JP5036111B2 - Process for producing substituted cyclopentadiene - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、置換シクロペンタジエンの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ファインケミカル中間体、医農薬中間体の合成前駆体として、また、メタロセン触媒のようなオレフィン重合用触媒の合成前駆体として有用である5−および/または1−置換シクロペンタジエンを、工業的規模で高選択的に且つ簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、置換シクロペンタジエンには、置換基の位置により、3種の異性体の存在が知られている。5−、1−、および2−置換シクロペンタジエンである。熱力学的に安定な平衡状態では、1−体と2−体がほぼ等量と少量の5−体からなる異性体混合物である(式(1))。
【0003】
【化1】
【0004】
置換シクロペンタジエンを製造する一般的な方法は、シクロペンタジエンの活性水素を塩基で引き抜いて得られるシクロペンタジエニルアニオンと、ハロゲン化アルキル等の求電子剤を反応させる方法である。例えば、液体アンモニア中で金属ナトリウムとシクロペンタジエンを反応させて得られるシクロペンタジエニルアニオン(シクロペンタジエニル金属)溶液に、等量のハロゲン化アルキルを滴下する方法(Izv.Vyssh.Vchebn.Zaved.,Khim.Khim.Technol.,19(10),1511頁(1970))があげられる。しかし、この方法のように、シクロペンタジエニルアニオンに対して求電子剤を添加する方法では、本発明が目的とする5−および/または1−置換シクロペンタジエンを高選択的に得ることは困難で、平衡混合物(1−体と2−体がほぼ等量)の置換シクロペンタジエンしか得られない。その原因は以下のように考察される。
【0005】
置換シクロペンタジエンには二重結合と置換基の位置の違いにより、1−体、2−体および5−体の3種の異性体が存在することは前述のとおりである。シクロペンタジエンと塩基からシクロペンタジエニルアニオンを得、これと求電子剤を反応させると先ず5−体が一旦生成したあと、1−体と2−体に異性化し、平衡状態では少量の5−体とともに1−体と2−体がほぼ等量で存在していることが知られている(式(2))。
【0006】
【化2】
【0007】
V.A.Mironovらは、シクロペンタジエニル金属への置換は、まず5−体が生成し、5−体の置換基の付いている炭素上の水素が隣接する炭素に1,2−水素移動して1−体に異性化、さらに1−体のメチレンプロトンが同じように隣の炭素に1,2−水素移動して2−体に異性化することを明らかにした。さらに5−体から1−体への異性化はより低温でも進むが、1−体から2−体への異性化はより高温が必要であることも示した(Tetrahedron,vol.19,1939頁(1963))(式(3))。
【0008】
【化3】
【0009】
したがって、異性化が1,2−水素移動により進むものであれば、2−体の生成を最小限にして5−体および/または1−体を生成することは可能である。
一方、S.McLeanらは、上記の1,2−水素移動による異性化は強塩基が存在しないときに有効であり、塩基が存在すると5−体からの活性水素引き抜きが起こり置換シクロペンタジエニルアニオンが生成し、これを経由して異性化が進行し、平衡混合物が生成すると述べている(Tetrahedron、vol.21,2313頁、2329頁(1965))(式(4))。
【0010】
【化4】
【0011】
すなわち、塩基が存在すると、5−体および/または1−体を選択的に合成することはできず、1−体と2−体がほぼ等量の平衡混合物が生成することを意味している。従って、言い換えれば、5−体および/または1−体を選択的に合成するには、一旦生成した置換シクロペンタジエンと塩基を接触させないことが必須条件と言える。ここで言う塩基としては、反応に必要なシクロペンタジエニルアニオンも含まれる。
したがって、シクロペンタジエニルアニオンの溶液に、求電子剤を滴下する方法では、反応系中にシクロペンタジエニルアニオン(塩基)が存在する状態で反応を実施するため、一旦生成した5−体の活性水素の引き抜きが起こりやすく、5−体および/または1−体を選択的に合成することは困難である。
【0012】
上記の問題を解決する方法として、求電子剤に対しシクロペンタジエニルアニオンを滴下する方法が知られている。例えば、ジメトキシエタンやジグライムなどの有機溶媒中、金属ナトリウムとシクロペンタジエンからシクロペンタジエニルアニオンの溶液を得、これをアルキル化剤(求電子剤)に滴下する方法(Tetrahedron,vol.21,2313頁(1965))が知られている。これは、過剰の求電子剤に対しシクロペンタジエニルアニオンを少量ずつ滴下することで、シクロペンタジエニルアニオンを瞬時に反応させ、系中のシクロペンタジエニルアニオン濃度を低く抑えるという考え方であり、実際に5−体および/または1−体を選択的に合成することが可能な方法である。しかし、この方法は、反応性の高い求電子剤(1級ハロゲン化アルキルなど)に対してのみ有効な方法であって、反応性の低い求電子剤(2級や3級のハロゲン化アルキルなど)に対しては無効である。なぜならば、反応性の低い求電子剤の場合、滴下したシクロペンタジエニルアニオンが瞬時には反応しないため、系中にシクロペンタジエニルアニオン(塩基)が蓄積するからである。また、この方法は、特に工業的規模での実施において重大な問題があった。すなわち、この方法では、シクロペンタジエンに塩基を作用させてシクロペンタジエニルアニオンを一つの反応器で製造し、得られたシクロペンタジエニルアニオンを、予め求電子剤を仕込んだもう一つの反応器に滴下するという形態をとるため、2つの反応器を要するという不利益があった。しかも、シクロペンタジエニルアニオン溶液は水分や酸素を極度に嫌うため、それを滴下するためのポンプ等の装置は特殊な仕様のものを必要とするという不利益もあった。
【0013】
WO99/50215公報には、生成物の置換シクロペンタジエンと二液相を形成する溶媒中で反応を実施することにより、置換シクロペンタジエンと塩基(シクロペンタジエニルアニオン)との接触を防ぎ、5−体および/または1−体を選択的に合成する技術が記載されている。この技術によれば、シクロペンタジエニルアニオンに対し求電子剤を滴下するという手順でも、高選択率で目的の異性体を製造することが可能であるが、本発明者らの実験の結果、この技術で高選択率を得るには限界があることがわかった。この技術の原理は、置換シクロペンタジエンと未反応のシクロペンタジエニルアニオン(塩基)との接触を相分離現象を利用して防ぐことである。すなわち、置換シクロペンタジエンと塩基との接触は二相の界面に限られるので、均一系に比較して接触の機会は劇的に減少する。
【0014】
しかし、塩基との接触は皆無ではないので、反応時間が長期に及んだ場合には、このような相分離現象のみでは異性化を抑制しきれず、得られる置換シクロペンタジエンの組成が平衡混合物に漸近してしまうという問題があった。シクロペンタジエニルアニオンと求電子剤の反応はかなり大きな発熱反応であるため、特に工業的規模での実施においては反応熱の除去に時間を要する。そのため、反応熱の除去が求電子剤滴下の律速過程となり、反応時間が長期に及ぶ場合が多い。
したがって、反応時間の延長に伴って異性化が進行してしまうという上記の問題は、工業的規模での実施における重大な問題であった。
以上述べたように、工業的規模において5−および/または1−置換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造する技術は未だ開示されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的規模において5−および/または1−置換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造する技術を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、求電子剤の存在下でシクロペンタジエニルアニオンを発生させると、反応時間が長期に及ぶ場合であっても、高選択的に5−および/または1−置換シクロペンタジエンが得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.シクロペンタジエンと求電子剤の共存する溶液から、5−および/または1−置換シクロペンタジエンを製造する方法であって、求電子剤の存在下でシクロペンタジエニルアニオンを発生させることを特徴とする置換シクロペンタジエンの製造方法。
2.シクロペンタジエンと求電子剤の共存する溶液に対し、塩基を添加することによりシクロペンタジエニルアニオンを発生させることを特徴とする、1.記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。
【0017】
3.ジメチルスルホキシドの存在下で実施することを特徴とする、1.または2.記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。
4.塩基が水酸化カリウムである1.から3.のいずれかに記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。
5.反応系中の水分率が10wt%以下であることを特徴とする、1.から4.のいずれかに記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。
6.不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴とする、1.から5.のいずれかに記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明においては、求電子剤の存在下でシクロペンタジエニルアニオンを発生させることが必須要件である。求電子剤の存在下でシクロペンタジエニルアニオンを発生させることにより高選択率で5−および/または1−置換シクロペンタジエンが得られることは本発明者らが見出した驚くべき事実である。本発明の必須要件を満足することで5−および/または1−置換シクロペンタジエンが高選択率で得られる機構は、発生したシクロペンタジエニルアニオン(塩基)が速やかに求電子剤と反応するため、生成物(5−置換シクロペンタジエン)と塩基との接触が効果的に抑制されることであると推察される。本発明の方法によれば、反応時間が10〜20時間といった長時間に及ぶ場合においても、高選択率が得られる。本発明の必須要件を満足しない場合、例えば、求電子剤の存在しない状態で別途調製したシクロペンタジエニルアニオンに対し求電子剤を滴下する方法では、一旦生成した5−置換シクロペンタジエンが、反応系中に予め存在するシクロペンタジエニルアニオン(塩基)により異性化してしまうという本質的問題があり、仮に相分離現象を利用してそれらの接触を極力抑えたとしても、反応時間が長期化した場合には異性化が無視できない程度に進行してしまう。
【0019】
一方、求電子剤の存在しない状態で別途調製したシクロペンタジエニルアニオンを求電子剤に対して滴下する方法では、反応性の低い求電子剤(2級ハロゲン化アルキルなど)の場合には異性化を抑制しきれない。しかもこの方法の場合、別途調製したシクロペンタジエニルアニオン溶液を、予め求電子剤を仕込んだ別の反応器に滴下するという形態をとるため、2つの反応器を要し、しかも、シクロペンタジエニルアニオン溶液は水分や酸素を極度に嫌うため、それを滴下するためのポンプ等の装置は特殊な仕様のものを必要とするという経済的不利益や煩雑さが生じる。
【0020】
シクロペンタジエンと求電子剤の共存下でシクロペンタジエニルアニオンを発生させる方法は制限はなく、この条件を満足する一般的な方法を採用すればよい。例えば、シクロペンタジエンと求電子剤を溶解した溶液を攪拌しておき、そこに固体や液体の塩基を徐々に添加する方法や、シクロペンタジエン、求電子剤および固体塩基の三者を予め混合した溶液中で、固体塩基の溶解に伴ってシクロペンタジエニルアニオンを徐々に発生させる方法など、極めて簡便な方法があげられる。
【0021】
本発明で用いる塩基は、シクロペンタジエンの活性水素を引き抜く能力のあるものであれば制限はない。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド(メトキシド、エトキシド、t−ブトキシドなど)、アルキルリチウム(メチルリチウム、ブチルリチウム、t−ブチルリチウムなど)、アルキル金属アミド、アルキルマグネシウムハライド(グリニャール試薬)などがあげられるが、好ましくは、アルカリ金属の水酸化物であり、さらに好ましくは水酸化カリウムである。
塩基の性状は特に制限はなく、反応規模や装置に応じ適宜選定すればよい。たとえば、フレーク状、粒状、粉末状、溶液状などがあげられるが、工業的実施においては、フレーク状、粒状もしくは溶液状が好ましい。さらに好ましくはフレーク状もしくは粒状である。
【0022】
本発明で用いる反応溶媒は特に制限はなく、汎用の溶媒を用いればよい。例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドなどがあげられるが、非プロトン性極性溶媒が好ましい。もっとも好ましいのはジメチルスルホキシドである。また、これらの溶媒と、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒との混合溶媒を用いてもよい。
【0023】
本発明の反応系における水分率は特に制限はないが、目的とする5−および/または1−置換シクロペンタジエンの選択率を維持する意味で10wt%以下が好ましい。さらに好ましくは5wt%以下である。
本発明の反応を実施する場合の雰囲気ガスの種類は特に制限はないが、目的とする5−および/または1−置換シクロペンタジエンの選択率維持、および純度確保の点から不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。不活性ガスとしては例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどがあげられるが、実用的観点から窒素が好ましい。
【0024】
本発明におけるシクロペンタジエンと塩基との量比は、特に限定されるものではないが、シクロペンタジエニルを有効にアニオンに変換させられる点から0.1以上、また目的とする5−および/または1−置換シクロペンタジエンの選択率を維持させられる点から10以下にすることが好ましい。より好ましくは0.5から2.0の範囲であり、さらに好ましくは0.8から1.5の範囲である。
本発明におけるシクロペンタジエンと求電子剤との量比は、特に限定されるものではないが、実用的な反応速度が確保できる点から0.1以上、また求電子剤が有効に利用され得る点から10以下にすることが好ましい。より好ましくは、0.5から3.0の範囲であり、さらに好ましくは0.8から2.0の範囲である。
【0025】
本発明の反応温度は特に制限はないが、実用的な反応速度が確保できる点から−30℃以上、また生成した5−および/または1−置換シクロペンタジエンが2−置換シクロペンタジエンまで異性化してしまうことが抑制できる点から100℃以下にすることが好ましい。より好ましくは−10℃から80℃、さらに好ましくは−5℃から50℃である。圧力は常圧もしくは加圧下で実施できる。シクロペンタジエンの常圧での沸点は約40℃なので、常圧−開放系で行う場合には、シクロペンタジエンのロスを防ぐために還流冷却器を備えた反応器で実施する方が好ましい。またシクロペンタジエンと塩基との反応、および求電子剤との反応は発熱反応であるため、除熱機構を備えた反応器を用いるのが好ましい。
【0026】
本発明でいう求電子剤とは、シクロペンタジエニルアニオンに対する求電子反応を起こすものであれば制限はなく、例えば一般式R−Xで表される。ここでRは、水素、または直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基を表し、直鎖状または分岐状を問わない。また不飽和結合が含まれていてもかまわない。また酸素、窒素、ケイ素、ハロゲンなどのヘテロ原子が含まれていてもかまわない。
【0027】
アルキル基としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0028】
アルケニル基としては一般式−CH=CR1R2で表され、アルキニル基としては一般式−CH=C−R1で表される。R1、R2は水素または炭化水素基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0029】
シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シクロヘキサジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−1−イル、2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロヘプテン−1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、シクロオクチル、1−シクロオクテン−1−イル、2−シクロオクテン−1−イル、シクロノニル、シクロデシルなどが挙げられる。
【0030】
また酸素が含まれるものとしては、今まで述べた基に一般式−OR3や一般式−COOR4で表される置換基が付いたものが挙げられる。R3やR4は水素または炭化水素基であり例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。また今まで述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲンが含まれていてもかまわない。Xはハロゲン原子、パラトルエンスルホネート基またはアルキルスルホネート基を表す。
【0031】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
なお、実施例等における生成物のガスクロマトグラフィーによる分析条件は下記のとおりである。
装置:島津製作所GC−14A、島津製作所クロマトパックCR−4A
カラム:J&Wサイエンティフィック社キャピラリーカラムDB−1
(長さ30m×内径0.25mm、液相膜厚0.25μm)
温度条件:カラム40℃×5分→250℃(10℃/分)
注入口60℃、検出器250℃(FID)
【0032】
【実施例1】
ジメチルスルホキシド578.3kg(7.401kmol)、シクロペンタジエン101.2kg(純度97.0%、1.485kmol)、イソプロピルブロマイド302.3kg(2.458kmol)からなる溶液をジャケット付反応器に仕込み、窒素置換した。該溶液温度を5℃に維持しつつ、攪拌しながら、窒素気流下で水酸化カリウム72.0kg(純度96%、1.232kmol)を8時間かけて添加した。水酸化カリウム添加終了後、5℃でさらに4時間攪拌した後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、35%塩酸6.03kgと水432.8kgの混合物を加えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、イソプロピルシクロペンタジエン(5−体:48.23kg、1−体:72.07kg、2−体:8.40kg)を含有する有機層を得た。5−および/または1−イソプロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全イソプロピルシクロペンタジエンに対する5−および/または1−イソプロピルシクロペンタジエンの比率)は93.5%であった。
【0033】
【実施例2】
ジメチルスルホキシド605.2kg(7.746kmol)、シクロペンタジエン106.1kg(純度96.5%、1.549kmol)、n−プロピルブロマイド317.6kg(2.582kmol)からなる溶液をジャケット付反応器に仕込み、窒素置換した。該溶液温度を5℃に維持しつつ、攪拌しながら、窒素気流下で水酸化カリウム75.5kg(純度96%、1.291kmol)を8時間かけて添加した。水酸化カリウム添加終了後、5℃でさらに4時間攪拌した後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、35%塩酸6.31kgと水453.0kgの混合物を加えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、n−プロピルシクロペンタジエン(5−体:48.48kg、1−体:75.76kg、2−体:10.12kg)を含有する有機層を得た。5−および/または1−n−プロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全イソプロピルシクロペンタジエンに対する5−および/または1−n−プロピルシクロペンタジエンの比率)は92.5%であった。
【0034】
【比較例1】
ジメチルスルホキシド805.1kg(10.305kmol)、シクロペンタジエン142.8kg(純度96.3%、2.081kmol)、水酸化カリウム100.4kg(純度96%、1.718kmol)を、ジャケット付反応器に加え、窒素気流下、室温で3時間撹拌することによってシクロペンタジエニルカリウム(シクロペンタジエニルアニオン)溶液を得た。
【0035】
該シクロペンタジエニルカリウム溶液の温度を5℃に保ちつつ、撹拌しながら、イソプロピルブロマイド422.4kg(3.434kmol)を滴下した。ジャケットに冷媒(−30℃)を流通し反応熱を除去しつつ反応を実施したが、反応熱の除去がイソプロピルブロマイド滴下の律速過程となり、液温度を5℃に維持するには8時間という長時間をかけてイソプロピルブロマイドを滴下する必要があった。滴下終了後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、35%塩酸8.65kgと水602.5kgの混合物を加えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、イソプロピルシクロペンタジエン(5−体:35.51kg、1−体:82.26kg、2−体:64.06kg)を含有する有機層を得た。5−および/または1−イソプロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全イソプロピルシクロペンタジエンに対する5−および/または1−イソプロピルシクロペンタジエンの比率)は64.8%であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、反応時間が長期に及ぶ場合であっても、目的とする5−および/または1−置換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造することができ、工業的規模における実施も可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a substituted cyclopentadiene. More specifically, 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene, which is useful as a synthesis precursor for fine chemical intermediates, pharmaceutical and agrochemical intermediates, and as a synthesis precursor for olefin polymerization catalysts such as metallocene catalysts, The present invention relates to a method for highly selective and simple production on a target scale.
[0002]
[Prior art]
In general, substituted cyclopentadiene is known to have three isomers depending on the position of the substituent. 5-, 1-, and 2-substituted cyclopentadiene. In the thermodynamically stable equilibrium state, the 1-isomer and the 2-isomer are an isomer mixture composed of approximately the same amount and a small amount of the 5-isomer (formula (1)).
[0003]
[Chemical 1]
[0004]
A general method for producing a substituted cyclopentadiene is a method in which a cyclopentadienyl anion obtained by extracting active hydrogen of cyclopentadiene with a base and an electrophile such as an alkyl halide are reacted. For example, a method of dropping an equal amount of alkyl halide into a solution of cyclopentadienyl anion (cyclopentadienyl metal) obtained by reacting sodium metal and cyclopentadiene in liquid ammonia (Izv. Vyssh. Vchebn. Zaved) , Khim.Khim.Technol., 19 (10), page 1511 (1970)). However, with this method of adding an electrophile to the cyclopentadienyl anion, it is difficult to obtain the 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene targeted by the present invention with high selectivity. Thus, only a substituted cyclopentadiene in an equilibrium mixture (1 and 2 forms are approximately equal) can be obtained. The cause is considered as follows.
[0005]
As described above, substituted cyclopentadiene has three types of isomers, ie, 1-isomer, 2-isomer and 5-isomer, depending on the position of the double bond and the substituent. When a cyclopentadienyl anion is obtained from cyclopentadiene and a base and this is reacted with an electrophile, a 5-isomer is first formed, then isomerized into a 1-isomer and a 2-isomer, and in equilibrium, a small amount of 5- It is known that 1-isomer and 2-isomer are present in approximately equal amounts with the body (formula (2)).
[0006]
[Chemical 2]
[0007]
V. A. Mironov et al. Describe the substitution to a cyclopentadienyl metal by first producing a 5-isomer, and transferring the hydrogen on the carbon with the 5-isomer substituent to 1,2-hydrogen to the adjacent carbon. It was clarified that the 1-isomer methylene protons were isomerized to the 2-isomer by transferring 1,2-hydrogen to the adjacent carbon in the same manner. Furthermore, although isomerization from the 5-isomer to the 1-isomer proceeds even at lower temperatures, it was also shown that the isomerization from the 1-isomer to the 2-isomer requires a higher temperature (Tetrahedron, vol. 19, page 1939). (1963)) (Formula (3)).
[0008]
[Chemical 3]
[0009]
Therefore, if the isomerization proceeds by 1,2-hydrogen transfer, it is possible to produce the 5-isomer and / or the 1-isomer with minimal formation of the 2-isomer.
On the other hand, S.M. McLean et al., Isomerization by 1,2-hydrogen transfer is effective when a strong base is not present, and when a base is present, active hydrogen is extracted from the 5-isomer and a substituted cyclopentadienyl anion is generated. Isomerization proceeds via this, and an equilibrium mixture is formed (Tetrahedron, vol. 21, pages 2313, 2329 (1965)) (formula (4)).
[0010]
[Formula 4]
[0011]
That is, in the presence of a base, 5-isomer and / or 1-isomer cannot be selectively synthesized, which means that an equilibrium mixture in which 1-isomer and 2-isomer are almost equal is formed. . Therefore, in other words, in order to selectively synthesize 5-isomer and / or 1-isomer, it can be said that it is an indispensable condition that the substituted cyclopentadiene once generated is not brought into contact with the base. The base mentioned here includes a cyclopentadienyl anion necessary for the reaction.
Therefore, in the method of dropping an electrophile into a solution of cyclopentadienyl anion, the reaction is carried out in the presence of cyclopentadienyl anion (base) in the reaction system. Active hydrogen is easily extracted, and it is difficult to selectively synthesize 5-isomer and / or 1-isomer.
[0012]
As a method for solving the above problem, a method of dropping a cyclopentadienyl anion to an electrophile is known. For example, a method of obtaining a solution of cyclopentadienyl anion from metal sodium and cyclopentadiene in an organic solvent such as dimethoxyethane or diglyme, and dropping this into an alkylating agent (electrophile) (Tetrahedron, vol. 21, 313) Page (1965)) is known. This is the idea that cyclopentadienyl anion reacts instantaneously by dripping small amount of cyclopentadienyl anion to excess electrophile to keep cyclopentadienyl anion concentration in the system low. In fact, this is a method capable of selectively synthesizing 5-isomer and / or 1-isomer. However, this method is effective only for highly reactive electrophiles (primary alkyl halides, etc.), and has low reactivity electrophilic agents (secondary or tertiary alkyl halides, etc.). ) Is invalid. This is because, in the case of an electrophile with low reactivity, the dropped cyclopentadienyl anion does not react instantaneously, so that cyclopentadienyl anion (base) accumulates in the system. In addition, this method has a serious problem especially in the implementation on an industrial scale. That is, in this method, a cyclopentadiene is reacted with a base to produce a cyclopentadienyl anion in one reactor, and the obtained cyclopentadienyl anion is converted into another reactor in which an electrophile is charged in advance. There was a disadvantage that two reactors were required because it took the form of dripping. In addition, since the cyclopentadienyl anion solution is extremely disliked of moisture and oxygen, there is a disadvantage that a device such as a pump for dropping the solution requires a special specification.
[0013]
WO 99/50215 discloses that the reaction between the substituted cyclopentadiene and the base (cyclopentadienyl anion) is prevented by carrying out the reaction in a solvent that forms a two-liquid phase with the product substituted cyclopentadiene. Techniques for selectively synthesizing the body and / or 1-body are described. According to this technique, it is possible to produce the target isomer with high selectivity even by the procedure of dropping an electrophile to the cyclopentadienyl anion, but as a result of experiments by the present inventors, It was found that there was a limit to obtaining high selectivity with this technology. The principle of this technology is to prevent contact between the substituted cyclopentadiene and the unreacted cyclopentadienyl anion (base) by utilizing a phase separation phenomenon. That is, since contact between the substituted cyclopentadiene and the base is limited to the two-phase interface, the chance of contact is dramatically reduced compared to a homogeneous system.
[0014]
However, since there is no contact with the base, when the reaction time is long, the isomerization cannot be suppressed only by such a phase separation phenomenon, and the composition of the substituted cyclopentadiene obtained becomes an equilibrium mixture. There was a problem of asymptotics. Since the reaction between the cyclopentadienyl anion and the electrophile is a considerably exothermic reaction, it takes time to remove the heat of reaction, particularly in the implementation on an industrial scale. Therefore, removal of heat of reaction becomes a rate-determining process of electrophile dripping, and the reaction time often takes a long time.
Therefore, the above-mentioned problem that isomerization proceeds with the extension of the reaction time has been a serious problem in implementation on an industrial scale.
As described above, a technique for producing 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene with high selectivity and convenience on an industrial scale has not yet been disclosed.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
An object of this invention is to provide the technique which manufactures 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene highly selectively and simply on an industrial scale.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies on the above problems, the inventors of the present invention are highly selective when a cyclopentadienyl anion is generated in the presence of an electrophile, even when the reaction time is long. It has been found that -and / or 1-substituted cyclopentadiene can be obtained and the present invention has been completed. That is, the present invention is as follows.
1. A method for producing 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene from a solution in which cyclopentadiene and an electrophile coexist, wherein cyclopentadienyl anion is generated in the presence of the electrophile. Process for producing substituted cyclopentadiene.
2. 1. A cyclopentadienyl anion is generated by adding a base to a solution in which cyclopentadiene and an electrophile coexist. The manufacturing method of substituted cyclopentadiene of description.
[0017]
3. Characterized in that it is carried out in the presence of dimethyl sulfoxide; Or 2. The manufacturing method of substituted cyclopentadiene of description.
4). 1. The base is potassium hydroxide To 3. The manufacturing method of substituted cyclopentadiene in any one of these.
5. 1. The water content in the reaction system is 10 wt% or less. To 4. The manufacturing method of substituted cyclopentadiene in any one of these.
6). 1. It is performed in an inert gas atmosphere. To 5. The manufacturing method of substituted cyclopentadiene in any one of these.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be specifically described.
In the present invention, it is essential to generate a cyclopentadienyl anion in the presence of an electrophile. It is a surprising fact that the inventors have found that 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene can be obtained with high selectivity by generating cyclopentadienyl anions in the presence of electrophiles. The mechanism by which 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene is obtained with high selectivity by satisfying the essential requirements of the present invention is that the generated cyclopentadienyl anion (base) reacts with the electrophile quickly. It is speculated that the contact between the product (5-substituted cyclopentadiene) and the base is effectively suppressed. According to the method of the present invention, a high selectivity can be obtained even when the reaction time is as long as 10 to 20 hours. When the essential requirements of the present invention are not satisfied, for example, in a method in which an electrophile is added dropwise to a cyclopentadienyl anion separately prepared in the absence of an electrophile, the 5-substituted cyclopentadiene once generated is reacted. There is an essential problem of isomerization by the cyclopentadienyl anion (base) pre-existing in the system, and even if the contact is suppressed as much as possible using the phase separation phenomenon, the reaction time is prolonged. In some cases, isomerization proceeds to a degree that cannot be ignored.
[0019]
On the other hand, in the method in which a cyclopentadienyl anion separately prepared in the absence of an electrophile is dropped onto the electrophile, an isophile is obtained in the case of a low-reactivity electrophile (secondary alkyl halide, etc.). Can not be suppressed. In addition, in the case of this method, since a cyclopentadienyl anion solution prepared separately is added dropwise to another reactor charged with an electrophile in advance, two reactors are required. Since an anion anion solution is extremely disliked of moisture and oxygen, there is an economical disadvantage and complexity that a device such as a pump for dropping the liquid needs a special specification.
[0020]
The method for generating the cyclopentadienyl anion in the presence of cyclopentadiene and an electrophile is not limited, and a general method that satisfies this condition may be adopted. For example, a solution in which cyclopentadiene and an electrophile are dissolved is stirred, and a solid or liquid base is gradually added thereto, or a solution in which the three of cyclopentadiene, electrophile and solid base are mixed in advance. Among them, an extremely simple method such as a method of gradually generating a cyclopentadienyl anion with dissolution of a solid base can be mentioned.
[0021]
The base used in the present invention is not limited as long as it has an ability to extract active hydrogen of cyclopentadiene. For example, alkali metal, alkaline earth metal, alkali metal or alkaline earth metal hydroxide, alkoxide of alkali metal or alkaline earth metal (methoxide, ethoxide, t-butoxide, etc.), alkyl lithium (methyl lithium, butyl lithium) , T-butyllithium, etc.), alkyl metal amides, alkyl magnesium halides (Grignard reagent), and the like. Preferred are alkali metal hydroxides, and more preferred is potassium hydroxide.
The nature of the base is not particularly limited and may be appropriately selected depending on the reaction scale and the apparatus. For example, flakes, granules, powders, solutions and the like can be mentioned. In industrial practice, flakes, granules or solutions are preferred. More preferably, it is flaky or granular.
[0022]
There is no restriction | limiting in particular in the reaction solvent used by this invention, What is necessary is just to use a general purpose solvent. Examples include diethyl ether, tetrahydrofuran, acetonitrile, dimethyl sulfoxide, N, N-dimethylformamide, formamide, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, N-methylpyrrolidone, hexamethylphosphorotriamide, etc. Protic polar solvents are preferred. Most preferred is dimethyl sulfoxide. A mixed solvent of these solvents and a hydrocarbon solvent such as hexane, heptane, octane, and cyclohexane may be used.
[0023]
The water content in the reaction system of the present invention is not particularly limited, but is preferably 10 wt% or less in order to maintain the selectivity of the desired 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene. More preferably, it is 5 wt% or less.
There are no particular restrictions on the type of atmospheric gas used in carrying out the reaction of the present invention, but in an inert gas atmosphere in view of maintaining the selectivity of the desired 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene and ensuring purity. It is preferred to do so. Examples of the inert gas include nitrogen, helium, neon, and argon. Nitrogen is preferable from a practical viewpoint.
[0024]
The amount ratio of cyclopentadiene and base in the present invention is not particularly limited, but is 0.1 or more from the point that cyclopentadienyl can be effectively converted into an anion, and the intended 5-and / or It is preferable to make it 10 or less from the point which can maintain the selectivity of 1-substituted cyclopentadiene. More preferably, it is in the range of 0.5 to 2.0, and more preferably in the range of 0.8 to 1.5.
The amount ratio of cyclopentadiene and electrophile in the present invention is not particularly limited, but is 0.1 or more from the viewpoint that a practical reaction rate can be secured, and the electrophile can be used effectively. To 10 or less. More preferably, it is in the range of 0.5 to 3.0, and more preferably in the range of 0.8 to 2.0.
[0025]
The reaction temperature of the present invention is not particularly limited, but is −30 ° C. or higher from the viewpoint of ensuring a practical reaction rate, and the produced 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene is isomerized to 2-substituted cyclopentadiene. It is preferable to make it 100 degrees C or less from the point which can suppress that. More preferably, it is -10 degreeC to 80 degreeC, More preferably, it is -5 degreeC to 50 degreeC. The pressure can be carried out at normal pressure or under pressure. Since the boiling point of cyclopentadiene at normal pressure is about 40 ° C., the reaction is preferably carried out in a reactor equipped with a reflux condenser in order to prevent loss of cyclopentadiene when the reaction is carried out in a normal pressure-open system. Moreover, since the reaction between cyclopentadiene and a base and the reaction with an electrophile are exothermic reactions, it is preferable to use a reactor equipped with a heat removal mechanism.
[0026]
The electrophile referred to in the present invention is not particularly limited as long as it causes an electrophilic reaction to the cyclopentadienyl anion, and is represented by, for example, the general formula R—X. Here, R represents hydrogen or a linear or branched alkyl group, alkenyl group, alkynyl group, or cycloalkyl group, and may be linear or branched. An unsaturated bond may be included. In addition, heteroatoms such as oxygen, nitrogen, silicon, and halogen may be contained.
[0027]
Examples of the alkyl group include methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, 1-methylbutyl, 2-methylbutyl, 3-methylbutyl, and 1,1-dimethylpropyl. 1-methylpentyl, 2-methylpentyl, 3-methylpentyl, 4-methylpentyl, 1,1-dimethylbutyl, n-hexyl, n-octyl, n-nonyl, n-decyl, n-undecyl, n- Examples include dodecyl, 2-propenyl, 2-butenyl, 3-butenyl, 2-hexenyl, 5-hexenyl and the like.
[0028]
The alkenyl group is represented by the general formula —CH═CR 1 R 2 , and the alkynyl group is represented by the general formula —CH═C—R 1 . R 1 and R 2 are hydrogen or a hydrocarbon group such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, 1-methylbutyl, 2-methylbutyl, 3 -Methylbutyl, 1,1-dimethylpropyl, 1-methylpentyl, 2-methylpentyl, 3-methylpentyl, 4-methylpentyl, 1,1-dimethylbutyl, n-hexyl, n-octyl, n-nonyl, n -Decyl, n-undecyl, n-dodecyl, 2-propenyl, 2-butenyl, 3-butenyl, 2-hexenyl, 5-hexenyl and the like.
[0029]
Examples of the cycloalkyl group include cyclopropyl, cyclobutyl, cyclopentyl, 1-cyclopenten-1-yl, 2-cyclopenten-1-yl, cyclopentadienyl, cyclohexyl, 1-cyclohexen-1-yl, and 2-cyclohexene-1. -Yl, 3-cyclohexen-1-yl, 1,3-cyclohexadien-1-yl, 2,4-cyclohexadien-1-yl, cycloheptyl, 1-cyclohepten-1-yl, 2-cyclohepten-1- Yl, 3-cyclohepten-1-yl, 4-cyclohepten-1-yl, cyclooctyl, 1-cycloocten-1-yl, 2-cycloocten-1-yl, cyclononyl, cyclodecyl and the like.
[0030]
Examples of oxygen-containing compounds include those having the substituents represented by the general formula —OR 3 or the general formula —COOR 4 on the groups described so far. R 3 and R 4 are hydrogen or hydrocarbon groups such as methyl, ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, 1-methylbutyl, 2-methylbutyl, 3 -Methylbutyl, 1,1-dimethylpropyl, 1-methylpentyl, 2-methylpentyl, 3-methylpentyl, 4-methylpentyl, 1,1-dimethylbutyl, n-hexyl, n-octyl, n-nonyl, n -Decyl, n-undecyl, n-dodecyl, 2-propenyl, 2-butenyl, 3-butenyl, 2-hexenyl, 5-hexenyl and the like. The groups described so far may contain silicon, halogens such as fluorine, chlorine, bromine and iodine. X represents a halogen atom, a paratoluenesulfonate group or an alkylsulfonate group.
[0031]
EXAMPLES Next, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited at all by this.
In addition, the analysis conditions by the gas chromatography of the product in an Example etc. are as follows.
Apparatus: Shimadzu Corporation GC-14A, Shimadzu Corporation Chromatopack CR-4A
Column: J & W Scientific Company Capillary Column DB-1
(Length 30m x Inner diameter 0.25mm, Liquid phase film thickness 0.25μm)
Temperature conditions: Column 40 ° C. × 5 minutes → 250 ° C. (10 ° C./min)
Inlet 60 ° C, detector 250 ° C (FID)
[0032]
[Example 1]
A jacketed reactor was charged with a solution consisting of 578.3 kg (7.401 kmol) of dimethyl sulfoxide, 101.2 kg of cyclopentadiene (purity 97.0%, 1.485 kmol) and 302.3 kg (2.458 kmol) of isopropyl bromide, and nitrogen was added. Replaced. While maintaining the solution temperature at 5 ° C., 72.0 kg of potassium hydroxide (purity 96%, 1.232 kmol) was added over 8 hours under a nitrogen stream while stirring. After completion of the addition of potassium hydroxide, the mixture was further stirred at 5 ° C. for 4 hours, and a mixture of 6.03 kg of 35% hydrochloric acid and 432.8 kg of water was added with stirring while maintaining the reaction solution temperature at 5 ° C. After stirring, the mixture was allowed to stand for 15 minutes, followed by liquid separation to obtain an organic layer containing isopropylcyclopentadiene (5-isomer: 48.23 kg, 1-isomer: 72.07 kg, 2-isomer: 8.40 kg). It was. The selectivity for 5- and / or 1-isopropylcyclopentadiene (ratio of 5- and / or 1-isopropylcyclopentadiene to the total isopropylcyclopentadiene obtained) was 93.5%.
[0033]
[Example 2]
A jacketed reactor was charged with a solution consisting of 605.2 kg (7.746 kmol) of dimethyl sulfoxide, 106.1 kg of cyclopentadiene (purity 96.5%, 1.549 kmol) and 317.6 kg (2.582 kmol) of n-propyl bromide. And replaced with nitrogen. While maintaining the solution temperature at 5 ° C., 75.5 kg of potassium hydroxide (purity 96%, 1.291 kmol) was added over 8 hours under a nitrogen stream while stirring. After completion of the addition of potassium hydroxide, the mixture was further stirred at 5 ° C. for 4 hours, and then a mixture of 6.31 kg of 35% hydrochloric acid and 453.0 kg of water was added with stirring while maintaining the reaction solution temperature at 5 ° C. The organic layer containing n-propylcyclopentadiene (5-isomer: 48.48 kg, 1-isomer: 75.76 kg, 2-isomer: 10.12 kg) was prepared after standing for 15 minutes after stopping stirring. Got. The selectivity for 5- and / or 1-n-propylcyclopentadiene (ratio of 5- and / or 1-n-propylcyclopentadiene to the total isopropylcyclopentadiene obtained) was 92.5%.
[0034]
[Comparative Example 1]
805.1 kg (10.305 kmol) of dimethyl sulfoxide, 142.8 kg of cyclopentadiene (purity 96.3%, 2.081 kmol) and 100.4 kg of potassium hydroxide (purity 96%, 1.718 kmol) were placed in a jacketed reactor. In addition, a cyclopentadienyl potassium (cyclopentadienyl anion) solution was obtained by stirring at room temperature for 3 hours under a nitrogen stream.
[0035]
While maintaining the temperature of the cyclopentadienyl potassium solution at 5 ° C., 422.4 kg (3.434 kmol) of isopropyl bromide was added dropwise with stirring. The reaction was carried out with the refrigerant (−30 ° C.) flowing through the jacket while removing the reaction heat, but the removal of the reaction heat became the rate-limiting process of dropping isopropyl bromide, and it took 8 hours to maintain the liquid temperature at 5 ° C. It was necessary to add isopropyl bromide dropwise over time. After completion of the dropping, a mixture of 8.65 kg of 35% hydrochloric acid and 602.5 kg of water was added with stirring while maintaining the reaction solution temperature at 5 ° C. After stirring, the mixture was allowed to stand for 15 minutes, followed by liquid separation to obtain an organic layer containing isopropylcyclopentadiene (5-isomer: 35.51 kg, 1-isomer: 82.26 kg, 2-isomer: 64.06 kg). It was. The selectivity of 5- and / or 1-isopropylcyclopentadiene (ratio of 5- and / or 1-isopropylcyclopentadiene to the total isopropylcyclopentadiene obtained) was 64.8%.
[0036]
【Effect of the invention】
According to the present invention, even when the reaction time is long, the target 5- and / or 1-substituted cyclopentadiene can be produced with high selectivity and can be easily carried out on an industrial scale. Is also possible.
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