JP5020054B2 - 低電力保安器 - Google Patents

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Description

本発明は、交流区間のき電回路において、トロリ線地絡事故時に駅構内の電柱等の対地電位上昇を防止する地絡保護用の低電力保安器に関する。
交流き電方式は、電力供給用電線である電車線の絶縁を碍子により構成しているが、台風による急速汚染や鳥の接触あるいは飛来物により、がいしせん絡となって地絡事故が発生する場合がある。
すなわち、電車線には電車を駆動する高電圧大電流が流れており、上記碍子のせん絡や電車線の地絡事故が発生した際、地絡点の構造物に過電圧が発生したり、地絡点周囲の大地電位上昇が発生し、電力機器や通信機器及び信号機器の電気設備などに損傷を与える場合がある。
このため、地絡点における過電圧の発生を抑制する保安器(電力保安器)が設けられている。
例えば、図20に示すBTき電回路において、保安器100は、変電所SSに電流を帰還させる負き電線NFと、駅構内における保護対象の電柱に接続された保護地線FWとの間に設けられている。
ブースタトランスBTは、所定区間毎に設置されており、変電所SSから電力をトロリ線Tを介して負荷である電気車ECに供給する。
また、ブースタートランスBTは、トロリ線Tから電気車ECを介してレール101に流れる電流を、吸上線Eを介して負き電線NFに吸い上げて変電所SSに戻す。この吸い上げ線Eは上記ブースタートランスBT間の区間毎に負き電線NFに設けられている。
保護地線FWは、地絡事故保護対象の電柱などの構造物に接続され、かつ接地抵抗Rgを介して接地されている。
ブースタートランスBTが設けられている箇所に、それぞれエアセクション102が設けられており、トロリ線Tは各き電線区間に分割されている。また、上記エアセクション102のみでなく、異なる変電所(交流電流の位相が異なる)に接続され、それぞれから延びるトロリ線間等に設けられるデッドセクション103も存在している。
従来、この保安器としては、図21に示すように、接続端子505が設けられた放電電極501と、接続端子506が設けられた放電電極502と、からなるギャップ放電器を構成し、上記接続端子505あるいは接続端子506を各々、負き電線NF及び保護地線FW間に設けて、上記放電電極501及び502間の間隙である放電ギャップG1の幅を調整して放電電圧を制御し、このギャップ放電器により地絡点における過電圧の発生を抑制する構成としていた。この放電電圧は例えば交流2500Vにて放電が開始されるように調整されている。
そして、地絡事故時に保護地線に高電圧が発生すると、放電器を介して負き電線に故障電流を戻すため、保護地線に接続されている電柱付近の信号機器等を壊すことがなくなる。
しかしながら、負き電線NFには電車のデッドセクション通過に伴い、サージ電圧が発生しており、このサージ電圧により放電が開始されると、その放電がトリガとなり、放電器に印加される交流電圧が通常の電車運転時のAC200V〜400Vであっても、交流電圧の放電が発生・持続する続流が流れ、この続流により発生する熱により保安器が焼損する問題がある。
この問題を解決するため、図22に示すように一定電圧以上となると放電する放電管601(セラミック放電管)と、一定電圧以上となると抵抗が低下し放電電流を流すバリスタ602(酸化亜鉛素子)とを端子605及び端子606間にて直列接続した保護回路607を構成し、端子605及び端子606の一方を負き電線NFに、他方を保護地線FW間に接続して放電させる(例えば、特許文献1参照)。
この構成により、バリスタを設けることにより、通常電圧に低下すると放電電流の流れる経路を除去することとなり、上述した続流が流れる現象をなくし、保安器の焼損を防止することができる。
しかしながら、一度の放電において、放電管601あるいはバリスタ602のいずれかが破壊される場合があり、この際に保護回路を交換する必要がある。
また、き電回路においては、再閉路、すなわち一回放電する状態が発生すると、再度放電する状態となる確率が高いため、上述した保護回路の破壊を考慮し、上記保護回路607と並列に、放電管603及びバリスタ604を直列に接続した保護回路608を端子605及び端子606間に設けて、放電器を構成している。
特開2005−073316号公報
しかしながら、最近、過密化する電車の運行制御に対し、駅構内において電子回路、すなわち弱電の電子機器や通信経路などを用いる制御が多用されるようになっている。
このため、上述した保安器を設けたとしても、これらの電子機器が破壊される場合があるため、保安器における放電開始電圧を2500Vから800V程度に低下させる要望がある。
ところが、保安器の放電開始電圧を800V程度に低下させると、電車がエアセクションやデッドセクションを通過する際、頻繁、例えば通過する毎にサージによる放電が発生するため、保護回路が破壊されて交換する頻度が高くなり、保守費が増加してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、放電開始電圧を低下させて電子機器等に対する地絡保護能力を向上させ、かつ通常運転時に発生する低い電圧のサージにおける放電電流による破壊を抑制することができる電力保安器を提供することを目的とする。
本発明の電力保安器は、交流き電回路において負き電線と保護地線との間に設けられる電力保安器であり、一方の端子が前記負き電線に接続された放電器と、該放電器の他端に接続された第1の電極と、前記放電器の他端に接続された第2の電極と、前記保護地線に接続された第3の電極と、前記第1の電極及び前記第3の電極間に介挿されたサージ保護素子と、前記第2の電極及び前記第3の電極間に介挿された抵抗とを有する保安器から構成されていることを特徴とする。
本発明の電力保安器は、前記負き電線に接続され、前記第3の電極の近傍に配置された第4の電極をさらに有することを特徴とする。
本発明の電力保安器は、前記放電器の放電開始電圧が、前記サージ保護素子の動作開始電圧に対して低く設定されていることを特徴とする。
本発明の電力保安器は、前記サージ保護素子の動作開始電圧が、印加されるサージ電圧が放電電流を前記抵抗に流す上限として設定された電圧を超えた場合に前記抵抗の両端に発生する電圧として設定されていることを特徴とする。
本発明の電力保安器は、前記保安器が前記負き電線及び保護地線間に並列に設けられたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、放電管の放電開始電圧の電圧値近傍のサージ電圧により放電した場合、放電電流が抵抗を流れ、上記放電開始電圧の電圧値より高く設定されたバリスタの動作開始電圧を超えたサージ電圧の場合、放電電流がバリスタを流れる構成としたため、従来に比較して頻繁に保安器における保護回路を破壊することなく、放電開始電圧を低下させて電子機器等に対する地絡保護能力を向上させることが可能となる。
本発明は、交流区間のき電回路において、トロリ線地絡事故時に駅構内の電柱等の対地電位上昇を防止する地絡保護用の電力保安器であり、サージ電圧の電圧値により放電電流が流れる経路を変化させ、電力保安器の故障の頻度を低下させることを可能とし、交流放電電流開始電圧の低下を容易に実現するものである。
すなわち、地絡故障点の対地電圧上昇を、例えば、2500Vから800Vと、1/3程度とし、感電及び構造物さらには弱電機器への対地電圧上昇の影響を、従来に比較して抑制するものである。
以下、本発明の一実施形態による電力保安器を図面を参照して説明する。図1は同実施形態による電力保安器50の構成例を示す概念図である。この図1の電力保安器50は図20に示す電力保安器100と同様に、負き電線NF及び保護地線FW間に介挿されて用いられるものである。
この図において、電力保安器50は、負き電線NFと保護地線FWとの間に、同様な構成の保安器10及び保安器20が並列に配置して構成されている。
保安器10は、放電管11、金属電極12,13,14,15、バリスタ16、抵抗17、端子18,19から構成されている。
金属電極15は端子18に接続され、金属電極14は端子19に接続されている。また、端子18は負き電線NFに接続され、端子19は保護地線FWに接続されている。
上記保安器10において、放電管11は、端子18と金属電極12及び13との間に介挿されており、例えば放電開始電圧が800V程度であり、地絡事故が起きた際、20000V程度の電圧が印加された場合の放電電流に耐える程度の電流耐量が、従来の保安器(図21)と同等のものを用いる。
上記バリスタ16は、金属電極12及び金属電極14との間に介挿され、サージ保護素子として用いられている。このサージ保護素子としては、他に、放電管、ガスアレスタ、半導体アレスタ等がある。
このバリスタ16は、放電管21より放電電圧が高く、後述するように、放電の動作開始電圧が、印加されるサージ電圧が上記抵抗17に流す放電電流の上限として設定された電圧、すなわち抵抗17に印加する上限としたサージ電圧による放電電流により、抵抗17の両端に発生する電圧として設定されている。
抵抗17は、金属電極13及び金属電極14の間に介挿されており、抵抗値としては140〜300Ωに設定され、インパルス耐圧としては5kV程度のものが使用される。
また、保安器10は、各構成要素であるバリスタ16、抵抗17及び放電管11を容易に交換できる構造とする。
同様に、保安器20は、放電管21、電属電極22,23,24,25、バリスタ26、抵抗27、端子28,29から構成されている。
金属電極25は端子28に接続され、金属電極24は端子29に接続されている。また、端子28は負き電線NFに接続され、端子29は保護地線FWに接続されている。
上記保安器20において、放電管21は、端子28と金属電極22及び23との間に介挿されており、上記放電管11と同様の特性を有している。
上記バリスタ26は、金属電極22及び金属電極24との間に介挿され、サージ保護素子として用いられ、上記バリスタ16と同様の特性を有している。
このバリスタ26は、放電管21より放電電圧が高く、後述するように、放電の動作開始電圧が、印加されるサージ電圧が上記抵抗27に流す放電電流の上限として設定された電圧、すなわち抵抗27に印加する上限としたサージ電圧による放電電流により、抵抗27の両端に発生する電圧として設定されている。
抵抗27は、金属電極23及び金属電極24の間に介挿されており、上記抵抗17と同様の特性を有している。
また、保安器20は、上記保安器10と同様に、各構成要素であるバリスタ26、抵抗27及び放電管21を容易に交換できる構造とする。
また、図2に保安器10の構成において、上面から見た金属電極12,13,14,15、バリスタ16及び抵抗17との配置を示す。金属電極15は、金属電極14近傍に配置されている。
詳細は後述するが、金属電極15を金属電極14の近傍に配置する理由は次の通りである。すなわち、バリスタ16あるいは抵抗17が破損した場合には、金属電極12あるいは金属電極13と金属電極14との間にアークが発生することとなるが、金属電極15と金属電極14との距離が近いと、前記アークがその後金属電極15と金属電極14との間に移行しやすくなるからである。前記アークが金属電極15と金属電極14との間に移行すれば、放電器11の放電が停止するため、放電器11の劣化を抑制することができる。
金属電極12,13,14,15は各々の間のアーク放電が可能な距離のアーク放電領域内に配置されている。上記各金属電極の構成については、後述するように保安器20も同様である。
上述した保安器10及び20は、多頻度の放電によるバリスタ(バリスタ16あるいはバリスタ26)の劣化を抑制するため、バリスタに放電電流が流れる頻度を、従来の続流抑止型の電力保安器と同等か、あるいはそれ以下とする必要がある。
実測例によると、負き電線NFにおけるサージ最大電圧が5000V程度である。
したがって、本実施形態における保安器10及び20において、バリスタに放電電流が流れる頻度を従来の続流抑止型の電力保安器と同等か、あるいはそれ以下とするためには、約5000V以下のサージの発生の際、抵抗に放電電流を流し、バリスタに放電電流を流さないようにし、一方、5000Vを超えるサージの発生の際、バリスタに放電電流を流すよう構成する。
次に、図3及び図4を用いて、本実施形態による保安器10(あるいは20)における放電管11(あるいは21)、バリスタ16(あるいは26)、抵抗17(あるいは27)の特性の設定について説明する。以下、保安器10を用いて説明するが、保安器20においても保安器10の場合と同様に特性を設定する。
図3に負き電線NFに発生したサージにより、保安器10(あるいは20)が放電した場合の等価回路を示す。また、図3における負き電線NFに発生するサージ電圧が5000Vとして、抵抗17に発生する電圧VR及び放電電流を計算した結果を図4に示す。
負き電線NFと大地との電位差VGは(1)式により求められ、抵抗Rに流れる電流iは(2)式により求められ、電圧VRは(3)式により求められる。この(1)式において、eはサージ電圧であり、rは抵抗Rの抵抗値であり、rgは抵抗Rgの抵抗値であり、Zは負き電線NFのサージインピーダンスである。
図4(a)は、上記(1)〜(3)式を用いたシミュレーションにより、負き電線NFのサージインピーダンスが200Ω、300Ω及び400Ωのそれぞれの場合における抵抗Rと電圧VRとの関係を示すグラフである。
そして、上述した保安器10において、放電管11は、交流放電開始電圧について、この保安器10の適用が予定される駅構内にて、負き電線NFの対地電圧を実測し、この実測結果から常時の交流電圧の環境にて放電しない電圧範囲として、なるべく低い電圧を採用する。例えば、線区によって異なると考えられるが700〜900V程度の範囲内にて設定される。このとき、放電管におけるサージによる放電頻度として、交流放電開始電圧が2500Vの従来の続流抑止型保安器では、サージによる放電頻度は、1日に数回程度であった。
しかしながら、交流放電開始電圧を700V〜900V(本実施形態においては800V程度)とした場合、かなりの放電頻度の増加が予想され、実際の放電頻度については、各線区における現地測定によって把握する必要がある。
また、サージ発生の際に各放電により流れる放電電流iは、図3に示した計算結果によると、例えば負き電線NFのサージインピー・ダンスを300Ω、保安器10の接地抵抗Rgを10Ω、保安器10の抵抗R17を150Ωとすると、5000Vのサージ電圧eが印加された際、15A〜20A程度となる。
したがって、通常のエアセクションやデッドセクションを電車が通過する際に、負き電線NFに発生するサージ電圧eは、2000V〜3000Vの電圧レベルのものが実測して多いことが検出されているため、平均的なサージ放電電流はほぼ10A程度になると予想される。しかしながら、実際の放電電流iについては、保安器10を設置する線区における実測により確認する必要がある。
次に、上述した保安器10において、バリスタ16は、動作開始電圧を従来の続流抑止型保安器にて実績のある1800Vと設定する。このバリスタに流れる電流は、各バリスタのV−i特性に依存するが、図3の回路における負き電線NFのサージインピーダンスZを300Ω、保安器10の接地抵抗Rgの抵抗値rgを10Ω、バリスタ16の動作開始電圧、すなわち1800Vを超えた際の抵抗を0Ω、サージ電圧を7000Vとすると、バリスタ16に流れる電流は44Aとなる。したがって、バリスタ16に流れるサージ電流の最大値は50A程度と推測される。
次に、上述した保安器50において、抵抗17は、並列に接続されるバリスタ16の動作開始電圧が上述したように1800Vであり、かつバリスタ16のV−i特性が50A通電時にて約3000V程度であるため、耐圧を4000V以上のものに設定する。図23はバリスタの寿命特性の一例である。サージ電流が10A以下であればサージ波長が500μsとしても寿命は100万回以上である。また、図24はこのバリスタのv−i特性であり10A通電時の制限電圧は2800Vとなっている。
したがって抵抗17の抵抗値rは、保安器10に対して5000V以下のサージ電圧が印加された際、放電電流iを抵抗に流すようにするため、5000Vのサージ電圧が印加されたときに、抵抗17の端子間電圧VRがバリスタの10A通電時の制限電圧(本実施形態において2800V)以下であればよい。
ここで、サージ電圧が5000Vの時に、バリスタにかかる電圧を2800V以下、すなわち電圧VRを2800V以下とするためには、抵抗Rの抵抗値を100Ωから300Ωとすればよいことが図4(a)から判る。
すなわち、図4に示したシミュレーション結果によると、抵抗値rは、負き電線NFのサージインピーダンスZを200Ωとすると140Ω以下であり、サージインピーダンスZを300Ωとすると203Ω以下であり、サージインピーダンスZを400Ωとすると267Ω以下となる。
したがって、抵抗値rの適正値は、100Ω〜300Ωの範囲にあると推測されるが、実際には各線区による実測により、続流抑止が可能であることの確認して設定する必要がある。
続流抑止機能の確認については、鉄道総合研究所内試験と現地試験で確認する。
次に、図を用いて、本実施形態による保安器10及び20より構成される電力保安器50の動作を説明する。
<サージ電圧eが5000V未満の場合>
図5を参照して、サージ電圧eが5000V未満の場合の、負き電線NFから保護地線FWへの放電の動作について説明する。ここでは、負き電線NF及び保護地線FW間に並列に設けられている保安器10及び20において、いずれにも放電電流が流れる可能性はあるが、最初に保安器10に放電電流が流れたとして説明する。
まず、端子18,28と、端子19,29との間に5000V未満のサージ電圧が印加されると、保安器10の放電管11が放電を開始する。
そして、この放電電流iが抵抗17を流れた際、抵抗値rを上述した値に設定しているため、金属電極13及び金属電極14間の電圧VRが2800Vを超えず、すなわち、バリスタ16の制限電圧(10A通電時)2800Vを超えないため、バリスタ16には10A以下の放電電流しか流れない。このとき、続流が抑制される。
これにより、サージ電圧eが5000V以下の場合、抵抗17に放電電流iの大半が流れ、一方、バリスタ16には10A以上の電流が流れずに(バリスタに放電電流が流れる回数を低減させて)、バリスタの劣化を抑制することができる。
<サージ電圧eが5000V以上の場合>
図6を用いて、サージ電圧eが5000V以上の場合の、負き電線NFから保護地線FWへの放電の動作について説明する。ここでは、負き電線NF及び保護地線FW間に並列に設けられている保安器10及び20において、いずれにも放電電流が流れる可能性はあるが、最初に保安器10に放電電流が流れたとして説明する。
まず、端子18,28と、端子19,29との間に5000V以上のサージ電圧が印加されると、放電管11が放電を開始する。
そして、図5に示すように、この放電電流iが抵抗17を流れた際、抵抗値rを上述した値に設定しているため、金属電圧14及び金属電極13(12)間の電圧VRが2800Vを超え、バリスタ17の制限電圧(10A通電時)を超えることとなる。
これにより、図6に示すように、バリスタ16に放電電流iが流れ、続流を抑制することになる。また、6000Vにてバリスタに10A以上の放電電流が流れ、金属電圧14及び金属電極13(12)間の電圧VRが電圧の上昇を抑制するため、抵抗17の絶縁保護の素子を兼ねているとも言える。
<地絡により1800V以上の交流電圧が印加された場合>
図7〜図10を用いて、地絡により1800V以上の交流電圧が印加された場合の電力保安器50の動作を説明する。ここでは、負き電線NF及び保護地線FW間に並列に設けられている保安器10及び20において、地絡事故において、いずれの保安器にも故障電流iFが流れる可能性はあるが、最初に保安器10に故障電流iFが流れたとして説明する。
地絡が起こり、端子18,28と、端子19,29との間に1800V以上の交流電圧が印加されると、保安器10の放電管11が放電を開始する。
図7に示すように、この故障電流iFが抵抗17を流れた際、抵抗値rを上述した値に設定しているため、金属電圧14及び金属電極13(12)間の電圧VRが1800Vを超え、バリスタ17の動作開始電圧1800Vを超えることとなる。
このため、図8に示すように、バリスタ16に故障電流iFが流れ、抵抗17にもある程度の電流が流れる。
そして、図9に示すように、バリスタ16は上記故障電流iFにより発生する熱エネルギーにより破損(焼損)する。このため、バリスタ16に流れていた故障電流iFに対応して、金属電極12及び金属電極14との間にアーク放電が発生する。
このとき、図10に示すように、アークは自分自身の電流の電磁力によって駆動力が働き、伸長・移動し金属電極14の近傍に配置された金属電極15に触れ、金属電極12及び金属電極14との間のアーク放電が、金属電極15と金属電極14との間に移行する。
これにより、アーク放電が金属電極12と金属電極14との間から無くなるため、故障電流iFが放電管11を流れなくなり、放電管11の電極の消耗を最小限に抑制することができる。また、この際、変電所の遮断器がオフ状態となり、事故電流iFが遮断され、金属電極15と金属電極14との間のアーク放電が消滅する。
次に、一定時間後に、変電所の遮断器がオン状態となり、地絡が解消していないと再度、端子18,28と、端子19,29との間に1800V以上の交流電圧が印加されると、保安器10の放電管11が放電を開始する。
そして、この故障電流iFが抵抗17を流れた際、抵抗値rを上述した値に設定しているため、金属電圧14及び金属電極13(12)間の電圧VRが1800Vを超え、バリスタ17の動作開始電圧1800Vを超えることとなる。
しかしながら、図11に示すように、すでにバリスタ16が破損して存在しないため、地絡により印加された電圧による事故電流iFが抵抗R17に流れ続けることとなる。
そして、図12に示すように、抵抗17は上記故障電流iFにより発生する熱エネルギーにより破損する。このため、抵抗17に流れていた故障電流iFに対応して、金属電極13及び金属電極14との間にアーク放電が発生する。
このとき、図13に示すように、アークは自分自身の電流の電磁力によって駆動力が働き、伸長・移動し金属電極14の近傍に配置された金属電極15に触れ、金属電極13及び金属電極14との間のアーク放電が、金属電極15と金属電極14との間に移行する。
これにより、アーク放電が金属電極13と金属電極14との間から無くなるため、故障電流iFが放電管11を流れなくなり、放電管11の消耗を抑制することができる。また、この際、変電所の遮断器がオフ状態となり、事故電流iFが遮断され、金属電極15と金属電極14との間のアーク放電が消滅する。
また、一定時間後に、変電所の遮断機がオン状態となり、地絡が解消していないと再度、端子18,28と、端子19,29との間に1800V以上の交流電圧が印加され、保安器10が破損しているため、保安器20の放電管21が放電を開始する。この以降の動作としては、すでに述べた保安器10の場合と同様である。
<地絡により1800V以下の交流電圧が印加された場合>
図14〜図19を用いて、地絡により1800V以下の交流電圧が印加された場合の電力保安器50の動作を説明する。ここでは、負き電線NF及び保護地線FW間に並列に設けられている保安器10及び20において、地絡事故において、いずれの保安器にも故障電流iFが流れる可能性はあるが、最初に保安器10に故障電流iFが流れたとして説明する。
地絡が起こり、端子18,28と、端子19,29との間に1800V以下の交流電圧が印加されると、保安器10の放電管11が放電を開始する。
図14に示すように、この故障電流iFが抵抗17を流れた際、抵抗値rを上述した値に設定しているため、金属電圧14及び金属電極13(12)間の電圧VRが1800Vを超えず、故障電流iFが抵抗17を流れ続けることとなる。
そして、図15に示すように、抵抗17は上記故障電流iFにより発生する熱エネルギーにより破損する。このため、抵抗17に流れていた故障電流iFに対応して、金属電極13及び金属電極14との間にアーク放電が発生する。
このとき、図16に示すように、アークは自分自身の電流の電磁力によって駆動力が働き、伸長・移動し金属電極14の近傍に配置された金属電極15に触れ、金属電極13及び金属電極14との間のアーク放電が、金属電極15と金属電極14との間に移行する。
これにより、アーク放電が金属電極13と金属電極14との間から無くなるため、故障電流iFが放電管11を流れなくなり、放電管11の消耗を抑制することができる。また、この際、変電所の遮断器がオフ状態となり、事故電流iFが遮断され、金属電極15と金属電極14との間のアーク放電が消滅する。
次に、一定時間後に、変電所の遮断器がオン状態となるが、地絡が解消していない場合、端子18,28と、端子19,29との間に1800V以下の交流電圧が印加され、故障電流iFが再度流れ、保安器10が破損しているため、保安器20の放電管21が放電を開始する。
図17に示すように、この故障電流iFが抵抗27を流れた際、抵抗値rを上述した値に設定しているため、金属電圧24及び金属電極23(22)間の電圧VRが1800Vを超えず、故障電流iFが抵抗27を流れ続けることとなる。
そして、図18に示すように、抵抗27は上記故障電流iFにより発生する熱エネルギーにより破損する。このため、抵抗27に流れていた故障電流iFに対応して、金属電極23及び金属電極24との間にアーク放電が発生する。
このとき、図19に示すように、アークは自分自身の電流の電磁力によって駆動力が働き、伸長・移動し金属電極24の近傍に配置された金属電極25に触れ、金属電極23及び金属電極24との間のアーク放電が、金属電極25と金属電極24との間に移行する。
これにより、アーク放電が金属電極23と金属電極24との間から無くなるため、故障電流iFが放電管21を流れなくなり、放電管21の消耗を抑制することができる。また、この際、変電所の遮断機がオフ状態となり、事故電流iFが遮断され、金属電極25と金属電極24との間のアーク放電が消滅する。
本発明の実施形態による電力保安器50の構成例を示すブロック図である。 図1における第1のバリスタ16,第2のバリスタ26,金属電極12、13、14及び15の上面から見た配置関係を示す概念図である。 負き電線NF、保護地線FW、トロリ線T及び電力保安器50からなる抵抗値Rを設定するために用いる等価回路を示す図である。 図3を用いてシミュレーションした抵抗Rの抵抗値rと、抵抗Rの両端の電圧または抵抗Rに流れる電流との関係を示すグラフである。 サージ電圧が印加され、放電器11が放電して抵抗17に放電電流iが流れる状態を示す概念図である。 サージ電圧が印加され、放電器11が放電し、抵抗17の端子間電圧がバリスタ16の動作開始電圧を超えた場合の放電電流iの流れる経路を説明する概念図である。 地絡により電圧が印加され、放電器11が放電して抵抗17に放電電流iが流れる状態を示す概念図である。 地絡により電圧が印加され、放電器11が放電し、抵抗17の端子間電圧がバリスタ16の動作開始電圧を超えた場合の放電電流iの流れる経路を説明する概念図である。 放電電流iの熱エネルギによりバリスタ16が破損し、金属電極12及び14の間におけるアーク放電の発生を示す概念図である。 金属電極12及び14の間におけるアーク放電が、金属電極15及び金属電極14の間への移行する現象を示す概念図である。 地絡により電圧が印加され、放電器11が放電して抵抗17に放電電流iが流れる状態を示す概念図である。 放電電流iの熱エネルギにより抵抗17が破損し、金属電極13及び14の間におけるアーク放電の発生を示す概念図である。 金属電極13及び14の間におけるアーク放電が、金属電極15及び金属電極14の間への移行する現象を示す概念図である。 地絡により電圧が印加され、放電器11が放電して抵抗17に放電電流iが流れる状態を示す概念図である。 放電電流iの熱エネルギにより抵抗17が破損し、金属電極13及び14の間におけるアーク放電の発生を示す概念図である。 金属電極13及び14の間におけるアーク放電が、金属電極15及び金属電極14の間への移行する現象を示す概念図である。 地絡により電圧が印加され、放電器21が放電して抵抗27に放電電流iが流れる状態を示す概念図である。 放電電流iの熱エネルギにより抵抗27が破損し、金属電極23及び24の間におけるアーク放電の発生を示す概念図である。 金属電極23及び24の間におけるアーク放電が、金属電極25及び金属電極24の間への移行する現象を示す概念図である。 電力保安器が用いられる交流き電回路の例として、BTき電回路の構成を示す概念図である。 従来の電力保安器の構成を説明する概念図である。 従来の電力保安器の構成を説明する概念図である。 本実施形態に用いたバリスタの寿命特性の一例を示すグラフである。 本実施形態に用いたバリスタのv−i特性の一例を示すグラフである。
符号の説明
10,20…保安器
11,21…放電器
12,13,14,15,22,23,24,25…金属電極
16,26…バリスタ
17,27,Rg…抵抗
50…電力保安器
18,19,28,29…端子
NF…負き電線
FW…保護地線
T…トロリ線

Claims (3)

  1. 交流き電回路において負き電線と保護地線との間に設けられる電力保安器であり、
    一方の端子が前記負き電線に接続された放電器と、
    該放電器の他端に接続された第1の電極と、
    前記放電器の他端に接続された第2の電極と、
    前記保護地線に接続された第3の電極と、
    前記第1の電極及び前記第3の電極間に介挿されたサージ保護素子と、
    前記第2の電極及び前記第3の電極間に介挿された抵抗と
    前記負き電線に接続され、前記第3の電極の近傍に配置された第4の電極と、
    を有し、
    前記サージ保護素子の動作開始電圧が、印加されるサージ電圧が放電電流を前記抵抗に流す上限として設定された電圧を超えた場合に前記抵抗の両端に発生する電圧として設定されていることを特徴とする低電力保安器。
  2. 前記放電器の放電開始電圧が、前記サージ保護素子の動作開始電圧に対して低く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の低電力保安器。
  3. 前記保安器が前記負き電線及び保護地線間に並列に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低電力保安器。
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