JP5041568B2

JP5041568B2 - 燃料バンドルのアンカー組立体及び原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善する方法

Info

Publication number: JP5041568B2
Application number: JP2002503878A
Authority: JP
Inventors: アレン，ブルース，エフ; ラモレックス，エドワード，エフ; リング，ブライアン，ダブリュー
Original assignee: Westinghouse Electric Co LLC
Current assignee: Westinghouse Electric Co LLC
Priority date: 2000-06-19
Filing date: 2001-04-25
Publication date: 2012-10-03
Anticipated expiration: 2021-04-25
Also published as: WO2001099118A2; US6356614B1; AU6655801A; EP1292953A2; JP2004507715A; KR100794875B1; WO2001099118A3; SI1292953T1; EP1292953B1; KR20030011905A

Description

【０００１】
【背景】
商用軽水炉のようなある特定の原子炉に用いる原子炉燃料バンドルまたは集合体の重量は、主として、上端部取付け部品、燃料棒、下端部取付け部品及び中間格子ケージより成る。
【０００２】
燃料バンドルを取扱う際、燃料交換用マストまたはグラップルのような工具を上端部取付け部品に連結する。燃料バンドルを吊上げると、燃料バンドルの重量の大部分が、上端部取付け部品に接続されて中間格子ケージを下方に貫通する燃料棒案内管により支持される。このため、燃料バンドルを安全に移動させる上で案内管の構造的健全性を保持することが肝要である。
【０００３】
しかしながら、案内管の構造的健全性が損なわれるか、または少なくとも健全性に問題がある場合がある。案内管は、原子炉または使用済み燃料プール内の利用環境による、例えば応力腐食割れのような欠陥が形成されるという問題と抱えている。案内管にこのような割れや他の傷が存在するか、存在する疑いがある場合、案内管の構造的健全性を改善して燃料バンドルの取扱い安全性を確保する必要がある。
【０００４】
図１は、案内管（２）の構造的健全性を修復するために使用される組立体を燃料バンドル（３）の一部と固着関係で示す。この組立体は、スリーブ（４）と螺設棒（６）とを有する。スリーブは、クランプ部分（８）、螺設部分（１０）及び末広がり表面（１２）を有する。螺設棒は、末広がり表面（１４）と、スリーブの螺設部分（１０）内に螺着される螺着部分（１６）とを有する。
【０００５】
ボルトのヘッド（１８）を適当な方向に回転させると、螺設棒がスリーブに関して軸方向に移動して螺設棒の末広がり表面（１４）をスリーブ上の末広がり表面（１２）に接触させ、引き込む。ボルトヘッドをさらに回転させると、クランプ部分（８）が弛緩位置から膨張して案内管の内側表面と荷重支持接触する位置へ来る。スリーブは、膨張を容易にするため長手方向に延びる１つまたはそれ以上の応力解放スロット（図示せず）を備えることがある。別個の圧締手段（図示せず）によりピンの回転を阻止して、ピンをスリーブ内に維持する。
【０００６】
原子炉の燃料バンドルを移動させる際には安全性とスピードの両方が求められるため、案内管の構造的健全性を確保する改良型手段を具備することが望ましい。
【０００７】
本発明によると、原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善するアンカー組立体であって、案内管は内側表面及び原子燃料バンドルの上端部取付け部品に接続された受容端部を有し、アンカー組立体は、近接端部、遠隔端部、内側表面及び圧締表面を有し、遠隔端部が案内管の受容端部に挿入されるスリーブと、近接端部、遠隔端部及び外側表面を有し、遠隔端部がスリーブの近接端部に挿入されるピンとより成り、ピンの外側表面は、ピンがスリーブに挿入されると、スリーブの圧締表面を半径方向外方に膨張させるに十分な大きさの半径方向の力をスリーブの内側表面に印加し、スリーブが案内管に装填され、ピンがスリーブ内に挿入されると、スリーブの内側表面に印加される前記力によりスリーブの圧締表面が案内管の内側表面を押圧してスリーブを案内管内に保持し、スリーブは、案内管に装填されると、上端部取付け部品上に載る荷重支持表面を近接端部に有し、スリーブが案内管内に保持されると、荷重支持表面が原子燃料バンドルの荷重を支持することを特徴とするアンカー組立体が提供される。
【００１８】
本発明によると、原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善する方法であって、案内管は内側表面及び原子燃料バンドルの上端部取付け部品に接続された受容端部を有し、前記方法は、荷重支持表面が形成された近接端部、遠隔端部、内側表面及び圧締表面を有するスリーブを遠隔端部から案内管の受容端部に通して案内管に挿入して、荷重支持表面が上端部取付け部品に載るようにし、近接端部、遠隔端部及び外側表面を有するピンを遠隔端部からスリーブの近接端部に通してスリーブに挿入し、ピンの外側表面により、スリーブの圧締表面を半径方向外方に膨張させるに十分な大きさの半径方向の力をスリーブの内側表面に印加し、スリーブの圧締表面が案内管の内側表面を押圧するようにしてスリーブを案内管内に保持するステップより成り、スリーブが案内管内に保持されると、スリーブの近接端部の荷重支持表面が原子燃料バンドルの荷重を支持することを特徴とする原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善する方法が提供される。
【００２５】
【好ましい実施例の詳細な説明】
図２は、本発明の特徴部分を備えた組立体を使用する燃料バンドル（２０）の部分図である。燃料バンドルの構成（例えば、幾何学的形状、重量、材質、傷の場所）は実施例により異なる。従って、当業者は、本願明細書に記載された組立体の構造を燃料バンドルの種々の構成に適応するように変更できることがわかるであろう。
【００２６】
燃料バンドルは、上端部取付け部品（２２）、中間格子ケージ（２４）及び下端部取付け部品（２５）を有する。複数の燃料棒案内管（２６）、（２８）、（３０）、（３２）、（３４）、（３６）は、上端部取付け部品（２２）から中間格子ケージ（２４）を貫通する。
【００２７】
それ以外の案内管を代表する案内管（２６）は、上端部取付け部品（２２）に接続された受容端部（３８）を有する。案内管は、例えばステンレス鋼から製造可能な外側部分（４０）と、例えばジルコニウム合金から製造可能なシンブル管または内側部分（４２）とを有する。案内管の内側表面（４４）は、内径（Ｄ２）を有する。
【００２８】
吊上げ用工具（５０）の一部を、上端部取付け部品（２２）との係合関係で示す。この工具は、上端部取付け部品内に延びる複数の吊上げアーム（５２）、（５４）及び（５６）より成る。図示の吊上げアーム（５２）から分かるように、これらのアームは、外方に延びて上端部取付け部品の出張り（６０）と係合するタブ（５８）を有する。工具をこのように装着すると、燃料バンドルを持上げて操作することが可能になる。燃料バンドルを持ち上げると、上端部取付け部品（２２）の重量が工具（５０）により支持されるが、燃料棒（図示せず）、中間格子ケージ（２４）及び下端部取付け部品（２５）より成る燃料バンドルの重量の大部分は案内管が支持しなければならない。
【００２９】
図３は、本発明の特徴部分を備えた細長いスリーブ（１００）を示す。このスリーブは中心線（ＣＬｓ）に関して円筒形であり、好ましくは、Ｒcが約２０のステンレス鋼、ＡＳＭＥＳＡ−４７９、Ｔｙｐｅ４１０、Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎ１、のような材料で形成される。この製造技術は当業者にとって公知である。スリーブ（１００）は近接端部（１０２）及び遠隔端部（１０４）を有し、遠隔端部は案内管の受容端部（３８）に挿入される。
【００３０】
スリーブの工具固着部（１０５）はフランジ（１０６）を有し、その荷重支持表面（１０７）は、スリーブ（１００）が案内管に装填されると荷重を支持する関係で上端部（３８）に隣接する上端部取付け部品（２２）上に載るようになっている。スリーブのこの工具固着部はまた、カラー部材（１０８）とスロット（１０９）とを有する。長さ（Ｌ２）のスリーブは、荷重支持表面（１０７）から遠隔表面（１０４）ヘ延びる。
【００３１】
内側通路（１１０）は、近接端部（１０２）から遠隔端部（１０４）へ延びる。この内側通路は、第１の部分（１１２）と第２の部分（１１４）とを有する。第１の部分は、近接端部（１０２）から第２の部分（１１４）の太い端部（１１６）までの到達長さ（Ｌ４）について実質的に均等な内径（Ｄ４）を有する。到達長さ（Ｌ４）は、案内管に見付かる傷よりも上端部取付け部品２２からさらに離れた所に第２の部分（１１４）を位置決めするに十分な長さである。
【００３２】
第２の部分のつかみ長さは（Ｌ６）であり、遠隔端部の内径は（Ｄ６）、太い端部の内径は（Ｄ８）である。この内径（Ｄ８）は内径（Ｄ４）と同じでよく、直径Ｄ６よりも大きい。従って、第２の部分１１４はテーパーした内側表面１１８を有する。内径（Ｄ６）及び（Ｄ８）は、ピンとスリーブが案内管内で完全装填状態に置かれた時自己圧締能力を有するように選択される。本明細書で用いる用語「圧締」は、ピンとスリーブとの間に生じる力がピンをスリーブ内に保持するに十分な大きさであり、さらに別に圧締手段を必要としない状態のことをいう。圧締状態は種々のテーパー比率で得られるが、このテーパー比は、好ましくは、２５．４乃至２８．０ｃｍ（１０乃至１１インチ）につき約２．５４乃至３．８１ｍｍ（０．１０乃至０．１５インチ）、最も好ましくは３０．５ｃｍ（１２インチ）につき約３．１７５ｍｍ（０．１２５インチ）である。従って、最も好ましいケースでは、第２の部分（１１４）の半径は、太い端部（１１６）から近接端部（１０４）へ向けて移動すると、３０．５ｃｍ（１２インチ）毎に約３．０４８ｍｍ（０．１２インチ）減少する。
【００３３】
外側のつかみ表面または圧締表面（１２０）は、遠隔端部（１０４）から太い端部（１１６）へ延びて、その直径は（Ｄ１０）である。この直径は、スリーブを受容端部（３８）で案内管内に装填できるように案内管の内径（Ｄ２）より僅かに小さい値に選択される。
【００３４】
圧締表面（１２０）は、３つの太径部（１２４）、（１２６）、（１２８）を有する。各太径部の長さは（Ｌ８）であり、それらは長さ（Ｌ１０）の解放部分（１２２）、（１２３）により互いに分離されている。図示の実施例において、（Ｌ８）は約１．１２ｃｍ（０．４４インチ）、（Ｌ１０）は約６．３５ｍｍ（０．２５インチ）である。各太径部は、案内管の内側表面（４４）をつかむ表面を形成するために当業者に知られた方法により研削または他の方法で調製することができる。例えば、図４に示す太径部（１２８）から分かるように、これらの太径部は、一連のリング（１２９ａ）、（１２９ｂ）、（１２９ｃ）、（１２９ｄ）、（１２９ｅ）、（１２９ｆ）、（１２９ｇ）、（１２９ｈ）及び（１２９ｉ）を有する。リングの横断面は、高さが（ｈ１）の背面（１３０）と、スリーブの円筒状外側表面（１３５）に対する角度がΦ１の前方傾斜表面（１３４）と、長さが（ｔ１）の頂面（１３６）とを有する。図示の実施例において、（ｈ１）は約０．７８７ｍｍ（０．０３１インチ）、Φ１は約４５°、（ｔ１）は約０．１２７ｍｍ（０．００５インチ）でよい。太径部（１２４）、（１２６）、（１２８）だけでなく、圧締表面（１２０）はさらに別のリング（１３７）を備えることができる。このリング（１３７）はリング（１２９ａ）から距離（Ｌ１１）だけ離れた所にあり、（Ｌ１１）は約２．２８６ｍｍ（０．０９インチ）である。圧締表面（１２０）の半径方向の膨張を容易にするために、応力解放スロット（１３２）は、細長いスリーブ（１００）の遠隔端部（１０４）からスリーブの近接端部（１０２）の方へ長さ（Ｌ１２）だけ延びる。細長いスリーブ（１００）の周面に、かかるスロットを４個、等間隔で設けるのが好ましい。
【００３５】
図５は、近接端部（１４２）と遠隔端部（１４４）とを有する細長いピン（１４０）を示し、この遠隔端部がスリーブの近接端部に挿入される。このピンは、Ｒcが約２０のステンレス鋼、ＡＳＭＥＳＡ−４７９、Ｔｙｐｅ４１０、Ｃｏｎｄｉｔｉｏｎ１、のような材料を研削して製造するのが好ましい。製造技術は当業者に知られたものである。ピンの全長（Ｌ１３）は、少なくともスリーブ（Ｌ２）と同じ長さに選択することができる。ピンは、長さ（Ｌ１４）の均一な部分（１４６）と、長さ（Ｌ１６）のテーパー部分（１４８）とを有する。長さ（Ｌ１６）は、細長いスリーブ（１００）上の長さ（Ｌ６）と同じ長さに選択することができる。
【００３６】
均一な部分の直径（Ｄ１２）は一定であるが、この直径は、ピンを細長いスリーブ（１００）内の完全装填位置へ移動できるようにスリーブの内部通路（１１０）の第１の部分（１１２）の内径（Ｄ４）よりもわずかに小さい値に選択される。テーパー部分の直径（Ｄ１４）は均一な部分（１４６）から遠隔端部（１４４）の方向へ減少するため、テーパー付き外側表面（１４８）が提供される。テーパー比率は、細長いスリーブ（１００）のテーパー付き内側表面（１１８）の比率と相補的になるように、またはマッチするように選択される。ピンの近接端部（１４２）は、ヘッド（１５１）、スロット（１５２）、ノブ（１５４）を有する工具固着部（１５０）を有する。
【００３７】
本発明の特徴部分を備えた装置の構成を説明したので、かかる装置の使用方法を後述する。
【００３８】
燃料バンドルの構成は、技術図面及び仕様書、また必要であれば直接測定を照会することにより決定することができる。案内管の傷は、視認検査により、また当業者によく知られた非破壊検査方法により、その性質と場所を特定すればよい。
【００３９】
図６に示す燃料バンドル（２０）において、案内管の内径（Ｄ２）は１．２９ｃｍ（０．５０５インチ）であり、燃料バンドルの重量は約５９０２ｋｇ（１３００ポンド）であると予想できる。割れまたは他の傷（図示せず）は、燃料管（２６）、（３０）において、上端部取付け部品（２２）から約５．１ｃｍ（２インチ）の傷長さ（ＦＬ）の所にあると認識できる。
【００４０】
細長いスリーブ（１００）は約１４ｃｍ（５．５インチ）の到達長さ（Ｌ４）を有するように製造されているため、案内管内に装填すると圧締表面（１２０）が欠陥の下方に位置して、欠陥が圧締表面と上端部取付け部品との間に来るようになる。圧締表面の直径（Ｄ１０）は、スリーブを僅少間隙で案内管に挿入できるようにするため、１．３ｃｍ（０．５００インチ）に選択される。つかみ長さは約５．７２ｃｍ（２．２５インチ）に、また内径（Ｄ６）は５．４３６ｍｍ（０．２１４インチ）となるように選択される。スリーブには４つの応力解放スロット（１３２）が鋸により形成されているが、それらの長さ（Ｌ１２）は約１１．４ｃｍ（４．５インチ）で、スリーブの円周方向に互いに９０°の等角度で離隔している。
【００４１】
細長いピン（１４０）は、全長（Ｌ１３）が約２２．６ｃｍ（８．９インチ）、テーパー部分の長さ（Ｌ１６）が約１０．４６ｃｍ（４．１２インチ）、均一な部分の長さ（Ｌ１４）が約１９．１ｃｍ（７．５インチ）となるように製造されている。均一な部分の直径（Ｄ１２）は、僅少間隙でスリーブの第１の部分（１１２）内に嵌合するように約７．６２ｍｍ（０．３００インチ）である。テーパー部分（１４８）の直径（Ｄ１４）は、遠隔端部（１４４）で約５．４３６ｍｍ（０．２１４インチ）である。
【００４２】
ピンは、スリーブの近接端部を介してスリーブ内に装填される。ピンの装填に工具（１５６）を用いることができる。工具には、油圧式ラム（１６０）と、ピン固着部（１５０）及びスリーブ固着部（１０５）に固着されるグラップル工具（１６２）、（１６４）とが含まれる。
【００４３】
工具を用いてピンをスリーブ内に予め装填した状態にすると、ユニットとして輸送可能なアンカー組立体が得られる。工具により、アンカー組立体を燃料バンドル（２０）内の完全取付け位置に置くこともできる。予備装填時、グラップル工具（１６４）は、タブ（１６６）、（１６８）がスロット（１５２）に挿入された状態でスリーブ（１００）を静止状態に保持する一方、ラム（１６０）がピン（１４０）に力を加える。油圧式ラムは、ピンの外側表面（１４８）がスリーブの内側表面（１１１）に押圧されて、圧締表面（１２０）を半径方向にわずかに膨張させるように、ピンをスリーブ内に圧入する。膨張の大きさは、これら２つの表面間に可撓性圧締力が発生して、ピンが予想される取扱い・輸送条件下でスリーブ内にロックされるに十分なものであるが、スリーブを案内管に挿入できなくする程大きなものではない。
【００４４】
予備装填後、スリーブ及びピンより成るアンカー組立体を構造を改善する必要がある案内管に挿入する。図示の案内管（３０）から分かるように、荷重支持表面（１０７）が上端部取付け部品（２２）と接触するまでスリーブを案内管の受容端部（３８）から挿入する。この部分装填位置では、ピンのヘッド（１５１）は上端部取付け部品から部分装填距離（Ｌ１８）だけ離れている。
【００４５】
図示の案内管（２６）から分かるように、油圧式ラム（１６０）及びグラップル工具（１６２）、（１６４）は、ヘッド（１５１）が上端部取付け部品から完全装填距離（Ｌ２０）だけ離れた完全装填状態位置にこれらの部品が移動するまで、ピンをスリーブ内にさらに移動させるためのものである。ラムがピンに力を加えるにつれて、ピンのテーパー付き外側表面（１４８）はスリーブのテーパー付き内側表面（１１８）に関して移動する。この相対的な移動により、ピンのテーパー付き表面がスリーブのテーパー付き表面に力を加える。この力の一部は半径方向に向いているため、スリーブの圧締表面（１２０）が案内管の方へ半径方向に膨張する。膨張するにつれて、スリーブの応力は応力解放スロットにより減少する。装填のこの部分において、ピンの移動距離とピンに加わる力とを、当業者に知られた手段を用いてモニターすると、それらを所定の受入れ可能な力の範囲及び所定の受入れ可能な長さの限界内に収めることができる。これらの所定の限界は、燃料バンドルの所与の構成に適用可能な計算及び／またはテストから得ることができる。これら所定の限界は、案内管をつかんでその荷重を支持するように係合するに十分に圧締表面を外方に膨張させる大きさであり、受入れ可能限界を示す永続的な記録として記憶または記録することができる。荷重及び変位量はそれぞれ、約９７．６乃至１０６．７ｋｇ（２１５乃至２３５ポンド）及び約５．０８乃至６．３５ｍｍ（０．２０乃至０．２５インチ）である。これらの荷重及び変位量で、アンカー組立体及び案内管は最大約４５４ｋｇ（１０００ポンド）の重量を支持することができる。
【００４６】
ピンがスリーブ内に完全に装填された状態で、ピンとスリーブとの間の力は、ピンの外側表面（１５８）とスリーブの内側表面（１４８）との間に生じる。ピンの近接端部は実質的な荷重を支持しない。ピンとスリーブとの間に発生する摩擦力は、これらの部品を定位置でロックするため、別の圧締手段が不要になる程十分な大きさである。さらに、圧締表面（１２０）と内側表面（４８）との間に発生する力は、所定の荷重下で中心線（ＣＬｓ）の方向に移動しないようにスリーブを案内管内の定位置でロックするつかみ荷重支持関係を提供するに十分な大きさである。燃料バンドルを吊上げる時、通常は案内管により支持される燃料バンドルの重量がスリーブにより支持される。支持重量は、案内管の内側表面（４４）とスリーブの圧締表面（１２０）との間に生じるつかみ荷重支持関係によりスリーブの圧締表面（１２０）へ転送される。スリーブに転送される重量は、燃料バンドルに載る荷重支持表面（１０７）により支持される。傷はこれら２つの荷重点の間にあるため、案内管の脆弱部分が通常の荷重支持機能から解放され、この機能がスリーブにより実行される。
【００４７】
ピン及びスリーブを案内管から取外すには、フィンガー（１７０）、（１７２）をスロット（１５２）に挿入し、タブ（１６６）、（１６８）をスロット（１０９）に挿入する。タブ（１６６）、（１６８）によりスリーブを定位置に保持しながら、工具によりフィンガー（１７０）及び（１７２）を介してフィンガーのヘッド（１５１）に引抜き力を加える。このようにすると、スリーブを定位置に保持したままでピンを引抜くことができ、ピンを引抜くと、圧締表面（１２０）は、案内管の内側表面（４８）をつかまない無応力状態に復帰する。その後、スリーブを案内管から取外す。
【００４８】
本発明をその特徴を備えた装置及び方法に関連して説明したが、この説明は例示的なものであって限定的なものでないことを理解されたい。従って、本発明の精神及び範囲は頭書の特許請求の範囲の文言によってのみ限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、従来技術の装置を案内管に取付けた状態で示す部分断面前立面図である。
【図２】図２は、吊上げ用工具及び燃料バンドルの部分断面前立面図である。
【図３】図３は、細長いスリーブの断面前立面図である。
【図４】図４は、圧締表面の一部を断面を示す前立面図である。
【図５】図５は、細長いピンの前立面図である。
【図６】図６は、燃料バンドルの部分断面前立面図であり、細長いスリーブ及びピンの装填手順を示す。

Claims

原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善するアンカー組立体であって、
案内管は内側表面及び原子燃料バンドルの上端部取付け部品に接続された受容端部を有し、
アンカー組立体は、
近接端部、遠隔端部、内側表面及び圧締表面を有し、遠隔端部が案内管の受容端部に挿入されるスリーブと、
近接端部、遠隔端部及び外側表面を有し、遠隔端部がスリーブの近接端部に挿入されるピンとより成り、
ピンの外側表面は、ピンがスリーブに挿入されると、スリーブの圧締表面を半径方向外方に膨張させるに十分な大きさの半径方向の力をスリーブの内側表面に印加し、
スリーブが案内管に装填され、ピンがスリーブ内に挿入されると、スリーブの内側表面に印加される前記力によりスリーブの圧締表面が案内管の内側表面を押圧してスリーブを案内管内に保持し、
スリーブは、案内管に装填されると、上端部取付け部品上に載る荷重支持表面を近接端部に有し、スリーブが案内管内に保持されると、荷重支持表面が原子燃料バンドルの荷重を支持することを特徴とするアンカー組立体。
スリーブの内側表面の少なくとも一部がテーパーしており、ピンの外側表面の少なくとも一部がスリーブのテーパーした内側表面と相補的にテーパーしている請求項１のアンカー組立体。
スリーブの内側表面は、３０．５cm（１２インチ）につき３．１７５mm（０．１２５インチ）の割合でテーパーしている請求項２のアンカー組立体。
スリーブのテーパーした内側表面は、遠隔端部近くから近接端部の方へ延びる請求項２のアンカー組立体。
スリーブは、遠隔端部近くから近接端部の方へ延びる少なくとも１つの応力解放スロットを有する請求項１のアンカー組立体。
スリーブの圧締表面は少なくとも１つのリングを有する請求項１のアンカー組立体。
原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善する方法であって、
案内管は内側表面及び原子燃料バンドルの上端部取付け部品に接続された受容端部を有し、
前記方法は、
荷重支持表面が形成された近接端部、遠隔端部、内側表面及び圧締表面を有するスリーブを遠隔端部から案内管の受容端部に通して案内管に挿入して、荷重支持表面が上端部取付け部品に載るようにし、
近接端部、遠隔端部及び外側表面を有するピンを遠隔端部からスリーブの近接端部に通してスリーブに挿入し、
ピンの外側表面により、スリーブの圧締表面を半径方向外方に膨張させるに十分な大きさの半径方向の力をスリーブの内側表面に印加し、スリーブの圧締表面が案内管の内側表面を押圧するようにしてスリーブを案内管内に保持するステップより成り、
スリーブが案内管内に保持されると、スリーブの近接端部の荷重支持表面が原子燃料バンドルの荷重を支持することを特徴とする原子燃料バンドルの案内管の構造的健全性を改善する方法。
案内管の傷の位置を突き止め、
案内管に挿入すると傷が荷重支持表面と圧締表面との間に来るようなスリーブを用意するステップを含む請求項７の方法。
ピンをスリーブに挿入する前記ステップはピンに印加する力を測定するステップを含む請求項７の方法。
ピンに印加する力を測定する前記ステップはピンに印加する力を所定の受入れ可能な力の範囲と比較するステップを含む請求項９の方法。
ピンをスリーブに挿入する前記ステップはピンの移動距離を測定するステップを含む請求項７の方法。
ピンの移動距離を測定する前記ステップはピンの移動距離を所定の受入れ可能な長さと比較するステップを含む請求項１１の方法。