JP5028713B2 - Oriented polyester film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリエステル重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とする配向ポリエステルフィルムに関するものであり、さらに詳しくは、ゲルマニウム、アンチモン化合物を触媒主成分として用いない、新規のアルミニウム系重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とする配向ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等に代表されるポリエステルは、機械的特性、及び化学的特性に優れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、例えば包装用途や工業用途の各種分野において広範囲に使用されている。
【0003】
代表的なポリエステルである芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを主構成成分とするポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)の場合には、テレフタル酸もしくはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールとのエステル化もしくはエステル交換によってビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを製造し、これを高温、真空下で触媒を用いて重縮合する重縮合法等により、工業的に製造されている。
【0004】
従来から、このようなポリエステルの重縮合時に用いられるポリエステル重合触媒としては、三酸化アンチモンが広く用いられている。三酸化アンチモンは、安価で、かつ優れた触媒活性をもつ重縮合触媒であるが、これを主成分、即ち、実用的な重合速度が発揮される程度の添加量にて使用すると、重縮合時に金属アンチモンが析出し、ポリエステルの外観が黒ずむため好ましくない。また、金属アンチモンに起因する異物が生じ、欠点の要求が厳しい用途では好ましくない。そのため、アンチモンを触媒主成分として含まないポリエステルが望まれている。
【0005】
なお、フィルム用として用いられる場合、ポリエステル中の金属アンチモンの析出は、溶融押出し時のダイス口金汚れの原因になるだけでなく、フィルムの表面欠点の原因にもなる。また、透明性や色調の要求が厳しい用途では、さらなる改善が求められている。
【0006】
上記の問題を解決する方法として、重縮合触媒として三酸化アンチモンを用いて、かつPETの黒ずみや異物の発生を抑制する試みが行われている。例えば、特許第2666502号においては、重縮合触媒として三酸化アンチモンとビスマスおよびセレンの化合物を用いることで、PET中の黒色異物の生成を抑制している。また、特開平9−291141号においては、重縮合触媒としてナトリウムおよび鉄の酸化物を含有する三酸化アンチモンを用いると、金属アンチモンの析出が抑制されることを述べている。ところが、これらの重縮合触媒では、結局ポリエステル中のアンチモンの含有量を低減するという目的は達成できない。
【0007】
三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒に代わる重縮合触媒の検討も行われており、テトラアルコキシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物がすでに提案されている。しかしながら、これらを用いて製造されたポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすく、またポリエステルが著しく着色するという問題点を有する。
【0008】
このような、チタン化合物を重縮合触媒として用いたときの問題点を克服する試みとして、例えば、特開昭55−116722号では、テトラアルコキシチタネートをコバルト塩およびカルシウム塩と同時に用いる方法が提案されている。また、特開平8−73581号によると、重縮合触媒としてテトラアルコキシチタネートをコバルト化合物と同時に用い、かつ蛍光増白剤を用いる方法が提案されている。ところが、これらの技術では、テトラアルコキシチタネートを重縮合触媒として用いたときのPETの着色は低減されるものの、PETの熱分解を効果的に抑制することは達成されていない。
【0009】
チタン化合物を重縮合触媒として用いて重合したポリエステルの溶融成形時の熱劣化を抑制する他の試みとして、例えば、特開平10−259296号では、チタン化合物を触媒としてポリエステルを重合した後にリン系化合物を添加する方法が開示されている。しかし、重合後のポリマーに添加剤を効果的に混ぜ込むことは技術的に困難であるばかりでなく、コストアップにもつながり実用化されていないのが現状である。
【0010】
アルミニウム化合物にアルカリ金属化合物を添加して十分な触媒活性を有するポリエステル重縮合触媒とする技術も公知である。かかる公知の重縮合触媒を使用すると熱安定性に優れたポリエステルが得られるが、このアルカリ金属化合物を併用した重縮合触媒は、実用的な触媒活性を得ようとするとそれらの添加量が多く必要であり、その結果、得られたポリエステル重合体中のアルカリ金属化合物に起因して、少なくとも以下のいずれかの問題を生じる。
【0011】
1)異物量が多くなり、フィルムに使用したときに製膜性やフィルム物性が低下する。
2)ポリエステル重合体の耐加水分解性が低下し、また異物発生により透明性が低下する。
3)ポリエステル重合体の色調の不良、即ち重合体が黄色く着色する現象が発生し、フィルムに使用したときに、成型品の色調が悪化するという問題が発生する。
4)長時間生産する際、溶融押出し工程において異物の目詰まりによってフィルター昇圧が高くなり、フィルターの交換頻度が短くなり生産性が低下する。
【0012】
アンチモン化合物以外で優れた触媒活性を有しかつ上記の問題を有しないポリエステルを与える重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合物がすでに実用化されているが、この触媒は非常に高価であるという問題点や、重合中に反応系から外へ留出しやすいため反応系の触媒濃度が変化し重合の制御が困難になるという課題を有しており、触媒主成分として使用することには問題がある。
【0013】
また、ポリエステルの溶融成形時の熱劣化を抑制する方法として、ポリエステルから触媒を除去する方法も挙げられる。ポリエステルから触媒を除去する方法としては、例えば特開平10−251394号公報には、酸性物質の存在下にポリエステル樹脂と超臨界流体である抽出剤とを接触させる方法が開示されている。しかし、このような超臨界流体を用いる方法は技術的に困難である上に製品のコストアップにもつながるので好ましくない。
【0014】
以上のような経緯で、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、またはスズ化合物以外の金属成分を主成分とするポリエステル用重縮合触媒であり、触媒活性に優れ、かつ溶融成形時に熱劣化をほとんど起こさない(a)熱安定性、(b)熱酸化安定性、(c)耐加水分解性の少なくともいずれかに優れ、しかも異物量が少なくて透明性に優れたポリエステルを提供することができる重縮合触媒が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などの重縮合触媒を主成分としない、新規なポリエステル重縮合触媒を用いて製造されたポリエステルを主たる構成成分とする、透明性、熱安定性、走行性、耐摩耗性に優れた配向ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の技術的要旨は、従来のアルミニウム化合物を重縮合触媒として用いて重合したポリエステルの熱安定性を向上する目的で、重合時に各種酸化防止剤や安定剤の添加効果を検討したところ、アルミニウム化合物にフェノール系化合物、リン化合物又はフェノール部を同一分子内に有するリン化合物を組み合わせることによって、ポリエステルの熱安定性が向上するとともに、もともと触媒活性に劣るアルミニウム化合物が重縮合触媒として十分な活性をもつようになることを見いだし、前記重縮合触媒を用いて得られたポリエステルを配向ポリエステルフィルム用原料の主たる構成成分として用い、かつフィルム表面形態及び光学特性を適正化することにより、透明性、熱安定性、走行性、耐摩耗性に優れた配向ポリエステルフィルムが得られることを見出したところにある。
【0017】
すなわち、本発明は、アルミニウム及び/又はその化合物と、フェノール系化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、前記フィルムは該表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることを特徴とする配向ポリエステルフィルムである。
【0018】
また、アルミニウム及び/又はその化合物と、リン化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、前記フィルムは該表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることを特徴とする配向ポリエステルフィルムである。
【0019】
また、リン化合物のアルミニウム塩を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、前記フィルムは該表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることを特徴とする配向ポリエステルフィルムである。
【0020】
さらに、前記一般式(7)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、前記フィルムは該表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることを特徴とする配向ポリエステルフィルムである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の配向ポリエステルフィルムの主たる構成成分であるポリエステルを重合する際に使用する重縮合触媒は、アルミニウム及び/又はその化合物とフェノール系化合物を含有する触媒、アルミニウム及び/又はその化合物とリン化合物を含有する触媒、リン化合物のアルミニウム塩を含有する触媒、または前記一般式(7)で表わされる化合物から選択される少なくとも1種を含有する触媒である。
【0022】
前記アルミニウム及び/又はアルミニウム化合物として、金属アルミニウムのほか、公知のアルミニウム化合物を限定なく使用することができる。
【0023】
アルミニウム化合物としては、具体的には、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどのカルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物が好ましく、これらの中でもさらに酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートが特に好ましい。
【0024】
前記アルミニウム及び/又はアルミニウム化合物の添加量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して0.001〜0.05モル%が好ましく、さらに好ましくは、0.005〜0.02モル%である。添加量が0.001モル%未満であると触媒活性が十分に発揮されない場合があり、添加量が0.05モル%以上になると、熱安定性や熱酸化安定性の低下、アルミニウムに起因する異物の発生や着色の増加が問題になる場合が発生する。この様にアルミニウム成分の添加量が少なくても本発明の重合触媒は十分な触媒活性を示す点に大きな特徴を有する。その結果、熱安定性や熱酸化安定性が優れ、アルミニウムに起因する異物や着色を低減することができる。
【0025】
前記重縮合触媒を構成するフェノール系化合物としては、フェノール構造を有する化合物であれば特に限定はされないが、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジシクロヘキシル-4-メチルフェノール、2,6-ジイソプロピル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-アミル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-オクチル-4-n-プロピルフェノール、2,6-ジシクロヘキシル-4-n-オクチルフェノール、2-イソプロピル-4-メチル-6-tert-ブチルフェノール、2-tert-ブチル-2-エチル-6-tert-オクチルフェノール、2-イソブチル-4-エチル-6-tert-ヘキシルフェノール、2-シクロヘキシル-4-n-ブチル-6-イソプロピルフェノール、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール−ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4,4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナミド)、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-tert-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(4-tert-ブチル−2,6-ジメチル-3-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4-ビス(n−オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、ビス[(3,3-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッド)グリコールエステル、N,N'-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2'-オギザミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2-tert-ブチル-4-メチル-6-(3-tert-ブチル-5-メチル−2-ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9-ビス[1,1-ジメチル2-{β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2-ビス[4-(2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシシンナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、テトラキス-[メチル-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、チオジエチレンービス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール-ビス-[-3-(3'-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)]プロピオネート、1,1,3-トリス[2-メチル-4-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-5-tert-ブチルフェニル]ブタンなどを挙げることができる。
【0026】
これらは、同時に二種以上を併用することもできる。これらのうち、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス-[メチル-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、チオジエチレンービス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
【0027】
これらのフェノール系化合物をポリエステルの重合時に添加することによって、アルミニウム化合物の触媒活性が向上するとともに、重合したポリエステルの熱安定性も向上する。
【0028】
前記フェノール系化合物の添加量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して5×10-7〜0.01モルが好ましく、更に好ましくは1×10-6〜0.005モルである。また、本発明では、フェノール系化合物にさらにリン化合物をともに用いても良い。
【0029】
前記重縮合触媒を構成するリン化合物としては特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種以上のホスホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が特に大きく好ましい。
【0030】
前記のホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物とは、それぞれ下記式(8)〜(13)で表される構造を有する化合物のことである。
【0031】
【化8】

Figure 0005028713
【0032】
【化9】
Figure 0005028713
【0033】
【化10】
Figure 0005028713
【0034】
【化11】
Figure 0005028713
【0035】
【化12】
Figure 0005028713
【0036】
【化13】
Figure 0005028713
【0037】
前記のホスホン酸系化合物としては、例えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルなどが挙げられる。
【0038】
前記のホスフィン酸系化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニルなどが挙げられる。
【0039】
前記のホスフィンオキサイド系化合物としては、例えば、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0040】
ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物の中では、リン化合物としては、下記式(14)〜(19)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0041】
【化14】
Figure 0005028713
【0042】
【化15】
Figure 0005028713
【0043】
【化16】
Figure 0005028713
【0044】
【化17】
Figure 0005028713
【0045】
【化18】
Figure 0005028713
【0046】
【化19】
Figure 0005028713
【0047】
前記のリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると、触媒活性の向上効果が大きくより好ましい。
【0048】
また、前記の重縮合触媒を構成するリン化合物としては、下記一般式(20)〜(22)で表される化合物を用いると、特に触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0049】
【化20】
Figure 0005028713
【0050】
【化21】
Figure 0005028713
【0051】
【化22】
Figure 0005028713
【0052】
(式(20)〜(22)中、R1、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0053】
前記の重縮合触媒を構成するリン化合物としては、上記式(20)〜(22)中、R1、R4、R5、R6が芳香環構造を有する基である化合物が特に好ましい。
【0054】
前記の重縮合触媒を構成するリン化合物としては、例えば、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらのうちで、フェニルホスホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルが特に好ましい。
【0055】
前記のリン化合物の添加量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して5×10-7〜0.01モルが好ましく、更に好ましくは1×10-6〜0.005モルである。
【0056】
前記の重縮合触媒を構成するフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、フェノール構造を有するリン化合物であれば特に限定はされないが、フェノール部を同一分子内に有する、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上の化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種以上のフェノール部を同一分子内に有するホスホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が特に大きく好ましい。
【0057】
また、前記の重縮合触媒を構成するフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、下記一般式(23)〜(25)で表される化合物などが挙げられる。これらのうちで、下記式を用いると特に触媒活性が向上するため好ましい。
【0058】
【化23】
Figure 0005028713
【0059】
【化24】
Figure 0005028713
【0060】
【化25】
Figure 0005028713
【0061】
(式(23)〜(25)中、R1はフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐構造やシクロヘキシル等の脂環構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の末端どうしは結合していてもよい。)
【0062】
前記のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物としては、例えば、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィンオキサイド、および下記式(26)〜(29)で表される化合物などが挙げられる。これらのうちで、下記式(28)で表される化合物およびp−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチルが特に好ましい。
【0063】
【化26】
Figure 0005028713
【0064】
【化27】
Figure 0005028713
【0065】
【化28】
Figure 0005028713
【0066】
【化29】
Figure 0005028713
【0067】
上記の式(28)にて示される化合物としては、例えばSANKO-220(三光株式会社製)が使用可能である。
【0068】
これらのフェノール部を同一分子内に有するリン化合物をポリエステルの重合時に添加することによってアルミニウム化合物の触媒活性が向上するとともに、重合したポリエステルの熱安定性も向上する。
【0069】
前記のフェノール部を同一分子内に有するリン化合物の添加量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して5×10-7〜0.01モルが好ましく、更に好ましくは1×10-6〜0.005モルである。
【0070】
また、前記のリン化合物として、リンの金属塩化合物を用いることが好ましい。前記のリンの金属塩化合物とは、リン化合物の金属塩であれば特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物の金属塩を用いると、触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物の金属塩としては、モノ金属塩、ジ金属塩、トリ金属塩などが含まれる。
【0071】
また、上記のリン化合物の中でも、金属塩の金属部分が、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると、触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgが特に好ましい。
【0072】
前記のリンの金属塩化合物として、下記一般式(30)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると、触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0073】
【化30】
Figure 0005028713
【0074】
(式(30)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0075】
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。R3-としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0076】
上記一般式(30)で表される化合物の中でも、下記一般式(31)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0077】
【化31】
Figure 0005028713
【0078】
(式(31)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0079】
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。R3-としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0080】
上記のリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0081】
上記式(31)の中でも、Mが、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0082】
前記のリンの金属塩化合物としては、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、カリウム[(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベリリウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ストロンチウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、マンガンビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]、ナトリウム[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−クロロベンジルホスホン酸フェニル]、マグネシウムビス[4−クロロベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、マグネシウムビス[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、フェニルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[フェニルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[フェニルホスホン酸エチル]などが挙げられる。
【0083】
これらの中で、リチウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]が特に好ましい。
【0084】
前記の重縮合触媒を構成する別の好ましいリン化合物であるリンの金属塩化合物は、下記一般式(32)で表される化合物から選択される少なくとも一種からなるものである。
【0085】
【化32】
Figure 0005028713
【0086】
(式(32)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4-としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0087】
これらの中でも、下記一般式(33)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0088】
【化33】
Figure 0005028713
【0089】
(式(33)中、Mn+はn価の金属カチオンを表す。nは1、2、3または4を表す。)
【0090】
上記式(32)または(33)の中でも、Mが、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgが特に好ましい。
【0091】
前記の特定のリンの金属塩化合物としては、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、カリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、ベリリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル]、ストロンチウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル]、マンガンビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ニッケルビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、銅ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]が特に好ましい。
【0092】
本発明の別の実施形態は、リン化合物のアルミニウム塩から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とするポリエステル重合触媒である。リン化合物のアルミニウム塩に他のアルミニウム化合物やリン化合物やフェノール系化合物などを組み合わせて使用しても良い。
【0093】
前記の重縮合触媒を構成する好ましい成分であるリン化合物のアルミニウム塩とは、アルミニウム部を有するリン化合物であれば特に限定はされないが、ホスホン酸系化合物のアルミニウム塩を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物のアルミニウム塩としては、モノアルミニウム塩、ジアルミニウム塩、トリアルミニウム塩などが含まれる。
【0094】
上記リン化合物のアルミニウム塩の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0095】
上記の重合触媒を構成するリン化合物のアルミニウム塩としては、下記一般式(34)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0096】
【化34】
Figure 0005028713
【0097】
(式(34)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は3である。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0098】
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。上記のR3-としては例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、エチレングリコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0099】
前記のリン化合物のアルミニウム塩としては、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、(1−ナフチル)メチルホスホン酸のアルミニウム塩、(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、ベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、ベンジルホスホン酸のアルミニウム塩、(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、2−メチルベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、4−クロロベンジルホスホン酸フェニルのアルミニウム塩、4−アミノベンジルホスホン酸メチルのアルミニウム塩、4−メトキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、フェニルホスホン酸エチルのアルミニウム塩などが挙げられる。
【0100】
これらの中で、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、ベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩が特に好ましい。
【0101】
また、別の実施形態は、下記一般式(35)で表されるリン化合物のアルミニウム塩から選択される少なくとも一種からなるポリエステル重合触媒である。リン化合物のアルミニウム塩に、他のアルミニウム化合物やリン化合物やフェノール系化合物などを組み合わせて使用しても良い。
【0102】
【化35】
Figure 0005028713
【0103】
(式(35)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は3である。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0104】
これらの中でも、下記一般式(36)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0105】
【化36】
Figure 0005028713
【0106】
(式(36)中、R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は3である。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0107】
上記のR3としては、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。上記のR4-としては、例えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、エチレングリコラートイオン、アセテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0108】
前記のリン化合物のアルミニウム塩としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のアルミニウム塩などが挙げられる。
【0109】
これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチルのアルミニウム塩が特に好ましい。
【0110】
また、前記リン化合物としてP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物を用いることが好ましい。P−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物とは、分子内にP−OHを少なくとも一つ有するリン化合物であれば特に限定はされない。これらのリン化合物の中でも、P−OH結合を少なくとも一つ有するホスホン酸系化合物を用いると、触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0111】
上記のリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0112】
前記の重縮合触媒を構成するP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物として、下記一般式(37)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると、触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0113】
【化37】
Figure 0005028713
【0114】
(式(37)中、R1は水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0115】
上記のR1としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
【0116】
上記のリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0117】
P−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物としては、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、(1−ナフチル)メチルホスホン酸、(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホスホン酸エチルなどが挙げられる。これらの中で、(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホン酸エチルが特に好ましい。
【0118】
また、好ましいリン化合物としては、P−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物が挙げられる。重縮合触媒を構成する好ましいリン化合物であるP−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物とは、下記一般式(38)で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合物のことを意味する。
【0119】
【化38】
Figure 0005028713
【0120】
(式(38)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0121】
これらの中でも、下記一般式(39)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0122】
【化39】
Figure 0005028713
【0123】
(式(39)中、R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0124】
上記のR3としては、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
【0125】
前記のP−OH結合を少なくとも一つ有する特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸などが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸メチルが特に好ましい。
【0126】
好ましいリン化合物としては、化学式(40)であらわされるリン化合物が挙げられる。
【0127】
【化40】
Figure 0005028713
【0128】
(式(40)中、R1は炭素数1〜49の炭化水素基、または水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜49の炭化水素基を表し、R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0129】
また、更に好ましくは、化学式(40)中のR1、R2、R3の少なくとも一つが芳香環構造を含む化合物である。
【0130】
前記リン化合物の具体例を以下に示す。
【0131】
【化41】
Figure 0005028713
【0132】
【化42】
Figure 0005028713
【0133】
【化43】
Figure 0005028713
【0134】
【化44】
Figure 0005028713
【0135】
【化45】
Figure 0005028713
【0136】
【化46】
Figure 0005028713
【0137】
また、前記リン化合物は、分子量が大きいものの方が重合時に留去されにくいためより好ましい。
【0138】
重縮合触媒として使用することが好ましい別のリン化合物は、下記一般式(47)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。
【0139】
【化47】
Figure 0005028713
【0140】
(上記式(47)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0141】
上記一般式(47)の中でも、下記一般式(48)で表される化合物から選択される少なくとも一種を用いると触媒活性の向上効果が高く好ましい。
【0142】
【化48】
Figure 0005028713
【0143】
(上記式(48)中、R3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシクロヘキシル等の脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル等の芳香環構造を含んでいてもよい。)
【0144】
上記のR3、R4としては例えば、水素、メチル基、ブチル基等の短鎖の脂肪族基、オクタデシル等の長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフチル基等の芳香族基、−CH2CH2OHで表される基などが挙げられる。
【0145】
前記の特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジイソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジ−n−ブチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルなどが挙げられる。
【0146】
これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェニルが特に好ましい。
【0147】
重縮合触媒として使用することが好ましい別のリン化合物は、化学式(49)、化学式(50)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。
【0148】
【化49】
Figure 0005028713
【0149】
【化50】
Figure 0005028713
【0150】
上記の化学式(49)で示される化合物としては、Irganox1222(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)が市販されている。また、化学式(50)にて示される化合物としては、Irganox1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)が市販されている。
【0151】
リン化合物は、一般に酸化防止剤としてはよく知られていたが、これらのリン化合物を従来の金属含有ポリエステル重合触媒と組み合わせて使用しても、溶融重合を大きく促進することは知られていない。実際に、ポリエステル重合の代表的な触媒であるアンチモン化合物、チタン化合物、スズ化合物あるいはゲルマニウム化合物を重合触媒としてポリエステルを溶融重合する際に、リン化合物を添加しても、実質的に有用なレベルまで重合が促進されることは認められない。
【0152】
即ち、前記のリン化合物を併用することにより、ポリエステル重合触媒中のアルミニウムの含有量が少量でも、十分な触媒効果を発揮することができる。
【0153】
前記のリン化合物の添加量は、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して、0.0001〜0.1モル%が好ましく、0.005〜0.05モル%であることがさらに好ましい。リン化合物の添加量が0.0001モル%未満の場合には添加効果が発揮されない場合がある。一方、0.1モル%を超えて添加すると、逆にポリエステル重合触媒としての触媒活性が低下する場合がある。また、その低下の傾向は、アルミニウムの添加量等により変化する。
【0154】
リン化合物を使用せず、アルミニウム化合物を主たる触媒成分とし、アルミニウム化合物の添加量を低減し、さらにコバルト化合物を添加することにより、アルミニウム化合物を主触媒とした場合の熱安定性の低下による着色を防止することが検討されているが、コバルト化合物を十分な触媒活性を有する程度に添加するとやはり熱安定性が低下する。従って、この技術では両者を両立することは困難である。
【0155】
前記の特定の化学構造を有するリン化合物の使用により、熱安定性の低下、異物発生等の問題を起こさず、しかも金属含有成分のアルミニウムとしての添加量が少量でも十分な触媒効果を有する重縮合触媒が得られ、この重縮合触媒により重合したポリエステルを使用することにより、溶融成形後のポリエステルフィルムの熱安定性が改善される。
【0156】
また、前記リン化合物に代えてリン酸やトリメチルリン酸等のリン酸エステルを添加しても、前記添加効果は見られない。さらに、前記のリン化合物を前記好ましい添加量の範囲で、従来のアンチモン化合物、チタン化合物、スズ化合物、ゲルマニウム化合物等の金属含有ポリエステル重縮合触媒と組み合わせて使用しても、溶融重合反応を促進する効果は認められない。
【0157】
一方、本発明においてアルミニウムもしくはその化合物に加えて少量のアルカリ金属、アルカリ土類金属並びにその化合物から選択される少なくとも1種を第2金属含有成分として共存させることも好ましい態様である。かかる第2金属含有成分を触媒系に共存させることは、ジエチレングリコールの生成を抑制する効果に加えて触媒活性を高め、従って反応速度をより高めた触媒成分が得られ、生産性向上に有効である。
【0158】
アルミニウム化合物にアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を添加して十分な触媒活性を有する触媒とする技術は公知である。かかる公知の触媒を使用すると熱安定性に優れたポリエステルが得られるが、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を併用した公知の触媒は、実用的な触媒活性を得ようとすると、触媒添加量を多くする必要がある。
【0159】
アルカリ金属化合物を併用した場合、それに起因する異物量が多くなり、フィルム製造時の溶融押出し工程でフィルター交換頻度が短くなったり、フィルム欠点が増加する傾向がある。
【0160】
また、アルカリ土類金属化合物を併用した場合には、実用的な活性を得ようとすると、得られたポリエステルの熱安定性や熱酸化安定性が低下し、加熱による着色が大きく、異物の発生量も多くなる。
【0161】
アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を添加する場合、その添加量M(モル%)は、ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ユニットのモル数に対して、1×10- 以上0.1モル%未満であることが好ましく、より好ましくは5×10- 〜0.05モル%であり、さらに好ましくは1×10- 〜0.03モル%であり、特に好ましくは、1×10- 〜0.01モル%である。
【0162】
すなわち、アルカリ金属やアルカリ土類金属の添加量が少量であるため、熱安定性低下、異物の発生、着色等の問題を発生させることなく、反応速度を高めることが可能である。また、耐加水分解性の低下等の問題を発生させることもない。
【0163】
アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物の添加量Mが0.1モル%以上になると熱安定性の低下、異物発生や着色の増加、耐加水分解性の低下等が製品加工上問題となる場合が発生する。Mが1×10-6モル%未満では、添加してもその効果が明確ではない。
【0164】
前記アルミニウムもしくはその化合物に加えて使用することが好ましい第2金属含有成分を構成するアルカリ金属、アルカリ土類金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより好ましい。
【0165】
アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、アルカリ金属としては、特にLi、Na、Kが好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
【0166】
これらのアルカリ金属、アルカリ土類金属またはそれらの化合物のうち、水酸化物等のアルカリ性の強いものを用いる場合、これらはエチレングリコール等のジオールもしくはアルコール等の有機溶媒に溶解しにくい傾向があるため、水溶液で重合系に添加しなければならず重合工程上問題となる場合が有る。
【0167】
さらに、水酸化物等のアルカリ性の強いものを用いた場合、重合時にポリエステルが加水分解等の副反応を受けやすくなるとともに、重合したポリエステルは着色しやすくなる傾向があり、耐加水分解性も低下する傾向がある。
【0168】
従って、前記のアルカリ金属またはその化合物、アルカリ土類金属またはその化合物として好適なものは、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、不飽和脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン塩、ハロゲン含有カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸から選ばれる無機酸塩、有機スルホン酸塩、有機硫酸塩、キレート化合物、および酸化物である。これらの中でもさらに、取り扱い易さや入手のし易さ等の観点から、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、特に酢酸塩の使用が好ましい。
【0169】
本発明の配向ポリエステルフィルムの主たる構成成分であるポリエステルは、熱安定性パラメータ(TS)が下記式を満たすことが好ましく、より好ましくは0.25以下、特に好ましくは0.20以下である。TSが0.30未満のポリエステルを用いることにより、フィルムを製造する際の溶融押出し工程における熱安定性に優れ、着色や異物の発生の少ない配向ポリエステルフィルムが得られる。
(1)TS<0.30
【0170】
TSは下記方法により算出する。
固有粘度([IV]i )が約0.65dl/gのポリエステル1gをガラス試験管に入れ、130℃で12時間真空乾燥する。次いで、非流通窒素雰囲気下で300℃にて2時間溶融状態に維持した後、サンプルを取り出し冷凍粉砕する。それを真空乾燥後、固有粘度([IV]f )を測定する。例えば、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合には、次式により計算することができる。
TS=0.245{[IV]f -1.47 −[IV]i -1.47
【0171】
非流通窒素雰囲気とは、流通しない窒素雰囲気を意味し、例えば、レジンチップを入れたガラス試験管を真空ラインに接続し、減圧と窒素封入を5回以上繰り返した後に100Torrとなるように窒素を封入して封管した状態である。
【0172】
また、本発明で使用するポリエステルは、熱酸化安定性パラメータ(TOS)が下記式(2)を満たすことが好ましく、より好ましくは0.09以下、さらに好ましくは0.08以下である。
(2)TOS<0.10
【0173】
TOSは下記方法により算出する。
固有粘度([IV]i )が約0.65dl/gの溶融重合して得られたポリエステルレジンチップを冷凍粉砕し、20メッシュ以下の粉末にする。その粉末を130℃で12時間真空乾燥し、0.3gをガラス試験管に入れる。次いで、70℃で12時間真空乾燥し、さらにシリカゲルで乾燥した空気下で230℃、15分間加熱した後、固有粘度([IV]f )を測定する。例えば、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合には、次式により計算することができる。
TOS=0.245{[IV]f1 -1.47−[IV]i -1.47
上記式において、[IV]i および[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。
【0174】
シリカゲルで乾燥した空気下で加熱する方法としては、例えば、シリカゲルを入れた乾燥管をガラス試験管上部に接続し、乾燥した空気下で加熱する方法が例示できる。
【0175】
また、本発明に使用するポリエステルは、耐加水分解性パラメータ(HS)が下記式(3)を満たすことが好ましく、より好ましくは0.09以下、特に好ましくは0.085以下である。
(3)HS<0.10
【0176】
HSは下記方法により算出する。
固有粘度が約0.65dl/g(試験前:[IV]i )の溶融重合して得られるポリエステルチップを冷凍粉砕し20メッシュ以下の粉末にする。130℃で12時間真空乾燥した後、その1gを純水100mlと共にビーカーに入れる。密閉系にして、130℃で加熱、加圧した条件下で6時間撹拌した後、固有粘度([IV]f2)を測定する。例えば、ポリエステルがポリエチレンテレフタレートの場合には、次式により計算することができる。
HS=0.245×{[IV]f2 -1.47−[IV]i -1.47
【0177】
HSの測定に使用するビーカーは、酸やアルカリの溶出のないものを使用する。具体的には、ステンレスビーカー、石英ビーカーの使用が好ましい。
【0178】
また、本発明に使用するポリエステルは、ポリエステルの溶液ヘイズ値(SH)が下記式(4)を満たすことが好ましく、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.0以下である。
(4)SH<3.0(%)
【0179】
SHは下記方法により算出する。
固有粘度が約0.65dl/gの溶融重合したポリエステルレジンチップをp−クロロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの3/1混合溶媒(重量比)に溶解して8g/100mlの溶液とする。セル長1cmのセルに、前記溶液を充填し、ヘイズメーターを用いて、溶液ヘイズ値を測定する。
【0180】
前記の、TS、TOS、HS、SHを測定するために使用するポリエステルレジンチップは、溶融重合後、溶融状態からの急冷によって作製されたものを使用する。これらの測定に用いるレジンチップの形状としては、例えば、長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のレジンチップを使用する。
【0181】
また、カラー測定を行う場合は、レジンチップは、溶融重合工程を経た後、溶融状態からの急冷によって作製された実質的に非晶のものを使用する。実質的に非晶のレジンチップを得る方法としては、例えば、溶融重合後反応系からポリマーを取り出す際に、反応系の吐出口からポリマーを吐出させた直後に冷水にて急冷し、その後十分な時間冷水中で保持した後チップ状にカットして得る方法などが例示できる。
【0182】
このようにして得られたレジンチップは、外観上、結晶化による白化は認められず透明なものが得られる。このようにして得られたレジンチップは、約一昼夜室温にて濾紙等の上で風乾した後、カラー測定に使用される。上記の操作の後も、レジンチップは外観上、結晶化による白化は認められず透明なままである。なお、カラー測定用のレジンチップには二酸化チタン等の外観に影響を及ぼす添加剤は一切使用しない。カラー測定用に用いるレジンチップの形状としては、例えば、長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のレジンチップを使用する。
【0183】
本発明で使用するポリエステルには、さらに、コバルト化合物をコバルト原子としてポリエステルに対して10ppm未満の量で添加することが好ましい態様である。
【0184】
コバルト化合物はそれ自体ある程度の重合活性を有していることは知られている。しかしながら、前記のように十分な触媒効果を発揮する程度に添加すると、得られるポリエステルフィルムの色調の低下や熱安定性の低下が起こる。
【0185】
本発明で用いるポリエステルは、色調及び熱安定性が良好であるが、コバルト化合物を上記のような少量で、かつ添加による触媒効果が明確でないような添加量にて添加することにより、得られるポリエステルの色調の低下を起こすことなく、着色をさらに効果的に消去できる。
【0186】
前記コバルト化合物の添加する目的は、着色を消去することにあり、添加時期は重合工程のどの段階であってもよく、重合反応終了後であってもかまわない。
【0187】
コバルト化合物の種類に特に限定はないが、例えば、酢酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナフテン酸コバルトおよびそれらの水和物等が挙げられる。その中でも、特に酢酸コバルト四水塩が好ましい。
【0188】
コバルト化合物の添加量は、最終的に得られるポリエステルに対して、アルミニウム原子とコバルト原子の合計量が50ppm以下で、かつコバルト原子の量は10ppm未満とすることが好ましい。より好ましくは、アルミニウム原子とコバルト原子の合計量が40ppm以下で、かつコバルト原子の量は8ppm以下、さらに好ましくはアルミニウム原子とコバルト原子の合計量が25ppm以下で、かつコバルト原子は5ppm以下である。
【0189】
ポリエステルの熱安定性の点から、アルミニウム原子とコバルト原子の合計量が50ppmより少ないこと、コバルト原子の量が10ppm以下であることが好ましい。また、十分な触媒活性を有するためには、アルミニウム原子とコバルト原子の合計量が0.01ppmより多いことが好ましい。
【0190】
本発明で用いるポリエステルは、ポリエステル重合触媒として前記の特定の触媒を用いる以外は、従来公知の製造方法で行うことができる。例えば、PETを製造する場合は、テレフタル酸とエチレングリコールとをエステル化反応させた後重縮合する方法、もしくはテレフタル酸ジメチルなどのテレフタル酸のアルキルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反応を行った後重縮合する方法、のいずれの方法でも行うことができる。また、重合装置は、回分式であっても、連続式であってもよい。
【0191】
本発明で用いるポリエステルの触媒は、重合反応のみならずエステル化反応およびエステル交換反応にも触媒活性を有する。例えば、テレフタル酸ジメチルなどのジカルボン酸のアルキルエステルとエチレングリコールなどのグリコールとのエステル交換反応による重合は、通常チタン化合物や亜鉛化合物などのエステル交換触媒の存在下で行われるが、これらの触媒に代えて、もしくはこれらの触媒に共存させて本発明の請求項に記載の触媒を用いることもできる。また、前記の触媒は、溶融重合のみならず固相重合や溶液重合においても触媒活性を有しており、いずれの方法によってもポリエステルフィルムを製造に適したポリエステルを製造することが可能である。
【0192】
本発明で用いるポリエステルの重合触媒は、重合反応の任意の段階で反応系に添加することができる。例えば、エステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前および反応途中の任意の段階、重縮合反応の開始直前、あるいは重縮合反応途中の任意の段階で、反応系への添加することが出きる。特に、アルミニウムないしその化合物は重縮合反応の開始直前に添加することが好ましい。
【0193】
本発明で用いるポリエステルの重縮合触媒の添加方法は、特に限定されないが、粉末状もしくはニート状での添加であってもよいし、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状もしくは溶液状での添加であってもよい。また、アルミニウム金属もしくはその化合物と他の成分、好ましくは本発明のフェノール系化合物もしくはリン化合物とを予め混合したものを添加してもよいし、これらを別々に添加してもよい。また、アルミニウム金属もしくはその化合物と他の成分、好ましくはフェノール系化合物もしくはリン化合物とを同じ添加時期に重合系に添加しても良いし、それぞれを異なる添加時期に添加してもよい。
【0194】
本発明で用いるポリエステルの重縮合触媒は、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化合物等の他の重合触媒を、ポリエステルの特性、加工性、色調等製品に問題が生じない範囲内において、適量共存させて用いることは、重合時間の短縮による生産性を向上させる際に有利であり、好ましい。
【0195】
具体的には、アンチモン化合物の添加量は、重合して得られるポリエステルに対してアンチモン原子換算で50ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは30ppm以下の量である。アンチモン原子換算量が50ppmを超えると、金属アンチモンの析出が起こり、ポリエステルが黒っぽくなり外観上好ましくない。また、金属アンチモンに起因する異物が増加し、特に欠点に対する要求が厳しい用途では好ましくない。
【0196】
チタン化合物の添加量は、重合して得られるポリエステルに対してチタン原子換算で10ppm以下の量とすることが好ましく、より好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは2ppm以下である。チタン原子換算量が10ppmを超えると、得られるレジンの熱安定性が著しく低下する。
【0197】
ゲルマニウム化合物の添加量は、重合して得られるポリエステルに対してゲルマニウム原子換算量で20ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは10ppm以下である。ゲルマニウム原子換算量が20ppmを超えると、コスト的に不利となるため好ましくない。
【0198】
本発明で用いるポリエステルを重合する際には、本願請求項に記載の触媒に加え、アンチモン化合物、チタン化合物マニウム化合物、スズ化合物を1種又は2種以上を使用することができる。
【0199】
前記アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物およびスズ化合物の種類は特に限定はない。
【0200】
具体的には、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、これらのうち三酸化アンチモンが好ましい。
【0201】
また、チタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、蓚酸チタン等が挙げられ、これらのうちテトラ−n−ブトキシチタネートが好ましい。
【0202】
さらに、ゲルマニウム化合物としては二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられ、これらのうち二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0203】
スズ化合物としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオキサイド、トリイソブチルスズアデテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジブチルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸などが挙げられ、特にモノブチルヒドロキシスズオキサイドの使用が好ましい。
【0204】
本発明でフィルム原料として使用するポリエステルとは、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種または二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種または二種以上とから成るもの、またはヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体からなるもの、または環状エステルからなるものをいう。
【0205】
好ましいポリエステルとしては、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルである。
【0206】
主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルとは、全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
【0207】
主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルとは、全グリコール成分に対してアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
【0208】
ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、 テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸などに例示される飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などに例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−(アルカリ金属)スルホイソフタル酸、ジフェニン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジカルボン酸などに例示される芳香族ジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0209】
これらのジカルボン酸のうち、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
【0210】
ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0211】
特に好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体である。必要に応じて、他のジカルボン酸を構成成分としてもよい。
【0212】
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0213】
グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオールなどのアルキレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどに例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加したグリコール、などに例示される芳香族グリコールが挙げられる。
【0214】
これらのグリコールのうち、アルキレングリコールが好ましく、さらに好ましくは、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。また、前記アルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいても良く、同時に2種以上を使用しても良い。
【0215】
これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロール、ヘキサントリオールなどが挙げられる。
【0216】
ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−( 2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0217】
環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げられる。
【0218】
多価カルボン酸もしくはヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物などが挙げられる。
【0219】
本発明で用いるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートおよびこれらの共重合体が好ましく、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートおよびこの共重合体である。
【0220】
また、本発明で用いるポリエステルには、公知のリン化合物を共重合成分として含むことができる。リン系化合物としては二官能性リン系化合物が好ましく、例えば(2−カルボキシルエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、9,10−ジヒドロ−10−オキサ−(2,3−カルボキシプロピル)−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイドなどが挙げられる。これらのリン系化合物を共重合成分として含むことで、得られるポリエステルの難燃性等を向上させることが可能である。
【0221】
さらに、スルホン酸アルカリ金属塩基を有するポリカルボン酸を本発明で用いるポリエステルの共重合成分とすることにより、配向ポリエステルフィルムにした際の各種インクとの密着性改善の点で好ましい態様である。
【0222】
共重合モノマーとして用いる金属スルホネート基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−リチウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、またはそれらの低級アルキルエステル誘導体などが挙げられる。この中でも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体が特に好ましい。
【0223】
金属スルホネート基含有化合物の共重合量はポリエステルを構成する酸成分に対して、0.3〜10.0モル%が好ましく、より好ましくは0.80〜5.0モル%である。
【0224】
また、ポリエステルを重合した後に、得られたポリエステルから触媒を除去するか、またはリン系化合物などの添加によって触媒を失活させることによって、ポリエステルの熱安定性をさらに高めることができる。
【0225】
本発明で用いるポリエステル中には、使用する目的に応じて、無機粒子、耐熱性高分子粒子、架橋高分子粒子などの不活性粒子、蛍光増白剤、紫外線防止剤、赤外線吸収色素、熱安定剤、界面活性剤、酸化防止剤などの各種添加剤を1種もしくは2種以上含有させることができる。酸化防止剤としては、芳香族アミン系、フェノール系などの酸化防止剤が使用可能であり、安定剤としては、リン酸やリン酸エステル系等のリン系、イオウ系、アミン系などの安定剤が使用可能である。
【0226】
次に、本願発明の配向ポリエステルフィルムの製造方法について詳しく説明する。
前記の特定の触媒を用いて重合したポリエステル樹脂を溶融押出しし、T−ダイスより冷却回転ロール上にシート状に成型し、未延伸シートを作成する。この際、例えば特公平6−39521号公報、特公平6−45175号公報に記載の技術を適用することにより、高速製膜性が可能となる。また、複数の押出し機を用い、コア層、スキン層に各種機能を分担させ、共押出し法により積層フィルムとしても良い。
【0227】
本発明の配向ポリエステルフィルムは、公知の方法を用いて、ポリエステルのガラス転移温度以上結晶化温度未満で、少なくとも一軸方向に1.1〜6倍に延伸することにより得ることができる。
【0228】
例えば、二軸配向ポリエステルフィルムを製造する場合、縦方向または横方向に一軸延伸を行い、次いで直交方向に延伸する逐次二軸延伸方法、縦方向及び横方向に同時に延伸する同時二軸延伸する方法、さらに同時二軸延伸する際の駆動方法としてリニアモーターを用いる方法のほか、横・縦・縦延伸法、縦・横・縦延伸法、縦・縦・横延伸法な、同一方向に数回に分けて延伸する多段延伸方法を採用することができる。
【0229】
さらに、延伸終了後、フィルムの熱収縮率を低減させるために、(融点−50℃)〜融点未満の温度で30秒以内、好ましくは10秒以内で熱固定処理を行い、0.5〜10%の縦弛緩処理、横弛緩処理などを施すことが好ましい。
【0230】
得られた配向ポリエステルフィルムの厚みは、1〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは5〜500μmであり、さらに好ましくは10〜200μmである。1μm未満では腰が無く取り扱いが困難である。また1000μmを超えると硬すぎて取り扱いが困難となる。
【0231】
また、接着性、離型性、制電性、赤外線吸収性、抗菌性、耐擦り傷性、などの各種機能を付与するために、配向ポリエステルフィルム表面にコーティング法により高分子樹脂を被覆してもよい。また、被覆層にのみ無機及び/又は有機粒子を含有させて、易滑高透明ポリエステルフィルムとしてもよい。さらに、無機蒸着層を設け酸素、水、オリゴマーなどの各種バリア機能を付与したり、スパッタリング法などで導電層を設け導電性を付与することもできる。
【0232】
また、本願発明の配向ポリエステルフィルムは、滑り性、走行性、耐摩耗性、巻き取り性などのハンドリング特性を向上させるために、フィルム表面に凹凸を形成させることが重要である。フィルム表面に凹凸を付与するためには、ポリエステルの重合工程で無機及び/又は耐熱性高分子樹脂粒子を添加する外部粒子添加法、重合工程で触媒残渣とポリエステルの構成成分とを反応させて不溶性の粒子を析出させる内部粒子法、被覆層に前記粒子を含有させる方法、薄膜層表面に凹凸が付与されたロールなどでエンボス加工する方法、レーザービームなどで表面凹凸をパターニングする方法、などが挙げられる。
【0233】
本発明の配向ポリエステルフィルムは、フィルム表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることが必要である。
【0234】
フィルム表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)は、中心面に水平な各スライスレベルにおけるフィルムの突起部の断面積及び個数を求め、各スライスレベルにおける突起部断面の平均面積を算出して平均円半径に換算する。高さの変化に対する平均円半径の変化の比(勾配)を各スライスレベルの切断平面で求め、各値を平均した値を三次元平均傾斜勾配(SΔa)と定義する。三次元平均傾斜勾配(SΔa)は、フィルムの走行性と良い相関があるパラメータである。SΔaは0.004〜0.4であることが必要であり、SΔaが0.004未満では、走行性が不良となり、その結果耐摩耗性が悪化する。一方、SΔaが0.4を超えると、透明性が悪化するため好ましくない。
【0235】
また、フィルム表面の三次元十点平均粗さ(SRz)は、粗さ曲面から基準面積分だけ抜き取った部分の平均線に平行な平面のうち高い方から1〜5番目までの山の平均と、深い方から1〜5番目までの谷の平均との間隔をμm単位で表したものである。すなわち、三次元十点平均粗さ(SRz)は大突起の高さの指標であり、SRzが大きいということは突起高さの大きい突起が存在することを意味している。SRzは1.2μm以下であることが必要であり、SRzが1.2μmを超えると、耐摩耗性が悪化する。
【0236】
さらに、本発明の配向ポリエステルフィルムは、ヘイズが5.0%以下であることが必要であり、好ましくは4.0%以下であり、より好ましくは3.0%以下であり、特に好ましくは2.0%以下である。前記へイズには、表面へイズも内部へイズも含まれる。フィルムのヘイズが5.0%を超えると透明性が悪化して好ましくない。
【0237】
また、本発明の配向ポリエステルフィルムは、光線透過率が80%以上であることが好ましく、特に好ましくは85%以上である。
【0238】
本発明の配向ポリエステルフィルムは、高温下における耐熱性の優れたフィルムを要求されることがあり、その場合には、前記延伸方式の選択のほかに、延伸の条件が大きく影響する。したがって、熱寸法安定性が厳しく要求される用途に使用する場合には、配向ポリエステルフィルムは150℃における熱収縮率が2.0%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、特に好ましくは0.3%以下である。150℃における熱収縮率が2.0%を越えると、例えばPPC複写で原図を印刷する際に原図からの寸法変化を生じたり、平面性が悪化するために好ましくない。
【0239】
そこで、熱収縮率を下げるために、フィルム製造時の熱固定温度を高くしすぎたり、時間を長くすると、フィルム表面の熱結晶化が進み、耐摩耗性が不良になりやすくなる。そのため、縦延伸処理後に緩和処理を行うことや、熱固定温度及び時間を一定範囲に保つこと、更に必要に応じて熱固定処理後に横及び/又は縦弛緩処理することが好ましい。ここで、縦延伸後の縦弛緩処理は延伸温度以上、冷結晶化温度以下で、縦弛緩処理後のフィルムの150℃における熱収縮率が2.0%以下になるように弛緩処理し、熱固定処理は220℃以上融点未満の温度で30秒以内、好ましくは10秒以内で行い、横及び縦方向の弛緩処理は熱固定処理の最高温度以下で平面性が乱れない程度に弛緩処理することが好ましい。
【0240】
前記の特性値の制御は、ポリエステルの物性(熱安定性、固有粘度など)、ポリエステル中または被覆層中の不活性粒子の特性(平均粒子径、粒子径の標準偏差、形状、粒子の屈折率、硬さなど)及びその含有量、製膜条件(延伸倍率、延伸温度、延伸速度、熱固定温度、弛緩処理温度、弛緩率など)によって行うことができる。
【0241】
不活性粒子の種類及び含有量は、三次元平均傾斜勾配(SΔa)、三次元十点平均粗さ(SRz)、及びヘイズが、本願発明の範囲内であれば特に限定されるものではないが、シリカ、二酸化チタン、タルク、カオリナイト等の金属酸化物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の塩または耐熱性高分子粒子など、ポリエステル樹脂に対し不活性な粒子が例示される。これらの不活性粒子は、いずれか一種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0242】
ヘイズを小さくするためには、ポリエステルに含有させる不活性粒子としては、粒子の屈折率がポリエステルに近いシリカ、ガラスフィラー、アルミナ−シリカ複合酸化物粒子が好ましく、可視光線の波長よりも小さな粒子径を有する粒子が好ましく、含有量も低いほうが良い。また、延伸張力が大きくなると、粒子周囲に発生するボイドが大きくなるため、延伸張力が低くなるように、すなわち、延伸温度を高目にする又は延伸倍率を小さくするように延伸条件を適正化する必要がある。さらに、積層構成とし、中心層のポリエステル層には不活性粒子を含有させず、表面層のみ粒子を含有する方法もヘイズを小さくするのにきわめて有効な方法である。
【0243】
三次元平均傾斜勾配(SΔa)を大きくするためには、粒子含有量を多くして突起の個数を増やせば良いが、フィルムの透明性は悪化する方向になるので、むしろ、ポリエステル中に含有させる不活性粒子を球状で粒子径を均一なものを使用することが好ましい。
【0244】
前記の不活性粒子は、平均粒子径が0.01〜3.5μmであることが好ましく、粒子径のばらつき度(標準偏差と平均粒子径との比率)が25%以下であることが好ましい。また、粒子の形状は、面積形状係数が60%以上の粒子が1種類以上含まれていることが好ましい。このような特性を有する不活性粒子をポリエステル樹脂に対し0.005〜2.0重量%含有させることが好ましく、特に好ましくは1.0重量%以下である。
【0245】
上記の面積形状係数は、次式によって求めることができる。
面積形状係数(%)=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積)× 100
【0246】
本発明の配向ポリエステルフィルムは、好ましくは帯電防止性フィルム、易接着性フィルム、カード用、ダミー缶用、農業用、建材用、化粧材用、壁紙用、OHPフィルム用、印刷用、インクジェット記録用、昇華転写記録用、レーザービームプリンタ記録用、電子写真記録用、熱転写記録用、感熱転写記録用、プリント基板配線用、メンブレンスイッチ用、プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルム、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス用の透明導電性フィルム、マスキングフィルム用、写真製版用、レントゲンフィルム用、写真ネガフィルム用、位相差フィルム用、偏光フィルム用、偏光膜保護(TAC)用、偏向板や位相差板の検査用プロテクトフィルム及び/又はセパレータフィルム、感光性樹脂フィルム用、視野拡大フィルム用、拡散シート用、反射フィルム用、反射防止フィルム用、紫外線防止用、バックグラインドテープ用などに用いられる。
【0247】
帯電防止用フィルムとしては、例えば特許第2952677号公報、特開平6−184337号公報に記載の技術を用いることができる。易接着性フィルムとしては、例えば特公平07−108563、特開平10−235820、特開平11−323271号公報に、カード用としては例えば特開平10−171956、特開平11−010815号公報に記載の技術を本発明のフィルムに適用できる。
【0248】
ダミー缶用としては、例えば特開平10−101103号公報に記載のシート状筒体の代わりに、本発明のフィルム上に意匠を印刷し筒状、半筒状にしたものを用いることができる。建材用、建材用化粧版、化粧材用としては、例えば特開平05−200927号公報に記載の基材シート、特開平07−314630号公報に記載の透明シートとして本発明のフィルムを用いることができる。
【0249】
OHP用(オーバーヘッドプロジェクタ用)としては特開平06−297831号公報に記載の透明樹脂シート、特開平08−305065号公報に記載の透明高分子合成樹脂フィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。
【0250】
インクジェット記録用としては、例えば特開平05−032037号公報に記載の透明基材として本発明のフィルムを用いることができる。昇華転写記録用としては例えば特開2000−025349号公報に記載の透明なフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。レーザービームプリンタ用、電子写真記録用としては例えば特開平05−088400号公報に記載のプラスチックフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。熱転写記録用としては、例えば特開平07−032754号公報に感熱記録用としては、特開平11−034503号公報にそれぞれ記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。
【0251】
プリント基板用としては、例えば特開平06−326453号公報に記載のポリエステルフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。メンブレンスイッチ用としては例えば特開平05−234459号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。
【0252】
光学フィルター(熱線フィルター、プラズマディスプレイ用)としては、例えば特開平11−231126号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。透明導電性フィルム、タッチパネル用としては、例えば特開平11−224539号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。
【0253】
マスキングフィルム用としては、例えば特開平05−273737号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。写真製版用としては例えば特開平05-057844号公報に記載の方法で本発明のフィルムを用いることができる。写真用ネガフィルムとしては、例えば特開平06−167768号公報の段落番号[0123]に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。
【0254】
位相差フィルム用としては、例えば特開2000−162419号公報に記載のフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。セパレータ用としては、例えば特開平11−209711号公報の段落番号[0012]に記載のフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。紫外線防止用としては、例えば特開平10−329291号公報に記載のポリエステルフィルムとして本発明のフィルムを用いることができる。
【0255】
農業用フィルムとしては、特開平10−166534号公報に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムに本発明のフィルムを適用することにより得ることができる。粘着シートとしては、例えば特開平06−22856号公報に記載のポリエチレンテレフタレートフィルムに本発明の配向ポリエステルフィルムを適用することにより得ることができる。
【0256】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はもとよりこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各実施例および比較例において用いた評価方法を以下に説明する。
【0257】
〔評価方法〕
(1)リン化合物の評価
(a)1H-NMR測定
化合物をCDCl3またはDMSOに溶解させ、室温下でVarian GEMINI-200を使って測定した。
【0258】
(b)融点測定
化合物をカバーガラス上にのせ、Yanaco MICRO MELTING POINT APPARATUSを使って1℃/分の昇温速度で測定した。
【0259】
(c)元素分析
リンの分析は、PETレジンチップを湿式分解後、モリブデンブルー比色法を用いて行った。その他の金属は、灰化/酸溶解後、高周波プラズマ発光分析および原子吸光分析を用いて行った。
【0260】
(2)ポリエステルの特性
(a)固有粘度(IV)
ポリエステルをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、温度30℃にて測定した。
【0261】
(b)酸価
ポリエステル重合体0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解した後、0.1N−NaOHのメタノール/ベンジルアルコール(=1/9)の溶液を使用して滴定により測定した。
【0262】
(c)色相
ポリエステル重合体の色相は、溶融重合したレジンチップ用い、色差計(東京電色(株)製、MODEL TC-1500MC-88)を使用して、L値、a値、b値を測定した。
【0263】
(d)示差走査熱量分析(DSC)
TAインスツルメンツ社製DSC2920を用いて測定した。ポリエステル10.0mgをアルミパンに入れ、50℃/分の昇温速度で280℃まで加熱し、280℃に達してから1分間保持した後即座に、液体窒素中でクエンチした。その後、室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、昇温時結晶化温度Tc1ならびに融点Tmを求めた。300℃に達してから2分間保持した後に、10℃/分で降温し、降温時結晶化温度Tc2を求めた。Tc1、Tm、Tc2はそれぞれのピーク温度とした。
【0264】
(e)熱安定性パラメータ(TS)
PETレジンチップ([IV]i )1gを内径約14mmのガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥した後、真空ラインにセットし減圧と窒素封入を5回以上繰り返した。次いで、100mmHgの窒素を封入して封管し、300℃の塩バスに浸漬して2時間溶融状態に維持した。その後、サンプルを取り出して冷凍粉砕して真空乾燥し、[IV]f2を測定し、下記計算式を用いて求めた。式は、既報(上山ら:日本ゴム協会誌第63巻第8号497頁1990年)から引用した。
TS=0.245{[IV]f2 -1.47 −[IV]i -1.47
【0265】
(f)熱酸化安定性パラメータ(TOS)
PETレジンチップ([IV]i)を冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にした。この粉末を130℃で12時間真空乾燥し、粉末300mgを内径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾燥した。次いで、シリカゲルを入れた乾燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃の塩バスに浸漬して15分間加熱した後の[IV]f1を測定した。TOSは、上記TSと同じ計算式を用い、下記のように求めた。ただし、[IV]i および[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。冷凍粉砕は、フリーザーミル(米国スペックス社製、6750型)を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップと専用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液体窒素を装置に充填して約10分間保持し、次いでRATE10(インパクターが1秒間に約20回前後する)で5分間粉砕を行った。
TOS=0.245{[IV]f1 -1.47−[IV]i -1.47
【0266】
(g)耐加水分解性パラメータ(HS)
PETレジンチップ(試験前;[IV]i )を上記と同様に冷凍粉砕し、20メッシュ以下の粉末にした。その粉末を130℃で12時間真空乾燥した。加水分解試験はミニカラー装置((株)テクサム技研、TypeMC12.ELB)を用いて行った。上記粉末1gを純水100mlと共に専用ステンレスビーカーに入れてさらに専用の攪拌翼を入れ、密閉系にして、ミニカラー装置にセットし130℃に加熱、加圧した条件下に6時間攪拌した。試験後のPETをグラスフィルターで濾取し、真空乾燥した後IVを測定し([IV]f2)、以下の式により耐加水分解性パラメータ(HS)を求めた。
HS=0.245{[IV]f2 -1.47 −[IV]i -1.47
【0267】
(3)不活性粒子の特性
(a)平均粒子径及び粒子径のばらつき度
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−510型)で観察し、写真撮影したものを拡大して複写し、粒子の外形をトレースし任意に200個の粒子を黒く塗りつぶした。この像を画像解析装置(ニコン社製、ルーゼックス2D)を用いて、それぞれの粒子の水平方向のフェレ径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。また、粒子径のばらつき度は下記の式により算出した。
粒子径のばらつき度(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
【0268】
(b)面積形状係数
平均粒子径の測定に用いたトレース像から任意に20個の粒子を選び、上記(a)で用いた画像解析装置を用いて、それぞれの粒子の投影断面積を測定した。また、それらの粒子に外接する円の面積を算出し、下記の式により算出した。
面積形状係数(%)=(粒子の投影断面積/粒子に外接する円の面積)× 100
【0269】
(4)フィルム特性
(a)フィルムの熱安定性
得られたキャストフィルムの外観を目視で観察し、フィルムの着色の程度により、下記の基準により、ランク付けを行った。
◎:着色がない。
○:わずかに着色している。
△:着色している。
×:著しく着色している。
【0270】
(b)三次元表面粗さパラメータ
ポリエステルフィルムの表面を触針式三次元表面粗さ計(株式会社小坂研究所社製、SE−3AK)を用いて、触針先端半径2μm、触針荷重30mg、カットオフ値0.25mm、X倍率は200倍、Y倍率は500倍、Z倍率は20,000倍とした。フィルムの長手方向に測定長1mmにわたって、触針の送り速さ0.1mm/秒で測定し、送りピッチ2μmで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(TDA−21)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、即ちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に、前記解析装置を用いて、三次元平均傾斜勾配(S△a)および三次元十点平均粗さ(SRz)を自動的に算出する。
【0271】
ここで、SΔaとは、具体的には、前記触針式三次元表面粗さ計により、一定間隔で離れた所定数の測定箇所の高さを測定し、これらの測定値を三次元表面粗さ解析装置に取り込んで得られる値をいう。より具体的には、得られる表面粗さ曲線をサインカーブで近似し、データを合わせて三次元のデータを得、中心面を基準面として、突起の数と高さとから面全体の傾斜勾配を算出する。
【0272】
中心面上にX軸およびY軸からなる直交座標軸系を置き、中心面に直交する軸をZ軸とし、中心面上にX軸方向長さLx、Y軸方向長さLy、面積Lx×Ly=SMの部分を抜き取り、この抜き取り部分から、S△aは下記の式で表される。
【0273】
【数1】
Figure 0005028713
【0274】
ここで、Z=f(x、y)は、上記直交座標軸上の位置(x、y)におけるフィルム表面の高さZを表す関数を意味し、Lx=500、Ly=150である。
【0275】
(c)ヘイズ
ヘイズメーター(東京電色社製、TC−H3DP)で位置を変えて各8点を2回測定する。計16点の測定値の平均値を求め、ヘイズとする。
【0276】
(d)走行性
PPS複写機(リコー株式会社製、RICOPY FT 6860)にA4サイズにカットしたフィルムを100枚重ね連続で複写した。 重送無く1枚ずつ搬送できれば○、詰まったり、1枚ずつ搬送できなかったら×とした。
【0277】
(e)耐摩耗性
フィルムを1/2インチサイズに細幅にスリットし、図1に示した走行試験機を用いて、金属固定ロールにこすり付けて走行させたとき、一定の供給張力に体してガイドロール通過後、白紛のロールへの付着量を目視で評価し、次のランク付けで表す。
1級:非常に多い
2級:多い
3級:ややあり
4級:ほとんどなし
5級:全くなし
【0278】
(実施例1)
〔ポリエステルの合成〕
高純度テレフタル酸とエチレングリコールから常法に従って製造したビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート及びオリゴマーの混合物に対し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%とIrganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成分に対してIrganox 1425として0.02mol%を加えて、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で10分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa(0.1Torr)としてさらに275℃、13.3Paで重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレートのIVが0.65dl/gに到達するまでに要した重合時間(AP)は75分であった。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化した。
【0279】
得られたPETレジンの特性は、固有粘度が0.65dl/g、酸価が1.4eq/ton、DEGが2.1mol%であった。また、熱特性は、融点(Tm)が257.4℃、昇温結晶化温度(Tc1)が155.6℃、降温結晶化温度(Tc2)が181.5℃であった。色相はL値が68.5、a値が−2.7、b値が5.3であった。
【0280】
また、上記のPETレジンチップの熱安定性パラメータ(TS)は0.17、熱酸化パラメータ(TOS)は0.01未満、耐加水分解性パラメータ(HS)は0.05、溶液へイズ(SH)は0.1%であった。
【0281】
〔フィルムの製膜〕
PETレジンチップを135℃で10時間真空乾燥した。前記PETレジンチップと平均粒子径1.0μm、粒子径のばらつき度が20%、面積形状係数が80%のシリカ粒子をPETに対し0.2重量%となるように二軸押し出し機に定量供給し、280℃でシート状に溶融押し出しして、表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、厚さ1400μmのキャストフィルムを得た。
【0282】
次に、このキャストフィルムを加熱されたロール群及び赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。引き続いて、テンターで、120℃で幅方向に4.0倍に延伸し、フィルム幅長を固定した状態で、260℃、0.5秒間赤外線ヒーターで加熱し、さらに200℃で23秒間3%の弛緩処理をし、厚さ100μmの二軸配向PETフィルムを得た。得られたPETフィルムの特性を表1に示す。また、フィルムの黒ずみは、重合触媒として従来の三酸化アンチモンを用いて製造したポリエステルをフィルム原料とした場合と比べ改善されていた。
【0283】
(実施例2)
(リン化合物の合成例)
下記式(51)で表されるリン化合物(リン化合物A)の合成
【0284】
【化51】
Figure 0005028713
【0285】
1.Sodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)の合成
50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmol)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdiethyl(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl)phosphonate 5g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mmol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノールを減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) を3.4g(69%)得た。なお、多量に合成する場合は、上記の各原料のモル比をあわせて行った。
【0286】
形状:白色粉体
融点:294-302℃(分解)
1H-NMR(DMSO,δ):1.078(3H, t, J=7Hz), 1.354 (18H, s), 2.711(2H, d),
3.724(2H, m, J=7Hz), 6.626(1H, s), 6.9665(2H, s)
元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%(6.56%), P 9.18%(8.84%)
【0287】
2.O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid(リン化合物A)の合成
室温で攪拌下、Sodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)1g(2.8mmol)の水溶液20mlに濃塩酸1.5gを加えて1時間攪拌した。反応婚合物に水150mlを加え、析出した結晶をろ取、水洗、乾燥してO-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acidを826mg(88%)得た。なお、多量に合成する場合は、上記の各原料のモル比をあわせて行った。
形状:板状結晶
融点:126-127℃
1H-NMR(CDCl3,δ):1.207(3H, t, J=7Hz), 1.436(18H, s), 3.013(2H, d),
3.888(2H, m, J=7Hz.), 7.088(2H, s), 7.679-8.275(1H, br)
【0288】
(ポリエステルの重合)
重合反応缶に高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が95%のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)およびオリゴマーの混合物(以下、BHET混合物という)を得た。このBHET混合物に対して、アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%加え、上述のリン化合物Aの10g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torrで重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレートのIVが0.65dl/gに到達するまでに要した重合時間(AP)は103分であった。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化した。
【0289】
得られたPETレジンの特性は、固有粘度が0.65dl/g、酸価が2.0eq/ton、DEGが2.0mol%であった。また、熱特性は、融点(Tm)が257.5℃、昇温結晶化温度(Tc1)が164.1℃、降温結晶化温度(Tc2)が185.4℃であった。色相はL値が68.3、a値が−1.1、b値が1.9であった。
【0290】
また、上記のPETレジンチップの熱安定性パラメータ(TS)は0.16、熱酸化パラメータ(TOS)は0.01未満、耐加水分解性パラメータ(HS)は0.04、溶液へイズ(SH)は0.04%であった。
【0291】
上記溶融重合で得られたPETレジンチップを用いて、実施例1と同様にして二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、フィルムの黒ずみは、実施例1と同様に、重合触媒として従来の三酸化アンチモンを用いて製造したポリエステルをフィルム原料とした場合と比べ改善されていた。
【0292】
(実施例3)
(リン化合物の合成例)
下記式(52)で表されるリン化合物のマグネシウム塩(リン化合物B)の合成
【0293】
【化52】
Figure 0005028713
【0294】
1.Sodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) の合成
50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmol)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdiethyl(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl)phosphonate 5g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mmol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノールを減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) を3.4g(69%)得た。なお、多量に合成する場合は、上記の各原料のモル比をあわせて行った。
【0295】
形状:白色粉体
融点:294-302℃(分解)
1H-NMR(DMSO,δ):1.078(3H, t, J=7Hz), 1.354 (18H, s), 2.711(2H, d),
3.724(2H, m, J=7Hz), 6.626(1H, s), 6.9665(2H, s)
元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%(6.56%), P 9.18%(8.84%)
【0296】
2.Magnesium bis(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)(リン化合物B)の合成
室温で攪拌下、Sodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) 500mg(1.4mmol)の水溶液4mlに硝酸マグネシウム6水和物 192mg(0.75mmol)の水溶液1mlを滴下した。1時間攪拌後、析出物をろ取、水洗、乾燥してMagnesium bis(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) を359mg(74%)得た。なお、多量に合成する場合は、上記の各原料のモル比をあわせて行った。
【0297】
形状:白色粉体
融点:>300℃
1H-NMR(DMSO,δ):1.0820(6H, t, J=7Hz), 1.3558(36H, s), 2.8338(4H, d),
3.8102(4H, m, J=7Hz), 6.6328(2H, s), 6.9917(4H, s)
【0298】
(ポリエステルの重合)
重合反応缶に高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、0.25MPaの加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が95%のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)およびオリゴマーの混合物(以下、BHET混合物という)を得た。このBHET混合物に対して、アルミニウムアセチルアセトネートの2.5g/lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.015mol%加え、上述のリン化合物Bを酸成分に対して0.02mol%添加し、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torrで重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレートのIVが0.65dl/gに到達するまでに要した重合時間(AP)は39分であった。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化した。
【0299】
得られたPETレジンの特性は、固有粘度が0.65dl/g、酸価が2.0eq/toがであった。また、熱特性は、融点(Tm)が256.5℃、昇温結晶化温度(Tc1)が165.6℃、降温結晶化温度(Tc2)が185.1℃であった。色相はL値が66.6、a値が−2.1、b値が4.5であった。
【0300】
また、上記のPETレジンチップの熱安定性パラメータ(TS)は0.19、熱酸化パラメータ(TOS)は0.01未満、耐加水分解性パラメータ(HS)は0.06であった。
【0301】
上記溶融重合で得られたPETレジンチップを用いて、実施例1と同様に二軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、フィルムの黒ずみは、実施例1と同様に、重合触媒として従来の三酸化アンチモンを用いて製造したポリエステルをフィルム原料とした場合と比べ改善されていた。
【0302】
(実施例4)
(リン化合物のアルミニウム塩の合成例)
O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonateのアルミニウム塩(アルミニウム塩A)の合成
【0303】
1.Sodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)の合成
50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmol)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdiethyl(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl)phosphonate 5g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mmol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノールを減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) を3.4g(69%)得た。なお、多量に合成する場合は、上記の各原料のモル比をあわせて行った。
【0304】
形状:白色粉体
融点:294-302℃(分解)
1H-NMR(DMSO,δ): 1.078(3H, t, J=7Hz), 1.354 (18H, s), 2.711(2H, d),
3.724(2H, m, J=7Hz), 6.626(1H, s), 6.9665(2H, s)
元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%(6.56%), P 9.18%(8.84%)
【0305】
2.O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonateのアルミニウム塩(アルミニウム塩A)の合成
室温で攪拌下、Sodium(O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) 1g(2.8mmol)の水溶液7.5mlに硝酸アルミニウム9水和物 364mg(0.97mmol)の水溶液5mlを滴下した。3時間攪拌後、析出物をろ取、水洗、乾燥してO-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonateのアルミニウム塩Aを860mg得た。なお、多量に合成する場合は、上記の各原料のモル比をあわせて行った。
【0306】
形状:白色粉体
融点:183-192℃
【0307】
(ポリエステルの重合)
重合反応缶に高純度テレフタル酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、トリエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、0.25MPaの加圧下245℃にて水を系外に留去しながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が95%のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)およびオリゴマーの混合物(以下、BHET混合物という)を得た。このBHET混合物に対して、上述のアルミニウム塩Aをポリエステル中の酸成分に対してアルミニウム原子として0.02mol%添加し、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要して275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torrで重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレートのIVが0.65dl/gに到達するまでに要した重合時間(AP)は、98分であった。重縮合にて得られたポリエチレンテレフタレートを常法に従ってチップ化した。
【0308】
得られたPETレジンの特性は、固有粘度が0.65dl/g、酸価が1.0eq/ton以下であった。また、熱特性は、融点(Tm)が257.1℃、昇温結晶化温度(Tc1)が160.7℃、降温結晶化温度(Tc2)が185.1℃であった。色相はL値が64.3、a値が−1.4、b値が2.3であった。
【0309】
また、上記のPETレジンチップの熱安定性パラメータ(TS)は0.14、熱酸化パラメータ(TOS)は0.01、耐加水分解性パラメータ(HS)は0.03、溶液へイズ(SH)は0.03%であった。
【0310】
上記溶融重合で得られたPETレジンチップを用いて、実施例1と同様にして二軸延伸PETフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。また、フィルムの黒ずみは、実施例1と同様に、重合触媒として従来の三酸化アンチモンを用いて製造したポリエステルをフィルム原料とした場合と比べ改善されていた。
【0311】
(比較例1)
実施例1で用いたシリカ粒子の代わりに、平均粒子径0.1μmの二酸化チタン粒子をPETレジンに対して0.004重量%添加した以外は実施例1と同様にして二軸延伸PETフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0312】
(比較例2)
実施例1で用いたシリカ粒子の代わりに、平均粒子径5μm、ばらつき度40%、面積形状係数55%のシリカ粒子をPETレジンに対して10重量%添加した以外は実施例1と同様にして二軸延伸PETフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0313】
【表1】
Figure 0005028713
【0314】
【発明の効果】
本発明の配向ポリエステルフィルムは、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物以外の成分を主成分とし、かつ触媒活性に優れた新規な触媒を用いて製造された、熱安定性に優れたポリエステルをフィルム原料の主たる構成成分とし、ヘイズ値とフィルム表面粗さを特定範囲とすることにより、走行性、耐摩耗性、熱安定性に優れ、かつ透明性が良好であるという効果がある。したがって、本発明の配向ポリエステルフィルムは、例えば、帯電防止性フィルム、易接着性フィルム、カード用、ダミー缶用、農業用、建材用、化粧材用、壁紙用、OHPフィルム用、印刷用、インクジェット記録用、昇華転写記録用、レーザービームプリンタ記録用、電子写真記録用、熱転写記録用、感熱転写記録用、プリント基板配線用、メンブレンスイッチ用、プラズマディスプレイ用近赤外線吸収フィルム、タッチパネルやエレクトロルミネッセンス用の透明導電性フィルム、マスキングフィルム用、写真製版用、レントゲンフィルム用、写真ネガフィルム用、位相差フィルム用、偏光フィルム用、偏光膜保護(TAC)用、偏向板や位相差板の検査用プロテクトフィルム及び/又はセパレータフィルム、感光性樹脂フィルム用、視野拡大フィルム用、拡散シート用、反射フィルム用、反射防止フィルム用、紫外線防止用、バックグラインドテープ用など、幅広い用途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】配向ポリエステルフィルムの耐摩耗性を評価するための装置の説明図である。
【符号の説明】
7 フィルム
8 ピックアップローラー
9 張力検出器
10 市販VTR用金属製固定ピン[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oriented polyester film comprising, as a main component, a polyester polymerized using a novel polyester polycondensation catalyst, and more specifically, a novel aluminum that does not use germanium or an antimony compound as a catalyst main component. It is related with the oriented polyester film which uses as a main component the polyester polymerized using the type | system | group polycondensation catalyst.
[0002]
[Prior art]
Polyesters typified by polyethylene terephthalate (PET), polybutylene terephthalate (PBT), polyethylene naphthalate (PEN), etc. are excellent in mechanical properties and chemical properties. Depending on the properties of each polyester, for example, Widely used in various fields of packaging and industrial applications.
[0003]
For example, in the case of polyethylene terephthalate (PET), a polyester mainly composed of aromatic dicarboxylic acid and alkylene glycol, which is a typical polyester, is obtained by esterification or transesterification of terephthalic acid or dimethyl terephthalate and ethylene glycol. Bis (2-hydroxyethyl) terephthalate is produced and industrially produced by a polycondensation method or the like in which polycondensation is performed using a catalyst at high temperature and under vacuum.
[0004]
Conventionally, antimony trioxide has been widely used as a polyester polymerization catalyst used in such polycondensation of polyester. Antimony trioxide is a polycondensation catalyst that is inexpensive and has excellent catalytic activity. However, when it is used in an amount of such a main component, that is, a practical polymerization rate, it can be used during polycondensation. Since metal antimony precipitates and the appearance of polyester is darkened, it is not preferable. Moreover, the foreign material resulting from metal antimony arises and it is unpreferable in the use with a severe request | requirement of a fault. Therefore, a polyester that does not contain antimony as a main catalyst component is desired.
[0005]
When used for a film, the precipitation of metal antimony in the polyester not only causes the die die to become dirty during melt extrusion, but also causes the surface defects of the film. Further, further improvements are demanded in applications where the demands on transparency and color tone are severe.
[0006]
As a method for solving the above problems, attempts have been made to use antimony trioxide as a polycondensation catalyst and to suppress the darkening of PET and the generation of foreign substances. For example, in Japanese Patent No. 2666502, generation of black foreign substances in PET is suppressed by using a compound of antimony trioxide, bismuth and selenium as a polycondensation catalyst. Japanese Patent Laid-Open No. 9-291141 states that the use of antimony trioxide containing sodium and iron oxides as a polycondensation catalyst suppresses the precipitation of metal antimony. However, these polycondensation catalysts cannot achieve the purpose of reducing the content of antimony in the polyester after all.
[0007]
Studies on polycondensation catalysts that replace antimony-based catalysts such as antimony trioxide have also been conducted, and titanium compounds and tin compounds typified by tetraalkoxy titanates have already been proposed. However, polyesters produced using these materials are susceptible to thermal degradation during melt molding, and the polyesters are remarkably colored.
[0008]
As an attempt to overcome such problems when a titanium compound is used as a polycondensation catalyst, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-116722 proposes a method of using tetraalkoxy titanate simultaneously with a cobalt salt and a calcium salt. ing. JP-A-8-73581 proposes a method using tetraalkoxy titanate as a polycondensation catalyst simultaneously with a cobalt compound and using a fluorescent brightening agent. However, with these techniques, although coloring of PET when tetraalkoxy titanate is used as a polycondensation catalyst is reduced, it has not been achieved to effectively suppress thermal decomposition of PET.
[0009]
As another attempt to suppress thermal degradation at the time of melt molding of a polyester polymerized using a titanium compound as a polycondensation catalyst, for example, in JP-A-10-259296, a polyester compound is polymerized using a titanium compound as a catalyst and then a phosphorus compound. A method of adding is disclosed. However, it is not only technically difficult to effectively add the additive to the polymer after polymerization, but also the cost is increased and it is not put into practical use.
[0010]
There is also known a technique for forming a polyester polycondensation catalyst having sufficient catalytic activity by adding an alkali metal compound to an aluminum compound. When such a known polycondensation catalyst is used, a polyester having excellent thermal stability can be obtained. However, a polycondensation catalyst using this alkali metal compound in combination requires a large amount of addition to obtain a practical catalytic activity. As a result, at least one of the following problems occurs due to the alkali metal compound in the obtained polyester polymer.
[0011]
1) The amount of foreign matter increases, and when used for a film, film forming properties and film properties are deteriorated.
2) The hydrolysis resistance of the polyester polymer decreases, and the transparency decreases due to the generation of foreign matter.
3) Poor color tone of the polyester polymer, that is, a phenomenon that the polymer is colored yellow occurs, and when used for a film, the color tone of the molded product is deteriorated.
4) When producing for a long time, the pressure increase of the filter is increased due to clogging of foreign matters in the melt extrusion process, the frequency of replacement of the filter is shortened, and the productivity is lowered.
[0012]
As a polycondensation catalyst that gives a polyester having excellent catalytic activity other than the antimony compound and does not have the above problems, a germanium compound has already been put into practical use, but this catalyst is very expensive. However, since it tends to distill out of the reaction system during the polymerization, there is a problem that the concentration of the catalyst in the reaction system changes and it becomes difficult to control the polymerization.
[0013]
Moreover, the method of removing a catalyst from polyester is also mentioned as a method for suppressing thermal degradation during melt molding of polyester. As a method for removing the catalyst from the polyester, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-251394 discloses a method of bringing a polyester resin into contact with an extractant that is a supercritical fluid in the presence of an acidic substance. However, such a method using a supercritical fluid is not preferable because it is technically difficult and increases the cost of the product.
[0014]
With the above circumstances, it is a polycondensation catalyst for polyesters that contains metal components other than antimony compounds, germanium compounds, titanium compounds, or tin compounds as the main component, and has excellent catalytic activity and almost no thermal degradation during melt molding. Polycondensation that can provide a polyester having excellent transparency (a) thermal stability, (b) thermal oxidation stability, and (c) hydrolysis resistance, and having a small amount of foreign matter and excellent transparency A catalyst is desired.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to provide transparency and heat stability mainly comprising a polyester produced using a novel polyester polycondensation catalyst that does not contain a polycondensation catalyst such as a conventional antimony compound or germanium compound as a main component. The present invention provides an oriented polyester film excellent in running property and wear resistance.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The technical gist of the present invention was to improve the thermal stability of polyester polymerized using a conventional aluminum compound as a polycondensation catalyst, and examined the effects of adding various antioxidants and stabilizers during polymerization. By combining the compound with a phenol compound, a phosphorus compound or a phosphorus compound having a phenol moiety in the same molecule, the thermal stability of the polyester is improved, and an aluminum compound that is originally inferior in catalytic activity has sufficient activity as a polycondensation catalyst. By using the polyester obtained by using the polycondensation catalyst as a main constituent of the raw material for oriented polyester film, and by optimizing the film surface morphology and optical properties, transparency, heat Oriented polyester film with excellent stability, running performance and wear resistance There is in the place where it is obtained.
[0017]
That is, the present invention is a polyester film mainly comprising polyester polymerized using a polycondensation catalyst containing aluminum and / or a compound thereof and a phenol compound, and the film is a three-dimensional surface of the surface. An oriented polyester film characterized by having an average gradient (SΔa) of 0.004 to 0.4, a three-dimensional ten-point average roughness (SRz) of 1.2 μm or less, and a haze of 5.0% or less. is there.
[0018]
Further, a polyester film mainly comprising a polyester polymerized using a polycondensation catalyst containing aluminum and / or a compound thereof and a phosphorus compound, the film having a three-dimensional average gradient (SΔa) of the surface. ) Is 0.004 to 0.4, the three-dimensional ten-point average roughness (SRz) is 1.2 μm or less, and the haze is 5.0% or less.
[0019]
The polyester film mainly comprises polyester polymerized using a polycondensation catalyst containing an aluminum salt of a phosphorus compound, and the film has a three-dimensional average gradient (SΔa) of 0.004 on the surface. It is an oriented polyester film characterized by -0.4, three-dimensional ten-point average roughness (SRz) of 1.2 μm or less, and haze of 5.0% or less.
[0020]
Furthermore, a polyester film mainly comprising a polyester polymerized using a polycondensation catalyst containing at least one selected from the compounds represented by the general formula (7), wherein the film has the surface The three-dimensional average slope gradient (SΔa) is 0.004 to 0.4, the three-dimensional ten-point average roughness (SRz) is 1.2 μm or less, and the haze is 5.0% or less. It is a polyester film.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polycondensation catalyst used when polymerizing the polyester which is the main component of the oriented polyester film of the present invention is a catalyst containing aluminum and / or its compound and a phenol compound, aluminum and / or its compound and a phosphorus compound. A catalyst containing an aluminum salt of a phosphorus compound, or a catalyst containing at least one selected from the compounds represented by the general formula (7).
[0022]
As said aluminum and / or an aluminum compound, a well-known aluminum compound other than metallic aluminum can be used without limitation.
[0023]
Specific examples of the aluminum compound include aluminum formate, aluminum acetate, basic aluminum acetate, aluminum propionate, aluminum oxalate, aluminum acrylate, aluminum laurate, aluminum stearate, aluminum benzoate, aluminum trichloroacetate, and aluminum lactate. , Carboxylates such as aluminum citrate, aluminum salicylate, inorganic acid salts such as aluminum chloride, aluminum hydroxide, aluminum hydroxide chloride, aluminum carbonate, aluminum phosphate, aluminum phosphonate, aluminum methoxide, aluminum ethoxide, aluminum Aluminum such as n-propoxide, aluminum iso-propoxide, aluminum n-butoxide, aluminum t-butoxide Aluminum alkoxide, aluminum acetylacetonate, aluminum acetylacetate, aluminum ethylacetoacetate, aluminum ethyl acetoacetate diiso-propoxide, organoaluminum compounds such as trimethylaluminum, triethylaluminum and their partial hydrolysates And aluminum oxide. Of these, carboxylates, inorganic acid salts and chelate compounds are preferred, and among these, aluminum acetate, aluminum chloride, aluminum hydroxide, aluminum hydroxide chloride and aluminum acetylacetonate are particularly preferred.
[0024]
The addition amount of the aluminum and / or aluminum compound is preferably 0.001 to 0.05 mol% with respect to the number of moles of all constituent units of the carboxylic acid component such as dicarboxylic acid or polycarboxylic acid of the obtained polyester. More preferably, it is 0.005-0.02 mol%. If the addition amount is less than 0.001 mol%, the catalytic activity may not be sufficiently exerted. If the addition amount is 0.05 mol% or more, the thermal stability or thermal oxidation stability is deteriorated, resulting from aluminum. Occurrence of foreign matters or increased coloring may be a problem. As described above, the polymerization catalyst of the present invention has a great feature in that it exhibits a sufficient catalytic activity even when the addition amount of the aluminum component is small. As a result, thermal stability and thermal oxidation stability are excellent, and foreign matters and coloring caused by aluminum can be reduced.
[0025]
The phenol compound constituting the polycondensation catalyst is not particularly limited as long as it is a compound having a phenol structure. For example, 2,6-di-tert-butyl-4-methylphenol, 2,6-di- tert-butyl-4-ethylphenol, 2,6-dicyclohexyl-4-methylphenol, 2,6-diisopropyl-4-ethylphenol, 2,6-di-tert-amyl-4-methylphenol, 2,6- Di-tert-octyl-4-n-propylphenol, 2,6-dicyclohexyl-4-n-octylphenol, 2-isopropyl-4-methyl-6-tert-butylphenol, 2-tert-butyl-2-ethyl-6 -tert-octylphenol, 2-isobutyl-4-ethyl-6-tert-hexylphenol, 2-cyclohexyl-4-n-butyl-6-isopropylphenol, 1,1,1-tris (4-hydroxyphenyl) ethane, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-tert-butylphenyl) butane, tri Ethylene glycol-bis [3- (3-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 1,6-hexanediol-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4- Hydroxyphenyl) propionate], 2,2-thiodiethylenebis [3- (3,5-di-tert-butyl-4,4-hydroxyphenyl) propionate], N, N′-hexamethylenebis (3,5- Di-tert-butyl-4-hydroxy-hydrocinnamide), 1,3,5-tris (2,6-dimethyl-3-hydroxy-4-tert-butylbenzyl) isocyanurate, 1,3,5-tris (3 , 5-Di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) isocyanurate, 1,3,5-tris [(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxyethyl] isocyanurate, tris ( 4-tert-butyl-2,6-dimethyl-3-hydroxybenzyl) isocyanurate, 2,4-bis (n-octylthio) -6- (4- Droxy-3,5-di-tert-butylanilino) -1,3,5-triazine, tetrakis [methylene (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxy) hydrocinnamate] methane, bis [(3, 3-bis (3-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) butyric acid) glycol ester, N, N'-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyl] hydrazine 2,2′-ogizamide bis [ethyl-3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], bis [2-tert-butyl-4-methyl-6- (3-tert- Butyl-5-methyl-2-hydroxybenzyl) phenyl] terephthalate, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, 3, 9-bis [1,1-dimethyl-2- {β- (3-tert-butyl-4-hydroxy-5-methylphenyl) propionyloxy} ethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspir [5,5] undecane, 2,2-bis [4- (2- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxycinnamoyloxy)) ethoxyphenyl] propane, β- (3,5-di -tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionic acid alkyl ester, tetrakis- [methyl-3- (3 ', 5'-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] methane, octadecyl-3- (3 , 5-Di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, 1,1,3-tris (2-methyl-4-hydroxy-5-tert-butylphenyl) butane, thiodiethylene-bis [3- (3 , 5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], ethylenebis (oxyethylene) bis [3- (5-tert-butyl-4-hydroxy-m-tolyl) propionate], hexamethylenebis [3 -(3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, triethylene glycol-bis-[-3- (3'-tert-butyl-4-hydro Xyl-5-methylphenyl)] propionate, 1,1,3-tris [2-methyl-4- [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxy] -5-tert -Butylphenyl] butane.
[0026]
Two or more of these can be used in combination. Of these, 1,3,5-trimethyl-2,4,6-tris (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, tetrakis- [methyl-3- (3 ', 5' -Di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] methane, thiodiethylene-bis [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate] are preferred.
[0027]
By adding these phenol compounds at the time of polymerization of the polyester, the catalytic activity of the aluminum compound is improved and the thermal stability of the polymerized polyester is also improved.
[0028]
The amount of the phenolic compound added is 5 × 10 5 with respect to the number of moles of all constituent units of the carboxylic acid component such as dicarboxylic acid or polycarboxylic acid of the obtained polyester.-7~ 0.01 mol is preferred, more preferably 1 × 10-6~ 0.005 mol. In the present invention, a phosphorus compound may be used together with the phenol compound.
[0029]
Although it does not specifically limit as a phosphorus compound which comprises the said polycondensation catalyst, The group which consists of a phosphonic acid type compound, a phosphinic acid type compound, a phosphine oxide type compound, a phosphonous acid type compound, a phosphinic acid type compound, a phosphine type compound The use of one or two or more selected compounds is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great. Among these, when one or two or more phosphonic acid compounds are used, the effect of improving the catalytic activity is particularly large and preferable.
[0030]
The phosphonic acid compounds, phosphinic acid compounds, phosphine oxide compounds, phosphonous acid compounds, phosphinic acid compounds, and phosphine compounds are structures represented by the following formulas (8) to (13), respectively. It is a compound having
[0031]
[Chemical 8]
Figure 0005028713
[0032]
[Chemical 9]
Figure 0005028713
[0033]
Embedded image
Figure 0005028713
[0034]
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Figure 0005028713
[0035]
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Figure 0005028713
[0036]
Embedded image
Figure 0005028713
[0037]
Examples of the phosphonic acid compounds include dimethyl methylphosphonate, diphenyl methylphosphonate, dimethyl phenylphosphonate, diethyl phenylphosphonate, diphenyl phenylphosphonate, dimethyl benzylphosphonate, diethyl benzylphosphonate, and the like.
[0038]
Examples of the phosphinic acid-based compound include diphenylphosphinic acid, methyl diphenylphosphinate, phenyl diphenylphosphinate, phenylphosphinic acid, methyl phenylphosphinate, and phenylphenylphosphinate.
[0039]
Examples of the phosphine oxide compound include diphenylphosphine oxide, methyldiphenylphosphine oxide, and triphenylphosphine oxide.
[0040]
Among the phosphinic acid compounds, phosphine oxide compounds, phosphonous acid compounds, phosphinic acid compounds, and phosphine compounds, compounds represented by the following formulas (14) to (19) are used as phosphorus compounds. It is preferable.
[0041]
Embedded image
Figure 0005028713
[0042]
Embedded image
Figure 0005028713
[0043]
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Figure 0005028713
[0044]
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Figure 0005028713
[0045]
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Figure 0005028713
[0046]
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Figure 0005028713
[0047]
Among the phosphorus compounds, it is more preferable to use a compound having an aromatic ring structure because the effect of improving the catalytic activity is large.
[0048]
Moreover, as a phosphorus compound which comprises the said polycondensation catalyst, when the compound represented by following General formula (20)-(22) is used, especially the improvement effect of a catalyst activity is large and preferable.
[0049]
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Figure 0005028713
[0050]
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Figure 0005028713
[0051]
Embedded image
Figure 0005028713
[0052]
(In the formulas (20) to (22), R1, RFour, RFive, R6Each independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group or an amino group, and a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms. R2, RThreeEach independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a hydroxyl group or an alkoxyl group. However, the hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0053]
As a phosphorus compound which comprises the said polycondensation catalyst, in said formula (20)-(22), R1, RFour, RFive, R6A compound in which is a group having an aromatic ring structure is particularly preferred.
[0054]
Examples of the phosphorus compound constituting the polycondensation catalyst include, for example, dimethyl methylphosphonate, diphenyl methylphosphonate, dimethyl phenylphosphonate, diethyl phenylphosphonate, diphenyl phenylphosphonate, dimethyl phosphophosphonate, diethyl benzylphosphonate, and diphenylphosphine. Examples include acids, methyl diphenylphosphinate, phenyl diphenylphosphinate, phenylphosphinic acid, methyl phenylphosphinate, phenylphenylphosphinate, diphenylphosphine oxide, methyldiphenylphosphine oxide, and triphenylphosphine oxide. Of these, dimethyl phenylphosphonate and diethyl benzylphosphonate are particularly preferred.
[0055]
The amount of the phosphorus compound added is 5 × 10 5 with respect to the number of moles of all constituent units of the carboxylic acid component such as dicarboxylic acid or polycarboxylic acid of the obtained polyester.-7~ 0.01 mol is preferred, more preferably 1 × 10-6~ 0.005 mol.
[0056]
The phosphorus compound having a phenol part constituting the polycondensation catalyst in the same molecule is not particularly limited as long as it is a phosphorus compound having a phenol structure, but a phosphonic acid compound having a phenol part in the same molecule, The use of one or two or more compounds selected from the group consisting of phosphinic acid compounds, phosphine oxide compounds, phosphonous acid compounds, phosphinic acid compounds, and phosphine compounds is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great. Among these, when a phosphonic acid compound having one or two or more phenol moieties in the same molecule is used, the effect of improving the catalytic activity is particularly large and preferable.
[0057]
Moreover, as a phosphorus compound which has the phenol part which comprises the said polycondensation catalyst in the same molecule, the compound etc. which are represented with the following general formula (23)-(25) are mentioned. Among these, it is particularly preferable to use the following formula because catalytic activity is improved.
[0058]
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Figure 0005028713
[0059]
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Figure 0005028713
[0060]
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Figure 0005028713
[0061]
(In the formulas (23) to (25), R1Represents a C1-C50 hydrocarbon group containing a phenol part, a substituent such as a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group or an amino group, and a C1-C50 hydrocarbon group containing a phenol part. RFour, RFive, R6Each independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a substituent such as a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group or an amino group. R2, RThreeEach independently represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a substituent such as hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. However, the hydrocarbon group may contain a branched structure, an alicyclic structure such as cyclohexyl, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. R2And RFourThe ends of each may be bonded. )
[0062]
Examples of the phosphorus compound having the phenol moiety in the same molecule include p-hydroxyphenylphosphonic acid, dimethyl p-hydroxyphenylphosphonate, diethyl p-hydroxyphenylphosphonate, diphenyl p-hydroxyphenylphosphonate, bis ( p-hydroxyphenyl) phosphinic acid, methyl bis (p-hydroxyphenyl) phosphinate, phenyl bis (p-hydroxyphenyl) phosphinate, p-hydroxyphenylphenylphosphinic acid, methyl p-hydroxyphenylphenylphosphinate, p-hydroxy Phenyl phenyl phosphinate, p-hydroxyphenyl phosphinate, methyl p-hydroxyphenyl phosphinate, phenyl p-hydroxyphenyl phosphinate, bis (p-hydroxy phen Le) phosphine oxide, tris (p- hydroxyphenyl) phosphine oxide, bis (p- hydroxyphenyl) methyl phosphine oxide, and the following equation (26), and the like compounds represented by - (29). Among these, a compound represented by the following formula (28) and dimethyl p-hydroxyphenylphosphonate are particularly preferable.
[0063]
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Figure 0005028713
[0064]
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Figure 0005028713
[0065]
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Figure 0005028713
[0066]
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Figure 0005028713
[0067]
As the compound represented by the above formula (28), for example, SANKO-220 (manufactured by Sanko Co., Ltd.) can be used.
[0068]
By adding a phosphorus compound having these phenol moieties in the same molecule during the polymerization of the polyester, the catalytic activity of the aluminum compound is improved and the thermal stability of the polymerized polyester is also improved.
[0069]
The amount of the phosphorus compound having the phenol moiety in the same molecule is 5 × 10 5 with respect to the number of moles of all constituent units of the carboxylic acid component such as dicarboxylic acid or polycarboxylic acid of the obtained polyester.-7~ 0.01 mol is preferred, more preferably 1 × 10-6~ 0.005 mol.
[0070]
Moreover, it is preferable to use a metal salt compound of phosphorus as the phosphorus compound. The phosphorus metal salt compound is not particularly limited as long as it is a metal salt of a phosphorus compound. However, it is preferable to use a metal salt of a phosphonic acid compound because of its large effect of improving the catalytic activity. Examples of the metal salt of the phosphorus compound include a monometal salt, a dimetal salt, and a trimetal salt.
[0071]
Further, among the above phosphorus compounds, when the metal part of the metal salt is selected from Li, Na, K, Be, Mg, Sr, Ba, Mn, Ni, Cu, Zn, the catalytic activity is improved. The effect is large and preferable. Of these, Li, Na, and Mg are particularly preferable.
[0072]
When at least one selected from the compounds represented by the following general formula (30) is used as the phosphorus metal salt compound, the effect of improving the catalytic activity is greatly preferred.
[0073]
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Figure 0005028713
[0074]
(In formula (30), R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group, or an amino group. R2Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or carbonyl. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) is 4 or less. M represents a (l + m) -valent metal cation. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0075]
R above1Examples thereof include phenyl, 1-naphthyl, 2-naphthyl, 9-anthryl, 4-biphenyl, 2-biphenyl, and the like. R above2For example, hydrogen, methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, long-chain aliphatic group, phenyl group, naphthyl group, substituted phenyl Group, naphthyl group, -CH2CH2And a group represented by OH. RThreeO-Examples thereof include hydroxide ions, alcoholate ions, acetate ions, and acetylacetone ions.
[0076]
Among the compounds represented by the general formula (30), it is preferable to use at least one selected from the compounds represented by the following general formula (31).
[0077]
Embedded image
Figure 0005028713
[0078]
(In formula (31), R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group, or an amino group. RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or carbonyl. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) is 4 or less. M represents a (l + m) -valent metal cation. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0079]
R above1Examples thereof include phenyl, 1-naphthyl, 2-naphthyl, 9-anthryl, 4-biphenyl, 2-biphenyl, and the like. RThreeO-Examples thereof include hydroxide ions, alcoholate ions, acetate ions, and acetylacetone ions.
[0080]
Among the above phosphorus compounds, the use of a compound having an aromatic ring structure is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great.
[0081]
Among the above formulas (31), it is preferable that M is selected from Li, Na, K, Be, Mg, Sr, Ba, Mn, Ni, Cu, and Zn because the effect of improving the catalytic activity is large. Of these, Li, Na, and Mg are particularly preferable.
[0082]
Examples of the metal salt compound of phosphorus include lithium [ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate], sodium [ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate], magnesium bis [ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate], potassium [( 2-naphthyl) methylphosphonic acid ethyl], magnesium bis [(2-naphthyl) methylphosphonic acid ethyl], lithium [benzylphosphonic acid ethyl], sodium [benzylphosphonic acid ethyl], magnesium bis [benzylphosphonic acid ethyl], beryllium bis [ Benzyl phosphonate], strontium bis [benzyl phosphonate], manganese bis [benzyl phosphonate], sodium benzyl phosphonate, magnesium bis [benzyl phosphonate], sodium [(9-anthry ) Ethyl methylphosphonate], magnesium bis [(9-anthryl) methylphosphonate ethyl], sodium [ethyl 4-hydroxybenzylphosphonate], magnesium bis [4-hydroxybenzylphosphonate ethyl], sodium [4-chlorobenzylphosphonic acid] Phenyl], magnesium bis [ethyl 4-chlorobenzylphosphonate], sodium [methyl 4-aminobenzylphosphonate], magnesium bis [methyl 4-aminobenzylphosphonate], sodium phenylphosphonate, magnesium bis [ethyl phenylphosphonate] ], Zinc bis [ethyl phenylphosphonate] and the like.
[0083]
Among these, lithium [ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate], sodium [ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate], magnesium bis [ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate], lithium [ethyl benzylphosphonate], Sodium [ethyl benzylphosphonate], magnesium bis [ethyl benzylphosphonate], sodium benzylphosphonate, magnesium bis [benzylphosphonic acid] are particularly preferred.
[0084]
The metal salt compound of phosphorus, which is another preferable phosphorus compound constituting the polycondensation catalyst, is composed of at least one selected from compounds represented by the following general formula (32).
[0085]
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Figure 0005028713
[0086]
(In formula (32), R1, R2Each independently represents hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. RFourRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or carbonyl. RFourO-Examples thereof include hydroxide ions, alcoholate ions, acetate ions, and acetylacetone ions. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) is 4 or less. M represents a (l + m) -valent metal cation. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0087]
Among these, it is preferable to use at least one selected from compounds represented by the following general formula (33).
[0088]
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Figure 0005028713
[0089]
(In formula (33), Mn +Represents an n-valent metal cation. n represents 1, 2, 3 or 4. )
[0090]
Among the above formulas (32) or (33), when M is selected from Li, Na, K, Be, Mg, Sr, Ba, Mn, Ni, Cu, Zn, the catalytic activity is improved. Largely preferred. Of these, Li, Na, and Mg are particularly preferable.
[0091]
Examples of the metal salt compound of the specific phosphorus include lithium [ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate], sodium [3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphone]. Ethyl], sodium [3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid], potassium [ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid], magnesium bis [3, 5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid ethyl], magnesium bis [3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid], beryllium bis [3,5-di-tert-butyl -Methyl 4-hydroxybenzylphosphonate], strontium bis [3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate ethyl], barium bis [3,5-di-tert-butyl] -Phenyl-4-hydroxybenzylphosphonate], manganese bis [3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate ethyl], nickel bis [3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphone] Ethyl acrylate], copper bis [ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate], zinc bis [ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate] and the like. It is done. Among these, lithium [ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate], sodium [ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate], magnesium bis [ Ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate] is particularly preferred.
[0092]
Another embodiment of the present invention is a polyester polymerization catalyst comprising at least one selected from aluminum salts of phosphorus compounds. You may use combining the aluminum salt of a phosphorus compound with another aluminum compound, a phosphorus compound, a phenol type compound, etc.
[0093]
The aluminum salt of the phosphorus compound, which is a preferred component constituting the polycondensation catalyst, is not particularly limited as long as it is a phosphorus compound having an aluminum part, but the use of an aluminum salt of a phosphonic acid compound improves the catalytic activity. Is preferable. Examples of the aluminum salt of the phosphorus compound include a monoaluminum salt, a dialuminum salt, and a trialuminum salt.
[0094]
Among the aluminum salts of the phosphorus compounds, the use of a compound having an aromatic ring structure is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great.
[0095]
As the aluminum salt of the phosphorus compound constituting the polymerization catalyst, at least one selected from the compounds represented by the following general formula (34) is preferably used because the effect of improving the catalytic activity is great.
[0096]
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Figure 0005028713
[0097]
(In formula (34), R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group, or an amino group. R2Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or carbonyl. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) is 3. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0098]
R above1Examples thereof include phenyl, 1-naphthyl, 2-naphthyl, 9-anthryl, 4-biphenyl, 2-biphenyl, and the like. R above2For example, hydrogen, methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, long-chain aliphatic group, phenyl group, naphthyl group, substituted phenyl Group, naphthyl group, -CH2CH2And a group represented by OH. R aboveThreeO-Examples thereof include hydroxide ions, alcoholate ions, ethylene glycolate ions, acetate ions, and acetylacetone ions.
[0099]
Examples of the aluminum salt of the phosphorus compound include an aluminum salt of ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate, an aluminum salt of (1-naphthyl) methylphosphonic acid, an aluminum salt of ethyl (2-naphthyl) methylphosphonate, and an ethyl benzylphosphonate. Aluminum salt, aluminum salt of benzylphosphonic acid, aluminum salt of ethyl (9-anthryl) methylphosphonate, aluminum salt of ethyl 4-hydroxybenzylphosphonate, aluminum salt of ethyl 2-methylbenzylphosphonate, 4-chlorobenzylphosphonic acid Examples thereof include an aluminum salt of phenyl, an aluminum salt of methyl 4-aminobenzylphosphonate, an aluminum salt of ethyl 4-methoxybenzylphosphonate, and an aluminum salt of ethyl phenylphosphonate.
[0100]
Among these, an aluminum salt of ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate and an aluminum salt of ethyl benzylphosphonate are particularly preferable.
[0101]
Another embodiment is a polyester polymerization catalyst comprising at least one selected from aluminum salts of phosphorus compounds represented by the following general formula (35). The aluminum salt of the phosphorus compound may be used in combination with other aluminum compounds, phosphorus compounds, phenolic compounds, and the like.
[0102]
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Figure 0005028713
[0103]
(In formula (35), R1, R2Each independently represents hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. RFourRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or carbonyl. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) is 3. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0104]
Among these, it is preferable to use at least one selected from compounds represented by the following general formula (36).
[0105]
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Figure 0005028713
[0106]
(In formula (36), RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. RFourRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or carbonyl. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) is 3. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0107]
R aboveThreeAs, for example, hydrogen, methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, long chain aliphatic group, phenyl group, naphthyl group, substituted Phenyl group, naphthyl group, -CH2CH2And a group represented by OH. R aboveFourO-Examples thereof include hydroxide ions, alcoholate ions, ethylene glycolate ions, acetate ions and acetylacetone ions.
[0108]
Examples of the aluminum salt of the phosphorus compound include aluminum salt of ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, aluminum of methyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate. Salt, aluminum salt of isopropyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, aluminum salt of phenyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, 3,5-di- Examples thereof include an aluminum salt of tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid.
[0109]
Among these, an aluminum salt of ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate and an aluminum salt of methyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate are particularly preferable.
[0110]
Moreover, it is preferable to use a phosphorus compound having at least one P—OH bond as the phosphorus compound. The phosphorus compound having at least one P—OH bond is not particularly limited as long as it is a phosphorus compound having at least one P—OH in the molecule. Among these phosphorus compounds, the use of a phosphonic acid compound having at least one P—OH bond is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great.
[0111]
Among the above phosphorus compounds, the use of a compound having an aromatic ring structure is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great.
[0112]
As the phosphorus compound having at least one P—OH bond constituting the polycondensation catalyst, it is preferable to use at least one selected from the compounds represented by the following general formula (37) because the effect of improving the catalytic activity is great. .
[0113]
Embedded image
Figure 0005028713
[0114]
(In formula (37), R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group, or an amino group. R2Represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0115]
R above1Examples thereof include phenyl, 1-naphthyl, 2-naphthyl, 9-anthryl, 4-biphenyl, 2-biphenyl, and the like. R above2For example, hydrogen, methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, long-chain aliphatic group, phenyl group, naphthyl group, substituted phenyl Group, naphthyl group, -CH2CH2And a group represented by OH.
[0116]
Among the above phosphorus compounds, the use of a compound having an aromatic ring structure is preferable because the effect of improving the catalytic activity is great.
[0117]
Examples of phosphorus compounds having at least one P-OH bond include ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate, (1-naphthyl) methylphosphonic acid, ethyl (2-naphthyl) methylphosphonate, ethyl benzylphosphonate, benzylphosphonic acid, 9-anthryl) ethyl methylphosphonate, ethyl 4-hydroxybenzylphosphonate, ethyl 2-methylbenzylphosphonate, phenyl 4-chlorobenzylphosphonate, methyl 4-aminobenzylphosphonate, ethyl 4-methoxybenzylphosphonate, etc. It is done. Of these, ethyl (1-naphthyl) methylphosphonate and ethyl benzylphosphonate are particularly preferred.
[0118]
A preferable phosphorus compound includes a specific phosphorus compound having at least one P-OH bond. The specific phosphorus compound having at least one P—OH bond, which is a preferable phosphorus compound constituting the polycondensation catalyst, means at least one compound selected from the compounds represented by the following general formula (38). To do.
[0119]
Embedded image
Figure 0005028713
[0120]
(In formula (38), R1, R2Each independently represents hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0121]
Among these, it is preferable to use at least one selected from compounds represented by the following general formula (39).
[0122]
Embedded image
Figure 0005028713
[0123]
(In the formula (39), RThreeRepresents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0124]
R aboveThreeAs, for example, hydrogen, methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, tert-butyl group, long chain aliphatic group, phenyl group, naphthyl group, substituted Phenyl group, naphthyl group, -CH2CH2And a group represented by OH.
[0125]
Specific phosphorus compounds having at least one P—OH bond include ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl. Methyl phosphonate, isopropyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, phenyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, 3,5-di-tert-butyl- Examples include octadecyl 4-hydroxybenzylphosphonate, 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid, and the like. Of these, ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate and methyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate are particularly preferred.
[0126]
A preferable phosphorus compound includes a phosphorus compound represented by the chemical formula (40).
[0127]
Embedded image
Figure 0005028713
[0128]
(In formula (40), R1Represents a hydrocarbon group having 1 to 49 carbon atoms, or a hydrocarbon group having 1 to 49 carbon atoms including a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group, or an amino group, and R2, RThreeEach independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a hydroxyl group or an alkoxyl group. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure, a branched structure, or an aromatic ring structure. )
[0129]
More preferably, R in the chemical formula (40)1, R2, RThreeAt least one of these is a compound containing an aromatic ring structure.
[0130]
Specific examples of the phosphorus compound are shown below.
[0131]
Embedded image
Figure 0005028713
[0132]
Embedded image
Figure 0005028713
[0133]
Embedded image
Figure 0005028713
[0134]
Embedded image
Figure 0005028713
[0135]
Embedded image
Figure 0005028713
[0136]
Embedded image
Figure 0005028713
[0137]
The phosphorus compound having a large molecular weight is more preferable because it is less likely to be distilled off during polymerization.
[0138]
Another phosphorus compound that is preferably used as the polycondensation catalyst is at least one phosphorus compound selected from compounds represented by the following general formula (47).
[0139]
Embedded image
Figure 0005028713
[0140]
(In the above formula (47), R1, R2Each independently represents hydrogen or a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. RThree, RFourEach independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a hydroxyl group or an alkoxyl group. n represents an integer of 1 or more. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0141]
Among the general formula (47), it is preferable to use at least one selected from the compounds represented by the following general formula (48) because the effect of improving the catalytic activity is high.
[0142]
Embedded image
Figure 0005028713
[0143]
(In the above formula (48), RThree, RFourEach independently represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a hydroxyl group or an alkoxyl group. The hydrocarbon group may contain an alicyclic structure such as cyclohexyl, a branched structure, or an aromatic ring structure such as phenyl or naphthyl. )
[0144]
R aboveThree, RFourFor example, short chain aliphatic groups such as hydrogen, methyl group, butyl group, long chain aliphatic groups such as octadecyl, phenyl groups, naphthyl groups, aromatic groups such as substituted phenyl groups and naphthyl groups, -CH2CH2And a group represented by OH.
[0145]
Examples of the specific phosphorus compound include diisopropyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, di-n-butyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate, 3 , 5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate dioctadecyl, 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate diphenyl, and the like.
[0146]
Of these, dioctadecyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate and diphenyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate are particularly preferred.
[0147]
Another phosphorus compound that is preferably used as the polycondensation catalyst is at least one phosphorus compound selected from the compounds represented by chemical formula (49) and chemical formula (50).
[0148]
Embedded image
Figure 0005028713
[0149]
Embedded image
Figure 0005028713
[0150]
As the compound represented by the chemical formula (49), Irganox 1222 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals) is commercially available. Moreover, Irganox1425 (made by Ciba Specialty Chemicals) is marketed as a compound shown by Chemical formula (50).
[0151]
Phosphorus compounds are generally well known as antioxidants, but it is not known that melt polymerization is greatly promoted when these phosphorus compounds are used in combination with conventional metal-containing polyester polymerization catalysts. Actually, even when a phosphorus compound is added to melt-polymerize polyester using a polymerization catalyst of an antimony compound, titanium compound, tin compound or germanium compound, which is a typical catalyst for polyester polymerization, to a substantially useful level. It is not observed that polymerization is accelerated.
[0152]
That is, by using the phosphorus compound in combination, a sufficient catalytic effect can be exhibited even if the content of aluminum in the polyester polymerization catalyst is small.
[0153]
The amount of the phosphorus compound added is preferably 0.0001 to 0.1 mol%, more preferably 0.005 to 0.05 mol%, based on the number of moles of all the structural units of the dicarboxylic acid component constituting the polyester. When the addition amount of the phosphorus compound is less than 0.0001 mol%, the addition effect may not be exhibited. On the other hand, if added over 0.1 mol%, the catalytic activity as a polyester polymerization catalyst may be reduced. Further, the tendency of the change varies depending on the amount of aluminum added.
[0154]
By using aluminum compound as the main catalyst component without using a phosphorus compound, reducing the amount of aluminum compound added, and adding a cobalt compound, coloring due to a decrease in thermal stability when using an aluminum compound as the main catalyst Although it has been studied to prevent the thermal stability, the addition of the cobalt compound to the extent that it has sufficient catalytic activity also reduces the thermal stability. Therefore, it is difficult to make both compatible with this technique.
[0155]
By using the phosphorus compound having the above specific chemical structure, polycondensation does not cause problems such as deterioration of thermal stability and generation of foreign matter, and has a sufficient catalytic effect even if the addition amount of the metal-containing component as aluminum is small. A catalyst is obtained, and the thermal stability of the polyester film after melt molding is improved by using the polyester polymerized by the polycondensation catalyst.
[0156]
Moreover, even if it replaces with the said phosphorus compound and phosphoric acid esters, such as phosphoric acid and a trimethyl phosphoric acid, are added, the said addition effect is not seen. Furthermore, even if the above phosphorus compound is used in combination with a metal-containing polyester polycondensation catalyst such as a conventional antimony compound, titanium compound, tin compound, and germanium compound within the range of the preferable addition amount, the melt polymerization reaction is promoted. The effect is not recognized.
[0157]
On the other hand, in the present invention, in addition to aluminum or a compound thereof, a small amount of an alkali metal, an alkaline earth metal, and at least one selected from the compound are also present as a second metal-containing component. The coexistence of such a second metal-containing component in the catalyst system is effective in improving productivity by obtaining a catalyst component having an increased reaction rate in addition to an effect of suppressing the formation of diethylene glycol, and thus a higher reaction rate. .
[0158]
A technique of adding an alkali metal compound or an alkaline earth metal compound to an aluminum compound to obtain a catalyst having sufficient catalytic activity is known. When such a known catalyst is used, a polyester having excellent thermal stability can be obtained. However, when a known catalyst using an alkali metal compound or an alkaline earth metal compound is used to obtain a practical catalytic activity, the amount of catalyst added Need to be more.
[0159]
When an alkali metal compound is used in combination, the amount of foreign matters resulting therefrom increases, and the frequency of filter replacement tends to be shortened or film defects tend to increase in the melt extrusion process during film production.
[0160]
In addition, when an alkaline earth metal compound is used in combination, when the practical activity is obtained, the thermal stability and thermal oxidation stability of the obtained polyester is lowered, coloring due to heating is large, and foreign matter is generated. The amount also increases.
[0161]
When an alkali metal, an alkaline earth metal, or a compound thereof is added, the addition amount M (mol%) is 1 × 10 4 with respect to the number of moles of all polycarboxylic acid units constituting the polyester.- 6It is preferably less than 0.1 mol%, more preferably 5 × 10- 6˜0.05 mol%, more preferably 1 × 10- 5To 0.03 mol%, particularly preferably 1 × 10- 5-0.01 mol%.
[0162]
That is, since the amount of alkali metal or alkaline earth metal added is small, the reaction rate can be increased without causing problems such as a decrease in thermal stability, generation of foreign matter, and coloring. In addition, problems such as degradation of hydrolysis resistance do not occur.
[0163]
When the added amount M of an alkali metal, alkaline earth metal, or compound thereof is 0.1 mol% or more, there are problems in product processing such as a decrease in thermal stability, an increase in foreign matter generation and coloring, and a decrease in hydrolysis resistance. The case that becomes. M is 1 × 10-6If it is less than mol%, the effect is not clear even if it is added.
[0164]
The alkali metal or alkaline earth metal constituting the second metal-containing component preferably used in addition to the aluminum or a compound thereof includes Li, Na, K, Rb, Cs, Be, Mg, Ca, Sr, Ba Is preferably at least one selected from the group consisting of alkali metals and compounds thereof.
[0165]
When an alkali metal or a compound thereof is used, Li, Na, and K are particularly preferable as the alkali metal. Examples of the alkali metal and alkaline earth metal compounds include saturated aliphatic carboxylates such as formic acid, acetic acid, propionic acid, butyric acid, and succinic acid, and unsaturated aliphatic carboxylates such as acrylic acid and methacrylic acid. , Aromatic carboxylates such as benzoic acid, halogen-containing carboxylates such as trichloroacetic acid, hydroxycarboxylates such as lactic acid, citric acid and salicylic acid, carbonic acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, phosphonic acid, hydrogen carbonate, phosphorus Inorganic acid salts such as acid hydrogen, hydrogen sulfide, sulfurous acid, thiosulfuric acid, hydrochloric acid, hydrobromic acid, chloric acid and bromic acid, and organic sulfonates such as 1-propanesulfonic acid, 1-pentanesulfonic acid and naphthalenesulfonic acid , Organic sulfates such as lauryl sulfate, methoxy, ethoxy, n-propoxy, iso-propoxy, n-butoxy, tert-butyl Alkoxides such as alkoxy, chelate compounds and the like acetylacetonate, hydrides, oxides, and hydroxides and the like.
[0166]
Among these alkali metals, alkaline earth metals or their compounds, when using strongly alkaline substances such as hydroxides, these tend to be difficult to dissolve in diols such as ethylene glycol or organic solvents such as alcohols. However, it must be added to the polymerization system in an aqueous solution, which may cause a problem in the polymerization process.
[0167]
Furthermore, when using strongly alkaline substances such as hydroxides, the polyester is liable to undergo side reactions such as hydrolysis during polymerization, and the polymerized polyester tends to be colored, and the hydrolysis resistance also decreases. Tend to.
[0168]
Accordingly, the alkali metal or the compound thereof, the alkaline earth metal or the compound thereof is preferably a saturated aliphatic carboxylate, unsaturated aliphatic carboxylate or aromatic carboxylate of the alkali metal or alkaline earth metal. , Halogen-containing carboxylate, hydroxycarboxylate, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, phosphonic acid, hydrogen phosphate, hydrogen sulfide, sulfurous acid, thiosulfuric acid, hydrochloric acid, hydrobromic acid, chloric acid, bromic acid Acid salts, organic sulfonates, organic sulfates, chelate compounds, and oxides. Among these, from the viewpoint of ease of handling, availability, and the like, it is preferable to use an alkali metal or alkaline earth metal saturated aliphatic carboxylate, particularly acetate.
[0169]
The polyester which is the main constituent of the oriented polyester film of the present invention preferably has a thermal stability parameter (TS) satisfying the following formula, more preferably 0.25 or less, particularly preferably 0.20 or less. By using a polyester having a TS of less than 0.30, an oriented polyester film having excellent thermal stability in the melt-extrusion process at the time of producing a film and less generation of coloring and foreign matters can be obtained.
(1) TS <0.30
[0170]
TS is calculated by the following method.
Intrinsic viscosity ([IV]i ) Is placed in a glass test tube and vacuum dried at 130 ° C. for 12 hours. Next, after maintaining the molten state at 300 ° C. for 2 hours under a non-circulating nitrogen atmosphere, the sample is taken out and frozen and pulverized. After vacuum drying, the intrinsic viscosity ([IV]f ). For example, when the polyester is polyethylene terephthalate, it can be calculated by the following formula.
TS = 0.245 {[IV]f -1.47 -[IV]i -1.47 }
[0171]
The non-circulating nitrogen atmosphere means a non-circulating nitrogen atmosphere. For example, a glass test tube containing a resin chip is connected to a vacuum line, and after repeating depressurization and nitrogen filling five or more times, nitrogen is added so that the pressure becomes 100 Torr. It is in a sealed and sealed state.
[0172]
Further, the polyester used in the present invention preferably has a thermal oxidation stability parameter (TOS) satisfying the following formula (2), more preferably 0.09 or less, and further preferably 0.08 or less.
(2) TOS <0.10
[0173]
TOS is calculated by the following method.
Intrinsic viscosity ([IV]i The polyester resin chip obtained by melt polymerization of about 0.65 dl / g is frozen and ground to a powder of 20 mesh or less. The powder is vacuum dried at 130 ° C. for 12 hours and 0.3 g is placed in a glass test tube. Then, after vacuum drying at 70 ° C. for 12 hours and further heating at 230 ° C. for 15 minutes under air dried with silica gel, intrinsic viscosity ([IV]f 1 ). For example, when the polyester is polyethylene terephthalate, it can be calculated by the following formula.
TOS = 0.245 {[IV]f1 -1.47-[IV]i -1.47 }
In the above formula, [IV]i And [IV]f1Denotes IV (dl / g) before and after the heating test, respectively.
[0174]
Examples of the method of heating in air dried with silica gel include a method of connecting a drying tube containing silica gel to the upper part of a glass test tube and heating in dry air.
[0175]
Further, the polyester used in the present invention preferably has a hydrolysis resistance parameter (HS) satisfying the following formula (3), more preferably 0.09 or less, and particularly preferably 0.085 or less.
(3) HS <0.10
[0176]
HS is calculated by the following method.
Intrinsic viscosity is about 0.65 dl / g (before test: [IV]i The polyester chip obtained by melt polymerization is frozen and ground into a powder of 20 mesh or less. After vacuum drying at 130 ° C. for 12 hours, 1 g thereof is put into a beaker with 100 ml of pure water. The mixture was stirred for 6 hours in a closed system and heated and pressurized at 130 ° C., and then the intrinsic viscosity ([IV]f2). For example, when the polyester is polyethylene terephthalate, it can be calculated by the following formula.
HS = 0.245 × {[IV]f2 -1.47-[IV]i -1.47 }
[0177]
As the beaker used for the measurement of HS, a beaker having no acid or alkali elution is used. Specifically, it is preferable to use a stainless beaker or a quartz beaker.
[0178]
Moreover, it is preferable that the polyester used for this invention has the solution haze value (SH) of polyester satisfy | filling following formula (4), More preferably, it is 2.0 or less, More preferably, it is 1.0 or less.
(4) SH <3.0 (%)
[0179]
SH is calculated by the following method.
A melt-polymerized polyester resin chip having an intrinsic viscosity of about 0.65 dl / g was dissolved in a 3/1 mixed solvent (weight ratio) of p-chlorophenol / 1,1,2,2-tetrachloroethane to obtain 8 g / 100 ml. Make a solution. A cell having a cell length of 1 cm is filled with the solution, and the haze value of the solution is measured using a haze meter.
[0180]
The polyester resin chip used for measuring TS, TOS, HS, and SH is one prepared by rapid cooling from a molten state after melt polymerization. As the shape of the resin tip used for these measurements, for example, a cylindrical resin tip having a length of about 3 mm and a diameter of about 2 mm is used.
[0181]
In the case of performing color measurement, a resin chip that is substantially amorphous prepared by rapid cooling from a molten state after the melt polymerization step is used. As a method for obtaining a substantially amorphous resin chip, for example, when the polymer is taken out from the reaction system after melt polymerization, immediately after the polymer is discharged from the discharge port of the reaction system, it is quenched with cold water, and then sufficiently Examples thereof include a method obtained by holding in time cold water and then cutting into chips.
[0182]
The resin chip thus obtained is transparent in appearance, with no whitening due to crystallization observed. The resin chip thus obtained is air-dried on a filter paper or the like at room temperature for about a day and night, and then used for color measurement. Even after the above-described operation, the resin chip is not transparent in appearance and remains transparent. The resin chip for color measurement does not use any additive such as titanium dioxide that affects the appearance. As the shape of the resin chip used for color measurement, for example, a cylindrical resin chip having a length of about 3 mm and a diameter of about 2 mm is used.
[0183]
In the polyester used in the present invention, it is preferable to add a cobalt compound as a cobalt atom in an amount of less than 10 ppm based on the polyester.
[0184]
It is known that a cobalt compound itself has a certain degree of polymerization activity. However, when it is added to such an extent that it exhibits a sufficient catalytic effect as described above, the color tone and thermal stability of the resulting polyester film are reduced.
[0185]
The polyester used in the present invention is good in color tone and thermal stability, but is obtained by adding a cobalt compound in a small amount as described above and in an addition amount in which the catalytic effect by addition is not clear. The coloring can be more effectively eliminated without causing a decrease in the color tone.
[0186]
The purpose of adding the cobalt compound is to eliminate the coloration, and the addition time may be any stage of the polymerization process, or may be after the polymerization reaction is completed.
[0187]
The type of the cobalt compound is not particularly limited, and examples thereof include cobalt acetate, cobalt nitrate, cobalt chloride, cobalt acetylacetonate, cobalt naphthenate, and hydrates thereof. Among these, cobalt acetate tetrahydrate is particularly preferable.
[0188]
The added amount of the cobalt compound is preferably such that the total amount of aluminum atoms and cobalt atoms is 50 ppm or less and the amount of cobalt atoms is less than 10 ppm with respect to the finally obtained polyester. More preferably, the total amount of aluminum atoms and cobalt atoms is 40 ppm or less, the amount of cobalt atoms is 8 ppm or less, more preferably the total amount of aluminum atoms and cobalt atoms is 25 ppm or less, and the cobalt atoms are 5 ppm or less. .
[0189]
From the viewpoint of the thermal stability of the polyester, the total amount of aluminum atoms and cobalt atoms is preferably less than 50 ppm, and the amount of cobalt atoms is preferably 10 ppm or less. In order to have sufficient catalytic activity, the total amount of aluminum atoms and cobalt atoms is preferably more than 0.01 ppm.
[0190]
The polyester used in the present invention can be produced by a conventionally known production method except that the specific catalyst is used as a polyester polymerization catalyst. For example, in the case of producing PET, a method in which terephthalic acid and ethylene glycol are esterified and then polycondensed, or after transesterification of an alkyl ester of terephthalic acid such as dimethyl terephthalate with ethylene glycol is performed. Any method of polycondensation can be used. The polymerization apparatus may be a batch type or a continuous type.
[0191]
The polyester catalyst used in the present invention has catalytic activity not only in the polymerization reaction but also in the esterification reaction and transesterification reaction. For example, polymerization by an ester exchange reaction between an alkyl ester of a dicarboxylic acid such as dimethyl terephthalate and a glycol such as ethylene glycol is usually carried out in the presence of an ester exchange catalyst such as a titanium compound or a zinc compound. Instead, the catalyst described in the claims of the present invention can be used together with these catalysts. The catalyst has catalytic activity not only in melt polymerization but also in solid phase polymerization or solution polymerization, and it is possible to produce a polyester suitable for producing a polyester film by any method.
[0192]
The polyester polymerization catalyst used in the present invention can be added to the reaction system at any stage of the polymerization reaction. For example, it can be added to the reaction system at any stage before and during the esterification reaction or transesterification reaction, immediately before the start of the polycondensation reaction, or at any stage during the polycondensation reaction. In particular, aluminum or a compound thereof is preferably added immediately before the start of the polycondensation reaction.
[0193]
The method for adding the polyester polycondensation catalyst used in the present invention is not particularly limited, but it may be added in the form of powder or neat, or in the form of a slurry or solution of a solvent such as ethylene glycol. May be. Further, aluminum metal or a compound thereof and other components, preferably those obtained by mixing the phenolic compound or phosphorus compound of the present invention in advance may be added, or these may be added separately. In addition, aluminum metal or a compound thereof and other components, preferably a phenolic compound or a phosphorus compound, may be added to the polymerization system at the same addition time, or may be added at different addition times.
[0194]
The polyester polycondensation catalyst used in the present invention is an appropriate amount of other polymerization catalyst such as an antimony compound, a titanium compound, a germanium compound, and a tin compound, as long as no problems occur in the product such as polyester properties, processability, and color tone. Use in the presence of coexistence is advantageous and preferable in improving productivity by shortening the polymerization time.
[0195]
Specifically, the addition amount of the antimony compound is preferably 50 ppm or less in terms of antimony atoms, more preferably 30 ppm or less, based on the polyester obtained by polymerization. When the amount converted to antimony atom exceeds 50 ppm, metal antimony is precipitated, and the polyester becomes dark, which is not preferable in appearance. Moreover, the foreign material resulting from a metal antimony increases and it is unpreferable especially in the use with a severe request | requirement with respect to a fault.
[0196]
The addition amount of the titanium compound is preferably 10 ppm or less, more preferably 5 ppm or less, further preferably 2 ppm or less, in terms of titanium atom, with respect to the polyester obtained by polymerization. If the titanium atom equivalent exceeds 10 ppm, the thermal stability of the resulting resin is significantly reduced.
[0197]
The addition amount of the germanium compound is preferably 20 ppm or less, more preferably 10 ppm or less, in terms of germanium atoms, based on the polyester obtained by polymerization. If the germanium atom equivalent exceeds 20 ppm, it is not preferable because it is disadvantageous in terms of cost.
[0198]
When the polyester used in the present invention is polymerized, one or more of an antimony compound, a titanium compound manium compound and a tin compound can be used in addition to the catalyst described in the claims of the present application.
[0199]
The kind of the antimony compound, titanium compound, germanium compound and tin compound is not particularly limited.
[0200]
Specifically, examples of the antimony compound include antimony trioxide, antimony pentoxide, antimony acetate, and antimony glycoloxide. Of these, antimony trioxide is preferable.
[0201]
Examples of titanium compounds include tetra-n-propyl titanate, tetraisopropyl titanate, tetra-n-butyl titanate, tetraisobutyl titanate, tetra-tert-butyl titanate, tetracyclohexyl titanate, tetraphenyl titanate, and titanium oxalate. Of these, tetra-n-butoxy titanate is preferred.
[0202]
Furthermore, examples of the germanium compound include germanium dioxide, germanium tetrachloride, etc. Among these, germanium dioxide is preferable.
[0203]
As tin compounds, dibutyltin oxide, methylphenyltin oxide, tetraethyltin, hexaethylditin oxide, triethyltin hydroxide, monobutylhydroxytin oxide, triisobutyltin adduct, diphenyltin dilaurate, monobutyltin trichloride, dibutyltin sulfide, Examples thereof include dibutylhydroxytin oxide, methylstannoic acid, and ethylstannic acid, and the use of monobutylhydroxytin oxide is particularly preferable.
[0204]
The polyester used as a film raw material in the present invention is one or two or more selected from a polyhydric carboxylic acid containing a dicarboxylic acid and one or more of these ester-forming derivatives and a polyhydric alcohol containing a glycol. Or consisting of a hydroxycarboxylic acid and an ester-forming derivative thereof, or consisting of a cyclic ester.
[0205]
Preferred polyesters are those in which the main acid component is terephthalic acid or an ester-forming derivative thereof, or naphthalene dicarboxylic acid or an ester-forming derivative thereof, and the main glycol component is alkylene glycol.
[0206]
The polyester whose main acid component is terephthalic acid or its ester-forming derivative or naphthalene dicarboxylic acid or its ester-forming derivative is terephthalic acid or its ester-forming derivative and naphthalene dicarboxylic acid or its ester formation with respect to all acid components It is preferable that the total amount of the functional derivatives is 70 mol% or more, more preferably 80 mol% or more of the polyester, and still more preferably 90 mol% or more of the polyester.
[0207]
The polyester whose main glycol component is alkylene glycol is preferably a polyester containing 70 mol% or more of alkylene glycol in total with respect to all glycol components, more preferably a polyester containing 80 mol% or more, More preferably, it is a polyester containing 90 mol% or more.
[0208]
Dicarboxylic acids include succinic acid, malonic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, pimelic acid, suberic acid, azelaic acid, sebacic acid, decanedicarboxylic acid, dodecanedicarboxylic acid, tetradecanedicarboxylic acid, hexadecanedicarboxylic acid, 1,3 -For cyclobutanedicarboxylic acid, 1,3-cyclopentanedicarboxylic acid, 1,2-cyclohexanedicarboxylic acid, 1,3-cyclohexanedicarboxylic acid, 1,4-cyclohexanedicarboxylic acid, 2,5-norbornanedicarboxylic acid, dimer acid, etc. Saturated aliphatic dicarboxylic acids exemplified, or ester-forming derivatives thereof, unsaturated aliphatic dicarboxylic acids exemplified by fumaric acid, maleic acid, itaconic acid, etc., or ester-forming derivatives thereof, orthophthalic acid, isophthalic acid, terephthalic acid Acid, 5 -(Alkali metal) sulfoisophthalic acid, diphenic acid, 1,3-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-naphthalenedicarboxylic acid, 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 2,7-naphthalenedicarboxylic acid Acid, 4,4′-biphenyldicarboxylic acid, 4,4′-biphenylsulfonedicarboxylic acid, 4,4′-biphenyletherdicarboxylic acid, 1,2-bis (phenoxy) ethane-p, p′-dicarboxylic acid, pamoin Examples thereof include aromatic dicarboxylic acids exemplified by acids and anthracene dicarboxylic acids, and ester-forming derivatives thereof.
[0209]
Of these dicarboxylic acids, terephthalic acid, naphthalenedicarboxylic acid, or ester-forming derivatives thereof are preferred.
[0210]
Naphthalenedicarboxylic acid or its ester-forming derivatives include 1,3-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-naphthalenedicarboxylic acid, 1,5-naphthalenedicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, and 2,7-naphthalenedicarboxylic acid. Examples include acids, or ester-forming derivatives thereof.
[0211]
Particularly preferred are terephthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid or ester-forming derivatives thereof. If necessary, other dicarboxylic acids may be used as components.
[0212]
As polyvalent carboxylic acids other than these dicarboxylic acids, ethanetricarboxylic acid, propanetricarboxylic acid, butanetetracarboxylic acid, pyromellitic acid, trimellitic acid, trimesic acid, 3,4,3 ′, 4′-biphenyltetracarboxylic acid, And ester-forming derivatives thereof.
[0213]
Examples of the glycol include ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,3-propylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, 1,2-butylene glycol, 1,3-butylene glycol, 2,3-butylene glycol, 1, 4-butylene glycol, 1,5-pentanediol, neopentyl glycol, 1,6-hexanediol, 1,2-cyclohexanediol, 1,3-cyclohexanediol, 1,4-cyclohexanediol, 1,2-cyclohexanedi Alkylene glycol such as methanol, 1,3-cyclohexanedimethanol, 1,4-cyclohexanedimethanol, 1,4-cyclohexanediethanol, 1,10-decamethylene glycol, 1,12-dodecanediol, poly Aliphatic glycols exemplified by tylene glycol, polytrimethylene glycol, polytetramethylene glycol, hydroquinone, 4,4′-dihydroxybisphenol, 1,4-bis (β-hydroxyethoxy) benzene, 1,4-bis ( β-hydroxyethoxyphenyl) sulfone, bis (p-hydroxyphenyl) ether, bis (p-hydroxyphenyl) sulfone, bis (p-hydroxyphenyl) methane, 1,2-bis (p-hydroxyphenyl) ethane, bisphenol A , Bisphenol C, 2,5-naphthalenediol, and glycols obtained by adding ethylene oxide to these glycols, and the like.
[0214]
Among these glycols, alkylene glycol is preferable, and ethylene glycol, 1,3-propylene glycol, 1,4-butylene glycol, and 1,4-cyclohexanedimethanol are more preferable. The alkylene glycol may contain a substituent or an alicyclic structure in the molecular chain, and two or more kinds may be used at the same time.
[0215]
Examples of polyhydric alcohols other than these glycols include trimethylolmethane, trimethylolethane, trimethylolpropane, pentaerythritol, glycerol, hexanetriol and the like.
[0216]
Examples of hydroxycarboxylic acids include lactic acid, citric acid, malic acid, tartaric acid, hydroxyacetic acid, 3-hydroxybutyric acid, p-hydroxybenzoic acid, p- (2-hydroxyethoxy) benzoic acid, 4-hydroxycyclohexanecarboxylic acid, or these And ester-forming derivatives thereof.
[0217]
Examples of the cyclic ester include ε-caprolactone, β-propiolactone, β-methyl-β-propiolactone, δ-valerolactone, glycolide, and lactide.
[0218]
Examples of ester-forming derivatives of polyvalent carboxylic acids or hydroxycarboxylic acids include these alkyl esters, acid chlorides, acid anhydrides, and the like.
[0219]
As the polyester used in the present invention, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polypropylene terephthalate, poly (1,4-cyclohexanedimethylene terephthalate), polyethylene naphthalate, polybutylene naphthalate, polypropylene naphthalate and copolymers thereof are preferable. Particularly preferred are polyethylene terephthalate and copolymers thereof.
[0220]
In addition, the polyester used in the present invention can contain a known phosphorus compound as a copolymerization component. As the phosphorus compound, a bifunctional phosphorus compound is preferable. For example, (2-carboxylethyl) methylphosphinic acid, (2-carboxyethyl) phenylphosphinic acid, 9,10-dihydro-10-oxa- (2,3- Carboxypropyl) -10-phosphaphenanthrene-10-oxide and the like. By including these phosphorus compounds as copolymerization components, it is possible to improve the flame retardancy of the resulting polyester.
[0221]
Furthermore, using a polycarboxylic acid having an alkali metal sulfonate group as a copolymerization component of the polyester used in the present invention is a preferred embodiment in terms of improving adhesion to various inks when an oriented polyester film is formed.
[0222]
The metal sulfonate group-containing compound used as the copolymerization monomer is not particularly limited, but 5-sodium sulfoisophthalic acid, 2-sodium sulfoterephthalic acid, 5-lithium sulfoisophthalic acid, 2-lithium sulfoterephthalic acid, Examples include 5-potassium sulfoisophthalic acid, 2-potassium sulfoterephthalic acid, or lower alkyl ester derivatives thereof. Among these, 5-sodium sulfoisophthalic acid or an ester-forming derivative thereof is particularly preferable.
[0223]
The copolymerization amount of the metal sulfonate group-containing compound is preferably 0.3 to 10.0 mol%, more preferably 0.80 to 5.0 mol%, based on the acid component constituting the polyester.
[0224]
Further, after polymerizing the polyester, the thermal stability of the polyester can be further enhanced by removing the catalyst from the obtained polyester or deactivating the catalyst by adding a phosphorus compound or the like.
[0225]
In the polyester used in the present invention, inactive particles such as inorganic particles, heat-resistant polymer particles, and crosslinked polymer particles, fluorescent whitening agents, ultraviolet light-inhibiting agents, infrared-absorbing dyes, thermal stability, depending on the purpose of use 1 type, or 2 or more types of various additives, such as an agent, surfactant, and antioxidant, can be contained. As antioxidants, aromatic amines, phenols and other antioxidants can be used, and as stabilizers, phosphoric acid and phosphoric acid ester-based phosphorous, sulfur-based, amine-based stabilizers, etc. Can be used.
[0226]
Next, the manufacturing method of the oriented polyester film of this invention is demonstrated in detail.
The polyester resin polymerized using the specific catalyst is melt-extruded and formed into a sheet shape on a cooling rotary roll from a T-die to create an unstretched sheet. In this case, for example, by applying the technique described in Japanese Patent Publication No. 6-39521 and Japanese Patent Publication No. 6-45175, high-speed film formation is possible. Moreover, it is good also as a laminated | multilayer film by a co-extrusion method, using a several extruder, assigning various functions to a core layer and a skin layer.
[0227]
The oriented polyester film of the present invention can be obtained by stretching 1.1 to 6 times at least in the uniaxial direction at a temperature not less than the glass transition temperature of the polyester and less than the crystallization temperature using a known method.
[0228]
For example, in the case of producing a biaxially oriented polyester film, a sequential biaxial stretching method in which uniaxial stretching is performed in the longitudinal direction or the transverse direction, and then stretching in the orthogonal direction, and a simultaneous biaxial stretching method in which stretching is performed simultaneously in the longitudinal direction and the transverse direction. In addition to using a linear motor as the driving method for simultaneous biaxial stretching, several times in the same direction, such as horizontal / longitudinal / longitudinal stretching, longitudinal / horizontal / longitudinal stretching, and longitudinal / vertical / horizontal stretching It is possible to adopt a multistage stretching method in which the stretching is performed separately.
[0229]
Further, after the completion of stretching, in order to reduce the thermal shrinkage rate of the film, a heat setting treatment is performed at a temperature of (melting point−50 ° C.) to less than the melting point within 30 seconds, preferably within 10 seconds. % Longitudinal relaxation treatment, lateral relaxation treatment, etc. are preferably performed.
[0230]
It is preferable that the thickness of the obtained oriented polyester film is 1-1000 micrometers, More preferably, it is 5-500 micrometers, More preferably, it is 10-200 micrometers. If it is less than 1 μm, it is difficult to handle because there is no waist. On the other hand, if it exceeds 1000 μm, it is too hard to handle.
[0231]
In addition, in order to provide various functions such as adhesion, releasability, antistatic, infrared absorption, antibacterial properties, scratch resistance, etc., the surface of the oriented polyester film may be coated with a polymer resin by a coating method. Good. Moreover, it is good also as a slippery highly transparent polyester film by making an inorganic and / or organic particle | grain contain only in a coating layer. Furthermore, an inorganic vapor deposition layer can be provided to provide various barrier functions such as oxygen, water, and oligomer, or a conductive layer can be provided by a sputtering method or the like to provide conductivity.
[0232]
Moreover, it is important for the oriented polyester film of the present invention to form irregularities on the film surface in order to improve handling characteristics such as slipperiness, running performance, wear resistance, and winding property. In order to give unevenness to the film surface, an external particle addition method in which inorganic and / or heat-resistant polymer resin particles are added in the polyester polymerization process, the catalyst residue reacts with the polyester constituents in the polymerization process and is insoluble. An inner particle method for precipitating particles, a method for containing the particles in the coating layer, a method for embossing with a roll having irregularities on the surface of the thin film layer, a method for patterning surface irregularities with a laser beam, etc. It is done.
[0233]
The oriented polyester film of the present invention has a three-dimensional average slope gradient (SΔa) on the film surface of 0.004 to 0.4, a three-dimensional ten-point average roughness (SRz) of 1.2 μm or less, and a haze of 5.0. % Or less.
[0234]
The three-dimensional average slope gradient (SΔa) of the film surface is obtained by calculating the cross-sectional area and the number of protrusions of the film at each slice level horizontal to the center plane, and calculating the average area of the protrusion cross-section at each slice level. Convert to radius. The ratio (gradient) of the change of the average circle radius to the change of the height is obtained from the cutting plane at each slice level, and the value obtained by averaging the values is defined as the three-dimensional average gradient (SΔa). The three-dimensional average inclination gradient (SΔa) is a parameter having a good correlation with the running property of the film. SΔa needs to be 0.004 to 0.4. If SΔa is less than 0.004, the running performance becomes poor, and as a result, the wear resistance is deteriorated. On the other hand, when SΔa exceeds 0.4, the transparency deteriorates, which is not preferable.
[0235]
Also, the three-dimensional ten-point average roughness (SRz) of the film surface is the average of the first to fifth peaks from the higher one of the planes parallel to the average line of the portion extracted from the roughness curved surface by the reference area. The distance from the average of the first to fifth valleys from the deepest side is expressed in μm units. That is, the three-dimensional ten-point average roughness (SRz) is an index of the height of the large protrusion, and a large SRz means that there is a protrusion having a large protrusion height. SRz needs to be 1.2 μm or less, and when SRz exceeds 1.2 μm, the wear resistance deteriorates.
[0236]
Furthermore, the oriented polyester film of the present invention is required to have a haze of 5.0% or less, preferably 4.0% or less, more preferably 3.0% or less, and particularly preferably 2%. 0.0% or less. The haze includes a surface haze and an internal haze. When the haze of the film exceeds 5.0%, the transparency is deteriorated, which is not preferable.
[0237]
The oriented polyester film of the present invention preferably has a light transmittance of 80% or more, particularly preferably 85% or more.
[0238]
The oriented polyester film of the present invention may be required to be a film having excellent heat resistance at high temperatures. In that case, in addition to the selection of the stretching method, the stretching conditions are greatly affected. Therefore, when used for applications in which thermal dimensional stability is strictly required, the oriented polyester film preferably has a thermal shrinkage at 150 ° C. of 2.0% or less, more preferably 0.5% or less. Yes, particularly preferably 0.3% or less. When the thermal shrinkage rate at 150 ° C. exceeds 2.0%, for example, when the original drawing is printed by PPC copying, a dimensional change from the original drawing occurs, or the flatness is deteriorated.
[0239]
Therefore, if the heat fixing temperature at the time of film production is excessively increased or the time is lengthened in order to reduce the heat shrinkage rate, thermal crystallization of the film surface proceeds and wear resistance tends to be poor. Therefore, it is preferable to perform relaxation treatment after the longitudinal stretching treatment, maintain the heat setting temperature and time within a certain range, and further perform lateral and / or longitudinal relaxation treatment after the heat fixing treatment as necessary. Here, the longitudinal relaxation treatment after the longitudinal stretching is a relaxation treatment so that the heat shrinkage rate at 150 ° C. of the film after the longitudinal relaxation treatment is 2.0% or less at a temperature not lower than the stretching temperature and not higher than the cold crystallization temperature. Fixing is performed at a temperature of 220 ° C. or higher and lower than the melting point within 30 seconds, preferably within 10 seconds, and the relaxation treatment in the horizontal and vertical directions should be relaxed to the extent that the flatness is not disturbed below the maximum temperature of the heat fixing treatment. Is preferred.
[0240]
The above property values are controlled by the physical properties of polyester (thermal stability, intrinsic viscosity, etc.), the properties of inert particles in the polyester or coating layer (average particle size, standard deviation of particle size, shape, refractive index of particles) , Hardness, etc.) and the content thereof, film forming conditions (stretching ratio, stretching temperature, stretching speed, heat setting temperature, relaxation treatment temperature, relaxation rate, etc.).
[0241]
The type and content of the inert particles are not particularly limited as long as the three-dimensional average gradient (SΔa), the three-dimensional ten-point average roughness (SRz), and the haze are within the scope of the present invention. Examples thereof include particles inert to the polyester resin, such as metal oxides such as silica, titanium dioxide, talc, and kaolinite, metal salts such as calcium carbonate, calcium phosphate, and barium sulfate, and heat-resistant polymer particles. Any one of these inert particles may be used alone, or two or more thereof may be used in combination.
[0242]
In order to reduce the haze, the inert particles to be included in the polyester are preferably silica, glass filler, and alumina-silica composite oxide particles having a refractive index close to that of the polyester, and a particle diameter smaller than the wavelength of visible light. The particle | grains which have are preferable and the one where content is low is good. Moreover, since the void generated around the particles increases as the stretching tension increases, the stretching conditions are optimized so that the stretching tension is lowered, that is, the stretching temperature is increased or the stretching ratio is decreased. There is a need. Further, a method in which the layered structure is used and the central polyester layer does not contain inert particles and only the surface layer contains particles is also an extremely effective method for reducing haze.
[0243]
In order to increase the three-dimensional average gradient (SΔa), the number of protrusions can be increased by increasing the particle content. However, since the transparency of the film tends to deteriorate, it is rather included in the polyester. It is preferable to use inert particles having a spherical shape and a uniform particle size.
[0244]
The inert particles preferably have an average particle size of 0.01 to 3.5 μm, and the particle size variation degree (ratio between standard deviation and average particle size) is preferably 25% or less. Moreover, it is preferable that the shape of particle | grains contains 1 or more types of particle | grains whose area shape factor is 60% or more. The inert particles having such characteristics are preferably contained in an amount of 0.005 to 2.0% by weight, particularly preferably 1.0% by weight or less, based on the polyester resin.
[0245]
Said area shape factor can be calculated | required by following Formula.
Area shape factor (%) = (projected cross-sectional area of particle / area of circle circumscribing particle) × 100
[0246]
The oriented polyester film of the present invention is preferably an antistatic film, an easily adhesive film, a card, a dummy can, an agricultural product, a building material, a decorative material, a wallpaper, an OHP film, a printing, and an inkjet recording. For sublimation transfer recording, laser beam printer recording, electrophotographic recording, thermal transfer recording, thermal transfer recording, printed circuit board wiring, membrane switch, near infrared absorption film for plasma display, transparent for touch panel and electroluminescence Conductive film, masking film, photoengraving, X-ray film, photographic negative film, retardation film, polarizing film, polarizing film protection (TAC), protective film for inspection of deflecting plate and retardation plate, and / Or separator film, photosensitive resin film, field of view expansion film For Lum, diffusion sheets, reflection films, antireflection films, ultraviolet ray prevention, used for example, for back grinding tape.
[0247]
As the antistatic film, for example, the techniques described in Japanese Patent No. 2952677 and JP-A-6-184337 can be used. Examples of the easy-adhesive film include JP-B-07-108563, JP-A-10-235820, JP-A-11-323271, and examples of cards include JP-A-10-171958 and JP-A-11-010815. The technique can be applied to the film of the present invention.
[0248]
For the dummy can, for example, instead of the sheet-like cylinder described in JP-A-10-101103, a design obtained by printing a design on the film of the present invention to form a cylinder or a half cylinder can be used. For building materials, decorative plates for building materials, and decorative materials, for example, the film of the present invention can be used as a base sheet described in JP-A No. 05-200927 and a transparent sheet described in JP-A No. 07-314630. it can.
[0249]
As the OHP (for overhead projector), the film of the present invention can be used as the transparent resin sheet described in JP-A No. 06-297831 and the transparent polymer synthetic resin film described in JP-A No. 08-305065.
[0250]
For inkjet recording, for example, the film of the present invention can be used as a transparent substrate described in JP-A No. 05-032037. For sublimation transfer recording, for example, the film of the present invention can be used as a transparent film described in JP-A No. 2000-025349. For laser beam printers and electrophotographic recording, for example, the film of the present invention can be used as a plastic film described in JP-A No. 05-088400. For thermal transfer recording, the film of the present invention can be used by the methods described in JP-A-07-032754, for thermal recording, and JP-A-11-034503, respectively.
[0251]
For printed circuit boards, for example, the film of the present invention can be used as a polyester film described in JP-A-06-326453. For the membrane switch, the film of the present invention can be used, for example, by the method described in JP-A No. 05-234459.
[0252]
As the optical filter (for heat ray filter, for plasma display), for example, the film of the present invention can be used by the method described in JP-A-11-231126. As a transparent conductive film and a touch panel, the film of the present invention can be used by the method described in JP-A-11-224539, for example.
[0253]
For the masking film, the film of the present invention can be used, for example, by the method described in JP-A No. 05-273737. For photoengraving, the film of the present invention can be used, for example, by the method described in JP-A No. 05-057844. As a photographic negative film, for example, the film of the present invention can be used as a polyethylene terephthalate film described in paragraph No. [0123] of JP-A No. 06-167768.
[0254]
For the retardation film, for example, the film of the present invention can be used as a film described in JP-A No. 2000-162419. For the separator, for example, the film of the present invention can be used as the film described in paragraph No. [0012] of JP-A No. 11-209711. For preventing ultraviolet rays, for example, the film of the present invention can be used as a polyester film described in JP-A-10-329291.
[0255]
As an agricultural film, it can be obtained by applying the film of the present invention to a polyethylene terephthalate film described in JP-A-10-166534. As an adhesive sheet, it can obtain by applying the oriented polyester film of this invention to the polyethylene terephthalate film of Unexamined-Japanese-Patent No. 06-22856, for example.
[0256]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention, this invention is not limited to these Examples from the first. In addition, the evaluation method used in each Example and the comparative example is demonstrated below.
[0257]
〔Evaluation method〕
(1) Evaluation of phosphorus compounds
(A)1H-NMR measurement
Compound CDClThreeAlternatively, it was dissolved in DMSO and measured using a Varian GEMINI-200 at room temperature.
[0258]
(B) Melting point measurement
The compound was placed on a cover glass and measured using a Yanaco MICRO MELTING POINT APPARATUS at a heating rate of 1 ° C./min.
[0259]
(C) Elemental analysis
Phosphorus analysis was performed using a molybdenum blue colorimetric method after wet decomposition of a PET resin chip. Other metals were subjected to high frequency plasma emission analysis and atomic absorption analysis after ashing / acid dissolution.
[0260]
(2) Characteristics of polyester
(A) Intrinsic viscosity (IV)
The polyester was dissolved using a 6/4 (weight ratio) mixed solvent of phenol / 1,1,2,2-tetrachloroethane and measured at a temperature of 30 ° C.
[0261]
(B) Acid value
After 0.1 g of the polyester polymer was dissolved in 10 ml of benzyl alcohol, it was measured by titration using a 0.1 N NaOH solution of methanol / benzyl alcohol (= 1/9).
[0262]
(C) Hue
As for the hue of the polyester polymer, L value, a value, and b value were measured using a color difference meter (manufactured by Tokyo Denshoku Co., Ltd., MODEL TC-1500MC-88) using a melt-polymerized resin chip.
[0263]
(D) Differential scanning calorimetry (DSC)
The measurement was performed using a DSC2920 manufactured by TA Instruments. 10.0 mg of the polyester was put in an aluminum pan, heated to 280 ° C. at a heating rate of 50 ° C./min, held for 1 minute after reaching 280 ° C., and immediately quenched in liquid nitrogen. Thereafter, the temperature was increased from room temperature to 300 ° C. at a rate of temperature increase of 20 ° C./min, and the crystallization temperature Tc1 and the melting point Tm at the time of temperature increase were determined. After reaching 300 ° C., the temperature was maintained for 2 minutes, and then the temperature was decreased at 10 ° C./min to determine the crystallization temperature Tc2 during the temperature decrease. Tc1, Tm, and Tc2 were the respective peak temperatures.
[0264]
(E) Thermal stability parameter (TS)
PET resin chip ([IV]i ) 1 g was put in a glass test tube having an inner diameter of about 14 mm and vacuum-dried at 130 ° C. for 12 hours, and then set in a vacuum line, and reduced pressure and nitrogen filling were repeated 5 times or more. Next, 100 mmHg of nitrogen was sealed and sealed, immersed in a salt bath at 300 ° C., and maintained in a molten state for 2 hours. Thereafter, the sample is taken out, frozen and pulverized, and vacuum-dried. [IV]f2Was determined using the following formula. The formula was quoted from a previous report (Ueyama et al .: Journal of Japan Rubber Association Vol. 63, No. 8, 497, 1990).
TS = 0.245 {[IV]f2 -1.47 -[IV]i -1.47 }
[0265]
(F) Thermal oxidation stability parameter (TOS)
PET resin chip ([IV]i) Was frozen and ground to a powder of 20 mesh or less. This powder was vacuum-dried at 130 ° C. for 12 hours, and 300 mg of the powder was placed in a glass test tube having an inner diameter of about 8 mm and a length of about 140 mm and vacuum-dried at 70 ° C. for 12 hours. Next, after putting a drying tube containing silica gel on the top of the test tube and immersing it in a salt bath at 230 ° C. for 15 minutes under a dry air, [IV]f1Was measured. TOS was calculated as follows using the same calculation formula as TS. However, [IV]i And [IV]f1Denotes IV (dl / g) before and after the heating test, respectively. The freeze pulverization was performed using a freezer mill (Specks Corp., Model 6750). After putting about 2 g of resin chip and dedicated impactor in the dedicated cell, set the cell in the device, fill the device with liquid nitrogen and hold it for about 10 minutes, then RATE10 (the impactor is about 20 times per second) Pulverized for 5 minutes.
TOS = 0.245 {[IV]f1  -1.47-[IV]i -1.47 }
[0266]
(G) Hydrolysis resistance parameter (HS)
PET resin chip (before test; [IV]i ) Was frozen and ground in the same manner as described above to obtain a powder of 20 mesh or less. The powder was vacuum dried at 130 ° C. for 12 hours. The hydrolysis test was carried out using a mini-color device (Texam Giken, TypeMC12.ELB). 1 g of the above powder was put together with 100 ml of pure water into a special stainless beaker, and a special stirring blade was further added to make a sealed system. The PET after the test was filtered through a glass filter, vacuum-dried and then measured for IV ([IV]f2), The hydrolysis resistance parameter (HS) was determined by the following equation.
HS = 0.245 {[IV]f2 -1.47 -[IV]i -1.47 }
[0267]
(3) Characteristics of inert particles
(A) Average particle size and degree of variation in particle size
Inactive particles were observed with a scanning electron microscope (S-510, manufactured by Hitachi, Ltd.), the photographed image was enlarged and copied, the outer shape of the particles was traced, and 200 particles were arbitrarily painted black. . The image was measured for the horizontal ferret diameter of each particle using an image analyzer (Nikon Corporation, Luzex 2D), and the average value was taken as the average particle diameter. Further, the degree of dispersion of the particle diameter was calculated by the following formula.
Dispersion degree of particle diameter (%) = (standard deviation of particle diameter / average particle diameter) × 100
[0268]
(B) Area shape factor
Twenty particles were arbitrarily selected from the trace image used for measurement of the average particle diameter, and the projected cross-sectional area of each particle was measured using the image analysis apparatus used in (a) above. Further, the area of a circle circumscribing these particles was calculated and calculated by the following formula.
Area shape factor (%) = (projected cross section of particle / area of circle circumscribing particle) × 100
[0269]
(4) Film characteristics
(A) Thermal stability of the film
The appearance of the obtained cast film was visually observed and ranked according to the following criteria according to the degree of coloring of the film.
A: There is no coloring.
○: Slightly colored.
Δ: Colored.
X: Remarkably colored.
[0270]
(B) Three-dimensional surface roughness parameter
Using a stylus type three-dimensional surface roughness meter (SE-3AK, manufactured by Kosaka Laboratory Ltd.), the surface of the polyester film was measured using a stylus tip radius of 2 μm, a stylus load of 30 mg, a cutoff value of 0.25 mm, X The magnification was 200 times, the Y magnification was 500 times, and the Z magnification was 20,000 times. Measured at a measuring length of 1 mm in the longitudinal direction of the film at a stylus feed speed of 0.1 mm / sec, divided into 500 points at a feed pitch of 2 μm, and the height of each point was measured with a three-dimensional roughness analyzer (TDA- 21). The same operation was performed 150 times continuously at intervals of 2 μm in the width direction of the film, that is, over 0.3 mm in the width direction of the film, and the data was taken into the analyzer. Next, the three-dimensional average gradient (SΔa) and the three-dimensional ten-point average roughness (SRz) are automatically calculated using the analyzer.
[0271]
Here, SΔa specifically refers to the height of a predetermined number of measurement points that are spaced apart at a fixed interval by the stylus type three-dimensional surface roughness meter, and these measured values are measured with the three-dimensional surface roughness. This is the value obtained by importing into the analyzer. More specifically, the obtained surface roughness curve is approximated by a sine curve, and three-dimensional data is obtained by combining the data, and the slope of the entire surface is determined from the number and height of the projections with the center plane as the reference plane. calculate.
[0272]
An orthogonal coordinate axis system consisting of an X axis and a Y axis is placed on the center plane, the axis orthogonal to the center plane is the Z axis, the X axis length Lx, the Y axis length Ly, and the area Lx × Ly on the center plane = SMIs extracted, and SΔa is expressed by the following equation from the extracted portion.
[0273]
[Expression 1]
Figure 0005028713
[0274]
Here, Z = f (x, y) means a function representing the height Z of the film surface at the position (x, y) on the orthogonal coordinate axis, and Lx = 500 and Ly = 150.
[0275]
(C) Haze
The position is changed with a haze meter (manufactured by Tokyo Denshoku Co., Ltd., TC-H3DP), and each 8 points is measured twice. An average value of a total of 16 measured values is obtained and set as haze.
[0276]
(D) Driving performance
100 sheets of A4 size cut films were continuously copied on a PPS copying machine (RICOPY FT 6860, manufactured by Ricoh Co., Ltd.). A circle indicates that the sheets can be conveyed one by one without double feeding, and a mark indicates that the sheets are clogged or cannot be conveyed one by one.
[0277]
(E) Wear resistance
When the film is slit into a 1/2 inch size and is rubbed against a metal fixed roll using the running test machine shown in FIG. The amount of white powder adhering to the roll is visually evaluated and expressed by the following ranking.
1st grade: very many
Second grade: many
Level 3: Somewhat
4th grade: almost none
5th grade: None at all
[0278]
Example 1
[Synthesis of polyester]
For a mixture of bis (2-hydroxyethyl) terephthalate and oligomer produced according to a conventional method from high-purity terephthalic acid and ethylene glycol, a 13 g / l ethylene glycol solution of aluminum chloride as a polycondensation catalyst was used for the acid component in the polyester. Add 0.012 mol% as an aluminum atom and 10 g / l ethylene glycol solution of Irganox 1425 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals) as Irganox 1425 to the acid component, and add atmospheric pressure under nitrogen atmosphere. And stirred at 245 ° C. for 10 minutes. Subsequently, the temperature of the reaction system was gradually lowered to 275 ° C. over 50 minutes, and the pressure of the reaction system was gradually decreased to 13.3 Pa (0.1 Torr), and a polycondensation reaction was further performed at 275 ° C. and 13.3 Pa. The polymerization time (AP) required for the polyethylene terephthalate IV to reach 0.65 dl / g was 75 minutes. Polyethylene terephthalate obtained by polycondensation was chipped according to a conventional method.
[0279]
The properties of the obtained PET resin were an intrinsic viscosity of 0.65 dl / g, an acid value of 1.4 eq / ton, and a DEG of 2.1 mol%. The thermal characteristics were a melting point (Tm) of 257.4 ° C., a temperature-rising crystallization temperature (Tc1) of 155.6 ° C., and a temperature-falling crystallization temperature (Tc2) of 181.5 ° C. As for hue, L value was 68.5, a value was -2.7, and b value was 5.3.
[0280]
The above PET resin chip has a thermal stability parameter (TS) of 0.17, a thermal oxidation parameter (TOS) of less than 0.01, a hydrolysis resistance parameter (HS) of 0.05, and a solution haze (SH). ) Was 0.1%.
[0281]
[Film formation]
The PET resin chip was vacuum-dried at 135 ° C. for 10 hours. Quantitatively supply the PET resin chip and silica particles having an average particle diameter of 1.0 μm, a particle diameter variation of 20%, and an area shape factor of 80% to the biaxial extruder so that the weight is 0.2% by weight with respect to PET. Then, it was melt-extruded into a sheet at 280 ° C. and rapidly cooled and solidified on a metal roll maintained at a surface temperature of 20 ° C. to obtain a cast film having a thickness of 1400 μm.
[0282]
Next, this cast film was heated to 100 ° C. with a heated roll group and an infrared heater, and then stretched 3.5 times in the longitudinal direction with a roll group having a difference in peripheral speed to obtain a uniaxially oriented PET film. Subsequently, the film was stretched 4.0 times in the width direction at 120 ° C. with a tenter and heated with an infrared heater at 260 ° C. for 0.5 seconds, and further 3% at 200 ° C. for 23 seconds. The biaxially oriented PET film having a thickness of 100 μm was obtained. The properties of the obtained PET film are shown in Table 1. Moreover, the darkening of the film was improved as compared with the case where a polyester produced using conventional antimony trioxide as a polymerization catalyst was used as a film raw material.
[0283]
(Example 2)
(Synthesis example of phosphorus compounds)
Synthesis of phosphorus compound (phosphorus compound A) represented by the following formula (51)
[0284]
Embedded image
Figure 0005028713
[0285]
1. Synthesis of sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)
To a mixed solution of 6.5 g (84 mmol) of 50% aqueous sodium hydroxide and 6.1 ml of methanol, add 6.1 ml of a methanol solution of 5 g (14 mmol) of diethyl (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) phosphonate, and add nitrogen. The mixture was refluxed with heating under an atmosphere for 24 hours. After the reaction, 7.33 g (70 mmol) of concentrated hydrochloric acid was added while cooling the reaction mixture, the precipitate was collected by filtration, washed with isopropanol, and the filtrate was distilled off under reduced pressure. The obtained residue was dissolved in hot isopropanol, the insoluble matter was collected by filtration, the isopropanol was distilled off under reduced pressure, the residue was washed with hot heptane, dried and sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl- 3.4 g (69%) of 4-hydroxybenzylphosphonate) was obtained. In addition, when synthesize | combining in large quantities, it carried out combining the molar ratio of said each raw material.
[0286]
Shape: white powder
Melting point: 294-302 ° C (decomposition)
1H-NMR (DMSO, δ): 1.078 (3H, t, J = 7Hz), 1.354 (18H, s), 2.711 (2H, d),
3.724 (2H, m, J = 7Hz), 6.626 (1H, s), 6.9665 (2H, s)
Elemental analysis (theoretical values in parentheses): Na 6.36% (6.56%), P 9.18% (8.84%)
[0287]
2. Synthesis of O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid (phosphorus compound A)
Under stirring at room temperature, 1.5 g of concentrated hydrochloric acid was added to 20 ml of an aqueous solution of 1 g (2.8 mmol) of sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) and stirred for 1 hour. 150 ml of water was added to the reaction marriage, and the precipitated crystals were collected by filtration, washed with water and dried to obtain 826 mg (88%) of O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonic acid. In addition, when synthesize | combining in large quantities, it carried out combining the molar ratio of said each raw material.
Shape: Plate crystal
Melting point: 126-127 ° C
1H-NMR (CDClThree, δ): 1.207 (3H, t, J = 7Hz), 1.436 (18H, s), 3.013 (2H, d),
3.888 (2H, m, J = 7Hz.), 7.088 (2H, s), 7.679-8.275 (1H, br)
[0288]
(Polyester polymerization)
A polymerization reactor is charged with high-purity terephthalic acid and twice its amount of ethylene glycol. Triethylamine is added in an amount of 0.3 mol% to the acid component, and water is distilled out of the system at 245 ° C under a pressure of 0.25 MPa. The esterification reaction was carried out for 120 minutes to obtain a mixture of bis (2-hydroxyethyl) terephthalate (BHET) and oligomer (hereinafter referred to as BHET mixture) having an esterification rate of 95%. To this BHET mixture, 0.015 mol% of aluminum trisacetylacetonate in 2.5 g / l ethylene glycol solution was added as an aluminum atom to the acid component in the polyester, and 10 g / l ethylene glycol of the above-mentioned phosphorus compound A was added. The solution was added as 0.04 mol% of phosphorus compound A with respect to the acid component in the polyester, and stirred at 245 ° C. for 10 minutes under a nitrogen atmosphere at normal pressure. Next, the reaction system was gradually heated to 275 ° C. over a period of 50 minutes, and the pressure in the reaction system was gradually reduced to 0.1 Torr, followed by polycondensation reaction at 275 ° C. and 0.1 Torr. The polymerization time (AP) required for the polyethylene terephthalate IV to reach 0.65 dl / g was 103 minutes. Polyethylene terephthalate obtained by polycondensation was chipped according to a conventional method.
[0289]
The properties of the obtained PET resin were an intrinsic viscosity of 0.65 dl / g, an acid value of 2.0 eq / ton, and a DEG of 2.0 mol%. The thermal characteristics were a melting point (Tm) of 257.5 ° C., a temperature-rising crystallization temperature (Tc1) of 164.1 ° C., and a temperature-falling crystallization temperature (Tc2) of 185.4 ° C. As for the hue, the L value was 68.3, the a value was -1.1, and the b value was 1.9.
[0290]
The above PET resin chip has a thermal stability parameter (TS) of 0.16, a thermal oxidation parameter (TOS) of less than 0.01, a hydrolysis resistance parameter (HS) of 0.04, and a solution haze (SH). ) Was 0.04%.
[0291]
Using the PET resin chip obtained by the melt polymerization, a biaxially oriented PET film was obtained in the same manner as in Example 1. The properties of the obtained film are shown in Table 1. Further, as in Example 1, the darkening of the film was improved as compared with the case where a polyester produced using conventional antimony trioxide as a polymerization catalyst was used as a film raw material.
[0292]
(Example 3)
(Synthesis example of phosphorus compounds)
Synthesis of magnesium salt of phosphorus compound (phosphorus compound B) represented by the following formula (52)
[0293]
Embedded image
Figure 0005028713
[0294]
1. Synthesis of sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)
To a mixed solution of 6.5 g (84 mmol) of 50% aqueous sodium hydroxide and 6.1 ml of methanol, add 6.1 ml of a methanol solution of 5 g (14 mmol) of diethyl (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) phosphonate, and add nitrogen. The mixture was heated to reflux for 24 hours under an atmosphere. After the reaction, 7.33 g (70 mmol) of concentrated hydrochloric acid was added while cooling the reaction mixture, the precipitate was collected by filtration, washed with isopropanol, and the filtrate was distilled off under reduced pressure. The obtained residue was dissolved in hot isopropanol, the insoluble matter was collected by filtration, the isopropanol was distilled off under reduced pressure, the residue was washed with hot heptane, dried and sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl- 3.4 g (69%) of 4-hydroxybenzylphosphonate) was obtained. In addition, when synthesize | combining in large quantities, it carried out combining the molar ratio of said each raw material.
[0295]
Shape: white powder
Melting point: 294-302 ° C (decomposition)
1H-NMR (DMSO, δ): 1.078 (3H, t, J = 7Hz), 1.354 (18H, s), 2.711 (2H, d),
3.724 (2H, m, J = 7Hz), 6.626 (1H, s), 6.9665 (2H, s)
Elemental analysis (theoretical values in parentheses): Na 6.36% (6.56%), P 9.18% (8.84%)
[0296]
2. Synthesis of Magnesium bis (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) (phosphorus compound B)
While stirring at room temperature, 1 ml of an aqueous solution of 192 mg (0.75 mmol) of magnesium nitrate hexahydrate was added dropwise to 4 ml of an aqueous solution of sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate) 500 mg (1.4 mmol). . After stirring for 1 hour, the precipitate was collected by filtration, washed with water, and dried to obtain 359 mg (74%) of Magnesium bis (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate). In addition, when synthesize | combining in large quantities, it carried out combining the molar ratio of said each raw material.
[0297]
Shape: white powder
Melting point:> 300 ° C
1H-NMR (DMSO, δ): 1.0820 (6H, t, J = 7Hz), 1.3558 (36H, s), 2.8338 (4H, d),
3.8102 (4H, m, J = 7Hz), 6.6328 (2H, s), 6.9917 (4H, s)
[0298]
(Polyester polymerization)
A polymerization reactor is charged with high-purity terephthalic acid and its 2-fold molar amount of ethylene glycol, 0.3 mol% of triethylamine is added to the acid component, and water is distilled out of the system at 245 ° C under a pressure of 0.25 MPa. The esterification reaction was carried out for 120 minutes to obtain a mixture of bis (2-hydroxyethyl) terephthalate (BHET) and oligomer (hereinafter referred to as BHET mixture) having an esterification rate of 95%. To this BHET mixture, a 2.5 g / l ethylene glycol solution of aluminum acetylacetonate was added as an aluminum atom in an amount of 0.015 mol% with respect to the acid component in the polyester, and the above phosphorus compound B was added in an amount of 0.02 mol with respect to the acid component. % Was added and stirred at 245 ° C. for 10 minutes under normal pressure in a nitrogen atmosphere. Next, the reaction system was gradually heated to 275 ° C. over a period of 50 minutes, and the pressure in the reaction system was gradually reduced to 0.1 Torr, followed by a polycondensation reaction at 275 ° C. and 0.1 Torr. The polymerization time (AP) required for the polyethylene terephthalate IV to reach 0.65 dl / g was 39 minutes. Polyethylene terephthalate obtained by polycondensation was chipped according to a conventional method.
[0299]
The properties of the obtained PET resin were an intrinsic viscosity of 0.65 dl / g and an acid value of 2.0 eq / to. The thermal characteristics were a melting point (Tm) of 256.5 ° C., a temperature-rising crystallization temperature (Tc1) of 165.6 ° C., and a temperature-falling crystallization temperature (Tc2) of 185.1 ° C. The hue was 66.6, L value was -2.1, and b value was 4.5.
[0300]
The PET resin chip had a thermal stability parameter (TS) of 0.19, a thermal oxidation parameter (TOS) of less than 0.01, and a hydrolysis resistance parameter (HS) of 0.06.
[0301]
A biaxially oriented PET film was obtained in the same manner as in Example 1 using the PET resin chip obtained by the melt polymerization. The properties of the obtained film are shown in Table 1. Further, as in Example 1, the darkening of the film was improved as compared with the case where a polyester produced using conventional antimony trioxide as a polymerization catalyst was used as a film raw material.
[0302]
Example 4
(Synthesis example of aluminum salt of phosphorus compound)
Synthesis of aluminum salt of O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate (aluminum salt A)
[0303]
1. Synthesis of sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate)
To a mixed solution of 6.5 g (84 mmol) of 50% aqueous sodium hydroxide and 6.1 ml of methanol, add 6.1 ml of a methanol solution of 5 g (14 mmol) of diethyl (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) phosphonate, and add nitrogen. The mixture was heated to reflux for 24 hours under an atmosphere. After the reaction, 7.33 g (70 mmol) of concentrated hydrochloric acid was added while cooling the reaction mixture, the precipitate was collected by filtration, washed with isopropanol, and the filtrate was distilled off under reduced pressure. The obtained residue was dissolved in hot isopropanol, the insoluble matter was collected by filtration, the isopropanol was distilled off under reduced pressure, the residue was washed with hot heptane, dried and sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl- 3.4 g (69%) of 4-hydroxybenzylphosphonate) was obtained. In addition, when synthesize | combining in large quantities, it carried out combining the molar ratio of said each raw material.
[0304]
Shape: white powder
Melting point: 294-302 ° C (decomposition)
1H-NMR (DMSO, δ): 1.078 (3H, t, J = 7Hz), 1.354 (18H, s), 2.711 (2H, d),
3.724 (2H, m, J = 7Hz), 6.626 (1H, s), 6.9665 (2H, s)
Elemental analysis (theoretical values in parentheses): Na 6.36% (6.56%), P 9.18% (8.84%)
[0305]
2. Synthesis of aluminum salt of O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate (aluminum salt A)
While stirring at room temperature, 5 ml of an aqueous solution of 364 mg (0.97 mmol) of aluminum nitrate nonahydrate was added dropwise to 7.5 ml of an aqueous solution of 1 g (2.8 mmol) of sodium (O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate). did. After stirring for 3 hours, the precipitate was collected by filtration, washed with water and dried to obtain 860 mg of aluminum salt A of O-ethyl 3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzylphosphonate. In addition, when synthesize | combining in large quantities, it carried out combining the molar ratio of said each raw material.
[0306]
Shape: white powder
Melting point: 183-192 ° C
[0307]
(Polyester polymerization)
A polymerization reactor is charged with high-purity terephthalic acid and its 2-fold molar amount of ethylene glycol, 0.3 mol% of triethylamine is added to the acid component, and water is distilled out of the system at 245 ° C under a pressure of 0.25 MPa. The esterification reaction was carried out for 120 minutes to obtain a mixture of bis (2-hydroxyethyl) terephthalate (BHET) and oligomer (hereinafter referred to as BHET mixture) having an esterification rate of 95%. To this BHET mixture, 0.02 mol% of the above-described aluminum salt A as an aluminum atom was added to the acid component in the polyester, and the mixture was stirred at 245 ° C. for 10 minutes in a nitrogen atmosphere at normal pressure. Next, the reaction system was gradually heated to 275 ° C. over a period of 50 minutes, and the pressure in the reaction system was gradually reduced to 0.1 Torr, followed by a polycondensation reaction at 275 ° C. and 0.1 Torr. The polymerization time (AP) required for the polyethylene terephthalate IV to reach 0.65 dl / g was 98 minutes. Polyethylene terephthalate obtained by polycondensation was chipped according to a conventional method.
[0308]
The properties of the obtained PET resin were an intrinsic viscosity of 0.65 dl / g and an acid value of 1.0 eq / ton or less. The thermal characteristics were a melting point (Tm) of 257.1 ° C., a temperature-rising crystallization temperature (Tc1) of 160.7 ° C., and a temperature-falling crystallization temperature (Tc2) of 185.1 ° C. As for hue, L value was 64.3, a value was -1.4, and b value was 2.3.
[0309]
The above PET resin chip has a thermal stability parameter (TS) of 0.14, a thermal oxidation parameter (TOS) of 0.01, a hydrolysis resistance parameter (HS) of 0.03, and a solution haze (SH). Was 0.03%.
[0310]
Using the PET resin chip obtained by the melt polymerization, a biaxially stretched PET film was obtained in the same manner as in Example 1. The properties of the obtained film are shown in Table 1. Further, as in Example 1, the darkening of the film was improved as compared with the case where a polyester produced using conventional antimony trioxide as a polymerization catalyst was used as a film raw material.
[0311]
(Comparative Example 1)
A biaxially stretched PET film was prepared in the same manner as in Example 1 except that 0.004% by weight of titanium dioxide particles having an average particle size of 0.1 μm was added to the PET resin instead of the silica particles used in Example 1. Obtained. The properties of the obtained film are shown in Table 1.
[0312]
(Comparative Example 2)
Instead of the silica particles used in Example 1, silica particles having an average particle diameter of 5 μm, a variation degree of 40%, and an area shape factor of 55% were added in the same manner as in Example 1 except that 10% by weight was added to the PET resin. A biaxially stretched PET film was obtained. The properties of the obtained film are shown in Table 1.
[0313]
[Table 1]
Figure 0005028713
[0314]
【The invention's effect】
The oriented polyester film of the present invention is made from a polyester having excellent thermal stability, which is produced using a novel catalyst having a component other than an antimony compound or a germanium compound as a main component and having excellent catalytic activity. By setting the haze value and the film surface roughness as specific components as components, there are effects of excellent running performance, wear resistance, thermal stability and good transparency. Therefore, the oriented polyester film of the present invention is, for example, an antistatic film, an easily adhesive film, a card, a dummy can, an agricultural product, a building material, a cosmetic material, a wallpaper, an OHP film, a printing, an inkjet. For recording, sublimation transfer recording, laser beam printer recording, electrophotographic recording, thermal transfer recording, thermal transfer recording, printed circuit board wiring, membrane switch, near infrared absorption film for plasma display, touch panel and electroluminescence Transparent conductive film, masking film, photoengraving, X-ray film, photographic negative film, retardation film, polarizing film, polarizing film protection (TAC), polarizing plate and retardation plate protection Film and / or separator film, for photosensitive resin film, Field spread films, diffusion sheets, reflection films, antireflection films, ultraviolet ray prevention, for example, for back grinding tape, can be used in a wide range of applications.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of an apparatus for evaluating the wear resistance of an oriented polyester film.
[Explanation of symbols]
7 Film
8 Pickup roller
9 Tension detector
10 Commercially available metal fixing pin for VTR

Claims (2)

アルミニウム及び/又はその化合物と、リン化合物を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、
前記リン化合物が、フェノール部を同一分子内に有しており、該フェノール部を同一分子内に有するリン化合物が、下記一般式(4)〜(6)で表される化合物からなる群より選ばれる一種または二種以上であり、
前記フィルムは該表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることを特徴とする配向ポリエステルフィルム。
Figure 0005028713
Figure 0005028713
Figure 0005028713
(式(4)〜(6)中、R1はフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐構造や脂環構造や芳香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の末端どうしは結合していてもよい。)
A polyester film mainly composed of polyester polymerized using a polycondensation catalyst containing aluminum and / or a compound thereof and a phosphorus compound,
The phosphorus compound has a phenol moiety in the same molecule, and the phosphorus compound having the phenol moiety in the same molecule is selected from the group consisting of compounds represented by the following general formulas (4) to (6) One or more
The film has a three-dimensional average slope gradient (SΔa) of 0.004 to 0.4, a three-dimensional ten-point average roughness (SRz) of 1.2 μm or less, and a haze of 5.0% or less. An oriented polyester film characterized by
Figure 0005028713
Figure 0005028713
Figure 0005028713
(In Formulas (4) to (6), R 1 is a carbon group having 1 to 50 carbon atoms including a phenol part, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group, an amino group, and a phenol part. R 4 , R 5 and R 6 each independently represent hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a hydroxyl group, a halogen group, an alkoxyl group or an amino group. R 2 and R 3 each independently represent hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms including a hydroxyl group or an alkoxyl group, provided that the hydrocarbon group is a branched structure. And may contain an alicyclic structure or an aromatic ring structure, and the ends of R 2 and R 4 may be bonded to each other.)
下記一般式(7)で表される化合物から選択される少なくとも1種を含有する重縮合触媒を用いて重合されたポリエステルを主たる構成成分とするポリエステルフィルムであって、前記フィルムは該表面の三次元平均傾斜勾配(SΔa)が0.004〜0.4、三次元十点平均粗さ(SRz)が1.2μm以下、かつヘイズが5.0%以下であることを特徴とする配向ポリエステルフィルム。
Figure 0005028713
(式(7)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、(l+m)は3である。nは1以上の整数を表す。炭化水素基は脂環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。)
A polyester film mainly comprising polyester polymerized using a polycondensation catalyst containing at least one selected from compounds represented by the following general formula (7), wherein the film is a tertiary of the surface An oriented polyester film having an original average gradient (SΔa) of 0.004 to 0.4, a three-dimensional ten-point average roughness (SRz) of 1.2 μm or less, and a haze of 5.0% or less. .
Figure 0005028713
(In formula (7), R 1 and R 2 each independently represent hydrogen and a hydrocarbon group having 1 to 30 carbon atoms. R 3 represents hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group or an alkoxyl group. R 4 represents a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, including hydrogen, a hydrocarbon group having 1 to 50 carbon atoms, a hydroxyl group, an alkoxyl group, or a carbonyl group. l represents an integer of 1 or more, m represents 0 or an integer of 1 or more, and (l + m) represents 3. n represents an integer of 1 or more The hydrocarbon group has an alicyclic structure, a branched structure, or an aromatic ring structure. May be included.)
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