JP5025575B2 - 圧力検出装置 - Google Patents
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第1圧力室5には通路9を接続し、この通路9には、微小な圧力変化をする検出対象Aを接続する。
また、上記隔壁3には、先端を第1フラッパー2に向けたノズル10を取り付け、このノズル10によって第2圧力室6と第3圧力室7とを連通させるとともに、第3圧力室7には、絞り11を介して流体供給源から圧力流体を供給する供給通路12を接続している。
また、上記第2圧力室6には通路15を接続するとともに、第4圧力室8には通路16を接続して、各圧力室6,8を大気に接続している。
このとき、第3圧力室7の圧力は、ノズルの先端10aと第1フラッパー2とで形成される絞りによって、上記第1圧力室5の圧力、すなわち、検出対象Aの微小圧力よりも高くなるようにノズル10と第1フラッパー2との位置関係及び第1フラッパー2の剛性などを設定している。
これにより、検出対象Aの微小の圧力を増幅して、その圧力を第3圧力室7に導くことができる。このように、検出対象Aの変化圧力を増幅すれば、検出対象Aの圧力変化が微小であっても、第3圧力室7の圧力変化は大きくなり、この圧力によって第2フラッパー4を変位させる。従って、磁力スイッチ14が、その圧力を確実に検出することができる。
このような装置を用いて、検出対象の僅かな圧力上昇や、微小な差圧を検出するようにしていた。
その理由は、以下のとおりである。
上記従来の装置では、微小な圧力変化を検出するために、第1フラッパー2は僅かな圧力で第2圧力室6側へ十分に膨らむようにしている。そこで、検出対象Aの圧力が高い場合には、第1フラッパー2が初めから第2圧力室6側へ膨らんで、ノズルの先端10a側に絞りが形成されてしまう。初めから絞りが形成されて第3圧力室7の圧力が上昇すれば、検出対象Aの圧力が変化する前に、磁力スイッチ14がオンになってしまうことになる。
また、検出対象Aの圧力が大気圧に近い場合であっても、大気圧そのものが変動すれば、第2圧力室6内の圧力が変動するので、微小な圧力変化に追従する第1フラッパー2の変位量がばらついてしまい、正確な圧力検出ができないことがある。
なお、上記検出開始ポイントとは、上記圧力検出室の圧力が変動するとき、この発明の装置で検出すべき圧力範囲の下限値のことである。つまり、この圧力検出装置は、上記検出ポイントからの僅かに上昇した圧力を検出するものである。
特に、抵抗発生手段によって、検出開始ポイントにおける増幅機構を構成するノズルとフラッパーとの間隔を設定値に設定できるので、検出対象の僅かな圧力変動を増幅して正確な検出することができる。
さらに、1または複数の増幅ユニットによって、検出対象の圧力変化を増幅できる。特に、増幅ユニットを複数設けた場合には増幅率を大きくでき、それだけ、検出対象の微細な圧力変化をより高精度で検出できることになる。
さらに、流体供給経路に接続した基準圧力室及び増幅圧力導入室の圧力は、流体供給源の圧力が変動した場合その影響を受けるが、この発明のように、バイアス圧力によって上記基準圧力室とこれに隣接する増幅圧力導入室との差圧をほぼゼロに維持できれば、上記流体供給源に圧力変動があっても、両圧力室の差圧の検出にはほとんど影響を与えない。
この第1実施形態の圧力検出装置は、本体1内に、その底面1a側から、圧力検出室17、比較圧力室18、増幅圧力導入室19、及び基準圧力室20を備えている。これら、各室17〜20は、従来装置の第1圧力室5〜第4圧力室8に相当する構成である。
なお、上記本体1は、複数の筒部材を接合して構成するなど、どのようにして構成してもよい。
そして、上記圧力検出室17には通路9を介して検査対象Aを接続し、この検査対象Aの圧力変化を、本体1の天井面1bに設けた磁気スイッチ14によって検出する構成は、従来の圧力検出装置で、第1圧力室5の圧力変化を検出する原理と同様である。上記第2フラッパー4は圧力検出用のフラッパーであり、上記圧力増幅用の第1フラッパー2とは役割が異なる。
但し、この第1実施形態では、比較圧力室18に接続する通路15に絞り21設けている。この絞り21は、上記供給通路12から、増幅圧力導入室19→ノズル10→比較圧力室18→通路15を介して流れる圧力流体が、比較圧力室18から排出される排出経路に抵抗を与え、比較圧力室18の圧力を予め設定した一定の圧力に制御するためのものである。具体的には、この絞り21によって、上記比較圧力室18内の圧力を、検出対象Aの圧力、すなわち、圧力検出室17の圧力に近い値に制御する。
この実施形態では、上記絞り21が、この発明の流体排出経路に設けた抵抗発生手段である。
また、図1において、絞り21を模式的に示しているが、この絞り21は、比較圧力室18の圧力を制御するため、その開度を調整可能な構造にしている。
まず、圧力検出室17に通路9を介して検出対象Aを接続するとともに、図示しない流体供給源から圧力流体を供給通路12へ供給する。
上記比較圧力室18の圧力は、上記絞り21の機能によって、圧力検出室17の圧力に近い一定の圧力に維持されているので、圧力検出室17に接続した検出対象Aの圧力変化がない初期状態において、検出対象Aの圧力が大気圧よりも高い圧力であっても、第1フラッパー2は中立位置を保っている。
つまり、上記初期状態が、この発明の検出開始ポイントにあたり、この検出開始ポイントにおいて、この発明の圧力発生手段である上記絞り21により、ノズル10の先端と第1フラッパー2との間隔を初期の設定値に設定されるようにしている。
このとき、ノズルの先端10aと第1フラッパー2とで形成される絞りによって、上記圧力検出室17の変動圧力が増幅されたことになり、この増幅した圧力が増幅圧力導入室19へ導入される。すなわち、この増幅圧力導入室19の圧力は、初期の圧力に、圧力検出室17の変動圧力を増幅した増幅圧力分だけ高くなる。
以上のように、第1実施形態の圧力検出装置では、比較圧力室18の圧力を、絞り21によって所定の圧力に維持するので、検出対象Aの圧力の大小にかかわらず、初期状態で第1フラッパー2の中立状態を維持でき、検出対象Aの微細な変動を検出することができる。
この第2実施形態では、上記通路15及び接続路24によって、比較圧力室18と基準圧力室20を連通するこの発明の連通路を構成している。
このような連通路を形成することによって、基準圧力室20を、比較圧力室18と同様に、絞り21で制御された圧力にすることができる。
すなわち、圧力検出室17の微小な圧力変化を、比較圧力室18との差圧の変化として第1フラッパー2が検出し、その変化に応じてノズル10の先端10a側に絞りを形成する。そして、この絞りによってノズル10の上流側である増幅圧力導入室19の圧力が上昇する。この上昇圧力が、所定の圧力に達したとき、第2フラッパー4がこの増幅された圧力と基準圧力室20の圧力との差圧によって作動し、磁気スイッチ14をオンする。
さらに、基準圧力室20の圧力を比較圧力室18とともに制御することによって、第2フラッパー4を動作させる差圧の基準圧力を安定化して、第2フラッパー4の動作圧力を安定化することができる。
この第2実施形態では、初期状態においては、ノズル10の先端10aと第1フラッパー2との間には絞りが形成されないようにしているので、初期状態において、増幅圧力導入室19は比較圧力室18とはほぼ同圧である。そのため、検出対象Aの圧力が高い場合には、その圧力に合わせて設定した比較圧力室18の高い圧力が増幅圧力導入室19に導かれる。
このように、検出開始ポイントで第2フラッパー4が動作してしまうことがないようにするためには、第2フラッパー4の動作感度を低くすることが考えられるが、第2フラッパー4の動作感度を低くすれば、微小な変動を正確に検出できないことになる。
そこで、この第2実施形態では、基準圧力室20にも、検出対象Aの圧力に応じて設定した圧力を導き、初期状態で第2フラッパー4の中立状態を保って、第2フラッパー4の検出感度を落とすことなく、より正確に検出対象Aの微小な圧力変化を検出することができるようにしている。
さらに、供給通路12の分岐路26を形成し、この分岐路26を絞り27を介して基準圧力室20に接続して、基準圧力室20に圧力流体を供給するようにしている。
その他の構成は、上記第2実施形態と同様の構成であり、第2実施形態と同じ構成要素には、図2と同じ符号を用いるとともに、各構成要素の詳細な説明は省略する。
但し、この第3実施形態では、ノズル10の先端10aと第1フラッパー2との間隔xを小さくし、圧力検出室17の圧力変化がない初期状態において上記先端10aと第1フラッパー2との間に絞りが形成されるようにしている。そして、この絞り25に流体を流すことによって差圧を発生させ、これを後で説明するこの発明のバイアス圧力として基準圧力室20に作用させている。
上記分岐路26を介して供給される圧力流体は、基準圧力室20から、接続路24及び通路15を介して排出されるが、接続路24に絞り25を設けることによって、その上流側である基準圧力室20内の圧力を絞り25で発生する差圧分だけ高く保つことができる。
なお、上記絞り25によって上昇する基準圧力室20の圧力が、この発明のバイアス圧力に相当する。
また、図3において、絞り25を模式的に示しているが、この絞り25は、上記バイアス圧力を決めるため、その開度を調整可能な構造にしている。
なお、図4において上記第3実施形態と同様の構成要素には、図3と同じ符号を用いている。
そして、上記増幅圧力導入室31には隔壁33を介して基準圧力室20を隣接させ、この隔壁33には差圧センサSを設けている。
さらに、フラッパー28、ノズル32、第2の比較圧力室29及び第2の増幅圧力導入室31によって第2の増幅ユニットを構成し、これにより、上記増幅圧力導入室19の圧力を増幅して、第2の増幅圧力導入室31へ導いている。
そして、上記第1、第2の増幅ユニットによってこの発明の圧力増幅機構を構成し、この圧力増幅機構で増幅された圧力である上記第2の増幅圧力導入室31の圧力と基準圧力室20の圧力との差圧を上記差圧センサSで検出するようにしている。
また、この第4実施形態においても、ノズル10の先端10aと第1フラッパー2との間隔、ノズル32の先端32aとフラッパー28との間隔を非常に小さくして、いずれのノズル10,32の先端側に、初期状態においても絞りが形成されるようにしている。
この第4実施形態では、差圧センサSを用いているが、上記隔壁33の代わりに、圧力検出用フラッパーを用い、上記他の実施形態と同様に、スイッチ部材13及び磁気スイッチ14を用いれば、より安価な構成で圧力検出ができる。
図5に示す第1参考例は、本体1に、高圧変動対象Aを接続する高圧検出室36と、低圧変動対象Bを接続する低圧検出室37と、増幅圧力導入室19と、基準圧力室20とを備えている。
そして、各室の外部に形成した通路構成は、図2に示す第2実施形態の通路15に設けた絞り21を備えていない以外は、第2実施形態と同じである。従って、この第1参考例において、第2実施形態と同じ構成要素には、図2と同じ符号を用い、同じ機能についての詳細な説明は省略する。
この第1参考例の圧力検出装置が、高圧変動対象Aと低圧変動対象Bの差圧を検出する作用を以下に説明する。
上記高圧変動対象Aと低圧変動対象Bとの間に差圧があると、第1フラッパー2がその差圧によって低圧検出室37側へ変位してノズル10の先端10aと第1フラッパー2との間隔を縮める。これにより、ノズル10の先端10a側に絞りが形成され、増幅圧力導入室19の圧力が上昇する。
そして、上記圧力増幅機構によって増幅され、増幅圧力導入室19へ導かれた圧力と基準圧力室20との差圧によって第2フラッパー4が変位して磁気スイッチ14がオンする構成である。つまり、この第2フラッパー4は、圧力検出用のフラッパーであり、上記圧力増幅用の第1フラッパー2とは役割が異なる。
もしも、上記基準圧力室20と低圧検出室37とが連通していなければ、高圧検出室36と低圧検出室37との差圧がなくても、低圧検出室37の圧力が基準圧力室20よりも高くなることによって、第2フラッパー4を変位させて磁気スイッチ14を動作させてしまうことが起こる。
これでは、微細な差圧を検出することはできないが、この第1参考例の構成ではそのようなことはない。
なお、この第1参考例においても、供給通路12の分岐路22及び絞り23の機能は、上記各実施形態と同様であり、高圧変動対象A側の流体が高圧検出室36内に流入することを防止するためのものである。従って、差圧を正確に検出する目的においては、必須の構成要素ではない。
この第2参考例において、第1参考例と同様の構成要素には、図5と同じ符号を用いるとともに、各構成要素についての説明は省略する。
但し、この第2参考例では、ノズル10の先端10aと第1フラッパー2との間隔xを小さくして、低圧検出室37の圧力変化がない初期状態においても、上記先端10aと第1フラッパー2との間に絞りが形成されるようにしている。
そこで、上記絞り25を、上記ノズル10の先端10aとの間隔xで構成される絞りに相当する大きさにすれば、初期状態において基準圧力室20の圧力を、ノズル10の上流側である増幅圧力導入室19の圧力と等しくすることができる。従って、ノズル10の先端10aと第1フラッパー2との間隔xが非常に小さい場合でも、初期状態において第2フラッパー4が作動してしまうようなことがない。そのため、上記間隔xが小さい場合でも、微小な差圧を正確に検出することができる。
なお、上記絞り25によって上昇する基準圧力室20の圧力が、この発明のバイアス圧力に相当する。
なお、図6においても上記絞り25を模式的に示しているが、この絞り25は、上記バイアス圧力を決めるため、その開度を調整可能な構造にしている。
また、2段階の増幅機構は、図4に示す第4実施形態と同じである。
そこで、上記実施形態と同じ構成要素には、図4及び図6と同じ符号を用い、機能についての詳細な説明も省略する。
さらに、フラッパー28、ノズル32、第2の比較圧力室29及び第2の増幅圧力導入室31によって、第2の増幅ユニットを構成し、これにより、上記増幅圧力導入室19の圧力を増幅して、第2の増幅圧力導入室31へ導いている。
このように、圧力増幅機構を複数の増幅ユニットで構成することにより、検出対象の微小な差圧の増幅率を大きくすることができ、さらに検出精度を高めることができる。
しかし、圧力流体の排出側に設けた絞り35、25によって、第2の比較圧力室29と、基準圧力室20とにバイアス圧力を作用させて、上記第4実施形態と同様に、ノズル先端に形成される絞りによる影響を排除するようにしている。
4 第2フラッパー
10 ノズル
10a 先端
12 供給通路
13 スイッチ部材
14 磁気スイッチ
17 圧力検出室
18 比較圧力室
19 増幅圧力導入室
20 基準圧力室
21 (抵抗発生手段である)絞り
24 接続路
25 絞り
28 フラッパー
29 (第2の)比較圧力室
31 (第2の)増幅圧力導入室
32 ノズル
32a 先端
35 絞り
36 高圧検出室
37 低圧検出室
S 差圧センサ
Claims (3)
- 圧力変動対象に接続する圧力検出室と、上記圧力検出室に隣接し、フラッパーとノズルとを備えた圧力増幅機構とを備え、この圧力増幅機構には、上記ノズルに流体を供給する流体供給経路と、ノズルを通過した流体を排出する排出経路とを設け、上記圧力増幅機構で増幅された圧力を検出する圧力検出装置において、上記圧力増幅機構は、フラッパーと、このフラッパーに先端を近接させたノズルと、このノズルの下流側であって上記排出経路に接続した比較圧力室と、ノズルの上流側であって上記流体供給経路に接続した増幅圧力導入室とを一組にした増幅ユニットを、1または複数備えるとともに、上記排出経路に抵抗発生手段を設け、この抵抗発生手段によって、圧力の検出開始ポイントにおけるノズル先端とフラッパーとの間隔を初期の設定値に設定する構成にした圧力検出装置。
- 上記圧力増幅機構と区画された基準圧力室を備え、この基準圧力室と比較圧力室とを連通する連通路と、上記圧力増幅機構で増幅された圧力と上記基準圧力室の圧力との差圧を検出する差圧検出手段を備えた請求項1に記載の圧力検出装置。
- 上記基準圧力室に流体供給経路を接続するとともに、上記連通路に絞りを設け、この絞りによって、上記検出開始ポイントにおける上記基準圧力室の圧力とこの基準圧力室と隣接する増幅圧力導入室の圧力とをほぼ等しく保つためのバイアス圧力を基準圧力室に作用させる構成にした請求項2に記載の圧力検出装置。
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