以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各手段は、「例えばパチンコやスロットマシン等の遊技機においては、表示画面に複数の図柄を変動表示する図柄表示装置を備えるものがあり、遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム状態)の発生時には、表示画面に予め設定されている有効ライン上で確定表示された図柄か特定の図柄の組合せが表示される。そして、特別遊技状態の発生に伴い大入賞口が開放したり、ビッグボーナスゲームに突入したりするようになっている。ここで、上記特別遊技状態は、例えばスロットマシンにおいて、内部抽選によりその状態を発生させる旨の当選結果が得られた上で、777といった第1特定図柄の組合せが有効ライン上に停止することを条件として発生する。特別遊技状態は、例えばメダルの総払出枚数が348枚になる等、予め定められた終了条件を満たすまで継続される。このような特別遊技状態の進行によって、遊技者は多くのメダルを獲得することができる。遊技者は特別遊技状態が発生することを期待して遊技を行っており、可能な限り遊技を続けようとすることがある。遊技機は電源を入れられることによって遊技可能な状態になるため、遊技店の営業時間が終了しても遊技機に電源が入っている限り遊技を行うことができる。遊技店の営業時間が終了した後の特別遊技状態は、遊技店によって遊技を中止させられる場合があり、遊技者と遊技店とにおいてトラブルが発生する可能性がある。営業時間を厳守したい遊技店は、営業時間が終了することを営業時間が終了する前からアナウンス等によって遊技者に知らせることや、ポスター等に営業時間を記載し、遊技店に掲示することによって営業時間を告知する等の工夫を図っている。しかしながら、遊技店内は雑音がある場合が多いため、アナウンス等が遊技者には聞き取れないことが考えられ、掲示してある営業時間には遊技者が気付かないことも考えられる。アナウンス等を聞き取れなかった遊技者や、掲示してある営業時間に気付かなかった遊技者は遊技店の営業時間が終了することを理解することができず、営業時間が終了しても遊技を続けてしまう問題が発生することが想定される。なお、以上の問題はスロットマシンに限らず、複数の絵柄表示領域を変動表示させ、上記の如き特別遊技状態を発生させるよう構成された他の遊技機にも該当する問題であり、遊技媒体として例えば、メダルに限らず球等を使用したものや、パチンコ機等であっても同様の問題がある。」という技術背景及び課題等を解決するためになされたものである。
手段1.予め定めた第一期間が経過したか否かを判断する期間判断手段(遊技不能判定処理のステップS1504)と、
前記第一期間の経過が前記期間判断手段によって判断された場合、遊技不能な状態に制御する遊技不能制御手段(主制御装置131における遊技不能処理)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、予め定めた第一期間が経過したことが期間判断手段によって判断された場合に、遊技不能制御手段によって遊技機が遊技不能な状態に制御される。すなわち、第一期間が経過した場合、遊技者は遊技を行うことができなくなる。したがって、第一期間が経過する期間を遊技店の営業時間が終了する時間に合わせることにより、遊技店の営業時間が終了しているにもかかわらず、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。
なお、「期間が経過した」とは、具体的に予め定められた期間が経過した場合だけではなく、定期的にカウントアップ又はカウントダウンを行うことによって間接的に時間を計測し、予め定めた時間が経過した場合に予め定めた期間が経過したとする構成も含まれる。
手段2.手段1において、期間の経過を計測する期間計測手段(第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158)を備え、
前記期間計測手段によって計測された期間に基づいて、前記第一期間の経過が前記期間判断手段によって判断されることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、期間の経過を計測する期間計測手段を備えており、期間計測手段によって計測された期間に基づいて、第一期間の経過が期間判断手段によって判断された場合に、遊技不能制御手段によって遊技不能な状態に制御される。したがって、外部から遊技機に期間に関する情報を送信する必要がない。
手段3.手段1又は手段2において、各種情報を報知する報知手段(補助表示部15)と、
前記報知手段を報知制御する報知制御手段(表示制御装置111)と
を備え、
前記報知制御手段は、前記遊技不能制御手段によって遊技不能な状態に制御される前に、遊技不能な状態になることを報知するよう前記報知手段を報知制御することを特徴とする遊技機。
手段3よれば、第一期間が経過している場合、遊技機が遊技不能な状態に制御される前に、報知制御手段は、遊技不能になることを報知するよう報知手段を報知制御する。したがって、第一期間が経過した場合に、遊技不能な状態になることが報知されるため、遊技機が遊技不能な状態になることを遊技者は容易に理解することができる。
なお、「報知手段」とは、当該報知手段にて報知される各種情報が遊技者に認識可能であればよく、例えば液晶表示装置などといった表示部が考えられ、それ以外にもランプ部やスピーカ部が考えられる。
手段4.手段3において、遊技を統括管理する主制御手段(主制御装置131)と、この主制御手段の補助的な役割を果たす副制御手段(表示制御装置111)とを備え、前記副制御手段が前記報知制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、副制御手段が報知制御手段を備えている。これにより、遊技を統括管理する主制御手段の負荷を軽減することができる。
手段5.手段3又は手段4において、前記期間判断手段は、前記第一期間より短い第二期間が経過したか否かを判断する第二期間判断手段(主制御装置131における遊技不能判定処理のステップS1502)を備え、
前記報知制御手段は、前記第二期間の経過が前記第二期間判断手段によって判断された場合に、遊技不能な状態になることを報知するよう前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、第一期間よりも短く設定された第二期間の経過が第二時間判断手段によって判断されると、報知制御手段による制御のもと、遊技不能な状態になることが報知手段によって報知される。したがって、遊技不能となるタイミングと、報知手段によるその報知のタイミングとの整合を、それぞれの期間設定という容易な構成によって図ることができる。
手段6.手段5において、前記第一期間が経過するまでの残った期間を算出する期間算出手段(表示制御装置111の遊技不能教示図柄設定処理における残時間教示図柄表示処理送信処理)を備え、
前記報知制御手段は、前記第二期間の経過が前記第二期間判断手段によって判断された場合に、前記期間算出手段によって算出された前記第一期間が経過するまでの残った期間を報知するよう前記報知手段を報知制御することを特徴とする遊技機。
手段6によれば、第一期間が経過するまでの残った期間を算出する期間算出手段を備え、報知制御手段は、第二期間の経過が第二期間判断手段によって判断された場合に、期間算出手段によって算出された第一期間が経過するまでの残りの期間を報知するよう報知手段を報知制御する。すなわち、第二期間が経過した場合、遊技可能な残りの期間が報知される。したがって、残りどの程度の期間において遊技が可能なのかを遊技者は容易に理解することができる。
手段7.手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記第一期間の変更を行う変更手段(RAM153のカウンタデータ入力装置160a)を備えたことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、第一期間の変更を行う変更手段を備え、変更手段によって第一期間を任意の期間に変更することができる。したがって、第一期間の変更を行い、遊技店の営業時間に第一期間を合わせることにより、遊技店毎における営業時間が異なっても営業時間が経過する時間に合わせて遊技機を遊技不能な状態にすることができる。
手段8.手段1乃至手段7のいずれかにおいて、遊技状態として遊技者に有利な特別遊技状態が構成され、
前記第一期間の経過が前記期間判断手段によって判断された場合に、遊技状態が前記特別遊技状態の場合は、前記遊技不能制御手段によって遊技不能に制御される時期を延長することを特徴とする遊技機。
手段8によれば、遊技状態として遊技者に有利な特別遊技状態が構成され、第一期間の経過が期間判断手段によって判断された場合に、遊技状態が特別遊技状態の場合は、遊技機が遊技不能制御手段によって遊技不能に制御される時期は延長される。すなわち、第一期間が経過している場合において、遊技者は特別遊技状態の遊技を行うことができる。
特別遊技状態は遊技者に有利な遊技状態であり、遊技者は、特別遊技状態の遊技を可能な限り続けたいと考えることがある。したがって、第一期間経過前に発生した特別遊技状態が中途で終了してしまうことによる遊技者の不利益をなくすことができる。
手段9.手段8において、前記第一期間経過時に行われていた前記特別遊技状態が終了した場合、前記遊技不能制御手段によって遊技不能な状態に制御されることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、第一期間経過時に行われていた特別遊技状態が終了した場合に、遊技機が遊技不能制御手段によって遊技不能な状態に制御される。したがって、特別遊技状態が終了した場合に、遊技機が遊技不能な状態に制御されることにより、特別遊技状態が終了したにも関わらず、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。
手段10.手段9において、前記第一期間経過時に遊技状態が前記特別遊技状態の場合は、前記特別遊技状態が終了した場合に遊技不能になることを報知するよう前記報知制御手段が報知手段を報知制御することを特徴とする遊技機。
手段10によれば、第一期間経過時に遊技状態が特別遊技状態の場合は、特別遊技状態が終了した場合に遊技不能になることが報知される。したがって、特別遊技状態が終了した場合に遊技機が遊技不能な状態に制御されることを、遊技者は容易に理解できる。
手段11.手段8乃至手段10のいずれかにおいて、前記期間判断手段は、少なくとも一度の前記特別遊技状態が開始してから終了するまで遊技を行うことができる期間を有した第三期間が経過したか否かを判断する第三期間判断手段(主制御装置131の遊技不能判定処理におけるステップS1508)を備え、
前記第一期間経過時に遊技状態が特別遊技状態の場合、前記第一期間が経過してから前記第三期間が経過したことが前記第三期間判断手段によって判断された場合に、前記遊技不能制御手段によって遊技不能な状態に制御されることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、第一期間経過時に遊技状態が特別遊技状態の場合、第一期間が経過してから第三期間が経過したことが第三期間判断手段によって判断された場合に、遊技機が遊技不能な状態に遊技不能制御手段によって制御される。すなわち、第一期間経過時に、遊技状態が特別遊技状態の場合は、第一期間が経過してから第三期間が経過した場合に遊技不能な状態に制御される。
したがって、第三期間経過により、仮に特別遊技状態が終了していなくても遊技機が遊技不能な状態になるため、第一期間が経過してから第三期間が経過した場合、遊技機が遊技不能な状態に制御される。第一期間と第三期間との合計期間が遊技機の遊技可能な最大期間ということもでき、当該合計期間が経過している場合に、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。また、合計期間に遊技店の営業時間を合わせることにより、遊技店の営業時間が経過しているにもかかわらず、遊技者が遊技を続けることをより抑制することができる。
また、第三期間は特別遊技状態が開始してから終了するまで遊技を行うことができるだけの期間を有しているため、第三期間が経過するまでに、遊技者が特別遊技状態を終了させることができないことを抑制できる。
手段12.手段11において、前記期間算出手段は、前記第一期間が経過してから前記第三期間が経過するまでの残りの期間を算出する第三期間算出手段(表示制御装置111の遊技不能教示図柄設定処理における最終BBゲーム教示図柄表示処理)を備え、
前記第一期間経過時に遊技状態が前記特別遊技状態の場合、前記報知制御手段は、前記第三期間算出手段によって算出された前記第三期間が経過するまでの残りの期間を報知するよう前記報知手段を報知制御することを特徴とする遊技機。
手段12によれば、期間算出手段は、第一期間が経過してから第三期間が経過するまでの残りの期間を算出する第三期間算出手段を備え、第一期間経過時に遊技状態が特別遊技状態の場合、報知制御手段は、第三期間算出手段によって算出された第三期間が経過するまでの残りの期間を報知するよう報知手段を報知制御する。したがって、第一期間経過時に遊技状態が特別遊技状態である場合に、遊技者は遊技可能な残りの期間を容易に把握することができる。
手段13.手段11又は手段12において、前記報知制御手段は、前記第三期間の経過が前記第三期間判断手段によって判断される前に、遊技不能な状態になることを報知するよう前記報知手段を報知制御することを特徴とする遊技機。
手段13によれば、報知制御手段は、第三期間が経過する前に、遊技不能な状態になることを報知するよう報知手段を報知制御する。したがって、遊技者は遊技機が遊技不能な状態になることを容易に把握することができる。
手段14.手段1乃至手段13のいずれかにおいて、遊技不能な状態から遊技可能な状態に切り換える切換手段(主制御装置131)と、
前記切換手段によって遊技可能に切り換えるべく操作される遊技可能操作手段(リセットスイッチ123)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、遊技機が遊技不能な状態に制御されている場合に、遊技可能操作手段が操作された場合は、切換手段によって遊技可能な状態に切り換えられる。したがって、遊技不能な状態に制御されても遊技可能操作手段を操作するだけの容易な操作を行うことによって遊技不能な状態から遊技可能な状態に切り換えることができる。仮に、遊技店関係者が、遊技不能な状態の解除を行う場合に、遊技可能操作手段を操作すれば遊技不能な状態を解除することができる。なお、遊技可能操作手段は、遊技機背面部又は内部に備えられている等、遊技者には操作できない位置に配置されているのが望ましい。
手段15.手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記遊技不能制御手段は、少なくとも遊技を進行するのに必要な一部の機器について電源を遮断することにより、遊技不能な状態に制御することを特徴とする遊技機。
手段15によれば、遊技不能制御手段は、少なくとも遊技を進行するのに必要な一部の機器について電源を遮断することにより、遊技不能な状態に制御する。すなわち、遊技機が遊技不能な状態に制御される態様は、遊技機の少なくとも一部の機器の電源が遮断されることである。したがって、遊技機の少なくとも一部の機器の電源が遮断されるため、遊技機を確実に遊技不能にすることができ、遊技機を遊技不能な状態にするために新たな装置を備える必要がない。例えば、遊技機の電源が遮断される構成にすれば、遊技店の閉店作業において遊技機毎に電源を切る必要がなく、閉店作業を容易に行うことができる。
手段16.手段1乃至手段15のいずれかにおいて、複数の釘及び入球部が配設された遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する遊技球発射装置と、同遊技球発射装置により遊技球を発射させるべく操作される発射操作手段と、遊技媒体を遊技者に払い出す払出装置とを備え、
前記入球部に遊技球が入球することにより前記払出装置による遊技球の払い出しを実行することを特徴とする遊技機。
手段16によれば、いわゆるパチンコ遊技機において上記手段1乃至手段15のいずれかの効果を享受することができる。
手段17.手段1乃至手段15のいずれかにおいて、遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される複数の絵柄表示領域と、遊技機前面部にて遊技球を貯留する貯留部と、該貯留部に貯留された遊技球を取り込む取込装置と、該取込装置による遊技媒体の取り込みを開始させるべく操作される取込開始操作手段と、各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段と、該各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される複数の停止操作手段とを備え、
前記取込装置により所定数の遊技媒体が取り込まれ、さらに前記始動操作手段が操作された場合に、各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させ、絵柄の変動表示の停止後に各絵柄表示領域に表示されている絵柄により所定絵柄又は所定絵柄の組み合わせが成立していた場合には遊技者に特典が付与される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機に対して上記手段1乃至手段15のいずれかの効果を享受することができる。
手段18.手段1乃至手段15のいずれかにおいて、遊技機前方から視認可能な位置に設けられ、複数種の絵柄が変動表示される複数の絵柄表示領域(リール42L,42M,42R)と、各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー71)と、該各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ72〜74)とを備え、
遊技メダルの受入完了状態で前記始動操作手段が操作された場合に各絵柄表示領域における絵柄の変動表示を開始させ、絵柄の変動表示の停止後に、各絵柄表示領域に表示されている絵柄により所定絵柄又は所定絵柄の組み合わせが成立していた場合には遊技者に特典が付与される構成としたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、いわゆるスロットマシンに対して上記手段1乃至手段15のいずれかの効果を享受することができる。
手段19.予め定めた所定時刻になったか否かを判断する時刻判断手段(スロットマシン800における遊技不能判定処理のステップS1803)と、
前記所定時刻になった場合に、遊技不能な状態に制御する遊技不能制御手段(主制御装置131における遊技不能処理)と
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段19によれば、予め定めた所定時刻であることが時刻判断手段によって判断された場合に、遊技不能制御手段によって遊技機が遊技不能な状態に制御される。すなわち、所定時刻になった場合、遊技者は遊技を行うことができなくなる。したがって、所定時刻を遊技店の営業時間が終了する時刻に合わせることにより、遊技店の営業時間が終了しているにもかかわらず、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。
手段20.手段19において、時刻を把握する時刻把握手段(リアルタイムクロック160b)を備え、
前記時刻判断手段は、前記時刻把握手段によって把握されている時刻に基づいて、前記所定時刻になったか否かを判断することを特徴とする遊技機。
手段20によれば、時刻を把握する時刻把握手段を備えており、時刻把握手段によって把握された時刻に基づいて、所定時刻になったか否かを判断する。したがって、外部から遊技機に時刻に関する情報を送信する必要がない。
なお、上記手段3〜18のいずれかの構成を、上記手段1又は2に代えて上記手段19,20に対して適用してもよい。また、上記手段3〜18のいずれかの構成を適用する場合、「期間」を「時刻」に、「期間の経過」は「時刻になったこと」にそれぞれ置き換えて適用すればよい。
<第一の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着剤等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された周回体としての左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
図6は左リール42Lの組立斜視図である。同図に示すように、これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれが駆動手段としてのステッピングモータ61L,61M,61R(図6においては左リール用ステッピングモータ61Lのみ図示)に連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。また、各リール42L,42M,42Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置131が表示窓から視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左ベルト20番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト19番目)、「青年」図柄(例えば、左ベルト18番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト17番目)、「チャンス」図柄(例えば、左ベルト16番目)、「スイカ」図柄(例えば、左ベルト13番目)、「7」図柄(例えば、左ベルト12番目)の7種類がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル数の払出処理や、特別遊技状態たるBBゲーム等への移行処理などが実行される。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に払い出されるメダル払出枚数とが示されている。
遊技状態が移行する状態移行入賞としてBB入賞がある。有効ライン上に左から「7」図柄,「7」図柄,「7」図柄と並んで停止した場合は、BB入賞として遊技状態が通常遊技状態としての通常ゲームから特別遊技状態としてのBBゲームに移行する。但し、かかるBB入賞図柄の組合せが有効ライン上に停止したとしても、メダル払出は行われない。すなわち、「7」図柄の組合せが有効ライン上に成立した際には、BBゲームに移行するのみである。換言すれば、「7」図柄は、遊技状態をBBゲームに移行させるための状態移行図柄であるといえる。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ役入賞と、ベル役入賞と、チェリー役入賞とがある。有効ライン上に左から「スイカ」図柄,「スイカ」図柄,「スイカ」図柄と並んで停止した場合、スイカ役入賞として15枚のメダル払出が行われる。
また、有効ライン上に左から「ベル」図柄,「ベル」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合、ベル役入賞となる。このベル役入賞は遊技状態が通常ゲームのときだけでなくBBゲームにおいても発生する。そして、いずれの遊技状態であっても、ベル役入賞が発生した場合、12枚のメダル払出が行われる。
また、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー役入賞となる。即ち、チェリー役入賞の場合には、中リール42M及び右リール42Rの有効ライン上に停止する図柄はどのような図柄であってもよい。故に、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー役入賞が成立する。このチェリー役入賞はベル役入賞と同様に、遊技状態が通常ゲームのときだけでなくBBゲームにおいても発生する。そして、いずれの遊技状態であっても、チェリー役入賞が発生した場合、5枚のメダル払出が行われ、上記のように複数の有効ラインが重なる位置にてチェリー役入賞が成立した場合、10枚のメダル払出が行われる。
更に、有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄と並んで停止した場合には、再遊技入賞となる。再遊技入賞が成立すると、メダル払出や状態移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回を開始することが可能となる。
その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に上記した図柄の組合せが停止しなかった場合には、メダル払出や遊技状態の移行等は一切行われない。すなわち、左リール42Lと右リール42Rの「青年」図柄、左リール42Lの「チャンス」図柄、及び中リール42Mと右リール42Rの「チェリー」図柄は、入賞と一切関与していない。換言すれば、上記各図柄は、遊技者に付与される特典と無関係な無特典図柄であると言える。なお、以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せともいう。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者が遊技を開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ72が操作された場合には左リール42Lの回転が停止し、中ストップスイッチ73が操作された場合には中リール42Mの回転が停止し、右ストップスイッチ74が操作された場合には右リール42Rの回転が停止する。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダル受け皿18は、上方に開放され、多量のメダルを貯留可能な容量を有する。メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。
メダルを遊技者に付与する手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に最大数投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に最大数のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の精算スイッチ80が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状態で精算スイッチ80が押下操作されることで、仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。
なお、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを仮想メダルとして貯留記憶するように設定された「クレジットモード」と、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」とを切換可能としたスロットマシンの場合には、前記精算スイッチ80に、モード切換のための切換スイッチとしての機能を付加してもよい。この場合、精算スイッチ(切換スイッチ)80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるように構成される。そして、精算スイッチ80がオン状態のときにはクレジットモードとされ、精算スイッチ80がオフ状態のときにはダイレクトモードとされる。クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際に仮想メダルがある場合には、その分の仮想メダルが現実のメダルとして払い出される。これにより、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることで自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる精算スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、貯留記憶された仮想メダル数を表示するクレジット表示部35と、BBゲームが終了するまでに獲得できる残りのメダル数を表示する残獲得枚数表示部36と、入賞時に獲得したメダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。但し、本スロットマシン10では、遊技状態が通常ゲームの場合とBBゲームとでベットされる手順が異なっている。そこで、以下の手順の説明では通常ゲームについて説明し、BBゲームについては後ほど説明する。
遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、スロットマシン内部に貯蓄されると共にクレジット表示部35の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ84により貯留用通路81から排出用通路82への切替がなされ、メダル排出口17からメダル受け皿18へと余剰メダルが返却される。
また、クレジット表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が1つ減算され、第1有効ライン表示部32が点灯して中ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が2つ減算され、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととしてクレジット表示部35に表示されている数値が3つ減算され、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えばクレジット表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、クレジット表示部35の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ123は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサ、遊技可能な時間を設定するために用いるカウンタデータ入力装置160aが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。なお、カウンタデータ160aに関しては後述する遊技不能判定処理にて詳細に説明する。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通路切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、各BBゲームにおける残払出数をカウントするための残払出数カウンタ154等の各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図11以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムやスベリテーブルデータ群152aなどといった各種のデータ群はROM152に記憶されている。
RAM153には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、時間の経過を計るために用いる第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158及び第四カウンタ159が設けられている。また、スベリテーブルのアドレス情報が格納されるスベリテーブル格納エリア153a、遊技状態がBBゲームである場合にBB設定フラグが格納されるBB設定フラグ格納エリア153b、遊技不能フラグを格納する遊技不能フラグ格納エリア153c、及び第三カウンタ157を設定した場合に第三カウンタ設定フラグを格納する第三カウンタ設定フラグ格納エリア153dなどの格納エリアが設けられている。また、RAM153は、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのバックアップエリアが設けられている。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
次に、表示制御装置111の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
表示制御装置111には、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置111には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置131が接続されており、出力側に上部ランプ13、スピーカ14、及び補助表示部15が接続されている。そして、主制御装置131から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ13、スピーカ14、及び補助表示部15を駆動制御する。つまり、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
かかる構成において、表示制御装置111のROM182には、開始用動画データ群184a、多数の更新用動画データ群184b、報知用動画データ群184c、及び終了用動画データ群184dからなるBBゲーム用動画データ群184が記憶されている。このBBゲーム用動画データ群184の各データ群184a〜184dが補助表示部15に対して適宜セットされることにより、当該補助表示部15においてBBゲーム中動画が表示される。
次に、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図11〜図26のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図11はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を入力した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。
図12は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS202では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図13を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの出力処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。
ステップS301では、コマンド出力が終了しているか否かを判定する。出力が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド出力を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの出力が完了しているか否かを判断し、出力が未完であるときには出力処理を優先し、単位コマンドの出力処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの出力途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの出力が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAMをバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
先ず、ステップS204ではRAM153の遊技不能フラグ格納エリア153cに遊技不能フラグがセットされているか否かを判定し、遊技不能フラグがセットされていた場合には、ステップS205に進み、後述する遊技不能処理を行う。
ステップS204で遊技不能フラグがセットされていなかった場合はステップS206に進み、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS207では、CPU151自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS208では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS209では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むと共に、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS210では、タイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。続く、ステップS211では終了カウンタ減算処理を行う。終了カウンタ減算処理とは、第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158、及び第四カウンタ159に入力された値をそれぞれ1ディクリメントすることである。
ステップS212では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS213では、各種コマンドを表示制御装置111へ出力するコマンド出力処理を行う。ステップS214では、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36及び獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS215では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS216では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS217では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS218にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図14は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ124aからON信号を入力しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図15を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むと共に、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部35に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM153のデータがクリアされているため、クレジット表示部35に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー71が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ123が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ123が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定更新処理では、リセットスイッチ123が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部35に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ123が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー71が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM153に記憶された設定値以外のデータをクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にて設定キーが挿入されていない場合には、ステップS406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に出力する。その後、ステップS411にて遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電フラグをリセットし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされる筈の停電フラグがセットされていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図16のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、ベット枚数設定処理を実行する。ベット枚数設定処理では、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定し、遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合には、任意ベット設定処理を実行する。任意ベット設定処理では、遊技を開始する上で必要なベット枚数を1枚に設定し、さらに受入が許容されるベット枚数を3枚に設定する。これにより、メダル又は仮想メダルを1枚ベットしない限り遊技の開始に必要なメダルがベットされた状態とならない。また、メダル投入口75に4枚以上のメダルが投入された場合には、3枚を超えるメダルは仮想メダルとして貯留記憶されるか、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚のとき又は50枚に達したときにはメダル受け皿18へ返却される。
一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合には、1枚ベット設定処理を実行する。1枚ベット設定処理では、遊技を開始する上で必要なベット枚数を1枚に設定し、さらに受入が許容されるベット枚数も1枚に設定する。受入が許容されるベット枚数が1枚に設定されることにより、メダル投入口75に2枚以上のメダルが投入された場合には、1枚を超えるメダルは仮想メダルとして貯留記憶されるか、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚のとき又は50枚に達したときはメダル受け皿18へ返却される。さらに、第1クレジット投入スイッチ77又は第2クレジット投入スイッチ78が操作された場合には、2枚以上の仮想メダルが貯留記憶されていたとしても1枚の仮想メダルのみがベットされる。
ステップS601にてベット枚数設定処理を実行した後は、ステップS602にて、遊技の開始に必要なメダルがベットされているか否かを判定する。遊技の開始に必要なメダルがベットされているときには、続いてステップS603にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。スタートレバー71が操作されているときには、ステップS604の有効ライン設定処理、ステップS605の抽選処理、ステップS606のリール制御処理、ステップS607のメダル払出処理、ステップS608のBBゲーム処理及びステップS609の遊技不能判定処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS602にてメダルがベットされていない、またはステップS603にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS601に戻る。
次に、ステップS604の有効ライン設定処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
有効ライン設定処理では、先ずステップS701にて、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合には、ステップS701にて否定判定しステップS702に進む。
ステップS702では、今回の遊技回でベットされたメダル又は仮想メダルの数が3枚か否かを判定する。3枚の場合にはステップS703にて有効ラインを設定可能な最大数である5ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。3枚でない場合にはステップS704に進む。
ステップS704では、今回の遊技回でベットされたメダル又は仮想メダルの数が2枚か否かを判定する。2枚の場合にはステップS705にて有効ラインを3ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。2枚でない場合には、今回の遊技回でベットされたメダル又は仮想メダルの数が1枚であることを意味するため、ステップS706にて有効ラインを1ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。
一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合には、ステップS701にて肯定判定しステップS703に進む。ステップS703では、有効ラインを5ラインに設定して本有効ライン設定処理を終了する。つまり、本スロットマシン10では、BBゲームにおいて各遊技回で必要なベット枚数及び許容されるベット枚数が1枚に設定されるにも関わらず、設定可能な最大数の有効ラインが設定される。
次に、ステップS605の抽選処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
抽選処理では、先ずステップS801〜ステップS803にて、当否決定用の抽選テーブルを選択する抽選テーブル選択処理を実行する。つまり、ステップS801にて、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームでありBB設定フラグが格納されていない場合にはステップS802に進み、通常ゲーム用抽選テーブルを選択する。一方、遊技状態がBBゲームでありBB設定フラグが格納されている場合にはステップS803に進み、BBゲーム用抽選テーブルを選択する。
ここで、通常ゲーム用抽選テーブル及びBBゲーム用抽選テーブルについて説明する。先ず通常ゲーム用抽選テーブルについて説明する。通常ゲーム用抽選テーブルはスロットマシン10の現在の設定状態に対応させて設けられており、さらにベットされるメダルの枚数に対応させて設けられている。したがって、ステップS802における処理では現在の設定状態、及び今回の遊技回にてベットされたメダルの枚数に対応した通常ゲーム用抽選テーブルを選択する。ちなみに、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB役当選確率が最も低い通常ゲーム用抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB役当選確率が最も高い通常ゲーム用抽選テーブルが選択される。また、ベットされるメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほどBB役当選確率が高い通常ゲーム用抽選テーブルが選択される。
「設定1」の状態下で3枚ベットされた場合に選択される通常ゲーム用抽選テーブルを図19(a)に例示する。通常ゲーム用抽選テーブルには、入賞となる役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常ゲーム下では、再遊技、チェリー、ベル、チェリー+ベル、スイカ、BBの6種類の入賞が発生し得るため、1〜6の6つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、入賞となる役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、ポイント値PVが設定されている。ここで、チェリー+ベル役(以下、複数対応役という)とは、かかる複数対応役が当選となることで、チェリー役入賞とベル役入賞とのいずれもが発生し得る役のことをいう。
ちなみに、図19(a)に示した通常ゲーム用抽選テーブルが選択された場合、BB役当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB役当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、チェリー役当選確率は128分の1、ベル役当選確率は約48分の1、複数対応役当選確率は約8.1分の1、スイカ役当選確率は128分の1である。
次に、BBゲーム用抽選テーブルについて説明する。BBゲーム用抽選テーブルは、通常ゲーム用抽選テーブルと異なり1パターンのみとなっている。つまり、BBゲーム用抽選テーブルはスロットマシン10の現在の設定状態とは無関係に設けられている。また、上記のとおりBBゲームでは1枚ベット設定処理が実行されるため、各遊技回のベット枚数は1枚に限定される。
BBゲーム用抽選テーブルを図19(b)に例示する。BBゲーム用抽選テーブルは、インデックス値IVが1つのみ設定されており、このインデックス値IVには複数対応役が対応付けられている。また、このインデックス値IVに対応したポイント値PVは「63150」となっている。上述したように、本スロットマシン10では「0〜65535」の65536個の乱数を生成しているため、BBゲーム用抽選テーブルでは複数対応役当選確率は約1.04分の1となっている。したがって、BBゲームでは、複数対応役当選が比較的高い確率で発生することとなる。
ステップS802又はステップS803の処理を実行した後は、ステップS804にてインデックス値IVを1とし、続くステップS805では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで、乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて「0〜65535」の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に1ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU151に入力され、スタートレバー71が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ71aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いられる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS806ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には、ステップS807にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグをRAM153に設けられた対応する各当選フラグ格納エリアに格納する。例えば、BB役に対応したインデックス値IVである場合にはBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグを格納する。
ここで、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグが格納された遊技回の終了時にクリアされる。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、そのBB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてクリアされる。すなわち、BB当選フラグは、複数の遊技回にわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次遊技回以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BB役に関する当否判定は行わない。
ステップS806にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS808にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS809ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がある場合にはステップS805に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS805では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS806では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ステップS807にて当選フラグを格納した後、又はステップS809にて当否判定すべき役がないと判定された場合には、ステップS810にてリール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を行った後に本抽選処理を終了する。
次に、スベリテーブル設定処理について説明する。
スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
図20は、スイカ図柄を有効ライン上に停止させる場合にセットされるスベリテーブルの一例である。滑り数が0である番号の図柄は、下ライン上に実際に停止する図柄である。例えば、左リール42Lの11番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは滑ることなくそのまま停止し、13番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。また、滑り数が0でない番号の図柄は、記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール42Lの7番図柄たる「リプレイ」図柄が下ライン上に到達している際に左ストップスイッチ72が押された場合、左リール42Lは4図柄分だけ滑り、13番図柄たる「スイカ」図柄が上ライン上に停止する。すなわち、滑り数が0でない番号の図柄が下ライン上に到達している際にストップスイッチが押された場合、対応するリールはその滑り数分だけ滑った後に停止する。このように、スベリテーブルでは、各リール42L,42M,42Rに付された図柄が下ライン上に到達したタイミングでストップスイッチ72〜74を押された場合の滑り数が図柄番号毎に設定されている。
但し、上記スベリテーブルがセットされた場合であっても、ストップスイッチの押されたタイミングによっては「スイカ」図柄が有効ライン上に停止せず、所謂取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(到達図柄を停止させる場合よりも最大4図柄分)と予め決めており、下ライン上に到達した「スイカ」図柄と次に下ライン上に到達する「スイカ」図柄との間に5図柄分以上の区間(5個以上の図柄が存在する区間)が設定されているためである。
この取りこぼしに関して、本スロットマシン10においては、取りこぼしが発生する場合の態様が2パターンある。このうち第1パターンは、同種の図柄の間に5図柄分以上の区間が設定されている場合に発生し得る。詳細には、上記のとおり抽選処理にてチェリー役を除く何れかの役に当選したとしても、その当選役に対応した入賞図柄の組合せが一の有効ライン上に並ばない限り入賞とならない。また、各リール42L,42M、42Rのうち2つのリールが停止した段階では、当選役に対応した入賞図柄の組合せが並ぶ有効ライン(以下、当該ラインを成立ラインともいう)が限定される。かかる状況において、残りのリールにおいて入賞図柄の組合せを構成する同種の図柄間に5図柄分以上の区間が設定されていると、ストップスイッチの操作タイミングによっては成立ライン上に入賞図柄の組合せを構成する図柄が停止せず、取りこぼしが発生することもある。また、当該第1パターンの態様の取りこぼしは、当選役に対応した入賞図柄の組合せを停止させる有効ライン(以下、当該ラインを優先ラインともいう)が第1停止や第2停止の段階で限定される場合にも発生し得る。
第2パターンは、同種の図柄の間に7図柄分以上の区間(7個以上の図柄が存在する区間)が設定されている場合に発生し得る。詳細には、本スロットマシン10では上記のとおり表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は各リール3個ずつとされており、各有効ラインはこれら各3個の図柄が停止する合計9個の位置のいずれか3個を直線状に通るようにして設定されている。かかる状況において、各リール42L,42M,42Rのうちいずれかのリールにおいて入賞図柄の組合せを構成する同種の図柄間に7図柄分以上の区間が設定されていると、当該リールを第1停止させる場合であったとしてもストップスイッチの操作タイミングによってはいずれの有効ライン上にも入賞図柄の組合せを構成する図柄が停止せず、第1停止の段階で取りこぼしが発生することもある。
「スイカ」図柄については、例えば左リール42Lでは、0番の「スイカ」図柄から13番の「スイカ」図柄までの間は12図柄分の区間が設定されている。このため、例えば左リール42Lの3番の「リプレイ」図柄が下ライン上に到達しているタイミングで左ストップスイッチ72が押された場合、仮に左リール42Lを4図柄分滑らせても「スイカ」図柄を有効ライン上に停止させることはできない。つまり、スイカ役については、上記第1,第2パターンの両方の取りこぼしの態様が発生し得る。
ここで、スイカ役の取りこぼしだけでなく他の小役の取りこぼし発生の有無に関して説明する。チェリー役については、上記のとおり左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー役入賞となる。したがって、上記第1パターンの態様の取りこぼしは発生しない。一方、左リール42Lにおいて、5番の「チェリー」図柄から17番の「チェリー」図柄までの間は11図柄分の区間が設定されている。したがって、上記第2パターンの態様の取りこぼしは発生し得る。
また、再遊技については、各リール42L,42M,42Rにおいて「リプレイ」図柄は、各図柄の間の図柄数が4図柄以下となるように配置されている。したがって、上記第1,第2パターンのいずれの取りこぼしの態様も発生することはない。つまり、各ストップスイッチ72,73,74が如何なるタイミングで操作された場合であっても、再遊技当選フラグがセットされていれば再遊技入賞図柄の組合せを有効ライン上に停止させることができる。
また、ベル役については、中リール42M及び右リール42Rにおいて「ベル」図柄は、各図柄の間の図柄数が4図柄以下となるように配置されている。一方、左リール42Lにおいて、2番の「ベル」図柄から8番の「ベル」図柄までの間は5図柄分の区間が設定されている。また、14番の「ベル」図柄から20番の「ベル」図柄までの間も5図柄分の区間が設定されている。但し、7図柄分以上の区間は設定されていない。当該図柄配列においては、上記第2パターンの態様の取りこぼしは発生しないものの、各リール42L,42M,42Rの停止順序などによっては上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生することがある。例えば、第3停止として左リール42Lを停止させる場合には、上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生し得る。より具体的には、成立ラインが中ラインの場合に下ラインに14番の「ベル」図柄又は2番の「ベル」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ72が停止操作されると上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生する。また、優先ラインが設定される場合にも上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生することがある。つまり、優先ラインが中ラインの場合に、下ラインに14番の「ベル」図柄又は2番の「ベル」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ72が停止操作されると上記第1パターンの態様の取りこぼしが発生する。
図21に示すように、スベリテーブル設定処理では、先ずステップS901にてRAM153のBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合にはステップS902に進み、当選フラグと一義的に対応する第1当選番号をRAM153の当選番号格納エリアに格納する。当選番号とはスベリテーブルをセットする際に用いるための番号であり、第1当選番号が格納されている場合には、当選フラグが格納されていない又は当選フラグが1つだけ格納されていることを意味する。続くステップS903では、第1当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルのアドレス情報をRAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納し、本処理を終了する。
ステップS901にてBB当選フラグが格納されていると判定した場合には、さらにステップS904にてRAM153の他の当選フラグ格納エリアに当選フラグが格納されているか否かを判定する。他の当選フラグが格納されていない場合にはBB当選フラグのみが格納されていることを意味するため、上述したステップS902〜ステップS903の処理を行い、本処理を終了する。一方、他の当選フラグが格納されている場合には、BB当選フラグを持ち越した状態で小役又は再遊技に当選したことを意味する。かかる場合にはステップS905に進み、格納されている当選フラグと一義的に対応する第2当選番号をRAM153の当選番号格納エリアに格納する。第2当選番号が格納されている場合には、BB当選フラグと、小役当選フラグ又は再遊技当選フラグの2つが格納されていることを意味する。続くステップS906では、第2当選番号の値から一義的に定まるスベリテーブルのアドレス情報をRAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納し、本処理を終了する。このとき、本スロットマシン10では、BB当選フラグと他の当選フラグの少なくとも一方と対応する図柄が有効ライン上のいずれかに停止するよう設定されたスベリテーブルをセットする。
次に、ステップS606のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS1001において各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。回転開始処理では、前回の遊技回においてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、当該時間が経過するまで待機するウエイト処理を行った後に各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転を開始しない場合がある。続くステップS1002では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には停止指令が発生するまで待機する。但し、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから所定の速度で定速回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。ちなみに本実施形態では、各リール42L,42M,42Rが回転を開始してから0.5秒が経過するまでの期間を無効期間として設定している。
ステップS1002にてストップスイッチ72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS1003に進み、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。今回の停止指令が第3停止指令でない場合にはステップS1004にてスベリテーブル第1変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第1変更処理について図23のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第1変更処理では、ステップS1101にて今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち全てのリールが回転しているときにストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合にはステップS1102〜ステップS1105に示す第1停止変更処理を行う。第1停止変更処理では、ステップS1102にていずれのストップスイッチが操作されたかを確認し、ステップS1103では、左ストップスイッチ72が操作されたか否かを判定する。そして、左ストップスイッチ72が操作された場合には、スベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。これは、先のスベリテーブル設定処理(図21参照)において、左ストップスイッチ72が最初に操作されることを想定してスベリテーブルを設定しているためである。一方、左ストップスイッチ72以外のストップスイッチが操作された場合、想定された順序と異なる順序でストップスイッチが操作されたことを意味する。かかる場合にはステップS1104に進み、RAM153の当選番号格納エリアに格納された当選番号を確認する。続くステップS1105では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたスベリテーブルのアドレス情報を、当選番号及び操作されたストップスイッチと対応する変則押し用スベリテーブルのアドレス情報に変更して本処理を終了する。換言すれば、第1停止変更処理は、格納されている当選フラグの種別と、操作されたストップスイッチとに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1101にて今回の停止指令が第1停止指令でないと判定した場合には、当該停止指令が第2停止指令であること、すなわち1つのリールが停止している状況下でストップスイッチが押下操作されたことを意味する。かかる場合には、ステップS1106〜ステップS1109に示す第2停止変更処理を行う。第2停止変更処理では、先ずステップS1106において、第1停止指令時に操作されたストップスイッチと、第2停止指令時に操作されたストップスイッチ、すなわちストップスイッチの操作された順序を確認する。続くステップS1107では、第2停止指令時に操作されたストップスイッチと対応するストップ検出センサからON信号を受信したタイミングにおいて、下ライン上に何番の図柄が到達しているかを確認する。続くステップS1108では、下ライン上に到達している到達図柄が、現在格納されているアドレス情報に対応したスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄か否かを確認する。到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致した場合にはステップS1109に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたスベリテーブルのアドレス情報を、ライン変更用スベリテーブルのアドレス情報に変更して本処理を終了する。また、到達図柄の図柄番号と変更図柄の図柄番号が一致しなかった場合にはそのまま本処理を終了する。換言すれば、第2停止変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、ストップスイッチの操作タイミング(リールの停止開始位置)とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
リール制御処理の説明に戻り、スベリテーブル第1変更処理を行った後、または今回の停止指令が第3停止指令であった場合には、ステップS1005にて下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。ステップS1006では、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたアドレス情報に対応したスベリテーブルから到達図柄と対応するスベリ量を算出し、ステップS1007にて下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS1008では到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS1009にてリールを停止させるリール停止処理を行う。ステップS1010では全てのリールが停止したか否かを判定し、全てのリールが停止していない場合にはステップS1011にてスベリテーブル第2変更処理を行う。
ここで、スベリテーブル第2変更処理について図24のフローチャートを用いて説明する。スベリテーブル第2変更処理では、ステップS1201にて現在停止しているリールの下ライン上に停止した停止図柄の図柄番号を確認する。ステップS1202では、停止図柄の図柄番号が、現在格納されているアドレス情報に対応したスベリテーブルから一義的に導かれる変更図柄の図柄番号と一致しているか否かを判定する。一致しない場合にはスベリテーブルを変更することなくそのまま本処理を終了する。一致した場合にはステップS1203に進み、RAM153のスベリテーブル格納エリア153aに格納されたスベリテーブルのアドレス情報を、ライン変更用スベリテーブルのアドレス情報に変更して本処理を終了する。そして、スベリテーブル第2変更処理を行った後は、回転中のリールが存在するためステップS1002に戻る。換言すれば、スベリテーブル第2変更処理は、スベリテーブルから導かれる当選フラグの種別と、リールの停止位置とに基づいてスベリテーブルを変更する処理であると言える。
ステップS1010にて全てのリールが停止していた場合には、ステップS1012に進み、払出判定処理を行って本処理を終了する。払出判定処理とは、入賞図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。具体的には、小役入賞が有効ライン上に成立しているか否かを判定し、小役入賞が有効ライン上に成立していないときには小役当選フラグをクリアすると共にRAM153の払出予定数格納エリアに「0」をセットする。小役入賞が有効ライン上に成立しているときには、小役当選フラグをクリアすると共に、RAM153の払出予定数格納エリアに成立した役と対応する払出数をセットする。また、再遊技入賞が有効ライン上に成立した場合には、再遊技当選フラグをクリアすると共に払出予定数格納エリアに「0」をセットし、再遊技を可能とする再遊技処理を行う。再遊技処理では、かかる遊技回のベット数を確認し、確認結果と同数のベット数を再度設定する処理を行う。従って、再遊技入賞が成立すると、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次の遊技回を開始することが可能となる。
また、払出判定処理では、上記払出枚数等の設定を行うとともに、入賞が正当のものか否かを判定する。つまり、小役入賞や再遊技入賞が小役当選フラグや再遊技当選フラグと対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに「0」をセットする。さらに、BB入賞についても入賞が正当のものか否かを判定する。つまり、各BB入賞が各BB当選フラグに対応する図柄の組合せか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行う。
次に、ステップS607のメダル払出処理について、図25のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS1301にて払出完了数カウンタがカウントした払出完了数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出完了数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS1302にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS1303,S1305にてクレジットカウンタのカウント値及び払出完了数カウンタの払出完了数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS1306では、クレジット表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS1302にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS1304にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。続くステップS1305ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出完了数カウンタの払出完了数を1加算する。その後、ステップS1306にて獲得枚数表示部37の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS1306にて表示部変更処理を行った後、再びステップS1301に戻る。ステップS1301で払出完了数と払出予定数とが一致したときには、ステップS1307にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。BB設定フラグが格納されていない場合にはステップS1309に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出完了数カウンタの値を「0」にリセットする。なお、獲得枚数表示部37の値は、次の遊技回を開始すべくメダルがベットされたときにリセットされる。
一方、BB設定フラグが格納されている場合には、ステップS1308にてCPU151の残払出数カウンタ154のカウント値から今回の払出完了数を減算すると共に、残獲得枚数表示部36の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS1309にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。
次に、ステップS608のBBゲーム処理について、図26のフローチャートに基づき説明する。
BBゲーム処理では、先ずステップS1401にてRAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグが格納されているか否かを判定する。遊技状態が通常ゲームである場合にはBB設定フラグが格納されていないため、ステップS1401にて否定判定しステップS1402に進む。
ステップS1402では、RAM153のBB当選フラグ格納エリアにBB当選フラグが格納されているか否かを判定する。BB当選フラグが格納されていない場合にはそのまま本BBゲーム処理を終了する。BB当選フラグが格納されている場合には、ステップS1403にて今回有効ライン上にBB入賞図柄の組合せが停止したか否かを判定する。BB入賞図柄の組合せが停止していない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。BB入賞図柄の組合せが停止している場合には、ステップS1404にてBBゲーム開始処理を実行した後に本BBゲーム処理を終了する。
BBゲーム開始処理では、RAM153のBB当選フラグ格納エリアからBB当選フラグをクリアするとともに、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bにBB設定フラグを格納する。また、CPU151の残払出数カウンタ154に「348」をセットする。また、BBゲーム開始処理では、開始コマンドをセットする。この開始コマンドは、上述したタイマ割込み処理(図12)におけるステップS213のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。表示制御装置111では、主制御装置131から開始コマンドを入力することにより、補助表示部15を制御してBBゲーム用の表示を開始する。
一方、遊技状態がBBゲームである場合にはBB設定フラグが格納されているため、ステップS1401にてステップS1405に進む。ステップS1405では、残払出数カウンタ154が「0」か否かを判定する。残払出数カウンタ154が「0」でない場合には、そのまま本BBゲーム処理を終了する。残払出数カウンタ154が「0」の場合には、ステップS1405にて肯定判定し、ステップS1406にてBBゲーム終了処理を実行した後に本BBゲーム処理を終了する。
ここで、上述したようにBBゲーム開始処理に際して残払出数カウンタ154に「348」がセットされる。したがって、BBゲームは348枚以上のメダルが払い出されることを条件として終了する。また、BBゲーム処理はメダル払出処理の後に実行される。したがって、メダルの払出途中で残払出数カウンタ154が「0」となったとしても、その遊技回の入賞に関わるメダルの払い出しは完了される。つまり、BBゲーム中における入賞に関わるメダルの払い出しは、メダルの総払出枚数が規定数に達したことに基づいて途中で中止されないようになっている。
BBゲーム終了処理では、RAM153のBB設定フラグ格納エリア153bからBB設定フラグをクリアする。また、BBゲーム終了処理では、終了コマンドをセットする。この終了コマンドは、上述したタイマ割込み処理(図12)におけるステップS213のコマンド出力処理にて表示制御装置111に対して出力される。表示制御装置111では、主制御装置131から終了コマンドを入力することにより、補助表示部15を制御してBBゲーム用の表示を終了する。
次に、本スロットマシン10におけるBBゲームについて詳細に説明する。遊技状態がBBゲームである場合には、上述したように通常処理(図16)におけるステップS601のベット枚数設定処理にて1枚ベット設定処理が実行されることにより、遊技を開始する上で必要なベット枚数及び受入が許容されるベット枚数が1枚に設定される。また、上述したように有効ライン設定処理(図17)におけるステップS703において有効ラインが設定可能な最大数である5ラインに設定される。また、抽選処理(図18)におけるステップS803においてBBゲーム用抽選テーブルが選択されることにより、抽選役が複数対応役のみとなる。但し、かかる複数対応役の当選確率は通常ゲームに比べ非常に高くなっている。また、上述したようにBBゲーム処理(図26)におけるステップS1404のBBゲーム開始処理において残払出数カウンタ154に「348」がセットされることにより、BBゲームは348枚以上のメダルが払い出されることを条件として終了する。これは、BBゲーム中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。
次に、ステップS609の遊技不能判定処理について、図27のフローチャートに基づき説明する。
先ず、図27に示すようにステップS1501では、第一カウンタ156の値を読み込む。続くステップS1502では、ステップS1501で読み込んだ第一カウンタ156の値が0か否かを判定する。ここで第一カウンタ156が0か否かとは遊技可能な残り時間が10分以内か否かを判定している。具体的には、営業時間が13時間の遊技店の場合、第一カウンタ156には31006712の値が設定されており、1.49msec周期でカウンタの値は1ディクリメントされる。すなわち、スロットマシン10に電源が入れられてから12時間50分が経過すると、第一カウンタ156の値が0になる。ステップS1202では第一カウンタ156の値が0か否かを判定し、第一カウンタ156が0になっていない場合はそのまま本遊技不能判定処理を終了する。
ステップS1502において第一カウンタ156の値が0の場合はステップS1503に進み、第二カウンタ157の値を読み込む。続くステップS1504ではステップS1503において読み込んだ第二カウンタ157の値が0か否かを判定する。ここで第二カウンタ157の値が0か否かとは予め定めた遊技可能な時間が経過しているか否かを判定している。具体的には、営業時間が13時間の遊技店の場合、第二カウンタ157には31409395の値が設定されており、1.49msec周期でカウンタの値は1ディクリメントされる。すなわち、スロットマシン10の電源が入れられてから電源が切れるまでの所定時間として13時間が設定されており、13時間が経過すると第二カウンタ157の値が0になる。
ここで、第一カウンタ156及び第二カウンタ157について詳細に説明する。第二カウンタ157に入力される値は変更可能に構成されている。例えば、12時間営業の遊技店においては、第二カウンタ157に28993288を設定する。第二カウンタの値を設定すると第一カウンタ156には自動的に10分間の値が減算され、28590604が設定される。なお、スロットマシン10にはカウンタデータ入力装置160aが設けられており、スロットマシン10を遊技可能な状態で維持したい時間をカウンタデータ入力装置160aに入力することによって、入出力ポート155を介して入力された時間に対応した値に換算されて主制御装置131におけるRAM153の第一カウンタ156及び第二カウンタ157にデータが入力される。例えば、遊技店においてカウンタデータ入力装置160aに13時間と入力した場合、第二カウンタ157には、13時間に対応したデータとして31409395が入力される。
なお、カウンタデータ入力装置160aに0を入力した場合、所定時間の設定なしと主制御装置131にみなされ、スロットマシン10が遊技不能に制御されることがなくなるよう構成されている。具体的には主制御装置131の通常処理にて、本遊技不能判定処理が行われない。したがって、時間が経過してもスロットマシン10が遊技不能に制御される必要がない場合にも、簡単な操作を行うだけで容易に対応することができる。
ステップS1504において第二カウンタ157の値が0ではないと判定された場合は、ステップS1505のカウンタデータ送信処理に進む。カウンタデータ送信処理とは、第二カウンタ157の値が0でないと判定されてステップS1505に進んだ場合に、第二カウンタ157の値を、表示制御装置111に送信することである。カウンタデータ送信処理を行ったら、本遊技不能判定処理を終了する。
一方、ステップS1504において、第二カウンタの値が0と判定された場合、ステップS1506に進み、遊技状態がBBゲームか否かを判定する。なお、BBゲームか否かの判定は、BB設定フラグ格納エリア153bにフラグがセットされているかを参照して行う。BB設定フラグ格納エリア153bにフラグがセットされている場合に、遊技状態がBBゲームであると判定する。
ステップS1506において遊技状態がBBゲームであると判定された場合、ステップS1507に進み、第三カウンタ158の値を読み込む。ここで第三カウンタ158の読み込みについて詳細に説明する。第二カウンタ157の値が0になると第三カウンタ158には予め定められた402684の値が設定され、第三カウンタ設定フラグがRAM153の第三カウンタ設定フラグ格納エリア153dに格納される。第三カウンタ158に入力されている値は1.49msec周期で1ディクリメントされる。すなわち、第三カウンタ158は、第二カウンタ157の値が0になってから10分の時間の経過を計測している。また、すでに第二カウンタ157の値が0になっており、第三カウンタ設定フラグが第三カウンタ設定フラグ格納エリア153dに格納されている場合は、ステップS1507において再度第三カウンタ158に値が設定されることはなく、第三カウンタ158の値の読み込みのみを行う。なお、第三カウンタ158の値が0になるまでの時間は、10分とした。これは、本実施の形態において、一度のBBゲームが開始してから終了するまで遊技を行うことができる充分な時間を考慮して10分を設定している。
続くステップS1508では第三カウンタ158の値が0か否かを判定する。ステップS1508において第三カウンタ158の値が0と判定されなかった場合、すなわち第二カウンタ157の値が0になったときに遊技状態がBBゲームであり、BBゲームの遊技において10分間が経過していない場合は、ステップS1505のカウンタデータ送信処理に進む。このカウンタデータ送信処理では、ステップS1504において第二カウンタ157の値が0でないと判定(ステップS1504がNO)された場合と異なり、第三カウンタ158の値を表示制御装置111に送信する。カウンタデータ送信処理を行ったら本遊技不能判定処理を終了する。
ステップS1506において遊技状態がBBゲームでないと判定された場合、又は、ステップS1508において第三カウンタの値が0と判定された場合は、ステップS1509において遊技不能フラグをRAM153の遊技不能フラグ格納エリア153cにセットして本遊技不能判定処理を終了する。
ここで表示制御装置111が行うスロットマシン10が遊技不能にされることを教示する遊技不能教示図柄設定処理について図28を用いて詳細に説明する。
先ず、ステップS1601において、主制御装置131から第二カウンタ157の値を受信しているか否かを判定し、受信していない場合は、ステップS1602に進み、主制御装置131から第三カウンタ158の値を受信しているか否かを判定する。ステップS1602において第三カウンタ158の値を受信していないと判断した場合、本遊技不能教示図柄設定処理を終了する。ステップS1602において第三カウンタ158の値を受信していた場合、ステップS1603に進み、最終BBゲーム教示図柄表示処理を行う。最終BBゲーム教示図柄表示処理とは、受信した第三カウンタ158の値から遊技可能な残り時間を算出し、遊技可能な残り時間と、最後のBBゲームであることを教示する図柄を補助表示部15に表示することである。最終BBゲーム教示図柄表示処理を行ったら、本遊技不能教示図柄設定処理を終了する。
一方、ステップS1601において第二カウンタの値を受信していると判断された場合、ステップS1604に進み、遊技状態がBBゲーム中か否かを判定する。ステップS1604において遊技状態がBBゲーム中でないと判定された場合、ステップS1605に進み、残時間教示図柄表示処理を行う。残時間教示図柄表示処理とは、受信した第二カウンタ157の値から遊技可能な残り時間を算出し、遊技可能な残り時間を教示する図柄を補助表示部15に表示することである。残時間教示図柄表示処理を行ったら、本遊技不能教示図柄設定処理を終了する。
ステップS1604において遊技状態がBBゲームであると判定された場合は、ステップS1606に進み、BBゲーム残時間教示図柄表示処理を行う。BBゲーム残時間教示図柄表示処理とは、受信した第二カウンタ157の値から遊技可能な残り時間を算出し、BBゲーム用の遊技可能な残り時間を教示する図柄を補助表示部15に表示することである。BBゲーム残時間教示図柄表示処理を行ったら、本遊技不能教示図柄設定処理を終了する。
なお、「遊技可能な残り時間の算出」は例えば、第二カウンタ157の値が201342の場合、遊技可能な残り時間は5分と算出される。また、遊技可能な残り時間を教示する図柄やその他補助表示部15に表示される図柄は、表示制御装置111のCPU181のROM183に記憶されている。
次に図28の遊技不能判定処理におけるステップS1509にてRAM153の遊技不能フラグ格納エリア153cに遊技不能フラグがセットされた場合に行われる遊技不能処理について図12、図29を用いて詳細に説明する。
先ず、遊技不能フラグがセットされた場合、図12のタイマ割込み処理におけるステップS204にて遊技不能フラグ有りと判定されてステップS205に進み、遊技不能処理が実行される。
遊技不能処理では図29のフローチャートに示すように、ステップS1701において、リールが回転中か否かを判定する。リールが回転中と判定された場合、ステップS1702に進み、当選フラグをリセットし、スベリテーブル変更処理を行う。スベリテーブル変更処理とは当選フラグがない場合のスベリテーブルに現在のスベリテーブルを変更することである。具体的にはリール42L〜42Rが全て回転している場合、ステップS1702のスベリテーブル変更処理では、図18の抽選処理のステップS809において判定役なしと判定されてステップS810のスベリテーブル設定処理に進んだ場合と同様の設定処理を行う。
当選フラグをリセットし、スベリテーブル変更処理を行ったら、ステップS1703に進み、リール42Lが回転中か否かを判定する。リール42Lが回転中と判定された場合はステップS1704に進み、リール42Lの停止指令を発生させる。ステップS1703でリール42Lが回転していないと判定された場合、又はステップS1704において左リール42Lの停止指令を発生させた場合はステップS1705に進み、リール42Mが回転しているか否かを判定する。リール42Mが回転中と判定された場合はステップS1706に進み、リール42Mの停止指令を発生させる。ステップS1705でリール42Mが回転していないと判定された場合、又はステップS1706においてリール42Mの停止指令を発生させた場合はステップS1707に進み、リール42Rが回転しているか否かを判定する。リール42Rが回転中と判定され場合はステップS1708に進み、リール42Mの停止指令を発生させる。ステップS1707でリール42Lが回転していないと判定された場合、ステップS1708において左リール42Lの停止指令を発生させた場合、又は、ステップS1701においてリール42L〜42Rが回転していないと判定された場合はステップS1709に進み、クレジット払出処理を行う。なお、各リールの停止指令が発生された場合は、図22のリール制御処理が行われ、各リールが停止表示される。
続くステップS1709ではクレジット払出処理を行う。クレジット払出処理とは、清算スイッチ80が押下操作されダイレクトモードになった場合と同様に、貯留記憶されている仮想メダルがある場合は、その仮想メダルを現実のメダルとして払い出すことである。
クレジット払出処理を行ったらステップS1710において、遊技不能教示図柄表示指令処理を行う。遊技不能教示図柄表示指令処理とは、スロットマシン10が遊技不能になることを教示する図柄を表示するよう表示制御装置111に指令を出すことである。表示制御装置111は遊技不能教示図柄表示指令を受信したら補助表示部15にスロットマシン10が遊技不能になることを教示する図柄を表示する。
遊技不能教示図柄表示指令処理を行ったらステップS1710に進み、第四カウンタ159に6711の値を入力する。続く、ステップS1712においてステップS1710において第四カウンタ159に入力した値が0になるまで待機する。なお、上述したようにカウンタの値はタイマ割込み処理のステップS211における終了カウンタ減算処理にて減算される。すなわち、第四カウンタ159に6711が入力された場合、10秒が経過すると第四カウンタ159の値が0になる。すなわち、ステップS1710、ステップS1711は10秒間待機しているともいえる。これは、ステップS1709で行った遊技不能教示図柄表示指令処理にて補助表示部15に表示された図柄を遊技者が充分に理解できる時間である。
ステップS1712において第四カウンタ159の値が0と判定された場合、ステップS1713に進み強制RAMクリア処理を行う。強制RAMクリア処理とは、CPU151のRAM153と、表示制御装置111のCPU181のRAM183とに記憶されたデータをクリアすることである。RAM153に記憶されたデータがクリアされた場合、第一カウンタ156、第二カウンタ157の値は、カウンタデータ入力装置160aによって設定されたデータが記憶される。
強制RAMクリア処理を行ったら、ステップS1714の電源遮断処理に進み、電源を遮断する処理を行う。この電源遮断処理は電源スイッチ122を用いて電源が遮断される場合と同様にスロットマシン10の電源が完全に遮断される。電源遮断処理を行ったら、電源が遮断されるまで無限ループを行う。
次に、第一カウンタ156が0になった場合に、補助表示部15にて表示される遊技可能な残り時間を教示する図柄が表示される態様について、図30(a)〜図30(c)に示す一実施例に基づき説明する。
例えば、遊技状態がBBゲームでない場合に、タイミングt1にて第一カウンタ156の値が0になると図30(a)に示すように、補助表示部15の略中央部には木の妖精が表示される。また、遊技状態がBBゲームでない場合、遊技可能な残り時間は10分のため、補助表示部15の略上部には10分後にBBゲームでない場合、遊技が終了することを教示するメッセージが表示される(本実施形態では「10分後 ボーナス以外遊技終了」)。第二カウンタ157に記憶されている値が1ディクリメントされる度に、第二カウンタ157の値から遊技可能な残り時間が算出され、補助表示部15の略上部に遊技可能な残り時間が表示される。例えば、図30(b)に示すようにタイミングt2では第二カウンタ157の値は201342であり、補助表示部15の略上部には「5分後 ボーナス以外遊技終了」と表示される。
第二カウンタ157の値が0になった場合、スロットマシン10が遊技不能になることを教示するメッセージが表示される。例えば、タイミングt3にて第二カウンタ157の値が0になった場合、図30(c)に示すように遊技が終了することを教示するメッセージが表示される(本実施形態では「またの御来店お待ちしております」)。タイミングt3から10秒が経過したタイミングt4にて第四カウンタ159の値が0になった場合に、スロットマシン10の電源が遮断される。したがって、タイミングt4では、補助表示部15には何も表示されていない。
次に、遊技状態がBBゲームにおいて第二カウンタ157が0になった場合に、補助表示部15にて表示される遊技可能な残り時間を教示する図柄が教示される態様について、図31(a)〜図31(e)に示す一実施例に基づき説明する。
例えば、第一カウンタ156の値が0であり、第二カウンタ157の値が201342である場合に、BBゲームが開始された場合は、図31(a)に示すように、補助表示部15の略中央部には少女が表示され、補助表示部15の略左下部には、BBゲームが開始した旨を示すメッセージ(本実施形態では「START」)が表示され、補助表示部15の略上部には、5分後に遊技状態がBBゲームでない場合にスロットマシン10が遊技不能になることを教示するメッセージ(本実施形態では「5分後 ボーナス以外遊技終了」)とが表示されている。タイミングt5にてBBゲーム中に第二カウンタ157の値が0になると、図31(b)に示すように、補助表示部15の略左上部には最後のBBゲームであることを教示するメッセージと、遊技可能な残り時間とが表示される(本実施形態では「ラストボーナス 残り10分」)。
第三カウンタ158の値が減算されると、表示されている遊技可能な残り時間が減少していく。例えば、タイミングt7では第三カウンタ158の値が281879であり、図31(c)に示すように、補助表示部15の略左上部に表示されている遊技可能な残り時間が減少されて表示される(タイミングt3では「ラストボーナス 残り7分」)。BBゲームが進行し、タイミングt7にてBBゲームにおける残払出枚数が0になった場合、BBゲームが終了することを教示するエンディング図柄として補助表示部15の略中央部に大人に変身した少女が表示される(図31(d))。
BBゲームが終了した場合、又はBBゲームが終了する前に第三カウンタ158の値が0になった場合は、上述した遊技不能処理が行われる。例えば、タイミングt8にて遊技不能処理が行われる場合、図31(e)に示すように遊技が終了することを教示するメッセージ(本実施形態では「またの御来店お待ちしております」)が補助表示部15の略上部に表示され、タイミングt8から10秒が経過したタイミングt9スロットマシン10の電源が遮断される。
なお、第一カウンタ156の値が0でない場合のBBゲームにおいては、遊技可能な残り時間を教示するメッセージや最後のBBゲームであることを教示するメッセージの表示がない図柄が表示される。したがって、第一カウンタの値が0の場合のBBゲームは、第一カウンタ156の値が0でない場合のBBゲームにおいて表示される図柄に、最後のBBゲームであることや遊技可能な残り時間を教示するメッセージが追加された図柄が表示されているともいえる。また、上記した表示制御装置111によって補助表示部15に表示される図柄は表示制御装置111のROM182に予め記憶されている。
以上詳述した第一の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第二カウンタ157の値が0になった場合に、遊技状態が通常ゲームであった場合は、スロットマシン10の電源が遮断される構成とした。したがって、第二カウンタ157の値が0になる時間を遊技店の閉店時間に合わせて設定することによって営業時間が経過しているにも関わらず、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。
遊技状態がBBゲームにおいて第二カウンタ157の値が0になった場合、BBゲームが終了するか、第三カウンタ158の値が0になると、スロットマシン10の電源が遮断される構成とした。かかる構成とすることにより、BBゲーム中に第二カウンタ157の値が0になると、BBゲーム中にも関わらずスロットマシン10が直ちに電源が遮断されてしまうことがないため、BBゲームが途中で終了してしまうことによって遊技者に不利益が発生することを抑制することができる。また、BBゲームにおいても第三カウンタ158の値が0になると、スロットマシン10が遊技不能な状態になるため、遊技状態がBBゲームのために第二カウンタ157の値が0になっても長時間に渡り、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。
BBゲーム中に第二カウンタ157の値が0になっても、第三カウンタ158の値が0になるまではBBゲームを遊技できる構成とした。かかる構成とすることにより、遊技店の営業時間を最大で何時間営業するか、予定した最大時間から第三カウンタが0になるまでの時間を減らして営業時間を設定することによって、予定した営業時間が経過しているにもかかわらず遊技者が遊技を続けることを一層抑制することができる。
遊技機が遊技不能な状態として遊技機の電源が遮断される構成とした。かかる構成にすることによって、営業時間が終了すると自動的に遊技機の電源が遮断されるため、遊技店における閉店作業が容易になる。
時間経過を計るために、RAM153において予め設定された数値がタイマ割込み処理が発生する度に減算されていく構成とした。かかる構成とすることによって、比較的容易な構成で時間を計測することができる。
時間経過を計るために用いる第二カウンタ157に入力する数値を遊技店毎に変更できる構成とした。したがって、多様な遊技店の営業形態に対応することができ、1つの遊技店においても何等かの原因のために、遊技店の営業時間が急遽変更される場合にも第二カウンタ157の値を変更することにより、容易に対応することができる。
BBゲーム中に第二カウンタ157の値が0になった場合、第二カウンタ157の値が0でないBBゲームにおいて表示されている図柄に、最後のBBゲームである旨と、遊技可能な残り時間とが追加された図柄が補助表示部15に表示される構成にした。かかる構成にすることによって、BBゲームにおいて第二カウンタ157の値が0になり、表示されている図柄が変更されること対して、遊技者は違和感を覚えることがなく、BBゲームにおける遊技の興趣が削がれることがない。
スロットマシン10の電源が遮断される場合に、貯留されている仮想メダルを現実のメダルとして払い出す構成とした。これにより、貯留されている仮想メダルが払い出されずに遊技者と、遊技店とにおいてトラブルが発生する可能性を軽減できる。
第二カウンタ157の値が0になってから第三カウンタ158の値が0になるまでの時間を10分とする構成にした。本実施の形態では、10分とは一度のBBゲームが開始してから終了するまで遊技を行うことに充分な時間である。したがって、第二カウンタ157の値が0になった場合に、遊技状態がBBゲームであった場合、第三カウンタ158の値が0になるまでにBBゲームを終了させることができず、遊技者に不利益が発生することを抑制できる。
<第二の実施形態>
次に本発明を具体化した第二の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、第一実施形態と同一の構成については、第一実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。
スロットマシン10とは別のスロットマシン800のブロック回路図を図32に示す。上述したスロットマシン10と比較して、RAM153に備えられていた第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158及び第四カウンタ159が無い。また、カウンタデータ入力装置160aが無く、それに代えて時刻管理を行うことができ、遊技終了時間を変更できるように構成され、スロットマシン800とは別電源を備えたリアルタイムクロック160bを備えるよう構成されている。リアルタイムクロック160bは、現在の時刻をデータ信号として入力ポート155を介して主制御装置131に送るよう構成されている。
次に、リアルタイムクロック160bを用いた遊技不能判定処理について、図33を用いて説明する。
まず、図33に示すようにステップS1801では、リアルタイムクロック160bに設定された遊技終了時刻と、現在の時刻を読み込む。続くステップS1802において現在の時刻が設定された時刻まで10分以内か否かを判定し、10分以内と判定されなかった場合、本遊技不能判定処理を終了する。ステップS1802において10分以内と判定された場合、ステップS1803に進み、現在の時刻が設定された時刻か否かを判定する。
ステップS1803において現在の時刻が設定された時刻ではないと判定された場合は、ステップS1804にて遊技可能残時間送信処理に行って、本遊技不能判定処理を終了する。遊技可能残時間送信処理とは、現在の時刻から遊技可能な残り時間を算出し、表示制御装置111に遊技可能な残り時間を送信することである。
一方、ステップS1803において、現在の時刻が設定された時刻であると判定された場合、ステップS1805に進み、遊技状態がBBゲームか否かを判定する。ステップS1805において遊技状態がBBゲームであることが判定された場合、ステップS1806に進み、現在の時刻が設定された時刻から10分間が経過しているか否かを判定する。
ステップS1806において、現在の時刻が設定された時間から10分間が経過していないと判定された場合、ステップS1804の遊技可能残時間送信処理に進む。この遊技可能残時間送信処理では、設定時間から10分後の時刻から遊技可能な残り時間を算出し、遊技可能な残り時間を表示制御装置111に送信する。遊技可能残時間送信処理を行ったら本遊技不能判定処理を終了する。
なお、ステップS1804において遊技可能な残り時間が送信された場合、遊技不能教示図柄設定処理は、遊技可能な残り時間が送信されたことに基づいて、最終BBゲーム教示図柄表示処理、残時間教示図柄表示処理をそれぞれ行う。具体的には、ステップS1601にて遊技終了時刻10分前か否かを判定し、ステップS1602にて、遊技終了時刻から10分間経過しているか否かを判定する。
ステップS1805において、遊技状態がBBゲームでないと判定された場合、又は、ステップS1806において、現在の時刻が設定された時刻から10分間が経過していると判定された場合は、ステップS1509においてRAM153の遊技不能フラグ格納エリア153cに遊技不能フラグをセットして本遊技不能判定処理を終了する。
なお、スロットマシン800における遊技不能処理のステップS1710、ステップS1711では、リアルタイムクロック160bを用いて10秒間待機する処理を行う。具体的には遊技不能処理のステップS1711にて現在の時刻を設定し、ステップS1712において設定された現在の時刻から10秒が経過したか否かを判定する。
以上詳述した第二の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
リアルタイムクロック160bを備える構成にした場合、時間経過を時刻から算出することができる。したがって、時刻を入力するのみで、スロットマシン800が遊技不能になる時間を設定することができる。
リアルタイムクロック160bに別電源を設けることによって、リアルタイムクロック160bはスロットマシン800に電源が入っているか否かに関係なく作動し続けることができる。遊技店の営業時間内に停電等のため遊技店が意図せずにスロットマシン800の電源が遮断されたとしても、リアルタイムクロック160bは作動しているため、何も操作することなく設定した時刻になるとスロットマシン800の電源が遮断される構成にすることができる。
リアルタイムクロック160bは時刻を用いて設定を変更することができるため、遊技店において閉店時間をリアルタイムクロック160bに設定するのみでよく、スロットマシン800にどのタイミングで電源が入れられたとしても設定された時刻になるとスロットマシン800の電源が遮断される構成にすることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記実施の形態では、RAM153に備えられた第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158及び第四カウンタ159に入力されている値を減算していくことによって、スロットマシン10に電源が入れられてからの時間経過を計る構成としたが、遊技店が意図してスロットマシン10の電源が遮断されたか否かをスロットマシン10が判断して、停電発生等のため遊技店が意図せずにスロットマシン10の電源が遮断されたと判断された場合、電源が遮断されている間も第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158及び第四カウンタ159の値を減算する構成にしてもよい。
この場合、停電等のために遊技店の営業時間内にスロットマシン10の電源が遮断されることがあっても、遊技店の営業時間が終了する時間に合わせてスロットマシン10の電源を遮断することができる。したがって、停電等の有無に関係なく遊技店の営業時間が経過している場合に、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。なお、停電等のためにスロットマシン10の電源が遮断されている間に時間経過を計ることができる構成にするならば、スロットマシン10が時間経過を計るために主制御装置131には独立した電力供給装置を設けるのが望ましいし、遊技店が意図してスロットマシン10の電源が遮断されたか否かを判断する装置を電源スイッチに付ける等、新たな装置を設ける必要性が考えられる。
(2)第二カウンタ157の値が0になった場合に、遊技状態がBBゲームの場合は、第二カウンタ157の値が0でない場合のBBゲームに表示される図柄とは無関係な図柄を表示して遊技可能な残り時間を教示してもよい。また、通常ゲームにおいて、第一カウンタ156の値が0になった場合には、第一カウンタ156の値が0でないときに表示される図柄に遊技可能な残り時間が追加した図柄が表示されてもよい。何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらには、第二カウンタ157の値が0になるまでは遊技可能な残り時間等を教示する図柄は表示されず、第二カウンタ157の値が0になった時点で遊技機の電源が遮断されることを教示するメッセージを表示してから遊技機の電源が切れてもよいし、第二カウンタ157の値が0になった時点で突然遊技機の電源が遮断される構成にしてもよい。
(3)上記実施の形態では、スロットマシン10、スロットマシン800について具体化した例を示したが、パチンコ機や、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。また、スロットマシンにおいても、BBゲーム以外の特別遊技状態があるスロットマシンや、BBゲームにおけるメダル払出枚数が348枚以外のスロットマシンや、いわゆるAタイプ、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ等、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。パチンコ機においてもいわゆる第一種、第二種、第三種等どのようなパチンコ機にこの発明を適用してもよい。遊技機の種類に関係なく何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(4)上記実施の形態では、スロットマシン10に電源が入れられてから所定時間が経過するとスロットマシン10の電源が遮断される構成としたが、所定時間が経過してもスロットマシン10の電源が遮断されることはなく、スロットマシン10が遊技不能になる又はスロットマシン10の一部の電源が遮断される構成でもよい。
なお、遊技不能な状態として、メダルをベットすることができない、スタートレバー71を操作しても遊技が始まらない、スタートレバー71を操作するとゲームは開始するがBBゲーム、又は子役の抽選が行われない等、スロットマシン10の遊技を行うことを阻害できる構成ならばよい。また、所定時間が経過するとスロットマシン10が遊技不能になる構成とするならば、遊技不能な状態から遊技可能な状態に制御する遊技可能制御手段と、遊技可能制御手段によって遊技可能に制御させるべく操作される遊技可能操作手段を設けることが望ましい。遊技可能操作手段としてリセットスイッチ123を用いてもよい。この場合、遊技不能な状態を解除するのに別途新しい装置を設ける必要がない。
また、一部の電源が遮断される構成においても、スタート検出センサ55、投入メダル検出センサ75a、又はCPU151に電力が供給されない等、遊技を行うことを阻害できる構成にすることによって、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(5)上記実施の形態では、RAM153に備えられたカウンタの値を参照して、時間経過を計る構成としたが、遊技店を管理するシステム(ホール管理装置等)が時間の管理を行い、所定時間が経過するとスロットマシン10に所定時間が経過したことを示す信号を送ってもよい。信号を受けることによって、遊技可能な残り時間を教示する図柄が補助表示部15に表示されたり、スロットマシン10の電源が遮断されたりする。遊技店におけるシステムが時間経過を管理するため、スロットマシン10が各タイマカウンタや、リアルクロックタイマ160b等、時間経過を計る装置等を備える必要がない。
(6)上記実施の形態では、第二カウンタ157の値が0になった場合に遊技状態がBBゲームの場合、第三カウンタ158の値が0になるまでの時間は遊技可能とし、遊技可能な残り時間と最後のBBゲームであることを教示する図柄を補助表示部15に表示する構成としたが、かかる構成に限定されるものではない。
BBゲームにおいても第二カウンタ157の値が0になった場合は遊技状態がBBゲームにおいてもスロットマシン10の電源が遮断される構成にしてもよいし、第三カウンタ158の値が0になるまでの時間に遊技可能な残り時間や最後のBBゲームであることを教示する図柄を表示せず、第三カウンタ158の値が0になったら遊技機の電源が遮断される構成にしてもよい。また、第三カウンタの値が0になった場合に遊技機の電源が遮断されることを教示する図柄を表示するのみにしてもよい。第二カウンタ157の値が0になるといかなる遊技状態においてもスロットマシン10の電源が遮断される構成にし、第二カウンタ157の値が0になるタイミングを遊技店の営業時間に合わせることにより、遊技店の営業時間が経過しているにもかかわらず、遊技者が遊技を続けることを一層抑制することができる。
(7)上記実施の形態では、遊技可能な残り時間が10分以内になると、遊技可能な残り時間を教示する図柄を補助表示部15に表示し、スロットマシン10の電源が遮断される場合には、スロットマシン10が遊技不能な状態になることを教示する図柄を補助表示部15に表示したが、かかる構成に限定されるものではない。遊技可能な残り時間や、スロットマシン10の電源が切れることを教示するのに図柄ではなく、音や光を用いて教示する構成でもよい。何れの構成にしても、予め定めた時間が経過するとスロットマシン10の電源が遮断され、設定された時間が経過している場合に、遊技者が遊技を続けることを抑制することができる。
(8)上記実施の形態では、第二カウンタ157には遊技店において入力する値を変更する構成としたが、予めスロットマシン10に何種類かの時間が設定されており遊技店毎に設定された時間の中から所定時間を選択できる構成にしてもよい。この場合、例えば電源が切れるまでの設定として15時間、14時間、13時間、10時間及び設定なしの5段階の設定が選択できるならば、13時間営業の遊技店なら13時間営業の設定、14時間営業の遊技店ならば14時間営業用の設定を選択すればよく、所定時間を設定する作業を容易に行うことができる。
(9)上記実施の形態では、第二カウンタ157に値を入力すると、10分間に相当する値が減算された値が第一カウンタ156に自動的に入力される構成にしたが、第一カウンタ156、第二カウンタ157に入力する値はそれぞれ個別に設定できてもよい。ただし、個別に設定できるならば、第一カウンタ156の値と第二カウンタ157の値とを比較して、第二カウンタ157の値の方が、数値が大きくなければエラーとするか、数値が大きい方を自動的に電源が遮断されるまでの時間として扱う構成にするのが望ましい。
(10)上記実施の形態では、第一カウンタ156、第二カウンタ157、第三カウンタ158及び第四カウンタ159に入力された値がタイマ割込み処理にて(具体的には1.49msec周期)減算されていく構成としたが、タイマ割込み処理にて、各カウンタの値が加算されていく構成としてもよい。また、減算される周期が1.49msec周期でなくともよく、1.50msec、2.00msec、2.50msecや3.00msec周期等で減算される構成にしてもよい。1.49msec周期以外で加算される構成にするならば、各カウンタの値が予め設定した値になった場合に、それぞれの時間が経過したと判断する構成にすればよい。かかる構成にしても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(11)上記実施の形態では、遊技可能な残り時間や、遊技機が遊技不能になることを教示する図柄が、補助表示部15に表示される構成とした。この構成に加え、補助表示部15に図柄が表示される際、補助表示部15に図柄が表示されることをスピーカ14が報知してもよい。かかる構成によれば、スピーカ14が報知することによって補助表示部15に図柄が表示されることを遊技者に容易に理解させることができる。
(12)上記実施の形態では、所定時間が経過した場合に遊技状態がBBゲームであった場合、BBゲームを遊技できる時間は10分としたがかかる構成に限定されるものではない。BBゲームを遊技できる時間が3分、5分、15分等、何分でも構わないし、BBゲームを遊技できる時間が遊技機毎に設定できる構成にしても構わない。ただし、BBゲームを遊技できる時間は、一度のBBゲームが開始してから終了するまで遊技を行うのに充分な時間を設定しなければならない。かかる構成にしても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(13)上記実施の形態では、第二カウンタ157に値を入力すると、10分間に相当する値が減算された値が第一カウンタ156に自動的に入力される構成にしたが、10分間以外に相当する値が減算されて第一カウンタ156に入力される構成にしてもよい。減算される値が3分、5分、15分等、何分に対応した値でも構わない。かかる構成にしても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(14)上記実施の形態では、図柄等を補助表示部15に表示するよう表示制御装置111が表示制御する構成としたが、主制御装置131が補助表示部15を表示制御する構成であってもよい。かかる構成にしても、上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
(15)上記実施の形態では、スロットマシン10の電源が遮断される場合に、リール42L〜42Rが回転している場合は、当選フラグがリセットされ、リール42L〜42Rが停止される構成にしたがかかる構成に限定されるものではない。当選フラグをリセットしない構成にしてもよいし、リール42L〜42Rを停止するよう指令が発生されない構成にしてもよい。当選フラグをリセットしないならば、図29の遊技不能処理におけるステップS1702のスベリテーブル変更処理を行う必要がなくなる。
(16)上記実施の形態では、スロットマシン10が遊技不能に制御される場合に、貯留している仮想メダルが実際のメダルとして払い出されてから電源が遮断される構成としたが、仮想メダルが実際のメダルとして払い出されなくてもよい。
(17)上記実施の形態では、スロットマシン10が遊技不能に制御される場合に、RAM153、183に入力されている値をクリアする構成としたが、RAM153、183の値がクリアされなくてもよい。RAM153、183の値がクリアされない構成にするならば、スロットマシン10に再び電源が入れられた場合、遊技不能に制御される前の状態に復帰することができる。
(18)上記実施の形態ではBBゲームにおいて1枚ベット設定処理を実行する構成としたが、BBゲームにおけるベット枚数は任意であり、例えば、通常ゲームと同様に任意ベット設定処理を実行する構成としてもよい。また、2枚ベットに限定される2枚ベット設定処理や3枚ベットに限定される3枚ベット設定処理を実行する構成としてもよい。
(19)BBゲーム中におけるメダルの総払出枚数(付与累積数)の計測に関して、付与累積数把握手段としての残払出枚数カウンタ154に規定数に対応する値(具体的には、「348」)をセットし、それを減算していく構成とした。つまり、上記実施の形態における「規定数に達したか否かを判断する」とは、付与累積数把握手段にセットした規定数に対応した値が「0」となったか否かを判断するという意味になる。かかる構成を以下のように変更してもよい。すなわち、付与累積数把握手段には初期値として「0」をセットし、それに対してメダルの払出枚数を加算していく構成としてもよい。つまり、本構成における「規定数に達したか否かを判断する」とは、付与累積数把握手段の値が規定数に到達したか否かを判断するという意味になる。
(20)リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する絵柄表示装置の一例であり、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
(21)上記実施の形態では、円筒骨格部材50の外周面に、図柄が印刷されたベルトを貼付する構成としたが、円筒骨格部材とベルトとを一体形成し、このベルトの外周面に図柄を個別に貼付する構成としてもよい。かかる場合には、この一体形成の外周面が無端状ベルトに相当する。
(22)CTゲーム,RTゲーム,ATゲームなどを備えたタイプなど、BBゲームを備えているのであればどのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(23)BBゲーム、通常ゲームにおいて補助表示部15に表示される図柄は、遊技者に認識可能な構成ならばよく、動画や静止図柄等、表示態様を限定しない。何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。