JP5055555B2 - 優性の矮性形質を示すイネ属植物、およびその利用 - Google Patents

優性の矮性形質を示すイネ属植物、およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、優性の矮性形質を示すイネ属植物およびその利用に関する。
爆発的人口増加および環境破壊による耕地減少により、食料不足は世界的に最も深刻な問題となっている。食料増産に適したイネの開発は、食料問題解決の重要な戦略として位置づけられる。
野菜、穀類などの主要農産物、花卉などの観賞植物において、ハイブリッドと呼ばれる二つの品種の交雑F1が多く利用されている。F1ハイブリッド品種は、好ましい形質を持つ異なる品種を人為的に交雑させて作出されるため、両方の形質をかねそろえた種になる。イネにおいても、食料増産に効果をもたらす複数の形質を備えたF1ハイブリッド品種が作出されれば、食料問題への有力な解決策となりうる。
食料増産に適したイネの形質の一つとして、「低い草丈」を挙げることができる。草丈が高いイネは、肥料を与えると茎や葉の丈が伸びて風雨により倒伏し易くなるため、高収量を期待できない。一方、草丈が低いイネは、風雨に強く、肥料を多く与えることが可能となる上に、茎や葉に対する実の比率が高まり、単位面積あたりの収量が増加する。特にF1ハイブリッド品種は雑種強勢により、生育力が旺盛となり草丈の伸長が引き起こる。ハイブリッドライスでは、風雨による倒伏が問題となっているが、ハイブリッドライスの親として草丈の低いイネを使用すれば、倒伏の問題についても解決を図ることができる。
別の視点においても、「低い草丈」は、ハイブリッド品種の親として好ましい形質といえる。草丈がほぼ同じであるイネ同士の場合は効率的な交雑が難しいが、通常の背丈の品種と草丈が低い品種とを用いれば、通常の背丈の品種の花粉が草丈の低い品種に落ち、より効率的な交雑が期待できる。
これまでに、矮性を示すイネはいくつか知られている。例えば、本発明者らによって、恒常的ジベレリン(GA)応答変異体(非特許文献1、2)やGA非感受性矮性変異体(非特許文献3)が知られている。しかしながら、これら変異体における矮性形質は劣性であるため、これら変異体を親として草丈の低いF1ハイブリッド品種を作出することは困難である。好ましいハイブリッドイネの作出には、その親となる、優性の矮性形質を有するイネの作出が望まれる。
WO97/29123 Ikeda, A. et al., Plant Cell. 13, 999-1010 (2001 Itoh, H. et al., Plant Cell 14, 57-70 (2002) Sasaki, A. et al., Science 299, 1896-1898 (2003) Peng, J. et al., Genes Dev. 11, 3194-3205 (1997) Silverstone, A. L. et al., Plant Cell 10, 155-169 (1998) Gubler, F. et al., Plant Physiol. 129, 191-200 (2002) Itoh, H. et al., Trends Plant Sci. 8, 492-497 (2003)
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、優性の矮性形質を有するイネの作出である。
上記課題を解決すべく、本発明者らは新規矮性イネの作出に鋭意努力した。まず、数種類のイネの種子またはカルスにNMU処理、γ線照射、培養変異といった突然変異誘発処理を施した。処理を施したイネの種子またはカルスからイネを再生したところ幾つかの矮性個体を得ることに成功した。該矮性個体について矮性遺伝子の優劣関係を調べたところ、矮性形質が優性に遺伝する4変異体:SLRD1−SLRD4を得ることに成功した。4変異体の矮化の程度はそれぞれ異なっていた。上記4変異体について矮性の原因遺伝子の解析を試みたところ、上記4変異体の原因遺伝子は相互に対立性を示し、いずれも第4染色体に座乗するSlr1遺伝子の点突然変異に起因していることが明らかになった。そこで、SLRD1と野生型インド品種及び日本型品種とを交雑させたところ、雑種第1代(F1)の表現型は草丈に対し不完全優性を示し、いずれも半矮性を示した。したがって、これらの突然変異遺伝子を利用することにより、半矮性のハイブリッドライスおよび矮性の固定品種を育種することが可能であることが明らかになった。
すなわち、本発明はSlr1遺伝子に変異を有する優性の矮性形質を示すイネおよびその利用に関し、より具体的には以下に示すとおりである。
(1)突然変異誘発処理によって作出された、Slr1遺伝子に変異を有する、優性の矮性形質を示すイネ属植物、
(2)Slr1遺伝子の変異が、Slr1遺伝子のDELLAドメイン、TVHYNPドメイン、及びSAWドメインからなる群より選択される少なくとも一つのドメインに存在する変異である、上記(1)に記載のイネ属植物、
(3)Slr1遺伝子の変異が、配列番号:1記載のアミノ酸配列の49位、99位、106位、および576位のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を置換する変異である、上記(1)または(2)に記載のイネ属植物、
(4)Slr1遺伝子の変異が、配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異より選択される少なくとも一つの置換変異である、上記(1)または(2)記載のイネ属植物、
(5)矮性形質が、親品種の草丈の80%以下の草丈となる矮性形質である、上記(1)から(4)のいずれかに記載のイネ属植物、
(6)下記(a)から(c)の工程を含む、優性の矮性形質を示すイネ属植物のスクリーニング方法
(a)イネ属植物の種子、カルス、幼苗、植物体の一部から、Slr1遺伝子を調製する工程
(b)上記(a)工程で調製したSlr1遺伝子の変異を検出する工程
(c)Slr1遺伝子の変異が検出されたイネ属植物を選抜する工程、
(7)下記(a)から(c)の工程を含む、優性の矮性形質を示すイネ属植物の製造方法
(a)イネ属植物の受精卵、種子、またはカルスに突然変異誘発処理を行う工程
(b)該突然変異誘発処理を行ったイネ属植物について、請求項6に記載のスクリーニング方法を実施する工程
(c)Slr1遺伝子の変異が検出されたイネ属植物の受精卵、種子、またはカルスから、植物体を再生する工程、
(8)突然変異処理がNMU処理、ガンマ線照射、培養変異である、上記(7)に記載の方法、
(9)上記(7)または(8)に記載の方法によって製造された、優性の矮性形質を示すイネ属植物、
(10)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(9)のいずれかに記載のイネ属植物の子孫またはクローンであるイネ属植物、
(11)上記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(9)、または(10)のいずれかに記載のイネ属植物の繁殖材料、
(12)Slr1遺伝子に変異を有する、矮性の形質を示すイネ属植物を、他のイネ属植物と交配させることを特徴とする、半矮性イネ属植物の製造方法、
(13)
下記(a)から(h)のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド
(a)配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVがMに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(b)配列番号:1記載のアミノ酸配列における99位のLがFに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(c)配列番号:1記載のアミノ酸配列における106位のMがKに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(d)配列番号:1記載のアミノ酸配列における576位のGがVに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
(e)配列番号:2記載の塩基配列における145位のGがAに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
(f)配列番号:2記載の塩基配列における295位のCがTに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
(g)配列番号:2記載の塩基配列における317位のTがAに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
(h)配列番号:2記載の塩基配列における1727位のGがTに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド、
(14)配列番号:2記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的であり、配列番号:2記載の塩基配列の145位、295位、317位、および1727位からなる群より選択されるいずれかの塩基を含む位置にハイブリダイズ可能なポリヌクレオチド、
(15)配列番号:2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的な少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチド、
(16)上記(13)に記載のポリヌクレオチドを有するベクター、
(17)上記(13)に記載のポリヌクレオチドまたは上記(16)に記載のベクターが導入された細胞、
(18)上記(17)に記載の細胞を有する形質転換植物体、
(19)上記(18)に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである植物体、
(20)上記(19)に記載の形質転換植物体の繁殖材料、
(21)下記(a)および(b)の工程を含む、上記(18)に記載の形質転換植物体の製造方法
(a)上記(13)に記載のポリヌクレオチドまたは上記(16)に記載のベクターを植物細胞に導入する工程
(b)該細胞から植物体を再生させる工程、
(22)上記(13)に記載のDNAを植物細胞内で発現させることを特徴とする、植物を矮化する方法。
優性矮性変異体イネであるSLRD1-4におけるSlr1遺伝子の変異とSlr1遺伝子のドメインを説明する図である。 優性矮性変異体イネであるSLRD1-4の草丈を示す写真である。 SLRD1、日本型正常品種(交配親)、およびSLRD1と日本型正常品種のF1雑種の草丈を示す写真である。 SLRD2、インド型正常品種(交配親)、およびSLRD2とインド型正常品種のF1雑種の草丈を示す写真である。
本発明は、突然変異誘発処理によって作出されたSlr1遺伝子に変異を有する優性の矮性形質を示すイネ属植物に関する(以下において、本発明のイネ属植物と称す)。イネ属植物(Oryza)には、20種以上の種が存在する。本発明のイネ属植物は、イネ属に分類される植物であればいずれも含まれるが、好ましくは、Oryza Sativa L .(サティバ種)およびOryza glaberrima STEUD(グラベリマ種)であり、最も好ましくはOryza Sativa L .である。
本発明者らは、突然変異処理によって優性の矮性形質を示すイネを4種類作出し、さらに、該4種類のイネにおける矮性形質がSlr1遺伝子のそれぞれ異なる変異に基づくものであることを見出した。Slr1遺伝子は、イネの第4染色体に座乗し、アラビドプシスのGAI(特許文献1、非特許文献4)およびRGA(非特許文献5)、小麦のRht、トウモロコシのd8、およびオオムギSNL1(非特許文献6)とオーソローガスな、核に局在する転写調節因子と予想されるタンパク質をコードしており、これらとともに、GRASSファミリーのDELLAサブファミリーに分類されている(非特許文献7)。これらの遺伝子がコードするタンパク質は、ジベレリン(GA)シグナル伝達のネガティブ制御因子であることが示されており、草丈の制御に関与していると考えられている。Slr1遺伝子のDELLAドメインを欠失させた形質転換体が矮性を示したことが報告されているが(非特許文献1、2)、該形質転換体の矮性の遺伝形式は劣性であり、優性の矮性形質を示す個体は本発明が初めてである。Slr1遺伝子がコードするタンパク質のアミノ酸配列を配列番号:1に、Slr1遺伝子のcDNA配列を配列番号:2に示す。
本発明のイネ属植物におけるSlr1遺伝子の変異の種類および場所について特に制限はないが、好ましくは、DELLAドメイン、TVHYNPドメイン、及びSAWドメインのいずれかのドメインに存在する変異である。DELLAドメインおよびTVHYNPドメインはGAシグナル受容ドメインであり、SAWドメインはGAシグナルサプレッションドメインである。
より好ましくは、配列番号:1記載のアミノ酸配列の49位、99位、106位、および576位のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を置換する変異であり、さらに好ましくは、配列番号:1記載におけるアミノ酸配列の49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異からなる群より選択される少なくとも一つの置換変異であり、最も好ましくは、配列番号:2記載の塩基配列における145位のGからAへの置換変異、295位のCからTへの置換変異、317位のTからAへの置換変異、1727位のGからTへの置換変異からなる群より選択される少なくとも一つの置換変異である。Slr1遺伝子のドメインを図1に示す。
本発明のイネ属植物は、優性に遺伝する矮性形質を示す。本発明における優性とは、遺伝形式(遺伝様式)が劣性でないことを意味し、不完全優性は本発明の優性に含まれる。
また本発明における矮性は、作出親または野生型よりも草丈が短いことを意味する。一般に、矮性(矮化作用)が強すぎる場合は植物体及び穂が十分に成長しない可能性がある。本発明のイネ属植物の矮性の程度は、遺伝子の変異部位によって異なるが、実施例に示した本発明のイネ属植物は作出親に対して約50%、約40%、約30%、約20%の草丈であった。このように、本発明のイネ属植物のホモ型は、通常育種に利用されているsd1等の劣性の半矮性遺伝子による矮性イネ属植物に比べて、実用的に見て矮性が強い傾向を示す。しかし半矮性のF1ハイブリッド品種を作出するには、雑種強勢による旺盛な草丈の成長を強く抑制する必要がある。本発明のイネ属植物はヘテロ型(不完全優性)で実用的な半矮性を示すことが特徴である。したがって、ホモ型イネ属植物において一般には程度が強すぎると考えられる矮性であっても、ヘテロ型イネ属植物で植物体及び穂が成長する限り、本発明のイネ属植物において好ましい矮性である。
本発明のイネ属植物は、イネ属植物受精卵、種子、またはカルスに突然変異誘発処理を施し、該受精卵、種子、またはカルスからイネ属植物を再生することによって作出することができる。突然変異誘発処理を施すイネ属植物(作出親)の種、品種・系統に制限はなく、グラベリマ種でもサティバ種でもよく、サティバ種のうちジャポニカ亜種でもインディカ亜種であってもよい。例えば実施例のように、金南風、台中65号、日本晴を作出親とすることができるが、これらに制限されず、イネ属植物であれば種、品種・系統にこだわらず、作出親とすることができる。
本発明のイネ属植物の作出に用いる突然変異誘発処理は、公知処理方法の中から、適宜選択して用いることができる。例えば実施例のように、NMU処理、γ線照射、培養変異法を本発明のイネ属植物の作出に用いることができる。NMU処理は、化学変異原の一つ、MNU(N-メチル-ニトロソウレア)の水溶液でイネ属植物の受精卵処理を行うことにより高頻度で突然変異を誘起させる方法である。この方法は、単一の受精卵(接合子)に変異が誘発されることにより変異細胞のキメラ性が解消されるため、通常の種子処理に比べて変異体の出現率が高いのが特徴である。γ線照射は、γ線(放射線)を受精卵に照射して突然変異を誘発する方法であり、変異細胞のキメラ性が解消されるという点ではNMU処理と同じ効果が得られる。培養変異法は、イネ属植物の細胞からカルスを誘導して一定期間液体培養した後に再分化させると高頻度で突然変異が誘発されることが知られており、突然変異の原因にTos17などの内在性レトロトランスポゾンが関与していることが広く知られている。培養変異の原因については未だ不明な点が多いが、これまでにこの方法により多数の突然変異が報告されている。上記方法の他にも、X線、熱中性子線、α線、β線、イオンビーム、紫外線、等の公知放射線による突然変異誘発処理や、ethyl methanesulphonate (EMS)、diethly sulphate (DES)、N-methyl-N-nitrosourea (MNU, MNH, MNC)、sodium azide (NaN3)等、公知の化学変異原を用いた突然変異誘発処理を行うことができる。
上記突然変異誘発処理を行った後、該処理を施した受精卵、種子またはカルスを対象としてSlr1遺伝子の変異を検出するスクリーニング方法を実施することにより、イネ属植物が優性の矮性であるか否かについてイネ属植物の成長を待たずに早期に知ることが可能となり、本発明のイネ属植物を効率的に製造することができる。上記スクリーニング方法は、複数の工程を含むことができ、例えば、(a)種子、カルス、幼苗、植物体の一部から、Slr1遺伝子を調製する工程、(b)上記(a)工程で調製したSlr1遺伝子の変異を検出する工程、(c)Slr1遺伝子の変異が検出されたイネ属植物を選択する工程、を含むことができる。
上記(a)工程では、イネ属植物の一部からSlr1遺伝子を調製する。調製するSlr1遺伝子は、DNAでもRNAでもよく、cDNAでもゲノムDNAであってもよい。Slr1遺伝子の調製は、公知技術によって行うことができる。例えば、イネ属植物の一部から抽出したmRNAを鋳型とし、配列番号:2に基づいて設計したプライマーを用いてRT-PCR法を実施することにより、cDNAを調製することができる。上記プライマーの好適な例として、配列番号:3および4記載の配列を挙げることができる。または、配列番号:2記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドの部分ヌクレオチドを用いて標識プローブを調製し、該標識プローブによって、cDNAライブラリーまたはゲノミックライブラリーから単離することが可能である。
Slr1遺伝子の調製に用いるイネ属植物の部位に制限はなく、例えば、種子、カルス、シュート、根、葉、穂、花から、本スクリーニングの被検試料となるSlr1遺伝子を調製することができる。
上記(b)工程で検出するSlr1遺伝子の変異は、イネ属植物に優性の矮性形質をもたらすSlr1遺伝子の変異であり、具体的には上述のとおりである。上記Slr1遺伝子の変異は、当業者に周知の手段を適宜選択して検出することができる。例えば、上記(a)工程で調製したcDNAまたはゲノムDNAについて各種公知SNP検出法を行い、配列番号:2に記載の塩基配列と比較することにより、Slr1遺伝子の変異を検出することができる。公知SNP検出法としては、TaqMan PCR法、インベーダー法、MALDI-TOF/MS法、RCA法、UCAN法、DNAチップによるSNP解析などを例示することができるが、これらに限られない。、各種SNP検出法に必要なプローブおよび/またはプライマーは、配列番号:2に記載の塩基配列を基に作製することができる。
一旦、Slr1遺伝子に変異を有する本発明のイネ属植物が得られれば、該イネ属植物から有性生殖または無性生殖により子孫を得ることが可能である。また、該イネ属植物やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば種子、切穂、株、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該イネ属植物を量産することも可能である。
本発明のイネ属植物は、食料増産の観点で極めて優れた性質を有する。第一に本発明のイネ属植物は、矮性であるために倒伏しにくい。そのため、本発明のイネ属植物は、それ自身の栽培により、大きな収量を上げることができる。また第二に、本発明のイネ属植物の矮性は、優性遺伝する。上述したように、劣性の矮性では両親に同一の遺伝子変異を導入しておかない限り、矮性のF1ハイブリッド品種を交配により作出することはできない。本発明のイネ属植物を片方の親(雄性不稔親)とし、他の優れた形質を有するイネ属植物を花粉親として交配させれば、両親植物の草丈の差を利用してF1種子の採種効率を高められるとともに、花粉親の有する優れた形質を持った半矮性のハイブリッド品種育成が可能となる。すなわち本発明のイネ属植物は、半矮性ハイブリッド品種育種用の親として極めて高い有用性が見込まれる。
また本発明は、半矮性イネ属植物の製造方法に関する。本発明の方法は、Slr1遺伝子に変異を有する、優性の矮性形質を示すイネ属植物を親として他のイネ属植物と交配することを特徴とする。本発明の方法によって、理想的な半矮性のF1ハイブリッド品種イネ属植物の作出が可能となり、また母本の選択によっては、他の好ましい形質も同時に具備したF1ハイブリッド品種イネ属植物の作出も可能である。
本発明の方法に用いる「Slr1遺伝子に変異を有する、優性の矮性形質を示すイネ属植物」は、上述の製造方法によって作出した本発明のイネ属植物を用いてもよく、または天然から発見された矮性イネ属植物に上述のスクリーニング方法を実施して選抜したイネ属植物や、上述のSlr1遺伝子変異を導入された形質転換体のイネ属植物を用いてもよい。また、優性の矮性以外の形質に関する形質転換体であってもよく、例えば、雄性不稔の形質を導入されていてもよい。また、優性の矮性形質を示すイネ属植物と交配・交雑させるイネ属植物は、種類・系統について問わない。耐病性、耐虫性、低アレルゲン性などの好ましい形質を備えたイネ属植物や、味覚などの点で高品質なイネ属植物を用いれば、該形質を有するF1ハイブリッド品種の作出が可能となる。
交配・交雑は、当業者にとって周知の方法によって実施できる。例えば、自然交配であってもよく、または、温湯除雄法等の公知除雄法を行ってもよい。
さらに本発明は、Slr1遺伝子の変異体に関する。上述のとおり、Slr1遺伝子は草丈の制御に関与するタンパク質をコードする。本発明のSlr1遺伝子変異体は、優性に遺伝する矮性をイネ属植物にもたらす。本発明のSlr1遺伝子変異体は、具体的には、
(a)配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVがMに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(b)配列番号:1記載のアミノ酸配列における99位のLがFに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(c)配列番号:1記載のアミノ酸配列における106位のMがKに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(d)配列番号:1記載のアミノ酸配列における576位のGがVに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、
(e)配列番号:2記載の塩基配列における145位のGがAに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
(f)配列番号:2記載の塩基配列における295位のCがTに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
(g)配列番号:2記載の塩基配列における317位のTがAに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
(h)配列番号:2記載の塩基配列における1727位のGがTに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
である。上記(a)から(h)に記載されたポリヌクレオチドは、本発明者らによって、相互に対立するSlr1遺伝子変異体として発見された。なお、上記(a)から(h)に記載された置換変異を複数有するポリヌクレオチドも本発明のポリヌクレオチドに含まれる。
本発明において単離とは、天然に存在する状態とは異なる状態に人為的に置かれることをいう。例えば、精製されたポリヌクレオチドや人工的に製造されたポリヌクレオチドは本発明における単離されたポリヌクレオチドである。
本発明のポリヌクレオチドは、公知方法によって調製することができる。例えば、イネ属植物に上記スクリーニング方法を実施し、選抜されたイネ属植物からcDNAライブラリーを調製し、上記置換変異を認識する標識プローブを用いて該cDNAライブラリーから目的のポリヌクレオチドを単離することができる。または、カセット変異法などの公知方法により、Slr1遺伝子に部位特異的に変異を導入して調製することができる。あるいは、市販の核酸合成機を用いて調製してもよい。
本発明のポリヌクレオチドは、優性の矮性形質を示す形質転換体イネ属植物の製造に用いることができる。本発明のポリヌクレオチドを用いて形質転換体イネ属植物を製造する場合は、本発明のポリヌクレオチドを適当なベクターに挿入して用いることができる。ベクターには特に制限はないが、例えば、プラスミド、ウイルスベクター、ファージ、コスミド、YAC(yeast artificial chromosome)、BAC(bacterial artificial chromosome)、PAC(P1-derived artificial chromosome)、TAC(transformation-competent artificial chromosome)等が利用できる。ベクターは、上記蛋白質のコード配列および/またはその相補配列を含む。例えば、プラスミドベクターなどの2本鎖DNAベクターであれば、該蛋白質のコード配列およびその相補配列を含む。1本鎖ゲノムを含むウイルスベクターなどであれば、例えばプラス鎖ゲノムを持つウイルスであれば該蛋白質のコード配列を、マイナス鎖ゲノムを持つウイルスであれば相補配列を含む。
本発明は、配列番号:2記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的であり、配列番号:2記載の塩基配列の145位、295位、317位、および1727位からなる群より選択される少なくとも一つの塩基を含む位置にハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドに関する。配列番号:2記載の塩基配列の145位、295位、317位、および1727位の一塩基変異は、イネに優性の矮性をもたらすSlr1遺伝子変異である。上記Slr1遺伝子の特定位置にハイブリダイズ可能な本発明のポリヌクレオチドは、Slr1遺伝子の変異の検出のためのプローブとして用いることができる。プローブとして用いるには、少なくとも20ヌクレオチド長の長さを有していることが好ましく、少なくとも30ヌクレオチド長の長さを有していれば、より好ましい。上記特定位置にハイブリダイズ可能な本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:2記載の塩基配列に基づいて、調製することができる。例えば、市販の合成装置を用いて調製可能である。調製したポリヌクレオチドが配列番号:2記載の塩基配列と相補的であることは公知のアルゴリズムによって判断でき、本発明のポリヌクレオチドの相同性は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性である。
本発明は、配列番号:2に記載の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたはその相補鎖に相補的な、Slr1遺伝子増幅のためのプライマーとして利用可能なポリヌクレオチドに関する。本発明のプライマーとして利用可能なポリヌクレオチドの長さは特に制限はないが、好ましくは少なくとも15ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドであり、より好ましくは少なくとも20ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドである。配列番号:2記載の塩基配列の145位、295位、317位、および1727位からなる群のいずれかの塩基を含む配列を増幅可能なポリヌクレオチドは、実施例に示したSlr1遺伝子の変異を検出できる点で好ましい。上記ポリヌクレオチドは配列番号:2に記載の塩基配列をもとに調製することができ、例えば市販のDNA合成装置により調製可能である。
また本発明は、本発明のSlr1遺伝子変異体が導入された形質転換植物体に関する。形質転換植物体は、本発明のSlr1遺伝子変異体を含むベクターを植物細胞に導入し、得られた形質転換植物細胞から植物体を再生させることにより製造することができる。形質転換植物体には、形質転換した植物細胞から再生させた第一世代の植物体、およびその子孫およびクローンであって、導入された核酸を含む植物体が含まれる。子孫には、有性生殖および無性生殖(例えば栄養繁殖など)により生じたものが含まれる。また子孫は、自家交配により得られたもの、および多家交配により得られたものを含む。例えば、他の植物と交配させたF1やF2、およびそれ以降の子孫であって、導入された核酸を含む植物体も、本発明において形質転換植物体に含まれる。
一般に、植物は、コケ植物門(Bryophyta)、小葉植物門(Microphyllophyta)、リニア門(Rhyniophyta)、有節植物門(Sphenophyta)、シダ門(Pterophyta)、原裸子植物門(Progymnospermophyta)、ソテツ門(Cycadophyta)、イチョウ門(Ginkogophyta)、球果植物門(Coniferophyta)、マオウ門(Gnetophyta)、被子植物門(Anthophyta(Magnoliophyta))に分類される。被子植物門には双子葉植物綱と単子葉植物綱が含まれる。本発明の形質転換植物体の作製において、宿主となる植物細胞の種類は特に制限はないが、本発明の形質転換植物体は、一般には被子植物門の植物である。好ましくは、単子葉植物であり、より好ましくはイネ科植物であり、最も好ましくはイネ属植物である。
植物細胞の形質転換に用いられるベクターとしては、該細胞内で挿入遺伝子を発現させることが可能なものであれば特に制限はない。例えば所望のプロモーターの下流に目的の蛋白質のコード配列を連結したベクターを用いることができる。コード配列の下流にはターミネーターを連結することが好ましい。プロモーターとしては、例えば、恒常的プロモーターとしては、Opineプロモーター(US 5955646)、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Odell et al. (1985) Nature 313:810-812; US 5352605、US 5530196、US 5858742、US 6255560、EP 131623B2)、アクチンプロモーター(McElroy et al. (1990) Plant Cell 2:163-171; US 5684239、EP 1042491、AU 18809/99、US 5859331、EP 651812B1、EP 1179081A1、US 5641876)、ユビキチンプロモーター(Christensen et al. (1989) Plant Mol. Biol. 12:619-632; Christensen et al. (1992) Plant Mol. Biol. 18:675-689; US 5510474、US 5614399、US 6020190、US 6054574)、アルコールデヒドロゲナーゼプロモーター(CA 1338858、EP 278658B1、US 5001060、EP 459643B1、US 5 290 924)、その他、US 5608149; US 5608144; US5604121; US5569597; US5466785; US5399680; US5268463; および US5608142 に記載のプロモーターなどが挙げられる。誘導性プロモーターとしては、アルコール、テトラサイクリン、ステロイド、金属イオン、または他の化合物や環境刺激により調節されるプロモーター系が知られている。例えば、ヒートショックプロモーター (Ainley WM, Key JL (1990) Plant Mol Biol 14:949-967; Holtorf S, et al. (1995) Plant Mol Biol 29:637-646)、pathogen応答性プロモーター (PR1-a; Williams S, et al. (1992) Biotechnology 10:540-543; Gatz C (1997) Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol 48:89-108)、herbicide safener応答性プロモーター (In2-2, GST-27; De Veylder L, et al. (1997) Plant Cell Physiol 38:568-577)、光応答性プロモーター (Kuhlemeier C, et al. (1989) Plant Cell 1:471-478)、wounding誘導性プロモーター (Firek S, et al. (1993) Plant Mol Biol 22:129-142)、アルコール応答性プロモーター (Salter MG, et al. (1998) Plant J 16:127-132)、phytohormone応答性プロモーター (Li Y, et al. (1991) Plant Cell 3:1167-1175)、ステロイド応答性プロモーター (Aoyama T, et al. (1997) Plant J 11: 605-612)、テトラサイクリン応答性プロモーター (Gatz C, et al. (1992) Plant J 2:397-404; Weinmann P, et al. (1994) Plant J 5:559-569; Sommer S, et al. (1998) Plant Cell Rep 17:891-896)、その他、EP 637339B1、US 5851796、US 5464758、US 5589362、US 5654168、US 5789156、US 5512483、US 6379945、EP 828829A1、EP 1112360A1、WO 01/62780、US 4940661、US 4579821、US 4601978、US 5654414、US 5689044、US 5789214、AU 708850B2、US 6429362、US 5447858、EP 159 884 B1、CA 1338010A1、EP 922110A2、US 6084089、EP 812917A1、US 6184443、US 5847102、US 5750385、US 5639952、US 5656496に記載のプロモーターなどを例示できる。
組織特異的プロモーターとしては、Yamamoto et al. (1997) Plant J. 12(2):255-265; Kawamata et al. (1997) Plant Cell Physiol. 38(7):792-803; Hansen et al. (1997) Mol. Gen Genet. 254(3):337-343; Russell et al. (1997) Transgenic Res. 6(2):157-168; Rinehart et al. (1996) Plant Physiol. 112(3):1331-1341; Van Camp et al. (1996) Plant Physiol. 112(2):525-535; Canevascini et al. (1996) Plant Physiol. 12(2):513-524; Yamamoto et al. (1994) Plant Cell Physiol. 35(5):773-778; Lam (1994) Results Probl. Cell Differ. 20:181-196; Orozco et al. (1993) Plant Mol. Biol. 23(6): 1129-1138; Matsuoka et al. (1993) Proc Natl. Acad. Sci. USA 90(20):9586-9590; Guevara-Garcia et al. (1993) Plant J 4(3):495-505 などに記載のものを用いることができる。
ターミネーターとしては、カリフラワーモザイクウイルス由来のターミネーター、あるいはoctopine合成酵素遺伝子やノパリン合成酵素遺伝子由来のターミネーター等を例示することができるが、これらに限定されない(Guerineau et al. (1991) Mol. Gen. Genet. 262:141-144; Proudfoot (1991) Cell 64:671-674; Sanfacon et al. (1991) Genes Dev. 5:141-149; Mogen et al. (1990) Plant Cell 2:1261-1272; Munroe et al. (1990) Gene 91:151-158; Ballas et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17:7891-7903; Joshi et al. (1987) Nucleic Acid Res. 15:9627-9639)。遺伝子発現を増強するため、例えば使用するコドンを最適化することができる。そのためには、例えば以下の文献を参照することができる(US 5,380,831, US 5,436,391; Murray et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17:477-498)。
植物細胞へのベクターの導入は、当業者に周知の方法を用いることができる。遺伝子導入に用いる植物細胞としては、例えば、懸濁培養細胞、プロトプラスト、種子中の胚盤等の植物細胞、リーフディスク、カルスなどが挙げられる。具体的に例示すれば、アグロバクテリウムを介したTiプラスミドベクターを用いた遺伝子導入(EP 270355, EP 0116718, Nucl. Acids Res. 12(22):8711-8721 (1984), Townsend et al., US 5,563,055)、パーティクルガン(US 5,100,792, EP 444882 B1, EP 434616 B1; Sanford et al., US 4945050; Tomes et al. (1995) "Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment," in Plant Cell, Tissue, and Organ Culture: Fundamental Methods, ed. Gamborg and Phillips (Springer-Verlag, Berlin); McCabe et al. (1988) Biotechnology 6:923-926)、マイクロインジェクション(WO 92/09696, WO 94/00583, EP 331083, EP 175966, Green et al. (1987) Plant Tissue and Cell Culture, Academic Press; Crossway et al. (1986) Biotechniques 4:320-334)、エレクトロポーレーション(EP 290395, WO 8706614, Riggs et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:5602-5606; D'Halluin et al. (1992) Plant Cell 4:1495-1505)、その他のDNA直接取り込み(DE 4005152, WO 9012096, US 4,684,611, Paszkowski et al. (1984) EMBO J. 3:2717-2722)、リポソーム法(Freeman et al. (1984) Plant Cell Physiol. 29:1353)、ボルテックス法(Kindle (1990) Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A. 87:1228)、ポリエチレングリコール法などが挙げられる。植物細胞への遺伝子導入については、以下の文献も参照することができる(Oard (1991) Biotech. Adv. 9:1-11; Weissinger et al. (1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477; Sanford et al. (1987) Particulate Science and Technology 5:27-37; Christou et al. (1988) Plant Physiol. 87:671-674; McCabe et al. (1988) Bio/Technology 6:923-926; Finer and McMullen (1991) In Vitro Cell Dev. Biol. 27P:175-182; Singh et al. (1998) Theor. Appl. Genet. 96:319-324; Datta et al. (1990) Biotechnology 8:736-740; Klein et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:4305-4309; Klein et al. (1988) Biotechnology 6:559-563; Tomes, US 5,240,855; Buising et al., US 5322783, US 5324646; Klein et al. (1988) Plant Physiol. 91:440-444; Fromm et al. (1990) Biotechnology 8:833-839; Hooykaas-Van Slogteren et al. (1984) Nature 311:763-764; Bytebier et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:5345-5349; De Wet et al. (1985) in The Experimental Manipulation of Ovule Tissues, ed. Chapman et al. (Longman, N.Y.), pp. 197-209; Kaeppler et al. (1990) Plant Cell Reports 9:415-418; Kaeppler et al. (1992) Theor. Appl. Genet. 84:560-566; Li et al. (1993) Plant Cell Reports 12:250-255; Christou and Ford (1995) Annals of Botany 75:407-413; Osjoda et al. (1996) Nature Biotechnology 14:745-750)。
植物細胞への形質転換については、以下の文献も参照のこと(Toriyarna et al. (1988) Bio/Technology 6:1072-1074; Zhang, et al. (1988) Plant Cell Rep. 7:379-384; Zhang et al. (1988) Theor. Appl. Genet. 76:835-840; Shimamoto et al. (1989) Nature 338:274-276; Datta et al. (1990) Bio/Technology 8: 736-740; Christou et al. (1991) Bio/Technology 9:957-962; Peng et al. (1991) International Rice Research Institute, Manila, Philippines, pp. 563-574; Cao et al. (1992) Plant Cell Rep. 11:585-591; Li et al. (1993) Plant Cell Rep. 12:250-255; Rathore et al. (1993) Plant Mol. Biol. 21:871-884; Fromm et al. (1990) Bio/Technology 8:833-839; Tomes et al. (1995) "Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment," in Plant Cell, Tissue, and Organ Culture: Fundamental Methods, ed. Gamborg and Phillips (Springer-Verlag, Berlin); D'Halluin et al. (1992) Plant Cell 4:1495-1505; Walters et al. (1992) Plant Mol. Biol. 18:189-200; Koziel et al. (1993) Biotechnology 11: 194-200; Vasil, I.K. (1994) Plant Mol. Biol. 25:925-937; Weeks et al. (1993) Plant Physiol. 102:1077-1084; Somers et al. (1992) Bio/Technology 10: 1589-1594; WO 92/14828; Hiei, et al. (1994) The Plant Journal 6:271-282); Shimamoto, K. (1994) Current Opinion in Biotechnology 5:158-162; Vasil, et al. (1992) Bio/Technology 10:667-674; Vain, et al. (1995) Biotechnology Advances 13(4):653-671; Vasil, et al.(1996) Nature Biotechnology 14:702)。
上記の遺伝子導入法を2つ以上組み合わせて用いると、導入効率をより向上させ得る。例えば、アグロバクテリアをコートしたマイクロパーティクルを打ち込んだり、パーティクルガンで植物組織を傷つけた後でアグロバクテリアと共培養する方法などが知られている(EP 486234; EP 486233)。
イネ属植物の形質転換植物体の作製についてより具体的に例示すれば、ポリエチレングリコール法(Datta, S.K. (1995) In Gene Transfer To Plants (Potrykus I and Spangenberg Eds.) pp 66-74)、エレクトロポレーション(Toki et al (1992) Plant Physiol. 100, 1503-1507)、パーティクルガン法(Christou et al. (1991) Bio/technology, 9: 957-962.)、カルスを用いたアグロバクテリウム法(Hiei, Y. et al., Plant J. 6, 270-282 (1994)、および種子を用いたアグロバクテリウム法 (JP 2001-029075) などの方法が知られている。本発明において、これらの方法を好適に用いることができる。
また、形質転換細胞を効率的に選択するために、ベクターに適当な選抜マーカー遺伝子を搭載させたり、あるいは選抜マーカー遺伝子を含むプラスミドベクターと共に植物細胞に導入することができる。この目的に使用する選抜マーカー遺伝子は、例えばハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、および除草剤ホスフィノスリシンに耐性であるアセチルトランスフェラーゼ遺伝子等が挙げられる。
形質転換植物細胞からの植物体の再生は、植物細胞の種類に応じて当業者に公知の方法で行うことが可能である(R. Abdullah et al., Bio/Tecnology, 4: 1087-1090 (1986); K. Toriyama et al., Theor. Appl. Genet., 73: 16-19 (1986); Y. Yamada et al., Plant Cell Reports, 5: 85-88 (1986))。植物体の再生に関しては、以下の文献も参照のこと(Vasil et al. (1984) in Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants, Vols. I, II, III, Laboratory Procedures and Their Applications (Academic Press); Weissbach et al. (1989) Methods For Plant Mol. Biol.)。形質転換植物体は、同じ形質転換系統または他の系統を用いて、自家受粉や他家受粉により子孫を得ることができる。他家受粉により、所望の形質を導入したハイブリッドを作製することもできる。
形質転換植物体は、有性生殖または無性生殖により子孫を得ることが可能である。また、該植物体やその子孫あるいはクローンから繁殖材料を得て、それらを基に該植物体を量産することも可能である。繁殖材料とは、植物体への生長能を持つ植物組織または器官を言い、種子、切穂、および栄養繁殖器官および栄養繁殖組織が含まれる。栄養繁殖器官としては、具体的には、株、切穂(cuttings)、根茎(rhizome)、塊茎(tuber)、鱗茎(bulb)、球茎(corm)などの地下茎(subterraneanstem)、根茎と同様に土中を広がる横走根(creeping-root)、地表を横走するほふく茎(stolon)、さらに地上部に形成される珠芽(むかご,bulbil)などが含まれる。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
[実施例1]突然変異体イネ属植物の作出および同定
3種類の日本型品種イネ(金南風、台中65号、日本晴)に各種の突然変異誘発処理(MNU受精卵処理、γ線受精卵処理、培養変異)を施した。上記突然変異誘発処理により複数の矮性変異体が得られたため、突然変異誘発処理により得られた矮性の変異体を正常な草丈を示す野生型のイネと交配してF1個体のそれぞれの草丈を観察し、矮性の形質の遺伝様式の検討を行った。さらにF1個体の次世代を展開し、その表現型の分離様式を観察した。その結果、4系統の矮性変異体(SLRD1-SLRD4)が優性変異による矮性変異体であることが明らかになった。
4種類の変異体の表現型は、SLRD1-SLRD4の順に、より強度な矮化を示した。SLRD1-SLRD4の各系統の表現型の説明を表1に、写真を図2に示す。SLRD1は、作出親である金南風にNMU受精卵処理を行って得られた矮性突然変異体である。SLRD2およびSLRD3は、作出親である台中65号にγ線処理を施した結果得られた矮性突然変異体である。SLRD4は、作出親である日本晴に培養変異処理を施して得られた矮性突然変異体である。
Figure 0005055555
[実施例2]遺伝子変異の決定
上記4種類の変異体について、優性の矮性をもたらした遺伝子変異の特定を試みた。SLRD1-SLRD4の各突然変異体および作出親から、草丈の調節に関連している遺伝子を単離し、cDNA配列を決定した。cDNA 配列の決定には、以下のプライマーを使用した。
SLR1U:CCGGAATTCCGGATGAAGCGCGAGTACCAA(配列番号:3)
SLR1L: GGAATTCCTTACAAACACACGCTGCTAC(配列番号:4)
各突然変異体の草丈調節遺伝子のcDNA配列を作出親の正常な遺伝子配列と比較した。その結果、上記4種類の変異体の原因遺伝子は相互に対立性を示し、いずれも第4染色体に座乗するSlr1遺伝子の点突然変異に起因していた。SLRD1は、Slr1遺伝子のDELLAドメインの1遺伝子変異に起因し、該遺伝子変異はSlr1タンパク質アミノ酸配列の49位のバリンをメチオニンに変異させるものであった。SLRD2は、Slr1遺伝子のTVHYNPドメインの1遺伝子変異に起因し、該遺伝子変異はSlr1タンパク質アミノ酸配列の106位のメチオニンをリシンに変異させるものであった。SLRD3は、Slr1遺伝子のTVHYNPドメインの1遺伝子変異に起因し、該遺伝子変異はSlr1タンパク質アミノ酸配列の99位のロイシンをフェニルアラニンに変異させるものであった。SLRD4は、Slr1遺伝子のSAWドメインの1遺伝子変異に起因し、該遺伝子変異はSlr1タンパク質アミノ酸配列の576位のグリシンをバリンに変異させるものであった。
Slr1遺伝子の上記ドメインおよび上記突然変異部位を図1に示す。
[実施例3]F1植物体の作製
SLRD1と日本型正常品種との交雑F1(雑種第1代)、およびSLRD2とインド型正常品種との交雑F1(雑種第1代)を作製した。上記2種のF1植物体の表現型は草丈に対し不完全優性を示し、いずれも半矮性を示した。日本型正常品種とのF1植物体の写真を図3に、インド型正常品種とのF1植物体の写真を図4に示す。
本発明により、優性の矮性形質を示すイネが提供された。本発明のイネは、倒伏しにくいため、風雨に強く、高い収穫量を期待することができる。また、本発明のイネの矮性形質は優性遺伝することから、本発明のイネは半矮性のF1ハイブリッドイネの作出の親本として最適である。

Claims (17)

  1. Slr1遺伝子において、配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異より選択される少なくとも一つの置換変異を有し、優性の矮性形質を示すネ。
  2. 矮性形質が、親品種の草丈の80%以下の草丈となる矮性形質である、請求項1に記載のイネ。
  3. 下記(a)から(c)の工程を含む、優性の矮性形質を示すイネのスクリーニング方法。
    (a)イネの種子、カルス、幼苗、植物体の一部から、Slr1遺伝子を調製する工程
    (b)上記(a)工程で調製したSlr1遺伝子の変異を検出する工程
    (c)Slr1遺伝子の変異であって、配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異より選択される少なくとも一つの置換変異が検出されたイネを選抜する工程
  4. 下記(a)から(c)の工程を含む、優性の矮性形質を示すイネの製造方法。
    (a)イネの受精卵、種子、またはカルスに突然変異誘発処理を行う工程
    (b)該突然変異誘発処理を行ったイネについて、請求項に記載のスクリーニング方法を実施する工程
    (c)Slr1遺伝子の変異であって、配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異より選択される少なくとも一つの置換変異が検出されたイネの受精卵、種子、またはカルスから、植物体を再生する工程
  5. 突然変異処理がNMU処理、ガンマ線照射、培養変異である、請求項に記載の方法。
  6. 請求項またはに記載の方法によって製造された、優性の矮性形質を示すイネ。
  7. 請求項1、2、またはのいずれかに記載のイネの子孫またはクローンであって、Slr1遺伝子の変異において、配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異より選択される少なくとも一つの置換変異を有するイネ。
  8. 請求項1、2、、またはのいずれかに記載のイネの繁殖材料。
  9. Slr1遺伝子において、配列番号:1記載のアミノ酸配列における49位のVからMへの置換変異、99位のLからFへの置換変異、106位のMからKへの置換変異、および576位のGからVへの置換変異より選択される少なくとも一つの置換変異を有する、矮性の形質を示すイネを、他のイネと交配させることを特徴とする、半矮性イネの製造方法。
  10. 下記(a)から(h)のいずれかに記載の単離されたポリヌクレオチド。
    (a)配列番号:1記載のイネSlr1蛋白質のアミノ酸配列における49位のVがMに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (b)配列番号:1記載のイネSlr1蛋白質のアミノ酸配列における99位のLがFに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (c)配列番号:1記載のイネSlr1蛋白質のアミノ酸配列における106位のMがKに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (d)配列番号:1記載のイネSlr1蛋白質のアミノ酸配列における576位のGがVに置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    (e)配列番号:2記載のイネSlr1遺伝子の塩基配列における145位のGがAに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
    (f)配列番号:2記載のイネSlr1遺伝子の塩基配列における295位のCがTに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
    (g)配列番号:2記載のイネSlr1遺伝子の塩基配列における317位のTがAに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
    (h)配列番号:2記載のイネSlr1遺伝子の塩基配列における1727位のGがTに置換された塩基配列を含むポリヌクレオチド
  11. 請求項10に記載のポリヌクレオチドを有するベクター。
  12. 請求項10に記載のポリヌクレオチドまたは請求項11に記載のベクターが導入された細胞。
  13. 請求項10に記載のポリヌクレオチドまたは該ポリヌクレオチドを有するベクターが導入されたイネ細胞を有する形質転換イネ植物体。
  14. 請求項13に記載の形質転換イネ植物体の子孫またはクローンであるイネ植物体。
  15. 請求項14に記載の形質転換イネ植物体の繁殖材料。
  16. 下記(a)および(b)の工程を含む、請求項13に記載の形質転換イネ植物体の製造方法。
    (a)請求項10に記載のポリヌクレオチドまたは請求項11に記載のベクターをイネ細胞に導入する工程
    (b)該細胞からイネ植物体を再生させる工程
  17. 請求項10に記載のポリヌクレオチドイネ細胞内で発現させることを特徴とする、イネを矮化する方法。
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