本発明は、エレクトロルミネッセンス(Electro luminescence:以下ELと記す)が得られる化合物からなる薄膜(以下、「EL膜」と記載)を電極間に挟んだ素子(以下、「EL素子」と記載)を含む表示装置及びその作製方法に関する。
ELには、三重項励起状態から基底状態へと遷移するときに発光されるりん光
(phosphporescence)や、一重項励起状態から基底状態へと遷移するときに発光される蛍光(fluorescence)がある。
EL膜は無機材料又は有機材料を用いることができる。有機EL膜とはEL膜として有機材料を用いたものである。有機EL素子とは、有機EL膜を電極間に挟んだEL素子である。
本明細書における薄膜トランジスタ(TFT)素子とは少なくとも3つの電極を有する半導体素子をいう。これらの電極とはゲート電極、ソース電極、ドレイン電極であり、ソース電極、ゲート電極は配線としての機能を兼ねることもある。
有機EL膜を用いた表示装置は、従来のCRTと比べ軽量化や薄型化が可能であり、様々な用途への応用が進められている。携帯電話や個人向け携帯型情報端末(Personal Digital Assistant : PDA)などは、インターネットに接続することが可能となり、映像表示で示される情報量が飛躍的に増え、表示装置にはカラー化や高精細化の要求が高まっている。
表示装置を高精細化する手段として、薄膜トランジスタ(TFT)のような能動素子により、EL膜に電圧を印加する手段が採用されている。
また、EL素子で画素部を形成した表示装置は自発光型であり、液晶表示装置のようにバックライトなどの光源を必要としないので、軽量化や薄型化を実現する手段として有望視されている。
EL素子は画素毎に形成された陽極上にEL膜が形成され、EL膜上に共通電極として陰極が形成される構成が一般的である。しかし、抵抗を小さくするために、膜厚を200nm程度と厚くした陽極上に、膜厚が30nm〜150nmと薄いEL膜が形成されるため、陽極の側面において、EL膜の断線が発生していた。EL膜の断線が起こると、その断線した部分で陽極と陰極が短絡してしまいEL膜が発光せず、黒点の欠陥となる。
そこで、図18のような断面構造が提案されている。図18は従来のEL素子の断面である。EL膜1002の断線を防ぐために、陽極1000の端部を絶縁膜1001で覆うことにより、陽極の端部における、陽極と陰極1003の短絡を防止することを目的としている。陽極の端部に設けられた絶縁膜は一般にバンプと呼ばれている。
しかし、図18の断面構造においても、実工程においては、いくつかの問題が見られる。図18のように、陽極1000上の絶縁膜1001の側面が直線状であるときは、陽極の上面と絶縁膜の側面の接するところ1004で、EL膜の断線が起こりやすい。つまり、EL膜の成膜面の傾きが急激に変化する場所で、EL膜1002が蒸着されず間隙ができる。この間隙により陽極と陰極が短絡してしまう。また、EL膜が断線しなかったとしても、陽極の上面と絶縁膜の側面の接するところ1004で、EL膜が薄くなると、EL膜が薄くなった部分に電界が集中し、EL膜が薄くなったところでしか発光が起こらない。
さらに、絶縁膜上の陰極が絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して絶縁膜下の配線と導通するときは、絶縁膜の側面で陰極が断線すると、陰極に電位が付与されず、表示が行われない場合が生じる。
また、絶縁膜1001の側面と絶縁膜の上面の接線近傍1005において、EL膜及び陰極の断線が発生しやすい。通常、絶縁膜(バンプ)は隣接する画素の間隙を覆って、ストライプ状に形成されている。このとき、バンプが画素の周囲に形成されるときは、陰極の断線が発生し、その断線が連続的につながって閉曲線状になると、その閉曲線の内側の陰極は電極としての機能を持たず、EL膜に電圧が印加されない。つまり点欠陥となる。
EL素子を用いた表示装置の高精細化を図るために画素数を多くしたときに、陽極と陰極の短絡による点欠陥若しくは陰極の断線による点欠陥は歩留まり、表示品質を低下する要因となり、早急な対応が要求されている。また、EL膜が局所的に薄くなることによる電界の集中は、欠陥のある画素の輝度が、欠陥のない画素の輝度に対し変わってしまい視認性を損なうため、対策が必要である。
本発明者らはバンプの形状を最適化することで、バンプ上のEL膜と陰極の成膜面の傾きががなだらかに変化して、EL膜と陰極が均一な膜厚に成膜されやすくなり、EL膜及び陰極が断線すること、EL膜の膜厚が局所的に変化することが抑えられるのではないかと考えた。そこで、EL膜、陰極を均一な膜厚に成膜でき、かつ優れた表示性能を確保できるようバンプの形状を最適化した。
本発明においてバンプの形状を示すために用いる用語を図20を参照しながら以下に説明する。図20(A)〜図20(B)はバンプの形状を示す断面図の一例である。
例えば、図20(A)の断面図に示す上面107が平面状であるバンプの場合、絶縁膜101の下部の両端が下端部104、絶縁膜の上部の両端が上端部106、絶縁膜の上面107と絶縁膜下の陽極100の上面に接する面の中間にある高さの部分を中央部105という。絶縁膜の表面は平坦な上面107と側面108に区分される。
例えば、図20(B)の断面図に示す上部が曲面状であるバンプの場合、絶縁膜201の下部の両端が下端部204、絶縁膜の一番膜厚の厚い部分の近傍が上部206、絶縁膜の上部206と絶縁膜下の陽極200の上面に接する面の中間にある高さの部分を中央部205という。
本発明の構成の例を図1(A)に示す。図1(A)はEL素子の断面の一例を示す。EL素子の一方の電極、例えば陽極100と、陽極100上に選択的に形成された絶縁膜(バンプ)101がある。さらに、絶縁膜及び陽極上にEL膜102が形成され、EL膜上に陰極103とが形成されている。本発明は絶縁膜の形状に特徴がある。以下に、図2を用いて絶縁膜の形状を説明する。図2はバンプの断面形状を説明する断面図である。
なお、本発明において、絶縁膜101の厚さ(T)とは、デバイスとして使われるときの絶縁膜の膜厚をいう。また、絶縁膜の厚さ(T)とは、絶縁膜の上面から絶縁膜の下面まで下ろした垂線の長さをいう。
EL膜102、陰極103の断線を防止するために、絶縁膜の厚さは厚すぎない方が良く、3.0μm以下とすることが好ましい。また、絶縁膜の厚さは、絶縁膜上に形成される陰極103と絶縁膜101の下方のTFT素子との寄生容量を低減するためには、少なくとも1.0μm以上あることが好ましい。つまり、絶縁膜の厚さは1.0μm以上3.0μm以下とすると良い。
(1) 本発明は、EL素子において、前記EL素子の一方の電極例えば陽極100と、陽極上に選択的に形成された絶縁膜101とを有し、陽極の上面に接する絶縁膜の下端部104は、絶縁膜の側面の外側に中心を有する楕円若しくは円に接し、上端部106は絶縁膜の上面107に連続し、絶縁膜の側面108の内側に中心を有する楕円若しくは円に接することを特徴とする(図2(B))。このように、絶縁膜の下端部と上端部をなめらかな形状にしたときに、成膜面の傾きが連続的に変化してEL膜102、陰極103の断線を防止することができる。また、陰極と陽極に挟まれた部分で、EL膜の膜厚が局所的に薄くなることを抑えることができ、EL膜に局所的に電界が集中することを防ぐことができる。
楕円の中心とは、楕円の短軸と長軸の交点をいう。円の中心とは、円の接線に対する垂線を、円における位置を変えて少なくとも三本以上設けたときの交点をいう。
(2) 上記(1)の構成に加えて、絶縁膜の中央部105が、絶縁膜の側面に接する面と陽極の上面とのなす角度θが35°以上70°以下である側面を有すると、絶縁膜の側面108におけるEL膜、陰極の断線を防止することができる。本明細書において、「中央部」とは絶縁膜101において、絶縁膜の上面と陽極の上面に接する面の中間にある高さの部分をいう。本明細書では、以降、絶縁膜の側面に接する面を「傾斜面」と称する。そして、傾斜面と陽極の上面とのなす角度を「傾斜面のテーパー角」と称する。
絶縁膜の中央部において傾斜面のテーパー角は35°以上70°以下が好ましい。傾斜面のテーパー角が70°を超えると、陰極の膜厚が絶縁膜の側面において薄くなり陰極の断線が生じる恐れが大きくなる。傾斜面のテーパー角が35°未満であると、傾斜面のテーパー角の減少にともなって絶縁膜(バンプ)の膜厚が薄くなる傾向が生じる。絶縁膜の膜厚が薄くなると絶縁膜下方のTFT素子と絶縁膜上の陰極との寄生容量が増加してしまい好ましくない。
(3) 本発明はEL素子において、EL素子の一方の電極、例えば陽極100と、陽極上に選択的に形成された絶縁膜101とを有する。絶縁膜の下端部104は、陽極100の上面に接し、陽極と前記下端部との接線の上方の曲率中心(O1)及び第1の曲率半径(R1)により決まる曲面状の側面に接する。そして、絶縁膜の上端部106は、絶縁膜の上面に連続し、上端部106と平坦な上面107との境界線の下方の曲率中心(O2)及び第2の曲率半径(R2)により決まる曲面状の側面を有する(図2(A)、図2(B))。
絶縁膜の下端部において、EL膜の成膜面の傾きが連続的に変化するようななだらかな曲面形状を有するため、絶縁膜の下端部に形成されるEL膜のカバレッジが良くなり、下端部におけるEL膜の断線を防止することができる。これにより、EL膜の断線による陽極と陰極の短絡が低減する。また、EL膜が部分的に薄くなることを防止でき、EL膜における局部的な電界の集中を防ぐことができる。
絶縁膜の上端部106において、陽極100の上面に対して絶縁膜の側面に接する面の傾きが連続的に変化することで、絶縁膜の上面107と側面108の境界近傍におけるEL膜及び陰極の断線を防ぐことができる。特に陰極の断線を防止できるため、絶縁膜を陽極の端部を全て覆うように設けたときに、陰極の断線部が連続して、閉曲線状になることによる点欠陥が防止される。また、絶縁膜を陽極の端部の一部を覆うようにストライプ状に設けたときに、陰極の断線により陰極の配線抵抗が増加することを防ぐことができる。さらに、絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して陰極が絶縁膜下の配線と接する時にコンタクトホールの側面で陰極が断線することを抑えることができる。
(4) 上記(3)の構成に加えて、本発明は、第1の曲率半径は0.2μm以上3.0μm以下であることを特徴とする。第1の曲率半径(R1)が0.2μm未満であると、陽極100に接する絶縁膜101の側面が切り立った形状となるため、絶縁膜101の側面において、EL膜、陰極を均一な膜厚で形成することが困難になる恐れが生じる。例えば、EL膜の成膜面の傾きが急激に変化するため、EL膜が薄くなりその部分に局部的に電界が集中する。また、第1の曲率半径が3.0μmを超えると、絶縁膜の膜厚の薄い部分が広く存在し、TFT素子を絶縁膜で被覆することが困難になる傾向が生じる。
酸、塩基等の水溶液を用いたエッチングにしても、反応性ガスを用いたエッチングにしても、第1の曲率半径が0.2μm以上3.0μm以下となれば形状の制御がしやすくなる。
(5) 上記(3)、(4)の構成に加えて、絶縁膜の中央部105は、傾斜面のテーパー角θが35°以上、70°以下であることが好ましい。
(6) 上記(3)、(4)、(5)の構成に加えて、第2の曲率半径(R2)は0.2μm以上3.0μm以下が好ましい。第2の曲率半径(R2)が小さすぎると、絶縁膜101の上面に接する絶縁膜の側面が切り立った形となるため、絶縁膜101の断面形状において、上端部が曲面状になっても、EL膜の断線を防止する効果が低い。このため、第2の曲率半径は少なくとも0.2μm以上は必要である。
酸、塩基等の水溶液を用いたエッチングにしろ、反応性ガスを用いたエッチングにしても、実工程で制御可能な曲率半径として、第2の曲率半径は0.2μm以上3.0μm以下が適当である。
絶縁膜の下端部、中央部及び上端部の側面の曲率半径又は傾斜を以上のような数値範囲で設けることにより、絶縁膜全体として、側面形状がなだらかになり、EL膜、陰極の断線を防ぎやすくなる。また、絶縁膜の下端部の側面において、EL膜が局所的に薄くなることによる電界の集中を防ぐことができる。
ところで、陰極の断線を図1(A)に対し、さらに効果的に防止できる構造を図1(B)で示す。図1(B)は、電極、例えば陽極200上に選択的に絶縁膜201が設けられており、絶縁膜201上にEL膜202、EL膜上に陰極203が形成されている。図1(B)の特徴は絶縁膜の上部を含んで絶縁膜の側面が曲面状であることである。
図1(B)で示した絶縁膜の断面形状を図3を用いて詳細に説明する。
なお、図3における、絶縁膜の厚さ(T)とは、絶縁膜の上端部から絶縁膜の下面に下ろした垂線の長さをいう。上端部とは、絶縁膜の表面において、絶縁膜が形成された平面からの距離が最大である部分をいう。絶縁膜の厚さは3.0μm以下とすると良い。
(7) 本発明は、EL素子において、前記EL素子の一方の電極例えば陽極200と、陽極上に選択的に形成された絶縁膜201とを有し、陽極の上面に接する絶縁膜の下端部204は、絶縁膜の側面の外側に中心を有する楕円若しくは円に接する側面を有し、上端部206は、絶縁膜の側面の内側に中心を有する楕円若しくは円に接する側面を有することを特徴とする(図3(B))。
(8) 本発明は上記(7)の構成に加えて、絶縁膜の中央部205において、傾斜面のテーパー角θが35°以上70°以下であることを特徴とする。
(9) 本発明はEL素子において、EL素子の一方の電極、例えば陽極200と、陽極上に選択的に形成された絶縁膜201とを有する。絶縁膜の下端部204は、陽極200の上面に接し、陽極と前記下端部との接点の上方の曲率中心(O1)及び第1の曲率半径(R1)により決まる曲面状の側面を有する。そして、絶縁膜の上端部206は、上端部の下方の曲率中心(O2)及び第2の曲率半径(R2)により決まる曲面状の側面を有する。絶縁膜の下端部、上部の側面を曲面状にするだけでなく、さらに、絶縁膜の中央部205において傾斜面のテーパー角を35°以上70°以下とすることが好ましい(図3(A)、図3(B))。
(10) 上記(9)の構成に加えて、下端部204の第1の曲率半径(R1)は0.2μm以上3.0μm以下が好ましい。第1の曲率半径(R1)が小さすぎると、陽極200に接する絶縁膜201の側面が切り立った形となるため、絶縁膜201の断面形状において、下端部が曲面状になっても、EL膜の断線、EL膜が局所的に薄くなることを防止する効果が低い。このため、第1の曲率半径は少なくとも0.2μm以上は必要である。しかし、第1の曲率半径が大きすぎると、絶縁膜の膜厚が薄い領域が広く存在することになり、TFT素子を絶縁膜が被覆することが難しくなる。従って、EL表示装置において絶縁膜の第1の曲率半径が大きすぎても問題がある。第1の絶縁膜の曲率半径はこのため、3.0μm以下とすることが好ましい。プロセス的にも、第1の曲率半径(R1)が0.2μm以上3.0μm以下ならば、実工程で充分制御可能である。
(11) 上記(8)、(9)、(10)の構成に加えて、本発明において、絶縁膜の断面形状において、絶縁膜の上部206は、上部の下方の曲率中心(O2)と、第2の曲率中心(R2)により決まる曲面形状である。このように、EL膜、陰極を形成する表面をなだらかに変化させることで、絶縁膜の表面上で陰極の膜厚が薄くなることによる陰極の断線を防止することができる。上部206の第2の曲率半径(R2)は、互いに隣接する陽極間の距離を考慮して決定すると良い。図1(B)及び図3において、絶縁膜の上端部206を曲面状にすることで、急激な角度変化による陰極層の断線を防止することができ効果的である。
なお、図2〜図3において、絶縁膜の側面の下端部から上端部(又は上部)において、傾斜面のテーパー角θが、電極と絶縁膜が接する絶縁膜の端部において0°となり、絶縁膜の側面に沿って0°以上70°以下の範囲で連続的に変化する形状が、EL膜、陰極の断線を防止し、EL膜が局所的に薄くなることによる電界の集中を防止できて好ましい。
なお、上述のEL膜を有機材料から形成される有機EL膜とすることで、直流駆動、低電圧駆動が可能となり、低消費電力の表示装置を作製することができる。
アクティブマトリクス型の表示装置を中心に説明をしたが、本発明は、パッシブマトリクス型または、アクティブマトリクス型のいずれであっても適用できる。絶縁膜の形状により、陰極及びEL膜の断線、EL膜の膜厚が局所的に薄くなることを効果的に防止できるからである。
また、絶縁膜下の電極を陽極を例にして説明したが、絶縁膜下の電極を陰極とすることも可能である。
以上、説明したように本発明を用いることで、EL素子を用いた表示装置において、電極上のバンプの側面を曲面状にして成膜されるEL膜、陰極の膜厚の均一性を向上させることで、EL膜、陰極の断線を防止でき、EL素子の歩留まりを高め、表示品質の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態を以下に説明する。
まず、有機材料として、非感光性のポリイミド樹脂膜、非感光性のアクリル膜を用いた工程を示す。反応性ガスを用いて絶縁膜をエッチングするときに、反応性ガスの流量比を徐々に変えることによって、図1(A)の絶縁膜の断面形状を作製することができる。作製方法の一例を、図4を用いて以下に示す。
基板上には、有機EL素子のスイッチング素子として、TFT素子が形成されている。TFT素子は半導体層にドレイン側の電極416、ソース側の電極417が接続し、半導体層上方にゲート電極411が設けられている。TFT素子のドレイン側の電極416下に、電気的に接続された有機EL素子の陽極422が形成されている。陽極としてはITO(酸化インジウム・スズ)のような透明導電膜を用いることができる。
第1工程として、これら電極上に、絶縁膜301を成膜する。絶縁膜としては、アクリル樹脂膜、ポリイミド樹脂膜を成膜することが可能である。まず、絶縁膜を基板上に塗布する。その後、50℃〜150℃の温度で1〜5分の時間熱処理をして、ポリイミド樹脂膜中に含まれる溶媒を除去する。さらに、オーブンにより200℃〜250℃の熱処理をしてポリイミド樹脂膜をイミド化する。イミド化した後のポリイミド樹脂膜の膜厚は1.0μm以上、3.0μm以下となることが好ましい。
第2工程として、絶縁膜301上にレジスト膜300をパターニングする。ポリイミド樹脂膜上に感光性のフォトレジスト膜(以下、レジスト膜と記載)を形成する。レジスト膜300は、パターニング後にレジスト膜の側面と、レジスト膜の下面が50°〜80°の角度をなすような、テーパーを有することが好ましい(図4(A))。
第3工程として、少なくとも第1の反応性ガスと第2の反応性ガスを用いて絶縁膜をエッチングをする。このとき、第1の反応性ガスと第2の反応性ガスの流量比を経時変化させる。エッチング用ガスに第1の反応性ガスCF4と第2の反応性ガスO2と不活性ガスHeとを用いてポリイミド樹脂膜をエッチングする方法を例示する。第1の反応性ガスCF4のガス流量比が大きいほど、レジスト膜302に比べてポリイミド樹脂膜303がエッチングされやすくなる。つまり、レジスト膜302の側面部がレジスト膜の内側へと後退する幅(X)に対し、ポリイミド樹脂膜303が膜厚方向にエッチングされる深さ(Y)の方が大きくなり、Y/Xに依存して決まる絶縁膜の傾斜面のテーパー角が大きくなる。つまり、第1の反応性ガスCF4のガス流量比が大きいと傾斜面のテーパー角が大きく、きりたった形状になる。
逆に、第1の反応性ガスCF4のガス流量比が小さいと、傾斜面のテーパー角が小さく、緩やかに傾斜した形状になる。
そこで、第1の反応性ガスCF4と第2の反応性ガスO2との流量比を徐々に変えることで、絶縁膜の傾斜面のテーパー角をなだらかに変えることができる。
第1のエッチング工程として、RIE(Reactive Ion Etching)法を用い、エッチング用ガスに第1の反応性ガスCF4、第2の反応性ガスO2、不活性ガスHeを用いる。エッチングを開始するときには、CF4とO2とHeのガス流量比を1.5/98.5/40(sccm)とする。そして、エッチング時間が進むにつれて、第2の反応性ガスO2に対する第1の反応性ガスCF4のガス流量比を時間毎に増加していき、最終的にCF4とO2とHeとのガス流量比が7/93/40(sccm)となるようにする。第1の反応性ガスCF4の流量比を上げることで、絶縁膜の傾斜面のテーパー角が大きくなる。そこで、傾斜面のテーパー角を細かいステップで連続的に変えることにより、絶縁膜の側面が曲面状になる。この曲面の曲率半径を第1の曲率半径と称する。第1の曲率半径は0.2μm以上3.0μm以下とすることが好ましい。このようにして絶縁膜の側面において第1の領域318が形成される(図4(B))。
第1のエッチング工程で行ったエッチング条件を第1のエッチング条件という。
なお、第1のエッチング条件において、第1の反応性ガスCF4のガス流量比の時間変化を緩やかにすると、絶縁膜の側面の傾きが徐々に変わるため、第1の曲率半径が大きくなる。その逆に、第1のエッチングにおいて、第1の反応性ガスCF4のガス流量比の時間変化を急峻にすることで、第1の曲率半径が小さくなる。
この後、レジスト膜を除去せずにエッチングをする。第2のエッチング工程においては、エッチング用ガスにそのままCF4とO2とHeとを用い、第1の反応性ガスCF4、第2の反応性ガスO2、不活性ガスHeのガス流量比を7/93/40(sccm)と一定に保ってエッチングを続ける。これにより、絶縁膜303の側面において、傾斜面のテーパー角が一定の領域ができる。これにより絶縁膜の側面において、第2の領域319が形成される。第1のエッチング工程の最終的なガス流量比によって、第2のエッチング工程で形成される絶縁膜の傾斜面のテーパー角が決まる。第2の反応性ガスO2に対する第1の反応性ガスCF4の割合が大きいほど、絶縁膜の傾斜面のテーパー角が大きくなる。第2の領域319において、絶縁膜の側面のテーパー角は35°以上70°以下となることが好ましい。
第2のエッチング条件によるエッチングにおいて、反応性ガスによる異方性のエッチングを行っているため、図4(B)で形成された絶縁膜の側面の第1の領域318はその形状を維持したまま、ポリイミド樹脂膜の下側に転写される。
レジスト膜304は、上面と側面がエッチングされて、膜厚が減り、側面がレジスト膜の内側に後退する(図4(C))。
次いで、第3のエッチング工程を行う。レジスト膜を除去せずに第3のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにそのままCF4とO2とHeとを用い、第2の反応性ガスO2に対する第1の反応性ガスCF4の比を時間毎に低下させていく。例えば、CF4とO2とHeとのガス流量比を7/93/40(sccm)から、1.5/98.5/40(sccm)へと時間変化させていく。これにより、絶縁膜の傾斜面のテーパー角が徐々に低減して曲面状になる。この曲面の曲率半径を第2の曲率半径と称する。第3のエッチング条件により絶縁膜307の第3の領域320が形成される。
レジスト膜306は、上面と側面がエッチングされて、膜厚が減り、側面がレジスト膜の内側に後退する(図5(A))。
第1のエッチング条件、第2のエッチング条件、第3のエッチング条件において共通して65Paの圧力で500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。
以上により、絶縁膜の側面において第1の領域318、第2の領域319及び第3の領域320が形成される。第1の領域は絶縁膜の下端部を含む。第2の領域は絶縁膜の中央部を含む。第3の領域は絶縁膜の上端部を含む。
その後、第4工程としてレジスト膜306を除去し、第5工程として絶縁膜及び電極上にEL膜423を形成する。さらに、陰極424をEL膜上に形成することでEL素子が形成される(図5(B))。
なお、図5(B)の鎖線B−B’で示す断面は、図9の上面図を鎖線B−B’で切断した断面に対応する。図9と同じ部位は、同じ符号が付されている。
反応性ガスを用いたエッチングでは微細加工が可能であるという利点がある。図4では、絶縁膜として有機材料を用いた例を示したが、絶縁膜として無機材料を用いることも可能である。例えば、絶縁膜としてSiO2膜を用いたときは、反応性ガスとして第1の反応性ガスにCHF3を用いて、第2の反応性ガスにO2を用いると良い。そして、前述のように第1のエッチング工程、第2のエッチング工程、第3のエッチング工程において、第1の反応性ガス、第2の反応性ガスの流量比を変えていく。第1の反応性ガスCHF3のガス流量比を上げるほど、絶縁膜の膜厚方向のエッチングが進みやすく、傾斜面のテーパー角が高くなる。このようにして、前述の工程の材料を置き換えても、図5(A)と同様に、絶縁膜の第1の領域318、第3の領域320を曲面状に形成し、第2の領域319の傾斜面を一定の傾きとすることが可能である。
ただし、無機絶縁膜は下方の凹凸を反映するため、無機絶縁膜の表面にTFT素子の配線等に起因する凹凸が生じてしまう場合がある。このときは、無機絶縁膜の表面をあらかじめ、CMP(Chemical Mechanical Polish : 化学的機械研磨)で研磨した後に、レジスト膜を形成して、無機絶縁膜をエッチングしてバンプを形成するとよい。
また、ポリイミド樹脂膜を用いて図1(B)の形状を作製する方法を図6を用いて説明する。
なお、ポリイミド樹脂膜は熱硬化前は、ポリアミック酸を主成分とする有機膜であり、熱硬化により脱水縮合してポリイミド膜になる。図4〜図5により説明した実施形態においては、特に区別の必要がないため、熱硬化前後の樹脂膜ともポリイミド樹脂膜と記載した。しかし、図6により示す工程においては、ポリアミック酸とポリイミドの化学特性の違いを利用しているため、その違いを明記して説明をする。
まず、第1工程において、電極上にポリアミック酸を主成分とする有機膜309を塗布する。
その後、第2工程として50℃〜150℃の温度で1〜5分の時間熱処理をして、有機膜中の溶媒を除去する。次に、第3工程としてレジスト膜308を有機膜309上に成膜する。レジスト膜の膜厚は0.5μm〜3.0μm程度が好ましい。そして、第4工程としてフォトマスクを通して紫外線を照射してレジスト膜を露光する(図6(A))。
そして、第5工程として、塩基性を有する現像液に、基板上のレジスト膜及び有機膜を浸漬して現像を行う。現像液は例えば、濃度が2.0〜6.0%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)現像液を用いることができる。まずレジスト膜のうち、紫外線が照射されて露光された部分が現像液に溶解する。その後に、塩基性を示す現像液によりポリアミック酸を主成分とする有機膜311がレジスト膜をマスクとして等方的にエッチングされる。レジスト膜310下のポリイミド樹脂膜311は、おおむねレジスト膜に保護されて残るが、それでも、レジスト膜の端部下方のポリイミド樹脂膜は等方性のエッチングにより、側面が曲面状の断面になる(図6(B))。
その後、第6工程として、レジスト膜の溶剤にレジスト膜を浸漬してレジスト膜を溶解して、除去する。レジスト膜の溶剤の例としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)が挙げられる。
その後、第7工程として、180℃以上350℃以下の温度で1時間〜3時間の時間で、有機膜を脱水縮合しイミド化する。これによりポリアミック酸を主成分とする有機膜がポリイミド樹脂膜に化学変化する。イミド化に伴ってポリイミド樹脂膜が内側方向に収縮して、ポリイミド樹脂膜312の表面が丸みを帯びる(図6(C))。
このようにして、絶縁膜の表面に第1の領域321、第2の領域322及び第3の領域323が形成される。第1の領域321は、絶縁膜の下端部を含む曲面形状である。第2の領域322は絶縁膜の側面の中央部を含む。第3の領域323は絶縁膜の上端部を含む。
第2の領域322は、ポリイミド膜の熱収縮により、多少丸みを帯びる。このときに、絶縁膜の中央部において、側面に接する面と陽極422の上面のなす角度が35°〜70°の範囲にあることが好ましい。
第3の領域323は、熱収縮により、丸みを帯びて、絶縁膜の側面及び上端部を含む範囲で絶縁膜の表面が曲面形状となる。
次に第8工程として、ポリイミド樹脂膜上にEL膜423を形成し、EL膜上に陰極424を形成する(図6(D))。
図1(A)の断面形状の作製方法のその他の例を示す。
例えば、絶縁膜上にレジスト膜をパターニングして、絶縁膜を等方的にエッチングした後にレジスト膜を除去する。その後、RIE(Reactive Ion Etching)により絶縁膜をエッチングすると、絶縁膜の側面と上面が接する部分においては、反応性ガスがあたりやすいため、絶縁膜の側面と上面との接線近傍を曲面状にすることができる。
図19を用いてこの工程を説明する。図19はバンプを形成する工程を説明する断面図である。
まず、電極上に絶縁膜324を成膜し、絶縁膜324上にレジスト膜325を形成する。絶縁膜の厚さは1〜3μmとし、レジスト膜の厚さは0.5〜5μmとする。絶縁膜はポリイミド樹脂膜、アクリル樹脂膜を塗布し、熱硬化して形成する(図19(A))。
次いで、レジスト膜を露光し現像する。レジスト膜327は、画素電極の端部及び隣接する画素電極の間隙と重なって形成される。次いで、絶縁膜を等方的にエッチングする。等方的なエッチング処理としては公知の方法を用いればよい。例えばプラズマを発生させてエッチングを行う場合に、エッチングをする気圧を高くするとエッチングが等方的に進行することが知られている(実用ドライエッチング技術 REALIZE INC. p.40)。エッチングによりレジスト膜の端部の下方の絶縁膜が削られて、側面が曲面状の絶縁膜326が残る(図19(B))。
次いで、レジスト膜を除去する(図19(C))。
次いで、RIE(Reactive Ion Etching)法により絶縁膜をエッチングする。0.1〜1Torrの気圧で、電離度0.1〜1%のプラズマを形成する。RIE法を用いたエッチングでは反応性ガスと絶縁膜が化学的に反応してエッチングが進行する。反応性ガスは、絶縁膜の側面と上面とが接する部分(絶縁膜の上端部329)にあたりやすいため、絶縁膜328の上端部が丸みを帯びた形状になる(図19(D))。
次いで、EL膜423、陰極424を形成する(図19(E))。
図1(A)又は図1(B)の断面形状の作製方法のその他の例を示す。
絶縁膜として、感光性の有機材料を用いたときの作製方法を図7(A)に示す。感光性の材料を露光し、現像液によりエッチングすることで、断面形状をなだらかにすることができる。有機材料としては、感光性ポリイミド樹脂膜、感光性アクリル膜を用いることができる。感光性の有機材料はポジ型を用いることが好ましい。
例えば、感光性のポリイミド樹脂膜316を1.0〜3.0μmの厚さで塗布をして、50℃〜150℃の温度で1〜5分の時間、熱処理をして、感光性のポリイミド樹脂膜中に含まれる溶媒を除去する。その後、石英ガラス314にクロム膜315が形成されたフォトマスクを通して紫外線313を照射して、感光性のポリイミド樹脂膜を露光する(図7(A))。
なお、本発明では露光時にあえて、フォトマスクを通過した紫外線を回折させる。通常の露光装置ではフォトマスクを通過した光が回折により広がるため、回折によって広がった光をレンズに入射させて、レンズの焦点の位置に基板を配置することで、基板上の感光性のポリイミド樹脂膜にフォトマスクのパターンを精度良く転写する。しかし、本発明において、感光性のポリイミド樹脂膜を露光するときは、あえてレンズの焦点の位置から0.05〜30μmほど下方に基板を配置する。すると、フォトマスクを通過して回折により広がった光が感光性のポリイミド樹脂膜に照射される。感光性樹脂に照射される光(紫外線313)は、回折によりフォトマスクに形成されたクロム膜315の内側まで入り込む。
感光性のポリイミド樹脂膜を露光するときに、回折を積極的に利用することにより、なだらかな曲面を有する断面形状にすることができる。現像後の絶縁膜317の断面は、露光時の回折光の強度分布を反映した形状になる。露光現像条件を調節することで、絶縁膜の表面がなだらかな形状にすることができる。現像後に絶縁膜317をベークして、熱硬化させる。(図7(B))。また、感光性樹脂膜を露光するときに、回折した光をフォトマスクで遮光されている部分の感光性樹脂の表面にまで入射させることで、図1(A)の断面形状だけでなく、図1(B)の断面形状を作製することもできる。
その後、絶縁膜上にEL膜423、陰極424を蒸着により形成する(図7(C))。
上述のエッチング方法は、EL表示装置や液晶表示装置のような表示装置中の絶縁膜にコンタクトホールを形成する際にも用いることができる。
なお、上述の実施形態により作製したバンプの断面の形状は、バンプを形成した基板を切断し、断面を電界放射形走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope :SEM)で観察することで、容易に確認ができる。
以下、実施例により、本発明を用いたEL表示装置を具体的に説明する。
本発明はEL素子を用いたあらゆる表示装置に適用することができる。図8はその一例であり、TFTを用いて作製されるアクティブマトリクス型の表示装置の例を示す。TFTはチャネル形成領域を形成する半導体膜の材質により、アモルファスシリコンTFTやポリシリコンTFTと区別されることがあるが、本発明はそのどちらにも適用することができる。
図8では駆動回路部450にnチャネル型TFT452とpチャネル型TFT453が形成され、画素部451にスイッチング用TFT454、電流制御用TFT455が形成されている様子を示している。これらのTFTは、島状半導体層403〜406、ゲート絶縁膜407、ゲート電極408〜411などを用いて形成されている。
基板401はコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスからなる基板を用いる。なお、基板401としては、石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
下地膜402として、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜を用いることができる。本実施例では下地膜402として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。
層間絶縁膜は窒化シリコン、酸化窒化シリコンなどで形成される無機絶縁膜418と、アクリル樹脂膜またはポリイミド樹脂膜などで形成される有機絶縁膜419とから成っている。
駆動回路部450の回路構成は、ゲート信号側駆動回路とデータ信号側駆動回路とで異なるがここでは省略する。nチャネル型TFT452及びpチャネル型TFT453には配線412、配線413が接続され、これらのTFTを用いて、シフトレジスタやラッチ回路、バッファ回路などが形成される。
画素部451では、データ配線414がスイッチング用TFT454のソース側に接続し、ドレイン側の配線415は電流制御用TFT455のゲート電極411と接続している。また、電流制御用TFT455のソース側は電源供給配線417と接続し、ドレイン側の電極416がEL素子の陰極と接続するように配線されている。図9(A)はこのような画素の上面図を示し、便宜上図8と共通する符号を用いて示している。また、図9(A)において、A−A'線に対応する断面が図8において示されている。
EL素子456は、MgAgやLiFなどの材料を用いて形成される陰極424、有機EL材料を用いて作製されるEL膜423、ITO(酸化インジウム・スズ)で形成される陽極422、とから成っている。バンプ420、421は、陽極422の端部を覆うように形成される。バンプにより、陰極と陽極との短絡、陰極424の断線を防ぐ。
バンプは、TFT素子の配線を覆うようにアクリル樹脂膜やポリイミド樹脂膜などの絶縁膜を用いて形成する。本実施例ではバンプとして感光性のポリイミド樹脂膜を用いる。感光性のポリイミド樹脂膜を露光するときの回折を積極的に利用して、感光性樹脂膜の表面をなだらかな曲面形状にする。露光装置の光学系を調節して回折を起こす。
EL膜を形成する材料は、低分子系材料または高分子系材料のどちらであっても構わない。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子系材料を用いる場合はスピンコート法や印刷法またはインクジェット法などを用いる。
高分子系材料では、π共役ポリマー材料などが知られている。その代表例は結晶質半導体膜パラフェニレンビニレン(PPV)系、ポリビニルカルバゾール(PVK)系、ポリフルオレン系などが上げられる。このような材料を用いて形成されるEL膜は、単層又は積層構造で用いられるが、積層構造で用いた方が発光効率は良い。一般的には陽極上に正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層の順に形成されるが、正孔輸送層/発光層/電子輸送層、または正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層のような構造でも良い。本発明では公知のいずれの構造を用いても良いし、EL膜に対して蛍光性色素等をドーピングしても良い。
有機EL材料としては、例えば、以下の米国特許又は公開公報に開示された材料を用いることができる。米国特許第4,356,429号、米国特許第4,539,507号、米国特許第4,720,432号、米国特許第4,769,292号、米国特許第4,885,211号、米国特許第4,950,950号、米国特許第5,059,861号、米国特許第5,047,687号、米国特許第5,073,446号、米国特許第5,059,862号、米国特許第5,061,617号、米国特許第5,151,629号、米国特許第5,294,869号、米国特許第5,294,870号、特開平10−189525号公報、特開平8−241048号公報、特開平8−78159号公報。
なお、カラー表示には大別して四つの方式があり、R(赤)G(緑)B(青)に対応した三種類のEL素子を形成する方式、白色発光のEL素子とカラーフィルターを組み合わせた方式、青色又は青緑発光のEL素子と蛍光体(蛍光性の色変換層:CCM)とを組み合わせた方式、陰極(対向電極)に透明電極を使用してRGBに対応したEL素子を重ねる方式がある。
具体的なEL膜としては、赤色に発光するEL膜にはシアノポリフェニレン、緑色に発光するEL膜にはポリフェニレンビニレン、青色に発光するEL膜にはポリフェニレンビニレンまたはポリアルキルフェニレンを用いれば良い。EL膜の厚さは30〜150nmとすれば良い。
上記の例は発光層として用いることのできる有機EL材料の一例であり、これに限定されるものではない。発光層、電荷輸送層、電荷注入層を形成するための材料は、その可能な組合せにおいて自由に選択することができる。本実施例で示すEL膜は、発光層とPEDOT(ポリチオフェン)またはPAni(ポリアニリン)から成る正孔注入層を設けた構造とする。
EL膜423の上にはEL素子の陰極424が設けられる。陰極424としては、仕事関数の小さいマグネシウム(Mg)、リチウム(Li)若しくはカルシウム(Ca)を含む材料を用いる。好ましくはMgAg(MgとAgをMg:Ag=20:1で混合した材料)でなる電極を用いれば良い。他にもMgAgAl電極、LiAl電極、また、LiFAl電極が挙げられる。
陰極424はEL膜423を形成した後、大気解放しないで連続的に形成することが好ましい。陰極424とEL膜423との界面状態はEL素子の発光効率に大きく影響するからである。なお、本明細書中では、陽極(画素電極)、EL膜及び陰極で形成される発光素子をEL素子と呼ぶ。
EL膜423と陰極424とでなる積層体は、各画素で個別に形成する必要があるが、EL膜423は水分に極めて弱いため、通常のフォトリソグラフィ技術を用いることができない。また、アルカリ金属を用いて作製される陰極424は容易に酸化されてしまう。従って、メタルマスク等の物理的なマスク材を用い、真空蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法等の気相法で選択的に形成することが好ましい。なお、EL膜を選択的に形成する方法として、インクジェット法やスクリーン印刷法等を用いることも可能であるが、これらは現状では陰極の連続形成ができないので、上述の方法が好ましいと言える。
また、陰極424上に外部の水分等から保護するための保護電極を積層しても良い。保護電極としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)若しくは銀(Ag)を含む低抵抗な材料を用いることが好ましい。或いは、透明電極を用いることで、図8において矢印で示す方向に光を放射させることもできる(これを便宜上、上面放射という)。その場合、有機樹脂層間絶縁膜419に黒色の顔料を混合させると、偏光板を用いなくても非発光時に黒色の画面を形成できる。この保護電極にはEL膜の発熱を緩和する放熱効果も期待できる。また、上記EL膜423、陰極424を形成した後、大気解放しないで連続的に保護電極まで形成することも有効である。
図17のように、黒色の顔料を混合させた有機樹脂層間絶縁膜1100上に、陽極1101として透明導電膜を形成し、絶縁膜からなるバンプ1102、EL膜1103を形成する。さらに、陰極1104としてLiFAl、MgAgを10〜50nmの厚さで形成し、光透過性を持たせる。さらに配線抵抗を下げる目的で、透明導電膜1105を陰極上に形成する。これにより、図17において、矢印で示す方向に光を出射させることができる。このとき、陰極が光透過性を有するために、非発光時の表示画面のぎらつきを抑えることができる。
図8ではスイッチング用TFT454をマルチゲート構造とし、電流制御用TFT455にはゲート電極とオーバーラップするLDDを設けている。ポリシリコンを用いたTFTは、高い動作速度を示すが故にホットキャリア注入などの劣化も起こりやすい。そのため、画素内において機能に応じて構造の異なるTFT(オフ電流の十分に低いスイッチング用TFTと、ホットキャリア注入に強い電流制御用TFT)を形成することは、高い信頼性を有し、且つ、良好な画像表示が可能な(動作性能の高い)表示装置を作製する上で非常に有効である。
図9(B)は図8、図9(A)に示される画素の回路図である。ゲート配線とデータ配線の交点近傍に画素が配置され、画素にはスイッチング用TFT454、電流制御用TFT455、EL素子456が設けられている。
スイッチング用TFT454は、そのゲート電極がゲート配線410に接続されている。スイッチング用TFTのソース側はデータ配線414に接続されており、ドレイン側は電流制御用TFT455のゲート電極及びコンデンサー458の一方の電極に接続されている。コンデンサーの他方の電極は電源供給線417に接続されている。電源供給線417に電流制御用TFTのソース側が接続されており、EL素子456に電流制御用TFTのドレイン側が接続されている。
457は隣接する画素の電流制御用TFTである。電流制御用TFT457のソース側は電源供給線417に接続されている。隣接する画素で共通の電源供給線417を用いることができるため、開口率を高くすることが可能となる。
図12はこのような表示装置の外観を示す図である。画像を表示する方向はEL素子の構成によって異なるが、ここでは上方に光が放射して表示が成される。図12で示す構成は、TFTを用いて駆動回路部604、駆動回路部605及び画素部603が形成された素子基板601と封止基板602がシール材610により貼り合わされている。素子基板601の端には、入力端子608が設けられこの部分でFPC(Flexible Print Circuit)が接続される。入力端子608には外部回路から画像データ信号や各種タイミング信号及び電源を入力する端子が500μmピッチで設けられている。そして、配線609で駆動回路部と接続されている。また、必要に応じてCPU、メモリーなどを形成したICチップ607がCOG(Chip on Glass)法などにより素子基板601に実装されていても良
い。
入力端子は図11で示すように、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)とから成る配線705と陽極として形成したITO706とを積層して形成している。図11は、入力端子部におけるC−C'線に対応する断面図を示している。素子基板701と封止基板702はシール材703で貼り合わされている。駆動回路部において、EL膜707、陰極708はバンプ709上に形成されるが、陰極708を配線とコンタクトさせるため図示するようなコンタクト部720を設けている。コンタクト部720においても、バンプの側面がなだらかな曲面を有するため、陰極層の断線を防ぐことができる。
このようなEL素子を用いた表示装置において、バンプの側面がなだらかな曲面を有することで、EL膜、陰極の断線を防ぎ、表示装置の歩留まりを高めることができる。
図13は逆スタガ型のTFTを用いた表示装置の一例を示す。使用する基板501やEL素子556は実施例1と同様な構成であり、ここではその説明を省略する。
逆スタガ型のTFTは、基板501側からゲート電極508〜511、ゲート絶縁膜507、半導体膜503〜506の順に形成されている。図13において、駆動回路部550にnチャネル型TFT552とpチャネル型TFT553が形成され、画素部551にスイッチング用TFT554、電流制御用TFT555、EL素子556が形成されている。層間絶縁膜は窒化シリコン、酸化窒化シリコンなどで形成される無機絶縁膜518と、アクリルまたはポリイミドなどで形成される有機樹脂膜519とから成っている。
駆動回路部550の回路構成は、ゲート信号側駆動回路とデータ信号側駆動回路とで異なるがここでは省略する。nチャネル型TFT552及びpチャネル型TFT553には配線512、配線513が接続され、これらのTFTを用いて、シフトレジスタやラッチ回路、バッファ回路などが形成される。
画素部551では、データ配線514がスイッチング用TFT554のソース側に接続し、ドレイン側の配線515は電流制御用TFT555のゲート電極511と接続している。また、電流制御用TFT555のソース側は電源供給配線517と接続し、ドレイン側の電極516がEL素子の陽極と接続するように配線されている。
そして、これら配線を覆うようにアクリルやポリイミドなどの有機樹脂、好適には感光性の有機樹脂を用いてバンプ520、521が形成される。感光性の樹脂を露光するときの、回折を積極的に利用することでバンプは側面がなだらかな曲面形状とすることができる。EL素子556は、ITO(酸化インジウム・スズ)で形成される陽極522、有機EL材料を用いて作製されるEL膜523、MgAgやLiFなどの材料を用いて形成される陰極524とから成っている。バンプ520、521は、陽極522の端部を覆うように形成され、陰極と陽極とがショートすることを防ぐ。
陽極522を透明電極を用いて作製し、陰極524を、仕事関数の小さいマグネシウム(Mg)、リチウム(Li)若しくはカルシウム(Ca)を含む金属材料を用いて作製することで、図13において矢印で示す方向に光が放射される。光の放射方向は、陰極に光反射性を持たせるかどうかで任意に決定することができる。
その他、TFTの構造を省けば、画素部の構成、及び表示装置の構成は実施例1と同様な構成となる。ポリシリコンを用いた逆スタガ型TFTは、アモルファスシリコンTFT(通常は逆スタガ型TFTで形成される)の製造ラインを流用して作製できるという利点がある。勿論、エキシマレーザーを用いたレーザーアニール技術を使えば、300℃以下のプロセス温度でもポリシリコンTFTが作製可能である。
実施例1で示す表示装置を用いた電子装置の一例を図14を用いて説明する。図14の表示装置は、基板上に形成されたTFTによって画素920から成る画素部921、画素部の駆動に用いるデータ信号側駆動回路915、ゲート信号側駆動回路914が形成されている。データ信号側駆動回路915はデジタル駆動の例を示しているが、シフトレジスタ916、ラッチ回路917、918、バッファ回路919から成っている。また、ゲート信号側駆動回路914はシフトレジスタ、バッファ等(いずれも図示せず)を有している。
画素部921は、VGAの場合には640×480(横×縦)の画素を有し、図8または図9で説明したように、各画素にはスイッチング用TFTおよび電流制御用TFTが配置されている。EL素子の動作は、ゲート配線が選択されるとスイッチング用TFTのゲートが開き、ソース配線のデータ信号がコンデンサに蓄積され、電流制御用TFTのゲートが開く。つまり、ソース配線から入力されるデータ信号により電流制御用TFTに電流が流れEL素子が発光する。
図14で示すシステムブロック図は、PDAなどの携帯型情報端末の形態を示すものである。実施例1で示す表示装置には画素部921、ゲート信号側駆動回路914、データ信号側駆動回路915が形成されている。
この表示装置に接続する外部回路の構成は、安定化電源と高速高精度のオペアンプからなる電源回路901、USB端子などを備えた外部インターフェイスポート902、CPU903、入力手段として用いるペン入力タブレット910及び検出回路911、クロック信号発振器912、コントロール回路913などから成っている。
CPU903は映像信号処理回路904やペン入力タブレット910からの信号を入力するタブレットインターフェイス905などが内蔵されている。また、VRAM906、DRAM907、フラッシュメモリ908及びメモリーカード909が接続されている。CPU903で処理された情報は、映像信号(データ信号)として映像信号処理回路904からコントロール回路913に出力する。コントロール回路913は、映像信号とクロックを、データ信号側駆動回路915とゲート信号側駆動回路914のそれぞれのタイミング仕様に変換する機能を持っている。
具体的には、映像信号を表示装置の各画素に対応したデータに振り分ける機能と、外部から入力される水平同期信号及び垂直同期信号を、駆動回路のスタート信号及び内蔵電源回路の交流化のタイミング制御信号に変換する機能を持っている。
PDAなどの携帯型情報端末はACコンセントに接続しなくても、充電型のバッテリーを電源として屋外や電車の中などでも長時間使用できることが望まれている。また、このような電子装置は持ち運び易さを重点において、軽量化と小型化が同時に要求されている。電子装置の重量の大半を占めるバッテリーは容量を大きくすると重量増加してしまう。従って、このような電子装置の消費電力を低減するために、バックライトの点灯時間を制御したり、スタンバイモードを設定したりといった、ソフトウエア面からの対策も施す必要がある。
例えば、CPU903に対して一定時間ペン入力タブレット910からの入力信号がタブレットインターフェイス905に入らない場合、スタンバイモードとなり、図14において点線で囲んだ部分の動作を同期させて停止させる。表示装置ではEL素子の発光強度を減衰させるか、映像の表示そのものを止める。または、各画素にメモリーを備えておき、静止画像の表示モードに切り替えるなどの処置をとる。こうして、電子装置の消費電力を低減させる。
また、静止画像を表示するにはCPU903の映像信号処理回路904、VRAM906のなどの機能を停止させ、消費電力の低減を図ることができる。図14では動作をおこなう部分を点線で表示してある。また、コントーロラ913は、図12で示すように、ICチップを用い、COG法で素子基板に装着してもよいし、表示装置の内部に一体形成してもよい。
本実施例では、EL膜として一重項励起子(シングレット)により発光する有機化合物(以下、シングレット化合物という)および三重項励起子(トリプレット)により発光する有機化合物(以下、トリプレット化合物という)を併用する例について説明する。なお、シングレット化合物とは一重項励起のみを経由して発光する化合物を指し、トリプレット化合物とは三重項励起を経由して発光する化合物を指す。
トリプレット化合物としては以下の論文に記載の有機化合物が代表的な材料として挙げられる。(1)T.Tsutsui, C.Adachi, S.Saito, Photochemical Processes in Organized Molecular Systems, ed.K.Honda, (Elsevier Sci.Pub., Tokyo,1991) p.437.(2)M.A.Baldo, D.F.O'Brien, Y.You, A.Shoustikov, S.Sibley, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Nature 395 (1998) p.151.この論文には次の式で示される有機化合物が開示されている。(3)M.A.Baldo, S.Lamansky, P.E.Burrrows, M.E.Thompson, S.R.Forrest, Appl.Phys.Lett.,75 (1999) p.4.(4)T.Tsutsui, M.-J.Yang, M.Yahiro, K.Nakamura, T.Watanabe, T.tsuji, Y.Fukuda, T.Wakimoto, S.Mayaguchi, Jpn.Appl.Phys., 38 (12B) (1999) L1502.
また、上記論文に記載された発光性材料だけでなく、次の分子式で表される発光性材料(具体的には金属錯体もしくは有機化合物)を用いることが可能であると考えている。
上記分子式において、Mは周期表の8〜10族に属する元素である。Etはエチル基である。上記論文では、白金、イリジウムが用いられている。また、本発明者はニッケル、コバルトもしくはパラジウムは、白金やイリジウムに比べて安価であるため、発光装置の製造コストを低減する上で好ましいと考えている。特に、ニッケルは錯体を形成しやすいため生産性も高く好ましいと考えられる。
上記トリプレット化合物は、シングレット化合物よりも発光効率が高く、同じ発光輝度を得るにも動作電圧(EL素子を発光させるに要する電圧)を低くすることが可能である。本実施例ではこの特徴を利用する。
低分子の有機化合物を発光層として用いる場合、現状では赤色に発光する発光層の寿命が他の色に発光する発光層よりも短い。これは発光効率が他の色よりも劣るため、他の色と同じ発光輝度を得るためには動作電圧を高く設定しなければならず、その分劣化の進行も早いためである。
しかしながら、本実施例では赤色に発光する発光層として発光効率の高いトリプレット化合物を用いているため、緑色に発光する発光層や青色に発光する発光層と同じ発光輝度を得ながらも動作電圧を揃えることが可能である。従って、赤色に発光する発光層の劣化が極端に早まることはなく、色ずれ等の問題を起こさずにカラー表示を行うことが可能となる。また、動作電圧を低く抑えることができることは、トランジスタの耐圧のマージンを低く設定できる点からも好ましいことである。
なお、本実施例では、赤色に発光する発光層としてトリプレット化合物を用いた例を示しているが、さらに緑色に発光する発光層もしくは青色に発光する発光層にトリプレット化合物を用いることも可能である。
RGBカラー表示をする場合には、画素部に赤色に発光するEL素子、緑色に発光するEL素子、青色に発光するEL素子を設ける必要がある。この場合、赤色に発光するEL素子にトリプレット化合物を用い、その他はシングレット化合物を用いて形成することも可能である。
こうしてトリプレット化合物とシングレット化合物を使い分けることでそれぞれのEL素子の動作電圧をすべて同一(20V以下、好ましくは3〜20V)とすることが可能となる。従って、表示装置に必要な電源を例えば3Vもしくは5Vで統一することができるため、回路設計が容易となる利点がある。なお、本実施例の構成は、実施例1〜実施例3のいずれの構成とも組み合わせて実施することが可能である。
本発明を実施して形成された表示装置は様々な電気器具に内蔵され、画素部は映像表示部として用いられる。本発明の電子装置としては、携帯電話、PDA、電子書籍、ビデオカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置、例えばDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤー、デジタルカメラ、などが挙げられる。それら電子装置の具体例を図15、図16に示す。
図15(A)は携帯電話であり、表示用パネル9001、操作用パネル9002、接続部9003から成り、表示用パネル9001には表示装置9004、音声出力部9005、アンテナ9009などが設けられている。操作パネル9002には操作キー9006、電源スイッチ9007、音声入力部9008などが設けられている。本発明は表示装置9004に適用することができる。
図15(B)も携帯電話であり、本体または筐体9101、表示装置9102、音声出力部9103、音声入力部9104、アンテナ9105を備えている。表示装置9102はタッチ式センサーが組み込んで、画面上でボタン操作ができるようにしても良い。本発明において、プラスチック基板にTFT素子、EL素子を形成した表示装置を用いると、表示装置を完成した後に基板を湾曲させることが可能である。このような特性を生かして、人間工学に基づいて設計された3次元的な曲面を有する筐体にも違和感なく組み入れることができる。
図15(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本発明は表示装置9205に適用することができる。このような電子装置には、3インチから5インチクラスの表示装置が用いられるが、本発明の表示装置を用いることにより、携帯型情報端末の軽量化を図ることができる。
図15(D)は携帯書籍であり、本体9301、表示装置9303、記憶媒体
9304、操作スイッチ9305、アンテナ9306から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。本発明は表示装置9303に用いることができる。携帯書籍は、4インチから12インチクラスの表示装置が用いられるが、本発明の表示装置を用いることにより、携帯書籍の軽量化と薄型化を図ることができる。
図15(E)はビデオカメラであり、本体9401、表示装置9402、音声入力部9403、操作スイッチ9404、バッテリー9405などで構成されている。本発明は表示装置9402に適用することができる。
図16(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。本発明は表示装置9603に適用することができる。
図16(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本発明は表示装置9702に適用することができる。
図16(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。本発明は表示装置9802に適用することができる。
図16(D)もデジタルカメラであり、本体9901、表示装置9902、受像部9903、操作スイッチ9904、バッテリー9905などで構成される。本発明は表示装置9902に適用することができる。本発明の有機樹脂基板を用いると、表示装置を完成した後に基板を湾曲させることが可能である。このような特性を生かして、人間工学に基づいて設計された3次元的な曲面を有する筐体にも違和感なく組み入れることができる。
また、図15(A)と(B)で示す携帯電話操作において、操作キーを使用している時に輝度を上げ、操作スイッチの使用が終わったら輝度を下げることで低消費電力化することができる。また、着信した時に表示装置の輝度を上げ、通話中は輝度を下げることによっても低消費電力化することができる。また、継続的に使用している場合に、リセットしない限り時間制御で表示がオフになるような機能を持たせることで低消費電力化を図ることもできる。なお、これらはマニュアル制御であっても良い。
ここでは図示しなかったが、本発明はその他にもナビゲーションシステムをはじめ冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、固定電話機、ファクシミリなどに組み込む表示装置としても適用することも可能である。このように本発明の適用範囲はきわめて広く、さまざまな製品に適用することができる。
本発明におけるEL素子の断面を説明する断面図。
本発明におけるバンプの断面を説明する断面図。
本発明におけるバンプの断面を説明する断面図。
本発明のバンプの作製工程を説明する断面図(実施形態)。
本発明のバンプの作製工程を説明する断面図(実施形態)。
本発明のバンプの作製工程を説明する断面図(実施形態)。
本発明のバンプの作製工程を説明する断面図(実施形態)。
表示装置の駆動回路と画素部の構成を説明する断面図(実施例1)。
表示装置の画素部の構成を説明する上面図と等価回路図(実施例1)。
表示装置の入力端子部の構成を説明する図(実施例1)。
表示装置の入力端子部の構成を説明する図(実施例1)。
本発明のEL表示装置の外観を示す斜視図(実施例1)。
表示装置の駆動回路と画素部の構成を説明する断面図(実施例2)。
表示装置を内蔵する電子装置のシステムブロック図(実施例3)。
電子装置の一例を説明する図(実施例5)。
電子装置の一例を説明する図(実施例5)。
EL素子の光の放射方向を示す図(実施例1)。
従来例のバンプの形状を説明する図。
本発明のバンプの作製工程を説明する断面図(実施形態)。
本発明のバンプの形状を説明する図。