JP5028396B2 - Resin pipe fitting - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、流体移送路としてのチューブを拡径(フレア)させて接続させる構造の樹脂管継手に係り、詳しくは、半導体製造や医療・医薬品製造、食品加工、化学工業等の各種技術分野の製造工程で取り扱われる高純度液や超純水の配管にも好適であって、ポンプ、バルブ、フィルタ等の流体機器や流体移送路であるチューブの接続手段として用いられる樹脂管継手に関するものである。 The present invention relates to a resin pipe joint having a structure in which a tube as a fluid transfer path is expanded (flared) and connected, and more specifically, in various technical fields such as semiconductor manufacturing, medical / pharmaceutical manufacturing, food processing, chemical industry, etc. It is also suitable for piping of high-purity liquid and ultrapure water handled in the manufacturing process, and relates to a resin pipe joint used as a connecting means of a tube that is a fluid device such as a pump, a valve, a filter, or a fluid transfer path. .
この種の樹脂管継手としては、特許文献1において開示されるチューブ継手が知られている。即ち、合成樹脂製のチューブ(1)を継手本体(4)の嵌合筒(5)に強制的に押し込むか、又は特許文献1の図2に示されるように、予めチューブ端部(2)を拡径させて嵌合筒(5)に嵌め込むかする。それから、予めチューブに嵌装されているユニオンナット(6)を継手本体に螺合させ、締込み操作して継手本体(4)の軸心方向に強制移動させることにより、チューブ(1)の拡径付け根部分(2a)をエッヂ部(6a)で軸心方向に強く押圧し、チューブ(1)と嵌合筒(5)との間をシールする構造である。
As this type of resin pipe joint, a tube joint disclosed in
上述の構造と同様なものとしては、特許文献2の図8,図9において開示された樹脂管継手も知られている。また、特許文献2の図5や特許文献3において開示されるように、インナーリングに拡径外嵌されているチューブ端を継手本体の嵌合筒に内嵌させ、ユニオンナットの締付によってチューブにおけるインナーリングへの拡径部を押圧してシールさせる構造の樹脂管継手もある。いずれにしても、チューブ端を拡径(フレア)させてユニオンナットの締付でシールさせる構造である。チューブの先端を嵌合筒部外嵌させてナット止めする前者の構造のものでは、継手本体とユニオンナットとの2部品で経済的に管継手を構成できる良さがあり、インナーリングを用いる後者の構造のものでは、確実に漏れが回避できて安定した性能が得られ、かつ、信頼性に優れる良さがある。
A resin pipe joint disclosed in FIGS. 8 and 9 of
ところで、これらのように種々の優れたメリットを持つ樹脂管継手の実際の施工において、ユニオンナットの締付終了時点が分り難いという慢性的な要改善項目があった。もともと、樹脂製の継手においては、その材料の特性上、ユニオンナットの回し操作に対して締付けトルクが漸増するので、金属材料のように締付トルクが急激に大きくなることによる締切り感に乏しく、感覚的に締付終了が分かり難いのである。締付が不足すると漏れのおそれがあり、締め付け過ぎると継手を損壊させるおそれがある。樹脂製であるが故にそれらの不都合が起こり易いので、正しくユニオンナットの締付を終える必要がある。 By the way, in actual construction of resin pipe joints having various excellent merits as described above, there is a chronic improvement item that it is difficult to understand the end point of union nut tightening. Originally, in the joint made of resin, due to the characteristics of the material, the tightening torque gradually increases with respect to the union nut turning operation, so the feeling of closing due to the sudden increase in the tightening torque like a metal material is poor, It is difficult to understand the end of tightening sensuously. Insufficient tightening may cause leakage, and excessive tightening may damage the joint. Since it is made of resin, these disadvantages are likely to occur. Therefore, it is necessary to correctly complete the tightening of the union nut.
例えば、作業者が完全に視認できる状態に管継手が露出配備されている場合であれば、ユニオンナットの締込みに伴う螺進具合の位置確認によって締付終了状態になったこと、或いはそれに近い状態になることを知ることが比較的容易ではある。ところが、管継手の配置場所は、他の装置類の間の狭い場所であるとか天井裏の隠れた箇所といった具合に、視認が行えない又は困難な状況となることが多く、手探りでのユニオンナット締付作業となることが多い。従って、視認できなくてもユニオンナットの締付終了又終了が近づいたことを、何らかの手段によって作業者に知らせる必要があった。 For example, if the pipe joint is exposed and deployed in a state where the operator can see completely, the tightening end state is confirmed by the position confirmation of the screwing condition accompanying the tightening of the union nut, or close to it. It is relatively easy to know that it will be in a state. However, pipe joints are often placed in narrow spaces between other devices, hidden places behind the ceiling, etc., and are often not visible or difficult. It is often a tightening operation. Therefore, it has been necessary to notify the operator by some means that the union nut has been tightened or has come to an end even if it cannot be visually recognized.
そこで、特許文献3において、継手本体(1)に片持ち状態で軸心方向に突設させた突片(15)と、ユニオンナット(2)の軸心方向端部に隆起形成された突起(23)とが、ユニオンナット(2)の締付終了間際になると周方向で接近干渉して当接し、その際に突片(15)が発する弾かれ音により、作業者は締付終了又はそれに近づいたことを知ることが可能となる技術が開示されている。つまり、音によって作業者に締付終了状態を知らしめる音発生手段である。
前記音発生手段により、管継手部分が見えなくてもユニオンナット操作による締付終了状態の音認識による確認が可能になり、一定の効果が得られるものとなった。ところが、実際の配管作業現場は静寂状況であることはまれであり、稼動中の工場内であるとか、他の工事や施工が一緒に行われる状況での作業等、得てしてある程度の騒音状況下で行われることになる。従って、樹脂製突片の弾ける音程度では作業者には聞えないことが多く、ユニオンナットの締付終了を知らせる手段、即ち、締付終了認知手段としては更なる改善の余地が残されているものであった。 Even if the pipe joint portion is not visible, the sound generating means enables confirmation by the sound recognition of the tightening end state by the union nut operation, and a certain effect can be obtained. However, the actual piping work site is rarely in a quiet situation, and it is in a certain level of noise conditions, such as working in a factory that is in operation or other work and construction work being done together Will be done. Therefore, it is often impossible for the operator to hear the sound of the resin protruding piece, and there is still room for further improvement as means for notifying the end of tightening of the union nut, that is, a means for recognizing the end of tightening. It was a thing.
本発明の目的は、上記実情に鑑みて、管継手部分が見えない又は見難い場所にあり、かつ、騒音状況下にある作業現場においても、ユニオンナットが締付終了又はそれに近い状態であることの確認が行えるようにし、組付作業性や取扱い性に優れるように改善される樹脂管継手を提供する点にある。 In view of the above circumstances, the object of the present invention is that the union nut is at or near the end of tightening even at a work site where the pipe joint portion is invisible or difficult to see and under noise conditions. This is to provide a resin pipe joint that can be confirmed and improved so as to be excellent in assembling workability and handling.
請求項1に係る発明は、合成樹脂製チューブ3の端部を拡径させて嵌合装着可能な嵌合部4、雄ねじ5とを備える合成樹脂製の継手本体1、及び、
前記雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ8と、前記チューブ3の拡径部3Aにおける拡径変化領域9に作用可能なシール用押圧部10とを備える合成樹脂製のユニオンナット2を有し、
前記嵌合筒4に前記チューブ3が嵌合装着される状態における前記雌ねじ8を前記雄ねじ5に螺合させての前記ユニオンナット2の前記継手本体1の軸心P方向への螺進により、前記拡径変化領域9が前記シール用押圧部10で前記軸心P方向に押圧されてシール部Sが形成されるように構成されている樹脂管継手において、
前記継手本体1の外周部に径方向に突出する凸部20が、かつ、前記ユニオンナット2の軸心P方向端部の外周部に径方向に凹む凹部19がそれぞれ形成されており、前記シール用押圧部10が前記拡径変化領域9を押圧しての前記ユニオンナット2の螺進終了手前付近からの締込み回転に伴って前記凸部20と前記凹部19とがそれらの一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱されるトルク変動部26が構成され、
前記凸部20及び/又は前記凹部19が周方向に複数形成されており、前記ユニオンナット2が一回転される間に前記嵌合及び離脱が繰り返されるように構成され、
前記凸部20及び/又は前記凹部19が周方向で前記軸心Pに関する均等角度毎に形成され、
前記凸部20及び/又は前記凹部19が前記軸心P方向視において円弧状を呈しており、
前記ユニオンナット2の螺進終了による締付終了状態では、前記ユニオンナット2の先端側の側周壁2aと、前記継手本体1における前記凸部20が形成されるフランジ1Aとには軸心P方向に隙間が存在していることを特徴とするものである。
The invention according to
A
The
A
A plurality of the
The
The
In the tightening end state due to the end of screwing of the
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の樹脂管継手において、前記凸部20が径外側に向って突出する径内向き凸部であり、前記凹部19が径内側に向って開放される径内向き凹部であることを特徴とするものである。
According to a second aspect of the present invention, in the resin pipe joint according to the first aspect, the
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の樹脂管継手において、前記凹部19が、前記ユニオンナット2から軸心P方向に延出される片持ち状のアーム部24に形成されていることを特徴とするものである。
According to a third aspect of the present invention, in the resin pipe joint according to the first or second aspect, the
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂管継手において、前記継手本体1及び前記ユニオンナット2がフッ素樹脂製であることを特徴とするものである。
The invention according to
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、ユニオンナットの締込み回転に伴うトルク変動部の作用、即ち、凸部と凹部とがそれらの何れか一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱することによるトルク変動が大となり、ユニオンナットを回す工具(スパナ、レンチ等)を介してそのトルク変動を明確に感じ取ることが可能になる。故に、締付終了又は終了が近づくと大なるトルク変動が生じるので、操作感覚でもってユニオンナットの締付終了又はほぼ終了であることを認識可能となる。その結果、管継手部分が見えない又は見難い場所にあり、かつ、騒音状況下にある作業現場においても、ユニオンナットが締付終了又はそれに近い状態であることの確認が行えるようになり、組付作業性や取扱い性に優れるように改善される樹脂管継手を提供することができる。
According to the invention of
請求項1のように、凸部や凹部を周方向で複数形成して、ユニオンナットの一回転中における嵌合及び離脱が繰り返されるように構成すれば、前述した大なるトルク変動の頻度が増してより感覚認識が明確になり、前記効果が強化される利点がある。この場合、請求項1のように、凸部や凹部を周方向で均等角度毎に形成すれば、前記嵌合及び離脱が複数重複されてトルク変動がより顕著化され、好ましい。
If a plurality of convex portions and concave portions are formed in the circumferential direction as in
凸部や凹部の形成手段としては、請求項1のように、軸心方向視で円弧状を呈するようにするとか、請求項2のように、凸部を径外側に向って突出させたり、凹部を径内側に向って凹ませたりするとか、請求項3のように、凹部をユニオンナットから軸心方向に延出される片持ち状のアーム部に形成したりすることができる。
The protrusions and recesses of the forming means, as in
請求項4の発明によれば、継手本体もユニオンナットも耐薬品性及び耐熱性に優れた特性を有するフッ素系樹脂で形成されているので、流体が薬液であるとか化学液体であっても、或いは高温流体であっても継手構造部分が変形して漏れ易くなることがなく、良好なシール性や耐引抜力が維持できるようになる。尚、フッ素系樹脂は高温にも安定で、撥水性に優れ、摩擦係数が小さく、耐薬品性も極めて高く、電気絶縁性も高い点で好ましい。また、継手本体とユニオンナットとを互いに同じフッ素樹脂材で形成すれば線膨張係数も互いに同じになり、高温時のシール性も向上する利点がある。
According to the invention of
以下に、本発明による樹脂管継手の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は樹脂管継手の構造を示す断面図、図4は凸部を示す要部の軸心方向図、図5は凹部を示す要部の軸心方向図、図6は締付終了状態を示す平面図、図7は締付終了認知手段を示す要部の軸心方向図、図8はアーム部が撓んで凸部に乗り上げる状況を示す要部の断面図、図9はユニオンナット締込に伴うトルク変動グラフを示す図、図10は最終増締め状態を示す平面図である。 Embodiments of a resin pipe joint according to the present invention will be described below with reference to the drawings. 1 to 3 are cross-sectional views showing the structure of the resin pipe joint, FIG. 4 is an axial direction view of the main portion showing the convex portion, FIG. 5 is an axial direction view of the main portion showing the concave portion, and FIG. 7 is a plan view showing the end state, FIG. 7 is an axial direction view of the main part showing the tightening end recognition means, FIG. 8 is a cross-sectional view of the main part showing the situation where the arm part is bent and rides on the convex part, and FIG. FIG. 10 is a diagram showing a torque fluctuation graph associated with nut tightening, and FIG. 10 is a plan view showing a final tightening state.
〔実施例1〕
実施例1による樹脂管継手Aは、図1,図2に示すように、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製のチューブ3をポンプ、バルブ等の流体機器や、異径又は同径のチューブに連通接続するものであり、フッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製の継手本体1とフッ素樹脂(PFA、PTFE等に代表される合成樹脂の一例)製ユニオンナット2との2部品で構成されている。尚、図1,2はユニオンナット2を所定量締め込んだ締付終了状態(組付状態)を示している。
[Example 1]
As shown in FIGS. 1 and 2, the resin pipe joint A according to Example 1 includes a
継手本体1は、図1,図2に示すように、チューブ3の端部を拡径して外嵌装着可能な一端のインナ筒(嵌合筒の一例)4と、インナ筒4の内奥側部分の外周側に拡径されたチューブ3先端の入り込みを許容すべく軸心P方向に延びる周溝(「径方向の間隙」の一例)mを有して被さるカバー筒部6と、台形ねじで成る雄ねじ5と、軸心Pを持つ円柱空間状の流体経路7とを備える筒状部材に形成されている。インナ筒4は、チューブ3を徐々に拡径させる先端先窄まり筒部4Aと、先端先窄まり筒部4Aの大径側に続いて形成される直胴筒部分4Bとを有する先細りストレート形のものとして構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the joint
周溝mは、その径内側の周面である外周面は直胴筒部分4Bの外周面4bであり、その径外側の周面である外周面はカバー筒部6の内周面6aである。周溝mの奥側周面21から軸心P方向に所定長さ離れた箇所に継手フランジ1Aが形成されており、その継手フランジ1Aの略根元部位からカバー筒部6の端部の外周面に亘って雄ねじ5が形成されている。インナ筒4の先端面は、径方向で内側ほど内奥側(軸心P方向で奥側)に寄る逆テーパの角度が施される、即ち、先端ほど大径となるカット面16が形成されており、チューブ3の内周面が拡径部(フレア部)に向けて拡がり変位することに因る液溜り周部17の形状を内周側拡がり形状として、その流体が液溜り周部17に停滞し難くしてある。尚、カット面16は、その最大径が自然状態のチューブ3の内径と外径の略中間値となるように形成されているが、それにはこだわらない。
In the circumferential groove m, the outer peripheral surface that is the inner peripheral surface of the diameter is the outer
ユニオンナット2は、図1,図2に示すように、雄ねじ5に螺合可能な雌ねじ8と、チューブ3のインナ筒4に外嵌される拡径部3Aにおける拡径変化領域9の小径側端部分に作用可能なシール用周エッヂ(シール用押圧部の一例)10と、拡径変化領域9の大径側端部分に作用可能な抜止め用周エッヂ11と、拡径部3Aにおける径一定の直胴筒部分4Bに外囲される拡径ストレート部12に外嵌可能な押え内周部13と、シール用周エッヂ10に続いてチューブ3を軸心P方向の所定長さに亘って外囲するガイド筒部14とを備えて形成されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
シール用周エッヂ10は、その内径がチューブ3の外径に略等しく、その押圧面10aは軸心Pに直交する側周面とされている。抜止め用周エッヂ11は、その内周面の径がインナ筒4の最大径である直胴筒部分4Bの外周面4bよりも大径であり、かつ、チューブ3の肉厚を足した径、即ち押え内周部13の径よりは小さい値に設定されているが、そうでなく(例:外周面4bよりも小径)でも良く、拡径変化領域9の大径側部分に作用すれば良い。抜止め用周エッヂ11の押圧面11aも軸心Pに直交する側周面である。
The sealing
押え内周部13は、これと拡径ストレート部12とに径方向の隙間が無く、かつ、ユニオンナット2の締込みによる拡径部3Aの連れ回りが生じない程度に拡径ストレート部12に圧入(圧接外嵌)される値に設定されて抜止め手段Nが構成されている。これは、ユニオンナット2の締込みにより、チューブ3の抜出しを阻止すべく抜止め用周エッヂ11が拡径ストレート部12を軸心方向で食い込むように押圧するが、その押圧力によって拡径ストレート部12が径外側に膨らむように逃げ変形できないようにして、抜止め用周エッヂ11との協働による耐引抜力を高めて得るためのものである。
The presser inner
次に、チューブ3の端部をインナ筒4に外嵌挿入するには、常温下で強制的にチューブ3を押し込んで拡径させて装着するか、熱源を用いて暖めて膨張変形し易いようにしてから押し込むか、或いは拡径器(図示省略)を用いて予めチューブ端を拡径させておいてからインナ筒4に押し込むかして、図1に示すように、チューブ端3tがカバー筒部6の端壁15よりも内奥に位置する状態となるまで差し込む。インナ筒4に外嵌装着される拡径部3Aは、図1,図2に示すように、先端先窄まり筒部4Aの外周面4aに外嵌される拡径変化領域9と、直胴筒部分4Bの外周面4bに外嵌される拡径ストレート部12とで成る。
Next, in order to externally insert the end of the
つまり、図1,図2に示すように、インナ筒4にチューブ3が外嵌装着された状態における雌ねじ8を雄ねじ5に螺合させてのユニオンナット2の締込みによる継手本体1の軸心P方向への螺進により、拡径ストレート部12に押え内周部13が外嵌され、かつ、拡径変化領域9の大径側部分におけるインナ筒4の径よりも大径となる部分が抜止め用周エッヂ11で軸心P方向に押圧され、かつ、拡径変化領域9の小径側部分がシール用周エッヂ10で軸心P方向に押圧されるように設定されている。尚、チューブ3の流体移送路3Wの径と流体経路7の径とは、円滑な流体の流れとすべく互いに同径に設定されているが、互いに異なっていても良い。
That is, as shown in FIGS. 1 and 2, the shaft center of the
この場合、前述したように、押え内周部13と拡径ストレート部12との径方向には隙間が無く、直胴筒部分4Bと押え内周部13との間に拡径ストレート部12が圧接挟持されているような状態になっている。また、実施例1においては、チューブ3の拡径変化領域9が先端先窄まり筒部4Aに被さる部分として形成されている。拡径変化領域9は、徐々に拡がるテーパ管の状態であり、シール用周エッヂ10と抜止め用周エッヂ11とは軸心P方向で互いに離れた位置関係にあるが、先端先窄まり筒部4Aの外周面4aの軸心Pに対する角度が急になればなる程、シール用周エッヂ10と抜止め用周エッヂ11との軸心P方向の距離は接近する。また、シール用周エッヂ10とインナ筒4の先端とは軸心P方向で少し離れている(図2等参照)が、前記外周面4aの角度が急になればその離間距離は拡大され、緩くなればその離間距離は縮小される。
In this case, as described above, there is no gap in the radial direction between the presser inner
さて、図1,図2に示すように、樹脂管継手Aの所定の組付け状態においては、シール用周エッヂ10はチューブ3の拡径変化領域9の小径側端部分を軸心P方向に押圧するので、拡径変化領域9の外周面4aの小径側端と、その箇所に接するチューブ3の内周面とが強く圧接されてシール部Sが形成される。このインナ筒4の先端箇所でのシール部Sにより、インナ筒4と拡径部3Aと間に洗浄液、薬液等の流体が入り込むことなくチューブ3と継手本体1とが良好にシールされている。
As shown in FIGS. 1 and 2, in a predetermined assembled state of the resin pipe joint A, the sealing
そして、インナ筒4に圧入的に外嵌されている拡径部3Aの拡径ストレート部12が直胴筒部分4Bの外周面4bと押え内周部13とで囲まれていて、まず膨張変形できないようにホールドされており、かつ、抜止め用周エッヂ11がほぼその拡径ストレート部12に食い込むように位置している。これにより、拡径変化領域9の大径側端部分、即ち実質的に拡径ストレート部12に食い込むように押す抜止め用周エッヂ11の引掛かりによって拡径部3Aに作用する引抜力に抗することができるとともに、抜止め用周エッヂ11を基点として拡径ストレート部12が引抜力によって径方向に膨張変形できることに起因して拡径部3Aが抜き出る方向にずり動くことが牽制阻止されるようにもなる。
The diameter-enlarging
拡径部3Aが軸心P方向に少しでもずり動くと、シール部Sにおけるシールポイントもずれてシール機能が不確実化するおそれがあるが、それが未然に防止されるようになる。従って、拡径部3Aが軸心P方向でインナ筒4から抜け出る方向の移動が強固に規制される抜止め手段Nが構成されており、それによって優れた耐引抜力が実現されている。その結果、継手本体1とユニオンナット2とから成るフレア型の樹脂管継手Aを、チューブがインナ筒に装着されている状態でのナット操作によって簡単に組付けできて組付性に優れるとともに、シール部Sによる優れたシール性と抜止め手段Nによる優れた耐引抜力との両立も図れる改善されたものとして実現できている。
If the diameter-enlarged
加えて、抜止め用周エッヂ11による拡径変化領域9の大径側部分の押圧が開始された後にシール用周エッヂ10による拡径変化領域9の小径側部分の押圧が開始される状態に設定されていること、即ち押圧時差手段により、次のような作用や効果もある。即ち、図3に示すように、ユニオンナット2を回して締め込んで(螺進させて)ゆくと、まず、抜止め用周エッヂ11が先に拡径変化領域9(詳しくは拡径変化領域9の大径側部分)に当接し、そのときはシール用周エッヂ10は拡径変化領域9にまだ達していない。これにより、抜止め用周エッヂ11のみが拡径変化領域9の大径側部分、より詳しくは直胴筒部分4Bよりも大径となる部分を軸心P方向に押すから、ユニオンナット2の締付操作によって拡径ストレート部12をインナ筒4のより内奥側に押し込もうとする作用が生じる。
In addition, after the pressing of the large-diameter side portion of the enlarged-
直胴筒部分4Bに圧入外嵌される拡径ストレート部12は押え内周部13にも圧接されるが、その圧接力が比較的弱い場合には拡径部3Aをズリ動かしてインナ筒4のより内奥側に挿入させようとするから、より確実にチューブを継手本体1に差し込めるとか、それに加えて、軸心P方向に押される拡径ストレート部12が軸心P方向に動きに難いことに起因して径方向に膨張しようとして、より圧接力が高まってしっかりと挟持される作用が生じるといった好ましい効果が得られる。前記圧接力が比較的強い場合には、軸心P方向に押される拡径ストレート部12が軸心P方向にまず動けないことによって径方向に膨張しようとする強い作用が生じ、インナ筒4と押え内周部13との間で拡径ストレート部12がより一層強固に保持される効果が得られる。
The diameter-enlarging
つまり、いずれせよ、シール用周エッヂ10が拡径部3Aに刺さり込み作用していない状況で抜止め用周エッヂ11が拡径部3Aを軸心P方向に押すことにより、直胴筒部分4Bと押え内周部13とによる拡径ストレート部12の圧接保持力が強化されるという効果が得られる。例えば、図2に示すように、拡径部3Aにおける抜止め用周エッヂ11で押される部分が径外側に流動して押圧面11aと押え内周部13とで成される隅角空間部が埋まってしまうとか、押え内周部13による径外側の拘束が解けた部分が径外側に膨張して盛上り部(図示省略)が形成されるといった現象が起りうる程である。
That is, in any case, when the sealing
以上のように、押圧時差手段により、チューブ3のインナ筒4に対する圧接保持力も耐引抜力も一層向上する効果が得られるようになる。尚、図3に示す仮想線のユニオンナット2は、シール用周エッヂ10が拡径変化領域9(詳しくは拡径変化領域9の小径側部分)に達したときを示し、そのときには抜止め用周エッヂ11は既に拡径変化領域9に明確に食い込んでいる。
As described above, the pressing time difference means provides an effect of further improving both the pressure contact holding force of the
また、図1,図2に示すように、インナ筒4の内奥側とカバー筒部6とで形成される周溝m、及び透視可能なフッ素樹脂で形成されるユニオンナット2とにより、チューブ3が正しくインナ筒4に差し込まれている否かを目視チェック可能なインジケータ手段Bが構成されている。つまり、押え内周部13の内奥側で、かつ、雌ねじ8に至るまでの間の谷状内周面22を通るライン(図2の矢印イ参照)での目視により、拡径部3Aが見え、かつ、拡径端部3tが見えない正常状態であるならば、チューブ3がインナ筒4に正しく外嵌装備されていると判断できる。そして、拡径部3Aが見え、かつ、拡径端部3tも見える差込不良状態、或いは拡径部3A自体が見えない差込不足状態であれば、チューブ3の差込がまだ規定量に達していないと判断できるのであり、この場合は前記正常状態が目視できるまでチューブ3をさらに押し込む操作を行うことになる。
As shown in FIGS. 1 and 2, a tube is formed by a circumferential groove m formed by the inner back side of the
インジケータ手段Bにおいては、ユニオンナット2が透明又は半透明(乳白色等)のフッ素樹脂を用いて形成されていてその内側にある物体を目視視認可能であり、特に、押え内周部13の内奥側で、かつ、雌ねじ8に至るまでの間の谷状内周面22を通るライン(図2の矢印イ参照)での目視では、ユニオンナット2の厚みの少ない部分のみの透視によって拡径部3Aを比較的はっきりと視認し易いものとなっている。それに対して、谷状内周面22の部位よりも肉厚が厚い押え内周部13の部位では拡径部3Aの視認度が劣り、見難いものとなっている。
In the indicator means B, the
そして、チューブ3の端部が入り込み可能な周溝mの部分では、ユニオンナット2とカバー筒部6が重なっているので、継手本体1も透視可能であるとしても、厚みが谷状内周面22の部分よりも厚くなる上、雄ねじ5と雌ねじ8との重なりによる境界面での屈折率の変化も加わり、拡径端部3tが何処にあるかの視認は先ず無理な状態になる。また、継手本体1が着色されている等の透視不可の場合には、カバー筒部6の端壁15よりも内奥側においては、言うまでもなく拡径部3Aや拡径端部3tを見ることはできない。
And since the
従って、谷状内周面22から拡径部3Aが見え、かつ、拡径端部3tが見えないという正常状態を視認できるか否かというインジケータ手段Bの機能によって、ユニオンナット2を締め付け操作した後の組付状態(締付終了状態)にて目視確認できるものであり、便利で使い勝手に優れる樹脂管継手Aが提供できている。
Therefore, the
また、インジケータ手段Bを構成するための周溝m及びカバー筒部6の存在により、チューブ3をインナ筒4に差し込む際におけるインジケータとしても機能する、という効果も得られる。即ち、チューブ3をフレアしてのインナ筒4への差込量が所定量になっているか否かの確認ができる。つまり、インナ筒4に差し込まれた拡径部3Aとしての端部3tが端壁15より奥にあれば良く、その良否をチューブ3のインナ筒4への組付時において視認判断できる手段としても機能する利点がある。
Further, the presence of the circumferential groove m and the
ここで、拡径部3Aの軸心P方向でのインナ筒4への嵌合長をL(拡径嵌合長L)、インナ筒4の先端からカバー筒部6の端壁15までの距離をD(最低嵌合長D)、そして、周溝mのチューブ最大嵌合長さをd(調節嵌合長d)とすれば、拡径嵌合長Lは、最低嵌合長D以上で、かつ、最低嵌合長Dに調節嵌合長dを加えた長さ以下に設定されれば良く、そのことがインジケータ手段Bにより、ユニオンナット2の締付後においても知ることができる。即ち、D≦L≦(D+d)であればチューブ3のインナ筒4への差込量が適量であることになる。
Here, the fitting length to the
抜け止め周エッヂ11を作用させず、チューブ3をインナ筒4に差し込んだ状態で、軸心P方向にどの位の力で引張ればチューブ3がインナ筒4から抜けるか、という試験を標準的な径のチューブ3を用いて行った結果を次に記す。標準的な径の一例として、内径15.8mm、外径19mmのものを用いた場合には、L=5mmでは引抜力が○であり、L=10mmでは引抜力が◎、L=15mmでも引抜力は◎である、という結果が得られた。ここで、耐引抜力が80kg以上であれば判定は○であり、90kg以上であれば判定は◎である。これから、Lは最低10mmあれば良好な耐引抜力が実現できるから、L≧10mmが得られる。この場合、Lの上限規定が無いが、そうなると周溝mが徒に長くなって管継手としての軸心方向長さが大型化してしまう。
Standard test of how much force is pulled in the direction of the axis P when the
ところで、チューブ3を適宜の長さで切断するのに、正確に切るには切断工具を用いるが、通常は一般の作業者がハサミを使って切断されることが殆どであり、その場合には切り口がチューブ軸心に対して正確に直角にはならず、斜めにカットされてしまうことが多い。その斜めカットによる切断面の軸心方向位置のばらつきは凡そ最大で5mm程度であることがデータから判明しているので、周溝の実質深さ(軸心P方向長さ)、即ちd=5としてL≦15mm、結果として、10mm≦Lmm≦15mm(D=10mm、D+d=15mm)に設定すれば、チューブ3の切断面が斜めになること、及び管継手として軸心P方向長さを極力抑えることの双方を考慮しながら、十分な耐引抜力を持つ状態にチューブ3とインナ筒4とを嵌合させることができる。
By the way, in order to cut the
従って、拡径端部3tの軸心P方向の位置は、図1,図2に実線で示すように、カバー筒部6の端壁15から少しでも奥にあればOKであればチューブ3のインナ筒4への差込量はOKであり、図2に仮想線で示すように、周溝mの内奥端近くの位置まで入っていても良い。勿論、L<Dであれば差込不足であり、さらにチューブ3を押し込むのは言うまでもない。尚、前述の10mmや15mmmという具体長さはあくまでも実施例であり、実際の値は、チューブ3の材質、径、肉厚、インナ筒4への拡径量、等の諸条件を考慮して適宜に決まるものである。
Therefore, the position of the expanded
この樹脂管継手Aは、組付状態におけるユニオンナット2の締付終了又は終了が近づいたことを操作感覚をもってして作業者に知らしめることが可能な締付終了認知手段Cが設けられている。締付終了認知手段Cは、図1〜3,図6,図7に示すように、継手本体1のフランジ1Aに均等角度(軸心P周りの45度)毎の8箇所に形成される凸部20と、ユニオンナット2の先端側(雌ねじ8側端)の均等角度(軸心P周りの45度)毎の8箇所において径方向で内向きに開放される凹部19とで成るトルク変動部26を設けることによって構成されている。
The resin pipe joint A is provided with a tightening end recognition means C capable of notifying an operator with an operational feeling that the end or end of tightening of the
図2,4,6に示すように、継手本体1の凸部20は、フランジ1Aの外周部から軸心P方向視で円弧状に径外側に突出するように形成されており、周方向で隣り合う凸部20どうしの間は小径外周面1cに形成されている構造である。凸部20は円弧状外周面1a及び雄ねじ側側周面1bを有している。円弧状外周面1aと雄ねじ側側周面1bとの稜線には、後述するアーム部24の乗り越えを容易化する角アールが施されている。また、フランジ1Aの軸心P方向で雄ねじ5と反対側には、軸心P方向に一定の幅を有する操作用の六角ナット部23、及びそれに続く丸パイプ部25が形成されている。
As shown in FIGS. 2, 4, and 6, the
図2,5,6に示すように、ユニオンナット2の先端側の側周壁2aから軸心P方向に突設され、かつ、径内方向に開放されて径外側に凹む凹部19は、同様に軸心P方向に片持ち支持状態で突設される円弧状のカバー庇18の径内側に一体形成されている。つまり、凹部19は、ユニオンナット2から軸心P方向に延出される片持ち状のアーム部、即ち、周方向両側の隆起壁19a,19aとカバー庇18とで成るアーム部24に形成されている。
As shown in FIGS. 2, 5, and 6, a
凹部19は、軸心P方向視で円弧状を呈する湾曲周面19bを持ち、この湾曲周面19bの曲率半径は凸部20の外周面1aの曲率半径と同等か僅かに大きいものに設定されている(僅かに小さくても可)。カバー庇18はユニオンナット2と同じ外径を持ち、その軸心P方向長さは凹部19より若干長く設定されている。図2,図10に示すように、凹部19の軸心P方向長さeは、凸部20の軸心P方向長さ(フランジ1Aの厚さ)fよりも少し長く設定されている。カバー庇18の軸心P方向長さは凹部19のそれよりも距離gだけ長く設定されている(同じ突設長さでも良い)。
The
次に、締付終了認知手段Cの作用について説明する。継手本体1に螺装されているユニオンナット2を回して螺進させて行くと、ねじピッチにも縁るがカバー庇18の先端部が凸部20に被さりながら回動し、次の凸部20に差し掛かるとその外周面1aに一方の隆起壁19aの先端部が緩い入射角度でもって当接するようになる。尚もユニオンナット2を締付方向に回すと、図8に示すように、片持ち状で比較的支持強度の弱い凹部19が(アーム部24が)がそっくり返るように径外側に撓み変位し、それによって凸部20をかわしてやり過ごし、図7に示すように、各凸部20と各凹部19とが互いに嵌り込む(図1,2も参照)のである。
Next, the operation of the tightening end recognition means C will be described. When the
即ち、ユニオンナット2の回し操作に伴って8箇所の凹部19の(アーム部24の)凸部20をかわすための径外側への撓み変位(図8参照)、及びそれに続く凹部19の(アーム部24の)径内側への復元変位による凸部20への嵌り込みが以後繰り返されることとなる。アーム部24の隆起壁19aが凸部20に干渉することによる径外側への撓み変位が始まるときには、各エッヂ10,11がある程度拡径部3Aに食い込んだ状態、つまり、樹脂管継手Aの組付けが完了すべくユニオンナット2を回しての締付(螺進)がほぼ終了している設定となっている。
That is, in accordance with the turning operation of the
要するに、8箇所の凹部19が(アーム部24が)径外側に撓み変位する際の抵抗がユニオンナット2の強烈な回動抵抗となり、そのトルク変動(トルク増加)が六角ナット部2bを操作するスパナやレンチ等の工具を介して明確に手指に伝わってくるようになる。そして、ユニオンナット2を回し込むに連れて(凹部19のフランジ1Aへの軸心P方向での被さり量が増すに連れて)、凸部20に乗り上げてかわすための凹部19、即ちアーム部24の径外側への撓み変位が顕著化されてトルク変動が漸増するので、ユニオンナット2の締込操作終了又は終了に近づいたことを作業者は感覚的に確実に知ることが可能になっている。
In short, the resistance when the eight
つまり、継手本体1のフランジ1Aの外周部に形成される径方向に突出する凸部20と、ユニオンナット2の軸心P方向端部から片持ち状に突設されるアーム部24に形成される径外側に凹む凹部19とが、シール用押圧部10が拡径変化領域9を押圧してのユニオンナット2の螺進終了手前付近からの締込み回転により、凹部19の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱されるトルク変動部26が構成されており、そのトルク変動部26の存在によって締付終了認知手段Cが構成されている。
That is, it is formed in the
ユニオンナット2の締付(締込)終了は、工具を用いての明確なトルク変動を感じ始めてから0.5〜1回転(図9では0.75回転)操作された状態、即ち、図1,2や図6に示すように、軸心P方向でカバー庇18の先端とフランジ1Aの六角ナット部23側端とが一致する状態、即ち、締付終了状態である。従って、締付終了認知手段Cの機能により、管継手Aが視認できない箇所にあってもユニオンナット2を回す操作感覚でもって締付終了を認識することが可能に構成されている。尚、その状態(図6に示す状態)を目視することで締付終了であることを知ることも可能である。
The end of tightening (tightening) of the
図9に示すグラフは、ユニオンナット2の締付方向の回転に伴う締付トルクの変動を表したものであり、実線で描かれたラインaが本発明(実施例1)による樹脂管継手Aで、一点破線で描かれたラインbが第1従来製品、二点破線で描かれたラインcが第2従来製品のものである。第1,第2従来製品は、共に締付終了認知手段Cを持たない管継手である。横軸である締付回転は、締付終了状態(図6参照)を0としてあり、そこからユニオンナット2を1回転緩めた状態は「−1」で表される。尚、図示は省略してあるが、横軸の0を超えた+側の回転域は増締めを表す。
The graph shown in FIG. 9 represents the fluctuation of the tightening torque accompanying the rotation of the
実施例1の樹脂管継手Aによるラインaでは、凡そ−0.875回転付近で最初の軽いトルク増加(ポイントp1)が現れており、それは隆起壁19a先端が凸部20の雄ねじ側側周面1bに途中から触れることによるものと考えられる。そして、各凹部19が最初に対応する凸部20に嵌った状態(ポイントp2)からユニオンナット2が回されて各凹部19が径外側に撓み変位して凸部20に乗り上げるときが第1回目のトルク急増(急激な締付トルクの変動)現象(ポイントp3)が生じ、次いで各凹部19が対応する凸部20に嵌ると急激に締付トルクが減少する第1回目のトルク急減(急激な締付トルクの変動)現象(ポイントp4)が現れる。
In the line a by the resin pipe joint A of Example 1, the first light torque increase (point p1) appears around -0.875 rotation, which is the male screw side peripheral surface of the
実施例1の樹脂管継手Aでは、ユニオンナット2における凹部19が8箇所形成されているので、1回転当たり8回のトルク急増現象(トルク変動現象)が生じているのが図9から見て取れる。0.5回転ではトルク急増現象は4回生じる。α=T/y(T:トルク変動量、y:ユニオンナットの回転量)で表されるトルク増加率(トルク変動率)α、即ち、ラインaの右上がり傾き角度は、ラインb、cそれぞれのトルク増加率に比べて顕著に大である。つまり、凹部19及び凸部20が周方向に複数形成されており、ユニオンナット2が一回転される間に凹部19と凸部20との嵌合及び離脱が繰り返されるように構成されている。
In the resin pipe joint A of Example 1, since the
この極めて大なるトルク増加率αにより、スパナ等の工具を介しても作業者の手指にはユニオンナット2の回し操作時における「ゴリゴリ感」、即ちデテント機構による節度感に相当するような感触が明確に伝わってくるのであり、それによって締付終了が近づいたことを認識できるのである。実施例1による樹脂感継手Aでは、最初の明確な「ゴリゴリ感」を含む6回の「ゴリゴリ感」を認識したらユニオンナット2の回し操作を止めれば良く、そのときには図6に示す締付終了状態が得られる設定である。ラインb、cで表される第1,第2従来製品のものでは、トルク増加率が微増又は漸増しているだけであって急激なトルク変動が起きないので、締切り節度感に乏しく、従って締付終了を作業者が手指の感触として知ることはできない。
Due to this extremely large torque increase rate α, the operator's fingers can feel a “crimping feeling” when the
次に、ユニオンナット2の増締めについて説明する。樹脂管継手Aでは、経時によるチューブ3の保持力低下を補えるようにすべく、ユニオンナット2の増締めが若干行えるように設定されている。即ち、締付終了状態(図6参照)では、側周壁2aとフランジ1A(雄ねじ側側周面1b)とには軸心P方向に隙間が存在しており、ユニオンナット2の更なる回し込みによる増締め操作が可能となっている。その軸心P方向の増締め量はe+g−fである。
Next, tightening of the
増締めは、図10に示すように、側周壁2aが雄ねじ側側周面1bに当接してそれ以上回せなくなる状態、即ち最終増締め状態まで可能である。最終増締め状態になることにより、雄ねじ5や雌ねじ8のねじ飛び、首破断等の管継手Aとしての破損防止が行える利点がある。さらに、隣合う凹部19,19間の切欠き空間部分から雄ねじ側側周面1bと側周壁2aとが当接しているか否かが視認できるので、目視によって最終増締め状態を知ることも可能である。
As shown in FIG. 10, the tightening can be performed until the side
〔別実施例〕
トルク変動率αとしては、急激なトルク減少によるもの、即ちトルク減少率が顕著に大となることによるものでも良く、それによってユニオンナット2の回し操作に「ゴリゴリ感」が伴うようにされた構成の樹脂管継手も可能である。また、本発明を、インナーリングを用いてチューブ拡径部が嵌合筒に内嵌される構造の継手、即ち、ユニオンナット、継手本体、インナーリングの3部品で成る樹脂管継手に適用しても良い。
[Another Example]
The torque fluctuation rate α may be caused by a sudden torque decrease, that is, by a remarkably large torque decrease rate, thereby causing a “crimp feeling” to be accompanied by a turning operation of the
図示は省略するが、継手本体1に形成される凸部20が径内側に突出する凸部であり、かつ、ユニオンナット2に形成される凹部19が径内側に凹む凹部である構成も可能である。この場合、径方向に撓み変位するのは凸部20でも凹部19でも可能である。さらに、実施例1の樹脂管継手Aにおいて、凸部20を径方向に撓み変位する構成も可能である。また、締付終了認知手段Cを構成する凸部20及び凹部19は、周方向で単一又は複数形成される等、それら凸部20や凹部19の数や配置構造は適宜に設定することが可能である。
Although illustration is omitted, it is also possible to adopt a configuration in which the
1 継手本体
1A フランジ
2 ユニオンナット
2a 側周壁
3 チューブ
3A 拡径部
4 嵌合筒
5 雄ねじ
8 雌ねじ
9 拡径変化領域
10 シール用押圧部
19 凹部
20 凸部
24 アーム部
26 トルク変動部
P 軸心
S シール部
1 Fitting body
2a Side
Claims (4)
前記雄ねじに螺合可能な雌ねじと、前記チューブの拡径部における拡径変化領域に作用可能なシール用押圧部とを備える合成樹脂製のユニオンナットを有し、
前記嵌合筒に前記チューブが嵌合装着される状態における前記雌ねじを前記雄ねじに螺合させての前記ユニオンナットの前記継手本体の軸心方向への螺進により、前記拡径変化領域が前記シール用押圧部で前記軸心方向に押圧されてシール部が形成されるように構成されている樹脂管継手であって、
前記継手本体の外周部に径方向に突出する凸部が、かつ、前記ユニオンナットの軸心方向端部の外周部に径方向に凹む凹部がそれぞれ形成されており、前記シール用押圧部が前記拡径変化領域を押圧しての前記ユニオンナットの螺進終了手前付近からの締込み回転に伴って前記凸部と前記凹部とがそれらの一方の径方向への撓み変位によって互いに嵌合及び離脱されるトルク変動部が構成され、
前記凸部及び/又は前記凹部が周方向に複数形成されており、前記ユニオンナットが一回転される間に前記嵌合及び離脱が繰り返されるように構成され、
前記凸部及び/又は前記凹部が周方向で前記軸心に関する均等角度毎に形成され、
前記凸部及び/又は前記凹部が前記軸心方向視において円弧状を呈しており、
前記ユニオンナットの螺進終了による締付終了状態では、前記ユニオンナットの先端側の側周壁と、前記継手本体における前記凸部が形成されるフランジとには軸心方向に隙間が存在している樹脂管継手。 A fitting tube that can be fitted and mounted by expanding the end of the synthetic resin tube, a synthetic resin joint body provided with a male screw, and
A union nut made of a synthetic resin provided with a female screw that can be screwed into the male screw, and a sealing pressing portion that can act on a diameter expansion change region in the diameter expansion portion of the tube;
As the union nut is screwed in the axial direction of the joint main body by screwing the female screw with the male screw in a state where the tube is fitted and attached to the fitting cylinder, the diameter expansion change region is A resin pipe joint configured to be pressed in the axial direction by a pressing portion for sealing to form a sealing portion,
Convex portions protruding in the radial direction are formed on the outer peripheral portion of the joint body, and concave portions recessed in the radial direction are formed on the outer peripheral portion of the axial end portion of the union nut, and the pressing portion for sealing is the The convex portion and the concave portion are fitted and detached from each other by a deflection displacement in one of the radial directions as the union nut is tightened and rotated from near the end of screwing while pressing the diameter expansion change region. The torque fluctuation part is configured ,
A plurality of the convex portions and / or the concave portions are formed in the circumferential direction, and the fitting and detaching are repeated while the union nut is rotated once,
The convex part and / or the concave part are formed at equal angles with respect to the axis in the circumferential direction,
The convex part and / or the concave part has an arc shape in the axial direction view,
In the tightening end state due to the end of the union nut screwing, there is a gap in the axial direction between the side peripheral wall on the tip end side of the union nut and the flange on which the convex portion of the joint body is formed. Resin pipe fittings.
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