JP5059235B1 - 熱蛍光線量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光体を覆うカバー内に湿気が入らないようにすると共に同一感度の蛍光体を複数配置する場合の歩留りを向上する。
【解決手段】環状枠体6に形成した段部6bと段部に載置される形状のリング10とにより、段部上に載置されたベーステープ8及びドーム状の透明カバー9の外周部分を挟持し、リングを環状枠体に固着する。ベーステープの中央部に設けた蛍光体7をベーステープと透明カバーとの間の空間に密封状態に収容した状態の蛍光体ユニット5を形成する。蛍光体を収容する空間の密封性が確保されて湿気等の影響が防止されると共に、ユニット単位で取り扱うことができ、同種類の蛍光体を2つ配設する場合に容易に感度を合わせることができ、測定の正確性が確保される。
【選択図】図3
【解決手段】環状枠体6に形成した段部6bと段部に載置される形状のリング10とにより、段部上に載置されたベーステープ8及びドーム状の透明カバー9の外周部分を挟持し、リングを環状枠体に固着する。ベーステープの中央部に設けた蛍光体7をベーステープと透明カバーとの間の空間に密封状態に収容した状態の蛍光体ユニット5を形成する。蛍光体を収容する空間の密封性が確保されて湿気等の影響が防止されると共に、ユニット単位で取り扱うことができ、同種類の蛍光体を2つ配設する場合に容易に感度を合わせることができ、測定の正確性が確保される。
【選択図】図3
Description
本発明は、放射線の検出に用いられる熱蛍光線量計に関するものである。
従来、放射線の検出には種々の方法があり、その中の一つに、放射線照射後に熱を加えることにより発光する現象を利用した熱蛍光線量計がある。熱蛍光線量計では、熱蛍光物質の加熱温度と発光強度との関係を示すグロー曲線に基づいて放射線量を求めることができる。また、発光物質を選ぶことにより各種の放射線(β線、γ線、中性子線等)に適用し得ると共に、加熱後に再び放射線照射前の状態に戻ることにより、繰り返し使用できるという特徴を有する。上記熱蛍光線量計には、蛍光体と、蛍光体を保持する素子プレートと、素子プレートを収納するホルダとにより構成されるものがあり、放射線量の測定時には素子プレートを素子ホルダから取り外して測定器により測定する(例えば特許文献1参照)。
上記したような熱蛍光線量計では、蛍光体を円形のベーステープにより一体的に保持しており、部品点数を少なくしかつ組立を簡単に行うことができるようにすることが望まれる。例えば、耐熱合成樹脂製のプレート上に直接ベーステープを配置し、その上に、透明カバー、リングをこの順に配置し、プレートとリングとを複数箇所(例えば4箇所)で固定することが考えられる。しかし、熱蛍光線量計では、測定ごとにプレートを300℃程度まで加熱するため、内部の気体の温度膨張などにより、内部の圧力上昇等が繰り返される。この為、前述の合成樹脂製プレートとリングとにより蛍光体を密封することが困難であり、カバー内に湿気が入って蛍光体に悪影響を及ぼす虞がある。
また、放射線の種類と測定レベルの感度とに応じて蛍光体の種類を選択するが、例えばプレートに4つの蛍光体を配置可能にし、2種類の蛍光体を2つずつ配置することが考えられる。その場合には、同種類の2つの蛍光体間では同一の感度のものが配置されている必要があり、感度に大きな差がある場合にはそのプレートを用いることはできないため、歩留りが低下するという問題が生じる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、蛍光体を覆うカバーの隙間から内部に湿気が入らないようにすると共に同一感度の蛍光体を複数配置することで歩留りを向上し得る熱蛍光線量計を提供することにある。
本発明の熱蛍光線量計は、複数の円形の孔を備えた筐体へ複数の蛍光体ユニットが収納される熱蛍光線量計であって、複数の前記蛍光体ユニットは、前記放射線量測定用の蛍光体を一体的に保持するベーステープと、前記ベーステープの外周部分を載置し得る段部を内側に備える環状枠体と、前記ベーステープの前記蛍光体側を覆うカバーと、前記ベーステープ及び前記カバーの各外周部分を前記段部との間に挟持するリングとを有し、前記環状枠体と前記リングとが同一金属により形成されて固着されるものであり、前記環状枠体の周壁部の内側には前記ベーステープ、前記カバー、前記リングが順に積層された状態で配置される構成とする。
本発明によれば、環状枠体に設けた段部と、環状枠体の内壁にはめ込まれるリングとにより、蛍光体を保持するベーステープ及び蛍光体を覆うカバーの外周部分を挟持した状態でリングを環状枠体にカシメなどにより固着して固着して、蛍光体を収容する空間を密封したことから、カバー内に湿気が入って蛍光体に悪影響を及ぼすことが防止される。また、環状枠体とベーステープとカバーとリングとがユニット化されるため、そのユニット化されたものを1ユニットとして取り扱うことができる。例えばプレートに最大4つのユニットを配置可能にし、1、2種類のユニット(蛍光体)を1〜4つ配置した熱蛍光線量計において、同種類の2〜4つの蛍光体間で感度に大きな差が出ないように感度測定をユニット単位で行えるようにすることで組立前に選別でき、歩留りの悪化を防止し得る。なお、このとき、前記環状枠体のカシメなどにより、前記リングを環状枠体と密着させることにより、ベーステープとカバーテープの密着を行ことができる。
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、複数の円形の孔を備えた筐体へ複数の蛍光体ユニットが収納される熱蛍光線量計であって、複数の前記蛍光体ユニットは、前記放射線量測定用の蛍光体を一体的に保持するベーステープと、前記ベーステープの外周部分を載置し得る段部を内側に備える環状枠体と、前記ベーステープの前記蛍光体側を覆うカバーと、前記ベーステープ及び前記カバーの各外周部分を前記段部との間に挟持するリングとを有し、前記環状枠体と前記リングとが同一金属により形成されて固着されるものであり、前記環状枠体の周壁部の内側には前記ベーステープ、前記カバー、前記リングが順に積層された状態で配置される構成とする。
これによると、環状枠体に設けた段部と、環状枠体の内壁にはめ込まれるリングとにより、蛍光体を保持するベーステープ及び蛍光体を覆うカバーの外周部分を挟持した状態でリングを環状枠体にカシメなどにより固着して、蛍光体を収容する空間を密封したことから、カバー内に湿気が入って蛍光体に悪影響を及ぼすことが防止される。また、環状枠体とベーステープとカバーとリングとがユニット化されるため、そのユニット化されたものを1ユニットとして取り扱うことができる。例えばプレートに最大4つのユニットを配置可能にし、1、2種類のユニット(蛍光体)を1〜4つ配置した熱蛍光線量計において、同種類の2〜4つの蛍光体間で感度に大きな差が出ないよう感度測定をユニット単位で行えるようにすることで組立前に選別でき、歩留りの悪化を防止し得る。なお、このとき、前記環状枠体のカシメなどにより、前記リングを環状枠体と密着させることにより、ベーステープとカバーテープの密着を行うことができる。
また、環状枠体とリングとの材料を同一にすることから、測定値を安定化し得る。蛍光体材料としては、人体とほぼ等価な実効原子番号(7.26)をもつホウ酸リチウム系蛍光体と、高感度を有する硫酸カルシウム蛍光体(実効原子番号15.3)とがあり、ホウ酸リチウム系蛍光体は3種類に分類され、これら4種類の蛍光体を測定目的に応じて用いられることから、それぞれに応じて測定感度に悪影響を与えない材料で環状枠体とリングとを形成するとよい。
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記環状枠体と前記リングとは、前記蛍光体がLiB系(ホウ酸リチウム系)の場合にはアルミニウム材からなる構成とする。
これによると、LiB系(ホウ酸リチウム系)の蛍光体による測定において、環状枠体及びリングの材質による影響が無く、正確な測定を行うことができる。
また、第3の発明は、前記1の発明において、前記環状枠体と前記リングとは、前記蛍光体がCaS系(硫酸カルシウム系)の場合には真鍮材からなり、かつ前記環状枠体を支持するホルダに、前記環状枠体の軸線方向両側で挟むように鉛板が設けられている構成とする。
これによると、CaS系(硫酸カルシウム系)の蛍光体の場合には、X線に対する感度が高すぎるため、環状枠体の前後(環状枠体の軸線方向両側)に鉛板を設け、更に環状枠体の材質を真ちゅうとすることで、前後だけでなく、斜め方向からのX線を遮蔽することにより、X線の蛍光体への照射方向に対する依存性を小さくすることができ、測定の安定化を達成し得る。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による熱蛍光線量計を用いたTL(thermoluminescence)バッジの例を示す全体斜視図である。図示例のTLバッジ1は、長方形状の扁平箱形のケース2(ホルダ)と、ケース2の長手方向に挿抜自在な細長平板状のプレート3と、プレート3にその長手方向に並べて配置されかつ取り付け取り外し自在な蛍光体ユニット5とにより構成される。
プレート3には、長手方向に並べられた4つの円形状の保持孔4が設けられている。保持孔4には円盤状の蛍光体ユニット5が装着される。保持孔4は、蛍光体ユニット5を若干の遊びをもって収容し得る内径の大きさで、かつ蛍光体ユニット5の外周部を載置状態に支持し得る内向フランジ部4aを有する形状に成型されている。なお、図1では蛍光体ユニット5は1つのみ図示されているが、4つの保持孔4にそれぞれ蛍光体ユニット5を入れて、プレートをケース2に没入(挿入)する。
図2は、蛍光体ユニット5の構成を示す分解斜視図である。蛍光体ユニット5は、保持孔4の内向フランジ部4aに載置される大きさの円形の環状枠体6と、上面に蛍光体7が一体的に載せられかつ環状枠体6に収容されるベーステープ8と、蛍光体7を含むベーステープ8の上面の全体を覆う透明カバー9と、ベーステープ8及び透明カバー9を環状枠体6に固定するためのリング10とにより構成される。
図3は、蛍光体ユニット5の組み上がり状態を示す要部断面図である。環状枠体6は、その外周を形成する周壁部6aと、周壁部6aの内側の基部から半径方向内向きに成型された段部6bとにより扁平な皿状に形成されている。なお、環状枠体6の底壁を形成する段部6bは周壁部6aから所定長だけ延出されており、底壁の中央部分には段部6bの内周部により円形に成型された開口6cが設けられている。
ベーステープ8は、例えばポリイミド樹脂に炭素粉末を混入したものにより形成されるとよく、それにより高い耐熱性及び遮光性が確保される。また、透明カバー9は、例えばテフロン(登録商標)により形成されるとよく、それにより透明性及び耐熱性が確保される。これらベーステープ8と透明カバー9との外径は、それぞれ環状枠体6の周壁部6aの内径と同一もしくは略小径にされている。段部6bの図3における上面に、ベーステープ8の外周部分と透明カバー9の外周部分とがこの順に積層される。
段部6bに載置されたベーステープ8の外周部に透明カバー9の外周部分が積層された状態で、透明カバー9の外周部分の上に円環状のリング10がさらに積層される。リング10は、周壁部6aの内周面に略密接する外径となる大きさに成型され、かつ段部6bの内向延出長さと略同一幅及び周壁部6aの高さよりは低い厚さの矩形断面形状に形成されている。
リング10を上記したように積層し、かつリング10の外周面と周壁部6aの内周面とを接着することにより、段部6bとリング10との間にベーステープ8及び透明カバー9の外周部分が挟持される。このようにして、リング10と共にベーステープ8及び透明カバー9が環状枠体6に一体的に固定され、環状枠体6・ベーステープ8・透明カバー9・リング10によりユニット化された蛍光体ユニット5が形成される。なお、リング10を環状枠体8に固着する方法としては、接着に限られるものではなく、例えば図3の矢印Aに示されるように周壁部6aの適所を内側にかしめて、リング10を固定するようにしてもよい。
透明カバー9におけるリング10の内周縁から半径方向内側部分には、図3によく示されるようにベーステープ8側とは相反する側にドーム状に膨出されたドーム部9aが形成されている。このドーム部9aとベーステープ8との間の空間11に、ベーステープ8の上面に配設(保持)された蛍光体7が受容(収容)され、上記したリング10の固定により空間11が外部に対して密封されている。
蛍光体7の材料としては、例えば、人体とほぼ等価な実効原子番号(7.26)をもつホウ酸リチウム系蛍光体として、天然のnLi、nBを同位体濃縮した6Li、7Liおよび10B、11Bを組み合わせた6Li2 10B4O7(Cu)と7Li2 11B4O7(Cu)と、および非濃縮のnLi2 nB4O7(Cu)との3種類があり、高感度を有する硫酸カルシウム蛍光体CaSO4(Tm)とがあり、これら4種類の蛍光体を測定目的に応じて用いるとよい。
なお、nLi2 nB4O7(Cu)は、生体等価なLi2B4O7にCuを活性体として添加して蛍光体としたものであり、γ、X、β線の他、熱中性子に対して感度を有する。7Li2 11B4O7(Cu)は、nLi2 nB4の代わりに同位体濃縮材料7Li2 11B4を用いたものであり、中性子にはほとんど感度を有しないが、γ、X、β線に対する特性はnLi2 nB4O7(Cu)と等価である。6Li2 10B4O7(Cu)は、nLi2 nB4の代わりに同位体濃縮材料6Li2 10B4を用いたものであり、熱中性子に大きな感度を有し、γ、X、β線に対する特性はnLi2 nB4O7(Cu)と等価である。
また、CaSO4(Tm)は、非生体等価のCaSO4にTmを活性体として添加して蛍光体としたものであり、γ・X線に高感度なため、金属シールドと共に低線量のγ・X線の測定に用いられる。また、金属シールド無しでは低エネルギーのγ・X線に過大な応答を示すので、Li2B4O7(Cu)系の蛍光体を組み合わせて、γ・X線のエネルギー評価に用いられる。なお、中性子線にはほとんど感度を有しない。
また、熱蛍光線量計において、測定目的や線種に対応していろいろなシールド材料を用いることがある。Li2B4O7(Cu)(以下LiBとする。)系を用いた場合には、例えば、深部線量当量(皮膚下1cm)の評価には、蛍光体ユニット5の厚みが160mg/cm2の場合に840mg/cm2のABS材のハンガを組み合わせて1000mg/cm2の樹脂シールドが用いられる。皮膚表面線量(皮膚下7mg/cm2のβ線吸収線量)の測定には50mg/cm2のシールドが使われ、同位体濃縮蛍光体を用いた中性子線量の測定にはCd(カドミウム)シールドが熱中性子吸収用、Sn(錫)シールドがγ線補償用として使われる。CaSO4(Tm)(以下CaSとする。)の場合には、樹脂シールド、Pb(鉛)シールドがそれぞれγ・X線のエネルギー評価や低線量の測定評価に使われる。
本TLバッジ1の場合には、ケース2の材質をABS樹脂とし、プレート3の材質をノリル樹脂としている。図1に示されるように、ケース2の上下面(図では上面のみ示されている)に6つの矩形の窪み2aが設けられている場合があり、各窪み2aには平板状のシールド体12が貼り合わされる。なお、2箇所にリング13及びしゃ光フィルム13aを設けた2窓形や、全て(4箇所の裏表)にシールド体12を8枚貼った無窓形があり、測定目的に応じて使い分けることができる。
図4はTLバッジ1の使用状態における要部側断面図である。図の上側が装着状態における表面側であり、図の下側が人体側となる。図に示されるように、蛍光体ユニット5は、透明カバー9側を下側にして配設されている。
蛍光体ユニット5におけるベーステープ8は厚さ約100μmのカーボン含有の高耐熱ポリイミドフィルムからなり、蛍光体7は平均粒径約90μmのものが略一層に形成され、透明カバー9はテフロン(登録商標)材からなるものであってよい。上記したように、蛍光体7はベーステープ8と透明カバー9とにより外部に対して遮断されており、蛍光体7にゴミや埃等が付着することが防止されている。なお、層の厚さ15mg/cm2となる蛍光体7は、11mg/cm2(ベーステープ8)及び3mg/cm2(透明カバー9)でカバーされている形態となる。このような薄型の蛍光体ユニット5を用いることにより、皮膚線量の測定が可能となる。
図5は蛍光体ユニット5の測定要領を示す模式図である。検出機は、光加熱方式であってよく、ベーステープ8側に赤外線を出射するタングステンランプ14が配設され、タングステンランプ14の蛍光体ユニット5側にはSiフィルタ15が配設され、Siフィルタ15と蛍光体ユニット5との間には集光チューブ16が配設されている。蛍光体ユニット5の透明カバー9側には光学フィルタ17を介してPM管18が配設されている。
タングステンランプ14からの光は、Siフィルタ15により波長1.2μm以下の可視光が取り除かれる。Siフィルタ15を通過した赤外光が、集光チューブ16により蛍光体ユニット5のベーステープ8に集光される。ベーステープ8は、上記したようにカーボン含有の高耐熱ポリイミドフィルムにより形成されており、Siフィルタ15を通過した光の中の赤外光を吸収して温度が上昇し、蛍光体7を加熱する。
蛍光体7は、約350℃まで昇温されるが、その昇温に要する時間は1秒以内である。なお、タングステンランプ14を3回点灯する。1回目の点灯でプリアニールを行い、2回目の点灯で測定を行って、3回目の点灯で残線量の消去を行う。このようにして蛍光体ユニット5の測定を行うことができ、1つの蛍光体ユニット5の測定〜アニールに要する時間は約3秒で済む。
このように本発明によれば、1種類の蛍光体7を設けたエレメントを1つの蛍光体ユニット5としたことから、ユニット毎に取り扱うことができ、例えば同一種類の蛍光体7を2つずつプレート3に配設したTLバッジ1を用意する場合に、それら同一種類の蛍光体7の感度が許容値内に入るよう、ユニット単位で測定、選別することができるため、歩留りが良い。
また、環状枠体6にリング10を固着して、ベーステープ8と透明カバー9とを挟持することから、蛍光体7を受収容する空間の密封性を容易に確保することができる。例えばリング10の平面度をある程度高精度にすることにより、環状枠体6の周壁部6aのかしめだけで、リング10と段部6bとの間に挟持された状態のベーステープ8と透明カバー9との外周部の密着度を高く確保し得る。これにより、蛍光体7に対する湿気やゴミまたは埃等からの保護を確保し得る蛍光体ユニット5の組立を容易に行うことができ、蛍光体7を蛍光体ユニット5単位で取り扱うことに何等問題が生じることがない。
また、蛍光体7の上記各材料に応じて、測定感度に悪影響を与えない材料で環状枠体6とリング10とを形成するとよく、例えば環状枠体6とリング10とを同一金属により形成するとよい。このように、環状枠体6とリング10とを同一金属にすることにより、放射線に対する影響が同一となり、測定値を安定化し得る。
また、蛍光体7がLiBの場合には環状枠体6とリング10とをアルミニウム材により形成するとよい。この場合には、LiBの蛍光体7による測定において、環状枠体6及びリング10の材質による影響が無く、正確な測定を行うことができる。
また蛍光体7がCaSの場合には、環状枠体6と10リングとを真鍮材により形成し、さらに環状枠体6の前後に鉛板を設けるとよい。CaSの蛍光体7の場合には、X線に対する感度が高すぎるため、環状枠体6の斜め方向からのX線に対しても反応してしまうことから、環状枠体6の材質を比重の大きい真ちゅう材を選定することでそのような斜め方向からのX線を遮蔽することにより、X線の蛍光体7への照射方向に対する依存性を小さくすることができ、測定の安定化を達成し得る。
以上、本発明を、その好適形態実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
本発明にかかる熱蛍光線量計は、蛍光体を収容する空間の密封性が確保されると共に、ユニット単位で取り扱うことから同種類の蛍光体を2つ以上配設する場合に容易に感度を合わせることができ、測定の正確性が確保されるため、蛍光線量計として有用である。
1 TLバッジ
5 蛍光体ユニット
6 環状枠体
6a 周壁部
6b 段部
7 蛍光体
8 ベーステープ
10 リング
5 蛍光体ユニット
6 環状枠体
6a 周壁部
6b 段部
7 蛍光体
8 ベーステープ
10 リング
Claims (4)
- 複数の円形の孔を備えた筐体へ複数の蛍光体ユニットが収納される熱蛍光線量計であって、
複数の前記蛍光体ユニットは、前記放射線量測定用の蛍光体を一体的に保持するベーステープと、前記ベーステープの外周部分を載置し得る段部を内側に備える環状枠体と、前記ベーステープの前記蛍光体側を覆うカバーと、前記ベーステープ及び前記カバーの各外周部分を前記段部との間に挟持するリングとを有し、
前記環状枠体と前記リングとが同一金属により形成されて固着されるものであり、前記環状枠体の周壁部の内側には前記ベーステープ、前記カバー、前記リングが順に積層された状態で配置されることを特徴とする熱蛍光線量計。 - 前記環状枠体と前記リングとは、前記蛍光体がLiB系の場合にはアルミニウム材からなることを特徴とする請求項1に記載の熱蛍光線量計。
- 前記環状枠体と前記リングとは、前記蛍光体がCaS系の場合には真鍮材からなり、かつ前記環状枠体を支持するホルダに、前記環状枠体の軸線方向両側で挟むように鉛板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱蛍光線量計。
- 前記筐体が、平板状のプレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかひとつに記載の熱蛍光線量計。
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