回転速度は電圧で調整し。1周10秒の速度が最も好ましかった。ここで使用した直径5mm、厚さ3mmのネオジューム磁石は、表面磁束密度3900ガウス、吸着力0.5kgであり、十分な吸着機能を果たした。
図19の113の円筒形態の台座を使用し、南極捕捉部をボールローラーにした図9に示す実施例である。この場合、使用した小模型地球は実施例1と同じ、通常に市販されている紙製の地球儀の球体部分であり、これの直径は120mm、重量は65gである。この小模型地球の南極部の穴をふさいだものを、北極を上にして置き、錘になる重さ5gの真鍮の鞘におさめた直径2mm、長さ30mmのネオジューム磁石を北極に開けた穴より入れ、硬化樹脂を流し込んで固着し、北極の穴をふさいだ。この磁石は、表面磁束密度3500ガウス、吸着力0.16kgのものである。
台座の円筒はプラスチック製で、その上面は十分な滑り性を持っている。これの外側に固着させたボールローラー28は、外形16mm、高さ11mm、メインボール29の直径が10mmのもので、23度に傾けて固着してある。
回転させる機構のモーターは低速モーター15で同軸の減速機16で減速され、これをフレキシブルジョイント30で回転させる機構の軸につなぎ、先端に10mm径のゴムロール6を差し込んだ。軸の方向は緯線と直交させた。モーターの回転を可変にするために、電圧可変の電源につないだ結果、小模型地球の回転を、1回転5秒から30秒に作ることが出来た。
1回転9秒の回転の場合、小模型地球の南極点を真上にして置いた場合の、南極捕捉部が受捕部を捕捉するまでの時間は160秒であり、南極の位置を考えずに気軽載せした場合の地軸回転に移行するまでの時間は、この中にあった。
回転数を早くした場合の捕捉までの時間はほぼ比例関係であった。
2mm径の磁石とボールの結合の位置は正確で、地軸回転の傾きの精度は+−0.5度であった。
図19の109の平面を曲げて皿状にした形態の台座を使用したものである。南極捕捉部をネオジューム磁石にし、支え部を厚さ3mmの三角形のアクリル板を三角の頂点が高くなるように曲げて、それで出来た平面の傾斜部を支え部にしたものである。
中心から29mmの傾斜部の1箇所に南極捕捉部として、直径5mm、厚さ3mmのネオジューム磁石8を埋め込み、3つの傾斜部の中心に等しく滑り性の良い高密度ポリエチレンの滑る部材18を貼った。モーター15は低速モーター、ベルトとプーリー23で減速し、この回転をフレキシブルジョイントで回転させる機構につないだ。
回転させる機構6は軸に生ゴムのゴムチューブを被せたものである。軸の径は4mmで生ゴムの外径は6mmである。軸方向は45度の傾きで、緯線とは60度で交わって、支え部とは異なる位置にいる。モーターへの入力電圧を可変にした。
これに使用した小模型地球は、通常に市販されているプラスチック製の地球儀の球体部分であり、これの直径は150mm、重量は120gである。この小模型地球の南極部の穴をふさいだものを、北極を上にして置き、重さ5gの直径5mm、長さ30mmの鋼鉄製の強磁性体19を北極部の穴から入れて、南極点の裏に固着させたのち、北極部の穴をふさいで修復したものである。重心位置の偏りは6mmであった。
この実施例も、回転させる機構の軸方向が、緯線と直角の方向とかなりずれているにも関わらず、優れた地軸回転への移行を示した。
[比較例]
[比較例1]
特許文献1を参考にして作った試作品を通して気付いた問題について解説する。明細書にある図のように試作するとベアリングと球の接触角度は小さくて、約15度であり、ベアリングへの負荷は小さい。この角度で、ベアリングの球に挟まれている球体の中の重りは、ベアリングの球に囲まれた最も低い所に来るように球体は回転してくれる筈であるが、そのようにはならない。これはベアリングにある摩擦抵抗を、球体が回転することによる重りの位置のエネルギ―変化の大きさが越える限界内では、球体は回転しないからである。
直径120mmの地球儀の球体を使い、3つのベアリング球の上で、重りを入れた球体を揺らして軸が停止する位置を調べたところ、重りを5gにした場合の軸角度のずれの実測値は+−20度、球体に内蔵できる限界の大きさの40gの鉄球にした場合のそれは+−8度の大きさであった。この度数の大きさは、回転軸が地軸の角度として安定してくれないという、その程度の大きさを示している。
また、地軸の方向の安定性に問題点がある。特許文献1の明細書にはこれに関する記載がないが、縁にベアリングを置いた穴の中心とウォームホイルの回転軸の中心をむすぶ線が、地軸の傾き方向と同じであることが有効に働いてくれる考えであろう。重りの効果で地軸の傾きを持っている球体は、地軸の傾き方向と直交する方向に駆動されることで、その駆動方向に回転し、すなわち縁にベアリングを置いた穴の上にある地球儀の球体は、ウォームホイルの回転板の中心軸の反対側に軸方向を向けた地軸で回ろうとする、という考えだと思われる。しかしその軸方向は安定してくれない。
地軸の傾きを作っている棒部材から直角に出された支持腕は、自在に回転する機構だが、地軸の傾斜角度が小さいため、支持腕の根元の回転摩擦が大きく影響して、球体の直下に来ない、そのずれは30度にもなる。その結果、球体の地軸方向の傾きは、首ふり運動をすることになる。
このように特許文献1の発明においては、手軽に手に持てて、台座に置くと、定めた方向と角度を持った地軸を回転軸にして、自律的に回転する、という地球儀の目的に対して、その地軸の角度と方向が大きく不安定であるという問題点があった。
小模型地球と台座とよりなる地球儀の図 台座の構成を示す図 小模型地球の磁石または強磁性体の各種受捕部と重心位置の図 小模型地球の凹形状部の各種受捕部と重心位置の偏りの図 回転させる機構により作られる南極点の軌跡の図 回転させる機構により作られる南極点の軌跡の図 南極捕捉部の位置を交換出来る台座の図 南極捕捉部が回転する台座の図 ボールローラーを使い受捕部が磁石である台座と小模型地球の図 ボールローラーを使い受捕部が凹形状部である台座と小模型地球の図 回転させる機構がロールの台座と小模型地球の図 回転させる機構がロールの台座と小模型地球の図 ベルトを使った回転させる機構の台座の図 ゴム円盤を使った回転させる機構の台座の図 送風を使う凹面皿型の台座の図 回転させる機構が支え部になる台座の図 回転させる機構の軸がばねの台座の図 回転させる機構の軸をばねで押しつける台座の図 台座の各種形状の図 南極捕捉部と受捕部の各種組み合わせの図 南極捕捉部と受捕部が結合した時の電磁誘導機構の図 磁気結合で浮き上がる南極捕捉部の図
本発明は、台座の上の小模型地球を自由に動かし、手に取って鑑賞調査を行うことが出来、さらに台座の上にあると、自由回転を経て自律的に地軸回転に移行するもので、教室における教具として、地球調査の資料として、書斎の知的インテリアとして、地球理解と関心向上のシンボル的置きものとして、または遊びながら地球への親しみを持つ遊具として、またはゲームの道具として、広い用途で使用することの出来るものである。地球理解を推進する必要の高まりの中で、有効な手段となるものである。
1 小模型地球
2 南極点の位置
3 台座
4 支え部
5 南極捕捉部
6 回転させる機構
7 重心位置
8 磁石
9 硬化樹脂
10 錘
11 材質を厚くした半球
12 電気機器
13 凹形状部
14 電磁誘導コイル
15 モーター
16 減速機
17 減速ギア
18 滑る部材
19 強磁性体
20 南極点の始点
21 移動の軌跡
22 ベルトによる減速機構
23 ベルトによる回転させる機構
24 取り替える南極捕捉部
25 大きいサイズの小模型地球
26 ステッピングモーター
27 駆動伝達ロール
28 ボールローラー
29 ボールローラーのメインボール
30 フレキシブルジョイント
31 押し上げロール
32 ゴム円盤
33 送風機
34 空気流出口
35 バネ軸
36 押しつけバネ
37 ボールローラーのサブボール
38 地軸線
39 電磁誘導のフェライト
101 磁石を樹脂で固定した受捕部
102 錘と磁石を置いた受捕部
103 半球を厚くして重心位置の偏りと磁石持った小模型地球
104 電気機器を内蔵した小模型地球
105 凹形状部を樹脂で固定した受捕部
106 錘を置いた受捕部
107 半球を厚くして重心位置の偏りと凹部を得た小模型地球
108 電気機器とコイルを内蔵した小模型地球
109 放射状に平面部を設けた台座形状
110 3本の柱形状の台座形状、
111 3本の角の形状、
112 凹面の皿形状の台座形状
113 円筒形状の台座形状
114 皿型の受けを柱の上につけた台座形状
115 磁石と強磁性体の径が同じ組み合わせの捕捉部
116 磁石より強磁性体の径を小さくした組み合わせの捕捉部
117 磁石より強磁性体の径を小さくした組み合わせの捕捉部
118 強磁性体の先端を球面にした組み合わせの捕捉部
119 強磁性体と磁石の径が同じ組み合わせの捕捉部
120 台座の磁石より強磁性体の径が小さい組み合わせの捕捉部
121 台座の磁石より強磁性体の径が小さい組み合わせの捕捉部
122 球体側の強磁性体の先端を球面にした組み合わせの捕捉部
123 台座側の強磁性体をボールローラーにした南極捕捉部
124 凹形状部と台座側をボールローラーにした南極捕捉部
125 磁石と凹形状部に対しボールローラーにした南極捕捉部
126 ボールローラーの下に磁石を置いた南極捕捉部
127 凹凸の形状部だけの南極捕捉部
128 凹形状部に磁石を置いた受捕部
129 沈んでいる浮き上がる南極捕捉部
130 浮き上がって吸着した南極捕捉部

Claims (1)

  1. 地球をかたどった小模型球体と、これを上に載せて地軸で回転させる台座とを組み合わせてなる地球儀であって、地球をかたどった小模型球体の重心位置が地軸線の近くで小模型球体の中心より南極点側へ寄った位置にあり、地球をかたどった小模型球体の南極点の位置には、磁石、強磁性体または凹形状部を設け、小模型球体が自由回転出来る台座には、台座に載せた地球をかたどった小模型球体の中心から台座への垂直の線と、地球をかたどった小模型球体の中心と南極点を結ぶ線との角度が18度から29度である、その延長線が台座と交わる少なくとも1箇所の位置に、小模型球体の南極点の位置に磁石或いは凹部を設けた場合は、磁石、強磁性体または凸形状部を設け、小模型球体の南極点の位置に強磁性体を設けた場合は、磁石を設けた、地球をかたどった小模型球体を回転させる機構を有することを特徴とする地球儀。
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