以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施形態の1つである無線アクセスシステムを図1に示す。図1中の無線アクセスシステムは、有線ネットワーク10に接続された1つの無線基地局11と、その無線基地局11を経由して有線ネットワーク10に接続する複数の無線端末21から構成される。無線基地局11と無線端末21の間の無線を介した通信ではTDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex)を用いたアクセス方式が用いられる。また、各無線端末21は、無線基地局11から1又は複数の無線端末21を単位とするMACフレーム番号に対応して設定されたグループ毎に呼び出しが行われる。すなわち、本実施形態では、同一グループに設定された複数の無線端末21は、同一のタイミングで呼び出しが行われる。
図1において、無線基地局11はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等とCPUによって制御される無線信号の送受信回路、有線信号の送受信回路、電源回路等の各種回路を含んでいる。無線基地局11は、ROMやフラッシュメモリに格納されているプログラムをCPUによって実行することで各部を制御する。無線端末21はCPU、ROM、EEPROM(Erasable Programmable ROM)、RAM等とCPUによって制御される無線信号の送受信回路、電源回路等の各種回路を含んでいる。無線端末21は、ROMやEEPROMに格納されているプログラムをCPUによって実行することで各部を制御する。
図2は、図1に示す無線アクセスシステムにおける無線基地局11及び無線端末21の構成例を示す図であり、本発明に直接関係する構成部分のみを示したものである。また、以下の本実施形態の説明では、各無線端末21の識別子として用いられるID(識別符号)を「無線端末ID」と呼ぶこととする。また、各無線端末21は、1又は複数の無線端末21が属するグループに分けられており、このグループを識別するIDを「グループID」と呼ぶこととする。本実施形態では、第1の呼び出し方式を用いた場合に「無線端末ID」を2進数表示した場合の全ビット又は下位数ビット(つまり一部のビット)を用いて1又は複数の無線端末21を呼び出す処理が行われる。この「無線端末ID」を2進数表示した場合に呼び出し処理で用いられる一部のビット又は全部のビットを「無線端末ID抽出情報」と呼ぶこととする。さらに、1つ又は複数の無線端末21を呼び出す処理では、この「無線端末ID抽出情報」を1つで表した又は複数組み合わせた情報が用いられる。この「無線端末ID抽出情報」を1又は複数組み合わせた情報を「無線端末ID情報」と呼ぶこととする。また、第2の呼び出し方式を用いた場合に「グループID」をビットマップで表示した情報を用いて1又は複数台の無線端末21を呼び出す処理が行われる。この「グループID」をビットマップで表示した情報を「グループID情報」と呼ぶこととする。
図2において、無線基地局11は、制御部12、報知信号生成部13、MACフレーム生成部14、送受信部15及びデータベース16から構成されている。制御部12は、報知信号生成部13、MACフレーム生成部14、送受信部15、データベース16等の各部を制御する。報知信号生成部13は、上述の報知信号1及び報知信号2を生成するための処理部であり、この報知信号1には無線端末21の呼出情報として、「種別情報」と「呼出端末情報」とが含まれている。この「呼出端末情報」には、「無線端末ID情報」又は「グループID情報」が含まれる。この報知信号生成部13は、呼出情報に「種別情報」と「無線端末ID情報」とを含ませる第1の呼び出し方式を用いた場合に呼び出し対象となる無線端末21に対する論理チャネルの割当位置の情報を含む報知信号2を受信する端末数Aを算出する。報知信号生成部13は、また、この第1の呼び出し方式と異なり、呼出情報に「種別情報」と「グループID情報」を含ませる第2の呼び出し方式を用いた場合に呼び出し対象となる無線端末21に対する論理チャネルの割当位置の情報を含む報知信号2を受信する端末数Bを算出する。そして、報知信号生成部13は、これら第1又は第2の呼び出し方式について算出した端末数Aと端末数Bを比較して少ない端末数を示すいずれかの呼び出し方式を用いて無線端末21を呼び出すための報知信号1を生成する。また、報知信号2には、無線端末21へデータを送信するための論理チャネルの割当情報などが含まれる。
MACフレーム(無線フレーム)生成部14は、報知信号生成部13で生成された報知信号1、報知信号1に後続する報知信号2、送信データ等を含むMACフレームを生成するための処理部である。また、送受信部15は、MACフレーム生成部14で生成されたMACフレームを用いて無線端末21との間で無線通信を行う。この送受信部15は、報知信号生成部13で前記第1の呼び出し方式が選択された場合、MACフレーム生成部14で生成されたMACフレームを用いて、呼び出し対象となる無線端末IDの全部又は一部の情報を呼出端末情報として含む報知信号1を無線端末21に対して報知用論理チャネルを用いて送信することで、当該無線端末を呼び出すとともに、続いて、報知信号2を無線端末21に対して無線フレームの報知用論理チャネルを用いて送信する。送受信部15は、また、報知信号生成部13で前記第2の呼び出し方式が選択された場合、MACフレーム生成部14で生成されたMACフレームを用いて、呼び出し対象となる無線端末21の属する端末グループを表す情報を呼出端末情報として含む報知信号1を無線端末21に対して無線フレームの報知用論理チャネルを用いて送信し、続いて、報知信号2を無線端末21に対して無線フレームの報知用論理チャネルを用いて送信する。また、データベース16には、無線端末21の無線端末ID等が記憶されている。なお、報知信号1、報知信号2、MACフレーム等の詳細な構成については後述される。
また、無線端末21は、制御部22、送受信部23、報知信号1判定部24、報知信号2受信部25及びデータ受信部26から構成されている。制御部22は、送受信部23、報知信号1判定部24、報知信号2受信部25、データ送受信部26等の各部を制御する。報知信号1判定部24は、無線基地局11から受信した報知信号1を基に、報知信号2を更に受信するかどうかを判定する処理を行う。この報知信号1判定部24は、報知信号1に自端末の無線端末IDの全部又は一部の情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には報知信号2を受信すると判定する。報知信号1判定部24は、また、報知信号1に自端末が属する端末グループを表す情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には報知信号2を受信すると判定する。報知信号2受信部は、報知信号1判定部により報知信号2を受信すると判定された場合に、報知信号2を受信する処理を行う。そして、データ受信部26は、報知信号2受信部によって受信された報知信号2に自端末宛の割当情報がない場合には、受信を中止し、受信された報知信号2に自端末宛の割当情報がある場合には、報知信号2に含まれる論理チャネルの割当位置の情報を基に、無線基地局11から自端末宛に送信されるデータを受信する。また、送受信部23は、無線基地局11との間で無線通信を行う。
なお、図2に示す無線基地局11及び無線端末21における各部の構成は、この図に示すものに限られず、例えば各部を統合したり、あるいは各部をさらに分割したりすることが可能である。
本無線アクセスシステムで用いるMACフレームの構成例を図3に示す。MACフレームの長さは固定長であり、MACフレーム前半が無線基地局11から無線端末21へ向かう下りリンクであり、後半が無線端末21から無線基地局11へ向かう上りリンクである。下りリンクは報知情報を送信するブロードキャスト領域とユニキャスト・データを送信するデマンドアサイン領域から構成されている。このブロードキャスト領域ではBCCH(Broadcast Control Channel)、FCCH(Frame Control Channel)、RFCH(Random access Feedback Channel)が、デマンドアサイン領域では、UDCH(User Data Channel)、LCCH(Link Control Channel)が送信される。なお、BCCHとFCCHは、無線フレームの報知用論理チャネルとして機能する。
BCCHは、無線基地局の識別子である無線基地局ID、MACフレームのフレーム番号を示すMACフレーム番号等のシステム共通情報の報知に用いられる論理チャネルであり、前出の報知信号1に相当する。FCCHはそのMACフレームの構成を示す情報を報知するための論理チャネルであり、前出の報知信号2に相当する。このFCCHには、呼び出し対象の無線端末21に対する論理チャネルの割当位置の情報が含まれている。RFCHは、MACフレームにおけるランダムアクセスの成否及び無線端末で用いられるランダムアクセスパラメータ、RA(Random Access)情報を報知するための論理チャネルである。UDCHはユーザデータを送信するための論理チャネルであり、LCCHは制御用情報を送受信するための論理チャネルである。RACHはランダムアクセスに用いられる論理チャネルである。
無線端末21におけるデータ受信シーケンスを図4に示す。無線端末21がデータを受信する場合、まず初めにBCCHを受信する。なお、この場合のBCCHには、無線端末21が受信対象の無線端末であることを示す所定の呼出情報が含まれているものとする。この呼出情報の詳細については後述する。BCCHには、また、FCCHの長さ情報が含まれており、無線端末21はこれを基に引き続き送信されて来るFCCHを受信する。FCCHにはユーザデータを送信するためのUDCHの送信開始位置と長さが含まれており、無線端末21は、FCCHを受信することで、自分宛のUDCHの位置を知り、その位置においてUDCHを受信する。
このような無線アクセスシステムにおいて、無線基地局11から無線端末21へ間欠的にデータを送信する場合で、かつ、トラヒックが低い場合(無線端末21におけるデータの到着間隔が非常に長い場合)、無線端末21における待受時の消費電力を低減するために、無線端末21ではBCCHの間欠受信を行う。無線端末21がBCCH間欠受信状態にある場合、無線端末21は毎MACフレーム、BCCHを受信するのではなく、予め定められたフレーム周期でBCCHを受信し、その他のフレームにおいてはBCCHを受信せず、消費電力を節約する。BCCH間欠受信を実施するためのフレーム構成を図5に、BCCH間欠受信を行う場合の受信例を図6に示す。
図5に示すBCCH間欠受信を行う場合のフレーム構成では、N個のMACフレームをまとめてスーパーフレームを構成し、1つのスーパーフレームに含まれるN個のMACフレームには先頭から順番にMACフレーム番号(#0、#1、…、#N−1)が割り当てられる。なお図5の各MACフレームの構成は、図3に示したものと同一である。
図6に示すように、BCCH間欠受信を行う無線端末21(図6では端末1〜9として示す。)は、受信待ち状態においてm番目のMACフレームで のみBCCHの受信を実施する。なお、このmは無線基地局11と無線端末21の間で予め決められる。図6の例では、端末1、2、3は0番目のMACフレームにおいてのみBCCHを受信し、その他のMACフレームではBCCHを受信しない。また、端末4、5は1番目のMACフレームにおいてのみBCCHを受信し、その他のMACフレームではBCCHを受信しない。また、端末6、7、8、9は2番目のMACフレームにおいてのみBCCHを受信し、その他のMACフレームではBCCHを受信しない。
なお、この場合、端末1、2、3はグループ1に、端末4、5はグループ2に、端末6、7、8、9はグループ3に属するものとしている。ここで、図6に示すグループ1、2、3は、無線基地局11から同一のMACフレーム番号を持つMACフレームで送信された同一のBCCHを用いて同時に呼び出しが行われる1又は複数の無線端末21を意味する。
図7に、ある特定の無線端末21(グループ1の端末1とする。)にデータを送信する場合の例を示す。受信待ち状態において0番目のMACフレームにおけるBCCHを受信している端末1に対しデータを送信する場合、スーパーフレーム中の0番目のMACフレームにおいてデータを送信する。このMACフレームのBCCH中には、無線端末21の呼出情報として、「種別情報」と「呼出端末情報」とが含まれている。図7の例では、無線基地局11において端末1への送信データがない場合(呼出なしの場合)、スーパーフレーム#1で0番目のMACフレームのBCCHに含まれる「種別情報」が送信データのないことを示す情報となり、グループ1の端末1を含む各端末は、0番目のMACフレームではBCCHを受信するのみであり、FCCHを受信しない。
一方、端末1への送信データがある場合(呼出ありの場合)、無線基地局11はスーパーフレーム#2の0番目のMACフレームのBCCHにおいて、端末1に対して(あるいはグループ1に属する端末1を含む限定された台数の複数の無線端末21に対して)このMACフレームにおいて送信データが存在することを通知する。この通知は、BCCHに呼出情報として含まれる「種別情報」と「呼出端末情報」とを用いて実施される。無線端末21は、BCCHを受信した場合、呼出情報の「種別情報」と「呼出端末情報」の内容に基づいて自端末が呼び出されているか否か、すなわちこのBCCHに続いて送信されるFCCHを受信するよう通知がなされているか否かを判定する。そして、呼び出されていると判定した無線端末21のみが(図7では端末1のみが)、後続するFCCHを受信する。ただし、後述するように条件によってはグループ1の端末1以外の限定された台数のその他の端末も図7で破線の矩形で示すように後続するFCCHを受信する。FCCHにおいて自端末宛の割当を確認した無線端末21(図7中では端末1)はUDCHの受信を実施し、データを受け取る。呼出情報で自端末が呼び出されていない無線端末21は(図7では他の端末は)、後続するFCCHの受信も、その後のUDCHの受信も実施しない。
本実施形態において、BCCHにおいて送信する呼出情報のフォーマットの例を図8に示す。図8の呼出情報31は4ビットの種別情報41と32ビットの呼出端末情報42の2つから構成される。種別情報41が、それに続く呼出端末情報42のフォーマット(すなわち形式)を示す。呼出端末情報42は無線端末ID情報あるいはグループID情報のいずれかを含んでいる。この呼出端末情報42に含まれる一方の情報である無線端末ID情報は、各無線端末21の無線端末IDの全てのビット又は所定の限定された個数のビット(つまり一部のビット)からなる無線端末ID抽出情報を1又は複数保持している。なお、本実施形態において、無線基地局11から送信されるBCCHは無線端末21におけるフレーム同期性能向上のため固定長であり、従って、それに含まれる呼出情報31も固定長となる。
呼出端末情報42に含まれる他方の情報であるグループID情報は、1又は複数の無線端末21に割り当てられた各端末グループを識別するグループIDの情報を保持している。この端末グループは、図6や図7を参照して説明したグループ1、2、3とは異なる種類のグループである。図6や図7を参照して説明したグループ1、2、3は、スーパーフレームを構成する16個のMACフレーム#0〜#N−1のいずれかのMACフレームに対応する集合であり、本実施形態では16個のグループが設定されることになる。一方、端末グループは、1又は複数の無線端末21が属する集合であり、16個のMACフレーム#0〜#N−1へのグループ分けに関わらず、グループ分けが可能となっている。すなわち、図6の例では、グループ1の端末1とグループ2の端末4を同一端末グループに属させたり、グループ1の端末1とグループ1の端末2を同一端末グループに属させたりすることが可能である。ただし、端末グループと、16個のMACフレーム#0〜#N−1に対応するグループとの間で、グループ分けを対応させて行い、できるだけ分散してグループ分けがなされるように(すなわち両グループが同一となる無線端末21の最大の個数が小さくなるように)、グループ分けを行うようにすることが望ましい。この端末グループとして、本実施形態では一例として32個のグループを設定することとする。各端末グループには、グループIDが付与される。また、各無線端末21が属する端末グループを示す属性情報は、無線基地局11及び無線端末21の所定の記憶装置に格納・更新され、管理される。なお、図8の呼出端末情報42がグループID情報を含む場合には、呼出端末情報42を構成する32ビットの各ビットの位置が、無線基地局11において呼び出し対象となる無線端末21が属する端末グループを表す情報となる。
なお、本実施形態では1つの無線基地局11あたり最大65536台の無線端末21が識別可能となるように、各無線端末21にユニークに割り当てられる無線端末IDのフィールド長を16ビットとしている。また、1つのスーパーフレームは16個のMACフレームにより構成され、各MACフレームでBCCHを受信する無線端末21の個数は同じであるとする。つまり、あるMACフレームにおいてBCCHを受信する無線端末数は最大でも4096台(=65536/16)である。
呼出情報31の情報パターンを図9に示す。種別情報41及び呼出端末情報42の長さは図8に示す通りである。呼出情報31内の種別情報41は、呼出端末情報42の情報パターン(つまり形式)の識別に用いられる。すなわち、種別情報41により、呼出端末情報42が無線端末ID情報であるか、グループID情報であるかを知ることができる。図9に示す例では、種別情報41の値が「1001」(2進数表示。以下同様。)の場合、呼出端末情報42がグループID情報となり、「0000」〜「1000」の場合、呼出端末情報42が無線端末ID情報となる。グループID情報は、呼び出し対象の端末グループのグループIDを表す情報を含んで構成されている。無線端末ID情報は、呼び出し対象の1又は複数の無線端末21に対応する無線端末ID抽出情報(図9ではID0〜7として示す。)を含んで構成されている。上述したように無線端末ID抽出情報は、無線端末IDの全ビット又は一部のビットを含んで構成される。
呼出端末情報42がグループID情報となる場合、32ビットの各ビットの値(0/1)が各端末グループのグループIDに対応する呼び出しの有無を表す情報となる。すなわち、呼出端末情報42がグループID情報となる場合、呼出情報31として送信される情報は、端末グループを示すビットマップである。本実施形態において、全ての無線端末21は複数の端末グループのいずれかに属するようにグループ分けされている。本実施形態では、上述したように、端末グループ毎にその端末グループを表すグループIDが与えられている。無線基地局11が無線端末21を呼び出す場合、呼び出す無線端末21の属する端末グループを示すビットマップ上のビットを「1」とした呼出情報31がBCCHにより送信される。グループID=nの端末グループに属する無線端末21を呼び出す場合、送信する呼出端末情報42のビットマップでは、右からnビット目のビットが「1」となる。呼出待ち状態にある無線端末21はシステム情報を同報するBCCHを周期的に受信する。BCCHを受信した無線端末21は、呼出情報31の呼出端末情報42において自身の属する端末グループを示すビットを確認し、そのビットに「1」が設定されている場合、呼び出された可能性があることを認識し、FCCHを受信する。FCCHでは、各無線端末21宛てのバースト割当情報が通知されている。FCCHを受信した無線端末21は、その中のバースト割当情報をチェックし、自分宛ての割当があった場合、呼出待ち状態から通信状態へ遷移し、通信を行う。割当がなかった場合、呼出待ち状態を継続する。
一方、呼出端末情報42が無線端末ID情報となる場合、呼出端末情報42に含まれる無線端末ID情報の内容は、無線基地局11から呼び出しを行う無線端末21の数によって変化する。無線基地局11がある無線端末21を呼び出す場合、その無線端末21にユニークに付与された無線端末IDを表すビットパターンの全て、又は、一部からなる無線端末ID抽出情報を1つで表す又は複数組み合わせることで生成された無線端末ID情報を表す呼出端末情報42を含む呼出情報31が、BCCHによって送信される。複数の無線端末21を呼び出す場合、呼び出す端末数に応じて呼出端末情報42で送信する無線端末ID抽出情報のビットパターンのビット数を変更し、呼出端末情報42が固定長となるよう調節する。つまり、呼び出す無線端末21の数が多い場合、無線端末ID抽出情報当りのビットパターンビット数を少なくし、逆に、呼び出す端末数が少ない場合、無線端末ID抽出情報当りのビットパターンのビット数を多くする。一方、呼出待ち状態にある無線端末21は、BCCHを受信し、その中に含まれる呼出情報31を確認し、呼出情報31内の呼出端末情報42に含まれる無線端末ID抽出情報のビットパターンがその無線端末21の無線端末IDのビットパターンの全て又は一部と一致する場合、呼び出された可能性があることを認識し、FCCHを受信する。FCCHでは、各無線端末21宛てのバースト割当情報が通知されている。FCCHを受信した無線端末21は、その中のバースト割当情報をチェックし、自分宛ての割当があった場合、呼出待ち状態から通信状態へ遷移し、通信を行う。割当がなかった場合、呼出待ち状態を継続する。
呼出端末情報42として無線端末ID情報を用いる場合、種別情報41は、無線端末ID情報に含まれる無線端末ID抽出情報の個数も示している。すなわち、図9の例では、無線基地局11から呼び出しを行う無線端末21に対応する無線端末ID抽出情報の個数0〜8に対して、種別情報を「0000」〜「1000」が設定されている。
図9に示す例では、無線基地局11から呼び出しを行う無線端末21の数が0台の場合、種別情報41を「0000」とした呼出情報31が用いられる。この場合、呼出端末情報42は意味を有しない。無線端末21の数が1台の場合、種別情報41を「0001」とし、呼出端末情報42に1個の16ビットの無線端末ID抽出情報(ID0として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの全16ビットを含んでいる。無線端末21の数が2台の場合、種別情報41を「0010」とし、呼出端末情報42に2個の16ビットの無線端末ID抽出情報(ID0、ID1として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0、ID1は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの全16ビットをそれぞれ含んでいる。
無線端末21の数が3台の場合、種別情報41を「0011」とし、呼出端末情報42に3個の10ビットの無線端末ID抽出情報(ID0、ID1、ID2として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0、ID1、ID2は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの下位10ビットをそれぞれ含んでいる。無線端末21の数が4台の場合、種別情報41を「0100」とし、呼出端末情報42に4個の8ビットの無線端末ID抽出情報(ID0、ID1、ID2、ID3として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0、ID1、ID2、ID3は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの下位8ビットをそれぞれ含んでいる。無線端末21の数が5台の場合、種別情報41を「0101」とし、呼出端末情報42に5個の6ビットの無線端末ID抽出情報(ID0〜ID4として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0〜ID4は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの下位6ビットをそれぞれ含んでいる。無線端末21の数が6台の場合、種別情報41を「0110」とし、呼出端末情報42に6個の5ビットの無線端末ID抽出情報(ID0〜ID5として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0〜ID5は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの下位5ビットをそれぞれ含んでいる。無線端末21の数が7台又は8台の場合、種別情報41を「0111」又は「1000」とし、呼出端末情報42に7個又は8個の4ビットの無線端末ID抽出情報(ID0〜ID6又はID0〜ID7として示す。)を含む呼出情報31が用いられる。この場合、ID0〜ID7は、呼び出しを行う無線端末21の無線端末IDの下位4ビットをそれぞれ含んでいる。
ここで、図12又は図13を参照して、図8の呼出情報31の設定について具体例を示して説明する。図12は、図8の呼出情報31内の呼出端末情報42に無線端末ID情報を設定する場合の具体例を示し、図13は、図8の呼出情報31内の呼出端末情報42にグループID情報を設定する場合の具体例を示している。ただし、図12又は図13に示す呼出端末情報42a又は42bは、32ビットではなく、簡単化して16ビットの情報として構成されている。
図12に示す例は、無線基地局11から呼出待ち状態にある4台の無線端末21(端末1、2、3、4)がBCCHを同時に受信する場合の呼出端末情報42aの設定例を示している。また、端末1、2、3、4の無線端末IDはそれぞれ、125、468、1029、3000であるとしている。また、この場合、16ビットの呼出端末情報42aは、各無線端末IDの下位4ビットからなる無線端末ID抽出情報を4個含んで構成されている。
図12の例では、呼び出す無線端末数が4台であり、呼出端末情報42aの長さが16ビットであるから、各無線端末21当り4ビットを使用することが可能である。各無線端末21の無線端末ID下位4ビットを2進数表示すると、それぞれ、「1101」、「0100」、「0101」、「1000」である。したがって、呼出端末情報42aはそれら4個の4ビットの値を順に並べた16ビット「1101010001011000」となる。呼出待ち状態にある無線端末21は呼出端末情報42aを含む呼出情報31をBCCHによって受信し、その中に含まれる呼出端末情報42aを確認する。呼出端末情報42a中に含まれる無線端末ID抽出情報のビットパターン(4ビット長)が自端末の無線端末IDの下位4ビットのパターンと一致する場合、その無線端末21は呼び出された可能性があることを認識し、FCCHを受信する。
他方、図13に示す例では、呼出端末情報42bとして16ビットを用いている。このシステムにおいて、4台の無線端末21を呼び出す例を示しており、呼び出す無線端末21の属する端末グループのグループIDはそれぞれ13、4、5、0としている。この場合、13ビット目、4ビット目、5ビット目、0ビット目が「1」である(かつ他のビットは「0」である)呼出端末情報42bが送信される。
上述したように呼出端末情報42に無線端末ID情報を設定する場合には、無線基地局11が、ある無線端末21を呼び出すとき、その無線端末21の無線端末IDを表すビットパターンの全て又は一部(例:下位nビット)を含む呼出端末情報42をBCCHにより送信することになる。呼出待ち状態にある無線端末21はこのBCCHを受信し、その呼出情報31中に含まれる無線端末IDを表す無線端末ID抽出情報のビットパターンが自端末を示す無線端末IDのビットパターンの全て又は一部と一致する場合、呼び出された可能性があることを認識し、FCCHを受信する。呼出情報31は固定長であるため、呼び出す無線端末21の数(厳密には呼出端末の下位nビットのパターンの数)が多くなると、呼び出す無線端末1台あたりに割り当てることができるビット数が少なくなる。その結果、無線基地局11が送信した呼出情報31の無線端末ID抽出情報のビットパターンと一致する無線端末IDのビットパターンを持つ無線端末21が増えることになる。そのため、呼出待ち状態にあるが、呼出対象ではない、多くの無線端末21がFCCHを受信することになってしまう。例えば、ある無線端末IDの下位4ビットのパターンと一致する無線端末IDの下位4ビットのパターンを持つ無線端末21の数は、ある無線端末IDの下位5ビットのパターンと一致する無線端末IDの下位5ビットのパターンを持つ無線端末21の数の2倍となることが期待される。このことは、呼び出されていない無線端末21がFCCHを受信する機会を増大させることになり、結果として呼出待ち状態での受信における消費電力の増大を招き、端末寿命が短くなるという課題を生じることになる。
一方、呼出端末情報42にグループID情報を設定する場合には、呼出を端末グループ単位で行うため、1台や2台といった少ない数の無線端末21を呼び出すときでも、呼び出される無線端末21と同じ端末グループに属する複数の無線端末21がFCCHを受信する場合が発生する可能性がある。このことは、呼び出されていない無線端末21がFCCHを受信する機会を増大させることになり、結果として呼出待ち状態での受信における消費電力の増大を招き、端末寿命が短くなるという課題を生じることになる。
すなわち、呼出端末情報42に無線端末ID情報を設定する場合には、呼出端末の数(厳密には呼出端末の下位nビットのパターンの数)が多い場合、呼び出す無線端末1台あたりに割り当てることができるビット数が少なくなるため、FCCHを受信する無線端末21の数が増え、呼び出す無線端末21の数に対するFCCHを受信する無線端末21の数の逆数で示される呼出効率が低下する。一方、呼出端末情報42にグループID情報を設定する場合には、少ない数の無線端末21を呼び出す場合、呼び出される無線端末21と同じ端末グループに属する複数の無線端末21がFCCHを受信することになり、呼出効率が低下する。
そこで、本実施形態では、呼出端末情報42の形式を決定する際に、下記の処理を無線基地局11において実施することにより、無線端末21におけるFCCHの受信頻度を低減し、無線端末21の低消費電力化を図ることとしている。なお、この処理は呼出を行うたびに実施することが望ましい。また、下記(1)と(2)の順序は入れ替えてもよい。
(1)呼出端末情報42に無線端末ID情報を設定する方式を用いて呼び出した場合のFCCHを受信することとなる無線端末数を算出する。
(2)呼出端末情報42にグループID情報を設定する方式を用いて呼び出した場合にFCCHを受信することとなる無線端末数を算出する。
(3)FCCHを受信することとなる無線端末数の少ない方式を選択し、その方式により呼出を実施する。
このようにして適切な呼出方式を選択することで、FCCHの受信頻度を減少させ、無線端末21の長寿命化を図ることができる。
次に、呼出端末情報42として無線端末ID情報又はグループID情報のどちらを用いるかを決定する手順のフローチャートを図10に示す。この図10の処理は各MACフレームに対応して実施される。無線基地局11が無線端末21を呼び出す場合、まず始めに呼出端末情報42として無線端末ID情報を用いた場合にFCCHを受信することになる端末数(Aとする)を算出する(ステップS1)。つまり、呼出端末数に応じて無線端末ID抽出情報を表すビットパターンのビット数を決定し、呼出待ち状態にある無線端末21の中から無線端末ID抽出情報のビットパターンが無線端末IDのビットパターンの全て又は一部と一致する無線端末21の数Aを算出する。
次に、呼出端末情報42としてグループID情報を用いた場合にFCCHを受信することになる無線端末21の数(Bとする)を算出する(ステップS2)。つまり、呼出待ち状態にある無線端末21の中から呼出端末と同一の端末グループに属する無線端末21の数Bを算出する。
その後、上記処理により算出したFCCHを受信することになる無線端末21の数AとBを比較し、無線端末数が少ない方を呼出端末情報として選択する(ステップS3からステップS4又はステップS3からステップS5)。
図10の処理の結果、呼出端末がない場合、種別情報41は「0000」(2進数表示)とし、このMACフレームにおいて呼出端末がないことを通知する。以下、図10の処理について具体的に説明する。
呼出端末数が1の場合、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、呼出端末情報42において呼び出す無線端末21の無線端末IDの全てのビットを送信できる。この場合、無線基地局11から呼び出す無線端末21を一意に指定することが可能であり、FCCHを受信することとなる無線端末21は1台である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は128台(=65536/16/32)となる。
すなわち、本実施形態においてグループID情報を用いた場合、スーパーフレームに含まれるフレームの数が16、呼出端末情報42のビット数が32であることから、全端末を512(=16*32)のグループに分けることが可能である。したがって、MACフレームに対応するグループと端末グループとでグループ分けされた各グループに属する無線端末21は、適切にグループ分けした場合、最大でも128台(=65536/512)となり、512個のグループのうちから1つのグループを呼び出した場合、最大128台の無線端末21がFCCHを受信することになる。
呼出端末数が1の場合、両者を比較すると無線端末ID情報を用いた呼出のほうがFCCHを受信する無線端末21の数が少なくなるため、無線端末ID情報を用いた呼出を行う。呼出端末が1台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「0001」とし、呼出端末情報42を、呼び出される無線端末21の無線端末IDを無線端末ID抽出情報に設定した端末ID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、その種別情報41が「0001」であった場合、自端末の無線端末IDの全16ビットのパターンと呼出端末情報42の無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(16ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合、無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみ、UDCHを受信し、データを受け取る。
次に、呼出端末数が2の場合、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、呼出端末情報42において呼び出す無線端末21の無線端末IDの全てのビットを送信できる。したがって、無線基地局11から呼び出す無線端末21を一意に指定することが可能であり、FCCHを受信することとなる無線端末21は2台である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。両者を比較すると無線端末ID情報を用いた呼出のほうがFCCHを受信する無線端末数が少なくなるため、無線端末ID情報を用いた呼出を行う。呼出端末が2台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「0010」とし、呼出端末情報42を、呼び出される2台の無線端末21の各無線端末IDを無線端末ID抽出情報に設定した端末ID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、その種別情報41が「0010」であった場合、自端末の無線端末IDの全16ビットのパターンと呼出端末情報42の無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(16ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合、無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみUDCHを受信し、データを受け取る。
呼出端末数が3の場合、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、無線端末ID情報には呼び出される無線端末21の無線端末IDの下位10ビットが3つ無線端末ID抽出情報として設定される。このため、FCCHを受信することとなる無線端末21の数は12台(=65536/16/2^10*3)である。すなわち、無線端末ID情報を用いた場合、スーパーフレームに含まれるフレームの数が16であることから、全無線端末21を16のグループに分けることが可能であり、1つのグループに属する端末は最大でも4096台(=65536/16)である。さらに、無線端末IDの下位10ビットのパターンと一致する無線端末21は4台(=4096/2^10)であり、無線端末IDの下位10ビットのパターンが3であることから12台(=4*3)の無線端末21がFCCHを受信することになる。
一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。両者を比較すると無線端末ID情報を用いた呼出のほうがFCCHを受信する無線端末21の数が少なくなるため、無線端末ID情報を用いた呼出を行う。呼出端末が3台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「0011」とし、呼出端末情報42を呼び出される3台の無線端末21の無線端末IDの下位10ビットを無線端末ID抽出情報として設定した無線端末ID情報とする。無線端末21は、BCCHを受信し、その種別情報41が「0011」であった場合、自端末の無線端末IDの下位10ビットのパターンと無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(10ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合、無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみUDCHを受信し、データを受け取る。
なお、厳密に述べると、種別情報41=「0011」が用いられるのは、呼び出される無線端末IDの下位10ビットのパターンが3通りの場合であり、呼出端末数が4以上の場合でも種別情報41=「0011」の形式をとる場合がある。このことを図11を用いて説明する。図11の例では呼び出すべき無線端末21は4台(端末1〜4)であり、それぞれの無線端末IDは11357、22457、24000、28765である。無線端末IDを2進数表示した場合の下位10ビットを見ると、無線端末ID=11357の端末1と無線端末ID=28765の端末4では同一パターン(「0001011101」)となる。このことから、呼出に用いる無線端末ID抽出情報は3パターンで十分であり、呼出情報31では、種別情報41=「0011」を用いる。
呼出端末数が4の場合(厳密には呼出端末の下位8ビットのパターンが4の場合)、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、無線端末ID情報には呼び出される無線端末21の無線端末IDの下位8ビットが4つ無線端末ID抽出情報として設定される。このため、FCCHを受信することとなる無線端末21の数は64台(=65536/16/2^8*4)である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。両者を比較すると無線端末ID情報を用いた呼出のほうがFCCHを受信する端末数が少なくなるため、無線端末ID情報を用いた呼出を行う。呼出端末が4台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「0100」とし、呼出端末情報42を呼び出される4台の無線端末21の無線端末IDの下位8ビットを無線端末ID抽出情報として設定した無線端末ID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、その種別情報41が「0100」であった場合、自端末の無線端末IDの下位8ビットのパターンと無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(8ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合、その無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみUDCHを受信し、データを受け取る。
呼出端末数が5の場合(厳密には呼出端末の下位6ビットのパターンが5の場合)、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、無線端末ID情報には呼び出される無線端末21の無線端末IDの下位6ビットが5つ無線端末ID抽出情報として設定される。このため、FCCHを受信することとなる無線端末21の数は320台(=65536/16/2^6*5)である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。最大となるケースは、呼出端末それぞれが全て別のグループに属する場合で、640台(=65536/16/32*5)である(呼出端末の下位6ビットのパターンが5という条件を考えた場合、最大台数は4096台(=65536/16)となる。)。つまり、グループID情報を用いた呼出を行う場合、呼び出される無線端末21の属するグループ数によってFCCHを受信することになる無線端末数が異なる。このため、FCCHを受信することになる端末数が少ない方式の呼出端末情報42を選択して用いるようにする。呼出端末が5台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合は、種別情報41を「0101」とし、呼出端末情報42を呼び出される5台の無線端末21の無線端末IDの下位6ビットを無線端末ID抽出情報に設定した無線端末ID情報とする。一方、グループID情報を用いた呼出を行う場合は、種別情報41を「1001」とし、呼出端末情報42を呼び出される無線端末21が属するグループIDに対応した1〜5ビットに「1」を設定したグループID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、その種別情報41が「0101」であった場合、自端末の無線端末IDの下位6ビットのパターンと無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(6ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合はその無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみ、UDCHを受信し、データを受け取る。一方、種別情報41が「1001」の場合、無線端末21はグループID情報の自身の属する端末グループを示すビットを確認する。確認したビットが「1」に設定されている場合はその無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみ、UDCHを受信し、データを受け取る。
例えば、呼出端末数が5、呼出端末の下位6ビットのパターンが5であり、各無線端末21のグループIDが0、1、2、3、4と5種類であった場合、グループIDを用いたときのFCCHを受信することになる端末数は640台(=65536/16/32*5)台となり、無線端末ID情報を用いたときの320台よりも多くなる。この場合、種別情報41は「0101」となり呼出端末情報42として無線端末ID情報を選択する。一方、呼出端末数が5、呼出端末の下位6ビットのパターンが5であり、各無線端末21のグループIDが0、1と2種類であった場合、グループIDを用いたときのFCCHを受信することになる端末数は256(=65536/16/32*2)台となり、無線端末ID情報を用いたときの320台よりも少なくなる。この場合、種別情報41は「1001」となり呼出端末情報42としてグループID情報を選択する。
呼出端末数が6の場合(厳密には呼出端末の下位5ビットのパターンが6の場合)、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、無線端末ID情報には呼び出される無線端末21の無線端末IDの下位5ビットが6つ無線端末ID抽出情報として設定される。このため、FCCHを受信することとなる無線端末21の数は768台(=65536/16/2^5*6)である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。最大となるケースは、呼出端末それぞれが全て別のグループに属する場合で、768台(=65536/16/32*6)である(呼出端末の下位5ビットのパターンが6という条件を考えた場合、最大台数は4096台(=65536/16)となる。)。したがって、呼出端末数が5の場合(厳密には呼出端末の下位6ビットのパターンが5の場合)と同様にFCCHを受信することになる端末数が少ない呼出端末情報42を選択することになる。呼出端末が6台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「0110」とし、呼出端末情報42を呼び出される6台の無線端末21の無線端末IDの下位5ビットを無線端末ID抽出情報として設定した無線端末ID情報とする。一方、グループID情報を用いた呼出を行う場合は、種別情報41を「1001」とし、呼出端末情報42を呼び出される無線端末21が属するグループIDに対応した1〜6ビットに「1」を設定したグループID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、種別情報41が「0110」の場合、自端末の無線端末IDの下位5ビットのパターンと無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(5ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合、FCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみ、UDCHを受信し、データを受け取る。一方、種別情報41が「1001」の場合、呼出端末数が5の場合と同様の動作を行う。
呼出端末数が7の場合(厳密には呼出端末の下位4ビットのパターンが7の場合)、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、無線端末ID情報には呼び出される無線端末21の無線端末IDの下位4ビットが7つ無線端末ID抽出情報として設定される。このため、FCCHを受信することとなる無線端末21の数は1792台(=65536/16/2^4*7)である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。最大となるケースは、呼出端末それぞれが全て別のグループに属する場合で、896台(=65536/16/32*7)である(呼出端末の下位4ビットのパターンが7という条件を考えた場合、最大台数は4096台(=65536/16)となる。)。したがって、呼出端末数が5の場合(厳密には呼出端末の下位6ビットのパターンが5の場合)と同様にFCCHを受信することになる端末数が少ない呼出端末情報42を選択することになる。呼出端末が7台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「0111」とし、呼出端末情報42を呼び出される7台の無線端末21の無線端末IDの下位4ビットを無線端末ID抽出情報に設定した無線端末ID情報とする。一方、グループID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「1001」とし、呼出端末情報42を呼び出される無線端末21のグループIDに対応した1〜7ビットに「1」を設定したグループID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、種別情報41が「0111」の場合、自端末の無線端末IDの下位4ビットのパターンと無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(4ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみ、UDCHを受信し、データを受け取る。一方、種別情報41が「1001」の場合、呼出端末数が5の場合と同様の動作を行う。
呼出端末数が8の場合(厳密には呼出端末の下位4ビットのパターンが8の場合)、無線端末ID情報を用いて呼出を行うと、無線端末ID情報には呼び出される無線端末21の無線端末IDの下位4ビットが8つ無線端末ID抽出情報として設定される。このため、FCCHを受信することとなる無線端末21の数は2048台(=65536/16/2^4*8)である。一方、グループID情報を用いて呼出を行うと、FCCHを受信することとなる無線端末21は呼出端末が全て同じグループに属する場合に最も少ない128台(=65536/16/32)となる。最大となるケースは、呼出端末それぞれが全て別のグループに属する場合で、1024台(=65536/16/32*8)である(呼出端末の下位4ビットのパターンが8という条件を考えた場合、最大台数は4096台(=65536/16)となる。)。したがって、呼出端末数が5の場合(厳密には呼出端末の下位6ビットのパターンが5の場合)と同様にFCCHを受信することになる端末数が少ない呼出端末情報を選択することになる。呼出端末が8台で、かつ、無線端末ID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「1000」とし、呼出端末情報42を呼び出される8台の無線端末21の無線端末IDの下位4ビットを無線端末ID抽出情報として設定した無線端末ID情報とする。一方、グループID情報を用いた呼出を行う場合、種別情報41を「1001」とし、呼出端末情報42を呼び出される無線端末21のグループIDに対応した1〜8ビットに「1」を設定したグループID情報とする。
無線端末21は、BCCHを受信し、種別情報41が「1000」の場合、自端末の無線端末IDの下位4ビットのパターンと無線端末ID情報中の無線端末ID抽出情報のビットパターン(4ビット長)を比較する。比較結果が一致する場合、その無線端末21はFCCHを受信し、その後、FCCHにより帯域を割り当てられた場合にのみUDCHを受信し、データを受け取る。一方、種別情報41が「1001」の場合、呼出端末数が5の場合と同様の動作を行う。
呼出端末数が9以上の場合(厳密には呼出端末の下位4ビットのパターンが9以上の場合)、必ずグループID情報を用いた呼出を行う。
以上のように、本発明の実施の形態では、呼出情報31内の種別情報41が呼出端末情報42のフォーマット(形式)を表し、呼出端末情報42は無線端末ID情報、又は、グループID情報のいずれかである。無線端末ID情報は呼び出す無線端末21の無線端末IDの一部又は全部を表し、グループID情報は呼び出す無線端末21の属する端末グループをビットマップにより表す。そして、FCCHを受信することになる端末数が少ない呼出端末情報42の形式を選択する。呼出端末情報42として無線端末ID情報を用いた場合にFCCHを受信することになる無線端末21の数と、呼出端末情報42としてグループID情報を用いた場合にFCCHを受信することになる無線端末21の数を算出し、その2つの値を比較することでFCCHを受信することになる無線端末21の数が少ない呼出端末情報42の形式を選択する。ここで、無線基地局11における呼出端末情報42の選択は、呼出を行うたびに実施される。
本実施形態によれば、呼び出す無線端末21の数やその無線端末IDのパターンにより、動的に呼出端末情報42を選択できる。このため、呼び出す無線端末21の数(厳密には呼出端末の下位数ビットのパターンの数)が多く、無線端末ID情報を用いてもFCCHを受信する無線端末21を限定することが難しい場合に、グループID情報を用いて呼出を行うことによりFCCHを受信する無線端末21を限定することができる。これによって、無線端末21における不要なFCCHの受信を低減できる。このことにより、呼出待ち状態における無線端末21の待受時の消費電力を低減でき、無線端末21の長寿命化が図れる。
同様に、1台や2台といった少ない数の無線端末21が呼び出される場合には、無線端末ID情報を用いて呼出を行うことによりFCCHを受信する無線端末21を限定することができる。これによって、無線端末21における不要なFCCHの受信を低減できる。このことにより、呼出待ち状態における無線端末21の待受時の消費電力を低減でき、無線端末21の長寿命化が図れる。
以上のように、本発明により、適切な呼出方式を選択することで、無線端末21の長寿命化が図れる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の無線アクセスシステムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。